説明

慣性センサ、その駆動方法およびその製造方法

【課題】複数の振動子を連成駆動させて1つの基準振動のみで3軸の角速度を検出するセンサを実現し、慣性センサの小型化を可能にする。
【解決手段】固定部31と、前記固定部13に弾性支持体31〜34を介して支持される第1振動子21、第2振動子22、第3振動子23および第4振動子24を有し、前記第1振動子21および前記第3振動子23はX軸上に該X軸の原点Oに対して対称な位置に配置され、前記第2振動子22および前記第4振動子24は前記X軸に直交するY軸上に前記X軸の原点Oと同位置のY軸の原点Oに対して対称な位置に配置され、前記第1振動子21、前記第2振動子22、前記第3振動子23および前記第4振動子24は隣り合う振動子間を弾性連結体41〜44により支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、慣性センサ、その駆動方法およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
動きを制御するため回転角速度を検出する角速度センサは欠くことのできないセンサとなっており、家庭用の電子機器や自動車等に幅広く使用されている。
従来技術の第1例として、1軸の角速度を検出する角速度センサがある(例えば、特許文献1参照)。その駆動方式には、2つの振動子をばねで連結し駆動させる方式が用いられている。振動子は同一平面状に配置されており、振動子を逆位相で駆動させることにより角速度を検出する。逆位相で2つの振動子を駆動することにより、加速度などの同位相で影響を及ぼす要因を相殺することが可能となる。1軸の角速度を検出する角速度センサは広く実用化されている。
一方、2軸の角速度を検出するためには1軸の角速度センサを組み合わせる必要がある。
従来技術の第2例として、2軸を検出する角速度センサがある(例えば、特許文献2参照)。これは、1軸の角速度サンサを組み合わせる必要がないため、複数の角速度センサを実装する場合に生じる検出軸のずれは発生しない。
【0003】
従来技術の第1例では、多軸の角速度を検出する場合、複数の1軸角速度センサを実装する必要があるため、複数の角速度センサの実装時に検出軸を合わせることが難しく、検出軸にずれが生じる可能性がある。
従来技術の第2例では、1つの構造体で2軸の角速度が検出できるため、複数の角速度センサを実装する場合に生じる検出軸のずれは生じない。しかし、プロセスのばらつきにより、振動子を支持するばねの幅や各振動子の質量が異なる場合に、各振動子の周波数にばらつきが生じて複数振動子を同一周波数で駆動させることが難しくなる。
【0004】
【特許文献1】特開2001-264069号公報
【特許文献2】特開平09-329446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、振動子を支持するばねの幅や各振動子の質量が異なる場合に、各振動子の周波数にばらつきが生じて複数振動子を同一周波数で駆動させることが難しくなる点である。
【0006】
本発明は、複数の振動子を連成駆動させて1つの基準振動のみで3軸の角速度を検出するセンサを実現し、慣性センサの小型化を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の慣性センサは、固定部と、前記固定部に弾性支持体を介して支持される第1振動子、第2振動子、第3振動子および第4振動子を有し、前記第1振動子および前記第3振動子はX軸上に該X軸の原点に対して対称な位置に配置され、前記第2振動子および前記第4振動子は前記X軸に直交するY軸上に前記X軸の原点と同位置のY軸の原点に対して対称な位置に配置され、前記第1振動子、前記第2振動子、前記第3振動子および前記第4振動子は隣り合う振動子間を弾性連結体により支持されている。
【0008】
本発明の慣性センサでは、弾性連結体によってX軸、Y軸方向に力のベクトルを変換する。この弾性連結体により、弾性支持体の幅や各振動子の質量にばらつきがある場合でも、4つの振動子は連成駆動するため、同一周波数で駆動する。同時に、X軸上の2つの振動子およびY軸上の2つの振動子は逆位相で駆動する。すなわち、1つの基準振動で4つの振動子が振動する。
【0009】
本発明の慣性センサの駆動方法は、固定部と、前記固定部に弾性支持体を介して支持される第1振動子、第2振動子、第3振動子および第4振動子を有し、前記第1振動子および前記第3振動子はX軸上に該X軸の原点に対して対称な位置に配置され、前記第2振動子および前記第4振動子は前記X軸に直交するY軸上に前記X軸の原点と同位置のY軸の原点に対して対称な位置に配置され、前記第1振動子、前記第2振動子、前記第3振動子および前記第4振動子は隣接する振動子間を弾性連結体により支持されていて、前記第1振動子ないし前記第4振動子に同一周波数の駆動信号を与えて前記第1振動子ないし前記第4振動子を連成駆動させ、かつ、前記第1振動子および前記第3振動子を前記X軸上に振動させ、前記第2振動子および前記第4振動子を前記Y軸上に前記第1振動子および前記第3振動子とは逆位相で振動させる。
【0010】
本発明の慣性センサの駆動方法では、弾性連結体によってX軸、Y軸方向に力のベクトルを変換する。この弾性連結体により、弾性支持体の幅や各振動子の質量にばらつきがある場合でも、4つの振動子に同一周波数の駆動信号を与えているため、4つの振動子は連成駆動し、同一周波数で駆動する。同時に、X軸上の2つの振動子およびY軸上の2つの振動子は逆位相で駆動する。すなわち、1つの基準振動で4つの振動子が振動する。
【0011】
本発明の慣性センサの製造方法は、基板本体部と絶縁層とシリコン層が順に積層された第1基板を用意し、後の工程で固定部が形成される領域を除く前記シリコン層の上部に凹部を形成する工程と、前記シリコン層の後の工程で駆動電極が形成される領域上に第1電極を形成する工程と、前記シリコン層で、枠体からなる固定部と、前記固定部に弾性支持体を介して支持されていてX軸上に対向して形成される第1振動子および第3振動子と、前記固定部に弾性支持体を介して支持されていてY軸上に対向して形成される第2振動子および第4振動子と、前記第1振動子、前記第2振動子、前記第3振動子および前記第4振動子の隣接する振動子間を支持する弾性連結体を形成する工程と、前記固定部と前記基板本体部との間および前記駆動電極と前記基板本体部との間の前記絶縁層を残して、それ以外の前記絶縁層を除去する工程と、第2基板を用意し、該第2基板の前記第1電極に対向する位置に第2電極を形成する工程と、前記第2電極上にコンタクト部を形成する工程と、前記固定部と前記第2基板とを接合させて前記第1電極と前記コンタクト部とを接続させる工程とを有する。
【0012】
本発明の慣性センサの製造方法では、本発明の慣性センサが製造される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の慣性センサは、1つの構造体に形成された4つの振動子の駆動により、1つの基準振動のみで3軸の角速度を検出するセンサを実現できるという利点がある。よって、慣性センサの小型化が実現できる。
【0014】
本発明の慣性センサの駆動方法は、1つのセンサで3軸の角速度を検出するため、検出軸のずれが発生しないので、3軸の角速度の正確に検出できるという利点がある。
【0015】
本発明の慣性センサの製造方法は、1つの構造体に形成された4つの振動子の駆動により、1つの基準振動のみで3軸の角速度を検出するセンサを製造できるという利点がある。よって、慣性センサの小型化が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。
1.第1の実施の形態(慣性センサの基本構成の一例)。
2.第2の実施の形態(慣性センサの駆動方法の一例)。
3.第3の実施の形態(慣性センサの構成の変形例)。
4.第4の実施の形態(慣性センサの製造方法の一例)。
5.第5の実施の形態(慣性センサの電子機器への適用例)。
【0017】
<1.第1の実施の形態>
[慣性センサの基本構成の一例]
本発明の第1実施の形態に係る慣性センサの基本構成の一例を、図1の基本構成のレイアウト図および図2の図1中のA−A’線断面図および図3の図1中のB−B’線断面図によって説明する。
【0018】
図1、図2および図3に示すように、基板本体部11上には絶縁層12を介して枠状に形成された固定部13を有する。ここでは、固定部13の中心をX軸とY軸の原点Oに合わせている。上記X軸は上記Y軸と直交し、X軸の原点とY軸の原点は同位置になっている。上記基板本体部11は、例えばシリコン基板で形成されている。また上記固定部13は、例えばシリコン層で形成されている。このシリコン層は、例えば400μm程度の厚みを有する。
上記固定部13の内側には、X軸上で、X軸の原点Oに対して対称な位置に、上記固定部13に一端が支持される弾性支持体31(31A,31B)によって第1振動子21が支持されている。また上記固定部13に一端が支持される弾性支持体33(33A,33B)によって第3振動子23が支持されている。
さらに、上記固定部13の内側には、Y軸上に該Y軸の原点O(上記X軸の原点Oと同位置)に対して対称な位置に、上記固定部13に一端が支持される弾性支持体32(32A,32B)によって第2振動子22が支持されている。また上記固定部13に一端が支持される弾性支持体34(34A,34B)によって第4振動子24が支持されている。
したがって、第1振動子21、第2振動子22、第3振動子23、第4振動子24は、弾性支持体31〜弾性支持体34によってのみ、固定部11に支持されていて、基板本体部11に対して浮動状態となっている。
また、上記弾性支持体31A,31Bは、第1振動子21の一面の両端に形成されている。上記弾性支持体32A,32B、弾性支持体33A,33B、弾性支持体34A,34Bも、上記弾性支持体31A,31Bと同様に形成されている。
なお、上記弾性支持体31〜弾性支持体34は、弾性支持体31A,31Bのようにそれぞれ二つの弾性支持体で形成したが、一つの弾性支持体もしくは3つ以上の弾性支持体で形成することもできる。
【0019】
上記弾性支持体31〜弾性支持体34は、例えば、板ばねで形成されている。板ばねの形状例については後述する。また上記弾性支持体31〜弾性支持体34は、一例として、平面レイアウト上、L字形状に形成されたものを用いた。
【0020】
また、上記基板本体部11がガラス基板の場合には上記絶縁層12をガラス基板の上部で形成してもよい。
【0021】
さらに、上記第1振動子21、上記第2振動子22、上記第3振動子23および上記第4振動子24は隣接する振動子間を弾性連結体41〜弾性連結体44により支持されている。すなわち、上記第1振動子21と上記第2振動子22との間に弾性連結体41が形成されていて、上記第2振動子22と上記第3振動子23との間に弾性連結体42が形成されている。また上記第3振動子23と上記第4振動子24との間に弾性連結体43が形成されていて、上記第4振動子24と上記第1振動子21との間に弾性連結体44が形成されている。
上記弾性連結体41〜弾性連結体44は、例えば、板ばねで形成されている。その形状例については後述する。
【0022】
さらに、上記固定部13と上記第1振動子21の間には、上記固定部13と上記第1振動子21とから離間して駆動電極51が形成されている。上記固定部13と上記第2振動子22の間には、上記固定部13と上記第2振動子22とから離間して駆動電極52が形成されている。上記固定部13と上記第3振動子23の間には、上記固定部13と上記第3振動子23とから離間して駆動電極53が形成されている。さらに上記固定部13と上記第4振動子24の間には、上記固定部13と上記第4振動子24とから離間して駆動電極54が形成されている。
各振動子(第1振動子21〜第4振動子24)と各駆動電極(駆動電極51〜駆動電極54)との離間距離は、例えば15μmとした。
上記駆動電極51〜駆動電極54は、上記基板本体部11上に絶縁層12を介して形成されている。
また、上記駆動電極51〜駆動電極54上には、第1電極55〜第1電極58が形成されている。駆動電極51、駆動電極53上に形成された第1電極55、第1電極57は、図2に示されている。駆動電極52、駆動電極54上に形成された第1電極56、第1電極58は、図3に示されている。
【0023】
上記固定部13、上記第1振動子21〜第4振動子24、弾性支持体31〜弾性支持体34、弾性連結体41〜弾性連結体44は、例えばシリコン層で一体に形成されている。
また上記駆動電極51〜駆動電極54も上記シリコン層で形成されていてもよい。
また、上記第1電極55〜第1電極58は、例えば金、白金、クロムの3層金属材料、または金、白金、チタンの3層金属材料を用いる。もしくは、金とクロム、白金とクロム、金とチタン、白金とチタンなどの2層金属材料や、チタンの代わりに、窒化チタンとチタンとの積層材料を用いても良い。また、クロムやチタンの代わりに銅を用いても良い。
【0024】
また、上記固定部13上には第2基板200が形成されている。
上記第2基板200には、上記各駆動電極51〜54に対向して接続されるコンタクト部211〜コンタクト部214を介して第2電極221〜第2電極224が形成されている。コンタクト部211、コンタクト部213、第2電極221、第2電極223は、図2に示されている。コンタクト部212、コンタクト部214、第2電極222、第2電極224は、図3に示されている。
さらに、上記第1振動子21〜第4振動子24のそれぞれの上方の上記第2基板200には、検出電極225〜検出電極228が形成されている。検出電極225、検出電極227は、図2に示されている。検出電極226、検出電極228は、図3に示されている。
上記第2基板200には、例えばガラス基板を用いる。
なお、第2基板200にシリコン基板を用いた場合には、第2基板200と上記第2電極221〜第2電極224との間、第2基板200と上記検出電極225〜検出電極228との間に絶縁層(図示せず)を設ける。
また、上記検出電極225〜検出電極228は、上記基板本体部11側の振動子側の面もしくはその反対側の面、もしくは第2基板200の振動子とは反対側に面に形成することもできる。
上記第2電極221〜第2電極224、上記検出電極225〜検出電極228は、例えば金、白金、クロムの3層金属材料、または金、白金、チタンの3層金属材料を用いる。もしくは、金とクロム、白金とクロム、金とチタン、白金とチタンなどの2層金属材料や、チタンの代わりに、窒化チタンとチタンとの積層材料を用いても良い。また、クロムやチタンの代わりに銅を用いても良い。
上記コンタクト部211〜コンタクト部214は、例えば金で形成されている。
【0025】
上記固定部13と上記第2基板200の接合は、第2基板200の材質によって、金属接合、Si−Si接合、もしくはSi−SiO2接合で接合されている。
【0026】
上記のように、慣性センサ1が構成されている。
【0027】
上記慣性センサ1では、上記弾性連結体41〜弾性連結体44によってX軸、Y軸方向に力のベクトルを変換する。この弾性連結体41〜弾性連結体44により、上記弾性支持体31〜弾性支持体34の幅や上記第1振動子21〜第4振動子24の質量にばらつきがある場合でも、上記第1振動子21〜第4振動子24は連成駆動するため、同一周波数で駆動する。同時に、X軸上の2つの第1振動子21、第3振動子23およびY軸上の2つの第2振動子22〜第4振動子24は逆位相で駆動する。
すなわち、1つの構造体である上記慣性センサ1に形成された上記第1振動子21〜第4振動子24の駆動により、1つの基準振動のみの3軸の角速度センサを実現できるという利点がある。よって、慣性センサの小型化が実現できる。
また、上記構成の慣性センサ1は、X軸、Y軸の逆位相振動が最も低い周波数で現われる振動モードを有する。
【0028】
また上記慣性センサ1は、1つの慣性センサで複数軸の角速度が検出可能なため、1軸の角速度センサを複数組み合わせる構成と比較して慣性センサの占有面積は小さくて済む。
さらに複数の角速度センサを組み合わせる必要が無いため、複数の角速度センサを実装する構成で生じる検出軸のずれが発生しない。
また、1つの基準信号で4つの第1振動子21〜第4振動子24を駆動させるため、従来であれば複数軸分必要な駆動回路も1軸分で済み、回路面積を小さくすることが可能となる。
【0029】
<2.第2の実施の形態>
[慣性センサの駆動方法の一例]
次に、本発明の第2実施の形態に係る慣性センサの駆動方法の一例を、図4および図5の振動子の駆動模式図によって説明する。
【0030】
上記慣性センサ1は、図4および図5に示すように、第1振動子21〜第4振動子24が配置されている。
前記説明したように、X軸上に該X軸の原点Oに対して対称な位置に第1振動子21と第3振動子23とが配置されている。
また、Y軸上に該Y軸の原点Oに対して対称な位置に、第2振動子22と、第4振動子24とが配置されている。
上記4つの第1振動子21〜第4振動子24の駆動振動として、X軸、Y軸の逆位相振動および回転振動がある。
【0031】
まず、X軸、Y軸の逆位相振動を説明する。
図4に示すように、X軸上の第1振動子21と第3振動子23が原点Oから遠ざかる方向(白抜きの矢印方向)に振動するとき、Y軸の第2振動子22と第4振動子24は原点Oに近づく方向(黒塗りの矢印方向)に振動する。
一方、X軸上の第1振動子21と第3振動子23が原点Oに近づく方向(黒塗りの矢印方向)に振動するとき、Y軸の第2振動子22と第4振動子24は原点Oから遠ざかる方向(白抜きの矢印方向)に振動する。
このようにX軸上の第1振動子21と第3振動子23と、Y軸の第2振動子22と第4振動子24は、逆位相で振動する。これは、各第1振動子21〜第4振動子24の共振モードを最適化することにより実現することが可能である。
このように、上記慣性センサ1は、並進の逆位相振動の振動モードを有する。
【0032】
次に、X軸、Y軸の回転振動を説明する。
図5に示すように、4つの第1振動子21〜第4振動子24は、X軸、Y軸の原点Oを中心とする回転方向(白抜きの矢印方向または黒塗りの矢印方向)に振動する。
例えば、4つの第1振動子21〜第4振動子24は、X軸、Y軸の原点Oを中心とする同一回転方向に振動する。
このように、上記慣性センサ1は、回転振動の振動モードを有する。
【0033】
一般に慣性センサの駆動振動には、静電駆動、電磁駆動、圧電駆動等の駆動方式が考えられる。
【0034】
上記図1〜図3によって説明した慣性センサ1では、一例として静電駆動を用いる。
上記駆動電極51〜駆動電極54とそれらに対向する第1振動子21〜第4振動子24との間に共振モードを励起する周波数の電圧を印加することで第1振動子21〜第4振動子24を振動できる。
上記駆動電極51、駆動電極53に同位相の駆動信号(例えば電圧)を印加し、上記駆動電極52、駆動電極54に逆位相の駆動信号を印加する。すると各振動子と各駆動電極間で静電気力が発生し、4つの第1振動子21〜第4振動子24が同一周波数で駆動する。上記第1振動子21〜第4振動子24の隣り合う振動子の中心を通る面に対して直交する軸方向に力のベクトルを変換する上記弾性連結体41〜弾性連結体44により、4つの第1振動子21〜第4振動子24は連成駆動する。
【0035】
このため、前記図4に示したように、X軸上の第1振動子21と第3振動子23が逆位相で原点Oに近づく方向へ駆動するときは、Y軸上の第2振動子22と第4振動子24は逆位相で原点Oから遠ざかる方向へ駆動する。
また、X軸上の第1振動子21と第3振動子23が原点Oから遠ざかる方向へ駆動するときは、Y軸上の第2振動子22と第4振動子24は原点Oに近づく方向へ駆動する。
【0036】
また、上記慣性センサ1では、駆動回路が1組で済むため、回路面積の縮小、駆動周波数の調整機構の削減といった利点がある。さらに、複数軸の駆動振動機構をもつ構造体において問題となる、1つの駆動振動が他軸へのノイズになるといった影響も排除できる。
【0037】
次に、角速度の検出原理を以下に説明する。
【0038】
一般に、ある方向に振動する重さmの振動子に振動方向と鉛直な軸に角速度ωが印加されたとき、振動方向と角速度が印加された軸と直交する軸にコリオリ力Fが発生する。このコリオリ力Fは、F=2mvωで表される。式中、vは振動子の振動方向への速度である。
【0039】
上記慣性センサ1について説明する。
角速度を検出するためには、上記検出電極225〜検出電極228により静電容量を検出する。
X軸上の振動子(第1振動子21、第3振動子23)が原点Oから遠ざかる方向に振動し、Y軸上の振動子(第2振動子22、第4振動子24)が原点Oに近づく方向に振動するときを考察する。
X軸周りに角速度ωが印加されたときY軸上の2つの振動子(第2振動子22、第4振動子24)にはZ軸方向にコリオリ力F=2mvωが発生する。Y軸上の2つの振動子(第2振動子22、第4振動子24)はX軸周りの角速度ωに対して逆位相で振動しているため、Z軸方向に発生するコリオリ力Fは逆向きとなる。2つの振動子と上記検出電極225〜検出電極228間の容量の差分をとることにより、X軸周りの角速度ωを検出することができる。
Y軸周りの角速度についてもX軸上の2つの振動子(第1振動子21、第3振動子23)に発生するコリオリ力により、同様に検出することができる。
【0040】
<3.第3の実施の形態>
[慣性センサの構成の変形例]
次に、本発明の第3実施の形態に係る慣性センサの構成の変形例を、図6〜図13の模式平面レイアウト図によって説明する。
【0041】
図6に示すように、前記図1によって説明したのと同様に、第1振動子21と第3振動子23の対向する面および記第2振動子22と第4振動子24の対向する面のそれぞれに弾性連結体41〜44が形成されている。
また、上記第1振動子21と上記第3振動子23の対向する面とは異なる面および上記第2振動子22と上記第4振動子24の対向する面とは異なる面のそれぞれに弾性支持体31(31A,31B)〜34(43A,34B)が形成されている。
上記弾性支持体31〜弾性支持体34は、平面レイアウト上、前記図1ではL字形状に形成されていたが、図示したように折れ線形状に形成されていてもよい。すなわち、各弾性支持体31〜弾性支持体34は、ばねの機能を有するものであれば、L字形状や折れ線形状等、種々のばね形状を採用することができる。
また、弾性支持体31〜弾性支持体34のばね定数は、例えば弾性支持体31〜弾性支持体34の厚みで調整される。
さらに上記構成では、X軸、Y軸の逆位相振動が最も低い周波数で現われる振動モードを有する。
【0042】
次に、弾性支持体と弾性連結体の別の構成例を図7によって説明する。
図7に示すように、X軸上の原点Oを挟んで対向する位置に第1振動子21と第3振動子23が配置され、Y軸上の原点Oを挟んで対向する位置に第2振動子22と第4振動子24が配置されている。この第1振動子21と第3振動子23が対向するそれぞれの面の両端には、弾性支持体31(31A)、弾性支持体31(31B)と、弾性支持体33(33A)、弾性支持体33(33B)が形成されている。また、第2振動子22と第4振動子24が対向するそれぞれの面の両端には、弾性支持体32(32A)、弾性支持体32(32B)と、弾性支持体34(34A)、弾性支持体34(34B)が形成されている。
また、上記第3振動子23と対向する上記第1振動子21の面の中央部には、弾性連結体44、弾性連結体41が離間して形成されている。上記第4振動子24と対向する上記第2振動子22の面の中央部には、上記弾性連結体41、弾性連結体42が離間して形成されている。上記第1振動子21と対向する上記第3振動子23の面の中央部には、上記弾性連結体42、弾性連結体43が離間して形成されている。さらに、上記第2振動子22と対向する上記第4振動子24の面の中央部には、上記弾性連結体43、弾性連結体44が離間して形成されている。
【0043】
上記図7によって説明した慣性センサの構成では、回転振動に適用することが好ましく、また弾性連結体41〜弾性連結体44と弾性支持体31〜弾性支持体34が離間されて形成されているから、互いを干渉せず、振動することができる。
【0044】
次に、弾性支持体と弾性連結体の別の構成例を図8によって説明する。
図8に示すように、X軸上の原点Oを挟んで対向する位置に第1振動子21と第3振動子23が配置され、Y軸上の原点Oを挟んで対向する位置に第2振動子22と第4振動子24が配置されている。この第1振動子21と第3振動子23が対向するそれぞれの面の両端には、弾性支持体31(31A)、弾性支持体31(31B)と、弾性支持体33(33A)、弾性支持体33(33B)が形成されている。また、第2振動子22と第4振動子24が対向するそれぞれの面の両端には、弾性支持体32(32A)、弾性支持体32(32B)と、弾性支持体34(34A)、弾性支持体34(34B)が形成されている。
また、上記第3振動子23と対向する上記第1振動子21の面に隣接する一方の側面には、弾性連結体41の一端が形成され、上記第1振動子21の面に隣接する他方の側面には、弾性連結体44の一端が形成されている。上記第4振動子24と対向する上記第2振動子22の面に隣接する一方の側面には、上記弾性連結体41の他端が形成され、上記第2振動子22の面に隣接する他方の側面には、弾性連結体42の一端が形成されている。上記第1振動子21と対向する上記第3振動子23の面に隣接する一方の側面には、上記弾性連結体42の他端が形成され、上記第3振動子23の面に隣接する他方の側面には、弾性連結体43の一端が形成されている。上記第2振動子22と対向する上記第4振動子24の面に隣接する一方の側面には、上記弾性連結体43の他端が形成され、上記第4振動子24の面に隣接する他方の側面には、上記弾性連結体44の他端が形成されている。
【0045】
上記図8によって説明した慣性センサの構成では、回転振動に適用することが好ましく、また弾性連結体41〜弾性連結体44と弾性支持体31〜弾性支持体34が離間されて形成されているから、互いを干渉せず、振動することができる。そして、回転振動が最も低い周波数に現われる振動モードを有する。
【0046】
次に、上記弾性連結体41〜弾性連結体44の形状例について説明する。
図9に示すように、平面レイアウト上、第1振動子21〜第4振動子24をそれぞれに連結する上記弾性連結体41〜弾性連結体44は円弧状に形成されている。
図10に示すように、平面レイアウト上、第1振動子21〜第4振動子24をそれぞれに連結する上記弾性連結体41〜弾性連結体44はL字形状に形成されている。
図11に示すように、平面レイアウト上、第1振動子21〜第4振動子24をそれぞれに連結する上記弾性連結体41〜弾性連結体44は鈍角で多角に折れ曲がった折れ線形状に形成されている。折れ曲がる角数は、図示したように2箇所であってもそれ以上であってもよい。
【0047】
上記弾性連結体41〜弾性連結体44の構成において、1つの振動子の駆動時に各振動子の振幅のばらつきが最も小さい構造は円弧状の弾性連結体であることを、本発明者はシミュレーションにより確認している。よって、円弧状の弾性連結体が力の伝達損失が少ない構造といえる。
【0048】
上記図9〜図11に示した上記弾性連結体41〜弾性連結体44は、上記弾性連結体41〜弾性連結体44が形成される振動子面に対して直角に形成されている。
このように、弾性連結体41〜弾性連結体44が振動子粘着に対して直角に形成されていることから、各第1振動子21〜第4振動子24のそれぞれの振動を伝達する際の伝達損失が最低になる。
【0049】
また、上記図9〜図11に示した上記弾性連結体41〜弾性連結体44は、振動子の一面には離間して形成されている。例えば、0.5μm程度もしくはそれ以上に離間して形成されている。
このように、上記弾性連結体41〜弾性連結体44は、振動子の一面には離間して形成されていることから、第1振動子21〜第4振動子24が振動した際に、弾性連結体41〜弾性連結体44同士が接触して損失を生じることがない。また弾性連結体41〜弾性連結体44同士が接触して形成されることによる弾性連結体41〜弾性連結体44の重心変動がないので、振動の重心が変動しない。
【0050】
次に、弾性連結体の別の構成例を図12によって説明する。
図12に示すように、上記第3振動子23と対向する上記第1振動子21の面には、弾性連結体44の一端と弾性連結体41の一端が離間して形成されている。上記第4振動子24と対向する上記第2振動子22の面には、上記弾性連結体41の他端と弾性連結体42の一端が離間して形成されている。上記第1振動子21と対向する上記第3振動子23の面には、上記弾性連結体42の他端と弾性連結体43の一端が離間して形成されている。さらに、上記第2振動子22と対向する上記第4振動子24の面には、上記弾性連結体43の他端と上記弾性連結体44の他端が離間して形成されている。
また、上記第3振動子23と対向する上記第1振動子21の面に隣接する一方の側面には、第2弾性連結体45の一端が形成され、上記第1振動子21の面に隣接する他方の側面には、第2弾性連結体48の一端が形成されている。上記第4振動子24と対向する上記第2振動子22の面に隣接する一方の側面には、上記第2弾性連結体45の他端が形成され、上記第2振動子22の面に隣接する他方の側面には、第2弾性連結体46の一端が形成されている。上記第1振動子21と対向する上記第3振動子23の面に隣接する一方の側面には、上記第2弾性連結体46の他端が形成され、上記第3振動子23の面に隣接する他方の側面には、第2弾性連結体47の一端が形成されている。上記第2振動子22と対向する上記第4振動子24の面に隣接する一方の側面には、上記第2弾性連結体47の他端が形成され、上記第4振動子24の面に隣接する他方の側面には、上記第2弾性連結体48の他端が形成されている。
上記第1振動子21〜第4振動子24の配置は、前記図1等によって説明した振動子の配置と同様である。
そして、上記構成の慣性センサでは、回転振動が最も低い周波数に現われる振動モードを有する。
【0051】
次に、弾性連結体の別の構成例を図13によって説明する。
図13に示すように、上記第3振動子23と対向する上記第1振動子21の面には、弾性連結体44の一端と弾性連結体41の一端が離間して形成されている。上記第4振動子24と対向する上記第2振動子22の面には、上記弾性連結体41の他端と弾性連結体42の一端が離間して形成されている。上記第1振動子21と対向する上記第3振動子23の面には、上記弾性連結体42の他端と弾性連結体43の一端が離間して形成されている。さらに、上記第2振動子22と対向する上記第4振動子24の面には、上記弾性連結体43の他端と上記弾性連結体44の他端が離間して形成されている。
上記弾性連結体41〜弾性連結体44のそれぞれの中間部には、弾性連結体41〜弾性連結体44のそれぞれを支持する補助弾性体61〜補助弾性体64が形成されている。
このように、補助弾性体61〜補助弾性体64が形成されていることで、振動子が原点Oに近づいても、上記弾性連結体41〜弾性連結体44を介して補助弾性体61〜補助弾性体64により第1振動子21〜第4振動子24が支持される。
これによって、第1振動子21〜第4振動子24の自重垂れの影響を低減もしくは排除することが可能になる。弾性連結体41〜弾性連結体44を保持する箇所は隣の第1振動子21〜第4振動子24に伝達される力を減少させないために、弾性連結体41〜弾性連結体44のそれぞれの中心部を保持することが好ましい。例えば、弾性連結体41〜弾性連結体44のそれぞれの中点で補助弾性体61〜補助弾性体64が形成されるように、弾性連結体41〜弾性連結体44と補助弾性体61〜補助弾性体64が一体に構成されることが好ましい。
また、補助弾性体61〜補助弾性体64がX軸もしくはY軸に対して45度傾けた方向に形成されることが好ましい。
上記第1振動子21〜第4振動子24の配置は、前記図1等によって説明した振動子の配置と同様である。
【0052】
<4.第4の実施の形態>
[慣性センサの製造方法の一例]
本発明の第4実施の形態に係る慣性センサの製造方法の一例を、図14〜図16、図18、図19の製造工程断面図および図17の平面レイアウト図によって説明する。図14〜図19では、一例として、前記慣性センサ1の製造工程を示す。また図14〜図16、図18、図19は前記図1のA−A’線にそって表記している。
【0053】
図14に示すように、振動子、弾性支持体、弾性連結体等を形成するための第1基板100を用意する。この基板100は、基板131(前記図1〜図3によって説明した基板本体部11に相当)とシリコン層133との間に酸化シリコン層132(前記図1〜図3によって説明した絶縁層12に相当)を挟み込んだSOI(Silicon on Insulator)基板を用いる。
【0054】
まず、上部のシリコン層133を所望の膜厚(例えば400μm)となるよう基板全面にエッチングを施す。エッチング方法はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)や水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いたウエットエッチでよく、または化学的、物理的ドライエッチでも良い。また、所望の膜厚が予めわかっているならば、そのようなSOI基板を用意しても良い。
【0055】
次に、陽極接合のフレーム形成のため、シリコン層133のエッチングを行い、凹部135を形成する。エッチング方法はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)や水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いたウエットエッチや化学的、物理的ドライエッチでも良い。このエッチングにおいて、振動子の膜厚および弾性支持体の膜厚が決定される。
【0056】
次に、図15に示すように、後にX軸上の駆動電極が形成される上記シリコン層133上に第1電極55、第1電極57を形成する。同時に後にY軸上の駆動電極が形成される上記シリコン層133上に第1電極56(図示せず)、第1電極58(図示せず)を形成する。
上記第1電極55〜58形成は、電子ビーム蒸着とリフトオフ法の併用にて行う。または、電極材料層を形成した後、この電極材料層をウェットエッチングやドライエッチングによってパターニングしても良い。
また上記電極材料として、例えば金、白金、クロムの3層金属材料、または金、白金、チタンの3層金属材料を用いる。もしくは、金とクロム、白金とクロム、金とチタン、白金とチタンなどの2層金属材料や、チタンの代わりに、窒化チタンとチタンとの積層材料を用いても良い。また、クロムやチタンの代わりに銅を用いても良い。
【0057】
次に、図16および図17の平面レイアウト図に示すように、エッチング技術として、例えば反応性イオンエッチングを用いてシリコン層133を加工して、第1振動子21〜第4振動子24、弾性支持体31〜34、弾性連結体41〜44、駆動電極51〜54、陽極接合のためのフレームを兼ねる固定部13を形成する。
このように、第1振動子21〜第4振動子24、弾性支持体31〜34および弾性連結体41〜44が共に厚み方向にエッチングすることで形成されるため、第1振動子21〜第4振動子24の重心と弾性支持体31〜34の重心が一致するので、不要な機械的振動が発生しない構造となる。
【0058】
すなわち、上記固定部13の内側には、X軸上に該X軸の原点Oに対して対称な位置に、弾性支持体31を介して第1振動子21と、弾性支持体33を介して第3振動子23とが支持されるように形成される。
また、上記固定部13の内側には、Y軸上に該Y軸の原点O(上記X軸の原点Oと同位置)に対して対称な位置に、弾性支持体32を介して第2振動子22と、弾性支持体34を介して第4振動子24とが支持されるように形成される。
上記弾性支持体31〜34は、例えば、平面レイアウト上、L字形状に形成される。
【0059】
さらに、上記第1振動子21、上記第2振動子22、上記第3振動子23および上記第4振動子24は隣接する振動子間を弾性連結体41〜44により支持される。すなわち、上記第1振動子21と上記第2振動子22との間に弾性連結体41が形成され、上記第2振動子22と上記第3振動子23との間に弾性連結体42が形成される。また上記第3振動子23と上記第4振動子24との間に弾性連結体43が形成され、上記第4振動子24と上記第1振動子21との間に弾性連結体44が形成される。
【0060】
さらに、上記固定部13と上記第1振動子21の間には、上記固定部13と上記第1振動子21とから離間して第1駆動電極51が形成される。上記固定部13と上記第2振動子22の間には、上記固定部13と上記第2振動子22とから離間して第2駆動電極52が形成される。上記固定部13と上記第3振動子23の間には、上記固定部13と上記第3振動子23とから離間して第3駆動電極53が形成される。さらに上記固定部13と上記第4振動子24の間には、上記固定部13と上記第4振動子24とから離間して第4駆動電極54が形成される。
上記各振動子(第1振動子21〜第4振動子24)と上記各駆動電極(駆動電極51〜駆動電極54)との離間距離は、例えば15μmとする。
【0061】
次に不必要な部分、例えば第1振動子21〜第4振動子24、弾性支持体31〜34、弾性連結体41〜44の下部の酸化シリコン層132をエッチングにより除去する。その際、固定部13下部の酸化シリコン層132および駆動電極51〜54下部の酸化シリコン層132は一部残しておく。
したがって、第1振動子21、第2振動子22、第3振動子23、第4振動子24は、弾性支持体31〜34によってのみ、固定部13に支持されていて、基板本体部11に対して浮動状態となる。
【0062】
次に第2基板側の作製方法を以下に説明する。
【0063】
図18(1)に示すように、第2基板200には例えばガラス基板を用いる。
【0064】
そして、図18(2)に示すように、上記第2基板200に電極形成膜231を形成する。
上記電極形成膜231は、例えば、電子ビーム蒸着により形成する。
上記電極形成膜231は、例えば金、白金、クロムの3層金属材料、または金、白金、チタンの3層金属材料を用いる。もしくは、金とクロム、白金とクロム、金とチタン、白金とチタンなどの2層金属材料や、チタンの代わりに、窒化チタンとチタンとの積層材料を用いても良い。また、クロムやチタンの代わりに銅を用いても良い。また成膜方法はスパッタ法やCVD法を用いても良い。
【0065】
次に、上記電極形成膜231上の前記第1電極55〜第1電極58(前記図16参照)が対向する位置にコンタクト部211〜コンタクト部214を形成する。このコンタクト部211〜コンタクト部214は、例えば無電解めっき法により金の支柱で形成する。
この金の支柱は、その後の工程で、第2基板200を固定部13(前記図16参照)に接合した後の上記第1電極55〜第1電極58とコンタクトをとるために形成する。本実施例においては、金の支柱は、上記第1電極55〜第1電極58の一つに対して複数本形成してもよい。これにより、第2基板200と固定部13とを接合した時に支柱がばね状に屈曲し、適度なテンションをもって第1電極55〜第1電極58と次の工程で形成する第2電極を接続することができる。スプリングコンタクトや、金バンプを用いる接続方法もあるが、本方法の場合、ガラス基板に過度な応力をかけることも無く、また、作製方法もきわめて簡単である。本実施例においては無電解めっき法を用いたが電解めっき法でも形成できる。
【0066】
次に、図18(3)に示すように、上記第2基板200の上記第1電極55〜第1電極58(前記図16参照)が対向する位置に、上記電極形成膜231で第2電極221〜第2電極224(一部図示せず、図18では、第2電極221、第2電極223を図示した。)を形成する。同時に、上記第2基板200の上記第1振動子21〜第4振動子24(前記図17参照)が対向する位置に、上記電極形成膜231で検出電極225〜検出電極228(一部図示せず、図18では、検出電極225、検出電極227を図示した。)を形成する。
【0067】
次に第1基板100と第2基板200との組立方法を説明する。
【0068】
図19に示すように、第2基板200と固定部13を接合させる。接合には、例えば陽極接合法を用いる。このとき、上記第1電極55〜第1電極58(一部図示せず、図19では、第1電極51、第1電極53を図示した。)と上記コンタクト部211〜コンタクト部214(一部図示せず、図19では、コンタクト部211、コンタクト部213を図示した。)が接合される。なお、上記接合は、第2基板200の材質によって、メタル接合、Si−Si接合、Si−SiO2接合等の接合方法が適用できる。
【0069】
次に、図示はしないが、第1基板100および第2基板200を、例えばダイシングにより切断し、個別チップを形成する。このようにして、角速度検出の慣性センサ1が作製される。その後、上記慣性センサ1はパッケージ(図示せず)に実装される。
【0070】
上記慣性センサの製造方法によれば、1つの構造体に形成された4つの振動子(第1振動子21〜第4振動子24)の駆動により、1つの基準振動のみの3軸の角速度センサを実現できるという利点がある。よって、慣性センサ1の小型化が実現できる。
【0071】
<5.第5の実施の形態>
[慣性センサの電子機器への適用例]
次に、本発明の慣性センサの第5実施の形態に係る慣性センサの電子機器への適用例を、図20〜25図によって説明する。
【0072】
以上説明した本発明に係る慣性センサ1は、角速度を検出することができ、また角速度から加速度を求めることができるので、様々な電気・電子機器に適用することが可能である。
【0073】
例えば、上記慣性センサ1は、携帯型ハードディスク駆動装置(以下、ハードディスク駆動装置を略してHDDと記す)に適用される。また、HDDを搭載するノート型パーソナルコンピュータ、HDD内蔵携帯型音楽再生装置、HDD内蔵携帯型音楽録音再生装置、HDD搭載型ビデオカメラ等のHDDを搭載した携帯型電子機器に適用される。さらに、携帯電話等の携帯端末装置に適用される。
【0074】
上記慣性センサ1の適用を用途別にみると、上記慣性センサ1は姿勢制御、動作検知に用いられる。例えば、ビデオカメラ、スチルカメラ、カメラの交換レンズ等の携帯型撮影機器、携帯電話等の携帯端末装置、ユーザ・インターフェース、ゲーム機、ゲームコントローラー、等に適用される。
上記慣性センサ1は、振動制御に用いられる。例えば、全自動洗濯機、自動車、振動制御装置、等に適用される。
上記慣性センサ1は、動作検知に用いられるものである。例えば、歩数計、防犯・防災装置、盗難防止装置、等に適用される。
上記慣性センサ1は、衝撃(衝突)検知に用いられる。例えば、車両用エアバッグ装置、車両・船舶・航空機等の事故記録装置、HDD、等に適用される。また携帯型HDD、ノート型パーソナルコンピュータ、HDD内蔵携帯型音楽再生装置、HDD内蔵携帯型音楽録音再生装置、HDD搭載型ビデオカメラ等のHDDを搭載した携帯型電子機器に適用される。また携帯電話等の携帯端末装置に適用される。
【0075】
このように、本発明の慣性センサ1は、あらゆる分野の電気・電子機器に適用することが可能である。以下、電気・電子機器の一実施の形態を以下に説明する。ここで説明するのは一例であって、上記した電気・電子機器に適用できる。
【0076】
ビデオカメラ装置に適用した一例を、図20の概略構成斜視図によって説明する。
【0077】
図20に示すように、本適用例に係るビデオカメラ装置510は、本体511と、その前方に被写体撮影用のレンズ512を備える。また本体511の前方(レンズ側)側面に撮影時のスタート/ストップスイッチ513、表示部514を備え、本体511の後方にファインダー515を備える。また本体511の内部に、撮影した画像を記録する記録装置(図示せず)、固体撮像装置等の撮像素子516等を有する。
上記撮像素子516が搭載される基板517には、角速度センサが搭載されていて、その角速度センサとして本発明に係る慣性センサ1を用いる。
【0078】
次に、HDD装置に適用した一例を、図21の概略構成斜視図によって説明する。
図21では、HDD装置の一例を示し、(1)図に概略構成斜視図を示し、(2)図に内部平面図を示した。
【0079】
図21に示すように、本適用例に係るHDD装置530は、ベース部材531とベース部材531の内部に設置された装置を覆うカバー532を有する。
上記ベース部材531の内部に設置されているベース基板533に、モータ535、このモータ535に駆動される磁気ディスク534が設置されている。また支軸536に回動自在に設けたアクチュエータアーム537、アクチュエータアーム537の先端部にヘッドサスペンション538を介して形成された磁気ヘッド539等が設けられている。上記磁気ヘッド539はアクチュエータアーム537の回動によって磁気ディスク534上に移動可能となっている。
そして、上記ベース基板533上に慣性センサ1が設置されている。なお、慣性センサ1は、ベース部材531、カバー532等に設置することも可能である。
【0080】
次に、HDD装置を搭載したノート型パーソナルコンピュータに適用した一例を、図22によって説明する。図22では、HDD装置を搭載したノート型パーソナルコンピュータの一例を示し、(1)図に表示部を開いた状態の概略構成斜視図を示し、(2)図に表示部を閉じた状態の概略構成斜視図を示した。
【0081】
図22に示すように、本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータ550は、本体551に、文字等を入力するとき操作されるキーボード552、画像を表示する表示部553、HDD装置554等を有する。
上記HDD装置554は、前記説明した本発明の慣性センサ1が搭載されたHDD装置530を用いる。また、慣性センサ1はノート型パーソナルコンピュータ550の基板(図示せず)や本体551や表示部553を構成する筐体の内側の空いている領域に取付けてもよい。
【0082】
次に、HDD装置を搭載したゲーム機の一例を、図23によって説明する。図23では、HDD装置を搭載したゲーム機の一例を平面図に示した。
【0083】
図23に示すように、本適用例に係るHDD装置を搭載したゲーム機570は、本体571に、画面等を操作する第1操作ボタン群572、第2操作ボタン群573、画像を表示する表示部574、HDD装置575等を有する。
上記HDD装置574は、前記説明した本発明の慣性センサ1が搭載されたHDD装置530を用いる。また、慣性センサ1はゲーム機570の基板(図示せず)や本体571を構成する筐体の内部側の空いている領域に取付けてもよい。
【0084】
次に、HDD装置を搭載したビデオカメラ装置の一例を、図24によって説明する。図24では、HDD装置を搭載したビデオカメラ装置の一例を示し、概略構成斜視図で示した。
【0085】
図24に示すように、本適用例に係るHDD装置を搭載したビデオカメラ装置590は、本体591と、その前方に被写体撮影用のレンズ512を備える。また本体511の前方(レンズ側)側面に撮影時のスタート/ストップスイッチ513、表示部514を備え、本体511の後方にファインダー515を備える。本体511の後方にファインダー515を備える。また本体511の内部に、撮影した画像を記録するHDD装置596を有する。
上記HDD装置596は、前記説明した本発明の慣性センサ1が搭載されたHDD装置530を用いる。また、慣性センサ1はビデオカメラ装置590の基板(図示せず)や本体591を構成する筐体の内部側の空いている領域に取付けてもよい。
【0086】
次に、カメラ付き携帯端末装置の一例を、図25によって説明する。図25は、カメラ付き携帯端末装置、例えばカメラ付き携帯電話機の一例を示し、(1)は開いた状態での正面図、(2)はその側面図、(3)は閉じた除隊での正面図、(4)は左側面図、(5)は右側面図、(6)は上面図、(7)は下面図である。
【0087】
図25に示すように、本適用例に係る携帯端末装置、例えば携帯電話機610は、上側筐体611、下側筐体612、連結部(ここではヒンジ部)613を有する。上側筐体611にはディスプレイ614、サブディスプレイ615、ピクチャーライト616、カメラ617、角速度センサ618等を有する。
上記加速度センサ618として本発明に係る慣性センサ1を用いる。また、慣性センサ1は、携帯電話機610の上側筐体611の内部側の他の位置、下側筐体612の内部側の空いている領域に取付けてもよい。
【0088】
上記各電気・電子機器によれば、本発明の慣性センサ1を備えたことから、省スペースに慣性センサ1を設置できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る慣性センサの基本構成の一例を示した基本構成のレイアウト図である。
【図2】図1中のA−A’線断面図である。
【図3】図1中のB−B’線断面図である。
【図4】本発明の第2実施の形態に係る慣性センサの駆動方法の一例を示した振動子の駆動模式図である。
【図5】本発明の第2実施の形態に係る慣性センサの駆動方法の一例を示した振動子の駆動模式図である。
【図6】本発明の第3実施の形態に係る慣性センサの構成の変形例を示した模式平面レイアウト図である。
【図7】本発明の第3実施の形態に係る慣性センサの構成の変形例を示した模式平面レイアウト図である。
【図8】本発明の第3実施の形態に係る慣性センサの構成の変形例を示した模式平面レイアウト図である。
【図9】本発明の第3実施の形態に係る慣性センサの構成の変形例を示した模式平面レイアウト図である。
【図10】本発明の第3実施の形態に係る慣性センサの構成の変形例を示した模式平面レイアウト図である。
【図11】本発明の第3実施の形態に係る慣性センサの構成の変形例を示した模式平面レイアウト図である。
【図12】本発明の第3実施の形態に係る慣性センサの構成の変形例を示した模式平面レイアウト図である。
【図13】本発明の第3実施の形態に係る慣性センサの構成の変形例を示した模式平面レイアウト図である。
【図14】本発明の第4実施の形態に係る慣性センサの製造方法の一例を示した製造工程断面図である。
【図15】本発明の第4実施の形態に係る慣性センサの製造方法の一例を示した製造工程断面図である。
【図16】本発明の第4実施の形態に係る慣性センサの製造方法の一例を示した製造工程断面図である。
【図17】本発明の第4実施の形態に係る慣性センサの製造方法の一例を示した平面レイアウト図である。
【図18】本発明の第4実施の形態に係る慣性センサの製造方法の一例を示した製造工程断面図である。
【図19】本発明の第4実施の形態に係る慣性センサの製造方法の一例を示した製造工程断面図である。
【図20】ビデオカメラ装置に適用した一例を示した概略構成斜視図である。
【図21】HDD装置に適用した一例を示した概略構成斜視図である。
【図22】HDD装置を搭載したノート型パーソナルコンピュータに適用した一例を示した概略構成斜視図である。
【図23】HDD装置を搭載したゲーム機の一例を示した平面図である。
【図24】HDD装置を搭載したビデオカメラ装置の一例を示した概略構成斜視図である。
【図25】カメラ付き携帯端末装置の一例を示した図面である。
【符号の説明】
【0090】
1…慣性センサ、13…固定部、21〜24…第1振動子〜第4振動子、31〜34…弾性支持体、41〜44…弾性連結体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部と、
前記固定部に弾性支持体を介して支持される第1振動子、第2振動子、第3振動子および第4振動子を有し、
前記第1振動子および前記第3振動子はX軸上に該X軸の原点に対して対称な位置に配置され、
前記第2振動子および前記第4振動子は前記X軸に直交するY軸上に前記X軸の原点と同位置のY軸の原点に対して対称な位置に配置され、
前記第1振動子、前記第2振動子、前記第3振動子および前記第4振動子は隣り合う振動子間を弾性連結体により支持されている
慣性センサ。
【請求項2】
前記第1振動子および前記第3振動子が前記X軸上を前記X軸の原点から遠ざかる方向に振動するとき、前記第2振動子および前記第4振動子は前記Y軸上を前記Y軸の原点に近づく方向に振動し、
前記第1振動子および前記第3振動子が前記X軸上を前記X軸の原点に近づく方向に振動するとき、前記第2振動子および前記第4振動子は前記Y軸上を前記Y軸の原点から遠ざかる方向に振動する振動モードを有する
請求項1記載の慣性センサ。
【請求項3】
前記第1振動子、前記第2振動子、前記第3振動子および前記第4振動子は、前記X軸の原点に対して回転する方向に振動する振動モードを有する
請求項1記載の慣性センサ。
【請求項4】
前記第1振動子と前記第3振動子の対向する面および前記第2振動子と前記第4振動子の対向する面のそれぞれに前記弾性連結体が形成され、
前記第1振動子と前記第3振動子の対向する面とは異なる面および前記第2振動子と前記第4振動子の対向する面とは異なる面のそれぞれに前記弾性支持体が形成されている
請求項1記載の慣性センサ。
【請求項5】
前記第1振動子と前記第3振動子の対向する面および前記第2振動子と前記第4振動子の対向する面のそれぞれに前記弾性連結体と前記弾性支持体が離間されて形成されている
請求項1記載の慣性センサ。
【請求項6】
前記第1振動子と前記第3振動子の対向する面および前記第2振動子と前記第4振動子の対向する面のそれぞれに前記弾性支持体が形成されていて、
前記第1振動子と前記第3振動子の対向する面に隣接する面および前記第2振動子と前記第4振動子の対向する面に隣接する面のそれぞれに前記弾性連結体が形成されている
請求項1記載の慣性センサ。
【請求項7】
前記弾性連結体は、前記第1振動子と前記第3振動子とが対向する面および前記第2振動子と前記第4振動子が対向する面のそれぞれに対して直角に形成されている
請求項1記載の慣性センサ。
【請求項8】
前記第1振動子ないし前記第4振動子のそれぞれの振動子の一面には二つの前記弾性連結体が形成され、それぞれの前記弾性連結体は離間して形成されている
請求項1記載の慣性センサ。
【請求項9】
前記第1振動子と前記第3振動子の対向する面とは異なる面および前記第2振動子と前記第4振動子の対向する面とは異なる面のそれぞれに前記弾性連結体とは別の第2弾性連結体が形成されている
請求項4または請求項5記載の慣性センサ。
【請求項10】
前記第1振動子と前記第3振動子とが対向する面とは反対側の面および前記第2振動子と前記第4振動子が対向する面とは反対側の面のそれぞれに、当該面と離間して駆動電極を有する
請求項1記載の慣性センサ。
【請求項11】
前記第1振動子ないし前記第4振動子上方のそれぞれに離間して検出電極を有する
請求項1記載の慣性センサ。
【請求項12】
前記弾性連結体の中間部を支持する補助弾性体を有する
請求項1記載の慣性センサ。
【請求項13】
固定部と、
前記固定部に弾性支持体を介して支持される第1振動子、第2振動子、第3振動子および第4振動子を有し、
前記第1振動子および前記第3振動子はX軸上に該X軸の原点に対して対称な位置に配置され、
前記第2振動子および前記第4振動子は前記X軸に直交するY軸上に前記X軸の原点と同位置のY軸の原点に対して対称な位置に配置され、
前記第1振動子、前記第2振動子、前記第3振動子および前記第4振動子は隣接する振動子間を弾性連結体により支持されていて、
前記第1振動子ないし前記第4振動子に同一周波数の駆動信号を与えて前記第1振動子ないし前記第4振動子を連成駆動させ、
かつ、前記第1振動子および前記第3振動子を前記X軸上に振動させ、
前記第2振動子および前記第4振動子を前記Y軸上に前記第1振動子および前記第3振動子とは逆位相で振動させる
慣性センサの駆動方法。
【請求項14】
基板本体部と絶縁層とシリコン層が順に積層された第1基板を用意し、後の工程で固定部が形成される領域を除く前記シリコン層の上部に凹部を形成する工程と、
前記シリコン層の後の工程で駆動電極が形成される領域上に第1電極を形成する工程と、
前記シリコン層で、枠体からなる固定部と、前記固定部に弾性支持体を介して支持されていてX軸上に対向して形成される第1振動子および第3振動子と、前記固定部に弾性支持体を介して支持されていてY軸上に対向して形成される第2振動子および第4振動子と、前記第1振動子、前記第2振動子、前記第3振動子および前記第4振動子の隣接する振動子間を支持する弾性連結体を形成する工程と、
前記固定部と前記基板本体部との間および前記駆動電極と前記基板本体部との間の前記絶縁層を残して、それ以外の前記絶縁層を除去する工程と、
第2基板を用意し、該第2基板の前記第1電極に対向する位置に第2電極を形成する工程と、
前記第2電極上にコンタクト部を形成する工程と、
前記固定部と前記第2基板とを接合させて前記第1電極と前記コンタクト部とを接続させる工程とを有する
慣性センサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−78397(P2010−78397A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−245515(P2008−245515)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】