説明

弱イオン性化合物の剤形

【解決手段】 本開示内容は、それぞれが弱イオン性薬物およびpH調整剤を含有する、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物を含む剤形(例えば、固形剤形)に関する。製剤剤形(例えば、固形剤形)およびそれを製造する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、それぞれが弱イオン性薬物およびpH調整剤を含む、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物を含む剤形に関する。固形剤形などの製剤剤形、およびそれを製造する方法も提供される。
【背景技術】
【0002】
ある種の薬物には、簡便な経口投与形式の必要性と必要なバイオアベイラビリティとのバランスをとることに問題がある。薬物によっては、経口投与された投与量の吸収は、30%以下と少ない。このような低吸収薬物は、バイオアベイラビリティの大きな患者間および患者内変動を示すことが多い。
【0003】
大部分の薬物の吸収率は2つの因子:(1)生理的液体における薬物の溶解;(2)それ自体の吸収プロセス、すなわち溶解状態の薬物が吸収部位で細胞に入り、最後に体循環に入るプロセス;に依存する。受動拡散によって、すなわち、高濃度の領域から低濃度の領域への薬物分子の自発的移行によって、多くの薬物は吸収される。他の薬物は、体によるエネルギー消費を伴う能動輸送によって吸収される。一般に、能動的または受動的に吸収される、経口投与される固形薬物に関しては、薬物の溶解は、吸収プロセスにおける第1段階である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示内容は、それぞれが弱イオン性薬物およびpH調整剤を含む、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物を含む剤形(例えば、固形剤形)に関する。製剤剤形およびそれを製造する方法も提供される。
【0005】
本明細書において、(a)100nmを超える直径の小球を有する薬物含有エマルジョンであって、その薬物含有エマルジョンが弱イオン性薬物およびpH調整剤を含み、pH調整剤が、pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高め、弱イオン性薬物がpKa約1〜約14を有する薬物含有エマルジョン;(b)薬物含有エマルジョンがそれに吸着されて、易流動性圧縮性粉末が形成される、固体粒子吸着剤;を含む剤形が提供される。
【0006】
一部の実施形態において、エマルジョン小球は、直径約120nm〜約70μmを有し得る。一部の実施形態において、薬物含有エマルジョンは、エマルジョンの両方の相の全重量に対して弱イオン性薬物約1〜約50重量%を含む。一部の実施形態において、薬物含有エマルジョンは、水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンである。
【0007】
本明細書において、(a)100nm未満の直径の小球を有する薬物含有エマルジョンであって、その薬物含有エマルジョンが弱イオン性薬物およびpH調整剤を含み、pH調整剤が、pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高め、弱イオン性薬物がpKa約1〜約14を有する薬物含有マイクロエマルジョン;(b)薬物含有マイクロエマルジョンがそれに吸着されて、易流動性圧縮性粉末が形成される、固体粒子吸着剤;を含む剤形が提供される。
【0008】
一部の実施形態において、薬物含有マイクロエマルジョンは、マイクロエマルジョンの両方の相の全重量に対して弱イオン性薬物約1〜約50重量%を含む。一部の実施形態において、薬物含有マイクロエマルジョンは、水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンである。
【0009】
本明細書において、(a)1種または複数種のオイル、弱イオン性薬物およびpH調整剤を含む自己乳化性オイル組成物であって、水相にさらされた場合に、その自己乳化性オイル組成物が100nmを超える直径の小球を有する薬物含有エマルジョンを形成し、pH調整剤が、pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高め、弱イオン性薬物がpKa約1〜約14を有する、自己乳化性オイル組成物;(b)自己乳化性オイル組成物がそれに吸着されて、易流動性圧縮性粉末が形成される、固体粒子吸着剤;を含む剤形がさらに提供される。
【0010】
一部の実施形態において、自己乳化性オイル組成物は、オイル組成物の全重量に対して弱イオン性薬物約1〜約50重量%を含む。一部の実施形態において、エマルジョン小球は、直径約120nm〜約70μmを有し得る。
【0011】
本開示内容は、(a)1種または複数種のオイル、弱イオン性薬物およびpH調整剤を含む自己ミクロ乳化性オイル組成物であって、水相にさらされた場合に、その自己ミクロ乳化性オイル組成物が直径100nm未満の小球を有する薬物含有マイクロエマルジョンを形成し、pH調整剤が、pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高め、弱イオン性薬物がpKa約1〜約14を有する、自己ミクロ乳化性オイル組成物;(b)自己ミクロ乳化性オイル組成物がそれに吸着されて、易流動性圧縮性粉末が形成される、固体粒子吸着剤;を含む剤形も提供する。
【0012】
一部の実施形態において、自己ミクロ乳化性オイル組成物は、オイル組成物の全重量に対して弱イオン性薬物約1〜約50重量%を含む。
【0013】
一部の実施形態において、本明細書に記載の剤形は、カオリン;ベントナイト;ヘクトライト;コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム;二酸化ケイ素;三ケイ酸マグネシウム;水酸化アルミニウム;水酸化マグネシウム;酸化マグネシウム;およびタルクからなる群から選択される固体粒子を含み得る。
【0014】
一部の実施形態において、弱イオン性薬物は、メロキシカム;アトロピン;クロラムフェニコール;クロロチアジド;クロルプロマジン;シメチジン;ジアゼパム;ジルチアゼム;ジフェンヒドラミン;ジソピラミド;フルフェナム酸;フロセミド;ハロペリドール;イミプラミン;リドカイン;フェノバルビタール;フェニトイン;プロカインアミド;プロパフェノン;プロプラノロール;テトラカイン;トリメトプリム;およびベラパミルからなる群から選択される。一部の実施形態において、弱イオン性薬物はメロキシカムである。
【0015】
一部の実施形態において、弱イオン性薬物は低可溶性である。一部の実施形態において、低可溶性薬物は、約30%を超える絶対的バイオアベイラビリティを示す。
【0016】
一部の実施形態において、pH調整剤は、炭酸ナトリウム;炭酸カリウム;炭酸マグネシウム;重炭酸ナトリウム;重炭酸カリウム;リン酸水素二ナトリウム;リン酸二水素ナトリウム;リン酸水素二カリウム;リン酸二水素カリウム;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;クエン酸;酒石酸;アマリン酸;フメル酸;アジピン酸;およびコハク酸からなる群から選択される。一部の実施形態において、pH調整剤はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである。
【0017】
本明細書において、(a)100nmを超える直径の小球を有する薬物含有エマルジョンであって、その薬物含有エマルジョンがメロキシカムおよびpH調整剤を含み、かつpH調整剤が、pH調整剤の非存在下でのメロキシカムの溶解性と比較して、水相におけるメロキシカムの溶解性を高める、薬物含有エマルジョン;(b)薬物含有エマルジョンがそれに吸着されて、易流動性圧縮性粉末が形成される、固体粒子吸着剤;を含む剤形が提供される。
【0018】
本明細書において、(a)直径100nm未満の小球を有する薬物含有マイクロエマルジョンであって、その薬物含有マイクロエマルジョンがメロキシカムおよびpH調整剤を含み、かつpH調整剤が、pH調整剤の非存在下でのメロキシカムの溶解性と比較して、水相におけるメロキシカムの溶解性を高める、薬物含有マイクロエマルジョン;(b)薬物含有マイクロエマルジョンがそれに吸着されて、易流動性圧縮性粉末が形成される、固体粒子吸着剤;を含む剤形も提供される。
【0019】
本明細書において、(a)1種または複数種のオイル、メロキシカムおよびpH調整剤を含む自己乳化性オイル組成であって、水相にさらされた場合に、自己乳化性オイル組成物が100nmを超える直径の小球を有する薬物含有エマルジョンを形成し、かつpH調整剤が、pH調整剤の非存在下でのメロキシカムの溶解性と比較して、水相におけるメロキシカムの溶解性を高める、自己乳化性オイル組成物;(b)自己乳化性オイル組成物がそれに吸着されて、易流動性圧縮性粉末が形成される、固体粒子吸着剤;を含む剤形がさらに提供される。
【0020】
本開示内容は、(a)1種または複数種のオイル、メロキシカムおよびpH調整剤を含む自己ミクロ乳化性オイル組成物であって、その自己ミクロ乳化性オイル組成物が、直径100nm未満の小球を有する薬物含有マイクロエマルジョンを形成し、かつpH調整剤が、pH調整剤の非存在下でのメロキシカムの溶解性と比較して、水相におけるメロキシカムの溶解性を高める、自己ミクロ乳化性オイル組成物;(b)自己ミクロ乳化性オイル組成物がそれに吸着されて、易流動性圧縮性粉末が形成される、固体粒子吸着剤;を含む剤形も提供する。
【0021】
一部の実施形態において、メロキシカムを含む本明細書に記載の剤形は、投与すると、pH調整剤を含まず、かつ同一経路で投与される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、自己ミクロ乳化性オイル組成物ではない、メロキシカムを含む組成物と比較して、短いTmaxを達成する。一部の実施形態において、Tmaxは、約94〜約142分の範囲であり得る。一部の実施形態において、Tmaxは、約116〜約120分の範囲であり得る。
【0022】
一部の実施形態において、メロキシカムを含む剤形は、pH調整剤を含まず、かつ同一経路で投与される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、自己ミクロ乳化性オイル組成物ではない、メロキシカムを含む組成物と比較して、水に溶解するのが速い。一部の実施形態において、剤形15mgの約75〜約100%が、水900mLに約15分以内に溶解する。一部の実施形態において、剤形15mgの約90%が、水900mLに約15分以内に溶解する。
【0023】
本明細書において、100nmを超える直径の小球を有する薬物含有エマルジョンであって、その薬物含有エマルジョンが弱イオン性薬物およびpH調整剤を含み、pH調整剤が、pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高め、かつ弱イオン性薬物がpKa約1〜約14を有する、薬物含有エマルジョンが提供される。
【0024】
本明細書において、直径100nm未満の小球を有する薬物含有マイクロエマルジョンであって、その薬物含有マイクロエマルジョンが弱イオン性薬物およびpH調整剤を含み、pH調整剤が、pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高め、かつ弱イオン性薬物がpKa約1〜約14を有する、薬物含有マイクロエマルジョンも提供される。
【0025】
本明細書において、1種または複数種のオイルと、弱イオン性薬物と、pH調整剤と、を含む自己乳化性オイル組成物であって、水相にさらされた場合に、その自己乳化性オイル組成物が、100nmを超える直径の小球を有する薬物含有エマルジョンを形成し、pH調整剤が、pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高め、かつ弱イオン性薬物がpKa約1〜約14を有する、自己乳化性オイル組成物がさらに提供される。
【0026】
本開示内容は、1種または複数種のオイルと、弱イオン性薬物と、pH調整剤と、を含む自己ミクロ乳化性オイル組成物であって、水相にさらされた場合に、その自己ミクロ乳化性オイル組成物が、直径100nm未満の小球を有する薬物含有マイクロエマルジョンを形成し、pH調整剤が、pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高め、かつ弱イオン性薬物がpKa約1〜約14を有する、自己ミクロ乳化性オイル組成物も提供する。
【0027】
治療有効量の薬物を経口投与するための固形剤形が提供され、その固形剤形は、本明細書に記載の剤形のうちの1つを含む。一部の実施形態において、固形剤形は錠剤である。一部の実施形態において、固形剤形は、少なくとも1種類の発泡剤または発泡システムも含む。一部の実施形態において、固形剤形は、少なくとも1種類の崩壊剤を含み、その崩壊剤は経口投与後に、標的領域に薬物含有エマルジョンを急速に分散させる。
【0028】
本明細書に記載の剤形を製造する方法が本明細書においてさらに提供される。一部の実施形態において、その方法は:(a)範囲約1〜約14のpKaを有する弱イオン性薬物と、pH調整剤と、を含む薬物含有エマルジョンまたはマイクロエマルジョンを調製する工程;(b)薬物含有エマルジョンを固体粒子吸着剤と混合することによって、薬物含有エマルジョンまたはマイクロエマルジョンを易流動性圧縮性粉末へと変換する工程;を含む。一部の実施形態において、その方法は:(a)1種または複数種のオイルと、範囲約1〜約14のpKaを有する弱イオン性薬物と、pH調整剤と、を含む薬物含有自己乳化性または自己ミクロ乳化性オイル組成物を調製する工程;(b)薬物含有自己乳化性薬物送達システムを固体粒子吸着剤と混合することによって、薬物含有自己乳化性オイル組成物を易流動性圧縮性粉末へと変換する工程;を含む。
【0029】
治療有効量の薬物を経口投与するための固形剤形を製造する方法も提供される。この方法は、上述のように剤形を製造し、易流動性圧縮性粉末を圧縮して固形剤形を形成することを含む。
【0030】
本明細書に記載の剤形を製造する工程と、易流動性圧縮性粉末を哺乳動物に経口投与する工程と、を含む、哺乳動物に薬物を投与する方法も本明細書において提供される。
【0031】
本明細書に記載のメロキシカムを含む剤形を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物において痛みを治療する方法が、本明細書においてさらに提供される。一部の実施形態において、その痛みとしては、下背部痛、急性疼痛、および炎症に伴う痛みが挙げられる。
【0032】
本開示内容は、本明細書に記載のメロキシカムを含む剤形を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物において関節炎を治療する方法も提供する。一部の実施形態において、関節炎としては、変形性関節症、関節リウマチ、および若年性関節リウマチが挙げられる。
【0033】
強直性脊椎炎、発熱(fever)、原発性月経困難症、発熱(pyrexia)、喘息、骨吸収、心血管疾患、腎毒性、アテローム性動脈硬化症、または低血圧のうちの1種または複数を治療する方法であって、本明細書に記載のメロキシカムを含む剤形を哺乳動物に投与することを含む方法もまた、本明細書において提供される。
【0034】
共溶媒約20〜約40重量%;pH調整剤約4〜約9重量%;精製水約9〜約18重量%;界面活性剤約28〜約56重量%;弱イオン性薬物約5〜約10重量%を有する組成物が、本明細書においてさらに提供される。一部の実施形態において、その組成物は、共溶媒約30重量%;pH調整剤約6.67重量%;精製水約13.33重量%;界面活性剤約42重量%;弱イオン性薬物約8重量%;を含む。
【0035】
一部の実施形態において、組成物は、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物の構成成分である。
【0036】
一部の実施形態において、組成物はさらに、固体粒子吸着剤を含む。場合によっては、固体粒子吸着剤が、請求項101に記載の組成物と固体粒子吸着剤との比(重量)約1:5〜約5:1で存在する。
【0037】
共溶媒約10〜約20重量%;pH調整剤約2〜約5重量%;精製水約4〜約9重量%;界面活性剤約14〜約28重量%;弱イオン性薬物約2〜約6重量%;固体粒子吸着剤約35〜約65重量%;を有する組成物も、本明細書において提供される。一部の実施形態において、組成物は、共溶媒約15重量%;pH調整剤約3.33重量%;精製水約6.67重量%;界面活性剤約21重量%;弱イオン性薬物約4重量%;固体粒子吸着剤約50重量%;を含む。
【0038】
一部の実施形態において、弱イオン性薬物は、メロキシカム;アトロピン;クロラムフェニコール;クロロチアジド;クロルプロマジン;シメチジン;ジアゼパム;ジルチアゼム;ジフェンヒドラミン;ジソピラミド;フルフェナム酸;フロセミド;ハロペリドール;イミプラミン;リドカイン;フェノバルビタール;フェニトイン;プロカインアミド;プロパフェノン;プロプラノロール;テトラカイン;トリメトプリム;ベラパミル;およびその混合物;からなる群から選択される。一部の実施形態において、弱イオン性薬物はメロキシカムである。
【0039】
共溶媒約20〜約40重量%;pH調整剤約4〜約9重量%;精製水約9〜約18重量%;界面活性剤約28〜約56重量%;メロキシカム約5〜約10重量%;を有する組成物が、本明細書においてさらに提供される。一部の実施形態において、組成物は、共溶媒約30重量%;pH調整剤約6.67重量%;精製水約13.33重量%;界面活性剤約42重量%;メロキシカム約8重量%;を含む。一部の実施形態において、組成物は、Captex355(登録商標)約3重量%;Capmul MCM(登録商標)約5重量%;PVP K12約2重量%;プロピレングリコール約20重量%;水性トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン約6.67重量%;精製水約13.33重量%;Tween80(登録商標)約42重量%;メロキシカム約8重量%;を含む。
【0040】
一部の実施形態において、組成物は、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物の構成成分である。
【0041】
一部の実施形態において、組成物はさらに、固体粒子吸着剤を含む。一部の実施形態において、固体粒子吸着剤は、請求項118に記載の組成物と固体粒子吸着剤との比(重量)約1:5〜約5:1で存在する。一部の実施形態において、その比は約1:1である。
【0042】
共溶媒約10〜約20重量%;pH調整剤約2〜約5重量%;精製水約4〜約9重量%;界面活性剤約14〜約28重量%;メロキシカム約2〜約6重量%;固体粒子吸着剤約35〜約65重量%;を有する組成物も、本明細書において提供される。一部の実施形態において、組成物は、共溶媒約15重量%;pH調整剤約3.33重量%;精製水約6.67重量%;界面活性剤約21重量%;メロキシカム約4重量%;固体粒子吸着剤約50重量%;を含む。
【0043】
一部の実施形態において、組成物は、Captex355(登録商標)約1.5重量%;Capmul MCM(登録商標)約2.5重量%;PVP K12約1重量%;プロピレングリコール約10重量%;水性トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン約3.33重量%;精製水約6.67重量%;Tween80(登録商標)約21.25重量%;メロキシカム約4重量%;二酸化ケイ素約50重量%;を含む。
【0044】
上述の組成物において、共溶媒は、Captex−355(登録商標)(グリセリルトリカプリレート/カプレート);Labrasol(登録商標)(カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド);Labrafil M1944(登録商標)(オレオイルマクロゴールグリセリド);Lauroglycol90(登録商標)(プロピレングリコールモノラウレート);Tween80(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート);PEG400(ポリエチレングリコール);Capmul MCM(登録商標)(中鎖モノおよびジグリセリド);Capmul PG8(登録商標)(プロピレングリコールモノカプリレート);Plurol Oleique(登録商標)(ポリグリセリルオレエート);Span80(登録商標)(ソルビタンモノオレエート);Cremophor EL(登録商標)(ポリオキシル35ヒマシ油);Phosal 53MCT(登録商標)(中鎖トリグリセリド中にホスファチジルコリン53%);トウモロコシ油;オレイン酸;クエン酸トリエチル;エタノール;水;Acconon CC−6(登録商標)(ポリオキシエチレン6カプリル酸/カプリン酸グリセリド);PVP(ポリビニルピロリドン)K12;PVP K17;PVP K30;PVP K90;プロピレングリコール;およびその混合物からなる群から選択される。一部の実施形態において、共溶媒は、Captex 355(登録商標);Capmul MCM(登録商標);PVP K12(登録商標);プロピレングリコール;およびその混合物;からなる群から選択される。一部の実施形態において、共溶媒は、Captex355(登録商標)約3%;Capmul MCM(登録商標)5%;PVP K12(登録商標)約2%;プロピレングリコール約20%;であることができる。
【0045】
一部の実施形態において、pH調整剤は、炭酸ナトリウム;炭酸カリウム;炭酸マグネシウム;重炭酸ナトリウム;重炭酸カリウム;リン酸水素二ナトリウム;リン酸二水素ナトリウム;リン酸水素二カリウム;リン酸二水素カリウム;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;クエン酸;酒石酸;アマリン酸;フマル酸;アジピン酸;コハク酸;およびその混合物;からなる群から選択される。一部の実施形態において、pH調整剤はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである。
【0046】
一部の実施形態において、界面活性剤は、Tween85(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート);Tween80(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート);Tween20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート);Labrasol(登録商標)(カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド);Cremophor EL(登録商標)(ポリオキシル35ヒマシ油);Triton X−100(登録商標)(オクチルフェノールエトキシレート);オレイン酸;ミリスチン酸イソプロピル;オレイン酸エチル;およびその混合物;からなる群から選択される。一部の実施形態において、界面活性剤はTween80(登録商標)である。
【0047】
一部の実施形態において、固体粒子吸着剤は、カオリン、ベントナイト、ヘクトライト、コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム、二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、およびタルクからなる群から選択される。一部の実施形態において、固体粒子吸着剤は二酸化ケイ素である。
【0048】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の記述に示されている。本発明の他の特徴、目的、および利点は、明細書および図面、ならびに特許請求の範囲から理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】メロキシカム、メロキシカム自己乳化性オイル組成物、および二酸化ケイ素およびケイ酸アルミニウムマグネシウムの2種類の粉末上に吸着されたメロキシカム自己乳化性オイル組成物の溶解プロファイルを示す。
【図2】メロキシカムの3種の配合物:1)二酸化ケイ素粒子上に吸着された自己ミクロ乳化性オイル組成物(MicroSolv);2)自己ミクロ乳化性オイル組成物(液体SMEDDS);およびMobic(錠剤);に関するイヌの生体内研究からの薬物動態学的データを示す。
【図3】二酸化ケイ素粒子上に吸着された自己ミクロ乳化性オイル組成物の溶解プロファイルを詳述する。
【図4】メロキシカムの3種類の経口投与配合物:A)二酸化ケイ素粒子上に吸着された自己ミクロ乳化性オイル組成物;B)自己ミクロ乳化性オイル組成物;およびC)Mobic(錠剤);に関するヒトの生体内研究からの薬物動態学的データを示す。
【図5】様々な水性媒体における、二酸化ケイ素粒子上に吸着されたメロキシカムの自己ミクロ乳化性オイル組成物の溶解を実証する。
【図6】様々な水性媒体における、メロキシカム錠剤(Mobic)の溶解を実証する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本開示内容は、それぞれが弱イオン性薬物およびpH調整剤を含む、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物を含む剤形(例えば、固形剤形)に関する。製剤剤形およびそれを製造する方法も提供される。
【0051】
剤形は、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物の形で提供することができる。剤形は、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物のうちの1種または複数種と、固体粒子吸着剤と、を含む易流動性圧縮性粉末の形状で提供することができる。薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物または自己ミクロ乳化性オイル組成物は固体粒子吸着剤上に吸着され、易流動性圧縮性粉末が形成される。
【0052】
一部の実施形態において、剤形は、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物のうちの1つを含む、液体配合物として提供することができる。
【0053】
薬物含有エマルジョンおよび薬物含有マイクロエマルジョンはそれぞれ、弱イオン性薬物およびpH調整剤をそれぞれ含むエマルジョンまたはマイクロエマルジョンを含む。自己乳化性オイル組成物および自己ミクロ乳化性オイル組成物はそれぞれ、1種または複数種のオイル、弱イオン性薬物、およびpH調整剤を含む。薬物含有エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物は、以下にさらに記述されるように、1種または複数種の乳化剤、酸化防止剤、または保存剤、またはその混合物を含み得る。
【0054】
本明細書で使用されるエマルジョンは、2つの不混和性液相のシステムである。その2つの相(内相)のうち1つは、第2相(外相または連続相)全体に液滴または小球として分布する。エマルジョンとしては、オイルと一般に呼ばれる低い極性の液体が内相中にある水中油型(o/w)エマルジョン;水溶液または相対的に極性の他の液体が内相中にある油中水型(w/o)エマルジョンが挙げられる。一般に、エマルジョンは、約100nmを超える小球直径を有する。一部の実施形態において、エマルジョン小球直径は、約120nm〜約70μmの範囲である。例えば、米国特許第6,692,771号明細書を参照されたい。小球直径約5μm未満を有する微粒子エマルジョンと約5μmを超える小球直径を有する粗粒子エマルジョンにエマルジョンを分類することもできる。
【0055】
マイクロエマルジョンは光学的に等方的であり、かつ熱力学的または動力学的に安定なシステムである。マイクロエマルジョンは油相および水相で構成される。一部の実施形態において、マイクロエマルジョンは乳化剤も含有する。一般に、マイクロエマルジョンは、小球直径約100nm未満(例えば、約30〜約60nm)を有する。例えば米国特許第6,280,770号明細書を参照されたい。
【0056】
本開示内容は、水を除いて、o/wエマルジョンまたはマイクロエマルジョン(例えば、オイル、乳化剤、酸化防止剤、および保存剤のうちの1つまたは複数)の成分すべてを含む自己乳化性および自己ミクロ乳化性オイル組成物の使用も提供する。例えば、米国特許第5,444,041号明細書を参照されたい。場合によっては、自己乳化性および自己ミクロ乳化性オイル組成物はそれぞれ、自己乳化性薬物送達システム(SEDDS)または自己ミクロ乳化性薬物送達システム(SMEDDS)であることができる。一部の実施形態において、自己乳化性または自己ミクロ乳化性オイル組成物を有する固形剤形は、自己乳化性または自己ミクロ乳化性オイル組成物を吸着剤粉末に吸着することによって製造することができる。自己乳化性または自己ミクロ乳化性オイル組成物を含有する固形剤形を投与した後、体液と混ざると、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンが形成する。
【0057】
エマルジョンまたはマイクロエマルジョンにおける油相は、非毒性のオイルであり、限定されないが、モノ、ジ、およびトリグリセリド、脂肪酸およびそのエステル、プロピレングリコールまたは他のポリオールのエーテルおよびエステルが挙げられる。脂肪酸およびエステル(それ自体で、またはそれがグリセリドの一部を形成する場合に使用される)は短鎖、中鎖または長鎖である。本明細書で使用される中鎖はC〜C12の炭化水素鎖を表し、短鎖はC未満の炭化水素鎖であり、長鎖はC12を超える炭化水素鎖を意味する。
【0058】
油相は、植物または動物由来の油相である。油相は、合成または半合成油相であり、対象に対して非毒性である。オイルとしては、限定されないが、綿実油、ダイズ油、ヒマワリ油;カノーラ油などの天然油;CAPTEX(登録商標)(プロピレングリコールジデカノエートなどの様々なグレードのプロピレングリコールエステル;グリセリルトリカプリレート/カプレートなどのグリセロールエステル);MIGLYOL(登録商標)(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド;カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド;カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド;またはカプリル酸/カプリン酸のプロピレングリコールジエステルおよび他の薬剤との混合物);CAPMUL(登録商標)(異なるグレードで入手可能であり、例えばCapmul MCM、主にグリセロールのモノおよびジエステル、プロピレングリコールのモノおよびジエステル、例えばグリセリルモノオレエートおよびプロピレングリコールモノカプリレートである。他のグレードは、ポリエチレングリコールグリセリルモノステアレートからなる)が挙げられる。
【0059】
エマルジョンまたはマイクロエマルジョンにおける水相は、例えば、水、水溶液、アルコール、およびアルコール溶液であることができる。
【0060】
エマルジョンおよびマイクロエマルジョンの配合物には、乳化剤が必要である。本明細書で使用される非毒性乳化剤を使用することができる。この乳化剤としては、限定されないが、以下の市販の製品:MYVACET(登録商標)(蒸留アセチル化モノグリセリド乳化剤);ARLACEL(登録商標)(主にソルビタンエステル);TWEEN(登録商標)(ポリオキシエチレンソルビタンエステル);CENTROPHASE(登録商標)(液体レシチン);CREMOPHOR(登録商標)(ポリオキシルヒマシ油誘導体;またはマクロゴールエーテル;またはマクロゴールエステル);LABRAFAC(登録商標)(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド);LABRAFIL(登録商標)(ポリオキシエチル化解糖グリセリド);LABRASOL(モノ、ジおよびトリグリセリドと、ポリエチレングリコールの脂肪酸モノおよびジエステルの混合物;主な脂肪酸はC−C10カプリル酸/カプリン酸である);MYVEROL(登録商標);およびTAGAT(登録商標)(ポリエチレングリコール水素化ヒマシ油;またはポリエチレングリコールグリセリルエステル);レシチン;コレステロールおよびカゼインなどのタンパク質;の様々なグレードが挙げられる。一部の実施形態において、外相全体に小球として内相を分布した状態に維持し、小球が大きな液滴へと合体するのを遅らせるために、複数の乳化剤を使用することができる。このようにして、2つの相の相対的安定性をより長い時間維持することができる。
【0061】
薬剤エマルジョンおよびマイクロエマルジョンにおいて、1つまたは両方の相は、1種類の薬物または1種または複数種の薬物の溶液を含有し得る。一部の実施形態において、水相および油相のいずれか、または両方が、同時に薬物を含有することができ、それらの薬物は同一または異なる。非毒性であり、かつそれが適用される哺乳動物の体の部分と適合性である、2種類の不混和性液体を使用することができる。
【0062】
油相、水相、任意に、乳化剤を広範囲の比で使用して、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンを調製することができる。例えば、水中油型エマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、水を少なくとも約25重量%(例えば、約60〜約98重量%および約70〜約90重量%)含有し得る。o/wエマルジョンまたはマイクロエマルジョンにおける油相は、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンの少なくとも約1重量%(例えば、約5〜約69重量%および約8〜約40重量%)であり、活性薬物成分が、油相の重量に含まれる。エマルジョンまたはマイクロエマルジョンにおける乳化剤は、少なくとも約0.5重量%(例えば、約2〜約25重量%および約5〜約10重量%)である。
【0063】
油中水型エマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、w/oエマルジョンまたはマイクロエマルジョンに対して油相を少なくとも約25重量%(例えば、約40〜約98重量%および約50〜約95重量%)含有し得る。w/oエマルジョンおよびマイクロエマルジョンにおける水相は、w/oエマルジョンまたはマイクロエマルジョンに対して少なくとも約1重量%(例えば、約2〜約55重量%および約5〜約30重量%)であり、活性薬物成分が、水相の重量に含まれる。w/oエマルジョンおよびマイクロエマルジョンにおける乳化剤は、w/oエマルジョンまたはマイクロエマルジョンに対して少なくとも約0.5重量%(例えば、約2〜約20重量%および約4〜約10重量%)である。
【0064】
HLB(親水親油バランス)システムに従って、o/wまたはw/o配合物に乳化剤または薬剤の組み合わせが使用される。w/oエマルジョンまたはマイクロエマルジョンには、低HLB乳化(HLB値約1〜7)が必要であり、o/wシステムには、それより高いHLBの乳化剤(HLB値約11〜18)が必要である。一般に、使用される乳化剤の種類ならびに油と水の相対比によって、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンがw/oまたはo/wエマルジョンまたはマイクロエマルジョンであるかどうかが決定される。これは、形成時のエマルジョンまたはマイクロエマルジョンを意味する。一部のエマルジョンまたはマイクロエマルジョンは、大量の内相に添加されると反転する場合がある。例えば、w/oエマルジョンまたはマイクロエマルジョンとして調製されたエマルジョンまたはマイクロエマルジョンは、患者に摂取されると、患者の胃でo/wエマルジョンまたはマイクロエマルジョンに反転する場合がある。
【0065】
一般に、プロペラミキサー、タービンミキサーまたは他の高せん断ミキサーでエマルジョンの成分(例えば、油相、水相、乳化剤等)を混合し、その混合物を激しく攪拌することによって、エマルジョンを調製することができる。
【0066】
正しい比率で成分を合わせることによって、時として自然にマイクロエマルジョンが調製される。一部の実施形態において、プロペラミキサーでの軽い混合を用いることができる。室温で固体の成分を使用しない限り、マイクロエマルジョンの調製に熱を用いる必要はない。マイクロエマルジョンは、長い貯蔵寿命、容易な輸送および混合のための低粘度を有し、半透明であり、分光学的にモニターすることができる。
【0067】
剤形を製造するために、遊星形ミキサーなどの適切なミキサーのボウルに吸着剤を入れ、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物または自己ミクロ乳化性オイル組成物を混合しながらゆっくりと添加することができる。添加速度は、湿った材料の塊が形成するほど、または粉末の他の領域よりもかなり多く湿っている領域が形成するほど速くないほうがよい。粉末の塊または粉末の湿った部分が生じた場合、粉末の湿った部分が粉末のバルク全体に十分に分布されるまで、添加の速度を下げるか、または一時的に添加を止めるべきである。
【0068】
液体と粉末を均一に混合することができるミキサーが、本明細書に記載の剤形の製造に使用される。例えば、遊星形ミキサーは、容器の側壁から材料を掻き落とすスクレーパーバーを備えていることから、この作業によく適している。過度に湿った材料は側壁上に蓄積することが多く、スクレーパーバーの操作がなければ、バルク粉末とうまく混合されないだろう。デッドスペースを有するミキサーは避けるべきである。本発明の考察の目的において、デッドスペースは、粉末が集まるが、粉末が装置の混合操作にかけられないスペースである。一次操作に加えて、二次混合操作を有するミキサーが好ましい。二次ミキサー操作は、スクレーパー(遊星形ミキサーにおいて)またはインテンシファイア・バー(intensifier bar)または高せん断構成部品であり得る。一般に、ミキサーの混合操作は、粉末の高せん断が行われる激しい混合域、ならびにその激しい混合域を通って粉末のすべてが移動する、すなわち、バルク粉末が三次元で混合される更なる混合操作を提供する。
【0069】
粉末への薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物または自己ミクロ乳化性オイル組成物の添加は、ビーカーまたはメスシリンダーからミキサーボウルに薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物または自己ミクロ乳化性オイル組成物を単に注ぐことで、または制御速度で粉末上に液体を噴霧する手段などの他の手段で、作業者によって達成される。一部の実施形態において、蠕動ポンプを使用して、制御速度で液体を添加することができる。一部の実施形態において、蠕動ポンプと併用される噴霧ノズルを使用して、微細な噴霧を提供することができる。
【0070】
本発明の開示内容は、pH調整剤と配合された弱イオン性薬物を提供する。その薬物は、その溶解性および他の特性に応じて、油相または水相のいずれかと合わせられる。1つの相に溶解された薬物は、ある程度まで他の相に分割し、これは薬物のバイオアベイラビリティに影響を及ぼす。
【0071】
弱イオン性物質(薬物)が、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物または自己ミクロ乳化性オイル組成物において使用される。液体薬物、薬物溶液、小分子薬物およびビタミンおよびミネラルなどの栄養補給剤はすべて、使用するのに適している。
【0072】
本明細書で使用される、「小分子」という表現は、3,000ダルトン未満の分子量を有する無機化学分子、有機化学分子を含む。
【0073】
弱イオン性薬物としては、メロキシカム;アトロピン;クロラムフェニコール;クロロチアジド;クロルプロマジン;シメチジン;ジアゼパム;ジルチアゼム;ジフェンヒドラミン;ジソピラミド;フルフェナム酸;フロセミド;ハロペリドール;イミプラミン;リドカイン;フェノバルビタール;フェニトイン;プロカインアミド;プロパフェノン;プロプラノロール;テトラカイン;トリメトプリム;およびベラパミルが挙げられる。
【0074】
本明細書に記載の弱イオン性薬物は、範囲約1〜約14(例えば、約1〜約13;約1〜約12;約1〜約11;約1〜約10;約1〜約9;約1〜約8;約1〜約7;約1〜約6;約1〜約5;約1〜約4;約1〜約3;約1〜約2;約2〜約14;約3〜約14;約4〜約14;約5〜約14;約6〜約14;約7〜約14;約8〜約14;約9〜約14;約10〜約14;約11〜約14;約12〜約14;約13〜約14;約2〜約13;約3〜約12;約4〜約10;約5〜約12;約6〜約9;および約4〜約8)のpKaを有し得る。
【0075】
一部の実施形態において、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物または自己ミクロ乳化性オイル組成物は、エマルジョン全体(両相)またはオイル組成物に対して弱イオン性薬物を約0.5〜約60重量%(例えば、約1〜約55重量%;約3〜約45重量%;約5〜約40重量%;約10〜約35重量%;約15〜約25重量%;約6〜約48重量%;約8〜約52重量%;約4〜約36重量%)含有する。弱イオン性薬物は、薬物含有エマルジョンまたは薬物含有マイクロエマルジョン(両相)または自己乳化性またはミクロ乳化性オイル組成物の全重量に対して約2〜約50重量%(例えば、約5〜約40重量%および約10〜約30重量%)の範囲である。
【0076】
薬物含有エマルジョンまたはマイクロエマルジョンは、1〜400,000cps(例えば、約400〜約200,000cps;約5,000〜約150,000cps;約10,000〜約100,000cps;約20,000〜約80,000cps;約30,000〜約50,000cps;約500〜約10,000cps)の粘度を有する。
【0077】
適切な、かつ薬剤として許容されるpH調整剤が、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物または自己ミクロ乳化性オイル組成物において使用される。一部の実施形態において、pH調整剤の選択は、薬物の特性、例えば、そのpKa、溶解性、および反応性に基づく。pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高めるために、pH調整剤が弱イオン性薬物と共に使用される。pH調整剤の非制限的な例としては、炭酸ナトリウム;炭酸カリウム;炭酸マグネシウム;重炭酸ナトリウム;重炭酸カリウム;リン酸水素二ナトリウム;リン酸二水素ナトリウム;リン酸水素二カリウム;リン酸二水素カリウム;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;クエン酸;酒石酸;アマリン酸;フマル酸;アジピン酸;およびコハク酸が挙げられる。一部の実施形態において、pH調整剤はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである。参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第09/302,105号明細書および米国特許出願第09/327,814号明細書に記載の他のpH調整剤も使用することができる。
【0078】
一部の実施形態において、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物または自己ミクロ乳化性オイル組成物は、全エマルジョン(両相)またはオイル組成物に対してpH調整剤を約0.5〜約60重量%含有する。pH調整剤は、薬物含有エマルジョンまたはマイクロエマルジョン(両相)または自己乳化性もしくはミクロ乳化性オイル組成物の全重量に対して約2〜約50重量%(例えば、約5〜約40重量%および約10〜約30重量%)の範囲である。
【0079】
一部の実施形態において、剤形は、更なる賦形剤、例えば、保存剤、酸化防止剤、着色剤、香味、および芳香も含有し得る。保存剤の非制限的な例としては、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、および塩化セチルピリジニウムが挙げられる。
【0080】
薬物含有エマルジョンなどのエマルジョンは、例えば、マイクロエマルジョンおよび薬物含有マイクロエマルジョンと比較して異なる特性を有する。一般に、エマルジョンおよびマイクロエマルジョンのどちらも、もう1つの相、例えば油中の1つの相、例えば水の小球からなり、エマルジョンの小球は、マイクロエマルジョンの小球よりも大きい直径を有する。一般に、エマルジョンは、0.1μmまたは100nmより大きな(例えば、約0.16μm〜約40μmの)平均直径(エマルジョンにおけるすべての小球の平均直径)の小球を有し、マイクロエマルジョンは、直径0.1μm未満を有する小球を含有する。しかしながら、エマルジョンおよびマイクロエマルジョンは必ずしも、内相の小球サイズによってのみ区別されない。代わりに、それらは以下の定義特性のうちの1つまたは複数についても異なり得る:
(a)マイクロエマルジョンは、必要とされるわずかな混合エネルギーで、しばしば加熱することなく、容易に形成する。それらは自然に形成する。すなわち、正確な比率の成分は、容器に入れると自然にマイクロエマルジョンを形成する。一方、エマルジョンは熱力学的に不安定であり、高せん断ミキサーで激しく攪拌する必要があり、通常高温、例えば75℃に加熱する必要がある。
(b)マイクロエマルジョンとエマルジョンの物理的外観は異なる。マイクロエマルジョンにおける小球は非常に小さく、光を屈折しないことから、マイクロエマルジョンは透明である(水のようである)。エマルジョンは通常、白色またはクリーム色である。
(c)マイクロエマルジョンは室温で熱力学的に安定である。マイクロエマルジョンが形成すると、密閉容器内および通常の保管条件下にて長年にわたって安定である。エマルジョンは、内相の個々の小球が時間の経過にしたがって、より大きな液滴へと合体する(1つに結合する)傾向がある。したがって、他の点では同一のマイクロエマルジョンと比較して、エマルジョンは破断または分解して、完全に独立した相を形成することから、乱されていない状態のままにされている場合には、エマルジョンは一般に、バルク溶液で比較的短い時間安定である。しかしながら、エマルジョンが吸着剤に吸着された場合、バルク溶液の同じエマルジョンよりも長い時間安定なままであると考えられる。理論に束縛されることなく、吸着させた場合、吸着剤上のエマルジョンの分散によって、互いに内相の小球が合体するのが遅れると考えられる。
(d)特定の比率の成分それぞれの添加およびその混合順序は、エマルジョンの形成において一つの役割を果たし、それはまた、エマルジョンとマイクロエマルジョンを区別する。エマルジョンの形成に関するかかる知識および情報は当業者には理解されよう(例えば、Physical Pharmacy by Alfred Martin,Lea and Febiger,4th Ed.(1993)参照)。
【0081】
一部の実施形態において、薬物含有エマルジョンは、100nmを超える(例えば、約120nm〜約70μmおよび約160nm〜約10μm)平均またはモード直径を有するエマルジョン小球を含む。一般に、マイクロエマルジョンは、小球直径約100nm未満(例えば、約30〜約60nm)を有する。一部の実施形態において、固形剤形組成物の薬物含有エマルジョンは、密閉容器内で25℃で放置した場合に、少なくとも1年間安定であり、水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンであることができる。
【0082】
薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物は、吸着剤/吸収剤(これらの2つの用語は総称して「吸着剤(1種または複数種)」と呼ばれる)上に吸着/吸収される。吸着剤は非毒性であり、範囲約25nm〜300μm(例えば、約50nm〜約30μmおよび約100nm〜約20μm)の直径を有する微細粒子を含み得る。適切な吸着剤としては、限定されないが、カオリン、ベントナイト、ヘクトライトおよびコロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどの粘土;二酸化ケイ素(CAB−O−SILまたはAEROSIL(登録商標));三ケイ酸マグネシウム;水酸化アルミニウム;水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムまたはタルクが挙げられる。一部の実施形態において、吸着剤は二酸化ケイ素である。
【0083】
本明細書に記載の剤形は、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、および自己ミクロ乳化性オイル組成物;pH調整剤;および固体粒子吸着剤;のうちの1つまたは複数を含む、易流動性圧縮性粉末状であることができる。一部の実施形態において、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物は、固体粒子吸着剤上に吸着され、易流動性圧縮性粉末を形成する。直接圧縮錠剤化用賦形剤を易流動性圧縮性粉末に添加して、その圧縮性を向上させることもできる。固形剤形は、当業者によって理解される技術を用いて、易流動性粉末を錠剤化することから得られる。
【0084】
薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物と固体粒子との比は、約1:20〜約10:1(例えば、約1:5〜約2:1;約1:15〜約3:1;約1:10〜約1:1;約1:5〜約5:1;約1:1〜約8:1;約1:2〜約4:1;および約1:8〜約6:1)と様々である。
【0085】
吸着剤上に薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物を吸着することによって、剤形を製造することができる。一部の実施形態において、吸着剤をミキサーに入れ、次いで吸着剤に対して所定の比を有する薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、および自己ミクロ乳化性オイル組成物を常時攪拌しながらミキサーに注ぎ、吸着剤へのエマルジョンの均一な吸着を達成することができる。
【0086】
得られた剤形は易流動性圧縮性粉末である。一部の実施形態において、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物が固体粒子上に吸着されると、その粉末は乾燥粉末に似ている(目視での観察で識別する限り)。一部の実施形態において、粉末は、以下に記載の安息角試験によって定義されるように易流動性である。一部、外相における水が組込み過程中に一部蒸発し得るという事実のために、かかる特性は、o/wエマルジョンまたはマイクロエマルジョンでより容易に達成することができる。固体粒子上に保持される平衡量の水が存在する。w/oエマルジョンまたはマイクロエマルジョンを吸着した場合、粉末がわずかに「湿って」いるように見える傾向がある。エマルジョンまたはマイクロエマルジョンと固体担体との比率は、粉末が易流動性および乾燥状態のままである程度を決定するのに重要な因子である。しかしながら、上述の固体担体とエマルジョンまたはマイクロエマルジョンとの比率を用いて、非凝集性混合物を得ることが可能である。固形剤形(例えば、圧縮錠剤)を製造するために、次いでこの混合物を他の錠剤化成分と合わせ、圧縮可能なブレンドを得ることができる。一部の実施形態において、圧縮可能なブレンドは易流動性である。
【0087】
粉末ブレンドが易流動性であるその程度は、参照により本明細書に組み込まれる、Lachman,LiebermanおよびKanigによる「The Theory and Practice of Industrial Pharmacy」(Lea and Febiger,publishers)などの薬学標準テキストに詳述される安息角試験を行うことによって推定される。静止安息角試験が好ましい。かかる試験を行う場合、最終的な粉末ブレンドは、約42度未満(例えば、約40度未満)の安息角を有する。
【0088】
容易に圧縮することができる易流動性粉末を形成するための、吸着剤と薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物の混合物に関しては、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物の比率が剤形において比較的低く維持される。その結果、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物における薬物ローディング(drug−load)は、安定な、バイオアベイラブルな、かつ高薬物ローディング組成物の配合に重要な因子である。
【0089】
薬剤エマルジョンまたはマイクロエマルジョンの安定性を高めると同時に、易流動性圧縮性粉末に広範囲の薬物ローディングを組み込みことができることが発見されている。本明細書で提供される、エマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、広範囲の重量比の水、オイル、および乳化剤から形成することができ、固体粒状吸着剤上に吸着し、易流動性圧縮性粉末を形成することができる。
【0090】
剤形粉末の個々の粒子に、組成物の複数種の粒子(multiple particle)を組み込んだ凝集塊、顆粒または他のより大きな粒子に、または剤形もしくは剤形の一部にコーティングを塗布することができる。本明細書で使用される「多粒子(multiparticulate)」とは、複数種の粒子の形をとる組成物を意味する。各粒子は、剤形組成物の個々の粒子であるか、または粉末組成物の複数種の粒子を組み込んだ、または粉末組成物の複数種の粒子から形成された凝集塊、顆粒または他のより大きな粒子であることができる。
【0091】
最終的な固形剤形は、弱イオン性薬物約0.1mg〜約1,000mg/錠(例えば、2.4グラム)を含有する。一部の実施形態において、固形剤形は、弱イオン性薬物約5mg〜約500mg(例えば、約10mg〜約200mgおよび約15mg〜約100mg)/錠を含有する。
【0092】
固形剤形はさらに、発泡剤および/または崩壊剤のうちの少なくとも1つなど、賦形剤を含むことができ;崩壊剤は、経口投与後に固形剤形を急速に分散させ、かつ崩壊させる。
【0093】
本開示内容は、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物を調製する工程と、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物を固体粒子吸着剤と混合することによって、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物を易流動性圧縮性粉末へと変換する工程と、を含む固形剤形を製造する方法も提供する。次いで、賦形剤(充填剤、崩壊剤等)を任意に含ませ、続いて当業者に公知の方法(例えば、錠剤化法)によって、易流動性圧縮性粉末から固形剤形を製造することができる。
【0094】
薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物は、例えば、共溶媒約20〜約40重量%(例えば、約20〜約35重量%;約20〜約32重量%;約25〜約40重量%;約28〜約40重量%;約25〜約35重量%;および約28〜約32重量%);pH調整剤約4〜約9重量%(約4〜約8重量%;約4〜約7重量%;約4.5〜約9重量%;約5〜約9重量%;約5〜約8重量%;および約5〜約7重量%);精製水約9〜約18重量%(約9〜約16重量%;約9〜約14.5重量%;約9〜約14重量%;約10〜約18重量%;約12〜約18重量%;約13〜約18重量%;約10〜約16重量%;および約12〜約14重量%);界面活性剤約28〜約56重量%(例えば、約28〜約50重量%;約28〜約46重量%;約32〜約56重量%;約38〜約56重量%;約30〜約50重量%;約34〜約47重量%;および約38〜約44重量%);弱イオン性薬物約5〜約10重量%(例えば、約5〜約9重量%;約5〜約8重量%;約6〜約10重量%;約7〜約10重量%;約6〜約9重量%;および約7〜約9重量%);を含有し得る。一部の実施形態において、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物は、共溶媒約30重量%;pH調整剤約6.67重量%;精製水約13.33重量%;界面活性剤約42重量%;弱イオン性薬物約8重量%;を含有し得る。
【0095】
一部の実施形態において、上記の配合物は、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物と固体粒子吸着剤の重量比約1:5〜約5:1(例えば、約1:5〜約3:1;約1:5〜約2:1;約1:3〜約5:1;約1:2〜約5:1;約1:3〜約3:1;および約1:2〜約2:1)で固体粒子吸着剤と合わせられる。
【0096】
一部の実施形態において、本明細書に記載の剤形は、共溶媒約10〜約20重量%(例えば、約10〜約18重量%;約10〜約16重量%;約12〜約20重量%;約14〜約20重量%;約12〜約18重量%;および約14〜約16重量%);pH調整剤約2〜約5重量%(約2〜約4.5重量%;約2〜約4重量%;約2.5〜約5重量%;約3〜約5重量%;約2.5〜約4.5重量%;および約3〜約4重量%);精製水約4〜約9重量%(約4〜約8重量%;約4〜約7重量%;約4.5〜約9重量%;約5〜約9重量%;約5〜約8重量%;および約5〜約7重量%);界面活性剤約14〜約28重量%(約14〜約24重量%;約14〜約22重量%;約16〜約28重量%;約18〜約28重量%;約16〜約24重量%;および約18〜約22重量%);弱イオン性薬物約2〜約6重量%(例えば、約2〜約5重量%;約2〜約4.5重量%;約3〜約6重量%;約3.5〜約6重量%;約2.75〜約4.75重量%;約3〜約4.5重量%;および約3.5〜約4.5重量%);固体粒子吸着剤約35〜約65重量%(例えば、約35〜約60重量%;約35〜約55重量%;約40〜約65重量%;約45〜約65重量%;約40〜約60重量%;および約45〜約55重量%);を含有し得る。一部の実施形態において、配合物は、共溶媒約15重量%;pH調整剤約3.33重量%;精製水約6.67重量%;界面活性剤約21重量%;弱イオン性薬物約4重量%;固体粒子吸着剤約50重量%;を含有し得る。
【0097】
共溶媒は、Captex−355(登録商標)(グリセリルトリカプリレート/カプレート);Labrasol(登録商標)(カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド);Labrafil M1944(登録商標)(オレオイルマクロゴールグリセリド);Lauroglycol90(登録商標)(プロピレングリコールモノラウレート);Tween80(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート);PEG400(ポリエチレングリコール);Capmul MCM(登録商標)(中鎖モノおよびジグリセリド);Capmul PG8(登録商標)(プロピレングリコールモノカプリレート);Plurol Oleique(登録商標)(ポリグリセリルオレエート);Span80(登録商標)(ソルビタンモノオレエート);Cremophor EL(登録商標)(ポリオキシル35ヒマシ油);Phosal 53MCT(登録商標)(中鎖トリグリセリド中にホスファチジルコリン53%);トウモロコシ油;オレイン酸;クエン酸トリエチル;エタノール;水;Acconon CC−6(登録商標)(ポリオキシエチレン6カプリル酸/カプリン酸グリセリド);PVP(ポリビニルピロリドン)K12;PVP K17;PVP K30;PVP K90;プロピレングリコール;およびその混合物からなる群から選択される。一部の実施形態において、共溶媒は、Captex355(登録商標);Capmul MCM(登録商標);PVP K12(登録商標);プロピレングリコール;およびその混合物;から選択される。一部の実施形態において、共溶媒は、Captex355(登録商標)約3%;Capmul MCM(登録商標)5%;PVP K12(登録商標)約2%;プロピレングリコール約20%である。
【0098】
pH調整剤は、先に記載のpH調整剤のいずれか、またはその混合物であることができる。
【0099】
界面活性剤は、Tween85(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート);Tween80(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート);Tween20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート);Labrasol(登録商標)(カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド);Cremophor EL(登録商標)(ポリオキシル35ヒマシ油);Triton X−100(登録商標)(オクチルフェノールエトキシレート);オレイン酸;ミリスチン酸イソプロピル;オレイン酸エチル;およびその混合物からなる群から選択される。
【0100】
弱イオン性薬物は、上述の薬物のいずれかまたはその混合物であることができる。
【0101】
固体粒子吸着剤は、上述の吸着剤のいずれかまたはその混合物であることができる。
【0102】
本明細書に記載の剤形と併せて、例えば、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物の部位特異的な送達を助ける薬剤、および溶解速度を高める薬剤の包含など、様々な成分および/または技術を用いて、バイオアベイラビリティを高めることができる。選択される向上技術は、薬物吸収経路、すなわち傍細胞または経細胞に関係する。かかる技術としては、限定されないが、更なる化学的浸透エンハンサー;粘膜付着性物質;限定されないが、発泡カップル(effervescent couple)などの発泡剤;イオン対形成剤または錯化剤;の使用ならびにオイルおよび/または界面活性剤薬物担体の使用が挙げられる。バイオアベイラビリティの向上は、特定の界面活性剤を使用することによって誘導される生体膜への構造変化および流動性の変化によって達成される。
【0103】
部位特異的な送達を促進するために胃腸管の特定の部位に薬物を放出するのを助ける物質を含有する剤形が、さらに本明細書において提供される。薬物放出のために選択される部位は、問題の薬物に関して胃腸管の最も効率的に吸収する部分または他の治療上の利点を有する部分である。添加されるその物質は、様々なメカニズムによって部位特異的な送達を促進し、本開示内容は、いずれか一つのかかるメカニズムに限定されない。例えば、その物質は、胃腸管の特定の部分に存在する酵素によって代謝され、このようにして、その部位で薬物が放出される。部位特異的吸収を促進するために使用される物質は、コーティングおよび/またはマトリックス材料として使用することができ、例えば、糖、多糖、デンプン、ポリマー等が挙げられる。
【0104】
一部の実施形態において、生体接着性ポリマーを剤形に含ませて、剤形と、胃腸管の最も効率的に吸着する部位の粘膜との接触時間を増加することができる。生体接着物質の非制限的な例としては、Carbopol(種々のグレード)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリカルボフィル(Noveon AA−1)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、およびヒアルロン酸ナトリウムが挙げられる。
【0105】
例えば、胃腸管内での薬物の分散を助けるために、崩壊剤も使用することができる。
【0106】
一部の実施形態において、崩壊剤は、薬剤として許容される発泡剤または発泡システムを含み得る。例えば、米国特許第5,178,878号明細書を参照されたい。一部の実施形態において、発泡剤または発泡システムは、口腔内の水および/または唾液に発泡性崩壊剤が曝露されると起こる化学反応によってガスを発生する。気泡またはガス発生反応は、一部の実施形態において、可溶性の酸源とアルカリ金属炭酸塩または炭酸塩源が反応した結果である。これらの2種類の一般的な種類の化合物の反応によって、唾液に含まれる水と接触すると二酸化炭素ガスが発生する。
【0107】
酸源または酸は、ヒトが摂取するのに安全ないずれかであり、一般に、食物の酸、酸無水物および酸性塩を含む。食物の酸としては、クエン酸、酒石酸、アマリン酸、フマル酸、アジピン酸、およびコハク酸等が挙げられる。これらの酸は直接摂取されるため、水に対するその全体的な溶解性は、本発明の発泡性錠剤配合物が、一杯の水に溶解されることが意図される場合と比べてあまり重要ではない。上述の酸の無水物および酸性塩も使用することができる。酸性塩としては、リン酸二水素ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、クエン酸塩および重亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0108】
炭酸塩減としては、乾燥固体炭酸塩および重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムおよび炭酸カリウム、炭酸マグネシウムおよびセスキ炭酸ナトリウム、グリシン炭酸ナトリウム、炭酸L−リジン、炭酸アルギニンおよびアモルファス炭酸カルシウムが挙げられる。
【0109】
本発明の発泡性崩壊剤(1種または複数種)またはシステム(1種または複数種)は常に、二酸化炭素を形成する反応に基づいているわけではない。酸素または小児に安全である他のガスを発生する反応物も使用することができる。発泡剤が、酸源および炭酸塩源などの2つの互いに反応性の成分を含む場合、どちらの成分も完全に反応することが好ましい。したがって、等しい当量を提供する成分の当量比が好ましい。例えば、使用する酸が二塩基酸である場合には、2倍量の一反応性炭酸塩基、または等量の二反応性塩基のいずれかが完全な中和を実現するのに使用される。しかしながら、一部の実施形態において、酸または炭酸源の量は、もう一方の成分の量を超えてもよい。これは、過多量のいずれかの成分を含有する錠剤の味および/または性能を高めるのに有用である。この場合には、いずれかの成分の余分量が未反応のままであることは許容される。
【0110】
一部の実施形態において、崩壊剤は、適切な非発泡性崩壊剤であることができる。崩壊剤の非制限的な例としては、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプンおよび加工デンプンが挙げられる。
【0111】
上述の様々な成分が剤形内の層に存在するか、または特殊な形態および幾何学的配置を用いることができる。一部の実施形態において、本明細書に記載の剤形は、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物に保持されるものに加えて薬物を含み得る。
【0112】
粒子は、顆粒化(湿式法または乾式法)、層状化技術、押出し成形および球状化(spheronization)または他のペレット製造法によって製造される。乾式造粒は、乾燥粉末の外観を有する粉末混合物(吸着されたエマルジョンを含む)のスラッギングまたはチルソネーション(chilsonation)によって達成される。層状化は、流動床装置またはコーティングパンにおいて行われる。吸着されたエマルジョンを有する微細粉末(乾燥粉末の外観を有する)を出発原料またはコア上に層状に重ねる。水性または非水性結合剤を使用して、コア上に添加された物質の付着を助けることができる。結合剤の選択は一部、特定の製造に用いられるエマルジョンまたはマイクロエマルジョン、弱イオン性薬物、およびpH調整剤の性質によって指示される。結合剤は、薬物の安定性に対するその作用について試験すべきである。エマルジョンにおける薬物の安定に負の影響を及ぼさない結合剤のみが使用される。一部の実施形態において、層状化は、流動床コーターにおいて行うことができる。この装置では、材料の床は、非常に短い時間、湿った状態のままであり、したがって、一見して不相溶性に見える結合剤を使用することが可能である。微細粒子吸着エマルジョンに加えて、他の物質を出発原料上に層状に重ねることができる。これらとしては、限定されないが、薬物または追加量の薬物、pH調整剤、浸透エンハンサーおよび他の賦形剤が挙げられる。出発原料またはコアの非制限的な例は、ノンパレイル(ショ糖)または微結晶セルロースのシードである。多粒子のサイズは好ましくは、約3mmまでである。剤形または剤形のコーティングは、流動床コーターにおいて、または他のコーティング技術によって達成することができる。多粒子はカプセルに充填される。
【0113】
湿式造粒または押出し成形および球状化などの湿式プロセスを用いる場合、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンは、液相または造粒用液体中で使用される。一部の実施形態において、この種類のエマルジョンまたはマイクロエマルジョンは、固体成分と共に処理するための正確なコンシステンシーを得るために水で希釈され、さらに、乾燥した外観を有する生成物において、形成された粒子の乾燥が不完全となることから、o/wエマルジョンまたはマイクロエマルジョンは、湿式プロセスにおいて液相中で使用される。例えば、イソプロピルアルコールまたはエチルアルコールなどの水混和性、非毒性、揮発性有機溶媒の外水相中への包含は、形成された粒子からのエマルジョンまたはマイクロエマルジョンの外相の一部の蒸発を促進するのに有利である。
【0114】
腸溶コーティングは含有しないが、口腔粘膜による吸収のために薬物が放出される口腔内で保持される物質も、本明細書において提供される。この物質が用いられる場合、錠剤は、更なる浸透エンハンサー、粘膜付着物質または口腔内での吸収を促進する他の作用物質(agent)を含有し得る。
【0115】
錠剤は、湿式造粒、乾式造粒、直接圧縮、または他の錠剤製造技術によって製造することができる。経口的に崩壊する錠剤は比較的軟らかく、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,178,878号明細書における開示内容に従って、直接圧縮によって製造することができる。ペプチドおよび他の生体分子については、これらの物質は圧縮力に弱いため、低い圧縮力が好ましい。かかる化合物では、化合物のコンフォメーションおよび生物活性が、錠剤製造に従来から使用される高い圧縮力で変化し得る。
【0116】
一部の実施形態において、錠剤は、異なる組成物の層内の、上述の活性成分の層からなる層状錠剤であることができる。一部の実施形態において、錠剤は、均一な組成物の単一の錠剤であることができる。一部の実施形態において、錠剤は、約3/4インチまでのサイズであることができる。錠剤の硬度は、非コーティング錠剤では約1ニュートン(「N」)〜約50N(例えば、約15〜約35N)である。例えば、腸溶コーティングでコーティングされることが意図される錠剤は、わずかに硬く、範囲約20〜約70N(例えば、約25〜約50N)の硬度値を有する。これらの値は、非コーティングのコアに関係し、予想されるように、錠剤の硬度値は、コーティング層の付加によって増加する。
【0117】
一部の実施形態において、膣内投与が意図される錠剤は、充填剤としての微粒子粉末および物理的刺激または摩擦の可能性を減らす他の賦形剤を含み得る。さらに、錠剤は、膣内への挿入を容易にする形状を有する。かかる形状の非制限的な例としては、楕円形およびダイヤモンド形が挙げられる。錠剤の挿入は、この目的のために当業界でよく知られている特別なアプリケーター装置を使用することによって容易にすることができる。
【0118】
固形剤形を含有する錠剤は、腸溶性物質でコーティングすることができる。これはコーティングパンにおいて行われる。現在の、穿孔処理されたパンの多くは、コーティングをより効率的にする特徴を有する。例として、Hicoater(Vector Corporation,Iowa)が使用される。一部の実施形態において、パン内の錠剤は予め加熱され、錠剤を穏やかに混転することができる速度でパンを回転させる。流動床コーターに関して行われる上述の多くのプロセス(材料の湿潤の割合など)は、パンコーターにも当てはまる。発泡性物質が製剤に組み込まれる場合には、コーティング溶液は非水性であり、発泡剤はコーティングによってエマルジョンから分離される。
【0119】
一部の実施形態において、プレコーティング材料も使用することができる。プレコーティング材料の非制限的な例としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、商標EUDRAGIT(登録商標)で市販の材料(様々なグレードが組み合わせられる)、およびその混合物が挙げられる。
【0120】
一部の実施形態において、充填剤などの賦形剤を添加して、錠剤化を助けることができる。充填剤の非制限的な例としては、マンニトール、ブドウ糖、乳糖、ショ糖、および炭酸カルシウムが挙げられる。口腔内で崩壊することが意図される錠剤については、錠剤の質量は約2.5gを超えない。発泡剤が含有される場合、錠剤における発泡剤レベルは、完成錠剤の重量に対して約5〜約65重量%である。
【0121】
微粒子吸着剤上に吸着された薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物は、例えば成形によって形成される坐剤に組み込むことができる。一部の実施形態において、易流動性粉末を溶融坐剤ベース(1種または複数種)と混合し、型に注ぎ、周囲温度に冷却することによって固めることができる。適切な坐剤ベースとしては、限定されないが、カカオ脂、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ゼラチン/グリセリンの組み合わせ、エステル化脂肪酸、ポリオキシエチレンソルビタンおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。異なる成分の混合物を含有し得る様々な専売のベースも利用可能である。専売のベースの例は、Imhausen、WitepsolおよびGelucireの商品名で市販されているベースである。これらのそれぞれの様々なグレードが、特定の用途に利用可能である。必要な特性を有する坐剤を得るために、様々なベースの混合物も用いることができる。
【0122】
界面活性剤および中鎖(C−C12)脂肪酸および脂肪酸エステル、例えばグリセロールのモノ、ジおよびトリエステルなどの吸収エンハンサーなど様々な添加剤を本発明の坐剤に組み込むことができる。常温成形および圧縮などの坐剤を形成する他の成形方法も用いることができる。
【0123】
一部の実施形態において、坐剤ベースの親水性/疎水性の性質は、エマルジョンの外相と異なり得る。例えば、o/wエマルジョンまたはマイクロエマルジョンが使用される場合には、坐剤ベースはカカオ脂などの脂肪質(疎水性)ベースであり;w/oエマルジョンまたはマイクロエマルジョンが使用される場合には、坐剤ベースは、例えばゼラチン/グリセリンなどの親水性である。これらの配合物は、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンの外相と坐剤ベースとの間に混和性混合物が形成するのを防ぐことによって、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンの安定性の維持を助ける。
【0124】
本明細書に記載の剤形は、投与すると、pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される(例えば、経口または静脈内投与)、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物としてではない、弱イオン性薬物の組成物と比較して、弱イオン性薬物の短いTmaxを達成する。一部の実施形態において、弱イオン性薬物は、本明細書に記載の組成物として配合されない場合、十分なバイオアベイラビリティを示すが、本明細書に記載の剤形を使用することによって、短いTmaxが得られる。
【0125】
場合によっては、本明細書に記載の剤形は、投与すると、pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物ではない、弱イオン性薬物を含有する組成物によって示されるCmaxの約105〜約195%(例えば、約105〜約190%;約105〜約180%;約105〜約175%;約105〜約170%;約105〜約160%;約105〜約155%;約105〜約150%;約110〜約195%;約120〜約195%;約125〜約195%;約130〜約195%;約140〜約195%;約145〜約195%;約150〜約195%;約115〜約185%;約125〜約175%;約130〜約170%;約140〜約160%;および約145〜約155%)であるCmax値を示す。
【0126】
場合によっては、この剤形は、投与すると、pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物ではない、弱イオン性薬物の組成物のTmaxの約25〜約50%(例えば、約25〜約45%;約25〜約42%;約25〜約40%;約25〜約38%;約30〜約50%;約33〜約50%;約35〜約50%;約38〜約50%;約28〜約47%;約32〜約44%;および約35〜約41%)であるTmaxを達成することができる。一部の実施形態において、この剤形は、pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物ではない、弱イオン性薬物を含む組成物のTmaxの約36〜約40%であるTmaxを達成することができる。
【0127】
pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物ではない弱イオン性薬物の組成物の値と比較した場合に、pH調整剤を含有するが、固体粒子吸着剤は含有しない、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物である弱イオン性薬物の組成物に関して、CmaxおよびTmaxの同様なパーセンテージの値が得られる。
【0128】
実施例7で例証されるように、本明細書に記載の剤形は、pH調整剤を含有するが、固体粒子吸着剤は含有せず、かつ同一経路で投与される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物である弱イオン性薬物の組成物で達成される値とほぼ同等なCmax値を示す。一部の実施形態において、Cmax値は、固体粒子吸着剤を含有しない剤形のCmax値の±8%(例えば、±6%;±4%;および±2%)である。同様に、この剤形は、pH調整剤を含有するが、固体粒子吸着剤は含有せず、かつ同一経路で投与される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物である弱イオン性薬物の組成物で達成される値とほぼ同等であるTmax値を示す。一部の実施形態において、Tmax値は、固体粒子吸着剤を含有しない剤形のTmax値の±20%(例えば、±17%;±15%;および±12%)である。
【0129】
一部の実施形態において、本明細書に記載の剤形で使用される弱イオン性薬物は、低可溶性であるが、許容可能な絶対的バイオアベイラビリティを示す。一般に、低可溶性薬物は、以下の表の通り、わずかに可溶性から不溶性の範囲の測定溶解度を有する。本明細書に記載の剤形によって、かかる薬物のTmaxが短くなる。
【0130】
【表1】

【0131】
薬物の可溶化配合物のIV剤形と比較して、特定の剤形および投与経路で達成されるAUCを測定することによって、絶対的バイオアベイラビリティを決定することができる。低バイオアベイラブル(bioavailable)な薬物は、その薬物のIV剤形の約30%未満(例えば、約25%未満;約20%未満;約15%未満;約10%未満;および約5%未満)である絶対的バイオアベイラビリティを有する。低バイオアベイラビリティを示す薬物としては、不十分に吸着される薬物、および胃腸系を通過する間に分解される薬物、例えばタンパク質、ペプチド、および生物由来の他の物質が挙げられる。一方、薬物のIV剤形と比較して、約30%を超える(例えば、約35%を超える;約40%を超える;約45%を超える;約50%を超える;約55%を超える;約60%を超える;約65%を超える;約70%を超える;約75%を超える;約80%を超える;約85%を超える;約90%を超える;および約95%を超える)絶対的バイオアベイラビリティが測定される場合、薬物は許容可能なバイオアベイラビリティを有する。
【0132】
一部の実施形態において、本明細書に記載の剤形は、低可溶性であるが、許容可能なバイオアベイラビリティ(例えば、約30%を超える絶対的バイオアベイラビリティ)を示す弱イオン性薬物を含有し得る。一部の実施形態において、ある薬物の剤形では、その薬物のIV剤形と比較して、約85%を超える絶対的バイオアベイラビリティが測定される。一部の実施形態において、ある薬物の剤形では、その薬物のIV剤形と比較して、約89%の絶対的バイオアベイラビリティが測定される。かかる配合物は、本明細書に記載のように配合されていない薬物よりも短いTmaxも示す。
【0133】
メロキシカムを含む剤形
一部の実施形態において、弱イオン性薬物がメロキシカムである剤形を製造することができる。メロキシカムは、以下の構造を有する非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である:
【化1】

メロキシカムは、4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(5−メチル−2−チアゾリル)−2H−1,2−ベンゾチアジン−3−カルボキサミド−1,1−ジオキシドとしても知られている。メロキシカムは、pKa値1.1および4.2を有する弱イオン性薬物である。
【0134】
上述のようにpH調整剤および任意の賦形剤を用いて、上述の剤形のいずれかで(すなわち、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物として)メロキシカムを使用することができる。
【0135】
薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物は、例えば、共溶媒約20〜約40重量%(例えば、約20〜約35重量%;約20〜約32重量%;約25〜約40重量%;約28〜約40重量%;約25〜約35重量%;および約28〜約32重量%);pH調整剤約4〜約9重量%(約4〜約8重量%;約4〜約7重量%;約4.5〜約9重量%;約5〜約9重量%;約5〜約8重量%;および約5〜約7重量%);精製水約9〜約18重量%(約9〜約16重量%;約9〜約14.5重量%;約9〜約14重量%;約10〜約18重量%;約12〜約18重量%;約13〜約18重量%;約10〜約16重量%;および約12〜約14重量%);界面活性剤約28〜約56重量%(例えば、約28〜約50重量%;約28〜約46重量%;約32〜約56重量%;約38〜約56重量%;約30〜約50重量%;約34〜約47重量%;および約38〜約44重量%);およびメロキシカム約5〜約10重量%(例えば、約5〜約9重量%;約5〜約8重量%;約6〜約10重量%;約7〜約10重量%;約6〜約9重量%;および約7〜約9重量%)を含む。一部の実施形態において、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物は、共溶媒約30重量%;pH調整剤約6.67重量%;精製水約13.33重量%;界面活性剤約42重量%;およびメロキシカム約8重量%;を含む。
【0136】
薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物は、Captex355(登録商標)約3重量%;Capmul MCM(登録商標)約5重量%;PVP K12約2重量%;プロピレングリコール約20重量%;水性トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン約20重量%;Tween80(登録商標)約42重量%;およびメロキシカム約8重量%;を含む。
【0137】
一部の実施形態において、上記の配合物は、薬物含有エマルジョン、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物と固体粒子吸着剤との重量比約1:5〜約5:1(例えば、約1:5〜約3:1;約1:5〜約2:1;約1:3〜約5:1;約1:2〜約5:1;約1:3〜約3:1;および約1:2〜約2:1)で固体粒子吸着剤と合わせられる。一部の実施形態において、上記の配合物は、薬物含有マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物と固体粒子吸着剤との重量比1:1で固体粒子吸着剤と合わせられる。
【0138】
一部の実施形態において、本明細書に記載の剤形は、共溶媒約10〜約20重量%(例えば、約10〜約18重量%;約10〜約16重量%;約12〜約20重量%;約14〜約20重量%;約12〜約18重量%;および約14〜約16重量%);pH調整剤約2〜約5重量%(約2〜約4.5重量%;約2〜約4重量%;約2.5〜約5重量%;約3〜約5重量%;約2.5〜約4.5重量%;および約3〜約4重量%);精製水約4〜約9重量%(約4〜約8重量%;約4〜約7重量%;約4.5〜約9重量%;約5〜約9重量%;約5〜約8重量%;および約5〜約7重量%);界面活性剤約14〜約28重量%(約14〜約24重量%;約14〜約22重量%;約16〜約28重量%;約18〜約28重量%;約16〜約24重量%;および約18〜約22重量%);メロキシカム約2.5〜約5重量%(例えば、約2.5〜約4.5重量%;約2.5〜約4重量%;約3〜約5重量%;約3.5〜約5重量%;約2.75〜約4.75重量%;約3〜約4.5重量%;および約3.5〜約4.25重量%);および固体粒子吸着剤約35〜約65重量%(例えば、約35〜約60重量%;約35〜約55重量%;約40〜約65重量%;約45〜約65重量%;約40〜約60重量%;および約45〜約55重量%);を含む。一部の実施形態において、配合物は、共溶媒約15重量%;pH調整剤約3.33重量%;精製水約6.67重量%;界面活性剤約21.25重量%;メロキシカム約3.75重量%;および固体粒子吸着剤約50重量%;を含む。一部の実施形態において、配合物は、Captex355(登録商標)約1.5重量%;Capmul MCM(登録商標)約2.5重量%;PVP K12約1重量%;プロピレングリコール約10重量%;水性トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン約10重量%;Tween80(登録商標)約21重量%;メロキシカム約4重量%;および二酸化ケイ素約50重量%;を含む。
【0139】
メロキシカムを含む剤形は、投与すると、pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物ではないメロキシカムの配合物と比較して、短いTmaxを達成する(実施例5およびBusch,U.et al.Drug Metabolism and Disposition 26(6):576−584 1998参照)。一部の実施形態において、そのTmaxは、約94〜約142分(例えば、約94〜約135分;約94〜約130分;約94〜約125分;約94〜約122分;約94〜約118分;約98〜約142分;約105〜約142分;約110〜約142分;約114〜約142分;約118〜約142分;約100〜約130分;約108〜約126分;および約115〜約121分)の範囲である。一部の実施形態において、Tmaxは約116〜約120分の範囲である。一部の実施形態において、メロキシカムを含む剤形は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび二酸化ケイ素も含む(例えば、Zeopharm5170)。
【0140】
メロキシカムを含む剤形は、投与すると、約1.43〜約2.14μg/mL(例えば、約1.43〜約2.10μg/mL;約1.43〜約2.06μg/mL;約1.43〜約1.98μg/mL;約1.43〜約1.92μg/mL;約1.43〜約1.86μg/mL;約1.43〜約1.80μg/mL;約1.48〜約2.14μg/mL;約1.55〜約2.14μg/mL;約1.62〜約2.14μg/mL;約1.67〜約2.14μg/mL;約1.76〜約2.14μg/mL;約1.50〜約2.10μg/mL;約1.58〜約1.98μg/mL;約1.66〜約1.89μg/mL;および約1.72〜約1.84μg/mL)の範囲のCmaxを達成する。一部の実施形態において、Cmaxは、約1.75〜約1.81μg/mLの範囲である。
【0141】
場合によっては、メロキシカムを含む剤形は、投与すると、pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物ではないメロキシカムを含有する組成物によって示されるCmaxの約120〜約180%(例えば、約120〜約175%;約120〜約166%;約120〜約160%;約120〜約156%;約125〜約180%;約132〜約180%;約140〜約180%;約147〜約180%;約125〜約175%;約132〜約168%;約138〜約162%;および約145〜約155%)であるCmax値を示す。かかる場合には、この剤形は、投与すると、pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物ではないメロキシカムを含有する組成物のTmaxの約30〜約46%(例えば、約30〜約44%;約30〜約42%;約30〜約40%;約32〜約46%;約34〜約46%;約36〜約46%;約32〜約44%;および約34〜約42%)であるTmaxを達成する。一部の実施形態において、この剤形は、pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物ではないメロキシカムを含有する組成物のTmaxの約36〜約40%であるTmaxを達成する。
【0142】
例えば、実施例4において、MobicのCmax(すなわち、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物ではなく、かつpH調整剤を含有しないメロキシカムの配合物)は、イヌで行われた研究でCmax約3.175μg/mLを示したのに対して、メロキシカム、pH調整剤、および固体粒子吸着剤を含有する剤形(すなわち、担体上に吸着された自己ミクロ乳化性オイル組成物)はCmax4.549μg/mLを示した。さらに、その同じ研究において、Mobic配合物のTmaxは480分であったのに対して、メロキシカムおよびpH調整剤を含有する自己ミクロ乳化性オイル組成物剤形はTmax82.5分を示した。
【0143】
他の実施例において(実施例7参照)、MobicのCmax(すなわち、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物ではなく、かつpH調整剤を含有しないメロキシカムの配合物)は、ヒトで行われた研究においてCmax約1.192μg/mLを示したのに対して、メロキシカム、pH調整剤、および固体粒子吸着剤を含有する剤形(すなわち、担体上に吸着された自己ミクロ乳化性オイル組成物)はCmax1.783μg/mLを示した。後者の配合物と同様に、メロキシカムおよびpH調整剤を含有するが、固体粒子吸着剤を含有しない剤形(すなわち、自己ミクロ乳化性オイル組成物)はCmax1.803μg/mLを示した。さらに、その同じ研究において、Mobic配合物のTmaxが308.4分だったのに対して、メロキシカムおよびpH調整剤を含有する、固体粒子担体上に吸着された自己ミクロ乳化性オイル組成物はTmax118.2分を示した。Cmaxと同様に、吸着されていない自己ミクロ乳化性オイル組成物は、105分の値を有するほぼ同等なTmaxを示した。
【0144】
一部の実施形態において、本明細書に記載のメロキシカムを含有する剤形は、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物ではなく、pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、メロキシカムを含有する組成物と比較して速く溶解する。一部の実施形態において、剤形15mgの約75〜約100%(例えば、約75%;約80%;約85%;約90%;約92%;約94%;約96%;および約99%)が脱イオン水900mLに約15分以内で溶解する。一部の実施形態において、剤形15mgの約90%が脱イオン水900mLに約15分以内で溶解する。本明細書に記載のメロキシカムを含有する剤形の溶解速度は、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化性オイル組成物、または自己ミクロ乳化性オイル組成物ではなく、pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、メロキシカムを含有する組成物の溶解速度と比較される。一部の実施形態において、メロキシカム15mgの約40〜約60%が、脱イオン水900mLに約15分以内で溶解する。一部の実施形態において、メロキシカム15mgの約50%が、脱イオン水900mLに約15分以内で溶解する。上述の溶解速度は、生体外での溶解アッセイ、USP Dissolution,Apparatus 2を用いて測定される。
【0145】
メロキシカムは、抗炎症、鎮痛、および解熱活性を示す。例えば、炎症および痛みの治療にメロキシカムを使用することができる。一部の実施形態において、メロキシカムは、関節炎(例えば、変形性関節症、関節リウマチ、および若年性関節リウマチ)、強直性脊椎炎、発熱(fever)、原発性月経困難症、発熱(pyrexia)、喘息、骨吸収、循環器疾患、腎毒性、アテローム性動脈硬化症、低血圧、下背部痛、および急性疼痛を治療する方法(例えば、手術後の痛みの治療、戦場での創傷に起因する痛み、および片頭痛の治療)として使用することができる。メロキシカムは、炎症を伴うすべての痛みの治療に特に有効である。
【0146】
種々の出版物が本出願全体に記載されている。これらの出版物は参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0147】
実施例1−メロキシカム自己乳化性オイル組成物の配合物
重量%で示される以下の成分を用いて、メロキシカム自己乳化性オイル組成物を調製した:
【0148】
【表2】

【0149】
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンのベース7.5gを水15gと混合して、Trizma(登録商標)バッファを調製した。上記の配合成分に示される順序で、ガラスビーカー内で電磁スターラーを使用して、メロキシカムを除く残りの成分をブレンドした。ビーカーを60℃の水浴に入れ、透明な溶液が得られるまで、成分を約30分ブレンドした。次いで、メロキシカム(7.5%)をブレンドに添加した。ビーカーをパラフィンフィルムで覆い、60℃の水浴中で維持し、透明な黄色の溶液が得られるまで、さらに溶液を混合した。配合物が濁りをおびた、オレンジ色または暗い黄色に変化した場合には、その混合方法は、メロキシカムの可溶化に失敗したことを意味し、ブレンドを破棄した。
【0150】
実施例2−シリカおよびシリケートへのメロキシカム自己乳化性オイル組成物の吸着
実施例1のメロキシカム自己乳化性オイル組成物を少量のアリコートで添加し、3種類の粉末:二酸化ケイ素3.6μm(GL100)、二酸化ケイ素300μm(ZeoPharm5170)、およびケイ酸アルミニウムマグネシウム80μm(Neusilin US2)上に、それぞれ重量比1:1で穏やかに混合しながら吸着させた。使用するまで、3種類すべての粉末ブレンドをしっかり閉めたガラス容器に保管した。
【0151】
実施例3−生体外での溶解の研究
実施例3からの二酸化ケイ素とケイ酸アルミニウムマグネシウムの両方の種類に吸着されたメロキシカム自己乳化性オイル組成物について、生体外での溶解の研究を行った。脱イオン水900mLにおいて溶解を行った。溶解の研究はUSP type 2 apparatus(Varian Inc.,Cary,NC)で行った。パドル速度および浴温度をそれぞれ、50rpmおよび37℃に設定した。試料(5mL)を5、10、15、30、45、および60分で取り出し、UV分光法(Varian Cary,Australia)によって360nmで分析した。別段の指定がない限り、二重測定で溶解実験を行った。
【0152】
図1は、メロキシカム(粉末状のそのままの薬物)、吸着されていない自己乳化性オイル組成物、および実施例2に記載の二酸化ケイ素およびケイ酸アルミニウムマグネシウムの両方の種類に吸着された自己乳化性オイル組成物の脱イオン水における溶解プロファイルを示す。各配合物はメロキシカム15mgを含有する。溶解媒体に導入された場合に、メロキシカム粉末のわずか12%が水に溶解した。それと対照的に、自己乳化性オイル配合物として導入された場合には、96%を超えるメロキシカムが60分後に溶解した(図3参照)。同様に、二酸化ケイ素およびケイ酸アルミニウムマグネシウムに吸着されたメロキシカム自己乳化性オイル組成物として導入された場合には、90%を超えるメロキシカムが60分後に溶解した。どちらの二酸化ケイ素吸着剤も、オイル配合物のみと同様な放出プロファイルを示したのに対して、ケイ酸アルミニウムマグネシウム配合物からのメロキシカムの放出は、初期時点で遅かった。
【0153】
実施例4−イヌにおける生体外研究
同じイヌのグループにおいて非ランダムなプロトコルデザインで覚醒したイヌモデルにおいて、固体粒子に吸着されたメロキシカム自己ミクロ乳化性オイル組成物の配合物を評価した。メロキシカム自己ミクロ乳化性オイル組成物配合物の2つの形を被験物として研究に用いた。1つの配合物は、担体、Zeopharm5170に吸着された、トリス(ヒドロキシ)アミノメタンおよびメロキシカムを含有する自己ミクロ乳化性オイル組成物で充填された硬質ゼラチンカプセルからなり、もう1つの配合物は、メロキシカムおよびトリス(ヒドロキシ)アミノメタンの自己ミクロ乳化性オイル組成物のみを含有する硬質ゲルカプセルからなる。どちらの配合物も経口投与された。メロキシカムを含有する2つの市販の配合物も評価し、Mobic(登録商標)錠剤は経口投与され、Metacam(登録商標)は静脈内投与された。メロキシカム用量は、経口投与被験物では7.5mgまたは8.1mgであり、静脈内投与被験物では2mgであった。
【0154】
各配合物に関して、イヌ4匹または5匹を研究した。投与前に、動物を一晩絶食させ、投与から約2時間後に、動物は、研究の残り部分のために規定食へのアクセスを有した。研究の間、投与段階の間の少なくとも2週間の回復期間を有して、動物は複数回投与された。各配合物は、単回投与され、静脈内投与は橈側皮静脈で行われた。
【0155】
投与経路に応じて、投与後480〜1440分間の様々な時点で全血および血清試料を採取した。血液試料は、橈側皮静脈または伏在静脈から採取した。試料を約1時間または血清に処理されるまで、室温で保管した。試料を22〜26℃で約10分間、3200RPMにて遠心分離した。分析されるまで、血清試料を4±5℃で保管した。
【0156】
LC/MS/MSを用いて、試料を評価した。表1および図2に、この研究で得られた薬物動態学的パラメーター計算値の結果を示す。
【0157】
【表3】

【0158】
薬物動態学的プロファイルは、文献から知られるように、メロキシカムに関して遅い消失相を示す。しかしながら、メロキシカム経口投与自己ミクロ乳化性オイル組成物の配合物は、経口投与Mobicで達成されるよりも、薬物動態学プロファイルおよび薬物動態学的パラメーター計算値のどちらにおいても速い吸収を示す。
【0159】
実施例5−メロキシカム自己乳化性オイル組成物の配合物
重量%で示される以下の成分を用いて、メロキシカム自己乳化性オイル組成物を調製した:
【0160】
【表4】

【0161】
上記の配合成分で示される順序で、ガラスビーカー内で電磁スターラーを使用して、メロキシカムを除く成分をブレンドした。ビーカーを60℃の水浴に入れ、透明な溶液が得られるまで、成分を約30分ブレンドした。次いで、メロキシカム(8%)をブレンドに添加した。ビーカーをパラフィンフィルムで覆い、60℃の水浴中で維持し、透明な黄色の溶液が得られるまで、さらに1時間溶液を混合した。配合物が濁りをおびた、オレンジ色または暗い黄色に変化した場合には、その混合方法は、メロキシカムの可溶化に失敗したことを意味し、ブレンドを破棄した。
【0162】
実施例6−シリカおよびシリケートへのメロキシカム自己乳化性オイル組成物の吸着
実施例5のメロキシカム自己乳化性オイル組成物を少量のアリコートで添加し、Zeopharm5170(二酸化ケイ素(沈降非晶質シリカ))上に、重量比1:1で穏やかに混合しながら吸着させた。使用するまで、粉末ブレンドをしっかり閉めたガラス容器に保管した。
【0163】
実施例7−ヒトにおける生体内研究
正常な健康なボランティアにおいて、特定の薬物動態学的パラメーターの部分的無作為化、非盲検研究において、固体粒子に吸着されたメロキシカム自己ミクロ乳化性オイル組成物の配合物を評価した。2つの形態のメロキシカム自己ミクロ乳化性オイル組成物配合物を研究に被験物として使用した。1つの配合物(配合物A)は、担体、Zeopharm5170に吸着されたトリス(ヒドロキシ)アミノメタンおよびメロキシカムを含有する自己ミクロ乳化性オイル組成物で充填された硬質ゼラチンカプセルからなり(実施例6参照)、もう1つの配合物(配合物B)は、メロキシカムおよびトリス(ヒドロキシ)アミノメタンの自己ミクロ乳化性オイル組成物のみを含有する液体配合物からなる(実施例5参照)。メロキシカムを含有する2つの市販の錠剤配合物(配合物C)、Mobic(登録商標)も評価した。配合にかかわらず、メロキシカム用量は15mgであり、すべての配合物は経口投与された。
【0164】
この研究は合計18名の健康な成人ボランティア(男性および女性)からなった。研究の各相の間に最低14日間の休薬期間を設けて、試験は3相にわたって行われた。試験配合物AおよびCを1相および2相の間にランダムに投与し、試験配合物Bを3相中に完全に投与した。投与前には、各投与相後の少なくとも10.5時間および少なくとも24時間、対象を絶食させた。各配合物は室温水約240mLで単回投与された。
【0165】
投与後96時間にわたって様々な時点で、1対象、1相につき血液試料27個を採取した。投与(0時間)前90分以内に、かつ用量を投与した後に0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12、16、24、48、72、および96時間の時点で薬物動態学的サンプリングを行った。試料を約1時間または血清に処理されるまで、室温で保管した。試料を4±10℃で10分間、3000RPMにて遠心分離した。分析されるまで、血清試料を−20±10℃で保管した。試料採取とフリーザー保存の間の時間は1.5時間を超えなかった。
【0166】
有効な生体分析法を用い、かつBioanalytical Laboratory’s Standard Operating Procedures and FDA guidelinesに従って、試料を評価した。表2および図4に、この研究で得られた薬物動態学的パラメーター計算値の結果を示す。
【0167】
【表5】

【0168】
実施例4と同様に、薬物動態学的プロファイルは、メロキシカムに関して遅い消失相を示す。しかしながら、配合物AおよびBは、市販の配合物Cで達成されるよりも、薬物動態学プロファイルおよび薬物動態学的パラメーター計算値の両方において速い吸収を示す。
【0169】
実施例8−生体外での溶解の研究
二酸化ケイ素に吸着されたメロキシカム自己乳化性オイル組成物およびメロキシカムの錠剤配合物(Mobic)で生体外での溶解研究を行った。900mLの脱イオン水、pH6.8およびpH4.5のpH値を有する水溶液および0.1N HClの溶液において溶解を行った。溶解の研究は、USP type 2 apparatus(Varian Inc.,Cary,NC)で行った。パドル速度および浴温度をそれぞれ、50rpmおよび37℃に設定した。試料(5mL)を5、10、15、30、45、および60分で取り出し、UV分光法(Varian Cary,Australia)によって360nmで分析した。別段の指定がない限り、二重測定で溶解実験を行った。
【0170】
図5および6に示されるように、二酸化ケイ素配合物に吸着されたメロキシカム自己乳化性オイル組成物は、錠剤配合物と比較して優れた溶解プロファイルを示した。
【0171】
本発明の多くの実施形態が説明されている。しかしながら、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができることは理解されよう。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)100nmを超える直径の小球を有する薬物含有エマルジョンであって、前記薬物含有エマルジョンが弱イオン性薬物およびpH調整剤を含み、前記pH調整剤が、pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高め、かつ前記弱イオン性薬物がpKa約1〜約14を有する、薬物含有エマルジョン;
b)固体粒子吸着剤;
を含む剤形であって、
前記薬物含有エマルジョンが前記固体粒子吸着剤に吸着されて、易流動性圧縮性粉末が形成される、剤形。
【請求項2】
前記エマルジョン小球が、直径約120nm〜約70μmを有する、請求項1に記載の剤形。
【請求項3】
前記薬物含有エマルジョンが、エマルジョンの両相の全重量に対して、前記弱イオン性薬物約1〜約50重量%を含む、請求項1に記載の剤形。
【請求項4】
前記薬物含有エマルジョンが水中油型エマルジョンである、請求項1に記載の剤形。
【請求項5】
前記薬物含有エマルジョンが油中水型エマルジョンである、請求項1に記載の剤形。
【請求項6】
前記固体粒子が、カオリン;ベントナイト;ヘクトライト;コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム;二酸化ケイ素;三ケイ酸マグネシウム;水酸化アルミニウム;水酸化マグネシウム;酸化マグネシウム;およびタルク;からなる群から選択される、請求項1に記載の剤形。
【請求項7】
前記弱イオン性薬物が、メロキシカム;アトロピン;クロラムフェニコール;クロロチアジド;クロルプロマジン;シメチジン;ジアゼパム;ジルチアゼム;ジフェンヒドラミン;ジソピラミド;フルフェナム酸;フロセミド;ハロペリドール;イミプラミン;リドカイン;フェノバルビタール;フェニトイン;プロカインアミド;プロパフェノン;プロプラノロール;テトラカイン;トリメトプリム;およびベラパミル;からなる群から選択される、請求項1に記載の剤形。
【請求項8】
前記弱イオン性薬物がメロキシカムである、請求項7に記載の剤形。
【請求項9】
前記pH調整剤が、炭酸ナトリウム;炭酸カリウム;炭酸マグネシウム;重炭酸ナトリウム;重炭酸カリウム;リン酸水素二ナトリウム;リン酸二水素ナトリウム;リン酸水素二カリウム;リン酸二水素カリウム;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;クエン酸;酒石酸;アマリン酸;フマル酸;アジピン酸;およびコハク酸;からなる群から選択される、請求項1に記載の剤形。
【請求項10】
前記pH調整剤がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである、請求項9に記載の剤形。
【請求項11】
a.直径100nm未満の小球を有する薬物含有マイクロエマルジョンであって、前記薬物含有マイクロエマルジョンが弱イオン性薬物およびpH調整剤を含み、前記pH調整剤が、pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高め、かつ前記弱イオン性薬物がpKa約1〜約14を有する、薬物含有マイクロエマルジョン;
b.固体粒子吸着剤;
を含む剤形であって、
前記薬物含有マイクロエマルジョンが前記固体粒子吸着剤に吸着されて、易流動性圧縮性粉末が形成される、剤形。
【請求項12】
前記薬物含有マイクロエマルジョンが、マイクロエマルジョンの両相の全重量に対して、前記弱イオン性薬物約1〜約50重量%を含む、請求項11に記載の剤形。
【請求項13】
前記薬物含有マイクロエマルジョンが水中油型エマルジョンである、請求項11に記載の剤形。
【請求項14】
前記薬物含有マイクロエマルジョンが油中水型エマルジョンである、請求項11に記載の剤形。
【請求項15】
前記固体粒子が、カオリン;ベントナイト;ヘクトライト;コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム;二酸化ケイ素;三ケイ酸マグネシウム;水酸化アルミニウム;水酸化マグネシウム;酸化マグネシウム;およびタルク;からなる群から選択される、請求項11に記載の剤形。
【請求項16】
前記弱イオン性薬物が、メロキシカム;アトロピン;クロラムフェニコール;クロロチアジド;クロルプロマジン;シメチジン;ジアゼパム;ジルチアゼム;ジフェンヒドラミン;ジソピラミド;フルフェナム酸;フロセミド;ハロペリドール;イミプラミン;リドカイン;フェノバルビタール;フェニトイン;プロカインアミド;プロパフェノン;プロプラノロール;テトラカイン;トリメトプリム;およびベラパミル;からなる群から選択される、請求項11に記載の剤形。
【請求項17】
前記弱イオン性薬物がメロキシカムである、請求項16に記載の剤形。
【請求項18】
前記pH調整剤が、炭酸ナトリウム;炭酸カリウム;炭酸マグネシウム;重炭酸ナトリウム;重炭酸カリウム;リン酸水素二ナトリウム;リン酸二水素ナトリウム;リン酸水素二カリウム;リン酸二水素カリウム;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;クエン酸;酒石酸;アマリン酸;フマル酸;アジピン酸;およびコハク酸;からなる群から選択される、請求項11に記載の剤形。
【請求項19】
前記pH調整剤がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである、請求項18に記載の剤形。
【請求項20】
a.100nmを超える直径の小球を有する薬物含有エマルジョンであって、前記薬物含有エマルジョンがメロキシカムおよびpH調整剤を含み、かつ前記pH調整剤が、pH調整剤の非存在下でのメロキシカムの溶解性と比較して、水相におけるメロキシカムの溶解性を高める、薬物含有エマルジョン;
b.固体粒子吸着剤;
を含む剤形であって、
前記薬物含有エマルジョンが前記固体粒子吸着剤に吸着されて、易流動性圧縮性粉末が形成される、剤形。
【請求項21】
投与すると、エマルジョンではなく、前記pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、メロキシカムを含有する組成物と比較して、短いTmaxを達成する、請求項20に記載の剤形。
【請求項22】
前記Tmaxが、約94〜約142分の範囲である、請求項21に記載の剤形。
【請求項23】
前記Tmaxが、約116〜約120分の範囲である、請求項22に記載の剤形。
【請求項24】
エマルジョンではなく、前記pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、メロキシカムを含有する組成物と比較して、水に速く溶解する、請求項23に記載の剤形。
【請求項25】
前記剤形15mgの約75〜約100%が、水900mLに約15分以内で溶解する、請求項24に記載の剤形。
【請求項26】
前記剤形15mgの約90%が、水900mLに約15分以内で溶解する、請求項25に記載の剤形。
【請求項27】
a.直径100nm未満の小球を有する薬物含有マイクロエマルジョンであって、前記薬物含有マイクロエマルジョンがメロキシカムおよびpH調整剤を含み、かつ前記pH調整剤が、pH調整剤の非存在下でのメロキシカムの溶解性と比較して、水相におけるメロキシカムの溶解性を高める、薬物含有マイクロエマルジョン;
b.固体粒子吸着剤;
を含む剤形であって、
前記薬物含有マイクロエマルジョンが前記固体粒子吸着剤に吸着されて、易流動性圧縮性粉末が形成される、剤形。
【請求項28】
投与すると、マイクロエマルジョンではなく、前記pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、メロキシカムを含有する組成物と比較して、短いTmaxを達成する、請求項27に記載の剤形。
【請求項29】
前記Tmaxが、約94〜約142分の範囲である、請求項28に記載の剤形。
【請求項30】
前記Tmaxが、約116〜約120分の範囲である、請求項29に記載の剤形。
【請求項31】
マイクロエマルジョンではなく、前記pH調整剤を含有せず、かつ同一経路で投与される、メロキシカムを含有する組成物と比較して、水に速く溶解する、請求項27に記載の剤形。
【請求項32】
前記剤形15mgの約75〜約100%が、水900mLに約15分以内で溶解する、請求項31に記載の剤形。
【請求項33】
前記剤形15mgの約90%が、水900mLに約15分以内で溶解する、請求項32に記載の剤形。
【請求項34】
1種または複数種のオイルと、弱イオン性薬物と、pH調整剤とを含む自己乳化性オイル組成物であって、前記自己乳化性オイル組成物が、水相にさらした場合に100nmを超える直径の小球を有する薬物含有エマルジョンを形成し、前記pH調整剤が、pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高め、かつ前記弱イオン性薬物がpKa約1〜約14を有する、自己乳化性オイル組成物。
【請求項35】
1種または複数種のオイルと、弱イオン性薬物と、pH調整剤とを含む自己ミクロ乳化性オイル組成物であって、前記自己ミクロ乳化性オイル組成物が、水相にさらした場合に直径100nm未満の小球を有する薬物含有マイクロエマルジョンを形成し、前記pH調整剤が、pH調整剤の非存在下での弱イオン性薬物の溶解性と比較して、水相における弱イオン性薬物の溶解性を高め、かつ前記弱イオン性薬物がpKa約1〜約14を有する、自己ミクロ乳化性オイル組成物。
【請求項36】
(a)弱イオン性薬物およびpH調整剤を含む薬物含有エマルジョンを調製する工程であって、前記弱イオン性薬物が範囲約1〜約14のpKaを有する工程;
(b)前記薬物含有エマルジョンを固体粒子吸着剤と混合することによって、前記薬物含有エマルジョンを易流動性圧縮性粉末へと変換する工程;
を含む、薬物含有エマルジョンの剤形を製造する方法。
【請求項37】
(a)弱イオン性薬物およびpH調整剤を含む薬物含有マイクロエマルジョンを調製する工程であって、前記弱イオン性薬物が範囲約1〜約14のpKaを有する工程;
(b)前記薬物含有マイクロエマルジョンを固体粒子吸着剤と混合することによって、前記薬物含有マイクロエマルジョンを易流動性圧縮性粉末へと変換する工程;
を含む、薬物含有マイクロエマルジョンの剤形を製造する方法。
【請求項38】
(a)1種または複数種のオイルと、弱イオン性薬物と、pH調整剤とを含む薬物含有自己乳化性オイル組成物を調製する工程であって、前記弱イオン性薬物が範囲約1〜約14のpKaを有する工程;
(b)この薬物含有自己乳化性薬物送達システムを固体粒子吸着剤と混合することによって、前記薬物含有自己乳化性オイル組成物を易流動性圧縮性粉末へと変換する工程;
を含む、薬物含有自己乳化性オイル組成物の剤形を製造する方法。
【請求項39】
(a)1種または複数種のオイルと、弱イオン性薬物と、pH調整剤とを含む薬物含有自己ミクロ乳化性オイル組成物を調製する工程であって、前記弱イオン性薬物が範囲約1〜約14のpKaを有する工程;
(b)前記薬物含有自己ミクロ乳化性オイル組成物を固体粒子吸着剤と混合することによって、前記薬物含有自己ミクロ乳化性オイル組成物を易流動性圧縮性粉末へと変換する工程;
を含む、薬物含有自己ミクロ乳化性オイル組成物の粉末形態を製造する方法。
【請求項40】
(a)弱イオン性薬物およびpH調整剤を含む薬物含有エマルジョンを調製する工程であって、前記弱イオン性薬物が範囲約1〜約14のpKaを有する工程;
(b)前記薬物含有エマルジョンを固体粒子吸着剤と混合することによって、前記薬物含有エマルジョンを易流動性圧縮性粉末へと変換する工程;
(c)前記易流動性圧縮性粉末を哺乳動物に経口投与する工程;
を含む、哺乳動物に薬物を投与する方法。
【請求項41】
請求項20および27のいずれか一項に記載の剤形を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における痛みを治療する方法。
【請求項42】
請求項20および27のいずれか一項に記載の剤形を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における関節炎を治療する方法。
【請求項43】
請求項20および27のいずれか一項に記載の剤形を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における強直性脊椎炎を治療する方法。
【請求項44】
請求項20および27のいずれか一項に記載の剤形を哺乳動物に投与することを含む、発熱を治療する方法。
【請求項45】
請求項20および27のいずれか一項に記載の剤形を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における喘息を治療する方法。
【請求項46】
請求項20および27のいずれか一項に記載の剤形を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における心血管疾患を治療する方法。
【請求項47】
請求項20および27のいずれか一項に記載の剤形を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるアテローム性動脈硬化症を治療する方法。
【請求項48】
請求項20および27のいずれか一項に記載の剤形を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における低血圧を治療する方法。
【請求項49】
共溶媒約20〜約40重量%;
pH調整剤約4〜約9重量%;
精製水約9〜約18重量%;
界面活性剤約28〜約56重量%;および
弱イオン性薬物約5〜約10重量%;
を含む組成物。
【請求項50】
共溶媒約10〜約20重量%;
pH調整剤約2〜約5重量%;
精製水約4〜約9重量%;
界面活性剤約14〜約28重量%;
弱イオン性薬物約2〜約6重量%;および
固体粒子吸着剤約35〜約65重量%;
を含む組成物。
【請求項51】
共溶媒約20〜約40重量%;
pH調整剤約4〜約9重量%;
精製水約9〜約18重量%;
界面活性剤約28〜約56重量%;および
メロキシカム約5〜約10重量%;
を含む組成物。
【請求項52】
共溶媒約30重量%;
pH調整剤約6.67重量%;
精製水約13.33重量%;
界面活性剤約42重量%;
メロキシカム約8重量;
を含む、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
Captex355(登録商標)約3重量%;
Capmul MCM(登録商標)約5重量%;
PVP K12約2重量%;
プロピレングリコール約20重量%;
水性トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン約6.67重量%;
精製水約13.33重量%;
Tween80(登録商標)約42重量%;および
メロキシカム約8重量%;
を含む、請求項52に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−502065(P2012−502065A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526303(P2011−526303)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/056362
【国際公開番号】WO2010/030667
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(511059542)シマ ラブス インク. (3)
【Fターム(参考)】