急速充電装置
【課題】自動車等のバッテリーや大容量コンデンサを急速充電する。
【解決手段】
低速充電部4は、交流電源3から変圧器40を介して、30度の位相差がある2次側△巻線41と2次側Y巻線42の電源をそれぞれダイオードブリッジ43,53で整流した2組の直流部を有する。各直流部には、小容量のコンデンサ44,54をダイオードブリッジ43,53に対して並列に接続する。これらダイオードブリッジと小容量コンデンサに対して、電流検出器45,55を介して、昇圧チョッパを接続する。この昇圧チョッパは、それぞれリアクトル46,56、IGBT47,57、ダイオード48,58から構成する。各組の昇圧チョッパのダイオード48,58の出力側を充電バッテリ5に接続して低速充電部4を構成する。コンデンサ49,59は、サージ抑制用のコンデンサで、ダイオード48,58の出力側とIGBT47,57のエミッタ側に接続する。
【解決手段】
低速充電部4は、交流電源3から変圧器40を介して、30度の位相差がある2次側△巻線41と2次側Y巻線42の電源をそれぞれダイオードブリッジ43,53で整流した2組の直流部を有する。各直流部には、小容量のコンデンサ44,54をダイオードブリッジ43,53に対して並列に接続する。これらダイオードブリッジと小容量コンデンサに対して、電流検出器45,55を介して、昇圧チョッパを接続する。この昇圧チョッパは、それぞれリアクトル46,56、IGBT47,57、ダイオード48,58から構成する。各組の昇圧チョッパのダイオード48,58の出力側を充電バッテリ5に接続して低速充電部4を構成する。コンデンサ49,59は、サージ抑制用のコンデンサで、ダイオード48,58の出力側とIGBT47,57のエミッタ側に接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のバッテリーや大容量コンデンサを急速充電する急速充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車等のバッテリーや大容量コンデンサを急速充電する急速充電装置としては、比較的長時間をかけて充電されるバッテリーと、このバッテリーから電気自動車等の動力源用バッテリーを急速充電するための急速充電部とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図13は、この急速充電装置の構成の全体図である。図13において、1は車軸をモータで動かす電気自動車であり、2はそのモータに電力を供給する動力源用バッテリーである。3は、数10kVA程度の電力を給電する交流電源であり、4は交流電源3に接続され比較的長時間かけて充電される低速充電部である。5は、低速充電部4により常時充電されるバッテリーである。6は、バッテリーから電力を供給され、動力源用バッテリー2を充電する急速充電部である。この急速充電装置では、交流電源3から低速充電部4を介して、バッテリー5を小電流で緩やかに充電しておき、バッテリー5から急速充電部6を介して電気自動車1の動力源用バッテリー2を急速に充電する。
【0004】
現在利用されている電気自動車のバッテリー急速充電装置を図14に示し、その構成、動作の概要を説明する。交流電源3から、ブレーカ10、電流検出器15,16、リアクトル17〜19を通って3相PWMコンバータ20により、ほぼ力率=1の昇圧コンバータを構成する。この昇圧コンバータの交流側電流を正弦波状でしかも高力率に制御しながらコンデンサ21を充電する。交流側フィルタ用コンデンサ12〜14は、PWM制御による高周波電流を供給するためのものである。
【0005】
コンデンサ21の電圧はPWMインバータブリッジ22により高周波電圧(10kHz〜20kHz程度)に変換して、高周波トランス23の1次側へ供給する。高周波トランス23の2次側は、ダイオードブリッジ24で直流に変換し、リアクトル25とコンデンサ27によるフィルタ効果によりPWMに伴うリプルを低減し、電流検出器26で電流を検出して充電電流を制御する。接触器28は、負荷の無電流開閉装置である。
【0006】
現在の急速充電装置出力は、400V,100A程度で15分間充電を行っている。このため、交流電力は50kVA程度が必要となる。しかし、電気自動車においては従来のガソリンの給油時間との比較から、充電時間の15分は長すぎるという意見があり、5分程度の充電時間が要望されている。従来は、こんな短時間の充電はバッテリーの特性上の不可能であったが、最近酸化物系の電極材料を使用したリチウムイオン電池(商品名:SCiB(登録商標))が発表され5分間での充電が現実化して来ている。
【0007】
このような改良されたリチウムイオン電池を使用して、400V,300Aの充電を行えば、5分間での充電が可能となる。そこで、これを実現する急速充電装置を考えると、例えば、図15の様な回路が考えられる。すなわち、充電は400V,300Aで行い、その場合の120kWでの効率等を考えると、直接充電方式(図14)なら、交流電力は、150kVA程度必要となり、かなりの受電設備が必要となる。そのため、受電設備が高価となる。そこで、受電容量を15kVA程度で、出力120kWで5分間の充電を行うことのできる図15の回路が考えられる。
【0008】
この図15の回路は、図14の回路のPWMインバータブリッジに代えて、コンデンサ21の電圧からIGBT33,リアクトル32,ダイオード34,電流検出器31から成る降圧コンバータを設け、この降圧コンバータにより充電装置内のバッテリー5を緩やかに充電する。充電完了したバッテリー5の電圧を、高周波変換用のインバータ22を介して高周波トランス23のに印加して昇圧した後、ダイオードブリッジ24を介して車両側のバッテリー2の急速充電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−253461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような急速充電装置には、
(1) 交流入力容量が少ないこと
(2) 交流側が高力率であること
(3) 高効率な特性であること
という課題が要求される。
【0011】
しかしながら、特許文献1の発明では、急速充電装置の基本概念は示されているが、具体的な回路が提示されていない。また、交流電源と自動車バッテリー間に、絶縁が施されていないため、感電の危険があるという問題点があった。さらに、充電装置の効率を高めるために、交流電源側は高効率であることが必要であるが、その点については示唆されていない。
【0012】
前記図14や図15の回路は、前記(1) 〜(3) の課題を解決するために提案されたものではあるが、図14の回路では、交流入力容量が大きいことから、ごく短時間の急速充電には不適当であった。一方、図15の回路は、交流入力容量を小さくできるものの、交流電源から充電部終端までの半導体通過回数が多く効率が低くなる問題があった。
【0013】
また、図14や図15の回路では、3相PWMコンバータを使用しているが、この3相PWMコンバータは、高速半導体スイッチング素子を多数必要とするため、スイッチングロスが大きい。例えば、3相のうちの1相分の電流が通過する素子数を、高速半導体スイッチング素子に換算した半導体通過回数は、PWMコンバータ20部分で2回、降圧コンバータのIGBT33で1回の合計3回となる。また、急速充電部では、高周波インバータ22で2回、高周波ダイオードブリッジ24で2回の合計4回となる。このように、図14や図15の回路は高速半導体スイッチング素子の通過回数が多いため、効率が悪い欠点があった。
【0014】
前記の問題点を解決するため、図14や図15の回路に使用される3相PWMコンバータ20から成る昇圧コンバータに代えて、直流ダイオードブリッジを使用することも考えられる。確かに、直流ダイオードブリッジの場合には、IGBT33のような高速半導体スイッチング素子がないため、その部分でのスイッチングロスは少なくなり、効率は良くなる。その反面、直流ダイオードブリッジでは、3相PWMコンバータ20のようなほぼ力率=1の回路を構成することができず、交流側の力率低下という問題が生じる。
【0015】
本発明は、上記の問題点を解決するためのものであり、その目的は、少ない交流入力容量でありながら、スイッチングロスによる効率低下及び直流ダイオードブリッジの使用に伴う力率低下を防止して、高効率・高力率な急速充電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の目的を達成するために、本発明の急速充電装置は、交流電源から変圧器を介して30゜位相差の3相電源を得る手段、前記2組の3相電源から3相ダイオードブリッジで整流した直流を得て、その2組の直流出力部に小容量のコンデンサを接続し、この直流部から昇圧チョッパ又は降圧チョッパを介して充電部のバッテリー又は大容量コンデンサを充電する手段、前記バッテリー又は大容量コンデンサから2相の昇圧チョッパ又は降圧チョッパにより負荷のバッテリー又は大容量コンデンサを充電する手段により、急速充電部のバッテリー又は大容量コンデンサを急速充電することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、3相ダイオードブリッジを使用することにより、高速半導体スイッチング素子の使用個数を低減して、装置全体としてのスイッチングロスを低減することができる。また、3相交流電源から変圧器を介して30゜位相差の2組の電源を得て、これを2組の昇圧チョッパ又は降圧チョッパを介して並列にバッテリー又は大容量コンデンサに接続することにより、バッテリー又は大容量コンデンサに流れる充電電流のリプルを低下することができる。更に、3相交流電源から変圧器を介して30゜位相差の2組の電源を得る場合に、前記3相ダイオードブリッジの出力電流をフラットな波形に制御することで、交流電源側、すなわち変圧器の1次側の電流波形を正弦波波形に近いものとすることができ、高高率な電流を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例1における低速充電部の回路図。
【図2】本発明の実施例1におけるIGBT駆動回路部分のブロック図及び入出力波形図。
【図3】本発明の実施例1の変形例における低速充電部の回路図。
【図4】本発明の実施例1の変形例におけるIGBT駆動回路部分のブロック図及び入出力波形図。
【図5】本発明の実施例1における急速充電部の回路図。
【図6】本発明の実施例1の変形例における急速充電部の回路図。
【図7】本発明の実施例1における変圧器1次側電流の波形図。
【図8】図7の電流波形が得られる理由を説明する変圧器部分のブロック図及び入出力電流の波形図。
【図9】図5の急速充電部の各部における電流波形図。
【図10】図6の急速充電部の各部における電流波形図。動作説明図従来方式と本案の比較表
【図11】本発明の実施例2における高速充電部の回路図。
【図12】実施例2におけるIGBT駆動回路部分のブロック図。
【図13】従来の電気自動車用急速充電装置の基本的な構成を示すブロック図。
【図14】従来の急速充電装置の一例を示す回路図。
【図15】従来の急速充電装置の他の例を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る急速充電装置の実施例を図面を参照して説明する。前記従来技術及び各実施例で同一又は類似の構成部分には、共通の符号を付し、重複する説明は省略する。
【実施例1】
【0020】
[1−1.構成]
図1は、実施例1の低速充電部4の構成図である。この低速充電部4は、交流電源3から変圧器40を介して、30度の位相差がある2次側△巻線41と2次側Y巻線42の電源をそれぞれダイオードブリッジ43,53で整流した2組の直流部を有する。各直流部には、それぞれ小容量のコンデンサ44,54を前記ダイオードブリッジ43,53に対して並列に接続する。これらダイオードブリッジと小容量コンデンサに対して、電流検出器45,55を介して、昇圧チョッパを接続する。この昇圧チョッパは、それぞれリアクトル46,56、IGBT47,57、ダイオード48,58から構成する。各組の昇圧チョッパのダイオード48,58の出力側を充電バッテリ5に接続して充電部を構成する。コンデンサ49,59は、サージ抑制用のコンデンサで、ダイオード48,58の出力側とIGBT47,57のエミッタ側に接続する。
【0021】
図2(A)は、前記昇圧チョッパを構成するIGBT47の制御回路を示す。なお、IGBT57の制御回路は、同一構成のため、説明は省略する。この制御回路は、電流基準I*と電流検出器45の出力I1を入力するPID増幅器471と、このPID増幅器471の出力をPWM信号にするPWM回路472を有する。PWM回路472からのPWM信号によりIGBT駆動回路473を介してIGBT47をPWM制御し、昇圧チョッパからの出力電流I12を3相ブリッジ出力電圧と同じ波形となるように制御する。そのため、電流基準I*としては、図2(B)のような一定値の電流を供給する。
【0022】
図3は、前記図1に示す実施例1の変形例である。図2の低速充電部4は、図1の昇圧チョッパの部分を降圧チョッパに変更したものである。すなわち、図1の昇圧チョッパの部分が、IGBT47、ダイオード48、リアクトル46、電流検出器45からなる第1の降圧チョッパと、IGBT57、ダイオード58、リアクトル56、電流検出器55からなる第2の降圧チョッパから構成されている。
【0023】
図4(A)は、図3の降圧チョッパを構成するIGBT47の制御回路を示す。なお、IGBT57の制御回路は、同一構成のため、説明は省略する。この制御回路は、電流基準I*と電流検出器45の出力I1を入力するPID増幅器474と、このPID増幅器474の出力をPWM信号にするPWM回路475を有する。PWM回路475からのPWM信号によりIGBT駆動回路476を介してIGBT47をPWM制御し、降圧チョッパからの入力電流I11を一定値に制御する。そのため、電流基準I*としては、図4(B)のような3相ブリッジ出力電圧波形と同形状の波形の電流を供給する。
【0024】
次に、急速充電部6の一例について、図5により説明する。図5のA端子は、図1又は図3のa端子と、B端子はb端子と接続する。この急速充電部6は、電流検出器60を介して、リアクトル61,IGBT62,ダイオード63からなる第1の昇圧チョッパと、電流検出器70を介してリアクトル71,IGBT72,ダイオード73から成る第2の昇圧チョッパの出力側を共通化する。これら昇圧チョッパの出力側には、フィルタ用コンデンサ64を接続して、負荷のバッテリー2を接続する。なお、フィルタ用コンデンサ64は、充電リプル許容値が大きい場合には、省略しても良い。
【0025】
図6は、急速充電部6の変形例である。この急速充電部6において、前記図1又は図3の低速充電部に接続するための端子A,Bの接続方法は、図5と同様である。図6の急速充電部は、IGBT62,ダイオード63,リアクトル64,電流検出器65からなる第1の降圧チョッパと、IGBT72,ダイオード73,リアクトル74,電流検出器75からなる第2の降圧チョッパを有する。これら2組の降圧チョッパの出力側を並列に接続し、負荷のバッテリー2に接続する。端子A,B間に接続したコンデンサ66は、IGBT62,72のサージ吸収用である。
【0026】
[1−2.作用]
このような構成を有する実施例1の動作を図1及び図2により説明する。図2(A)に示すように、電流基準I*と電流検出器45の出力IとをPID増幅器471で増幅し、PWM回路472でPWM信号にする。このPWM信号によりIGBT駆動回路473を介して、IGBT47をPWM制御し、電流I1を一定に制御する。実際の電流I1には、キャリア周波数のPWMリプルが含まれているが、このリプルをコンデンサ44で平滑化することで、ダイオードブリッジ43の出力電流I11は、図2(B)に示すように一定値となる。
【0027】
一方、昇圧チョッパの出力電流I12は、図2(B)に示すように、3相ブリッジ出力電圧と同じ波形となる。その理由は、昇圧チョッパ入力電圧は、3相ブリッジ出力電圧波形で、その出力電流フラットな波形のため、チョッパ入力電力は、3相ブリッジ出力電圧波形状となる。チョッパ出力の電圧は、バッテリー5の電圧で一定値のため入力電力=出力電力のため、出力電流I12は、3相ブリッジ電圧波形状となる。
【0028】
図1では、このようなチョッパ回路出力を2組並列にしているので、PMWのキャリアを180゜差にする。これにより、2相制御となり出力電流のリプルはきわめて少なくなる。このように、ダイオードブリッジ出力電流I11をフラットな波形に制御して、交流電源側を図1に示すように30゜の位相差を持たせた場合、交流電源側電流波形は、図7に示すように高調波の少ない電流波形となり高力率運転が可能となる。
【0029】
この点を図8によって、具体的に説明する。図8(A)において、3は交流電源、40は変圧器、41は2次側△巻線、42は2次側Y巻線、43,53はダイオードブリッジである。IACは変圧器40の1次側電流、Iacbは2次側△巻線41からの出力電流、Iacbは2次側Y巻線42からの出力電流、I11aはダイオードブリッジ43の出力電流、I11bはダイオードブリッジ53の出力電流である。この場合、変圧器40の1次側の電流IACは、2次側△巻線41からの出力電流Iacbによって定まるI411と、2次側Y巻線42からの出力電流Iacbによって定まるI421の合成波形となる。
【0030】
従って、図8(B)に示すように、ダイオードブリッジ43,53の出力電流I11a,I11bを一定に制御すると、2次側△巻線41の1次側電流I411と、2次側Y巻線42の1次側電流I421は図8(C)のようになる。このため、変圧器1次側電流I411とI421の合成波形IACは、図8(C)に示すように正弦波波形に近づいて高力率な電流になる。
【0031】
次に、図1及び図2に示した実施例1の変形例である図3及び図4の回路の動作を説明する。図4(A)に示すように、電流基準I*として、図4(B)に示すような3相全波整流波形の電流を供給し、これを電流検出器45の出力I1とを比較し、PID増幅器474で増幅する。このPID増幅器474からの出力をPWM回路475でPWM信号にして、IGBT駆動回路476を介してIGBT47を駆動する。電流基準I*と電流検出器出力電流I1はほぼ同形となる。但し、電流検出器出力電流I1には、PWMキャリアによるリプルが重乗している。このため、バッテリー5に流入する電力は、バッテリー電圧一定、流入電流I12は3相全波整流波形状となる。ダイオードブリッジ43の出力電流I11は、バッテリー入力電力を電圧で割った波形となるので、出力電流I11はフラットな一定電流となる。
【0032】
このような図3及び図4に示す降圧チョッパを使用した低速充電回路4においても、交流電源電流は図7に示すように、正弦波に近い波形となり高力率である。
【0033】
一方、図5の2組の昇圧チョッパを使用した急速充電部6では、電流検出器60,70の出力I1,I2を制御して、IGBT62,72をオン・オフ制御する。このIGBT62,72の駆動回路は、前記図2,4と同様なものを使用できる。このようにして昇圧チョッパを2相制御して昇圧チョッパの入力電流I1,I2をオン・オフすれば、各相の昇圧チョッパからの出力電流電流i1,i2は、図9のように位相がずれた断続電流となる。
【0034】
すなわち、図9において、時刻t1〜t2間にIGBT62をオンにすると、端子AB間のバッテリー5からリアクトル61→IGBT62の回路に短絡電流が流れ、電流I1は上昇する。時刻t2〜t3間でIGBT62をオフにすると、リアクトル61に蓄えられたエネルギーがダイオード63を通過してバッテリー2を充電する。この電流がi1である。一方、IGBT72は、t2〜t3間でオンし、t3〜t4間でオフする。IGBT62とIGBT72は、位相差180゜でスイッチングされる。このように各昇圧チョッパから出力される急速充電電流は、それぞれi1,i2となるので、これらの合成電流であるバッテリ充電電流はi1+i2となり、昇圧チョッパの入力電流に比較してそのリプル電流は少なくなる。更に、2組の昇圧チョッパの出力側に設けたコンデンサ64により、リプル電流をフィルタすることにより、負荷バッテリーの電流はより平滑化される。
【0035】
なお、この図9は、IGBT62,72のPWM制御回路によるPWMのデューティを50%とした場合の波形を示した。すなわち、図9のデューティ50%の時の波形はリプルが最も少ないが、PWM制御においてデューティ50%でない場合はリプルが増加する。この場合は、前記のようにコンデンサ64にフィルタ効果を持たせ、バッテリー2に流れるリプルは規定値以下になるようにする。
【0036】
次に、図6の降圧チョッパを2組用いて、2相電流制御した場合の波形を図10に示す。この図10もPWMのデューティ50%の場合を示す。図6の回路では、電流検出器65,75で検出した降圧チョッパの出力電流I1,I2により、IGBT62,72を制御することにより、各降圧チョッパにおいて図10に示すような180°位相がずれた波形の電流を得る。2相の降圧チョッパの出力を合成することで、2つの降圧チョッパの出力電流i1のリプルと出力電流i2のリプルが打ち消し、負荷バッテリー2に流れる電流i1+i2のリプルは0なる。なお、この回路では、デューティが50%以外でも、リプルは非常に少なくなる。
【0037】
[1−3.効果]
以上のような、実施例1と従来技術の効果を比較すると次の通りである。
【0038】
(1)低速充電部の力率と効率
図15に示した従来の低速充電部と、実施例1の低速充電部である図1又は図3を比較する。従来技術では、力率≒1の正弦波コンバータを使用しているため、その力率は非常によい。実施例1は、図7の波形のため力率はやや低くなるが、その波形は正弦波に近いため極端に低下することはなく、正弦波コンバータに近い力率を得ることができる。
【0039】
半導体通過回数を高速半導体スイッチング素子に換算して比較すると、従来技術は3回であるのに対して、本実施例は、ダイオードブリッジ43,53において低速ダイオードを2回通過する。この低速ダイオードは、高速ダイオードに対して電圧降下が1/1.5で、スイッチングによるロスが無いため損失が1/2とみなすことができる。そのため、ダイオードブリッジ43,53部分を高速素子に換算すると1回とみなすことができるため、低速充電部全体では高速半導体スイッチング素子2回となるので、実施例1が有利である。こられらを考慮すると効率は実施例1の方が高い。
【0040】
(2)変圧器部
変圧器部の比較では、急速充電部6に変圧器を配置する従来技術では、400V,300Aで5分間の充電を行うには、150kVAで5分間の定格の変圧器が必要となる。変圧器の大きさは、1/√fにほぼ比例するので、例えばf=15kHzのインバータトランスを使用した場合f≒10〜15kHzであり、50Hzの商用交流電源を使用する実施例1より小型である。実施例1では、15kVA程度の変圧器となるが、周波数が50Hzとなるので大きさでは、実施例1がやや不利である。しかし、変圧器部の損失を考慮すると、150kVAの従来技術に比較して、小容量の15kVAの変圧器で済む実施例1の方が格段に優れている。
【0041】
(3)急速充電部
急速充電部6の比較では、従来技術では高速半導体スイッチング素子の通過回数が4回となる。これに対して、実施例1では、図5又は図6に示すように、高速半導体スイッチング素子の通過回数は1回となるので、実施例1のほうが著しく有利であり、効率も実施例1が非常に良い。
(4)システム全体
システム全体で比較すると、実施例1が効率で有利である。また、急速充電部は、図5,図6,図9,図10のように2相電流制御することにより出力リプルを著しく減少させることができ、負荷バッテリーの寿命を長くすることができる。
【実施例2】
【0042】
図11は、本発明に係る実施例2の高速電部6の構成図である。この実施例2では、バッテリー5からの入力端子A,Bに2系統のチョッパ回路を並列に接続し、これらのチョッパ回路を介してバッテリー2を充電する。すなわち、第1のチョッパ回路には、IGBT62、ダイオード63、リアクトル64、電流検出器65からなる降圧チョッパと、IGBT621,ダイオード631とフィルタ用コンデンサ641,リアクトル64,電流検出器65からなる昇圧チョッパを設ける。第2のチョッパ回路にも、IGBT72,ダイオード73,リアクトル74,電流検出器75からなる降圧チョッパと、IGBT721,ダイオード731,コンデンサ642からなる昇圧チョッパを設ける。
【0043】
このような実施例2では、図12に示すように、電流基準I*と電流検出器65からの検出電流に65を入力したPID増幅器100により電流制御を行う。すなわち、PID増幅器100の出力Vが50%以上になると第1のPWM回路101が動作する。第1のPWM回路101によりIGBT621をオンオフするようPMW制御し、出力Vが50%以下で第2のPWM回路102が動作し、IGBT62を駆動する。IGBT62がPWM制御している出力Vが低い場合は、IGBT621はオフのままであり、降圧チョッパとして動作する。この場合、端子AB間電圧より、バッテリー2の電圧が高くなると電流が流れなくなるので、第2のPWM回路102はIGBT62をオン状態にし、出力Vが増加し、第1のPWM回路101を動作させるように作用して、IGBT621がオンオフして昇圧チョッパとして動作する。
【0044】
このような構成の実施例2では、2組の昇降圧チョッパを2相制御して、充電電流のリプルを減少させることができる。また、昇降圧チョッパを使用しているので、負荷バッテリー2の電圧が大幅に変わるような場合、例えばバッテリーの代わりに電気二重層コンデンサ等に適している。
【符号の説明】
【0045】
1…電気自動車
2…動力源用バッテリー
3…交流電源
4…低速充電部
5…バッテリー
6…急速充電部
10…ブレーカー
12,13,14…コンデンサ
15,16…電流検出器
17,18,19…リアクトル
20…IGBTブリッジ
21…コンデンサ
22…IGBTブリッジ
23…高周波変圧器
24…ダイオードブリッジ
25…リアクトル
26…電流検出器
27…コンデンサ
28…接触器
31…電流検出器
32…リアクトル
33…IGBT
34…ダイオード
40…変圧器
41…2次側△巻線
42…2次側Y巻線
43,53…ダイオードブリッジ
44,54…コンデンサ
45,55…電流検出器
46,56、IGBT
47,57、…リアクトル
48,58…ダイオード
49,59…コンデンサ
471,474…PID増幅器
472,475…PWM回路
473,476…IGBT駆動回路
60,70…電流検出器
61,71…リアクトル
62,72…IGBT
63,73…ダイオード
64,66,641,642…コンデンサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のバッテリーや大容量コンデンサを急速充電する急速充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車等のバッテリーや大容量コンデンサを急速充電する急速充電装置としては、比較的長時間をかけて充電されるバッテリーと、このバッテリーから電気自動車等の動力源用バッテリーを急速充電するための急速充電部とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図13は、この急速充電装置の構成の全体図である。図13において、1は車軸をモータで動かす電気自動車であり、2はそのモータに電力を供給する動力源用バッテリーである。3は、数10kVA程度の電力を給電する交流電源であり、4は交流電源3に接続され比較的長時間かけて充電される低速充電部である。5は、低速充電部4により常時充電されるバッテリーである。6は、バッテリーから電力を供給され、動力源用バッテリー2を充電する急速充電部である。この急速充電装置では、交流電源3から低速充電部4を介して、バッテリー5を小電流で緩やかに充電しておき、バッテリー5から急速充電部6を介して電気自動車1の動力源用バッテリー2を急速に充電する。
【0004】
現在利用されている電気自動車のバッテリー急速充電装置を図14に示し、その構成、動作の概要を説明する。交流電源3から、ブレーカ10、電流検出器15,16、リアクトル17〜19を通って3相PWMコンバータ20により、ほぼ力率=1の昇圧コンバータを構成する。この昇圧コンバータの交流側電流を正弦波状でしかも高力率に制御しながらコンデンサ21を充電する。交流側フィルタ用コンデンサ12〜14は、PWM制御による高周波電流を供給するためのものである。
【0005】
コンデンサ21の電圧はPWMインバータブリッジ22により高周波電圧(10kHz〜20kHz程度)に変換して、高周波トランス23の1次側へ供給する。高周波トランス23の2次側は、ダイオードブリッジ24で直流に変換し、リアクトル25とコンデンサ27によるフィルタ効果によりPWMに伴うリプルを低減し、電流検出器26で電流を検出して充電電流を制御する。接触器28は、負荷の無電流開閉装置である。
【0006】
現在の急速充電装置出力は、400V,100A程度で15分間充電を行っている。このため、交流電力は50kVA程度が必要となる。しかし、電気自動車においては従来のガソリンの給油時間との比較から、充電時間の15分は長すぎるという意見があり、5分程度の充電時間が要望されている。従来は、こんな短時間の充電はバッテリーの特性上の不可能であったが、最近酸化物系の電極材料を使用したリチウムイオン電池(商品名:SCiB(登録商標))が発表され5分間での充電が現実化して来ている。
【0007】
このような改良されたリチウムイオン電池を使用して、400V,300Aの充電を行えば、5分間での充電が可能となる。そこで、これを実現する急速充電装置を考えると、例えば、図15の様な回路が考えられる。すなわち、充電は400V,300Aで行い、その場合の120kWでの効率等を考えると、直接充電方式(図14)なら、交流電力は、150kVA程度必要となり、かなりの受電設備が必要となる。そのため、受電設備が高価となる。そこで、受電容量を15kVA程度で、出力120kWで5分間の充電を行うことのできる図15の回路が考えられる。
【0008】
この図15の回路は、図14の回路のPWMインバータブリッジに代えて、コンデンサ21の電圧からIGBT33,リアクトル32,ダイオード34,電流検出器31から成る降圧コンバータを設け、この降圧コンバータにより充電装置内のバッテリー5を緩やかに充電する。充電完了したバッテリー5の電圧を、高周波変換用のインバータ22を介して高周波トランス23のに印加して昇圧した後、ダイオードブリッジ24を介して車両側のバッテリー2の急速充電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−253461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような急速充電装置には、
(1) 交流入力容量が少ないこと
(2) 交流側が高力率であること
(3) 高効率な特性であること
という課題が要求される。
【0011】
しかしながら、特許文献1の発明では、急速充電装置の基本概念は示されているが、具体的な回路が提示されていない。また、交流電源と自動車バッテリー間に、絶縁が施されていないため、感電の危険があるという問題点があった。さらに、充電装置の効率を高めるために、交流電源側は高効率であることが必要であるが、その点については示唆されていない。
【0012】
前記図14や図15の回路は、前記(1) 〜(3) の課題を解決するために提案されたものではあるが、図14の回路では、交流入力容量が大きいことから、ごく短時間の急速充電には不適当であった。一方、図15の回路は、交流入力容量を小さくできるものの、交流電源から充電部終端までの半導体通過回数が多く効率が低くなる問題があった。
【0013】
また、図14や図15の回路では、3相PWMコンバータを使用しているが、この3相PWMコンバータは、高速半導体スイッチング素子を多数必要とするため、スイッチングロスが大きい。例えば、3相のうちの1相分の電流が通過する素子数を、高速半導体スイッチング素子に換算した半導体通過回数は、PWMコンバータ20部分で2回、降圧コンバータのIGBT33で1回の合計3回となる。また、急速充電部では、高周波インバータ22で2回、高周波ダイオードブリッジ24で2回の合計4回となる。このように、図14や図15の回路は高速半導体スイッチング素子の通過回数が多いため、効率が悪い欠点があった。
【0014】
前記の問題点を解決するため、図14や図15の回路に使用される3相PWMコンバータ20から成る昇圧コンバータに代えて、直流ダイオードブリッジを使用することも考えられる。確かに、直流ダイオードブリッジの場合には、IGBT33のような高速半導体スイッチング素子がないため、その部分でのスイッチングロスは少なくなり、効率は良くなる。その反面、直流ダイオードブリッジでは、3相PWMコンバータ20のようなほぼ力率=1の回路を構成することができず、交流側の力率低下という問題が生じる。
【0015】
本発明は、上記の問題点を解決するためのものであり、その目的は、少ない交流入力容量でありながら、スイッチングロスによる効率低下及び直流ダイオードブリッジの使用に伴う力率低下を防止して、高効率・高力率な急速充電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の目的を達成するために、本発明の急速充電装置は、交流電源から変圧器を介して30゜位相差の3相電源を得る手段、前記2組の3相電源から3相ダイオードブリッジで整流した直流を得て、その2組の直流出力部に小容量のコンデンサを接続し、この直流部から昇圧チョッパ又は降圧チョッパを介して充電部のバッテリー又は大容量コンデンサを充電する手段、前記バッテリー又は大容量コンデンサから2相の昇圧チョッパ又は降圧チョッパにより負荷のバッテリー又は大容量コンデンサを充電する手段により、急速充電部のバッテリー又は大容量コンデンサを急速充電することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、3相ダイオードブリッジを使用することにより、高速半導体スイッチング素子の使用個数を低減して、装置全体としてのスイッチングロスを低減することができる。また、3相交流電源から変圧器を介して30゜位相差の2組の電源を得て、これを2組の昇圧チョッパ又は降圧チョッパを介して並列にバッテリー又は大容量コンデンサに接続することにより、バッテリー又は大容量コンデンサに流れる充電電流のリプルを低下することができる。更に、3相交流電源から変圧器を介して30゜位相差の2組の電源を得る場合に、前記3相ダイオードブリッジの出力電流をフラットな波形に制御することで、交流電源側、すなわち変圧器の1次側の電流波形を正弦波波形に近いものとすることができ、高高率な電流を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例1における低速充電部の回路図。
【図2】本発明の実施例1におけるIGBT駆動回路部分のブロック図及び入出力波形図。
【図3】本発明の実施例1の変形例における低速充電部の回路図。
【図4】本発明の実施例1の変形例におけるIGBT駆動回路部分のブロック図及び入出力波形図。
【図5】本発明の実施例1における急速充電部の回路図。
【図6】本発明の実施例1の変形例における急速充電部の回路図。
【図7】本発明の実施例1における変圧器1次側電流の波形図。
【図8】図7の電流波形が得られる理由を説明する変圧器部分のブロック図及び入出力電流の波形図。
【図9】図5の急速充電部の各部における電流波形図。
【図10】図6の急速充電部の各部における電流波形図。動作説明図従来方式と本案の比較表
【図11】本発明の実施例2における高速充電部の回路図。
【図12】実施例2におけるIGBT駆動回路部分のブロック図。
【図13】従来の電気自動車用急速充電装置の基本的な構成を示すブロック図。
【図14】従来の急速充電装置の一例を示す回路図。
【図15】従来の急速充電装置の他の例を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る急速充電装置の実施例を図面を参照して説明する。前記従来技術及び各実施例で同一又は類似の構成部分には、共通の符号を付し、重複する説明は省略する。
【実施例1】
【0020】
[1−1.構成]
図1は、実施例1の低速充電部4の構成図である。この低速充電部4は、交流電源3から変圧器40を介して、30度の位相差がある2次側△巻線41と2次側Y巻線42の電源をそれぞれダイオードブリッジ43,53で整流した2組の直流部を有する。各直流部には、それぞれ小容量のコンデンサ44,54を前記ダイオードブリッジ43,53に対して並列に接続する。これらダイオードブリッジと小容量コンデンサに対して、電流検出器45,55を介して、昇圧チョッパを接続する。この昇圧チョッパは、それぞれリアクトル46,56、IGBT47,57、ダイオード48,58から構成する。各組の昇圧チョッパのダイオード48,58の出力側を充電バッテリ5に接続して充電部を構成する。コンデンサ49,59は、サージ抑制用のコンデンサで、ダイオード48,58の出力側とIGBT47,57のエミッタ側に接続する。
【0021】
図2(A)は、前記昇圧チョッパを構成するIGBT47の制御回路を示す。なお、IGBT57の制御回路は、同一構成のため、説明は省略する。この制御回路は、電流基準I*と電流検出器45の出力I1を入力するPID増幅器471と、このPID増幅器471の出力をPWM信号にするPWM回路472を有する。PWM回路472からのPWM信号によりIGBT駆動回路473を介してIGBT47をPWM制御し、昇圧チョッパからの出力電流I12を3相ブリッジ出力電圧と同じ波形となるように制御する。そのため、電流基準I*としては、図2(B)のような一定値の電流を供給する。
【0022】
図3は、前記図1に示す実施例1の変形例である。図2の低速充電部4は、図1の昇圧チョッパの部分を降圧チョッパに変更したものである。すなわち、図1の昇圧チョッパの部分が、IGBT47、ダイオード48、リアクトル46、電流検出器45からなる第1の降圧チョッパと、IGBT57、ダイオード58、リアクトル56、電流検出器55からなる第2の降圧チョッパから構成されている。
【0023】
図4(A)は、図3の降圧チョッパを構成するIGBT47の制御回路を示す。なお、IGBT57の制御回路は、同一構成のため、説明は省略する。この制御回路は、電流基準I*と電流検出器45の出力I1を入力するPID増幅器474と、このPID増幅器474の出力をPWM信号にするPWM回路475を有する。PWM回路475からのPWM信号によりIGBT駆動回路476を介してIGBT47をPWM制御し、降圧チョッパからの入力電流I11を一定値に制御する。そのため、電流基準I*としては、図4(B)のような3相ブリッジ出力電圧波形と同形状の波形の電流を供給する。
【0024】
次に、急速充電部6の一例について、図5により説明する。図5のA端子は、図1又は図3のa端子と、B端子はb端子と接続する。この急速充電部6は、電流検出器60を介して、リアクトル61,IGBT62,ダイオード63からなる第1の昇圧チョッパと、電流検出器70を介してリアクトル71,IGBT72,ダイオード73から成る第2の昇圧チョッパの出力側を共通化する。これら昇圧チョッパの出力側には、フィルタ用コンデンサ64を接続して、負荷のバッテリー2を接続する。なお、フィルタ用コンデンサ64は、充電リプル許容値が大きい場合には、省略しても良い。
【0025】
図6は、急速充電部6の変形例である。この急速充電部6において、前記図1又は図3の低速充電部に接続するための端子A,Bの接続方法は、図5と同様である。図6の急速充電部は、IGBT62,ダイオード63,リアクトル64,電流検出器65からなる第1の降圧チョッパと、IGBT72,ダイオード73,リアクトル74,電流検出器75からなる第2の降圧チョッパを有する。これら2組の降圧チョッパの出力側を並列に接続し、負荷のバッテリー2に接続する。端子A,B間に接続したコンデンサ66は、IGBT62,72のサージ吸収用である。
【0026】
[1−2.作用]
このような構成を有する実施例1の動作を図1及び図2により説明する。図2(A)に示すように、電流基準I*と電流検出器45の出力IとをPID増幅器471で増幅し、PWM回路472でPWM信号にする。このPWM信号によりIGBT駆動回路473を介して、IGBT47をPWM制御し、電流I1を一定に制御する。実際の電流I1には、キャリア周波数のPWMリプルが含まれているが、このリプルをコンデンサ44で平滑化することで、ダイオードブリッジ43の出力電流I11は、図2(B)に示すように一定値となる。
【0027】
一方、昇圧チョッパの出力電流I12は、図2(B)に示すように、3相ブリッジ出力電圧と同じ波形となる。その理由は、昇圧チョッパ入力電圧は、3相ブリッジ出力電圧波形で、その出力電流フラットな波形のため、チョッパ入力電力は、3相ブリッジ出力電圧波形状となる。チョッパ出力の電圧は、バッテリー5の電圧で一定値のため入力電力=出力電力のため、出力電流I12は、3相ブリッジ電圧波形状となる。
【0028】
図1では、このようなチョッパ回路出力を2組並列にしているので、PMWのキャリアを180゜差にする。これにより、2相制御となり出力電流のリプルはきわめて少なくなる。このように、ダイオードブリッジ出力電流I11をフラットな波形に制御して、交流電源側を図1に示すように30゜の位相差を持たせた場合、交流電源側電流波形は、図7に示すように高調波の少ない電流波形となり高力率運転が可能となる。
【0029】
この点を図8によって、具体的に説明する。図8(A)において、3は交流電源、40は変圧器、41は2次側△巻線、42は2次側Y巻線、43,53はダイオードブリッジである。IACは変圧器40の1次側電流、Iacbは2次側△巻線41からの出力電流、Iacbは2次側Y巻線42からの出力電流、I11aはダイオードブリッジ43の出力電流、I11bはダイオードブリッジ53の出力電流である。この場合、変圧器40の1次側の電流IACは、2次側△巻線41からの出力電流Iacbによって定まるI411と、2次側Y巻線42からの出力電流Iacbによって定まるI421の合成波形となる。
【0030】
従って、図8(B)に示すように、ダイオードブリッジ43,53の出力電流I11a,I11bを一定に制御すると、2次側△巻線41の1次側電流I411と、2次側Y巻線42の1次側電流I421は図8(C)のようになる。このため、変圧器1次側電流I411とI421の合成波形IACは、図8(C)に示すように正弦波波形に近づいて高力率な電流になる。
【0031】
次に、図1及び図2に示した実施例1の変形例である図3及び図4の回路の動作を説明する。図4(A)に示すように、電流基準I*として、図4(B)に示すような3相全波整流波形の電流を供給し、これを電流検出器45の出力I1とを比較し、PID増幅器474で増幅する。このPID増幅器474からの出力をPWM回路475でPWM信号にして、IGBT駆動回路476を介してIGBT47を駆動する。電流基準I*と電流検出器出力電流I1はほぼ同形となる。但し、電流検出器出力電流I1には、PWMキャリアによるリプルが重乗している。このため、バッテリー5に流入する電力は、バッテリー電圧一定、流入電流I12は3相全波整流波形状となる。ダイオードブリッジ43の出力電流I11は、バッテリー入力電力を電圧で割った波形となるので、出力電流I11はフラットな一定電流となる。
【0032】
このような図3及び図4に示す降圧チョッパを使用した低速充電回路4においても、交流電源電流は図7に示すように、正弦波に近い波形となり高力率である。
【0033】
一方、図5の2組の昇圧チョッパを使用した急速充電部6では、電流検出器60,70の出力I1,I2を制御して、IGBT62,72をオン・オフ制御する。このIGBT62,72の駆動回路は、前記図2,4と同様なものを使用できる。このようにして昇圧チョッパを2相制御して昇圧チョッパの入力電流I1,I2をオン・オフすれば、各相の昇圧チョッパからの出力電流電流i1,i2は、図9のように位相がずれた断続電流となる。
【0034】
すなわち、図9において、時刻t1〜t2間にIGBT62をオンにすると、端子AB間のバッテリー5からリアクトル61→IGBT62の回路に短絡電流が流れ、電流I1は上昇する。時刻t2〜t3間でIGBT62をオフにすると、リアクトル61に蓄えられたエネルギーがダイオード63を通過してバッテリー2を充電する。この電流がi1である。一方、IGBT72は、t2〜t3間でオンし、t3〜t4間でオフする。IGBT62とIGBT72は、位相差180゜でスイッチングされる。このように各昇圧チョッパから出力される急速充電電流は、それぞれi1,i2となるので、これらの合成電流であるバッテリ充電電流はi1+i2となり、昇圧チョッパの入力電流に比較してそのリプル電流は少なくなる。更に、2組の昇圧チョッパの出力側に設けたコンデンサ64により、リプル電流をフィルタすることにより、負荷バッテリーの電流はより平滑化される。
【0035】
なお、この図9は、IGBT62,72のPWM制御回路によるPWMのデューティを50%とした場合の波形を示した。すなわち、図9のデューティ50%の時の波形はリプルが最も少ないが、PWM制御においてデューティ50%でない場合はリプルが増加する。この場合は、前記のようにコンデンサ64にフィルタ効果を持たせ、バッテリー2に流れるリプルは規定値以下になるようにする。
【0036】
次に、図6の降圧チョッパを2組用いて、2相電流制御した場合の波形を図10に示す。この図10もPWMのデューティ50%の場合を示す。図6の回路では、電流検出器65,75で検出した降圧チョッパの出力電流I1,I2により、IGBT62,72を制御することにより、各降圧チョッパにおいて図10に示すような180°位相がずれた波形の電流を得る。2相の降圧チョッパの出力を合成することで、2つの降圧チョッパの出力電流i1のリプルと出力電流i2のリプルが打ち消し、負荷バッテリー2に流れる電流i1+i2のリプルは0なる。なお、この回路では、デューティが50%以外でも、リプルは非常に少なくなる。
【0037】
[1−3.効果]
以上のような、実施例1と従来技術の効果を比較すると次の通りである。
【0038】
(1)低速充電部の力率と効率
図15に示した従来の低速充電部と、実施例1の低速充電部である図1又は図3を比較する。従来技術では、力率≒1の正弦波コンバータを使用しているため、その力率は非常によい。実施例1は、図7の波形のため力率はやや低くなるが、その波形は正弦波に近いため極端に低下することはなく、正弦波コンバータに近い力率を得ることができる。
【0039】
半導体通過回数を高速半導体スイッチング素子に換算して比較すると、従来技術は3回であるのに対して、本実施例は、ダイオードブリッジ43,53において低速ダイオードを2回通過する。この低速ダイオードは、高速ダイオードに対して電圧降下が1/1.5で、スイッチングによるロスが無いため損失が1/2とみなすことができる。そのため、ダイオードブリッジ43,53部分を高速素子に換算すると1回とみなすことができるため、低速充電部全体では高速半導体スイッチング素子2回となるので、実施例1が有利である。こられらを考慮すると効率は実施例1の方が高い。
【0040】
(2)変圧器部
変圧器部の比較では、急速充電部6に変圧器を配置する従来技術では、400V,300Aで5分間の充電を行うには、150kVAで5分間の定格の変圧器が必要となる。変圧器の大きさは、1/√fにほぼ比例するので、例えばf=15kHzのインバータトランスを使用した場合f≒10〜15kHzであり、50Hzの商用交流電源を使用する実施例1より小型である。実施例1では、15kVA程度の変圧器となるが、周波数が50Hzとなるので大きさでは、実施例1がやや不利である。しかし、変圧器部の損失を考慮すると、150kVAの従来技術に比較して、小容量の15kVAの変圧器で済む実施例1の方が格段に優れている。
【0041】
(3)急速充電部
急速充電部6の比較では、従来技術では高速半導体スイッチング素子の通過回数が4回となる。これに対して、実施例1では、図5又は図6に示すように、高速半導体スイッチング素子の通過回数は1回となるので、実施例1のほうが著しく有利であり、効率も実施例1が非常に良い。
(4)システム全体
システム全体で比較すると、実施例1が効率で有利である。また、急速充電部は、図5,図6,図9,図10のように2相電流制御することにより出力リプルを著しく減少させることができ、負荷バッテリーの寿命を長くすることができる。
【実施例2】
【0042】
図11は、本発明に係る実施例2の高速電部6の構成図である。この実施例2では、バッテリー5からの入力端子A,Bに2系統のチョッパ回路を並列に接続し、これらのチョッパ回路を介してバッテリー2を充電する。すなわち、第1のチョッパ回路には、IGBT62、ダイオード63、リアクトル64、電流検出器65からなる降圧チョッパと、IGBT621,ダイオード631とフィルタ用コンデンサ641,リアクトル64,電流検出器65からなる昇圧チョッパを設ける。第2のチョッパ回路にも、IGBT72,ダイオード73,リアクトル74,電流検出器75からなる降圧チョッパと、IGBT721,ダイオード731,コンデンサ642からなる昇圧チョッパを設ける。
【0043】
このような実施例2では、図12に示すように、電流基準I*と電流検出器65からの検出電流に65を入力したPID増幅器100により電流制御を行う。すなわち、PID増幅器100の出力Vが50%以上になると第1のPWM回路101が動作する。第1のPWM回路101によりIGBT621をオンオフするようPMW制御し、出力Vが50%以下で第2のPWM回路102が動作し、IGBT62を駆動する。IGBT62がPWM制御している出力Vが低い場合は、IGBT621はオフのままであり、降圧チョッパとして動作する。この場合、端子AB間電圧より、バッテリー2の電圧が高くなると電流が流れなくなるので、第2のPWM回路102はIGBT62をオン状態にし、出力Vが増加し、第1のPWM回路101を動作させるように作用して、IGBT621がオンオフして昇圧チョッパとして動作する。
【0044】
このような構成の実施例2では、2組の昇降圧チョッパを2相制御して、充電電流のリプルを減少させることができる。また、昇降圧チョッパを使用しているので、負荷バッテリー2の電圧が大幅に変わるような場合、例えばバッテリーの代わりに電気二重層コンデンサ等に適している。
【符号の説明】
【0045】
1…電気自動車
2…動力源用バッテリー
3…交流電源
4…低速充電部
5…バッテリー
6…急速充電部
10…ブレーカー
12,13,14…コンデンサ
15,16…電流検出器
17,18,19…リアクトル
20…IGBTブリッジ
21…コンデンサ
22…IGBTブリッジ
23…高周波変圧器
24…ダイオードブリッジ
25…リアクトル
26…電流検出器
27…コンデンサ
28…接触器
31…電流検出器
32…リアクトル
33…IGBT
34…ダイオード
40…変圧器
41…2次側△巻線
42…2次側Y巻線
43,53…ダイオードブリッジ
44,54…コンデンサ
45,55…電流検出器
46,56、IGBT
47,57、…リアクトル
48,58…ダイオード
49,59…コンデンサ
471,474…PID増幅器
472,475…PWM回路
473,476…IGBT駆動回路
60,70…電流検出器
61,71…リアクトル
62,72…IGBT
63,73…ダイオード
64,66,641,642…コンデンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源から急速充電装置内部のバッテリー又は大容量コンデンサを充電する低速充電部と、前記バッテリー又は大容量コンデンサから負荷のバッテリー又は大容量コンデンサを大電力で急速に充電する急速充電部から成る急速充電装置において、
前記低速充電部が、交流電源に接続した変圧器の2次側に30゜位相差で取り出された2組の交流電源と、この交流電源にそれぞれ接続された3相ダイオードブリッジを備えた2組の直流部と、この直流部の出力側に接続された2組の降圧チョッパ回路又は昇圧チョッパ回路を備え、
各組のチョッパ回路が前記装置内部のバッテリー又は大容量コンデンサの入力側に並列に接続されていることを特徴とする急速充電装置。
【請求項2】
前記チョッパ回路が、チョッパ回路に流れる電流を検出する電流検出器を備え、この電流検出器によるチョッパ回路の電流と電流基準とに基づいてPWM制御することにより、チョッパ回路から出力する装置内部のバッテリー又は大容量コンデンサへの充電電流波形を3相全波波形状に制御することを特徴とする請求項1に記載の急速充電装置。
【請求項3】
前記2組のチョッパ回路が、チョッパ回路に流れる電流を検出する電流検出器を備え、この電流検出器によるチョッパ回路の電流とフラットな電流基準とに基づいてPWM制御することにより、チョッパ回路から出力する装置内部のバッテリー又は大容量コンデンサへの充電電流波形を3相全波波形状に制御するものであって、
2組のチョッパ回路から出力される3相全波波形状の充電電流のリプルの位相差を180°として充電電流のリプルを平滑化したことを特徴とする請求項1に記載の急速充電装置。
【請求項4】
前記各組のチョッパ回路が、チョッパ回路に流れる電流を検出する電流検出器を備え、この電流検出器によるチョッパ回路の電流と電流基準を3相全波整流波形とすると共に、これら3相全波整流波形を持つチョッパ回路の電流と電流基準に基づいてチョッパ回路をPWM制御することにより、チョッパ回路から出力する装置内部のバッテリー又は大容量コンデンサへの充電電流波形のリプルの位相差を180°とし充電電流をフラットな波形としたことを特徴とする請求項1に記載の急速充電装置。
【請求項5】
前記低速充電部が、前記変圧器の2次側に30゜位相差で取り出された2組の交流電源に接続された前記2組の3相ダイオードブリッジの出力電流を一定に制御するものであって、この2組の3相ダイオードブリッジの出力電流に対応する変圧器の2組の2次巻線によって定まる変圧器の1次巻線の電流が正弦波に近い波形を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の急速充電装置。
【請求項6】
前記急速充電部は、2相の昇圧チョッパを有するチョッパ回路、2相の降圧チョッパを有するチョッパ回路、又は昇圧チョッパと降圧チョッパを組み合わせた2相のチョッパ回路のいずれか1つを介して負荷のバッテリー又は大容量コンデンサに接続され、
前記2相のチョッパ回路からの出力のリプルが位相差180°で前記負荷のバッテリーまたは大容量コンデンサを急速充電することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の急速充電装置。
【請求項1】
交流電源から急速充電装置内部のバッテリー又は大容量コンデンサを充電する低速充電部と、前記バッテリー又は大容量コンデンサから負荷のバッテリー又は大容量コンデンサを大電力で急速に充電する急速充電部から成る急速充電装置において、
前記低速充電部が、交流電源に接続した変圧器の2次側に30゜位相差で取り出された2組の交流電源と、この交流電源にそれぞれ接続された3相ダイオードブリッジを備えた2組の直流部と、この直流部の出力側に接続された2組の降圧チョッパ回路又は昇圧チョッパ回路を備え、
各組のチョッパ回路が前記装置内部のバッテリー又は大容量コンデンサの入力側に並列に接続されていることを特徴とする急速充電装置。
【請求項2】
前記チョッパ回路が、チョッパ回路に流れる電流を検出する電流検出器を備え、この電流検出器によるチョッパ回路の電流と電流基準とに基づいてPWM制御することにより、チョッパ回路から出力する装置内部のバッテリー又は大容量コンデンサへの充電電流波形を3相全波波形状に制御することを特徴とする請求項1に記載の急速充電装置。
【請求項3】
前記2組のチョッパ回路が、チョッパ回路に流れる電流を検出する電流検出器を備え、この電流検出器によるチョッパ回路の電流とフラットな電流基準とに基づいてPWM制御することにより、チョッパ回路から出力する装置内部のバッテリー又は大容量コンデンサへの充電電流波形を3相全波波形状に制御するものであって、
2組のチョッパ回路から出力される3相全波波形状の充電電流のリプルの位相差を180°として充電電流のリプルを平滑化したことを特徴とする請求項1に記載の急速充電装置。
【請求項4】
前記各組のチョッパ回路が、チョッパ回路に流れる電流を検出する電流検出器を備え、この電流検出器によるチョッパ回路の電流と電流基準を3相全波整流波形とすると共に、これら3相全波整流波形を持つチョッパ回路の電流と電流基準に基づいてチョッパ回路をPWM制御することにより、チョッパ回路から出力する装置内部のバッテリー又は大容量コンデンサへの充電電流波形のリプルの位相差を180°とし充電電流をフラットな波形としたことを特徴とする請求項1に記載の急速充電装置。
【請求項5】
前記低速充電部が、前記変圧器の2次側に30゜位相差で取り出された2組の交流電源に接続された前記2組の3相ダイオードブリッジの出力電流を一定に制御するものであって、この2組の3相ダイオードブリッジの出力電流に対応する変圧器の2組の2次巻線によって定まる変圧器の1次巻線の電流が正弦波に近い波形を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の急速充電装置。
【請求項6】
前記急速充電部は、2相の昇圧チョッパを有するチョッパ回路、2相の降圧チョッパを有するチョッパ回路、又は昇圧チョッパと降圧チョッパを組み合わせた2相のチョッパ回路のいずれか1つを介して負荷のバッテリー又は大容量コンデンサに接続され、
前記2相のチョッパ回路からの出力のリプルが位相差180°で前記負荷のバッテリーまたは大容量コンデンサを急速充電することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の急速充電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−284004(P2010−284004A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135557(P2009−135557)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(391017540)東芝ITコントロールシステム株式会社 (107)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(391017540)東芝ITコントロールシステム株式会社 (107)
【Fターム(参考)】
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