説明

廃水処理のシステム及び方法

動物農場からの液体及び固体排泄物を処理するための、任意に陽極液(230a)と陰極液(230c)の添加を含む生物的方法及びシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この特許出願は、Laurent OLIVIERの名前で2003年10月3日に出願された、動物農場の廃水処理システム及び方法、という表題の仮出願番号第60/507,956号に関連し、その優先権を主張するものであり、前記仮出願の内容は引用により全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明の分野
本発明は、ブタ農場、ウシやヒツジの牧場などの動物農場からの廃水及び固形排泄物を処理するシステム及び方法に関し、陽極液及び陰極液の使用を含む。
【背景技術】
【0003】
ブタ農場、ウシやヒツジの牧場などの動物農場からの廃水の流出は、農場からの流出が透水層、河川、プール,湖水、その他の水資源に及ぼす影響のために、現在、環境への脅威になっている。農場からの流出は、アンモニア態窒素総量(TAN)、亜硝酸態窒素、及び硝酸態窒素など、水生生物に有毒であり淡水流や湖水の生態系を損なう高レベルの汚染物質を含む。これらの汚染物質及びその他の汚染物質は、農場動物が産生する固形排泄物中に存在し、接触によって又は空気によって伝達されてヒトや動物に毒になり、又はその他の形態で害を及ぼす。したがって、動物農場からの廃水及び固形排泄物は、管理し処理して廃物中の汚染物質を除去して環境的に安全な状態にしなければならない。
【0004】
動物農場からの廃水はしばしば開放ラグーン(lagoon)を用いて、すなわち、動物の排泄物が生物的に分解されて環境的に安全になるまで廃水を静置することによって処理される。しかし、このようなラグーンは、雨が降るとあふれて、近くの淡水の湖水や流れを汚染することがある。さらに、ラグーンからの有毒ガスが大気を汚染し、望ましくない悪臭を生ずる。最後に、ラグーンそのものが、他のもっと生産的な目的のために利用できるはずの広い土地を占める。
【0005】
少なくとも一つの州、ノースカロライナ州、が、ブタ農場からの廃水を処理するためのラグーンによって引き起こされる問題を認識し、同州内におけるラグーンの数を厳しく制限する立法を制定した。その結果、農民が生産できるブタの数は、法律によって許されるラグーンの数によって制限されている。他の州も同じようなタイプの立法を通過させた。
【0006】
したがって、動物農場からの廃水流出物を処理するための改良されたシステムと方法が必要とされている。
【0007】
同様に、動物からの固形排泄物はしばしば肥料として用いられる。しかし、肥料として有効になるためには、排泄物は分解する期間を必要とし、それは普通3週間から8週間かかる。それ以前では、排泄物中のアンモニアは植物に有毒である。分解期間の後、排泄物中のアンモニアは植物に有益な窒素化合物に変換される。大量に積まれた排泄物をそのように長期間露出させておくことは、排泄物内部の細菌が接触又は空気を通して拡がる可能性があるので危険である。さらに、排泄物を輸送することも困難であり、しばしば完全に封止されたトラックで行われる。これは金がかかるし、排泄物中のウイルスや細菌を伝染させる可能性があって危険である。したがって、動物農場からの固形排泄物を処理するための改良された方法が必要とされている。
【0008】
発明の要約
本発明の目的は、廃水及び固形排泄物を処理する改良された方法を提供することである。例えば、本発明の方法及びシステムは、例えばブタ農場、乳牛農場、及びウシやヒツジの牧場、などの動物農場からの廃水や固形排泄物を処理するために利用できる。本発明の方法及びシステムは、また、ヒトのし尿又は灌漑による農場からの流出、などの他の源からの廃水を処理するために利用できる。
【0009】
本発明は、動物農場からの廃水流出物を処理するための新しいシステムを含む。本発明の方法及びシステムによっては、一連のチャンバーを通して廃水を流す方法を利用する。チャンバーは、廃水中の有機物を効果的に除去し又は分解し、悪臭を抑える方法を用い;及び硝酸塩濃度を抑えるための嫌気的な脱硝システムを用いて自ら汚染物質を除去する。このシステムは、環境への水の放出を最小にし、アンモニア態窒素総量(TAN)及びその他の環境に放出される汚染物質の量を減らす。さらに、本発明の方法は、水を浄化して動物農場を清掃するためにリサイクルして使用できるようにし、長期間にわたって清潔な動物農場を維持するために必要な水の量を顕著に減少させる。水をリサイクルできるため、従来の動物農場廃水処理のやり方に比べて水の使用を節約しながら動物の囲いをもっと頻繁に清掃することができる。清掃を頻繁に行うことによって、動物の環境が健康的になり、悪臭を減らすのにも役立つ。
【0010】
態様によっては、本発明のシステムは、既存のブタ農場のラグーンなどのラグーンと組み合わせて利用することもできる。そのようなラグーンと組み合わせた場合、本発明のシステムは、ラグーンの汚染物質を減らしてクリーンな淡水の池にするのに役立ち、及び/又は、ラグーンあたり生産できるブタなどの動物の頭数を増やすことを可能にする。さらに、本発明は、既存のラグーンから発生する悪臭を減らし水の流出による汚染を減らすのに役立つ。
【0011】
他の態様においては、本発明のシステムは、開放大気のラグーンではなく、水耶蘇の他の物質を保持する閉じたチャンバー又は容器と一緒に使用するように設計される。好ましくは、システムは、動物の排泄物をクリーンにしたり、処理する排泄物を運ぶために用いられる水が、閉じたチャンバー又は容器などの閉じたシステムで流れるシステムである。ラグーンではなく、このような閉じたチャンバー又は容器を用いることで、環境に放出される汚染物質の量を減らすことができ、同時に開放大気のラグーンを用いる動物農場につきものの悪臭問題も軽減される。さらに、閉じたチャンバー又は容器による閉じたシステムの使用は、所定の環境でヒトを含むいろいろな動物の廃水処理を可能にする。
【0012】
本発明の1つの態様は、廃水流出物を処理する新しいシステムにおける陰極液及び陽極液の利用を対象とするものである。陽極液及び陰極液は、電気化学的活性化と呼ばれる公知の方法によって生成される活性化された溶液である。本発明において、陽極液は、細菌、ウイルス、及び藻類に対する非常に強力な殺菌剤として用いられる。以下で詳しく説明するように、陽極液は液体の形態でもエアロゾルの形態でも効果的である。
【0013】
陰極液は、しばしば陽極液を作る方法の副産物と考えられている。それは一般に殺菌性はないと考えられている。しかし、本発明の用途では、陰極液はいくつかの利点がある。陰極液は、凝集(例えば、重金属の)、凝固、洗浄、及び抽出に有用である。陰極液は、また、本発明の処理方法で用いられる生物の健康と増殖を促進する。
【0014】
酸性又は中性の、好ましくはpHがそれぞれ2.5〜6.5及び6.5〜8.5の陽極液、及びアルカリ性の、好ましくはpHが8〜13の陰極液が、本発明の態様で用いられる。廃水流出物の処理で、陽極液は動物排泄物を収容する囲いをフラッシングする水を殺菌し、囲い内の動物と設備の悪臭と汚染物質を除去するのに有用である。殺菌しようとする水のpHを低下させないことが望ましい場合、あるいは酸との接触が設備を損傷するか、又は動物に有害である場合、中性陽極液を使用することが好ましい。陰極液は固形物を液体物質から分離するのを助け、また、水処理方法の効率を高める健康な細菌や藻類を促進する。
【0015】
さらに、陰極液で動物、並びに動物の囲い、をスプレーすることは動物の健康に有益である。例えば、マイナス・イオンは血液に吸収され、動物が食物を効率よく処理することを助ける。その結果、動物の健康が改善され、成長が早められ、及び/又は健康を維持するのにあまり食物を必要としない、と考えられる。さらに、動物とその囲いに陽極液でスプレーすると動物の健康が改善されるという説がある。陽極液は檻の床を消毒し、檻内部の空気を殺菌し、ブタ小屋から発生するアンモニア臭を減らすのに役立つ。その結果、動物が有害な空気を吸い込むことが減り、肺疾患の発生が少なくなる。
【0016】
本発明の別の態様は、動物農場で発生する固形排泄物を処理するシステムを対象とするものである。固形排泄物は陰極液と混合され、それが排泄物中のアンモニアの迅速な分解を促進する。固形排泄物に陽極液をスプレーすることによって悪臭をなくし、汚染成分が拡がるのを防ぐこともできる。このシステムは、固形排泄物から肥料を生成するのに、そしてそのような固形排泄物を移すのに安全な状態を作り出すことができる。
【0017】
本発明のこれらの及びその他の態様は、態様の詳細な説明でさらに詳しく説明する。
【0018】
発明の詳細な説明
以下の説明では、本発明を実施する特定の例示的態様を添付図面を参照して図によって説明する。これらの態様は、当業者が本発明を実施するのに十分な詳細にわたって記載されているが、他の態様を用いることもでき、本発明の範囲から逸脱することなく変更を加えることができることは言うまでもない。したがって、以下の説明は、制限的な意味に解してはならない。図面全体にわたって、可能な場合はいつでも、同じ又は同様のパーツを同じ参照数字で表す。
【0019】
本発明の一般的な方法を、以下で廃水処理のためのシステムの好ましい態様について説明する。このシステムは、以下で詳しく説明するように、すでに存在しているラグーンにも、新たに作られるラグーンにも応用でき、ラグーンを使用しないで応用することもできる。一般に閉じられたシステムを用いて動物農場からの流出を処理する好ましいシステムを図1に示す。このシステムは、好気的方法を用いて廃水中の有機物を迅速に除去又は分解して悪臭を抑える。硝酸塩の濃縮物を管理するためには嫌気的な脱硝システムが用いられる。当該システムは環境への水の放出を最小にする。さらに、アンモニア態窒素総量(TAN)及び環境に放出される汚染物質の量は、完全にゼロにはできないとしても大きく減少する。
【0020】
図1に示すように、動物は、檻などの囲い110に入れられ,囲いは定期的に清掃して糞尿を除去しなければならない。囲いの床は、例えばコンクリートで作られ、水を通さない排泄物保持装置111を規定する。保持装置の上には格子12が置かれ、動物はその上に立つ。動物は糞尿などの排泄物を産生し、これは格子の隙間を通って保持装置に落下する。
【0021】
ある態様においては、グラウンドフラッシュタンク100が水を貯えており、その水を用いて保持装置111を洗浄し、排泄物を希釈する。フラッシュタンクからの水流を制御するためにバルブ109が用いられる。バルブが開かれるとタンク100からの水が保持装置111の動物排泄物をフラッシングする。実際には、タンク100内の少量の水が短時間で排泄物保持装置に放出され、保持装置から排泄物を効果的にフラッシングする。
【0022】
別の態様においては、タンク100からの水はホースによって放出され、格子と排泄物保持装置にスプレーされる。ポンプを用いて水を強力にスプレーすることもできる。ある態様においては、タイマーを用いて定期的な間隔でバルブ109を自動的に開いて保持装置をクリーニングする。クリーニングの間隔は、所望により長くしたり短くしたりできる。例えば1時間に3回から4時間に1回という頻繁なクリーニングは、新しい糞尿によって大気に放出される悪臭の量を減らすのに役立つ。
【0023】
上述のように、本発明の態様によっては陽極液と陰極液を用いることができる。図24は、任意に陽極液と陰極液を導入できる本発明のシステムにおけるいくつかの点への供給源230からの陽極液230aと陰極液230cの流れを示すフロー図である。ある態様においては、陽極液と陰極液は図示されたすべての点で用いられるが、他の態様においては陽極液と陰極液は図示された点の一つ又はいくつかでのみ用いられる。供給源230は陽極液と陰極液をその場で生成する機械であってもよく、あるいはまた、別の場所で生成された陽極液と陰極液を貯蔵する貯蔵装置であってもよい。
【0024】
本発明のある態様においては、図24に示すように、陽極液を用いて動物の囲い110をクリーニングし、殺菌し、消臭する。陽極液は、また、囲いの中の設備、並びに動物自身を殺菌するためにも用いられる。ある態様においては、陽極液のエアロゾル形態を囲いの中の空気にスプレーして、悪臭を減らし、囲いそのもの、動物、及び囲いの中の設備を消毒する。
【0025】
ある好ましい態様においては、エアロゾル形態の100%中性の陽極液が囲い110の中に放出される。陽極液は、囲いのアンモニア臭を減らし、ブタが吸い込む空気を清浄にする。こうしてクリーンになった空気は、ブタの肺疾患の発生を減らし、健康なブタが得られる。
【0026】
上述のように、陽極液と陰極液はその場で機械によって生成することができる。ある態様においては、機械230が当業者に知られている電気化学方法で水から陰極液と陽極液を生成する。新たに生成された陽極液及び/又は陰極液の供給は、システムに対して機械から直接に、又は保持タンク(図示せず)によって実行できる。例えば、陽極液は囲い110に直接散布することも、あるいはまた、タンク100の水に加えて、それを用いて囲い110をクリーニング又は消毒することもできる。
【0027】
再び図1を参照して、フラッシュタンク100の体積は所望の任意な体積を選んでもよく、囲い110の動物のタイプと重量に左右される。例えば、動物がブタであれば、タンク100の体積は、好ましくは、囲い110に入れるブタの1 Kgあたり0.10〜0.20リットルである。
【0028】
得られた動物排泄物の希釈物は保持装置111から保管区域に流れ込む。保管区域は、フラッシュタンク100から動物排泄物をクリーンにするために放出される水を保持できるだけ十分に大きくなければならない。ある態様においては、保管区域は混合タンク120であり、それは地面の上又は下に置くことができる。混合タンク120は水と排泄物を混合する混合デバイスを含む。タンク120の体積は、保持装置111をクリーニングしたときに発生する廃水を保持するに十分でなければならない。体積はフラッシュタンクの体積の少なくとも1.5〜2倍あることが好ましい。混合タンクを用いない場合、混合デバイスなしの貯蔵タンクを用いて、保持装置をクリーニングするのに用いた水が処理されるのを待つ間、それを保持する。
【0029】
混合タンクを含むある態様においては、動物の排泄物と水は、混合されて廃水に比較的均一なコンシステンシーを与え、混合物中の糞粒子のサイズを減少させ、それによって後の工程段階がより効率的になる。混合タンクは、当業者に知られている任意の混合装置を組み込むことができる。例えば、1又は複数のプロペラを用いることができる。
【0030】
任意に、空気、酸素、オゾン、又はそれらの混合物など、酸素含有ガスを混合タンクに導入することができる。ガスは、例えば、タンク内に配置された噴射器によって加えることができる。ある態様においては、ガスは、以下で説明するようにこの用途に設計されたミキシング・エダクターによって加えられる。酸素含有ガスを加えることは、好気性細菌が、例えば、アンモニアを亜硝酸塩に、そして亜硝酸塩を硝酸塩に還元することによって混合物の分解を開始することを助ける。
【0031】
ある好ましい態様においては、アルカリ性の陰極液が混合タンクに加えられる。陰極液は凝集方法をスタートさせ、排泄物中の重金属が沈澱するのを助ける。この段階で陰極液を加えることは、固体排泄物と廃水の良好な分離を促進し、処理方法全体を効率的にする。混合タンクには、任意の供給源からの活性陰極液を、混合タンク中の動物排泄物と陰極液の迅速且つ効率的な混合を促進する任意の方法で加えることができる。この好ましい態様においては、陰極液は水から陰極液と陽極液を電気化学方法で作り出す機械によってその場で生成される。新しく生成された陰極液の供給は、機械から、又は保持タンクから混合タンクへと、図24のブロック図に一般的に示すように行われる。例えば、陰極液は、タンク120に直接に、又はタンクの上流でタンクに流れ込む廃水流に加えられる。陰極液の添加量は、混合チャンバーにおける汚染物質、例えば重金属、の所望の凝集量、並びにチャンバーにおける所望の細菌増殖の程度、に基づいて選ぶことができる。例えば、陰極液は、混合タンク中の廃水の全体積の約1〜約30パーセントの範囲の濃度になるように加えることができる。
【0032】
保持装置111のクリーニングを自動的にコントロールするために用いられるフラッシュタンクと混合タンクの一例を、ここで図14と15を参照して説明する。図14は、自動クリーニングが望まれる場合に使用できるフラッシュタンク100の一例を示す。タンクは、タンク内の水位を示すフローティングスイッチ103を含む。水がタンクで望まれる最大レベルに達したときにフラッシュタンクからの水流を導くオーバーフロー102が設けられている。図14に示すタンクは単なる例であり、水の十分な供給を維持するのに適した当業者に知られているいずれの容器も本発明で使用できる。
【0033】
図15は、自動クリーニングが望まれる場合に使用できる混合タンク120の一例を示す。タンクはフローティングスイッチ121,122,及び123を含む。フローティングスイッチ121は、タンク内で望ましい最大水位に達して、フラッシュバルブ109を閉じるべきときを決定する。スイッチ122は、フラッシュバルブ109を開いてさらに廃水を保持装置111を通して混合タンク120に流し込むときの混合タンクにおけるレベルを決定するのに用いられる。スイッチ123は、混合タンク120で最小水位に達して、混合タンク120から処理システムの他の部分への流れをストップすべきときを決定するために用いられる。
【0034】
ある態様においては、スイッチ121と122がフラッシュタンク100のスイッチ103との組み合わせで働いて、フラッシュバルブ109を開く又は閉じるときを信号で知らせる。これらのスイッチからの信号はバルブ制御手段(図示せず)によって受信されて、それがバルブ109を開いたり閉じたりする。例えば、フラッシュタンクが保持装置111をクリーニングするために必要な水を供給するのに十分に満たされ、混合タンクが入ってくる廃水を受け入れるのに十分に空になるまで、バルブ109は閉じたままになっており、その時点でスイッチ122と103が両方共オンになり、バルブ制御手段に信号を送ってフラッシュバルブ109を開いて保持装置111をクリーニングさせる。しかし、スイッチ122がオンであってスイッチ103がオフである場合、又はその逆の場合、フラッシュバルブは閉じたままになる。混合タンクの中の水が所望の最大水位に達すると、スイッチ121がオンになって、バルブ109が閉じる。
【0035】
バルブ109を開閉するバルブ制御手段は、当業者に知られているいずれの手段であってもよく、例えば、バルブを駆動する電気モーター及びスイッチからの信号を処理するマイクロプロセッサー又は電気接触器、などであってよい。別の態様においては、フラッシングの間の時間を制御するためにタイマーがシステムに追加される。タイマーは、スイッチ121,122,及び123と組み合わせで働いて、クリーニングの間に望ましい時間が経過すると、保持装置111をクリーニングするようにバルブ109が開く。ただし、フラッシュタンクが保持装置111をクリーニングするのに必要な水を供給できるだけ十分に満たされていて、混合タンクが十分に空になっていて入ってくる廃水を受け入れられる場合に限られる。
【0036】
再び図1を参照すると、混合タンク120内で糞と水が良く混合された後、混合物はポンプ129によって固形物セパレーターに送られる。ポンプ129は、例えば、固形物を含む物質を効果的に固形物セパレーター130に移送できるスクリュー・ポンプである。当業者に知られている他のタイプのポンプを用いることもできる。ポンプは、廃水処理システムの要求を満たすように、システムを流れる廃水の流量によって決まる適当なサイズにする。好ましくは、ポンプのサイズは、毎時、動物の体重1Kgあたり少なくとも0.15〜3.0リットルという流量が得られるように選択される。ある態様においては、混合タンク120のスイッチ121と123からの信号が、混合タンク120内で最小量の廃水、例えばタンク120の体積の20%の量、を維持するようにポンプ129を制御する。タンク120内の廃水がこの最小レベルまで減少すると、スイッチ123がポンプ129にストップするように信号を出す。同様に、混合タンク120において水位が望ましい最小レベルを超えて増加すると、スイッチ123がポンプ129にポンピングを開始するように信号を出す。
【0037】
固形物分離段階130は、当業者に知られているあらゆるタイプの固体/液体分離システムを用いて行ってもよい。当業者に知られているシステムの例としては、重力スクリーン、ディスク・スクリーン、ドラム、ベルト、スクリュー・プレス・スクリーン、及びフィルター・システムなどがある。用いられる分離システムのタイプは、システムのコスト、混合物から分離することが望まれる固形物のパーセンテージ、及び除去された固形物の望ましい水分含有量、によって決まる。分離システムは、当該分離システムが廃水流を確実に処理できるように、ポンプ129によって供給されものよりも大きな廃水流を処理する能力を有する必要がある。好ましくは、分離システムは、ポンプ129の最大流量より20%超の流量を処理するように設計される。
【0038】
糞尿と水の混合物から分離された固体は、図1に示した排泄物コレクター150に回収され、そこで、所望により、さらに処理されて残っている液体を固体排泄物から分離することができる追加の分離を採用する場合、残っている液体は、任意に、ポンプ156によって泡分別セパレーター(FFS)に送り返すことができる。コレクター150の乾燥排泄物中の有毒汚染物質、例えば重金属、の濃度を分析しなければならない。汚染物質のレベルが安全なものである場合、コレクター150からの固体排泄物154は肥料として用いるか、エタノールの製造用として販売することができる。汚染物質のレベルが安全なものでない場合、固体排泄物は、当業者に知られている特別な排泄物処理プラントに送らなければならない。ある態様においては、図24に示すように、固体排泄物154は、陽極液を用いて、例えば、排泄物が消毒され、消臭されるのを補助するように、陽極液を排泄物に散布することによって処理することができる。
【0039】
再び図1を参照すると、糞尿と水の混合物から分離された廃水はFFS140に流れ込み、そこでは空気、酸素ガス、及び/又はオゾンの泡が水に導入され、汚染物質、例えば溶存有機化合物(DOC)、油脂、フェノール、粒状物質、及び蛋白質、がトラップされて水から分離される。FFSは、また、水中の溶解酸素のレベルを高め、同時に水を脱気する。FFSは、DOC、TAN、及び悪臭を除去するのに役立つ。好ましくは、オゾンは、有機物を溶解し捕集することを助け、不所望の細菌、ウイルス、その他の生物を殺すので、オゾンがこの方法で用いられる。泡によってトラップされた汚染物質は、FFSの最上部で水面に生ずる泡に回収される。その他の重い物質は底に沈着し、そこで回収してドレーンバルブ206によってFFSから除去される。
【0040】
ある態様においては、処理の際に陰極液がFFSに加えられる。廃水がFFSを通って流れるときに、陰極液の存在によってFFSが効率的に作動できる。陰極液は重金属の凝集と排泄物粒子のイオン化を助け、沈着と浮遊によって水からこれらの粒子が分離することを促進する。陰極液は、直接にFFSタンクに加えても、FFSの上流でFFSに流れ込む廃水流に加えてもよい。陰極液は、当業者に知られているいずれの手段によって、例えばドリッピング、流し込み、スプレー、又はジェット・ミキシング・エダクターを用いて加えてもよい。ある態様においては、以下で詳しく説明するように陰極液はエダクターによってFFSに導入される。加えられる陰極液の量はFFSにおける汚染物質の分離の量を最適化するように選択される。例えば、陰極液は、FFSにおける廃水の総量の約1〜約30パーセントという範囲の濃度になるように加えられる。
【0041】
FFS140のサイズは、部分的には、固形物分離段階130の後の廃水に残る固形物の量に左右される。残る固形物の量が少ないほど、FFSは小さくてもよい。したがって、廃水から比較的高い比率の固形物を分離する機械的な固形物セパレーターを選ぶことがコスト効率が高いであろう。FFS140は所望の任意なサイズであってもよいが、ポンプ129によって供給される流量よりも大きな流量で廃水を処理する能力を有し、ポンプ190からシステムを通って水を再循環させることが可能であることが好ましい。例えば、ある好ましい態様においては、FFS140はポンプ129によって供給される流量の少なくとも6倍大きな流量で廃水を処理する能力を有する。FFSについては、以下でさらに詳しく説明する。
【0042】
ある態様においては、フィルターをFFSと共に用いて固形物を水からさらに濾過する。当業者に知られているいずれのタイプのフィルター、例えばスクリーンなどの機械的フィルター、を用いてもよい。フィルターはFFSの前、又は後、又はFFSの前と後の両方に配置してもよい。
【0043】
システムの効率は、図5に示すように、複数のFFSシステムをインラインで用いて高めることができる。例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つ以上のFFSを用いることができる。その数は、方法のこの段階で陰極液を用いるかどうかによる。陰極液が粒子の除去を助ける場合には、少ない数のシステムでも十分だからである。態様によっては、オゾン・ガスを1又は複数のインラインFFSシステムのガス混合物に加えてさらに効率を高める。ある態様においては、オゾン・ガスを1又は複数のインラインFFSシステムに加えるが、最後のFFSには加えずに、インラインFFSシステムを出てゆく前に水からオゾンを脱気できるようにする。
【0044】
複数のFFSシステムにおいて一つのFFSから別のFFSへ水を強制的に流すために当業者に知られているあらゆる手段を用いることができる。ある態様においては、図21に示すように、サイズが異なる複数のFFSが最大のものから最小のものへ順番にインラインで配置され、各FFSからの水が重力によって各引き続くFFSに流れることができるようになっている。別の態様においては、図2mに示すように、サイズが同じ又は同様な複数のFFSが異なる高さで最も高いものから最も低いものまで順番にインラインで配置され、これも各FFSからの水が重力によって各引き続くFFSに流れることができるようになっている。これらのインラインFFSシステムの態様は、ワン・パスで水の中に溶解している物質の50%以上まで除去するように設計できる。ここで、ワン・パスは、約99%の水がインライン・システムを通過するのにかかる次のような時間である:
【数1】

例えば、3つのインラインFFSのシステムで、各FFSの体積が300ガロンであり、システムを通る流量が1800ガロン/時間である場合、
【数2】

である
【0045】
本発明のFFSシステムは、淡水及び塩水の両方でいくつかの溶解した又は溶解していない有機及び無機の物質を除去することができる。FFSによって水から除去される物質の例としては、以下の一つ以上を含む有機又は無機の物質があげられる:すなわち、有機窒素含有化合物、無機窒素含有化合物、有機リン含有化合物、無機リン含有化合物、有機カリウム含有化合物、無機カリウム含有化合物、有機硫黄含有化合物、無機硫黄含有化合物、ホウ素、亜鉛、マンガン、鉄、銅、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウム。態様によっては、水に溶解したナトリウムは除去されない。
【0046】
再び図1を参照すると、FFSの底から回収した固形物は排泄物コレクター150に移され、上述のように、固形物セパレーター130から除去された固形物と同様に貯蔵され処理される。
【0047】
FFSにおける泡排泄物は別のタンクに回収される。FFSに導入されたガスが泡をFFSから押し出して、貯蔵用の別のタンクに移される。泡を収容するタンクは、泡から放出される有害な放出物を除去するために活性炭を含む排気システムを備えることが好ましい。泡は、重力によって泡が落ち着いて液体の形に戻るように、ある時間静かに放置される。得られた液体は乾燥され、上述のように固形物セパレーター130から除去された固形物と同様に処理される。
【0048】
再び図1を参照すると、FFSからのクリーンな水の流れはバイオフィルター160に流れ込む。バイオフィルターは好気性細菌処理を用いてアンモニア態窒素総量(TAN)を硝酸塩に還元する。処理される水は、好ましくは大きな表面積を有し好気性細菌がコロニーを形成している支持培地(support media)を含むチャンバーを通して流される。酸素含有ガスはチャンバーに導入され、好気性細菌処理の効率を高める。
【0049】
ある態様においては、バイオフィルター160のチャンバー内の培地はタンクの水と水又はガス混合ジェットを用いて混合される。ガス混合ジェットが用いられる場合、酸素含有ガスは、タンク160に導入され、TANを還元する好気性細菌の効率を高める。ガスはガス供給源145から供給することができ、ガス供給源としては、例えば、周囲大気からの屋外空気も含まれる。
【0050】
好気性細菌は、水中に存在して繁殖し、システムを作動させるとチャンバーの培地でコロニーを形成する。段階2で用いられる好気性細菌のタイプとしては、例えば、ニトロソモナス(nitrosomonas)及びニトロバクター(nitrobacter)細菌などがある。これらの天然の細菌は廃水中のアンモニアと亜硝酸塩を分解して硝酸塩を形成する。ある好ましい態様においては、陰極液がバイオフィルターに存在して水からアンモニアと硝酸塩を除去するのを助けるよう、十分な陰極液を加えられる。例えば、陰極液は、バイオフィルター・タンクの全廃水体積の約1〜約20パーセントという範囲の濃度になるように加えることができる。陰極液は細菌の健康と増殖を改善し、それがさらにずっと効果的な濾過方法を可能にする。陰極液はタンク160に直接加えても、タンクの上流でタンクに流れ込む廃水流に加えてもよい。陰極液は、当業者に知られている任意の手段によって、例えばドリッピング、スプレー、流し込み、又はジェットの使用などによって、加えてもよい。ある好ましい態様においては、以下でさらに詳しく説明するように、陰極液はエダクターによって加えられる。
【0051】
タンク160の底は、好ましくは円錐形に成形することで、底に沈着する排泄物を効率的に回収できるようにする。タンクの底にあるフラッシュバルブによって、回収した排泄物を定期的に除去することができ、図1に示すように、それらは次にコレクター150に流れ込み、そこで上述のように処理される。バイオフィルター160は所望とする任意のサイズであってもよいが、ポンプ129によって供給される流量よりも大きな流量で廃水を処理する能力を有し、ポンプ190からシステムを通って水を再循環させることが可能であることが好ましい。ある好ましい態様においては、バイオフィルター160はポンプ129によって供給される流量の少なくとも6倍大きな流量で廃水を処理する能力を有する。本発明の方法では、当業者に知られているいずれのバイオフィルターも使用できるが、新しい好ましいバイオフィルターの一例を以下でさらに詳しく説明する。
【0052】
図1のシステムで、バイオフィルター160からの水の一部は保持タンク170に流れ込み、残りの部分は脱硝システム180に流れて硝酸塩のレベルを低下させてから保持タンクに流れ込む。脱硝システムに流れる量は、所望とする硝酸塩レベルの低下に従い選択してもよい。例えば、バイオフィルターから流れる水の体積の約5〜約20パーセントを脱硝システムに流してもよい。水は、バイオフィルターから脱硝システムに重力の作用によって流れるようにしてエネルギー・コストを減らすことができる。あるいはまた、水はポンプによって脱硝システムに送ってもよい。別の態様においては、保持タンク170の水は、例えばポンプ190を用いて脱硝システム180に送ることができる。
【0053】
脱硝システム180は、図1の閉じたシステムにおける硝酸塩レベルを所望のレベルに維持することを可能にする。硝酸塩は動物の排泄物から生物濾過段階で起こるような細菌による分解で形成される。上述のように、硝酸塩は環境にとって深刻な問題になる。水の硝酸塩レベルを管理するために、当業者に知られているいずれの脱硝システムを用いてもよい。
【0054】
硝酸塩を除去するための好ましい脱硝システムの一つのタイプ、Nitrafixシステムと呼ばれるシステム、が2003年9月30日出願の、オートトロフィック・硫黄脱硝チャンバーとカルシウム反応器、という表題の同時継続出願番号第10/673,634号、及び2004年9月30日出願の、オートトロフィック・硫黄脱硝チャンバーとカルシウム反応器、という表題の一部継続出願、代理人整理番号09286.0001-02000に記載されており、両方共参照によって全体が本明細書に組み入れられる。ある特に好ましいNitrafixシステムが、以下でさらに詳しく説明する。Nitrafixシステムが好ましいが、硝酸塩を除去するための当業者に知られているいずれのシステムも用いることができる。
【0055】
脱硝システム180で回収した排泄物は、所望により、コレクター150に流れ込み、そこで上述のようにさらに処理される。この好ましい態様においては、陰極液が、直接又は間接に、脱硝システムに加えられる。これも、上記の2004年9月30日出願の、オートトロフィック・硫黄脱硝チャンバーとカルシウム反応器、という表題の一部継続出願、代理人整理番号09286.0001-02000に記載されている。陰極液は、細菌の健康と増殖を改善し、それは脱硝システムにおける硝酸塩の除去を助ける。陰極液の添加量は、廃水からの硝酸塩の除去を最適にするように選ぶことができる。例えば、廃水処理のためには、添加する濃度は、脱硝システムを流れる水の体積の約1〜約20パーセント以上という範囲になる。
【0056】
再び図1を参照すると、水は脱硝システム180から保持タンク170へ流れる。保持タンクは地上にあっても、地下にあってもよい。保持タンクは水を保持するためのいずれの容器であってもよい。例えば、ラグーン、池、又は地上のタンク、又は地下のタンクであってもよい。ラグーンは、以前に廃水を保持するために用いたものであってもよいが、例えばポンプ190を用いてラグーンからFFSへ水を送ることによってクリーニングするために本発明のシステムが追加されたものである。タンクは、開放されていても閉じたものであってもよいが、好ましくはガス放出を抑えるために閉じられている。好ましくは、水と水によって運ばれる生成物の流れは閉じたシステムで動物がいて糞尿を産生している場所から流れ出て、又その場所へ流れ込む。
【0057】
保持タンク170の体積は、システムのニーズに応じられる任意な所望のサイズを選んでもよい。ある態様においては、タンク170の体積は、タンク100の体積の1.5〜6倍の範囲にあり、さらに好ましくはタンク100の体積の2倍である。任意のサイズのラグーン又は池をタンク170として用いることもできる。
【0058】
本発明で用いることができる保持タンクの1つの態様を図16に示す。この態様は、フローティングスイッチ171と172を用いてタンク内の水位をコントロールする。スイッチ171は、所望の最大水位に達したときを表示して、システムを通る水流を適宜コントロールする。最大水位に達すると、スイッチ171はオンになってポンプ129に信号を出してタンクへ水をポンプで送ることをストップさせる。スイッチ172は、所望の最小水位に達したときを表示する。最小水位に達すると、スイッチ172がオンになって、ポンプ175及び/又はポンプ190に信号を出してタンクから水をポンプで送り出すのをストップさせる。
【0059】
保持タンクから、水はポンプ175を用いてフラッシュタンク100へ戻される。あるいはまた、所望の水質を得るためにはさらに処理することが必要であると判断した場合、水の一部又は全部をFFS、バイオフィルター、及び/又は脱硝システム180で再処理するために還流することもできる。
【0060】
別の態様においては、藻類を用いて酸素を加え、pHを高め、リン酸塩、硫酸塩、及び残っている硝酸塩を水から除去するオキシタワーと呼ばれるシステムが図1のシステムで用いられる。オキシタワーについては以下で詳しく説明する。図1に示すように、ポンプ190は保持タンク170からオキシタワー210へ水を送ることができる。あるいはまた、バイオフィルター160からの水は、タンク170へ流す前にオキシタワーへ流してもよい。いずれの態様でも、オキシタワーからのクリーンな水は保持タンク170に直接還流させることができる。
【0061】
図1に示すように、保持タンク170由来の水はタンク100に戻される。ある態様においては、水はUV殺菌装置200を通ってからタンク100に戻る。UV殺菌装置は細菌やウイルスなどの病原体を殺す。さらに、フィルターをシステムに加えて、水がUV殺菌装置の前にこのフィルターを通るようにすることができる。フィルターは、スクリーンなどの機械的フィルターであってよい。
【0062】
ある好ましい態様において、フラッシュタンク100の水は、囲い110に流す前に、陽極液が加えられる。フラッシュタンクに陽極液が存在すると、微生物と藻類を殺すことによって水を殺菌するのに役立つ。水が囲い110に流れ込むと、陽極液は囲い自体を消毒し、放出される悪臭を減らすのに役立つ。陽極液の添加はまた、ウイルスがブタの間でやりとりされることを防ぐ。排泄物が高レベルであるため、陽極液はこの水で用いるのに安全である。陽極液は排泄物と接触すると中和されるからである。陽極液はUV殺菌装置の代わりに用いることができる。
【0063】
ある態様においては、ポンプ175と190がシステムを通る所望の流れをもたらす。ポンプ175はフラッシュタンクに十分に供給するために必要な流量をもたらす。好ましくは、ポンプ175はポンプ129によってもたらされる流量の1〜2倍の流量を供給する。ポンプ190は、ラグーンからFFS、バイオフィルター、脱硝システム、及び/又はオキシタワーへの所望の流量を与える。好ましくは、ポンプ190はポンプ129によって与えられる流量の1〜10倍の流量を供給する。
【0064】
フラッシュタンク100からの水は、オーバーフロー・ストリーム102によって時々環境に放出される。環境に放出される汚染物質の数を最小にするために、フラッシュタンクから放出される水は、硝酸塩濃度が100 ppm以下でなければならない。ある態様においては、水が環境に放出される前に、脱硝システムを用いてオーバーフロー・ストリーム102から硝酸塩を除去する。硝酸塩除去システムは、硝酸塩除去システム180に加えて、又はその代わりに用いられる。脱硝システム223は、前述した脱硝システム180と同じであっても、異なっていてもよい。脱硝システム223は、上述したNitrafix システムであっても、当業者に知られている他の脱硝システムであってもよい。
【0065】
図1は、脱硝システム223をどのように用いるかという一例を示す。この態様においては、フラッシュタンク102からの水は保持タンク220に流される。ポンプ221が保持タンク220の水をフィルター222と脱硝システム223を通して循環させて、水を環境に導入する前にその硝酸塩レベルを低下させる。ある態様においては、図24に示すように、水はタンク220からタンク224へ流れ、そこで陽極液で処理される。十分な陽極液をこの段階で加えて水を所望の程度まで消毒してから環境に放出する。
【0066】
図1のシステムで処理された水を繰り返し用いて保持装置111をクリーニングすることができるが、それでも処理の間に蒸発した水又は排泄物と共に除去された水の代わりに、水を新たに加える必要があるだろう。ある態様においては、糞と尿に排出される動物の飲み水が前記の処理ですでに使用された水に加えられ、これがシステムから失われた水の代わりとして必要なすべてであることもある。もしもそれで十分でない場合、追加の水を、例えばフラッシュタンクに加えることができる。
【0067】
図1のシステムは、当業者に知られている任意の手段によって、例えばシステムの自動制御を可能にするマイクロプロセッサー又は電気パネルを用いて制御することができる。タンク100,120,又は170で危険な水位に達した場合にアラームを用いて報知してあふれることを防ぐことができる。
【0068】
次に、図1の説明で上述したFFSについて、図2aから2jまでに示した特定の態様について詳しく説明する。FFSは、処理しようとする廃水を保持するタンク201を含む。タンク201に酸素含有ガスが導入され、それが泡となって水から軽い排泄物を回収して水面に上昇する。水中の重い排泄物はチャンバーの底に落ち着く。タンク201の中の廃水は好ましくは円運動で流れ、水から排泄物が分離される効率を高めるのを助ける。この理由については以下で詳しく述べる。
【0069】
タンク201はいずれの形状であってもよいが、FFSの内部での水の円運動を促進するような形であることが好ましい。ある態様においては、図2aに示すような円錐形の底部を有するシリンダーが用いられる。円錐形の底部は、処理の間にタンクの底に落ち着く排泄物を回収する助けとなる。ある態様においては、円錐形の底部は水平から45度以上の傾きを有する。ある好ましい態様においては、円錐形の底部は60度の傾きを有する。タンク201は、また、他の形態であってもよい、例えば辺が6又は8以上ある多角形の形のタンクであってもよい。
【0070】
バルブ206を有するドレーンパイプ205が排泄物の除去のためにタンクの底部に配置される。図2kに示す別の態様においては、二つのバルブドレーンシステムを用いてFFSタンクの底に沈積する固形物を回収し、同時にタンクからの水の損失を最小にする。ドレーンパイプに配置された上方のバルブ206aは、FFSが正常に機能している間は開いており、下方のバルブ206bは閉じたままである。バルブの間のスペースは、沈積した固形物を保持するために用いられ、沈積した固形物が除去される前に予め選択量の沈積した固形物を保持するために形成されたいろいろな形の囲いであってよい。水管205bは、好ましくは、バルブ206aの下とバルブ206bの上の間にあるドレーンパイプ205の部分と開放大気との間の流体接続を提供する。バルブ206bが閉じられバルブ206aが開いているとき、水と沈積する固形物はバルブ206aの下とバルブ206bの上の間のスペースに流れ込み、流体は水管205bをFFS内の水の高さまで満たす。ドレーンパイプ205aに固形物がたまった後、固形物は、バルブ206aを閉じバルブ206bを開くことによって除去することができ、それによってタンク101から余分な水を排出することなく固形物を排出することができる。水管205bの中の流体も流れ落ち、そのスペースにある固形物の除去を助ける。パイプ205の全部又は一部、図2aと2kにおけるセクション205aなど、を透明にして、回収した固形物のレベルの目視検査が可能になるようにしてもよい。任意のタイプの透明パイプ、例えば透明PVCなど、を用いることができる。使用できる別の二つのバルブドレーンシステムを、以下で図22に関して説明する。
【0071】
タンク201のサイズと寸法は、処理される廃水の量、それを保持する囲いの限られたスペース、並びにその他の要因によって異なる。泡と水の接触時間を長くするためには、背の高いタンクが好ましい。例えば、図2eに示すように、タンク201の形が円錐形の底部を有するシリンダーである場合、タンクの円筒部分の高さHtは直径Dの1〜5倍又はそれ以上であることが好ましい。Ht対Dの比が大きいほど、同じ量の電力を使用してもFFSにおけるガス泡と液体の接触時間を長くできる。例えば、態様によっては、Ht対Dの比は約2、3、又は4である。図2eのタンクの円錐部分は、重い排泄物と沈澱が底にたまることができるように十分に深くなければならない。タンクはスタンド(図示せず)又はその他の手段によって支えることができる。
【0072】
1又は複数のジェット・ミキサー204をタンク201の両側に設置することが好ましい。ジェット・ミキサーは水がタンクの内側周囲を循環する方向で流れるように強制するために配置される。ある態様においては、二つのジェット・ミキサー204は、図2bに示すように、タンクの反対側に、反対方向を向いて配置される。図2cに示すように、ジェット・ミキサーは、ジェット・ミキサー204の中心長手軸と、タンクの曲がった表面とパイプ211の中心長手軸の交点でタンクの曲がった表面に垂直な線との間の角度と定義される角θ1で配置される。θ1の値は0から90°、さらに好ましくは30°から60°の範囲にある。最も好ましい態様においては、θ1は約45°である。ジェット・ミキサーは、また、図2dに示すように、水平から角度Φ2で少し上向きに配置され、その結果、水がタンクの内側を周る際に上向きに流れるようになる。Φ2の値は0から50°、さらに好ましくは10°から20°の範囲にある。好ましくは、ジェット・ミキサーはミキシング・エダクターであり、以下でさらに詳しく説明する。
【0073】
図2bを参照すると、ジェット・ミキサーとガス供給部とを繋ぐ管207がタンク201の側面を通して配置され、酸素含有ガスがジェット・ミキサーに供給される水と混合できるようになっている。ガスが空気である場合、ガス供給部はFFSタンクの外の開放大気であってもよい。図2aを参照すると、管207はジェット・ミキサーの管204cに気密な様式で繋がれる。これは図3cに良く示されている。こうして、管207を通ってミキシング・エダクターの方へガス源から流れるガスは管204cを通ってミキシング・チャンネルに流れ込む。管207の直径Diは管204cの直径Deの1〜10倍の範囲にある。ある態様においては、DiはDeの3〜4倍の範囲にある。例えば、直径Deは1/8〜1インチの範囲にあるが、直径Diは1インチよりも大きい。管207の直径Diが管204cの直径Deに対して大きいほど、ジェット・ミキサーへのガス流を大きくすることができ、したがってFFSタンクで水に導入されるガス泡の体積も大きくなる。
【0074】
ポンプ209はパイプ208を通して廃水をタンクから吸引し、それをパイプ211を通してジェット・ミキサーへ比較的高圧で強制的に向かわせることよってタンクに還流させる。パイプ208,ジェット・ミキサー204,及びパイプ211は、タンク内で、所望により、高く又は低く配置することができる。別の態様においては、ジェット・ミキサーは、タンク内で二つ以上の高さに配置され、複数レベルのジェット・ミキサーを形成する。例えば、ジェット・ミキサーは、タンクの下方及び/又は中央及び/又は上方部分に配置できる。それに応じてパイプ208とパイプ211も、タンク内のいろいろな位置、例えばタンクの中央又は上方部分に水を還流させる。別の態様においては、水はタンクの外側の供給源からポンプでジェット・ミキサーに送られる。上述のように、陰極液をFFSに添加することができる。ある態様においては、以下で詳しく説明するように、陰極液がジェット・ミキサー204によってFFSに導入される。
【0075】
再び図2aを参照すると、水はインレット202を通ってFFSタンク201に入る。インレット202はタンク内の水位よりも高い位置にあってタンクへの流れが圧力によって制限されないようにすることができる。例えば、インレット202は、図2aに示すように、タンク101の側面に、又は図2kに示すように、タンク201の上面に、所望の水位よりも高い位置に配置することができる。水は、図2bに示すように、アウトレットパイプ203を通ってタンクから流出する。アウトレットは、タンク内の循環的な流れを最適化するように配置することが好ましい。ある態様においては、アウトレットパイプ203はタンクの下半分にある開口部から水平に出ており、図2eに示すように、タンクの側面から距離“L”だけ伸びている。距離“L”が短いほど、タンクの内側の流れはパイプのまわりを流れる水によって邪魔されない。しかし、コリオリ効果のために、アウトレットを中心長手軸“A”に、又はその近くに配置するとタンク内の運動の循環的な流れは強められる。Lの値は、アウトレットがタンク壁の側面に位置する0という値から、タンク内の任意の距離までにわたるが、さらに好ましくは、図2eに示すように、0から1/2 Dまでの範囲の距離である、ここで“D”はタンクの直径である。ある態様においては、Lは約1インチから約1/3 Dまで、又は約1/8 Dから約1/4 Dまでの範囲にある。
【0076】
さらに、アウトレット203の開口部は、タンク内で任意の方向に向くように調整することができる。例えば、図2fはアウトレット203の開口部が下を向いている態様であり、これは底に沈積しつつある排泄物が開口部に吸い込まれることを防ぐのを助ける。別の態様においては、アウトレットパイプ203の開口部は上向きであり、これはコリオリ効果によって水の円運動を促進する。さらに別の態様においては、アウトレットの開口部は少し下向きに又は少し上向きに曲げられることがある。
【0077】
インレット及びアウトレットパイプは、図示されたもの以外にタンク内の別の位置に配置してもよい。例えばインレット202は水の表面レベルより下、例えばタンクの下方又は中央部分に配置することができる。アウトレット203は、タンクの円錐底部部分を含めてタンクの下半分のどこに配置してもよい。好ましくは、アウトレットはタンクのできるだけ低い部分に、ただしタンクの底にたまる沈澱を除去するほど低くない位置に配置される。
【0078】
ある態様においては、アウトレットパイプは、タンク内の水位をコントロールするために調整可能である。図2fを参照すると、アウトレットパイプ203のチャンバーの外側部分はタンクから高さH1まで上へ伸びており、それがタンク内の水位を決定する。アウトレットパイプ203aの下方セクションを上方セクション203cに結合するのに伸縮カプリング203bが用いられており、セクション203cはカプリング203bの内部で上下にスライドして高さH1を減少させたり増加させたりできる。同様に、水位は、図2fの態様でパイプ203をタンクの内側で調整可能にすることによってもコントロールすることができる。
【0079】
次に、図2gを参照すると、コレクタープレート212を用いてタンク201の動作時に水の表面に生ずる泡を回収する。コレクタープレートは、図2gに示すように、平ら又は曲がった、矩形プレートでタンクの内面から半径方向にタンクの中央部分まで伸びている。コレクタープレート212の詳しい位置は、水の表面からの泡の回収を最適にするように調整できる。図2hに示すように、タンク表面とプレートに取り付けられた支持アーム215がプレートをその位置に保持するのを助ける。コレクタープレート212はタンクの内側に、水面から垂直に上向きに伸びるように位置し、図2gに示すように、プレートの下方エッジは水面、又はそのすぐ下にある。ある態様においては、プレートには孔213が形成されて水が通過できるようになっている。泡のアウトレット214がタンクの側面に、図2gに示すように、コレクタープレート212のすぐ前方に位置している。別の態様においては、泡のアウトレット214は傾斜部216を備え、それが水の表面からの泡の除去を容易にする。動作時には、泡は水の回転によって押し出され傾斜216からアウトレット214へ上昇する。
【0080】
ある好ましい態様においては、図2iと2jに示すように、傾斜部216はコレクタープレート212とタンクの内面の間に位置している。この傾斜が水面から泡をすくい取り、それを上方へガイドして泡アウトレットパイプ214bを通過させる。傾斜は水面から泡アウトレット214bへ導く傾き、例えば水平から1〜20パーセントの、さらに好ましくは水平から1〜10パーセントの傾きを有することがある。さらに図2iと2jに示すように、当該傾斜は、アウトレットパイプ214bが泡の流れの方向に整列することを可能にするようにタンク201の垂直な壁から伸びている延伸部分214aを含む。泡の流れの方向とアウトレットパイプ214bの整列はタンク201からの泡の流れ出しを改善する。
【0081】
さらに、アウトレットパイプ214bは、泡が比較的容易に流れて通ることができるために十分な直径をもたなければならない。ある態様においては、アウトレットパイプ214bの直径は、6〜8インチ以上である。
【0082】
所望により、高圧ジェット・システムをタンクに設置してFFSの内側丈夫を自動的にクリーニングするようにできる。例えば、水のジェット217を配置してランプ216の表面と泡アウトレットパイプ214をクリーニングすることができる。水ジェットをタイマーで作動させてFFSの自動クリーニングを可能にすることができる。
【0083】
図2hにおいて反時計方向に流れるように示されている水は、図2gに示すように、コレクタープレート212の孔213を通って流れることができ、その結果、表面の循環的な水流は完全に妨げられない。しかし、孔213は、泡がプレートの表面に回収され、泡アウトレット214を通って強制的にタンクから押し出されるように、水面の泡がそれを通って流れるのを実質的に阻止するのに十分なほど小さいことが好ましい。
【0084】
動作時には、酸素含有ガスは、FFSタンク201に管207を通して導入され、ジェット・ミキサー204によって水と混合されて小さな泡を形成する。用いることができる酸素含有ガスの例は、空気、酸素ガス(O2)、及びオゾン(O3)などである。好ましくは、有機物を酸化し、細菌、ウイルス、及びその他の水中の生物を殺すためにオゾンが用いられる。オゾンは、例えばオゾン発生器によって供給でき、モニタリング・システムを用いてオゾン発生器によって発生されるオゾンの量をコントロールできる。そのようなオゾン発生器とモニタリング・システムは当業者には周知である。
【0085】
ジェット・ミキサー204は、排泄物と泡の混合物を強制してタンク内側のまわりで比較的速い円運動で循環させる。泡は、水中で上昇するにつれて、溶存有機化合物(DOC)、油脂、フェノール、粒状物質、蛋白質、その他の水中の排泄物、などの比較的軽い汚染物質をトラップする。汚染物質を含む泡は、水の表面で泡沫(foam)を形成する。泡沫は、泡コレクタープレート212によって回収され、上述のようにタンクから除去される。
【0086】
タンク内の水の円運動のために、泡が表面に昇るのに要する時間が増加することが想定される。この増加した水との接触時間によって、泡は汚染物質をトラップすることができ、FFSの効率が高められる。さらに、水がタンクの内側で十分速く円運動するように強制されると、水は渦を形成する。渦にはサイフォン効果があり、重い粒状物質、大きな沈澱と固体排泄物の片、などの重い排泄物質を渦の中心の方へ、さらに下方のタンクの底の方へ吸引し、そこに回収され、定期的にバルブ206を通してフラッシングされる。コリオリ効果のため、好ましくは、水の循環が北半球では時計回り、南半球では反時計回りになるようにミキシング・ジェットを配置して、チャンバーに渦が生ずるようにする。
【0087】
ある態様においては、タンク201はカバーをかけて悪臭が出るのを防ぐ。さらに、タンクから回収した泡はアウトレットパイプを通って流れて、換気口(図示せず)を備えた回収タンクへ行く。ある態様においては、換気口は、泡から放出されるガスに含まれる悪臭を除去するために活性炭を含む。ある好ましい態様においては、回収タンクに回収した泡は、悪臭を除去するために陽極液と混合してもよい。
【0088】
タンク、ミキシング・ジェット、及びパイプなどのFFSの構成要素は、同様の用途で当業者に知られている物質から作ることができる。例えば、いろいろなタイプのプラスチックや金属を用いることができる。そのような物質の具体的な例としては、PVC、ポリエチレン、ポリプロピレン、メタクリル酸又はアクリル酸プラスチック、グラスファイバー強化プラスチック(FRP)、又はステンレス鋼、などがある。
【0089】
FFSを用いて、重い有機物負荷の淡水、塩水、及び半塩水を処理することができる。他のタイプの液体の使用も考えられる。動物農場、養魚場、その他の水中養殖事業からの水を含むあらゆるタイプの廃水処理、及びし尿処理(下水)に対する本発明の応用、及び本発明の種々の構成要素の応用が考えられる。その他の応用、例えば飲料水処理、も考えられる。
【0090】
次に、FFSで使用されるジェット・ミキサー204を詳しく説明する。ジェット・ミキサーのある好ましい態様を図3aに示す。この特定のジェット・ミキサーはミキシング・エダクターとして知られている。204は、比較的少量の電力を用いて比較的大量のガスを液体に混合させることができる。ミキシング・チャンネル204bは、フレア状インレット領域204fとフレア状アウトレット領域204gを含み、これは概して円筒形のネック領域204eで繋がれている。
【0091】
エダクターのインレットチャンネル204aは、例えばノズルであってもよく、ミキシング・チャンネル204bのフレア状インレットの近くにあり、インレットチャンネル204aの中心長手軸がミキシング・チャンネル204bの中心長手軸と整列して、インレットチャンネルの外側とミキシング・チャンネルのフレア状インレット領域の内側の間の開口部204dを通ってFFSタンクの水が引き込まれるようになっている。効率的であるために、インレット204aからの水流がミキシング・チャンネル204bに流れ込むときにFFSタンクから比較的大量の水を引き込んで、チャンネル204bを通る水の流量がインレットチャンネル204aからの流量よりも顕著に大きくなるようにする。ある態様においては、図3bに示すように、引き込まれる水の流量“B”は、インレットチャンネル204aからの流量“A”よりも3〜6倍大きく、好ましくは4倍大きい。したがって、エダクターを出てゆく水の流量は“A+B”である。このようにして、FFSでエダクターを用いることによって、比較的少量の電力を用いて比較的大量の水をガスと混合させることができる。
【0092】
さらに、エダクターの使用は、泡と水の混合を促進することによってガス泡と液体の接触時間を長くして、FFSの効率を高める。
【0093】
図3bに示すように、管204cはチャンネル204bを通る水流の中で、チャンネル204bの中心長手軸からθtという角度で位置している。角度θtを調整することによって、引き込みとガスと水の混合が改善されることが見出されている。角度θtは、例えば、0〜90°の範囲にあるが、θtは好ましくは30°〜60°の範囲にあり、さらに好ましくは約45°である。図3bに示すように、管の開口部の角度θ0も調整して引き込みを改善することができる。例えば、角度θ0は90°〜135°の範囲に調整することが好ましい。管はミキシング・チャンバーの流路に、好ましくは管204cのアウトレットがミキシング・チャンネル204bの中心長手軸に、又はその近くに位置するように伸びている。管の直径は、チャンネルを通る流れを望ましくない様式で妨害することなくミキシング・チャンネルへのガスを多く又は少なくするように調整できる。好ましくは、管は1/8インチ〜1インチの範囲の直径を有する。管204cのそばを流れる水は吸引力を生じ、それによって管204cの中のガスが吸引されてミキシング・チャンネル204cに入る。
【0094】
ノズル、ミキシング・チャンバー、及び管を含むミキシング・エダクターは、プラスチックや金属など、いろいろな材料から作ることができる。そのような材料の具体的な例としては、PVC、ポリエチレン、ポリプロピレン、メタクリル酸又はアクリル酸プラスチック、グラスファイバー強化プラスチック(FRP)、又はステンレス鋼、などがある。エダクターを作るための、当業者に知られている他のいずれの材料も用いることができる。ミキシング・エダクターは他の用途における利用も考えられる。例えば、ガスではなく液体を管204cに流して、複数の液体を混合することもできる。別の態様においては、二つ以上の管204cをミキシング・チャンネルに配置して、管204cと同様の様式で2つ、3つ、又は4つ以上の管がミキシング・チャンネルに配置されたミキシング・エダクターにすることができる。
【0095】
例えば、上述のように、酸素含有ガスの他に陰極液をFFS又はバイオフィルターにジェット・ミキサーを通して、ミキシング・チャンネルに二つの管が配置された1又は複数のミキシング・エダクターを用いて加えることができる。その場合、ガスが一方の管を通して導入され、陰極液が他方の管を通して導入される。ミキシング・チャンネルに二つの管が配置されたエダクターの例を図3dに示す。図3dに示すエダクターは、例えば、陰極液がバイオフィルター又はFFSに、タンク内の水の体積の約10パーセントを超える量で加えられる場合、例えば大量の陰極液がエダクターのミキシング・チャンネルに配置された別の管によって加えられる場合、に用いられる。
【0096】
さらに別の態様においては、陰極液はインレットチャンネル204aを通して導入することによってFFS又はバイオフィルターに加えられる。これは、パイプ211又は208のインレット(図示せず)を通して、タンク201からジェット・ミキサーに再循環される水に加えることによって遂行できるだろう。
【0097】
別の態様においては、加えられる陰極液の量がバイオフィルター又はFFSの水の全体積の約1〜約10パーセントの範囲にある場合、陰極液はエダクターに酸素含有ガスを導入するために用いられる同じインレットチューブを通して加えることができる。陰極液は、チューブに滴下されて重力によって、及びミキシング・チャンネルを通して引き込まれる水流の吸引によってミキシング・チャンネルに引き込まれる。したがって、このチューブは酸素含有ガスと陰極液の両方をミキシング・チャンネルに導く。
【0098】
本発明のミキシング・エダクターは、2003年9月30日出願の、オートトロフィック・硫黄脱硝チャンバーとカルシウム反応器、という表題の同時継続出願番号第10/673,634号、及び2004年9月30日出願の、オートトロフィック・硫黄脱硝チャンバーとカルシウム反応器、という表題の一部継続出願、代理人整理番号09286.0001-02000にさらに詳しく記載されているであろう。それらの記載は参照によって本明細書に組み入れられる。
【0099】
図4aと4bに示すようなさらに別の態様においては、エダクターのアウトレットコーン204bは、アウトレットコーンの内面にウイング又はホイル204dを加えることによって修飾される。ホイルはアウトレットコーンの内面の周りを回転して、コーンを通る水の運動をらせん状の経路に導く様式で作用して渦を生成する。このような円運動は、泡と水の接触時間を長くし、水中の有機物の除去効率を高める。ホイルの寸法は、所望の円運動を生成する任意のサイズ又は形に変更できる。ある好ましい態様においては、ホイルはコーンの内面からアウトレットコーン204dの全長、又はその長さの一部にわたって、約1/16〜約1インチ伸び、幅は約1/32〜約1/8インチである。
【0100】
FFSにおけるジェット・ミキサー204として、上述のミキシング・エダクターの代わりに他のエアージェットも使用できる。例えば、Venturiシステムとして当業者に知られているシステムを用いることもできる。
【実施例】
【0101】
FFS中の液体に導入されるガスの量
二つのミキシング・エダクター・エアージェットを用いるFFSにおいて、各エダクターは、インレット204aからの水流を提供する直径1インチのパイプと繋ぐサイズにしたネック領域を有する。ジェットは、2 HP遠心プール・ポンプを動力としており、それによって25 PSIの圧力が得られ、各ジェットで33 GPMの流量を生じ、各ジェットで4から7 SCFMのガスがFFSに導入される。
【0102】
次に、図1の説明で論じた脱硝システム180についてさらに詳しく説明する。これから説明する脱硝システムのいろいろな態様はNitrafixシステムと呼ばれる。本発明の発明者が開発したNitrafixシステムのさらに詳しい説明は、2003年9月30日出願の、オートトロフィック・硫黄脱硝チャンバーとカルシウム反応器、という表題の同時継続出願番号第10/673,634号、及び2004年9月30日出願の、オートトロフィック・硫黄脱硝チャンバーとカルシウム反応器、という表題の一部継続出願、代理人整理番号09286.0001-02000に見出すことができる。それらの記載は参照によって本明細書に組み入れられる。
【0103】
図5を参照して説明すると、脱硝方法は、処理される水がフィルターを通る任意の濾過段階1,それに続く任意の好気性細菌処理段階2、及び嫌気性細菌処理段階3を含む。ある態様においては、カルシウム反応器を任意にシステムに加えてpHを維持し、段階4でカルシウムを加えることができる。
【0104】
この方法の段階1は、処理される水から粒状物質又はその他の固形物を除去する任意な濾過段階である。水から固形物を除去することは、Nitrafixシステムがつまるのを防止するのに役立つ。この濾過は、スクリーンなどの機械的フィルター、又はカートリッジ・フィルターを用いて遂行できる。当業者に知られている他のフィルターを用いてもよい。Nitrafixシステムが詰まるのを防止するために、フィルターは50ミクロン以上の粒状物質を除去することが好ましい。
【0105】
図5に示す方法の任意な段階2は、好気性細菌処理を用いて水を処理する。処理される水は、好ましくは大きな表面積を有し好気性細菌がコロニーを形成する支持培地を含むチャンバーを通って流れる。そのような培地の例としては、砂,プラスチック粒子、及び同様の培地がある。好気性細菌は、水中に存在して繁殖し、システムを作動させるとチャンバー内の培地にコロニーを形成する。段階2で用いられる好気性細菌としては、例えばニトロソモナス(nitrosomonas)及びニトロバクター(nitrobacter)細菌などがある。これらの天然の細菌は水中のアンモニアと亜硝酸塩を分解して硝酸塩を形成する。アンモニアと亜硝酸塩を分解する過程で、好気性細菌はCO2を産生し、水中の溶存酸素のレベルを低下させる。好気性細菌を収容するチャンバー、並びにチャンバー内の培地は、水がチャンバーを流れるときに水中の溶存酸素の全部ではなくても、大部分が除去されるようなサイズにすることが好ましい。このチャンバーはアンモニアと亜硝酸塩を分解することが好ましいが、チャンバーはまた、他の化学的又は機械的手段を用いて、水が嫌気的な脱硝チャンバーへ流れて行く前に水から溶存酸素の全部又は大部分を除去し、しかも水から硝酸塩を減らすのにも有効であるように設計できる。
【0106】
ある態様においては、好気性細菌のチャンバーの水に十分な陰極液を導入して好気性細菌の健康を増進する。陰極液は、滴下、スプレー、流入、又はジェットの使用など、当業者に知られている任意の方法で加えることができる。陰極液は、チャンバーの水に直接加えても、あるいはまた、チャンバーの上流の水に加えて、水のインレットを通ってチャンバーに流し込むようにしてもよい。
【0107】
次に、図5のシステムと適合する新しい好気性細菌・チャンバーのある態様を図17を参照して説明する。チャンバー610はタンク108を含む。タンク108の下方部分は、底に沈積する沈澱を回収されるようにテーパー形状であることが好ましいが、底部が平らであってもよい。好ましくは、ドレーン326aとバルブ326bが610の底部に含まれ、定期的に沈積物を除去できるようになっている。所望により、透明なセクションのパイプ326cを用いてドレーンを目視検査し、沈積物がたまるのを監視できるようにしてもよい。蓋106を用いてタンク108を覆う。チャンバー610は比較的気密にするべきであり、その結果、水中の酸素のレベルは好気性細菌によって効果的に減少されうる。チェックバルブ114を有する排アウトレット113は、ガスがチャンバーから逃がすが、相当量の外部空気がチャンバーに入ることを許さないものが好ましい。
【0108】
チャンバーは、インレット111とアウトレット121を有し、水はそれを通ってチャンバーに出入りする。アウトレットとインレットにスクリーンをかぶせて、つまることを防ぎ、培地をチャンバー内に保持する。インレットパイプ111aの高さH1はチャンバー610の水位をコントロールする。
【0109】
チャンバー610のセクション108は、部分的に又は完全に支持培地112が充填されており、それが好気性細菌の基質として働く。好気性細菌はすでに水中に存在し、培地に直ちにコロニーを形成する。培地112は好気性細菌のコロニー形成を支持できるいずれのタイプの培地であってもよい。実際的なサイズと形の培地を用いることができるが、大きな表面積の培地が好ましく、例えば、砂、粉砕されたサンゴ、その他の比較的表面積が大きい培地など、が好ましい。
【0110】
支持培地の一つの好ましい形態は、小さな球又はチューブの形をしたプラスチックであるが、当業者に知られている任意の形を用いることができる。プラスチックの培地は軽量で、水に浮くこともある。これは容易に目詰まりを起こさず、細菌のコロニー形成のための大きな表面積を提供する。そのようなプラスチック・培地の一例はバイオフィルムとして知られている。一つの具体的な型のバイオフィルムは、Water Management Technologies, Inc.がKaldnes又はBee-Cellという商品名で製造しているものである。RENAからのBio-Chem starsなどの他の培地も使用できる。培地112が浮かばない場合、コーンの形の底部の上に培地を保持するために孔のあいたプレート又はスクリーン115を用いて、タンク内で沈積物が落ち着くスペースを設けることができる。
【0111】
段階2の方法で、好気性細菌処理チャンバーを出てゆく水の溶存酸素含有量が、チャンバーに入ってくる水の溶存酸素のレベルに比べて実質的に減少し、チャンバー2における硝酸塩減少が段階2の方法を用いなかった場合に比べて顕著に大きくなるのに十分な量減少することが好ましい。すなわち、全溶存酸素含有量が5ppm未満、さらに好ましくは2 ppm未満、さらに好ましくは約1.64 ppm以下にまで減少することが好ましい。
【0112】
段階2の好気的方法に続いて、嫌気的工程段階3を次に用いて、水中の硝酸塩濃度を硫黄脱硝方法と呼ばれる方法によって独立栄養で(autotrofically)減少させる。この好ましい態様においては、硫黄脱硝はチオバチルス・デニトリフィカンス(Thiobacilus denitrificans)などの硫黄酸化細菌を用いる。好気的条件の下では、この細菌は酸素を用いて硫黄を酸化させる。しかし、酸素の存在量が不十分であると、この細菌は硝酸塩を用いて硫黄を硫酸塩に酸化する。したがって、段階2における酸素の減少によって水中に存在する硝酸塩がこの細菌によって嫌気的方法で効率的に利用されることが可能になる。こうして、水中の硝酸塩の濃度は段階3の方法で低下する。
【0113】
硝酸塩を減少させる他に、脱硝チャンバーの細菌は、他の望ましくない窒素化合物、例えば亜硝酸塩、も減少させる。脱硝方法は水のpHも減少させる。運転を開始した最初の数日間、脱硝チャンバーは亜硝酸塩を産生するということも注意しておかなければならない。しかし、産生される亜硝酸塩の量はその後減少し、チャンバーは好ましくは、亜硝酸塩レベルを低下させることを助け始める。
【0114】
段階2の好気的方法は、酸素濃度を十分に低下させるように働き、他方硝酸塩濃度は十分に増加して効率的な嫌気的硫黄脱硝方法を維持する。その結果、好気的方法を用いなかった場合に比べて、所望の量の硝酸塩を除去するために嫌気性細菌のために必要な支持培地は少なくなる。これは、段階3の方法のためのチャンバーとして小さな、著しく軽量の脱硝チャンバーを可能にする。このチャンバーに使用される硫黄・培地は比較的重いからである。さらに、チャンバー内の溶存酸素レベルの減少は、いくつかの望ましくない硫黄還元細菌、例えばベギアトア・アルバ(Beggiatoa Alba)、の増殖を阻止するのに役立つ。ベギアトア・アルバ(Beggiatoa Alba)は、繊維状であり、硫黄・培地上に、厚く、ねばつく皮膜を生成させることが知られており、硫黄・培地を含むチャンバーをつまらせる可能性がある。
【0115】
段階2の好気的方法は、脱硝段階3とインラインで、すぐ近くで行われ、脱硝チャンバーに入る前に水が再酸化することを防ぐことが好ましい。
【0116】
本出願者は、段階2で好気性細菌によって産生される二酸化炭素によって、脱硝チャンバーの細菌が硝酸塩をより効率的に除去できるようになることが可能であると考えられる。しかし、細菌・方法についての上述の機構は、特許請求の範囲によって定められる本発明の正当な範囲を制限するものではない。
【0117】
脱硝段階3は、水中の硝酸塩を分解する嫌気性細菌を養う培地を利用する。この培地は、水中の硝酸塩の濃度が低いときでも嫌気性細菌を養うことが好ましい。ある好ましい態様においては、この培地は硫黄であり、細菌はチオバチルス・デニトリフィカンス(Thiobacilus denitrificans)である。上述のように、酸素レベルが十分低い適切な条件の下で、例えば、脱硝チャンバーに入る水の溶存酸素含有量が、好ましくは0〜2 ppmの間であるとき、この細菌は嫌気的な呼吸を行って、硝酸塩を還元すると同時に硫黄元素及び/又は還元された硫黄を酸化して硫酸塩にする。
【0118】
その他の条件、例えば水の温度やpHなども細菌にとって健康なレベルに維持しなければならない。例えば、チオバチルス・デニトリフィカンス(Thiobacilus denitrificans)を用いる場合、チャンバーの水は、温度が摂氏25〜30度の範囲にあり、pHが6〜8の範囲にあることが好ましいが、この細菌はこの範囲の外でも機能する。さらに、ある好ましい態様においては、十分な陰極液がシステムに加えられ、最も好ましくは脱硝チャンバーに直接に、陰極液が嫌気性細菌の健康を増進するように加えられる。陰極液は、滴下、スプレー、流入、又はジェットの使用など、当業者に知られている任意の方法で加えることができる。陰極液は、チャンバーの水に直接加え流すことが好ましいが、別の態様においては、陰極液はチャンバーの上流の水に加えられ、水のインレットを通ってチャンバーに流れ込むようにする。
【0119】
硫黄を酸化すると同時に硝酸塩を還元する他の細菌も、チオバチルス・デニトリフィカンス(Thiobacilus denitrificans)の代わりに、又はそれに加えて、用いることができる。本発明で用いることができるそのような細菌の例としては、チオバチルス・ベルスタス(Thiobacillus versutus)、チオバチルス・チアシリス(Thiobacilus thyasiris)、チオスファエラ・パントトロファ(Thiosphaera pantotropha)、パラコッカス・デニトリフィカンス(Paracoccus denitrificans)、及びチオミクロスピラ・デニトリフィカンス(Thiomicrospira denitrificans)、などがある。本発明の範囲は、チャンバー内で生き延び、除去しなければならない硝酸塩を含む水流に対して本発明の脱硝方法を効率的かつ効果的に行うことができる嫌気性細菌の添加を含む。
【0120】
脱硝チャンバーを囲む又は作り出している構造は不透明で光がほとんど全くチャンバーに入らないことが好ましい。これは嫌気性細菌が光を好まないからである。明るい環境に置かれると、細菌はまわりが暗いチャンバー中央の方へ移動する。このため、水から硝酸塩を除去する又は減少させる細菌の効率を低下させる。
【0121】
システム180は一種以上の嫌気性細菌を含むことができる。ある態様においては、複数の嫌気的脱硝チャンバーが互いに並列の流れで配置される。あるいはまた、チャンバーは直列に配列して、水が一つの脱硝チャンバーから次の脱硝チャンバーへ流れるようにすることもできる。どちらの態様でも、チャンバーは、例えば円筒状で、直径が約6インチ〜約10フィートの範囲にわたり、高さが約8〜約20フィートの範囲にわたる。別の態様においては、チャンバーは所望の囲い又は場所に容易に配置できるようなサイズに作られる。
【0122】
好ましくは、脱硝チャンバーは脱気物質を含むか、又は脱硝方法で生ずる排気が脱気物質を含む別のチャンバーに流れてゆくことができるアウトレットを備え、脱硝方法で生ずる硫化水素などの有毒ガスの悪臭を除くようにする。脱気物質は、例えば活性炭である。
【0123】
本発明において使用できる脱硝チャンバーの具体的な例を図6と8に示しており、以下でこれを説明する。廃水を処理するために大量の硫黄・培地を用いる場合、硫黄はチャンバーの下方部分で自身の重量によって砕けて目詰まりを生ずることがある。目詰まりを防ぎ、かつ生物システムの効率を高めるために、図6に示す態様による脱硝チャンバー220が用いられる。図6に示すように、硫黄・培地122がチャンバー内の棚123に載せられている。棚は孔があけられ、水がチャンバーを通って流れることができるようになっている。チャンバーの底125は、沈積物を回収するためにテーパー形状になっている。ドレーン326aとバルブ326bをチャンバー120の底部に設けて沈積物を定期的に除去できるようにすることができる。所望により、透明なパイプ・セクション326cを用いて、ドレーンを目視検査して、沈積物がたまっているかどうかを監視できるようにしてもよい。チャンバーは、水がチャンバーに出入りするためのインレット211とアウトレット221を有する。
【0124】
図8は、硫黄を含んで成るフローティングボールを用いる脱硝チャンバーの別の態様を示す。図7は、本発明のある態様による硫黄を含んで成るフローティングボール322を示している。ボールは、その密度が水よりも小さく、したがって、水の中で浮く。好ましくは、ボールは、硫黄・培地とプラスチック又はスタイロフォーム・培地の混合物が充填されている中空のプラスチック又はスタイロフォーム・ボールである。ボールの孔323は、水がボールに出たり入ったりすることで、その中に収容されている硫黄・培地と接触することを可能にする。ボールとボールに収容されている培地は、作業できる任意のサイズ又は形であってよい。ある態様においては、ボールの直径は1 1/2〜3インチで1/8〜5/32インチの直径の孔があけられており、ボールの中の培地は直径が、例えば1/8〜1/4インチである。
【0125】
硫黄を含んで成るフローティングボールはチャンバーに、例えば図8に示すチャンバー320のようなチャンバー内に配置される。図8に示すチャンバーは、円筒で、沈積物を回収するために円錐形の底部325を有する。チャンバー底部325の先端に透明な管326を配置して、回収された沈積物を肉眼で観察できるようにすることができる。バルブ327は、必要なときにチャンバー底部から沈積物を排出することを可能にする。チャンバー320は、例えばPVC、ポリエチレン、ポリプロピレン、メタクリル酸又はアクリル酸プラスチック、グラスファイバー強化プラスチック(FRP)、又はステンレス鋼、などから作ってもよい。本発明のある態様は、チャンバーの底部の近くにインレット311、最上部の近くにアウトレット321を含み、水は硫黄を含む培地を通って上へ流れアウトレット321を通ってチャンバーから出てゆく。ガスアウトレット324がチャンバー320の最上部に配置され、チャンバーで生じたガスが逃げ出すことを可能にしている。排気はその後活性炭を通って流れ又は陽極液と混合されて硫化水素ガスを除去して大気に放出される。
【0126】
チャンバー320は硫黄・培地で満たされる。好ましくは、タンクの体積の1/2〜3/4が浮き硫黄・ボール322で充填される。ある態様においては、逆洗ポンプ328がチャンバーから水を送りだし、その後フローティングボールのすぐ近くにアウトレットを有する導管によってチャンバーに戻してボールを洗浄する。あるいはまた、インジェクター(図示せず)を用いて二酸化炭素ガスをチャンバーに噴射してボールを洗浄してもよい。ボールを洗浄することは、ボールに又はその間に付着した粒状物質を除去するのに役立つ。このような付着は望ましくない様式でボールの孔を通る水流、並びにチャンバー自身を通る水流を減少させる。さらに、逆洗ポンプ又はインジェクターは、チャンバー内のボールの循環を増やすことによって、ボールの硫黄表面部分と処理される水との接触時間を増加させるであろう。さらに、逆洗ポンプ又はインジェクターによって生ずるボールの運動は、方法の間にボールの内側に形成されたガスの放出を助け、それにより多くの水がボールに入ることができ、硫黄と水の接触時間が増加する。
【0127】
脱硝方法における細菌は、上述のように、pHが使用している特定の細菌にとって健康な範囲に保たれている場合に効果的になる。したがって、細菌のために健康な環境を維持するために、水のpHを調整することが必要になる。それをするための一つの方法は、システムの水に緩衝剤、例えば炭酸カルシウム、を加えることである。さらに、カルシウムはNitrafixで用いられる嫌気性細菌が硝酸塩を還元することを助ける。したがって、Nitrafixシステムを通って水が連続的に再循環している閉じたシステムで、炭酸カルシウムを加えて適切なpHを維持し、システムにカルシウムを加えることは脱硝方法をより効果的にするのに役立つ。
【0128】
水のpHを所望の範囲に調整し、同時に水にカルシウムを加えるために、図5の方法は、任意に、脱硝チャンバーを出てゆく水を1又は複数のカルシウム源の上に流す段階4を含む。受容できるカルシウム源は、石灰石、ドロマイト、アラゴナイト、カルサイト、粉砕サンゴ、並びにその他の公知の源、である。脱硝チャンバーを出てゆく水がカルシウム源の上を流れると、水のpHが高くなるだけでなく、それらは溶解して有益な量のカルシウムを水に添加する。ある態様においては、水のpHは、カルシウムを用いる他に、又はその代わりに、陰極液を加えることによって増加する。
【0129】
次に、図1のシステムで用いられるカルシウム・チャンバーの一例を図18と一緒に説明する。水を処理するために大量のカルシウム・培地を用いる場合、カルシウムは自身の重量によってチャンバーの下方部分で砕けて目詰まりを起こす可能性がある。目詰まりを防ぎ、同時にシステムの効率を高めるために、図18に示す態様によるカルシウム・チャンバー630を用いることができる。図18に示すように、カルシウム・培地632はチャンバー内の棚633に置かれる。上で他の態様に関連して述べたように、アラゴナイト、カルサイト、及びドロマイトなど、いろいろなカルシウム源を用いることができる。複数のカルシウム源を用いる場合、溶解しにくいカルシウムを下の棚に置き、溶解しやすいカルシウムを上の棚に置くことが、カルシウム・培地の寿命を延ばすために好ましい。培地のサイズは当業者に知られている実際的ないずれのサイズであってもよい。例えば、サイズは直径で3〜10 mmという範囲であってよい。
【0130】
棚は、水がチャンバーを通って流れることができるように孔があいている。チャンバーの底635は、棚633の孔を通って落下する沈積物とカルシウムの粒子を回収するためにテーパー形状を有することが好ましいが、底は平らであってもよい。チャンバー630の底部には沈積物とカルシウムを定期的に除去できるようにドレーン326aとバルブ326bを含めることができる。所望により、透明なセクションのパイプ326cを用いてドレーンを目視検査し、沈積物がたまるのを監視できるようにする。チャンバーは、インレット631とアウトレット641を有し、水はそれを通ってチャンバーに出入りする。蓋636を用いてチャンバーを覆うことができる。
【0131】
上述のように、処理する水の量及びシステムのニーズに応じて、Nitrafixの他のデザインを用いることもできる。例えば、2003年9月30日出願の、オートトロフィック・硫黄脱硝チャンバーとカルシウム反応器、という表題の同時継続出願番号第10/673,634号、に記載されているN-500と呼ばれるシステム、及び同様のシステム、をタンク100からのオーバーフローの脱硝のための脱硝システム223として用いることができる。上記の出願の記載は、参照によって本明細書に組み入れられる。
【0132】
次に、上述したバイオフィルターについてさらに詳しく説明する。バイオフィルター160は、水を処理する好気性細菌処理を用いて、アンモニアを亜硝酸塩に、亜硝酸塩を硝酸塩に還元する。処理される水は、好気性細菌がコロニーを形成する支持培地を含むチャンバーを通って流れる。酸素含有ガスが、好気性細菌処理の効率を高めるためにチャンバーに導入される。
【0133】
用いることができるバイオフィルターの一態様を図19に示す。この態様においては、バイオフィルター160はタンク108を含む。好ましくは、その下方部分は、底に沈積する沈澱を回収されるようにテーパー形状であることが好ましいが、底部が平らであってもよい。例えば、タンク108は円錐形の底部を有する円筒形であってよい。所望により、透明なセクションのパイプ326cを用いてドレーンを目視検査し、沈積物がたまるのを監視できるようにする。蓋106を用いてタンク108を覆うことができる。
【0134】
図22に示す別の態様においては、二つのバルブドレーン・システムを用いてタンクの底に沈積する固形物質を、タンクからの水の損失を最小にするような様式で回収する。ドレーン・パイプに配置された上方のバルブ206aは、タンクが正常に機能しているときは開いたままであり、下方のバルブ206bは閉じたままである。これによって、タンクの底に沈積する排泄物はドレーン・パイプを通って移動することができ、沈積物コレクター205aに集まる。コレクター205aは、ダイアモンド又は同様の拡張チャンバーの形態であってよい。
【0135】
タンク206aを開くと、タンクからの水は上方のバルブ206aを通って水の管205bに流れ込む。この管はバルブ206aと206bの間に位置するコレクター205aと開放大気の間の流体結合になっている。固形物がコレクター205aにたまると、バルブ206aを閉じバルブ206bを開くことによって固形物は除去される。固形物はバルブ206bを通って排出され、水の管205bからの水が残っている固形物をコレクター205aの壁からフラッシングする。これにより、タンク101から過剰な水を排出することなく、水の管205bからの水だけを用いて固形物を除去することができる。水の管205bは、少なくともタンク自身の高さまで伸びており、したがって、水は水の管を、タンク内の水位と平衡するレベルに達するまで満たす。別の態様においては、水の管205bはタンク205cを含み、管だけの体積よりも大きな体積のフラッシングする水を供給する。
【0136】
コレクター205aの全部又は一部を透明にして、パイプ・セクションにたまった固形物のレベルを肉眼でモニタリングできるようにし、バルブ206aと206bを手動で開閉できるようにする。あるいはまた、バルブ206aと206bを電子的に制御して、自動的に開閉されるようにすることもできる。この態様においては、センサーを用いてコレクター内の固形物のレベルを決定し、バルブに信号を送って必要に応じて開閉してパイプ・セクションを排水するようにできるだろう。本発明のこの態様においては、当業者に知られている任意のセンサー及びバルブを用いることができる。
【0137】
この態様は、上述のバイオフィルターでの使用に限定されない。実際、これは本発明によって説明されるほとんどのタンクに適合する。
【0138】
再び図19を参照すると、バイオフィルター・チャンバーは、インレット111とアウトレット121を有し、水はそれを通ってチャンバーに出入りする。アウトレットとインレットにスクリーン101をかぶせて、つまることを防ぎ、培地をチャンバー内に含ませておくことができる。アウトレットパイプ121aの高さH1はバイオフィルター160の水位をコントロールする。
【0139】
ある態様においては、陰極液がバイオフィルターに、陰極液がタンク108に直接滴下される形で加えられる。別の態様においては、陰極液はタンク108の上流の水に加えられ、その後インレット111を通ってバイオフィルター160に流れ込む。さらに別の態様においては、上述のように、陰極液はミキシング・エダクターを通して加えられる。バイオフィルターに陰極液を加えると、細菌の健康が改善され、細菌の増殖を助ける。細菌の健康改善は、水質を改善することになり、さらに効率的な濾過を可能にする。
【0140】
バイオフィルター160は、好気性細菌の基質として働く支持培地112によって部分的に又は完全に満たすことができる。廃水にすでに存在している好気性細菌は培地に容易にコロニーを形成する。培地112は、好気性細菌のコロニー形成を支えることができるいずれのタイプの培地であってもよい。任意の実際的なサイズと形の培地が使用できるが、大きな表面積を有する培地が好ましい。例えば、砂、粉砕されたサンゴ、その他の比較的表面積が大きい培地を用いることができる。支持培地の一つの好ましい形態は、小さな球又はチューブの形をしたプラスチックであるが、当業者に知られている任意の形を用いることができる。プラスチック培地は軽量で、水に浮くこともある。これは容易に目詰まりを起こさず、細菌のコロニー形成のための大きな表面積を提供する。そのようなプラスチック培地の一例はバイオフィルムとして知られている。使用できるバイオフィルムの例としては、Water Management Technologies, Inc.が製造しているKaldnes又はBee-Cellがある。RENAから出ているBio-Chem starsなどの他の培地も使用できる。
【0141】
タンク内に酸素含有ガス又は液体を噴射するためにミキシング・エダクター204が用いられる。インレットチャンネル204a、ミキシング・チャンバー204b、及び管204c、を含むミキシング・エダクター204によって、泡はタンク内の水と良く混合される。ポンプ656は、バイオフィルター160からの水をパイプ658によってインレットチャンネル204aに循環させ、そこで水は強制的にミキシング・チャンバー204bに通されて管204cからのガス又は液体及びバイオフィルターからミキシング・エダクターによって引き込まれたその他の水と混合される。別の態様においては、エダクターのインレットチャンネル204aへ行く水はバイオフィルター・チャンバーの外側の供給源、例えばタンク170から供給される。ミキシング・エダクター204とその動作は上文で図3aから4bまでを参照してさらに詳しく説明する。
【0142】
上述のように、陰極液もエダクターによってバイオフィルターに加えることができる。ある態様においては、陰極液は、酸素をバイオフィルターに加えるために用いられる管204cと同様の様式でエダクターのミキシング・チャンネル内に位置する第二の管(図示せず)によってバイオフィルター160に加えられる。この方法では、酸素と陰極液の両方が強制的にエダクターのミキシング・チャンバーに通されチャンバー内の水と混合される。より少量の陰極液が加えられる別の態様においては、陰極液と酸素含有ガスが両方共管204cを通して加えられる。
【0143】
ある態様においては、ミキシング・エダクター204はバイオフィルター160の内側で、図20aと20bに示す様式で支持体657によって支えられる。図20bに示すように、ミキシング・チャンネル204bはプレート657cによって支えられ、ミキシング・エダクターのインレットコーンが、孔があいたプレート、又はスクリーン、657a、トップ・プレート657c、及び底部プレート657bによって構成される小さなチャンバーの内側に収容される。孔があいたプレート又はスクリーン657aを通って流れる水は、ミキシング・チャンバー204cのインレットコーンに引き込まれる。管204cはガス供給源145(図1に示す)に、ガス供給管を繋ぐための当業者に知られている任意の手段によって繋がれる。
【0144】
図23に示すように、バイオフィルター・チャンバーのある好ましい態様においては、インレット111とアウトレット121はどちらもタンクの最上部の方に配置される。インレットにはバイオフィルター・チャンバーに水が流入することを許すためにだけ開き、流入する水がストップすると閉じるチェックバルブ(逆止弁)101であって、場合によっては当業者にスイングチェックバルブ(スイング逆止弁)と呼ばれるもの、が取り付けられている。これによって、バイオ培地がインレット111を通って戻り、水処理システムの別のチャンバーに流れ込むことが防がれる。アウトレットにはスクリーンが備えられ、培地が流出することを防いでいる。タンクの下方部分は、水平から約5〜約60度の範囲の角度で下方に傾斜した壁を有する。好ましくは、壁は水平から5度の角度で下方に傾斜している。ミキシング・エダクター204はタンクの内面に沿って配置され、水を強制してタンクの内側で円運動するように流す。さらに、エダクターのまわりにはストレーナー157が配置されてエダクターが目詰まりを起こすことを防いでいる。この態様においては、培地を通る循環的な水流が長い接触時間、したがって良好な濾過を可能にする。
【0145】
好気性細菌は水中に存在して繁殖し、システムが作動するとバイオフィルター・チャンバー内の培地にコロニーを形成する。バイオフィルター160で利用される好気性細菌のタイプとしては、例えばニトロソモナス(nitrosomonas)及びニトロバクター(nitrobacter)細菌などがある。これらの天然に存在する細菌は水中のアンモニアと亜硝酸塩を分解して硝酸塩を形成する。
【0146】
次に、図1のシステムにおいて上で用いられるオキシタワー210についてさらに詳しく説明する。オキシタワーは水から硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、二酸化炭素、及び重金属を除去し、かつ水に酸素を加えるように働く。水に酸素を添加することによって、pHは酸素が欠乏している水に比べて安定する。さらに、オキシタワーは蒸発によって水を冷却することを助ける。
【0147】
オキシタワーの一つの態様を図12aと12bに示す。図12aに示すように、本発明のオキシタワーは逆円錐型をしており、一定の角度θoxy、例えば、5〜45度、さらに好ましくは10〜20度で内側に傾斜した側壁671aを有する。スクリーン672などの培地が円錐の内面に配置され、オキシタワーにおける藻類の繁殖のための支持体としての役割を果たす。水をチャンネルとしてのパイプ675a、又は溝など他の手段、がオキシタワー・チャンバーの最上部内側周縁に沿って配置される。パイプ675aは、その外周に沿って複数のアウトレット676,例えば孔又はジェット、を有し、水がそれを通ってスクリーンの上面に沿って滴下又はスプレーされる。パイプ675aは、図12bに示すように、支持体675bによってオキシタワーの壁に繋がれる。人工照明673が、スクリーンで繁殖する藻類の光合成を支えるために用いられる。あるいはまた、オキシタワーを昼の間は日光にさらされるように配置することもできる。
【0148】
オキシタワーの動作時には、水がインレット674を通ってパイプ675aに流入し、アウトレット676からスクリーン672の上部に滴下又はスプレーされる。その後、水は重力によってスクリーンを滴下する。
【0149】
ある態様においては、図12cに示すように、オキシタワーは、チャンバーの反対端に配置された二つのインレット674を有し、そこから水がパイプ675aに送り込まれる。各アウトレット676の直径は異なり、より小さなアウトレットがインレットに近い方に配置され、より大きいアウトレットがパイプの周囲に沿ってインレットから遠くに配置される。このようにして、最も大きなアウトレットはパイプの周に沿って二つのインレットから等距離にある二つの位置にある。最も小さいものから最も大きいものまでのアウトレットの配置によって、アウトレットがすべて同じサイズである場合に比べて、水をより均等にスクリーンに分布させることができる。例えば、この態様は毎分300ガロン以上の水をスクリーンに均等に分布させることができる。
【0150】
水がスクリーンを滴下するにつれて、スクリーンは水をばらばらにして表面積を増加させ、水が効果的に脱気されることを可能にする。さらに、スクリーン上で繁殖している藻類は水中の望ましくない汚染物質、例えばリン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、及び重金属、を除去する。藻類は繁殖するときにそれらを栄養として利用する。その後、水はアウトレット677を通ってタワーから出てゆく。アウトレットからの水は、ストレーナー又は機械的フィルター678aを通過させて水からゴミを除去することができる。図12aに示すように、トラップ・バスケットを用いて除去されたごみを保持することができる。
【0151】
タワーを通る水の流量は変化しうる。オキシタワーが効果的であるためには、処理される水の体積がオキシタワーを1日に2.5回通過することが好ましい。処理される水の体積がオキシタワーを1時間に1回通過することがさらに好ましい。
【0152】
図12aに示すように、オキシタワーの壁は傾斜していることが好ましいが、別の態様においては、壁、並びに壁に支持されるスクリーン、は垂直であり、オキシタワーは円筒形になる。オキシタワーの壁は、水生生物にとって安全な任意の中性プラスチック(すなわち、処理される排泄物との反応性がきわめて小さい、又は反応しないプラスチック)で作ることができる。適当な物質の例としては、PVC、ポリエチレン、ポリプロピレン、メタクリル酸又はアクリル酸プラスチック、グラスファイバー強化プラスチック(FRP)、又はステンレス鋼、などがある。オキシタワーは、最大8フィート以上の直径を有してもよく、任意の実際的な高さを有してもよい。
【0153】
スクリーン672は、水生生物にとって安全な、弾力性があり、塩水で腐食しない任意の物質で作ることができる。例えば、スクリーンはソフト・ナイロン又はグラスファイバー材料で作ることができる。スクリーンは一つの連続したピースであってもよいが、好ましくはクリーニングが容易な複数のピースである。例えば、スクリーンは4、6、又は8セクションを有する。スクリーンはいろいろな形、サイズ、及びハッチング(網状)パタンであってよい。ある好ましい態様においては、スクリーンはダイアモンド型交差ハッチングデ、ダイアモンドの各脚の長さが3/16インチ〜1/4インチである。スクリーン又はスクリーン・セクションは予め形成されたプラスチック支持体に取り付けられる。次に、プラスチック支持体がタワーの内側に取り付けられる。あるいはまた、スクリーンと同様の機能を遂行するスクリーン以外の培地を用いることもできる。例えば、スクリーンの代わりにカーペットを用いることもできる。
【0154】
オキシタワーを運転する間、スクリーンは、水から汚染物質を除去する藻類の最適な増殖を促進するように、定期的にクリーニングするべきである。スクリーンの全面積を一度にクリーニングしないことが好ましい。例えば、4セクションのスクリーンがある場合、一度に2セクションよりも多くをクリーニングしないことが好ましい。最良の結果を得るために、スクリーンは定期的にローテーションを組んでクリーニングし、一つのスクリーンをクリーニングし、そのクリーニング下スクリーンで藻類が増殖し始めた後に別のスクリーンをクリーニングする。スクリーンのクリーニングは藻類の根を除去しないように注意深く行わなければならない。根を除去してしまうと、藻類の増殖は酷く遅くなる。好ましくは、藻類を害さないように、スクリーンは漂白したり、圧力クリーニングしたり、化学薬品によるクリーニングをすべきでない。
【0155】
1つの態様において、陰極液はオキシタワーに加えられる。好ましくは、陰極液は水がインレット674を通過するとき、パイプ675aに流入する前に水に加えられる。こうすると、陰極液はアウトレット676から流出する前に水に混合される。陰極液は外部の供給源から当業者に知られている任意の手段によって、例えばインレット674に陰極液を滴下することによって加えることができる。
【0156】
光源673は、光合成と藻類の増殖に必要な光を提供する任意の光源であってもよい。光源は、自然光であっても人工光であってもよく、藻類に直接与えても又は間接に与えても良い。ある態様においては、スクリーンの表面積が処理される水1ガロンあたり2平方インチであり、水の流量が0.02 ガロン/分/平方インチのスクリーン表面積であり、光源は好ましくは、スクリーン表面積の10 in2あたり少なくとも0.75ワットを、例えばスクリーン表面積の10 in2あたり1ワットを提供する。用いることができる光源の例としては、自然の日光、パワー・コンパクト・チューブ、4000 Kから10,000 Kのスペクトルの高出力(HO)又は超高出力(VHO)蛍光灯、などがある。メタルハライド電球を用いることもできる。1つの態様においては、電球は垂直に、オキシタワーの高さに沿って連続して取り付けられる。光源673はスクリーンからある距離をおいて、藻類の光合成と増殖を促進するのに効果的になるように配置しなければならない。例えば、上記のHO又はVHO蛍光灯が図12Aの態様で用いられる場合、スクリーンと光との距離を最適化するために、タワーは最大直径が4〜8フィートであることが好ましい。もっと大きなユニットの場合メタルハライド電球を反射体と共に、又は反射体なしで、用いることができる。照明は毎日24時間連続的に点灯していることが藻類の最適な増殖のために好ましい。
【0157】
電球は透光性のアクリル又はガラスのカバーで覆って水から保護することができる。図13に示す大きなユニットで用いられる態様においては、保護カバー673bはユニット全体に伸びており、換気を改善するための開口部673c及び673dを有することが好ましい。照明から生ずる熱は上昇し、気流が強くなって涼しい空気を保護カバー673bの下方の開口部673cから吸い込み、電球673aを冷却する。空気を動かす装置、ファンなど(図示せず)、を追加して照明をさらに換気して冷却を効率的にすることができる。
【0158】
別の態様においては、図13bに示すように、ステンレス鋼などで作られるバー673eを用いて複数の電球673aを支える。この態様においては、照明の数は、藻類の繁殖を改善し、水からの汚染物質の除去を改善するために光量を最適化するように選択される。
【0159】
ある好ましい態様においては、図13cに一般的に示すように、オキシタワーは円錐の形の673fを含む。反射材73fは、オキシタワーの内側に、当業者に知られている任意の手段によって配置することができる。ある態様においては、反射材673fは、オキシタワー・チャンバーに一端で取り付けられ反対端がオキシタワーの上方にタワーの中心軸上の一点で交わっている3つの部材で作られる支持体673gからつり下げられる。この態様は、オキシタワーの上面図を示す図13dにもっとはっきりと図示されている。電球673aは反射材とオキシタワー・チャンバーの間のスペースに配置され、反射材は好ましくは電球からのすべての光がオキシタワー内の藻類を含むスクリーンに反射されるように配置される。用いる照明の光のスペクトルは、自然の日光にできるだけ近く、5000 Kから15,000 Kまで、好ましくは6000 Kから10,000 Kまで、の範囲になければならない。
【0160】
1つの態様においては、電球は1000ワットの電球であり、オキシタワーの直径は6フィート、6インチであり、オキシタワーの壁は50度の傾斜を有し、それにより藻類が繁殖できる70平方フィートのスクリーン表面積が得られるが、システム全体の足場(footprint)は34平方フィートしかない。この態様においては、電球から藻類までの距離はスクリーンのすべての点でほとんど同じである。これによって、オキシタワー全体にわたって、最小のエネルギーしか必要とせずにスクリーンの1平方インチあたりに最大の照度の光を分布させることができる。比較のために言うと、34平方フィートの足場を有する典型的なシステムでこのように強い光の分布に適合させるためには、この態様で用いられている電球の4倍の数の電球を用いることが必要であろう。
【0161】
別の態様においては、オキシタワーは不所望のゴミが内側に入らないようにするためにトップ・カバー671cを備える。好ましくは、このカバーは、チャンバーに自然の日光などの光が入るように透明であり、そしてオキシタワーからのガス放出物を回収する及び/又は排出するための煙突671dを有する。例えば、煙突には活性炭を充填してもよく、これを用いて硫化水素を吸着させてもよい。
【0162】
チャンバー671bの底部は平らであっても、図12aに示すように円錐形であっても良い。円錐形の底部の方がゴミを回収するのに良い。
【0163】
さらに別の態様においては、送風機679を用いて空気をオキシタワーに吹き込み、タワー内の蒸発を促進して水を冷却し、同時に水を脱気するのにも役立つ。水を冷却するために送風機を用いる場合、冷却効率を高めるためにタワーを断熱することが好ましい。さらに、二酸化炭素をオキシタワーに吹き込んで藻類の呼吸と酸素生成の増加によって水の酸素レベルを高めることもできる。
【0164】
オキシタワーは広範囲な他の用途での利用が考えられ、例えば、アクアリウムや養魚場、し尿処理、飲料水精製、及び藻類を用いて汚染物質を除去するのに役立つその他の用途、における利用が考えられる。
【0165】
上述のように、本発明の態様を用いてラグーン、例えばすでに存在しているブタ農場のラグーン、をクリーニングして、クリーンな水の池に変えることができる。そのようなラグーンと一緒に用いると、本発明のシステムはラグーンの汚染物質を減らしてクリーンな淡水の池にするために役立ち、既存のラグーンから発生する悪臭と水の流出による汚染を減らすのに役立つ。
【0166】
本発明の1つの態様、好ましくは保持タンク170がラグーン、池、又はその他の地上タンクである場合に使用するための態様は、フローティング生物濾過システムである。フローティング生物濾過システム100(フローティング・バイオフィルターとも呼ばれる)の一つの態様を図9に示す。フローティング・バイオフィルターはシステム160に取って代わることができ、FFS140からの流れが直接、フローティング・バイオフィルターが用いられる保持タンク170へ、並びに脱硝システム180,及び任意にオキシタワー210へ向かう。あるいはまた、フローティング・バイオフィルターは、バイオフィルター160に加えて用いることもでき、その場合はバイオフィルター160のサイズを小さくすることができる。さらに別の態様においては、フローティング・バイオフィルターは、単独で用いられて既存の廃水ラグーンにおける汚染物質を減少させる。さらに、フローティング・バイオフィルターは他の用途での利用、例えばエビやナマズ養殖場などの養魚場で汚染物質を減らすための利用、なども考えられる。
【0167】
図9を参照すると、バイオフィルター100は好気性細菌を養うための培地102を含むタンク101を含んで成る。好気性細菌は、図1と一緒に上文で説明したバイオフィルター160と同様に、TANを硝酸塩に還元する。タンク101は当業者に知られている任意の材料で作られる。適当な材料の例としては、PVC、ポリエチレン、ポリプロピレン、メタクリル酸又はアクリル酸プラスチック、グラスファイバー強化プラスチック(FRP)、又はステンレス鋼、などがある。タンクは所望のいずれの形であっても良いが、水中で安定できる形が好ましい。図10と11は、濾過システムに可能な形状の例を上から見て示す。その他の形としては、ダイアモンド型又は葉巻型(hull shape)などがある。
【0168】
培地102は、好気性細菌を養うために当業者に知られているいずれの培地であってもよい。支持培地の好ましい一つの形態は、小さな球又はチューブの形状のプラスチックであるが、当業者に知られているいずれの形態であってもよい。プラスチック培地は軽量であり、水に浮くこともある。それは容易に目詰まりせず、細菌のコロニー形成のために大きな表面積を提供する。そのようなプラスチック培地の一例はバイオフィルムとして知られている。用いることができるバイオフィルムの例としてはKaldnes又はBee-Cellがあり、どちらもWater Management Technologies, Inc.によって製造されているものである。RENAからのBio-Chem starsなどの他の培地も使用できる。
【0169】
ポンプ107は、パイプ110を通してラグーンから水を引き込み、ポンプによってパイプ111によってミキシング・エダクター103aを通して流出タンク101に流入させる。酸素含有ガスもガス供給源(図示せず)から管108を通してミキシング・エダクター103aに供給される。酸素含有ガスはポンプによってエダクターを通される水と混合される。このガスは水の酸素含有量を高め、これは細菌がアンモニアと亜硝酸塩を還元するのを助ける。ガスと水の混合物は、その後開口部105を通ってタンク101を出てゆく。開口部は格子又はスクリーンで覆って培地がタンクから逃げ出さないようにしてもよい。ガスは、例えば、空気、酸素ガス、及び/又はオゾンから選ぶことができる。
【0170】
別の態様においては、図9に示すように、ミキシング・エダクター103bは酸素と水の混合物をラグーンにジェット噴射するように配置される。これは、ラグーンの酸素レベルを高め、それは細菌がラグーンの廃物を分解するのを助ける。
【0171】
システム100が水中で浮くようにブイ104が配置される。ブイは、スタイロフォーム又はその他の浮力がある材料、で構成される。ある態様においては、ブイ104は中空の容器を含み、それに浮力がある材料、例えば空気又はスタイロフォームのボール、を充填することができる。ボールを中空容器に容器の開口部を通して加えたり除去したりして濾過システム100を水面に対して高く又は低く浮かせることができる。加えられるスタイロフォームのボールが多いほど、濾過システムは水中で高く浮く。
【0172】
タンク・カバー106とポンプ・カバー109を用いてシステム100を囲って汚染成分から保護してもよい。
【0173】
用いる浮き濾過システムのサイズと数は、水の密度と所望の汚染物質減少によって決まる。
【0174】
浮き濾過システムは、ラグーンの水を再度酸素処理し、TANを減らすのに役立つ。これはまた、他の用途、例えば養魚場、下水処理、その他の廃水処理の用途で利用することも考えられる。
【0175】
ラグーンに空気を通すために他のシステムも考えられる。例えば、図21は、ラグーンに空気を通すシステムの一つの態様を示している。図21に示すように、この通気システムは1又は複数のミキシング・エダクター204を含む。ラグーンからの水は、ポンプによってラグーンから引き出され、エダクターを通ってラグーンに還流され、これによりガス供給パイプ207から酸素含有ガスがラグーンに添加される。このようにしてラグーンに通気することによって、ラグーンの好気性細菌が水中のTANを通気しない場合よりも効率的に分解することができる。ミキシング・エダクターの数はラグーンのサイズ及び排泄物レベルによって選択される。酸素含有ガスは、例えば空気、酸素ガス、又はオゾン、から選択される。
【0176】
図21の通気システムは、図1のシステムと共に、又はそれなしで用いることができる。さらに、このシステムはガスと液体の混合、又は複数の液体の混合を必要とする用途における利用が考えられる。例えば、このようなミキシング・エダクター・システムは、ジュース濃縮液を管204cに通して流し、同時に水をノズル204aによって混合タンクに再循環させることによって、ジュース濃縮液を水と混合するために利用できる。
【0177】
本出願で開示されたシステムと方法は、ときに不快な悪臭を生ずることがある。この悪臭を減らすために、本発明のシステム及びチャンバーにおけるガスは悪臭を吸収する材料を通して濾過することができる。例えば、ガスは活性炭を含む煙突を通して排出することができる。
【0178】
図1のシステムを用いて本発明の原理を説明してきたが、その他の流れ配置及びシステムの組み合わせが考えられる。例えば、本発明のシステムは、インラインでなく並列で用いることができる。例えば、FFSからの流れは分割してもよく、その結果、一部分はバイオフィルター160へ流れ、残りの部分は脱硝システム180へ流れるようにすることができる。さらに別の態様においては、バイオフィルター、脱硝チャンバー、及びオキシタワーがすべて並列に配列されることもあり、その結果、FFSからの流れが3つに分割されて、バイオフィルター、脱硝チャンバー、及びオキシタワーのそれぞれに一部分が直接流れるようになる。さらに、FFS、バイオフィルター、脱硝システム、オキシタワー、保持タンク、フラッシュタンク、動物囲い、等の処理デバイスのいずれかを二つ以上用いることができる。単一の大きなデバイスの代わりに複数の小さな処理デバイスを用いる方が低コストになって有利になることがある。システムは、インラインに配置しても、互いに並列に配列してもよい。
【0179】
例えば、ある態様においては、図1の単一のFFS140の代わりに二つの小さなFFSシステムが用いられる。このFFSシステムは並列に配列され、図1のFFS140に向かう流れがそれらの間で分割される。別のさらに好ましい態様においては、二つのFFSシステムは互いにインラインで配置され、第一のFFSからの流れが第二のFFSへ向かう。オゾンなどの酸素含有ガスが第一のFFSに導入されてTANを還元するのを助け、オゾンをあまり含まないガス、空気又は酸素ガスが第二のFFSに導入される。第二のFFSに空気又は酸素ガスを用いることは、水を脱気するのを助け、バイオフィルターに流れるオゾンの量を減らして、バイオフィルター内の細菌がオゾンによる害を受けないようにする。あるいはまた、FFSとバイオフィルターの間に何らかのタイプの脱気デバイスをインラインで配置することもできる。例えば、ミキシング・エダクターを用いるプロテインスキマーが、2003年9月30日出願の、オートトロフィック・硫黄脱硝チャンバーとカルシウム反応器、という表題の同時継続出願番号第10/673,634号、及び2004年9月30日出願の、オートトロフィック・硫黄脱硝チャンバーとカルシウム反応器、という表題の一部継続出願、代理人整理番号09286.0001-02000に記載されている。両方の出願におけるプロテインスキマーの記載は参照によって本明細書に組み入れられる。当業者に知られているその他の脱気チャンバーも用いることができる。
【0180】
さらに別の態様においては、図1の単一のバイオフィルター160の代わりに二つ以上のバイオフィルター160を使用することができる。バイオフィルターはインラインで配置され、最初のバイオフィルターからの流れが次のバイオフィルターへ行く、等と続く。別のさらに好ましい態様においては、二つ以上のバイオフィルターが並列で配置され、FFS140からの流れがその間で分割される。並列形態は、各チャンバーへ行く廃水流から前のバイオフィルターでTANが枯渇していないので、各チャンバーの細菌に十分な食物の供給があることになり、インライン形態よりも効率的であると考えられる。
【0181】
さらに別の流れの配置も可能である。ある態様においては、保持タンク170からの水の一部は脱硝チャンバー180へ流れ、水の一部はバイオフィルター160へ、図1の破線で示すように流れる。
【0182】
図1のシステムは可動式であり、それを用いる現場で構築することができる。あるいはまた、1又は複数のシステム130,140,160,180,及び210を“スキッド(skid)”と呼ばれる単一支持体上でコンパクトにして組み立てることもできる。これによってシステムを現場以外の場所で製造し組み立てて、アクアタンクの場所にすぐに使用できる形で発送することができる。このような集積されたシステムは、また、現場で組み立てるシステムよりもコストが安くなると思われる。
【0183】
次に、固形排泄物を処理するための陰極液と陽極液の利用について詳しく説明する。上述のように、固形排泄物は固形物セパレーター130及びFFS140によって廃水から分離される。厩肥と水の混合物から分離された固形物は、図1に示すように、排泄物コレクター150によって回収される。排泄物コレクター150の内側で、所望により、排泄物をさらに処理し、残っている液体を固形排泄物から分離することができる。
【0184】
肥料として利用するためには、乾燥排泄物中のアンモニアを植物に毒性のない窒素化合物に変換しなければならない。通常の条件の下で、これは3〜8週間かかる。陰極液を乾燥排泄物に混合すると、この変換を行う排泄物の中の細菌の増殖が促進される。細菌の増殖と健康の改善によって、従来の方法では3〜8週間が必要とされたのに比べて短い期間で使用して安全な固形排泄物が得られる。さらに、固形排泄物の外側、又は固形排泄物を保持するバッグその他の容器に陽極液をスプレー散布して環境への悪臭と微生物放出を減らし、排泄物の取扱を無毒化することができる。
【0185】
固形排泄物に陰極液を混合することは、固形排泄物に溶液を混合する従来の方法、例えばミキサーや上述の混合タンクなど、によって行うことができる。
【0186】
1つの態様においては、固形排泄物に陰極液を混合した後、陰極液/固形排泄物の混合物の一部をシール容器に、例えばバッグ、に入れる。容器に陰極液をスプレー散布して消毒する。その後、容器は一時期放置してアンモニアを植物に毒性がない窒素化合物に変化させる。この態様は、安全で輸送可能な形態の肥料を可能にする。所望の時間が経過した後、容器を開封して、中身を肥料として安全に利用できる。
【0187】
本発明をいくつかの態様に関して本明細書で開示して詳細に説明してきたが、それらの詳細な説明が本発明の一般概念から逸脱することなく変更や変形をすることができることは当業者にとって自明であろう。したがって、本発明は特許請求の範囲によって限定されるべきものであり、上述した態様及び詳細な説明によっては制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0188】
本明細書に組み入れられてその一部を成す添付図面は、本発明の例示的な態様を図示し、説明と合わせて本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0189】
【図1】図1は、本発明の一態様により、廃水を処理するために用いられるいろいろな工程段階の流れを示すプロセスフロー図である。
【図2a】図2aは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図2b】図2bは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図2c】図2cは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図2d】図2dは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図2e】図2eは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図2f】図2fは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図2g】図2gは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図2h】図2hは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図2i】図2iは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図2j】図2jは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図2k】図2kは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図2l】図2lは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図2m】図2mは、本発明のいくつかの態様に従うさらなる廃水処理のために用いられる泡分別セパレーター(FFS)を示す図表示である。
【図3a】図3aは、本発明のいくつかの態様に従う、FFSで用いられるジェット・ミキサーを示す図表示である。
【図3b】図3bは、本発明のいくつかの態様に従う、FFSで用いられるジェット・ミキサーを示す図表示である。
【図3c】図3cは、本発明のいくつかの態様に従う、FFSで用いられるジェット・ミキサーを示す図表示である。
【図3d】図3dは、本発明のいくつかの態様に従う、FFSで用いられるジェット・ミキサーを示す図表示である。
【図4a】図4aは、本発明のいくつかの態様に従うミ、キシング・エダクターの図表示である。
【図4b】図4bは、本発明のいくつかの態様に従うミ、キシング・エダクターの図表示である。
【図5】図5は、本発明のいくつかの態様による廃水の脱硝のために用いられるいろいろな工程段階を示すプロセスフロー図である。
【図6】図6は、本発明のいくつかの態様に従う、脱硝方法で用いられるチャンバーの図表示である。
【図7】図7は、本発明のいくつかの態様に従う、脱硝方法で用いられるチャンバーの図表示である。
【図8】図8は、本発明のいくつかの態様に従う、脱硝方法で用いられるチャンバーの図表示である。
【図9】図9は、本発明のいくつかの態様に従う、フローティング生物濾過システムの図表示である。
【図10】図10は、本発明のいくつかの態様に従う、フローティング生物濾過システムの図表示である。
【図11】図11は、本発明のいくつかの態様に従う、フローティング生物濾過システムの図表示である。
【図12a】図12aは、本発明のいくつかの態様に従う、オキシタワーの図表示である。
【図12b】図12bは、本発明のいくつかの態様に従う、オキシタワーの図表示である。
【図12c】図12cは、本発明のいくつかの態様に従う、オキシタワーの図表示である。
【図13a】図13aは、本発明のいくつかの態様に従う、オキシタワーの図表示である。
【図13b】図13bは、本発明のいくつかの態様に従う、オキシタワーの図表示である。
【図13c】図13cは、本発明のいくつかの態様に従う、オキシタワーの図表示である。
【図13d】図13dは、本発明のいくつかの態様に従う、オキシタワーの図表示である。
【図14】図14は、本発明のいくつかの態様に従う、廃水処理に用いることができるいろいろな工程段階で用いられるチャンバーの図表示である。
【図15】図15は、本発明のいくつかの態様に従う、廃水処理に用いることができるいろいろな工程段階で用いられるチャンバーの図表示である。
【図16】図16は、本発明のいくつかの態様に従う、廃水処理に用いることができるいろいろな工程段階で用いられるチャンバーの図表示である。
【図17】図17は、本発明のいくつかの態様に従う、脱硝方法で用いることができる好気性チャンバーの図表示である。
【図18】図18は、本発明のある態様による廃水処理の工程段階で有用なカルシウム・チャンバーを示す図表示である。
【図19】図19は、本発明の態様に従う、廃水処理の工程段階で有用なバイオフィルターの図表示である。
【図20a】図20aは、本発明の態様に従う、図19のバイオフィルターを示す別の図表示である。
【図20b】図20bは、本発明の態様に従う、図19のバイオフィルターを示す別の図表示である。
【図21】図21は、本発明のいくつかの態様に従う、曝気ラグーンのシステムの図表示である。
【図22】図22は、本発明のいくつかの態様に従う、沈澱捕集及び排水システムを有するチャンバーの図表示である。
【図23】図23は、本発明の態様に従う、廃水処理の工程段階で有用なバイオフィルターの図表示である。
【図24】図24は、本発明のいくつかの態様に従う、陽極液と陰極液を用いて廃水を処理するために用いられるいろいろな工程段階の流れを表すプロセスフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の排泄物を回収するための排泄物保持装置を備える動物農場に由来する排泄物を処理する方法であって:
排泄物保持装置に水を注いで排泄物保持装置から排泄物を洗い流し、それによって廃水を生成する段階;
保持装置由来の廃水を分離システムに流し、廃水から固形排泄物の少なくとも一部を分離する段階;
分離システム由来の廃水を、廃水にガス泡を導入するためのシステムに流し、廃水から汚染物質を分離し、そして廃水の溶存酸素のレベルを増加させる段階;
廃水に好気性細菌を加えて廃水中でアンモニアを硝酸塩に還元する段階;
廃水の少なくとも一部分を脱硝システムに流して廃水の硝酸塩レベルを減少させる段階;及び
当該水を保持タンクに流す段階;
を含む方法。
【請求項2】
排泄物保持装置に注がれる水の少なくとも実質的な一部分が請求項1の工程段階によって処理された水である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
排泄物保持装置に水と陽極液が注がれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
陽極液が排泄物保持装置内の動物排泄物にスプレー散布される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
陽極液が排泄物保持装置の付近の環境の空気にスプレー散布される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
廃水が一時期ラグーンに保持される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該廃水が一時期閉じた容器に保持される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
廃水からの固形物及び汚染物質の除去を促進するために陰極液が廃水に添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
廃水に添加される陰極液の量が工程段階で用いられる水の体積の約1〜約30パーセントの範囲にある、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
さらに、定期的な間隔で排泄物保持装置に自動的に水を注ぐ段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
水が少なくとも1時間に3回注がれる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
水が少なくとも4時間に1回注がれる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
注水がタイマー及び廃水の水位又は水流を測定する少なくとも一つのセンサーによって制御される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
分離システムが混合タンクを含み、当該タンクが流体と物質を当該タンク内で混合するための装置を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
混合タンクに酸素含有ガスを添加する追加の段階を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
さらに、混合タンクに陰極液を加える段階を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
混合タンクに添加される陰極液の量が当該混合タンク内の水の体積の約1〜約30パーセントの範囲にある、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに、水と廃水の強制的な流れを実現するための少なくとも一つのポンプを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ポンプがスクリュー・ポンプである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ポンプによって作り出される廃水流が約0.15〜3.0 L/kg動物/時間である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
分離システムがさらに固体と液体を分離するためのメカニズムを含むタンクを含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
固体と液体を分離するためのメカニズムが、重力スクリーン、ディスク・スクリーン、ドラム、ベルト、スクリュー・プレス・スクリーン、又はフィルター・システムから成る群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
廃水がガス泡を導入するためのシステムに流入する際に廃水に陰極液を添加する追加の段階を含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
添加される陰極液の量が、廃水にガス泡を導入するためのシステム内の水の体積の約1〜約30パーセントの範囲にある、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
ガス泡を導入するためのシステムが、廃水を保持するための第一のチャンバーと、酸素含有ガスを廃水と混合するための少なくとも一つのジェット・ミキサーを含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
ガス泡を導入するためのシステムが、さらに、泡沫(foam)の形態で装置に蓄積する汚染物質を回収するためのコレクター・プレートを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
酸素含有ガスがオゾンである、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
ジェット・ミキサーが、強制的な水流を導入するインレットチャンネルと、当該インレットチャンネルに繋がれ且つチャンバー内部から水を引き込む流路を規定するミキシング・チャンネルと、当該ミキシング・チャンネルに繋がれ且つ酸素含有ガス又は液体の流れを受け入れるように適合している管(tubing)、とを含んで成るミキシング・エダクターであって、動作時に、強制な水流、引き込まれた水、ガス又は液体をチャンバー内で混合するミキシング・エダクターである、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
ミキシング・エダクターの管が二つの管セクションを含み、第一のセクションが酸素含有ガスの流れを受け入れることができ、第二のセクションが液体の流れを受け入れることができる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
液体が陰極液である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ミキシング・エダクターの管が酸素含有ガスの流れと液体の流れの両方を受け入れることができる単一の管セクションを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
液体が陰極液である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
好気性細菌を添加する段階が、好気性細菌を養う培地を含むチャンバーであって、液体又はガスと廃水とを当該チャンバー内で混合するための装置を含むチャンバーで行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
さらに、好気性細菌処理の効率を改善するためにチャンバーに酸素含有ガスを加える段階を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
さらに、チャンバー内の廃水に陰極液を添加する段階を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
添加される陰極液の量がチャンバー内の水の体積の約1〜約20パーセントの範囲にある、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
該好気性細菌がニトロソモナス(nitrosomonas)及びニトロバクター(nitrobacter)細菌から選択される少なくとも一種の細菌である、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
廃水中の硝酸塩レベルを維持するための脱硝システムが、廃水の酸素濃度を実質的に減少させるための装置と、水中の硝酸塩のレベルを実質的に減少させるための嫌気性細菌含有装置とを含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
廃水の酸素濃度を実質的に減少させるための装置が、水がチャンバーを通って流れるときに水の酸素含有量を実質的に減少させるのに十分な好気性細菌を養う培地を含むチャンバーを含んで成る、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
チャンバーが水の酸素含有量を5ppm未満のレベルまで減少させる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
さらに、チャンバーに陰極液を添加する段階を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
添加される陰極液の量がチャンバー内の水の体積の約1〜約20パーセントの範囲にある、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
嫌気性細菌を含む装置が、水がチャンバーを流れる際に、水中の硝酸塩含有量を実質的に減少させるのに十分な嫌気性細菌を養う硫黄培地を含むチャンバーを含んで成る、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
嫌気性細菌がチオバチルス・デニトリフィカンス(Thiobacillus denitrificans)細菌を含んで成る、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
好気性細菌がニトロソモナス(nitrosomonas)及びニトロバクター(nitrobacter)細菌から選択される少なくとも一種の細菌を含んで成る、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
嫌気性細菌が、チオバチルス・デニトリフィカンス(Thiobacillus denitrificans)、チオバチルス・ベルスタス(Thiobacillus versutus)、チオバチルス・チアシリス(Thiobacilus thyasiris)、チオスファエラ・パントトロファ(Thiosphaera pantotropha)、パラコッカス・デニトリフィカンス(Paracoccus denitrificans)、及びチオミクロスピラ・デニトリフィカンス(Thiomicrospira denitrificans)、から選択される少なくとも一種の細菌を含んで成る、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
さらに、水流を受け入れるための筐体(enclosure)を含んで成るオキシタワー装置に水を流す追加の段階を含み、当該筐体が垂直から内側に角度θoxyで傾斜する側壁を有し、藻類の増殖のための支持体としての役割を果たす培地であって、水が筐体の壁を流下して藻類と接触し、藻類に当該水から汚染物質を効果的に除去させて水のpHを上昇させるように筐体の内面に配置されている培地、を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
さらに、オキシタワー装置に陰極液を添加する追加の段階を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
添加される陰極液の量がオキシタワーを通って流れる水の体積の約1〜約20パーセントの範囲にある、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
固形排泄物及びその他の不純物を含む廃水を処理する方法であって:
廃水を、当該固形排泄物の少なくとも一部分を当該廃水から分離して固形物含有量が減少した廃水を形成するための固体/液体分離システムに導入する段階;
固形物含有量が減少した廃水を第一の保持エリアに流す段階;
酸素含有ガスを保持エリア内の廃水に導入して廃水中に泡(bubble)を形成させることによって当該廃水から第一の排泄産物(waste product)を泡沫の形態で除去する段階、ここで泡は水から第一の排泄産物を回収してタンク内の廃水の表面に上昇し泡沫を形成する;及び
タンクの底部に沈下させ、回収し、そして後に除去することで第二の排泄産物を排水から除去する段階;
を含んで成る方法。
【請求項51】
ガスがミキシング・チャンネルを有する少なくとも一つのミキシング・エダクターによって導入され、廃水と酸素を含んで成るガスが最初にミキシング・チャンネルの内側で混合され、次にミキシング・チャンネルから循環する方向に流される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
酸素含有ガスが、空気、酸素、及びオゾンから選択される、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
第一の装置に陰極液が導入される、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
さらに、第一の装置由来の廃水を、好気性細菌を養う培地を含むチャンバーを有するバイオフィルターに流すことを含んで成る、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
バイオフィルターがミキシング・エダクターを含み、酸素を含んで成るガスが当該ミキシング・エダクターによって当該バイオフィルターに導入される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
バイオフィルターに陰極液が導入される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
さらに、廃水から硝酸塩を除去する嫌気性細菌を養う培地を含む脱硝システムに、バイオフィルター由来の廃水を流す段階を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
脱硝チャンバーに陰極液が導入される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
さらに、藻類を養う培地を有するオキシタワーに水を流す段階を含んで成り、ここで、当該水が藻類の表面上に流される、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
動物農場由来の廃水流出物から除去される固形排泄物を処理する方法であって、当該固形排泄物に陽極液を添加する段階を含んで成る方法。
【請求項61】
動物囲いにおける悪臭と細菌を減らす方法であって、当該動物囲いを陽極液によって処理する段階を含んで成る方法。
【請求項62】
動物の固形排泄物から安全に肥料を形成する方法であって:
固形排泄物を陰極液と混合して迅速な分解を促進する段階;
排泄物の外側に陽極液を散布する段階;及び
有害なアンモニアを排泄物から除去するのに十分な長さの時間をかけて排泄物混合物を分解させる段階;
を含んで成る方法。
【請求項63】
動物排泄物からポータブル容器の肥料を形成する方法であって:
固形排泄物を陰極液と混合して迅速な分解を促進する段階;
選択量の混合排泄物をシール容器に入れる段階;
当該容器の外面に陽極液をスプレー散布して、当該容器を殺菌し、そして悪臭を除く段階;及び
当該排泄物から有害なアンモニアを除去するのに十分な長さの時間をかけて排泄物混合物を分解させる段階:
を含む方法。
【請求項64】
シール容器がバッグである、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
廃水に泡を噴射することによって廃水から汚染物質を分離する泡沫分別(foam fractionator)セパレーターであって:
廃水を保持するためのタンクであって、当該タンクに水流を導入するためのインレットと、タンクから水を流し出すためのアウトレットを有するタンク;
強制的な水流を発生させるポンプ;
酸素含有ガスをタンク内の水と混合するための少なくとも一つのジェット・ミキサーであって、ポンプからの強制的な水流をチャンバーに導入するためのインレットチャンネル、チャンバー内部からの水を内側に引き込む様に当該インレットチャンネルに取り付けられたフレア状のインレットコーン及び強制的な水流と泡がチャンバー内に向かうのに通過するフレア状のアウトレットコーンを有するミキシング・チャンネル、及び、酸素含有ガスをチャンバーの外側からミキシング・チャンネルに導入して水とガス泡の混合物を形成するための流路、を含むジェットミキサー;及び
水の表面に形成される泡沫の形態の汚染物質を回収するためのコレクター・プレート;
を含むセパレーター、
を含んで成る泡沫分別セパレーター。
【請求項66】
ガスを導入するための流路が、ミキシング・チャンネルを通る水流中に、ミキシング・チャンネルの中心長手軸から角度θtで配置された管である、請求項65に記載のセパレーター。
【請求項67】
角度θtが0〜90°の範囲にある、請求項66に記載のセパレーター。
【請求項68】
θtが30〜60°の範囲にある、請求項66に記載のセパレーター。
【請求項69】
θtが45°である、請求項66に記載のセパレーター。
【請求項70】
タンクの下方部分が、沈積物を定期的に除去することが可能なようにテーパー形状を有している、請求項65に記載のセパレーター。
【請求項71】
ドレーンとバルブが、沈積物が定期的に除去されるようにタンクの底に配置されている、請求項70に記載のセパレーター。
【請求項72】
ドレーンの目視検査が可能となるようにバルブとドレーンの間にパイプの透明なセクションを採用して、その結果沈積物の蓄積を監視できる、請求項71に記載のセパレーター。
【請求項73】
タンク内での循環的な水流を実現するためにタンクの内面に少なくとも二つのジェット・ミキサーが配置されている、請求項65に記載のセパレーター。
【請求項74】
タンクの反対側に配置され、且つ実質的に反対方向に向いている二つのジェット・ミキサーを含んで成る、請求項73に記載のセパレーター。
【請求項75】
さらに、回収した泡沫を保持するためのコレクター・タンクを含んで成る、請求項65に記載のセパレーター。
【請求項76】
コレクター・タンク内に含まれる泡沫から放出されるガスを活性炭に通して悪臭を除去する、請求項75に記載のセパレーター。
【請求項77】
さらに、悪臭が該タンクから漏れ出すことを防ぐための蓋を含んで成る、請求項65に記載のセパレーター。
【請求項78】
ジェット・ミキサーのアウトレットコーンの内面が、当該コーンの内面の周りで回転しているホイルを含み、当該ホイルが水の運動をアウトレットコーンを経由してらせん経路で誘導する、請求項65に記載のセパレーター。
【請求項79】
流路が、ミキシング・チャンネルを通る水流中に、ミキシング・チャンネルの中心長手軸から角度θtで配置されている少なくとも二つの管から成る、請求項65に記載のセパレーター。
【請求項80】
一つの管がミキシング・チャンネルに液体を導入する、請求項79に記載のセパレーター。
【請求項81】
液体が陰極液である、請求項80に記載のセパレーター。
【請求項82】
廃水を処理するための一般に閉じたシステムであって:
酸素含有ガスを廃水に注入するための第一の装置;
廃水中の有機物を分解することができる好気性細菌を養うことができる第二の装置;及び
廃水中の硝酸塩のレベルを実質的に減少させることができる脱硝システムを含む第三の装置;
を含んで成るシステム。
【請求項83】
第一の装置が第二の装置と流体連通しており;
第二の装置が該第三の装置と流体連通しており;
廃水が第一の装置から第二の装置へ、次に第三の装置へ、という順序で流れる、請求項82に記載のシステム。
【請求項84】
第一の装置が、廃水の一部分が第一の装置から流出して第二の装置に流入し、廃水の一部分が第一の装置から流出して第三の装置に流入するように、第二の装置及び第三の装置の両方と流体連通している、請求項82に記載のシステム。
【請求項85】
廃水を処理するシステムであって:
廃水に酸素含有ガスを注入することによって廃水から排泄物を分離する第一の装置;
第一の装置と流体連通している第二の装置であって、好気性細菌を養うことができる培地を含む第二の装置;
第二の装置と流体連通している脱硝システムであって、廃水中の硝酸塩のレベルを実質的に減少させることができる脱硝システム;及び
脱硝システムと流体連通している第四の装置であって、廃水から汚染物質を除去して廃水を酸化処理することができる藻類を養うための培地を含む第四の装置;
を含んで成るシステム。
【請求項86】
第一の装置が第二の装置と流体連通しており;
第二の装置が脱硝システムと流体連通しており;
脱硝システムが第四の装置と流体連通しており;
廃水が第一の装置から第二の装置へ、第二の装置から第三の装置へ、という順序で流れる、請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
第一の装置が第二、第三、及び第四の装置と、廃水の一部分が第一の装置から流出して第二の装置へ流入し、廃水の一部分が第一の装置から流出して第三の装置へ流入し、廃水の一部分が第一の装置から流出して第四の装置へ流入するように、流体連通している、請求項85に記載のシステム。
【請求項88】
動物を収容している囲いからの廃水を処理するシステムであって:
当該囲いをクリーニングするための水を貯えるための保持タンク;
囲いで動物が産生する排泄物を回収するための排泄物保持装置であって、フラッシュタンクと流体連通している排泄物保持装置;
フラッシュタンクからの水を用いて排泄物保持装置から洗い流された(flushed)廃水を受け入れる保持エリアであって、排泄物保持装置と流体連通している保持エリア;
廃水から固形排泄物を分離するための固体/液体分離タンクであって、保持エリアと流体連通している固体/液体分離タンク;
廃水に酸素含有ガスを注入することによって廃水から汚染物質を分離するための泡沫分別セパレーターであって、固体/液体分離タンクと流体連通している泡沫分別セパレーター;
廃水中の有機物を分解する好気性細菌を養うことができるバイオフィルターであって、泡沫分別セパレーターと流体連通しているバイオフィルター;及び
廃水中の硝酸塩レベルを減少させることができる脱硝システムであって、脱硝システムはバイオフィルター及び該保持タンクと流体連通している脱硝システム;
を含んで成るシステム。
【請求項89】
さらに、固形排泄物回収タンクを含んで成る、請求項88に記載のシステム。
【請求項90】
さらに、構造中に藻類を養っているオキシタワーであって、水中の汚染物質を除去し水を酸素処理するオキシタワーを含んで成る、請求項88に記載のシステム。
【請求項91】
オキシタワーが:
水流を受け入れるための筐体であって、垂直から内側に角度θoxy傾斜している側壁を有する筐体;
側壁の内面に配置された、藻類の増殖を支えることができる培地;
水が側壁の表面に沿って流れるように水を筐体内に導入し、同時に、藻類が効果的に自ら汚染物質を除去して水のpHを上昇させることができるように水と藻類との接触を維持するための培地の上方に配置されたインレット;及び
水がオキシタワーから出てゆくことができるように筐体の底部に配置されたアウトレット;
を含んで成るシステム。
【請求項92】
水が筐体内に流入する際にアルカリ性陰極液が水に添加される、請求項91に記載のシステム。
【請求項93】
オキシタワーの側壁が円錐台(truncated cone)の形状を形成し、インレットが筐体の上部の円周の内側沿いに配置された水チャンネルであって、水が筐体に導入させることができる複数のアウトレットを有するチャンネルを含んで成る、請求項91に記載のシステム。
【請求項94】
オキシタワーが、光合成と藻類の増殖のために十分な光を供給するためのタワー内に配置された人工光源をさらに含んで成る、請求項91に記載のシステム。
【請求項95】
二つ以上の泡沫分別セパレーターを含む、請求項88に記載のシステム。
【請求項96】
複数のセパレーターが直列に配列されている、請求項95に記載のシステム。
【請求項97】
複数のセパレーターが並列に配列している、請求項95に記載のシステム。
【請求項98】
二つ以上のバイオフィルターを含む、請求項88に記載のシステム。
【請求項99】
バイオフィルターが直列に配列されている、請求項98に記載のシステム。
【請求項100】
バイオフィルターが並列に配列されている、請求項98に記載のシステム。
【請求項101】
バイオフィルターが:
好気性細菌を養うことができる培地を含むタンク;
強制的な水流を発生させるためのポンプ;
二つの別々の外部源から提供される水と陰極液を受け入れるように適合したインレットチャンネル;及び
酸素含有ガスと水とをタンク内で混合するためのミキシング・エダクター;
を含んで成る、請求項88に記載のシステム。
【請求項102】
水がタンクに流入する際に水に陰極液が添加される、請求項101に記載のシステム。
【請求項103】
陰極液がミキシング・エダクターによってバイオフィルターに添加される、請求項101に記載のシステム。
【請求項104】
バイオフィルター・タンクの下方部分が、底部に沈積する沈積物の回収を可能にするテーパー形状を有する、請求項101に記載のシステム。
【請求項105】
ドレーンとバルブが、沈積物を定期的に除去することが可能なようにタンクの底部に配置されている、請求項104に記載のシステム。
【請求項106】
脱硝システムが:
アクアリウムの水の酸素濃度を実質的に減少させることができる好気性細菌を養うことができる第一の培地を含む第一のチャンバー;及び
第一のチャンバーと流体連通している1又は複数の脱硝チャンバーであって、アクアリウムの水の硝酸塩を実質的に減少させることができるチオバチルス・デニトリフィカンス(thiobacillus denitrificans)を養うことができる硫黄を含む第二培地を含む脱硝チャンバーを含んで成る装置、
を含んで成る、請求項88に記載のシステム。
【請求項107】
水が第一のチャンバーのインレットに流入する際に陰極液が水に添加される、請求項106に記載のシステム。
【請求項108】
水中の汚染物質を減らすためのバイオフィルター・システムであって:
好気性細菌を養うことができる培地を含むタンク;
容器からの強制的な水流を、タンク内に、そしてタンクを経由して、導入するためのポンプ;並びに
容器からの強制的な水流をタンク内に導入するためのインレットチャンネル、ミキシング・チャンネルであって、容器の内側由来の第二の流体が当該ミキシング・チャンネル内に引き込まれるようにインレットチャンネル付近に配置されたフレア状インレット領域及び強制的な水流とガスをタンク内に誘導するのに通るフレア状アウトレット領域、を有するミキシング・チャンネル、並びに酸素含有ガスをタンクの外側からミキシング・チャンネル内に導入して水とガス泡の混合物を形成するための流路、
を含んで成るバイオフィルター・システム。
【請求項109】
水面に浮かんでいる、請求項108に記載のバイオフィルター・システム。
【請求項110】
第一の流体と、液体を含んで成る第二の流体とを容器内で混合するためのシステムであって、
第二の流体の強制的な流れを容器内に導入するためのインレット・チャンネル、ミキシング・チャンネルであって、容器の内側由来の第二の流体が当該ミキシング・チャンネル内に引き込まれるようにインレットチャンネル付近に配置されたフレア状インレット領域及び第一と第二の流体の強制的な流れが容器内に誘導されるのに通るフレア状アウトレット領域、を有するミキシング・チャンネル、並びにタンクの外側からの第一の流体をミキシング・チャンネル内に導入して第一と第二の流体の混合物を形成するための流路、を有するミキシング・エダクター;並びに
容器由来の第二の流体を再循環させて1又は複数のエダクターから容器内に戻すための手段、
を含んで成るバイオフィルター・システム。
【請求項111】
好気性細菌を養うことができる培地を含むタンク;及び
容器からの強制的な水流をタンク内に導入するためのインレットチャンネル、ミキシングチャンネルであって、容器の内側由来の水が当該ミキシング・チャンネル内に引き込まれるようにインレットチャンネル付近に配置されたフレア状インレット領域及び強制的な水流とガスをタンク内に誘導するのに通るフレア状アウトレット領域、を有するミキシング・チャンネル、並びに酸素含有ガスをタンクの外側からミキシング・チャンネル内に導入して水とガス泡の混合物を形成するための流路、をさらに含んで成り、容器内の水面に浮かんでいる、請求項110に記載のシステム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図2h】
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【図2i】
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【図2j】
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【図2k】
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【図2l】
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【図2m】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図13d】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20a】
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【図20b】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2007−509734(P2007−509734A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534211(P2006−534211)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/032572
【国際公開番号】WO2005/033010
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(506103832)オー.ケー.テクノロジーズ,リミティド ライアビリティ カンパニー (2)
【Fターム(参考)】