説明

大容量冷蔵コンプレッサ

高能率、低保守性の大容量冷却用の単段又は多段遠心コンプレッサアセンブリに関する。アセンブリは永久磁石モータを駆動し、コンプレッサの付加とコンプレッサの速度を適合させる可変周波数ドライブ(VFD)と、ギヤによる損失を無くした直接駆動インペラと、摩擦による損失を低減した磁気軸受けとにより能率性に優れる。モータにより生じる起電力により電力が減少した場合に磁気軸受けに給電する中間部の電源が得られる。冷却システムは気体冷媒を使用して回転子を直接冷却し、液体冷媒を使用して固定子を直接冷却する。モジュール構造によりコンプレッサは性能を高めるための装置を組み込むことができる。入口ガイドベーンシステムはオイルによる潤滑剤無しで動作する。軽量金属の鋳造物を使用し、ギヤを取り除くことにより、重量が給電される公知のユニットと比較して3分の1以下に減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンプレッサに関する。より詳細には本発明は冷蔵庫及びエアコンシステムの大容量冷蔵コンプレッサに関する。
【背景技術】
【0002】
工業用の冷蔵システムやオフィス用のエアコンシステム等の大型の冷蔵設備は400以上の冷蔵トン(1400kW)の大容量冷却システムを使用する。このレベルの容量の放出には非常に大型の単段コンプレッサシステムや多段コンプレッサシステムの使用が要求される。既存のコンプレッサシステムは通常ハーメチック(密閉)タイプ、セミハーメチックタイプや、オープン駆動タイプの誘導型モータにより駆動される。駆動モータは250kWを越えるレベルの圧力、且つ3600rpm付近の回転速度により動作する。上記コンプレッサシステムは通常潤滑流体軸受け又は回転要素軸受けによって支持される回転要素を備える。
【0003】
所定の冷蔵システムの容量は所定の入出力の状況に応じて変化する。従って、暖房、換気、及び空調(HVAC)産業により、冷蔵システムの容量が決定される標準仕様が開発されてきた。標準的な水冷式冷却器システムの仕様は、コンデンサの水の入力が29.4℃(84°F)にてキロワット当たり0.054リットル毎秒(トン当たり3.0gpm(ガロン毎分))、水側のコンデンサの汚れ係数許容量がキロワット当たり0.044m−℃(イギリス熱単位(BTU)当たり0.00025時−ft−°F)、気化水出力が6.7℃(44.0°F)にてキロワット当たり0.043リットル毎秒(トン当たり2.4gpm(ガロン毎分))、及び水川のエバポレータの汚れ係数許容量がキロワット当たり0.018m−℃(イギリス熱単位(BTU)当たり0.0001hr−ft−°F)である。
【0004】
これらの条件はAir−Conditioning and Refrigeration Institute(ARI)によって設定され、非特許文献1に開示され、その全体が、特別に定義される用語の定義を除きここで開示されたものとする。これらの条件下にて決定される冷蔵システムのトン数は以下「標準冷蔵トン」と呼ぶ。
【0005】
冷却器システムにおいて、コンプレッサは上記ポンプとして稼動し、蒸気圧からより高い凝縮圧力まで冷媒を圧搾する。回転コンプレッサ、スクリューコンプレッサ、スクロールコンプレッサ、往復コンプレッサ、及び遠心コンプレッサを含む様々なコンプレッサがこの工程を実施することに使用されてきた。各コンプレッサは異なる冷却性能の範囲における様々な用途に利点を有する。大きな冷却性能のために、遠心コンプレッサが最も高い等エントロピ効率を有し、これにより冷却器の冷蔵サイクルにおいて最も高い全体的な熱効率を有することが周知である。Scaringe等による特許文献1を参照のこと。
【0006】
通常コンプレッサは空力部と、駆動系と、制御システムとを備える。使用される空力部は冷媒、必要な圧力比、及び容量範囲を含む複数の要因によって大別される。空力部は1つのインペラ(単段)又は複数のインペラ(多段)を有する。単段コンプレッサは圧力比が通常3未満であり、且つ設備に要するコストが重要である場合における冷却の応用に非常に好適である。単段コンプレッサは通常多段コンプレッサと比較して、広い動作範囲にわたってサイクルの能率が一貫していることを特徴とする。
【0007】
多段コンプレッサにおいて、各段は前の段の出口からの圧縮された気体の圧力を上昇させる。多段コンプレッサはエコノマイザ(別名「インタークーラー」)が装着され、これにより狭小な動作範囲にわたって単段コンプレッサと比較してより高いサイクルの能率を得られるが、費用がかかるものとなり、複雑性を増す。非特許文献2,3を参照のこと。これらは特別に定義された用語の定義を除き、その全体がここで開示されたものとする。必要な圧力比が大きくなると、多段コンプレッサによる能率が大きくなる。大型化、大量の精密部品(例、多数のインペラや巻きほどき用のベーン)に対する要求、並びにエコノマイザ用の付加的なパイプ及び要素に伴いコストが上昇する。
【0008】
コンプレッサのインペラはモータによって直接駆動されても増速ギヤセットにより駆動されてもよい。HFC−134a等の高圧冷媒において、インペラの回転速度は3600回転毎秒(rpm)を越える。60Hz回線周波数において標準的な誘導電動機は最大3600rpmにて回転するため、ギヤによる増速装置が3600rpmを越える回転速度に到達するために要求される。ギヤによる増速装置は動力伝達においてギヤにより生じるエネルギーロス、及びオイルへの粘性損失を含む非能率による損失を引き起こす。
【0009】
これに代えて、誘導電動機は可変周波数ドライブ(VFD)により3600rpmの同期速度を超えて駆動されてもよい。しかしながら、誘導に伴う熱の損失と、これにより生じる非能率は、R−134a等の冷媒に必要とされる高速にて回転された場合に過剰となる。
【0010】
コンプレッサドライブシステムの優れた能率のために磁気軸受けを使用することが周知である。例えばConryによる特許文献2は遠心コンプレッサにおいて径方向動的磁気軸受け及び軸方向動的磁気軸受けを使用することを開示している。公知のコンプレッサシステムは流体軸受けや回転要素軸受けを使用し、シャフトジャーナルは回転要素や潤滑剤と接触する。磁気軸受けにより、回転要素への接触や潤滑剤による剪断力が不要となり、これにより潤滑剤ベースの軸受けと比較して障害が特徴的に少なくなる。
【0011】
しかしながら、磁気軸受けは軸受けが動力を失うと常に接触損傷に晒される。このような動力の損失は例えばコンプレッサの非稼働時における所定の動作となる(従って、これに応じて設計される)。しかし、動力の損失には予測できないものもあり、例えば電力の供給停止や電力供給におけるその他の障害等による。いずれの場合においても、不所望の接触が生じ、磁気軸受けの浮揚により得られる近接許容範囲に敏感な軸受けやその他の要素の損傷を引き起こし得る。
【0012】
磁気軸受け、直接駆動遠心冷蔵コンプレッサの設計における公知技術において、1つのコンプレッサによってより大きな容量を開発することは、シャフトのより大きな質量、径(即ち、より高い極慣性モーメント)、及び出力密度のため実現不能である。
【0013】
磁気軸受けの実装における別の課題は軸受け制御装置自体を欠くことにある。通常軸受け制御装置を欠くことにより、運動が制御されないため回転要素に損傷を生じる。
多くの大容量冷却器システムは一定の動作回転速度にて動作するモータを特徴とする。動作速度は全負荷において、或いは全負荷に近い状態における最適な性能に基づき選択される。しかしながら、より進化した制御方法は通常全負荷未満にて冷却器を頻繁に操作する。全負荷に満たない固定速度のコンプレッサの操作は非効率である。
【0014】
遠心コンプレッサにおいて冷媒はインペラにより冷却システムを通じて誘導される。現行の生産による既存のインペラは通常インペラを高速シャフトに取り付ける手段として漸減する穴を使用する。この取付態様は低コストであり、長年にわたって好適に使用されてきた。しかしながら漸減する穴による取付は固有の問題点を有する。例:(1)インペラ及びシャフトの配置は困難であり、時間を要する。(2)インペラの軸方向の取付箇所は再現不能であり、インペラを取り付けるときに応じて僅かに変化する。(3)シャフト及びインペラの組み合わせは各組立後に再びバランスを取ることが要求される。
【0015】
通常コンプレッサを駆動するモータは、特に複数の高出力モータを使用して動的に冷却される。冷却器システムにおいて、モータに冷媒剤を近接させることにより通常モータを冷却する手段となる。多くのシステムはバイパス回路に特徴を有する。バイパス回路は、コンプレッサが全出力にて、且つバイパス回路によりこれに伴う圧力の急落にて稼動する場合にモータを十分に冷却するように設計される。Conryによる特許文献2に開示されるようなその他のコンプレッサは、バイパス回路を通じて、コンプレッサ内に流入する冷媒を規制する整流器装置に流れる冷媒に関する。更に、Larminatによる特許文献3は気化した(非圧縮の)冷媒を冷媒として使用することを開示している。しかしながらバイパス回路は固有の問題点を有する。
【0016】
システムには連続して複数の要素を冷却するものもあるが、これらはコンプレッサの動作範囲を制限する。各要素の冷却負荷要件はコンプレッサ冷却性能、コンプレッサの吸引力、使用可能な温度、及び周囲の気温により変化する。従って冷媒の流れは連続した要素のうち1つのみと好適に適合し、所定の条件下においてのみその他の要素が過冷却されるか冷却不足になる状況となる。流れの制御を付加しても冷媒の流れは最も冷却を要する装置によって決定されるため、問題点を軽減することにならない。連続したその他の要素は冷却不足となるか過冷却となる。過冷却された要素は大気に暴露された場合に凝結する。冷却不足の装置は稼働の限界を越えるため要素の故障やユニットの障害を生じる。
【0017】
大型の冷却器システムは通常オイルを使用したシステムに対する所定の保守要求を有する。回転要素や流体軸受けが使用される場合に、軸受けは潤滑性を備える必要がある。同様にドライブシャフトの速度を漸増又は漸減させるギヤも潤滑性を備える必要がある。オイルを使用したシステムはこれらの要素に潤滑性をもたらすが、石油貯蔵槽、ポンプ、再循環ループ、オイルヒータ(冬季においてオイルの粘性を低く保持するため)、オイルクーラー(夏季においてオイルの過熱を防止するため)等の付属の要素を要する。これらの要素は通常フィルタ交換、シール交換、オイル品質標本採取、オイル交換、及びポンプ、ヒータ、クーラーの修理等の定期的な保守を要する。オイルを使用したシステムは冷媒要素と共通の雰囲気を共有する。雰囲気は通常オイルを冷媒内に案内し、熱遷移に対して悪影響を有する。更に、ポンプ、ヒーター、クーラー、及び往復ループ等の要素は周囲の雰囲気から隔離される必要があり、これは冷媒システム全体において冷媒が漏出する虞がある。
【0018】
内部のコンプレッサ要素を交換するために、既存のコンプレッサ設計は通常機能する予定のないその他のコンプレッサや機能を要しないその他のコンプレッサ要素を取り外すか解体する必要がある。再組立は通常時間を要し、不正確になされるとユニットの性能を変えてしまう正確な配置工程を要する。付加的に、空力部ハウジング及びモータハウジングは通常1つの鋳造構造体に収容され、寸法が既存の鋳造物の寸法に限定されるため空力要素を変えるか性能向上させる能力を減少させる。
【0019】
既存の大容量の遠心コンプレッサ設計の別の特徴はアセンブリの重量である。例えば通常の誘導電動機の回転子は数百ポンドであり、1000ポンド(約453.6kg)を超える。更に、既存の馬力及び冷蔵トン数の性能を越えるシステムが開発されると、これらのユニットの重量は輸送、設置、及び保守において課題となる。ユニットが地上に設けられた場合に重量は、課題というレベルを超え付加的な支持構造体に要する費用のため無理となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許第5924847号明細書
【特許文献2】米国特許第5857348号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0284173号明細書
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】ARI Standard 550/590「2003 Standard for Performance Rating of Water−Chilling Packages Using the Vapor Compression Cycle」
【非特許文献2】1996年、ASHRAE Handbook(インチ−ポンド版)、「Heating, Ventilating and Air Conditioning Systems and Equipment」
【非特許文献3】2005年、ASHRAE Handbook(インチ−ポンド版)「Fundamentals」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
HVAC産業において冷却器システムの性能を向上させることが長く要求されている。この要求の兆候は大容量冷却器の販売が連続して上昇していることにより強調されている。2006年に例えば200標準冷蔵トンより大きな容量のコンプレッサを備えた冷却器システムが2000以上販売されている。従って、既存のシステムや以前に販売されたシステムより大きな冷蔵性能を有し、既存の設計の問題点を克服するコンプレッサシステムの開発が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の各実施例による大容量冷却用に設計された単段又は多段遠心コンプレッサアセンブリが開示される。この設計により出力及び能率が高まり、信頼性が向上し、保守管理に必要な項目が低減される。
【0024】
大容量冷却器コンプレッサの設計における変数は回転子アセンブリ及び固定子アセンブリ並びに構造物の材料の径及び長さを含む。回転子アセンブリの径に対して設計トレードオフが存在する。回転子アセンブリはトルク要件を満たすために十分な大きさの径を有する必要がある。反対に径は、高い回転速度、即ち本発明の実施例において11000rpmを越え、場合により21000rpm付近にて動作する場合に通常の材料の応力を越える表面応力を生じるほど大きくしてはならない。更に、回転子アセンブリの径及び長さをより大きくすると、回転子アセンブリの長さに比例し、且つ径の2乗に比例した空力的吸引力(別名ウィンデージ(windage))が生じ、大きな損失となる。径及び長さが大きくなると、構造体の標準的な材料が使用されている場合に、回転子アセンブリの質量及び慣性モーメントが上昇する傾向にある。
【0025】
応力及び吸引力の減少により回転子アセンブリに小さな径を使用することが推奨される傾向にある。より小さな径の回転子アセンブリという限定の範囲内においてより高い出力容量を得るために、本発明の実施例において、永久磁石(PM)モータが使用される。永久磁石モータは3600rpmを越える動作に好適であり、コンプレッサの広い速度範囲及びトルク範囲にわたって証明されたもっとも優れた能率を示す。永久磁石モータは通常公知の誘導モータと比較して単位体積当たりより大きな出力を生じ、VFDと好適に組み合わせて使用される。付加的に、PMモータの力率は通常同等の出力の誘導モータと比較してより高く、発熱は通常より低い。従って、PMモータは誘導モータと比較して高いエネルギー効率を得られる。
【0026】
しかしながらより小さな径の回転子アセンブリという限定の範囲内において電力容量を更に高めることにより、電気的損失により生じた熱を転移させるための外側表面積が少なくなり、電力密度がより高くなる。従って、PMモータを使用する産業冷蔵システムやエアコンシステム等の大型の冷蔵設備は通常200標準冷蔵トン(700kw)以下に限定される。
【0027】
出力密度に対処するために、本発明の各実施例において、エバポレータからの冷媒気体が回転子アセンブリ及び固定子アセンブリを冷却することに使用される。更なる別例において、モータシャフトの内側の冷却により、熱遷移面積が増し、冷媒気体及び回転子アセンブリ間の熱伝達率の対流結合が増す。
【0028】
本発明の各実施例において、ドライブシステムの要素は全体的なエネルギー効率を向上させるべく設計されている。上記エネルギー損失のメカニズムのいくつか又は全て(例、空気力学的効率、モータ効率、ギヤによる損失、及び軸受けの摩擦による損失)はより高いコンプレッサの能率を得るべく対処される。更に、開示されたコンプレッサの設計により、800標準冷蔵トンを越える冷却容量を得られる。これは、磁気軸受けを使用する直接駆動コンプレッサによる現時点において200標準冷蔵トン以下である既存のシステムに対して容量が顕著に増大している。従って、本発明の各実施例において、大型(200標準冷蔵トン以上)の冷却設備に要するコンプレッサの数は減少する。
【0029】
可変周波数ドライブ(VFD、別名可変速ドライブ、即ちVSD)はコンプレッサ速度を負荷要件に適合させるように変化させることに使用され、これにより負荷要件の一部にてエネルギー効率を高める。
【0030】
実施例においてインペラはモータにより直接駆動され、ギヤ並びにこれに伴うエネルギーの損失及び保守の要件を不要とする。インペラは冷媒気体と組み合わせて最適に又は略最適に使用できるように設計され、略一定の能率を維持し、広い動作範囲を有する。
【0031】
更に、各実施例において、オイルフリーなモータシャフトを支持する磁気軸受けが開示され、これにより、摩擦による損失を低減するか、流体軸受けや回転要素軸受けの使用が開示される。中間部の直流電源システムにより磁気軸受けに対する再生力が得られる。出力は回転子が停止するとモータにより得られる起電力によって生じ、これにより出力のロスや障害が発生した場合に軸受けを制御する。バックアップ用軸受けシステムは磁気軸受けへの十分な給電が途絶えた場合に回転アセンブリを支持するために設けられてもよい。
【0032】
PMモータは単位当たりの能率の点において更なる効果を有する。VFDに適合された場合に、PMモータは3600rpm以上の速度にて回転可能であり、これにより回転速度を増すためのギヤが不要となり、これに伴うギヤの遷移による損失をなくすことができる。VFD及び永久磁石モータは更に適合されて、コンプレッサに要求される速度及びトルクに対して優れた能率を得られる。
【0033】
コンプレッサはモータシャフト及び回転子と、固定子アセンブリとを個別に冷却する冷却システムを備え、これらの要素を連続して冷却することに起因する不都合を回避する。各回路は冷却容量及び動作圧力比を変えるように調整可能であり、これらはモータを過冷却したり冷却不足にしたりすることなく速度の範囲にわたって各要素を温度制限の範囲内に保持する。実施例において、冷却回路やバイパス回路は冷媒気体にモータシャフトの他回転子アセンブリの外周を通過させ、これにより冷媒気体をシャフトに対して直接案内し、外周に沿って対流させることにより、回転子アセンブリを冷却する。
【0034】
コンプレッサアセンブリはユニットを容易に保守できるように、且つ大きな空力学的可撓性を得られるようにモジュール構造により構成される。空力部はモータハウジングとは完全に別体として分離可能であり、これにより寸法及び段数の変更可能な多様な空力部を備えた駆動系を使用することができる。上述したように、2つの構造体により共有される駆動系やその他の要素を交換することなくユニットを修理したり、アップグレードできる。コンプレッサ要素は冷却器の性能要件が変化した場合に、且つ/又は要素がより能率に優れたものに再設計される場合に交換可能である。例えば、モータアセンブリは負荷に対してインペラや渦巻きの形状が最もよく適合するように、空力学的アセンブリに適合させることができる。更にモジュール構造により、冷却器製造業者によって製造されて、保持される部品の在庫が単純化される。
【0035】
本発明の一実施例において、入口ガイドベーンシステムはコンプレッサへの入口の流れを制御する。ガイドベーンはステッピングモータにより駆動され、フィードバック制御のために回転配向センサを備える。駆動ギヤは自己潤滑性を備えたポリマー材料から形成可能であるため、オイルによる潤滑剤を必要としない。
【0036】
オイルフリーな磁気軸受けに連結された入口ガイドベーンにおけるオイルフリーなギヤを備え、コンプレッサの回転速度を高めるためにドライブシャフトのギヤを取り除くことにより、オイルを使用したシステム及びこれに伴う保守が不要となる。
【0037】
各実施例において、鋳造物は容易に再構成できるように設計される。排出ノズルは冷却器の設計において可撓性を得るべく回動されてもよい。時間節約の態様において本発明によるアセンブリは、排出ノズルを取り除くことなく取り除き又は交換が可能なインペラと、インペラハウジングに対して容易に並べることができるインペラ中央部シールと、排出ノズルを取り除くことなく取り除き、及び交換が可能な入口ガイドベーンシステムと、インペラ及びモータシャフト又はその他のドライブシャフトの間に容易に、且つ繰り返して配置が可能となるインペラマウントとを備える。所定の実施例において、動的なOリングのシールは使用されないため、保守が減少し、補修における摩耗及び損傷の虞れが減少する。
【0038】
コンプレッサは軽量の要素及び鋳造物から形成され、これにより、より高い電力対重量比が得られる。単段設計における軽量の要素により、公知のユニットの重量のおおよそ3分の1にて同じトン数が可能となる。重量減少の差異はアルミニウム又はアルミニウム合金の要素や鋳造物の使用、ギヤの取り外し、及び小型モータの採用により生じる。
【0039】
各実施例において、単巻変圧器の使用を通じて広い範囲の電圧入力レベルに調整可能な電源が開示される。電源は電力網に送られる高調波を減衰させるために設けられてもよい。
【0040】
コンプレッサの制御システムは冷却器制御、コンプレッサ制御、軸受け制御、及びデータ、警告、セットポイント(set points)、制御アルゴリズムを統合するネットワーク上におけるVFDの通信を実現するように設計されている。ネットワークはイーサネット等の有線システム、無線システム、或いは両者の組み合わせであってもよい。
【0041】
実施例において冷却器システムは冷媒気体を圧縮し、モータハウジング内に収容される永久磁石モータを含む遠心コンプレッサアセンブリを備える。モータハウジングは内側チャンバを形成する。本実施例における永久磁石モータは回転軸を中心として回動するモータシャフトと、モータシャフトの一部に操作自在に連結される回転子アセンブリと、モータシャフトに操作自在に連結される少なくとも2つの磁気軸受けとを備える。モータシャフトは少なくとも1つの吸引通路と連通する少なくとも1つの長尺状通路を備え、この少なくとも1つの長尺状通路はモータシャフトの少なくとも一部を通過して、回転軸と略平行に延びる。
【0042】
本実施例において、エバポレータはモータシャフトと回転子アセンブリとを冷却する冷媒気体を供給するために少なくとも1つの長尺状通路と連通する。冷却器システムは更にモータシャフトと操作自在に連結される空力部を更に備え、操作自在な連結は直接結合によるものである。更に、永久磁石モータは140kWの出力を越え、11000rpmを越える速度を生じ、標準産業評価要件にて200冷蔵トンを越える。
【0043】
本発明の別例による態様において、大容量且つ優れた能率を得られるように調整される。本実施例において、摩擦による損失の少なくするために磁気軸受けによって支持されるモータシャフトを有する永久磁石モータと、中間部のギヤ及びこれに伴う機械的変位の損失を取り除くためにモータシャフトに直接連結される少なくとも1つのインペラを含む空力部と、インペラの所定の回転速度を冷却器システムの冷蔵負荷に合わせるために永久磁石モータと操作自在に連結される可変周波数ドライブとが開示される。
【0044】
更なる別例において大容量のオイルフリーな冷却器システムが開示される。本実施例において、オイルフリーな磁気軸受けによって支持されるモータシャフトを有する永久磁石モータと、中間部のギヤを取り除くためにモータシャフトに直接連結される少なくとも1つのインペラを含む空力部と、自己潤滑性を備えた材料からなるギヤ部を含む入口ガイドベーンアセンブリとが開示される。
【0045】
別例において冷却器システムは永久磁石モータ及び空力部を含むコンプレッサアセンブリを備える。永久磁石モータはモータシャフト、回転子アセンブリ、及び固定子アセンブリを含む。モータシャフトは少なくとも2つの磁気軸受けに操作自在に連結されている。コンデンサはコンプレッサアセンブリと連通し、エバポレータはコンデンサ及びコンプレッサアセンブリと連通する。
【0046】
コンプレッサアセンブリは気体冷媒を有する回転子アセンブリから熱を取り除くための回転子冷却回路を更に含む。回転子冷却回路はエバポレータと操作自在に連結される気体冷却入口、及びエバポレータと操作自在に連結される気体冷却出口を有する。コンプレッサアセンブリはコンデンサと操作自在に連結される液体冷却入口ポート、及びエバポレータと操作自在に連結される液体冷却出口ポートを有する液体冷却回路を更に含む。液体冷却回路は液体冷媒を使用して固定子アセンブリを冷却するように構成される。整流子装置には、気体冷却回路を通じて冷媒気体の流動速度を規制するための回転子冷却回路が操作自在に連結される。
【0047】
更なる別例において、冷却器システムは液体バイパス回路及び気体バイパス回路の両者を備える。液体バイパス回路はコンデンサにより供給され、エバポレータに帰還する液体冷媒を使用して固定子アセンブリを冷却する。液体冷媒は液体バイパス回路を通じてコンデンサのエバポレータに対するより高い動作圧力により誘導される。気体冷媒を使用して回転子アセンブリを冷却する気体バイパス回路を備える。気体冷媒はモータシャフトの回転により生じる差圧によってエバポレータから吸引され、エバポレータに帰還する。
【0048】
本発明の別例による構造体は冷却器システム用のモジュールによる空力部を備える。本実施例において、排出ハウジングは渦巻きをなすべく渦巻きインサートと協動する。少なくとも1つのインペラは渦巻きと操作自在に連結され、この少なくとも1つのインペラはドライブシャフトに操作自在に連結される。排出ノズルは排出ハウジングに操作自在に連結され、渦巻きと連通する。排出ノズルはドライブシャフトの回転軸に対して選択的に配置され、下流導管に操作自在に連結される。少なくとも1つのインペラ及び渦巻インサートは空力部から取り外し可能であるが、排出ハウジングは排出ノズルに操作自在に連結された状態を保持し、排出ノズルは下流導管に操作自在に連結された状態を保持する。排出ハウジングはモータハウジングに操作自在に連結される。インペラ及び渦巻きインサートはアルミニウム及びアルミニウム合金材料からなる。
【0049】
別例においてモジュールの概念は総じてコンプレッサアセンブリに拡張される。本実施例において、コンプレッサアセンブリはモータを収容するモータハウジングと、回転軸を中心として回動自在であり、モータに操作自在に連結されるモータシャフトと、モータハウジング及びモータシャフトに操作自在に連結される空力部とを備える。空力部は入口導管に取り外し自在に連結される入口遷移部を備える。空力部はモータシャフトの回転軸と略並べられる中心軸を形成する。本実施例において、少なくとも1つのインペラ、入口遷移部、及び渦巻インサートは空力部から取り外し可能であるが、排出ハウジング、入口導管、モータハウジング、及び排出ノズルは固定された状態を保持する。更に、本実施例において、空力部はコンプレッサアセンブリから取り外し可能であるが、入口導管、モータハウジング、及び排出ノズルは固定された状態を保持する。排出ノズルは中心軸に対して選択的に配置される。
【0050】
実施例において、冷却器コンプレッサアセンブリ用の入口ガイドベーンアセンブリが開示される。この構造体において、冷媒気体を含む雰囲気中にて操作される複数のガイドベーンサブアセンブリは、入口遷移部に操作自在に連結されている。各ガイドベーンサブアセンブリはそれぞれの回転軸を形成し、ガイドベーンサブアセンブリをそれぞれの回転軸を中心として回転させるためのギヤ部を含む。リング状フェースギヤは複数のガイドベーンサブアセンブリの各ギヤ部と操作自在に連結される。駆動モータが操作自在に連結され、各ガイドベーンサブアセンブリをそれぞれの回転軸を中心として回動させるためにリング状フェースギヤを回動させる。ギヤ部は冷媒気体に抵抗する自己潤滑性を備えた材料からなる。
【0051】
別例においてコンプレッサアセンブリは、駆動系が回動される場合に後方の起電力を出力する第1の組の三相コイル及び第2の組の三相コイルを有する六相永久磁石モータを備える。コンプレッサアセンブリは少なくとも2つの磁気軸受けを更に備える。磁気軸受けは磁気軸受け制御装置により制御され、操作自在に連結され、磁気軸受けに閾値の電圧より大きな供給電圧が作用された場合にモータシャフトを浮揚させる。少なくとも2つのバックアップ用回転要素軸受けは供給電圧が閾値の電圧より小さかった場合にモータシャフトを係合させるように配置される。第1の可変周波数ドライブ及び第2の可変周波数ドライブはそれぞれ第1の組の三相コイル及び第2の組の三相コイルに操作自在に連結される。
【0052】
第1の可変周波数ドライブ及び第2の可変周波数ドライブに操作自在に連結された単巻変圧器は、第1の可変周波数ドライブ及び第2の可変周波数ドライブの間にて30°位相シフトを生じる。30°位相シフトにより第1の可変周波数ドライブ及び第2の可変周波数ドライブに対して12パルス入力が可能となる。単巻変圧器は幹線に操作自在に連結される。中間部の電源は磁気軸受け及び磁気軸受け制御装置に供給電圧を供給する。中間部の電源は幹線から電力が供給可能な場合に幹線から電力の供給を受ける。中間部の電源は六相永久磁石モータが回転し、幹線が遮断された場合に後方への起電力によって電力の供給を受ける。第1の可変周波数ドライブ及び第2の可変周波数ドライブは直流電源タイプの可変周波数ドライブである。
【0053】
別例において、コンプレッサアセンブリの組立方法が開示される。コンプレッサアセンブリはモータに操作自在に連結されるドライブシャフトを備え、モータはモータハウジング内に収容され、ドライブシャフトはモータハウジングの外側に延びる駆動端を有する。方法は、モータシャフトの駆動端が排出ハウジング内に延び、モータ排出ハウジングが入口遷移部及び出口遷移部を有し、モータハウジングが固定された状態を保持するように、モータハウジングに排出ハウジングを取り付ける工程を含む。その他の工程は、モータシャフトの駆動端にインペラを取り付ける工程と、渦巻きを形成すべく排出ハウジング内に渦巻インサートを設置する工程と、入口ハウジングを入口遷移部に連結させる工程と、出口遷移部を下流拡散システムに連結させる工程とを含む。渦巻インサートはインペラに操作自在に連結される。下流拡散システムは固定された状態を保持する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施例における冷却器システムを示す概略図。
【図2】本発明の一実施例におけるコンプレッサアセンブリを示す斜視図。
【図3】図2のコンプレッサアセンブリを示す立面図。
【図4】図2のコンプレッサアセンブリの入口側端部を示す端面図。
【図5】図2のコンプレッサアセンブリを示す上面図。
【図6】図2のコンプレッサアセンブリを示す部分分解図。
【図7】本発明の一実施例における単段コンプレッサアセンブリの空力部を示す斜視断面図。
【図8】図7の空力部を示す斜視断面図。
【図9】本発明の一実施例においてドライブシャフトに取り付けられるインペラを示す断面図。
【図10】本発明の一実施例における2段コンプレッサアセンブリを示す斜視断面図。
【図11】本発明の一実施例における多角形タイプのマウントを有するモータシャフトを示す斜視図。
【図12】本発明の一実施例における入口ガイドベーンアセンブリを示す斜視断面図。
【図13】図12に示す入口ガイドベーンアセンブリ用のウォームアセンブリを示す分解図。
【図14】図12に示す入口ガイドベーンアセンブリに搭載される磁気位置センサを示す斜視図。
【図15】本発明の一実施例におけるコンプレッサ駆動系アセンブリを示す斜視断面図。
【図16】本発明の一実施例におけるターミナルバスプレートアセンブリを示す斜視図。
【図17】本発明の一実施例におけるターミナルバスプレートアセンブリを示す斜視図。
【図18】図15に示す駆動系アセンブリの回転子アセンブリ及び固定子アセンブリを示す断面図。
【図19】図18に示す回転子アセンブリ用の気体バイパス回路を強調した図15の駆動系アセンブリを示す断面図。
【図19A】図19のモータシャフトを示す断面図。
【図19B】本発明の一実施例におけるモータシャフトを示す概略図。
【図19C】図19のモータシャフトを示す部分拡大断面図。
【図20】図15の駆動系アセンブリの固定子アセンブリ用の液体バイパス回路を強調したコンプレッサアセンブリを示す断面図。
【図20A】図20の液体バイパス回路において使用可能な螺旋状通路を示す部分拡大図。
【図20B】図20の液体バイパス回路において使用可能な螺旋状通路を示す部分拡大図。
【図21】本発明の一実施例において6出力相を備えるVFDと、位相シフト単巻変圧器入力電源とを示す電気回路図。
【図22】本発明の一実施例において予備の中間部の電源を有する電力供給システムを示す電気回路図。
【図23】本発明の一実施例における永久磁石モータの回転速度の関数としてDC電圧を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は本発明の実施例において、コンデンサ30と、膨張装置32と、エバポレータ34と、遠心コンプレッサアセンブリ36とを有する冷却システム28を示す。冷却システム28は遠心コンプレッサアセンブリ36の様々な要素を冷却するための気体バイパス回路38と、液体バイパス回路40とを更に備えることを特徴とする。
【0056】
図1に示す動作において冷却システム28内の冷媒は駆動されて矢印41にて示すように遠心コンプレッサアセンブリ36からコンデンサ30に移動し、時計方向の流れを設定する。遠心コンプレッサアセンブリ36によりコンデンサ20の動作圧力が引き上げられる。膨張装置32によりエバポレータ34の動作圧力が下落する。従って、冷却システム28の動作において圧力に差異が生じ、コンデンサ30の動作圧力はエバポレータ34の動作圧力より高くなる。
【0057】
図2乃至9は本発明の実施例における遠心コンプレッサアセンブリ36を示す。遠心コンプレッサアセンブリ36は中心軸44を有する空力部42と、モータハウジング46と、電子機器区画48と、入力電力端子包囲部50とを備える。モータハウジング46は通常コンプレッサアセンブリ36の様々な要素を収容するための内部のチャンバ49を形成する。モータハウジング46と空力部42とはフランジを設けたインターフェイス51により連結される。
空力部
特に図7乃至9に示すように、実施例において単段コンプレッサ43の空力部42は、渦巻インサート56及びインペラハウジング57内のインペラ80を備える遠心コンプレッサ段部52を含む。遠心コンプレッサ段部52は排出ハウジング54内に収容され、入口ハウジング58と連通する。
【0058】
入口ハウジング58はコンプレッサ段部52に対して入口遷移部60を入口導管59及び入口62の間に設ける。入口導管59はフランジ59aにより入口遷移部50に取り付けられるように構成される。入口ハウジング58は入口ガイドベーンアセンブリ64を支持するように構成されてもよく、渦巻インサート56を排出ハウジング54に対して支持するように機能する。
【0059】
実施例において、渦巻インサート56及び排出ハウジング54は協動し、ディフューザ66及び渦巻部68をなす。排出ハウジング54は更に渦巻部68と連通する出口遷移部70を備える。出口遷移部70は、図3乃至5に示すように排出ハウジング54、及びコンデンサ30に案内する下流導管73の間を遷移する排出ノズル72に接合されてもよい。下流拡散システム74は操作自在にインペラ80に対して連結され、ディフューザ66と、渦巻部68と、遷移部70と、排出ノズル72とを備える。空力部42はシャフトシール76及びインペラ中央部シール77を更に備えてもよい。シャフトシール76は波形バネ78と保持リング79により所定の位置に保持される。
【0060】
排出ノズル72はASTM A216 グレードWCB等の溶接可能な鋳鋼により形成される。様々なハウジング54,56,57,58が鋼により、或いはコンプレッサアセンブリ36の重量を減少させるべく高力アルミニウム合金や軽量合金により形成される。
【0061】
機能的に、フランジを備えたインターフェイス51により排出ハウジング54は、中心軸44に対して選択的に配置された排出ノズル72によりモータハウジング46に取り付けられる。実施例において、排出ノズル72を選択的に配置することにより、空力部42は下流導管73を延長することなく、或いは下流導管73を屈曲を重ねることなくコンデンサ30に対して連結できる。下流導管73の長さ及び屈曲の数を減少させることにより、冷却システム28において付随する損失水頭を減少させることができ、これにより、エネルギー効率に優れる動作を促進する。本発明の所定の実施例において選択的配置により、独特な排出の角度に対して好適な様々な蒸発器及びコンデンサの設計が可能となる。
インペラ
図7,8に示すように様々な実施例においてインペラ80はインペラハウジング57内の入口62及びディフューザ66の間に設けられる。インペラ80はインペラ80がモータシャフト82等のドライブシャフトに取り付けられるように貫通孔81を備える。モータシャフト82は回転軸89を備えることを特徴とする。締め付けボルト84はインペラ80をモータシャフト82に連結させることに使用される。図9に示すように締め付けボルト84はネジタップ83と、前方カウンタボア85内にてインペラ80の鼻部に着座する締め付けボルト84のキャップに係合される。ネジタップ83及び締め付けボルト84は左ネジ又は右ネジのいずれであってもよい。インペラ80はモータシャフト82の肩部87から延びる突起部86と連結するように形成されてもよい。平坦なワッシャ90、及び1つ又は複数のスプリングワッシャ92が前方カウンタボア85内にて締め付けボルト84及びインペラ80の間に組み込まれる。鼻部円錐部88は締め付けボルト84及び前方カウンタボア85の上方に設けられる。
【0062】
図1乃至9に示す実施例において、インペラ80はモータシャフト82に直接連結され、これにより別体のドライブシャフト及びこれに付随するギヤ及び構造体が不要となるように構成される。本実施例において、モータシャフト82の回転軸89は空力部42の中心軸44を形成する。当業者は本実施例の態様がモータシャフト82とは別体のドライブシャフトを含む構造体に応用可能であることを認識するだろう。
【0063】
図11にモータシャフト82は本発明の実施例において多角形タイプのマウント96からなる突起部86を有すると示される。多角形タイプのマウント96は多角形の断面によりそのように名称を付けられている。湾曲したマウントやスプライン/V字状歯形マウントを含む別例によるインペラを搭載した構造体が使用可能であるがこれらに限定されるものではない。
【0064】
図9乃至11に実施例においてモータシャフト82の突起部86がインペラ80と中心軸44とを並べるべく機能することを示す。スプリングワッシャ92は稼働中に締め付けボルト84を張引された状態に保持することを補助する。更に、ネジタップ83及び締め付けボルト84の左ネジ又は右ネジを選択することにより、更にモータシャフト82の回転方向に応じて締め付けボルト84がタップ83のネジ山に固く締め付けられることが補助される。
【0065】
鼻部円錐部88は気体冷媒94がインペラ80に進入すると空力抵抗が減少する外形表面に形成される。多段コンプレッサにおいて、図10に示すように鼻部円錐部88は第1の又は入口の段にて使用されるのみである。
【0066】
渦巻インサート56を排出ハウジング54と協動させることによってディフューザ66及び渦巻部68を形成することにより、空力学的可撓性を高めつつ要素の数を減少させることができる。構造体により渦巻インサート56のみを変更することにより空力学的要素の変更が可能になる(例、ディフューザ66を羽根無しの構成から羽根有りの構成に、或いは渦巻部68の通路の特性を変更することにより)。構造体は更に、多段空力部における第1の段及び第2の段の間の往復通路を形成することに好適である。従って、排出ノズル72及び排出ハウジング70は空力学的要素の補修中に冷却器に取り付けられた状態を保持できる。
【0067】
多角形タイプのマウント96は取り外し、軸方向位置、回転方向における配置(例、「軸外れ」)、及びインペラ80及び中央部シール77の間の均衡に関する課題を解決する。多角形タイプのマウント96は縮径される必要はなく、これによりインペラはモータシャフト82の肩部87に載置可能である。多角形タイプの形状により、鍵となる構造体と比較して材料の応力を減少させつつモータシャフト82からインペラ80にトルクを伝達することができる。
【0068】
図7に示すように操作において、空力部42はインペラ80から気体冷媒94に角運動量を伝える。気体冷媒94はエバポレータ34から進入する。インペラ80によって気体冷媒94に付与された運動エネルギーは下流拡散システム74においてより高い静圧に変換される。システムにおける総圧力の上昇は通常インペラ80にて生じる。おおよそ三分の二の静圧の上昇は通常インペラ80自体において生じ、残りの三分の一の静圧の上昇は下流拡散システム74において生じる。
【0069】
排出ノズル72により、コンデンサ30に進入するに先だって、気体冷媒94はより多く拡散させることができ、これによりコンデンサ内の総圧力を減少させ、更にコンプレッサ部から放出される音圧レベルを減少させる。通常、排出ノズル72の全長及び出口の径を延ばすことにより、より多く拡散させることができる(例、圧力の復帰や静圧の上昇)。溶接可能な鋳込材料を使用することにより、下流導管73は、所望に応じて逆流を防止する逆止め弁(図示しない)を設置するために、排出ノズル72に溶接可能である。この目的のためにその他の溶接に適合する材料が使用されてもよい。これに代えて、排出ノズル72及び下流導管73の間の連結はフランジを備えたインターフェイス(図示しない)であってもよい。
多段構造体
図10に本発明の実施例における多段コンプレッサにおいて使用される多段空力部42aを示す。多段コンプレッサは図10に第1のインペラ80a及び第2のインペラ80bとして示すように、1つ以上のインペラを有することを特徴とする。図示の実施例において、第1のインペラ80aはスペーサインサート98によって支持される第1のインペラハウジング57a内に収容され、これら全体により第1の段52aを形成する。図10に示す第2の段52bは図示の実施例において、第2のインペラ80b、第2のインペラハウジング57b、及び渦巻インサート56によって形成される。第1の段52a及び第2の段52bは交差チャネル99によって分離される。交差チャネル100には巻きほどき用のベーン(図示しない)が設けられる。
【0070】
第1の段52a及び第2の段52b、並びに交差チャネル99は排出ハウジング54内に収容される。入口ハウジング58は第1の段52aの上流に位置される。スプール、即ち延長部55は、例えば第1の段52a及び第2の段52bの両者を収容すべくフランジの構造体により排出ハウジング54に取り付けられる。別例において、排出ハウジング54及び延長部55はフランジを備えず、第1の段52a及び第2の段52bの両者を収容するために十分長い共通のハウジング(図示しない)であってもよい。
【0071】
第1のインペラ80a及び第2のインペラ80bは共通シャフト100によって駆動される。共通シャフト100はモータシャフト82に様々な方法により連結される。例えば、共通シャフト100は中空にして、厚みを有する壁を備えた構造体であってもよく、締め付けボルト84が第1のインペラ80a及び第2のインペラ80b、並びに共通シャフト100の両者を通過すべく延長されてもよい。
【0072】
別例において、締め付けボルト84は図9に示す単一の段による構造体と同じ長さであってもよいが、第2のインペラは共通シャフト100の下流の端部100bとネジにより係合するように調整される。後者の実施例は、多段空力部42aが延長した締め付けボルト84を規制するように長い場合に有利である(例、段の数が2を越える場合)。別例(図示しない)において、下流のインペラ(例えば80b)はトルクをインペラに作用させるためにキー突条を備えるように構成される。共通シャフト100は締め付けボルト84に連結可能な上流のインペラ(例えば80a)に延びる。インペラ間の空隙は共通シャフト100上を摺動する中空の円筒管により保持される。
【0073】
更なる別例(図示しない)において、多数のインペラ(例、80a及び80b)を支持し、分離するために十分な長さの1つの多角形タイプのマウント構造体が使用可能である。インペラは再び中空の円筒状のスペーサにより分離され、多角形タイプの形状の上方を伝って摺動する。本発明においては、2以上の段から構成されてもよい。中間部の段はスペーサインサート98と同種のスペーサインサートと、第2のインペラ80bと同種のインペラからなる。実施例において多段コンプレッサの第1の段のみを渦巻インサート56に嵌合させる必要がある。
【0074】
機能的に遠心コンプレッサアセンブリ36のモジュール構造により、単段コンプレッサ43(図8)の空力部42は必要に応じて多段空力部42aに代えられる。モジュール構造により操作者は駆動系(後述する)や2つの構造体に共通のその他の要素(例えば、入口ハウジング58、入口ガイドベーンアセンブリ(後述する)、渦巻インサート56、及び排出ノズル72)を代えることなく、ユニットの性能を高めることができる。更にモジュール構造により、冷却器製造業者によって製造され、流通業者によって保持される部品の在庫が単純化される。図10に示す延長部55等の多数のスプールにより、図8に示す単一段構造体に使用される排出ハウジング54を代えることなく、要求されるいかなる長さの排出ハウジング54も構成することができる。
【0075】
操作において、第1のインペラ80aは気体冷媒94が交差チャネル99に進入すると、通常気体冷媒94に対して接線速度成分を付与する。巻きほどきベーン(図示しない)は気体冷媒94が交差チャネル99を通過すると、接線速度成分を取り除き、これにより気体冷媒94が第2の段52bに進入する場合に流れを直線状にするように設計されている。
入口ガイドベーン
図12に本発明の実施例における入口ガイドベーンアセンブリ64及び入口ガイドベーンアセンブリ64を駆動するための駆動システム101を示す。入口ガイドベーンアセンブリ64は複数のガイドベーンサブアセンブリ102を備え、それぞれ入口遷移部60に取り付けられる(構成を明瞭に示すために図12において入口遷移部60は図示しない)。各ガイドベーンサブアセンブリ102はベーン102aと、入口遷移部60と操作自在に連結される台座部102bと、ギヤ部104とを備える。ギヤ部104及びベーン102bはキースロット103構造体を介して連結される。ガイドベーンサブアセンブリ102は中心軸44と略直交する回転軸106を中心にして回動するように構成される。実施例においてベーン102bはクリップリング105を備えたギヤ部104に対して所定の角度をなした位置に保持される。
【0076】
図12に示す実施例において、複数のガイドベーンサブアセンブリ102及びギヤ部104が設けられ、これらはそれぞれ回転軸106を有する。多数の回転軸106は制御面108上に略設けられる。ガイドベーンサブアセンブリ102は中心軸44に至らないような寸法に形成され、これにより、入口ガイドベーンアセンブリ64の中心部に開口、即ち空隙による径部107を形成する。空隙による径部107により軽負荷時や初期動作時においてエンストを防止するために最小限の流れや閾値の流れを可能とする。更に空隙による径部107により、締め付けボルト84へのアクセスが可能となる。
【0077】
ギヤ部104はポリマーから形成可能である。ポリアセタール(polyacetal)、アセタール樹脂、ポリホルムアルデヒド、及びポリトリオクサン(polytrioxane)としても周知のポリオキシメチレン(POM)(例、デラウェア州Wilmingtonに所在するデュポン社により販売されているDELRIN(登録商標))等の所定のポリマーを使用することにより、ギヤ部104は射出成形により形成することができる。ガイドベーンサブアセンブリ102はシリコン−真鍮合金やアルミ合金から鋳造により、又は機械加工により形成される。
【0078】
図12に示す実施例において、ガイドベーンサブアセンブリ102の全米航空諮問委員会(NACA)による0009シリーズの対称的なベーン形状を示す。具体的な適用に応じて好適なその他の材料及びガイドベーンの構造体が使用可能である。
【0079】
実施例において、制御面108の下流側に下流側と略平行に設けられる1つのリング状フェースギヤ110はギヤ部104とかみ合って係合する。リング状フェースギヤ110はDELRIN(登録商標)やその他のクラス5の材料等の高強力ポリマー材料から形成されてもよく、この場合においてリング状フェースギヤは射出成形される。
【0080】
ギヤ部104は使用に耐えうる寿命を有し、冷却アセンブリ28と組み合わせて使用される1つの冷媒又は複数の冷媒に抵抗するために十分な耐久性を有する自己潤滑性を備えた材料から形成可能である。上記材料は(POM等の)アセタール、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ナイロン、ポリフェニレン・サルファイド樹脂(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等を含むがこれらに限定されるものではない。これに代えて、外側表面やギヤ接触面が自己潤滑性を備えた材料により部分的に、又は全体的にコーティングされた金属製コアが使用されてもよい。
【0081】
アセタールは寸法安定性、疲労抵抗、及び広範囲の温度にわたって多くの化学薬品に耐久する特性を有する。アセタールは高い潤滑性を備え、金属及び樹脂の両者を円滑に摺動可能である。PBTは別の樹脂及び金属から形成されるギヤを有する混合されたギヤの組に好適なポリエステルであり、円滑な表面を成型することに注目される。ナイロンは通常靱性、耐摩耗性、その他の樹脂及び金属に対する低い摩擦抵抗が注目される。PPSは通常堅固であり、高い疲労抵抗及び耐薬品性を備え、寸法安定性を備える。LCPは220℃まで寸法安定性を備え、殆どの薬品に対して耐性を備えることが注目される。
【0082】
ファイバ及び充填材がギヤ樹脂特性を高めるために使用される。例えば25%の短い2mmのグラスファイバにより補強されたアセタール共重合体は主剤の引張強度を倍にし、曲げ弾性率を三倍にする。10mm以上の長さのグラスファイバを付加することにより、更にポリマー強度、剛性、耐クリープ性、耐衝撃性、寸法安定性、及び靱性を高めることができる。
【0083】
本発明の実施例において、扇形の面13を有するガイドベーン係止リング112はギヤ部104の上流側に設けられ、扇形の面113はギヤ部104に配向される。図12,14参照。ガイドベーン係止リング112は射出成形による形成を可能とするポリオキシメチレンやその他の高力ポリマー材料から形成されてもよい。制御面108に対するリング状フェースギヤ110及びガイドベーン係止リング112の位置(例えば、上流又は下流)は任意であり、限定されるものではない。
【0084】
図示の実施例において、リング状フェースギヤ110は外側の周縁部114を有し、その一部は加工されてウォーム118と結合するウォームギヤ116となる。ウォーム118は、ドライブギヤ121及び減速ギヤ123からなる基準ドライブギヤ/減速ギヤ連結体122を介して駆動モータ120によって駆動される。
【0085】
機能的に入口ガイドベーンアセンブリ64はインペラ80の回転方向に対して、又は回転方向の反対側に対して入口巻きほどき角度を設定することに使用可能である。入口ガイドベーンの角度を変化させることにより、コンプレッサステージを通過する冷媒の稼働、圧力上昇、及び質量流量を制御可能である。従って入口ガイドベーンアセンブリ64は部分的な冷却負荷にて操作される場合に、遠心コンプレッサアセンブリ36を通過する気体冷媒94の流れの制御や調整が可能である(後述するが、遠心コンプレッサアセンブリ36を制御するために入口ガイドベーンアセンブリ64と組み合わせて使用可能な別例による方法は、コンプレッサの速度を変化させる工程を含む)。
【0086】
ギヤ部104に自己潤滑性を備えた材料を使用することにより、入口ガイドベーンアセンブリ64も潤滑油を要することなく冷媒雰囲気において稼働するように設計可能である。
【0087】
図13は実施例におけるウォームギヤ116を駆動するためのウォームギヤアセンブリ126を示す分解図である。本実施例においてウォームアセンブリ126はシャフト128と、ウォーム118と、長尺状スペーサ129と、長尺状スペーサ129と比較して短いスペーサ130と、シャフト128の両端の近傍に設けられる2つの軸受け131,132とを備え、これらは全てウォーム支持ブラケット133内に設けられる。ウォーム支持ブラケット133は略U字状であり、略軸方向に並べられる第1のポート134と第2のポート135を備える。第1のポート134はスプリングワッシャ136を受承するように構成され、第2のポート135は保持クリップ137を受承するように構成される。シャフト128は一端にて保持クリップ127と、ウォーム118と連結されるギヤキー138,139と、減速ギヤ123とをそれぞれ受承するように構成される。
【0088】
スペーサ129,130はウォーム118を図13に示す実施例におけるウォーム支持ブラケット133内にて好適にな配向させるために使用される。軸受け131,132は、公知の接触軸受けやローラー軸受けの設計と比較して摩擦及び必要なトルクを減少させて、シャフト128を自由に回動させる。ウォームアセンブリ126は、スプリングワッシャ136及び保持クリップ137が対向して支持することにより、ウォーム支持ブラケット133内に保持される。保持クリップ127は減速ギヤ123をシャフト128の端部及びウォーム支持ブラケット133の間に固定する。ギヤキー138,139はウォーム118及び減速ギヤ123をそれぞれ回動自在に固定するように機能する。
【0089】
図14に本発明の実施例における入口ガイドベーンサブアセンブリ102の角度位置を検知するための位置センサ140を示す。好適な位置センサはニューハンプシャー州コンコルドに所在するMelexis Microelectronic Integrated Systemsによって製造され、市場にて販売されているMLX90316等である。実施例において、位置センサ140は磁気によるホール効果原理にて機能し、磁石142はガイドベーンサブアセンブリ102のベース部に組み込まれるか、連結される。ホール効果センサ144は回路基板146上に磁石142に非常に近接して設けられ、回転軸106の周囲にて磁石142の位置を検知する。ガイドベーンサブアセンブリ102の角度位置は磁石142の検知した位置から算出される。回路基板146は入口ハウジング58に設けられたブラケット148によって支持される。MLX90316の動作は2005年10月4日の「MLX90316回転位置センサIC」39010903J.6の改訂版001データシートに開示され、データシートにて定義された用語の表現の定義を除き、その全体がここで開示されたものとする。
【0090】
操作において、遠心コンプレッサアセンブリ36は入口ガイドベーンサブアセンブリ102を回転方向に位置決めし、様々な角度への流れを防止及び/又は案内することにより制御可能である。駆動モータ120はドライブギヤ/減速ギヤ連結体122を介してウォーム118を回転させ、これによりウォームギヤ116を駆動し、フェースギヤ110を中心軸44を中心として回動させる。本実施例において、フェースギヤ110の回転により、各ギヤ部104はそれぞれの回転軸106を中心として回動し、これによりガイドベーンサブアセンブリ102を回動させる。ウォームアセンブリ126に対して、軸受け134,136は摩擦及び必要なトルクを低減させて、シャフト128を自由に回動させる。図12に示すガイドベーン係止リング112の扇形の面113は開閉いずれの方向における各ギヤ部104の回動も機械的に係止し、これによりガイドベーンサブアセンブリ102間において損傷を引き起こす衝突を防止する。別例による機械的係止手段として入口ハウジング58から延びるピンや突起部等が使用可能である。
【0091】
駆動モータ120は内部にフィードバックのループを備えた双方向気密ステッピングモータであってもよい。フィードバックループから、ガイドベーンサブアセンブリ102の角度位置が適切な調整及び較正により検知可能である。駆動モータ120は十分に閉じた位置から十分に開いた位置までガイドベーンサブアセンブリ102を駆動するために必要なトルクを伝達可能な寸法に形成される。駆動モータ120は稼働中にガイドベーンサブアセンブリ102に対して冷媒気体124の空気力によって作用される負荷に対処できるような寸法に形成されてもよい。更に、駆動モータ120はガイドベーンサブアセンブリ102が稼働中に一定の回転位置に保持され、移動が防止されるように構成されてもよい。
【0092】
別例において、位置センサアセンブリ140がガイドベーンサブアセンブリ102の角度配向を検知する。ホール効果センサ144の出力信号は入口ガイドベーンサブアセンブリ102の端部に取り付けられる磁石142の角度位置により変化する。回路基板146は信号線(図示しない)を連結する連結点となり、ホール効果センサ144を搭載する構造体となる。
駆動系
図15に実施例において固定子アセンブリ154を有する永久磁石モータ152を備える駆動系150と、モータシャフト82に取り付けられる回転子アセンブリ156と、稼働中にモータシャフト82を一時停止するオイルフリーの磁気軸受け158,160とを収容するモータハウジング46を示す。永久磁石モータ152はターミナルバスプレートアセンブリ163を介して固定子アセンブリ154に連結される6本のリード線を通じて駆動される。シャフトの位置を検知するエンコーダや電位差計等の回転位置フィードバック装置はモータシャフト82に連結されてもよい。
【0093】
モータハウジング46及び駆動系150は更にエンドハウジング161と、一対の軸受け搬送サブアセンブリ149a,149bと、スラスト軸受けアセンブリ151を更に備えてもよい。スラスト軸受けアセンブリはモータシャフト82から径方向外側に延びるランナ151a、及びランナ151aをまたがる2つのコイル151b,151cを備えてもよい。
【0094】
図15に示す実施例における動作において、スラスト軸受けアセンブリ150のコイル151b,151cは磁気によりランナ151aと相互に作用し、駆動系150をモータハウジング46内の軸方向の位置に固定し、これにより駆動系150に作用する正の推力及び負の推力に摩擦の伴わない反力を提供する。軸受け搬送サブアセンブリ149a,149bはモータが設置された後にモータの中心線上に軸受けを配置する構造体となる。位置フィードバック装置は所定の瞬間における回転位置の他、モータシャフト82の回転速度を検出することに使用される。これらの両者は可変周波数装置の適切な操作及び制御に必要である(可変周波数装置の操作は後述する)。
【0095】
図16は本発明の実施例におけるターミナルバスプレートアセンブリ163を示す斜視図である。本実施例において、6つの矩形の端子159はガラスエポキシ材料等の誘電性を備えた埋め込み材料165を通過する。端子159は3つずつ2組にグループ化され、各組は共通の誘電性を備えた埋め込み材料を通過する。埋め込み材料165は端子159及び取付板163aの間を絶縁する。
【0096】
図17は本発明の別例におけるターミナルバスプレートアセンブリ163を示し、各端子159は誘電性を備えたフィードスルー167内に個別に埋め込まれる。フィードスルー167はフィードスルー167をシールするOリングや圧縮シール等の手段に装着され、モータハウジング46内の気体冷媒94が誘電性を備えたフィードスルー167及び取付板163aの間から漏出することを防止する。各端子159及び対応するフィードスルー167は別体として取り外すことのできるアセンブリをなし、図17に示すようにスナップリング157によって保持されるか、ネジによる連結体やロックナット等の当業者が使用可能な別の構造体によって保持される。
【0097】
図16,17に示す構造体における端子159は通常銅から形成され、電源線を端子に容易に取り付けられるように任意の高さとすることができる。取付板163aはアルミニウム、アルミニウム合金や、その他の好適な構造体材料から形成される。
【0098】
図18は本発明の実施例における回転子アセンブリ156を示す。モータシャフト82はインペラ80が取り付けられる駆動端164と、モータハウジング46に延びる非駆動端166を備える。回転子アセンブリ156は内側の空隙による径部168と、永久磁石材料174が全体に沈着された有効長部172を含む全長部170とを特徴とする。
【0099】
図18は本発明の実施例における6位相固定子アセンブリ154を更に示す。図18に最もよく示すように、本実施例における固定子アセンブリ154は通常中空の円筒部176として示される。円筒部の壁部は重合スタック178と、高温エポキシ樹脂等の誘電性を備えた鋳造部183内に包囲される巻き端部181,182を有する6つの螺旋状部180からなる。6本のリード線162(うち4本を図18に示す)全ては、6本の螺旋状部180のそれぞれに1本割り当てられ、本構造体において中空の円筒部176の端部186から延びる。中空の円筒部176の外側表面にわたって延び、重合スタック178及び誘電性を備えた鋳造部183の両者の径方向外側周縁部に密接するスリーブ188が含まれてもよい。スリーブ188は高い導電性を備えたアルミニウムやステンレス鋼等の非磁性材料から形成される。熱電対やサーミスタ等の複数の温度センサ190が中空の円筒部176の端部186から延びる終端部により固定子アセンブリ154の温度を検知するために設けられる。
【0100】
図19,19Aに本発明の実施例における回転子冷却回路192を示す。回転子冷却回路192は図1に示す気体バイパス回路40の下位区分又は枝部である。エバポレータ34からの冷媒気体94は、エンドハウジング161に形成された入口通路194を通じて回転子冷却回路192に進入し、モータハウジング46に形成された出口通路195から退出する。従って、回転子冷却回路192は入口通路194及び出口通路195の間にて気体バイパス回路40の区分として形成される。入口通路194はモータシャフト82の回転軸89に対して略同心上にある中央部通路である長尺状通路196と連通する。長尺状通路196はモータシャフト82の非駆動端166に開放端198が設けられる。長尺状通路196は回転子アセンブリ156が載置されるモータシャフト82を通過して、モータシャフト82を越えて延び、閉鎖端200にて終端する。
【0101】
図19はモータシャフト82の非駆動端166及びエンドハウジング161の間の空隙201を示す。本構造体において、冷媒気体94は内側チャンバ94から長尺状通路196の開放端198を通じて引き込まれる。これに代えて、シャフトが動的シール等のエンドハウジング161の協動構造体に接触し、これにより冷媒気体94が長尺状通路196内に直接ダクトにより送られてもよい。
【0102】
実施例において、複数の径方向の吸引通路202は閉鎖端200の近傍にて長尺状通路196と連通する。吸引通路202はモータシャフト82を通じて径方向外側に向かって延びる。吸引通路202は、気体冷媒94が固定子アセンブリ154及びモ―タシャフト82の間の死水領域203内に退出するように構成される。環状間隙部204が冷媒気体94を移動させるべく固定子アセンブリ154及び回転子アセンブリ156の間に形成される。通常気体バイパス回路40の回転子冷却回路192は冷媒気体が回転子アセンブリ156及びエンドハウジング161の間に収容される様々な要素(例、磁気軸受け158)を回るように構成される。出口通路195を退出する気体冷媒94はエバポレータ34に戻る。この構造体により、駆動系150の要素は気相(気体冷媒94)における冷媒に接触し、所定の条件下において、液相の冷媒に接触する。
【0103】
図19Bに本発明の別例においてモータシャフト82の回転軸89と略平行であるが、同心上には設けられてはいない複数の流路206を示す。流路206は図19Aに示す単一の長尺状通路196に代わるか、或いは長尺状通路196を補完する。複数の通路は吸引通路202と連通する。
【0104】
流路206は流路206の部分に沿って延び、流路206内に突出する長尺状フィン206a等の伝熱促進構造体を更に含む。当業者は別例による伝熱促進構造体を使用可能であり、これらは螺旋状フィン、流路206の壁部に形成される長尺状溝や螺旋状(線条を施した)溝や、捻れ型構造体を含むがこれらに限定されるものではない。これらの伝熱促進構造体は図19,19Aに示す構造体内に組み込まれてもよい。
【0105】
機能的に複数の通路を使用することにより伝熱領域を拡大することによって気体冷媒94及び回転子アセンブリ156の間の熱伝達速度を促進することができる。伝熱促進構造体は伝熱領域を拡大し、所定の態様において、更に伝熱を促進すべく流れを妨害するように作用する。流路206及びモータシャフト82の外側表面の間の導電性連結体は伝動路の径方向の有効な厚みが短縮されるため、減少されてもよい。多数の通路により設計者は別例による組のパラメータを得られる。このパラメータは、気体冷媒94及び流路206の壁部間の対流的な伝熱速度を促進する好適なレイノルズ数型を得られるように操作され、最適化される。
【0106】
絞り装置207は図19に示すように気体バイパス回路40の回転子冷却回路192の入口側、又は出口側に設けられる。絞り装置207は事実上受動的であるか、自動的であってもよい。受動装置は通常全く動的フィードバック制御を有さないものであり、例えば開ループ制御を使用する固定オリフィス装置や可変オリフィス装置が挙げられる。自動装置は閉ループ制御においてフィードバック要素を使用するものであり、例えばオン/オフ制御装置や比例/積分/派生制御機構を使用する制御装置が挙げられる。
【0107】
回転子冷却回路192を退出する気体冷媒94の温度は温度検知プローブ205等のフィードバック要素を使用して監視される。フィードバック要素は絞り装置207の閉ループ制御を使用可能である。これに代えて、流量メータ、熱流速計や、圧力センサ等のその他のフィードバック要素が使用されてもよい。
【0108】
図20,20Aは本発明の実施例における固定子アセンブリ154を冷却するための液体バイパス回路40の固定子冷却部208を示す。固定子冷却部208はスリーブ188の外側に形成される螺旋状の通路210をなすチューブ209aを備える。チューブ209aに流れ込む冷媒216への伝熱はチューブ209a及びスリーブ188の間の熱伝導性間隙物質211により増大する。チューブ209aは、溶接、ろう付け、挾持、或いは当業者に公知のその他の手段によりスリーブ188に固定される。
【0109】
図20Bは螺旋状通路210がチャネル209bを有し、これにより液体冷媒216がチャネル209b内に流入し、スリーブ188と直接接触できることを示す。チャネル209bは溶接、ろう付け、或いは気密な通路が得られる当業者に公知のその他の技術によりスリーブ188に固定される。
【0110】
本発明は固定子冷却部208の螺旋状の形状に限定されるものではない。ペンシルバニア州Lafayette Hillに所在するDean Products, Inc.社により製造されている製品のPANELCOIL(登録商標)等の従来技術による円筒状冷却ジャケットがスリーブ188上に取り付けられるか、別体のスリーブに代わるものである。
【0111】
螺旋状通路210は液体冷却入口ポート212及び液体冷却出口ポート214と連通する。液体冷却入口ポート212を通じて冷媒液体216が供給され、液体冷却出口ポート214を通じて冷媒液体216が送り戻される。液体冷却入口ポート212は冷却回路のコンデンサ30に連結され、液体冷却出口ポート214はエバポレータ34に連結される。本実施例において冷媒液体216は、図1に示すエバポレータ34に対するコンデンサのより高い動作圧力によりコンデンサ30からエバポレータ34に移動するように誘導される。
【0112】
絞り装置(図示しない)は固定子冷却部208の入口側又は出口側に設けられる。絞り装置は事実上受動的であるか自動的である。
駆動系150はモータシャフト82の非駆動端166から組み立てられる。組立において非駆動端166(駆動端164ではない)を伝って回転子アセンブリ156を摺動させることにより、径方向吸引通路202に損傷を付与することを防止する。
【0113】
機能的に永久磁石モータ152は高速にて広い作業範囲にわたって高い能率を有し、同程度の寸法の誘導型モータと比較した場合における高出力及び高い力率を組み合わせて得られる。永久磁石モータ152は更に小さな体積や設置面積を占め、これにより高い出力密度及び高い力対重量比を得られる。
【0114】
更にモータシャフト82は永久磁石モータ152と空力部42のインペラ80とを直接連結するように機能する。このタイプの構造体はここで「直接駆動」構造体と呼ぶ。モータシャフトとインペラ80とを直接連結することにより、非効率な伝達を引き起こし、整備を要し、装置の重量が増加する中間部のギヤを排除することができる。本発明の所定の態様はモータシャフト82とは個別に独立したドライブシャフトを含む構造体に応用可能である。
【0115】
動作において、モータシャフト82内における径方向吸引通路202の回動により、遠心インペラが作用され、気体冷媒94を気体バイパス回路40を通じて吸引し、固定子アセンブリ154を冷却する。本実施例において、吸引通路202に位置される気体は径方向外側に向かって空洞部203内に吸引され、冷媒気体94をエバポレータ34から入口通路194を通じて吸引する閉鎖端200にて低圧力または低吸引力をなす。気体を空洞部203内と置き換えることにより、空洞部203内に高圧がなされ、気体冷媒94が環状間隙部204及び出口通路195を通じてエバポレータ34に帰還される。この遠心動作によって生じる差圧により、冷媒気体94はエバポレータ34を往復する。
【0116】
回転子アセンブリ156の冷却は、既存の冷媒コンプレッサ設計に比較して、いくつかの点において高められる。回転子アセンブリ156は内側の空隙による径部168の部分に沿って、冷却されたモータシャフト82への直接的な熱伝導により冷却される。通常回転子アセンブリ156の外側表面も環状間隙部204を通じて押圧される気体冷媒94により生じる強制対流によって冷却される。
【0117】
絞り装置207は気体冷媒94の流れと、付随する伝熱を制御することに使用される。温度検知プローブ205は冷媒気体94の流動速度の制御におけるフィードバック要素として使用可能である。
【0118】
冷媒気体94を使用することは、回転子の冷却に冷媒液体216を使用することに対し、有利である。気体は通常液体と比較してより低い粘性を有するため、可動面に対して付与される摩擦抵抗や空力抵抗が少なくて済む。空力抵抗は装置の能率を減少させる。本実施例において、空力抵抗は特に環状間隙部204を通過する流れに行き渡る。ここには回転子アセンブリ156の高速な回転により、軸方向の速度成分のみならず大きな正接の速度成分が存在する。
【0119】
実施例において示すように、固定子アセンブリ154は液体として螺旋状通路210に進入する液体冷媒216によって冷却される。しかしながら、液体冷媒216が固定子冷却部208を通過すると、冷媒の一部は気化し、二相又は核沸騰が想定され、非常に効率に優れた伝熱が可能となる。
【0120】
液体冷媒216はコンデンサ30及びエバポレータ34の間に存在する差圧により液体バイパス回路40及び固定子冷却部208を強制的に通過させられる。絞り装置(図示しない)は能動的又は受動的に液体バイパス回路40を通過する流れを減少させるか、規制する。温度センサ190は絞り手段と組み合わされてフィードバック制御ループにおいて使用可能である。
【0121】
スリーブ188は伝導性熱伝達を熱的に拡散し、重合スタック178及び誘電性鋳造部183の両者の外側周縁部の均一な冷却を促進する高い熱伝導性を備えた材料から形成される。螺旋状に巻かれたチャネル209bの構造体において、スリーブ188は液体冷媒216が重合スタック178を貫通することを防止する境界として更に機能する。
【0122】
誘電性鋳造部183内の固定子アセンブリ154の巻き端部181,182により包囲することにより、巻き端部181,182から固定子冷却部208に伝熱するように機能し、これにより気体バイパス回路40の回転子冷却回路192に対する熱負荷の要求を減少させることができる。誘電性鋳造部183により回転子冷却回路192を通じて気体冷媒94の流れに暴露される巻き端部181,182の漏出の可能性を減少させることができる。
磁気軸受け
本発明の様々な実施例において回転子アセンブリ156は通常の稼動下において摩擦のない磁気軸受け158,160によって支持される。軸受け158,160はコンプレッサ本体に設けられた、又は離間して設けられた電子機器格納装置217内に含まれるマイクロプロセッサ制御装置及び電力増幅器によって制御され、且つ浮上される。
【0123】
更に、バックアップ用回転要素軸受け218,220が設けられ、回転アセンブリを規制し、磁気軸受け158,160の制御の突発事故における損傷から保護する。本実施例において、バックアップ用軸受け218,220はモータシャフト82の計より大きな内径を有する。磁気軸受け158,160、バックアップ用軸受け218,220、及びモータシャフト82は、モータシャフト82が稼動中に内径内の略中心部に位置され、モータシャフト82及び各磁気軸受け158,160の間に環状間隙部を形成するように設けられる。間隙部によりモータシャフト82はバックアップ用軸受け218,220と接触することなく自由に回転自在である。本構造体により、バックアップ用軸受け218,220は通常の稼動中に回転子アセンブリ156と接触しない。
可変周波数ドライブ
図21は本発明の実施例において永久磁石モータ153を六相構造体において駆動する可変周波数ドライブシステム(VFDシステム)248を示す。本実施例において、全6本の電力線250が一対の三相コイル252a,252bに電力を伝達する。三相コイル252a,252bの各組は、幹線224に接続される単巻変圧器256を通じて供給を受ける別体の独立した可変周波数ドライブ(VFD)電力部254a,254bによって駆動される。
【0124】
六相構造体において単巻変圧器256によりVFD電力部254a又はVFD電力部254bとの間にて30°の位相シフトを得られる。単巻変圧器256はVFDの要求に応じて必要に応じて入力電圧を上昇/下降させることに使用されてもよい。六相の実施例が開示されたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば単相電力部が一対の三相コイルを有する永久磁石モータに電力を供給してもよい。この別例において単巻変圧器256は位相シフトには使用されず、VFD電力部254a,254bに要求される電圧となるように入力電圧を上昇/下降させることに使用される。
【0125】
図21に示すようにVFD電力部254a,254bはそれぞれ入力整流器258と、フィルタ260と、電流チョッパ258と、ステアリング回路264とを備え、これら全てはDCバス266によって接続されている。整流器258は単巻変圧器256からのAC電力をDC電力に変換する。使用可能な整流器のタイプはダイオードブリッジ整流器、サイリスタ(thyrister)制御の整流器や、これらの組み合わせを含む。フィルタ260により整流されたDC電力のリップルが減少する。電流チョッパ262及びステアリング回路264を組み合わせることによりインバータ268をなす。
【0126】
インバータ268は永久磁石モータ15の所望の回転速度に応じた周波数にてDC電力を三相AC電力に変換する。DCバス266の電流のスィッチングはパルス幅変調器(PWM)を使用する複数の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBTs)により可能である。
【0127】
実施例においてインバータ268は「電流源」タイプと呼ばれ、永久磁石モータ153への出力は制御されたAC電圧というよりはむしろ制御されたAC電流である。電流源による駆動は、1997年に、Institute of Electrical and Electronics Engineersにより出版されたISBN0−7803−1061−6の、Bimal K. Boseによる「Introduction to Power Electronics and Drives」第5版に開示され、特別な用語の定義を除きその全体がここで開示されたものとする。
【0128】
電力工学、制御方法、及びマイクロプロセッサ制御により使用者は短所の減少した電流源による駆動の恩恵を受けることができる。電流源インバータはインバータの低いスィッチング周波数及び電圧上昇時間(dV/dT)を使用し、これにより、モータ応力を減少させ、システム全体の能率を高めることができる。電流源インバータは固有の限流機能も有する。電流源インバータは通常DCにおいて費用及び重量を要する大型インダクタを備える。電流制御方法は入力及び出力における高調波を制御するように精巧である。
【0129】
制御方法、能率、永久磁石モータと組み合わせた使用、及び高長波の軽減に関する設計に係るその他の文献を後述する。特定の用語の定義を除き、全ての文献はここで全体が開示されたものとする。
【0130】
1993年3月7乃至11日に開催されたApplied Power Electronics Conference and Expositionの第8回年次定例会APEC ’93.の議事録におけるEspinoza, J.R.、Joos G.、Ziogas, P.D.による「A general purpose voltage regulated current−source inverter power supply」778頁乃至784頁。
【0131】
IEEE Transactions34巻のIndustry Applications刊の1998年1月乃至2月の1号、Yuexin Yin、Wu, A.Y.による「A low−harmonic electric drive system based on current−source inverter」の227頁乃至235頁。
【0132】
IEEE Transactionsの21巻、2006年6月2号のColli, V.D.、Cancelliere, P.、Marignetti, F.、Di Stefano, R.による「Voltage control of current source inverters」の451頁乃至458頁。
【0133】
1998年7月乃至8月の4号、IEEE Transactions34巻のIndustry Applications刊のEspinoza, J.R.、Joos, G.による「A current−source−inverter−fed induction motor drive system with reduced losses」の796頁乃至805頁。
【0134】
1991年7月乃至8月の4号、IEEE Transactions27巻のIndustry Applications刊のWilliams, S.M.、Hoft, R. G.による「Implementation of current source inverter for power line conditioning」の773頁乃至779頁。
【0135】
1993年6月1乃至3日にBudapest.にて開催されたIEEE International Symposiumの議事録、ISIE‘93のIndustrial Electronics刊のEspinoza, J.、Joos, G.; Ziogas, P.による「An integrated three−phase voltage regulated current source inverter topology」の663頁乃至668頁。
【0136】
1999年9月5号、IEEE Transactions14巻のPower Electronics刊のToliyat, H.A.、Sultana, N.、Shet, D. S.、Moreira, J. Cによる「Brushless permanent magnet (BPM) motor drive system using load−commutated inverter」の831頁乃至837頁。
【0137】
1993年11月15乃至19日に開催された国際会議IECON ’93の議事録のIndustrial Electronics, Control, and Instrumentation刊のSlemon, G.R.による「High−efficiency drives using permanent−magnet motors」の725頁乃至730頁。
【0138】
様々な実施例における電流チョッパ262(別名ステップダウンコンバータ、バックコンバータや、多相バックコンバータ)の機能はDCバス電圧を永久磁石モータ153の起電力(back−emf)を越える所望のレベルに保持し、永久磁石モータ153の定電流源を保持することである。電流チョッパ262はダイオードのネットワーク、大型インダクタ、及びスィッチング装置を備える。スィッチング装置は平行に配置され、交互的パターンや多相パターンにて制御された複数の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBTs)であってもよい。この制御パターンはDCにおけるリップルを減少させ、電流源をスムージングするときにおける異なる点においてIGBTsを「on」に切りかける。
【0139】
ステアリング回路264はPWM制御パターンを使用してDC電力をパルス状の三相AC電力に変換するスィッチング装置のネットワークを備える。永久磁石モータ153の各三相コイル252a,252bへの電力は所望のモータ速度に応じた速度に切り換えられる。このタイプのインバータ出力部は電源ドライブと比較してずっと低いスィッチング周波数を使用する。
【0140】
本発明の別例において電圧インバータが使用される。このタイプのインバータにおいて、DC電圧は保持され、IGBTsスィッチは高い速度に切り換えられる。
機能的にVFDシステム248は、遠心インペラ80やインペラ80a,80bが冷却器の稼働要件を満たすために十分なトルク及び速度を得られるように整合される。VFDシステム248は従来技術による設計に対して電源高調波を減少させ、駆動系の能率を高める。モータ内の別体のコイルに電力を供給するために2つのVFD電力部254a,254bを使用することにより、従来技術による十二相VFDと組み合わせてインターフェイス変圧器を使用してDCバス電圧や電流を調整することが不要になる。構造体により、更にモータの加熱及びエネルギーの損失が減少する。
【0141】
VFDシステム248は本発明のモジュール設計において実行可能な所定の範囲の寸法のインペラ及び冷媒の組み合わせを収容するために高速稼動に設計可能である。20000rpmを越える回転速度が得られる。
【0142】
実施例において、VFDシステム248は液体冷媒や気体冷媒を収容する冷却バイパス回路(図示しない)を有するヒートシンクを備える。冷却バイパス回路はヒートシンクを所望の温度に制御するための制御弁及びヒートシンクからのフィードバック温度要素を備える。ヒートシンクの濡れ要素が使用される冷媒との適合するように選択される(例、冷媒R−134a及びポリオールエステルオイル)。動的に冷却した要素に非常に近接した電子機器は凝縮体からの水分を回避するか収容するように設計される。様々な実施例において水が冷却流体として使用される。
【0143】
整流器258は、特に高出力装置において幹線224に給電する電力網を通じて工場施設のみならず隣接する設備にも様々な弊害をもたらす原因になる高調波を生じる。高調波により生じる可能性のある問題は、コンダクタの過熱、コンデンサの故障や破損、ブレーカの疑似遮断(spurious tripping)、変圧器コイルの過熱の他、設備や電力網における制御装置、コンピュータ、及び需給計器の障害を含む。
【0144】
単巻変圧器256により得られる30°の位相シフトによりこれらの課題は付随する電源高調波を減少させ、インバータに対して12パルス入力(例、図21に示す2つのインバータ268のそれぞれに対して6パルス)を行うことにより軽減可能である。12パルス入力により第5の高調波及び第7の高調波を取り除くことができる。付加的に、六相モータ構造体における位相シフトにより、モータの加熱を減少させ、能率を最大限にすることができる。これらの方法は高調波を減少させるが、IEEE−519の要件を満たす必要がある場合に付加的な高調波フィルタと組み合わせて使用することができる。
中間部の電源
図22は本発明の実施例において、磁気軸受け158,160と、磁気軸受け制御装置270と、VFD制御装置272とを駆動する中間部の電源222を備える電源及びVFDシステム221を示す。通常の稼動下において中間部の電源222は各VFD電力部254a,254bのDCバス266から対応するDC電圧274a,274bによって給電される。中間部の電源222への付加的なDC入力276が整流器278を通じて入力幹線224から得られてもよい。
【0145】
実施例において、中間部の電源222はスィッチングコンバータ280及び絶縁電源変圧器282を備え、DC入力276や中間部のDC電圧274を所定の補助供給電圧に変換する。磁気軸受け158,160と、磁気軸受け制御装置270と、VFD制御装置272とは好適な絶縁電源変圧器282に連結されてもよい。
【0146】
本発明の様々な実施例において、中間部の電源222を電源とし、永久磁石モータ153の三相コイル252a,252bのそれぞれの回転により得られる起電力電圧284a,284bを得る。永久磁石電気モータ153が回転している場合に、起電力電圧284a,284bは幹線224からの電力の障害時においてDCバス266における唯一の電源となる。起電力電圧284a,284bは通常永久磁石電気モータ153の回転速度に比例する。
【0147】
機能的に中間部の電源222の余剰分により既存のDC電圧274a,274bを使用することなくコンプレッサアセンブリに機能的に給電することができる。例えば、最初のシステム起動時やシステムの補修時においてVFDが十分に給電されていない場合や、起電力電圧がない場合に、中間部の電源は整流器278を通じて電源となる。PMモータ153が回転している場合に起電力電圧284a,284bは中間部の電源222の代わりの電源となる。この剰余分によりVFD254a,254bの障害によりDC電圧274a,274bに損失が生じた場合に磁気軸受け158,160のみならず磁気軸受け制御装置270に対しても給電の付加的な保全性を得られる。
【0148】
通常の動作において、インバータ268により出力されるAC電圧は永久磁石モータ153により生じる起電力電圧284a,284bを丁度越えるように制御される。インバータ268内のIGBTsを切り換える位相のタイミングは回転位置フィードバック装置により得られる。
【0149】
幹線の入力供給電圧224が失われた場合に、DC電圧274a,274bは起電力電圧284a,284bによって保持される。起電力はIGBTスィッチング装置と平行に配置される「フリーホイール(freewheel)」構造体に配置されるダイオードを通過する。本構造体において、フリーホイールダイオードはDCバスを給電すべく整流器として機能する。これにより磁気軸受け158,160及び磁気軸受け制御装置270への電力は、磁気軸受け158,160への損傷を防止するために幹線224によって経験される過渡電流及び電線浸漬(line dips)において保持される。
【0150】
VFD254a,254bは様々な標準的な幹線電圧(即ち、380,400,415,440,460,480,及び575V)に所望の変動量(例、プラスマイナス10%)を加算して、50Hz回線周波数又は60Hz回線周波数にて稼動するように構成される。様々な入力電圧による調整により、広い範囲のDC電圧274a,274bが生じる。減少された電圧及び周波数にて稼動する機能により、中間部の電源222に送られるDC電圧274に対して更に変動量が付与される。従って、所定のレベルの規制が軸受け158,160及び制御装置270,272の給電に対して行われる。
【0151】
本構造体においてVFD制御装置272により、VFDシステム248は永久磁石モータ152を回転させ、VFDシステム248の状態を冷却システムのその他の要素に伝達することができる。
【0152】
VFDシステム248は冷却器設備のローカルのイーサネットのネットワークを介してセットアップのデータ及び動作のデータを送受信するように構成されてもよい。更に、VFDシステム248はイーサネットのネットワーク越しにソフトウェアのアップデートを転送するためのFTPサーバと、ドライブを監視しセットアップするためのHTTPサーバを有してもよい。
【0153】
図23は中間部の電源222が更にDC電圧274a,274bに「再生ブースト」286を設けて構成されることを示す。再生ブースト286はVFD264の出力インバータにおけるIGBTsの切り換え体制を変形することにより得られる。DC電圧274a,274bを保持することにより、更に中間部の電源222からの出力電圧を保持する。
【0154】
ブーストは「ブースト」コンバータをシミュレートするインバータスィッチングパターンを調整することにより得られる。このタイプの直流対直流のコンバータにおいて出力電圧は、DCインダクタ(エネルギー蓄積装置)、ダイオード、及びIGBTsを含む回路構成により入力電圧を超える。
【0155】
図23に再生ブースト286の効果の例をDC電圧274、及び永久磁石電気モータ153の回転速度290の規格化したグラフとして示す。破線は再生ブースト286を伴わずに生じるDC電圧274の非ブースト電圧288を示す。非ブースト電圧288は速度に比例して下降する。従って、中間部の電源222の出力は永久磁石モータ153の回転速度290がおおよそ5%となるまで下降を保持する。
【0156】
再生ブースト構造体のDC電圧274は実線286によって示される。再生ブーストの降下はおおよそ40%の速度以下の回転速度290にて得られ、DC電圧274は回転速度290がおおよそ2%以下の速度に下降するまで一定に保持される。2%以下の回転速度290においてDC電圧274は急激に減少し、おおよそ1%の回転速度にて出力ゼロに至る。
【0157】
従って、再生ブーストは制御装置270,272をゼロ近傍の回転速度290に保持する閾値を十分に越えるDC電圧274を得られるように構成される。再生ブーストは定格DC電圧に応じて磁気軸受け158,160を同じ回転速度290に保持する閾値を十分に越えるDC電圧274が得られるようにも構成される。
【0158】
エネルギーロスは非理想的な電気的要素によって生じる。従って、バックアップ用軸受け218,220は軸受け制御の異常な損失の後に残余の回転速度が存在する場合に回転アセンブリを支持可能である。通常の停止状態下において軸受け制御装置はモータシャフト82をバックアップ用軸受け218,220に下降させるに先立って、モータシャフト82を完全に停止させる。
【0159】
ブーストコンバータ、バックコンバータ、及び多段コンバータ等の電源及び変形例を切り換える装置及び方法は以下に列挙した文献に開示されている。これらは全て特別な用語の定義を除き、その全体がここで開示されたものとする。
【0160】
2003年出版、ISBN0−471−43908−2、Hobokenに所在するJohn Wiley & Sons, Inc.刊のMohan, Ned、Undeland, Tore M.、Robbins, William P.によるPower Electronics。
【0161】
John Wiley&Sons出版、ISBN 0−471−58408−8、N.Mohan、T.M.Undeland、及びW.P. Robbins.によるPower Electronics.Converters, Applications and Design。
【0162】
Prentice Hall出版、ISBN 0−13−686619−0、M.H.RashidによるPower Electronics.Circuits, Devices and Applications。
【0163】
Addison−Wesley出版、ISBN 0−201−09689−7、J.G.Kassakian、M.F.Schlecht、及びG.C. VergheseによるPrinciples of Power Electronics。
組立工程
以下の工程がコンプレッサアセンブリの様々な要素の組立に使用可能である。工程は任意であり、所望のアセンブリを得るために必要不可欠なものではない。また、工程の順序は変更可能であり、従って非限定的である。
【0164】
本発明の実施例におけるモータ/軸受けアセンブリの組み立て工程は以下の通りです。
−モータハウジング46の温度を上昇させる。
−固定子アセンブリ154をモータハウジング46内に挿入する。
−ハウジングを冷却し、固定子をモータハウジングに固定する。
−トルク保持のためにモータハウジング46及び固定子アセンブリ154の間に付加的な剪断抵抗を設ける回転防止ピンを設置する。
−モータターミナルブロック50をモータハウジング46に取り付ける。
−ボルト及びナットを使用してモータのリード線を端子に固定する。
−前方径方向磁気軸受け158及びバックアップ用軸受け220を前方軸受けキャリヤに挿入する。
−軸受け電源及びセンサのリード線を電気端子に接続する。
−キャリヤアセンブリをハウジング内に挿入し、ネジを使用して固定する。
−必要な固定具を使用して、モータ回転子/シャフトアセンブリ150,156を前方軸受けカートリッジ内に挿入する。
−引き裂き(tear)径方向磁気軸受け160と、前方スラスト軸受けアクチュエータ151bと、バックアップ用軸受け218,220とを後方軸受けキャリヤ149b内に挿入する。
−軸受け電源及びセンサのリード線を電気端子に接続する。
−キャリヤアセンブリをモータハウジング46内に挿入し、固定する。
−スラストランナ151aをモータシャフトに挿入する。
−スラスト軸受けアクチュエータ151cを後方軸受けキャリヤ内に挿入し、固定する。
−Oリングをモータハウジング端部カバー161内に挿入する。
−モータハウジング端部カバーをハウジングに取り付ける。
【0165】
空力部42はモータハウジング46に取り付けられた排出ハウジング54を使用して補修されるが、空力部42の補修中に排出ノズル72を所定の位置に保持し、これにより補修による休止時間を減少させるように設計されていることに留意する必要がある。付加的に排出ハウジング54は中心軸44を中心として回動し、遠心コンプレッサアセンブリ36の組立において可撓性を付与する。図6を参照すること。
【0166】
図9に示す構造体に従って、インペラ80をモータシャフト82に設置する工程は以下の通りである。
−インペラ80の設置に先立って、シャフトシール76が設置されていることを確認する。
−モータシャフト82をインペラ80に並べ、インペラをモータシャフト82上に押圧する。インペラは肩部87に対して載置される必要がある。
−平坦なワッシャ90及び2つのスプリングワッシャ92をインペラ80の前方カウンタボア85内に設置する。
−インペラ孔81を通じて締め付けボルト84を挿入し、締め付けボルト84をモータシャフト82の突起部86に設けられたネジ山と係合させる。所定のトルク力により締め付けボルトを締め付ける。
−鼻部円錐部88を前方カウンタボア85内に挿入し、所定のトルク力により締め付ける。鼻部円錐部は径方向開口部を通じてピンを設けることによりネジにより固定可能である。鼻部円錐部は左ネジを使用することに留意する必要がある。
遠心コンプレッサアセンブリ36の組立は以下の工程により可能である。
−波形バネ78及び保持リング79を使用してシャフトシール76を排出ハウジング54内に挿入する。
−排出ハウジング54をモータハウジング46に固定する。
−インペラ80をモータシャフト82に取り付ける(上記インペラ設置工程参照)。
−渦巻インサート56を排出ハウジング54内に挿入し、固定具を使用して所定の位置に固定する。
−インペラ中央部シール77及び波形バネ78をインペラハウジング57の入口端部の上方に挿入する。
−入口ガイドベーンアセンブリ64を入口ハウジング58内に挿入する。
−入口ハウジング58を排出ハウジング54に並べ、挿入し、固定する。
−インペラ80を回動することによりインペラ中央部シール77の適合を確認する。
【0167】
多段空力部の組立は類似の方法による。この組立はシャフト長及び軸受けの負荷を変形した以外は略同一の駆動系に応用可能である。
ウォームアセンブリ126の組立工程は以下の通りである(図13を参照すること)。
−ウォーム118をウォーム支持ブラケット133の切り欠き内に配置する。
−図13に示すようにシャフト128をウォーム支持ブラケット133のポート134,135を通じてハウジング内に挿入し、ウォームギヤを係合させる。ウォームギヤキー部をシャフトキー部に並べ、ウォームギヤキー139を挿入し、ウォームギヤをシャフトに係止させる。
−長尺状スペーサ129と、軸受け131と、スプリングワッシャ136とをウォーム支持ブラケット133の第1のポート134内に挿入する。スプリングワッシャ136を第1のポート134内に固定する。
−軸受け132をシャフト128を伝わらせ、第2のポート135内に摺動させ、保持クリップ137を第2のポート135内に設置する。
−短いスペーサ130をシャフト128に配置する。
−減速ギヤ123をシャフト128に配置する。ギヤキー部をシャフトキー部に並べ、ギヤキー139を取り付けて、減速ギヤ123をシャフト128に対して回動自在に固定する。
−保持クリップ127をシャフト128に取り付ける。
【0168】
入口ガイドベーンアセンブリ64の組立工程は以下の通りである(図12を参照すること)。
−フェースギヤ110を入口ハウジング58に載置する。入口ハウジング58はハウジングから見て外方に配向された歯を備える。
−ガイドベーンサブアセンブリ102をガイドベーンサブアセンブリ102の好適な配向にて入口ハウジング58内に挿入する。ガイドベーンサブアセンブリ102を挿入した後にベーンを閉鎖位置まで回動する。
−ギヤ部104を各ガイドベーンサブアセンブリ102に載置し、キ―スロット103をギヤ部104及びガイドベーンサブアセンブリ102内に並べる。
−キー(図示しない)を各ベーン/平歯車アセンブリのスロット内に位置させる。
−クリップリング105を各ガイドベーンサブアセンブリ102に取り付ける。
−平歯車104に面する扇形の面113を使用してガイドベーン係止リング112を入口ハウジング58に取り付ける。
−ウォームアセンブリ126を入口ハウジング58に固定し、ウォーム118とフェースギヤ110のウォームギヤ116が適切に係合しているか確認する。
−駆動ギヤ121を駆動モータ120に取り付ける。
−駆動モータ120をウォームアセンブリ126に固定し、ドライブモータギヤ121を減速ギヤ123と係合させる。
【0169】
本発明はここに開示されていない別例においても実施可能である。上方、下方、前方、後方、左、右等の相対的な用語は簡潔な記載のために意図されたものであり、本発明や要素を特定の配向に限定するものではない。図面に示した全ての寸法は本発明の範囲を逸脱することなく本発明の所定の実施例の潜在的な設計及び意図した利用に応じて代えてもよい。
【0170】
ここで開示される付加的な図面及び方法のそれぞれは個別に、或いはその他の特徴及び方法と組み合わせて使用可能であり、これにより同じものを製造及び使用するための改良した装置、システム、及び方法を得られる。従って、ここで開示される特徴及び方法の組み合わせはもっとも広い意味における本発明を実施するものではなく、単に本発明の代表的な実施例のみを具体的に示したに過ぎない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石モータを含み、冷媒気体を圧縮する遠心コンプレッサアセンブリと、同永久磁石モータはモータハウジング内に収容されることと、同モータハウジングは内側チャンバを形成することと、該永久磁石モータは、
回転軸を中心として回転自在なモータシャフトと、
モータシャフトの一部に操作自在に連結された回転子アセンブリと、
該モータシャフトに操作自在に連結された2つの磁気軸受けとを含み、
該モータシャフトは少なくとも1つの長尺状通路と、少なくとも1つの吸引通路とを含むことと、該少なくとも1つの長尺状通路はモータシャフトの少なくとも一部を通じて回転軸に略平行に延びることと、該少なくとも1つの吸引通路は内側チャンバ及び少なくとも1つの長尺状通路と連通することと、
該モータシャフトと回転子アセンブリとを冷却する冷媒気体を供給するために少なくとも1つの長尺状通路と連通するエバポレータとを備えることを特徴とする冷却器システム。
【請求項2】
モータシャフトに操作自在に連結される空力部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の冷却器システム。
【請求項3】
前記空力部及びモータシャフトは直接連結されていることを特徴とする請求項2に記載の冷却器システム。
【請求項4】
前記永久磁石モータは出力が140キロワットを越えることを特徴とする請求項1に記載の冷却器システム。
【請求項5】
前記永久磁石モータの回転速度は11000rpmを越えることを特徴とする請求項4に記載の冷却器システム。
【請求項6】
前記冷却器システムは200標準冷蔵トンを越える冷却性能を有することを特徴とする請求項1に記載の冷却器システム。
【請求項7】
永久磁石モータを備え、標準産業評価要件にて200冷蔵トンを越える冷却性能を有することを特徴とする冷却器システム。
【請求項8】
前記永久磁石モータは、磁気軸受けによって支持されるモータシャフトを備え、同モータシャフトは11000rpmを越える回転速度を有することを特徴とする請求項7に記載の冷却器システム。
【請求項9】
高性能且つ高能率な冷却器システムであって、
低摩擦損失のために磁気軸受けによって支持されるモータシャフトを有する永久磁石モータと、
中間部のギヤと同中間部のギヤに伴う機械的移動による損失とを取り除くためにモータシャフトに直接連結される少なくとも1つのインペラを備える空力部と、
該冷却器システムの冷蔵負荷に応じてインペラの所定の回転速度に適合するように永久磁石モータに操作自在に連結された可変周波数ドライブとを備え、
標準産業評価要件にて200冷蔵トンを越える冷却性能を有することを特徴とする冷却器システム。
【請求項10】
オイルフリーな磁気軸受けによって支持されるモータシャフトを有する永久磁石モータと、
中間部のギヤを取り除くためにモータシャフトに直接連結される少なくとも1つのインペラを備える空力部と、
自己潤滑材料からなるギヤ部を含む入口ガイドベーンアセンブリとを備えることを特徴とする高性能にして、且つオイルフリーな冷却器システム。
【請求項11】
永久磁石モータ及び空力部を含むコンプレッサアセンブリと、同永久磁石モータはモータシャフト、回転子アセンブリ、及び固定子アセンブリを含み、同モータシャフトは少なくとも2つの磁気軸受けに操作自在に連結されていることと、
該コンプレッサアセンブリと連通するコンデンサと、
該コンデンサ及びコンプレッサアセンブリと連通するエバポレータとを備え、
該コンプレッサアセンブリは気体冷媒を有する回転子アセンブリから熱を取り除くための回転子冷却回路を含むことと、同回転子冷却回路はエバポレータと操作自在に連結される気体冷却入口、及びエバポレータと操作自在に連結される気体冷却出口を有することと、
該コンプレッサアセンブリはコンデンサと操作自在に連結される液体冷却入口ポート、及びエバポレータと操作自在に連結される液体冷却出口ポートを有する液体冷却回路を含み、同液体冷却回路は液体冷媒を使用して固定子アセンブリを冷却するように構成されることとを特徴とする冷却器システム。
【請求項12】
前記モータシャフト及び空力部は空力部が直接駆動するように構成されることを特徴とする請求項11に記載の冷却器システム。
【請求項13】
前記気体冷却回路を通じて冷媒気体の流動速度を規制する回転子冷却回路に操作自在に連結された整流子装置を更に備えることを特徴とする請求項11に記載の冷却器システム。
【請求項14】
前記冷媒気体の流動速度を制御するためのフィードバック要素を更に備えることを特徴とする請求項13に記載の冷却器システム。
【請求項15】
前記フィードバック要素は温度探知プローブであることを特徴とする請求項12に記載の冷却器システム。
【請求項16】
永久磁石モータ及び空力部を含むコンプレッサと、同永久磁石モータはモータシャフトを回転させるべくモータシャフトに操作自在に連結された回転子アセンブリ及び固定子アセンブリを含むことと、該モータシャフトは少なくとも2つの磁気軸受けに操作自在に連結され、回転軸を中心として回転自在であることと、該モータシャフト及び空力部は空力部を直接駆動するように構成されていることと、
コンデンサ及びエバポレータと、同コンデンサ及びエバポレータはそれぞれ空力部に操作自在に連結されていることと、該コンデンサはエバポレータと比較してより高い動作圧力を有することと、
液体冷媒を含む固定子アセンブリを冷却する液体バイパス回路と、該液体冷媒はコンデンサによって供給され、エバポレータに帰還することと、該液体冷媒はエバポレータに対するコンデンサのより高い動作圧力によって液体バイパス回路を通じて誘導されることと、
気体冷媒を使用して回転子アセンブリを冷却する気体バイパス回路とを備え、該気体冷媒はモータシャフトの回転により生じる差圧によってエバポレータから吸引され、同エバポレータに帰還することを特徴とする冷却器システム。
【請求項17】
前記モータシャフトは少なくとも1つの長尺状通路及び少なくとも1つの吸引通路を更に備え、同少なくとも1つの長尺状通路はモータシャフトの少なくとも一部を通じてモータシャフトの回転軸に略平行に延びることと、同少なくとも1つの吸引通路は少なくとも1つの長尺状通路と連通することと、該少なくとも1つの長尺状通路及び少なくとも1つの吸引通路は気体バイパス回路の一部をなすこととを特徴とする請求項16に記載の冷却器システム。
【請求項18】
前記気体冷媒の流動速度を規制する気体冷却回路に操作自在に連結された整流子装置を更に備えることを特徴とする請求項16に記載の冷却器システム。
【請求項19】
冷却器システム用の空力部であって、
回転軸を中心として回転自在なドライブシャフトと、
渦巻きをなすべく渦巻きインサートと協動する排出ハウジングと、
該渦巻きに操作自在に連結された少なくとも1つのインペラと、同少なくとも1つのインペラは該ドライブシャフトと操作自在に連結されていることと、
該排出ハウジングに操作自在に連結され、該渦巻きと連通する排出ノズルとを備え、同排出ノズルは回転軸に対して選択的に配置され、下流導管に操作自在に連結されていることと、
該少なくとも1つのインペラ及び渦巻インサートは空力部から取り外し可能であることと、該排出ハウジングは排出ノズルに操作自在に連結された状態を保持することと、同排出ノズルは下流導管に操作自在に連結された状態を保持することとを特徴とする冷却器システム用の空力部。
【請求項20】
前記ドライブシャフトはモータシャフトであることを特徴とする請求項19に記載の空力部。
【請求項21】
前記排出ハウジングはモータハウジングに操作自在に連結されていることを特徴とする請求項19に記載の空力部。
【請求項22】
前記ドライブシャフトはモータシャフトであることを特徴とする請求項21に記載の空力部。
【請求項23】
前記排出ハウジング、少なくとも1つのインペラ、及び渦巻インサートはアルミニウム材料やアルミニウム合金材料からなることを特徴とする請求項19に記載の空力部。
【請求項24】
モータを含むモータハウジングと、
回転軸を中心として回転自在であり、該モータに操作自在に連結されたモータシャフトと、
該モータハウジング及びモータシャフトに操作自在に連結された空力部と、同空力部は入口導管に取り外し可能に連結される入口遷移部を含むことと、空力部はモータシャフトの回転軸と略並ぶ中心軸を形成することと、空力部は、
排出ハウジングと、
渦巻きをなすべく排出ハウジングと協動する渦巻インサートと、
該渦巻き及びモータシャフトと操作自在に連結される少なくとも1つのインペラとを含むことと、
該排出ハウジングと取り外し可能に連結され、渦巻きと連通する排出ノズルとを備え、同排出ノズルは下流導管と操作自在に連結されることと、
該少なくとも1つのインペラ、入口遷移部、及び渦巻インサートは空力部から取り外し可能であるが、該排出ハウジング、入口導管、モータハウジング、及び排出ノズルは固定された状態を保持することと、
該空力部はコンプレッサアセンブリから取り外し可能であるが、入口導管、モータハウジング、及び排出ノズルは固定された状態を保持することとを特徴とする冷却器システム用のコンプレッサアセンブリ。
【請求項25】
前記排出ノズルは前記中心軸に対して選択的に位置されることを特徴とする請求項24に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項26】
前記入口遷移部は複数のガイドベーンサブアセンブリに操作自在に連結されていることと、同複数のガイドベーンサブアセンブリはそれぞれベーンを備えることを特徴とする請求項24に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項27】
前記ガイドベーンサブアセンブリはそれぞれ台座部及びギヤ部を備えることを特徴とする請求項26に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項28】
前記モータシャフトは一対の磁気軸受けに操作自在に連結されていることを特徴とする請求項24に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項29】
冷媒気体を含む雰囲気中にて操作される複数のガイドベーンサブアセンブリと、同複数のガイドベーンサブアセンブリは入口遷移部に操作自在に連結されていることと、各ガイドベーンサブアセンブリはそれぞれの回転軸を形成し、同ガイドベーンサブアセンブリをそれぞれの回転軸を中心として回転させるためのギヤ部を含むことと、
該複数のガイドベーンサブアセンブリの各ギヤ部と操作自在に連結されたリング状フェースギヤと、
各ガイドベーンサブアセンブリをそれぞれの回転軸を中心として回動させるためにリング状フェースギヤを回動させるべく操作自在に連結された駆動モータとを備えることを特徴とする冷却器コンプレッサアセンブリ用の入口ガイドベーンアセンブリ。
【請求項30】
冷媒気体を含む雰囲気中にて操作される複数の入口ガイドベーンを備え、同複数の入口ガイドベーンは入口遷移部に操作自在に連結されていることと、各入口ガイドベーンはギヤ部によって回動自在に駆動されることと、該ギヤ部は冷媒気体に抵抗する自己潤滑材料からなることとを特徴とする冷却器コンプレッサアセンブリ用の入口ガイドベーンアセンブリ。
【請求項31】
モータシャフト、六相永久磁石モータ、及び少なくとも2つの磁気軸受けを有する駆動系と、該磁気軸受けは磁気軸受け制御装置によって制御され、磁気軸受けに閾値の電圧より大きな供給電圧が作用された場合にモータシャフトを浮揚させるべく操作自在に連結されることと、該六相永久磁石モータは該駆動系が回動される場合に後方への起電力を出力する第1の組の三相コイル及び第2の組の三相コイルを含むことと、
該供給電圧が閾値の電圧より小さかった場合にモータシャフトを係合させるように配置される少なくとも2つのバックアップ用回転要素軸受けと、
該第1の組の三相コイルと操作自在に連結される第1の可変周波数ドライブと、
該第2の組の三相コイルと操作自在に連結される第2の可変周波数ドライブと、
第1の可変周波数ドライブ及び第2の可変周波数ドライブに操作自在に連結され、同第1の可変周波数ドライブ及び第2の可変周波数ドライブの間にて30°位相シフトを生じる単巻変圧器と、該30°位相シフトにより第1の可変周波数ドライブ及び第2の可変周波数ドライブに対して12パルス入力が可能となることと、該単巻変圧器は幹線に操作自在に連結されることと、
該磁気軸受け及び磁気軸受け制御装置に供給電圧を供給する中間部の電源とを備え、同中間部の電源は幹線から電力が供給可能な場合に幹線から電力の供給を受けることと、中間部の電源は六相永久磁石モータが回転し、幹線が遮断された場合に後方への起電力によって電力の供給を受けることとを特徴とする冷却器システム用のコンプレッサアセンブリ。
【請求項32】
前記第1の可変周波数ドライブ及び第2の可変周波数ドライブは電流源タイプの可変周波数ドライブであることを特徴とする請求項31に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項33】
モータに操作自在に連結されるドライブシャフトを備え、モータはモータハウジング内に収容され、ドライブシャフトはモータハウジングの外側に延びる駆動端を有するコンプレッサアセンブリを組み立てる方法であって、
モータシャフトの駆動端が排出ハウジング内に延び、モータ排出ハウジングが入口遷移部及び出口遷移部を有し、モータハウジングが固定された状態を保持するように、モータハウジングに排出ハウジングを取り付ける工程と、
該モータシャフトの駆動端にインペラを取り付ける工程と、
渦巻きを形成すべく、インペラに操作自在に連結される渦巻インサートを排出ハウジングに設置する工程と、
入口ハウジングを入口遷移部に連結させる工程と、
該出口遷移部を、固定された状態を保持する下流拡散システムに連結させる工程とを含むことを特徴とするコンプレッサアセンブリの組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2010−506087(P2010−506087A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531489(P2009−531489)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/021536
【国際公開番号】WO2008/045413
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(505387059)エーエーエフ−マックウェイ インク. (3)
【Fターム(参考)】