説明

弾性表面波センサ素子及び弾性表面波センサ

【課題】部品点数を少なくして製造コストを低減でき、低消費電力でジッタの影響を受け難い高性能のSAWセンサを提供する。
【解決手段】SAWセンサ11はSAWセンサ素子12とそれからの信号を処理するための集積回路13とを有する。SAWセンサ素子12は、片持ちに支持される圧電基板14が固定端側の厚板部16aと自由端側の厚板部16bとそれらの間の薄板部16cとを有する。薄板部には検出用SAW共振子17が、固定端側の厚板部には基準用SAW共振子18が、自由端側の厚板部16bには第1及び第2クロック用SAW共振子19,20が形成される。集積回路は、検出用及び基準用SAW共振子にそれぞれ接続した検出用及び検出用発振回路21,22と、第1及び第2クロック用SAW共振子19,20にそれぞれ接続した第1及び第2クロック用発振回路23,24と、それらに接続した周波数混合器29,32及び周波数検波部31とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電基板上に形成したIDT(すだれ状トランスデューサ)により励振される弾性表面波(SAW)を利用して、加速度、外力、変位等を検出測定するSAWセンサ及びそれに使用するためのSAWセンサ素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、SAWを利用して加速度、外力又は変位を測定する様々なセンサが提案されている(特許文献1乃至3)。例えば、特許文献1記載の外力センサは、圧電材料からなる長板状のビームを片持ちに支持し、該ビームの表裏両面にそれぞれSAWを励振する送信電極及び受信電極と増幅器とからなる発振器を設けた構成を有する。前記ビームが外力の作用により撓むと、その表面に生じた歪みによりSAWの伝搬速度が変化して両発振器の発振周波数が変化するので、それら発振周波数の差をローパスフィルタで取り出して、外力の大きさを測定する。更に特許文献2記載の傾斜センサは、カンチレバーの両面に形成したSAW共振器の送信電極及び受信電極の電極パターンを互いに相似パターンとすることにより、両SAW共振器の温度特性の相違に起因する差周波数の温度ドリフトを抑えて計測精度の向上を図っている。
【0003】
また、特許文献3記載の外力センサは、同様に片持ちに支持したカンチレバーの表面にそれぞれ櫛形電極からなる送信部及び受信部を有するSAW共振器が配置されている。送信部及び受信部を前記カンチレバーの長さ方向に配置した実施例では、該レバーの長さ方向即ち上下の変位を検出でき、該レバーの長さ方向と垂直に即ち幅方向に配置した実施例では、ねじれ即ち幅方向の変位を検出することができる。更に、前記カンチレバーの表面に2つの平行に配置した受信部と共通の送信部とを設けた実施例では、各受信部の信号の和と差とから長さ方向の変位及びねじれ変位を同時に検出することができる。
【0004】
更に、SAWを利用して圧力を測定する圧力センサ装置が知られている(例えば、特許文献4を参照)。この圧力センサ装置は、圧電基板の厚みを薄くした肉薄部に圧力検出用SAW素子を設け、かつそれ以外の肉厚部に参照用SAW素子を設け、両SAW素子の共振周波数の差分をとり、その変化により圧力を検出する。
【0005】
これらのセンサには、取り出した発振周波数の差分を演算処理して目的の加速度等を得るために、信号処理回路が接続される。この信号処理回路を構成するMPU等のデバイスは、信号処理のタイミングをとるための基準信号としてクロック信号を必要とし、一般に厚みすべりモードのATカット水晶発振器やSAW発振器等の圧電発振器がクロック発生器として使用されている。SAW発振器は、ジッタと呼ばれるクロック信号のゆらぎを抑制でき、機械的な振動に強いことから、携帯電話等の通信機器に広く採用されている(例えば、特許文献5を参照)。SAW発振器において高い周波数安定度及び低コスト化を図るために、互いに異なる共振周波数及び温度−周波数特性を持つ一対の共振子を1つの圧電性基板上に設け、それらに接続した各発振回路からの発振周波数差を発振信号として出力する構成が提案されている(例えば、特許文献5を参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平2−228530号公報
【特許文献2】特開平5−141969号公報
【特許文献3】特開平9−133691号公報
【特許文献4】特再表WO2005/052533号公報
【特許文献5】特開2003−124804号公報
【特許文献6】特開平8−70232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図6(A)、(B)は、加速度センサとして使用される従来の一般的なSAWセンサの構成を例示している。このSAWセンサ1は、水平なベース2に支持されたSAWセンサ素子3を備える。SAWセンサ素子3は、水晶等からなる矩形平板状の圧電基板4とその上側主面に形成されたSAW共振子5とを有する。圧電基板4は、一方の長さ方向端部4a側に厚板支持部6aと、反対側の長さ方向端部4b側に厚板部6bと、それらの間の中央領域の下面に凹部を形成して設けた薄板部6cとを有する。SAWセンサ素子3は、圧電基板4の厚板支持部6aをベース2に接着剤7で固定しかつ厚板部6b及び薄板部6cをベース2にから浮かせて、概ね水平に片持ちに支持される。
【0008】
SAW共振子5は、SAW伝搬方向に沿って1対の交差指電極8a,8bからなるIDT8とその両側に各1つの反射器9,9とを有する。IDT8及び反射器9,9は、該IDTにより励振するSAWの伝搬方向を圧電基板4の長さ方向に整合させて配置されている。IDT8の交差指電極8a,8bは、それぞれバスバーから引き出した配線を介して厚板支持部6a上の電極パッド10a,10bに接続されている。
【0009】
SAWセンサ素子3は、加速度等による外力Fが厚板部6bにその主面に関して垂直下向きに作用すると、薄板部6cを下方へ撓ませながら、自由端の長さ方向端部4bが下向きに変位する。これにより薄板部6cの上側主面には、圧電基板4の長さ方向に引張応力が発生し、かつ下面には圧縮応力が発生する。逆向きに外力Fが作用して圧電基板4が上方へ撓むと、薄板部6cの上側主面には、圧電基板の長さ方向に圧縮応力が発生し、かつ下面には引張応力が発生する。この引張又は圧縮応力が薄板部6c上側主面におけるSAW伝搬速度を変化させ、これが、SAWセンサ素子3の電極パッド10a,10bから出力される発振周波数の変化として検出され、それを演算処理して外力Fの大きさ及び/又は向きを測定する。
【0010】
SAWセンサ1には、前記発振周波数の変化を処理するために信号処理回路が接続される。信号処理回路は、SAWセンサ素子3とは別個の様々な電子部品で構成される。そのため、センサ全体として部品点数が多くなり、組立工数が増え、コストの増加や製造歩留まりの低下を招くという問題が生じる。更に、部品点数が多いと、装置全体が複雑な構成になったり大型化する虞がある。
【0011】
また、SAWセンサの信号処理回路には、クロック信号を必要とするMPU等の電子部品が含まれる。従って、装置全体の消費電力を低減するためには、信号処理に要するクロック発生器も低消費電力化を図ることが望ましい。数MHz程度の低周波発振器として従来から多く使用されているATカット水晶発振器は、それ自体が比較的大きいので、装置全体が大型化するという問題を生じる。
【0012】
他方、情報通信の高速化、大容量化に伴い、ジッタの少ない高精度なクロック信号が必要になっている。しかしながら、センサの信号処理回路の部品点数が多いと、それだけ配線が長くなったり複雑に引き回されるなどして、ジッタ等の雑音を発生したり外部から雑音を受ける虞が大きくなる。
【0013】
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を少なくして製造コストを低減することができ、かつ低消費電力でジッタ等の雑音の影響を受け難い高性能のSAWセンサを実現することにある。
本発明の別の目的は、かかるSAWセンサを実現するのに適したSAWセンサ素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、上記目的を達成するために、長さ方向に沿って薄板部と厚板部とを有する圧電基板、圧電基板の薄板部上に形成されてSAWを励振するための検出用IDT、圧電基板の厚板部上に形成されてSAWを励振するための基準用IDT、圧電基板の厚板部上に形成されてSAWを励振するための第1クロック用IDT、及び圧電基板の厚板部上に形成されて、該第1クロック用IDTとは異なる周波数のSAWを励振するための第2クロック用IDTを備えるSAWセンサ素子と、該SAWセンサ素子の検出用IDTに接続した検出用発振回路と、SAWセンサ素子の基準用IDTに接続した基準用発振回路と、SAWセンサ素子の第1クロック用IDTに接続した第1クロック用発振回路と、SAWセンサ素子の第2クロック用IDTに接続した第2クロック用発振回路と、検出用発振回路及び基準用発振回路の各出力に接続したセンサ用周波数混合器と、センサ用周波数混合器に接続したセンサ用周波数検波器と、第1クロック用発振回路及び第2クロック用発振回路の各出力に接続したクロック用周波数混合器と、クロック用周波数混合器に接続した周波数検波器とを備えるSAWセンサが提供される。
【0015】
このSAWセンサは、外力等の負荷がSAWセンサ素子に作用すると、それによる薄板部表面の歪みがSAWの伝搬速度を変化させることによって、センサ用周波数混合器から取り出される検出側の発振周波数と基準側の発振周波数との差分及び和分が、無負荷状態での周波数値から変動する。これを周波数検波器でセンサ信号として取り出して処理することによって、作用した外力等が検出される。更に、第1クロック用IDTと第1クロック用発振回路とにより第1クロック発振器が構成され、かつ第2クロック用IDTと第2クロック用発振回路とにより第2クロック発振器が構成されるので、それらの発振周波数の差分を周波数とするクロック信号をSAWセンサ素子から発生させ、前記センサ信号を処理するために利用することができる。このクロック信号は、例えば前記センサ信号を出力するタイミングの基準信号として、又は前記センサ信号の出力後に必要な信号処理のために用いることができる。
【0016】
第1及び第2クロック用IDTが、検出用IDT及び基準用IDTと同じ圧電基板上に形成されるので、SAWセンサ全体として部品点数を少なくしかつ構成を簡単にすることができる。第1及び第2クロック用IDTは、その電極ピッチを僅かに変えて形成することにより、それらの共振周波数を例えば数MHz程度の周波数差に設定できる。これにより、低周波数のクロック信号発生器を形成して、SAWセンサの消費電力を低減することができる。更に、クロック信号のための配線の引き回しを短くかつ簡単にできるので、不要なジッタを発生させ得る要因を排除してクロック信号の安定性を確保し、高速かつ大容量の情報通信に適応したセンサの高性能化を実現することができる。
【0017】
第1及び第2クロック用IDTは、従来の製造工程をそのまま利用して圧電基板上に検出用IDT及び基準用IDTと同時に形成できるので、製造コストを低減することができる。また、第1及び第2クロック用IDTは圧電基板の厚板部上に形成するので、外力等によるSAWセンサ素子の撓みがクロック信号に影響を及ぼすことはない。しかも、SAWセンサ素子とクロック発生器とを別個の部品として構成する従来のSAWセンサに比して、それらの個体差による性能のばらつきや温度変化の影響が大幅に少なく、センサの信頼性が向上する。
【0018】
SAWを励振する検出用IDT、基準用IDT、第1及び第2クロック用IDTは、例えばそれぞれ交差指電極対からなる入力用及び出力用の2つのIDTからなり、そのSAW伝搬方向の両側に反射器を配置した2ポート型のSAW共振子又はSAWフィルタとして構成することができる。また、前記検出用IDT、基準用IDT、第1及び第2クロック用IDTは、1つの交差指電極対からなるIDTからなり、その両側に配置した反射器とを有する1ポート型のSAW共振子として構成することができる。更に、前記検出用IDT、基準用IDT、第1及び第2クロック用IDTは、それぞれ交差指電極対からなる入力用及び出力用の2つのIDTからなり、トランスバーサル型のSAWフィルタとして構成することができる。
【0019】
或る実施例では、前記SAWセンサ素子が更に、SAWを励振するための第1追加発振器用IDTと、該第1追加発振器用IDTとは異なる周波数のSAWを励振するための第2追加発振器用IDTとを圧電基板の厚板部上に有し、前記SAWセンサが更に、SAWセンサ素子の第1追加発振器用IDTに接続した第1追加発振器用発振回路と、SAWセンサ素子の第2追加発振器用IDTに接続した第2追加発振器用発振回路と、第1追加発振器用発振回路及び第2追加発振器用発振回路の各出力に接続した追加発振器用周波数混合器と、該追加発振器用周波数混合器に接続した周波数検波器とを備える。
【0020】
第1追加発振器用IDTと第1追加発振器用発振回路とにより第1追加発振器が構成され、かつ第2追加発振器用IDTと第2追加発振器用発振回路とにより第2追加発振器が構成され、それらの発振周波数の差分を周波数とする追加の発振信号をSAWセンサ素子から発生させることができる。この追加の発振信号は、SAWセンサの信号処理回路において、センサ信号を出力するタイミングの基準信号となるクロック信号以外の目的で使用することができる。第1及び第2追加発振器用IDTも同様に、その電極ピッチを僅かに変えて形成することにより、それらの共振周波数差を所望の値に簡単に設定できる。追加の発振信号を生成するSAW発振器が、SAWセンサ素子の圧電基板上に形成した第1及び第2の追加発振器用IDTにより構成されるので、SAWセンサ全体として部品点数を更に少なくしかつ構成を簡単にし、製造コストを更に低減することができる。
【0021】
同様に、第1及び第2追加発振器用IDTは、例えばそれぞれ交差指電極対からなる入力用及び出力用の2つのIDTからなり、そのSAW伝搬方向の両側に反射器を配置した2ポート型のSAW共振子又はSAWフィルタとして構成することができる。また、前記第1及び第2追加発振器用IDTは、1つの交差指電極対からなるIDTからなり、その両側に配置した反射器とを有する1ポート型のSAW共振子として構成することができる。更に、前記第1及び第2追加発振器用IDTは、それぞれ交差指電極対からなる入力用及び出力用の2つのIDTからなり、トランスバーサル型のSAWフィルタとして構成することができる。
【0022】
別の実施例では、前記SAWセンサの全部の発振回路が1つの集積回路に集積化されていることにより、更に信号処理回路を構成する部品点数を少なくし、配線の引き回しを簡単にし、かつ装置全体の構成を簡単かつ小型化することができる。
【0023】
更に別の実施例では、SAWセンサ素子と集積回路とを1つのパッケージに収容することにより、装置全体の構成を簡単にかつ小型化することができる。
【0024】
別の実施例では、SAWセンサ素子を圧電基板の長さ方向に沿って厚板部側を自由端とし、その反対側で片持ちに支持する。これにより、SAWセンサ素子は、外力や加速度が作用すると、その大きさ及び向きに対応して自由端の厚板部側が薄板部を撓ませて変位する。その結果、薄板部表面におけるSAWの伝搬速度が変化するので、検出側の発振周波数と基準側発振周波数との差分又は和分から加速度、外力又は変位を測定するセンサを構成することができる。
【0025】
本発明の別の側面によれば、長さ方向に沿って薄板部と厚板部とを有する圧電基板と、圧電基板の薄板部上に形成されてSAWを励振するための検出用IDTと、圧電基板の厚板部上に形成されてSAWを励振するための基準用IDTと、圧電基板の厚板部上に形成されてSAWを励振するための第1クロック用IDTと、圧電基板の厚板部上に形成されて、第1クロック用IDTとは異なる周波数のSAWを励振するための第2クロック用IDTとを備えるSAWセンサ素子が提供される。
【0026】
このSAWセンサ素子は、検出用IDT及び基準用IDTの共振周波数に基づいて発振される発振周波数の差分又は和分を取り出して、圧電基板の薄板部に撓みを生じさせる外力等を測定するためのセンサ信号を発生させると共に、第1クロック用IDTに第1クロック用発振回路を接続して第1クロック発振器を構成し、かつ第2クロック用IDTに第2クロック用発振回路を接続して第2クロック発振器を構成して、それらの発振周波数の差分を取り出すことにより、前記センサ信号を処理するために必要なクロック信号を発生させることができる。従って、これを用いてSAWセンサを構成したとき、センサ全体の部品点数を少なくしかつその構成を簡単にすることができる。
【0027】
また、第1及び第2クロック用IDTは、そのピッチを僅かに変えるだけで、それらの共振周波数差を例えば数MHz程度の低周波数に簡単に設定できるので、低消費電力のSAW発振器が得られる。更に、第1及び第2クロック用IDTが検出用IDT及び基準用IDTと同じ圧電基板に形成されているので、前記センサ信号の処理に必要なクロック信号の配線を短くしかつその引き回しを簡単にできるので、不要なジッタを発生させ得る要因を排除してクロック信号の安定性を確保できる。その結果、高速かつ大容量の情報通信に適応した高性能のSAWセンサを実現することができる。
【0028】
或る実施例では、前記SAWセンサ素子が更に、SAWを励振するための第1追加発振器用IDTと、第1追加発振器用IDTとは異なる周波数のSAWを励振するための第2追加発振器用IDTとを圧電基板の厚板部上に備える。第1及び第2追加発振器用IDTにそれぞれ第1及び第2追加発振器用発振回路を接続すると、第1及び第2追加発振器が構成され、それらの発振周波数の差分を取り出すと、前記センサ信号を出力するタイミングの基準信号となるクロック信号以外の目的で、該センサ信号を処理するために必要な追加の発振信号を発生させることができる。
【0029】
同様に、第1及び第2追加発振器用IDTも、そのピッチを僅かに変えることによりそれらの共振周波数差を所望の値に設定でき、かつ検出用IDT及び基準用IDT並びに第1及び第2クロック用IDTと同じ圧電基板上に従来の製造工程で同時に形成することができる。従って、これを用いて構成されるSAWセンサの部品点数を更に少なくし、その製造コストを更に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。各図において、同一又は類似の構成要素には、同一又は類似の参照符号を付して表示する。
【0031】
図1(A)、(B)は、本発明によるSAWセンサの第1実施例の構成を概略的に示している。本実施例のSAWセンサ11は、加速度、外力又は変位を測定するためのものであり、SAWセンサ素子12と、該SAWセンサ素子からの信号を処理するための集積回路13とを有する。SAWセンサ素子12は、所定の長さ及び幅を有する矩形の水晶からなる圧電基板14とを有する。圧電基板14は、一方の長さ方向端部14aを支持部15に剛固に固定し、かつ他方の長さ方向端部14bを自由端として、片持ちに支持する。圧電基板14は、長さ方向に沿って固定端の長さ方向端部14a寄りにエッチング等で下面に凹部を形成することにより、固定端側の厚板部16aと、自由端側の厚板部16bと、それらの間に設けた薄板部16cとを有する。圧電基板14は、例えばリチウムタンタレート、リチウムナイオベート等の水晶以外の公知の圧電材料で形成することができる。
【0032】
圧電基板14の上面には、薄板部16cの領域に検出用SAW共振子17が形成され、固定端側の厚板部16aの領域に基準用SAW共振子18が形成されている。更に圧電基板14の上面には、自由端側の厚板部16bの領域に第1クロック用SAW共振子19と第2クロック用SAW共振子20とが形成されている。前記各SAW共振子はいずれも2ポート型で、それぞれSAWの伝搬方向に沿って各1対の交差指電極からなる入力側IDT17a,18a,19a,20a及び出力側IDT17b,18b,19b,20bと、それらの両側に各1個の反射器17c,18c,19c,20cとを有し、圧電基板14の長さ方向に沿って直列に配置されている。
【0033】
図2は、図1のSAWセンサ11の構成を概略的に示している。集積回路13は、検出用SAW共振子17の前記入力側及び出力側IDT間に接続した検出用発振回路21と、基準用SAW共振子18の前記入力側及び出力側IDT間に接続した検出用発振回路22と、第1クロック用SAW共振子19の前記入力側及び出力側IDT間に接続した第1クロック用発振回路23と、第2クロック用SAW共振子20の前記入力側及び出力側IDT間に接続した第2クロック用発振回路24とを有する。前記各発振回路は、例えば前記各SAW共振子の出力側IDTに接続された増幅器と移相器とDCカット用キャパシタからなり、該移相器の出力を該SAW共振子の入力側IDTに帰還させる帰還回路で構成される。
【0034】
検出用SAW共振子17と検出用発振回路21とにより検出用発振器25が構成され、該検出用SAW共振子の共振周波数に基づいて所定の検出周波数fs を発振する。基準用SAW共振子18と基準用発振回路22とにより基準用発振器26が構成され、該基準用SAW共振子の共振周波数に基づいて所定の基準周波数fr を発振する。第1のクロック用SAW共振子19と第1クロック用発振回路23とにより第1クロック用発振器27が構成され、該第1クロック用SAW共振子の共振周波数に基づいて所定の第1クロック用周波数fc1を発振する。第2クロック用SAW共振子20と第2クロック用発振回路24とにより第2クロック用発振器28が構成され、該第2のクロック用SAW共振子の共振周波数に基づいて所定の第2クロック用周波数fc2を発振する。
【0035】
集積回路13は、検出用発振器25即ち検出用発振回路21の出力と基準用発振器26即ち基準用発振回路22の出力とに接続されたセンサ用周波数混合器29を有する。センサ用周波数混合器29は、検出用発振器25の発振周波数fs と基準用発振器26の発振周波数fr との差分(fs −fr )及び和分(fs +fr )を取り出して出力する。前記センサ用周波数混合器は、低域通過型フィルタ30を介して周波数検波部31に接続されている。低域通過型フィルタ30は、前記発振周波数の差分又は和分を選択的に取り出して、センサ信号として周波数検波部31に出力する。
【0036】
更に集積回路13は、第1クロック用発振器27即ち第1クロック用発振回路23の出力と第2クロック用発振器28即ち第2クロック用発振回路24の出力とに接続されたクロック用周波数混合器32を有する。クロック用周波数混合器32は、第1クロック用発振器27の発振周波数fc1と基準用発振器26の発振周波数fc2との差分Δfc (=fc1−fc2)及び和分(fc1+fc2)を取り出して出力する。前記クロック用周波数混合器は、低域通過型フィルタ33を介して周波数検波部31に接続されている。低域通過型フィルタ33は、前記発振周波数の差分Δfc を選択的に取り出して、クロック信号として周波数検波部31に出力する。周波数検波部31は、例えば周波数カウンタで構成され、前記センサ信号を前記クロック信号によりタイミングをとって後段の信号処理回路に出力する。
【0037】
SAWセンサ11は、次のように動作する。SAWセンサ素子12は、加速度や外力が作用すると、圧電基板14が固定端の長さ方向端部14aを支点として、薄板部16bを撓ませながら、自由端の長さ方向端部14bを該圧電基板の表面に対して垂直方向に変位させる。
【0038】
SAWセンサ素子12に加速度又は外力が全く作用せず、圧電基板14の長さ方向端部14bが変位していない無負荷状態において、検出側の発振周波数fs と基準側の発振周波数fr とを同一に、例えば900MHzに設定することができる。この場合、発振周波数fs ,fr の差分Δfは0である。別の実施例では、発振周波数fs ,fr を異なる値に設定することができる。
【0039】
クロック用の発振周波数fc1、fc2は、数MHz又はそれ以下の僅かな周波数差に設定する。例えば、発振周波数fc1を901MHz、発振周波数fc2を900MHzに設定すると、その差分である周波数1MHzのクロック信号が得られる。この周波数差は、第1及び第2クロック用IDT19a,19b,20a,20bをその電極ピッチを僅かに変えて形成することにより、容易に設定できる。これにより、低周波数のクロック信号発生器を形成して、SAWセンサの消費電力を低減することができる。
【0040】
加速度又は外力の作用により圧電基板14の長さ方向端部14bが変位すると、薄板部16cが撓み、その上面には撓みの向きによって引張歪み又は圧縮歪みが発生する。これにより前記薄板部上面におけるSAWの伝搬速度が変化し、検出側の発振周波数fs が増加又は減少する。厚板部16aは、長さ方向端部14bが変位しても撓まないので、基準側の発振周波数fr は変動しない。従って、前記SAWセンサ素子に作用した加速度又は外力の大きさを、発振周波数fs ,fr の差分又は和分として高感度に検出することができる。同様に、厚板部16bは、長さ方向端部14bが変位しても撓まないので、クロック用の発振周波数fc1、fc2は変動しない。従って、常に安定したクロック信号が発生する。
【0041】
本実施例によれば、検出用及び基準用SAW共振子17,18を形成した1つの圧電基板14上に、センサ信号を出力するタイミングの基準信号となるクロック信号を発生するための第1及び第2クロック用SAW共振子19,20を形成するので、SAWセンサ11を構成する部品点数を少なくしかつその構成を簡単にすることができる。前記各SAW共振子は、従来の製造工程をそのまま利用して前記圧電基板上に同時に形成できるので、製造コストを低く抑制することができる。しかも、SAWセンサ素子12とクロック発生器とを別個に構成する従来のSAWセンサに比して、それらの個体差による性能のばらつきや温度変化の影響が大幅に少なく、SAWセンサの信頼性が向上する。
【0042】
更に、圧電基板14上でクロック信号のための配線の引き回しを短くかつ簡単になるので、不要なジッタを発生させ得る要因を排除することができる。従って、クロック信号の安定性を確保することができ、高速かつ大容量の情報通信に適応したセンサの高性能化を実現できる。
【0043】
別の実施例では、圧電基板14の自由端側の厚板部16bに形成した前記SAW共振子は、センサ信号を出力するタイミングの基準信号となるクロック信号以外の目的で、発振出力を得るために利用することができる。この場合、周波数混合器32の出力は、後段の信号処理回路又は他の外部回路に直接出力することができる。
【0044】
図3(A)、(B)図は、本発明によるSAWセンサの第2実施例の構成を概略的に示している。本実施例のSAWセンサ41は、第1実施例と同様に、加速度、外力又は変位を測定するためのもので、SAWセンサ素子42と、該SAWセンサ素子からの信号を処理するための集積回路43とを有する。SAWセンサ素子42は、第1実施例と同じ圧電基板14を備え、該圧電基板は固定端側の厚板部16aと自由端側の厚板部16bとそれらの間の薄板部16cとを有する。圧電基板14の上面には、薄板部16cの領域に検出用SAW共振子17が形成され、固定端側の厚板部16aの領域に基準用SAW共振子18が形成されている。
【0045】
本実施例のSAWセンサ素子42は、圧電基板14上面の自由端側の厚板部16bの領域に、第1クロック用SAW共振子19と第2クロック用SAW共振子20とに加えて、第1追加発振器用SAW共振子44と第2追加発振器用SAW共振子45とが更に形成されている点において、第1実施例と異なる。前記追加発振器用SAW共振子はいずれも2ポート型で、それぞれSAWの伝搬方向に沿って各1対の交差指電極からなる入力側IDT44a,45a及び出力側IDT44b,45bと、それらの両側に各1個の反射器44c,45cとを有する。第1及び第2追加発振器用SAW共振子44,45は、厚板部16cの先端側にそれぞれ圧電基板14の長さ方向に沿って直列に、かつ互いに並列に配置されている。第1及び第2クロック用SAW共振子19,20は、厚板部16bの薄板部16c側にそれぞれ圧電基板14の長さ方向に沿って直列に、かつ互いに並列に配置されている。
【0046】
別の実施例では、前記クロック用SAW共振子及び追加発振器用SAW共振子の一部を自由端側の厚板部16bの裏面に配置することができる。これにより、厚板部16bの平面寸法を小さくして、SAWセンサ素子42を小型化することができる。
【0047】
図4は、図3のSAWセンサ41の構成を概略的に示している。本実施例の集積回路43は、検出用及び基準用発振回路21,22と第1及び第2クロック用発振回路23,24とに加えて、第1追加発振器用SAW共振子44の前記入力側及び出力側IDT間に接続した第1追加発振器用発振回路46と、第2追加発振器用SAW共振子45の前記入力側及び出力側IDT間に接続した第2追加発振器用発振回路47とを備える点において、第1実施例と異なる。前記各追加発振器用発振回路は、例えば前記各SAW共振子の出力側IDTに接続された増幅器と移相器とDCカット用キャパシタからなり、該移相器の出力を該SAW共振子の入力側IDTに帰還させる帰還回路で構成される。
【0048】
第1追加発振器用SAW共振子44と第1追加発振器用発振回路46とにより第1追加発振器48が構成され、該第1追加発振器用SAW共振子の共振周波数に基づいて所定の検出周波数fa1を発振する。第2追加発振器用SAW共振子45と第2追加発振器用発振回路47とにより第2追加発振器49が構成され、該第2追加発振器用SAW共振子の共振周波数に基づいて所定の基準周波数fa2を発振する。
【0049】
更に本実施例の集積回路43は、第1追加発振器48即ち第1追加発振器用発振回路46の出力と第2追加発振器49即ち第2追加発振器用発振回路47の出力とに接続された追加発振器用周波数混合器50を有する。前記追加発振器用周波数混合器は、低域通過型フィルタ51を介して外部への出力端子に接続されている。
【0050】
追加発振器用周波数混合器50は、第1追加発振器48の発振周波数fa1と第2追加発振器49の発振周波数fa2との差分Δfa (=fa1−fa2)及び和分(fa1+fa2)を取り出して出力する。低域通過型フィルタ51は、前記発振周波数の差分Δfa を選択的に取り出して、前記出力端子から発振信号として出力する。
【0051】
追加発振器用の発振周波数fa1、fa2は、数MHz又はそれ以下の僅かな周波数差に設定する。例えば、発振周波数fa1を908MHz、発振周波数fa2を900MHzに設定すると、その差分である周波数8MHzの発振信号が得られる。この周波数差は、同様に第1及び第2追加発振器用IDT44a,44b,45a,45bをその電極ピッチを僅かに変えて形成することにより、容易に設定できる。
【0052】
この低周波の発振信号は、センサ信号を出力するタイミングの基準信号となるクロック信号以外の目的で、例えば集積回路43より後段の信号処理回路において使用することができる。この低周波発振器も、低消費電力化に貢献する。
【0053】
図5(A)、(B)は、第2実施例の変形例の構成を概略的に示している。本実施例のSAWセンサ61は、第2実施例と同様に、加速度、外力又は変位を測定するためのもので、SAWセンサ素子62と、該SAWセンサ素子からの信号を処理するための集積回路63とを有する。SAWセンサ素子62は、圧電基板64が、固定端側の厚板部65aと自由端側の厚板部65bとそれらの間の薄板部65cとを有する点において、第2実施例の圧電基板14と共通する。しかしながら、固定端側の厚板部65aが第2実施例の厚板部16aよりも広い面積を有し、該厚板部に、基準用SAW共振子18に加えて、第1追加発振器用SAW共振子44と第2追加発振器用SAW共振子45とが配置されている点において、第2実施例と異なる。
【0054】
集積回路63は、第2実施例の集積回路43と同じ構成を有する。また、本実施例のSAWセンサ61の動作及び作用効果は、第2実施例と同じあるので、更なる説明は省略する。
【0055】
別の実施例において、前記各SAW共振子は、それぞれそれぞれSAWフィルタで構成することができる。また別の実施例では、前記各SAW共振子を、それぞれSAWの伝搬方向に沿って各1対の交差指電極からなる入力側IDTと出力側IDTとを配置したトランスバーサル型SAWフィルタで構成することができる。更に別の実施例では、前記各SAW共振子を、それぞれSAWの伝搬方向に沿って1対の交差指電極からなるIDTとその両側に配置した反射器とからなる1ポート型SAW共振子で構成することができる。
【0056】
本発明は、上記実施例に限定されるものでなく、その技術的範囲内で様々な変形又は変更を加えて実施することができる。例えば、本発明は、特許文献4に記載されるような圧力センサにも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】(A)図は本発明の第1実施例によるSAWセンサ素子の平面図及びSAWセンサ全体の構成を示す図、(B)図はSAWセンサ素子の側面図。
【図2】第1実施例のSAWセンサの構成を示すブロック図。
【図3】(A)図は本発明の第2実施例によるSAWセンサ素子の平面図及びSAWセンサ全体の構成を示す図、(B)図はSAWセンサ素子の側面図。
【図4】第2実施例のSAWセンサの構成を示すブロック図。
【図5】(A)図は本発明の第3実施例によるSAWセンサ素子の平面図及びSAWセンサ全体の構成を示す図、(B)図はSAWセンサ素子の側面図。
【図6】(A)図は従来の一般的なSAWセンサを示す概略平面図、(B)図はその側面図。
【符号の説明】
【0058】
1,11,41,61…SAWセンサ、2…ベース、3,12,42,62…SAWセンサ素子、4,14,64…圧電基板、4a,4b,14a,14b…長さ方向端部、5,17〜20,44,45…SAW共振子、6a…厚板支持部、6b,16a,16b,65a,65b…厚板部、6c,16c,65c…薄板部、7…接着剤、8,17a〜20a,17b〜20b,44a,44b,45a,45b…IDT、8a,8b…交差指電極、9,17c〜20c,44c,45c…反射器、15…支持部、21〜24,46,47…発振回路、29,32,50…周波数混合器、30,33,51…低域通過型フィルタ、31…周波数検波部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に沿って薄板部と厚板部とを有する圧電基板と、前記圧電基板の前記薄板部上に形成されて弾性表面波を励振するための検出用IDTと、前記圧電基板の前記厚板部上に形成されて弾性表面波を励振するための基準用IDTと、前記圧電基板の前記厚板部上に形成されて弾性表面波を励振するための第1クロック用IDTと、前記圧電基板の前記厚板部上に形成されて、前記第1クロック用IDTとは異なる周波数の弾性表面波を励振するための第2クロック用IDTとを備える弾性表面波センサ素子と、
前記弾性表面波センサ素子の前記検出用IDTに接続した検出用発振回路と、
前記弾性表面波センサ素子の前記基準用IDTに接続した基準用発振回路と、
前記弾性表面波センサ素子の前記第1クロック用IDTに接続した第1クロック用発振回路と、
前記弾性表面波センサ素子の前記第2クロック用IDTに接続した第2クロック用発振回路と、
前記検出用発振回路及び前記基準用発振回路の各出力に接続したセンサ用周波数混合器と、
前記センサ用周波数混合器に接続した周波数検波器と、
前記第1クロック用発振回路及び前記第2のクロック用発振回路の各出力に接続したクロック用周波数混合器と、
前記クロック用周波数混合器に接続した周波数検波器とを備えることを特徴とする弾性表面波センサ。
【請求項2】
前記弾性表面波センサ素子が、前記圧電基板の前記厚板部上に形成されて弾性表面波を励振するための第1追加発振器用IDTと、前記圧電基板の前記厚板部上に形成されて、前記第1追加発振器用IDTとは異なる周波数の弾性表面波を励振するための第2追加発振器用IDTとを更に有し、
前記弾性表面波センサ素子の前記第1追加発振器用IDTに接続した第1追加発振器用発振回路と、
前記弾性表面波センサ素子の前記第2追加発振器用IDTに接続した第2追加発振器用発振回路と、
前記第1追加発振器用発振回路及び前記第2追加発振器用発振回路の各出力に接続した追加発振器用周波数混合器と、
前記追加発振器用周波数混合器に接続した周波数検波器とを更に備えることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波センサ。
【請求項3】
全部の前記発振回路が1つの集積回路に集積化されていることを特徴とする請求項1又は2記載の弾性表面波センサ。
【請求項4】
前記弾性表面波センサ素子と前記集積回路とを1つのパッケージに収容したことを特徴とする請求項3記載の弾性表面波センサ。
【請求項5】
前記弾性表面波センサ素子を前記圧電基板の長さ方向に沿って前記厚板部側を自由端とし、その反対側で片持ちに支持したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の弾性表面波センサ。
【請求項6】
長さ方向に沿って薄板部と厚板部とを有する圧電基板と、前記圧電基板の前記薄板部上に形成されて弾性表面波を励振するための検出用IDTと、前記圧電基板の前記厚板部上に形成されて弾性表面波を励振するための基準用IDTと、前記圧電基板の前記厚板部上に形成されて弾性表面波を励振するための第1クロック用IDTと、前記圧電基板の前記厚板部上に形成されて、前記第1クロック用IDTとは異なる周波数の弾性表面波を励振するための第2クロック用IDTとを備えることを特徴とする弾性表面波センサ素子。
【請求項7】
前記圧電基板の前記厚板部上に形成されて弾性表面波を励振するための第1追加発振器用IDTと、前記圧電基板の前記厚板部上に形成されて、前記第1追加発振器用IDTとは異なる周波数の弾性表面波を励振するための第2追加発振器用IDTとを更に備えることを特徴とする請求項6記載の弾性表面波センサ素子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−243982(P2009−243982A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88870(P2008−88870)
【出願日】平成20年3月29日(2008.3.29)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】