説明

弁装置

【課題】燃料タンクへの給油時の給油量をより高い精度で規制できるようにする。
【解決手段】燃料タンクTに取り付け用いられる弁装置Vである。燃料タンクTの外部との接続通路の内端となる通気口を備えた主体部1と、燃料の液面Wを利用して通気口を開閉する弁体2と、この弁体2を取り巻くように主体部1から下方に延出されると共に裾部30に燃料の液面Wが達したときに燃料タンクTの内外の圧力差によって内側に燃料を取り込むように構成されたスカート部3とを備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車や二輪自動車などの燃料タンクに取り付けられて、開弁状態において燃料タンク内外を連通させるように機能される弁装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料タンクに取り付けられて給油時の給油量を規制すると共に過給油を防止するように機能する燃料遮断弁として、特許文献1に示されるものがある。特許文献1のものは上下に二つの弁機構を備えている。下側に位置される第1弁機構の第1フロートは燃料液位が第1液位に達したときに第1弁室への燃料の流入により上昇されて第1接続通路を閉じるようになっているが、第1弁室は側部連通孔により燃料タンク内に側部において連通されているため、給油時の燃料の液面の揺らぎや波立ちによってこれらがなければ前記第1液位に達していないにもかかわらず第1弁室への燃料の流入がなされる可能性があり、給油量を高い精度で規制する観点からはさらなる検討を要するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−266096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の弁装置において、燃料タンクへの給油時の給油量をより高い精度で規制できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、弁装置を、燃料タンクに取り付け用いられる弁装置であって、
燃料タンクの外部との接続通路の内端となる通気口を備えた主体部と、
燃料の液面を利用して通気口を開閉する弁体と、
この弁体を取り巻くように主体部から下方に延出されると共に裾部に燃料の液面が達したときに燃料タンクの内外の圧力差によって内側に燃料を取り込むように構成されたスカート部とを備えてなるものとした。
【0006】
弁体によって通気口が閉鎖されていない状態では接続通路により燃料タンクの内外は連通され、また、この状態において燃料タンクへの給油が可能とされる。スカート部の裾部に燃料の液面が達すると燃料タンク内外の圧力差が生じることから、接続通路の内端にあたる通気口を内方に位置させるスカート部には燃料が吸い上げられるように取り込まれ、このように取り込まれる燃料によって弁体は直ちに通気口を閉鎖する。燃料タンク内の燃料の液面のゆらぎなどにより、液面の一部がスカート部の外側部に接したり裾部に接してもスカート部内にこのように燃料が取り込まれることはない。これにより、給油により燃料の液面がスカート部の裾部のレベルに達したときに正確に弁体により通気口を閉鎖して燃料タンク内の圧力を高め給油ガン側のセンサに満タンを検知させて給油を停止させるようにすることができる。給油時の液面のゆらぎや、給油速度に起因した液面の波立ちなどに影響されて、所期の給油量に達しない段階で前記満タンを検知させてしまうことがない。スカート部は下方を開放させてなることから、弁装置の下端はスカート部の裾部となり、弁装置を上下方向においてコンパクトに構成できる。
【0007】
前記弁体を、上昇により第一開口を閉塞する第一弁体と、第一弁体を上昇させるレベルより高いレベルに燃料の液面が達したときに上昇により第二開口を閉塞する第二弁体とによって構成させておけば、給油時に第一弁体が第一開口を閉鎖した段階で最初の満タンを給油ガン側のセンサに検知させることができると共に、この最初の満タン検知による給油停止後に第二開口を通じて燃料タンク内の圧力は低下されることから、前記満タンの検知の解除が可能とされ、この解除後に第二弁体が第二開口を閉鎖するまでの追加給油を許容させることができる。
【0008】
この場合さらに、スカート部を、第一弁体を取り巻く第一スカート部と、第二弁体を取り巻くと共にその裾部を第一スカート部の裾部よりも上方に位置させた第二スカート部とによって構成させておけば、第一弁体を上昇させるレベルより高いレベルに燃料の液面が達したときに、第二スカート部に燃料を吸い上げるように取り込み、このように取り込まれる燃料によって第二弁体により第二開口を直ちに閉鎖させて、二回目の満タン、つまり、給油のリミットを給油ガン側のセンサにタイムラグ少なく正確に検知させることができる。
【0009】
かかる弁体を、主体部の下方に上下動可能に支持されると共に、上昇により主体部の通気口を閉塞するフロート体として構成しておけば、スカート部に燃料が取り込まれていないときは自重により弁体を下降させて通気口の開放状態を維持させ、一方、このスカート部に燃料が取り込まれたときは弁体を浮力により上昇させて通気口を閉鎖させることができる。弁体をスカート部の内方においてかかる通気口の形成部分につり下げ状に支持するようにしておけば、弁装置の下端に蓋板などを設けて弁体を支持させていた場合に比べ、弁装置を上下方向においてコンパクトに構成できる。
【0010】
主体部が、接続通路における通気口より下流側にさらに、車両に一定以上の傾きが生じたときに接続通路を閉鎖するように動作する弁体を納めた弁室を備えるようにしておけば、スカート部の裾部に燃料の液面が達したときにのみ速やかに通気口を閉じる機能を備えた弁装置にさらに、車両に一定以上の傾きが生じたときに接続通路を通じて外部に燃料を漏出させない機能を合理的に備えさせることができる。前記特許文献1に記載のものは、第1弁室上の第2弁室にも燃料液位が第2液位に達したときに第1弁室を通じて常に燃料を入り込ませるものであり、かかる第2弁室はこのような車両に一定以上の傾きが生じたときに接続通路を通じて外部に燃料を漏出させない目的で設けられたものではない。
【発明の効果】
【0011】
この発明にかかる弁装置によれば、スカート部の裾部に燃料の液面が達しない限りスカート部には燃料が取り込まれず、また、スカート部の裾部に燃料の液面が達したときはスカート部に吸い上げるように燃料を取り込んで直ちに弁体によって接続通路の内端をなす通気口を閉塞させることができ、燃料タンクへの給油時の給油量をより高い精度で規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、弁装置の斜視構成図である。
【図2】図2は、同要部破断斜視構成図である。
【図3】図3は、同使用状態を示した断面構成図である。
【図4】図4は、同使用状態を示した断面構成図である。
【図5】図5は、弁装置の他の構成例の使用状態を示した断面構成図である。
【図6】図6は、同使用状態を示した断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1〜図6に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。
【0014】
なお、ここで図1は実施の形態にかかる弁装置Vの外観構成を、図2はその内部構成を、それぞれ示している。また、図3は燃料の液面Wがスカート部3の裾部30に達しないときの開弁状態を、図4は燃料の液面Wがスカート部3の裾部30に達したときの閉弁状態を、それぞれ示している。
【0015】
また、図5および図6は、図1〜図4に示される弁装置Vの構成の一部を変更させた例を示しており、図5は燃料の液面Wがスカート部3の裾部30に達しないときの開弁状態を、図6は燃料の液面Wが第一スカート部3の裾部30に達したときの第一開口10’の閉弁状態を、それぞれ示している。
【0016】
この実施の形態にかかる弁装置Vは、自動車や二輪自動車などの燃料タンクTに取り付けられて、開弁状態において燃料タンクT内外を連通させるように機能されるものである。
【0017】
かかる弁装置Vは、典型的には、燃料タンクTの上部に取り付けられて、燃料タンクTに対する接続通路R(通気路)の一部を構成する。
【0018】
図示の例では、かかる弁装置Vは、燃料タンクTへの給油を許容すると共に、燃料タンクT内の燃料の液面Wが所定のレベルに達したときに閉弁状態に移行して燃料タンクT内の圧力を上昇させこれにより給油ノズル側のセンサに満タンを検知させて給油を停止させるように機能する、いわゆるベントバルブとして用いられるものとなっている。
【0019】
かかる弁装置Vは、主体部1と、弁体2と、スカート部3とを備えている。
【0020】
主体部1は、燃料タンクTの外部Taとの接続通路Rの内端となる通気口10を備えている。図示の例では、かかる主体部1は、筒状をなす胴部11を備えている。この胴部11は外側にフランジ11aを一体に備えている。また、この胴部11はフランジ11aの上方において胴部11に対して略直交する向きに延びる接続管体13に上部室12を介して連通されている。上部室12と胴部11との連通部14は下方に向けて突き出す環状リブ14aに縁取られている。胴部11の下端には、仕切り板40の下方を後述するスカート部3とする下部パーツ4が取り付けられている。下部パーツ4は筒両端を共に開放させた筒状をなすと共に、この筒両端間の略中程の位置に仕切り板40を備えている。かかる下部パーツ4の仕切り板40に通気口10が形成されている。図示の例では、かかる仕切り板40は、円形の貫通孔41の中央に上方に突き出す支持筒体42を配すると共に、この支持筒体42を巡る方向において略90度間隔でこの支持筒体42の支持片43をこの支持筒体42と貫通孔41の孔縁との間に架設させるようにした構造を備えており、このように設けられた隣り合う支持片43、43の間が通気口10として機能するようになっている。下部パーツ4の内径は胴部11の外径と略等しくなっており、下部パーツ4は、その上端から内側に胴部11の下端をはめ込ませると共に、はめ込み箇所を溶着などして固着させることで胴部11と一体化されるようになっている。胴部11の下端外側には、下部パーツ4の上端に突き当たって下部パーツ4内への胴部11の下端の入り込み量を規制する規制突部11cが形成されている。これにより主体部1は下部パーツ4の下端、すなわち、スカート部3の裾部30においてのみ燃料タンクTの内部Tcに連通し、接続管体13において燃料タンクTの外部Taに連通し、その余の箇所を液密に構成させている。
【0021】
また、胴部11の下端には底板15が嵌め付けられている。底板15はその中央部に上方に向けて突き出す短寸柱状部15aを備えている。この短寸柱状部15aは中空でその内部空間は下方において開放されており、後述する弁体2のつり下げ用軸22はその上昇時にこの内部空間に入り込むようになっている。かかる底板15と下部パーツ4の仕切り板40との間には接続通路Rの一部となる空間が確保されると共に、底板15の外周部には接続通路Rの一部となる貫通孔15bが形成されている。
【0022】
胴部11における上部室12との連通部14と底板15との間には、この胴部11内において上下動可能な大きさを備えた弁体5が納められている。かかる弁体5は円柱状をなすフロート体50と、このフロート体50の上端部に取り付けられたキャップ51を介してこのフロート体50に組み合わされたシール体52とを備えている。弁体5には下方に開放された周回空隙53が形成されている。この周回空隙53内には、スプリング下端側に底板15の短寸柱状部15aを入り込ませるようにしてこのスプリング下端を底板15に止め付けた圧縮コイルスプリング54が納められ、このように納められたスプリング54によってフロート体50には一定の上方に向けた付勢力が作用されるようになっている。そして、図示の例では、通常は、弁体5は底板15にフロート体50の下端を接しさせる下降位置にあって、前記通気口10と貫通孔15bと連通部14とを通じた燃料タンクT内外の連通状態が維持されるようになっている。(図3)それと共に、車両に一定以上の傾きが生じて、前記通気口10と貫通孔を通じて胴部11内に燃料が流入してきたときは、この燃料によってかかる弁体5が上部室12と胴部11との連通部14を前記シール体52によって塞ぐ位置まで移動されるようになっている。(図2)具体的には、このような場合には、シール体52が前記環状リブ14aに密着するようになっている。
【0023】
すなわち、図示の例では、主体部1は、接続通路Rにおける通気口10より下流側に、車両に一定以上の傾きが生じたときに接続通路Rを閉鎖するように動作する弁体5を納めた弁室を備えている。これにより、この例では、後述するスカート部3の裾部30に燃料の液面Wが達したときにのみ速やかに通気口10を閉じる機能を備えた弁装置Vにさらに、車両に一定以上の傾きが生じたときに接続通路Rを通じて外部に燃料を漏出させない機能を合理的に備えさせている。図示の例では、主体部1のフランジ11aには下方に突き出す環状の溶着用突部11bが形成されており、燃料タンクTに形成された取り付け用の開放部Tbを通じて燃料タンクTの内部Tcにこのフランジ11aより下方を入れ込ませた状態で、この溶着用突部11bを燃料タンクTの外面部Tdに溶着させることにより、弁装置Vは燃料タンクTに取り付けられる。前記接続管体13には、キャニスターへの接続管Pなどが接続される。
【0024】
弁体2は、燃料の液面Wを利用して前記通気口10を開閉するものとして構成されている。この実施の形態にあっては、かかる弁体2は、主体部1の下方に上下動可能に支持されると共に、上昇により主体部1の通気口10を閉塞するフロート体20として構成されている。これにより、この実施の形態にあっては、後述するスカート部3に燃料が取り込まれていないときは自重により弁体2を下降させて通気口10の開放状態を維持させ、(図3)一方、このスカート部3に燃料が取り込まれたときは弁体2を浮力により上昇させて通気口10を閉鎖させることができる。(図4)
【0025】
図示の例では、かかる弁体2は、筒上端を閉塞させ筒下端を開放させた短寸筒部21と、この短寸筒部21の閉塞された筒上端面21aの略中央に軸下端を一体に連接させて上方に突き出すつり下げ用軸22とを備えている。つり下げ用軸22は中空で短寸筒部21内の空間にのみ連通している。つり下げ用軸22の軸上端には裁頭円錐状をなす頭部22aが形成されており、この頭部22aの下端の外径は下部パーツ4の仕切り板40の支持筒体42の筒上端側の内径よりもやや大きくなっている。そして、図示の例では、下部パーツ4の仕切り板40の支持筒体42に下方からつり下げ用軸22は、つり下げ用軸22及び支持筒体42の双方又はいずれか一方の弾性変形により、つり下げ用軸22の頭部22aが支持筒体42の筒上端から突き出される位置まで入れ込ませることができるようになっており、この入れ込ませよって弁体2はつり下げ用軸22の頭部22aを支持筒体42の筒上端に引っかけさせた下降位置(図3)と、短寸筒部21の筒上端面21aを仕切り板40の下面に接しさせた上昇位置(図4)との間の上下動可能に下部パーツ4に支持されるようになっている。弁体2の筒上端面21aの外縁は通気口10の外縁よりも外側に位置され、弁体2の上昇位置において通気口10は閉鎖され、接続通路Rは閉じられるようになっている。(図4)
【0026】
スカート部3は、かかる弁体2を取り巻くように主体部1から下方に延出されると共に裾部30に燃料の液面Wが達したときに燃料タンクTの内外の圧力差によって内側に燃料を取り込むように構成されている。
【0027】
図示の例では、かかるスカート部3は、胴部11に取り付けられて主体部1に通気口10を形成させる下部パーツ4のこの通気口10より下方の箇所によって構成されている。スカート部3は下端を開放させた円筒状をなすと共に、その裾部30は下降位置にある弁体2の下端よりも下方に位置され、かつ、かかる円筒の筒軸線に直交する仮想の直線上に位置されるようになっている。スカート部3はこの裾部30のみにおいて燃料タンクT内に開放されている。
【0028】
弁体2によって通気口10が閉鎖されていない状態では接続通路Rにより燃料タンクTの内外は連通され、また、この状態において燃料タンクTへの給油が可能とされる。スカート部3の裾部30に燃料の液面Wが達すると燃料タンクT内外の圧力差が生じることから、接続通路Rの内端にあたる通気口10を内方に位置させるスカート部3には燃料が吸い上げられるように取り込まれ、このように取り込まれる燃料によって弁体2は直ちに通気口10を閉鎖する。燃料タンクT内の燃料の液面Wのゆらぎなどにより、液面の一部がスカート部3の外側部に接したり裾部30に接してもスカート部3内にこのように燃料が取り込まれることはない。これにより、この実施の形態にかかる弁装置Vにあっては、給油により燃料の液面Wがスカート部3の裾部30のレベルに達したときに正確に弁体2により通気口10を閉鎖して燃料タンクT内の圧力を高め給油ガン側のセンサに満タンを検知させて給油を停止させるように機能する。給油時の液面のゆらぎや、給油速度に起因した液面の波立ちなどに影響されて、所期の給油量に達しない段階で前記満タンを検知させてしまうことがない。スカート部3は下方を開放させてなることから、弁装置Vの下端はスカート部3の裾部30となり、こうした下端に蓋板などを設けて弁体2を支持させていた場合に比べ、弁装置Vを上下方向においてコンパクトに構成できる。また、スカート部3を構成するパーツを主体部1の主要部を構成するパーツ(図示の例では胴部11)に組み合わせることで主体部1にスカート部3を備えさせるようにした場合には、かかるスカート部3を構成するパーツを取り替えるだけで、満タンとなる給油量を調整することが可能となる。
【0029】
図5および図6は、前記通気口10を、第一開口10’と、この第一開口10’よりも開口面積を小さくする第二開口10”とによって構成させると共に、
前記弁体2を、上昇により第一開口10’を閉塞する第一弁体2’と、第一弁体2’を上昇させるレベル(図6のレベル)より高いレベルに燃料の液面Wが達したときに上昇により第二開口10”を閉塞する第二弁体2”とによって構成させた例を示している。
【0030】
このようにした場合、給油時に第一弁体2’が第一開口10’を閉鎖した段階で最初の満タンを給油ガン側のセンサに検知させることができると共に、この最初の満タン検知による給油停止後に第二開口10”を通じて燃料タンクT内の圧力は低下されることから、前記満タンの検知の解除が可能とされ、この解除後に第二弁体2”が第二開口10”を閉鎖するまでの追加給油が可能とされる。
【0031】
この図5および図6に示される例にあってはまた、スカート部3を、第一弁体2’を取り巻く第一スカート部3’と、第二弁体2”を取り巻くと共にその裾部30を第一スカート部3’の裾部30よりも上方に位置させた第二スカート部3”とによって構成させている。
【0032】
これにより、この例にあっては、第一弁体2’を上昇させるレベルより高いレベルに燃料の液面Wが達したときに、第二スカート部3”に燃料を吸い上げるように取り込み、このように取り込まれる燃料によって第二弁体2”により第二開口10”を直ちに閉鎖させて、二回目の満タン、つまり、給油のリミットを給油ガン側のセンサにタイムラグ少なく正確に検知させることができる。
【0033】
この図5および図6に示される例にあっては、図1〜図4の例と特に下部パーツ4の構成を異ならせている。この例では、下部パーツ4の仕切り板40に左右方向に間隔を開けて第一開口10’と第二開口10”が貫通状態に形成されている。第二弁体2”は、第二開口10”の縁部より上方に突き出す支持片44につり下げ用軸22の頭部22aを引っかけるようにして上下動可能に支持されている。第一スカート部3’は第一弁体2’を取り巻く筒状をなすように構成されている。第二スカート部3”は、裾部30を第一スカート部3’の裾部30よりも上方に位置させると共に、第一スカート部3’の外面の一部と協働して第二弁体2”を取り巻くように構成されている。この図5および図6に示される例のその余の構成は、図1〜図4に示される例の対応する構成部分と実質的に同一であるので、図1〜図4に用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【符号の説明】
【0034】
T 燃料タンク
V 弁装置
W 液面
1 主体部
10 通気口
2 弁体
3 スカート部
30 裾部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクに取り付け用いられる弁装置であって、
燃料タンクの外部との接続通路の内端となる通気口を備えた主体部と、
燃料の液面を利用して通気口を開閉する弁体と、
この弁体を取り巻くように主体部から下方に延出されると共に裾部に燃料の液面が達したときに燃料タンクの内外の圧力差によって内側に燃料を取り込むように構成されたスカート部とを備えてなることを特徴とする弁装置。
【請求項2】
通気口が、第一開口と、この第一開口よりも開口面積を小さくする第二開口とによって構成されていると共に、
弁体が、上昇により第一開口を閉塞する第一弁体と、第一弁体を上昇させるレベルより高いレベルに燃料の液面が達したときに上昇により第二開口を閉塞する第二弁体とによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弁装置。
【請求項3】
スカート部が、第一弁体を取り巻く第一スカート部と、第二弁体を取り巻くと共にその裾部を第一スカート部の裾部よりも上方に位置させた第二スカート部とによって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の弁装置。
【請求項4】
弁体が、主体部の下方に上下動可能に支持されると共に、上昇により主体部の通気口を閉塞するフロート体であることを特徴とする請求項1に記載の弁装置。
【請求項5】
主体部が、接続通路における通気口より下流側にさらに、車両に一定以上の傾きが生じたときに接続通路を閉鎖するように動作する弁体を納めた弁室を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の弁装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−7382(P2013−7382A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156422(P2012−156422)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2007−258648(P2007−258648)の分割
【原出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】