説明

情報提供装置及びナビゲーション装置

【課題】経路上であるか否かに係らず指定された地点まで電気自動車が走行する際に予測される蓄電池の充電回数を利用者に提供することができるような「情報提供装置」を提供することである。
【解決手段】現在地点から指定された地点までの予想走行距離を演算する予測走行距離演算手段(S17)と、前記指定された地点まで当該電気自動車が走行する際に予測される前記蓄電池の充電回数を前記予測走行距離、前記充電池の残蓄電量及びその容量に基づいて演算する充電回数演算手段(S18)と、前記指定された地点と、前記演算された充電回数を表す情報とを対応付けて前記表示部に表示させる表示制御手段(図4)とを有するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に搭載され、利用者に提供すべき情報を表示する表示部を有する情報提供装置、及びそのような情報提供装置が適用されるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、登録された経路を走行するのに必要な燃料消費量を算出するとともに、燃料残量を検出し、これら算出される燃料消費量と検出される燃料残量とに基づいて前記経路を繰り返し走行する際に給油を行う給油タイミングを決定して利用者に案内する給油案内システムが提案されている(特許文献1参照)。この給油案内システムによれば、通勤などに用いる同一経路を繰り返し走行する場合において、効率的に給油を行うべきタイミングを利用者に対して案内することが可能となり、利用者の利便性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第2007−78368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の給油案内システムでは、通勤経路など繰り返し利用する経路として予め登録された経路上にない地点まで車両が走行する場合には、給油に関する情報を提供することについては、特に考慮されていない。
【0005】
ところで、充電可能な蓄電池に貯められた電気を動力源のエネルギーとして用いて走行する電気自動車が通勤などに用いる同一経路を繰り返し走行する場合において、前述した従来の給油案内システムの技術を利用すれば、効率的に蓄電池の充電を行うべきタイミングを利用者に対して案内することが可能となり、電気自動車の利用者の利便性が向上する。
【0006】
しかしながら、電気自動車の充電タイミングを提供するために前述した従来の給油案内システムの技術を利用したとしても、前述したのと同様、予め登録された経路上にない地点まで車両が走行する場合には、充電に関する情報の提供について、特に考慮されることはない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、予め設定された経路上であるか否かに係らず指定された地点まで電気自動車が走行する際に予測される蓄電池の充電回数を利用者に提供することができるような情報提供装置及びそのような情報提供装置が適用されるナビゲーション装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報提供装置は、充電可能な蓄電池に貯められた電気を動力源のエネルギーとして用いて走行する電気自動車に搭載され、利用者に提供すべき情報を表示する表示部を有する情報提供装置であって、現在地点から指定された地点までの予想走行距離を演算する予測走行距離演算手段と、前記指定された地点まで当該電気自動車が走行する際に予測される前記蓄電池の充電回数を前記予測走行距離、前記充電池の残蓄電量及びその容量に基づいて演算する充電回数演算手段と、前記指定された地点と、前記演算された充電回数を表す情報とを対応付けて前記表示部に表示させる表示制御手段とを有する構成となる。
【0009】
このような構成により、現在地点から指定された地点まで電気自動車が走行する際に予想される蓄電池の充電回数が、予測走行距離、蓄電池の残蓄電量及びその容量に基づいて演算され、その演算された充電回数を表す情報が前記指定された地点と対応づけて表示部に表示される。
【0010】
前記充電回数を表す情報は、充電回数を表しうる情報であれば特に限定されず、当該充電回数を表す数字そのものであっても、図形、色等にて表す情報であってもよい。例えば、前記表示制御手段は、前記充電回数を表す情報として充電回数に対応した色の部分を前記表示部に表示させるように構成することができる。
【0011】
このような構成により、指定された地点とともに充電回数に対応した色の部分が表示部に表示されるようになる。利用者は、表示部に表示された色の部分の当該色に基づいて前記指定された地点まで電気自動車が走行する際に予想される充電回数を直感的把握することができる。
【0012】
また、本発明に係る情報提供装置において、複数の地点が指定される場合、前記予測走行距離演算手段は、現在地点から前記指定される複数の地点それぞれまでの予測走行距離を演算し、前記充電回数演算手段は、前記複数の指定された地点のそれぞれまで当該電気自動車が走行する際に予測される前記蓄電池の充電回数を演算し、表示制御手段は、前記複数の指定された地点のそれぞれと対応する充電回数を表す情報とを対応づけたリストを前記表示部に表示させるように構成することができる。
【0013】
このような構成により、複数の指定された地点のそれぞれとその地点まで電気自動車が走行する際に予測される充電回数を表す情報とを対応づけたリストが表示部に表示される。
利用者は、表示部に表示された前記リストに含まれる複数の指定された地点を予想される充電回数に基づいて比較評価することができるようになる。
【0014】
更に、本発明に係る情報提供装置において、前記表示制御手段は、充電回数が少ない順に従って、前記複数の指定された地点のそれぞれと対応する充電回数を表す情報とを対応づけたリストを表示部に表示させるように構成することができる。
【0015】
このような構成により、充電回数が少ない順に従って、複数の指定された地点のそれぞれとその地点まで電気自動車が走行する際に予測される充電回数を表す情報とを対応づけたリストが表示部に表示される。利用者は、表示部に表示された前記リストに含まれる複数の指定された地点の順序に従って各指定された地点の充電回数に基づいた比較評価を直感的にすることができる。
【0016】
本発明に係るナビゲーション装置は、充電充可能な蓄電池に貯められた電気を動力源のエネルギーとして用いて走行する電気自動車に搭載され、目的地の候補となる目的候補地を検索することのできるナビゲーション装置であって、現在地点から検索により得られた目的候補地までの予測走行距離を演算する予測走行距離演算手段と、前記目的候補地まで当該電気自動車が走行する際に予測される前記蓄電池の充電回数を前記予測走行距離、前記充電池の残蓄電量及びその容量に基づいて演算する充電回数演算手段と、前記目的地候補地と、前記演算された充電回数とを表す情報とを対応づけて表示部に表示させる表示制御手段とを有する構成となる。
【0017】
このような構成により、現在地点から検索により得られた目的候補地まで電気自動車が走行する際に予想される蓄電池の充電回数が、予測走行距離、蓄電池の残蓄電量及びその容量に基づいて演算され、その演算された充電回数を表す情報が前記目的候補地と対応づけて表示部に表示される。
【0018】
本発明に係るナビゲーション装置において、検索によって複数の目的候補地が得られたとき、前記予測走行距離演算手段は、現在地点から前記複数の目的候補地のそれぞれまでの予測走行距離を演算し、前記充電回数演算手段は、前記複数の目的候補地のそれぞれまで当該電気自動車が走行する際に予測される前記蓄電池の充電回数を演算し、表示制御手段は、前記複数の目的候補地のそれぞれと対応する充電回数を表す情報とを対応づけたリストを前記表示部に表示させるように構成することができる。
【0019】
このような構成により、検索により得られた複数の目的候補地のそれぞれとその目的候補地まで電気自動車が走行する際に予測される充電回数を表す情報とを対応づけたリストが表示部に表示される。利用者は、表示部に表示された前記リストに含まれる複数の目的候補地をその予想される充電回数に基づいて比較評価することができるようになる。
【0020】
また、本発明に係るナビゲーション装置において、前記表示制御手段は、充電回数が少ない順に従って、前記複数の目的候補地のそれぞれと対応する充電回数を表す情報とを対応づけたリストを表示部に表示させるように構成することができる。
【0021】
このような構成により、充電回数が少ない順に従って、検索により得られた複数の目的候補地のそれぞれとその目的候補地まで電気自動車が走行する際に予測される充電回数を表す情報とを対応づけたリストが表示部に表示される。利用者は、表示部に表示された前記リストに含まれる複数の目的候補地の順序に従って各指定された地点の充電回数に基づいた比較評価を直感的にすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る情報提供装置によれば、現在地点から指定された地点まで電気自動車が走行する際に予想される蓄電池の充電回数を表す情報が前記指定された地点と対応づけて表示部に表示されるようになるので、設定された経路上であるか否かに係らず指定された地点まで電気自動車が走行する際に予測される蓄電池の充電回数を利用者に提供することができるようになる。
【0023】
また、本発明に係るナビゲーション装置によれば、現在地点から検索により得られた目的候補地まで電気自動車が走行する際に予想される蓄電池の充電回数を表す情報が前記目的候補地と対応づけて表示部に表示されるようになるので、予め設定された経路上であるか否かに係らず検索により得られた目的候補地まで電気自動車が走行する際に予測される蓄電池の充電回数を利用者に提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報提供装置が適用されるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すナビゲーション装置の処理ユニットにてなされる目的候補地の検索及び各目的候補地に対して予測される充電回数の演算に係る処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】目的地設定モード選択画面を示す図である。
【図4】図1に示すナビゲーション装置の処理ユニットにてなされる表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】目的候補地のリストを含む目的地設定画面を示す図である。
【図6】選択された1つの目的地を表示する画面を示す図である。
【図7】目的地設定画面における目的候補地の他の配列例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0026】
本発明の実施の一形態に係る情報提供装置が適用されるナビゲーション装置は、図1に示すように構成される。
【0027】
図1において、電気自動車に搭載されるナビゲーション装置100は、コンピュータユニット(CPUを含む)にて構成される処理ユニット10を有している。処理ユニット10には、車両ナビゲーションに必要な位置情報を提供するためのGPSユニット16、センサ類17(ジャイロセンサ、加速度センサ等)及び地図情報及び各種情報を記憶する記憶部13(例えば、ハードディスクユニット)が接続されている。また、処理ユニット10には、車室内に設けられ、LCD等により構成される表示部12、操作ボタンや表示部12内に構成されるタッチパネル等からなる操作部11、車室内に設けられたスピーカ15に音声信号を供給する出力回路14が接続されている。
【0028】
処理ユニット10は、当該電気自動車の駆動システム200に結合している。駆動システム200は、動力源となる駆動モータ及びその駆動モータのエネルギーとなる電気を貯めるバッテリ(蓄電池)を含むとともに、各種センサ及び制御回路を含んでいる。処理ユニット10は、駆動システム200において検出される前記バッテリの残蓄電量を当該駆動システム200から適宜取得することができる。
【0029】
処理ユニット10は、操作部11からの操作入力に従って、ナビゲーションにより車両が到達すべき目的地の候補となる目的候補地を検索する機能を有している。そして、検索により得られた目的候補地から1つの目的候補地が目的地として選択されると、現在地点から当該目的地までの経路が設定される。処理ユニット100は、GPSユニット16及びセンサ類17からの各種情報及び記憶部13から読み出した地図情報に基づいて車両ナビゲーションに係る処理を実行し、表示部12にナビゲーションに係る地図とともに車両位置マーク及び設定された前記経路等を表示させる。また、処理ユニット10は、経路案内に係る種々のメッセージをスピーカ15から出力させるようにそのメッセージを表す音声信号を出力回路14に供給する。
【0030】
処理ユニット10は、操作部11から入力される検索条件に従って前述したように目的候補地の検索を実行するが、その検索によって得られる各目的候補地まで当該電気自動車が走行する際に予測されるバッテリの充電回数を演算し、その充電回数を表す情報を各目的候補地に対応づけて表示部12に表示させる情報提供装置としての機能を有している。
処理ユニット10は、図2に示す手順に従って目的候補地の検索及び各目的候補地まで車両が走行する際に予測されるバッテリの充電回数の演算に係る処理を実行する。
【0031】
図2において、処理ユニット10は、操作部11から入力される目的地設定モードを取得する(S11)。目的地の設定に際して、表示部12には、例えば、図3に示すように目的地設定モード選択画面が表示される。この目的地設定モード選択画面では、ジャンル別検索に従って目的地を設定するモード「ジャンル別検索」、入力された住所に対応した目的地を検索して設定する「入力検索」、電話番号に対応した目的地を検索して設定する「電話番号検索」、予めメモリに記憶した地点から目的地を選択して設定する「メモリ地点検索」、既に目的地として設定した地点の履歴情報から目的地を選択して設定する「履歴地点検索」の各モードから目的地設定モードを選択することができる。そして、利用者がこの目的地設定モード設定画面において操作部11を利用して1つの設定モードを選択すると、その情報が処理ユニット10に提供される。
【0032】
処理ユニット10は、操作部11での入力操作に基づいた目的地設定モードを取得すると、取得した目的地設定モードに従って、目的候補地の検索を実行する(S12)。例えば、「ジャンル別検索」の目的地設定モードが選択された場合、操作部11の操作により指定されるジャンル(遊園地、ゴルフ場、公共施設等)に該当する施設が目的候補地として記憶部13に保存されたデータベースから検索される。なお、通信機能を有するナビゲーション装置では、データセンタに設置されたホストシステムと通信を行って、該ホストシステム内のデータベースから指定されたジャンルに該当する施設を目的候補地として検索することもできる。
【0033】
処理ユニット10は、検索により得られた目的候補地に関する情報(名称及び位置情報を含む)を内部メモリに保存する(S13)。そして、処理ユニット10は、GPSユニット16からの信号に基づいて自車両の現在位置を取得し(S14)、更に、駆動システム200からバッテリの残蓄電量を取得する(S15)。
【0034】
その後、処理ユニット10は、内部メモリに保存された目的候補地の情報から1つの目的候補地の情報を指定して当該内部メモリから読み出す(S16)。そして、処理ユニット10は、現在地点から指定した目的候補地までの予測走行距離を演算する(S17)。目的候補地に対する経路演算がなされていない状況であり、また、経路を予測演算するには多くの時間を要することから、前記予測走行距離として、例えば、取得した現在位置(緯度・経度)と、目的候補地の位置(緯度・経度)との間の二点間距離(直線距離)が用いられる。予測走行距離が得られると、処理ユニット10は、その予測走行距離、バッテリの残蓄電量、及び当該バッテリの容量(フル充電時の蓄電量)と、更に、定数として保存されているフル充電状態のバッテリにて走行可能な距離あるいは単位距離走行に対する電気消費量(燃費)に基づいて、現在位置から目的候補地まで(予測走行距離)当該電気自動車が走行する際に予測される充電回数を演算する(S18)。処理ユニット10は、演算した充電回数を指定した目的候補地と対応付けて内部メモリに保存する(S19)。
【0035】
その後、処理ユニット10は、操作部11にて目的地設定の操作がなされたか否か(S2)及び内部メモリに保存した全ての目的候補地についての処理が終了したか否か(S21)を確認しつつ、各目的候補地まで走行する際に予測される充電回数を演算し、その演算にて得られた充電回数を目的候補地に対応づけて内部メモリに保存する処理(S16〜S19)を繰り返し実行する。
【0036】
ジャンルに従って目的候補地を検索する場合に等、検索にて得られる目的候補地の数が多い場合に利用者に対する情報提供が遅れるのを防止するために、処理ユニット10は、各目的候補地に対する充電回数を演算する処理(S16〜S21)が開始された後の所定のタイミングで、例えば、図4に示す手順に従って表示処理を前記処理(図2参照)と並列的に実行する。なお、操作部11での操作入力に基づいて前記表示処理を開始するようにしてもよい。
【0037】
図4において、処理ユニット10は、その時点で内部メモリに保存されている各目的候補地とそれに対応する充電回数から、各目的候補地を表す情報(名称、住所を含む)と対応する充電回数とを対にした表示レコードのリストを作成する(S31)。そして、処理ユニット10は、作成した表示レコードのリストに基づいて検索にて得られた目的候補地のリストを表示ユニット12に表示させる(S32)。この目的候補地のリストが、例えば、図5に示すような、目的候補地から目的地を選択するための目的地設定画面として表示部12に表示される。この目的地設定画面では、前記各表示レコードに対応した目的候補地の名称及びその所在県を表す表示項目R1、R2、R3、R4、R5が順次配列されている。表示項目R1〜R5のそれぞれは、それが表す目的候補地の充電回数に対応づけられた色が付されている。
【0038】
処理ユニット10は、充電回数と色との対応関係を表すテーブルを有している。このテーブルにより、例えば、充電回数「0回」が背景色C0(色なし)、充電回数「1回」が第1色C1、充電回数「2回」が第2色C2及び充電回数「3回以上」が第3色C3に対応付けられている。図5に示す目的地設定画面において、充電回数「0」の目的候補地「A大洗」を表す表示項目R2は、その充電回数「0」に対応付けられた背景色C0にて表示され、充電回数「1」の目的候補地「A福島」を表す表示項目R1及び目的候補地「T動物公園」を表す表示項目R4は、その充電回数「1」に対応付けられた第1色C1(縦線)にて表示され、また、充電回数「2」の目的候補地「Tランド」を表す表示項目R3は、その充電回数「2」に対応付けられた第2色C2(横線)にて表示され、更に、充電回数「3回以上」の目的候補地「Y水族館」を表す表示項目R5は、その充電回数「3回以上」に対応付けられた第3色C3(斜め線)にて表示される。
【0039】
なお、図5に示す目的地選択画面において、目的候補地を表す表示項目R1〜R5は、画面の上から目的候補地の名称の五十音順に配列されている。5つの表示項目R1〜R5はスクロールすることができる。色と充電回数との関係を示す色ボタンC0〜C3が目的地候補画面の下方部分に表示されている。また、図5に示す目的地選択画面には、各目的候補地の位置にマークのなされた地図が表示される。
【0040】
このように目的地設定画面において、各目的候補地がそこまで走行した際に予想される充電回数の情報(色)とともに表示されるので、利用者は、これら目的候補地から設定すべき目的地を決定する際に、その充電回数を考慮することができるようになる。また、各目的候補地をあらわす表示項目R1〜R5がその充電回数によって色分けされるので、その目的候補地まで走行する際に予想される充電回数を直感的に把握することができるようになる。
【0041】
図4に戻って、目的地設定画面(図5参照)によって充電回数に対応付けられた目的候補地のリストが表示されると(S32)、処理ユニット10は、目的地決定の操作がなされたか否か(S33)及び並列的に実行している図2に示す処理に従って充電回数の対応付けられた目的候補地が追加されたか否か(S33)を繰り返し判定する。その過程で充電回数の対応付けられた目的候補地が追加されると(S34でYES)、処理ユニット10は、その追加された目的候補地とそれに対応する充電回数とに基づいて表示レコードのリストを更新し(S35)、その更新内容を目的地設定画面の表示に際して反映させる(S32)。
【0042】
利用者が、操作部11を用いて、目的設定画面(図5参照)において表示項目R1〜R5で表される目的候補地から1の目的候補地の選択操作を行うと、処理ユニット10は、その選択された目的候補地を目的地として決定し(S33でYES)、現在位置から決定された目的地までのルート計算を行う(S36)。このルート計算により現在位置から目的地までのルート(経路)が得られると、処理ユニット10は、現在位置から当該ルートをたどって目的地にいたる道なり距離を演算し、この道なり距離を現在位置から目的地までの予測走行距離として、バッテリの残蓄電量、バッテリの容量及び定数としての燃費とともに用いて、前記目的地まで走行した際に予測される充電回数を再計算する(S37)。
【0043】
そして、処理ユニット10は、利用者により選択された目的地を、例えば、図6に示すように、充電回数を表す情報とともに表示部12に表示させる。図6に示す例では、選択された目的地「Tランド」を表す表示項目Rが充電回数「2回」に対応付けられた第2色C2にて表示される。また、前記目的地(「Tランド」)の位置を表す地図が同じ画面内に表示される。
【0044】
このように充電回数を表す情報(色)ともに目的地を表示する表示部12の画面を見る利用者は、その目的地まで走行する際に予想される充電回数を知ることができ、その充電回数を考慮して目的地までのドライブプランを前もって立てることができるようになる。
【0045】
このような表示処理(図4参照)と並列して図2に示すような手順に従って実行される充電回数の演算処理において、前述したように、利用者による操作部11の操作により目的地の選択がなされると(S20でYES)、目的地が決定したので、処理ユニット10はその処理を終了させる。また、検索により得られた全ての目的候補地についての充電回数の演算が終了した場合も(S21でYES)、処理ユニット10はその処理を終了させる。
【0046】
なお、図5に示す目的地設定画面では、目的候補地を表す表示項目R1〜R5は、画面の上から目的候補地の名称の五十音順に配列されているが、その表示項目R1〜R5の配列はそれに限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、距離の小さい順、即ち、充電回数の少ない順に配列することもできる。この場合、より上位に配列された表示項目が表す目的候補地がより近くて予想される充電回数も少ないことを直感的に知ることができる。
【0047】
情報提供装置をナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は、例えば、専用の情報提供装置や電気自動車の他のインテリジェンスシステムとして実現することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上、説明したように、本発明に係る情報提供装置は、予め設定された経路上であるか否かに係らず指定された地点まで電気自動車が走行する際に予測される蓄電池の充電回数を利用者に提供することができるという効果を有し、電気自動車に搭載される情報提供装置として有用である。
【符号の説明】
【0049】
10 処理ユニット
11 操作部
12 表示部
13 記憶部
14 出力回路
15 スピーカ
16 GPSユニット
17 センサ類
100 ナビゲーション装置
200 駆動システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能な蓄電池に貯められた電気を動力源のエネルギーとして用いて走行する電気自動車に搭載され、利用者に提供すべき情報を表示する表示部を有する情報提供装置であって、
現在地点から指定された地点までの予想走行距離を演算する予測走行距離演算手段と、
前記指定された地点まで当該電気自動車が走行する際に予測される前記蓄電池の充電回数を前記予測走行距離、前記充電池の残蓄電量及びその容量に基づいて演算する充電回数演算手段と、
前記指定された地点と、前記演算された充電回数を表す情報とを対応付けて前記表示部に表示させる表示制御手段とを有する情報提供装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記充電回数を表す情報として充電回数に対応した色の部分を前記表示部に表示させる請求項1記載の情報提供装置。
【請求項3】
複数の地点が指定される場合、
前記予測走行距離演算手段は、現在地点から前記指定される複数の地点それぞれまでの予測走行距離を演算し、
前記充電回数演算手段は、前記複数の指定された地点のそれぞれまで当該電気自動車が走行する際に予測される前記蓄電池の充電回数を演算し、
表示制御手段は、前記複数の指定された地点のそれぞれと対応する充電回数を表す情報とを対応づけたリストを前記表示部に表示させる請求項1または2記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、充電回数が少ない順に従って、前記複数の指定された地点のそれぞれと対応する充電回数を表す情報とを対応づけたリストを表示部に表示させる請求項3記載の情報提供装置。
【請求項5】
充電充可能な蓄電池に貯められた電気を動力源のエネルギーとして用いて走行する電気自動車に搭載され、目的地の候補となる目的候補地を検索することのできるナビゲーション装置であって、
現在地点から検索により得られた目的候補地までの予測走行距離を演算する予測走行距離演算手段と、
前記目的候補地まで当該電気自動車が走行する際に予測される前記蓄電池の充電回数を前記予測走行距離、前記充電池の残蓄電量及びその容量に基づいて演算する充電回数演算手段と、
前記目的地候補地と、前記演算された充電回数とを表す情報とを対応づけて表示部に表示させる表示制御手段とを有するナビゲーション装置。
【請求項6】
検索によって複数の目的候補地が得られたとき、
前記予測走行距離演算手段は、現在地点から前記複数の目的候補地のそれぞれまでの予測走行距離を演算し、
前記充電回数演算手段は、前記複数の目的候補地のそれぞれまで当該電気自動車が走行する際に予測される前記蓄電池の充電回数を演算し、
表示制御手段は、前記複数の目的候補地のそれぞれと対応する充電回数を表す情報とを対応づけたリストを前記表示部に表示させる請求項5記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、充電回数が少ない順に従って、前記複数の目的候補地のそれぞれと対応する充電回数を表す情報とを対応づけたリストを表示部に表示させる請求項6記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−33515(P2011−33515A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181220(P2009−181220)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】