説明

封入体

封入体、組成物、パッケージ化製品及びこのような封入体を含むディスプレイ、並びに、このような封入体、組成物、パッケージ化製品及びディスプレイの製造及び使用プロセス。このような組成物は、組成物及び/又は部位に、向上した有益特性を付与できる向上した付着及び保持特性を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、封入体、組成物、このような封入体を含む製品、並びに、このような封入体の製造及び使用プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
香料、染料、蛍光増白剤、布地ケア剤、漂白剤、金属触媒、漂白増進剤、溶媒、酵素、防虫剤、シリコーン、ワックス、芳香剤、ビタミン、冷却剤及びスキンケア剤などの有益剤は、高価であり、パーソナルケア組成物、洗浄組成物及び布地ケア組成物などの組成物中で高濃度で採用した場合でもあまり有効ではないことがある。結果として、このような有益剤の効率を最大限にすることが望ましい。このような目的を達成する1つの方法は、このような有益剤の送達効率を高めることである。残念ながら、このような薬剤の物理的特性又は化学的特性が失われる恐れがあるか、このような薬剤が、他の組成成分又は処理される部位と不適合である恐れがあるか、又はこのような薬剤がすすぎ若しくは乾燥などの適用後プロセス中に失われる恐れがある場合、有益剤の送達効率を改善するのは難しい。
【0003】
有益剤の送達効率を高める1つの方法は、有益剤が所望される時点で、例えば、封入体の外殻を破砕することで、初めて有益剤が放出されるように、封入することである。しかしながら、流体組成物中では、上述の封入体は、流体の底部又は表面などの特定の流体領域に集中する恐れがある。このような場合には、流体が分配される時点で得られる封入体の量は、劇的に多いか又は少ないかであり得る。それゆえに、有益剤の所望の有効性は得られない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、流体における有益剤送達効率の改善をもたらす封入体に対して必要が存在する。理論に束縛されるものではないが、本出願者らは、本明細書に開示される封入体がこのような必要を満たし、流体の特定領域に集中しないようにこのような封入体は調製されると考えている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
封入体、組成物、パッケージ化製品及びこのような封入体を含むディスプレイ、並びに、このような封入体、組成物、パッケージ化製品及びディスプレイの製造及び使用プロセスが開示される。このような封入体は、有益剤を含むコアと、上記コアを少なくとも部分的に囲む外殻と、を含み、このような封入体は密度バランス調整剤を更に含む。
【発明を実施するための形態】
【0006】
定義
本明細書で用いる「消費者製品」は、販売される形態での使用又は消費を意図し、後続する商業的製造又は変性を意図しない、ベビーケア、ビューティケア、衣類及びホームケア、ファミリーケア、フェミニンケア、ヘルスケア、スナック、並びに/又は飲料製品若しくは装置を意味する。このような製品としては、おむつ、よだれかけ、拭取り布;漂白、着色、染色、コンディショニング、シャンプー、スタイリングといった処理を毛髪(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)に行うための製品、及び/又はこれに関する方法;脱臭剤及び制汗剤;パーソナル洗浄;化粧品;クリーム、ローションなどのスキンケア、及び消費者用の他の局所適用製品;剃毛製品;布地、硬質表面並びに布地及びホームケアの領域のあらゆる他の表面の処理を行うための製品及び/又はこれに関する方法、例えば、空気ケア、自動車ケア、食器洗浄、布地コンディショニング(柔軟化)、洗濯洗剤、洗濯及びリンス用添加剤並びに/又はケア剤、硬質表面洗浄及び/又は処理、並びに消費者又は業務用の他の洗浄;トイレットペーパー、フェイシャルティシュー、ペーパーハンカチーフ、及び/又はペーパータオルに関する製品、及び/又は方法;タンポン、女性用ナプキン;歯磨き粉、歯磨き用ジェル、歯磨き用リンス、入れ歯用接着剤、歯の漂白剤などのオーラルケアに関する製品、及び/又は方法;咳、及び風邪の治療薬、鎮痛剤、処方箋薬、ペットヘルス及び栄養、並びに浄水などの店頭販売ヘルスケア製品;主として普段の食事の間における消費又は食事の付随食品としての消費を意図した加工食品(非限定的な例としては、ポテトチップス、トルティーヤチップス、ポップコーン、プレッツェル、コーンチップ、シリアルバー、野菜チップス又はクリスプ、スナックミックス、パーティミックス、マルチグレインチップス、スナッククラッカー、チーズスナック、ポークラインズ、コーンスナック、ペレットスナック、押出し加工スナック、及びベーグルチップスが挙げられる);並びにコーヒー、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0007】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄及び/又は処理組成物」としては、特に指示のない限り、顆粒又は粉末状の多目的、すなわち、「強力」洗浄剤、特に洗浄洗剤;液体、ゲル又はペースト状の多目的洗浄剤、特にいわゆる強力液体型;液体高級衣類用洗剤;手洗い食器洗浄剤又は軽質食器洗浄剤、特に泡立ちのよいもの;家庭又は業務用の各種の錠剤、顆粒、液体、及びすすぎ補助剤型などの食器洗い機用洗剤;抗菌手洗い用型、手洗い石鹸、マウスウォッシュ、義歯洗浄剤、歯磨剤、車又はカーペット用シャンプー、浴室洗浄剤などの液体洗浄殺菌剤;ヘアシャンプー及びヘアリンス;シャワージェル及び発泡入浴剤、並びに金属洗浄剤;並びに、漂白補助剤、及び「ステインスティック」又は前処理用型などの洗浄助剤、又はドライヤー付与シート、乾燥及び湿潤型拭取り布並びにパッド、不織布基材、及びスポンジなどの基材付与製品;並びにスプレー剤、及びミスト剤が挙げられる。
【0008】
本明細書で使用するとき、用語「布地ケア組成物」は、他に指示がない限り、布地柔軟化組成物、布地向上組成物、布地フレッシュニング組成物及びこれらの組合せを含む。
【0009】
本明細書で使用するとき、請求項で使用されるときの冠詞「a」及び「an」は、請求又は記載されていることの1つ以上を意味すると理解される。
【0010】
本明細書で使用するとき、「含む」、「挙げられる」及び「含んでいる」(include, includes and including)という用語は、「含まれる(挙げられる)が、これらに限定されない」という表現と同義であることを意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「固体」は、顆粒、粉末、塊、及び錠剤の製品形態を含む。
【0012】
本明細書で用いるとき、用語「部位(situs)」には、紙製品、繊維、衣服、硬質表面、毛髪、及び皮膚が含まれる。
【0013】
本出願人らの発明のパラメータの各値を求めるためには、本出願の試験方法の項で開示する試験方法を用いるべきである。
【0014】
特記しない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0015】
百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、重量で計算される。百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0016】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0017】
封入体
1つの態様では、有益剤を含むコアと、上記コアを少なくとも封入する外殻と、を含む封入体が開示され、上記封入体は、表1の密度バランス調整剤のような密度バランス調整剤を更に含む。
【0018】
1つの態様では、上記封入体の有益剤は、香料、染料、蛍光増白剤、布地ケア剤、漂白剤、金属触媒、漂白増進剤、溶媒、酵素、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0019】
1つの態様では、上記封入体の密度バランス調整剤は、約1超過の密度を有する有機物質、無機酸化物、無機オキシ塩化物、無機ハロゲン化物、塩、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは上記有機物質は表1の密度バランス調整剤からなる群から選択され、好ましくは上記塩は水酸化物塩、炭酸塩、及びこれらの混合物から選択され、好ましくは上記無機酸化物は酸化チタンを含む。
【0020】
1つの態様では、上記封入体の外殻は、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリオレフィン、多糖類、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される高分子非水溶性物質を含み、好ましくは、重合化/多縮合メラミン及びホルムアルデヒドを含む。
【0021】
1つの態様では、上記封入体は、約0.8〜約1.2、約0.9〜約1.1、約0.97〜約1.1の密度を有し得る。
【0022】
1つの態様では、上記密度バランス調整剤の少なくとも一部は、上記封入体の外殻中に含有される。
【0023】
1つの態様では、上記封入体のコアは、上記密度バランス調整剤の少なくとも一部を含む。
【0024】
1つの態様では、上記封入体は、香料マイクロカプセルである。
【0025】
有用な密度バランス調整剤
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【0026】
封入体の製造プロセス
好適な封入体並びに好適なシェル材料の製造方法は、米国特許第6,869,923(B1)号、米国公開特許出願第2005/0276831(A1)号及び2007/020263(A1)号に記載されている。本明細書で開示されるプロセス用に好適な設備としては、連続撹拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン撹拌器、再循環ポンプ、パドルミキサー、プラウ剪断(ploughshear)ミキサー、リボンブレンダー、垂直軸造粒機及びドラムミキサー(両方ともバッチ式であり、利用可能な場合は連続プロセスの形状のものには、スプレー乾燥機、及び押出成形機)が挙げられる。そのような設備は、Lodige GmbH(Paderborn,Germany)、Littleford Day,Inc.(Florence,Kentucky,U.S.A.)、Forberg AS(Larvik,Norway)、Glatt Ingenieurtechnik GmbH(Weimar,Germany)、Niro(Soeborg,Denmark)、Hosokawa Bepex Corp.(Minneapolis,Minnesota,U.S.A.)、Arde Barinco(New Jersey,U.S.A.)から入手可能である。
【0027】
封入体を含む組成物
1つの態様では、本明細書で開示されている封入体のうちの任意の態様を含む組成物が、開示される。
【0028】
1つの態様では、上記組成物は1つ以上の流体を含んでもよく、上記組成物は、約1.5cm/年未満、約1.0cm/年未満、約0.5cm/年未満、又は更には約0.1cm/年〜約0.5cm/年の沈降速度を有する。
【0029】
1つの態様では、上記組成物は1つ以上の流体を含んでもよく、上記封入体と少なくとも1つの上記1つ以上の流体との密度比が約0.9:1〜約1.1:1、約0.98:1〜約1.02:1、約0.99:1〜約1.01:1又は更には1:1であるような密度を有する。
【0030】
1つの態様では、上記組成物は封入体を含んでもよく、ここで、上記封入体の密度は、上記封入体と組成物の流体の1つ以上の流体との密度比が約0.9:1〜約1.1:1、約0.98:1〜約1.02:1、約0.99:1〜約1.01:1又は更には1:1であり得るようにされ得る。
【0031】
1つの態様では、上記組成物はいずれも洗浄及び/又は処理成分を含んでもよい。
【0032】
1つの態様では、上記組成物の封入体はいずれも香料マイクロカプセルであってもよい。
【0033】
1つの態様では、上記組成物はいずれも、漂白剤、漂白剤前駆体、金属触媒、漂白増進剤、過酸、ジアシル、酵素、及びこれらの混合物からなる群から選択される洗浄及び/又は処理剤を含み、好ましくは漂白増進剤及び漂白剤前駆体及びこれらの混合物を含み、より好ましくは香料及びその混合物を含む。
【0034】
1つの態様では、本明細書に開示される任意の組成物は、消費者製品であり得る。
【0035】
採用される封入体の精確な濃度は消費者製品のタイプ及び最終用途に依存するが、1つの態様では、消費者製品は、組成物全体の重量に基づいて、少なくとも約0.01重量%、約0.01重量%〜約80重量%、又は更には約0.02重量%〜約10重量%の、本明細書に開示されている封入体を含み得る。
【0036】
1つの態様では、コンパクトな消費者製品が開示される。
【0037】
1つの態様では、消費者製品製剤全体の重量に基づいて約0重量%〜約15重量%、約0.5重量%〜約10重量%、又は更には約1重量%〜約8重量%の水という水分含量を有する液体洗剤を含む消費者製品が、開示される。
【0038】
1つの態様では、本明細書に開示されている封入体及び、本出願人による有益剤送達システムに加えて、界面活性剤、酵素、ポリマー、染料、純香料、香料送達システム、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料の少なくとも1つの実施形態を含む消費者製品が、開示される。好適な香料送達システムは、米国特許出願公開第2007/0275866(A1)号に記載されている。
【0039】
1つの態様では、消費者製品は、本明細書で開示されている封入体と少なくとも1つの洗浄及び/又は処理組成物又は布地ケア添加成分とを含む、洗浄及び/又は処理組成物又は布地ケア組成物である。
【0040】
1つの態様では、洗浄組成物は、洗浄組成物全体の重量に基づいて、このような封入体を約0.005重量%〜約5重量%含んでもよい。1つの態様では、布地処理組成物は、布地処理組成物全体の重量に基づいて、このような封入体を約0.005重量%〜約20重量%含んでもよい。
【0041】
レオロジー変性剤
本発明の組成物は、レオロジー変性剤を含んでもよい。レオロジー変性剤は、非ポリマー結晶性のヒドロキシ官能性材料、組成物の水性液体マトリックスにずり減粘特性を付与するポリマーレオロジー変性剤からなる群から選択してもよい。1つの態様では、このようなレオロジー変性剤は、水性液体組成物に、剪断速度約20秒−1及び21℃にて1〜7000cpsの高剪断粘度、及び、低剪断(21℃において剪断速度0.5秒−1)にて1000cps超又は更には1000cps〜200,000cpsの粘度を付与する。1つの態様では、洗浄及び処理組成物のために、このようなレオロジー変性剤は、水性液体組成物に、約20秒−1及び21℃にて50〜3000cpsの高剪断粘度、及び、低剪断(21℃において剪断速度0.5秒−1)にて1000cps超又は更には1000cps〜200,000cpsの粘度を付与する。本発明による粘度は、直径40mm及び間隙サイズ500μmのプレート直径を有する平板鋼スピンドルを使用する、TA instruments製AR 2000レオメーターを使用して測定される。20秒−1での高剪断粘度、及び0.5秒−1での低剪断粘度は、21℃において3分間の0.1秒−1〜25秒−1の剪断速度対数掃引から得ることができる。結晶性ヒドロキシル官能性材料はレオロジー変性剤であり、それはその場でのマトリックス中の結晶化により組成物のマトリックスの全体にわたって糸状構造系を形成する。ポリマーレオロジー変性剤は、好ましくはポリアクリレート、ポリマーゴム、その他の非ゴム多糖類、及びこれらのポリマー材料の組み合わせから選択される。
【0042】
一般的にレオロジー変性剤は本明細書の組成物の、0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.05重量%〜0.75重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.5重量%を含む。
【0043】
本発明の組成物に特に有用である構造剤は、マトリックス内でその場で結晶化されると、液体マトリックスの全体にわたって糸様構造系を形成することができる非高分子(従来のアルコキシル化を除く)結晶性ヒドロキシ官能性材料を含む。このような物質は、一般に、結晶性ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪酸エステル又は脂肪ワックスとして特徴付けることができる。1つの態様では、レオロジー変性剤としては、ヒマシ油及びその誘導体などのヒドロキシル含有レオロジー変性剤が挙げられる。1つの態様では、レオロジー変性剤としては、硬化ヒマシ油及び硬化ヒマシワックスなどの硬化ヒマシ油誘導体が挙げられ得る。市販のヒマシ油系結晶性ヒドロキシル含有レオロジー変性剤としては、Rheox,Inc.(現Elementis)からのTHIXCIN(商標)が挙げられる。
【0044】
以上に記載された非高分子結晶性ヒドロキシル含有レオロジー変性剤の他のタイプのレオロジー変性剤が本明細書の液体洗剤組成物に利用されてもよい。また、水性液体マトリックスにずり減粘特性を提供する高分子物質が使用されてもよい。
【0045】
好適なポリマーレオロジー変性剤としては、ポリアクリレート、多糖類又は多糖類誘導体のタイプのものが挙げられる。レオロジー変性剤として典型的に用いられる多糖類誘導体としては、ポリマーゴム材料が含まれる。そのようなゴムとしては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム及びグアーガムが挙げられる。
【0046】
本明細書でポリマーレオロジー変性剤が使用される場合、このタイプの好適な材料はジェランガムである。ジェランガムは、シュードモナス・エロディア(Pseudomonaselodea)ATCC 31461の発酵によって調製されるヘテロ多糖である。ジェランガムは、商標KELCOGELでCP Kelco U.S.,Inc.により市販されている。
【0047】
更なる代替の好適なレオロジー変性剤としては、溶媒とポリカルボキシレートポリマーとの組み合わせが挙げられる。より詳細には、溶媒はアルキレングリコールであり得る。1つの態様では、溶媒は、ジプロピレングリコールを含んでもよい。1つの態様では、ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート又はこれらの混合物を含んでもよい。1つの態様では、溶媒は、組成物全体の重量に基づいて、組成物の0.5重量%〜15重量%、又は、2重量%〜9重量%の濃度で存在し得る。1つの態様では、ポリカルボキシレートポリマーは、組成物全体の重量に基づいて、0.1重量%〜10重量%、又は、2重量%〜5重量%の濃度で存在し得る。1つの態様では、溶媒成分は、ジプロピレングリコールと1,2−プロパンジオールとの混合物を含み得る。1つの態様では、ジプロピレングリコールと1,2−プロパンジオールとの比は、3:1〜1:3、又は更には1:1であり得る。1つの態様では、ポリアクリレートは、不飽和モノ−又はジ−カルボン酸と(メタ)アクリル酸のC〜C30アルキルエステルとのコポリマーを含み得る。別の態様では、レオロジー変性剤は、不飽和モノ−又はジ−カルボン酸と(メタ)アクリル酸のC〜C30アルキルエステルとのポリアクリレートを含み得る。このようなコポリマーは、Noveon Incから商品名Carbopol Aqua 30(登録商標)で入手可能である。
【0048】
レオロジー変性剤が存在せず、所望のずり減粘特性を液体組成物に付与する目的で、液体組成物は界面活性剤相化学又はゲル相を介して内部構造化することができる。
【0049】
本発明の態様としては、洗濯洗剤組成物(例えば、TIDE(商標))、硬質表面洗浄剤(例えば、MR CLEAN(商標))、自動食器洗浄用液体(例えば、CASCADE(商標))、食器洗浄用液体(例えば、DAWN(商標))、及び床洗浄剤(例えば、SWIFFER(商標))中での本発明の封入体の使用が挙げられる。洗浄組成物の非限定的な例としては、米国特許第4,515,705号;4,537,706号;4,537,707号;4,550,862号;4,561,998号;4,597,898号;4,968,451号;5,565,145号;5,929,022号;6,294,514号;6,376,445号;7,169,741(B2)号及び7,297,674(B2)号、並びに、米国特許出願公開第2005/0130864(A1)号に記載されるものが挙げられる。本明細書に開示される洗浄組成物は、水性洗浄操作での使用中に、洗浄水のpHが約6.5〜約12、又は約7.5〜10.5となるように配合することができる。液体食器洗浄製品の配合は、典型的には約6.8〜約9.0のpHを有する。洗浄製品は、通常、約7〜約12のpHを有するように配合される。推奨される使用量でのpHを制御する技術には、緩衝剤、アルカリ、酸などの使用を含み、当業者には周知である。
【0050】
本明細書に開示される布地処理組成物は通常、布地柔軟化活性物質(「FSA」)を含む。好適な布地柔軟化活性物質としては、第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、粘土、多糖類、脂肪油、ポリマーラテックス、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
補助材料
本発明の各消費者製品実施形態に必須ではないが、以下に例示される補助剤の非限定的なリストは、本消費者製品での使用に好適であり、例えば、性能を補助若しくは向上させるために、洗浄される基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料などを用いる場合のように組成物の審美性を変化させるために、望ましくは本発明の特定の実施形態に組み込まれてもよい。このような追加的構成成分の明確な性質、及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用されるべき作業の性質に依存する。好適な補助剤物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料移行防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒材料、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、発泡抑制剤、染料、付加香料及び香料送達システム、構造弾性化剤、増粘剤/構造化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。下記開示に加えて、このような他の補助剤の好適な例、及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812(B1)号及び同第6,326,348(B1)号に見られ、これらは参照により組み込まれる。
【0052】
上述のように、補助剤成分は、本発明の各消費者製品実施形態に必須のものではない。したがって、本出願人らの組成物の特定の実施形態は、以下の補助剤材料の1つ以上を含有しない:漂白活性化剤、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、起泡抑制剤、染料、付加香料及び香料送達システム、構造弾性化剤、増粘剤/構造化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤及び/又は顔料。しかし、1つ以上の補助剤が存在する場合、このような1つ以上の補助剤は、以下に詳細に記載されるように存在してもよい。
【0053】
界面活性剤−本発明による組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含むことができ、その際、界面活性剤は、非イオン性及び/若しくはアニオン性及び/若しくはカチオン性界面活性剤並びに/又は両性及び/若しくは双極性及び/若しくは半極性非イオン性界面活性剤から選択できる。界面活性剤は、典型的には洗浄組成物の約0.1重量%から、約1重量%から、又は更には約5重量%から、洗浄組成物の約99.9重量%まで、約80重量%まで、約35重量%まで、又は更には約30重量%までの濃度で存在する。
【0054】
ビルダー−本発明の組成物は、1つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含むことができる。存在する場合、組成物は典型的には、少なくとも約1重量%のビルダー、又は約5重量%又は10重量%から約80重量%まで、50重量%まで、又は更には30重量%までのこのようなビルダーを含む。ビルダーとしては、ポリホスフェートのアルカリ金属、アンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属炭酸塩、アルミノシリケートビルダー、ポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の種々のアルカリ金属、アンモニウム及び置換アンモニウム塩、並びにメリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びそれらの可溶性塩のようなポリカルボン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
キレート化剤−本明細書の組成物はまた、任意で1つ以上の銅、鉄、及び/又はマンガンキレート化剤を含有してもよい。使用される場合、キレート化剤は、一般に、本明細書の組成物の約0.1重量%〜約15重量%、又は更には本明細書の組成物の約3.0重量%〜約15重量%を構成する。
【0056】
移染防止剤−本発明の組成物はまた、1つ以上の移染防止剤を含んでもよい。好適なポリマー移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書の組成物中に存在する場合、移染防止剤は、洗浄組成物の約0.0001重量%から、約0.01重量%から、約0.05重量%から、洗浄組成物の約10重量%まで、約2重量%まで、又は更には約1重量%までの濃度で存在する。
【0057】
分散剤−本発明の組成物はまた、分散剤を含むことができる。好適な水溶性有機材料は、ホモポリマー又はコポリマーの酸又はそれらの塩であり、それらのうちのポリカルボン酸は、互いに炭素原子2個を超えない程度に離れている少なくとも2個のカルボキシル基を含み得る。
【0058】
酵素−組成物は、洗浄性能効果、及び/又は布地ケア効果を提供する1つ以上の洗浄性酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及びアミラーゼ又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素をアミラーゼと組み合わせた混液である。
【0059】
酵素安定剤−組成物、例えば洗剤において使用するための酵素は、さまざまな技術によって安定化可能である本明細書に用いられる酵素は、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する、最終組成物中のカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。
【0060】
触媒金属錯体−本出願人らの組成物は、触媒金属錯体を包含してもよい。金属含有漂白触媒の1つの種類は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンのカチオンのような、限定された漂白触媒活性の遷移金属カチオン、亜鉛又はアルミニウムのカチオンのような、漂白触媒活性をほとんど又は全くもたない補助金属カチオン、並びに触媒金属及び補助金属のカチオンに対して限定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性の塩類を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示される。
【0061】
所望する場合、本明細書の組成物はマンガン化合物を用いて触媒可能である。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されるマンガン系触媒が挙げられる。
【0062】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号及び第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、既知の手順、例えば、米国特許第5,597,936号及び第5,595,967号において教示されているような手順によって容易に製造される。
【0063】
本明細書の組成物はまた、好適なことに、大多環状の剛性配位子(「MRL」と省略される)の遷移金属錯体を含んでもよい。実際的な事柄として、限定するためではないが、本明細書の組成物及び洗浄法を水性洗浄媒体において少なくとも1億分の1のオーダーの有益剤MRL種を提供するように調整して、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は更には約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供することができる。
【0064】
遷移金属漂白剤触媒中の好ましい遷移金属としては、マンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。本明細書における好ましいMRLは、架橋した特定の種類の超剛性配位子、例えば、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンである。
【0065】
好適な遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、国際公開第00/32601号及び米国特許第6,225,464号で教示されているような手順によって容易に製造される。
【0066】
好適な増粘剤/構造化剤、及びこれらの有用なレベルは、米国特許出願公開第2005/0130864(A1)号及び米国特許第7,169,741(B2)号及び7,297,674(B2)号に記載されている。
【0067】
消費者製品の製造及び使用プロセス
本発明の消費者製品の実施形態は、任意の好適な形態に処方することができ、配合者によって選択される任意のプロセスによって調製することができ、その非限定的な例は、全て本明細書に参照により組み込まれる米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、及び同第5,486,303号に記載されている。
【0068】
使用方法
本明細書に開示されている封入体を含有する消費者製品などの組成物は、部位、とりわけ表面又は布地を洗浄及び処理するために使用することができる。通常、このような部位の少なくとも一部は、希釈されない形態又は希釈された液体、例えば洗浄液の、本出願人らの組成物の実施形態と接触させ、そしてその後、任意に、その部位を洗浄及び/又はすすぎ洗いしてもよい。1つの態様では、ある部位が所望により洗浄され及び/又はすすがれ、本発明による封入体に又は上記封入体を含む組成物に接触され、次に所望により洗浄され及び/又はすすがれる。本発明の目的のために、洗浄には擦ること及び機械的撹拌が含まれるが、これらに限定されない。部位は、例えば、布地、通常の消費者使用条件で洗濯又は処理できる布地といった、ほとんどの任意材料を含み得る。開示される組成物を含み得る液体のpHは、約3〜約11.5であってよい。こうした組成物は、典型的には溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水である場合、水の温度は通常約5℃〜約90℃であり、部位が布地を含む場合、水対布地の比は通常約1:1〜約30:1である。
【0069】
試験方法
本出願の「試験方法」の項で開示される試験方法は、本出願人らの発明が本明細書に記載され及び特許請求されているように、本出願人らの発明のパラメータの各値を求めるために使用されるべきであると理解される。
【0070】
沈降速度の測定方法
1.)試験される製品の1kgサンプルをプラスチック広口瓶に入れ、広口瓶を固定して垂直の動きだけを可能にし、サンプルを周囲温度22℃±3℃にて24時間にわたって均衡化させる。
2.)サンプルをLansmont振動テーブルモデル1800−10上に置き、テーブルに固定する。
3.)ASTM4196「Truck Assurance II」に従ってサンプルを試験する。
4.)完了後、振動テーブルからサンプルを取り外す。
5.)使い捨てピペットを用いて、サンプル広口瓶の上部及び底部から60mLサンプルを採取する。
6.)Lasentec FBRM Particle Size Analyzer,Model # PI−14/206を用い、以下に従って、「上部」及び「底部」のアリコートを粒径及び計数について分析する。
Lasentec測定の設定:
測定範囲:1000μm
チャネルグルーピング:1〜500μm 90ログチャネル
スキャン速度:2m/秒
時間平均化なし
測定持続時間:3秒
およそ60mLの製品をビーカー内で測定し、400rpmで最短でも2分にわたって撹拌し、その間に測定を行う。
7.)本明細書において、試験サンプルの上部及び底部の粒子計数が20%を超える差異を有する場合、試験製品の沈降速度は約1.5cm/年を超え、試験サンプルの上部及び底部の粒子計数が約10%〜20%の差異を有する場合、試験製品の沈降速度は約1.0cm/年〜約1.5cm/年であり、試験サンプルの上部及び底部の粒子計数が約8%〜10%の差異を有する場合、試験製品の沈降速度は約0.5cm/年〜約1.0cm/年であり、試験サンプルの上部及び底部の粒子計数が約5%〜8%の差異を有する場合、試験製品の沈降速度は約0.1cm/年〜約0.5cm/年である。
【0071】
バルク液体洗剤密度の測定
I.機器
精密度が0.001gに至る秤を使用すべきである。
【0072】
比重カップは、Paul N.Gardner Co.製のモデル# WG−SS−83.2/Cである。各ステンレス鋼カップはMIL STD 45662Aに合うように較正されており、添付の証明書を有する。このようなカップは、83.2mLの容量を有する。
【0073】
II.試験手順
1.)比重カップを設置し、秤に蓋をし、秤を計量する。
2.)カップと蓋を秤から取り出し、83.2mLの所望の製品(すなわち、液体洗剤)を充填する。カップを完全に満たすのに十分な製品が存在するのを確かめられるように、蓋の内側は凹部になっている。
3.)カップが一杯かどうか判定するために、カップに蓋を置いて完全に密封する。製品は蓋の孔から流れ出るようであれば、製品がカップの容量を満たしていることが分かる。製品が孔から出てこない場合には、更に製品を添加すべきである。
4.)蓋から過剰な製品を全て拭き取る。
5.)カップ及び蓋を秤上に置き、重量を記録する。
【0074】
III.計算
この試験において、バルク液体(すなわち、液体洗剤)の比重=カップ内の製品の質量/83.2mLである。
【0075】
封入体スラリー密度の測定
バルク液体の代わりに封入体スラリーを用いることを除き、「バルク液体洗剤密度の測定」についてのプロトコルに従う。
【0076】
封入体密度の測定
以下のプロトコルにより得られる封入体を代わりに用いることを除いて、「バルク液体洗剤密度の測定」についてのプロトコルに従う。
【0077】
遠心分離したバッチからではなく、デカントしたバッチから、マイクロカプセル(封入体)の密度を測定する。方法は、次の通りである。
【0078】
開始時のスラリーは、25%の固形分に加えて追加的な6%のNaCl塩を含む。
【0079】
スラリーを72時間にわたってデカントさせておく。
【0080】
スラリーからの封入体ケーキを取り出し、密度カップで試験する。
【0081】
工程1.清浄なカップの重量を25℃にてグラム単位で測定する。
工程2.カバーを取り外し、試験される物質を周縁の1.7mm以内まで充填する。
工程3.空気及び過剰な物質が口から漏れないように、注意深くカバーを再び置く。
工程4.カバー上を拭き取って余剰を取り除いて、再計量する。カップの元々の重量を減算することにより、内容物の重量が判明する。
【0082】
以下の関係式を適用する。
米ガロン当たりのポンド=カップ内容物のグラム重量×0.10000
比重=カップ内容物のグラム重量×0.01202
【0083】
次に、上記工程1〜4から得たデータ及び上記関係式を用いて、封入体密度を測定する。
【実施例】
【0084】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【0085】
実施例1:高コア密度(≧1)を有するメラミンホルムアルデヒド(MF)壁香料カプセル
25グラムのブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C351、25%固形分、pKa 4.5〜4.7、Kemira Chemicals,Inc.Kennesaw,Georgia U.S.A.)を脱イオン水200グラムに溶解及び混合する。溶液のpHを、水酸化ナトリウム溶液でpH 5.0に調整する。部分メチル化メチロールメラミン樹脂(Cymel 385、80%固形分、Cytec Industries West Paterson,New Jersey,U.S.A.)5グラムを乳化剤溶液に添加する。150グラムの香油と50グラムの臭素化植物油(d=1.3;Virginia Dare,Brooklyn,NY,USA)を、機械的撹拌を行いながら、予備混合物に添加し、温度を50℃に上げる。安定なエマルションが得られるまで高速で混合した後に、第2の溶液及び4グラムの硫酸ナトリウム塩をこのエマルションに添加する。この第2の溶液は、ブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C351、25%固形分、pKa 4.5〜4.7、Kemira)10グラム、蒸留水120グラム、pHを4.8に調整するための水酸化ナトリウム溶液、部分メチル化メチロールメラミン樹脂(Cymel 385、80%固形分、Cytec)25グラムを含有する。この混合物を70℃に加熱し、連続的に撹拌しながら一晩にわたって維持して、封入プロセスを完了させる。アセトアセトアミド(Sigma−Aldrich,Saint Louis,Missouri,U.S.A.)23グラムをこの懸濁液に添加する。780型Accusizerにより分析したときに30μmの平均カプセルサイズを得る。
【0086】
実施例2:高コア密度(≧1)を有するメラミンホルムアルデヒド(MF)壁香料カプセル
25グラムのブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C351、25%固形分、pKa 4.5〜4.7、Kemira Chemicals,Inc.Kennesaw,Georgia U.S.A.)を脱イオン水200グラムに溶解及び混合する。溶液のpHを、水酸化ナトリウム溶液でpH 5.0に調整する。部分メチル化メチロールメラミン樹脂(Cymel 385、80%固形分、Cytec Industries West Paterson,New Jersey,U.S.A.)5グラムを乳化剤溶液に添加する。150グラムの香油と10グラムのTint Ayd PC 9003(d=2.16、Elementis,Specialities,Hightstones,NJ,USA)を、機械的撹拌を行いながら、予備混合物に添加し、温度を50℃に上げる。安定なエマルションが得られるまで高速で混合した後に、第2の溶液及び4グラムの硫酸ナトリウム塩をこのエマルションに添加する。この第2の溶液は、ブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C351、25%固形分、pKa 4.5〜4.7、Kemira)10グラム、蒸留水120グラム、pHを4.8に調整するための水酸化ナトリウム溶液、部分メチル化メチロールメラミン樹脂(Cymel 385、80%固形分、Cytec)25グラムを含有する。この混合物を70℃に加熱し、連続的に撹拌しながら一晩にわたって維持して、封入プロセスを完了させる。アセトアセトアミド(Sigma−Aldrich,Saint Louis,Missouri,U.S.A.)23グラムをこの懸濁液に添加する。780型Accusizerにより分析したときに30μmの平均カプセルサイズを得る。
【0087】
実施例3:高コア密度(≧1)を有するメラミンホルムアルデヒド(MF)壁香料カプセル
25グラムのブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C351、25%固形分、pKa 4.5〜4.7、Kemira Chemicals,Inc.Kennesaw,Georgia U.S.A.)を脱イオン水200グラムに溶解及び混合する。溶液のpHを、水酸化ナトリウム溶液でpH 5.0に調整する。部分メチル化メチロールメラミン樹脂(Cymel 385、80%固形分、Cytec Industries West Paterson,New Jersey,U.S.A.)5グラムを乳化剤溶液に添加する。150グラムの香油と1グラムのBentone 1000(d=1.69、Elementis Specialities,Hightstones,NJ,USA)と15gのTint Ayd PC 9003(d=2.16、Elementis,Specialities,Hightstones,NJ,USA)とを、機械的撹拌を行いながら、予備混合物に添加し、温度を50℃に上げる。安定なエマルションが得られるまで高速で混合した後に、第2の溶液及び4グラムの硫酸ナトリウム塩をこのエマルションに添加する。この第2の溶液は、ブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C351、25%固形分、pKa4.5〜4.7、Kemira)10グラム、蒸留水120グラム、pHを4.8に調整するための水酸化ナトリウム溶液、部分メチル化メチロールメラミン樹脂(Cymel 385、80%固形分、Cytec)25グラムを含有する。この混合物を70℃まで加熱し、連続的に攪拌しながら一晩にわたって維持して、カプセル封入プロセスを完了させる。アセトアセトアミド(Sigma−Aldrich,Saint Louis,Missouri,U.S.A.)23グラムをこの懸濁液に添加する。780型Accusizerにより分析したときに30μmの平均カプセルサイズを得る。
【0088】
実施例4
本発明の利益を実証するために、本出願人は以下の液体洗剤マトリックスAを調製した。
【表2】

【表3】

【0089】
(1)Merquat 5300:90% PAM/5% AA/5%MAPTACのモル比のターポリマー、Nalcoにより製造される。
【0090】
実施例1〜3からの香料マイクロカプセルについての濃度は、カプセルを介して送達される香油又はパラフィン油として表される。
【0091】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙した値と、その値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0092】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0093】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有益剤を含むコアと、前記コアを少なくとも封入する外殻と、を含む封入体を含む組成物であって、前記封入体が密度バランス調整剤を更に含み、前記組成物が消費者製品である、組成物。
【請求項2】
前記封入体の有益剤が、香料、染料、蛍光増白剤、布地ケア剤、漂白剤、金属触媒、漂白増進剤、溶媒、酵素、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記封入体の密度バランス調整剤が、約1超過の密度を有する有機物質、無機酸化物、無機オキシ塩化物、無機ハロゲン化物、塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記封入体の外殻が、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリオレフィン、多糖類、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される高分子非水溶性物質を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記封入体が約0.8〜約1.2の密度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記密度バランス調整剤の少なくとも一部が前記外殻に含有される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記コアが前記密度バランス調整剤の少なくとも一部を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記封入体が香料マイクロカプセルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が1つ以上の流体を含み、前記組成物が約1.5cm/年未満、約1.0cm/年未満の沈降速度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が1つ以上の流体を含み、前記封入体と少なくとも1つの前記1つ以上の流体との密度比が約0.9:1〜約1.1:1であるような密度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記封入体の密度が、前記封入体と前記1つ以上の流体との密度比が約0.9:1〜約1.1:1であるようになっている、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が洗浄及び/又は処理成分を含む、請求項10又は11に記載の組成物。
【請求項13】
前記封入体が香料マイクロカプセルである、請求項10又は11に記載の組成物。
【請求項14】
前記洗浄及び/又は処理剤が、漂白剤、漂白剤前駆体、金属触媒、漂白増進剤、過酸、ジアシル、酵素、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。

【公表番号】特表2012−516370(P2012−516370A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546976(P2011−546976)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【国際出願番号】PCT/IB2009/050534
【国際公開番号】WO2009/047745
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】