説明

座金

【課題】地震等の外部エネルギーが作用した場合に、提灯座屈の発生を防止して、地震等の外部エネルギーの吸収効率の向上を図ることができる座金を提供すること。
【解決手段】座金は、円筒状に形成され、ベースプレート及びボルト15の頭部15aの間に介設される筒状部材41と、その軸心O1方向から視て環状に形成され、筒状部材41およびボルト15の頭部15aの間に介設されるワッシャ42と、そのワッシャ42及びベースプレートの間であって、筒状部材41の内部に充填される充填材43とで構成される。よって、筒状部材41全体を変形させてその筒状部材41の展性を最大限利用することができるので、ボルト15の変形、損傷を防止することができ、筒状部材41及びワッシャ42の交換が簡易に行うことができ、座金の取り替え作業の作業性を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は締結部材の締結部とベースプレートとの間に介設される座金に関し、特に、地震等の外部エネルギーが作用した場合に、提灯座屈の発生を防止して、地震等の外部エネルギーの吸収効率の向上を図ることができる座金に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄骨柱などに使用されるボルトに対する地震作用などを緩和して、ボルトの破損等を防止するための座金が特許文献1に開示されている。かかる座金(エネルギー吸収部材6)は、外形が円筒状に形成された筒状本体10と、その筒状本体10の下端から径方向外側に向かって延出されるフランジ部11とで構成され、アンカーボルト2に螺合される締付けナット5と基礎コンクリート1上に配置されるベースプレート4との間に介設される。
【0003】
この座金(エネルギー吸収部材6)によれば、地震作用などにより、ベースプレート4が浮き上がった場合には、エネルギー吸収部材6がベースプレート4と締付けナット5との間で圧縮されて塑性変形することで、外部エネルギーを吸収する。その結果、地震作用を緩和して、アンカーボルト2の破損・変形を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−303585号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の座金(エネルギー吸収部材6)では、地震作用などにより圧縮された場合に、いわゆる提灯座屈(中間部が折れるような変形を伴う座屈)が発生し、エネルギー吸収部材6全体の展性を十分に活用することができないため、外部エネルギーの吸収効率が悪いという問題点があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、特に、地震等の外部エネルギーが作用した場合に、提灯座屈の発生を防止して、地震等の外部エネルギーの吸収効率の向上を図ることができる座金を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1記載の座金は、土台に対してベースプレートを締結部材により締結固定する場合に、締結部材の締結部とベースプレートとの間に介設されるものであって、円筒状に形成され、ベースプレート及び締結部の間に介設される筒状部材と、その軸心方向から視て環状に形成され、筒状部材および締結部の間に介設されるワッシャと、そのワッシャ及びベースプレートの間であって、筒状部材の内部に充填される充填材とを備えている。
【0008】
請求項2記載の座金は、請求項1記載の座金において、ワッシャは、筒状部材と締結部との間に介設された場合に、その軸心を含む平面で切断した外周面の断面形状がベースプレート側に延出する円錐形状に形成されている。
【0009】
請求項3記載の座金は、請求項1又は2に記載の座金において、筒状部材は、低降伏点鋼で構成されている。
【0010】
請求項4記載の座金は、請求項1から3のいずれかに記載の座金において、円筒状に形成され、ベースプレート及び締結部の間に介設されると共に筒状部材の内側に配設される内側部材を備え、その内側部材及び筒状部材の間に充填材が充填されている。
【0011】
請求項5記載の座金は、請求項1から4のいずれかに記載の座金において、少なくとも筒状部材の内周面に連結され、その筒状部材の内周面から筒状部材の軸心方向に延出するリブを備えている。
【0012】
請求項6記載の座金は、請求項1から5のいずれかに記載の座金において、筒状部材は、ベースプレート側がワッシャ側に比べて剛性が低く設定される脆弱部を備えている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の座金によれば、締結部材の締結部とベースプレートとの間に座金が介設された状態で、土台に対してベースプレートが締結部材により締結固定される。
【0014】
ここで、座金は、円筒状に形成される筒状部材がベースプレート及び締結部との間に介設され、その軸心方向から視て環状に形成されるワッシャが筒状部材および締結部の間に介設され、そのワッシャ及びベースプレートの間であって筒状部材の内部に充填材が充填されるので、地震等により過大な荷重が締結部材の締結部やベースプレートに作用して、締結部とベースプレートとの間で圧縮された場合には、その圧縮力がワッシャを介して充填材に作用し、その充填材によって筒状部材の内周面全体が外向きに押圧される。
【0015】
従って、筒状部材が提灯座屈することを防止して、かかる筒状部材を拡径する方向へ変形させることができるので、筒状部材全体を変形させてその筒状部材の展性を最大限利用することができる。従って、外部エネルギーの吸収効率の向上を図ることができるという効果がある。その結果、締結部材の変形、損傷を防止することができるので、筒状部材及びワッシャの交換が簡易に行うことができ、座金の取り替え作業の作業性を向上できるという効果がある。
【0016】
請求項2記載の座金によれば、請求項1記載の座金の奏する効果に加え、ワッシャは、筒状部材と締結部との間に介設された場合に、その軸心を含む平面で切断した外周面の断面形状がベースプレート側に延出する円錐形状に形成されるので、締結部やベースプレートに地震等の過大な荷重が作用すると、ワッシャによってその円錐形状の外周面と直交する方向に充填材を押圧することができる。従って、筒状部材の下部側ほど大きく拡径させることができる。かかる過程において、筒状部材の内周面全体に径方向外方への押圧力を均等に作用させることができるので、より確実に筒状部材が提灯座屈することを防止できるという効果がある。
【0017】
請求項3記載の座金によれば、請求項1又は2に記載の座金の奏する効果に加え、筒状部材は、低降伏点鋼で構成されるので、その展性に富む特性を利用して外部エネルギーを最大限吸収できるという効果がある。
【0018】
請求項4記載の座金によれば、請求項1から3のいずれかに記載の座金の奏する効果に加え、円筒状に形成され、筒状部材の内側に配設される内側部材がベースプレート及び締結部の間に介設されるので、かかる内側部材を型枠として利用できる。よって、充填材を座金の内部に充填する場合に型枠を使用せずに済む。従って、型枠の取付・取り外し作業を省略でき、作業性を向上できるという効果がある。
【0019】
請求項5記載の座金によれば、請求項1から4のいずれかに記載の座金の奏する効果に加え、少なくとも筒状部材の内周面に連結されるリブが、筒状部材の内周面から筒状部材の軸心方向に延出するので、かかるリブによって筒状部材の耐力を向上できるので、筒状部材が提灯座屈することを防止できるという効果がある。
【0020】
請求項6記載の座金によれば、請求項1から5のいずれかに記載の座金の奏する効果に加え、筒状部材のベースプレート側がワッシャ側に比べて剛性が低く設定される脆弱部を備えるので、脆弱部を設けない場合に比べて、ワッシャ側に比べてベースプレート側を変形し易く設定でき、筒状部材をベースプレート側から拡径させることができる。
【0021】
ここで、筒状部材のワッシャ側が拡径変形されると、ワッシャが筒状部材のワッシャ側端部の内周側へ入り込み、締結部材の締結部によってワッシャを介して筒状部材のワッシャ側が押圧されない。よって、筒状部材全体を塑性変形させて外部エネルギーを吸収できない。
【0022】
これに対して、請求項6記載の座金によれば、筒状部材のベースプレート側が拡径するように変形されるので、締結部材の締結部によってワッシャを介して筒状部材を押圧できる。よって、筒状部材全体を塑性変形させることができ、外部エネルギーを吸収できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一実施の形態における座金を使用した橋梁の概略正面図である。
【図2】(a)は、支承の正面図であり、図1のIIaで示す部分について図示されている。(b)は、図2(a)のIIb方向から視た支承の側面図であり、(c)は、後述する座金が変形した状態を示す支承の正面図である。
【図3】(a)は、変位制御装置の正面図であり、図1のIIIaで示す部分について図示され、(b)は、後述する座金が変形した状態を示す変位制御装置の正面図である。
【図4】(a)は、本発明の第一実施の形態における座金の断面図であり、(b)は、筒状部材の一部断面斜視図であり、図4(c)は、ワッシャの一部断面斜視図である。
【図5】(a)は、座金の断面図であり、(b)は、筒状部材が変形した状態を示す座金の断面図である。
【図6】(a)は、本発明の第二実施の形態における座金を構成する筒状部材の上面図であり、(b)は、図6(a)のVIb―VIb線における筒状部材の断面図であり、(c)は、本発明の第三実施の形態における座金を構成する筒状部材の上面図であり、(d)は、図6(c)のVId―VId線における筒状部材の断面図であり、(e)は、本発明の第四実施の形態における座金を構成する筒状部材の上面図であり、(f)は、図6(e)のVIf―VIf線における筒状部材の断面図である。
【図7】(a)は、本発明の第五実施の形態における座金を構成する筒状部材及び内側部材の上面図であり、(b)は、図7(a)のVIIb―VIIb線における筒状部材及び内側部材の断面図であり、(c)は、本発明の第五実施の形態における座金の断面図であり、(d)は、筒状部材及び内側部材が変形した状態を示す座金の断面図である。
【図8】(a)は、本発明の第六実施の形態における座金を構成する筒状部材の上面図であり、(b)は、図8(a)のVIIIb―VIIIb線における筒状部材の断面図であり、(c)は、本発明の第七実施の形態における座金を構成する筒状部材の上面図であり、(d)は、図8(c)のVIIId―VIIId線における筒状部材の断面図であり、(e)は、本発明の第八実施の形態における座金を構成するワッシャの上面図であり、(f)は、図8(e)のVIIIf―VIIIf線におけるワッシャの断面図である。
【図9】(a)は、本発明の第九実施の形態における座金を構成するワッシャの上面図であり、(b)は、図9(a)のIXb―IXb線におけるワッシャの断面図であり、(c)は、本発明の第九実施の形態における座金の断面図であり、(d)は、筒状部材が変形した状態を示す座金の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一実施の形態における座金40(図2及び図3参照)を使用した橋梁1の概略正面図である。なお、矢印Fは橋梁1の前方を、矢印Bは後方を、矢印Uは上方を、矢印Dは下方を、矢印Lは左方を及び矢印Rは右方を示している。図2及び図3においても同様である。
【0025】
図1に示すように、橋梁1は、車両等が通行する橋桁12と、コンクリート躯体11から上方に突設される台座である基礎台11aと、橋桁12を基礎台11aに支持する柱である橋脚13と、基礎台11aに対する橋桁12の左右方向における揺動を規制する変位制御装置30とを備えている。また、橋脚13は、橋桁12から下方に突設される連結部12aと、連結部12aと基礎台11aとの間に介設される支承20とで構成される。なお、支承20及び変位制御装置30についてはそれぞれ図2及び図3を参照して後に説明する。
【0026】
図2を参照して、本発明の第一実施の形態における座金40が使用される支承20について説明する。なお、かかる座金40についての詳細は、図4を参照して後述する。また、図2(a)は、支承20の正面図であり、図1のIIaで示す部分について拡大図示されている。図2(b)は、図2(a)のIIb方向から視た支承20の側面図であり、図2(c)は、後述する座金40が変形した状態を示す支承20の正面図であり、図2(a)と対応している。図2(a)において、変位装置32の図示が省略されている。
【0027】
図2(a)及び図2(b)に示すように、支承20は、橋桁12の伸縮や地震時の揺れを吸収すると共に規制する部材であって、支承本体21と、サイドブロック22とで構成されている。
【0028】
図2(a)及び図2(b)に示すように、支承本体21は、橋桁12の連結部12aと基礎台11a固定される支持台14との間に介設される部材であって、支持台14を介して基礎台11aにボルト26で締結固定される下部シュー24と、橋桁12の連結部12aに連結される上部シュー23と、下部シュー24及び上部シュー23の間に介設される弾性部材であるゴム層25とで構成される。
【0029】
よって、ゴム層25が温度変化の影響による橋桁12(図1参照)等の伸縮を吸収できると共に、基礎台11aに対する橋桁12の地震時における揺動を吸収できるので、橋桁12を基礎台11aに対して安定支持できる。
【0030】
図2(a)及び図2(b)に示すように、サイドブロック22は、基礎台11aに対して支承本体21が過度に揺動することを規制するブロック部材であって、支持台14を介して基礎台11aに連結される部分である固定部28と、固定部28の中央部から上方に突設される突出部分である規制部27とで構成される。このサイドブロック22は、前後方向の側面から視て(図2(b)紙面手前側から視て)規制部27が突出した逆T字型に形成される。
【0031】
かかるサイドブロック22の固定部28とボルト15の頭部15aとの間に、後述する座金40が介設された状態で、コンクリート躯体11(図1参照)に対して固定部28がボルト15により締結固定される。
【0032】
よって、地震等の過大な荷重が基礎台11aに作用すると、支承本体21の下部シュー24(基礎台11a)に対して上部シュー23(連結部12a)が橋桁12(図1参照)の幅方向(図2(a)左右方向)である矢印L方向に揺動し、支承本体21の上部シュー23がサイドブロック22の規制部27に衝突する。
【0033】
これにより、橋桁12の基礎台11aに対する揺動を規制できる。この場合に、図2(c)に示すように、支承本体21が衝突することによって発生する荷重がサイドブロック22に作用してサイドブロック22が上方に浮き上がった場合であっても、後述する座金40の変形によりかかる荷重を吸収して、ボルト15の変形が防止される。
【0034】
図3を参照して、本発明の第一実施の形態における座金40が使用される変位制御装置30について説明する。なお、かかる座金40についての詳細は、図4を参照して後述する。また、図3(a)は、変位制御装置30の正面図であり、図1のIIIaで示す部分について図示されている。この場合において、変位装置32の一部が省略されている。図3(b)は、後述する座金40が変形した状態を示す変位制御装置30の正面図であり、図3(a)と対応している。
【0035】
図3(a)に示すように、変位制御装置30は、基礎台11aに対する橋桁12(図1参照)の揺動を規制する装置であって、基礎台11aに固定されコンクリート躯体11(図1参照)に連結される制御装置31と、連結部12a(図1参照)に固定され橋桁12に連結される変位装置32とで構成される。
【0036】
制御装置31は、後述する変位装置32の揺動を規制する装置であって、基礎に埋め込まれたボルト16及びそのボルト16の上部に固定されるナット16aで基礎台11aに締結固定される基礎プレート33と、基礎プレート33から上方(図3(a)上方)に突設され、断面H状に形成される鋼材で形成される柱状部34と、柱状部34の変位装置32側(図3(a)左側)の側面に固定されるゴムブロックである緩衝部36とで構成される。
【0037】
変位装置32は、連結部12a(図1参照)に固定され制御装置31側(図3(a)右側)に延設される鋼材である腕部37と、その腕部37の先端に形成され緩衝部36より広い面積を有するプレートである衝突部38とで構成される。
【0038】
また、コンクリート躯体11(図1参照)に埋め込まれたボルト16に締結されるナット16aと基礎プレート33との間に、後述する座金40が介設された状態で、コンクリート躯体11(図1参照)に対して基礎プレート33がボルト16及びナット16aにより締結固定される。
【0039】
よって、地震等の過大な荷重が基礎台11aに作用すると、橋桁12及びこれに連結される連結部12aが、基礎台11aに対して橋桁12(図1参照)の幅方向(図3(a)左右方向)である矢印L方向に揺動し、その連結部12aに固定された変位装置32の衝突部38が制御装置31の緩衝部36に衝突する。これにより、橋桁12の基礎台11aに対する揺動が規制される。
【0040】
この場合に、図3(b)に示すように、変位装置32の衝突部38が衝突することによって発生する荷重が制御装置31に作用して制御装置31が上方(図3(a)上方)に浮き上がった場合であっても、後述する座金40の変形によりかかる荷重を吸収できるので、ボルト16の変形を防止できる。
【0041】
図4及び図5を参照して、本発明の第一実施の形態における座金40について説明する。図4(a)は、本発明の第一実施の形態における座金40の断面図であり、図4(b)は、筒状部材41の一部断面斜視図であり、図4(c)は、ワッシャ42の一部断面斜視図である。また、図5(a)は、座金40の断面図であり、図5(b)は、筒状部材41が変形した状態を示す座金40の断面図である。なお、図4(a)、図5(a)及び図5(b)において、座金40がベースプレートV(支承20の場合は固定部28に相当し、変位制御装置30の場合は基礎プレート33に相当する)に締結固定されている状態を示している。
【0042】
図4(a)に示すように、座金40は、円筒状に形成され、ベースプレートV及びボルト15の頭部15aの間に介設される筒状部材41と、その軸心O1方向(図4(a)上下方向)から視て環状に形成され、筒状部材41およびボルト15の頭部15aの間に介設されるワッシャ42と、そのワッシャ42及びベースプレートVの間であって、筒状部材41の内部に充填される充填材43とで構成される。
【0043】
図4(b)に示すように、筒状部材41は、低降伏点鋼で構成され、その板厚が軸心O2方向で同一に形成される。
【0044】
図4(c)に示すように、ワッシャ42は、筒状部材41の上端に当接する環状のつば部42aと、つば部42aに連設され筒状部材41の内部に配設される環状の本体部42bと、本体部42bに穿設されボルト15の軸部15bが挿通されるボルト孔42cとで構成される。
【0045】
図4(a)に示すように、ワッシャ42の本体部42bは、筒状部材41とボルト15の頭部15aとの間に介設された場合に、その軸心O2方向(図4(a)上下方向)を含む平面で切断した外周面の断面形状がベースプレートV側(図4(a)下側)に延出する円錐形状に形成される。
【0046】
図4(a)に示すように、充填材43は、エポキシ樹脂やモルタル等、充填時には流動体であるが、筒状部材41の内部に充填された後に個体となる素材である。かかる充填材43は、コンクリートに比べて剛性が低く設定される。よって、充填材43が粉砕することで、外部エネルギーが吸収される。
【0047】
従って、図5(a)及び図5(b)に示すように、地震等により過大な荷重がボルト15の頭部15aやベースプレートVに作用して、頭部15aとベースプレートVとの間で座金40が圧縮された場合には、その圧縮力がワッシャ42を介して充填材43に作用し、充填材43が粉砕すると共にその粉砕された充填材43によって筒状部材41の内周面全体が外向き(図5(a)及び図5(b)左右方向)に押圧される。
【0048】
これにより、筒状部材41が提灯座屈することを防止してかかる筒状部材41を拡径する方向(図5(a)及び図5(b)左右方向)へ変形させることができるので、筒状部材41全体を変形させてその筒状部材41の展性を最大限利用することができる。従って、座金40において外部エネルギーの吸収効率の向上を図ることができる。その結果、ボルト15の変形、損傷を防止することができるので、筒状部材41及びワッシャ42の交換が簡易に行うことができ、座金40の取り替え作業の作業性を向上できる。
【0049】
また、筒状部材41は、低降伏点鋼で構成されるので、その展性に富む特性を利用して外部エネルギーを最大限吸収できる。
【0050】
さらに、ワッシャ42の本体部42bは、その取付状態においてその軸心O2方向(図5(a)上下方向)を含む平面で切断した外周面の断面形状がベースプレートV側(図5(a)下側)に延出する円錐形状に形成される。これにより、ボルト15の頭部15aやベースプレートVに地震等の過大な荷重が作用すると、ワッシャ42によって本体部42bの円錐形状の外周面と直交する方向に充填材43を押圧することができる。よって、筒状部材41の下部側ほど大きく拡径させることができる。かかる過程において、筒状部材41の内周面全体に径方向外方への押圧力を均等に作用させることができるので、より確実に筒状部材41が提灯座屈することを防止できる。
【0051】
ここで、図5(a)を参照して、座金40の製造工程について説明する。まず、ワッシャ42は、本体部42bの延出部分(図5(a)の下部分)が上向きになるように充填装置(図示せず)にセットされ、その後、ワッシャ42のつば部42a上に筒状部材41が設置される。
【0052】
さらに、筒状部材41の内側であってワッシャ42のボルト孔42c縁上に円筒状の型枠(図示せず)が設置され、筒状部材41と型枠との間に流動体状の充填材43が充填される。かかる流動体状の充填材43が凝固した後、円筒状の型枠を取り外すことにより、座金40が完成される。かかる座金40がボルト15の頭部15aとベースプレートVとの間に介設され、外部エネルギーを吸収する。
【0053】
次に、図6(a)〜図6(d)を参照して、本発明の第二実施の形態から第四実施の形態における座金140,240,340について説明する。図6(a)は、本発明の第二実施の形態における座金140を構成する筒状部材141の上面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb―VIb線における筒状部材141の断面図である。また、図6(c)は、本発明の第三実施の形態における座金240を構成する筒状部材241の上面図であり、図6(d)は、図6(c)のVId―VId線における筒状部材241の断面図である。また、図6(e)は、本発明の第四実施の形態における座金340を構成する筒状部材341の上面図であり、図6(f)は、図6(e)のVIf―VIf線における筒状部材341の断面図である。
【0054】
なお、第二実施の形態において、上記した第一実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。第三実施の形態および第四実施の形態においても同様である。また、第二実施の形態から第四実施の形態までワッシャ42は、第一実施の形態と同様に形成されるので、その図示が省略される。
【0055】
第一実施の形態における座金40では、筒状部材41が上端から下端まで同じ肉厚で形成されるのに対して、図6(a)及び図6(b)に示すように、第二実施の形態における座金140では、筒状部材141の下端(図6(b)下端)の内周面が一周面取りされた切り欠き部141aが形成される。よって、筒状部材141のベースプレートV(図4参照)側(図6(b)下側)がワッシャ42(図4参照)側(図6(b)上側)に比べて剛性が低く設定される。
【0056】
また、図6(c)及び図6(d)に示すように、第三実施の形態における座金240では、筒状部材241が上端(ワッシャ42側端)から下端(ベースプレートV側端)に近づくに従って薄肉になるように形成され、筒状部材241のベースプレートV(図4参照)側(図6(d)下側)がワッシャ42(図4参照)側(図6(d)上側)に比べて剛性が低く設定される。
【0057】
よって、第二実施の形態および第三実施の形態における座金140,240は、ワッシャ42側に比べてベースプレートV側を変形し易く設定でき、筒状部材141,241をベースプレートV側(図6(b)及び図6(d)下側)から拡径させることができる。
【0058】
ここで、筒状部材141,241の上端から拡径変形されると、ワッシャ42が筒状部材141,241のワッシャ42側端部の内周側へ入り込み、ボルト15の頭部15a(図4参照)によってワッシャ42を介して筒状部材141,241のワッシャ32側が押圧されない。従って、筒状部材141,241全体を塑性変形させて外部エネルギーを吸収できない。
【0059】
これに対して、第二実施の形態および第三実施の形態における座金140,240では、筒状部材141,241のベースプレートV(図4参照)側(図6(b)及び図6(d)下側)が拡径するように変形されるので、ボルト15の頭部15a(図4参照)によってワッシャ42を介して筒状部材141,241を押圧できる。従って、筒状部材141,241全体を塑性変形させることができ、外部エネルギーを吸収できる。
【0060】
また、図6(e)及び図6(f)に示すように、第四実施の形態における座金340では、少なくとも筒状部材341の内周面に連結され、その筒状部材341の内周面から筒状部材341の軸心O1方向(図6(c)上下方向)に延出するリブ44を備える。従って、リブ44によって筒状部材341の耐力を向上できるので、筒状部材341が提灯座屈することを防止できる。
【0061】
次に、図7を参照して、本発明の第五実施の形態における座金440について説明する。図7(a)は、本発明の第五実施の形態における座金440を構成する筒状部材41及び内側部材45の上面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb―VIIb線における筒状部材41及び内側部材45の断面図であり、図7(c)は、本発明の第五実施の形態における座金440の断面図であり、図7(d)は、筒状部材41及び内側部材45が変形した状態を示す座金440の断面図である。なお、第五実施の形態において、上記した第一実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0062】
第一実施の形態における座金40では、筒状部材41とボルト15の軸部15bとの間に充填材43が充填されるのに対して、図7(a)及び図7(b)に示すように、第五実施の形態における座金440では、円筒状に形成される内側部材45が筒状部材41の内側に配設され、ベースプレートV及びボルト15の頭部15aの間に介設されると共にその内側部材45及び筒状部材41の間に充填材43が充填される。
【0063】
よって、かかる内側部材45を型枠として利用できる。従って、充填材43を座金440(筒状部材41)の内部に充填する場合に型枠を使用せずに済むので、型枠の取付・取り外し作業を省略でき、座金440を形成する場合の作業性を向上できる。加えて、かかる内側部材45によって座金440全体としての耐力を向上できる。
【0064】
次に、図8(a)〜図8(f)を参照して、本発明の第六実施の形態から第八実施の形態における座金540,640,740について説明する。図8(a)は、本発明の第六実施の形態における座金540を構成する筒状部材541の上面図であり、図8(b)は、図8(a)のVIIIb―VIIIb線における筒状部材541の断面図であり、図8(c)は、本発明の第七実施の形態における座金640を構成する筒状部材641の上面図であり、図8(d)は、図8(c)のVIIId―VIIId線における筒状部材641の断面図であり、図8(e)は、本発明における座金740を構成するワッシャ742の上面図であり、図8(f)は、図8(e)のVIIIf―VIIIf線におけるワッシャ742の断面図である。
【0065】
また、第六実施の形態および第七実施の形態のワッシャ42は、第八実施の形態における筒状部材41と組み合わせ可能とされる。なお、第六実施の形態、第七実施の形態および第八実施の形態において、上記した第一実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0066】
第一実施の形態における座金40では、筒状部材41とボルト15の軸部15bとの間に充填材43が充填される。これに対して、図8(a)及び図8(b)に示すように、第六実施の形態における座金540では、円筒状に形成される内側部材545が筒状部材541の内側に配設され、筒状部材541の軸心O1方向(図8(b)上下方向)に延出するリブ544が筒状部材541の内周面と内側部材545の内周面とに連結され、内側部材545と筒状部材541との間であってリブ544で区画された各空間に充填材43が充填される。
【0067】
第六実施の形態における座金540では、かかるリブ544によって筒状部材541の耐力を向上できるので、筒状部材541が提灯座屈することを防止できる。
【0068】
また、内側部材545と筒状部材541との間に充填材43を均等に充填することができるので、筒状部材541の内周面全体に径方向外方へ(図8(b)左右方向)の押圧力を均等に作用させることができる。
【0069】
第七実施の形態における座金640では、筒状部材341の内周面に連結され、その筒状部材341の内周面から筒状部材341の軸心O1方向(図8(d)上下方向)に延出するリブ644が下端(図8(d)下端)に近づくに従って半径方向(図8(d)左右方向)の長さが短くなるように三角形状に形成される。
【0070】
よって、筒状部材341のベースプレートV(図4参照)側(図8(d)下側)がワッシャ42(図4参照)側(図8(d)上側)に比べて剛性が低く設定されるので、リブ644が軸心O1方向で(図8(d)上下方向)で同一の幅で形成される場合に比べて、ワッシャ42側に比べてベースプレートV側を変形し易く設定でき、筒状部材341をベースプレートV側から拡径させることができる。従って、リブ644の形状により、筒状部材341の剛性を任意に変化させることができるため、座金640の塑性変形を簡易に制御することができる。
【0071】
第一実施の形態における座金40では、ワッシャ42の外周面(ワッシャ42の軸心O2を含む平面で切断した断面型状)が円錐形状に形成されるのに対して、図8(e)及び図6(f)に示すように、第八実施の形態における座金740では、ワッシャ742が平板状に形成される。よって、ワッシャ742を安価に製作することができる。
【0072】
最後に、図9を参照して、本発明の第九実施の形態における座金840について説明する。図9(a)は、本発明の第九実施の形態における座金840を構成するワッシャ842の上面図であり、図9(b)は、図9(a)のIXb―IXb線におけるワッシャ842の断面図であり、図9(c)は、本発明の第九実施の形態における座金840の断面図であり、図9(d)は、筒状部材41が変形した状態を示す座金440の断面図である。なお、第九実施の形態において、上記した第一実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0073】
図9(a)及び図9(b)に示すように、第九実施の形態における座金440では、ワッシャ842のつば部42aの外縁から環状のフック部42dが本体部42bの延出方向(図9(b)下方)に延出される。ワッシャ842のつば部42aの外径は、筒状部材41の外径と略同一に設定されると共に、ワッシャ842のフック部42dの内径が、筒状部材41の外径より大きく設定される。
【0074】
よって、図9(c)に示すように、ワッシャ842のフック部42dが筒状部材41をくわえ込むことができるので、筒状部材41のワッシャ842側端部(図9(c)及び図9(d)上端部)が径方向の外側(図9(c)及び図9(d)左右側)に拡径変形することを防止できる。
【0075】
従って、図9(d)に示すように、筒状部材41が変形した後であっても、ワッシャ842側端部が筒状部材41の内側へ入り込むことを防止できるので、ボルト15の頭部15aによってワッシャ842を介して筒状部材41のワッシャ832側が確実に押圧される。これにより、筒状部材41のベースプレートV(図4(a)参照)側(図9(c)及び図9(d)下側)が拡径するように変形されるので、筒状部材41全体を塑性変形させて外部エネルギーを吸収することができる。
【0076】
以上、各実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した各実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0077】
例えば、上記各実施の形態では、基礎プレート33又はサイドブロック22の固定部28(ベースプレートV)に座金40,140,240,340,440,540,640,740,840,940がボルト15によって固定されるが、これに限られず、コンクリート躯体11を貫通したボルトとその上部又は下部に螺合されるナットによって座金がベースプレートに固定されてもよく、コンクリート躯体11に埋没されたアンカーボルトとそのボルトの上部に螺合されるナットとによって座金がベースプレートに固定されてもよい。
【0078】
また、上記各実施の形態では、ワッシャ42のつば部42a上に筒状部材41が設置された後に充填材43充填してワッシャ42と筒状部材41とを連結したが、これに限られず、ワッシャ42のつば部42aと筒状部材41,141,241,341,541,641とを溶接等により固着してもよい。
【0079】
この場合、筒状部材141,241,341では、下端側に比べて上端側を確実に固定することができるので、筒状部材141,241,341を下端から確実に拡径変形させることができ、提灯座屈を防止できる。
【0080】
また、つば部42aの裏面(図4(a)下側の面)に環状の溝を穿設し、その環状の溝に筒状部材41,141,241,341,541,641を嵌合させてもよい。この場合、ワッシャ42,742,842のつば部42aと筒状部材41,141,241,341,541,641とを固着する溶接作業を省略することができ、座金40,140,240,340,440,540,640,740,840,940の製造工程を簡素化できる。
【0081】
或いは、ワッシャ42,742,842のつば部42aと筒状部材41,141,241,341,541,641とは、溶接等により固着されなくてもよい。この場合であっても、充填材43が凝固することにより、ワッシャ42,742,842と筒状部材41,141,241,341,541,641とは、一体的に形成されるので、座金40,140,240,340,440,540,640,740,840,940と同様に外部エネルギーを吸収することができる。
【0082】
さらに、上記各実施の形態では、座金40〜840は、製造工程において、筒状部材41,141,241,341,541,641とワッシャ42,742,842とが一体的に形成されるが、これに限られず、製造工程において、ワッシャ42,742,842の内部のみに充填材43を充填し、筒状部材41,141,241,341,541,641とワッシャ42,742,842とを別体で形成し、施工現場でボルトを介して一体的に形成されてもよい。この場合、施工現場で発生する組付誤差を筒状部材41,141,241,341,541,641により吸収することができる。
【0083】
また、第八実施の形態におけるワッシャ742の及び第九実施の形態におけるワッシャ842においても、同様に、筒状部材541(内側部材545),ワッシャ742,842の裏面(図8(f)及び図9(a)下側の面)に筒状部材641の端部形状と一致した溝を形成することによって、それらをワッシャ742,842に嵌合させることができ、溶接作業を省略でき、製造工程を簡素化できる。
【0084】
加えて、上記第二実施の形態および第三実施の形態では、筒状部材141の下端の内周面が一周面取りされた切り欠き部141aによって、或いは、筒状部材241が上端(ワッシャ42側端)から下端(ベースプレートV側端)に近づくに従って薄肉になるように形成されることによって、筒状部材141,241に脆弱部を形成し、又は、上記第七実施の形態では、筒状部材341の内周面から筒状部材341の軸心O1方向(図8(d)上下方向)に延出するリブ644が下端(図8(d)下端)に近づくに従って半径方向(図8(d)左右方向)の長さが短くなるように三角形状に形成されることによって、筒状部材341に脆弱部を形成し、筒状部材141,241,341の下端から拡径変形するように構成したが、これに限られず、脆弱部に代えて、或いは、脆弱部に加えて、他の手法により下端から拡径変形するように構成してもよい。例えば、筒状部材のベースプレートV側の端部とベースプレートVとの接触面にオイルを塗布することにより、筒状部材の下端側の摩擦抵抗を低減させて滑りやすく形成する手法が例示される。
【0085】
また、逆に、ワッシャの裏面の抵抗が大きくなる表面処理を施して滑り難くし、筒状部材の上端が突っ張ることによって、筒状部材の下端から拡径するように構成してもよい。
【0086】
いすれの場合においても、ワッシャに表面処理を施したり、筒状部材の下端又はベースプレートにオイルを塗布したりするだけであるので、座金の構造を変えることなく、筒状部材を下端側(図4(a)下側)から拡径させることができる。
【0087】
また、第三実施の形態では、筒状部材241の板厚を変化させたが、これに限られず、第四実施の形態および第七実施の形態において、同様に、リブ44,644の板厚を変化させてもよい。この場合において、第三実施の形態と同様に、筒状部材341,641を下端側(図6(f)及び図8(d)下側)から拡径させることができる。
【0088】
さらに、第四実施の形態および第七実施の形態では、リブ44,644を軸心方向(図6(f)及び図8(d)上下方向)全体に形成したが、これに限られず、下端側(図6(f)及び図8(d)下側)に隙間を空けて形成してもよい。この場合において、下端側の筒状部材341,641のみの部位(リブ44,644が形成されていない部分)を筒状部材341,641とリブ44,644とからなる部位と比較して剛性を低く設定できる。よって、かかる部分を脆弱部とできるので、筒状部材341,641を下端側から拡径させることができる。
【0089】
また、上記の各実施の形態において、筒状部材41,141,241,341,541,641の内周又は外周に軸心方向(図4(a),図6(b),図6(d),図6(f),図7(a),図8(b)及び図8(d)上下方向)へ延びる溝を形成してもよい。この場合、溝の深さを軸心方向に沿って下端側(図4(a),図6(b),図6(d),図6(f),図7(a),図8(b)及び図8(d)下側)に近づくほど深くなるように変化させることで、第七実施の形態と同様に、下端側に近づくほど剛性を低く設定できる。下端側から筒状部材41,141,241,341,541,641を拡径させることができる。
【0090】
上記の第二実施の形態においては、切り欠き部141aが環状に形成され、上記の第九実施の形態においては、フック部42dが環状に形成される、即ち、切り欠き部141a又はフック部42dが全周に亘って連続して形成される場合を説明したが、これに限られず、周方向に断続的に形成してもよい。
【0091】
上記の各実施の形態をそれぞれ組み合わせることも可能である。例えば、第二実施の形態における筒状部材141に第七実施の形態におけるリブ644を形成したり、第九実施の形態における筒状部材41に換えて第七実施の形態における筒状部材641を使用したりすることも可能である。この場合において、これらを組み合せない場合に比べて、さらに、下端側から筒状部材141,641を拡径し易くできる。
【0092】
なお、内側部材45,545又はリブ44,544,641によって、筒状部材41,341,541,641の剛性を向上させた場合には、内側部材45,545又はリブ44,544,644の下端側を面取りしたり、第九実施の形態におけるワッシャ42を使用してフック部42dを利用したりすることによって、下端側(図6(f),図7(a),図8(b)及び図8(d)下側)から拡径し易くすることが望ましい。この場合において、筒状部材41,341,541,641の提灯座屈を効果的に防止しつつ、下端側から筒状部材41,341,541,641を拡径させることができる。
【符号の説明】
【0093】
11 コンクリート躯体(土台)
28 サイドブロックの固定部(ベースプレート)
33 基礎プレート(ベースプレート)
15 ボルト(締結部材)
15b 頭部(締結部)
40,140,240,340,440,540,640,740,840,940 座金
41,141,241,341,541,641 筒状部材
42,742,842 ワッシャ
43 充填材
44,544,644 リブ
45,545 内側部材
141a 切り欠き部(脆弱部)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
土台に対してベースプレートを締結部材により締結固定する場合に、前記締結部材の締結部と前記ベースプレートとの間に介設される座金において、
前記座金は、
円筒状に形成され、前記ベースプレート及び前記締結部の間に介設される筒状部材と、
その軸心方向から視て環状に形成され、前記筒状部材および前記締結部の間に介設されるワッシャと、
そのワッシャ及び前記ベースプレートの間であって、前記筒状部材の内部に充填される充填材とを備えることを特徴する座金。
【請求項2】
前記ワッシャは、前記筒状部材と前記締結部との間に介設された場合に、その軸心を含む平面で切断した外周面の断面形状が前記ベースプレート側に延出する円錐形状に形成されることを特徴とする請求項1記載の座金。
【請求項3】
前記筒状部材は、低降伏点鋼で構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の座金。
【請求項4】
円筒状に形成され、前記ベースプレート及び前記締結部の間に介設されると共に前記筒状部材の内側に配設される内側部材を備え、
その内側部材及び筒状部材の間に前記充填材が充填されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の座金。
【請求項5】
少なくとも前記筒状部材の内周面に連結され、その筒状部材の内周面から前記筒状部材の軸心方向に延出するリブを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の座金。
【請求項6】
前記筒状部材は、前記ベースプレート側が前記ワッシャ側に比べて剛性が低く設定される脆弱部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の座金。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−209538(P2010−209538A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54520(P2009−54520)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【Fターム(参考)】