微小電気機械システムデバイス内の構造物の電気機械的挙動の制御
【課題】微小電気機械システムデバイス内における構造物の電気機械的動作を制御すること。
【解決手段】
一実施形態においては、本発明は、微小電気機械システムデバイスを製造する方法を提供する。前記方法は、特徴的な電気機械的反応、及び特徴的な光学的反応を有する膜を具備する第1の層を製造することであって、前記特徴的な光学的反応は望ましく、前記特徴的な電気機械的反応は望ましくないことと、前記電気機械システムデバイスの起動中に蓄積される電荷を少なくとも減少させることによって前記特徴的な電気機械的反応を修正すること、とを具備する。
【解決手段】
一実施形態においては、本発明は、微小電気機械システムデバイスを製造する方法を提供する。前記方法は、特徴的な電気機械的反応、及び特徴的な光学的反応を有する膜を具備する第1の層を製造することであって、前記特徴的な光学的反応は望ましく、前記特徴的な電気機械的反応は望ましくないことと、前記電気機械システムデバイスの起動中に蓄積される電荷を少なくとも減少させることによって前記特徴的な電気機械的反応を修正すること、とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小電気機械システムデバイスに関するものである。本発明は、より具体的には、微小電気機械システムデバイスにおける薄膜構造物及び前記薄膜構造物の電気機械的及び光学的反応に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日においては、微細加工技術を用いて非常に様々な微小電気機械システム(MEMS)デバイスを製造することができる。これらのMEMSデバイスの例は、モーター、ポンプ、バルブ、スイッチ、センサー、画素、等を含む。
【0003】
これらのMEMSデバイスは、光学、電気及び機械領域等の異なる領域における原理及び現象をしばしば利用する。前記原理及び現象は、マクロの世界において利用するのは困難に思われる一方で、前記現象が拡大されるミクロのMEMSデバイスの世界においては極めて有用である。例えば、マクロの世界においては弱すぎて利用できないと一般的にみなされている静電気力は、ミクロのMEMSデバイスの世界においては、これらのデバイスをしばしば高速で及び低消費電力で起動させる上では十分に強力である。
【0004】
MEMSデバイスにおいて用いられる材料は、一般的には、光学、電気、及び機械の領域における固有の性質、及び入力、例えば駆動電圧又は作動電圧、に対する特徴的な反応に基づいて選択される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
MEMSデバイスの製造に対して影響を及ぼす1つの問題は、幾つかの事例においては、入力に対して非常に望ましい反応、例えば入射光に対する光学的反応、を有する材料は、入力に対して望ましくない反応、例えば作動電圧又は駆動電圧に対する電気機械的反応、を有する場合がある。前記望ましくない反応を克服するか少なくとも軽減するためには、しばしば多大な犠牲を払って新材料を発見又は開発しなければならない。
【0006】
MEMSデバイスを製造する上での他の問題は、特徴的な反応を考慮して選択された材料が特定の微細加工プロセス中に用いられる化学剤に起因して損傷するおそれがあることである。この問題は、入力に対する材料の特徴的反応を低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態においては、基板を有するMEMSデバイスが提供され、前記MEMSデバイスは、前記基板上に形成された電極層と、前記電極層上に形成された誘電層と、前記誘電層上に形成された第1のエッチバリア層と、前記第1のエッチバリア層上に形成された第2のエッチバリア層と、前記第2のエッチバリアの上方に配置された空洞部と、前記空洞部の上方に配置された移動層と、を含む。
【0008】
他の実施形態においては、MEMSデバイスが提供され、前記MEMSデバイスは、電気信号を伝導するための伝導手段と、前記伝導手段を支持するための支持手段と、前記伝導手段を電気的に絶縁するための絶縁手段と、前記絶縁手段を保護するための第1の保護手段と、前記第1の保護手段を保護するための第2の保護手段と、可変の大きさを有する空洞部の範囲を定める手段と、を含む。
【0009】
他の実施形態においては、MEMSデバイスを製造する方法が提供され、前記方法は、電極層を基板上に堆積することと、誘電層を前記電極層上に堆積することと、エッチストップ層を前記誘電層上に堆積することと、保護層を前記エッチストップ層上に堆積すること、とを含む。
【0010】
他の実施形態においては、MEMSデバイスを製造する方法が提供され、前記方法は、電極層を基板上に堆積することと、第1の誘電層を前記電極層上に堆積することと、第2の誘電層を前記第1の誘電層上に堆積することと、第3の誘電層を前記第2の誘電層上に堆積することと、第1の犠牲層を前記第3の誘電層上に堆積することと、前記第1の犠牲層の一部分を除去するための予備エッチを行いそれによって前記第3の誘電層の少なくとも一部分を露出させることと、前記第1の犠牲層の残りの部分及び前記第3の誘電層の露出された部分の上に第2の犠牲層を堆積すること、とを含む。
【0011】
他の実施形態においては、MEMSデバイスが提供され、前記MEMSデバイスは、基板と、基板上に配置された電極層と、前記電極層上に配置された電荷トラップ層であって、正及び負の両電荷をトラップするように構成される電荷トラップ層と、前記電荷トラップ層上に配置された第1のエッチバリア層と、を含む。
【0012】
他の実施形態においては、MEMSデバイスを製造する方法が提供され、前記方法は、電極層を基板上に堆積することと、電荷トラップ層を前記電極層上に堆積することであって、前記電荷トラップ層は正及び負の両電荷をトラップするように構成されることと、第1のエッチバリア層を前記電荷トラップ層上に堆積すること、とを含む。
【0013】
他の実施形態においては、MEMSデバイスが提供され、前記MEMSデバイスは、基板と、基板上に形成された電極層と、前記電極層上に形成された窒化珪素層と、前記窒化珪素上に形成された酸化アルミ層と、を含む。
【0014】
他の実施形態においては、MEMSデバイスが提供され、前記MEMSデバイスは、電気信号を伝導するための伝導手段と、前記伝導手段を支持するための支持手段と、正及び負の両電荷をトラップするための手段と、前記電荷をトラップするための手段を保護するための手段と、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
微小電気機械システム(MEMS)デバイス内の特定の構造又は層は、入射光の形での入力に対する光学的反応を理由に望ましいが、同時に、作動電圧又は駆動電圧の形での入力に対して望ましくない電気機械的反応を有することがある。本明細書においては、前記構造又は層の電気機械的反応を操作又は制御しそれによって望ましくない電気機械的反応を少なくとも低減させるための技術が説明される。
【0016】
制限することなしに、MEMSデバイスの一例として、図面の図1に示される干渉変調器(IMOD)デバイス10について検討する。図1において、IMODデバイス10は、本発明の諸側面を隠さないようにするために例示目的で大幅に簡略化されている。
【0017】
IMODデバイス10は、透明層12と、エアギャップ16によって透明層12から間隔をあけて配置された反射層14と、を含む。反射層14は、柱18において支持されており、透明層12の方に静電気で移動させそれによってエアギャップ16を閉じることができる。駆動機構22に接続された電極20は、反射層14の静電移動を引き起こすために用いられる。図1は、駆動されていないすなわち移動させられていない状態の反射層14を示し、図2は、駆動されたすなわち移動させられた状態の反射層14を示す。反射層14は、一般的には、透明層12と接触させられたときに入射光に対して希望される光学的反応を生み出すことを目的として選択される。一IMOD設計においては、透明層12はSiO2を具備することができる。電極20及び透明層12は、基板24上に形成される。基板24、電極20、及びその上の透明層12は、「薄膜スタック」と呼ばれる。
【0018】
典型的には、反射型ディスプレイ内において画素を形成させるために複数のIMODデバイス10が大きなアレイの形で製造される。前記反射型ディスプレイ内においては、各IMODデバイス10は、本質的に、駆動されていない状態時に特徴的な光学的反応をし、駆動状態時に特徴的な光学的反応をする画素を定義する。図10A乃至10Hに関してより詳細に説明されるように、透明層12及びエアギャップ16の大きさは、反射型ディスプレイ内のIMODが非駆動状態時に赤、青、又は緑の光を反射することができ、駆動状態時に光を吸収することができるような形で選択することが可能である。
【0019】
反射型ディスプレイの動作中に情報を伝達するためにIMODデバイス10が高速で付勢及び消勢されることが理解されるであろう。付勢時には、IMOD10デバイスの反射層14が透明層12の方に静電駆動され、IMOD10消勢時には、反射層14が非駆動状態に戻ることが許容される。反射層14を駆動状態に維持するために、バイアス電圧が各IMODデバイス10に印加される。
【0020】
図面の図2において示されるように、IMODデバイスの反射層14を静電駆動して駆動状態にするために要求される電圧であると定義される作動電圧Vactuationが、図面の図1において示されるように反射層14が移動させられない状態に戻るときの電圧であると定義される解放電圧Vreleaseと等しい場合は、反射型ディスプレイ内の各々のIMODデバイス10の反射層14を駆動状態に維持するために反射型ディスプレイ内のすべてのIMOD10に印加することができる適切なバイアス電圧Vbiasを選択することが極めて困難になる。このように困難になる理由は、反射型ディスプレイ内の各IMODデバイス10はわずかなばらつき、例えば層12、14、等の厚さのばらつきを有することがあり、その結果、各IMODデバイス10に関する解放電圧Vreleaseが異なることになるためである。さらに、線路抵抗に起因して、各IMOD10に印加された実際の電圧の変動がディスプレイ内における位置に基づいて発生する。この変動は、不可能ではないまでも、反射型ディスプレイ内の各々のIMOD10の反射層14を駆動状態に維持するVbias値を選択するのを非常に困難にする。このことは、図面の図3を参照して説明され、図3は、透明層12がSiO2を具備するIMOD10の反射層14の観測されたヒステリシス挙動を示す。
【0021】
図3において、SiO2の透明層を具備するIMOD10に関して、印加電圧(単位ボルト)をX軸とし、ボルトの単位で測定された光学的反応をY軸とする曲線30が示される。図から明らかなように、反射層14の作動は約12.5ボルトで発生し、すなわち、Vactuationは12.5ボルトに等しく、反射層14は、印加電圧が12.5ボルト未満に低下したときに非駆動状態に戻る、すなわちVreleaseは12.5ボルトに等しい。このため、透明層がSiO2のみを具備するIMODデバイス10内の反射層14は、ときどきヒステリシスを示さない可能性がある。従って、各々が透明層12と図3のヒステリシス挙動を具備するIMODデバイス10を用いて反射型ディスプレイが製造される場合は、Vbiasに関する値を選択するのは不可能になる。例えば、12.5ボルトのVbiasが選択された場合は、反射型ディスプレイのIMODデバイス10内における変動に起因して、これらのIMODデバイス10のうちの少なくとも一部に関しては、12.5ボルトのVbiasはこれらのIMODデバイス10の反射層14を駆動状態に維持することができない。
【0022】
反射型ディスプレイ内の各々IMODデバイス10の反射層14を駆動状態に維持する上で十分なVbiasを選択するためには、反射型ディスプレイ内の各々IMODデバイス10の各反射層14が、VactuationとVreleaseの間におけるゼロ以外の差であると定義されるある程度のヒステリシスを示す必要がある。
【0023】
本明細書における開示に鑑みて、各IMODデバイス10の反射層14の電気機械的反応は、反射層14の電気機械的性質及び透明層12の電気的性質によって決まることが理解されるであろう。1つの特定のIMODデバイス設計においては、透明層12は、反射層14が透明層12と接触させられたときに希望される光学的反応を提供するSiO2を具備する。しかしながら、SiO2を具備する透明層12は、反射層14のヒステリシス挙動に影響を及ぼす一定の電気的特性又は性質を有する(SiO2は負の電荷トラップする)。従って、透明層12は、反射層14のヒステリシス挙動に影響を及ぼす駆動電圧又は作動電圧に対して希望される光学的反応を有するが望ましくない電気機械的反応を有する。
【0024】
本発明の実施形態により、透明層12の電気機械的挙動は、薄膜スタック内においてSiO2に代わるさらなる1つの又は複数の層を加えることによって変更される。このさらなる層は、反射層14のヒステリシス挙動に対する透明層12の影響を少なくても最小にするか又は補償する。
【0025】
図4は、ヒステリシス曲線をシフトさせるか又は修正することによってデバイスの電気機械的反応を修正するために用いることができる典型的薄膜スタックを示す。具体的には、図4は、堆積、好ましいことにCVD、による基板32及び電極34上における複合層35の形成を示す。複合層35は下層36を具備し、下層36は、誘電材料であるモリブデン、珪素含有材料(珪素、窒化珪素、酸化珪素、等)、タングステン、チタン、又は好ましいことに酸化珪素であることができる。幾つかの実施形態においては、下層36の一部分をのちのエッチングステップにおいて除去することができる。上層、すなわち「ストップ」層38は、好ましいことにのちのエッチングステップに対する耐性が下層36よりも高い材料であり、金属(チタン、アルミニウム、銀、クロム、等)又は誘電材料、好ましいことに酸化アルミ等の酸化金属、であることができる。酸化アルミは、直接堆積させること、又はアルミ層を堆積して酸化を後続させることによって堆積することができる。上層及び下層38、36は、同じ材料であることができるが、好ましいことに異なる材料である。いずれかの特定の複合層35において、一部分36、38のうちの少なくとも1つは、移動電極14への下方電極20の短絡を回避するための電気的絶縁体である(図1及び2を参照)。ストップ層38は、下層36よりも薄く又は厚くすることができる。例えば、一実施形態においては、ストップ層38は、約50オングストローム乃至約500オングストロームの範囲の厚さを有することができ、下層36は、約500オングストローム乃至約3000オングストロームの範囲の厚さを有することがでる。ストップ層38は、エッチストップとして機能し、エッチストップ38の下方に配置された下層36の除去又はその他の損傷を防止する。ストップ層38は、除去(例えばエッチング)に対する耐性が下層36よりも高い。図5に関してより詳細に説明されている特定の実施形態においては、ストップ層38は酸化アルミであり、誘電層38は酸化珪素である。
【0026】
以下においてさらに詳細に説明されるさらなる実施形態においては、下層36を所定のエッチプロセスから保護するのに適したストップ層38自体が、前又は後続のエッチプロセスからの又は環境条件からの保護が必要になることがある。このような場合においては、有利なことに、図4において架空の形で破線で示されている第2の保護層39の堆積を用いてストップ層38を保護することができる。幾つかの実施形態においては、層36及び38を堆積することができ、ストップ層38が誘電層36を保護するエッチプロセスを用いることができる。これで、保護層39をストップ層38の上方に堆積することが可能であり、保護層39は、後続するエッチングプロセスまたは環境条件からストップ層38を保護することができる。代替実施形態においては、保護層39は、エッチング前にストップ層38上に堆積することができ、保護層39が存在しなければストップ層38に対して望ましくない影響を有することになる第1のエッチングプロセスからストップ層38を保護することができる。次に、保護層39は、後続のエッチプロセスによって除去することが可能であり、前記後続するエッチプロセス中にはストップ層38が誘電層36を保護する。典型的スタックにおいては、保護層39はSiO2を具備し、ストップ層38はAl2O3を具備し、下層36はSiO2を具備する。「エッチストップ」、「保護」、及び「エッチバリア」という表現は、本明細書においては、エッチステップ等の少なくとも1つのプロセスステップ中に下方の材料が損傷しないように遮蔽する層について説明するために代わる代わる用いられる。
【0027】
前述されるように、本発明の一実施形態においては、さらなる層は、既知の堆積技術に従って透明層12上に堆積されたAl2O3を具備する。この結果、図面の図5に示された、基板42と、電極44と、SiO2反射層46と、Al2O3層48と、を具備する薄膜スタック40が得られる。
【0028】
図面の図6は、薄膜スタック40を具備するIMODデバイス10に関するヒステリシス曲線50を示す。ヒステリシス曲線30(図3)と同じように、X軸は単位がボルトの印加電圧を示し、Y軸は単位がボルトの光学的反応を示す。ヒステリシス曲線50は、Vactuation(7.8ボルト)とVrelease(5.0ボルト)の間の差であると定義される2.8ボルトのヒステリシスウィンドウを示す。反射型ディスプレイ内の個々のIMOD10の各々がヒステリシス曲線50に従ったヒステリシスを示す各々の反射層14を有するときには、反射型ディスプレイ内の各々のIMODデバイス10の反射層14を駆動状態に維持する機能を有効に果たす5ボルト乃至7.8ボルトの値をVbiasに関して選択可能であることがわかるであろう。本発明の他の実施形態においては、薄膜スタックは、透明層12の上方さらには下方においてAl2O3層を含めるようにさらに修正することができる。この実施形態は図面の図7に示されており、図7において、薄膜スタック60は、基板62と、電極64と、第1のAl2O3層66と、SiO2透明層68と、第2のAl2O3層70と、を含むことがわかるであろう。
【0029】
図面の図8は、図面の図7に示される薄膜スタック60を有するIMODデバイス10の反射層14に関するヒステリシス曲線80を示す。図からわかるように、今回のヒステリシスウィンドウのほうが大きい。すなわち、Vactuation(9ボルト)とVrelease(4.5ボルト)の間の差が4.5ボルトである。
【0030】
しかしながら、高い電荷トラップ密度を有するその他の材料を用いることができ、これらの材料の一部は図5に関して上述されている。これらの材料は、Al2O3の非化学量論的な型であるAlOxと、窒化珪素(SiN4)と、その非化学量論的な型(SiNx)と、五酸化タンタル(Ta2O5)と、その非化学量論的な型(TaOx)と、を含む。これらの材料はすべて、SiO2よりも数桁分高い電荷トラップ密度を有しており、いずれか一方の極性の電荷をトラップする傾向がある。これらの材料は高い電荷トラップ密度を有するため、低い電荷トラップ密度を有していて負の電荷のみをトラップする親和性を有するSiO2と比較して、これらの材料内に電荷を入れること及びこれらの材料から電荷を取り出すことが相対的に容易である。
【0031】
高い電荷トラップ密度を有するその他の材料例は、希土類酸化物(酸化ハフニウム)と、重合材料と、を含む。さらに、負又は正のいずれかの電荷をトラップするようにドーピングされた半導体材料を用いて、SiO2透明層12の上方及びオプションで下方においてさらなる層を形成することが可能である。
【0032】
これまでは、MEMSデバイスの電気機械的挙動を操作する技術が説明されており、MEMSデバイス内における電荷の蓄積は、高い電荷トラップ密度を有する電荷トラップ層を用いて制御される。しかしながら、本発明は、電荷トラップ密度にかかわらずMEMSデバイスの電気機械的挙動を変更又は制御するためにあらゆる電荷トラップ層を用いることを網羅することが理解されるべきである。当然のことであるが、高、底、又は中度のいずれの電荷トラップ密度であるかにかかわらず、電荷トラップ層の選択は、MEMSデバイスに関してどのような電気機械的挙動を追求中であるかに依存する。
【0033】
幾つかの実施形態においては、薄膜又は集合体の形で金属を組み入れることは、MEMSデバイス内におけるホスト膜の電荷トラップ密度を操作するためのさらに他の機構を提供する。電荷トラップ特性を変えるために、空隙を作り出すことによって又は材料特性の変化又は周期性を作り出すことによってホスト膜を構造化することを用いることもできる。
【0034】
図4及び5に関して上述されるように、本発明の他の実施形態により、IMODデバイス10は、微細加工プロセスにおいて化学的エッチング液にされさられることに起因する損傷又は劣化から透明層12を保護するために透明層12上に堆積された化学的バリア層を含む。例えば、一実施形態においては、SiO2を具備する透明層12は、エッチング液、例えばXeF2、に対する化学的バリアとして働くAl2O3を具備する上層によって保護される。前記実施形態においては、透明SiO2層12がエッチング液から保護されているときには、SiO2内の非一様性が電気機械的挙動における付随する非一様性とともに除去され、それに起因して各IMODデバイス10内の反射層14がヒステリシスを示すことが判明している。
【0035】
既述されるように、窒化珪素(化学量論的又は非化学量論的)は、電荷トラップ層として用いることができる。図9Aは、窒化珪素を具備する誘電層146が電極144及び基板142の上方において形成される薄膜スタック140aを示す。窒化珪素層146の上には、エッチングプロセス中に窒化珪素を保護するための酸化アルミのストップ層148が形成される。窒化珪素は高い電荷トラップ密度を有しており、正及び負の両電荷をトラップすることができるため、窒化珪素層146の使用は、薄膜スタック140の電気機械的性質に対して、すなわち、ヒステリシス曲線の幅に対して、酸化珪素層の使用とは異なる影響を与えることになる。
【0036】
代替実施形態においては、図9Aの薄膜スタック140aは、エッチストップ層148の上方の保護層を含めるように修正することができる。図9Bは、この実施形態においては追加の窒化珪素層を具備する保護層すなわち第2のエッチバリア層150aを含む薄膜スタック140bを示す。保護層150aは、好ましいことに上述される第1のエッチストップ層148の堆積直後に堆積される。図9Cに示される他の実施形態においては、薄膜スタック140cは、酸化珪素を具備する保護層すなわち第2のエッチバリア層150bを含む。
【0037】
保護層150a又は150bは、好ましいことに、犠牲材料を除去して空洞部を形成するために用いられるエッチングプロセスと同じエッチングプロセスによって除去される。代替として、犠牲材料は第1のエッチによって除去することができ、保護層150a又は150bは第2のエッチによって除去することができる。保護層、例えば層150a又は150bは、前述されるように酸化珪素又は窒化珪素を具備することができるが、代替実施形態においては、モリブデン、チタン、アモルファス珪素、又はその他の適切な材料を具備することもできる。幾つかの製造プロセスにおいては、保護層150a又は150bは、図10A乃至10Hに関する以下の説明からより良く理解されるように、バルク犠牲層のパターン形成中に酸化アルミを保護する機能を果たすことができる。保護層150a、bは、好ましいことに犠牲材料と同時に除去されるため、保護層は、異なる組成を有する上方すなわちバルク犠牲材料の下方の下方すなわち薄犠牲材料であるとみなすことも可能である。
【0038】
第1のすなわちパターン形成エッチは、バルク犠牲層(Mo、等)が保護層150a、b(酸化珪素、窒化珪素、アモルファス珪素又はチタン、等)よりも有意に速い速度でエッチングされるように選択することができ、第2のすなわち解放エッチは、保護層150a、bが第1のエッチストップ層148よりも有意に速い速度でエッチングされるように選択することができる。さらに、保護層150a、bの一部分が第1のエッチストップ層148の上方に引き続き存在していてエッチング液へのエッチストップ層の露出が最小限である場合は、第1のエッチストップ層148(Al2O3、等)をさらに保護することができる。
【0039】
図9B及び9Cの保護層150a、bによって提供される追加の保護層は、有利なことに、エッチング液に対するエッチストップ層148の露出及び異なるエッチプロセスに対するエッチストップ層148の露出量の変動の両方を最小に抑えることができる。多くの製造プロセス(例えば、以下の図10A乃至10Hに関して説明される犠牲材料パターン形成プロセス)においては、保護層150a、bは、エッチストップ層148をエッチング液から遮蔽できることが理解されるであろう。これで、エッチストップ層148は、第2のエッチバリア層150a、bが部分的に又は完全に除去されているときの後続のエッチ中、例えば図10F乃至10Gに関して後述される解放エッチ中、に下方の誘電層146を保護することができる。
【0040】
図7に関して説明されるように、追加の酸化アルミ層を誘電層146の下方に提供することができる。図9Dは該実施形態を示し、薄膜スタック140は、誘電層146の上方のエッチストップ層148に加えて、誘電層146の下方の酸化アルミ層152を含む。該配列は、ヒステリシス曲線を拡大させることによって、デバイスの電気機械的特性を修正することができる。図示されていないが、図9Dの配列における第1のエッチストップ層148の上に追加の第2のエッチバリア層すなわち保護層を提供可能であることも理解されるであろう。
【0041】
図10A乃至10Cは、解放されていないインターフェロメトリックモジュレータのアレイを製造するプロセスにおける初期ステップを示した横断面図である(インターフェロメトリックモジュレータを形成するために犠牲材料を除去することによる解放が、以下において図10F乃至10Hを参照しつつ説明される)。図10A乃至10Hにおいて、3つのインターフェロメトリックモジュレータ200(赤の副画素)、210(緑の副画素)及び220(青の副画素)のアレイの形成が例示され、インターフェロメトリックモジュレータ200、210、220の各々は、最終的な構成を示す図10Hにおいて示されるように、下方電極/ミラー234と上方金属ミラー層238a、238b、238cとの間の距離が異なる。3つの(又はそれよりも多い)モジュレータ要素を用いて結果的に得られる画像内において各画素を形成することによってカラーディスプレイを形成することができる。各インターフェロメトリックモジュレータ空洞部(例えば、図10Hにおける空洞部275、280、285)の寸法は、干渉の性質及び結果的に得られる色を決定する。カラー画素を形成する1つの方法は、各々が異なる大きさ、例えばこの実施形態において示される赤、緑及び青に対応する3つの異なる大きさ、の空洞部を有するインターフェロメトリックモジュレータアレイを構築することである。これらの空洞部の干渉性質は、それぞれの寸法に直接影響される。これらの可変の空洞部寸法を作り出すためには、後述されるように、結果的に得られる画素が3原色の各々に対応する光を反射するように複数の犠牲層を製造してパターンを形成することができる。その他の色の組合せも可能であり、さらには白及び黒の画素も使用可能である。
【0042】
図10Aは、インジウムスズ酸化物電極層を透明基板231上に堆積し、次に第1のミラー層を前記インジウムスズ酸化物電極層上に堆積して下方電極層234と呼ばれる複合層を形成させることで電極/ミラー層234を作り出すことによって形成される上述の光学スタック(例えば、図9Bの光学スタック140b)と類似する光学スタック235を示す。例示されている実施形態においては、第1のミラー層は、クロムを具備する。第1のミラー層を形成するために、その他の反射性金属、例えばモリブデン及びチタン、を使用することも可能である。図10において、インジウムスズ酸化物電極層及び第1のミラー層は、単一の層234として示されているが、電極層234は、インジウムスズ酸化物電極層上に形成される第1のミラー層を具備することが理解されるであろう。前記複合構造は、本特許出願におけるその他の箇所における電極でも同様に使用することができる。透明基板231の表示面(veiwing surface)231aは、基板231において下方電極層234の反対側にある。ここで示されていないプロセスにおいて、下方電極層234は、ディスプレイの設計によって要求される電極カラム、ロー又はその他の有用な形状を形成するようにパターン形成及びエッチングされる。図10Aにおいて示されるように、光学スタック235は誘電層237も含み、誘電層237は、典型的には電極層235がパターン形成及びエッチングされた後に形成される下方電極層234上において、酸化珪素又は電荷トラップ層、例えば窒化珪素又は上記のその他の例、を具備することができる。さらに、光学スタック235は、誘電すなわち電荷トラップ層237上において第1のエッチバリア層236を含む。上記のように、第1のエッチ層236は、好ましいことに酸化アルミを具備する。保護すなわち第2のエッチストップバリア層244は、第1のエッチストップ層236上に堆積される。様々な実施形態においては、第2のエッチストップすなわちバリア層244は、酸化珪素、窒化珪素、モリブデン、チタン、又はアモルファス珪素を具備する。
【0043】
図10Aは、(例示されている実施形態において)光学スタック235上(従って、第1及び第2のエッチバリア236、244、誘電層237、及び下方電極層234の上方)にモリブデンを堆積することによって形成される第1の画素犠牲層246aを示す。その他の配列においては、犠牲材料は、例えばチタン又はアモルファス珪素であることができるが、いずれの場合においても、第2のエッチバリア層244と異なりさらに第2のエッチバリア層244に関して選択的にエッチング可能な材料が選択される。例示されている実施形態のモリブデンは、第1の画素犠牲層246aを形成するようにエッチングされ、それによって、究極的には結果的に得られる緑と青のインターフェロメトリックモジュレータ210、220内に含められることになるストップ層236の対応する一部分に存在する第2のエッチバリアの一部分244aを露出させる(図10H)。第1の犠牲層246aの厚さは(後述されるように後続して堆積される層の厚さとともに)、結果的に得られるインターフェロメトリックモジュレータ200内の対応する空洞部275の大きさに影響を与える(図10H)。第1の犠牲層246aの一部分を除去するために用いられるエッチング液は、好ましいことに、第2のエッチバリア層244をエッチングしないようにするために、又は犠牲層246aよりもはるかに低速でエッチングするようにするために選択される。従って、第2のエッチバリアの一部分244aは露出されるが、好ましいことにこれらのエッチング液による影響を可能な限りにおいて受けない。典型的なエッチング液は、燐酸/酢酸/硝酸すなわち“PAN”エッチング液であり、“PAN”エッチング液は、第2のエッチバリア244の材料(例えば、酸化珪素、窒化珪素、チタン又はアモルファス珪素)に関して選択的にMoを除去する。
【0044】
図10B乃至10Cは、第2のエッチバリア層244の露出部分244a上及び第1の画素犠牲層246a上における堆積、マスキング及びパターン形成による第2の画素犠牲層246bの形成を示す。第2の画素犠牲層246bは、好ましいことに第1の画素犠牲層246a(この実施形態においてはモリブデン)と同じ犠牲材料を具備する。従って、同じ選択的エッチ化学を採用することができる。第2の画素犠牲層246bは、最終的には結果的に得られる青のインターフェロメトリックモジュレータ220内に含められる第1のエッチバリア236の対応部分を覆う第2のエッチバリア244の一部分244bを露出させるために図10Cに示されるようにパターン形成及びエッチングされる(図10H)。
【0045】
次に、図10Dにおいて示されるように、ストップ層236の露出部分236b上及び第2の画素犠牲層246b上に第3の画素犠牲層246cが堆積される。第3の画素犠牲層246cは、その厚さが結果的に得られるインターフェロメトリックモジュレータ200、210、220内の3つのすべての空洞部275、280、285の大きさに影響を与えるため、この実施形態においてはパターン形成及びエッチングする必要がない(図10H)。3つの堆積された画素犠牲層246a、246b、246cは、必ずしも同じ厚さを有さない。
【0046】
図10Eは、アルミ含有金属層を第3の画素犠牲層上に堆積することによる第2のミラー層238の形成を示す。例示されている実施形態においては、第2のミラー層238は電極としても機能する。上記の説明は、図10に示される様々な層の製造のための幾つかの典型的な材料に言及しているが、例えば本特許出願の別の箇所において説明されるようにその他の材料も使用可能であることが理解されるであろう。
【0047】
図10Fは、製造プロセスの中間段階を示し、ミラー層238がエッチングされて上方ミラー部分238a、b、cが形成され、さらに犠牲材料から成る追加層246dがミラー部分238a、b、cの上方に堆積されている。従って、光学スタック235と上方ミラー部分238a、238b、283cとの間及びその周囲には犠牲材料ポケット238a、b、c、dが存在する。これらのポケットは、支持柱240a、b、c、dによって分離されている。図10Gは、犠牲層246a、b、c、dを除去して空洞部275、280、285を形成し、それによって、ミラー層の一部分238a、b、cの下方に存在する第2のエッチストップ層244を露出させることを示す。例示されている実施形態においては、モリブデン犠牲層246a、b、c、dを除去するためのエッチング液としてガス状又は蒸気状のXeF2が用いられる。XeF2は、F2及びHF等のフッ素含有ガス源としての働きをし、従ってF2又はHFは、好まれる犠牲材料に関するエッチング液としてXeF2の代わりに又は追加で用いることができる。
【0048】
第2のエッチストップバリア層244の露出部分244及び犠牲層246a、b、c、dは、典型的には、解放エッチによって少なくとも部分的に除去される。例えば、非常に薄いSiO2エッチストップ層、例えば244、は、モリブデン犠牲層の除去に用いられるXeF2エッチング液によって除去することができる。窒化珪素、チタン、及びアモルファス珪素の場合も同様である。典型的には、図10Hに示されるように、空洞部領域275、280、285内の第1のエッチバリア層236上から第2のエッチバリア層244がすべて除去される。図10Hにおいてわかるように、前記空洞部外で、支持柱240a、b、c、dの下方に配置された第2のエッチバリア層244は、エッチによって除去されていない。しかしながら、第2のエッチバリア244の一部は、解放エッチングプロセス(図示されていない)後に空洞部区域内にさえもとどまることができる。残存する第2のエッチバリア244は透明で非常に薄いため、デバイスの光学的性質には影響を及ぼさない。さらに、どのような残存する第2のエッチバリア244も、典型的には、犠牲材料の異なる厚さを除去中にエッチング液に時間差的に露出することに起因して均一でない厚さを有することになる。さらなる実施形態においては、第2のエッチバリア層244を除去するために第2のエッチング液が用いられる。
【0049】
図10Hと10Eの比較は、空洞部275(図10H)の大きさが3つの犠牲層246a、b、cの厚さを結合させた厚さに対応することを示す。同様に、空洞部280の大きさは、2つの犠牲層246b、cの厚さを結合させた厚さに対応し、空洞部285の大きさは、第3の犠牲層246cの厚さに対応する。従って、空洞部275、280、285の寸法は、3つの層246a、b、cの厚さを様々に結合させた厚さに応じて変化し、その結果、3つの異なる色、例えば赤、緑及び青を表示することができるインターフェロメトリックモジュレータ200、210、220のアレイが得られる。
【0050】
上述されるように、第2のエッチバリア244の一部分は、バリア244のその他の部分よりも大量のエッチング液に露出される。この露出は、上述されておりさらに図10A乃至10Eにおいて示されようにバルク犠牲層が繰り返し堆積及びエッチングされることに起因する。犠牲層246a及び246bのパターンエッチングにおいて用いられるエッチング液は、好ましいことに第2のエッチバリア層244への影響を可能な限り最小限にするような形で選択される一方で、前記エッチング液は、層244に対して幾つかの望ましくない影響を有する可能性がある。従って、図10Gにおいて示されるプロセスにおいて、エッチングプロセスを通じてのバルク犠牲材料の除去直前の段階によって、第2のバリア層244は、エッチング液への露出の変動の結果として異なる位置ごとに様々な性質又は高さを有する場合がある。しかしながら、第2のバリア層244は薄くて透明であるか又は後続する解放エッチ中に空洞部から完全に除去されるため、これらの変動は、完成されたMEMSデバイスの光学的又は電気機械的挙動に対して最小限の影響しか及ぼさない。幾つかの実施形態においては完成されたMEMSデバイスの一部を形成することが意図されている第1のバリア層236は、第2のバリア層244によって提供される保護のため、典型的には選択性が高くAlO3を攻撃しない単一のエッチングプロセス(解放エッチ)のみにさらされ、このため層236の性質の変化を最小限に抑えることができる。
【0051】
重要なことに、第1のエッチストップ層236は、解放エッチ中に下方に存在する誘電層(SiO2、等)又は電荷トラップ層(Si3N4、等)を保護する。解放エッチは、長時間の有害なエッチであり、その副生成物が拡散して空洞部275、280、285から出て行くのに長時間を要する。従って、光学スタック235内の下方の機能層は、好まれるAl2O3エッチストップ層236によって保護される。
【0052】
図11A及び11Bは、二酸化珪素誘電層が用いられさらにエッチストップ層上方に保護層が形成される薄膜スタックを示す。図11Aに関して、薄膜スタック160aは、電極層164と基板162の上方に配置された酸化珪素誘電層166を含む。誘電層166の上方には、好ましいことに酸化アルミを具備するエッチストップ層168が配置される。第1のエッチストップ層168の上方には酸化珪素の保護層すなわち第2のエッチバリア層170aが堆積される。他の実施形態においては、図11Bに示されるように、薄膜スタック160bは、窒化珪素を具備する保護層すなわち第2のエッチバリア層170bを含む。
【0053】
幾つかの実施形態においては、薄膜スタック160a、b層の1つ以上の部分を選択的に除去することができる。さらなる実施形態においては、エッチストップ層の残りの部分の上方に保護層を備えて、図11A及び11Bに関して説明されている薄膜構造と類似する薄膜構造が電極の少なくとも一部分に存在するようにすることができる。前記実施形態は、図11Cに関して説明される。
【0054】
図11Cは、図1及び2のモジュレータ10に類似する一対のインターフェロメトリックモジュレータ172を示し、薄膜スタック160cを含む。スタック160cは、パターン形成された電極層164と、エッチングされて誘電部分166a、166b、166cが形成されている誘電層と、エッチングされてエッチストップ部分168a、168b、及び168cが形成されているエッチストップ層と、を具備する。エッチストップ部分168a、b、cの形成は、フォトマスク、エッチストップ層168の選択された部分を除去するための第1のエッチ、及びエッチストップ層168の除去によって露出されている誘電層166部分を除去するための後続のエッチを用いて行うことができる。移動可能な反射層174は、干渉空洞部178を形成する柱176によって支えられる。
【0055】
例示されている実施形態においては、空洞部の一部分は誘電率材料を含むことができること、例えばオプションとして空洞部178の内壁の一部又は全体を誘電材料で塗布または被覆できることも当業者は理解するであろう。好ましいことに、この誘電材料は低誘電率材料である。例えば、エッチングして図11Cに示されるインターフェロメトリックモジュレータを形成後は、最下部電極164の露出された最上面上に誘電材料層を形成させることができる。好ましいことに、前記誘電材料層は相対的に薄く、このため駆動状態及び非駆動状態の両状態中に最上部電極174と誘電材料との間にエアギャップが残る。空洞部178のうちで誘電材料を塗布することができるその他の内壁は、最上部電極174と、薄膜スタック160cとを含む。薄膜スタック160cが最上部誘電材料層を含む場合は、(図11A及び11Bのそれぞれの)スタック160a及び160bに類似する薄膜スタックが生成される。誘電率が低い材料が用いられる実施形態においては、好まれる材料は、多孔性の誘電材料(エアロゲル、等)及び修飾酸化珪素を含む。米国特許No.6,171,945及び6,660,656は、誘電率が低い材料について及びこれらの材料を製造する方法について説明している。好まれる低誘電率材料は、約3.3以下、より好ましいことに約3.0以下の誘電率を有する。
【0056】
図9Dに関して説明されるように、追加の酸化アルミ層を誘電層の下方に備えることができる。図11Dは、図9Dにおいて示される実施形態と類似の実施形態を示し、該実施形態においては、薄膜スタック160dは、誘電層上方のエッチストップ層168に加えて、酸化珪素誘電層166の下方に酸化アルミ層172を含む。前述されるように、この追加層を含めることは、例えばヒステリシス曲線を拡大させることによってデバイスの電気機械的特性を修正することができる。
【0057】
図10に関して説明されるように、電荷トラップ層の堆積は、好ましいことに電極層のパターン形成後に行われる。説明を単純化するため、本特許出願において示されて説明されるスタックの多くは、連続的な電極層を示す。しかしながら、これらの図は単なる概略図であって一定の比率ではないこと、及び特定の薄膜スタックのうちで電極上に配置されている部分を表すにすぎないことが理解されるであろう。パターン形成された電極を含む薄膜スタックの形成は、他の層(例えば、酸化珪素層又は電荷トラップ層、例えば窒化珪素)の一部分と基板との間に電極層が存在しない区域が存在することにもなる。
【0058】
図12A及び12Bは、MEMSデバイス内の構造の電磁的挙動を制御するために電荷トラップ層が用いられる、前記MEMSデバイス内における他の用途を示す。
【0059】
図12Aに関して、参照数字90は、一般的には、静電流体フローシステムの一部分を示す。静電流体フローシステムは、一般的にはU字形のチャネル94が内部において形成される基板92を含む。チャネル94は、例えば化学的性質及び機械的性質に起因して選択される第1の材料の内部層96を含み、例えば、前記材料は、耐摩耗性が特に高い材料であることができ、及びチャネル内での流体のフローに起因する劣化をほとんど示さない材料であることができる。チャネル94は、以下においてさらに詳細に説明されるように、電荷トラップ性質を理由に選択される外層98を含む。
【0060】
静電流体フローシステム90は、チャネル94の流体内の荷電粒子を図面の図8b内の矢印104によって示される方向に移動させるように選択的に付勢される対の電極100及び102も含む。一実施形態においては、外層98は、流体内の電荷をトラップしそれによってシステム101内での流体フローをより制御できるようにする。他の実施形態においては、外層98は、ヒステリシス効果を除去又は軽減させるために電荷をトラップすることができる。
【0061】
図面の図13に関して、MEMSデバイス内の構造の電気機械的挙動を変えるために電荷トラップ層を用いる他の用途が示される。図13において、参照数字120は、一般的には、軸方向に整合されて固定子124から間隔をあけて配置された回転子122を具備するモーターを示す。図からわかるように、固定子124は基板126上において形成されて電極128を含み、電極128は、使用する際に駆動機構(図示されていない)によって付勢される。回転子122は、心軸132を有する高速の円筒部分を含む。回転子122は、耐摩耗性を含む機械的性質を考慮して選択できる材料であることができるが、例えば回転子122の回転を引き起こすために電極128が付勢されたときに入力に反応して望ましくない電気的性質を有する場合がある。これらの望ましくない電気的性質を補償するために、回転子122の電気機械的挙動を変えるための電荷トラップ層として有効に働く層134及び136が回転子122上に堆積される。
【0062】
図14A及び14Bは、表示デバイス2040の実施形態を示したシステムブロック図である。表示デバイス2040は、例えば携帯電話であることができる。しかしながら、表示デバイス2040の同じ構成要素又はそのわずかな変形は、テレビ及びポータブルメディアプレーヤー等の様々な型の表示デバイスであることが可能であることを示す。
【0063】
表示デバイス2040は、ハウジング2041と、ディスプレイ2030と、アンテナ2043と、スピーカー2045と、入力装置2048と、マイク2046と、を含む。ハウジング2041は、一般的には、当業者によってよく知られている様々な製造プロセスのうちのいずれかから成形され、射出成形及び真空成形を含む。さらに、ハウジング2041は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、又はその組合せを含むがこれらの材料に限定されない様々な材料のうちのいずれかから製造することができる。一実施形態においては、ハウジング2041は、異なる色のその他の除去可能部分、又は異なるロゴ、絵、又は記号を含むその他の除去可能部分と互換可能な除去可能部分(図示されていない)を含む。
【0064】
典型的表示デバイス2040のディスプレイ2030は、本明細書において説明される双安定表示ディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであることができる。その他の実施形態においては、ディスプレイ2030は、当業者によく知られている、前述の薄型ディスプレイ、例えば、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCD、又は非薄型ディスプレイ、例えばCRT又はその他の受像管デバイスを含む。しかしながら、本実施形態について説明する目的上、ディスプレイ2030は、本明細書において説明されるインターフェロメトリックモジュレータディスプレイを含む。
【0065】
典型的表示デバイス2040の一実施形態の構成要素は、図14Bにおいて概略的に示されている。例示されている典型的表示デバイス2040はハウジング2041を含み、さらに前記ハウジング内に少なくとも部分的に入っている追加の構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態においては、典型的表示デバイス2040は、トランシーバ2047に結合されたアンテナ2043を含むネットワークインタフェース2027を含む。トランシーバ2047は、プロセッサ2021に接続され、プロセッサ2021はコンディショニングハードウェア2052に接続される。コンディショニングハードウェア2052は、信号をコンディショニングする(例えば信号をフィルタリングする)ように構成することができる。コンディショニングハードウェア2052は、スピーカー2045及びマイク2046に接続される。プロセッサ2021は、入力装置2048及びドライバコントローラ2029にも接続される。ドライバコントローラ2029は、フレームバッファ2028及びアレイドライバ2022に結合され、アレイドライバ2022は表示アレイ2030に結合される。電源2050は、典型的な表示デバイス2040の特定の設計によって要求されるすべての構成要素に対して電力を提供する。
【0066】
ネットワークインタフェース2027はアンテナ2043及びトランシーバ2047を含み、このため、典型的表示デバイス2040は、ネットワークを通じて1つ以上のデバイスと通信することができる。一実施形態においては、ネットワークインタフェース2027は、プロセッサ2021の要求を軽減するための幾つかの処理能力を有することも可能である。アンテナ2043は、信号を送信及び受信するための、当業者に知られるいずれかのアンテナである。一実施形態においては、前記アンテナは、IEEE 802.11(a)、(b)、又は(g)を含むIEEE 802.11基準に従ってRF信号を送信及び受信する。他の実施形態においては、前記アンテナは、BLUETOOTH(登録商標)基準に従ってRF信号を送信及び受信する。携帯電話の場合は、前記アンテナは、無線携帯電話ネットワーク内において通信するために用いられるCDMA、GSM、AMPS又はその他の既知の信号を受信するように設計される。トランシーバ2047は、アンテナ2043から受け取られた信号がプロセッサ2021によって受け取られてさらに処理できるように前記信号を前処理する。トランシーバ2047は、プロセッサ2021から受け取られた信号を典型的な表示デバイス2040からアンテナ2043を介して送信できるように処理する。
【0067】
代替実施形態においては、トランシーバ2047は、受信機に代えることができる。さらに他の実施形態においては、ネットワークインタフェース2027は、プロセッサ2021に送られる画像データを格納又は生成することができる画像ソースに代えることができる。例えば、前記画像ソースは、画像データを内蔵するデジタルビデオディスク(DVD)又はハードディスクドライブ、又は画像データを生成するソフトウェアモジュールであることができる。
【0068】
プロセッサ2021は、一般的には、典型的表示デバイス2040の全体的な動作を制御する。プロセッサ2021は、データ、例えば圧縮画像データ、をネットワークインタフェース2027又は画像ソースから受け取り、前記データを処理して生画像データにするか、又は簡単に処理して生画像データにすることができるフォーマットにする。次に、プロセッサ2021は、処理されたデータをドライバコントローラ2029に送るか又はフレームバッファ2028に送って保存する。生データは、典型的には、1つの画像内の各位置における画像の特徴を識別する情報である。例えば、画像に関するこれらの特徴は、色、飽和、及びグレースケールレベルを含むことができる。
【0069】
一実施形態においては、プロセッサ2021は、典型的表示デバイス2040の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、又は論理装置を含む。コンディショニングハードウェア2052は、一般的には、スピーカー2045に信号を送信するための及びマイク2046から信号を受信するための増幅器及びフィルタを含む。コンディショニングハードウェア2052は、典型的表示デバイス2040内の個別構成要素にすること、又は、プロセッサ2021又はその他の構成要素の中に組み入れることができる。
【0070】
ドライバコントローラ2029は、プロセッサ2021によって生成された生の画像データを、プロセッサ2021から直接受け取るか又はフレームバッファ2028から受け取り、アレイドライバ2022に高速送信するのに適した再フォーマット化を前記生画像データに対して行う。具体的には、ドライバコントローラ2029は、生画像データを再フォーマット化し、ラスターに似たフォーマットを有するデータフローにする。このため、前記データフローは、表示アレイ2030全体を走査するのに適した時間的順序を有する。次に、ドライバコントローラ2029は、フォーマット化された情報をアレイドライバ2022に送る。ドライバコントローラ2029、例えばLCDコントローラ、は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ2021と関連づけられることがしばしばあるが、これらのコントローラは、数多くの方法で実装することができる。これらのコントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ2021内に埋め込むこと、ソフトウェアとしてプロセッサ2021内に埋め込むこと、又は、アレイドライバ2022とともにハードウェア内に完全に組み込むことができる。
【0071】
典型的には、アレイドライバ2022は、フォーマット化された情報をドライバコントローラ2029から受け取り、映像データを再フォーマット化して平行する一組の波形にする。これらの波形は、ディスプレイのx−y画素マトリクスから来る何百ものそして時には何千ものリード線に対して1秒間に何回も加えられる。
一実施形態においては、ドライバコントローラ2029、アレイドライバ2022、及び表示アレイ2030は、本明細書において説明されるあらゆる型のディスプレイに関して適している。例えば、一実施形態においては、ドライバコントローラ2029は、従来のディスプレイコントローラ又は双安定表示ディスプレイコントローラ(インターフェロメトリックモジュレータコントローラ、等)である。他の実施形態においては、アレイドライバ2022は、従来のドライバ又は双安定表示ディスプレイドライバ(インターフェロメトリックモジュレータディスプレイ、等)である。一実施形態においては、ドライバコントローラ2029は、アレイドライバ2022と一体化されている。該実施形態は、携帯電話、腕時計、及びその他の小型ディスプレイ等のような高度に一体化されたシステムにおいて共通する実施形態である。さらに他の実施形態においては、ディスプレイアレイ2030は、典型的なディスプレイアレイ又は双安定表示ディスプレイアレイ(インターフェロメトリックモジュレータアレイを含むディスプレイ、等)である。
【0072】
入力装置2048は、ユーザーが典型的表示デバイス2040の動作を制御するのを可能にする。一実施形態においては、入力装置2048は、キーパッド、例えばQWERTYキーボード又は電話のキーパッドと、ボタンと、スイッチと、タッチ画面と、感圧膜と、感熱膜と、を含む。一実施形態においては、マイク2046は、典型的表示デバイス2040に関する入力装置である。データをデバイスに入力するためにマイク2046を使用時には、ユーザーは、典型的表示デバイス2040の動作を制御するための音声コマンドを提供することができる。
【0073】
電源2050は、当業においてよく知られている様々なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、一実施形態においては、電源2050は、充電可能な電池、例えば、ニッカド電池又はリチウムイオン電池、である。他の実施形態においては、電源2050は、再生可能なエネルギー源、コンデンサ、又はプラスチック太陽電池と太陽電池塗料を含む太陽電池である。他の実施形態においては、電源2050は、コンセントから電力を受け取るように構成される。
【0074】
幾つかの実装においては、制御プログラマビリティは、上述されるように、電子ディスプレイシステム内の数カ所に配置することができるドライバコントローラ内に常駐する。幾つかの事例においては、制御プログラマビリティは、アレイドライバ2022内に常駐する。当業者は、上述される最適化はあらゆる数のハードウェア及び/又はソフトウエアコンポーネントにおいて及び様々なコンフィギュレーションで実装できることを認識するであろう。
【0075】
本発明は、特定の典型的な実施形態を参照して説明されているが、特許請求の範囲において設定されている本発明のより広範な精神から逸脱せずにこれらの実施形態に対して様々な変更及び修正を行うことができることが明らかであろう。従って、本明細書及び図面は、制限する意味ではなく例示する意味を有するとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】作動されていない状態にあるMEMSデバイスの概略的横断面を示した図である。
【図2】作動された状態にあるMEMSデバイスの概略的横断面を示した図である。
【図3】図1及び2のMEMSデバイスに関する作動電圧及び解放電圧を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態によるMEMSデバイスに関する薄膜スタックを示した図である。
【図5】本発明の他の実施形態によるMEMSデバイスに関する薄膜スタックを示した図である。
【図6】図面の図5に示される薄膜スタックを含むMEMSデバイスに関するヒステリシス曲線を示した図である。
【図7】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの他の実施形態を示した図である。
【図8】図面の図7の薄膜スタックを含むMEMSデバイスに関するヒステリシス曲線を示した図である。
【図9A】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの実施形態を示した図である。
【図9B】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの実施形態を示した図である。
【図9C】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの実施形態を示した図である。
【図9D】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの実施形態を示した図である。
【図10A】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10B】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10C】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10D】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10E】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10F】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10G】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10H】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図11A】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの実施形態を示した図である。
【図11B】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの実施形態を示した図である。
【図11C】本発明の実施形態による薄膜スタックを含む2つのインターフェロメトリックモジュレータの横断面を示した図である。
【図11D】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの他の実施形態を示した図である。
【図12A】本発明の一実施形態によるMEMSデバイス内の静電流体フローシステムのブロック図である。
【図12B】動作原理を示した図8aの流体フローシステムの概略的等角図である。
【図13】本発明によるMEMSデバイスの他の実施形態を概略的に示した図である。
【図14A】複数のインターフェロメトリックモジュレータを具備するビジュアル表示デバイスの実施形態を示したシステムブロック図である。
【図14B】複数のインターフェロメトリックモジュレータを具備するビジュアル表示デバイスの実施形態を示したシステムブロック図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小電気機械システムデバイスに関するものである。本発明は、より具体的には、微小電気機械システムデバイスにおける薄膜構造物及び前記薄膜構造物の電気機械的及び光学的反応に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日においては、微細加工技術を用いて非常に様々な微小電気機械システム(MEMS)デバイスを製造することができる。これらのMEMSデバイスの例は、モーター、ポンプ、バルブ、スイッチ、センサー、画素、等を含む。
【0003】
これらのMEMSデバイスは、光学、電気及び機械領域等の異なる領域における原理及び現象をしばしば利用する。前記原理及び現象は、マクロの世界において利用するのは困難に思われる一方で、前記現象が拡大されるミクロのMEMSデバイスの世界においては極めて有用である。例えば、マクロの世界においては弱すぎて利用できないと一般的にみなされている静電気力は、ミクロのMEMSデバイスの世界においては、これらのデバイスをしばしば高速で及び低消費電力で起動させる上では十分に強力である。
【0004】
MEMSデバイスにおいて用いられる材料は、一般的には、光学、電気、及び機械の領域における固有の性質、及び入力、例えば駆動電圧又は作動電圧、に対する特徴的な反応に基づいて選択される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
MEMSデバイスの製造に対して影響を及ぼす1つの問題は、幾つかの事例においては、入力に対して非常に望ましい反応、例えば入射光に対する光学的反応、を有する材料は、入力に対して望ましくない反応、例えば作動電圧又は駆動電圧に対する電気機械的反応、を有する場合がある。前記望ましくない反応を克服するか少なくとも軽減するためには、しばしば多大な犠牲を払って新材料を発見又は開発しなければならない。
【0006】
MEMSデバイスを製造する上での他の問題は、特徴的な反応を考慮して選択された材料が特定の微細加工プロセス中に用いられる化学剤に起因して損傷するおそれがあることである。この問題は、入力に対する材料の特徴的反応を低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態においては、基板を有するMEMSデバイスが提供され、前記MEMSデバイスは、前記基板上に形成された電極層と、前記電極層上に形成された誘電層と、前記誘電層上に形成された第1のエッチバリア層と、前記第1のエッチバリア層上に形成された第2のエッチバリア層と、前記第2のエッチバリアの上方に配置された空洞部と、前記空洞部の上方に配置された移動層と、を含む。
【0008】
他の実施形態においては、MEMSデバイスが提供され、前記MEMSデバイスは、電気信号を伝導するための伝導手段と、前記伝導手段を支持するための支持手段と、前記伝導手段を電気的に絶縁するための絶縁手段と、前記絶縁手段を保護するための第1の保護手段と、前記第1の保護手段を保護するための第2の保護手段と、可変の大きさを有する空洞部の範囲を定める手段と、を含む。
【0009】
他の実施形態においては、MEMSデバイスを製造する方法が提供され、前記方法は、電極層を基板上に堆積することと、誘電層を前記電極層上に堆積することと、エッチストップ層を前記誘電層上に堆積することと、保護層を前記エッチストップ層上に堆積すること、とを含む。
【0010】
他の実施形態においては、MEMSデバイスを製造する方法が提供され、前記方法は、電極層を基板上に堆積することと、第1の誘電層を前記電極層上に堆積することと、第2の誘電層を前記第1の誘電層上に堆積することと、第3の誘電層を前記第2の誘電層上に堆積することと、第1の犠牲層を前記第3の誘電層上に堆積することと、前記第1の犠牲層の一部分を除去するための予備エッチを行いそれによって前記第3の誘電層の少なくとも一部分を露出させることと、前記第1の犠牲層の残りの部分及び前記第3の誘電層の露出された部分の上に第2の犠牲層を堆積すること、とを含む。
【0011】
他の実施形態においては、MEMSデバイスが提供され、前記MEMSデバイスは、基板と、基板上に配置された電極層と、前記電極層上に配置された電荷トラップ層であって、正及び負の両電荷をトラップするように構成される電荷トラップ層と、前記電荷トラップ層上に配置された第1のエッチバリア層と、を含む。
【0012】
他の実施形態においては、MEMSデバイスを製造する方法が提供され、前記方法は、電極層を基板上に堆積することと、電荷トラップ層を前記電極層上に堆積することであって、前記電荷トラップ層は正及び負の両電荷をトラップするように構成されることと、第1のエッチバリア層を前記電荷トラップ層上に堆積すること、とを含む。
【0013】
他の実施形態においては、MEMSデバイスが提供され、前記MEMSデバイスは、基板と、基板上に形成された電極層と、前記電極層上に形成された窒化珪素層と、前記窒化珪素上に形成された酸化アルミ層と、を含む。
【0014】
他の実施形態においては、MEMSデバイスが提供され、前記MEMSデバイスは、電気信号を伝導するための伝導手段と、前記伝導手段を支持するための支持手段と、正及び負の両電荷をトラップするための手段と、前記電荷をトラップするための手段を保護するための手段と、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
微小電気機械システム(MEMS)デバイス内の特定の構造又は層は、入射光の形での入力に対する光学的反応を理由に望ましいが、同時に、作動電圧又は駆動電圧の形での入力に対して望ましくない電気機械的反応を有することがある。本明細書においては、前記構造又は層の電気機械的反応を操作又は制御しそれによって望ましくない電気機械的反応を少なくとも低減させるための技術が説明される。
【0016】
制限することなしに、MEMSデバイスの一例として、図面の図1に示される干渉変調器(IMOD)デバイス10について検討する。図1において、IMODデバイス10は、本発明の諸側面を隠さないようにするために例示目的で大幅に簡略化されている。
【0017】
IMODデバイス10は、透明層12と、エアギャップ16によって透明層12から間隔をあけて配置された反射層14と、を含む。反射層14は、柱18において支持されており、透明層12の方に静電気で移動させそれによってエアギャップ16を閉じることができる。駆動機構22に接続された電極20は、反射層14の静電移動を引き起こすために用いられる。図1は、駆動されていないすなわち移動させられていない状態の反射層14を示し、図2は、駆動されたすなわち移動させられた状態の反射層14を示す。反射層14は、一般的には、透明層12と接触させられたときに入射光に対して希望される光学的反応を生み出すことを目的として選択される。一IMOD設計においては、透明層12はSiO2を具備することができる。電極20及び透明層12は、基板24上に形成される。基板24、電極20、及びその上の透明層12は、「薄膜スタック」と呼ばれる。
【0018】
典型的には、反射型ディスプレイ内において画素を形成させるために複数のIMODデバイス10が大きなアレイの形で製造される。前記反射型ディスプレイ内においては、各IMODデバイス10は、本質的に、駆動されていない状態時に特徴的な光学的反応をし、駆動状態時に特徴的な光学的反応をする画素を定義する。図10A乃至10Hに関してより詳細に説明されるように、透明層12及びエアギャップ16の大きさは、反射型ディスプレイ内のIMODが非駆動状態時に赤、青、又は緑の光を反射することができ、駆動状態時に光を吸収することができるような形で選択することが可能である。
【0019】
反射型ディスプレイの動作中に情報を伝達するためにIMODデバイス10が高速で付勢及び消勢されることが理解されるであろう。付勢時には、IMOD10デバイスの反射層14が透明層12の方に静電駆動され、IMOD10消勢時には、反射層14が非駆動状態に戻ることが許容される。反射層14を駆動状態に維持するために、バイアス電圧が各IMODデバイス10に印加される。
【0020】
図面の図2において示されるように、IMODデバイスの反射層14を静電駆動して駆動状態にするために要求される電圧であると定義される作動電圧Vactuationが、図面の図1において示されるように反射層14が移動させられない状態に戻るときの電圧であると定義される解放電圧Vreleaseと等しい場合は、反射型ディスプレイ内の各々のIMODデバイス10の反射層14を駆動状態に維持するために反射型ディスプレイ内のすべてのIMOD10に印加することができる適切なバイアス電圧Vbiasを選択することが極めて困難になる。このように困難になる理由は、反射型ディスプレイ内の各IMODデバイス10はわずかなばらつき、例えば層12、14、等の厚さのばらつきを有することがあり、その結果、各IMODデバイス10に関する解放電圧Vreleaseが異なることになるためである。さらに、線路抵抗に起因して、各IMOD10に印加された実際の電圧の変動がディスプレイ内における位置に基づいて発生する。この変動は、不可能ではないまでも、反射型ディスプレイ内の各々のIMOD10の反射層14を駆動状態に維持するVbias値を選択するのを非常に困難にする。このことは、図面の図3を参照して説明され、図3は、透明層12がSiO2を具備するIMOD10の反射層14の観測されたヒステリシス挙動を示す。
【0021】
図3において、SiO2の透明層を具備するIMOD10に関して、印加電圧(単位ボルト)をX軸とし、ボルトの単位で測定された光学的反応をY軸とする曲線30が示される。図から明らかなように、反射層14の作動は約12.5ボルトで発生し、すなわち、Vactuationは12.5ボルトに等しく、反射層14は、印加電圧が12.5ボルト未満に低下したときに非駆動状態に戻る、すなわちVreleaseは12.5ボルトに等しい。このため、透明層がSiO2のみを具備するIMODデバイス10内の反射層14は、ときどきヒステリシスを示さない可能性がある。従って、各々が透明層12と図3のヒステリシス挙動を具備するIMODデバイス10を用いて反射型ディスプレイが製造される場合は、Vbiasに関する値を選択するのは不可能になる。例えば、12.5ボルトのVbiasが選択された場合は、反射型ディスプレイのIMODデバイス10内における変動に起因して、これらのIMODデバイス10のうちの少なくとも一部に関しては、12.5ボルトのVbiasはこれらのIMODデバイス10の反射層14を駆動状態に維持することができない。
【0022】
反射型ディスプレイ内の各々IMODデバイス10の反射層14を駆動状態に維持する上で十分なVbiasを選択するためには、反射型ディスプレイ内の各々IMODデバイス10の各反射層14が、VactuationとVreleaseの間におけるゼロ以外の差であると定義されるある程度のヒステリシスを示す必要がある。
【0023】
本明細書における開示に鑑みて、各IMODデバイス10の反射層14の電気機械的反応は、反射層14の電気機械的性質及び透明層12の電気的性質によって決まることが理解されるであろう。1つの特定のIMODデバイス設計においては、透明層12は、反射層14が透明層12と接触させられたときに希望される光学的反応を提供するSiO2を具備する。しかしながら、SiO2を具備する透明層12は、反射層14のヒステリシス挙動に影響を及ぼす一定の電気的特性又は性質を有する(SiO2は負の電荷トラップする)。従って、透明層12は、反射層14のヒステリシス挙動に影響を及ぼす駆動電圧又は作動電圧に対して希望される光学的反応を有するが望ましくない電気機械的反応を有する。
【0024】
本発明の実施形態により、透明層12の電気機械的挙動は、薄膜スタック内においてSiO2に代わるさらなる1つの又は複数の層を加えることによって変更される。このさらなる層は、反射層14のヒステリシス挙動に対する透明層12の影響を少なくても最小にするか又は補償する。
【0025】
図4は、ヒステリシス曲線をシフトさせるか又は修正することによってデバイスの電気機械的反応を修正するために用いることができる典型的薄膜スタックを示す。具体的には、図4は、堆積、好ましいことにCVD、による基板32及び電極34上における複合層35の形成を示す。複合層35は下層36を具備し、下層36は、誘電材料であるモリブデン、珪素含有材料(珪素、窒化珪素、酸化珪素、等)、タングステン、チタン、又は好ましいことに酸化珪素であることができる。幾つかの実施形態においては、下層36の一部分をのちのエッチングステップにおいて除去することができる。上層、すなわち「ストップ」層38は、好ましいことにのちのエッチングステップに対する耐性が下層36よりも高い材料であり、金属(チタン、アルミニウム、銀、クロム、等)又は誘電材料、好ましいことに酸化アルミ等の酸化金属、であることができる。酸化アルミは、直接堆積させること、又はアルミ層を堆積して酸化を後続させることによって堆積することができる。上層及び下層38、36は、同じ材料であることができるが、好ましいことに異なる材料である。いずれかの特定の複合層35において、一部分36、38のうちの少なくとも1つは、移動電極14への下方電極20の短絡を回避するための電気的絶縁体である(図1及び2を参照)。ストップ層38は、下層36よりも薄く又は厚くすることができる。例えば、一実施形態においては、ストップ層38は、約50オングストローム乃至約500オングストロームの範囲の厚さを有することができ、下層36は、約500オングストローム乃至約3000オングストロームの範囲の厚さを有することがでる。ストップ層38は、エッチストップとして機能し、エッチストップ38の下方に配置された下層36の除去又はその他の損傷を防止する。ストップ層38は、除去(例えばエッチング)に対する耐性が下層36よりも高い。図5に関してより詳細に説明されている特定の実施形態においては、ストップ層38は酸化アルミであり、誘電層38は酸化珪素である。
【0026】
以下においてさらに詳細に説明されるさらなる実施形態においては、下層36を所定のエッチプロセスから保護するのに適したストップ層38自体が、前又は後続のエッチプロセスからの又は環境条件からの保護が必要になることがある。このような場合においては、有利なことに、図4において架空の形で破線で示されている第2の保護層39の堆積を用いてストップ層38を保護することができる。幾つかの実施形態においては、層36及び38を堆積することができ、ストップ層38が誘電層36を保護するエッチプロセスを用いることができる。これで、保護層39をストップ層38の上方に堆積することが可能であり、保護層39は、後続するエッチングプロセスまたは環境条件からストップ層38を保護することができる。代替実施形態においては、保護層39は、エッチング前にストップ層38上に堆積することができ、保護層39が存在しなければストップ層38に対して望ましくない影響を有することになる第1のエッチングプロセスからストップ層38を保護することができる。次に、保護層39は、後続のエッチプロセスによって除去することが可能であり、前記後続するエッチプロセス中にはストップ層38が誘電層36を保護する。典型的スタックにおいては、保護層39はSiO2を具備し、ストップ層38はAl2O3を具備し、下層36はSiO2を具備する。「エッチストップ」、「保護」、及び「エッチバリア」という表現は、本明細書においては、エッチステップ等の少なくとも1つのプロセスステップ中に下方の材料が損傷しないように遮蔽する層について説明するために代わる代わる用いられる。
【0027】
前述されるように、本発明の一実施形態においては、さらなる層は、既知の堆積技術に従って透明層12上に堆積されたAl2O3を具備する。この結果、図面の図5に示された、基板42と、電極44と、SiO2反射層46と、Al2O3層48と、を具備する薄膜スタック40が得られる。
【0028】
図面の図6は、薄膜スタック40を具備するIMODデバイス10に関するヒステリシス曲線50を示す。ヒステリシス曲線30(図3)と同じように、X軸は単位がボルトの印加電圧を示し、Y軸は単位がボルトの光学的反応を示す。ヒステリシス曲線50は、Vactuation(7.8ボルト)とVrelease(5.0ボルト)の間の差であると定義される2.8ボルトのヒステリシスウィンドウを示す。反射型ディスプレイ内の個々のIMOD10の各々がヒステリシス曲線50に従ったヒステリシスを示す各々の反射層14を有するときには、反射型ディスプレイ内の各々のIMODデバイス10の反射層14を駆動状態に維持する機能を有効に果たす5ボルト乃至7.8ボルトの値をVbiasに関して選択可能であることがわかるであろう。本発明の他の実施形態においては、薄膜スタックは、透明層12の上方さらには下方においてAl2O3層を含めるようにさらに修正することができる。この実施形態は図面の図7に示されており、図7において、薄膜スタック60は、基板62と、電極64と、第1のAl2O3層66と、SiO2透明層68と、第2のAl2O3層70と、を含むことがわかるであろう。
【0029】
図面の図8は、図面の図7に示される薄膜スタック60を有するIMODデバイス10の反射層14に関するヒステリシス曲線80を示す。図からわかるように、今回のヒステリシスウィンドウのほうが大きい。すなわち、Vactuation(9ボルト)とVrelease(4.5ボルト)の間の差が4.5ボルトである。
【0030】
しかしながら、高い電荷トラップ密度を有するその他の材料を用いることができ、これらの材料の一部は図5に関して上述されている。これらの材料は、Al2O3の非化学量論的な型であるAlOxと、窒化珪素(SiN4)と、その非化学量論的な型(SiNx)と、五酸化タンタル(Ta2O5)と、その非化学量論的な型(TaOx)と、を含む。これらの材料はすべて、SiO2よりも数桁分高い電荷トラップ密度を有しており、いずれか一方の極性の電荷をトラップする傾向がある。これらの材料は高い電荷トラップ密度を有するため、低い電荷トラップ密度を有していて負の電荷のみをトラップする親和性を有するSiO2と比較して、これらの材料内に電荷を入れること及びこれらの材料から電荷を取り出すことが相対的に容易である。
【0031】
高い電荷トラップ密度を有するその他の材料例は、希土類酸化物(酸化ハフニウム)と、重合材料と、を含む。さらに、負又は正のいずれかの電荷をトラップするようにドーピングされた半導体材料を用いて、SiO2透明層12の上方及びオプションで下方においてさらなる層を形成することが可能である。
【0032】
これまでは、MEMSデバイスの電気機械的挙動を操作する技術が説明されており、MEMSデバイス内における電荷の蓄積は、高い電荷トラップ密度を有する電荷トラップ層を用いて制御される。しかしながら、本発明は、電荷トラップ密度にかかわらずMEMSデバイスの電気機械的挙動を変更又は制御するためにあらゆる電荷トラップ層を用いることを網羅することが理解されるべきである。当然のことであるが、高、底、又は中度のいずれの電荷トラップ密度であるかにかかわらず、電荷トラップ層の選択は、MEMSデバイスに関してどのような電気機械的挙動を追求中であるかに依存する。
【0033】
幾つかの実施形態においては、薄膜又は集合体の形で金属を組み入れることは、MEMSデバイス内におけるホスト膜の電荷トラップ密度を操作するためのさらに他の機構を提供する。電荷トラップ特性を変えるために、空隙を作り出すことによって又は材料特性の変化又は周期性を作り出すことによってホスト膜を構造化することを用いることもできる。
【0034】
図4及び5に関して上述されるように、本発明の他の実施形態により、IMODデバイス10は、微細加工プロセスにおいて化学的エッチング液にされさられることに起因する損傷又は劣化から透明層12を保護するために透明層12上に堆積された化学的バリア層を含む。例えば、一実施形態においては、SiO2を具備する透明層12は、エッチング液、例えばXeF2、に対する化学的バリアとして働くAl2O3を具備する上層によって保護される。前記実施形態においては、透明SiO2層12がエッチング液から保護されているときには、SiO2内の非一様性が電気機械的挙動における付随する非一様性とともに除去され、それに起因して各IMODデバイス10内の反射層14がヒステリシスを示すことが判明している。
【0035】
既述されるように、窒化珪素(化学量論的又は非化学量論的)は、電荷トラップ層として用いることができる。図9Aは、窒化珪素を具備する誘電層146が電極144及び基板142の上方において形成される薄膜スタック140aを示す。窒化珪素層146の上には、エッチングプロセス中に窒化珪素を保護するための酸化アルミのストップ層148が形成される。窒化珪素は高い電荷トラップ密度を有しており、正及び負の両電荷をトラップすることができるため、窒化珪素層146の使用は、薄膜スタック140の電気機械的性質に対して、すなわち、ヒステリシス曲線の幅に対して、酸化珪素層の使用とは異なる影響を与えることになる。
【0036】
代替実施形態においては、図9Aの薄膜スタック140aは、エッチストップ層148の上方の保護層を含めるように修正することができる。図9Bは、この実施形態においては追加の窒化珪素層を具備する保護層すなわち第2のエッチバリア層150aを含む薄膜スタック140bを示す。保護層150aは、好ましいことに上述される第1のエッチストップ層148の堆積直後に堆積される。図9Cに示される他の実施形態においては、薄膜スタック140cは、酸化珪素を具備する保護層すなわち第2のエッチバリア層150bを含む。
【0037】
保護層150a又は150bは、好ましいことに、犠牲材料を除去して空洞部を形成するために用いられるエッチングプロセスと同じエッチングプロセスによって除去される。代替として、犠牲材料は第1のエッチによって除去することができ、保護層150a又は150bは第2のエッチによって除去することができる。保護層、例えば層150a又は150bは、前述されるように酸化珪素又は窒化珪素を具備することができるが、代替実施形態においては、モリブデン、チタン、アモルファス珪素、又はその他の適切な材料を具備することもできる。幾つかの製造プロセスにおいては、保護層150a又は150bは、図10A乃至10Hに関する以下の説明からより良く理解されるように、バルク犠牲層のパターン形成中に酸化アルミを保護する機能を果たすことができる。保護層150a、bは、好ましいことに犠牲材料と同時に除去されるため、保護層は、異なる組成を有する上方すなわちバルク犠牲材料の下方の下方すなわち薄犠牲材料であるとみなすことも可能である。
【0038】
第1のすなわちパターン形成エッチは、バルク犠牲層(Mo、等)が保護層150a、b(酸化珪素、窒化珪素、アモルファス珪素又はチタン、等)よりも有意に速い速度でエッチングされるように選択することができ、第2のすなわち解放エッチは、保護層150a、bが第1のエッチストップ層148よりも有意に速い速度でエッチングされるように選択することができる。さらに、保護層150a、bの一部分が第1のエッチストップ層148の上方に引き続き存在していてエッチング液へのエッチストップ層の露出が最小限である場合は、第1のエッチストップ層148(Al2O3、等)をさらに保護することができる。
【0039】
図9B及び9Cの保護層150a、bによって提供される追加の保護層は、有利なことに、エッチング液に対するエッチストップ層148の露出及び異なるエッチプロセスに対するエッチストップ層148の露出量の変動の両方を最小に抑えることができる。多くの製造プロセス(例えば、以下の図10A乃至10Hに関して説明される犠牲材料パターン形成プロセス)においては、保護層150a、bは、エッチストップ層148をエッチング液から遮蔽できることが理解されるであろう。これで、エッチストップ層148は、第2のエッチバリア層150a、bが部分的に又は完全に除去されているときの後続のエッチ中、例えば図10F乃至10Gに関して後述される解放エッチ中、に下方の誘電層146を保護することができる。
【0040】
図7に関して説明されるように、追加の酸化アルミ層を誘電層146の下方に提供することができる。図9Dは該実施形態を示し、薄膜スタック140は、誘電層146の上方のエッチストップ層148に加えて、誘電層146の下方の酸化アルミ層152を含む。該配列は、ヒステリシス曲線を拡大させることによって、デバイスの電気機械的特性を修正することができる。図示されていないが、図9Dの配列における第1のエッチストップ層148の上に追加の第2のエッチバリア層すなわち保護層を提供可能であることも理解されるであろう。
【0041】
図10A乃至10Cは、解放されていないインターフェロメトリックモジュレータのアレイを製造するプロセスにおける初期ステップを示した横断面図である(インターフェロメトリックモジュレータを形成するために犠牲材料を除去することによる解放が、以下において図10F乃至10Hを参照しつつ説明される)。図10A乃至10Hにおいて、3つのインターフェロメトリックモジュレータ200(赤の副画素)、210(緑の副画素)及び220(青の副画素)のアレイの形成が例示され、インターフェロメトリックモジュレータ200、210、220の各々は、最終的な構成を示す図10Hにおいて示されるように、下方電極/ミラー234と上方金属ミラー層238a、238b、238cとの間の距離が異なる。3つの(又はそれよりも多い)モジュレータ要素を用いて結果的に得られる画像内において各画素を形成することによってカラーディスプレイを形成することができる。各インターフェロメトリックモジュレータ空洞部(例えば、図10Hにおける空洞部275、280、285)の寸法は、干渉の性質及び結果的に得られる色を決定する。カラー画素を形成する1つの方法は、各々が異なる大きさ、例えばこの実施形態において示される赤、緑及び青に対応する3つの異なる大きさ、の空洞部を有するインターフェロメトリックモジュレータアレイを構築することである。これらの空洞部の干渉性質は、それぞれの寸法に直接影響される。これらの可変の空洞部寸法を作り出すためには、後述されるように、結果的に得られる画素が3原色の各々に対応する光を反射するように複数の犠牲層を製造してパターンを形成することができる。その他の色の組合せも可能であり、さらには白及び黒の画素も使用可能である。
【0042】
図10Aは、インジウムスズ酸化物電極層を透明基板231上に堆積し、次に第1のミラー層を前記インジウムスズ酸化物電極層上に堆積して下方電極層234と呼ばれる複合層を形成させることで電極/ミラー層234を作り出すことによって形成される上述の光学スタック(例えば、図9Bの光学スタック140b)と類似する光学スタック235を示す。例示されている実施形態においては、第1のミラー層は、クロムを具備する。第1のミラー層を形成するために、その他の反射性金属、例えばモリブデン及びチタン、を使用することも可能である。図10において、インジウムスズ酸化物電極層及び第1のミラー層は、単一の層234として示されているが、電極層234は、インジウムスズ酸化物電極層上に形成される第1のミラー層を具備することが理解されるであろう。前記複合構造は、本特許出願におけるその他の箇所における電極でも同様に使用することができる。透明基板231の表示面(veiwing surface)231aは、基板231において下方電極層234の反対側にある。ここで示されていないプロセスにおいて、下方電極層234は、ディスプレイの設計によって要求される電極カラム、ロー又はその他の有用な形状を形成するようにパターン形成及びエッチングされる。図10Aにおいて示されるように、光学スタック235は誘電層237も含み、誘電層237は、典型的には電極層235がパターン形成及びエッチングされた後に形成される下方電極層234上において、酸化珪素又は電荷トラップ層、例えば窒化珪素又は上記のその他の例、を具備することができる。さらに、光学スタック235は、誘電すなわち電荷トラップ層237上において第1のエッチバリア層236を含む。上記のように、第1のエッチ層236は、好ましいことに酸化アルミを具備する。保護すなわち第2のエッチストップバリア層244は、第1のエッチストップ層236上に堆積される。様々な実施形態においては、第2のエッチストップすなわちバリア層244は、酸化珪素、窒化珪素、モリブデン、チタン、又はアモルファス珪素を具備する。
【0043】
図10Aは、(例示されている実施形態において)光学スタック235上(従って、第1及び第2のエッチバリア236、244、誘電層237、及び下方電極層234の上方)にモリブデンを堆積することによって形成される第1の画素犠牲層246aを示す。その他の配列においては、犠牲材料は、例えばチタン又はアモルファス珪素であることができるが、いずれの場合においても、第2のエッチバリア層244と異なりさらに第2のエッチバリア層244に関して選択的にエッチング可能な材料が選択される。例示されている実施形態のモリブデンは、第1の画素犠牲層246aを形成するようにエッチングされ、それによって、究極的には結果的に得られる緑と青のインターフェロメトリックモジュレータ210、220内に含められることになるストップ層236の対応する一部分に存在する第2のエッチバリアの一部分244aを露出させる(図10H)。第1の犠牲層246aの厚さは(後述されるように後続して堆積される層の厚さとともに)、結果的に得られるインターフェロメトリックモジュレータ200内の対応する空洞部275の大きさに影響を与える(図10H)。第1の犠牲層246aの一部分を除去するために用いられるエッチング液は、好ましいことに、第2のエッチバリア層244をエッチングしないようにするために、又は犠牲層246aよりもはるかに低速でエッチングするようにするために選択される。従って、第2のエッチバリアの一部分244aは露出されるが、好ましいことにこれらのエッチング液による影響を可能な限りにおいて受けない。典型的なエッチング液は、燐酸/酢酸/硝酸すなわち“PAN”エッチング液であり、“PAN”エッチング液は、第2のエッチバリア244の材料(例えば、酸化珪素、窒化珪素、チタン又はアモルファス珪素)に関して選択的にMoを除去する。
【0044】
図10B乃至10Cは、第2のエッチバリア層244の露出部分244a上及び第1の画素犠牲層246a上における堆積、マスキング及びパターン形成による第2の画素犠牲層246bの形成を示す。第2の画素犠牲層246bは、好ましいことに第1の画素犠牲層246a(この実施形態においてはモリブデン)と同じ犠牲材料を具備する。従って、同じ選択的エッチ化学を採用することができる。第2の画素犠牲層246bは、最終的には結果的に得られる青のインターフェロメトリックモジュレータ220内に含められる第1のエッチバリア236の対応部分を覆う第2のエッチバリア244の一部分244bを露出させるために図10Cに示されるようにパターン形成及びエッチングされる(図10H)。
【0045】
次に、図10Dにおいて示されるように、ストップ層236の露出部分236b上及び第2の画素犠牲層246b上に第3の画素犠牲層246cが堆積される。第3の画素犠牲層246cは、その厚さが結果的に得られるインターフェロメトリックモジュレータ200、210、220内の3つのすべての空洞部275、280、285の大きさに影響を与えるため、この実施形態においてはパターン形成及びエッチングする必要がない(図10H)。3つの堆積された画素犠牲層246a、246b、246cは、必ずしも同じ厚さを有さない。
【0046】
図10Eは、アルミ含有金属層を第3の画素犠牲層上に堆積することによる第2のミラー層238の形成を示す。例示されている実施形態においては、第2のミラー層238は電極としても機能する。上記の説明は、図10に示される様々な層の製造のための幾つかの典型的な材料に言及しているが、例えば本特許出願の別の箇所において説明されるようにその他の材料も使用可能であることが理解されるであろう。
【0047】
図10Fは、製造プロセスの中間段階を示し、ミラー層238がエッチングされて上方ミラー部分238a、b、cが形成され、さらに犠牲材料から成る追加層246dがミラー部分238a、b、cの上方に堆積されている。従って、光学スタック235と上方ミラー部分238a、238b、283cとの間及びその周囲には犠牲材料ポケット238a、b、c、dが存在する。これらのポケットは、支持柱240a、b、c、dによって分離されている。図10Gは、犠牲層246a、b、c、dを除去して空洞部275、280、285を形成し、それによって、ミラー層の一部分238a、b、cの下方に存在する第2のエッチストップ層244を露出させることを示す。例示されている実施形態においては、モリブデン犠牲層246a、b、c、dを除去するためのエッチング液としてガス状又は蒸気状のXeF2が用いられる。XeF2は、F2及びHF等のフッ素含有ガス源としての働きをし、従ってF2又はHFは、好まれる犠牲材料に関するエッチング液としてXeF2の代わりに又は追加で用いることができる。
【0048】
第2のエッチストップバリア層244の露出部分244及び犠牲層246a、b、c、dは、典型的には、解放エッチによって少なくとも部分的に除去される。例えば、非常に薄いSiO2エッチストップ層、例えば244、は、モリブデン犠牲層の除去に用いられるXeF2エッチング液によって除去することができる。窒化珪素、チタン、及びアモルファス珪素の場合も同様である。典型的には、図10Hに示されるように、空洞部領域275、280、285内の第1のエッチバリア層236上から第2のエッチバリア層244がすべて除去される。図10Hにおいてわかるように、前記空洞部外で、支持柱240a、b、c、dの下方に配置された第2のエッチバリア層244は、エッチによって除去されていない。しかしながら、第2のエッチバリア244の一部は、解放エッチングプロセス(図示されていない)後に空洞部区域内にさえもとどまることができる。残存する第2のエッチバリア244は透明で非常に薄いため、デバイスの光学的性質には影響を及ぼさない。さらに、どのような残存する第2のエッチバリア244も、典型的には、犠牲材料の異なる厚さを除去中にエッチング液に時間差的に露出することに起因して均一でない厚さを有することになる。さらなる実施形態においては、第2のエッチバリア層244を除去するために第2のエッチング液が用いられる。
【0049】
図10Hと10Eの比較は、空洞部275(図10H)の大きさが3つの犠牲層246a、b、cの厚さを結合させた厚さに対応することを示す。同様に、空洞部280の大きさは、2つの犠牲層246b、cの厚さを結合させた厚さに対応し、空洞部285の大きさは、第3の犠牲層246cの厚さに対応する。従って、空洞部275、280、285の寸法は、3つの層246a、b、cの厚さを様々に結合させた厚さに応じて変化し、その結果、3つの異なる色、例えば赤、緑及び青を表示することができるインターフェロメトリックモジュレータ200、210、220のアレイが得られる。
【0050】
上述されるように、第2のエッチバリア244の一部分は、バリア244のその他の部分よりも大量のエッチング液に露出される。この露出は、上述されておりさらに図10A乃至10Eにおいて示されようにバルク犠牲層が繰り返し堆積及びエッチングされることに起因する。犠牲層246a及び246bのパターンエッチングにおいて用いられるエッチング液は、好ましいことに第2のエッチバリア層244への影響を可能な限り最小限にするような形で選択される一方で、前記エッチング液は、層244に対して幾つかの望ましくない影響を有する可能性がある。従って、図10Gにおいて示されるプロセスにおいて、エッチングプロセスを通じてのバルク犠牲材料の除去直前の段階によって、第2のバリア層244は、エッチング液への露出の変動の結果として異なる位置ごとに様々な性質又は高さを有する場合がある。しかしながら、第2のバリア層244は薄くて透明であるか又は後続する解放エッチ中に空洞部から完全に除去されるため、これらの変動は、完成されたMEMSデバイスの光学的又は電気機械的挙動に対して最小限の影響しか及ぼさない。幾つかの実施形態においては完成されたMEMSデバイスの一部を形成することが意図されている第1のバリア層236は、第2のバリア層244によって提供される保護のため、典型的には選択性が高くAlO3を攻撃しない単一のエッチングプロセス(解放エッチ)のみにさらされ、このため層236の性質の変化を最小限に抑えることができる。
【0051】
重要なことに、第1のエッチストップ層236は、解放エッチ中に下方に存在する誘電層(SiO2、等)又は電荷トラップ層(Si3N4、等)を保護する。解放エッチは、長時間の有害なエッチであり、その副生成物が拡散して空洞部275、280、285から出て行くのに長時間を要する。従って、光学スタック235内の下方の機能層は、好まれるAl2O3エッチストップ層236によって保護される。
【0052】
図11A及び11Bは、二酸化珪素誘電層が用いられさらにエッチストップ層上方に保護層が形成される薄膜スタックを示す。図11Aに関して、薄膜スタック160aは、電極層164と基板162の上方に配置された酸化珪素誘電層166を含む。誘電層166の上方には、好ましいことに酸化アルミを具備するエッチストップ層168が配置される。第1のエッチストップ層168の上方には酸化珪素の保護層すなわち第2のエッチバリア層170aが堆積される。他の実施形態においては、図11Bに示されるように、薄膜スタック160bは、窒化珪素を具備する保護層すなわち第2のエッチバリア層170bを含む。
【0053】
幾つかの実施形態においては、薄膜スタック160a、b層の1つ以上の部分を選択的に除去することができる。さらなる実施形態においては、エッチストップ層の残りの部分の上方に保護層を備えて、図11A及び11Bに関して説明されている薄膜構造と類似する薄膜構造が電極の少なくとも一部分に存在するようにすることができる。前記実施形態は、図11Cに関して説明される。
【0054】
図11Cは、図1及び2のモジュレータ10に類似する一対のインターフェロメトリックモジュレータ172を示し、薄膜スタック160cを含む。スタック160cは、パターン形成された電極層164と、エッチングされて誘電部分166a、166b、166cが形成されている誘電層と、エッチングされてエッチストップ部分168a、168b、及び168cが形成されているエッチストップ層と、を具備する。エッチストップ部分168a、b、cの形成は、フォトマスク、エッチストップ層168の選択された部分を除去するための第1のエッチ、及びエッチストップ層168の除去によって露出されている誘電層166部分を除去するための後続のエッチを用いて行うことができる。移動可能な反射層174は、干渉空洞部178を形成する柱176によって支えられる。
【0055】
例示されている実施形態においては、空洞部の一部分は誘電率材料を含むことができること、例えばオプションとして空洞部178の内壁の一部又は全体を誘電材料で塗布または被覆できることも当業者は理解するであろう。好ましいことに、この誘電材料は低誘電率材料である。例えば、エッチングして図11Cに示されるインターフェロメトリックモジュレータを形成後は、最下部電極164の露出された最上面上に誘電材料層を形成させることができる。好ましいことに、前記誘電材料層は相対的に薄く、このため駆動状態及び非駆動状態の両状態中に最上部電極174と誘電材料との間にエアギャップが残る。空洞部178のうちで誘電材料を塗布することができるその他の内壁は、最上部電極174と、薄膜スタック160cとを含む。薄膜スタック160cが最上部誘電材料層を含む場合は、(図11A及び11Bのそれぞれの)スタック160a及び160bに類似する薄膜スタックが生成される。誘電率が低い材料が用いられる実施形態においては、好まれる材料は、多孔性の誘電材料(エアロゲル、等)及び修飾酸化珪素を含む。米国特許No.6,171,945及び6,660,656は、誘電率が低い材料について及びこれらの材料を製造する方法について説明している。好まれる低誘電率材料は、約3.3以下、より好ましいことに約3.0以下の誘電率を有する。
【0056】
図9Dに関して説明されるように、追加の酸化アルミ層を誘電層の下方に備えることができる。図11Dは、図9Dにおいて示される実施形態と類似の実施形態を示し、該実施形態においては、薄膜スタック160dは、誘電層上方のエッチストップ層168に加えて、酸化珪素誘電層166の下方に酸化アルミ層172を含む。前述されるように、この追加層を含めることは、例えばヒステリシス曲線を拡大させることによってデバイスの電気機械的特性を修正することができる。
【0057】
図10に関して説明されるように、電荷トラップ層の堆積は、好ましいことに電極層のパターン形成後に行われる。説明を単純化するため、本特許出願において示されて説明されるスタックの多くは、連続的な電極層を示す。しかしながら、これらの図は単なる概略図であって一定の比率ではないこと、及び特定の薄膜スタックのうちで電極上に配置されている部分を表すにすぎないことが理解されるであろう。パターン形成された電極を含む薄膜スタックの形成は、他の層(例えば、酸化珪素層又は電荷トラップ層、例えば窒化珪素)の一部分と基板との間に電極層が存在しない区域が存在することにもなる。
【0058】
図12A及び12Bは、MEMSデバイス内の構造の電磁的挙動を制御するために電荷トラップ層が用いられる、前記MEMSデバイス内における他の用途を示す。
【0059】
図12Aに関して、参照数字90は、一般的には、静電流体フローシステムの一部分を示す。静電流体フローシステムは、一般的にはU字形のチャネル94が内部において形成される基板92を含む。チャネル94は、例えば化学的性質及び機械的性質に起因して選択される第1の材料の内部層96を含み、例えば、前記材料は、耐摩耗性が特に高い材料であることができ、及びチャネル内での流体のフローに起因する劣化をほとんど示さない材料であることができる。チャネル94は、以下においてさらに詳細に説明されるように、電荷トラップ性質を理由に選択される外層98を含む。
【0060】
静電流体フローシステム90は、チャネル94の流体内の荷電粒子を図面の図8b内の矢印104によって示される方向に移動させるように選択的に付勢される対の電極100及び102も含む。一実施形態においては、外層98は、流体内の電荷をトラップしそれによってシステム101内での流体フローをより制御できるようにする。他の実施形態においては、外層98は、ヒステリシス効果を除去又は軽減させるために電荷をトラップすることができる。
【0061】
図面の図13に関して、MEMSデバイス内の構造の電気機械的挙動を変えるために電荷トラップ層を用いる他の用途が示される。図13において、参照数字120は、一般的には、軸方向に整合されて固定子124から間隔をあけて配置された回転子122を具備するモーターを示す。図からわかるように、固定子124は基板126上において形成されて電極128を含み、電極128は、使用する際に駆動機構(図示されていない)によって付勢される。回転子122は、心軸132を有する高速の円筒部分を含む。回転子122は、耐摩耗性を含む機械的性質を考慮して選択できる材料であることができるが、例えば回転子122の回転を引き起こすために電極128が付勢されたときに入力に反応して望ましくない電気的性質を有する場合がある。これらの望ましくない電気的性質を補償するために、回転子122の電気機械的挙動を変えるための電荷トラップ層として有効に働く層134及び136が回転子122上に堆積される。
【0062】
図14A及び14Bは、表示デバイス2040の実施形態を示したシステムブロック図である。表示デバイス2040は、例えば携帯電話であることができる。しかしながら、表示デバイス2040の同じ構成要素又はそのわずかな変形は、テレビ及びポータブルメディアプレーヤー等の様々な型の表示デバイスであることが可能であることを示す。
【0063】
表示デバイス2040は、ハウジング2041と、ディスプレイ2030と、アンテナ2043と、スピーカー2045と、入力装置2048と、マイク2046と、を含む。ハウジング2041は、一般的には、当業者によってよく知られている様々な製造プロセスのうちのいずれかから成形され、射出成形及び真空成形を含む。さらに、ハウジング2041は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、又はその組合せを含むがこれらの材料に限定されない様々な材料のうちのいずれかから製造することができる。一実施形態においては、ハウジング2041は、異なる色のその他の除去可能部分、又は異なるロゴ、絵、又は記号を含むその他の除去可能部分と互換可能な除去可能部分(図示されていない)を含む。
【0064】
典型的表示デバイス2040のディスプレイ2030は、本明細書において説明される双安定表示ディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであることができる。その他の実施形態においては、ディスプレイ2030は、当業者によく知られている、前述の薄型ディスプレイ、例えば、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCD、又は非薄型ディスプレイ、例えばCRT又はその他の受像管デバイスを含む。しかしながら、本実施形態について説明する目的上、ディスプレイ2030は、本明細書において説明されるインターフェロメトリックモジュレータディスプレイを含む。
【0065】
典型的表示デバイス2040の一実施形態の構成要素は、図14Bにおいて概略的に示されている。例示されている典型的表示デバイス2040はハウジング2041を含み、さらに前記ハウジング内に少なくとも部分的に入っている追加の構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態においては、典型的表示デバイス2040は、トランシーバ2047に結合されたアンテナ2043を含むネットワークインタフェース2027を含む。トランシーバ2047は、プロセッサ2021に接続され、プロセッサ2021はコンディショニングハードウェア2052に接続される。コンディショニングハードウェア2052は、信号をコンディショニングする(例えば信号をフィルタリングする)ように構成することができる。コンディショニングハードウェア2052は、スピーカー2045及びマイク2046に接続される。プロセッサ2021は、入力装置2048及びドライバコントローラ2029にも接続される。ドライバコントローラ2029は、フレームバッファ2028及びアレイドライバ2022に結合され、アレイドライバ2022は表示アレイ2030に結合される。電源2050は、典型的な表示デバイス2040の特定の設計によって要求されるすべての構成要素に対して電力を提供する。
【0066】
ネットワークインタフェース2027はアンテナ2043及びトランシーバ2047を含み、このため、典型的表示デバイス2040は、ネットワークを通じて1つ以上のデバイスと通信することができる。一実施形態においては、ネットワークインタフェース2027は、プロセッサ2021の要求を軽減するための幾つかの処理能力を有することも可能である。アンテナ2043は、信号を送信及び受信するための、当業者に知られるいずれかのアンテナである。一実施形態においては、前記アンテナは、IEEE 802.11(a)、(b)、又は(g)を含むIEEE 802.11基準に従ってRF信号を送信及び受信する。他の実施形態においては、前記アンテナは、BLUETOOTH(登録商標)基準に従ってRF信号を送信及び受信する。携帯電話の場合は、前記アンテナは、無線携帯電話ネットワーク内において通信するために用いられるCDMA、GSM、AMPS又はその他の既知の信号を受信するように設計される。トランシーバ2047は、アンテナ2043から受け取られた信号がプロセッサ2021によって受け取られてさらに処理できるように前記信号を前処理する。トランシーバ2047は、プロセッサ2021から受け取られた信号を典型的な表示デバイス2040からアンテナ2043を介して送信できるように処理する。
【0067】
代替実施形態においては、トランシーバ2047は、受信機に代えることができる。さらに他の実施形態においては、ネットワークインタフェース2027は、プロセッサ2021に送られる画像データを格納又は生成することができる画像ソースに代えることができる。例えば、前記画像ソースは、画像データを内蔵するデジタルビデオディスク(DVD)又はハードディスクドライブ、又は画像データを生成するソフトウェアモジュールであることができる。
【0068】
プロセッサ2021は、一般的には、典型的表示デバイス2040の全体的な動作を制御する。プロセッサ2021は、データ、例えば圧縮画像データ、をネットワークインタフェース2027又は画像ソースから受け取り、前記データを処理して生画像データにするか、又は簡単に処理して生画像データにすることができるフォーマットにする。次に、プロセッサ2021は、処理されたデータをドライバコントローラ2029に送るか又はフレームバッファ2028に送って保存する。生データは、典型的には、1つの画像内の各位置における画像の特徴を識別する情報である。例えば、画像に関するこれらの特徴は、色、飽和、及びグレースケールレベルを含むことができる。
【0069】
一実施形態においては、プロセッサ2021は、典型的表示デバイス2040の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、又は論理装置を含む。コンディショニングハードウェア2052は、一般的には、スピーカー2045に信号を送信するための及びマイク2046から信号を受信するための増幅器及びフィルタを含む。コンディショニングハードウェア2052は、典型的表示デバイス2040内の個別構成要素にすること、又は、プロセッサ2021又はその他の構成要素の中に組み入れることができる。
【0070】
ドライバコントローラ2029は、プロセッサ2021によって生成された生の画像データを、プロセッサ2021から直接受け取るか又はフレームバッファ2028から受け取り、アレイドライバ2022に高速送信するのに適した再フォーマット化を前記生画像データに対して行う。具体的には、ドライバコントローラ2029は、生画像データを再フォーマット化し、ラスターに似たフォーマットを有するデータフローにする。このため、前記データフローは、表示アレイ2030全体を走査するのに適した時間的順序を有する。次に、ドライバコントローラ2029は、フォーマット化された情報をアレイドライバ2022に送る。ドライバコントローラ2029、例えばLCDコントローラ、は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ2021と関連づけられることがしばしばあるが、これらのコントローラは、数多くの方法で実装することができる。これらのコントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ2021内に埋め込むこと、ソフトウェアとしてプロセッサ2021内に埋め込むこと、又は、アレイドライバ2022とともにハードウェア内に完全に組み込むことができる。
【0071】
典型的には、アレイドライバ2022は、フォーマット化された情報をドライバコントローラ2029から受け取り、映像データを再フォーマット化して平行する一組の波形にする。これらの波形は、ディスプレイのx−y画素マトリクスから来る何百ものそして時には何千ものリード線に対して1秒間に何回も加えられる。
一実施形態においては、ドライバコントローラ2029、アレイドライバ2022、及び表示アレイ2030は、本明細書において説明されるあらゆる型のディスプレイに関して適している。例えば、一実施形態においては、ドライバコントローラ2029は、従来のディスプレイコントローラ又は双安定表示ディスプレイコントローラ(インターフェロメトリックモジュレータコントローラ、等)である。他の実施形態においては、アレイドライバ2022は、従来のドライバ又は双安定表示ディスプレイドライバ(インターフェロメトリックモジュレータディスプレイ、等)である。一実施形態においては、ドライバコントローラ2029は、アレイドライバ2022と一体化されている。該実施形態は、携帯電話、腕時計、及びその他の小型ディスプレイ等のような高度に一体化されたシステムにおいて共通する実施形態である。さらに他の実施形態においては、ディスプレイアレイ2030は、典型的なディスプレイアレイ又は双安定表示ディスプレイアレイ(インターフェロメトリックモジュレータアレイを含むディスプレイ、等)である。
【0072】
入力装置2048は、ユーザーが典型的表示デバイス2040の動作を制御するのを可能にする。一実施形態においては、入力装置2048は、キーパッド、例えばQWERTYキーボード又は電話のキーパッドと、ボタンと、スイッチと、タッチ画面と、感圧膜と、感熱膜と、を含む。一実施形態においては、マイク2046は、典型的表示デバイス2040に関する入力装置である。データをデバイスに入力するためにマイク2046を使用時には、ユーザーは、典型的表示デバイス2040の動作を制御するための音声コマンドを提供することができる。
【0073】
電源2050は、当業においてよく知られている様々なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、一実施形態においては、電源2050は、充電可能な電池、例えば、ニッカド電池又はリチウムイオン電池、である。他の実施形態においては、電源2050は、再生可能なエネルギー源、コンデンサ、又はプラスチック太陽電池と太陽電池塗料を含む太陽電池である。他の実施形態においては、電源2050は、コンセントから電力を受け取るように構成される。
【0074】
幾つかの実装においては、制御プログラマビリティは、上述されるように、電子ディスプレイシステム内の数カ所に配置することができるドライバコントローラ内に常駐する。幾つかの事例においては、制御プログラマビリティは、アレイドライバ2022内に常駐する。当業者は、上述される最適化はあらゆる数のハードウェア及び/又はソフトウエアコンポーネントにおいて及び様々なコンフィギュレーションで実装できることを認識するであろう。
【0075】
本発明は、特定の典型的な実施形態を参照して説明されているが、特許請求の範囲において設定されている本発明のより広範な精神から逸脱せずにこれらの実施形態に対して様々な変更及び修正を行うことができることが明らかであろう。従って、本明細書及び図面は、制限する意味ではなく例示する意味を有するとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】作動されていない状態にあるMEMSデバイスの概略的横断面を示した図である。
【図2】作動された状態にあるMEMSデバイスの概略的横断面を示した図である。
【図3】図1及び2のMEMSデバイスに関する作動電圧及び解放電圧を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態によるMEMSデバイスに関する薄膜スタックを示した図である。
【図5】本発明の他の実施形態によるMEMSデバイスに関する薄膜スタックを示した図である。
【図6】図面の図5に示される薄膜スタックを含むMEMSデバイスに関するヒステリシス曲線を示した図である。
【図7】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの他の実施形態を示した図である。
【図8】図面の図7の薄膜スタックを含むMEMSデバイスに関するヒステリシス曲線を示した図である。
【図9A】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの実施形態を示した図である。
【図9B】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの実施形態を示した図である。
【図9C】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの実施形態を示した図である。
【図9D】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの実施形態を示した図である。
【図10A】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10B】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10C】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10D】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10E】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10F】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10G】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図10H】典型的なMEMSデバイス製造プロセスを示した図である。
【図11A】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの実施形態を示した図である。
【図11B】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの実施形態を示した図である。
【図11C】本発明の実施形態による薄膜スタックを含む2つのインターフェロメトリックモジュレータの横断面を示した図である。
【図11D】MEMSデバイスに関する薄膜スタックの他の実施形態を示した図である。
【図12A】本発明の一実施形態によるMEMSデバイス内の静電流体フローシステムのブロック図である。
【図12B】動作原理を示した図8aの流体フローシステムの概略的等角図である。
【図13】本発明によるMEMSデバイスの他の実施形態を概略的に示した図である。
【図14A】複数のインターフェロメトリックモジュレータを具備するビジュアル表示デバイスの実施形態を示したシステムブロック図である。
【図14B】複数のインターフェロメトリックモジュレータを具備するビジュアル表示デバイスの実施形態を示したシステムブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を有するMEMSデバイスであって、
前記基板上に形成された電極層と、
前記電極層上に形成された誘電層と、
前記誘電層上に形成された第1のエッチバリア層と、
前記第1のエッチバリア層上に形成された第2のエッチバリア層と、
前記第2のエッチバリア層上方に配置された空洞部と、
前記空洞部の上方に配置された移動層と、を具備するMEMSデバイス。
【請求項2】
前記第2のエッチバリア層は、酸化珪素を具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記誘電層は、酸化珪素を具備し、前記第1のエッチバリア層は、酸化アルミを具備する請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記誘電層は、電荷トラップ層を具備する請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2のエッチバリア層は、窒化珪素を具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記誘電層は、酸化珪素を具備し、前記第1のエッチバリア層は、酸化アルミを具備する請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記誘電層は、窒化珪素を具備し、前記第1のエッチバリア層は、酸化アルミを具備する請求項5に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第2のエッチバリア層は、チタンを具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第2のエッチバリア層は、モリブデンを具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第2のエッチバリア層は、アモルファス珪素を具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第2のエッチバリア層は、前記第1のエッチバリア層の表面上において可変の厚さを有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第2のエッチバリア層は、前記第1のエッチバリア層の一部分のみを被覆する請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記電極層及び前記可動層のうちの少なくとも1つと電気的通信状態にあるプロセッサであって、画像データを処理するように構成されるプロセッサと、
前記プロセッサと電気的通信状態にあるメモリと、をさらに具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記電極層及び前記可動層のうちの少なくとも1つに少なくとも1つの信号を送るように構成されるドライバ回路をさらに具備する請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記画像データの少なくとも一部分を前記ドライバ回路に送るように構成されるコントローラをさらに具備する請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記画像データを前記プロセッサに送るように構成される画像ソースモジュールをさらに具備する請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
前記画像ソースモジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを具備する請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
入力データを受け取るように及び前記入力データを前記プロセッサに伝達するように構成される入力装置をさらに具備する請求項13に記載のデバイス。
【請求項19】
請求項1に記載のデバイスを動作させる方法であって、第1の信号を前記電極層に印加し、第2の信号を前記可動層に印加して前記可動層を前記空洞部内で移動させることを具備する方法。
【請求項20】
電気信号を伝導する伝導手段と、
前記伝導手段を支持する支持手段と、
前記伝導手段を電気的に絶縁する絶縁手段と、
前記絶縁手段を保護する第1の保護手段と、
前記第1の保護手段を保護する第2の保護手段と、
可変の大きさを有する空洞部の範囲を定める範囲設定手段と、を具備するMEMSデバイス。
【請求項21】
前記支持手段は、透明な基板を具備し、前記伝導手段は、前記透明な基板上に形成された電極層を具備し、前記範囲設定手段は、空洞部によって前記第1の保護手段から分離された可動層を具備する請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記絶縁手段は、前記伝導手段上に形成された誘電層を具備する請求項20又は21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記誘電層は、酸化珪素及び窒化珪素のうちの少なくとも1つを具備する請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記第1の保護手段は、前記絶縁手段上に形成された第1のエッチバリア層を具備する請求項20、21、又は22に記載のデバイス。
【請求項25】
前記エッチバリア層は、酸化アルミを具備する請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第2の保護手段は、前記第1の保護手段上に形成された第2のエッチバリア層を具備する請求項20、21、22、又は24に記載のデバイス。
【請求項27】
前記第2のエッチバリア層は、酸化珪素、窒化珪素、アモルファス珪素、モリブデン、及びチタンのうちの少なくとも1つを具備する請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
MEMSデバイスを製造する方法であって、
電極層を基板上に堆積することと、
誘電層を前記電極層上に堆積することと、
エッチストップ層を前記誘電層上に堆積することと、
保護層を前記エッチストップ層上に堆積すること、とを具備する方法。
【請求項29】
前記エッチストップ層は、酸化アルミを具備し、前記誘電層は、窒化珪素を具備する請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記エッチストップ層は、酸化アルミを具備し、前記誘電層は、酸化珪素を具備する請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記エッチストップ層は、酸化アルミを具備し、第2の酸化アルミ層を前記電極層上に堆積することをさらに具備し、前記誘電層は、前記第2の酸化アルミ層上に堆積される請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記エッチストップ層は、酸化アルミを具備し、
少なくとも第1の犠牲層を前記保護層上に堆積することと、
反射層を前記犠牲層上に堆積することと、
前記第1の犠牲層をエッチングして前記第1の犠牲層を完全に除去し、それによって干渉空洞部を作り出すこと、とをさらに具備する請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の犠牲層をエッチングして前記第1の犠牲層を完全に除去することは、前記第1の犠牲層及び前記保護層の両層を前記エッチバリア層に関してエッチングすることを具備する請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の犠牲層をエッチングして前記第1の犠牲層を完全に除去することは、前記第1の犠牲層を前記保護層に関してエッチングすることを具備する請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記保護層を前記エッチバリア層に関してエッチングすることをさらに具備し、前記保護層をエッチングすることは、前記第1の犠牲層の前記除去後に行われる請求項34に記載の方法。
【請求項36】
予備エッチを行って前記第1の犠牲層の一部分を除去し、それによって前記保護層の一部分を露出させることと、
少なくとも第2の犠牲層を前記第1の犠牲層上に堆積すること、とをさらに具備し、前記第1の犠牲層を前記エッチングして前記第1の犠牲層を完全に除去することは、前記第2の犠牲層の少なくとも一部分を除去することを具備する請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記保護層は、酸化珪素を具備する請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記保護層は、窒化珪素を具備する請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記保護層は、アモルファス珪素を具備する請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記保護層は、モリブデンを具備する請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記保護層は、チタンを具備する請求項36に記載の方法。
【請求項42】
請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の犠牲層をエッチングして前記第1の犠牲層を完全に除去することは、前記保護層の少なくとも一部分を除去する請求項36に記載の方法。
【請求項44】
請求項28に記載のプロセスによって製造されるMEMSデバイス。
【請求項45】
MEMSデバイスを製造する方法であって、
電極層を基板上に堆積することと、
第1の誘電層を前記電極層上に堆積することと、
第2の誘電層を前記第1の誘電層上に堆積することと、
第3の誘電層を前記第2の誘電層上に堆積することと、
第1の犠牲層を前記第3の誘電層上に堆積することと、
予備エッチを行って前記第1の犠牲層の一部分を除去し、それによって前記第3の誘電層の少なくとも一部分を露出させることと、
前記第1の犠牲層の残りの部分及び前記第3の誘電層の前記露出部分に第2の犠牲層を堆積すること、とを具備する方法。
【請求項46】
前記第1の誘電層は、酸化珪素及び窒化珪素のうちの少なくとも1つを具備する請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第2の誘電層は、酸化アルミを具備する請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記第3の誘電層は、保護層を具備する請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記保護層は、酸化珪素、窒化珪素、アモルファス珪素、モリブデン、及びチタンのうちの少なくとも1つを具備する請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記予備エッチは、前記第1の犠牲層を前記第3の犠牲層に関してエッチングする請求項45に記載の方法。
【請求項51】
反射層を前記第2の犠牲層上に形成することと、
前記反射層をパターン形成して少なくとも2つの可動層を形成することと、
前記第1及び第2の犠牲層をエッチングし、それによって少なくとも第1の空洞部及び第2の空洞部を形成することであって、前記第1の空洞部の高さは、前記第2の空洞部の高さと異なること、とを具備する請求項45に記載の方法。
【請求項52】
前記第1及び第2の犠牲層をエッチングすることは、前記第1及び第2の層を前記第2の誘電層に関してエッチングすることを具備する請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1及び第2の犠牲材料をエッチングすることは、前記第3の誘電層の少なくとも一部分を除去する請求項52に記載の方法。
【請求項54】
請求項45に記載の方法によって形成されるMEMSデバイス。
【請求項55】
基板と、
基板上に配置された電極と、
前記電極上に配置された電荷トラップ層であって、正及び負の両電荷をトラップするように構成される電荷トラップ層と、
前記電荷トラップ層上に配置された第1のエッチバリア層と、を具備するMEMSデバイス。
【請求項56】
前記第1のエッチバリア層は、酸化アルミを具備する請求項55に記載のデバイス。
【請求項57】
前記電荷トラップ層は、窒化珪素及び五酸化タンタルのうちの少なくとも1つを具備する請求項55に記載のデバイス。
【請求項58】
前記第1のエッチバリア層上に配置された第2のエッチバリア層をさらに具備する請求項55に記載のデバイス。
【請求項59】
第2のエッチバリア層は、酸化珪素、窒化珪素、アモルファス珪素、モリブデン、及びチタンから成るグループから選択された材料を具備する請求項58に記載のデバイス。
【請求項60】
前記電極層及び前記可動層のうちの少なくとも1つと電気的通信状態にあるプロセッサであって、画像データを処理するように構成されるプロセッサと、
前記プロセッサと電気的通信状態にあるメモリと、をさらに具備する請求項55に記載のデバイス。
【請求項61】
前記電極層及び前記可動層のうちの少なくとも1つに少なくとも1つの信号を送るように構成されるドライバ回路をさらに具備する請求項60に記載のデバイス。
【請求項62】
前記画像データの少なくとも一部分を前記ドライバ回路に送るように構成されるコントローラをさらに具備する請求項61に記載のデバイス。
【請求項63】
前記画像データを前記プロセッサに送るように構成される画像ソースモジュールをさらに具備する請求項60に記載のデバイス。
【請求項64】
前記画像ソースモジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを具備する請求項63に記載のデバイス。
【請求項65】
入力データを受け取るように及び前記入力データを前記プロセッサに伝達するように構成される入力装置をさらに具備する請求項60に記載のデバイス。
【請求項66】
MEMSデバイスを製造する方法であって、
電極を基板上に堆積することと、
電荷トラップ層を前記電極上に堆積することであって、前記電荷トラップ層は正及び負の両電荷をトラップするように構成されることと、
第1のエッチバリア層を前記電荷トラップ層上に堆積すること、とを具備する方法。
【請求項67】
前記第1のエッチバリア層は、酸化アルミを具備する請求項55に記載の方法。
【請求項68】
前記電荷トラップ層は、窒化珪素を具備する請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記電荷トラップ層は、五酸化タンタルを具備する請求項67に記載の方法。
【請求項70】
第2のエッチバリア層を前記第1のエッチバリア層上に堆積することと、
第1の犠牲材料層を前記第2のエッチバリア層上に堆積することと、
第1のエッチを行って前記第1の犠牲材料層の一部分を除去し、それによって前記第2のエッチバリア層の一部分を露出させることと、
少なくとも第2の犠牲材料層を前記第1の犠牲材料層上及び前記第2のエッチバリア層の前記露出部分に堆積することと、
前記第1及び第2の犠牲材料層上に電極を堆積することと、
第2のエッチを行って少なくとも前記第1及び第2の犠牲材料層を除去し、それによって干渉空洞部を形成すること、とをさらに具備する請求項55に記載の方法。
【請求項71】
前記第1のエッチは、前記第1の犠牲材料層を前記第2のエッチバリア層に関してエッチングする請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記第2のエッチは、前記第1及び第2の犠牲材料層を前記第1のエッチバリア層に関してエッチングする請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記第2のエッチバリア層は、酸化珪素、窒化珪素、アモルファス珪素、モリブデン、及びチタンから成るグループから選択された材料を具備する請求項70に記載の方法。
【請求項74】
前記第1のエッチは、前記第1の犠牲層よりも前記第2のエッチバリア層のほうが耐性が高いエッチング液を用いて行われる請求項70に記載の方法。
【請求項75】
前記第2のエッチバリアは、前記第2のエッチ中に少なくとも部分的に除去され、前記第1のエッチバリア層は、前記第2のエッチに対する耐性を有する請求項70に記載の方法。
【請求項76】
請求項55に記載の方法によって製造されるMEMSデバイス。
【請求項77】
基板と、
前記基板上に形成された電極層と、
前記電極層上に形成された窒化珪素層と、
前記窒化珪素層上に形成された酸化アルミ層と、を具備するMEMSデバイス。
【請求項78】
前記酸化アルミ層上に形成された空洞部と、
前記空洞部上方に形成された可動層と、をさらに具備する請求項77に記載のデバイス。
【請求項79】
前記デバイスは、インターフェロメトリックモジュレータである請求項78に記載のデバイス。
【請求項80】
前記酸化アルミ層上に形成された酸化珪素層をさらに具備する請求項79に記載のデバイス。
【請求項81】
前記酸化珪素層は、前記空洞部上方の前記可動層を支持する柱の下方の前記酸化アルミ層上にある請求項80に記載のデバイス。
【請求項82】
前記酸化アルミ層上に形成された窒化珪素層をさらに具備する請求項78に記載のデバイス。
【請求項83】
前記窒化珪素層は、前記空洞部上方の前記可動層を支持する柱の下方の前記酸化アルミ層上にある請求項82に記載のデバイス。
【請求項84】
第2の酸化アルミ層をさらに具備し、前記第2の酸化アルミ層は、前記電極層上に形成され、前記窒化珪素層は、前記第2の酸化アルミ層上に形成される請求項77に記載のデバイス。
【請求項85】
請求項78に記載のデバイスを動作させる方法であって、第1の信号を前記電極層に印加し、第2の信号を前記可動層に印加して前記可動層を前記空洞部内で移動させることを具備する方法。
【請求項86】
電気信号を伝導する伝導手段と、
前記伝導手段を支持する支持手段と、
正及び負の両電荷をトラップする手段と、
電荷をトラップする前記手段を保護する手段と、を具備するMEMSデバイス。
【請求項87】
前記支持手段は、透明な基板を具備し、電気信号を伝導する前記手段は、前記透明な基板上に形成された電極層を具備する請求項86に記載のデバイス。
【請求項88】
前記電荷トラップ手段は、前記伝導手段上に形成された電荷トラップ材料層を具備し、前記電荷トラップ材料は、正及び負の両電荷をトラップするように構成される請求項86又は87に記載のデバイス。
【請求項89】
前記保護手段は、前記電荷トラップ手段上に形成されたエッチバリア層を具備する請求項86、87、又は88に記載のデバイス。
【請求項1】
基板を有するMEMSデバイスであって、
前記基板上に形成された電極層と、
前記電極層上に形成された誘電層と、
前記誘電層上に形成された第1のエッチバリア層と、
前記第1のエッチバリア層上に形成された第2のエッチバリア層と、
前記第2のエッチバリア層上方に配置された空洞部と、
前記空洞部の上方に配置された移動層と、を具備するMEMSデバイス。
【請求項2】
前記第2のエッチバリア層は、酸化珪素を具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記誘電層は、酸化珪素を具備し、前記第1のエッチバリア層は、酸化アルミを具備する請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記誘電層は、電荷トラップ層を具備する請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2のエッチバリア層は、窒化珪素を具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記誘電層は、酸化珪素を具備し、前記第1のエッチバリア層は、酸化アルミを具備する請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記誘電層は、窒化珪素を具備し、前記第1のエッチバリア層は、酸化アルミを具備する請求項5に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第2のエッチバリア層は、チタンを具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第2のエッチバリア層は、モリブデンを具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第2のエッチバリア層は、アモルファス珪素を具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第2のエッチバリア層は、前記第1のエッチバリア層の表面上において可変の厚さを有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第2のエッチバリア層は、前記第1のエッチバリア層の一部分のみを被覆する請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記電極層及び前記可動層のうちの少なくとも1つと電気的通信状態にあるプロセッサであって、画像データを処理するように構成されるプロセッサと、
前記プロセッサと電気的通信状態にあるメモリと、をさらに具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記電極層及び前記可動層のうちの少なくとも1つに少なくとも1つの信号を送るように構成されるドライバ回路をさらに具備する請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記画像データの少なくとも一部分を前記ドライバ回路に送るように構成されるコントローラをさらに具備する請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記画像データを前記プロセッサに送るように構成される画像ソースモジュールをさらに具備する請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
前記画像ソースモジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを具備する請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
入力データを受け取るように及び前記入力データを前記プロセッサに伝達するように構成される入力装置をさらに具備する請求項13に記載のデバイス。
【請求項19】
請求項1に記載のデバイスを動作させる方法であって、第1の信号を前記電極層に印加し、第2の信号を前記可動層に印加して前記可動層を前記空洞部内で移動させることを具備する方法。
【請求項20】
電気信号を伝導する伝導手段と、
前記伝導手段を支持する支持手段と、
前記伝導手段を電気的に絶縁する絶縁手段と、
前記絶縁手段を保護する第1の保護手段と、
前記第1の保護手段を保護する第2の保護手段と、
可変の大きさを有する空洞部の範囲を定める範囲設定手段と、を具備するMEMSデバイス。
【請求項21】
前記支持手段は、透明な基板を具備し、前記伝導手段は、前記透明な基板上に形成された電極層を具備し、前記範囲設定手段は、空洞部によって前記第1の保護手段から分離された可動層を具備する請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記絶縁手段は、前記伝導手段上に形成された誘電層を具備する請求項20又は21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記誘電層は、酸化珪素及び窒化珪素のうちの少なくとも1つを具備する請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記第1の保護手段は、前記絶縁手段上に形成された第1のエッチバリア層を具備する請求項20、21、又は22に記載のデバイス。
【請求項25】
前記エッチバリア層は、酸化アルミを具備する請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第2の保護手段は、前記第1の保護手段上に形成された第2のエッチバリア層を具備する請求項20、21、22、又は24に記載のデバイス。
【請求項27】
前記第2のエッチバリア層は、酸化珪素、窒化珪素、アモルファス珪素、モリブデン、及びチタンのうちの少なくとも1つを具備する請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
MEMSデバイスを製造する方法であって、
電極層を基板上に堆積することと、
誘電層を前記電極層上に堆積することと、
エッチストップ層を前記誘電層上に堆積することと、
保護層を前記エッチストップ層上に堆積すること、とを具備する方法。
【請求項29】
前記エッチストップ層は、酸化アルミを具備し、前記誘電層は、窒化珪素を具備する請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記エッチストップ層は、酸化アルミを具備し、前記誘電層は、酸化珪素を具備する請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記エッチストップ層は、酸化アルミを具備し、第2の酸化アルミ層を前記電極層上に堆積することをさらに具備し、前記誘電層は、前記第2の酸化アルミ層上に堆積される請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記エッチストップ層は、酸化アルミを具備し、
少なくとも第1の犠牲層を前記保護層上に堆積することと、
反射層を前記犠牲層上に堆積することと、
前記第1の犠牲層をエッチングして前記第1の犠牲層を完全に除去し、それによって干渉空洞部を作り出すこと、とをさらに具備する請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の犠牲層をエッチングして前記第1の犠牲層を完全に除去することは、前記第1の犠牲層及び前記保護層の両層を前記エッチバリア層に関してエッチングすることを具備する請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の犠牲層をエッチングして前記第1の犠牲層を完全に除去することは、前記第1の犠牲層を前記保護層に関してエッチングすることを具備する請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記保護層を前記エッチバリア層に関してエッチングすることをさらに具備し、前記保護層をエッチングすることは、前記第1の犠牲層の前記除去後に行われる請求項34に記載の方法。
【請求項36】
予備エッチを行って前記第1の犠牲層の一部分を除去し、それによって前記保護層の一部分を露出させることと、
少なくとも第2の犠牲層を前記第1の犠牲層上に堆積すること、とをさらに具備し、前記第1の犠牲層を前記エッチングして前記第1の犠牲層を完全に除去することは、前記第2の犠牲層の少なくとも一部分を除去することを具備する請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記保護層は、酸化珪素を具備する請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記保護層は、窒化珪素を具備する請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記保護層は、アモルファス珪素を具備する請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記保護層は、モリブデンを具備する請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記保護層は、チタンを具備する請求項36に記載の方法。
【請求項42】
請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の犠牲層をエッチングして前記第1の犠牲層を完全に除去することは、前記保護層の少なくとも一部分を除去する請求項36に記載の方法。
【請求項44】
請求項28に記載のプロセスによって製造されるMEMSデバイス。
【請求項45】
MEMSデバイスを製造する方法であって、
電極層を基板上に堆積することと、
第1の誘電層を前記電極層上に堆積することと、
第2の誘電層を前記第1の誘電層上に堆積することと、
第3の誘電層を前記第2の誘電層上に堆積することと、
第1の犠牲層を前記第3の誘電層上に堆積することと、
予備エッチを行って前記第1の犠牲層の一部分を除去し、それによって前記第3の誘電層の少なくとも一部分を露出させることと、
前記第1の犠牲層の残りの部分及び前記第3の誘電層の前記露出部分に第2の犠牲層を堆積すること、とを具備する方法。
【請求項46】
前記第1の誘電層は、酸化珪素及び窒化珪素のうちの少なくとも1つを具備する請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第2の誘電層は、酸化アルミを具備する請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記第3の誘電層は、保護層を具備する請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記保護層は、酸化珪素、窒化珪素、アモルファス珪素、モリブデン、及びチタンのうちの少なくとも1つを具備する請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記予備エッチは、前記第1の犠牲層を前記第3の犠牲層に関してエッチングする請求項45に記載の方法。
【請求項51】
反射層を前記第2の犠牲層上に形成することと、
前記反射層をパターン形成して少なくとも2つの可動層を形成することと、
前記第1及び第2の犠牲層をエッチングし、それによって少なくとも第1の空洞部及び第2の空洞部を形成することであって、前記第1の空洞部の高さは、前記第2の空洞部の高さと異なること、とを具備する請求項45に記載の方法。
【請求項52】
前記第1及び第2の犠牲層をエッチングすることは、前記第1及び第2の層を前記第2の誘電層に関してエッチングすることを具備する請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1及び第2の犠牲材料をエッチングすることは、前記第3の誘電層の少なくとも一部分を除去する請求項52に記載の方法。
【請求項54】
請求項45に記載の方法によって形成されるMEMSデバイス。
【請求項55】
基板と、
基板上に配置された電極と、
前記電極上に配置された電荷トラップ層であって、正及び負の両電荷をトラップするように構成される電荷トラップ層と、
前記電荷トラップ層上に配置された第1のエッチバリア層と、を具備するMEMSデバイス。
【請求項56】
前記第1のエッチバリア層は、酸化アルミを具備する請求項55に記載のデバイス。
【請求項57】
前記電荷トラップ層は、窒化珪素及び五酸化タンタルのうちの少なくとも1つを具備する請求項55に記載のデバイス。
【請求項58】
前記第1のエッチバリア層上に配置された第2のエッチバリア層をさらに具備する請求項55に記載のデバイス。
【請求項59】
第2のエッチバリア層は、酸化珪素、窒化珪素、アモルファス珪素、モリブデン、及びチタンから成るグループから選択された材料を具備する請求項58に記載のデバイス。
【請求項60】
前記電極層及び前記可動層のうちの少なくとも1つと電気的通信状態にあるプロセッサであって、画像データを処理するように構成されるプロセッサと、
前記プロセッサと電気的通信状態にあるメモリと、をさらに具備する請求項55に記載のデバイス。
【請求項61】
前記電極層及び前記可動層のうちの少なくとも1つに少なくとも1つの信号を送るように構成されるドライバ回路をさらに具備する請求項60に記載のデバイス。
【請求項62】
前記画像データの少なくとも一部分を前記ドライバ回路に送るように構成されるコントローラをさらに具備する請求項61に記載のデバイス。
【請求項63】
前記画像データを前記プロセッサに送るように構成される画像ソースモジュールをさらに具備する請求項60に記載のデバイス。
【請求項64】
前記画像ソースモジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを具備する請求項63に記載のデバイス。
【請求項65】
入力データを受け取るように及び前記入力データを前記プロセッサに伝達するように構成される入力装置をさらに具備する請求項60に記載のデバイス。
【請求項66】
MEMSデバイスを製造する方法であって、
電極を基板上に堆積することと、
電荷トラップ層を前記電極上に堆積することであって、前記電荷トラップ層は正及び負の両電荷をトラップするように構成されることと、
第1のエッチバリア層を前記電荷トラップ層上に堆積すること、とを具備する方法。
【請求項67】
前記第1のエッチバリア層は、酸化アルミを具備する請求項55に記載の方法。
【請求項68】
前記電荷トラップ層は、窒化珪素を具備する請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記電荷トラップ層は、五酸化タンタルを具備する請求項67に記載の方法。
【請求項70】
第2のエッチバリア層を前記第1のエッチバリア層上に堆積することと、
第1の犠牲材料層を前記第2のエッチバリア層上に堆積することと、
第1のエッチを行って前記第1の犠牲材料層の一部分を除去し、それによって前記第2のエッチバリア層の一部分を露出させることと、
少なくとも第2の犠牲材料層を前記第1の犠牲材料層上及び前記第2のエッチバリア層の前記露出部分に堆積することと、
前記第1及び第2の犠牲材料層上に電極を堆積することと、
第2のエッチを行って少なくとも前記第1及び第2の犠牲材料層を除去し、それによって干渉空洞部を形成すること、とをさらに具備する請求項55に記載の方法。
【請求項71】
前記第1のエッチは、前記第1の犠牲材料層を前記第2のエッチバリア層に関してエッチングする請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記第2のエッチは、前記第1及び第2の犠牲材料層を前記第1のエッチバリア層に関してエッチングする請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記第2のエッチバリア層は、酸化珪素、窒化珪素、アモルファス珪素、モリブデン、及びチタンから成るグループから選択された材料を具備する請求項70に記載の方法。
【請求項74】
前記第1のエッチは、前記第1の犠牲層よりも前記第2のエッチバリア層のほうが耐性が高いエッチング液を用いて行われる請求項70に記載の方法。
【請求項75】
前記第2のエッチバリアは、前記第2のエッチ中に少なくとも部分的に除去され、前記第1のエッチバリア層は、前記第2のエッチに対する耐性を有する請求項70に記載の方法。
【請求項76】
請求項55に記載の方法によって製造されるMEMSデバイス。
【請求項77】
基板と、
前記基板上に形成された電極層と、
前記電極層上に形成された窒化珪素層と、
前記窒化珪素層上に形成された酸化アルミ層と、を具備するMEMSデバイス。
【請求項78】
前記酸化アルミ層上に形成された空洞部と、
前記空洞部上方に形成された可動層と、をさらに具備する請求項77に記載のデバイス。
【請求項79】
前記デバイスは、インターフェロメトリックモジュレータである請求項78に記載のデバイス。
【請求項80】
前記酸化アルミ層上に形成された酸化珪素層をさらに具備する請求項79に記載のデバイス。
【請求項81】
前記酸化珪素層は、前記空洞部上方の前記可動層を支持する柱の下方の前記酸化アルミ層上にある請求項80に記載のデバイス。
【請求項82】
前記酸化アルミ層上に形成された窒化珪素層をさらに具備する請求項78に記載のデバイス。
【請求項83】
前記窒化珪素層は、前記空洞部上方の前記可動層を支持する柱の下方の前記酸化アルミ層上にある請求項82に記載のデバイス。
【請求項84】
第2の酸化アルミ層をさらに具備し、前記第2の酸化アルミ層は、前記電極層上に形成され、前記窒化珪素層は、前記第2の酸化アルミ層上に形成される請求項77に記載のデバイス。
【請求項85】
請求項78に記載のデバイスを動作させる方法であって、第1の信号を前記電極層に印加し、第2の信号を前記可動層に印加して前記可動層を前記空洞部内で移動させることを具備する方法。
【請求項86】
電気信号を伝導する伝導手段と、
前記伝導手段を支持する支持手段と、
正及び負の両電荷をトラップする手段と、
電荷をトラップする前記手段を保護する手段と、を具備するMEMSデバイス。
【請求項87】
前記支持手段は、透明な基板を具備し、電気信号を伝導する前記手段は、前記透明な基板上に形成された電極層を具備する請求項86に記載のデバイス。
【請求項88】
前記電荷トラップ手段は、前記伝導手段上に形成された電荷トラップ材料層を具備し、前記電荷トラップ材料は、正及び負の両電荷をトラップするように構成される請求項86又は87に記載のデバイス。
【請求項89】
前記保護手段は、前記電荷トラップ手段上に形成されたエッチバリア層を具備する請求項86、87、又は88に記載のデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10F】
【図10G】
【図10H】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10F】
【図10G】
【図10H】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【公表番号】特表2008−514438(P2008−514438A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−533493(P2007−533493)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/030902
【国際公開番号】WO2006/036435
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/030902
【国際公開番号】WO2006/036435
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】
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