容器梱包体の製造方法、容器梱包体の製造システム、容器梱包体、容器収容体の製造方法、容器収容体の製造システム、および容器収容体
【課題】商品名や商標名などの標記を梱包材の外部から視認可能な状態とし、宣伝広告効果をより確実に生じさせる。
【解決手段】容器梱包体の製造工程には、缶体20を停止させる機能を有したストッパーユニット70、このストッパーユニット70に対して缶体20を供給する第1供給装置41〜第6供給装置46、ストッパーユニット70上に位置する6つの缶体20を把持するとともにこの6つの缶体20を梱包工程へ搬送する把持ユニット50が設けられている。第1供給装置41〜第6供給装置46の各々は、缶体20をストッパーユニット70に向けて搬送するとともに缶体20を周方向に回転させ缶体20に付された識別標記を予め定められた方向(缶体20の搬送方向上流側)に向ける回転機構30を備えている。
【解決手段】容器梱包体の製造工程には、缶体20を停止させる機能を有したストッパーユニット70、このストッパーユニット70に対して缶体20を供給する第1供給装置41〜第6供給装置46、ストッパーユニット70上に位置する6つの缶体20を把持するとともにこの6つの缶体20を梱包工程へ搬送する把持ユニット50が設けられている。第1供給装置41〜第6供給装置46の各々は、缶体20をストッパーユニット70に向けて搬送するとともに缶体20を周方向に回転させ缶体20に付された識別標記を予め定められた方向(缶体20の搬送方向上流側)に向ける回転機構30を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器梱包体の製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料が充填される缶本体部は、例えば、金属板を打ち抜きカップ状に成形するカップ成形工程、絞り加工およびしごき加工により有底の円筒体を形成するボディ成形工程、円筒体の上縁部を切り揃えるトリミング工程、円筒体の上端付近を縮径化すると共にフランジ部を形成するネック・フランジ工程により形成される(例えば、特許文献1参照)。また、印刷工程において上記円筒体の外面に商品名等の標記が印刷される。そして、このように形成された缶本体部に飲料が充填された後、缶蓋が取り付けられ飲料缶が完成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−95231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで飲料缶などの商品の宣伝は、テレビコマーシャルなどにより行われることが多いが、宣伝広告効果は、テレビコマーシャル以外においても生じさせることができる。たとえば、スーパーマーケットなどにおいては6本パックなど複数本の容器がまとめられた状態で販売されることがあるが、容器に付された商品名や商標名などの標記が外部から視認可能な状態にあると、この標記が購入者に視認され、宣伝広告効果が生じるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される容器梱包体の製造方法は、外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ標記を予め定められた特定の方向に向ける回転工程と、回転工程により回転された容器を複数本まとめて梱包する梱包工程と、を含む容器梱包体の製造方法である。
【0006】
ここで、梱包工程では、梱包材の外部から容器の外周面が視認可能なように梱包を行い、回転工程では、梱包材により梱包された際に標記が梱包材の外側を向くように容器の回転を行うことを特徴とすることができる。また、梱包工程では、開口を有した梱包材を用いて梱包を行い、回転工程では、梱包材により梱包された際に梱包材の開口に対峙する容器の標記が開口を通じ梱包材の外部から視認可能なように回転を行うことを特徴とすることができる。さらに、回転工程では、容器を移動させるとともに容器の外周面に対し移動に対する抗力を与え容器を周方向に回転させることを特徴とすることができる。また、回転工程では、容器を移動させながら容器を周方向に回転させ標記を特定の方向に向けるとともに、移動させた容器を容器集積部に集積し、容器集積部に集積された複数本の容器を保持し、保持した複数本の容器を容器集積部から梱包工程へ搬送する搬送工程をさらに含むことを特徴とすることができる。また、回転工程では、容器を移動させながら容器を周方向に回転させ標記を特定の方向に向けるとともに、移動させた容器を容器集積部に集積し、容器集積部を梱包工程へ搬送することで容器集積部に集積された複数本の容器を梱包工程へ搬送する搬送工程をさらに含むことを特徴とすることができる。
【0007】
また、本発明を容器梱包体の製造システムと捉えた場合、本発明が適用される容器梱包体の製造システムは、外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ標記を予め定められた特定の方向に向ける回転手段と、回転手段により回転された容器を複数本まとめて梱包する梱包手段と、を含む容器梱包体の製造システムである。
【0008】
ここで、容器は、外周面に且つ周方向における異なる位置に表面性状が互いに異なる第1の領域および第2の領域を有し、回転手段は、容器を移動させるとともに、容器に形成された第1の領域に接触部材を接触させ第1の領域に抗力を与えることで容器を周方向に回転させ、回転に伴い接触部材に接触する第2の領域を接触部材に対して滑らせ、容器に付された標記を特定の方向に向けることを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明を容器梱包体と捉えた場合、本発明が適用される容器梱包体は、外周面に標記が付された複数本の容器と、複数本の容器を下方から支持する底面と、複数本の容器の上部に位置する上面と、開口を有し複数本の容器の側方に配置される側部と、を備え、複数本の容器を梱包する梱包材と、を有し、容器の外周面に付された標記が梱包材の開口を通じ梱包材の外部から視認可能なように、容器の周方向における回転が行われたうえで梱包材による容器の梱包が行われた容器梱包体である。
【0010】
ここで、上面は、略矩形状に形成され、第1の辺と、第1の辺と略直交する関係で配置された第2の辺と、第1の辺と略平行な第3の辺と、第2の辺と略平行な第4の辺と、を有し、側部は、上面の第1の辺に接続され第1の辺から下方に延びる第1の側部と、上面の第3の辺に接続され第3の辺から下方に延びる第2の側部とを有するとともに、上面の第2の辺の下方および上面の第4の辺の下方に開口を有し、第2の辺の下方に形成された開口および第4の辺の下方に形成された開口を通じ梱包材の外部から標記が視認可能なように、回転が行われ梱包が行われたことを特徴とすることができる。また、側部は、第1の側部および第2の側部の少なくとも一方に梱包材の内部を外部から視認可能とする側部開口をさらに備え、側部開口に対峙する容器の標記が側部開口を通じ梱包材の外部から視認可能なように、回転が行われ梱包が行われたことを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明を容器収容体の製造方法と捉えた場合、本発明が適用される容器収容体の製造方法は、外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ標記を予め定められた特定の方向に向ける回転工程と、回転工程により回転された容器を内部が視認可能な袋状部材に複数収容する収容工程と、を含む容器収容体の製造方法である。ここで、回転工程では、容器が袋状部材に収容された際に標記が袋状部材の外側を向くように容器の回転を行うことを特徴とすることができる。
また、本発明を容器収容体の製造システムと捉えた場合、本発明が適用される容器収容体の製造システムは、外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ標記を予め定められた特定の方向に向ける回転手段と、回転手段により回転された容器を内部が視認可能な袋状部材に複数収容する収容手段と、を含む容器収容体の製造システムである。
また、本発明を容器収容体と捉えた場合、本発明が適用される容器収容体は、外周面に標記が付された複数本の容器と、内部が視認可能に構成され、複数本の容器を収容する袋状部材と、を有し、容器の外周面に付された標記が袋状部材の外部から視認可能なように、容器の周方向における回転が行われたうえで袋状部材に容器が収容された容器収容体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明を採用しない場合に比べより確実に、商品名や商標名などの標記を梱包材の外部から視認可能な状態とすることができ、宣伝広告効果をより確実に生じさせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る容器梱包体を示した図である。
【図2】容器梱包体の製造方法を説明するための図である。
【図3】把持ユニットの動作を説明する図である。
【図4】梱包工程を説明するための図である。
【図5】ストッパーユニットを説明するための図である。
【図6】ストッパーユニットを説明するための図である。
【図7】回転機構の斜視図である。
【図8】回転機構をストッパーユニット側から眺めた場合の図である。
【図9】回転機構の上面図である。
【図10】缶体を説明するための図である。
【図11】回転機構における缶体の動作を説明するための図である。
【図12】回転機構の他の一形態を示した図である。
【図13】缶体に対して印刷を行う印刷機を示した図である。
【図14】缶体の他の形態を示した図である。
【図15】缶体の他の一形態を示した図である。
【図16】缶体の搬送方法の他の一例を説明するための図である。
【図17】缶体の搬送方法の他の一例を説明するための図である。
【図18】缶体を陳列する陳列装置の上面図である。
【図19】陳列装置における缶体の動作を説明するための図である。
【図20】フィルムにより6つの缶体を梱包した容器梱包体を示した図である。
【図21】フィルムにより6つの缶体を梱包した容器梱包体を示した図である。
【図22】第1突起および缶体を示した図である。
【図23】回転機構の他の形態を示した図である。
【図24】ボトル状容器が収容された容器収容体を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る容器梱包体を示した図である。
同図に示す容器梱包体200は、内部に飲料が充填された複数本(本図では6本)の缶体20(容器の一例)と、この複数本の缶体20をまとめて梱包する紙製の梱包材100とから構成されている。
【0015】
本図における缶体20は、いわゆる2ピース缶であり、底部を有し且つ円筒状の胴部を有する缶本体21と、プルタブを有し缶本体21の上部に取り付けられる蓋部材(不図示)とから構成されている。なお本図では、2ピース缶を例示しているが、いわゆる3ピース缶であっても本実施形態を適用できる。また、缶体に限られずいわゆるペットボトルなどにも適用できる。また本実施形態における缶体20の各々には、外周面に、商品名、商標名など他の商品と識別するための識別標記23が印刷されている。
【0016】
一方、梱包材100は、略矩形状に形成され第1の辺131〜第4の辺134の4つの辺を有する上面の一例としての天井部130を有している。ここで第1の辺131と第2の辺132とは略直交する関係で配置されている。また第3の辺133は、第1の辺131と略平行となる関係で配置されている。さらに、第4の辺134は第2の辺132と略平行となる関係で配置されている。
【0017】
また、梱包材100は、缶体20の側方に配置された側部110を有している。この側部110は、天井部130に接続して設けられるとともに天井部130に設けられた第1の辺131から下方に延びる第1側部111、同じく天井部130に接続して設けられるとともに天井部130に設けられた第3の辺133から下方に延びる第2側部112を有している。また側部110は、天井部130に設けられた第2の辺132の下方に、容器梱包体200の内部と外部とを通じさせる第1開口150を有している。
【0018】
さらに側部110は、天井部130に設けられた第4の辺134の下方に、容器梱包体200の内部と外部とを通じさせる第2開口160を有している。また梱包材100は、第1側部111と第2側部112とを接続した状態で設けられ缶体20を下方から支持する底部(底面)140を備えている。なお天井部130は、持ち運ばれる際にユーザの手指が挿入される挿入口135を有している。また天井部130には、内部の缶体20が取り出される際に切断される切断線(ミシン目)136が形成されている。
【0019】
また本実施形態における容器梱包体200では、第1開口150および第2開口160を通じ、容器梱包体200の外部から内部の缶体20(缶体20の外周面)が視認可能となっている。また梱包材100は、矩形状に形成された第1開口150の四隅に、内部の缶体20の脱落を防ぐストッパ112を有している。なお図示は省略するが、このストッパ112は、第2開口160の四隅にも設けられている。
【0020】
また本実施形態における容器梱包体200では、缶体20の向きが揃えられた状態(制御された状態)で缶体20が梱包されている。より具体的には、缶体20に付された識別標記23が容器梱包体200の外部から視認可能なように、缶体20の向きが揃えられている。付言すると、各々の缶体20は、識別標記23が容器梱包体200の外側(外方側)を向くように配置されている。このため本実施形態では、図1に示すように、第1開口150を通じ識別標記23が視認可能となっている。また図示は省略するが、第2開口160を通じ識別標記23が視認可能となっている。
【0021】
また上記では説明を省略したが、第1側部111の略中央部には開口113(側部開口の一例)が形成されており、この開口113を通じ、容器梱包体200の中央部に収められた缶体20(開口113に対峙する缶体20)の識別標記23も視認可能となっている。なお、第2側部112にも同様に開口が形成されており(不図示)、この開口からも、容器梱包体200の中央部に収められたもう一つの缶体20の識別標記23が視認可能となっている。
【0022】
次に上記容器梱包体200の製造方法について説明する。
図2は、容器梱包体200の製造方法を説明するための図である。
本実施形態における容器梱包体200の製造工程には、缶体20を停止させる機能を有したストッパーユニット70と、このストッパーユニット70に対して缶体20を供給する第1供給装置41〜第6供給装置46と、ストッパーユニット70上に位置する6つの缶体20(ストッパーユニット70に集積された缶体20)を把持(保持)するとともにこの6つの缶体20を搬送する把持ユニット50が設けられている。
【0023】
ここで第1供給装置41〜第6供給装置46の各々は、缶体20をストッパーユニット70に向けて搬送するとともに缶体20を周方向に回転させ缶体20に付された識別標記23を予め定められた方向(缶体20の搬送方向上流側)に向ける回転機構30(回転手段の一例)を備えている。また、缶体20の搬送経路上に突出し缶体20の移動を規制する規制板60と、規制板60を上記搬送経路上から退避させるモータなどの駆動源と、この駆動源を制御する制御部(不図示)とを有している。
【0024】
本実施形態では、規制板60が上記搬送経路上から所定時間退避することで、第1供給装置41〜第6供給装置46の各々から、一本ずつ缶体20がストッパーユニット70に供給(集積)される。なおこの際、第1供給装置41〜第6供給装置46の各々から供給される缶体20は、識別標記23が缶体20の移動方向上流側を向くようになっている。そして、6本の缶体20がストッパーユニット70に載ると、把持ユニット50がストッパーユニット70の上部に移動するとともに6本の缶体20を把持する。そして把持ユニット50は、この6本の缶体20を梱包工程へ搬送する。なお把持ユニット50による缶体20の把持は、例えば吸引により行うことができる。
【0025】
図3は、把持ユニット50の動作を説明する図である。
図3(A)に示すようにまた上記のとおり、本実施形態では、ストッパーユニット70に6本の缶体20が載せられる。その後、同図(B)に示すように、把持ユニット50がストッパーユニット70に接近する。そして、同図(C)に示すように、把持ユニット50による6本の缶体20の把持が行われる。次いで、同図(D)に示すように、把持ユニット50により6本の缶体20が持ち上げられ、この6本の缶体20は梱包工程へ搬送される。
【0026】
図4は、梱包工程を説明するための図である。
梱包工程では、同図(A)に示すように予め定められた位置に、梱包材100がセットされている。そして、把持ユニット50により把持された6本の缶体20は、同図(A)及び(B)に示すように、梱包材100の上にセットされる。その後、把持ユニット50は、缶体20の把持を終了するとともに、同図(C)に示すように、梱包材100から離れる方向に移動する。その後、公知の手法により6本の缶体20の包装が行われ、同図(D)に示すように、容器梱包体200が完成する。なお梱包材100への缶体20の搬送を終えた把持ユニット50は、初期位置(ホームポジション)に一旦戻るとともに、ストッパーユニット70に新たにセットされる缶体20の把持を行う。
【0027】
次にストッパーユニット70について詳細に説明する。
図5および図6は、ストッパーユニット70を説明するための図である。
図5に示すように、容器集積部の一例としてのストッパーユニット70は、缶体20を下方から支持する支持面320と、この支持面320から上方に向かって突出した第1突起301〜第12突起312とを有している。ここで、第1突起301および第2突起302は、第1供給装置41(図2参照)により供給される缶体20の移動経路上に設けられ、この缶体20を予め定められた所定位置に停止させる。また、第3突起303および第4突起304は、第2供給装置42により供給される缶体20の移動経路上に設けられ、この缶体20を予め定められた所定位置に停止させる。さらに、第5突起305および第6突起306は、第3供給装置43により供給される缶体20の移動経路上に設けられ、この缶体20を予め定められた所定位置に停止させる。
【0028】
また、第7突起307および第8突起308は、第4供給装置44により供給される缶体20の移動経路上に設けられ、この缶体20を予め定められた所定位置に停止させる。また、第9突起309および第10突起310は、第5供給装置45により供給される缶体20の移動経路上に設けられ、この缶体20を予め定められた所定位置に停止させる。さらに、第11突起311および第12突起312は、第6供給装置46により供給される缶体20の移動経路上に設けられ、この缶体20を予め定められた所定位置に停止させる。この結果本実施形態では、図6に示すように、ストッパーユニット70の支持面320に、6つの缶体20が格子状に並ぶようになる。また缶体20に付された識別標記23がストッパーユニット70の外側を向くようになる。なおこの6つの缶体20は、格子状に並べられた状態で梱包工程まで搬送され梱包される。このため、梱包材100により梱包された後にも、識別標記23が梱包材100の外側を向いた状態となる。
【0029】
次に、第1供給装置41〜第6供給装置46に設けられた回転機構30について詳細に説明する。図7は、回転機構30の斜視図である。なお図7では、第1供給装置41に設けられた回転機構30を例示している。また図7では、規制板60(図2参照)も併せて表示している。また図8は、回転機構30をストッパーユニット70(図2参照)側から眺めた場合の図である。また図9は、回転機構30の上面図である。
【0030】
回転機構30は、図7に示すように、缶体20が載せられる載置部31と、缶体20の移動経路を形成するとともに缶体20の移動を案内するガイド32とを備えている。ここで、このガイド32は、図9に示すように、缶体20の移動経路に沿って配置されている。またガイド32は、缶体20の移動経路の両側に設けられている。ここでガイド32は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料などにより形成される。なお缶体20の移動経路の両側に設けられた2つのガイド32のうち図中右側に位置するガイド32は省略することができる。
【0031】
ここで載置部31は、図9に示すように、缶体20が載置される載置面31Aを有している。そしてこの載置面31Aは、図中下側が上側よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、載置面31Aと前後方向の水平面とが角度θV(以下、「前後方向傾斜角度θV」と称する場合がある)をなすように、載置面31Aは傾斜して配置されている。また載置面31Aは、図中左側のガイド32の方が図中右側のガイド32よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、載置面31Aと左右方向(幅方向)の水平面とが角度θH(以下、「左右方向傾斜角度θH」と称する場合がある)をなすように、載置面31Aは傾斜して配置されている。
【0032】
さらに説明すると、本実施形態では、缶体20の移動経路(搬送経路)の一方の側方側および他方の側方側のうちの一方の側方側に、詳細は後述する抵抗付与部33が設けられている。そして本実施形態における載置面31Aには、この他方の側方側からこの一方の側方側に向かうに従い下る傾斜が付与されている。なお図9における符号9A,9Bは載置面31Aにおける傾斜の状態を示している。なお本明細書においては、以下、左方のガイド32を左ガイド32と称し右方のガイド32を右ガイド32と称する場合がある。
【0033】
さらに載置部31は、載置面31Aに、載置部31の幅方向に並列配置された第1ローラ列311、第2ローラ列312を有している。ここで、第1ローラ列311は上記一方の側方側に設けられ、第2ローラ列312は上記他方の側方側に設けられている。ここで各ローラ列は、複数のロール状部材314を有している。なお、第1ローラ列311に含まれるロール状部材314は、缶体20の移動方向に沿った回転が可能であり缶体20をストッパーユニット70(図2参照)に向けて円滑に移動させる。一方で、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、載置部31を移動する缶体20に対し移動に対する抗力を付与する。
【0034】
ここで第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、缶体20のうちの上記他方の側方側(抵抗付与部33が設けられている側とは反対側)に位置する部位に接触し缶体20に対して抗力を付与する。なお本実施形態では、第2ローラ列312に含まれる全てのロール状部材314を回転できないように固定したが、一個おきにロール状部材314を固定するなど、一部のロール状部材314を固定してもよい。なお、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314の固定は、接着剤等により行うことができる。またテープ等を貼付して固定することもできる。また第2ローラ列312に含まれるロール状部材314を設けず、このロール状部材314に対応する凸部を載置部31の表面に設けることもできる。なお、第1ローラ列311におけるロール状部材314の幅W1と、第2ローラ列312におけるロール状部材314の幅W2とは、図9では等しくなっているが、この寸法関係は一例であり、例えば、容器20が回転しにくい場合などにおいては、上記幅W1を大きくし上記幅W2を小さくすることができる。また、容器20が回転しやすい場合などにおいては、上記幅W1を小さくし上記幅W2を大きくすることができる。
【0035】
さらに本実施形態では、図7および図9に示すように、左ガイド32に、接触する缶体20に対して摺動抵抗(摩擦抵抗)を付与する抵抗付与部33(接触部材の一例)が設けられている。この抵抗付与部33は、図7に示すように、缶体20の移動経路に沿って設けられている。また抵抗付与部33は、移動経路の一方の側方側および他方の側方側のうちの一方の側方側に設けられている。また抵抗付与部33は、図8に示すように、缶体20の移動経路に沿って設けられるとともに左ガイド32に形成された溝に埋め込まれた円柱状の基材33Aと、この基材33Aの外表面に貼付された貼付部材33Bとから構成されている。
【0036】
基材33Aを円柱状(断面を円形)に構成した場合、載置部31の上を移動する缶体20が上下方向や左右方向に傾いたとしても、抵抗付与部33と缶体20との接触面積が一定となりやすい。なお本実施形態における基材33Aはアルミニウムにより形成され、貼付部材33Bは塩化ビニルにより構成されたビニールテープにより構成されている。付言すると、貼付部材33Bは、基材33Aよりも柔軟性を有する材料により構成されている。
【0037】
なお貼付部材33Bは、例えば、EPDM(エチレン−プロピレンゴム)などのゴム部材を用いることができる。また抵抗付与部33は、貼付部材33Bを貼付しない構成とすることができる。また貼付部材33Bを設けず基材33Aを缶体20に接触させる場合、この基材33Aに対しブラスト処理などを行い、基材33Aの表面に微細な凹凸を付与することができる。また上記では、円柱状の基材33Aを左ガイド32の溝に埋め込んだ例を説明したが、半円状の基材33Aを左ガイド32の表面に貼付することもできる。また本実施形態では載置面31Aの傾斜を利用して缶体20を移動させるが、モータでロール状部材314を駆動し、回転駆動するロール状部材314により缶体20を移動させることもできる。
【0038】
次に缶体20について詳細に説明する。
図10は、缶体20を説明するための図である。
なお、同図(A)は缶体20を一方側から図示したものであり、同図(B)は、缶体20を他方側から図示したものである。また、同図(C)は同図(A)のS部における断面を示し、同図(D)は同図(A)のT部における断面を示している。
【0039】
缶体20は、同図(A)および(B)に示すように、外周面に、缶体20の周方向おける位置が異なる第1領域R1、第2領域R2を有している。ここで第2領域R2は、帯状に形成されるとともに缶体20を識別標記23が設けられた側から眺めた場合(図10(A)の状態参照)に、缶体20の側部に位置している。付言すると、正面視にて、第2領域R2は缶体20に右側部に設けられている。さらに説明すると、本実施形態では、識別標記23が一方向を向いている場合に、第2領域R2がこの一方向と略直交する方向(交差する方向)を向くようになっている。一方で、第1領域R1は第2領域R2よりも大きい面積を有して形成され、第2領域R2が形成されている領域以外の領域に形成されている。
【0040】
ここで同図(C)を参照し第2領域R2の表面状態についてまず説明する。
同図(C)に示すように、第2領域R2には、容器本体58の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面にクレーター状の凹凸を有したトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0041】
ここで本実施形態におけるインキ層51には、色材としての顔料が含まれている。この顔料としては、各種の有機顔料や無機顔料が用いることができる。また、インキのビヒクルは、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分としている。ここで熱硬化性樹脂としては、アルキッド型又はポリエステル型の樹脂等が用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としては、紫外線ラジカル重合型、紫外線カチオン重合型の樹脂等が用いられる。さらに、インキには添加剤が含有されていても良い。添加剤としては、艶消し剤、ワックス類(天然系、石油系、合成系)、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、消泡剤、光重合開始剤等が用いられる。
【0042】
またインキ層51は、いわゆるはじきインキにより形成されている。即ち、インキ層51は、このインキ層51の表面にトップコート層52を形成する塗料が塗られた場合にこの塗料をはじくインキにより形成されている。ここでトップコート層52における上記凹凸は、トップコート層52を形成する塗料がこのインキ層51によりはじかれることにより形成されたものである。
【0043】
なおトップコート層52を形成する塗料をインキ層51によりはじくためには(上記凹凸を形成するためには)、インキ層51の形成に用いるインキの表面張力を、トップコート層52の形成に用いる塗料の表面張力よりも5mN/m以上低く設定することが望ましい。換言すると、インキの表面張力が塗料の表面張力よりも低く、且つ、インキと塗料との間の表面張力の差が5mN/m以上であることが望ましい。ここでインキの表面張力の低下は、例えば、通常のインキにシリコーンを添加することにより行うことができる。
【0044】
一方、トップコート層52に用いる塗料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分とするものであり、必要に応じてワックス成分を含有している。熱硬化性樹脂としては、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂(例:ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂等が用いられる。
【0045】
さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との組成物を用いても良い。この場合、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。また、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の公知の酸触媒が添加されていても良い。酸触媒を用いる場合は、酸触媒は樹脂に対して0.5〜1質量%添加するのが望ましい。また、これらの樹脂のうち、特に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と飽和ポリエステル樹脂との組成物や、熱硬化性アクリル樹脂とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂との組成物を用いることが塗膜性能面で望ましい。
【0046】
一方、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン硬化型樹脂、ラジカル硬化型樹脂等が用いられる。カチオン硬化型樹脂としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒との組成物等が用いられる。
【0047】
また、トップコート層52に用いる塗料において、上記の樹脂に架橋剤や増感剤を必要に応じて添加しても良い。架橋剤としては、種々のポリオール類(例:ε−カプロラクトントリオール)等が用いられる。増感剤としては、チオキサントン誘導体等が用いられる。さらに、トップコート層52に用いる塗料に、滑りを補うために、ワックス成分として天然系、石油系、合成系のワックス剤を単独で又は複合して添加しても良い。さらに、トップコート層52の表面のレベリング剤として、あるいは/更に、塗料状態での安定性を高めるためや初期滑り性をトップコート層52に付与するために、各種のシリコーンオイルを添加しても良い。
【0048】
なお、インキ層51およびトップコート層52の組成等の一例を挙げると以下のようになる。
[トップコート層52]
樹脂成分:ポリエステル30%、アクリル13%、アミノ55%、エポキシ2%
ワックス:石油系0.3%、天然系1%、合成系0.2%(樹脂成分に対し)
シリコーンオイル(混合):0.15%(樹脂成分に対し)
表面張力:33mN/m
厚さ:5μm
[インキ層51](はじきインキ)
主樹脂:アルキッド樹脂
顔料:TiO2
表面張力:28mN/m
厚さ:2μm
【0049】
なお上記は、第2領域R2の形成方法の一例を説明したものであり、例えば特開2002−361172号公報に開示されている技術を用いて第2領域R2を形成してもよい。即ち、トップコート層52を形成する塗料をインキ層51の表面で斑状に凝集させることで凹凸を形成し第2領域R2を形成してもよい。また第2領域R2のクレーター状の凹凸は、発泡剤を含有したいわゆる発泡インキを用いてインキ層51を形成することにより形成することができる。なお、本特許にて塗布材料により生じさせる上記第2領域R2の凹凸は、最大深さで3〜10μm程度のオーダーであり、通常のコーティング塗料では、深さ1μm程度或いはそれ未満の程度の平滑面を第1領域R1と言っている。
【0050】
次いで、同図(D)を参照し第1領域R1の表面状態について説明する。
同図(D)に示すように第1領域R1には、インキ層51の表面に、上記第2領域R2におけるトップコート層52よりも表面が平滑に形成されたトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0051】
ここで第1領域R1におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料をはじかないインキ(通常インキ)を用いて形成している。付言すれば、インキ層51を形成するインキは、表面張力がトップコート層52を形成する塗料の表面張力と等しいか又はそれよりも高いインキが用いられている。このため第1領域R1では、トップコート層52を形成する塗料がはじかれず、トップコート層52の表面は、第2領域R2におけるトップコート層52に比べ平滑となる。なお、インキ層51を形成するインキの基本的な組成等は上記と同様である。トップコート層52を形成する塗料の基本的な組成等は上記と同様である。
【0052】
また本実施形態における缶体20は、上記のとおり、その外面(外周面)に、商品名、商標名など他の商品と識別するための識別標記23を有している。ここで、この識別標記23は第1領域R1に形成されている。また識別標記23は、上記インキ層51により形成されている。
【0053】
次に、回転機構30における缶体20の動作について説明する。
図11は、回転機構30における缶体20の動作を説明するための図である。
同図に示すように缶体20の搬送方向上流側にて載置部31に置かれた缶体20は、載置面31Aに対し左右方向における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、抵抗付与部33によって案内されながら前方に向かって移動する(符号11A参照)。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され(第1領域R1に抗力が付与され)、缶体20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号11A、11B参照)。
【0054】
そして符号11Cのように、第2領域R2が抵抗付与部33に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、缶体20の回転は停止する。その後、缶体20は抵抗付与部33により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。これにより、回転機構30の前方に達した缶体20は、識別標記23が後方(移動方向における上流側)を向いた状態となる。付言すると、本実施形態では、第2領域R2と識別標記23は、上記のとおり予め定められた所定の位置関係を有して配置されている。より詳細には、第2領域R2が左方側(一方向)を向いている場合に識別標記23が後方(一方向と交差する方向、一方向と直交する方向)を向くように配置されている。このため、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した状態となると、識別標記23が後方を向く。
【0055】
なお図11では第1ローラ列311、第2ローラ列312(図9参照)の図示を省略した。ここで、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した場合、第2領域R2と抵抗付与部33とは点接触に近い状態で接触する。付言すれば、第2領域R2と抵抗付与部33とは接触面積が低下する状態となる。このため、第2領域R2と抵抗付与部33との間で上記滑りが生じるものと考えられる。
【0056】
なお本実施形態における回転機構30では、上述のとおり、第2ローラ列312(図9参照)に含まれるロール状部材314は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、移動してくる缶体20に対し移動に対する抗力を付与することとなる。ここで本実施形態における構成にて、第2ローラ列312から缶体20に対し抗力を付与しない場合、第2領域R2と抵抗付与部33とが接触しているにも関わらず缶体20が回転してしまう可能性がある。即ち、第2領域R2に対し抵抗付与部33から付与される抗力によって缶体20の意図しない回転が起こる可能性がある。このため本実施形態では、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314を用いて缶体20に対し抗力を与え上記意図しない回転を抑えている。付言すると、缶体20のうち抵抗付与部33と接触する部位とは反対側に位置する部位に対し抗力を与え、缶体20の過度の回転を抑えている。
【0057】
ここで図12は、回転機構30の他の一形態を示した図である。
本図における回転機構30では、載置部31に対し回転機構30の前後方向における傾斜は付与されているが、回転機構30の幅方向における傾斜は付与されていない。また本図における回転機構30では、載置面31Aに設けられた複数のロール状部材314が、回転機構30の前後方向(缶体20の移動方向)に対し傾斜して配置されている。
【0058】
より詳細に説明すると、ロール状部材314の回転軸と直交する仮想線(符号8A参照)を想定した場合に、ロール状部材314の各々は、この仮想線が回転機構30の前後方向と交差するように傾斜して配置されている。付言するとロール状部材314の各々は、上記仮想線が回転機構30の前後方向に対して傾斜するように配置されている。さらに説明すると、ロール状部材314の各々は、上記仮想線が向かう方向が抵抗付与部33が設けられた側となるように傾斜して配置されている。このため図12に示した回転機構30では、缶体20は、回転機構30の前方に向かって移動しようとするものの傾斜して配置されたロール状部材314によって抵抗付与部33へ向かうこととなる。
【0059】
次に缶体20に形成された第1領域R1、第2領域R2の形成方法についてより詳細に説明する。第1領域R1、第2領域R2は、例えば、2ピース缶である缶体20の製造工程に含まれる印刷工程にて形成することができる。より詳細には、印刷工程に設置された印刷機を用いて形成することができる。
【0060】
ここで図13は、缶体20に対して印刷を行う印刷機を示した図である。
同図に示す印刷機500は、いわゆるオフセット印刷を行う印刷機である。印刷機500は、ブランケットシリンダ510、図柄に対応した印刷版を有し上記インキ層51を形成するインキをブランケットシリンダ510に塗布するインキ塗布装置520、支持ロール530、上記トップコート層52を形成する塗料を塗布する塗料塗布装置540を備える。
【0061】
ブランケットシリンダ510は、円盤状に形成されるとともに一方向に回転する。また、ブランケットシリンダ510は、外周面に複数のブランケット(被転写部)511を有している。また、ブランケットシリンダ510は、インキ塗布装置520における上記印刷版からブランケット511に転写されたインキを、転写部Teにて2ピース缶の基体となる素缶体に対して転写しこの素缶体に上記識別標記23を含む図柄を形成する。
【0062】
インキ塗布装置520は、ブランケットシリンダ510の周方向に沿って色毎に複数設けられている。各インキ塗布装置520は、ブランケットシリンダ510のブランケット511に接触する印刷用シリンダ522、印刷用シリンダ522の外周面にインキを供給するインキ供給装置521を備えている。ここで印刷用シリンダ522は、外周面に上記印刷版を有しインキ供給装置521により供給されたインキをブランケット511に転写する。これにより、各ブランケット511の表面にインキが載せられる。詳細には、各ブランケット511の表面であって印刷用シリンダ522毎に割り当てられた各領域に、印刷用シリンダ522の各々からインキが順次載せられる。この結果、各ブランケット511の表面には、図柄に対応したインキ像が形成される。そして、このインキ像は、ブランケットシリンダ510の回転に伴い、転写部Teまで移動し、周方向に回転している素缶体の外周面に転写される。これによって上記インキ層51が形成される。
【0063】
支持ロール530は、ブランケットシリンダ510の対向位置に配置されるとともに一方向に回転し、不図示のウォッシャー工程から移動してきた素缶体を上記転写部Teまで搬送する。また支持ロール530は、ウォッシャー工程から移動してきた素缶体を回転させた状態で上記転写部Teまで搬送する。塗料塗布装置540は、上記インキ像が転写された素缶体(インキ層51が形成された素缶体)の外周面に対して塗料を塗布する。これによって上記トップコート層52が形成される。
【0064】
ここでこのような印刷機500を用いる場合、上記第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から塗料をはじく機能を有したインキをブランケット511に載せることにより、第2領域R2と、この第2領域R2に隣り合う第1領域R1との間に表面の違いを形成することができる。なお、上記発泡インキを用いての第2領域R2の形成は、第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から発泡インキをブランケット511に載せることにより行うことができる。さらに、上述の塗料を凝集させるインキを用いての第2領域R2の形成は、第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から、塗料を凝集させるインキをブランケット511に載せることにより行うことができる。
【0065】
ところで、缶体20の外周面における同色の箇所は、通常、共通の(一つの)印刷用シリンダ522からインクが供給される。しかしながら本実施形態では、第1領域R1、第2領域R2に同色の箇所があったとしても、異なる印刷用シリンダ522からインキの供給が行われる。即ち、第1領域R1における同色の箇所は、一の印刷用シリンダ522からインキが供給され、第2領域R2における同色の箇所は、この一の印刷シリンダ522とは異なる他の印刷用シリンダ522(はじきインキを供給する印刷用シリンダ522)からインキが供給される。
【0066】
また、複数色を用いた模様が缶体20の全周に渡り広範囲に存在する場合には、通常の印刷に比べ、印刷用シリンダ522を多数用意する必要がある。即ち、例えば、第1領域R1における模様を形成するために、まず複数の印刷用シリンダ522を用意する必要がある。そして第2領域R2における模様を形成するための複数の印刷用シリンダ522をさらに用意する必要がある。
【0067】
ここで上記のような印刷用シリンダ522の増加を防ぐため、図14(缶体20の他の形態を示した図)に示すような形態とすることもできる。なお、同図(A)は缶体20の正面図を示し、同図(B)は缶体20の背面図を示している。
同図に示すように、例えば、第2領域R2は、缶体20の底部側に設けることができる。より詳細には、缶体20の周方向に沿い且つ抵抗付与部33の幅よりもわずかに大きい幅を有した帯として形成することができる。さらに詳細に説明すれば、第2領域R2は、缶体20の周方向における長さを、缶体20の周長の1/4とすることができる。このような形態とする場合、複数色を用いた模様が缶体20の全周に渡り存在していても、第2領域R2を形成するための一つの印刷用シリンダ522を追加するだけで済む。付言すれば、上記のように多数の印刷用シリンダ522を用意しないで済む。
【0068】
また上記では、第2領域R2に凹凸を付与することで摺動抵抗を減じたが、フッ素樹脂などを第2領域R2に貼付したり塗布したりして摺動抵抗を減じてもよい。この場合、テフロン(登録商標)加工が施されたテープなどを貼付するとより簡便である。同様に、フッ素系の樹脂(PTFE、PFA、PVDF等)及びそれらのテープ、あるいは、超高分子量ポリエチレンフィルム等の摩擦抵抗の小さいフィルムテープが使用できる。
【0069】
さらに、第2領域R2におけるトップコート層52を形成する塗料をいわゆるマット塗料とすることで第2領域R2に凹凸を付与し、摺動抵抗を減じてもよい。なおこの場合は、塗料の塗り分けが必要となる。即ち、第2領域R2に対してはマット塗料を塗布し、第1領域R1に対してはマット塗料ではない塗料を塗布する必要がある。また、第2領域R2におけるトップコート層52の表面に更にマット塗料を塗布することで第2領域R2に凹凸を付与し、この領域における摺動抵抗を減じてもよい。また、第2領域R2におけるインキ層51をはじきインキにより形成するとともに、このインキ層51の表面にマット塗料を用いてトップコート層52を形成してもよい。
【0070】
ここでマット塗料とは、ガラス、シリカ、樹脂等の光を散乱させる粒子が含有され、通常の塗料よりも光沢度が低下する塗料である。マット塗料には、上記のようにガラス、シリカ、樹脂等の粒子が含まれているため、その表面に凹凸が形成される。このためマット塗料を用いた場合にも、抵抗付与部33と第2領域R2との摺動抵抗が小さくなり上記のような滑りを発生させることが可能となる。
【0071】
また例えば、第1領域R1、第2領域R2におけるトップコート層52をマット塗料により形成した後、第1領域R1に対して、表面を平滑にする塗料(例えば、上記ガラス等が含まれていない塗料)を塗布してもよい。即ち、マット塗料を塗布することで缶体20の全周を滑りやすくした後、第1領域R1に表面を平滑にする塗料を塗布し、第1領域R1を滑りにくくしてもよい。また例えば、第1領域R1、第2領域R2におけるトップコート層52をマット塗料により形成した後、このトップコート層52よりも摩擦係数の小さな、例えば前掲のテフロン(登録商標)系のテープやシールなどを第2領域R2に貼付してもよい。また、図15(缶体20の他の一形態を示した図)のように、第1領域R1、第2領域R2が印刷等により形成されたテープTAを缶体20に貼り付けることで、缶体20の塗装状況に関係無く、第1領域R1、第2領域R2を缶体20の外周面に付与可能となる。
【0072】
なお上記では、第2領域R2に凹凸を形成するとともに、第1領域R1における表面を、第2領域R2における表面よりも平滑にした。ところで缶体20の回転/非回転には、例えばトップコート層52を構成する材料なども影響する。このため、例えば、第1領域R1に凹凸が形成され、第2領域R2が平滑に形成される場合であっても、缶体20の回転/非回転が可能となる場合がある。即ち、本実施形態では、識別標記23が設けられた箇所を平滑にするとともに識別標記23が設けられていない箇所に凹凸を付与したが、例えば金属ボトル缶の金属表面とフィルム面、あるいは、粘着性の塗料と通常の塗料の組み合わせのように、摩擦係数の異なる少なくとも2つの領域を識別標記23に対応させて形成しておけば、上述した缶体20の回転/非回転が可能となる。
【0073】
ところで上記では、把持ユニット50を用いて6本の缶体20を梱包工程まで搬送したが、缶体20の梱包工程への搬送は、ストッパーユニット70を利用して行うこともできる。図16および図17は、缶体20の搬送方法の他の一例を説明するための図である。
【0074】
本搬送方法では、図16(A)に示すように、複数のストッパーユニット70が上下方向に並んで配置されている。そして本搬送方法では、図16(A)、(B)に示すように、まず、最上位に位置するストッパーユニット70に対し、上記と同様、第1供給装置41〜第6供給装置46(図2参照)から6本の缶体20を供給する。その後、本搬送方法では、図17(A)に示すように、缶体20が載せられた最上位のストッパーユニット70の搬送を行う。具体的には、このストッパーユニット70を上記にて説明した梱包工程まで搬送する。そして、梱包工程にて、ストッパーユニット70上の缶体20を梱包材100の上に移す。そして上記と同様に梱包が行われ、容器梱包体200が完成する。なお最上位のストッパーユニット70が梱包工程へ搬送された後には、図17(B)に示すように、下位に位置するストッパーユニット70が上昇し、上昇したこのストッパーユニット70に対し新たな缶体20が供給される。
【0075】
なお上記では、梱包材100を用いて缶体20を梱包する態様を説明したが、以下に説明する陳列装置を利用した場合、缶体20に付された識別標記23を陳列装置の前方に向けることが可能となる。例えば、コンビニエンスストア等には缶体20が陳列されているが、缶体20が付された識別標記23の向きが揃っていないと、商品の識別がしにくくなったり、見栄えが悪くなったりするおそれがある。以下の陳列装置を利用することで特定の方向(陳列装置の前方)に識別標記23を向けることが可能となる。
【0076】
図18は、缶体20を陳列する陳列装置の上面図である。
同図に示す陳列装置80は、図9で示した回転機構30とほぼ同様に構成を有している。即ち、陳列装置80は、缶体20が載せられる載置部81と、缶体20の移動経路を形成するとともに缶体20の移動を案内するガイド82とを備えている。ここで、このガイド82は、缶体20の移動経路に沿って配置されている。またガイド82は、缶体20の移動経路の両側に設けられている。
【0077】
ここで載置部81は、缶体20が載置される載置面81Aを有している。そしてこの載置面81Aは、図中下側が上側よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、載置面81Aと前後方向の水平面とが角度θV(以下、「前後方向傾斜角度θV」と称する場合がある)をなすように、載置面81Aは傾斜して配置されている。また載置面81Aは、右ガイド82の方が左ガイド82よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、載置面81Aと左右方向(幅方向)の水平面とが角度θH(以下、「左右方向傾斜角度θH」と称する場合がある)をなすように、載置面81Aは傾斜して配置されている。
【0078】
さらに載置部81は、載置面81Aに、載置部81の幅方向に並列配置された第1ローラ列811、第2ローラ列812を有している。ここで各ローラ列は、複数のロール状部材814を有している。なお、第1ローラ列811に含まれるロール状部材814は、缶体20の移動方向に沿った回転が可能であり缶体20を前方に向けて円滑に移動させる。一方で、第2ローラ列812に含まれるロール状部材814は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列812に含まれるロール状部材814は、載置部81を移動する缶体20に対し移動に対する抗力を付与する。
【0079】
ここで第2ローラ列812に含まれるロール状部材814は、缶体20のうちの抵抗付与部83(詳細は後述)が設けられている側とは反対側に位置する部位に接触し缶体20に対して抗力を付与する。なお本実施形態では、第2ローラ列812に含まれる全てのロール状部材814を回転できないように固定したが、一個おきにロール状部材814を固定するなど、一部のロール状部材814を固定してもよい。
【0080】
さらに本実施形態では、右ガイド82に、接触する缶体20に対して摺動抵抗(摩擦抵抗)を付与する抵抗付与部83が設けられている。この抵抗付与部83は、缶体20の移動経路に沿って設けられている。なおこの抵抗付与部83は、上記抵抗付与部33と同様に構成され、右ガイド82に形成された溝に埋め込まれた円柱状の基材(不図示)と、この基材の外表面に貼付された貼付部材83Bとから構成されている。また本実施形態における陳列装置80は、缶体20の移動方向における最下流側に移動してきた缶体20を停止させる停止板85を有している。なおこの停止板85は、透明に形成することが望ましい。
【0081】
次に陳列装置80における缶体20の動作を説明する。
図19は、陳列装置80における缶体20の動作を説明するための図である。
同図の符号19Aに示すように、陳列装置80の後方にて載置部81に置かれた缶体20は、載置面81Aに対し左右方向(幅方向)における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、抵抗付与部83によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部83に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部83との間における滑りが抑制され(第1領域R1に抗力が付与され)、缶体20は、反時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号19A、19B参照)。
【0082】
そして符号19Cのように、第2領域R2が抵抗付与部83に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部83との間で滑りが生じ、缶体20の回転は停止する。その後、缶体20は抵抗付与部83により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。これにより、陳列装置80の前方に達した缶体20は、識別標記23が陳列装置80の前方を向いた状態となる。
【0083】
なお本実施形態における陳列装置80でも、上記回転機構30と同様に、第2ローラ列812(図18参照)に含まれるロール状部材814は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列812に含まれるロール状部材814は、移動してくる缶体20に対し移動に対する抗力を付与することとなる。これにより、缶体20の過度の回転が抑えられ、第2領域R2と抵抗付与部83とが接触しているにも関わらず缶体20が回転する事態を抑制可能となる。
【0084】
なお上記では、紙製の梱包材100により缶体20を梱包する場合を一例に説明したが、缶体20の梱包は、透明なフィルムなどにより行うこともできる。
図20、図21は、フィルムにより6つの缶体20を梱包した容器梱包体200を示した図である。図20に示すように、本実施形態における容器梱包体200は、2列に並んで配置され且つ格子状に並べられて配置された6つの缶体20を覆うように、透明なフィルムFが缶体20に巻き付けられている。なおフィルムFは、熱を加えることで収縮するシュリンクフィルムを用いることもできる。
【0085】
また図20に示す容器梱包体200では、上記2列のうちの一方の列に位置する3つの缶体20が、識別標記23がフィルムFの外側且つ一方向を向くように配置されている。また、上記2列のうちのもう一方の列に位置する3つの缶体20が、識別標記23がフィルムFの外側且つ上記一方向とは反対の方向を向くように配置されている。ここで本実施形態では、梱包材100が透明なフィルムFにより形成されているため、上記のような缶体20の配置(3つの缶体20の各々の識別標記23が同一方向を向く配置)を行っても梱包材100の外部から缶体20の識別標記23が視認可能となる。
【0086】
ここで上記のような缶体20の配置は、第6供給装置46(図2参照)に第1供給装置41および第5供給装置45を隣接させ、第3供給装置43に第2供給装置42および第4供給装置44を隣接させることで行うことができる。なお缶体20は、図21に示すように配置することもできる。図21に示す容器梱包体200では、格子状に並んだ6つの缶体20のうちの角部に位置する缶体20の識別標記23がフィルムFの外側方向且つ斜め方向を向いている。さらに説明すると、6つの缶体20のうちの中央部(角部ではない箇所)に位置する缶体20の識別標記23が向く方向と、角部に位置する容器20の識別標記23が向く方向とが、約45°となるように、角部に位置する缶体20は配置されている。なお、このような缶体20の配置は、第6供給装置46(図2参照)と第1供給装置41とのなす角度が45°となるように第1供給装置41を配置し、第6供給装置46と第5供給装置45とのなす角度が45°となるように第5供給装置45を配置し、第3供給装置43と第2供給装置42とのなす角度が45°となるように第2供給装置42を配置し、第3供給装置43と第4供給装置44とのなす角度が45°となるように第4供給装置44を配置することで、行うことができる。
【0087】
また上記では、缶体20のうち直径の最も大きい部位に対し第1突起301〜第12突起312(図5)を接触させ缶体20を停止させたが、第1突起301〜第12突起312と、缶体20との接触は次のように行うこともできる。
図22は、第1突起301および缶体20を示した図である。なお、第2突起302〜第12突起312も第1突起301と同様に構成されている。本図における第1突起301は、図5で示した第1突起301よりも高さ方向における寸法が小さくなっている。そして本実施形態では、高さ方向における寸法が小さいこの第1突起301を、図22に示すように、缶体20の下部に形成された縮径部20Aに接触させる。本図に示す構成の場合、ストッパーユニット70にて、隣接する缶体20間に形成される間隙をより小さいものとすることができる。
【0088】
また上記回転機構30(図9参照)では、缶体20の移動経路の左側に、抵抗付与部33を設けた場合を説明したが、図23(回転機構30の他の形態を示した図)に示すように、缶体20の移動経路の右側に、抵抗付与部33を設けることもできる。なお、図23では第1ローラ列311、第2ローラ列312(図9参照)の図示を省略している。ここで缶体20には、図23の符号23Aに示すように、識別標記23に加え識別標記23が設けられている箇所とは反対側に第2の識別標記27が設けられる場合があり、容器梱包体200において、この第2の識別標記27を外側に向けたい場合がある。このような場合に、缶体20の移動経路の右側に抵抗付与部33が設けられていると、符号23A、23Bに示す缶体20の回転、符号23Cに示す缶体20の回転停止が起こり、第2の識別標記27が回転機構30の後方を向くようになる。そしてこの場合は、上記の処理を経て、容器梱包体200の外側を第2の識別標記27が向くように缶体20が容器梱包体200に配置される。
【0089】
また上記では、缶体20を例示したが、図24(ボトル状容器が収容された容器収容体を示した図)に示すように、ボトル状容器400に対しても本実施形態における構成を適用できる。また上記では、梱包材100を用いて容器梱包体200を形成したが、本実施形態では、図24に示すように、袋状部材300にボトル状容器400を複数収容し容器収容体600を形成している。なお図24では、ボトル状容器400を例示するが缶体20の収容も当然可能である。
【0090】
ここで袋状部材300は、透明にされ内部が視認可能な袋状部材本体310と、紐部材により形成されユーザにより把持される把持部320とを備えている。またボトル状容器400は、識別標記23が袋状部材本体310の外側を向くように袋状部材本体310に収容されている。このため本実施形態でも、宣伝広告効果が生じるようになる。なお、ボトル状容器400の回転(向きの揃え)は、例えば、ボトル状容器400に付されたフィルムFLに上述した第1領域R1、第2領域R2を形成しておくことで行うことができる。またボトル状容器400の回転は、ボトル状容器400の外周面から突出する突起(不図示)をボトル状容器400に複数形成しておき、回転機構30(図7参照)にてボトル状容器400が移動する際に、この突起に対し回転機構30側から順次抗力を与えることで行うこともできる。
【符号の説明】
【0091】
20…缶体、23…識別標記、30…回転機構、33…抵抗付与部、70…ストッパーユニット、100…梱包材、110…側部、111…第1側部、112…第2側部、113…開口、130…天井部、131〜134…第1の辺〜第4の辺、140…底部、150…第1開口、160…第2開口、200…容器梱包体、R1…第1領域、R2…第2領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器梱包体の製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料が充填される缶本体部は、例えば、金属板を打ち抜きカップ状に成形するカップ成形工程、絞り加工およびしごき加工により有底の円筒体を形成するボディ成形工程、円筒体の上縁部を切り揃えるトリミング工程、円筒体の上端付近を縮径化すると共にフランジ部を形成するネック・フランジ工程により形成される(例えば、特許文献1参照)。また、印刷工程において上記円筒体の外面に商品名等の標記が印刷される。そして、このように形成された缶本体部に飲料が充填された後、缶蓋が取り付けられ飲料缶が完成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−95231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで飲料缶などの商品の宣伝は、テレビコマーシャルなどにより行われることが多いが、宣伝広告効果は、テレビコマーシャル以外においても生じさせることができる。たとえば、スーパーマーケットなどにおいては6本パックなど複数本の容器がまとめられた状態で販売されることがあるが、容器に付された商品名や商標名などの標記が外部から視認可能な状態にあると、この標記が購入者に視認され、宣伝広告効果が生じるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される容器梱包体の製造方法は、外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ標記を予め定められた特定の方向に向ける回転工程と、回転工程により回転された容器を複数本まとめて梱包する梱包工程と、を含む容器梱包体の製造方法である。
【0006】
ここで、梱包工程では、梱包材の外部から容器の外周面が視認可能なように梱包を行い、回転工程では、梱包材により梱包された際に標記が梱包材の外側を向くように容器の回転を行うことを特徴とすることができる。また、梱包工程では、開口を有した梱包材を用いて梱包を行い、回転工程では、梱包材により梱包された際に梱包材の開口に対峙する容器の標記が開口を通じ梱包材の外部から視認可能なように回転を行うことを特徴とすることができる。さらに、回転工程では、容器を移動させるとともに容器の外周面に対し移動に対する抗力を与え容器を周方向に回転させることを特徴とすることができる。また、回転工程では、容器を移動させながら容器を周方向に回転させ標記を特定の方向に向けるとともに、移動させた容器を容器集積部に集積し、容器集積部に集積された複数本の容器を保持し、保持した複数本の容器を容器集積部から梱包工程へ搬送する搬送工程をさらに含むことを特徴とすることができる。また、回転工程では、容器を移動させながら容器を周方向に回転させ標記を特定の方向に向けるとともに、移動させた容器を容器集積部に集積し、容器集積部を梱包工程へ搬送することで容器集積部に集積された複数本の容器を梱包工程へ搬送する搬送工程をさらに含むことを特徴とすることができる。
【0007】
また、本発明を容器梱包体の製造システムと捉えた場合、本発明が適用される容器梱包体の製造システムは、外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ標記を予め定められた特定の方向に向ける回転手段と、回転手段により回転された容器を複数本まとめて梱包する梱包手段と、を含む容器梱包体の製造システムである。
【0008】
ここで、容器は、外周面に且つ周方向における異なる位置に表面性状が互いに異なる第1の領域および第2の領域を有し、回転手段は、容器を移動させるとともに、容器に形成された第1の領域に接触部材を接触させ第1の領域に抗力を与えることで容器を周方向に回転させ、回転に伴い接触部材に接触する第2の領域を接触部材に対して滑らせ、容器に付された標記を特定の方向に向けることを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明を容器梱包体と捉えた場合、本発明が適用される容器梱包体は、外周面に標記が付された複数本の容器と、複数本の容器を下方から支持する底面と、複数本の容器の上部に位置する上面と、開口を有し複数本の容器の側方に配置される側部と、を備え、複数本の容器を梱包する梱包材と、を有し、容器の外周面に付された標記が梱包材の開口を通じ梱包材の外部から視認可能なように、容器の周方向における回転が行われたうえで梱包材による容器の梱包が行われた容器梱包体である。
【0010】
ここで、上面は、略矩形状に形成され、第1の辺と、第1の辺と略直交する関係で配置された第2の辺と、第1の辺と略平行な第3の辺と、第2の辺と略平行な第4の辺と、を有し、側部は、上面の第1の辺に接続され第1の辺から下方に延びる第1の側部と、上面の第3の辺に接続され第3の辺から下方に延びる第2の側部とを有するとともに、上面の第2の辺の下方および上面の第4の辺の下方に開口を有し、第2の辺の下方に形成された開口および第4の辺の下方に形成された開口を通じ梱包材の外部から標記が視認可能なように、回転が行われ梱包が行われたことを特徴とすることができる。また、側部は、第1の側部および第2の側部の少なくとも一方に梱包材の内部を外部から視認可能とする側部開口をさらに備え、側部開口に対峙する容器の標記が側部開口を通じ梱包材の外部から視認可能なように、回転が行われ梱包が行われたことを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明を容器収容体の製造方法と捉えた場合、本発明が適用される容器収容体の製造方法は、外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ標記を予め定められた特定の方向に向ける回転工程と、回転工程により回転された容器を内部が視認可能な袋状部材に複数収容する収容工程と、を含む容器収容体の製造方法である。ここで、回転工程では、容器が袋状部材に収容された際に標記が袋状部材の外側を向くように容器の回転を行うことを特徴とすることができる。
また、本発明を容器収容体の製造システムと捉えた場合、本発明が適用される容器収容体の製造システムは、外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ標記を予め定められた特定の方向に向ける回転手段と、回転手段により回転された容器を内部が視認可能な袋状部材に複数収容する収容手段と、を含む容器収容体の製造システムである。
また、本発明を容器収容体と捉えた場合、本発明が適用される容器収容体は、外周面に標記が付された複数本の容器と、内部が視認可能に構成され、複数本の容器を収容する袋状部材と、を有し、容器の外周面に付された標記が袋状部材の外部から視認可能なように、容器の周方向における回転が行われたうえで袋状部材に容器が収容された容器収容体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明を採用しない場合に比べより確実に、商品名や商標名などの標記を梱包材の外部から視認可能な状態とすることができ、宣伝広告効果をより確実に生じさせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る容器梱包体を示した図である。
【図2】容器梱包体の製造方法を説明するための図である。
【図3】把持ユニットの動作を説明する図である。
【図4】梱包工程を説明するための図である。
【図5】ストッパーユニットを説明するための図である。
【図6】ストッパーユニットを説明するための図である。
【図7】回転機構の斜視図である。
【図8】回転機構をストッパーユニット側から眺めた場合の図である。
【図9】回転機構の上面図である。
【図10】缶体を説明するための図である。
【図11】回転機構における缶体の動作を説明するための図である。
【図12】回転機構の他の一形態を示した図である。
【図13】缶体に対して印刷を行う印刷機を示した図である。
【図14】缶体の他の形態を示した図である。
【図15】缶体の他の一形態を示した図である。
【図16】缶体の搬送方法の他の一例を説明するための図である。
【図17】缶体の搬送方法の他の一例を説明するための図である。
【図18】缶体を陳列する陳列装置の上面図である。
【図19】陳列装置における缶体の動作を説明するための図である。
【図20】フィルムにより6つの缶体を梱包した容器梱包体を示した図である。
【図21】フィルムにより6つの缶体を梱包した容器梱包体を示した図である。
【図22】第1突起および缶体を示した図である。
【図23】回転機構の他の形態を示した図である。
【図24】ボトル状容器が収容された容器収容体を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る容器梱包体を示した図である。
同図に示す容器梱包体200は、内部に飲料が充填された複数本(本図では6本)の缶体20(容器の一例)と、この複数本の缶体20をまとめて梱包する紙製の梱包材100とから構成されている。
【0015】
本図における缶体20は、いわゆる2ピース缶であり、底部を有し且つ円筒状の胴部を有する缶本体21と、プルタブを有し缶本体21の上部に取り付けられる蓋部材(不図示)とから構成されている。なお本図では、2ピース缶を例示しているが、いわゆる3ピース缶であっても本実施形態を適用できる。また、缶体に限られずいわゆるペットボトルなどにも適用できる。また本実施形態における缶体20の各々には、外周面に、商品名、商標名など他の商品と識別するための識別標記23が印刷されている。
【0016】
一方、梱包材100は、略矩形状に形成され第1の辺131〜第4の辺134の4つの辺を有する上面の一例としての天井部130を有している。ここで第1の辺131と第2の辺132とは略直交する関係で配置されている。また第3の辺133は、第1の辺131と略平行となる関係で配置されている。さらに、第4の辺134は第2の辺132と略平行となる関係で配置されている。
【0017】
また、梱包材100は、缶体20の側方に配置された側部110を有している。この側部110は、天井部130に接続して設けられるとともに天井部130に設けられた第1の辺131から下方に延びる第1側部111、同じく天井部130に接続して設けられるとともに天井部130に設けられた第3の辺133から下方に延びる第2側部112を有している。また側部110は、天井部130に設けられた第2の辺132の下方に、容器梱包体200の内部と外部とを通じさせる第1開口150を有している。
【0018】
さらに側部110は、天井部130に設けられた第4の辺134の下方に、容器梱包体200の内部と外部とを通じさせる第2開口160を有している。また梱包材100は、第1側部111と第2側部112とを接続した状態で設けられ缶体20を下方から支持する底部(底面)140を備えている。なお天井部130は、持ち運ばれる際にユーザの手指が挿入される挿入口135を有している。また天井部130には、内部の缶体20が取り出される際に切断される切断線(ミシン目)136が形成されている。
【0019】
また本実施形態における容器梱包体200では、第1開口150および第2開口160を通じ、容器梱包体200の外部から内部の缶体20(缶体20の外周面)が視認可能となっている。また梱包材100は、矩形状に形成された第1開口150の四隅に、内部の缶体20の脱落を防ぐストッパ112を有している。なお図示は省略するが、このストッパ112は、第2開口160の四隅にも設けられている。
【0020】
また本実施形態における容器梱包体200では、缶体20の向きが揃えられた状態(制御された状態)で缶体20が梱包されている。より具体的には、缶体20に付された識別標記23が容器梱包体200の外部から視認可能なように、缶体20の向きが揃えられている。付言すると、各々の缶体20は、識別標記23が容器梱包体200の外側(外方側)を向くように配置されている。このため本実施形態では、図1に示すように、第1開口150を通じ識別標記23が視認可能となっている。また図示は省略するが、第2開口160を通じ識別標記23が視認可能となっている。
【0021】
また上記では説明を省略したが、第1側部111の略中央部には開口113(側部開口の一例)が形成されており、この開口113を通じ、容器梱包体200の中央部に収められた缶体20(開口113に対峙する缶体20)の識別標記23も視認可能となっている。なお、第2側部112にも同様に開口が形成されており(不図示)、この開口からも、容器梱包体200の中央部に収められたもう一つの缶体20の識別標記23が視認可能となっている。
【0022】
次に上記容器梱包体200の製造方法について説明する。
図2は、容器梱包体200の製造方法を説明するための図である。
本実施形態における容器梱包体200の製造工程には、缶体20を停止させる機能を有したストッパーユニット70と、このストッパーユニット70に対して缶体20を供給する第1供給装置41〜第6供給装置46と、ストッパーユニット70上に位置する6つの缶体20(ストッパーユニット70に集積された缶体20)を把持(保持)するとともにこの6つの缶体20を搬送する把持ユニット50が設けられている。
【0023】
ここで第1供給装置41〜第6供給装置46の各々は、缶体20をストッパーユニット70に向けて搬送するとともに缶体20を周方向に回転させ缶体20に付された識別標記23を予め定められた方向(缶体20の搬送方向上流側)に向ける回転機構30(回転手段の一例)を備えている。また、缶体20の搬送経路上に突出し缶体20の移動を規制する規制板60と、規制板60を上記搬送経路上から退避させるモータなどの駆動源と、この駆動源を制御する制御部(不図示)とを有している。
【0024】
本実施形態では、規制板60が上記搬送経路上から所定時間退避することで、第1供給装置41〜第6供給装置46の各々から、一本ずつ缶体20がストッパーユニット70に供給(集積)される。なおこの際、第1供給装置41〜第6供給装置46の各々から供給される缶体20は、識別標記23が缶体20の移動方向上流側を向くようになっている。そして、6本の缶体20がストッパーユニット70に載ると、把持ユニット50がストッパーユニット70の上部に移動するとともに6本の缶体20を把持する。そして把持ユニット50は、この6本の缶体20を梱包工程へ搬送する。なお把持ユニット50による缶体20の把持は、例えば吸引により行うことができる。
【0025】
図3は、把持ユニット50の動作を説明する図である。
図3(A)に示すようにまた上記のとおり、本実施形態では、ストッパーユニット70に6本の缶体20が載せられる。その後、同図(B)に示すように、把持ユニット50がストッパーユニット70に接近する。そして、同図(C)に示すように、把持ユニット50による6本の缶体20の把持が行われる。次いで、同図(D)に示すように、把持ユニット50により6本の缶体20が持ち上げられ、この6本の缶体20は梱包工程へ搬送される。
【0026】
図4は、梱包工程を説明するための図である。
梱包工程では、同図(A)に示すように予め定められた位置に、梱包材100がセットされている。そして、把持ユニット50により把持された6本の缶体20は、同図(A)及び(B)に示すように、梱包材100の上にセットされる。その後、把持ユニット50は、缶体20の把持を終了するとともに、同図(C)に示すように、梱包材100から離れる方向に移動する。その後、公知の手法により6本の缶体20の包装が行われ、同図(D)に示すように、容器梱包体200が完成する。なお梱包材100への缶体20の搬送を終えた把持ユニット50は、初期位置(ホームポジション)に一旦戻るとともに、ストッパーユニット70に新たにセットされる缶体20の把持を行う。
【0027】
次にストッパーユニット70について詳細に説明する。
図5および図6は、ストッパーユニット70を説明するための図である。
図5に示すように、容器集積部の一例としてのストッパーユニット70は、缶体20を下方から支持する支持面320と、この支持面320から上方に向かって突出した第1突起301〜第12突起312とを有している。ここで、第1突起301および第2突起302は、第1供給装置41(図2参照)により供給される缶体20の移動経路上に設けられ、この缶体20を予め定められた所定位置に停止させる。また、第3突起303および第4突起304は、第2供給装置42により供給される缶体20の移動経路上に設けられ、この缶体20を予め定められた所定位置に停止させる。さらに、第5突起305および第6突起306は、第3供給装置43により供給される缶体20の移動経路上に設けられ、この缶体20を予め定められた所定位置に停止させる。
【0028】
また、第7突起307および第8突起308は、第4供給装置44により供給される缶体20の移動経路上に設けられ、この缶体20を予め定められた所定位置に停止させる。また、第9突起309および第10突起310は、第5供給装置45により供給される缶体20の移動経路上に設けられ、この缶体20を予め定められた所定位置に停止させる。さらに、第11突起311および第12突起312は、第6供給装置46により供給される缶体20の移動経路上に設けられ、この缶体20を予め定められた所定位置に停止させる。この結果本実施形態では、図6に示すように、ストッパーユニット70の支持面320に、6つの缶体20が格子状に並ぶようになる。また缶体20に付された識別標記23がストッパーユニット70の外側を向くようになる。なおこの6つの缶体20は、格子状に並べられた状態で梱包工程まで搬送され梱包される。このため、梱包材100により梱包された後にも、識別標記23が梱包材100の外側を向いた状態となる。
【0029】
次に、第1供給装置41〜第6供給装置46に設けられた回転機構30について詳細に説明する。図7は、回転機構30の斜視図である。なお図7では、第1供給装置41に設けられた回転機構30を例示している。また図7では、規制板60(図2参照)も併せて表示している。また図8は、回転機構30をストッパーユニット70(図2参照)側から眺めた場合の図である。また図9は、回転機構30の上面図である。
【0030】
回転機構30は、図7に示すように、缶体20が載せられる載置部31と、缶体20の移動経路を形成するとともに缶体20の移動を案内するガイド32とを備えている。ここで、このガイド32は、図9に示すように、缶体20の移動経路に沿って配置されている。またガイド32は、缶体20の移動経路の両側に設けられている。ここでガイド32は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料などにより形成される。なお缶体20の移動経路の両側に設けられた2つのガイド32のうち図中右側に位置するガイド32は省略することができる。
【0031】
ここで載置部31は、図9に示すように、缶体20が載置される載置面31Aを有している。そしてこの載置面31Aは、図中下側が上側よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、載置面31Aと前後方向の水平面とが角度θV(以下、「前後方向傾斜角度θV」と称する場合がある)をなすように、載置面31Aは傾斜して配置されている。また載置面31Aは、図中左側のガイド32の方が図中右側のガイド32よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、載置面31Aと左右方向(幅方向)の水平面とが角度θH(以下、「左右方向傾斜角度θH」と称する場合がある)をなすように、載置面31Aは傾斜して配置されている。
【0032】
さらに説明すると、本実施形態では、缶体20の移動経路(搬送経路)の一方の側方側および他方の側方側のうちの一方の側方側に、詳細は後述する抵抗付与部33が設けられている。そして本実施形態における載置面31Aには、この他方の側方側からこの一方の側方側に向かうに従い下る傾斜が付与されている。なお図9における符号9A,9Bは載置面31Aにおける傾斜の状態を示している。なお本明細書においては、以下、左方のガイド32を左ガイド32と称し右方のガイド32を右ガイド32と称する場合がある。
【0033】
さらに載置部31は、載置面31Aに、載置部31の幅方向に並列配置された第1ローラ列311、第2ローラ列312を有している。ここで、第1ローラ列311は上記一方の側方側に設けられ、第2ローラ列312は上記他方の側方側に設けられている。ここで各ローラ列は、複数のロール状部材314を有している。なお、第1ローラ列311に含まれるロール状部材314は、缶体20の移動方向に沿った回転が可能であり缶体20をストッパーユニット70(図2参照)に向けて円滑に移動させる。一方で、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、載置部31を移動する缶体20に対し移動に対する抗力を付与する。
【0034】
ここで第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、缶体20のうちの上記他方の側方側(抵抗付与部33が設けられている側とは反対側)に位置する部位に接触し缶体20に対して抗力を付与する。なお本実施形態では、第2ローラ列312に含まれる全てのロール状部材314を回転できないように固定したが、一個おきにロール状部材314を固定するなど、一部のロール状部材314を固定してもよい。なお、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314の固定は、接着剤等により行うことができる。またテープ等を貼付して固定することもできる。また第2ローラ列312に含まれるロール状部材314を設けず、このロール状部材314に対応する凸部を載置部31の表面に設けることもできる。なお、第1ローラ列311におけるロール状部材314の幅W1と、第2ローラ列312におけるロール状部材314の幅W2とは、図9では等しくなっているが、この寸法関係は一例であり、例えば、容器20が回転しにくい場合などにおいては、上記幅W1を大きくし上記幅W2を小さくすることができる。また、容器20が回転しやすい場合などにおいては、上記幅W1を小さくし上記幅W2を大きくすることができる。
【0035】
さらに本実施形態では、図7および図9に示すように、左ガイド32に、接触する缶体20に対して摺動抵抗(摩擦抵抗)を付与する抵抗付与部33(接触部材の一例)が設けられている。この抵抗付与部33は、図7に示すように、缶体20の移動経路に沿って設けられている。また抵抗付与部33は、移動経路の一方の側方側および他方の側方側のうちの一方の側方側に設けられている。また抵抗付与部33は、図8に示すように、缶体20の移動経路に沿って設けられるとともに左ガイド32に形成された溝に埋め込まれた円柱状の基材33Aと、この基材33Aの外表面に貼付された貼付部材33Bとから構成されている。
【0036】
基材33Aを円柱状(断面を円形)に構成した場合、載置部31の上を移動する缶体20が上下方向や左右方向に傾いたとしても、抵抗付与部33と缶体20との接触面積が一定となりやすい。なお本実施形態における基材33Aはアルミニウムにより形成され、貼付部材33Bは塩化ビニルにより構成されたビニールテープにより構成されている。付言すると、貼付部材33Bは、基材33Aよりも柔軟性を有する材料により構成されている。
【0037】
なお貼付部材33Bは、例えば、EPDM(エチレン−プロピレンゴム)などのゴム部材を用いることができる。また抵抗付与部33は、貼付部材33Bを貼付しない構成とすることができる。また貼付部材33Bを設けず基材33Aを缶体20に接触させる場合、この基材33Aに対しブラスト処理などを行い、基材33Aの表面に微細な凹凸を付与することができる。また上記では、円柱状の基材33Aを左ガイド32の溝に埋め込んだ例を説明したが、半円状の基材33Aを左ガイド32の表面に貼付することもできる。また本実施形態では載置面31Aの傾斜を利用して缶体20を移動させるが、モータでロール状部材314を駆動し、回転駆動するロール状部材314により缶体20を移動させることもできる。
【0038】
次に缶体20について詳細に説明する。
図10は、缶体20を説明するための図である。
なお、同図(A)は缶体20を一方側から図示したものであり、同図(B)は、缶体20を他方側から図示したものである。また、同図(C)は同図(A)のS部における断面を示し、同図(D)は同図(A)のT部における断面を示している。
【0039】
缶体20は、同図(A)および(B)に示すように、外周面に、缶体20の周方向おける位置が異なる第1領域R1、第2領域R2を有している。ここで第2領域R2は、帯状に形成されるとともに缶体20を識別標記23が設けられた側から眺めた場合(図10(A)の状態参照)に、缶体20の側部に位置している。付言すると、正面視にて、第2領域R2は缶体20に右側部に設けられている。さらに説明すると、本実施形態では、識別標記23が一方向を向いている場合に、第2領域R2がこの一方向と略直交する方向(交差する方向)を向くようになっている。一方で、第1領域R1は第2領域R2よりも大きい面積を有して形成され、第2領域R2が形成されている領域以外の領域に形成されている。
【0040】
ここで同図(C)を参照し第2領域R2の表面状態についてまず説明する。
同図(C)に示すように、第2領域R2には、容器本体58の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面にクレーター状の凹凸を有したトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0041】
ここで本実施形態におけるインキ層51には、色材としての顔料が含まれている。この顔料としては、各種の有機顔料や無機顔料が用いることができる。また、インキのビヒクルは、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分としている。ここで熱硬化性樹脂としては、アルキッド型又はポリエステル型の樹脂等が用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としては、紫外線ラジカル重合型、紫外線カチオン重合型の樹脂等が用いられる。さらに、インキには添加剤が含有されていても良い。添加剤としては、艶消し剤、ワックス類(天然系、石油系、合成系)、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、消泡剤、光重合開始剤等が用いられる。
【0042】
またインキ層51は、いわゆるはじきインキにより形成されている。即ち、インキ層51は、このインキ層51の表面にトップコート層52を形成する塗料が塗られた場合にこの塗料をはじくインキにより形成されている。ここでトップコート層52における上記凹凸は、トップコート層52を形成する塗料がこのインキ層51によりはじかれることにより形成されたものである。
【0043】
なおトップコート層52を形成する塗料をインキ層51によりはじくためには(上記凹凸を形成するためには)、インキ層51の形成に用いるインキの表面張力を、トップコート層52の形成に用いる塗料の表面張力よりも5mN/m以上低く設定することが望ましい。換言すると、インキの表面張力が塗料の表面張力よりも低く、且つ、インキと塗料との間の表面張力の差が5mN/m以上であることが望ましい。ここでインキの表面張力の低下は、例えば、通常のインキにシリコーンを添加することにより行うことができる。
【0044】
一方、トップコート層52に用いる塗料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分とするものであり、必要に応じてワックス成分を含有している。熱硬化性樹脂としては、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂(例:ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂等が用いられる。
【0045】
さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との組成物を用いても良い。この場合、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。また、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の公知の酸触媒が添加されていても良い。酸触媒を用いる場合は、酸触媒は樹脂に対して0.5〜1質量%添加するのが望ましい。また、これらの樹脂のうち、特に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と飽和ポリエステル樹脂との組成物や、熱硬化性アクリル樹脂とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂との組成物を用いることが塗膜性能面で望ましい。
【0046】
一方、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン硬化型樹脂、ラジカル硬化型樹脂等が用いられる。カチオン硬化型樹脂としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒との組成物等が用いられる。
【0047】
また、トップコート層52に用いる塗料において、上記の樹脂に架橋剤や増感剤を必要に応じて添加しても良い。架橋剤としては、種々のポリオール類(例:ε−カプロラクトントリオール)等が用いられる。増感剤としては、チオキサントン誘導体等が用いられる。さらに、トップコート層52に用いる塗料に、滑りを補うために、ワックス成分として天然系、石油系、合成系のワックス剤を単独で又は複合して添加しても良い。さらに、トップコート層52の表面のレベリング剤として、あるいは/更に、塗料状態での安定性を高めるためや初期滑り性をトップコート層52に付与するために、各種のシリコーンオイルを添加しても良い。
【0048】
なお、インキ層51およびトップコート層52の組成等の一例を挙げると以下のようになる。
[トップコート層52]
樹脂成分:ポリエステル30%、アクリル13%、アミノ55%、エポキシ2%
ワックス:石油系0.3%、天然系1%、合成系0.2%(樹脂成分に対し)
シリコーンオイル(混合):0.15%(樹脂成分に対し)
表面張力:33mN/m
厚さ:5μm
[インキ層51](はじきインキ)
主樹脂:アルキッド樹脂
顔料:TiO2
表面張力:28mN/m
厚さ:2μm
【0049】
なお上記は、第2領域R2の形成方法の一例を説明したものであり、例えば特開2002−361172号公報に開示されている技術を用いて第2領域R2を形成してもよい。即ち、トップコート層52を形成する塗料をインキ層51の表面で斑状に凝集させることで凹凸を形成し第2領域R2を形成してもよい。また第2領域R2のクレーター状の凹凸は、発泡剤を含有したいわゆる発泡インキを用いてインキ層51を形成することにより形成することができる。なお、本特許にて塗布材料により生じさせる上記第2領域R2の凹凸は、最大深さで3〜10μm程度のオーダーであり、通常のコーティング塗料では、深さ1μm程度或いはそれ未満の程度の平滑面を第1領域R1と言っている。
【0050】
次いで、同図(D)を参照し第1領域R1の表面状態について説明する。
同図(D)に示すように第1領域R1には、インキ層51の表面に、上記第2領域R2におけるトップコート層52よりも表面が平滑に形成されたトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0051】
ここで第1領域R1におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料をはじかないインキ(通常インキ)を用いて形成している。付言すれば、インキ層51を形成するインキは、表面張力がトップコート層52を形成する塗料の表面張力と等しいか又はそれよりも高いインキが用いられている。このため第1領域R1では、トップコート層52を形成する塗料がはじかれず、トップコート層52の表面は、第2領域R2におけるトップコート層52に比べ平滑となる。なお、インキ層51を形成するインキの基本的な組成等は上記と同様である。トップコート層52を形成する塗料の基本的な組成等は上記と同様である。
【0052】
また本実施形態における缶体20は、上記のとおり、その外面(外周面)に、商品名、商標名など他の商品と識別するための識別標記23を有している。ここで、この識別標記23は第1領域R1に形成されている。また識別標記23は、上記インキ層51により形成されている。
【0053】
次に、回転機構30における缶体20の動作について説明する。
図11は、回転機構30における缶体20の動作を説明するための図である。
同図に示すように缶体20の搬送方向上流側にて載置部31に置かれた缶体20は、載置面31Aに対し左右方向における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、抵抗付与部33によって案内されながら前方に向かって移動する(符号11A参照)。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され(第1領域R1に抗力が付与され)、缶体20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号11A、11B参照)。
【0054】
そして符号11Cのように、第2領域R2が抵抗付与部33に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、缶体20の回転は停止する。その後、缶体20は抵抗付与部33により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。これにより、回転機構30の前方に達した缶体20は、識別標記23が後方(移動方向における上流側)を向いた状態となる。付言すると、本実施形態では、第2領域R2と識別標記23は、上記のとおり予め定められた所定の位置関係を有して配置されている。より詳細には、第2領域R2が左方側(一方向)を向いている場合に識別標記23が後方(一方向と交差する方向、一方向と直交する方向)を向くように配置されている。このため、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した状態となると、識別標記23が後方を向く。
【0055】
なお図11では第1ローラ列311、第2ローラ列312(図9参照)の図示を省略した。ここで、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した場合、第2領域R2と抵抗付与部33とは点接触に近い状態で接触する。付言すれば、第2領域R2と抵抗付与部33とは接触面積が低下する状態となる。このため、第2領域R2と抵抗付与部33との間で上記滑りが生じるものと考えられる。
【0056】
なお本実施形態における回転機構30では、上述のとおり、第2ローラ列312(図9参照)に含まれるロール状部材314は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、移動してくる缶体20に対し移動に対する抗力を付与することとなる。ここで本実施形態における構成にて、第2ローラ列312から缶体20に対し抗力を付与しない場合、第2領域R2と抵抗付与部33とが接触しているにも関わらず缶体20が回転してしまう可能性がある。即ち、第2領域R2に対し抵抗付与部33から付与される抗力によって缶体20の意図しない回転が起こる可能性がある。このため本実施形態では、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314を用いて缶体20に対し抗力を与え上記意図しない回転を抑えている。付言すると、缶体20のうち抵抗付与部33と接触する部位とは反対側に位置する部位に対し抗力を与え、缶体20の過度の回転を抑えている。
【0057】
ここで図12は、回転機構30の他の一形態を示した図である。
本図における回転機構30では、載置部31に対し回転機構30の前後方向における傾斜は付与されているが、回転機構30の幅方向における傾斜は付与されていない。また本図における回転機構30では、載置面31Aに設けられた複数のロール状部材314が、回転機構30の前後方向(缶体20の移動方向)に対し傾斜して配置されている。
【0058】
より詳細に説明すると、ロール状部材314の回転軸と直交する仮想線(符号8A参照)を想定した場合に、ロール状部材314の各々は、この仮想線が回転機構30の前後方向と交差するように傾斜して配置されている。付言するとロール状部材314の各々は、上記仮想線が回転機構30の前後方向に対して傾斜するように配置されている。さらに説明すると、ロール状部材314の各々は、上記仮想線が向かう方向が抵抗付与部33が設けられた側となるように傾斜して配置されている。このため図12に示した回転機構30では、缶体20は、回転機構30の前方に向かって移動しようとするものの傾斜して配置されたロール状部材314によって抵抗付与部33へ向かうこととなる。
【0059】
次に缶体20に形成された第1領域R1、第2領域R2の形成方法についてより詳細に説明する。第1領域R1、第2領域R2は、例えば、2ピース缶である缶体20の製造工程に含まれる印刷工程にて形成することができる。より詳細には、印刷工程に設置された印刷機を用いて形成することができる。
【0060】
ここで図13は、缶体20に対して印刷を行う印刷機を示した図である。
同図に示す印刷機500は、いわゆるオフセット印刷を行う印刷機である。印刷機500は、ブランケットシリンダ510、図柄に対応した印刷版を有し上記インキ層51を形成するインキをブランケットシリンダ510に塗布するインキ塗布装置520、支持ロール530、上記トップコート層52を形成する塗料を塗布する塗料塗布装置540を備える。
【0061】
ブランケットシリンダ510は、円盤状に形成されるとともに一方向に回転する。また、ブランケットシリンダ510は、外周面に複数のブランケット(被転写部)511を有している。また、ブランケットシリンダ510は、インキ塗布装置520における上記印刷版からブランケット511に転写されたインキを、転写部Teにて2ピース缶の基体となる素缶体に対して転写しこの素缶体に上記識別標記23を含む図柄を形成する。
【0062】
インキ塗布装置520は、ブランケットシリンダ510の周方向に沿って色毎に複数設けられている。各インキ塗布装置520は、ブランケットシリンダ510のブランケット511に接触する印刷用シリンダ522、印刷用シリンダ522の外周面にインキを供給するインキ供給装置521を備えている。ここで印刷用シリンダ522は、外周面に上記印刷版を有しインキ供給装置521により供給されたインキをブランケット511に転写する。これにより、各ブランケット511の表面にインキが載せられる。詳細には、各ブランケット511の表面であって印刷用シリンダ522毎に割り当てられた各領域に、印刷用シリンダ522の各々からインキが順次載せられる。この結果、各ブランケット511の表面には、図柄に対応したインキ像が形成される。そして、このインキ像は、ブランケットシリンダ510の回転に伴い、転写部Teまで移動し、周方向に回転している素缶体の外周面に転写される。これによって上記インキ層51が形成される。
【0063】
支持ロール530は、ブランケットシリンダ510の対向位置に配置されるとともに一方向に回転し、不図示のウォッシャー工程から移動してきた素缶体を上記転写部Teまで搬送する。また支持ロール530は、ウォッシャー工程から移動してきた素缶体を回転させた状態で上記転写部Teまで搬送する。塗料塗布装置540は、上記インキ像が転写された素缶体(インキ層51が形成された素缶体)の外周面に対して塗料を塗布する。これによって上記トップコート層52が形成される。
【0064】
ここでこのような印刷機500を用いる場合、上記第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から塗料をはじく機能を有したインキをブランケット511に載せることにより、第2領域R2と、この第2領域R2に隣り合う第1領域R1との間に表面の違いを形成することができる。なお、上記発泡インキを用いての第2領域R2の形成は、第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から発泡インキをブランケット511に載せることにより行うことができる。さらに、上述の塗料を凝集させるインキを用いての第2領域R2の形成は、第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から、塗料を凝集させるインキをブランケット511に載せることにより行うことができる。
【0065】
ところで、缶体20の外周面における同色の箇所は、通常、共通の(一つの)印刷用シリンダ522からインクが供給される。しかしながら本実施形態では、第1領域R1、第2領域R2に同色の箇所があったとしても、異なる印刷用シリンダ522からインキの供給が行われる。即ち、第1領域R1における同色の箇所は、一の印刷用シリンダ522からインキが供給され、第2領域R2における同色の箇所は、この一の印刷シリンダ522とは異なる他の印刷用シリンダ522(はじきインキを供給する印刷用シリンダ522)からインキが供給される。
【0066】
また、複数色を用いた模様が缶体20の全周に渡り広範囲に存在する場合には、通常の印刷に比べ、印刷用シリンダ522を多数用意する必要がある。即ち、例えば、第1領域R1における模様を形成するために、まず複数の印刷用シリンダ522を用意する必要がある。そして第2領域R2における模様を形成するための複数の印刷用シリンダ522をさらに用意する必要がある。
【0067】
ここで上記のような印刷用シリンダ522の増加を防ぐため、図14(缶体20の他の形態を示した図)に示すような形態とすることもできる。なお、同図(A)は缶体20の正面図を示し、同図(B)は缶体20の背面図を示している。
同図に示すように、例えば、第2領域R2は、缶体20の底部側に設けることができる。より詳細には、缶体20の周方向に沿い且つ抵抗付与部33の幅よりもわずかに大きい幅を有した帯として形成することができる。さらに詳細に説明すれば、第2領域R2は、缶体20の周方向における長さを、缶体20の周長の1/4とすることができる。このような形態とする場合、複数色を用いた模様が缶体20の全周に渡り存在していても、第2領域R2を形成するための一つの印刷用シリンダ522を追加するだけで済む。付言すれば、上記のように多数の印刷用シリンダ522を用意しないで済む。
【0068】
また上記では、第2領域R2に凹凸を付与することで摺動抵抗を減じたが、フッ素樹脂などを第2領域R2に貼付したり塗布したりして摺動抵抗を減じてもよい。この場合、テフロン(登録商標)加工が施されたテープなどを貼付するとより簡便である。同様に、フッ素系の樹脂(PTFE、PFA、PVDF等)及びそれらのテープ、あるいは、超高分子量ポリエチレンフィルム等の摩擦抵抗の小さいフィルムテープが使用できる。
【0069】
さらに、第2領域R2におけるトップコート層52を形成する塗料をいわゆるマット塗料とすることで第2領域R2に凹凸を付与し、摺動抵抗を減じてもよい。なおこの場合は、塗料の塗り分けが必要となる。即ち、第2領域R2に対してはマット塗料を塗布し、第1領域R1に対してはマット塗料ではない塗料を塗布する必要がある。また、第2領域R2におけるトップコート層52の表面に更にマット塗料を塗布することで第2領域R2に凹凸を付与し、この領域における摺動抵抗を減じてもよい。また、第2領域R2におけるインキ層51をはじきインキにより形成するとともに、このインキ層51の表面にマット塗料を用いてトップコート層52を形成してもよい。
【0070】
ここでマット塗料とは、ガラス、シリカ、樹脂等の光を散乱させる粒子が含有され、通常の塗料よりも光沢度が低下する塗料である。マット塗料には、上記のようにガラス、シリカ、樹脂等の粒子が含まれているため、その表面に凹凸が形成される。このためマット塗料を用いた場合にも、抵抗付与部33と第2領域R2との摺動抵抗が小さくなり上記のような滑りを発生させることが可能となる。
【0071】
また例えば、第1領域R1、第2領域R2におけるトップコート層52をマット塗料により形成した後、第1領域R1に対して、表面を平滑にする塗料(例えば、上記ガラス等が含まれていない塗料)を塗布してもよい。即ち、マット塗料を塗布することで缶体20の全周を滑りやすくした後、第1領域R1に表面を平滑にする塗料を塗布し、第1領域R1を滑りにくくしてもよい。また例えば、第1領域R1、第2領域R2におけるトップコート層52をマット塗料により形成した後、このトップコート層52よりも摩擦係数の小さな、例えば前掲のテフロン(登録商標)系のテープやシールなどを第2領域R2に貼付してもよい。また、図15(缶体20の他の一形態を示した図)のように、第1領域R1、第2領域R2が印刷等により形成されたテープTAを缶体20に貼り付けることで、缶体20の塗装状況に関係無く、第1領域R1、第2領域R2を缶体20の外周面に付与可能となる。
【0072】
なお上記では、第2領域R2に凹凸を形成するとともに、第1領域R1における表面を、第2領域R2における表面よりも平滑にした。ところで缶体20の回転/非回転には、例えばトップコート層52を構成する材料なども影響する。このため、例えば、第1領域R1に凹凸が形成され、第2領域R2が平滑に形成される場合であっても、缶体20の回転/非回転が可能となる場合がある。即ち、本実施形態では、識別標記23が設けられた箇所を平滑にするとともに識別標記23が設けられていない箇所に凹凸を付与したが、例えば金属ボトル缶の金属表面とフィルム面、あるいは、粘着性の塗料と通常の塗料の組み合わせのように、摩擦係数の異なる少なくとも2つの領域を識別標記23に対応させて形成しておけば、上述した缶体20の回転/非回転が可能となる。
【0073】
ところで上記では、把持ユニット50を用いて6本の缶体20を梱包工程まで搬送したが、缶体20の梱包工程への搬送は、ストッパーユニット70を利用して行うこともできる。図16および図17は、缶体20の搬送方法の他の一例を説明するための図である。
【0074】
本搬送方法では、図16(A)に示すように、複数のストッパーユニット70が上下方向に並んで配置されている。そして本搬送方法では、図16(A)、(B)に示すように、まず、最上位に位置するストッパーユニット70に対し、上記と同様、第1供給装置41〜第6供給装置46(図2参照)から6本の缶体20を供給する。その後、本搬送方法では、図17(A)に示すように、缶体20が載せられた最上位のストッパーユニット70の搬送を行う。具体的には、このストッパーユニット70を上記にて説明した梱包工程まで搬送する。そして、梱包工程にて、ストッパーユニット70上の缶体20を梱包材100の上に移す。そして上記と同様に梱包が行われ、容器梱包体200が完成する。なお最上位のストッパーユニット70が梱包工程へ搬送された後には、図17(B)に示すように、下位に位置するストッパーユニット70が上昇し、上昇したこのストッパーユニット70に対し新たな缶体20が供給される。
【0075】
なお上記では、梱包材100を用いて缶体20を梱包する態様を説明したが、以下に説明する陳列装置を利用した場合、缶体20に付された識別標記23を陳列装置の前方に向けることが可能となる。例えば、コンビニエンスストア等には缶体20が陳列されているが、缶体20が付された識別標記23の向きが揃っていないと、商品の識別がしにくくなったり、見栄えが悪くなったりするおそれがある。以下の陳列装置を利用することで特定の方向(陳列装置の前方)に識別標記23を向けることが可能となる。
【0076】
図18は、缶体20を陳列する陳列装置の上面図である。
同図に示す陳列装置80は、図9で示した回転機構30とほぼ同様に構成を有している。即ち、陳列装置80は、缶体20が載せられる載置部81と、缶体20の移動経路を形成するとともに缶体20の移動を案内するガイド82とを備えている。ここで、このガイド82は、缶体20の移動経路に沿って配置されている。またガイド82は、缶体20の移動経路の両側に設けられている。
【0077】
ここで載置部81は、缶体20が載置される載置面81Aを有している。そしてこの載置面81Aは、図中下側が上側よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、載置面81Aと前後方向の水平面とが角度θV(以下、「前後方向傾斜角度θV」と称する場合がある)をなすように、載置面81Aは傾斜して配置されている。また載置面81Aは、右ガイド82の方が左ガイド82よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、載置面81Aと左右方向(幅方向)の水平面とが角度θH(以下、「左右方向傾斜角度θH」と称する場合がある)をなすように、載置面81Aは傾斜して配置されている。
【0078】
さらに載置部81は、載置面81Aに、載置部81の幅方向に並列配置された第1ローラ列811、第2ローラ列812を有している。ここで各ローラ列は、複数のロール状部材814を有している。なお、第1ローラ列811に含まれるロール状部材814は、缶体20の移動方向に沿った回転が可能であり缶体20を前方に向けて円滑に移動させる。一方で、第2ローラ列812に含まれるロール状部材814は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列812に含まれるロール状部材814は、載置部81を移動する缶体20に対し移動に対する抗力を付与する。
【0079】
ここで第2ローラ列812に含まれるロール状部材814は、缶体20のうちの抵抗付与部83(詳細は後述)が設けられている側とは反対側に位置する部位に接触し缶体20に対して抗力を付与する。なお本実施形態では、第2ローラ列812に含まれる全てのロール状部材814を回転できないように固定したが、一個おきにロール状部材814を固定するなど、一部のロール状部材814を固定してもよい。
【0080】
さらに本実施形態では、右ガイド82に、接触する缶体20に対して摺動抵抗(摩擦抵抗)を付与する抵抗付与部83が設けられている。この抵抗付与部83は、缶体20の移動経路に沿って設けられている。なおこの抵抗付与部83は、上記抵抗付与部33と同様に構成され、右ガイド82に形成された溝に埋め込まれた円柱状の基材(不図示)と、この基材の外表面に貼付された貼付部材83Bとから構成されている。また本実施形態における陳列装置80は、缶体20の移動方向における最下流側に移動してきた缶体20を停止させる停止板85を有している。なおこの停止板85は、透明に形成することが望ましい。
【0081】
次に陳列装置80における缶体20の動作を説明する。
図19は、陳列装置80における缶体20の動作を説明するための図である。
同図の符号19Aに示すように、陳列装置80の後方にて載置部81に置かれた缶体20は、載置面81Aに対し左右方向(幅方向)における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、抵抗付与部83によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部83に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部83との間における滑りが抑制され(第1領域R1に抗力が付与され)、缶体20は、反時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号19A、19B参照)。
【0082】
そして符号19Cのように、第2領域R2が抵抗付与部83に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部83との間で滑りが生じ、缶体20の回転は停止する。その後、缶体20は抵抗付与部83により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。これにより、陳列装置80の前方に達した缶体20は、識別標記23が陳列装置80の前方を向いた状態となる。
【0083】
なお本実施形態における陳列装置80でも、上記回転機構30と同様に、第2ローラ列812(図18参照)に含まれるロール状部材814は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列812に含まれるロール状部材814は、移動してくる缶体20に対し移動に対する抗力を付与することとなる。これにより、缶体20の過度の回転が抑えられ、第2領域R2と抵抗付与部83とが接触しているにも関わらず缶体20が回転する事態を抑制可能となる。
【0084】
なお上記では、紙製の梱包材100により缶体20を梱包する場合を一例に説明したが、缶体20の梱包は、透明なフィルムなどにより行うこともできる。
図20、図21は、フィルムにより6つの缶体20を梱包した容器梱包体200を示した図である。図20に示すように、本実施形態における容器梱包体200は、2列に並んで配置され且つ格子状に並べられて配置された6つの缶体20を覆うように、透明なフィルムFが缶体20に巻き付けられている。なおフィルムFは、熱を加えることで収縮するシュリンクフィルムを用いることもできる。
【0085】
また図20に示す容器梱包体200では、上記2列のうちの一方の列に位置する3つの缶体20が、識別標記23がフィルムFの外側且つ一方向を向くように配置されている。また、上記2列のうちのもう一方の列に位置する3つの缶体20が、識別標記23がフィルムFの外側且つ上記一方向とは反対の方向を向くように配置されている。ここで本実施形態では、梱包材100が透明なフィルムFにより形成されているため、上記のような缶体20の配置(3つの缶体20の各々の識別標記23が同一方向を向く配置)を行っても梱包材100の外部から缶体20の識別標記23が視認可能となる。
【0086】
ここで上記のような缶体20の配置は、第6供給装置46(図2参照)に第1供給装置41および第5供給装置45を隣接させ、第3供給装置43に第2供給装置42および第4供給装置44を隣接させることで行うことができる。なお缶体20は、図21に示すように配置することもできる。図21に示す容器梱包体200では、格子状に並んだ6つの缶体20のうちの角部に位置する缶体20の識別標記23がフィルムFの外側方向且つ斜め方向を向いている。さらに説明すると、6つの缶体20のうちの中央部(角部ではない箇所)に位置する缶体20の識別標記23が向く方向と、角部に位置する容器20の識別標記23が向く方向とが、約45°となるように、角部に位置する缶体20は配置されている。なお、このような缶体20の配置は、第6供給装置46(図2参照)と第1供給装置41とのなす角度が45°となるように第1供給装置41を配置し、第6供給装置46と第5供給装置45とのなす角度が45°となるように第5供給装置45を配置し、第3供給装置43と第2供給装置42とのなす角度が45°となるように第2供給装置42を配置し、第3供給装置43と第4供給装置44とのなす角度が45°となるように第4供給装置44を配置することで、行うことができる。
【0087】
また上記では、缶体20のうち直径の最も大きい部位に対し第1突起301〜第12突起312(図5)を接触させ缶体20を停止させたが、第1突起301〜第12突起312と、缶体20との接触は次のように行うこともできる。
図22は、第1突起301および缶体20を示した図である。なお、第2突起302〜第12突起312も第1突起301と同様に構成されている。本図における第1突起301は、図5で示した第1突起301よりも高さ方向における寸法が小さくなっている。そして本実施形態では、高さ方向における寸法が小さいこの第1突起301を、図22に示すように、缶体20の下部に形成された縮径部20Aに接触させる。本図に示す構成の場合、ストッパーユニット70にて、隣接する缶体20間に形成される間隙をより小さいものとすることができる。
【0088】
また上記回転機構30(図9参照)では、缶体20の移動経路の左側に、抵抗付与部33を設けた場合を説明したが、図23(回転機構30の他の形態を示した図)に示すように、缶体20の移動経路の右側に、抵抗付与部33を設けることもできる。なお、図23では第1ローラ列311、第2ローラ列312(図9参照)の図示を省略している。ここで缶体20には、図23の符号23Aに示すように、識別標記23に加え識別標記23が設けられている箇所とは反対側に第2の識別標記27が設けられる場合があり、容器梱包体200において、この第2の識別標記27を外側に向けたい場合がある。このような場合に、缶体20の移動経路の右側に抵抗付与部33が設けられていると、符号23A、23Bに示す缶体20の回転、符号23Cに示す缶体20の回転停止が起こり、第2の識別標記27が回転機構30の後方を向くようになる。そしてこの場合は、上記の処理を経て、容器梱包体200の外側を第2の識別標記27が向くように缶体20が容器梱包体200に配置される。
【0089】
また上記では、缶体20を例示したが、図24(ボトル状容器が収容された容器収容体を示した図)に示すように、ボトル状容器400に対しても本実施形態における構成を適用できる。また上記では、梱包材100を用いて容器梱包体200を形成したが、本実施形態では、図24に示すように、袋状部材300にボトル状容器400を複数収容し容器収容体600を形成している。なお図24では、ボトル状容器400を例示するが缶体20の収容も当然可能である。
【0090】
ここで袋状部材300は、透明にされ内部が視認可能な袋状部材本体310と、紐部材により形成されユーザにより把持される把持部320とを備えている。またボトル状容器400は、識別標記23が袋状部材本体310の外側を向くように袋状部材本体310に収容されている。このため本実施形態でも、宣伝広告効果が生じるようになる。なお、ボトル状容器400の回転(向きの揃え)は、例えば、ボトル状容器400に付されたフィルムFLに上述した第1領域R1、第2領域R2を形成しておくことで行うことができる。またボトル状容器400の回転は、ボトル状容器400の外周面から突出する突起(不図示)をボトル状容器400に複数形成しておき、回転機構30(図7参照)にてボトル状容器400が移動する際に、この突起に対し回転機構30側から順次抗力を与えることで行うこともできる。
【符号の説明】
【0091】
20…缶体、23…識別標記、30…回転機構、33…抵抗付与部、70…ストッパーユニット、100…梱包材、110…側部、111…第1側部、112…第2側部、113…開口、130…天井部、131〜134…第1の辺〜第4の辺、140…底部、150…第1開口、160…第2開口、200…容器梱包体、R1…第1領域、R2…第2領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ当該標記を予め定められた特定の方向に向ける回転工程と、
前記回転工程により回転された前記容器を複数本まとめて梱包する梱包工程と、
を含む容器梱包体の製造方法。
【請求項2】
前記梱包工程では、梱包材の外部から前記容器の前記外周面が視認可能なように梱包を行い、
前記回転工程では、前記梱包材により梱包された際に前記標記が当該梱包材の外側を向くように前記容器の前記回転を行うことを特徴とする請求項1記載の容器梱包体の製造方法。
【請求項3】
前記梱包工程では、開口を有した梱包材を用いて前記梱包を行い、
前記回転工程では、前記梱包材により梱包された際に当該梱包材の前記開口に対峙する前記容器の前記標記が当該開口を通じ当該梱包材の外部から視認可能なように前記回転を行うことを特徴とする請求項1記載の容器梱包体の製造方法。
【請求項4】
前記回転工程では、前記容器を移動させるとともに当該容器の前記外周面に対し当該移動に対する抗力を与え当該容器を前記周方向に回転させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の容器梱包体の製造方法。
【請求項5】
前記回転工程では、前記容器を移動させながら当該容器を前記周方向に回転させ前記標記を前記特定の方向に向けるとともに、移動させた当該容器を容器集積部に集積し、
前記容器集積部に集積された複数本の前記容器を保持し、保持した当該複数本の当該容器を当該容器集積部から前記梱包工程へ搬送する搬送工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の容器梱包体の製造方法。
【請求項6】
前記回転工程では、前記容器を移動させながら当該容器を前記周方向に回転させ前記標記を前記特定の方向に向けるとともに、移動させた当該容器を容器集積部に集積し、
前記容器集積部を前記梱包工程へ搬送することで当該容器集積部に集積された複数本の前記容器を当該梱包工程へ搬送する搬送工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の容器梱包体の製造方法。
【請求項7】
外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ当該標記を予め定められた特定の方向に向ける回転手段と、
前記回転手段により回転された前記容器を複数本まとめて梱包する梱包手段と、
を含む容器梱包体の製造システム。
【請求項8】
前記容器は、前記外周面に且つ周方向における異なる位置に表面性状が互いに異なる第1の領域および第2の領域を有し、
前記回転手段は、前記容器を移動させるとともに、当該容器に形成された前記第1の領域に接触部材を接触させ当該第1の領域に抗力を与えることで当該容器を前記周方向に回転させ、当該回転に伴い当該接触部材に接触する前記第2の領域を当該接触部材に対して滑らせ、当該容器に付された前記標記を前記特定の方向に向けることを特徴とする請求項7記載の容器梱包体の製造システム。
【請求項9】
外周面に標記が付された複数本の容器と、
前記複数本の容器を下方から支持する底面と、当該複数本の容器の上部に位置する上面と、開口を有し当該複数本の容器の側方に配置される側部と、を備え、当該複数本の容器を梱包する梱包材と、
を有し、
前記容器の前記外周面に付された前記標記が前記梱包材の前記開口を通じ当該梱包材の外部から視認可能なように、当該容器の周方向における回転が行われたうえで当該梱包材による当該容器の梱包が行われた容器梱包体。
【請求項10】
前記上面は、略矩形状に形成され、第1の辺と、当該第1の辺と略直交する関係で配置された第2の辺と、当該第1の辺と略平行な第3の辺と、当該第2の辺と略平行な第4の辺と、を有し、
前記側部は、前記上面の前記第1の辺に接続され当該第1の辺から下方に延びる第1の側部と、当該上面の前記第3の辺に接続され当該第3の辺から下方に延びる第2の側部とを有するとともに、当該上面の前記第2の辺の下方および当該上面の前記第4の辺の下方に前記開口を有し、
前記第2の辺の下方に形成された前記開口および前記第4の辺の下方に形成された前記開口を通じ前記梱包材の外部から前記標記が視認可能なように、前記回転が行われ前記梱包が行われたことを特徴とする請求項9記載の容器梱包体。
【請求項11】
前記側部は、前記第1の側部および前記第2の側部の少なくとも一方に前記梱包材の内部を外部から視認可能とする側部開口をさらに備え、
前記側部開口に対峙する前記容器の前記標記が当該側部開口を通じ前記梱包材の外部から視認可能なように、前記回転が行われ前記梱包が行われたことを特徴とする請求項10記載の容器梱包体。
【請求項12】
外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ当該標記を予め定められた特定の方向に向ける回転工程と、
前記回転工程により回転された前記容器を内部が視認可能な袋状部材に複数収容する収容工程と、
を含む容器収容体の製造方法。
【請求項13】
前記回転工程では、前記容器が前記袋状部材に収容された際に前記標記が当該袋状部材の外側を向くように当該容器の前記回転を行うことを特徴とする請求項12記載の容器収容体の製造方法。
【請求項14】
外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ当該標記を予め定められた特定の方向に向ける回転手段と、
前記回転手段により回転された前記容器を内部が視認可能な袋状部材に複数収容する収容手段と、
を含む容器収容体の製造システム。
【請求項15】
外周面に標記が付された複数本の容器と、
内部が視認可能に構成され、前記複数本の容器を収容する袋状部材と、
を有し、
前記容器の前記外周面に付された前記標記が前記袋状部材の外部から視認可能なように、当該容器の周方向における回転が行われたうえで当該袋状部材に当該容器が収容された容器収容体。
【請求項1】
外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ当該標記を予め定められた特定の方向に向ける回転工程と、
前記回転工程により回転された前記容器を複数本まとめて梱包する梱包工程と、
を含む容器梱包体の製造方法。
【請求項2】
前記梱包工程では、梱包材の外部から前記容器の前記外周面が視認可能なように梱包を行い、
前記回転工程では、前記梱包材により梱包された際に前記標記が当該梱包材の外側を向くように前記容器の前記回転を行うことを特徴とする請求項1記載の容器梱包体の製造方法。
【請求項3】
前記梱包工程では、開口を有した梱包材を用いて前記梱包を行い、
前記回転工程では、前記梱包材により梱包された際に当該梱包材の前記開口に対峙する前記容器の前記標記が当該開口を通じ当該梱包材の外部から視認可能なように前記回転を行うことを特徴とする請求項1記載の容器梱包体の製造方法。
【請求項4】
前記回転工程では、前記容器を移動させるとともに当該容器の前記外周面に対し当該移動に対する抗力を与え当該容器を前記周方向に回転させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の容器梱包体の製造方法。
【請求項5】
前記回転工程では、前記容器を移動させながら当該容器を前記周方向に回転させ前記標記を前記特定の方向に向けるとともに、移動させた当該容器を容器集積部に集積し、
前記容器集積部に集積された複数本の前記容器を保持し、保持した当該複数本の当該容器を当該容器集積部から前記梱包工程へ搬送する搬送工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の容器梱包体の製造方法。
【請求項6】
前記回転工程では、前記容器を移動させながら当該容器を前記周方向に回転させ前記標記を前記特定の方向に向けるとともに、移動させた当該容器を容器集積部に集積し、
前記容器集積部を前記梱包工程へ搬送することで当該容器集積部に集積された複数本の前記容器を当該梱包工程へ搬送する搬送工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の容器梱包体の製造方法。
【請求項7】
外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ当該標記を予め定められた特定の方向に向ける回転手段と、
前記回転手段により回転された前記容器を複数本まとめて梱包する梱包手段と、
を含む容器梱包体の製造システム。
【請求項8】
前記容器は、前記外周面に且つ周方向における異なる位置に表面性状が互いに異なる第1の領域および第2の領域を有し、
前記回転手段は、前記容器を移動させるとともに、当該容器に形成された前記第1の領域に接触部材を接触させ当該第1の領域に抗力を与えることで当該容器を前記周方向に回転させ、当該回転に伴い当該接触部材に接触する前記第2の領域を当該接触部材に対して滑らせ、当該容器に付された前記標記を前記特定の方向に向けることを特徴とする請求項7記載の容器梱包体の製造システム。
【請求項9】
外周面に標記が付された複数本の容器と、
前記複数本の容器を下方から支持する底面と、当該複数本の容器の上部に位置する上面と、開口を有し当該複数本の容器の側方に配置される側部と、を備え、当該複数本の容器を梱包する梱包材と、
を有し、
前記容器の前記外周面に付された前記標記が前記梱包材の前記開口を通じ当該梱包材の外部から視認可能なように、当該容器の周方向における回転が行われたうえで当該梱包材による当該容器の梱包が行われた容器梱包体。
【請求項10】
前記上面は、略矩形状に形成され、第1の辺と、当該第1の辺と略直交する関係で配置された第2の辺と、当該第1の辺と略平行な第3の辺と、当該第2の辺と略平行な第4の辺と、を有し、
前記側部は、前記上面の前記第1の辺に接続され当該第1の辺から下方に延びる第1の側部と、当該上面の前記第3の辺に接続され当該第3の辺から下方に延びる第2の側部とを有するとともに、当該上面の前記第2の辺の下方および当該上面の前記第4の辺の下方に前記開口を有し、
前記第2の辺の下方に形成された前記開口および前記第4の辺の下方に形成された前記開口を通じ前記梱包材の外部から前記標記が視認可能なように、前記回転が行われ前記梱包が行われたことを特徴とする請求項9記載の容器梱包体。
【請求項11】
前記側部は、前記第1の側部および前記第2の側部の少なくとも一方に前記梱包材の内部を外部から視認可能とする側部開口をさらに備え、
前記側部開口に対峙する前記容器の前記標記が当該側部開口を通じ前記梱包材の外部から視認可能なように、前記回転が行われ前記梱包が行われたことを特徴とする請求項10記載の容器梱包体。
【請求項12】
外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ当該標記を予め定められた特定の方向に向ける回転工程と、
前記回転工程により回転された前記容器を内部が視認可能な袋状部材に複数収容する収容工程と、
を含む容器収容体の製造方法。
【請求項13】
前記回転工程では、前記容器が前記袋状部材に収容された際に前記標記が当該袋状部材の外側を向くように当該容器の前記回転を行うことを特徴とする請求項12記載の容器収容体の製造方法。
【請求項14】
外周面に標記が付された容器を周方向に回転させ当該標記を予め定められた特定の方向に向ける回転手段と、
前記回転手段により回転された前記容器を内部が視認可能な袋状部材に複数収容する収容手段と、
を含む容器収容体の製造システム。
【請求項15】
外周面に標記が付された複数本の容器と、
内部が視認可能に構成され、前記複数本の容器を収容する袋状部材と、
を有し、
前記容器の前記外周面に付された前記標記が前記袋状部材の外部から視認可能なように、当該容器の周方向における回転が行われたうえで当該袋状部材に当該容器が収容された容器収容体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−189952(P2011−189952A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56615(P2010−56615)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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