説明

押出加工/供給システム及び方法

【課題】高アスペクト比、微細、多孔質の構造体を低コストで製造する。
【解決手段】ハウジングと、該ハウジングで囲まれた、材料の流動を容易にする少なくとも2つのチャネルと、材料を各チャネルに送出するために各チャネルと関連付けられた少なくとも1つの入口ポートと、高アスペクト比の微細機構を作製すべく材料を同時押出/供給するための出口ポートとを備えた、基板上に材料を押出/供給する装置。微細機構は太陽電池のグリッド線もしくは燃料電池の電極に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の類似材料及び/又は非類似材料を同時に押し出し、高アスペクト比微細構造体を作製するマイクロ押出システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では高アスペクト比(例えば10:1)、微細(例えば5ミクロン未満)、多孔質(例えば二乗平均が0.01mm)の構造体を1平方フィート当たり1ドル未満のコストで製造することはできなかった。このため、一般に効率と発電とを改善すべく高アスペクト比の微細多孔構造体を活用する電気化学(例えば、燃料)電池、太陽電池及び/又は他のタイプの電池の導電接点及び/又はチャネルの作製には押出法を利用しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高アスペクト比、微細、多孔質の構造体を低コストで製造する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の請求項1に記載の発明は、ハウジングと、該ハウジングで囲まれた、材料の流動を容易にする少なくとも2つのチャネルと、材料を各チャネルに送出するために各チャネルと関連付けられた少なくとも1つの入口ポートと、高アスペクト比の微細機構を作製すべく材料を同時押出/供給するための出口ポートとを備えた、基板上に材料を押出/供給する装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
図1は2種以上の実質上の類似材料及び/又は異種材料(流体、ペースト、液体、インクなど)を基板14上に同時塗布するための塗布器12を備えた装置10の図解である。材料は押進及び/又は牽引(温式、冷式など)技術により塗布される。当該技術では材料が塗布器12を通じて押出(絞るなど)及び/又は牽引(減圧など)され、塗布器12の1つ以上の供給口16から排出される。材料は基板14上に供給され、1つ以上の各種形状(連続的、組合せ形状、矩形、三角形、不規則形状など)の実体が作製される。実体としてはビード、点、トラック、パイプ、フレーム、レール、ロッド、シール、空隙内容量(volume within a void)などが適当であるがこれらに限定されない。実体形状は1つ以上の供給口16の形状、塗布器12の内部構造(チャネルなど)、材料特性(粘性など)、押出技術(流量率、圧力,温度など)のうち少なくとも1つにより定められる。材料として銀、銅、アルミニウム、鋼、プラスチック、セラミック、オイル、これらの組合せ及び/又は変更物(上記物質を他の物質と組み合わせて所望の濃度、粘度、質感、色を創出することを含む)が適切であるが、これらに限定されない。
【0006】
多数の材料(材料粘度は例えば約1〜約数十万センチポアズ(cP))を塗布器12により押進及び/又は牽引し、基板14上に1層以上の構造層を形成すべく供給してもよい。材料が混合しないよう、塗布器12から多数の材料を層流状に押進及び/又は牽引してもよい。材料を1つ以上の他の材料、不純物、ドープ剤、被覆材などと混合してペーストを作製するなど、実質上非混和性材料を用いることで混合を更に防止できる。材料を相互に不溶性とし、塗布器12を通してストライプ層を実質上非混和状態で基板14上に押出できるよう材料を作製してもよい。流れの間の剪断や混合を低減すべく材料粘度を調整してもよい。
【0007】
塗布器12はノズル、ダイ、又は材料を収容し材料の基板14上への塗布を容易にする任意の構造体とすることができる。塗布器12はマイクロマシニングにより作製でき、個々の材料を収容し収束する構造を有する。塗布器12には、塗布器12内で材料を合流させて単一の流れとしこれを供給するための、N本のチャネル(Nは1以上の整数(例えば、数千)を設けてもよい。各チャネルから異種材料を導入してもよいし、多数のチャネルから実質上の類似材料を導入してもよい。塗布器12が単一チャネルを有する場合、異種材料を同一ポート及び/又は異なるポートからチャネル内に導入してもよい。
【0008】
各チャネルは塗布器12のある長さ(例えば、全長もしくはその部分集合)にわたり延在させてもよい。例えば、1本以上のチャネルの長さを塗布器12の長さよりも短くし、且つ材料の合流前に流速を安定化する層流を形成する入口の長さより長く設計してもよい。この構成はディープリアクティブイオンエッチング(DRIE)、ウェハボンディングなど公知のマイクロマシニング技術により作製できる。塗布器12を層流形成用に作製することで、塗布器12内を通過して開口部から排出される際の材料の混合を軽減及び/又は最小化できる。N本のチャネルは、塗布器12から基板14へ前進する際の材料の表面張力を打ち消す形状に形成されてもよい。各チャネルは独自の形状としてもよいし、類似形状としてもよく、同一形状及び/又は非同一形状としてもよい。
【0009】
基板14上へ実体(ビード、点など)を付着させるため、塗布器12は基板14に対し最適に位置決めされ、1種以上の材料が塗布器12により供給される。こうした位置決めは、塗布器12から基板14までの距離、基板14に対する塗布器の供給端の角度(基板に対し平行から垂直までの角度)などの各種ファクタに基づき、供給効率、実体定義(幅、高さ、長さ、直径など)、実体特性(強さ、撓み性など)など)を向上させるべく決定される。こうした位置決めにより塗布器12と基板14が接触することがある。図1は供給の際基板14上方に位置決めされた塗布器12の図解である。
【0010】
材料を基板14上に供給する前、供給中あるいは供給後に装置10及び塗布器12及び/又は基板14を移動してもよい。例えば、基板14上の特定位置に点(又はドット、ボールなど)を作製するには、装置10及び塗布器12及び/又は基板14を移動させ、適切に位置決めしてもよい。位置決め後、点を作製すべく材料を供給してもよい。次いで、必要に応じて後続処理のため装置10及び塗布器12及び/又は基板14を他の位置へ移動させてもよい。また、ビードを作製すべく装置10及び塗布器12及び/又は基板14を初期位置へ移動させてもよい。基板14上に材料を供給する間、装置10及び塗布器12及び/又は基板14は、基板14上におけるビード形成を容易にする方向へ移動されてもよい。図1は、塗布器12が基板14上に連続的なビード18を形成すべく材料の流れを供給する工程の図解である。
【0011】
塗布器12から排出された材料で作製されたビードは押出後の材料混合を抑制すべく基板14上で急冷されてもよい。急冷は基板14を塗布器12に対し冷却された状態とすることで行われる。例えば急冷成分15を用いて基体14を急冷してもよい。他の技術では、例えば塗布器12からの排出の際に材料を熱、光及び/又は他の手段にて硬化させる。例えば硬化成分17は熱及び/又は光により材料を硬化させる。少なくともいずれかの材料が紫外線硬化剤を含有する場合、混合せずに次の処理を行えるよう材料を固体形状としてもよい。
【0012】
塗布器12の製造方法としては(i)ディープシリコンリアクティブイオンエッチング及びウェハボンディング法、(ii)パターンレジスト構造の特徴を通して金属に電気めっきを施す方法、(iii)エッチングした金属薄板の層をろう付け結合する方法、(iv)SU8など光により確定可能なポリマーから構造体を作製する方法、(v)従来の製造技術により金属及び/又はプラスチックからマシニングあるいは成型する方法、など各種技術を適用できる。
【0013】
塗布器12と基板14の相対運動速度及び材料供給速度により、基板14上に付着する際に材料が伸張されるか圧縮されるかといった特性が決定される。速度によって押出される材料の厚み及び/又は平均厚も決定される。一般に速度は用途、材料及び/又は基板14の少なくとも1つ以上に基づいて決定される。隣接材料間の乖離及び/又は所望寸法からのずれを最小化すべく速度を設定してもよい。基板14上の1種以上の材料を方向付けるべく気流を利用してもよい。塗布器12の供給口周囲に気流を形成して材料を所望の方向に牽引してもよい。燃料電池用電極のように基板が多孔質である場合、材料が基板14に付着しやすくするよう基板14を通じて気流(例えば減圧)を形成してもよい。押出される材料の所望の流動特性を得るべく塗布器12及び/又は基板14の圧力、温度などを調節することで材料の流れを制御してもよい。
【0014】
塗布器12に導入される各材料の対応する圧力を調節(同一及び/又は異なる)することで、供給される各材料のデューティサイクルを制御してもよい。デューティサイクルは塗布器12の設計によって決定してもよい。例えば塗布器12の幾何学上の要因(開口部の幅、チャネル数、チャネル形状など)に応じて供給される各材料のピッチを確定してもよい。ピッチ及びデューティサイクルはいずれも特定の設計に合わせて構成してよい。供給される材料の幅は用途に応じて実質上同一であってもよく、異なっていてもよい。また、用途に応じて1つ以上のチャネル組が異なる幅を有していてもよい。このとき各チャネル組内のチャネルの幅は実質上同一である。表面張力により(エッジ部などにおいて)材料ピッチに歪みが発生することがあるが、これを補正すべく各チャネルのピッチを調整してもよい。
【0015】
装置10と関連付けられた1つ以上の貯蔵要素(図示せず)に1種以上の材料を予め充填しておいてもよい。同一の貯蔵要素に複数の材料を貯蔵してもよいし、個別の貯蔵要素に各々貯蔵してもよい。材料は装置10の任意の1つの入口(図示せず)からの押出動作前及び/又は押出動作中に装置10に供給されてもよい。
【0016】
装置10には複数の塗布器12を設けることができる。適切な構成として塗布器12を連続的に配列して(互い違い配置や隣接配置など)、パスの幅を増加する、塗布器12を積重する、単一パス内に多層を形成する、塗布器のマトリクス(連続配列/積重構造の組合せ)を形成し幅と層数を同時に増大させ効率向上を図る、などが挙げられるが、これに限定されない。これらの構成を図18、図19、図20で図解する。
【0017】
各塗布器12により複数の材料を供給してもよい。実質上全ての塗布器12から同一材料を供給できる。ある塗布器12より供給される材料は、別の1つ以上の塗布器12より供給される材料と異なっていてもよい。各塗布器12は異種材料を供給してもよく、このとき任意の塗布器12から供給される材料は同一であっても異なっていてもよい。各塗布器12は1種の材料のみを供給してもよい。
【0018】
装置10が交互層流及び/又は隣接層流の形態で材料を押出するよう塗布器12を構成してもよい。ゆえに、K種類の材料(Kは2以上の整数)を供給する第一の塗布器12は、K種類の材料を隣接させて供給してもよいし、間隙を設けてK種類の材料を供給してもよいし、これらを組み合わせた供給形態としてもよい。L種類の材料(Lは2以上の整数)を供給する第二の塗布器12は、K種類の隣接材料に隣り合わせてL種類の材料を供給してもよいし、K種類の材料の間の間隙にL種類の材料を供給してもいし、これらを組み合わせた供給形態としてもよい。第三、第四、・・・の塗布器12は同様にK種類の材料及びL種類の材料を塗布すべく使用できる。
【0019】
装置10は、太陽電池及び/又は電気化学電池(燃料電池、電池など)用電極の作製にも用いられる。装置10により銀のペーストを線状に押出し、高アスペクト比のグリッド線を作製することもできる。グリッド線は任意の工程の前もしくは工程の間太陽電池基板に形成される電極の形状を保持すべく所要期間のみ設けられる防食材で包囲される。防食材を設けることで出力オリフィスが全体的に大きくなり、所与の材料流速における圧力降下が小さくなる。これにより高速処理が可能となる。収束流を用いる場合、装置10の最小作製性は押出されたグリッド線の最小特性より大きい。
【0020】
横方向に変化するストライプ状材料に加え、縦方向に変化する材料を設ける際、例えば基板14状にバリア層を設ける際に各種塗布器12を利用できる。縦方向の変化はマニホルド内で縦方向に非類似材料を収束するチャネルを形成することで与えられ得る。太陽電池の場合、電池面上に金属2層膜を設けることが有利である。そのうち1層は拡散バリアとしてシリコンに接触し、その上に設けられる別の1層は低コストあるいは高導電性の面から選択される。
【0021】
装置10は、コンピュータ画面のプライバシー保護用光制御フィルムの製造にも利用できる。通常このような画面は光の透過を狭い角度範囲に制限するためのクリアマトリクスに配列された、一連の高く薄い不透明ルーバ層を有する。塗布器12は、隆起パターンを成型してプラスチックとし、隆起間のブラックマトリクスを押圧してルーバ層を形成すべく不透明材料と透明材料の交互層を供給してもよい。ここでは2つの構造は同時に積層されてもよい。装置10は、人工筋肉のような高アスペクト比の筋状構造を印刷する際にも利用できる。例えば、このような構造を作製するに当たりバルブによる調節方式に加え横方向の同時押出が用いられる。各種発動作用を起こすべく筋肉様材料の多数のバンドを各種方向に配置できる。
【0022】
装置10及び塗布器12は印刷にも利用できる。マルチパス印刷を用いることで、位置合わせをするしないに関わらず、厚い層またはより広範囲に材料を混合させた層、新規な特徴を有する機能複合材料を作製すべくシステムが開発されている。独自な構造を作るには層ごとに処理方向を変更してもよい。例えば装置10及び塗布器12は、合板に似た十字形粒状組織を有する高強度プラスチックの作製にも利用できる。装置10及び塗布器12により、粘度が最大数十万cP台、10:1台の高アスペクト比、100ナノメーターという特徴をなす広範な材料の印刷が可能である。
【0023】
塗布器12を利用すればコストが削減される。燃料電池用電極の製造コストを概して電極面積1平方フィート当たり10ドルから20ドル低減できる。塗布器12により塗料、ワックス、コロイド懸濁液、ペースト、防腐剤、粒子懸濁液、ゲル、揺変性材料など多様な材料を押出できる。材料は粘性により、及び/又は蒸気を形成する必要により制限されず、複数の材料を同時供給してもよい。収束塗布器12は、100ナノメートル台の横寸法を有する形状を作り出せる。層(例えば層厚約50ミクロン)も多様に塗布でき、大容積の材料も単一パスにて印刷できる。表面を湿らせる用途では印刷により形成されるマークは二次元形状となる。塗布器12は燃料電池に適用される高アスペクト比(例えば10:1)三次元(3D)構造体を形成するためのペーストを塗布してもよい。
【0024】
一般に同時押出プロセスの生産性は流体の供給速度に依存し、固定ノズル圧では供給速度は高粘度の流体では低くなる。高処理能力を達成するためには低粘度が好適である。ノズル形状に従った明確な境界及び全体形状を有する同時押出複合材料を作製するには高粘度が好適である。高いノズル処理能力及び高い形状保持性を達成する方法として、剪断薄膜化(shear-thinning)流体を供給する方法が挙げられる。このような、非ニュートン流体は一般に剪断応力下では、時として大幅(100分の1)に粘度を低下させる(例えば、Rao他 Adv. Materials 第17巻第3号(2005年)参照)。
【0025】
図2は、装置10の塗布器12として利用可能な塗布器を示す。
【0026】
塗布器は第1の側22と第二の側24とを有するマニホルド20を含む。マニホルド20はディープリアクティブイオンエッチングやウェハボンディングなどの公知のマイクロマシニング技術により製造できる。第一の側22及び第二の側24には各々M本のチャネル26が設けられる(Mは1以上の整数(例えば、数千以上)である。説明の便宜上ここでは10本のチャネルを図示する。一般に、チャネル26はマニホルド20の定義された長さを延長すべくマシニングされる。例えばチャネル26は層流を形成する入口の長さよりも長く、しかしマニホルド20の全長よりも短く設定されてもよい。チャネル26は類似形状及び/又は非類似形状の一様及び/又は非一様なチャネルを作製すべくマシニングされてもよい。
【0027】
第一の側22及び第二の側24を2つの独立構造として説明するが、マニホルド20は1つのユニット及び/又は2以上の部品で構成されてもよい(例えば、第一の側22及び第二の側24が多数の構成要素から形成されてもよい)。第一の側22と第二の側24を合わせると、各チャネル26は1つ以上の独立した区分室、導管、通路などを形成する。これらはマニホルド20の第一の端28からチャネル26の終端であり単一の容積に収束される領域32に至るまで、第二の端30に向けて延在する。他の例ではチャネル26により形成される区分室、導管、通路などは独立しておらず、隣接チャネルを流れる材料が相互に接触可能となっている。
【0028】
マニホルド20には材料を入れるためのポートが設けられている。図示したごとく複数のポート36を第一の側22に交互配置し、複数のポート38を第二の側24に交互配置してもよい。他の例では全てのポート36及び38をマニホルド20の第一の側22及び第二の側24のいずれかもしくは両方に配置してもよい。ポート36及び38から1種類の材料を供給してもよいし異なる材料をポート36及び38の各々から供給してもよい。更に別の例では1種類以上の材料をマニホルド20の第1の側22に設けられたポート36から供給し、1種類以上の別の材料をマニホルド20の第二の側24に設けられたポート38から供給してもよい。
【0029】
異なる材料がそれぞれのチャネル26を通り、マニホルド20の領域34で合流し多数の材料を含む1つの流れとなる。この流れの中の隣接材料は元々隣接チャネルにあったもので、類似材料及び/又は非類似材料とすることができる。層流下ではチャネル26を横切り領域34で合流する材料は通常混合せず、あるいは材料の混合は最小限である。材料の粘度は材料間の剪断及び混合を低減すべく調和させてもよい。また、チャネル26は材料がマニホルド20内を前進して排出される際の材料の表面張力の作用を打ち消す形状であってもよい。
【0030】
マニホルド20及び/又はM本のチャネル26の形状は、層流の形成、異種材料の合流及び/又は基板14上における所望形状の作製を容易にする各種形状とすることができる。チャネルがマニホルド20の第一の端28から第二の端30にかけて延在し及び/又は先細りとなる台形形状が適切である。
【0031】
図3及び図4は装置10の塗布器12として利用可能な他の塗布器の図解である。この例では各材料を供給するのに別々の構造体を用いる。供給器40は第一の材料の塗布、供給器42はZ番目(Zは1以上の整数)の材料の塗布に用いられる。供給器40及び42は、マイクロポジショナ及び/又は他の適切なドライブにより相互に位置決めされてもよい。供給器40及び42に組み込まれる連動機能(例えば櫛状構造)によりチャネル間の位置決めを行ってもよい。材料が供給器40及び42の外側に接触することから、材料は基板14上に供給された直後に硬化(例えば、UV硬化)される場合には部分的に混合可能としてもよい。材料はチャネル先端から基板14に至る飛行中に相互に混合され層を成してもよい。あるいは材料が基板14上に配置された後で別々のストライプが基板14上で合流してもよい。
【0032】
図4は1つ以上の供給ポートを有する供給器40及び供給器42を図示する。供給ポート44は第一の材料の塗布、供給ポート46はZ番目の材料の塗布に用いられる。ポート44は第一の材料の複数の流れを塗布するための複数の(同一又は非同一の)間隙48により区切られてもよい。ポート46は間隙48に存在するZ番目の材料を供給して交互材料からなるポート44及び46の総数に基づいた幅を有する流れとすべくポート44と平行にオフセットされてもよく、複数の(同一又は非同一の)間隙50により区切られてもよい。
【0033】
図5は塗布器12として利用できる別の構成の塗布器の図解である。塗布器は基板14上に異なる2種類の材料を塗布するために使用される。塗布器は複数のチャネル26を有するマニホルド20を含む。チャネル26は層流形成を促進して、マニホルド20内の各チャネル26に収容された材料を合流させ、材料の混合を緩和しつつ(材料から材料への接触を)分離された材料の単一の流れを形成すべく作製される。チャネル26は材料のうち少なくとも1種類をマニホルド20に導入するためのポート36もしくはポート38と関係付けられる。図5では2つのポートを図示している。
【0034】
一般に2種類の異種材料が交互に重ねられてマニホルド20に導入され、隣接するチャネル26は異種材料によって使用される。但し、類似材料を隣接チャネルに導入してもよい。図解のごとく2種類の異種材料が対向する側52及び54からマニホルド20に導入されてもよい。別の構成では2種類の異種材料が実質上同じ側(例えば第一の側52及び第二の側54のいずれか)から導入されてもよい。両方の材料を多数の側(例えば第一の側52及び第二の側54の両方)から導入してもよい。材料の導入が行われる側は任意に設定されてもよいし特定のシーケンスを確立すべく定義されてもよい。
【0035】
第一の材料は複数のポート38のうち1つ以上のポートからマニホルド20のいくつかのチャネル26に供給され、他の材料は複数のポート36からマニホルド20の異なるチャネル26に供給される。ポート36とポート38の相対位置はマニホルド20が180度回転可能となるよう任意に設定される。既述のごとく材料は(例えば押圧、牽引などの技術により)対応するチャネルを通り、材料の単一の流れを形成すべくマニホルド20内において層流下で合流される。
【0036】
塗布器は塗布器の外側を補強するハウジング56を更に含む。ハウジング56は後部領域58から前部領域60にかけてテーパ状もしくはサイズ(厚さ、直径、幅など)が漸減するよう設計できる。テーパ状にすることで一般に塗布器において最も高い圧力がかかる後部領域58がより強く支持されるとともに供給端62が基板14に隣接する位置及び/又は基板14に接触する位置に位置決めできる。こうした位置決めは塗布器から基板14までの距離や基板14に対する供給端62の角度などのファクタに基づいて設定される。
【0037】
塗布器及び/又は基板14は基板14への材料の塗布を容易にすべく移動できる。供給端62を狭くすることで多数の塗布器を互い違いもしくは非互い違いに配列でき、基板14上の塗布器の各パスから塗布される材料の幅を増大できる。基板14は、カットシートとしてもしくはロールツーロール法により供給できる。材料の流速は上述のごとく制御できる。例えば材料圧は流速を実現すべく適切に調整してもよい。
【0038】
図6は、塗布器12によりグリッド線を設けた太陽電池などの光電池の一部を例示する。光電池はp型領域66及びn型領域68を有する半導体64を含む。半導体64の領域66及び68の少なくとも一方は例えば半導体物質(ヒ化アルミニウム、ヒ化アルミニウムガリウム、窒化ホウ素、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、ダイヤモンド、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、ゲルマニウム、リン化インジウム、シリコン、炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、絶縁体上のシリコン、硫化亜鉛、セレン化亜鉛など)から形成できる。p-n接合部70全体に電界が形成され、例えば光子の吸収により電子及び/又は正孔が半導体64のある領域から別の領域へ流動する。電子はn型領域68からp型領域66へ移動し、正孔はp型領域66からn型領域68へ移動する。
【0039】
光電池は、p型領域66の側部74に隣接して形成される接点72を更に含む。接点72はアルミニウムベースのペーストなど金属ペーストから形成してもよい。グリッド接点76はn型領域68の側部78に隣接して形成される。グリッド接点76は非導通領域82により分断された導電指状突起80を含む。指状突起80は銀ペーストなど金属ペーストにより形成してもよい。接点72及び/又は76に熱処理を施してもよく、及び/又は乾燥、硬化及び/又は焼結及び/又は他の処理を施してもよい。
【0040】
接点72及び76の作製後、複数の電池をフラットワイヤや金属リボンを用いて直列及び/又は並列に相互接続しモジュール又はパネルを形成してもよい。強化ガラスシート(図示せず)をグリッド接点76上に積層してもよく、高分子カプセル(図示せず)を接点72上に形成してもよい。電池が吸収する光の量を増やすため光子吸収層はテクスチャー面を有してもよく、反射防止材料(窒化ケイ素、二酸化チタンなど)で被覆してもよい。グリッド接点76は、光子を半導体64内に方向付け光子が半導体64内に入ることを防いで効率及び/又は電力発生を向上させる矩形棒状、もしくは三角形(例えば三角形の頂点が半導体64と対向しない)などの各種形状とすることができる。
【0041】
電極84はグリッド接点76及び外部負荷86に接続でき、電極88は外部負荷86及び接点72に接続できる。光子90が半導体64に吸収される際、光子90のエネルギーは内部の電子を励磁し自由に動けるようにする。n型領域68の励磁電子がグリッド接点68及び電極84を通って外部負荷86に到達し電極88及び接点72を通ってp型領域72に戻る際に電流が発生する。
【0042】
図7は光電池などの光起電力素子上にグリッド線を設ける方法を図6と関連付けて例示する。ステップ92で半導体が作製される。半導体として各種半導体材料が用いられる。半導体の作製方法として、n型ケイ素をp型ケイ素と結合させて半導体p-n接合部を形成する方法、n型ドープ剤(リン、ヒ素、アンチモンなど)又はp型ドープ剤(ホウ素など)をシリコンウエハ側面に拡散させる方法、又は、ホウ素不純物を含有するブルーダイヤモンドなどの自然発生半導体を用いる方法がある。光起電モジュール又はパネルを作製すべく光電池を直列及び/又は並列に結合してもよい。ステップ94でp型領域に隣接して導電接点が形成される。ステップ96でn型領域に隣接して導電グリッドが形成される。一実施形態では上述の装置10は導電グリッドの形成に用いられる。ステップ98で電極は導電接点及び導電グリッドから負荷に結合される。光子が半導体に吸収される際、光起電力作用により電気エネルギーが発生する。
【0043】
図8はグリッド線の製造方法を図6と関連付けて例示する。ステップ100で、1つ以上の塗布器(例えば塗布器12)が押出し装置(例えば装置10)と結合されてもよい。塗布器は、直列(例えば互い違い又は非互い違い)及び/又は並列に結合されてもよい。ステップ102で装置は光起電性基板面に対し適切に配置されてもよい。
【0044】
ステップ104で銀ペーストと防食材とが塗布器に供給される。銀ペースト及び防食材は公知の技術にて塗布器に対し押圧・牽引され得る。各塗布器は塗布器内で材料を混合させないようにしながら材料を合流させるための層流を形成する複数のチャネルを有してもよい。隣接するチャネルに異なる材料を入れる(例えばあるチャネルには銀ペーストを、その隣接チャネルには防食材を供給する)べく、銀ペースト及び防食材を一般に交互に供給し、あるいは交互のチャネルに類似材料を供給(偶数のチャネルもしくは奇数のチャネルに銀ペースト又は防食剤のをいずれかを供給)してもよい。
【0045】
ステップ106で材料は各チャネルを流れる。流速、温度、デューティサイクルなどのパラメータは材料粘性及び/又は所望の特性(グリッド線の長さ、幅、強度、抵抗など)などのファクタに少なくとも部分的に基づいて設定される。これらのパラメータは各チャネルを流れる材料の各々が層流を形成すべく設定される。ステップ108で、各塗布器内の複数のチャネルからの複数の流れが合流され材料が交互になった単一の流れが形成される。各流れは層流であるため、非層流の場合と比較して材料の混合が少ない。防食材は銀ペーストの流動性と高度に調和した流動性を有することが望ましいがそれに限定されない。
【0046】
ステップ110で、合流された材料が各塗布器から供給され、グリッド線を作製すべく光起電性基板に塗布される。装置と塗布器及び/又は光起電性基板とは互いに対して移動でき、例えば光起電性基板上に金属2層膜などのバリア層を形成するなどのために所望の幅及び/又は所望数の層を形成すべく多数回にわたって使用できる。金属2層膜のうち1層は拡散バリアとして基板と接触し、その上に形成されるもう1層はコスト低減及び/又は導電性向上のために設けられる。基板にオーム接点を作製すべくグリッド線に熱処理又は焼結を施してもよい。
【0047】
塗布器12を用いてグリッド線を形成すると、最大約10:1という高アスペクト比、且つ約5〜10ミクロン未満という微細構造を有するグリッド線を作製できる。従来のシステムではグリッド線は領域の約4%を覆い、且つ不透明な金属製であることから半導体64に入る光子をブロックする。塗布器12により作製される高アスペクト比・微細構造のグリッド線は領域の4%未満しか占有しないためより多くの光子を半導体64に取り入れることができ、発電出力が向上する。グリッド線が細ければ金属と半導体の接点も小さくてすみ、電子正孔再結合の有益な効果が得られる。
【0048】
図9は太陽電池のグリッド線を付着させるのに適した同時押出/供給塗布器の一部を分解図で図解したものである。塗布器は配列された出口112を含む。各出口112は1本のグリッド線に対応し、高アスペクト比の中心金属線と、その少なくとも片側に隣接する支持材とからなる複合材料を供給する。図10は図9の塗布器から基板120上に供給された2本のグリッド線の断面図を示す。供給された各グリッド線は金属線116及び支持材118を含む。図9を再度参照すると、各出口112に通じる収束路120は直線のチャネルに対し利点を有する。押出された形状が塗布器自体の最も微細な設計よりも更に微細である。塗布器では単一の出口を使用するものと比較してグリッド線を支持するための材料が少なくてすむ。
【0049】
表1に示すパラメータを有する同時押出塗布器は結晶シリコン太陽電池にグリッド線を設けるための材料供給に利用できる。
【0050】
【表1】

【0051】
この設計では収束チャネルはパターン化され約0.15mmの厚みを有するシート材料を形成する。塗布器/ノズルの出力オリフィスは2.5mmピッチで反復形成される。塗布器/ノズル圧が約2.24気圧であるとき、1000ポワズの粘度を有するペーストが1cm/秒の速度で吐出される。銀の中心ストライプの幅は約50ミクロン、アスペクト比は3.1である。
【0052】
多数の分離された出口を備える塗布器/ノズルは、特に供給される流体に剪断薄膜化が生ずる際には本質的に不安定である。不安定であるために、異なるチャネル内の流体が異なる流動状態に分割されることがある。流体はあるチャネルでは低流速、低剪断力、高粘度状態にあり、別のチャネルでは高流速、高剪断力、低粘度状態にある。高い及び低い出力流速の組合せのためには所与の流体移動速度、全体的な圧力低下が最も少ない状態は望ましくない。(図9の塗布器のように)多数の出口を有する供給ノズルからムラのある流体が供給されないようにするための方法として、出力される各流体を別々の流体ポンプで駆動する方法が挙げられる。この構成を実現する好適で経済的な方法として多数のリザーバに入れられた流体が、多数のプランジャを有するプレートを駆動するモータや親ねじなどの1つのアクチュエータにより同時に圧縮される容積型ポンプの配列を作製する方法が挙げられる。
【0053】
図9に示す配列された横方向の同時押出装置の更なる改良点として、垂直方向に積層された材料の層流を形成するマニホルドを追加することが挙げられる。図11はチャネルが出口126から垂直方向に積層された実体124を生成すべく相互に垂直方向に位置決めされた2つ以上のサブチャネル122を含む塗布器を図示する。各サブチャネルは材料を導入するための入口128を有する。塗布器は水平方向及び垂直方向に同時に積層を形成する同一数及び/又は非同一数のサブチャネル122を有する複数のチャネルを有していてもよい。このの構造により太陽電池の金属被覆コストが低減される。図12に示すように垂直方向に積層された実体124は基板132に隣接して設けられる、銀グリッド線金属被覆などの比較的高価な接触材130を含む。拡散バリア134として作用するニッケル金属被覆などの層は垂直方向において接触材130に隣接して設けられる。拡散バリア134に対して垂直方向に積層された金属線136は太陽電池が生成する電流を伝達する追加の低コスト材料として作用する銅の金属被覆層である。支持材138は接触材130、拡散バリア134及び/又は金属線136に水平方向に隣接すべく形成される。
【0054】
図13において、サブチャネル122を通る垂直方向の流れは単純に合流され出口126から供給されてもよい。あるいはより微細な形状を形成し所与の流速における総合的な圧力降下を低減すべくサブチャネル122を収束させてもよい。図14には接合プレートの積層体の1層を示す。この層上でサブチャネル122を通じた流れが垂直方向に収束される。上下の層は充填用オリフィスを備えてもよい。この層の上下に追加層を設け、横方向に配置される防食材の流れを合流させてもよい。
【0055】
図15では、基板が供給ヘッドに対し移動することにより出口126から吐出される個々の層が供給ヘッド外部で合流して、供給されたペーストの層が相互の上に位置する。
【0056】
図16は、図9の塗布器により作製される少なくとも1つのチャネルを有する例示的な燃料電池の陽極を図解する。図9の塗布器は電池(亜鉛ー空気など)などの他の電気化学的装置のためのバリアチャネル及び/又は電極を作製するために用いてもよい。
【0057】
燃料電池の陽極は、多孔電極及びガス拡散層144、例えばポリマー構造に結合されたリン酸からなる膜146、これらの間に配置される複合多孔電極148を含む。一般に電極144は水素燃料電池に用いられる酸素などの反応物質が、ナノ多孔質疎水性材料(例えばポリテトラフルオロエチレン分子)150とナノ多孔質親水性導電材及び触媒(例えばグラファイト分子及びプラチナ)との垂直方向のストライプからなる複合多孔電極148に浸透することを可能とする多孔電極及びガス拡散層である。導体線152のプラチナなどの触媒は水を生成する反応に触媒作用を及ぼす。ある例では反応は下記式で特徴づけられる。ストライプ150及び152の多孔性により複合多孔電極148中で消費される反応物質の連続補充が行われる。
【0058】
【数1】

【0059】
電極が必要とする高価な触媒の利用を増大させる長い反応帯を生成する点で、高アスペクト比(10:1)、薄い(5-10ミクロン)、多孔質な線が望ましい。しかし、従来の押出加工技術では1平方フィート当たり1ドル未満のコストで粗い(二乗平均が0.01mm)基板上にこのような線を作製できない。更にこの構造は膜から反応位置へ陽子を伝達し、部分的な圧力降下を抑えながら酸素を反応位置へ拡散させ、多孔電極から反応位置へ電子を伝達することを容易にし、反応位置から熱を除去し、100〜200PSIの圧縮の機械負荷に耐えることを必要とする。電極構造体のもつ課題及び目標コストの要求は従来の写真平版、ダイレクトマーキング、成型技術ではほぼ実現不可能である。この欠陥を補償すべく従来の技術では反応位置を増加させるべく望ましい量よりも多い量の触媒を用いたり、多孔質材料のマトリクスにおいてプラチナによる触媒作用を施した炭素凝集体やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いたりしている。図9の塗布器は1平方フィート当たり1ドル未満のコストで粗い(二乗平均が0.01mm)基板上に多孔質PTFE152(5ミクロン以下)高アスペクト比(10:1)の薄型導体線150を作製するのに利用できる。
【0060】
図17は、図16に図示された記載されている燃料電池の膜/電極接合体の製造方法を例示する。ステップ154で基板の表面に対し図9の塗布器を使用する装置が適切に位置決めされる。位置決めには塗布器の供給端と光起電力素子との間の距離、塗布器の供給端と光起電性基板に対する角度などが含まれる。
【0061】
ステップ156において、親水性線を作製するための第一の材料及び疎水性線を作製するための第二の材料が塗布器に導入される。各塗布器は材料が混合しないよう塗布器から材料を合流させて層流を形成するための複数のチャネルを含んでもよい。隣接チャネルに異なる材料が入れられるよう、第一及び第二の材料は通常は交互層状に供給される。あるいは、交互のチャネルに類似材料が供給される。流速、温度、デューティサイクルなどのパラメータは材料粘性及び/又は所望の特性(グリッド線の長さ、幅、強度、抵抗など)などのファクタに少なくとも部分的に基づいて設定される。これらのパラメータは各チャネルを流れる材料の各々が層流を形成すべく設定される。
【0062】
ステップ158で、各塗布器内の複数のチャネルからの複数の流れが合流され材料が交互になった単一の流れが形成される。各流れは層流であるため、非層流の場合と比較して材料の混合が少ない。ステップ160で、合流された材料が塗布器から電解質を形成する複数のチャネルを作製すべく供給される。装置と塗布器及び/又は基板とは相互に対して移動できる。塗布器は所望の幅を形成し及び/又は所望数の層を形成すべく多数回にわたって使用できる。
【0063】
材料に含有されるペースト及び粒子が混合しないようにするため、実質上非混合性となるよう材料の処方を変更してもよい。電極の多孔質媒体のネットワークを形成する粒子は、必要に応じて相互混合に影響を及ぼす親水性又は疎水性被覆で被覆されていてもよい。液体及びコロイド懸濁液の対及び組合せは、これらの材料のストライプ層が実質上混合されずに塗布器から基板上に押出されるよう相互不溶性とすべく形成されてもよい。
【0064】
表2に、本明細書に記載した処理能力に関連するパラメータを例示する。処理能力に関連するパラメータは塗布器12の長さに沿った種々の点において、矩形断面においてポアズイユの流れを生ずるべく圧力勾配を推定することで得られた。
【0065】
【表2】

【0066】
表2より、適度な数の塗布器(例えば約10)及び約24psiの圧力下では高粘度材料を毎分約1平方フィートの速度で印刷できた。塗布器の広い方の幅に沿った注入器ピッチは約50ミクロンであり、幅は約50mmから約5mmまで収束し、約1000の注入ポートを有し、塗布器開口部における印刷ピッチは約5ミクロンである。塗布器により付着される層の高さは約50ミクロンであり、塗布器チャネルの深さは約200ミクロンである。付着された層は基板を延伸するか材料が塗布器から吐出される際の材料の流速よりも早い(例えば4倍の)速度で移動させることにより薄膜化される。材料の特性により、比較的高い比率でビードを延伸することが可能である。塗布器チャネルの深さが約500ミクロンであり層厚が約50ミクロンである場合、約1.7PSIのみの圧力降下により実質上同一の印刷速度が得られる。更に微細なピッチ設計のため、塗布器の注入ポート数を増やし、あるいは開口部を狭く設定するしてもよい。
【0067】
上記及び他の特徴及び機能の変形物又は別の形態は他の類似及び/又は異なるシステム又は用途と組み合わされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】1種以上の材料を基板上に同時塗布するための塗布器を備えた押出装置を示す図、
【図2】例示的塗布器を示す図、
【図3】別の例示的塗布器を示す図、
【図4】複数の供給口を示す図、
【図5】別の例示的塗布器を示す図、
【図6】光電池の例示的一部を示す図、
【図7】光電池の作製方法を示す図、
【図8】グリッド線の作製方法を示す図、
【図9】例示的塗布器の部分分解図、
【図10】グリッド線の断面図
【図11】垂直方向に積層された実体を作製するための垂直方向に配置されたサブチャネルを備える例示的塗布器の一部を示す図、
【図12】グリッド線の断面図、
【図13】流体が垂直方向に合流され供給される垂直方向に積層された実体を作製するための別の構成を示す図、
【図14】流体が対をなして垂直方向に合流される垂直方向に積層された実体を作製するための別の構成を示す図、
【図15】流体が塗布器外部で垂直方向に合流される垂直方向に積層された実体を作製するための別の構成を示す図、
【図16】例示的燃料電池の一部を示す図、
【図17】図13の燃料電池の電極を作製する方法を示す図、
【図18】直列配置された塗布器を示す図、
【図19】積層配置された塗布器を示す図、
【図20】塗布器のマトリックスを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に材料を押出/供給する装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングで囲まれた、材料の流動を容易にする少なくとも2つのチャネルと、
材料を各チャネルに送出するために各チャネルと関連付けられた少なくとも1つの入口ポートと、
高アスペクト比の微細機構を作製すべく前記材料を同時押出/供給するための出口ポートと、
を備えた装置。
【請求項2】
前記材料の粘度は最大約数十万センチポワズである請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記微細機構の寸法は約100ナノメートルから約100ミクロンである請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つのチャネルが前記チャネル内を流動する材料の層流を形成すべく前記ハウジング内を延出する請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記微細機構は太陽電池のグリッド線もしくは燃料電池の電極である請求項1記載の装置。
【請求項6】
直列配置、積層配置、マトリクス配置のいずれかにより相互に位置決めされた多数の塗布器を更に備えた請求項1記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−160304(P2007−160304A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−309712(P2006−309712)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(502096543)パロ・アルト・リサーチ・センター・インコーポレーテッド (393)
【氏名又は名称原語表記】Palo Alto Research Center Incorporated
【Fターム(参考)】