説明

抗菌活性を有する新規化合物

本発明は、式(I)の新規抗菌化合物を記載する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌活性を有する新規の種類の化合物について記載する。
【背景技術】
【0002】
現在使用される抗生物質に対する耐性は、近年、世界の多くの国々で明らかに増加しており、ある場合によっては、驚くべき割合を示している。主な問題は、これらの病原体がまさに単一の耐性を示すのではなく、たいてい多数の耐性を示すことである。これは、特にブドウ球菌、肺炎球菌及び腸球菌のような幾つかのグラム陽性病原体群に該当する(S. Ewig et al.; Antibiotika-Resistenz bei Erregern ambulant erworbener Atemwegsinfektionen (外来患者獲得性呼吸器感染の病原体における抗生物質耐性); Chemother. J. 2002、11、12-26; F. Tenover; Development and spread of bacterial resistance to antimicrobial agents(抗菌剤に対する細菌耐性の発生と蔓延): an overview; Clin. Infect. Dis. 2001 Sep 15、33 Suppl. 3、108-115)。
【0003】
以前から恐れられていた発生が最近起こった:米国で、メチシリンに耐性であるだけでなく、バンコマイシンにも高い耐性を有する黄色ブドウ球菌の第1株が記載されている(Centers for Disease Control and Prevention; Staphylococcus aureus resistant to vancomycin (バンコマイシンに耐性がある黄色ブドウ球菌)-United States、2002; MMWR 2002、51、565-567)。したがって、病院での衛生措置に加えて、これらの問題となる細菌に対して有効であるように、できる限り新規構造及び新規作用機序を有する新規抗生物質を見つけ出すためのより一層の努力も必要とされる。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、抗菌活性を有する新規な種類の化合物について記載する。
本発明は、一般式(I)の化合物、あるいはそれらの薬理学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物又は薬理学的に許容可能な配合物に関する:
【0005】
【化1】

【0006】
式中、
Aは、酸素、硫黄もしくは窒素原子、又はC1〜4アルキレン、C2〜4アルケニレン、C2〜4アルキニレンもしくはC1〜4ヘテロアルキレン基であり、
、X、X、X及びXは、それぞれ他のものと独立して、窒素原子又は式CRの基であり、
は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキルオキシ基又はヘテロアルキルオキシ基であり、
は、水素原子、ハロゲン原子、又はヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニルもしくはヘテロアルキル基であり、
は、次の基から選択され:
【0007】
【化2】

【0008】
基は、他のもの(複数可)とそれぞれ独立して、ヒドロキシ基、C1〜6アルキル基又はC1〜8ヘテロアルキル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル又はヘテロアラルキル基であり、
nは、0、1、2又は3であり、
mは、0又は2である。
【0009】
アルキルという表現は、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子、特に1〜8個又は1〜6個又は1〜4個の炭素原子を含有する直鎖あるいは分枝鎖の飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、2,2−ジメチル−ブチル又はn−オクチル基を指す。
【0010】
アルケニル及びアルキニルという表現は、2〜20個の炭素原子、好ましくは2〜12個の炭素原子、特に2〜6個の炭素原子を含有する少なくとも部分的に不飽和の直鎖又は分枝鎖の炭化水素基、例えば、エテニル、アリル、アセチレニル、プロパルギル、イソプレニル又はヘキサ−2−エニル基を指す。好ましくは、アルケニル基は、1個又は2個(特に1個)の二重結合(複数可)を有し、アルキニル基は、1個又は2個(特に1個)の三重結合(複数可)を有する。
【0011】
さらに、アルキル、アルケニル及びアルキニルという用語は、例えば2,2,2−トリクロロエチル又はトリフルオロメチル基のような、1個又はそれ以上の水素原子がハロゲン原子(好ましくは、F又はCl)で置換された基を指す。
【0012】
ヘテロアルキルという表現は、1個又はそれ以上(好ましくは、1個、2個又は3個)の炭素原子が、酸素、窒素、リン、ホウ素、セレン、ケイ素又は硫黄原子(好ましくは、酸素、硫黄又は窒素)で置換されたアルキル、アルケニルあるいはアルキニル基を指す。さらに、ヘテロアルキルという表現は、カルボン酸、あるいは例えばアシル、アシルアルキル、アルコキシカルボニル、アシルオキシ、アシルオキシアルキル、カルボキシアルキルアミド又はアルコキシカルボニルオキシのようなカルボン酸に由来する基を指す。
【0013】
ヘテロアルキル基の例としては、式R−O−Y−、R−S−Y−、R−N(R)−Y−、R−CO−Y−、R−O−CO−Y−、R−CO−O−Y−、R−CO−N(R)−Y−、R−N(R)−CO−Y−、R−O−CO−N(R)−Y−、R−N(R)−CO−O−Y−、R−N(R)−CO−N(R)−Y−、R−O−CO−O−Y−、R−N(R)−C(=NR)−N(R)−Y−、R−CS−Y−、R−O−CS−Y−、R−CS−O−Y−、R−CS−N(R)−Y−、R−N(R)−CS−Y−、R−O−CS−N(R)−Y−、R−N(R)−CS−O−Y−、R−N(R)−CS−N(R)−Y−、R−O−CS−O−Y−、R−S−CO−Y−、R−CO−S−Y−、R−S−CO−N(R)−Y−、R−N(R)−CO−S−Y−、R−S−CO−O−Y−、R−O−CO−S−Y−、R−S−CO−S−Y−、R−S−CS−Y−、R−CS−S−Y−、R−S−CS−N(R)−Y−、R−N(R)−CS−S−Y−、R−S−CS−O−Y−、R−O−CS−S−Y−の基であり、Rは、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル又はC〜Cアルキニル基であり、Rは、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル又はC〜Cアルキニル基であり、Rは、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル又はC〜Cアルキニル基であり、Rは、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル又はC〜Cアルキル基であり、Yは、直接結合、C〜Cアルキレン、C〜Cアルケニレン又はC〜Cアルキニレン基であり、ヘテロアルキル基はそれぞれ、少なくとも1個の炭素原子を含有し、1個又はそれ以上の水素原子をフッ素又は塩素原子で置換されていることが可能である。ヘテロアルキル基の具体例は、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、t−ブチルオキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、イソプロピルエチルアミノ、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、ジイソプロピルアミノエチル、エノールエーテル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、アセチル、プロピオニル、ブチリルオキシ、アセチルオキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N−エチル−N−メチルカルバモイル及びN−メチルカルバモイルである。ヘテロアルキル基のさらなる例は、ニトリル、イソニトリル、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート及びアルキルニトリル基である。
【0014】
シクロアルキルという表現は、3〜14個の環炭素原子、好ましくは3〜10個(特に、3個、4個、5個、6個又は7個)の環炭素原子を含有する1個又はそれ以上の環(好ましくは1個又は2個)を含有する飽和あるいは部分的に不飽和の(例えば、シクロアルケニル)環状基を指す。さらに、シクロアルキルという表現は、1個又はそれ以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子で、あるいはOH、=O、SH、=S、NH、=NH又はNO基で置換された基を指し、したがって、例えば、シクロヘキサノン、2−シクロヘキセノン又はシクロペンタノンのような環状ケトンを指す。さらに、シクロアルキル基の具体例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、スピロ[4,5]デカニル、ノルボルニル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、デカリニル、キュバニル、ビシクロ[4.3.0]ノニル、テトラリン、シクロペンチルシクロヘキシル、フルオロシクロヘキシル又はシクロヘキサ−2−エニル基である。
【0015】
ヘテロシクロアルキルという表現は、1個又はそれ以上(好ましくは、1個、2個又は3個)の環炭素原子が酸素、窒素、ケイ素、セレン、リン又は硫黄原子(好ましくは、酸素、硫黄又は窒素)で置換された、上記で定義するようなシクロアルキル基を指す。ヘテロシクロアルキル基は、好ましくは、3〜10個(特に、3個、4個、5個、6個又は7個)の環原子を含有する1個又は2個の環(複数可)を有する。さらに、ヘテロシクロアルキルという表現は、1個又はそれ以上の水素原子がフッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子で、あるいはOH、=O、SH、=S、NH、=NH又はNO基で置換された基を指す。例は、ピペリジル、モルホリニル、ウロトロピニル、ピロリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル、オキサシクロプロピル、アザシクロプロピル又は2−ピラゾリニル基、さらにラクタム、ラクトン、環状イミド及び環状酸無水物である。
【0016】
アルキルシクロアルキルという表現は、上記定義に従った、シクロアルキル、及びさらにアルキル、アルケニル又はアルキニル基の両方を含有する基を指し、例えば、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロアルケニル、アルケニルシクロアルキル及びアルキニルシクロアルキル基を指す。アルキルシクロアルキル基は好ましくは、3〜10個(特に、3個、4個、5個、6個又は7個)の環炭素原子及び1個又は2〜6個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル、アルケニルあるいはアルキニル基を有する、1個又は2個の環系を含有するシクロアルキル基を含有する。
【0017】
ヘテロアルキルシクロアルキルという表現は、1個又はそれ以上(好ましくは、1個、2個又は3個)の炭素原子が酸素、窒素、ケイ素、セレン、リン又は硫黄原子(好ましくは、酸素、硫黄又は窒素)で置換された、上記で定義するようなアルキルシクロアルキル基を指す。ヘテロアルキルシクロアルキル基は好ましくは、3〜10個(特に、3個、4個、5個、6個又は7個)の環原子及び1個又は2〜6個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル、アルケニル、アルキニルあるいはヘテロアルキル基を有する1個又は2個の環系を含有する。かかる基の例は、アルキルへテロシクロアルキル、アルキルへテロシクロアルケニル、アルケニルへテロシクロアルキル、アルキニルへテロシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルへテロシクロアルキル及びヘテロアルキルへテロシクロアルケニルであり、環状基は、飽和又は一不飽和、二不飽和もしくは三不飽和である。
【0018】
アリール又はArという表現は、6〜14個の環炭素原子、好ましくは6〜10個(特に、6個)の炭素原子を含有する1個又はそれ以上の環を有する芳香族基を指す。さらに、アリール(又はAr)という表現は、1個又はそれ以上の水素原子がフッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子で、あるいはOH、SH、NH又はNO基で置換された基を指す。例は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、2−フルオロフェニル、アニリニル、3−ニトロフェニル又は4−ヒドロキシフェニル基である。
【0019】
ヘテロアリールという表現は、1個又はそれ以上の環を有し、かつ、5〜14個の環原子、好ましくは5〜10個(特に、5個又は6個)の環原子を含有し、かつ1個又はそれ以上(好ましくは、1個、2個、3個又は4個)の酸素、窒素、リン又は硫黄環原子(好ましくは、O、S又はN)を含有する環系で形成される、芳香族基を指す。さらに、ヘテロアリールという表現は、1個又はそれ以上の水素原子がフッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子で、あるいはOH、SH、NH、又はNO基で置換された基を指す。例は、4−ピリジル、2−イミダゾリル、3−フェニル−ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、インダゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ピリダジニル、キノリニル、プリニル、カルバゾリル、アクリジニル、ピリミジル、2,3’−ビフリル、3−ピラゾリル及びイソキノリニル基である。
【0020】
アラルキルという表現は、例えばアリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールシクロアルキル、アリールシクロアルケニル、アルキルアリールシクロアルキル及びアルキルアリールシクロアルケニル基のような、上記定義に従った、アリール、及びさらにアルキル、アルケニル、アルキニル及び/又はシクロアルキル基の両方を含有する基を指す。アラルキルの具体例は、トルエン、キシレン、メシチレン、スチレン、塩化ベンジル、o−フルオロトルエン、1H−インデン、テトラリン、ジヒドロナフタレン、インダノン、フェニルシクロペンチル、クメン、シクロヘキシルフェニル、フルオレン及びインダンである。アラルキル基は好ましくは、6〜10個の炭素原子、及び1個又は2〜6個の炭素原子を含有する1個又は2個のアルキル、アルケニル及び/又はアルキニル基、及び/又は5個又は6個の環炭素原子を含有するシクロアルキル基を含有する1個又は2個の芳香族環系(1個又は2個の環)を含有する。
【0021】
ヘテロアラルキルという表現は、1個又はそれ以上(好ましくは、1個、2個、3個又は4個)の炭素原子が酸素、窒素、ケイ素、セレン、リン、ホウ素又は硫黄原子(好ましくは、酸素、硫黄又は窒素)で置換された、上記で定義するようなアラルキル基を指し、すなわち、上記定義に従った、アリール又はヘテロアリール、及びさらにアルキル、アルケニル、アルキニル及び/又はヘテロアルキル及び/又はシクロアルキル及び/又はヘテロシクロアルキル基の両方を含有する基を指す。ヘテロアラルキル基は好ましくは、5個又は6〜10個の炭素原子を含有する1個又は2個の芳香族環系(1個又は2個の環)及び1個又は2〜6個の炭素原子を含有する1個又は2個のアルキル、アルケニル及び/又はアルキニル基、及び/又は5個又は6個の環炭素原子を含有するシクロアルキル基を含有し、それらの炭素原子のうち1個、2個、3個又は4個が、酸素、硫黄又は窒素原子で置換されている。
【0022】
例は、アリールへテロアルキル、アリールへテロシクロアルキル、アリールへテロシクロアルケニル、アリールアルキルへテロシクロアルキル、アリールアルケニルへテロシクロアルキル、アリールアルキニルへテロシクロアルキル、アリールアルキルへテロシクロアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロアリールへテロアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、ヘテロアリールシクロアルケニル、ヘテロアリールへテロシクロアルキル、ヘテロアリールへテロシクロアルケニル、ヘテロアリールアルキルシクロアルキル、ヘテロアリールアルキルへテロシクロアルケニル、ヘテロアリールヘテロアルキルシクロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキルシクロアルケニル及びヘテロアリールヘテロアルキルへテロシクロアルキル基であり、環状基は、飽和又は一不飽和、二不飽和もしくは三不飽和である。具体例は、テトラヒドロイソキノリル−、ベンゾイル−、2−又は3−エチルインドリル−、4−メチルピリジノ−、2−、3−又は4−メトキシフェニル−、4−エトキシフェニル−、2−、3−又は4−カルボキシフェニル−アルキル基である。
【0023】
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルという表現は、かかる基の1個又はそれ以上の水素原子がフッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子で、あるいはOH、=O、SH、=S、NH、=NH又はNO基で置換された基を指す。
【0024】
「任意に置換された」という表現は、1個又はそれ以上の水素原子がフッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子で、あるいはOH、=O、SH、=S、NH、=NH又はNO基で置換された基を指す。さらに、この表現は、非置換のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜C10シクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、C〜C10アリール、C〜Cヘテロアリール、C〜C12アラルキル又はC〜C11ヘテロアラルキル基で置換される基を指す。
【0025】
それらの置換により、式(I)の化合物は、1個又はそれ以上のキラル中心を含有してもよい。したがって、本発明は、全ての純粋なエナンチオマー及び全ての純粋なジアステレオマーの両方、及びさらにそれらの混合物を任意の混合比で包含する。さらに、本発明はまた、一般式(I)の化合物の全てのシス/トランス異性体、及びさらにそれらの混合物を包含する。本発明はさらに、式(I)の化合物の全ての互変異性型を包含する。
【0026】
Aが、酸素原子又は式CHもしくはCH(OH)の基である、式(1)の化合物が好ましい。
【0027】
また、X、X、X、X及びXの基の1つ(特に、X又はX)が窒素原子であり、かつ他のものはCH基であるか、又はX、X、X、X及びX基が全てCH基である、式(1)の化合物が好ましい。
【0028】
さらに、Rは、好ましくは次式の基の一つである:
【0029】
【化3】

【0030】
は、特に好ましくは、ハロゲン原子、C1〜6アルキルオキシ基(例えば、メトキシ又はエトキシ)、メチル基又はエチル基、特にメトキシ基である。
【0031】
また好ましくは、Rは、個々のヘテロ原子として1個又は2個の酸素原子を有する、上記で定義するようなC1〜6ヘテロアルキル基である。
【0032】
は、特に好ましくは、式−COOH、−CHCOOH、−CHCHCOOH、−CHCOOCH、−CHCH、−CHOH、−CHCHOH、−OH、−OCH、−CHOCONH、−CHCHCOOCH、−COOCH、−CH又は(CHOHの基である。
【0033】
また好ましくは、nは、0又は1である。
【0034】
また好ましくは、Rは、アラルキル又はヘテロアラルキル基である。
【0035】
さらに好ましくは、Rは、式−Y−Cyの基であり、Yは、C〜Cアルキレン、C〜Cアルケニレン又はC〜Cヘテロアルキレン基であり、ここで、任意に水素原子がヒドロキシ基で置換されていてもよく、あるいは2個の水素原子が=Oで置換されていてもよい、及びCyは、1個もしくは2個の環及び5〜10個の環原子を含有する任意に置換されたフェニル、ナフチル又はヘテロアリール基、あるいは2個の環及び9個もしくは10個の環原子を含有する任意に置換されたアリールへテロシクロアルキル又はヘテロアリールへテロシクロアルキル基である。
【0036】
式(I)の化合物、それらの薬理学的に許容可能な塩又は溶媒和物及び水和物、ならびに配合物及び薬学的組成物の治療上の使用もまた、本発明の範囲内である。
【0037】
本発明による薬学的組成物は、有効成分として少なくとも1つの式(I)の化合物、任意に及び、キャリア物質及び/又は補助剤(アジュバント)を含む。
【0038】
式(I)の化合物の薬理学的に許容可能な塩の例は、例えば塩酸、硫酸及びリン酸などの生理学的に許容可能な鉱酸の塩、及び、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、乳酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、シュウ酸、マレイン酸及びサリチル酸などの有機酸の塩である。式(I)の化合物の薬理学的に許容可能な塩のさらなる例は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム及びマグネシウム塩のようなアルカリ金属塩ならびにアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及び例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、エチレンジアミン、リジン、水酸化コリン、メグルミン、モルホリン及びアルギニン塩などの有機塩基の塩である。式(I)の化合物は、溶媒和させることができ、特に水和させることができる。水和は、例えば調製プロセス中に、あるいは式(I)の最初は無水である化合物の吸水性の結果として起こり得る。式(I)の化合物が不斉炭素原子を含む場合、式(I)の化合物は、アキラル化合物、ジアステレオマー混合物、エナンチオマーの混合物の形態で、あるいは光学的に純粋な化合物の形態で存在し得る。
【0039】
本発明が同様に関連するプロドラッグは、式(I)の化合物と、生理学的条件下で除去される少なくとも1つの薬理学的に許容可能な保護基、例えば、エトキシ、ダロキセート、ベンジルオキシ、アセチルアセチルオキシ基、あるいは式COOCHOCOC(CH又はCOOCHOCOO−シクロヘキシルの基などの、例えば、アルコキシ、アラルキルオキシ、アシル又はアシルオキシ基、から構成される。
【0040】
本発明はまた、薬剤の調製におけるこれらの有効成分の使用に関する。概して、式(I)の化合物は、個々に、あるいは任意の他の所望の治療薬と組み合わせて、既知の許容可能な方法を用いて投与される。かかる治療上有用な作用物質は、例えば、以下の経路:経口的投与、例えば、糖衣錠、コーティングした錠剤、丸剤、半固形物質、軟質又は硬質カプセル、溶液、エマルジョン又は懸濁液の形態で;非経口的投与、例えば、注射可能な溶液の形態で;直腸内投与、坐剤の形態で;吸入、例えば、経皮的又は鼻内的に粉末配合物又はスプレーの形態で;などの1つにより投与され得る。かかる錠剤、丸剤、半固形物質、コーティングした錠剤、糖衣錠及び硬質ゼラチンカプセルの調製に関して、治療上有用な生成物を、薬理学的に不活性な無機又は有機の薬学的キャリア物質、例えばラクトース、スクロース、グルコース、ゼラチン、麦芽、シリカゲル、デンプン又はそれらの誘導体、タルカム、ステアリン酸又はそれらの塩、脱脂粉乳粉末等と混合することができる。軟質カプセルの調製に関して、例えば植物油、石油、動物油又は合成油、蝋、脂肪及びポリオールなどの薬学的キャリア物質を使用することができる。溶液及びシロップの調製に関して、例えば水、アルコール、生理食塩水溶液、デキストロース水、ポリオール、グリセロール、植物油、石油及び動物油又は合成油などの薬学的キャリア物質を使用することができる。坐剤に関しては、例えば植物油、石油、動物油又は合成油、蝋、脂肪及びポリオールなどの薬学的キャリア物質を使用することができる。エアロゾル配合物に関しては、例えば酸素、窒素及び二酸化炭素などの目的に合った圧縮ガスを使用することができる。薬学的に許容可能な作用物質はまた、保存剤及び安定剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、浸透圧を変更させるための塩、緩衝液、カプセル化添加剤及び酸化防止剤を含んでもよい。
【0041】
他の治療薬との併用には、他の抗菌抗真菌有効成分を含んでもよい。
【0042】
細菌感染の防止及び/又は治療に関して、明による生物学的に活性な化合物の用量は、広範囲の制限内で変化させることができ、個々の要件に合わせて調節することができる。一般に、1日当たり10〜4000mgの用量が適切であり、好ましい用量は、1日当たり50〜3000mgである。適切な場合では、用量はまた、規定の値以上又は以下であってもよい。日用量は、単回投与として、あるいは複数回の投与として投与することができる。典型的な個々の用量は、およそ50mg、100mg、250mg、500mg、1g又は2gの有効成分を含有する。
【実施例1】
【0043】
2−((3RS)−{[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール.
1.a) (3RS)−アジドメチルピペリジン−1−カルバミン酸ベンジル:
【0044】
【化4】

【0045】
0℃で、トリエチルアミン(5.6ml、40.1mmol)、続いて塩化メタンスルホニル(2ml、25.7mmol)を、ジクロロメタン(100ml)中の3−ヒドロキシメチルピペリジン−1−カルバミン酸ベンジル(5g、20.05mmol)の溶液に添加した。溶液を20分間攪拌した後、反応混合物を−60℃に冷却して、ジエチルエーテル(10ml)中の4−オキソピペリジン−1−カルバミン酸ベンジル(2.33g、10mmol)の溶液を添加した。反応混合物を30分かけて室温に加熱して、水(40ml)を添加した。2相に分離して、水相を2回、各回とも酢酸エチル50mlを用いて抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液20mlで洗浄して、MgSOで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc)で精製した。得られた油状物質をDMF(45ml)に溶解して、アジ化ナトリウム(2.6g、40mmol)を添加した。反応混合物を80℃でさらに3時間攪拌した後、水(100ml)及び酢酸エチル(200ml)で希釈した。2相に分離して、水相を2回、各回とも酢酸エチル50mlを用いて抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液20mlで洗浄して、MgSOで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc 1/1)で精製した。
【0046】
収量:6.1g(18.6mmol)
H−NMR(CDCl、300MHz:1.28(m、1H);1.51(m、1H);1.60−1.87(m、3H);2.74(br s、1H);2.91(m、1H);3.23(br d、J=4.5Hz、2H);3.98(td、J=4.1、13.2Hz、1H);4.06(br s、1H);5.15(s、2H);7.28−7.38(m、5H).
【0047】
3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−カルバミン酸ベンジルは、Arch. Pharm. (Weinheim、Germany) 1990 p.9-12に既に記載されている。
【0048】
1.b) (3RS)−アミノメチル−ピペリジン−1−カルバミン酸ベンジル:
【0049】
【化5】

【0050】
トリフェニルホスフィン(8g、30mmol)を、THF(37ml)及び水(5ml)中の3−アジドメチルピペリジン−1−カルバミン酸ベンジル(6.1g、18.6mmol)の溶液に添加した。溶液を60℃で3時間攪拌した後、反応混合物を濃縮して、残渣を3N HCl(200ml)及びエーテル(200ml)中に溶解した/取り込んだ。2相に分離して、水相を2回、各回とも酢酸エチル100mlを用いて抽出した。油状物質が析出するまで、固形水酸化ナトリウム(16g、640mmol)を慎重に添加した。混合物を酢酸エチルで希釈して、有機相をMgSOで乾燥し、濾過して、濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。
【0051】
収量:2.81g、11.3mmol
MS(EI) m/z 249[M+H]
【0052】
1.c) (3RS)−{[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−カルバミン酸ベンジル:
【0053】
【化6】

【0054】
1,4−ベンゾジオキサン−6−カルバルデヒド(0.984g、6mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.7g、8mmol)を、ジクロロエタン(37ml)及びTHF(4ml)中の3−アミノメチルピペリジン−1−カルバミン酸ベンジル(1.5g、6mmol)の溶液に添加した。溶液を室温で3時間攪拌した後、飽和NaHCO溶液(20ml)を添加した。2相に分離して、水相を2回、各回ともジクロロメタン50mlを用いて抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液20mlで洗浄して、MgSOで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc、続いてMeOH/EtOAc 1/9)で精製した。
【0055】
収量:1.7g、4.28mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 397[M+H]
【0056】
1.d) (2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)ピペリジン−(3RS)−イルメチルアミン:
【0057】
【化7】

【0058】
炭素上20%のPd(OH)(0.23g)を、EtOH(10ml)及びEtOAc(10ml)中の3−{[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−カルバミン酸ベンジル(0.98g、2.47mmol)の溶液に添加し、水素雰囲気下(1bar)で水素化を行った。反応混合物を濾過して、濾液を濃縮した。
【0059】
収量:0.64g、2.43mmol
MS(EI) m/z 308[M+H]
【0060】
1.e) (RS)−6−メトキシ−4−オキシラニルキノリン:
【0061】
【化8】

【0062】
ヨウ化トリメチルスルホニウム(0.945g、4.67mmol)及び水酸化カリウム粉末(1.8g、32mmol)を、アセトニトリル(13.5ml)及び水(6滴)中の6−メトキシキノリン−4−カルバルデヒド(0.85g、4.54mmol)の溶液に添加した。反応混合物を60℃で1時間加熱した。次に、混合物を室温に冷却して、ベンゼン(40ml)を添加した。沈殿物を濾別して、濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣を水(100ml)及び酢酸エチル(100ml)で希釈して、相分離し、水相を2回、各回とも酢酸エチル50mlを用いて抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc)で精製した。
【0063】
収量:0.904g、4.5mmol
MS(EI) m/z 202[M+H]
【0064】
6−メトキシキノリン−4−カルバルデヒドを、Eur. J. Med: Chem. Chim. Ther. 2000 (35) p-707-714に従って調製した。
【0065】
1.f) 2−((3RS)−{[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール:
【0066】
【化9】

【0067】
エタノール(4ml)中の(RS)−6−メトキシ−4−オキシラニルキノリン(0.161g、0.8mmol)及び(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)ピペリジン−(3RS)−イルメチルアミン(0.210g、0.8mmol)の溶液を80℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc、続いてEtOAc/MeOH 4:1)で精製した。
【0068】
収量:0.240g、0.51mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 464[M+H]
【実施例2】
【0069】
(1RS)−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−2−((3RS)−{[(ナフタ−2−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)エタノール
2.a) (3RS)−(t−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)ピペリジン−1−カルバミン酸ベンジル
【0070】
【化10】

【0071】
トリエチルアミン(5.6ml)及びジ−t−ブチルジカーボネート(4.9g、22.4mmol)を、ジクロロメタン(100ml)中の3−アミノメチルピペリジン−1−カルバミン酸ベンジル(5g、20.1mmol)の溶液に添加した。溶液を温室で4時間攪拌した後、溶液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン 1/4)で精製した。
【0072】
収量:5.0g、14.3mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 349[M+H]
【0073】
2.b) (RS)−ピペリジン−3−イルメチルカルバミン酸t−ブチル
【0074】
【化11】

【0075】
炭素上20%のPd(OH)(1g)を、EtOH(50ml)及びEtOAc(50ml)中の3−(t−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)ピペリジン−1−カルバミン酸ベンジル(5g、14.3mmol)の溶液に添加し、水素雰囲気下(1bar)で水素化を行った。反応混合物を濾過して、濾液を濃縮した。
【0076】
収量:3.0g、14mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 215[M+H]
【0077】
2.c) {1−[(2RS)−ヒドロキシ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)エチル]ピペリジン−(3RS)−イルメチル}カルバミン酸t−ブチル
【0078】
【化12】

【0079】
エタノール(35ml)中の6−メトキシ−4−オキシラニルキノリン(2.68g、13.3mmol)及びピペリジン−3−イルメチルカルバミン酸t−ブチル(2.85g、13.3mmol)の溶液を80℃で12時間加熱した。反応混合物を室温に冷却して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 9:1)で精製した。
【0080】
収量:2.49g、6mmol(泡状物質)
MS(EI) m/z 416[M+H]
【0081】
2.d) 2−((3RS)−アミノメチルピペリジン−1−イル)−(1RS)−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)エタノール
【0082】
【化13】

【0083】
TFA(10ml)中の{1−[(2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)エチル]ピペリジン−3−イルメチル}カルバミン酸t−ブチル(2.49g、6mmol)の溶液を室温で20分間攪拌した。反応混合物を濃縮して、2N NaOH水溶液に溶解した。水相をジクロロメタン/MeOH(9/1)で抽出して、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。
【0084】
収量:1.7g、5.4mmol(泡状物質)
MS(EI) m/z 316[M+H]
【0085】
2.e) (1RS)−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−2−((3RS)−{[(ナフタ−2−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)エタノール
【0086】
【化14】

【0087】
モレキュラーシーブ(タイプ3A)(1g)及び2−ナフトアルデヒド(0.078g、0.5mmol)を、MeOH(1.5ml)及びジクロロメタン(3.5ml)中の2−(3−アミノメチルピペリジン−1−イル)−1−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)エタノール(0.158g、0.5mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌して、水素化ホウ素ナトリウム(0.05g、1.35mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した後、Hydromatrix(NaHCO溶液2mlで湿潤した)で濾過して、続いてジクロロメタンで洗浄した。濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 9/1 1% NHOH)で精製した。
【0088】
収量:0.158g(0.34mmol)(泡状物質)
MS(EI)m/z 456[M+H]
【実施例3】
【0089】
(1RS)−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−2−{(3RS)−[(3−フェニル−アリルアミノ)メチル]ピペリジン−1−イル}エタノール
【0090】
【化15】

【0091】
類似した様式で、実施例2.eから開始して、(1RS)−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−(2RS)−{3−[(3−フェニル−アリルアミノ)メチル]ピペリジン−1−イル}エタノールを74%の収率で生産した(MS(EI) m/z 432[M+H])。
【実施例4】
【0092】
2−{(3RS)−[(3−フラン−2−イル−アリルアミノ)メチル]ピペリジン−1−イル}−(1RS)−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)エタノール
【0093】
【化16】

【0094】
類似した様式で、実施例2.eから開始して、2−{3−[(3−フラン−2−イル−アリルアミノ)メチル]ピペリジン−1−イル}−1−(6−メトキシキノリン−4ーイル)エタノールを56%の収率で生産した(MS(EI) m/z 422[M+H])。
【実施例5】
【0095】
(3S)−6−[({1−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)エチル]ピペリジン−(3RS)−イルメチル}アミノ)メチル]−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
5a) (3S)−アミノメチル−ピペリジン−1−カルバミン酸t−ブチル
【0096】
【化17】

【0097】
トリフェニルホスフィン(3.93g、15mmol)を、THF(60ml)及び水(5ml)中の(3R)−アジドメチルピペリジン−1−カルバミン酸t−ブチル(2.16g、8.9mmol)の溶液に添加した。溶液を60℃で3時間攪拌した後、反応混合物を濃縮して、残渣を3N HCl(200ml)及びエーテル(200ml)中に溶解した。2相に分離して、水相を2回、各回とも酢酸エチル100mlを用いて抽出した。油状物質が析出するまで、固形水酸化ナトリウム(6g、150mmol)を慎重に添加した。混合物を酢酸エチルで希釈して、有機相をMgSOで乾燥し、濾過して、濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。
【0098】
収量:1.90g、8.8mmol
MS(EI) m/z 215[M+H]
【0099】
3R−アジドメチルピペリジン−1−カルバミン酸t−ブチルは、J. Med. Chem. 1994 (37) p.3889-3901に従って調製した。
【0100】
5.b) 3S−(ベンジルオキシカルボニルアミノメチル)ピペリジン−1−カルバミン酸t−ブチル
【0101】
【化18】

【0102】
炭酸水素ナトリウム(1.3g、15.4mmol)及びクロロギ酸ベンジルエステル(1.3ml、9mmol)を、アセトン/水(1/1、100ml)中の3S−アミノメチルピペリジン−1−カルバミン酸t−ブチル(1.90g、8.8mmol)の溶液に添加した。反応混合物を1時間攪拌した後、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をEtOAc(100ml)で希釈した。2相に分離して、水相を2回、各回ともEtOAc50mlを用いて抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液20mlで洗浄して、MgSOで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン 1/2)で精製した。
【0103】
収量:2.96g、8.5mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 349[M+H]
【0104】
5.c) ピペリジン−(3R)−イルメチルカルバミン酸ベンジル
【0105】
【化19】

【0106】
TFA(10ml)中の3S−(ベンジルオキシカルボニルアミノメチル)ピペリジン−1−カルバミン酸t−ブチル(2.96g、6mmol)の溶液を室温で20分間攪拌した。反応混合物を濃縮して、2N NaOH水溶液中に溶解した。水相をジクロロメタン/MeOH(9/1)で抽出して、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。
【0107】
収量:1.96g、7.9mmol(泡状物質)
MS(EI) m/z 249[M+H]
【0108】
5.d) {1−[(2RS)−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]ピペリジン−(3R)−イルメチル}カルバミン酸ベンジル
【0109】
【化20】

【0110】
炭酸カリウム(1.12g、8.10mmol)及び過塩素酸リチウム(0.627g、5.89mmol)を、DMF(17ml)中の6−メトキシ−4−オキシラニルキノリン(1.127g、5.60mmol)及びピペリジン−3−イルメチルカルバミン酸ベンジル(1.46g、5.88mmol)の溶液に添加した。反応混合物を60℃で16時間加熱した後、室温に冷却して、濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 9:1 1%水酸化アンモニウム)で精製した。
【0111】
収量:2.51g、5.58mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 450[M+H]
【0112】
5.e) (3S)−2−(3−アミノメチル−ピペリジン−1−イル)−(1RS)−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)エタノール
【0113】
【化21】

【0114】
炭素上20%のPd(OH)(0.7g)を、THF(35ml)中の{1−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]ピペリジン−3−イルメチル}カルバミン酸ベンジル(2.51g、5.58mmol)の溶液に添加し、MeOH(7ml)を加え、水素雰囲気下(1bar)で水素化を行った。反応混合物を濾過して、濾液を濃縮した。
【0115】
収量:1.76g、5.58mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 316[M+H]
【0116】
5.f) (3S)−6−[({1−[(2RS)−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]ピペリジン−3−イルメチル}アミノ)メチル]−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【0117】
【化22】

【0118】
モレキュラーシーブ(タイプ3A)(1.082g)及び3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.095g、0.54mmol)を、MeOH(1.6ml)及びジクロロメタン(3.8ml)中の(3S)−2−(3−アミノメチルピペリジン−1−イル)−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール(0.171g、0.54mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌して、水素化ホウ素ナトリウム(0.054g、1.43mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した後、Hydromatrix(NaHCO溶液2mlで湿潤した)で濾過して、続いてジクロロメタンで洗浄した。濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 9/1 1% NHOH)で精製した。
【0119】
収量:0.112g(0.24mmol)(泡状物質)
MS(EI)m/z 477[M+H]
【0120】
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルバルデヒドは、WO02/34754に従って調製した。
【実施例6】
【0121】
(3S)−2−(3−{[(ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0122】
【化23】

【0123】
(3S)−2−(3−アミノメチル−ピペリジン−1−イル)−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール(実施例5.e)から開始して、(3S)−2−(3−{[(ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノールを類似した様式で、収率49%で生産した(MS(EI) m/z 464[M+H])。
【実施例7】
【0124】
2−((3S)−{[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキセピン−6−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0125】
【化24】

【0126】
(3S)−2−(3−アミノメチル−ピペリジン−1−イル)−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール(実施例5.e)から開始して、2−((3S)−{[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキセピン−6−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノールを類似した様式で、収率62%で生産した(MS(EI) m/z 478[M+H])。
【0127】
3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−カルバルデヒドは、Chem. Abstr 1958、3816に従って調製した。
【実施例8】
【0128】
2−((3S)−{[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)−(1S)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
8.a) (3S)−{[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−カルバミン酸t−ブチル
【0129】
【化25】

【0130】
モレキュラーシーブ(タイプ3A)(9.6g)及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒド(0.078g、0.5mmol)を、MeOH(8ml)及びジクロロメタン(27ml)中の3S−アミノメチルピペリジン−1−カルバミン酸t−ブチル(実施例5.a)(0.158g、0.5mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌して、水素化ホウ素ナトリウム(0.05g、1.35mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した後、Hydromatrix(NaHCO溶液20mlで湿潤した)で濾過して、続いてジクロロメタンで洗浄した。濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 19/1)で精製した。
【0131】
収量:2.2g、 6.0mmol(泡状物質)
MS(EI)m/z 363.4[M+H]
【0132】
8.b) (R)−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−ピペリジン−3−イルメチルアミン
【0133】
【化26】

【0134】
TFA(10ml)中の(3S)−{[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−カルバミン酸t−ブチル(2.2g、6mmol)の溶液を室温で20分間攪拌した。
反応混合物を濃縮して、2N NaOH水溶液に溶解した。水相をジクロロメタン/MeOH(9/1)で抽出して、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。
【0135】
収量:1.18g、4.53mmol(泡状物質)
MS(EI) m/z 263.4[M+H]
【0136】
8.c) 2−((3S)−{[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)−(1S)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0137】
【化27】

【0138】
表題の化合物を、実施例1.fに類似した様式で、収率36%で生産した(MS (EI) m/z 464.5[M+H])。
【0139】
(R)−6−メトキシ−4−オキシラニルキノリンは、WO02/50040と同様にして調製した。
【実施例9】
【0140】
2−((3S)−{[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,3]ジオキソ−6−イルメチル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−イル)−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0141】
【化28】

【0142】
表題の化合物を、実施例1.fに類似した様式で、収率44%で生産した(MS (EI) m/z 450[M+H])。
【実施例10】
【0143】
4−[(ベンゾ[1.3]ジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
10.a) 8−([2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール
【0144】
【化29】

【0145】
酸化白金(0.46g)を、EtOH(40ml)及びTHF(10ml)中の8−(6−メトキシキナゾリン−4−イルエチニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール(0.96g、2.88mmol)の溶液に添加して、水素雰囲気下(1bar)で水素化を行った。反応混合物を活性炭(5g)の存在下で攪拌して、濾過した。濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc、続いてEtOAc:MeOH 9/1)で精製した。
【0146】
収量:0.623g(1.81mmol)、泡状物質
MS(EI) m/z 344[M+H]
【0147】
8−(6−メトキシキナゾリン−4−イルエチニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オールは、J. Chem. Soc. Perk. Trans. 1、2000、3382に従って調製した。
【0148】
10.b) 4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノン
【0149】
【化30】

【0150】
AcOH/THF/HO(3/2/2、10ml)中の8−([2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール(0.623g、1.81mmol)の溶液を60℃で30時間攪拌した。反応混合物を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣を炭酸水素ナトリウム(100ml)及び酢酸エチル(100ml)で希釈して、相分離して、水相を2回、各回とも酢酸エチル50mlを用いて抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。
【0151】
収量:0.425g(1.41mmol)泡状物質
MS(EI) m/z 301[M+H]
【0152】
10.c) 4−[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール:
【化31】

【0153】
ピペロニルアミン(0.030ml、0.24mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.08g、0.377mmol)を、ジクロロメタン(1ml)中の4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノン(0.06g、0.2mmol)の溶液に添加した。反応混合物を一晩攪拌した後、Hydromatrix(NaHCO溶液2mlで湿潤した)で濾過して、続いてジクロロメタンで洗浄した。濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン:MeOH 9/1、続いてジクロロメタン:MeOH 9/1及び2%トリエチルアミン)で精製した。
【0154】
収量:シス/トランス混合物の形態で0.074g(0.17mmol)
MS(EI) m/z 436[M+H]
【実施例11】
【0155】
4−[(ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
11.a) 4−アミノ−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0156】
【化32】

【0157】
酢酸アンモニウム(14g、44mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.2g、5mmol)を、メタノール(50ml)中の4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノン(1.25g、4.2mmol)の溶液に添加した。反応混合物を一晩攪拌して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣を水(100ml)及びジクロロメタン(100ml)で希釈して、相分離して、水相を2回、各回ともジクロロメタン50mlを用いて抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。
【0158】
収量:シス/トランス混合物の形態で0.85g、2.82mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 302[M+H]
【0159】
11.b) 4−[(ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0160】
【化33】

【0161】
モレキュラーシーブ(タイプ3A)(1g)及びベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−カルバルデヒド(0.066g、0.4mmol)を、メタノール(1ml)及びジクロロエタン(3ml)中の4−アミノ−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(0.116g、0.38mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で20時間攪拌して、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.22g、1.04mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した後、Hydromatrix(NaHCO溶液2mlで湿潤した)で濾過して、続いてジクロロメタンで洗浄した。濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 9/1 1% NHOH)で精製した。
【0162】
収量:シス/トランス混合物の形態で0.112g、0.24mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 450[M+H]
【実施例12】
【0163】
1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]−4−(3−フェニルアリルアミノ)シクロヘキサノール
【0164】
【化34】

【0165】
類似した様式で、4−アミノ−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(実施例11.b)から開始して、シス/トランス混合物の形態の1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]−4−(3−フェニルアリルアミノ)シクロヘキサノールを54%の収率で生産した(MS(EI) m/z 418[M+H])。
【実施例13】
【0166】
4−(3−フラン−2−イルアリルアミノ)−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0167】
【化35】

【0168】
類似した様式で、4−アミノ−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(実施例11.b)から開始して、シス/トランス混合物の形態の4−(3−フラン−2−イルアリルアミノ)−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノールを62%の収率で生産した(MS(EI) m/z 408[M+H])。
【実施例14】
【0169】
4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0170】
【化36】

【0171】
類似した様式で、4−アミノ−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(実施例11.b)から開始して、シス/トランス混合物の形態の4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノールを68%の収率で生産した(MS(EI) m/z 450[M+H])。
【実施例15】
【0172】
1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]−4−[(キノキサリン−2−イルメチル)アミノ]シクロヘキサノール
【0173】
【化37】

【0174】
類似した様式で、4−アミノ−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(実施例11.b)から開始して、シス/トランス混合物の形態の1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]−4−[(キノキサリン−2−イルメチル)アミノ]シクロヘキサノールを59%の収率で生産した(MS(EI) m/z 450[M+H])。
【実施例16】
【0175】
シス及びトランス−4−[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
16a) 8−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イルエチニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール
【0176】
【化38】

【0177】
DMF(3ml)中のトリフルオロメタンスルホン酸6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イルエステル(986mg、3.2mmol)(WO03 010138)及び8−エチニル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール(638mg、3.5mmol)の脱気した溶液(J. Chem. Soc. Perk. Trans. 1、2000、3382に従って調製される)を、DMF(2ml)及びトリエチルアミン(3ml)中のヨウ化銅(I)(50mg)ならびにPdCl(PPh(100mg)の同様に脱気した懸濁液に滴下した。反応混合物を室温で30分間攪拌して、水及びエーテルで希釈して、有機相を水、飽和塩化アンモニウム溶液及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して、MgSOで乾燥し、濃縮した。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィ(hex/EtOAc 1:1、EtOAc)で精製した。
【0178】
収量:0.965g、2.8mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 341[M+H]
【0179】
16.b) 8−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール
【0180】
【化39】

【0181】
エタノール(100ml)中の8−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イルエチニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール(965mg、2.8mmol)の溶液を、水素1barで、PtO(200mg)で6時間水素化した。触媒を濾別して、フレッシュな触媒と取替え、さらに3時間、水素化を続けた。触媒を濾別して、溶媒を濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc)で精製した。
【0182】
収量:0.960g、2.79mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 334.4[M+H]
【0183】
16.c) 4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノン
【0184】
【化40】

【0185】
THF/HO/AcOH(2:2:3、22ml)中の8−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール(960mg、2.79mmol)の溶液を65℃で一晩攪拌した。反応混合物を濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc)で精製した。
【0186】
収量:0.700g、2.33mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 301[M+H]
【0187】
16.d) シス及びトランス−4−[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0188】
【化41】

【0189】
NaBH(OAc)(100mg)を、THF(3ml)中の4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノン(100mg、0.3mmol)及びピペロニルアミン(100μl)の溶液に添加した。反応混合物を室温で4時間攪拌して、ジクロロメタン及び水酸化アンモニウムで希釈した。有機相をMgSOで乾燥して、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc/MeOH 9:1 +1%NHOH)で精製した。シス−4−[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(38mg、MS (EI) m/z 357[M+H])及びトランス−4−[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(63mg、MS (EI) m/z 357[M+H])が得られた。
【実施例17】
【0190】
シス及びトランス−4−[(ベンゾ[1,3]ジオキソ−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
17.a) 4−[2−(6−エトキシ−キノリン−4−イル)エチル]−4−ヒドロキシシクロヘキサノン
【0191】
【化42】

【0192】
実施例16.c)に類似した様式で、6−エトキシキノリン−4−オールから4−[2−(6−エトキシ−キノリン−4−イル)エチル]−4−ヒドロキシシクロヘキサノンを調製した。(MS(EI) m/z 314[M+H])。
【0193】
6−エトキシキノリン−4−オールは、Synth. Comm. 2002、32、3185に既に記載されている。
【0194】
17.b) シス及びトランス−4−[(ベンゾ[1,3]ジオキソ−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0195】
【化43】

【0196】
実施例16.d)に類似した様式で、シス−4−[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(収率48%、MS(EI) m/z 449[M+H])及びトランス−4−[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(収率29%、MS(EI) m/z 449[M+H])が得られた。
【実施例18】
【0197】
シス及びトランス−4−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノールの合成
18.a) 4−アミノ−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0198】
【化44】

【0199】
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.89g、8.75mmol)を、メタノール(65ml)中の4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノン(3g、8.5mmol)及び酢酸アンモニウム(25.5g)の溶液に添加した。反応混合物を室温で3時間攪拌し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム0.5gを添加して、さらに2時間、攪拌を続けた。反応混合物をNHOHで希釈して、EtOAc及びジクロロメタンで抽出した。有機相をMgSOで乾燥して、濃縮した。
【0200】
収量:シス/トランス混合物の形態で2.6g、(油状物質)
MS(EI) m/z 302[M+H]
【0201】
18.b) シス及びトランス−4−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0202】
【化45】

【0203】
モレキュラーシーブ(タイプ3A)(2.5g)を、メタノール(25ml)及びTHF(25ml)中の4−アミノ−1−[2−[6−メトキシ[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(1250mg、4.14mmol)及び2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒド(680mg、4.14mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で20時間攪拌して、水素化ホウ素ナトリウム(157mg、4.14mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、Hydromatrix(NHOHで湿潤した)で濾過して、続いてジクロロメタンで洗浄した。濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc/MeOH 9/1、 1% NHOH)で精製した。
【0204】
シス−4−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(640mg、34%、MS(EI) m/z 450[M+H])及びトランス−4−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(360mg、19%、MS(EI) m/z 450[M+H])が得られた。
【実施例19】
【0205】
シス及びトランス−6−({4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキシルアミノ}メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【0206】
【化46】

【0207】
4−アミノ−1−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール及び3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−[1,4]オキサジン−6−カルバルデヒドから開始して、実施例18に類似した様式で、シス−6−({4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキシルアミノ}メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(330mg、17%、MS(EI) m/z 464[M+H])及びトランス−6−({4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)エチル]シクロヘキシルアミノ}メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(980mg、44%、MS(EI) m/z 464[M+H])が得られた。
【実施例20】
【0208】
シス及びトランス−4−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]−ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
20.a) 4−アミノ−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0209】
【化47】

【0210】
トリフルオロメタンスルホン酸6−メトキシキノリン−4−イルエステル及び8−エテニル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オールから開始して、実施例14及び実施例15の順序に類似して、4−アミノ−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノールを得た。
【0211】
20.b) 4−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0212】
【化48】

【0213】
4−アミノ−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール及び2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒドから開始して、実施例18に類似して、シス−4−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(50mg、MS(EI) m/z 449.5[M+H])及びトランス−4−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(56mg、MS(EI) m/z 449.5[M+H])が得られた。
【実施例21】
【0214】
シス及びトランス−6−({4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)エチル]シクロヘキシルアミノ}メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【0215】
【化49】

【0216】
4−アミノ−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール及び3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]−オキサジン−6−カルバルデヒドから開始して、実施例18に類似して、シス−6−({4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)エチル]シクロヘキシルアミノ}メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(32mg、MS(EI) m/z 462.6[M+H])及びトランス−6−({4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)エチル]シクロヘキシルアミノ}メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(40mg、MS(EI) m/z 462.6[M+H])が得られた。
【実施例22】
【0217】
4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0218】
【化50】

【0219】
実施例11.b)に類似して、シス/トランス混合物の形態で、収率72%で4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノールを得た(MS(EI) m/z 450[M+H])。
【0220】
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−カルバルデヒドは、WO03/010138に従って調製した。
【実施例23】
【0221】
4−[(ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0222】
【化51】

【0223】
実施例11.b)に類似して、シス/トランス混合物の形態で、収率47%で4−[(ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノールを得た(MS(EI) m/z 449[M+H])。
【実施例24】
【0224】
1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−4−(3−フェニルアリルアミノ)シクロヘキサノール
【0225】
【化52】

【0226】
実施例11.b)に類似して、シス/トランス混合物の形態で、収率46%で1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−4−(3−フェニルアリルアミノ)シクロヘキサノールを得た(MS(EI) m/z 418[M+H])。
【実施例25】
【0227】
1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−4−[(キノキサリン−2−イルメチル)アミノ]シクロヘキサノール
【0228】
【化53】

【0229】
実施例11.b)に類似して、シス/トランス混合物の形態で、収率61%で1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−4−[(キノキサリン−2−イルメチル)アミノ]シクロヘキサノールを得た(MS(EI) m/z 443[M+H])。
【実施例26】
【0230】
6−({4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキシルアミノ}メチル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−5−オール
【0231】
【化54】

【0232】
実施例11.b)に類似して、シス/トランス混合物の形態で、収率19%で6−({4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキシルアミノ}メチル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−5−オールを得た(MS(EI) m/z 465[M+H])。
【0233】
相当するアルデヒドは、J. heterocycl. Chem 1989、26、193-197に類似して調製した。
【実施例27】
【0234】
4−[(2−クロロキノリン−3−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0235】
【化55】

【0236】
実施例11.b)に類似して、シス/トランス混合物の形態で、収率56%で4−[(2−クロロキノリン−3−イルメチル)アミノ]−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノールを得た(MS(EI) m/z 477[M+H])。
【実施例28】
【0237】
2−{4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキシルアミノ}−N−ピリジン−2−イルアセトアミドの合成
【0238】
【化56】

【0239】
2−ブロモ−N−ピリジン−2−イルアセトアミド(0.068g、0.31mmol)及び炭酸カリウム(0.045g、0.34mmol)を、DMF(3.5ml)中の4−アミノ−1−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール(0.094g、0.31mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で2日間攪拌した後、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 19/1 1%水酸化アンモニウム)で精製した。
【0240】
収量:シス/トランス混合物の形態で0.11g(0.25mmol)
MS(EI) m/z 435[M+H]
【0241】
2−ブロモ−N−ピリジン−2−イルアセトアミドは、WO02/24684に既に記載されている。
【実施例29】
【0242】
ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−{4−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキシル}アミン
29.a) 8−エチニル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン:
【0243】
【化57】

【0244】
ジクロロメタン(40ml)中の四臭化炭素(12.4g、37.4mmol)の溶液を、ジクロロメタン(100ml)中のトリフェニルホスフィン(19.6g、74.6mmol)及び1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−カルバルデヒド(5g、29.37mmol)の溶液に−30℃で添加した。溶液を室温で2時間攪拌した後に、溶液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣を酢酸エチル及びn−ヘキサン(1:3、500ml)で希釈して、セライトで濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc 4/1)で精製した。収率:6.08g(18.6mmol)。当該物質をTHF(90ml)中に溶解して、−78℃でn−BuLi(16.5ml、38mmol、ヘキサン中2.3N)を滴下した。溶液を−78℃で1時間攪拌した後、10%NaHSO(50ml)の溶液を添加した。水相を3回、各回とも酢酸エチル50mlを用いて抽出し、MgSOで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc 5/1)で精製した。
【0245】
収量:2.74g(16.5mmol)


H(CDCl、300MHz):1.61(m、2H);1.70−1.94(m、6H);2.07(d、J=2.5Hz、1H);2.51(m、1H);3.96(s、4H).
【0246】
29.b) 4−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルエチニル)−6−メトキシキノリン:
【0247】
【化58】

【0248】
DMF(6ml)及びTEA(12ml)中のトリフルオロメタンスルホン酸6−メトキシキノリン−4−イルエステル(0.95g、3.1mmol)及び4−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルエチニル)−6−メトキシキノリン(0.514g、3.1mmol)の脱気した溶液をPdCl(PPh(0.110g、0.157mmol)及びCuI(0.055g、0.288mmol)の混合物に添加した。溶液を室温で1時間攪拌した後、溶液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc)で精製した。
【0249】
収量:0.83g(2.56mmol)
MS(EI) m/z 324[M+H]
【0250】
29.c) 4−[2−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イル)エチル]−6−メトキシキノリン:
【0251】
【化59】

【0252】
酸化白金(0.462g)を、EtOH(30ml)及び酢酸エチル(10ml)中の4−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルエチニル)−6−メトキシキノリン(0.83g、2.53mmol)の溶液に添加し、水素雰囲気下(1bar)で水素化を行った。触媒を濾別して、濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc、続いてEtOAc/メタノール 9/1)で精製した。
【0253】
収量:0.77g(2.35mmol)
MS(EI) m/z 328[M+H]
【0254】
29.d) 4−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノン:
【0255】
【化60】

【0256】
AcOH/THF/HO(3/2/2、10ml)中の4−[2−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イル)エチル]−6−メトキシキノリン(0.77g、2.35mmol)の溶液を60℃で10時間攪拌した。反応混合物を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をEtOAc(100ml)で希釈して、NaHCO(100ml)で洗浄して、MgSOで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。
【0257】
収量:0.631g(2.23mmol)
MS(EI) m/z 284[M+H]
【0258】
29.e) ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−{4−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキシル}アミン:
【0259】
【化61】

【0260】
ピペロニルアミン(0.038ml、0.3mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.05g)を、ジクロロメタン(0.5ml)中の4−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノン(0.05g、0.176mmol)の溶液に添加した。反応混合物を一晩攪拌した後、Hydromatrix(NaHCO溶液2mlで湿潤した)で濾過して、続いてジクロロメタンで洗浄した。濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc、続いてEtOAc:MeOH 9/1)で精製した。
【0261】
収量:シス/トランス混合物の形態で0.069g(0.165mmol)
MS(EI) m/z 419[M+H]
【実施例30】
【0262】
6−({4−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキシルアミノ}メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【0263】
【化62】


30.a) 7−[(ベンジル−{4−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキシル}アミノ)メチル]−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【0264】
ベンジルアミン(0.135ml、1.24mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.315g、1.55mmol)を、ジクロロエタン(8ml)中の4−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノン(実施例26.e)(0.35g、1.23mmol)の溶液に添加した。反応混合物を2時間攪拌した。3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.230g、1.3mmol)、THF(4ml)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.315g、1.55mmol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、次いでHydromatrix(NaHCO溶液10mlで湿潤した)で濾過して、続いてジクロロメタンで洗浄した。濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 19/1)で精製した。
【0265】
収量:0.540g(1.0mmol)
MS(EI) m/z 536[M+H]
【0266】
30.b) 6−({4−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキシルアミノ}メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【0267】
【化63】

【0268】
炭素上の20%Pd(OH)(0.5g)を、THF(15ml)及びMeOH(5ml)中の7−[(ベンジル−{4−[2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]シクロヘキシル}アミノ)メチル]−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(0.535g、1mmol)の溶液に添加し、水素雰囲気下(1bar)で水素化を行った。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 9/1 1%水酸化アンモニウム)で精製した。
【0269】
収量:シス/トランス混合物の形態で0.251g(0.56mmol)
MS(EI) m/z 446[M+H]
【実施例31】
【0270】
2−{3−[2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]ピロリジン−1−イル}−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール}
31.a) (3RS)−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]ピロリジン−1−カルバミン酸ベンジル
【0271】
【化64】

【0272】
炭酸水素ナトリウム(7g)及びクロロギ酸ベンジルエステル(2.8ml)を、水(100ml)及びアセトン(150ml)中の3−アミノピロリジン二塩酸塩(3.2g、20.1mmol)の溶液に0℃で添加した。反応混合物を10時間攪拌した後、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をEtOAc(100ml)で希釈した。2相に分離して、水相を2回、各回ともEtOAc50mlを用いて、抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液20mlで洗浄して、MgSOで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をジクロロメタン(30ml)中に溶解して、1,4−ベンゾジオキサン−6−カルバルデヒド(1.6g)及び20分後にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4g)を添加した。反応混合物を一晩攪拌した後、炭酸水素ナトリウム(80ml)で希釈した。2相に分離して、水相を2回、各回ともジクロロメタン50mlを用いて、抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液20mlで洗浄して、MgSOで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc:MeOH 9/1)で精製した。
【0273】
収量:3.75g(10.1mmol)


H(CDCl、300MHz):1.57(br s、1H)、1.77(m、1H)、2.07(m、1H);3.21(m、1H);3.37(m、2H);3.61(m、2H)、3.70(s、2H);4.25(s、4H);5.14(s、2H);6.76−6.84(m、3H);7.30−7.38(m、5H).
【0274】
31.b) (2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)ピロリジン−(3RS)−イルアミン:
【0275】
【化65】

【0276】
炭素上20%のPd(OH)(1g)を、EtOH(20ml)及びEtOAc(20ml)中の3−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]ピロリジン−1−カルバミン酸ベンジル(3.75g、10.1mmol)の溶液に添加し、水素雰囲気下(1bar)で水素化を行った。反応混合物を濾過して、濾液を濃縮した。
【0277】
収量:2.15g(9.2mmol)
MS(EI) m/z 235[M+H]
【0278】
31.c) 2−{(3RS)−[2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]ピロリジン−1−イル}−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール:
【0279】
【化66】

【0280】
エタノール(2ml)中の6−メトキシ−4−オキシラニルキノリン(0.201g、1mmol)及び(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)ピロリジン−3−イルアミン(0.234g、1mmol)の溶液を80℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc、続いてEtOAc/MeOH 5:1)で精製した。
【0281】
収量:0.208g(0.477mmol)
MS(EI) m/z 436.5[M+H]
【実施例32】
【0282】
4−(4−メトキシベンジルアミノ)−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0283】
【化67】

【0284】
4−メトキシベンジルアミン(0.026ml、0.24mmol)、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.08g、0.377mmol)を、ジクロロメタン(1ml)中の4−ヒドロキシ−4−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノン(0.06g、0.2mmol)の溶液に添加した。反応混合物を一晩攪拌した後、Hydromatrix(NaHCO溶液2mlで湿潤した)で濾過して、続いてジクロロメタンで洗浄した。濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 9/1、続いてジクロロメタン/MeOH 9/1及び2%トリエチルアミン)で精製した。
【0285】
収量:シス/トランス混合物の形態で0.052g(0.124mmol)
MS(EI) m/z 422[M+H]
【実施例33】
【0286】
4−(3−フルオロベンジルアミノ)−1−[2−(6−メトキシキナゾリン−4−イル)エチル]シクロヘキサノール
【0287】
【化68】

【0288】
3−フルオロベンジルアミン(0.026ml、0.24mmol)から開始して、実施例10に類似して、この化合物を調製した。
【0289】
収量:シス/トランス混合物の形態で(0.052g、0.124mmol)
MS(EI) m/z 410[M+H]
【実施例34】
【0290】
2−{4−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルエチル)アミノ]アゼパン−1−イル}−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
34.a) 4−オキソアゼパン1−カルバミン酸t−ブチル
【0291】
【化69】

【0292】
5−オキソアゼパン−1,4−ジカルボン酸1−t−ブチルエステル4−エチルエステル(5.7g、20mmol;Synthetic Communications 1992、22、1249に記載されるように調製した)の混合物を、3N NaOH(50ml)及びTHF(25ml)の混合物中で3時間還流した。反応混合物を冷却して、希HClで中和した。混合物を酢酸エチルで抽出して、有機相をMgSOで乾燥して、濃縮した。
【0293】
収量:4.2g(100%)
H−NMR(CDCl、300MHz):1.46(s、9H);1.80(br、2H);2.60−2.7(m、4H);3.4−3.6(m、4H).
【0294】
34.b) (4RS)−アミノアゼパン−1−カルバミン酸t−ブチル
【0295】
【化70】

【0296】
酢酸アンモニウム(3.5g)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(295mg、1当量)を、メタノール(50ml)中の4−オキソアゼパン−1−カルバミン酸t−ブチル(1g、4.68mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を濃縮して、残渣を飽和炭酸カリウム溶液及び酢酸エチル中に溶解した。水相を酢酸エチル(2×50ml)で抽出して、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。生成物1g(100%)が得られ、それを精製せずにさらに使用した。
【0297】
H−NMR(CDCl、300MHz):1.46(s、9H);1.5−1.75(m、2H);1.8−2.05(m、4H);2.4(br、2H);2.95−3.05(m、1H);3.1−3.6(m、4H).
MS(EI) m/z 215.6[M+H]
【0298】
34.c) (4RS)−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]アゼパン−1−カルバミン酸t−ブチル
【0299】
【化71】

【0300】
酢酸(500μl)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(126mg)を、ジクロロエタン(10ml)中の4−アミノアゼパン−1−カルバミン酸t−ブチル(428mg、2mmol)及び2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]−ジオキシン−6−カルバルデヒド(330μl、2mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で一晩攪拌して、飽和炭酸カリウム溶液で希釈して、ジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィ(酢酸エチル)で精製した。
【0301】
収量:370mg(51%)
H−NMR(CDCl、300MHz):1.46(s、9H);1.5−1.75(m、2H);1.8−2.05(m、4H);2.65(m、1H);3.1−3.6(m、4H);3.70(s、2H);4.26(s、4H);6.8−6.9(m、3H).
MS(EI) m/z 363.6[M+H]
【0302】
34.d) アゼパン−(4RS)−イル−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミン:
【0303】
【化72】

【0304】
4−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]アゼパン−1−カルバミン酸t−ブチル(370mg、1mmol)を、水10ml及び濃HCl2mlの混合物中に溶解して、室温で24時間攪拌した。反応混合物を固形炭酸カリウムで中和して、酢酸エチルで抽出した。シリカゲルクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 9:1)により、純粋な生成物220mg(85%)を得た。
【0305】
H−NMR(CDCl、300MHz):1.8−2.0(m、1H);2.0−2.3(m、4H);2.3−2.6(m、2H);3.2−3.4(m、4H);3.6−6.7(m、1H);3.95(dd、2H);4.2−4.3(m、5H);6.8−7.1(m、3H).
MS(EI) m/z 263.4[M+H]
【0306】
34.e) 2−{(4RS)−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]アゼパン−1−イル}−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール:
【0307】
【化73】

【0308】
アゼパン−4−イル−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミン(60mg)、6−メトキシ−4−オキシラニルキノリン(50mg)、過塩素酸リチウム(25mg)及び炭酸カリウム(35mg)の混合物をDMF(1ml)中にて80℃で一晩加熱した。反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 9:1(+2% NEt))で精製した。
【0309】
H−NMR(CDCl、300MHz):1.5−2.0(m、7H);2.45(dd、1H)2.55−3.05(m、8H);3.5−3.8(m、2H);3.85(s、3H);4.15(s、4H);5.25−5.35(m、1H);6.6−6.8(m、2H);7.11(dd、1H);7.30(dd、1H);7.55(dd、1H);7.97(d、1H);8.7(d、1H).
MS(EI) m/z 464.6[M+H]
【実施例35】
【0310】
[1−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アゼパン−4−イル](6−メトキシキノリン−4−イルメチル)アミン:
35.a) (4RS)−[(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)アミノ]アゼパン−1−カルバミン酸t−ブチル
【0311】
【化74】

【0312】
シアノ水素化ホウ素ナトリウム(170mg、2.7mmol)を、ジクロロエタン(10ml)及び酢酸(1ml)中の4−アミノアゼパン−1−カルバミン酸t−ブチル(568mg、2.65mmol)ならびに6−メトキシキノリン−4−カルバルデヒド(497mg、2.7mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌して、飽和炭酸ナトリウム溶液へ注いで、ジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィ(酢酸エチル)で精製した。
【0313】
収量:515mg(51%)
H−NMR(CDCl、300MHz):1.47(s、9H);1.5−2.0(m、8H);2.8−2.9(m、1H);3.2−3.65(m、5H);3.97(s、3H);4.22(s、2H);5.25−5.35(m、1H);6.6−6.8(m、2H);7.11(dd、1H);7.35−7.45(m、3H);8.02(d、J=9.2Hz、1H);8.73(d、J=1.4Hz、1H).
MS(EI) m/z 386.5[M+H]
【0314】
35.b) アゼパン−(4RS)−イル−(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)アミン:
【0315】
【化75】

【0316】
TFA(1ml)を、ジクロロメタン(1ml)中の4−[(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)アミノ]アゼパン−1−カルバミン酸t−ブチル(700mg、1.8mmol)の溶液に室温で添加した。反応混合物を室温で3時間攪拌し、濃縮して、NaOH水溶液中に溶解した。水相を酢酸エチルで抽出して、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィ(DCM/MeOH 9:1(1% NHOH))で精製した。
【0317】
収量:477mg(92%)
H−NMR(CDCl、300MHz):1.7−2.3(m、6H);3.0−3.3(m、4H);3.35−3.45(m、1H);3.97(s、3H);4.2(s、2H);7.28(d、1H);7.35−7.45(m、2H);8.02(d、J=9.2Hz、1H);8.73(d、J=1.4Hz、1H).
MS(EI) m/z 286.3[M+H]
【0318】
35.c) [1−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アゼパン−(4RS)−イル]−(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)アミン:
【0319】
【化76】

【0320】
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(100mg、0.47mmol)を、ジクロロエタン/THF(1:1、0.7ml)中のアゼパン−4−イル−(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)アミン(90mg、0.32mmol)及び2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒド(51.8mg、0.32mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で3時間攪拌し、濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィにかけた(酢酸エチル、メタノール)。
【0321】
収量:56mg(41%)
H−NMR(CDCl、300MHz):1.40−2.05(m、6H);2.35−2.80(m、3H);2.8−2.9(m、1H);3.41(2、2H);3.99(s、3H);4.15(s、2H);4.20(s、4H);6.70−6.80(m、3H);7.37(dd、J=2.76、J=9.1、1H)7.45(d、J=2.76、1H);7.51(d、J=4.4、1H);7.92(d、J=9.12、1H);8.65(d、J=4.4、1H).
MS(EI) m/z 434.7[M+H]
【実施例36】
【0322】
(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)−(1−フェネチルアゼパン−(4RS)−イル)アミン:
【0323】
【化77】

【0324】
実施例35.c)に類似した様式で、同様に(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)−(1−フェネチルアゼパン−(4RS)−イル)アミンを調製した(収率25%、MS(EI) m/z 390.5[M+H])。
【実施例37】
【0325】
(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)−[1−(3−フェニルプロピル)アゼパン−4−イル]アミン
【0326】
【化78】

【0327】
実施例35.c)に類似した様式で、同様に(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)−[1−(3−フェニルプロピル)アゼパン−4−イル]アミンを調製した(収率25%、MS(EI) m/z 404.9[M+H])。
【実施例38】
【0328】
(1−ヘプチルアゼパン−(4RS)−イル)−(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)アミン:
【0329】
【化79】

【0330】
実施例35.c)に類似した様式で、同様に(1−ヘプチルアゼパン−(4RS)−イル)−(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)アミンを調製した(収率43%、MS(EI) m/z 384.4[M+H])。
【実施例39】
【0331】
1−{(4RS)−[(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)アミノ]アゼパン−1−イル}−3−フェニルプロペノン
【0332】
【化80】

【0333】
ケイ皮酸塩化物(52.5mg、1当量)を、THF/DCE中のアゼパン−4−イル−(6−メトキシキノリン−4−イルメチル)アミン(90mg、0.32mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で数時間攪拌し、濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィ(DCM/MeOH 9:1(+1% NHOH))で精製した。
【0334】
収量:37mg(38%)
MS(EI) m/z 416.6[M+H]
【実施例40】
【0335】
1−[(2RS)−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)−エチル]−4−フェネチル−[1,4]ジアゼパン−(5RS)−カルボン酸t−ブチルエステル
40.a) 1−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−[1,4]−ジアゼパン−5−カルボン酸t−ブチルエステル
【0336】
【化81】

【0337】
DMF(5ml)中の6−メトキシ−4−オキシラニルキノリン(400mg、2mmol)、[1,4]−ジアゼパン−5−カルボン酸t−ブチルエステル(400mg、2mmol、J. Chem. Research (S)、1991、306、2876に記載されるように調製)、過塩素酸リチウム(211mg、2mmol)及び炭酸カリウム(275mg、2mmol)の混合物を100℃で4時間加熱した。反応混合物を水及び酢酸エチルで希釈して、水相を酢酸エチルで抽出して、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィ(DCM/MeOH 9:1)で精製した。
【0338】
収量:330mg(41%)
MS(EI) m/z 402.5[M+H]
【0339】
40.b) 1−[(2RS)−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−4−フェネチル−[1,4]ジアゼパン−(5RS)−カルボン酸t−ブチルエステル:
【0340】
【化82】

【0341】
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(79mg、1.5当量)を、THF(700μl)中の1−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−[1,4]ジアゼパン−5−カルボン酸t−ブチルエステル(100mg、0.25mmol)及びフェニルアセトアルデヒド(29.2μl、1当量)の溶液に添加した。2時間後、さらなる当量のフェニルアセトアルデヒドを添加して、反応混合物を40℃に加熱した。さらに2時間後、反応混合物を濃縮乾固して、シリカゲルクロマトグラフィ(酢酸エチル、メタノール)で精製した。
【0342】
収量:67mg(54%)
MS(EI) m/z 506[M+H]
【0343】
40.c) 1−[(2RS)−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−4−フェネチル−[1,4]ジアゼパン−(5RS)−カルボン酸:
【0344】
【化83】

【0345】
1−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−4−フェネチル−[1,4]ジアゼパン−5−カルボン酸t−ブチルエステル(55mg)を、ジオキサン中の4M HCl中に懸濁して、室温で3.5時間攪拌した。反応混合物を濃縮して、分取HPLCで精製した。
【0346】
収量:3.9mg
MS(EI) m/z 450[M+H]
【0347】
同様に、ジヒドロケイ皮アルデヒドから開始して、次のものを類似の様式で合成した:
40.d) 1−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−4−(3−フェニルプロピル)−[1,4]ジアゼパン−5−カルボン酸t−ブチルエステル、及び
40.e)1−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−4−(3−フェニルプロピル)−[1,4]ジアゼパン−5−カルボン酸。
【0348】
同じ方法で、ヘプタナールから開始して、
40.f)4−ヘプチル−1−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−[1,4]ジアゼパン−5−カルボン酸t−ブチルエステル、及び
40.g)4−ヘプチル−1−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−[1,4]ジアゼパン−5−カルボン酸を調製した。
【実施例41】
【0349】
2−[(RS)−5−ヒドロキシメチル−4−(3−フェニルプロピル)−[1,4]ジアゼパン−1−イル]−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0350】
【化84】

【0351】
水素化リチウムアルミニウムLithium aluminium hydride(28mg)を、THF中の1−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−4−(3−フェニルプロピル)−[1,4]ジアゼパン−5−カルボン酸t−ブチルエステル(80mg)の溶液に添加して、室温で1時間攪拌を行った。反応混合物に飽和ロシェル塩溶液を数滴添加して、15分間攪拌を行い、沈殿物を濾別した。
【0352】
収量:39mg(57%)
MS(EI) m/z 450[M+H]
【0353】
4−ヘプチル−1−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−[1,4]ジアゼパン−5−カルボン酸t−ブチルエステルから開始して、類似の様式で、2−(4−ヘプチル−5−ヒドロキシメチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノールを収率33%で生産した(MS(EI) m/z 430[M+H])。
【実施例42】
【0354】
(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−[4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]アミン
42.a) 4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキサノール
【0355】
【化85】

【0356】
水素化ナトリウム(79mg、1.5当量)を、DMF(30ml)中の4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノール(3g、12mmol、J. Org. Chem. 1994 59 p. 2748-2761に類似して合成した)の溶液に0℃で添加した。20分後、DMF(10ml)中の4−クロロ−6−メトキシキナゾリン(1.94g、10mmol)の溶液を添加して、反応混合物を40℃に加熱した。さらに2時間後、反応混合物を濃縮乾固した。残渣を水(100ml)及び酢酸エチル(100ml)で希釈して、相分離して、水相を2回、各回とも酢酸エチル50mlを用いて、抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥し、濾過して、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン 1/2)で精製した。
【0357】
収量:2.01g、7mmol(54%)
MS(EI) m/z 289[M+H]
【0358】
42.b) 4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキサノン
【0359】
【化86】

【0360】
トリエチルアミン(10ml、71mmol)、続いてPyr.SO3(5.8g、36mmol)を少しずつ、DMSO(30ml)中の4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキサノール(2.88g、10mmol)の溶液に0℃で添加した。反応混合物をこの温度で15分間攪拌した後、室温にした。2時間後、水(300ml)を添加した。水相をエーテル(3×150ml)で抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して、MgSOで乾燥して、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc/hex 1/2)で精製した。
【0361】
収量:2.6g、9.1mmol
MS(EI) m/z 287.1[M+H]
【0362】
42.c) ベンジル−[4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]アミン
【0363】
【化87】

【0364】
ベンジルアミン(1.08ml、10mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.2g、11mol)を、メタノール(50ml)中の4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキサノン(2.87g、10mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を濃縮して、残渣を飽和炭酸カリウム溶液及び酢酸エチル中に溶解した。水相を酢酸エチル(2×50ml)で抽出して、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc、続いてEtOAc/MeOH 9/1)で精製した。
【0365】
収量:シス/トランス混合物の形態で2.87g、10mmol
MS(EI) m/z 287.1[M+H]
【0366】
42.d) 4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミン
【0367】
【化88】

【0368】
炭素上20%のPd(OH)(1g)を、MeOH(30ml)中のベンジル[4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]アミン(2g、5.3mmol)の溶液に添加し、水素雰囲気下(1bar)、65℃で水素化を行った。反応混合物を濾過して、濾液を濃縮した。
【0369】
収量:シス/トランス混合物の形態で1.44g、5mmol
MS(EI) m/z 288[M+H]
【0370】
42.e) 表題の化合物
【0371】
【化89】

【0372】
2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒド(0.045g、0.27mmol)、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.08g、0.377mmol)を、ジクロロエタン(1ml)中の4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミン(0.07g、0.25mmol)の溶液に添加した。反応混合物を2時間攪拌した後、Hydromatrix(NaHCO溶液2mlで湿潤した)で濾過して、続いてジクロロメタンで洗浄した。濾液を回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 9/1、続いてジクロロメタン/MeOH 6/1)で精製した。
【0373】
収量:シス/トランス混合物の形態で0.02g(0.046mmol)
MS(EI) m/z 436[M+H]
【実施例43】
【0374】
[4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]キノキサリン−2−イルメチルアミン
【0375】
【化90】

【0376】
実施例42.e) に類似して、[4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]キノキサリン−2−イルメチルアミンを、シス/トランス混合物の形態で、収率31%で生産した(MS (EI) m/z 430[M+H])。
【実施例44】
【0377】
6−{[4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミノ]メチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【0378】
【化91】

【0379】
実施例42.e)に類似して、6−{[4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミノ]メチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オンを、シス/トランス混合物の形態で、収率38%で生産した(MS (EI) m/z 448[M+H])。
【実施例45】
【0380】
[4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]−(3−フェニルアリル)アミン
【0381】
【化92】

【0382】
実施例42.e)に類似して、[4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]−(3−フェニルアリル)アミンを、シス/トランス混合物の形態で、収率25%で生産した(MS (EI) m/z 405[M+H])。
【実施例46】
【0383】
2−[4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミノ]−N−ピリジン−2−イルアセトアミド
【0384】
【化93】

【0385】
2−ブロモ−N−ピリジン−2−イルアセトアミド(0.075g、0.35mmol)及び炭酸カリウム(0.054g、0.39mmol)を、DMF(3.5ml)中の4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミン(0.1g、0.35mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した後、回転蒸発により濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/MeOH 19/1 1% NHOH)で精製した。
【0386】
収量:シス/トランス混合物の形態で0.086g(0.2mmol)
MS(EI) m/z 422[M+H]
【実施例47】
【0387】
(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−[4−(6−メトキシキナゾリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]アミン
【0388】
【化94】

【0389】
実施例42.e)から開始して、同様の様式で、シス/トランス混合物の形態で、収率55%で生産した(MS (EI) m/z 437[M+H])。
【実施例48】
【0390】
(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−[4−(6−メトキシキノリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]アミン
48.a) トランス−4−t−ブトキシカルボニルアミノシクロヘキサンカルボン酸
【0391】
【化95】

【0392】
ジオキサン(50ml)中に溶解したジ−t−ブチルジカーボネート(12g、55mmol)を、ジオキサン(50ml)及び水(50ml)中のトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸(Synth. Commun. 2002、32、1985)(7.16g、50mmol)の溶液に滴下した。室温で30分間攪拌した後、1M NaOH(50ml)を添加して、反応混合物を室温で一晩攪拌した。ロータリーエバポレーターを用いて、ジオキサンを留去し、水性残渣を、1N HClを用いてpH3に調整して、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をNaSOで乾燥して、濃縮した。
【0393】
収量:13.2g
MS(EI) m/z 242.4[M+H]
【0394】
48.b) トランス−(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)カルバミン酸t−ブチル
【0395】
【化96】

【0396】
THF(50ml)中のボランジメチルスルフィド錯体(2.85ml、30mmol)の溶液を、THF(100ml)中のトランス−4−t−ブトキシカルボニルアミノシクロヘキサンカルボン酸(2.43g、10mmol)の溶液に0℃で滴下した。反応混合物を0℃で15分間、及び室温で3時間攪拌して、メタノールを慎重に添加して、混合物を濃縮した。粗生成物を繰り返しメタノールで処理して、再び濃縮して、最終的に高真空下で乾燥した。さらに精製せずに使用した。
【0397】
収量:2.4g(定量的)
【0398】
48.c) トランス−メタンスルホン酸4−t−ブトキシカルボニルアミノシクロヘキシルメチルエステル
【0399】
【化97】

【0400】
0℃で、トリエチルアミン(417μl、2.2mmol)を、ジクロロメタン(25ml)中のトランス−(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)カルバミン酸t−ブチル(459mg、3mmol)の溶液に添加して、塩化メタンスルホニル(171μl、2.2mmol)を滴下した。反応混合物を0℃で5時間及び室温で1時間攪拌し、水を用いて溶解して、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物をNaSOで乾燥して、濃縮した。粗生物をさらに精製せずに反応した。
【0401】
48.d) [4−(6−メトキシキノリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]カルバミン酸t−ブチル
【0402】
【化98】

【0403】
NaH分散物(鉱油中55%、88mg、2mmol)を、DMF(4ml)中の6−メトキシ−4−ヒドロキシキノリン(350mg、2mmol)の懸濁液に添加して、溶液が形成されるまで、室温で攪拌した。トランス−メタンスルホン酸4−t−ブトキシカルボニルアミノシクロヘキシルメチルエステル(635mg、2mmol)を添加して、反応混合物を80℃で一晩攪拌した。水を混合物に添加して、酢酸エチルで抽出を行った。有機抽出物を水で洗浄して、NaSOで乾燥し、濃縮した。粗生物をシリカゲルクロマトグラフィ(DCM/MeOH 9:1)で精製した。
【0404】
収量:438mg、56.6%(油状物質)
(MS(EI) m/z 387[M+H]
【0405】
48.e) トランス−4−(6−メトキシキノリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミン
【0406】
【化99】

【0407】
ジクロロメタン(4ml)中の[4−(6−メトキシキノリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]カルバミン酸t−ブチル(438mg、1.13mmol)及びTFA(1.5ml)の溶液を室温で2時間攪拌した。反応混合物を氷/水酸化アンモニウムへ注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物をNaSOで乾燥して、濃縮した。
【0408】
収量:313mg、97%
(MS(EI) m/z 287[M+H]
【0409】
48.f) 表題の化合物
【0410】
【化100】

【0411】
実施例42.e)に類似して、トランス−2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−[4−(6−メトキシキノリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]アミンを収率73%で生産した(MS(EI) m/z 435[M+H])。
【実施例49】
【0412】
6−{[4−(6−メトキシキノリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミノ]メチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【0413】
【化101】

【0414】
実施例42.e)に類似して、トランス−6−{[4−(6−メトキシキノリン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミノ]メチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オンを、収率81%で生産した(MS (EI) m/z 448[M+H])。
【実施例50】
【0415】
(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−[4−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]アミン
50.a) 4−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミン
【0416】
【化102】

【0417】
6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−オールから開始して、実施例48に類似して、4−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミンを調製した。
【0418】
50.b) 表題の化合物
【0419】
【化103】

【0420】
実施例42.e)に類似して、(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−[4−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシル]アミンを、収率55%で生産した(MS (EI) m/z 456.6[M+H])。
【実施例51】
【0421】
6−{[4−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミノ]メチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【0422】
【化104】

【0423】
実施例42.e)に類似して、トランス−6−{[4−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イルオキシメチル)シクロヘキシルアミノ]メチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オンを、収率79%で生産した(MS (EI) m/z 456.6[M+H])。
【実施例52】
【0424】
2−{3−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
52.a) {8−[(2RS)−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}カルバミン酸t−ブチル
【0425】
【化105】

【0426】
実施例2.c)に類似して、表題の化合物を収率82%で生産した(MS(EI) m/z 428[M+H])。
【0427】
(8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)カルバミン酸t−ブチルは、Eur. J. Med. Chem. 1991 (34) p.646-653に従って調製した。
【0428】
52.b) 2−{3−[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0429】
【化106】

【0430】
実施例2.c)に類似して、表題の化合物を収率86%で生産した(MS(EI) m/z 328[M+H])。
【実施例53】
【0431】
2−{3−[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0432】
【化107】

【0433】
実施例2.e)に類似して、2−{3−[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノールを、収率62%で生産した(MS (EI) m/z 462[M+H])。
【実施例54】
【0434】
6−({8−[(2RS)−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルアミノ}メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【0435】
【化108】

【0436】
実施例2.e)に類似して、6−({8−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルアミノ}メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オンを、収率7%で生産した(MS (EI) m/z 489[M+H])。
【実施例55】
【0437】
2−{3−[ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イルメチル)アミノ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0438】
【化109】

【0439】
実施例2.e)に類似して、2−{3−[ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イルメチル)アミノ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノールを、収率59%で生産した(MS (EI) m/z 476[M+H])。
【実施例56】
【0440】
1−(6−メトキシキノリン−4−イル)−2−[3−(3−フェニルアリルアミノ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]エタノール
【0441】
【化110】

【0442】
実施例2.e)に類似して、1−(6−メトキシキノリン−4−イル)−2−[3−(3−フェニルアリルアミノ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]エタノールを、収率44%で生産した(MS (EI) m/z 445[M+H])。
【実施例57】
【0443】
2−[3−(3−フラン−2−イルアリルアミノ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0444】
【化111】

【0445】
実施例2.e)に類似して、2−[3−(3−フラン−2−イルアリルアミノ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノールを、収率51%で生産した(MS (EI) m/z 434[M+H])。
【実施例58】
【0446】
2−{3−[(ベンゾフラン−2−イルメチル)アミノ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0447】
【化112】

【0448】
実施例2.e)に類似して、2−{3−[(ベンゾフラン−2−イルメチル)アミノ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノールを、収率62%で生産した(MS (EI) m/z 458[M+H])。
【実施例59】
【0449】
2−(5−{[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
59.a) 5−アジドメチル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルバミン酸t−ブチル
【0450】
【化113】

【0451】
0℃で、トリエチルアミン(3.7ml、26.2mmol)、及び塩化メタンスルホニル(1.2ml、15.44mmol)(滴下)を、DCM(50ml)中の5−ヒドロキシメチル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルバミン酸t−ブチル(Tetrahedron 1998、54、7045-7056、2.8g、13.1mmol)の溶液に添加した。反応混合物を0℃で20分間攪拌した後、NaHCO3の飽和溶液(40ml)を添加して、2相に分離した。水相をジクロロメタン(40ml)で抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して、MgSOで乾燥して、濃縮した。粗生成物をDMF(50ml)中に溶解して、アジ化ナトリウム(1.7g、26.1mmol)を添加した。混合物を80℃に加熱した。反応を、LCMSでモニタリングした。反応が一旦完了したら、混合物を冷却して、濃縮した。残渣をEtOAc及び水中に溶解して、水相をEtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc/hex 1/6)で精製した。
【0452】
収量:(2.2g、9.23mmol)油状物質
MS(EI) m/z 239.4[M+H]
【0453】
59.b) 5−アミノメチル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルバミン酸t−ブチル
【0454】
【化114】

【0455】
ポリスチレン上のトリフェニルホスフィン(5.24g)を、THF(25ml)及び水(0.250ml)中の5−アジドメチル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルバミン酸t−ブチル(1g、4.2mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で36時間振とうした。ポリマーを濾別した後、THFで洗浄した。濾液を濃縮した。
【0456】
収量:(0.893g、4.2mmol)
MS(EI) m/z 213.4[M+H]
【0457】
59.c) 5−{[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルバミン酸t−ブチル
【0458】
【化115】

【0459】
THF(2ml)及びDCE(4ml)中の5−アミノメチル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルバミン酸t−ブチル(0.7g、3.3mmol)ならびに1,4−ベンゾジオキサン−6−カルバルデヒド(0.54g、3.3mmol)の溶液を室温で1時間攪拌した。次に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.770g、3.81mmol)をそこに添加した。反応混合物を室温で5時間攪拌して、Hydromatrix(飽和NaHCO溶液で湿潤した)に通して濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc/hex 2/1、続いてEtOAc/MeOH 9/1)で精製した。
【0460】
収量:0.16g、0.44mmol(油状物質)
MS(EI) m/z 361[M+H]
【0461】
59.d) (2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イルメチル)アミン
【0462】
【化116】

【0463】
TFA(3ml)中の5−{[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルバミン酸t−ブチル(0.16g、0.44mmol)の溶液を室温で30分間攪拌し、濃縮して、飽和炭酸水素塩溶液(30ml)及びジクロロメタン(30ml)中に溶解した。水相をジクロロメタン(2×30ml)で抽出して、合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して、MgSOで乾燥し、濃縮した。
【0464】
収量:0.06g、0.23mmol、52%(油状物質)
MS(EI) m/z 261[M+H]
【0465】
59.e) 表題の化合物
【0466】
【化117】

【0467】
EtOH(2ml)中の(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イルメチル)アミン(0.06g、0.23mmol)及び6−メトキシ−4−オキシラニルキノリン(0.06g、0.29mmol)の溶液を80℃で14時間加熱した。反応混合物を濃縮して、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(DCM/MeOH 9/1)で精製した。
【0468】
収量:0.025g、0.054mmol、23%(泡状物質)
MS(EI) m/z 462[M+H]
【実施例60】
【0469】
2−((2RS)−{[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミノ]メチル}モルホリン−4−イル)−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
60.a) (2RS)−アジドメチル−4−ベンジルモルホリン
【0470】
【化118】

【0471】
0℃で、トリエチルアミン(4.88g、48.25mmol)、及び塩化メタンスルホニル(2.25ml、28.95mmol)(滴下)を、DCM(60ml)中のN−ベンジル−2−ヒドロキシメチルモルホリン(Synthetic Communications、1980、10(1)、59-73、5g、24.12mmol)の溶液に添加した。30分後、飽和炭酸水素塩溶液(50ml)を添加することにより、反応を終結した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(50ml)で洗浄して、MgSOで乾燥し、濃縮した。
【0472】
粗生成物をDMF(50ml)中に溶解して、アジ化ナトリウム(3.11g、47.8mmol)を添加した。混合物を80℃で一晩加熱した。混合物を冷却して、濃縮した。残渣をエーテル(100ml)及び水(50ml)中に溶解して、水相をエーテル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc)で精製した。
【0473】
収量:(4.23g、18mmol、75%)油状物質
MS(EI) m/z 236.2[M+H]
【0474】
【化119】

【0475】
60.b) 2−(4−ベンジルモルホリン−(2RS)−イル)メチルアミン
THF/水(10/1、100ml)中の2−アジドメチル−4−ベンジルモルホリン(4.23g、18mmol)及びトリフェニルホスフィン(9.47g、36mmol)の溶液を60℃で一晩加熱した。反応混合物を濃縮して、残渣を3N HCl(200ml)及びEtOAc(200ml)中に溶解した。水相をEtOAc(4×)で抽出した。NaOHを用いて水相をpH12に調整し、EtOAc(2×200ml)で抽出して、MgSOで乾燥し、濃縮した。
【0476】
収量:(3.64g、16.8mmol、93%)油状物質
MS(EI) m/z 207.2[M+H]
【0477】
60.c) (4−ベンジルモルホリン−(2RS)−イルメチル)−カルバミン酸t−ブチル
【0478】
【化120】

【0479】
0℃で、トリエチルアミン(1.78g、17.74mmol)及びジ−t−ブチルジカーボネート(2.32g、10.65g)を、DCM(45ml)中の2−(4−ベンジルモルホリン−2−イル)メチルアミン(1.83g、8.87mmol)の溶液に添加した。反応混合物をその温度で30分間攪拌して、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc/hex 1:1)で精製した。
【0480】
収量:(1.51g、4.93mmol、51%)油状物質
MS(EI) m/z 307.3[M+H]
【0481】
60.d) {4−[(2RS)−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]モルホリン−(2RS)−イルメチル}カルバミン酸t−ブチル
【0482】
【化122】

【0483】
20%Pd(OH)(0.7g)を、THF:MeOH(1/1、28ml)中の(4−ベンジルモルホリン−2−イルメチル)カルバミン酸t−ブチル(1.51g、4.93mmol)の溶液に添加した。反応混合物を水素雰囲気下で2時間攪拌した。混合物を濾過して、濾液を濃縮した。中間生成物をDMF(15ml)中に溶解して、6−メトキシ−4−オキシラニルキノリン(0.9g、4.48mmol)、過塩素酸リチウム(0.477g、4.48mmol)及び炭酸カリウム(0.743g、5.376mmol)を添加した。混合物を80℃で23時間加熱した。冷却した後、濾過を行い、濾液を濃縮した。残渣をEtOAc中に溶解して、水で洗浄して、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(DCM:MeOH 9:1)で精製した。
【0484】
収量:(1g、2.4mmol、48%)油状物質
MS(EI) m/z 418.5[M+H]
【0485】
60.e) 2−((2RS)−アミノメチルモルホリン−4−イル)−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0486】
【化122】

【0487】
TFA(2.5ml)を、DCM(4ml)中の{4−[2−ヒドロキシ−2−(6−メトキシキノリン−4−イル)エチル]モルホリン−2−イルメチル}カルバミン酸t−ブチル(0.95g、2.27mmol)の溶液に0℃で添加した。反応混合物を室温で1.5時間攪拌して、濃縮した。残渣をDCM/MeOH(9/1、30ml)及び水酸化アンモニウム(20ml)中に溶解した。水相をDCM/MeOH(2×30ml)で抽出して、合わせた有機相をNaSOで乾燥し、濃縮した。
【0488】
収量:(0.718g、2.25mmol、99%)油状物質
MS(EI) m/z 318.5[M+H]
【0489】
60.f) 2−(2−{[ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミノ]メチル}モルホリン−4−イル)−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0490】
【化123】

【0491】
活性化した3Aモレキュラーシーブ(3.485g)及びピペロナール(0.172g、1.15mmol)を、DCM(10.5ml)及びメタノール(3.5ml)中の2−(2−アミノメチルモルホリン−4−イル)−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール(0.365g、1.15mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で一晩攪拌した後、水素化ホウ素ナトリウム(0.112g、2.9mmol)を添加した。反応混合物を室温でさらに2時間攪拌して、Hydromatrix(NaHCOで湿潤した)で濾過して、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(DCM:MeOH 9:1+1% NHOH)で精製した。
【0492】
収量:(0.261g、0.57mmol、50%)油状物質
MS(EI) m/z 452.5[M+H]
【実施例61】
【0493】
2−((2RS)−{[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}モルホリン−4−イル)−(1RS)−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノール
【0494】
【化124】

【0495】
実施例60.f)に類似して、同様に2−(2−{[(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)アミノ]メチル}モルホリン−4−イル)−1−(6−メトキシキノリン−4−イル)エタノールを収率33%で生産した(MS(EI) m/z 466[M+H])。
【0496】
抗菌活性:
これらの化合物のMHK(μg/ml)を、以下の細菌株に関して測定した:黄色ブドウ球菌(S. aureus)ATCC 29213、黄色ブドウ球菌(S. aureus)I6、E.フェカリス(E. faecalis)ATCC 29212、E.フェシウム(E. faecium) vanA E25−1、インフルエンザ菌(H. influenzae)11、大腸菌(E. coli)ATCC 25922、M.カタラーリス(M. catarrhalis)117、肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)ATCC 49619。
【0497】
実施例5〜6、8、11〜16、18〜26、30、44〜45、47〜58は、上述の株の少なくとも1つに関して、MHK≦0.125を有する。
【0498】
実施例1〜4、7、9〜10、17、27〜29、34、42、43、46、59、61は、上述の株の少なくとも1つに関して、MHK≦0.5を有する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、あるいはそれらの薬理学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物又は薬理学的に許容可能な配合物:
【化1】


(式中、
Aは、酸素、硫黄もしくは窒素原子、又はC1〜4アルキレン、C2〜4アルケニレン、C2〜4アルキニレンもしくはC1〜4ヘテロアルキレン基であり、
、X、X、X及びXは、それぞれ他のものと独立して、窒素原子又は式CRの基であり、
は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキルオキシ基又はヘテロアルキルオキシ基であり、
は、水素原子、ハロゲン原子、又はヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニルもしくはヘテロアルキル基であり、
は、次の基から選択され:
【化2】


基は、他のもの(複数可)とそれぞれ独立して、ヒドロキシ基、C1〜6アルキル基又はC1〜8ヘテロアルキル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル又はヘテロアラルキル基であり、
nは、0、1、2又は3であり、
mは、0又は2である)。
【請求項2】
Aは、酸素原子又は式CHもしくはCH(OH)の基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
、X、X、X及びXの基の1つは窒素原子であり、かつ他のものはCH基であるか、又はX、X、X、X及びXの基は全てCH基である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
は、ハロゲン原子、C1〜6アルキルオキシ基、メチル基又はエチル基である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
は、メトキシ基である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
は、個々のヘテロ原子として1個又は2個の酸素原子を有するC1〜6ヘテロアルキル基である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
は、式−COOH、−CHCOOH、−CHCHCOOH、−CHCOOCH、−CHCH、−CHOH、−CHCHOH、−OH、−OCH、−CHOCONH、−CHCHCOOCH、−COOCH、−CH又は(CHOHの基である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
nは、0又は1である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
は、アラルキル基又はヘテロアラルキル基である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
は、式−Y−Cyの基であり、
Yは、C〜Cアルキレン、C〜Cアルケニレン又はC〜Cヘテロアルキレン基であり、ここで、任意に水素原子がヒドロキシ基で置換されていてもよく、あるいは2個の水素原子が=O基で置換されていてもよい、及び、
Cyは、任意に置換されたフェニル、ナフチル又は1個もしくは2個の環及び5〜10個の環原子を含有するヘテロアリール基、あるいは2個の環及び9個もしくは10個の環原子を含有する任意に置換されたアリールへテロシクロアルキル又はヘテロアリールへテロシクロアルキル基である、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
は、次の基から選択される、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の化合物:
【化3】



【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の化合物、及び任意にキャリア物質及び/又はアジュバントを含む薬学的組成物。
【請求項13】
細菌感染の治療における、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の化合物又は薬学的組成物の使用。

【公表番号】特表2006−505622(P2006−505622A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501280(P2005−501280)
【出願日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011203
【国際公開番号】WO2004/035569
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(504288753)モルフォケム アクチェンゲゼルシャフト フュア コンビナトリシェ ヘミー (5)
【Fターム(参考)】