説明

工具寸法の測定方法及び測定装置

【課題】想定外の工具であっても簡単に測定部位を特定することができる工具寸法の測定方法及び測定装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る工作機械によれば、表示画面S上には工具20の輪郭線51が表示される。寸法測定の操作者がタッチパネルの表示画面S上で輪郭線51を指で辿って接触教示すれば、表示画面S上で工具の測定部位すなわち輪郭線51が自動的に特定されることが可能である。こうして操作者は極めて簡単に工具20の寸法を測定することができる。加えて、操作者が例えば工具20の輪郭線51の特定の位置を指定することによって工具20の工具径や刃先位置が自動的に測定されることが可能である。従って、こうした工具の寸法測定方法によれば、例えば多段工具などの複雑な輪郭線を有する想定外の工具の測定部位が簡単に特定されることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばCNC(コンピュータ数値制御)の工作機械で使用される工具の刃先位置、工具長、径、刃先形状、工具の振れ等の工具寸法を測定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばマシニングセンタなどのNC工作機械では、ワークの加工時、主軸に装着された例えばドリルやエンドミルといった工具が回転しながらワークに接触する。こうした工具の位置制御の精度向上にあたって、主軸に対する工具の位置や、回転する主軸の熱変形などが考慮されなければならない。したがって、実際に主軸に装着された工具の寸法を予め測定しておくことが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−151512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、主軸に装着された工具を撮像して工具の寸法を測定する方法が提案されている。この測定方法では、画像上で特定された工具の輪郭に基づき自動的に工具の寸法が測定される。しかしながら、こうした自動的な寸法の測定は、例えば予め登録された工具の寸法に基づき実施される。従って、工具が想定外の寸法を有する場合、工具の測定部位を特定することは困難である。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、想定外の工具であっても簡単に測定部位を特定することができる工具寸法の測定方法及び測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明によれば、工具と相対移動する撮像装置を用いて前記工具を撮像し、得た画像データにより前記工具の寸法を測定する工具寸法の測定方法において、
前記撮像装置で撮像された前記工具の輪郭を含む画像を表示装置の表示画面に表示させる工程と、
前記画像に対して接触教示した教示点を接触検出装置によって検出する工程と、
検出された前記教示点に基づき前記工具の形状の測定部位、測定方向又は移動方向を特定する工程と、
を備える工具寸法の測定方法が提供される。
【0007】
この工具寸法の測定方法では、前記測定部位、測定方向又は移動方向の特定にあたって、連続して検出された異なる位置の複数の前記教示点に基づき当該教示点の軌跡を算出して、算出された前記軌跡に基づき、前記工具の輪郭、前記工具の移動軌跡及び前記工具の中心軸線の少なくともいずれか1つが算出される。
【0008】
また、この工具寸法の測定方法では、前記測定部位、測定方向又は移動方向の特定にあたって、連続して検出された異なる位置の複数の前記教示点に基づき当該教示点の軌跡を算出して、算出された前記軌跡に基づき、前記画像の視野外の前記工具の輪郭を前記画像の視野内に移動させる移動信号が出力される。
【0009】
本発明によれば、工具を撮像して得た画像データにより前記工具の寸法を測定する工具寸法の測定装置において、
前記工具の輪郭を含む画像を撮像する撮像装置と、
前記画像を表示する表示画面を有する表示装置と、
前記画像に対して接触教示された教示点を検出する接触検出装置と、
検出した前記教示点に基づき前記工具の形状の測定部位、測定方向又は移動方向を特定する演算装置と、
を備える工具寸法の測定装置が提供される。
【0010】
この工具寸法の測定装置では、前記演算装置は、前記測定部位、測定方向又は移動方向の特定にあたって、連続して検出された異なる位置の複数の前記教示点に基づき当該教示点の軌跡を算出して、算出された前記軌跡に基づき、前記工具の輪郭、前記工具の移動軌跡及び前記工具の中心軸線の少なくともいずれか1つを算出する。
【0011】
また、この工具寸法の測定装置では、前記演算装置は、前記測定部位、測定方向又は移動方向の特定にあたって、連続して検出された異なる位置の複数の前記教示点に基づき当該教示点の軌跡を算出して、算出された前記軌跡に基づき、前記画像の視野外の前記工具の輪郭を前記画像の視野内に移動させる移動信号を出力する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、想定外の工具であっても簡単に測定部位を特定することができる工具寸法の測定方法及び測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る工具寸法の測定装置を備えた工作機械の構成を概略的に示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る工具寸法の測定方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】表示画面に表示された画像に基づき工具の形状を特定する工程を示す図である。
【図4】表示画面に表示された画像に基づき工具の形状を特定する工程を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る工具寸法の測定方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】表示画面に表示された画像に基づき工具の形状を特定する工程を示す図である。
【図7】工具の輪郭線の構成を識別する工程を示す図である。
【図8】表示画面に表示された画像に基づき工具の形状を特定する工程を示す図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る工具寸法の測定方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】表示画面に表示された画像に基づき工具の形状を特定する工程を示す図である。
【図11】表示画面に表示された画像に基づき工具の形状を特定する工程を示す図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係る工具寸法の測定方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】表示画面に表示された画像に基づき工具の形状を特定する工程を示す図である。
【図14】表示画面に表示された画像に基づき工具の形状を特定する工程を示す図である。
【図15】表示画面に表示された画像に基づき工具の形状を特定する工程を示す図である。
【図16】表示画面に表示された画像に基づき工具の形状を特定する工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る工具寸法の測定装置を備えた工作機械10の構成を概略的に示す図である。この工作機械10は、ワーク(図示されず)に加工処理を実行する機械部分に加え、工作機械10の動作を制御するNC装置12と、工作機械10及びNC装置12に接続されて工作機械10の工具の寸法を測定する寸法測定装置13と、を備える。工作機械10には例えば5軸立形のマシニングセンタが用いられる。本実施形態では、寸法測定装置13はNC装置12と別個に図示されているものの、寸法測定装置13は例えばNC装置12内に組み込まれてもよい。
【0015】
まず、工作機械10の構成を説明する。工作機械10にはXYZ直交3軸の基準座標系が設定される。工作機械10は、水平面すなわちXY平面に沿って広がるベッド15と、ベッド15上に配置されたテーブルベース16と、テーブルベース16の後方でベッド15からZ軸に平行に垂直方向に立ち上がるコラム17と、を備える。テーブルベース16上にワーク(図示されず)が固定される。コラム17には主軸頭18が支持されている。主軸頭18の下端には主軸19を介して下向きに着脱自在に工具20が装着されている。工具20は、主軸頭18内に組み込まれるスピンドルモータ(図示されず)により回転駆動される。ここでは、工具20には例えばボールエンドミルが用いられる。
【0016】
加えて、主軸頭18は、A軸回転送り機構を介してX軸に平行な軸線回りに旋回可能に主軸台(図示せず)に取り付けられている。同時に、主軸頭18は、C軸回転送り機構を介してZ軸に平行な軸線回りに旋回可能に主軸台に取り付けられている。回転送り機構は例えばダイレクトドライブモータやサーボモータから構成される。主軸頭18にはA軸及びC軸回方向の回転角をそれぞれ検出する回転角検出器(図示されず)が組み込まれている。これらの回転角検出器で読み取られた回転角はNC装置12に出力すなわちフィードバックされる。
【0017】
テーブルベース16は、直線送り機構を介して水平方向(X軸方向)に移動可能にベッド15上に支持されている。その一方で、主軸頭18は、直線送り機構を介して鉛直方向(Z軸方向)及び水平方向(Y軸方向)に移動可能にコラム17に支持されている。直線送り機構は、例えばボールねじと、このボールねじを回転駆動するサーボモータと、を備える。なお、主軸頭18のY軸方向の移動に代えてテーブルベース16がY軸方向に移動してもよい。また、主軸頭18がA軸及びC軸を有する構成に代えてテーブルベース16がA軸及びC軸を有する構成にしてもよい。
【0018】
ベッド15には、当該ベッド15とテーブルベース16との間のX軸に沿った相対位置を読み取るX軸位置検出器21が組み込まれている。コラム17には、当該コラム17と主軸頭18との間のY軸及びZ軸に沿った相対位置をそれぞれ読み取るY軸位置検出器(図示されず)及びZ軸位置検出器22が組み込まれている。これらの位置検出器には例えばデジタルスケールが用いられればよい。これらの位置検出器で読み取られた相対位置は基準座標系の座標値で特定される。読み取られた座標値はNC装置12に出力すなわちフィードバックされる。
【0019】
前述の回転送り機構及び直線送り機構によってテーブルベース16と主軸19すなわち工具20との相対移動が実現される。相対移動は、NC装置12から供給される後述の駆動信号に基づき実現される。相対移動中に回転する工具20が所定の加工点でワークに接触する。こうしてワークが所望の形状に加工される。なお、工具20が直線送り機構によって所定の送り方向に送られる場合、工具20の中心軸線と工具20の送り方向とが一致していることが一般的である。
【0020】
次に、NC装置12の構成を説明する。NC装置12は、NCプログラムを格納する記憶部24と、記憶部24に格納されているNCプログラムを解析するプログラム解析部25と、プログラム解析部25で解析されたNCプログラムに従って移動指令を生成する移動指令部26と、移動指令部26から出力された移動指令に従って工作機械10のサーボモータに駆動信号を出力するサーボ制御部27と、を備える。移動指令には、例えばワークの加工点の割り出しデータ及び割り出し後の加工点に対応した主軸19の位置を示す座標値データが含まれる。
【0021】
次に、寸法測定装置13の構成を説明する。寸法測定装置13は、テーブルベース16上に配置される寸法測定ユニット31を備える。寸法測定ユニット31は、光源32と、光源32に向き合う撮像装置33と、を備える。光源32には撮像装置33に向かって平行光を出力する例えば高輝度LEDが用いられる。撮像装置33はレンズユニット34及びCCD(電荷結合素子)イメージセンサ35を備える。CCDイメージセンサ35は例えば二次元イメージセンサを構成する。
【0022】
寸法測定装置13は、撮像装置33で撮像された画像の画像データの供給を受ける画像調整装置36と、光源32及び撮像装置33の動作を制御する制御装置37と、を備える。前述のCCDイメージセンサ35は、その受光面に結像される画像に対応してアナログの画像信号を生成する。画像信号は、所定の時間間隔ごとに設けられる各フレームに生成される。ここでは、例えば毎秒30〜60フレームの画像信号が出力される。画像信号は画素ごとの多階調輝度信号を特定する。画像信号はデジタル信号の画像データに変換されて画像調整装置36に出力される。
【0023】
画像調整装置36は、画像データのシェーディング補正、ノイズリダクション、ホワイトバランス調整、輪郭補正及びコントラスト調整などの画像調整を実行する。画像調整された画像データでは画素ごとに明暗2値が特定される。画像調整装置36は、画像調整後の画像データを後述のフレームメモリに格納する。その一方で、制御装置37は、例えば撮像装置33に動作を開始させる駆動信号を出力する。なお、撮像装置33の視野には前述の基準座標系のYZ平面に対応してxy直交2軸の視野座標系が設定される。この視野座標系の各座標値は基準座標系の各座標値に関連付けられる。
【0024】
寸法測定装置13は、寸法測定プログラム及び工具データを記憶する記憶装置41と、寸法測定プログラムに基づき様々な演算処理を実行する演算装置42と、フレームごとの画像データを格納するフレームメモリ43と、を備える。演算処理にあたって寸法測定プログラムは一時的にメモリ(図示されず)に読み出されればよい。寸法測定プログラム及び工具データの詳細は後述される。なお、寸法測定プログラムは例えばFD(フレキシブルディスク)やCD−ROMその他の可搬性記録媒体から記憶装置41に取り込まれてもよく、LANやインターネットといったコンピューターネットワークから記憶装置41に取り込まれてもよい。
【0025】
寸法測定装置13は、前述の画像データで特定される画像を表示する表示画面を有する表示装置44と、表示装置44の表示画面上に重ね合わせられて配置される接触検出装置すなわちタッチパネル45と、を備える。表示装置44は例えばLCD(液晶ディスプレイ)パネルなどの平面ディスプレイパネルであればよい。タッチパネル45には例えば静電容量方式のタッチパネルが採用されればよい。タッチパネル45の表面に例えば指が接触教示すると、タッチパネル45は、教示点すなわち接触位置の座標値に関する座標値信号を演算装置42に出力することができる。演算装置42は、出力された座標値を、前述の表示画面上に表示された画像の視野座標系に関連付ける。なお、接触検出装置は、必ずしも表示画面上に配置される必要はなく、例えば表示画面への接触教示を検出することが可能な装置であればよい。
【0026】
ここで、タッチパネル45はいわゆるジェスチャによる操作を検出することが可能である。例えばタッチパネル45は、タッチパネル45上での指の移動に基づき連続した異なる位置の複数の接触位置を検出することができる。演算装置42は、こうした複数の接触位置の検出に様々な処理を対応付ける。例えばタッチパネル45上で所定の移動距離にわたって指を素早く移動させるいわゆるフリック操作に工具20と撮像装置33との相対移動が対応付けられる。また、タッチパネル45上に指を接触させたまま移動させるいわゆるドラッグ操作に工具20と撮像装置33との相対移動が対応付けられる。なお、寸法測定装置13では様々な測定モードが設定されることが可能である。演算装置42は、測定モードに応じてフリック操作及びドラッグ操作のオンオフを実行する。
【0027】
次に、本発明の第1実施形態に係る工具20の寸法の測定方法を説明する。処理の実行にあたって寸法測定装置13の演算装置42は、記憶装置41から対応の寸法測定プログラムを例えばメモリに一時的に読み出す。こうして演算装置42は寸法測定プログラムに基づき様々な演算処理を実行する。まず、演算装置42はNC装置12に開始信号を出力する。開始信号の受信に応じてNC装置12は、工作機械10に向かって駆動信号を出力する。その結果、工作機械10では、XY平面上で光源32及び撮像装置33の間の所定の位置に主軸19が位置決めされる。工具20はその回転中心回りに回転駆動される。主軸頭18すなわち工具20はZ軸に平行に下降させられる。
【0028】
同時に、演算装置42は、光源32及び撮像装置33の動作を開始させる。制御装置37は、撮像装置33を駆動させる駆動信号を出力する。こうして撮像装置33は撮像を開始する。撮像装置33は撮像のフレームごとにアナログの画像信号を生成する。この画像信号から生成された画像データは画像調整装置36を介してフレームメモリ43にフレームごとに格納される。主軸頭18の下降に基づき工具20の輪郭の一部が撮像装置33の画像の視野内に進入すると、Z軸に沿った主軸頭18の下降は停止される。こうして工具20は測定位置に位置決めされる。撮像装置33の画像の視野内には工具20の輪郭が特定される。
【0029】
CCDイメージセンサ35の受光面には、光源32から照射される平行光によって工具20の影を投影した画像が結像される。画像データは、視野内の画像を特定する多数の画素から構成される。前述されるように、画像データでは画素ごとに明暗2値が特定されることから、画像データで特定される視野内では、暗の画素は工具20の影の投影部分として特定される一方で、明の画素は平行光の受光部分として特定される。こうして工具20の輪郭が特定される。
【0030】
図2は、本発明の第1実施形態に係る工具20の寸法測定方法の処理の流れを示すフローチャートである。この第1実施形態ではフリック操作及びドラッグ操作はオフにされる。ステップS1で、演算装置42は、測定位置の工具20の輪郭を含む画像を表示装置44の表示画面上に表示させる。表示にあたってフレームメモリ43から測定位置の工具20の輪郭を含む画像を特定する画像データが読み出される。図3に示されるように、表示画面Sには工具20が表示される。このとき、表示画面S上で工具20の輪郭線51上を指が辿ると、タッチパネル45は、指の接触位置を検出して当該接触位置に対応する座標値信号を演算装置42に出力する。座標値信号を受け取った演算装置42は、ステップS2で、座標値に対応して接触位置の軌跡を算出する。軌跡は例えば指の接触領域の幅で形成される。
【0031】
次に、演算装置42は、ステップS3で、軌跡の領域に対応する画像データ上の領域で輪郭線51のエッジを検出する。前述のように、画像データの各画素は明暗2値で示されることから、エッジは、画像の視野中で工具20の画像の画素に対応する暗の画素のうち、明の画素に隣接する暗の画素で特定される。こうして演算装置42は、ステップS4で、明の画素に隣接する連続した複数の暗の画素の抽出に基づき工具20の形状の測定部位すなわち輪郭線51を特定する。輪郭線51は例えば回帰曲線で特定される。なお、例えば指が輪郭線51上から外れて軌跡内で部分的にエッジが途切れた場合には、軌跡に近接した領域で輪郭線51のエッジが検出されればよい。特定された輪郭線51は画像データ上で視野座標系の座標値で特定される。こうして例えば寸法測定の操作者は寸法測定装置13に対して輪郭線51を教示することができる。
【0032】
このとき、例えば工具20の工具径が測定されてもよい。図4に示されるように、例えば操作者が、相互に平行に延びる輪郭線51の平行成分上の任意の2点に指を接触させると、演算装置42は、タッチパネル45から出力される座標値に基づきこの点を測定点52a、52bとして指定する。演算装置42は、x軸上において一方の測定点52aの座標値から他方の測定点52bの座標値を減算することによって工具20の工具径dを測定する。測定にあたって視野座標系の座標値は基準座標系の座標値に変換されればよい。また、輪郭線51の平行成分のx軸上のそれぞれの座標値の中間位置の座標値に基づき工具20の回転中心すなわち中心軸線Lが算出されてもよい。ここでは、中心軸線Lはy軸に平行に規定されればよい。
【0033】
また、例えば工具20の刃先位置が測定されてもよい。例えば操作者が、半円状の輪郭線51の下端付近の任意の点に指を接触させると、演算装置42は、タッチパネル45から出力される座標値に基づきこの点を測定点53として指定する。ここでは、演算装置42は、輪郭線51上においてy軸の座標値が最小値をとる点として測定点53として特定する。言い替えれば、工具20の中心軸線Lと輪郭線51との交点が刃先位置として特定されればよい。この刃先位置に基づき工具20の工具長が算出されてもよい。こうして測定された輪郭線51や工具径、刃先位置などの座標値は画像データに関連付けてフレームメモリ43に格納される。
【0034】
以上のように、第1実施形態に係る工作機械10によれば、表示画面S上には工具20の輪郭線51が表示される。寸法測定の操作者がタッチパネル45上で輪郭線51を指で辿れば、表示画面S上で工具20の測定部位すなわち輪郭線51が自動的に特定されることが可能である。加えて、操作者は極めて簡単に工具20の寸法を測定することができる。操作者が例えば工具20の輪郭線51の特定の位置を指定することによって工具20の工具径や刃先位置が自動的に測定されることが可能である。従って、こうした工具20の寸法測定方法によれば、例えば多段工具などの複雑な輪郭線を有する想定外の工具の測定部位が簡単に特定されることが可能である。
【0035】
次に、本発明の第2実施形態に係る工具20の寸法の測定方法を説明する。前述と同様に、演算装置42は寸法測定プログラムに基づき開始信号を出力する。工作機械10、光源32及び撮像装置33は動作を開始する。工作機械10では、XY平面上で光源32及び撮像装置33の間の所定の位置に主軸19が位置決めされる。同時に、主軸19は、例えばA軸方向に任意の回転角の位置に位置決めされる。こうして工具20の中心軸線は、基準座標系のYZ直交2軸の平面座標系上でY軸及びZ軸に交差する。こうして工具20は傾斜姿勢を確立する。ここでは、回転角は、例えば工具20の中心軸線がZ軸に平行な状態から水平面に向かってA軸方向に45度にわたって回転した角度に設定される。
【0036】
工具20は、Y軸方向の直線移動及びZ軸方向の直線移動に基づき45度の送り方向に沿って移動させられる。Y軸方向の直線移動の速度とZ軸方向の直線移動の速度とは等しく設定される。すなわち、工作機械10の設定上では、A軸方向の工具20の回転角と工具20の送り方向の角度とが同一に設定される。従って、工具20の移動軌跡は、工作機械10に設定される基準座標系のY軸及びZ軸に交差する方向に設定される。工具20が撮像装置33の視野内に入っていくと、設定された送り方向に移動中の異なる位置の工具20を撮像したフレームごとに画像データが出力されていく。なお、工具20の移動は、工具20が視野内で所定の距離にわたって移動した時点で停止される。距離は任意に設定されればよい。
【0037】
図5は、本発明の第2実施形態に係る工具20の寸法測定方法の処理の流れを示すフローチャートである。この第2実施形態ではフリック操作及びドラッグ操作はオフにされる。演算装置42は、ステップT1で、工具20の輪郭を示す各画像データごとに輪郭線51を特定する。前述と同様にエッジの検出に基づき各画像データごとに座標値で輪郭線51が特定されればよい。図6に示されるように、演算装置42はステップT2で、特定した異なる各位置の複数の輪郭線51を表示画面Sに表示させる。このとき、表示画面S上で指が工具20の送り方向すなわち移動方向を大まかに辿ると、タッチパネル45は、指の接触位置を検出して当該接触位置に対応する座標値信号を演算装置42に出力する。座標値信号を受け取った演算装置42は、ステップT3で、座標値に対応して接触位置の軌跡を算出する。
【0038】
演算装置42は視野座標系における接触位置の軌跡の傾きすなわち角度を算出する。続いて、演算装置42では、ステップT4で、軌跡の角度が、設定された工具20の送り方向の角度(ここでは45度)と比較される。ここでは、送り方向の角度には、設定された角度からの所定のずれを許容する所定の許容範囲が設定されればよい。軌跡の角度が許容範囲内の角度でなければ、演算装置42はステップT5で例えば表示画面S上にエラーを表示する。その一方で、軌跡の角度が許容範囲内の角度であれば、演算装置42はステップT6で工具20の移動軌跡54及び中心軸線55を算出する。なお、移動軌跡54は、直線送り機構によって所定の送り方向に送られる工具20の移動の軌跡である。中心軸線55は、主軸19の回転中心と一致する工具20の中心軸線である。
【0039】
移動軌跡54及び中心軸線55の算出にあたって、演算装置42は各画像データごとに輪郭線51の構成を識別する。工具20はボールエンドミルであることから、図7に示されるように、演算装置42では、例えば工具20の先端に規定される円51aと、円51aの後端に接続される長方形51bとが識別される。円51aの識別にあたって、輪郭線51の形状から工具20の先端の半円が特定されればよい。長方形51bの特定にあたって輪郭線51の形状から平行成分が特定されればよい。
【0040】
演算装置42は円51aから中心点Pを特定する。同時に、演算装置42は長方形51bから長手方向の軸線Aを特定する。円51a、中心点P、長方形51b及び軸線Aを構成する各画素の視野座標系における座標値が特定される。ここでは、長方形51bを特定する座標値に基づき軸線Aが数式化される。こうして座標値が特定された画像データはフレームメモリ43に格納される。円51a、中心点P、長方形51b及び軸線Aの視野座標系の座標値を示す座標値データは、画像データに関連付けてフレームメモリ43に格納されればよい。
【0041】
次に、演算装置42は、複数のフレームごとに特定された複数の中心点Pの位置の推移に基づき工具20の移動軌跡を算出する。各フレームごとに特定された円51aが視野座標系に基づき配置され、各中心点Pnの座標値(xn、yn)が特定される。特定されたすべての中心点Pを通る回帰曲線が算出される。こうして算出された回帰曲線が、図6に示される工具20の移動軌跡54に相当する。同様に、複数のフレームの各々で特定された複数の軸線Aの平均に基づき、図6に示される工具20の中心軸線55が算出される。具体的には、複数の軸線Aの平均の回帰曲線が算出される。算出された移動軌跡54及び中心軸線55を特定する工具データは記憶装置41に格納される。工具データでは、座標値は視野座標系から基準座標系の座標値に変換されて特定されればよい。
【0042】
図6から明らかなように、本実施形態の例では、工具20の移動軌跡54と中心軸線55とは一致していない。移動軌跡54と中心軸線55とは例えば交差角αで交差している。ここでは、移動軌跡54の角度すなわち送り方向の角度は設定通りに45度であることを前提にすると、例えば主軸19の回転角の位置が設定の45度からずれていることが分かる。こうしたずれはワークの加工精度を著しく低下させてしまう。従って、算出された交差角αは、工作機械10のA軸方向の回転角の機械的な補正に用いられればよく、又はNC装置12の主軸19の位置制御のための座標値の補正に用いられればよい。こうして工作機械10では、中心軸線54と移動軌跡55とが一致するような補正が実施される。なお、寸法の測定の結果、移動軌跡54と中心軸線55とが一致している場合には主軸19の回転角の位置が設定通りであることを示している。
【0043】
以上のような測定に加えて、寸法測定装置13では、傾斜姿勢の工具20の工具径や刃先位置が測定されてもよい。例えば図8に示されるように、表示画面Sには1つの画像データに基づき特定される工具20の輪郭線51が表示される。ここでは、移動軌跡54が中心軸線55に一致する場合が想定される。操作者が、例えば相互に平行に延びる輪郭線51の平行成分上の任意の2点に指を接触させると、演算装置42は、タッチパネル45から出力される座標値に基づきこの点を測定点56a、56bとして指定する。演算装置42は、指定された測定点56a、56bに基づき、輪郭線51の平行成分同士の距離すなわち移動軌跡54及び中心軸線55に直交する仮想直線上の距離dが測定されればよい。こうして測定された距離dが工具20の工具径に相当する。
【0044】
また、例えば工具20の刃先位置が測定されてもよい。例えば操作者が、半円状の輪郭線51の下端付近の任意の点に指を接触させると、演算装置42は、タッチパネル45から出力される座標値に基づきこの点を測定点57として指定する。ここでは、演算装置42は、輪郭線51上でy軸の座標値が最小値をとる点として測定点57を特定する。測定点57の接線はx軸に平行に規定される。この測定点57が刃先位置として特定されればよい。この刃先位置に基づき工具20の工具長が算出される。同様に、x軸の座標値が最小値をとる点として測定点58が特定されてもよい。測定点58の接線はy軸に平行に規定される。こうして特定された輪郭線51や工具径、刃先位置などの座標値は画像データに関連付けてフレームメモリ43に格納される。
【0045】
以上のように、第2実施形態に係る工作機械10によれば、表示画面S上には工具20の輪郭線51が表示される。寸法測定の操作者がタッチパネル45上で所定の移動軌跡を指で辿れば、表示画面S上で工具20の測定部位すなわち工具20の移動軌跡54及び中心軸線55が自動的に特定されることが可能である。こうして操作者は極めて簡単に工具20の形状を測定することができる。加えて、操作者が例えば工具20の輪郭線51の特定の位置を指定することによって工具20の工具径や刃先位置が自動的に測定されることが可能である。従って、こうした工具20の寸法測定方法によれば、例えば多段工具などの複雑な輪郭線を有する想定外の工具の測定部位が簡単に特定されることが可能である。
【0046】
次に、本発明の第3実施形態に係る工具20の寸法の測定方法を説明する。この第3実施形態ではフリック操作及びドラッグ操作がオンにされる。図9は、本発明の第3実施形態に係る工具20の寸法測定方法の処理の流れを示すフローチャートである。前述の第1実施形態と同様に工具20が測定位置に位置決めされる。ステップU1で、表示画面Sには工具20の輪郭が表示される。このとき、図10に示されるように、例えば画像の視野より工具20の寸法が大きい場合など、表示画面Sには工具20の輪郭の全体が収まらないことがある。例えば、工具20の工具径が撮像装置33の視野すなわち表示画面Sの幅よりも大きい場合が想定される。
【0047】
このとき、操作者がタッチパネル45上でフリック操作又はドラッグ操作に基づき工具20を移動させたい方向に指を移動させると、タッチパネル45は、連続した異なる位置の指の接触位置を検出して当該接触位置に対応する座標値信号を演算装置42に出力する。座標値信号を受け取った演算装置42は、ステップU2で、座標値に対応して接触位置の軌跡を算出する。算出にあたって、指の接触位置の移動方向が軌跡の向きとして特定される。ここでは、工具20にボールエンドミルが用いられており、かつ、表示画面S上にはボールエンドミルの先端が表示されていることから、操作者は例えばドラッグ操作に基づき表示画面Sの左下に向かってタッチパネル45上で指を移動させればよい。
【0048】
算出された軌跡に基づき演算装置42は撮像装置33の視野を移動させる。演算装置42は、ステップU3で、工具20及び撮像装置33を相対移動させる移動信号をNC装置12に出力する。移動信号を受け取ったNC装置12はYZ平面内で工具20を移動させる。こうして図11に示されるように、撮像装置33の視野は移動する。言い替えれば、表示画面S上では工具20は前述の接触位置の軌跡の方向に移動する。こうして視野外の工具20の輪郭線51が撮像装置33の視野内に移動する。移動に基づき出力された画像データに基づき、前述の第2実施形態と同様に工具20の輪郭線51が特定されていく。その後、第1実施形態と同様に輪郭線51上の測定点の指定に基づき工具20の工具径や刃先位置が測定されればよい。
【0049】
以上のように、第3実施形態に係る工作機械10によれば、寸法測定の操作者がタッチパネル45上で所定の移動軌跡を指で辿れば、表示画面S上で工具20の測定部位すなわち視野外の工具20の輪郭線51が特定されることが可能である。こうして操作者は極めて簡単に工具20の形状を測定することができる。加えて、操作者が例えば工具20の輪郭線51の特定の位置を指定することによって工具20の工具径や刃先位置が自動的に測定されることが可能である。従って、こうした工具20の寸法測定方法によれば、例えば多段工具などの複雑な輪郭線を有する想定外の工具の測定部位が簡単に特定されることが可能である。
【0050】
次に、本発明の第4実施形態に係る工具20の寸法の測定方法を説明する。図12は、本発明の第4実施形態に係る工具20の寸法測定方法の処理の流れを示すフローチャートである。この第4実施形態ではフリック操作及びドラッグ操作がオンにされる。ここでは、工具20には前述のボールエンドミルに代えて例えばフラットエンドミルが用いられる。前述の第1実施形態と同様に測定位置に向かってZ軸に沿って工具20が下降していく。図13に示されるように、撮像装置33の視野すなわち表示画面Sには表示画面S内のy軸方向の中間位置にx軸に平行なZ軸方向位置基準線61が設定される。同様に、表示画面Sには表示画面S内のx軸方向の中間位置にy軸に平行なY軸方向位置基準線62が設定される。
【0051】
演算装置42は、工具20の下端がZ軸方向位置基準線61に一致すると、NC装置12にスキップ信号を出力する。スキップ信号に基づきNC装置12は工具20の移動を停止させる。こうしてステップV1で表示画面Sには工具20の輪郭が表示される。第3実施形態と同様に、画像の視野より工具20の寸法が大きいために表示画面Sには工具20の輪郭の全体が収まらない。このとき、操作者が例えばフリック操作又はドラッグ操作に基づきタッチパネル45上で指を例えば右側に移動させると、演算装置42は接触位置の軌跡を算出する。算出した軌跡に基づき生成された移動信号の出力に基づき工具20はY軸に平行に移動させられる。こうして図14に示されるように、表示画面S内には工具20の視野外の一方の側面(左側)の輪郭線51が表示される(ステップV2)。左側の輪郭線51はY軸方向位置基準線62よりも右側に配置される。
【0052】
このとき、操作者が工具20の左側の輪郭線51上の任意の点に触れると、演算装置42は、ステップV3で、タッチパネル45から出力される座標値に基づきこの点を測定点63として指定する。その後、操作者は、例えばフリック動作に基づき左側の輪郭線51をY軸方向位置基準線62から遠ざける方向に指を移動させる。こうしていわゆる逃げ動作が教示される。演算装置42の接触位置の算出処理に基づきY軸方向位置基準線62から遠ざかる方向に工具20はY軸に平行に移動させられる。その後、操作者は、例えばフリック動作に基づき左側の輪郭線51をY軸方向位置基準線62に近づける方向に指を移動させる。いわゆるアプローチ動作が教示される。演算装置42の接触位置の算出処理に基づきY軸方向位置基準線62に近づく方向に工具20はY軸に平行に移動させられる。
【0053】
その結果、図15に示されるように、工具20の左側の輪郭線51がY軸基準線51に一致すると、演算装置42はNC装置12にスキップ信号を出力する。スキップ信号に基づきNC装置12は工具20の移動を停止させる。こうして演算装置42は、ステップV4で測定点63をY軸方向位置基準線62に一致させる。こうして工具20は第1位置に位置決めされる。演算装置42は、ステップV5で、第1位置の工具20の基準座標系におけるY軸の位置座標値を特定する。その後、操作者の例えばドラッグ操作に基づきタッチパネル45上で指を左側に移動させると、演算装置42の接触位置の軌跡算出に基づき工具20はY軸に平行に移動させられる。その結果、図16に示されるように、表示画面S内には工具20の視野外の他方の側面(右側)の輪郭線51が表示される(ステップV2)。右側の輪郭線51はY軸方向位置基準線62よりも左側に配置される。
【0054】
その後、前述とは逆の向きでステップV2〜V5が繰り返される。具体的には、操作者が工具20の右側の輪郭線51上の任意の点に触れると、演算装置42は、ステップV3で、タッチパネル45から出力される座標値に基づきこの点を測定点64として指定する。その後、操作者は逃げ動作を教示する。演算装置42の接触位置の算出処理に基づきY軸方向位置基準線62から遠ざかる方向に工具20はY軸に平行に移動させられる。その後、操作者はアプローチ動作を教示する。演算装置42の接触位置の算出処理に基づきY軸方向位置基準線62に近づく方向に工具20はY軸に平行に移動させられる(ステップV4)。工具20の右側の輪郭線51がY軸基準線51に一致すると、工具20の移動は停止する。こうして工具20は第1位置と異なる第2位置に位置決めされる。第2位置の工具20の基準座標系におけるY軸の位置座標値を特定する(ステップV5)。
【0055】
演算装置42は、例えば第1位置の工具20の座標値から第2位置の工具20の座標値を減算することによって、Y軸方向における工具20の長さすなわち工具径を特定することが可能である。同時に、第1位置の座標値と第2位置の座標値との間に規定される中間位置に基づき工具20の中心軸線が特定されることが可能である。中心軸線はZ軸に平行に規定される。このとき、測定処理に先立って実施されたように、工具20は、Z軸に沿って一旦上昇した後、前述の測定位置に向かってZ軸に沿って下降していく。このとき、表示画面S上で工具20の中心軸線はY軸方向位置基準線62に一致するように位置決めされる。こうして工具20の下端がZ軸方向位置基準線61に一致すると工具20の移動は停止する。このとき、中心軸線を通る工具20の下端の中心点がZ軸方向位置基準線61及びY軸方向位置基準線62の交点に位置合わせされる。こうしてこの交点が工具20の刃先位置として特定される。
【0056】
以上のように、第4実施形態に係る工作機械10によれば、寸法測定の操作者がタッチパネル45上で所定の移動軌跡を指で辿れば、表示画面S上で工具20の測定部位すなわち視野外の工具20の輪郭線51が特定されることが可能である。操作者は極めて簡単に工具20の寸法を測定することができる。加えて、操作者が例えば工具20の輪郭線51の特定の位置を指定することによって工具20の工具径や刃先位置が自動的に測定されることが可能である。従って、こうした工具20の寸法測定方法によれば、例えば多段工具などの複雑な輪郭線を有する想定外の工具の測定部位が簡単に特定されることが可能である。
【0057】
以上のような実施形態では、工作機械10の例として立形のマシニングセンタを用いて本発明の工具寸法の測定方法及び測定装置が説明されたものの、本発明の工具寸法の測定方法及び測定装置は、例えば横形のマシニングセンタやその他の工作機械によっても実現されることが可能である。また、工具20の例としてボールエンドミルを用いて本発明の工具寸法の測定方法及び測定装置が説明されたものの、本発明の工具寸法の測定方法及び測定装置はその他の工具によっても実現されることが可能である。
【符号の説明】
【0058】
13 寸法測定装置
19 主軸
20 工具
33 撮像装置
42 演算装置
44 表示装置
45 接触検出装置
51 輪郭線
54 移動軌跡
55 中心軸線
S 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具と相対移動する撮像装置を用いて前記工具を撮像し、得た画像データにより前記工具の寸法を測定する工具寸法の測定方法において、
前記撮像装置で撮像された前記工具の輪郭を含む画像を表示装置の表示画面に表示させる工程と、
前記画像に対して接触教示した教示点を接触検出装置によって検出する工程と、
検出された前記教示点に基づき前記工具の形状の測定部位、測定方向又は移動方向を特定する工程と、
を備えることを特徴とする工具寸法の測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の工具寸法の測定方法において、前記測定部位、測定方向又は移動方向の特定にあたって、連続して検出された異なる位置の複数の前記教示点に基づき当該教示点の軌跡を算出して、算出された前記軌跡に基づき、前記工具の輪郭、前記工具の移動軌跡及び前記工具の中心軸線の少なくともいずれか1つを算出することを工具寸法の測定方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の工具寸法の測定方法において、前記測定部位、測定方向又は移動方向の特定にあたって、連続して検出された異なる位置の複数の前記教示点に基づき当該教示点の軌跡を算出して、算出された前記軌跡に基づき、前記画像の視野外の前記工具の輪郭を前記画像の視野内に移動させる移動信号を出力する工具寸法の測定方法。
【請求項4】
工具を撮像して得た画像データにより前記工具の寸法を測定する工具寸法の測定装置において、
前記工具の輪郭を含む画像を撮像する撮像装置と、
前記画像を表示する表示画面を有する表示装置と、
前記画像に対して接触教示された教示点を検出する接触検出装置と、
検出した前記教示点に基づき前記工具の形状の測定部位、測定方向又は移動方向を特定する演算装置と、
を備えることを特徴とする工具寸法の測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の工具寸法の測定装置において、前記演算装置は、前記測定部位、測定方向又は移動方向の特定にあたって、連続して検出された異なる位置の複数の前記教示点に基づき当該教示点の軌跡を算出して、算出された前記軌跡に基づき、前記工具の輪郭線、前記工具の移動軌跡及び前記工具の中心軸線の少なくともいずれか1つを算出する工具寸法の測定装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の工具寸法の測定装置において、前記演算装置は、前記測定部位、測定方向又は移動方向の特定にあたって、連続して検出された異なる位置の複数の前記教示点に基づき当該教示点の軌跡を算出して、算出された前記軌跡に基づき、前記画像の視野外の前記工具の輪郭線を前記画像の視野内に移動させる移動信号を出力する工具寸法の測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−91290(P2012−91290A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241379(P2010−241379)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000154990)株式会社牧野フライス製作所 (116)
【Fターム(参考)】