説明

搬送システムと搬送方法

【課題】複数のクリーンルーム間で電子部品を遣り取りする場合の搬送効率アップによる生産性向上を図る。
【解決手段】 複数のクリーンルームの少なくとも1つに設けられるクレーン付のストッカー 21 と、該ストッカーの受渡領域に載置されるコンテナ 22 と、クリーンルーム内で移動する第一の搬送車 23 と、一般通路用のカバー付の第二の搬送車とを含んで構成し、ストッカー 21 と第一の搬送車 23 と第二の搬送車のそれぞれに、ストッカーと第一の搬送車間及び第一と第二の搬送車間で前記コンテナ 22 が自動的に受渡しできる移載手段 211,231 を設ける。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数のクリーンルーム間でカセットやウェーハ等の電子部品を遣り取りする場合の搬送システムと搬送方法に係わり、特に部材倉庫としてのストッカーとクリーンルーム内の第一の搬送車間や該第一の搬送車と一般通路用の第二の搬送車間の電子部品の遣り取りを自動化し、または単線の主線路上の複数の第二の搬送車を同一時間帯・同一方向に移動させることで複数のクリーンルーム間での搬送効率アップによる生産性向上を図った搬送システムと搬送方法に関する。
【0002】最近の電子装置の生産工程では技術の進展と特性確保及び生産性向上に対応させるため、ストッカーや各種製造装置の殆ど総てを高度の防塵対策を備えたクリーンルーム内に配置すると共に工程途中の電子部品のストッカーと各製造装置間の一般通路を介する移動搬送に防塵対策を施した自動搬送車を利用するようになってきているが、搬送の効率化による生産性向上が強く求められている。
【0003】なお本発明では、上記工程途中の電子部品(以下搬送部品とする)がほぼ立方体状の外形を持つ電子機器用のカセットである場合を例として説明する。
【0004】
【従来の技術】図14は技術的背景として搬送システムの適用場所を例示説明する図、図15は従来の搬送システムの構成を説明する図、図16は図15のストッカーを説明する図、図17は図15のストッカーでのカセット取り出し状態を説明する図、図18は図15のクリーンルーム内の第一の搬送車を説明する図、図19は図15R>5の一般通路用の第二の搬送車を説明する図、図20は各搬送車間でのカセットの遣り取り状態を説明する図、図21は従来の搬送方法を説明する図である。
【0005】搬送システムの適用場所を平面視して説明する図14で、通常空間に位置する一般通路Rには隔壁W1 を介して第一のクリーンルームCR-1と第二のクリーンルームCR-2とが面しており、更に該各クリーンルーム間は上記隔壁W1 に繋がる隔壁W2 で隔てられている。そして上記各クリーンルームCR-1とCR-2のそれぞれには、一般通路側と反対側との双方に位置する二重の開閉ドアD1 ,D2 で仕切られた通常のエアシャワー付パスボックスPB-1,PB-2が設けられており、該各開閉扉の開閉とエアシャワーのタイミングを適当に設定することで上記一般通路Rとそれに繋がるクリーンルーム間の塵埃の行き来が遮断できるようになっている。
【0006】なお以下図14を除く他の図面では、上記各開閉扉の設置が一般的なることもあってその図示や説明を省略する。また上記一般通路Rの床面には該通路に沿って磁気テープからなる主線路T-1,T-2が複線として並行に設けられ、更に該各主線路のそれぞれから分岐し上記各エアシャワー付パスボックス(以下単にパスボックスとする)を経由して上記各クリーンルーム内の所定位置に伸びる支線路T-3,T-4が設けられている。
【0007】そして上記主線路や支線路からの磁気で誘導されて自走し得る自走搬送車AGV(Automatic Guided Vehicle) を点線の如く主線路や支線路上に配置することで、該各自走搬送車AGVが自由に移動できるようになっている。かかる適用場所に対応する搬送システムの構成を説明する図15で、(a)は図14の当該場所を平面視した図、(b)は(a)を側面視した図である。
【0008】なお図では、図14における第一のクリーンルームCR-1を倉庫としまた第二のクリーンルームCR-2を処理室として使用すると共に、クリーンルーム内に配する上記自走搬送車を第一の搬送車とし一般通路に配する自走搬送車を第二の搬送車とした場合を例として説明する。図15で搬送システム1は、上記第一のクリーンルームCR-1に配設されるストッカー11と、該ストッカー内のカセットAの受渡領域11c近傍の床面に立設されているロボット12と、該クリーンルーム内の支線路に配される第一の搬送車13と、前記主線路T-1,T-2上で移動して上記クリーンルームCR-1のパスボックスPB-1に進入し得る第二の搬送車14と、上記第二のクリーンルームCR-2に配置される机15と、該クリーンルーム内の支線路T-4に配される第一の搬送車13′と、上記机近傍の床面に立設されるロボット12 の諸設備を少なくとも含んで構成されているものである。
【0009】ここで理解し易くするため先に図16乃至図19で上記各設備を説明する。ストッカーを説明する図16で、(a)は全体斜視図、(b)は(a)を矢印a〜a′で断面視した正面図、(c)は側壁を一部断面視した側面図、(d)は天井側を一部断面視した平面図である。図で、左右それぞれ二段重ねの前記カセットAが十分な余裕を持って収容し得る断面積を持つ角形トンネル状のストッカー11は、片側の開口側に長手方向に沿った中央域の床面11aとほぼ同じ高さで開口側端面11bから突出する前記受渡領域11cが前記カセットAを載置するに足る面積を備えて形成されていると共に、上記床面11aの巾方向中心線上には断面角形で該床面から突出するクレーンガイド11dが設けられているものである。
【0010】そして該ガイド両サイドの中心振り分け所定巾“b”を越える位置から両側の側壁11eまでの前記カセットAの辺長を超える領域は上記床面に対する凸の段差面11fがカセット載置面として形成され、且つ該凸の段差面には上記クレーンガイド側の壁面11f′から側壁11eまで伸びる凹溝11gが該カセットAの辺長を越えるピッチで形成されているが、この場合の各凹溝11gは前記開口側端面11bから上記カセットAの辺長の半分程度離れた位置を始点として等間隔に設けられているものである。
【0011】また上記両側壁11eの高さ方向中間域には、上記凸の段差面11fとほぼ同様の棚板11hが上記凹溝11gと同じ凹溝11gを有して形成されており、該棚板11hにも前記カセットAが載置できるようになっている。なお、前記受渡領域11cの上面には高さが上記凸の段差面11fの形成高さとほぼ等しい2本の直方体が前記カセットA用のカセット載置台11jとして固定されている。
【0012】更に該ストッカー11には上記クレーンガイド11dを跨ぐロボット状のクレーン111が装着されているが、このクレーン111は図示されない制御部からの信号によって上記ガイドに沿って自在に往復動できると共に上記凹溝11gに入り得る大きさのブレード111aが該ストッカー巾方向への往復動と上下動・回転動作等が自在にできるように構成されている。
【0013】例えば図(b)で、降下させた状態の上記ブレード111aを矢印a1 のようにストッカー巾方向左側に移動させると該ブレード111aが凸の段差面11fにおける凹溝11gに入り込むことから該凸の段差面に載置されているカセットを持ち上げられるようになり、また上記棚板11hと対応する位置まで上昇させた状態のブレード111aを矢印a2 のようにストッカー巾方向右側に移動させると該ブレード111aが上記棚板11hの凹溝11gに入り込むことから該棚に載置されているカセットを持ち上げられるようになっている。
【0014】従って、上記カセット載置台11jに位置するカセットやストッカーに収容されているカセットを自由に出し入れすることができる。図17で、(a)はカセット収容時のストッカー斜視図、(b)はクレーンによるカセットの把持状態を示す平面図、(c)はカセットの受渡領域への載置状態を示す平面図である。
【0015】図の(a)で、ストッカー11における凸の段差面11fと棚板11hそれぞれの所定位置には、上記カセットAが載置されている。そこで(b)に示す如く、前述したクレーン111を開口側端部のカセットA1 と対応する位置まで移動させた後、該クレーンのブレード領域を降下させてブレード111aを下段のカセットA1 下側の凹溝11gに対応させる。
【0016】次いで該ブレードをそのまま上記凹溝11gに挿入してから該ブレードを僅かに上昇させると該カセットA1 が持ち上げられるので、例えば該ブレード領域をそのまま前述した受渡領域11cのカセット載置台11jまで回動して降下させることで、カセットA1 がカセット載置台11jに置かれた(c)に示す状態にすることができる。
【0017】なお上記回動の代わりに、持ち上げられたカセットA1 をクレーン軸上に戻してから該クレーンを移動させても(c)の状態にすることができる。また上記クレーン111のブレード領域を上昇させてブレード111aを上段のカセットA2 下側の凹溝11gに対応させた後、該ブレードを該凹溝11gに挿入し、以下上記同様の手順を踏むことでカセットA2 をカセット載置台11jに載置することができる。
【0018】一方図示されない制御部からの信号で動作する図15で示したロボット12は、その上部に伸縮自在で且つ三次元方向に移動し得るアームを備えていると共に該アームの先端には図示されない真空ポンプに繋がる真空吸着機構を備えているものであり、該真空吸着機構部を上記カセットA1 の上面に当接させることで該カセットA1 が自在に移動できるようになっている。
【0019】従って、前記ストッカー11の受渡領域11cに位置するカセットAを後述する第一の搬送車13に容易に移載することができる。図18で前記AGVとしての第一の搬送車13は、積載しているバッテリーを電源とし前記主線路T1 ,T2 や支線路T3 ,T4 を構成する磁気テープからの信号で該各線路に沿って前後進可能に誘導される機能を備えた通常公知のものであり、その上面13aには前記カセット載置台11jと同様のカセット載置台13bが装着されている。
【0020】また図19で前記AGVとしての第二の搬送車14は、上記第一の搬送車13と該搬送車の上面13aを余裕を持って覆い得るカバー141とで構成されるものである。そして上記第一の搬送車13の上面近傍の側面で該第一の搬送車に固定されるこの場合の上記該カバー141には、搬送車としての進行方向前後の壁面141aのほぼ全面に外気を遮断し得る開閉扉142が設けられているが、該開閉扉142の下端辺は上記カセットAの移載に便なるように上記上面13aより低く位置するように設定されている。
【0021】また図15で示した机15は所要の製造装置や試験装置等を含めた通常のものであり、その所定位置にカセットAを位置せしめることで爾後の処理作業や検査が容易に実現し得るようになっているものである。図20は上記第一の搬送車と第二の搬送車間のカセット受渡状態を時系列的に説明する図であり、(a)は受渡前の状態を、(b)は受渡直前の状態を、(c)は受渡時の状態をそれぞれ示している。
【0022】すなわちカセット受渡前の(a)の状態では、前記ストッカー11の近傍の支線路T-3上に位置する第一の搬送車13には複数(図では2個)のカセットAが前述したロボット12の動作によって載置されており、また主線路T-1上には空の第二の搬送車14が位置している。そこで上記第一の搬送車13を前記パスボックスPB-1近傍まで移動させると共に、支線路T-3に分岐させた上記第二の搬送車14をパスボックスPB-1に入れると該搬送車14の車輪領域を含む外面の全部がエアシャワーで清掃されて(b)で示す状態になる。
【0023】次いで第二の搬送車14のクリーンルーム側の開閉扉142を開けた(c)で示す状態で、第一の搬送車上の各カセットAをマニュアル手段で第二の搬送車に移載することで、清浄雰囲気中での搬送車間のカセットの受渡しを実現することができる。従って図15に示す如く、ストッカー11に保管されているカセットAを順次上記ロボット12で第一の搬送車13に載置した後、該搬送車13を前記パスボックスPB-1の近傍まで移動せしめると共に上記主線路T-1上の第二の搬送車14を上記パスボックスPB-1内に位置せしめる。
【0024】次いで、上記第一の搬送車上のカセットAを上述したように第二の搬送車14に移載した後、該第二の搬送車14を主線路T-1を経由して第二のクリーンルームCR-2のパスボックスPB-2内に移動せしめ、該クリーンルーム内の第一の搬送車13′に上記カセットAを上記同様の方法で移載した後、該第一の搬送車13′を上記作業机15近傍まで移動させ更に前記ロボット12を使用することで該カセットAを作業机上に移載することができる。
【0025】一方従来の搬送方法では上述したように主線路を複線化しているが、この場合には該主線路が一般通路Rを塞いで他の物流や人の往来に支障を来たし易いことから、主線路を単線化させて第二の搬送車14をシャトル的に往復動させることがある。図21は主線路を単線化させた上で3個のクリーンルーム間のカセットAの搬送を1台の第二の搬送車14で実現する搬送方法を例示したものである。
【0026】すなわち図で、主線路T-1の一端には上記第二の搬送車充電用の電池室Cが設けられ、該主線路T-1からは3個のクリーンルームCR-1,CR-2,CR-3のそれぞれに支線路T-3,T-4,T-5が分岐している。そして1台の第二の搬送車14を主線路T-1上で適宜往復動させて各支線路T-3,T-4,T-5へ分岐せしめ、それぞれのクリーンルーム内に配した第一の搬送車13との間でカセットを遣り取りすることで、各クリーンルーム間のカセットAの搬送を実現するようにしている。
【0027】例えばクリーンルームCR-1内のカセットAを2個のクリーンルームCR-2とCR-3のそれぞれに搬送する場合には、充電済の第二の搬送車14を一旦クリーンルームCR-1のパスボックスPB-1に進入せしめてカセットAを受取った後クリーンルームCR-2のパスボックスPB-2に14′の如く進入させてカセットAを移載せしめ、更にクリーンルームCR-1のパスボックスPB-1でカセットAを受取った後クリーンルームCR-3のパスボックスPB-3に14″の如く進入させてカセットAを移載せしめる、等の方法を採るようにしている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】従来の搬送システムでは、ストッカーと第一の搬送車間のカセットの遣り取りにロボットを使用するため特に複数のカセットを移載するときにはロボットアームを昇降させたり上記第一の搬送車を前後進させる等複雑な機構や制御が必要となるばかりでなく移載に長時間を要すると言う問題があり、また第一の搬送車と第二の搬送車間のカセットの遣り取りにマニュアル等特別な移載手段が必要になると言う問題があった。
【0029】また従来の搬送方法では、主線路上を往復動する1台の第二の搬送車14で複数のクリーンルーム間のカセット搬送で実現させているため、搬送カセット数の増加につれて第二の搬送車の搬送頻度が増えることとなり、結果的に一般通路Rでの物流や人の往来との共用が難しくなると言う問題があった。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記課題は、搬送部品の受渡領域を有して通路に面するパスボックス付のクリーンルーム相互間を、床面に設けられた線路に沿って移動する搬送車で搬送部品を搬送する搬送システムであって、前記クリーンルームの少なくとも1つに設けられるストッカーと、複数の前記搬送部品を収容する大きさを有して前記ストッカーの前記受渡領域に載置されるコンテナと、前記各クリーンルーム内で移動する第一の搬送車と、前記クリーンルーム間を移動する第二の搬送車とを含んで構成され、前記ストッカーの前記受渡領域と第一及び第二の搬送車のそれぞれが、ストッカーと第一の搬送車間及び第一の搬送車と第二の搬送車間で前記コンテナを自動的に受渡しし得る移載手段を備えている搬送システムによって解決される。
【0031】また、搬送部品の受渡領域を有して通路に面するパスボックス付のクリーンルーム相互間を、床面に設けられた線路に沿って移動する搬送車で搬送部品を搬送する搬送方法であって、前記クリーンルーム間を繋ぐ単線化された主線路の一端に処理作業用のクリーンルームに対応する数の第二の搬送車を配する工程と、前記各第二の搬送車を同一時間帯に同一方向に同時移動させて、該各第二の搬送車のそれぞれを対応するクリーンルームのパスボックス内に分岐移動させる工程と、前記各クリーンルーム内のそれぞれに設ける支線路に沿って移動する第一の搬送車を前記パスボックス近傍に移動させる工程と、複数の前記搬送部品を収容するコンテナを第一の搬送車と第二の搬送車間の自動的な受渡しで移載せしめる工程と、移載終了後の前記各第二の搬送車を、同一時間帯に逆の方向に同時移動させて前記主線路に戻す工程と、を含む搬送方法によって解決される。
【0032】ストッカーと第一の搬送車間のカセットの遣り取りや第一の搬送車と第二の搬送車間のカセットの遣り取りが自動的に実現できるように搬送システムを構成すると、従来の搬送システムで必要とするロボットやマニュアル等による移載手段をなくすことができる。また単線化された主線路上に複数の第二の搬送車を配置した上で一定時間内全て同じ方向に移動させる搬送方法にすると、1度に多くのカセットを搬送することができる。
【0033】そこで本発明では、搬送システムについては、ストッカーでのカセット収容状態と同様に複数のカセットが収容できる棚板付のコンテナを搬送単位とした上で、ストッカーの開口側端部と第一及び第二の各搬送車上面とにコンテナ遣り取り用のベルトコンベアを設けて搬送システムを構成するようにしている。このことは、上記コンテナへの複数のカセット収容に関しては該ストッカー内に設置されている従来のクレーンがそのまま使用できると共に、前述したロボットが削減できると同時にマニュアルによる移載手段がなくなってストッカー〜第一の搬送車〜第二の搬送車間のコンテナひいてはカセットの相互移載がすべて自動化できることを意味する。
【0034】また搬送方法については、単線化させた主線路上に複数の第二の搬送車を配した上で該各第二の搬送車を一定時間同一方向に一斉に移動できるように搬送方法を構成している。このことは、一般通路での物流や人の往来を妨げることなくコンテナひいてはカセットの搬送の効率化と搬送量増加とが容易に実現できることを意味する。
【0035】従って、搬送工程での生産性向上を期待することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は本発明の搬送システムの全体構成を示す図であり、図2は図1におけるストッカーを説明する図、図3は図1におけるコンテナを説明する図、図4は図2のストッカーへのコンテナの収容手段を説明する図、図5は図1における第一の搬送車を説明する図、図6はストッカーと第一の搬送車間の移載手段を説明する図、図7は図1における第二の搬送車を説明する図、図8は第一の搬送車と第二の搬送車間の移載手段を説明する図、図9は図1における作業机を説明する図、図10は本発明の搬送方法を時系列的に説明する図である。
【0037】また、図11は第一の搬送車と第二の搬送車間の他の移載手段を説明する図、図12は他の第二の搬送車を説明する図、図13は図12における第二の搬送車の搬送状態を説明する図、である。なお図では、いずれも図14で説明した適用場所や設備に本発明を適用させる場合を例としているので、図15乃至図21と同じ対象部材や部位には同一の記号を付して表わすと共に重複する説明についてはそれを省略する。
【0038】本発明になる搬送システムを説明する図1で、(a)は側面図、(b)は平面図である。図1で搬送システム2は、前記第一のクリーンルームCR-1に配設されるストッカー21と、該ストッカー21内に配置されるコンテナ22と、上記クリーンルーム内の支線路T-3に配される第一の搬送車23と、前記主線路T-1上で移動し得る第二の搬送車24と、前記第二のクリーンルームCR-2に配置される作業机26と、該クリーンルーム内の支線路T-4に配される第一の搬送車23 の諸設備を少なくとも含んで構成されている
【0039】なお上記クリーンルームCR-1,CR-2のそれぞれが、一般通路R側にパスボックスPB-1,PB-2を備えていることは前述した通りである。ここで前記同様に理解し易くするため、先に図2乃至図10で上記各設備をその動作を含めて説明する。図1で示した本発明に関わるストッカーを説明する図2で、(a)は全体斜視図、(b)は(a)を開口側から見た正面図、(c)は(b)を矢印a〜a′で断面視した側面図、(d)は天井側を一部断面視した平面図である。
【0040】図2でストッカー21は、前記ストッカー11における受渡領域11cを削除すると共に、該ストッカー11の両側壁内に設けた前記凸の段差面11fと棚板11hの形成領域のみを開口側端面11bから所定距離(例えば図示の如くストッカー長手方向で隣接する2個のカセット載置長さ)だけ後退させた上でその後退領域のみを前記床面11aに対する凹の段差面21aに形成し、更に該凹の段差面21aの領域にストッカー長手方向で往復動するベルトコンベア211を配設したものである。
【0041】なお、上記床面11aに設けたクレーンガイド11dをガイドとする前記クレーン111が設けられていることは上記ストッカー11と同様である。従って上記クレーン111で前記カセットAを該ストッカー21に収容すると、上記ベルトコンベア211の配設領域を除く凸の段差面11f上と棚板11h上とに図(b),(c)の破線Bで示す如く載置することができる。
【0042】また図1におけるコンテナを説明する図3で、(a)は全体斜視図、(b)は(a)を一部断面視した側面図、(c)は正面図、(d)は(c)を矢印a〜a′で断面視した平面図である。図3でコンテナ22は、前記ストッカー21の棚板11hに対応する仕切板22aを備えた枠形で該ストッカーの棚としての機能を有すると同時に、前記クレーン111の動作で複数の前記カセットAを収容しまたは取り出せるように構成されているものである。
【0043】すなわち平面視サイズが上記ストッカー21におけるベルトコンベア211の平面視サイズにほぼ対応する大きさで側面視高さが該ストッカー21における凸の段差面11fから天井面までの高さを超えない正面視枠形で、且つ上記ストッカー21における棚板11hと対応する位置に該棚板と同様の仕切板22aが設けられているものである。
【0044】そして底板22bの上面には上記凸の段差面11fにおける凹溝11gと同じ大きさの凹溝22cが該凹溝11gと対応する位置に設けられていると共に、上記仕切板22a上面の該凹溝22cと対応する位置にも該凹溝22cひいては上記凹溝11gと同じ大きさの凹溝22dが設けられている。従って、前記カセットAを該コンテナ22に収容することで図(c)の破線Bで示す状態にすることができるが、この場合の該コンテナへのカセットAの収容は上記凹溝22cと22dをストッカー21における凹溝11gに合わせているので該ストッカー21の前記クレーン111で実現できるようになっている。
【0045】ストッカーへのコンテナの収容手段を説明する図4で、(a)はコンテナ未収容状態を示し、(b)はコンテナ収容時の状態を、(c)はカセット収容時の状態をそれぞれ示している。すなわち図の(a)で、図2で説明した前記ストッカー21のベルトコンベア211を除く領域に位置する前記凸の段差面11fと棚板11hそれぞれの所定位置には、該ストッカー21に装着されている前記クレーン111によって前記カセットAが載置収容されている。
【0046】そこで、図3で説明したコンテナ22を上記ストッカー21のベルトコンベア領域にセットするが、この場合のセットは上記ベルトコンベア211を矢印a1方向に移動させながらカセット未収容の空のコンテナの下面端部を該ベルトコンベアの端部に載せることで実現できるので、該ベルトコンベアの動作時間を設定するだけで容易に(b)に示す状態にすることができる。
【0047】次いで、前述したクレーン111の動作で該コンテナ近傍のカセットAを順次該コンテナの底板22bと仕切22aに移載することで、図(c)に示すようにカセットAをコンテナに収容することができる。一方図5で上記第一の搬送車23は、図18で説明した第一の搬送車13と同様にバッテリーを電源とし前記主線路T-1,T-2や支線路T-3,T-4を構成する磁気テープからの信号で該各線路に沿って前後進可能に誘導される機能を備えているものであり、その上面に進行方向に対して前後進し得るコンテナ231を備えて構成されているものである。
【0048】そして搬送車としての床面から上記ベルトコンベア231の上面までの高さ“h1 ”は、上記ストッカー21における基盤面からベルトコンベア211の上面までの高さ“h2 ”にほぼ対応するようになっている。従ってストッカー21と上記第一の搬送車23間のコンテナすなわちカセットAの移載状態を断面視した図6R>6の(a)で示す如く、ストッカー21におけるベルトコンベア上面と該第一の搬送車23のベルトコンベア上面とがほぼ同一面になるので、この状態で該ストッカー21のベルトコンベア211と第一の搬送車23のベルトコンベア231とを共に図示a2 方向に動作させることで、図(b)のようにストッカー側ベルトコンベア231上のカセットA収容済のコンテナ22をそのまま第一の搬送車23のベルトコンベア231上に破線の如く移載することができてコンテナひいてはカセットAとしての移載を実現することができる。
【0049】なお上記ベルトコンベア211は、例えば磁気テープからなる前記線路T-1,T-3等からの磁気信号によって自動的に動作させまた該動作を停止させられるようになっている。また図7で上記第二の搬送車24は、上記第一の搬送車23とその上面をベルトコンベアと上記コンテナとを含めて余裕を持って覆い得るカバー241とで構成されるものである。
【0050】そして上記第一の搬送車23のベルトコンベア近傍の側面で該第一の搬送車に固定されるこの場合の上記該カバー241には、搬送車としての進行方向前後の壁面241aのほぼ全面に外気を遮断し得る開閉扉242が設けられているが、該開閉扉142の下端辺が上記ベルトコンベア231より低く位置するように設定されていることは前記第二の搬送車14の場合と同様である。
【0051】第一の搬送車と第二の搬送車間のコンテナの移載手段を説明する図8の(a)で、クリーンルームCR-1内の支線路T-3上にはカセット収容済のコンテナ22を載置した第一の搬送車23が、また主線路T-1上には空の第二の搬送車24がそれぞれ位置している。そこで先ず、上記第一の搬送車23を上記クリーンルームのパスボックスPB-1の直前まで移動させると共に上記第二の搬送車24を前述したように該パスボックスPB-1内に移動させて(b)に示す状態にする。
【0052】なおこの時点で、該第二の搬送車24はその車輪を含む外面が清掃されることは前述した通りである。次いで、(c)に示す如く前記開閉扉242を開けた第二の搬送車24に上記第一の搬送車23を接するように接近させた状態で該各搬送車のベルトコンベア231を矢印a2 方向に移動させると、円内図に示すように第一の搬送車23上のコンテナ22を第二の搬送車24に移載することができる。
【0053】従って、以後(d)に示す如く第一の搬送車23を所定の位置まで後退させると共に上記開閉扉242を閉じた状態の第二の搬送車24を主線路T-1に戻すことで、搬送車間のコンテナ移載を実現することができる。図9で本発明に関わる作業机26は、各種の処理作業等に必要とする機器装置や試験検査器具等を設置するものであるが、その受渡領域の部分が凹の段差面26aに形成されていると共に、該凹の段差面領域に例えば前記ストッカー21におけるベルトコンベア211と同様のベルトコンベア261を設置したものであり、該作業机26の基盤面から上記ベルトコンベア261の上面までの高さ“h3 ”が前記第一の搬送車23の高さ“h1 ”と合致するように設定されているものである。
【0054】従って、上記第一の搬送車23のベルトコンベア231と上記作業机26のベルトコンベア261を同じ方向に動作させることで、該作業机26と第一の搬送車23間のコンテナ22の受渡し遣り取りを図6で説明したように実現することができる。従って以下図1の(b)に示す如く、空になった第一の搬送車に例えば前述した如くストッカー21から次のコンテナ22を移載する。
【0055】一方、主線路T-1上の第二の搬送車24を例えば処理作業用の第二のクリーンルームCR-2のパスボックスPB-2内に導き、更に該パスボックス近傍まで移動させたクリーンルーム内の第一の搬送車23に上述した移載手段で上記コンテナ22を移載し、更に該第一の搬送車23を作業机26の近傍まで移動させて該第一の搬送車のベルトコンベア231と該作業机のベルトコンベア261の動作で上記コンテナ22を該作業机上に移載することで、所要のコンテナひいてはカセットAの作業机までの搬送が容易に実現できる搬送システム2を構成することができる。
【0056】かかる搬送システムでは、ストッカーや作業机と第一の搬送車間の積替用ロボットや第一の搬送車と第二の搬送車間の特別なマニュアル積み替え作業等を要することなく、複数のカセットAを任意のクリーンルーム間で容易且つ効率的に搬送することができて生産性の向上を実現することができる。本発明の搬送方法を時系列的に説明する図10で、(a)は適用場所を例示した平面図、(b)は搬送時のシーケンスダイアグラムを示す図である。
【0057】なお図(a)では図21の場合と同様に、主線路T-1の一端に上記第二の搬送車充電用の電池室Cが設けられ、該主線路T-1から倉庫としてのクリーンルームCR-1を含む3個のクリーンルームCR-1,CR-2,CR-3のそれぞれに支線路T-3,T-4,T-5を分岐している場合とし、また処理作業用としての上記二つのクリーンルームCR-2,CR-3のそれぞれに対応するように2台の第二の搬送車24-1,24-2を主線路T-1に配置する場合を例としている。
【0058】そして倉庫としての上記クリーンルームCR-1で2台の第二の搬送車24-1,24-2に移載されたコンテナを処理作業用の上記クリーンルームCR-2,CR-3のそれぞれに搬送し、また該各クリーンルームCR-2,CR-3のそれぞれで移載された作業済カセットを収容したコンテナを倉庫としてのクリーンルームCR-1に搬送する場合について説明する。
【0059】また図(b)では、縦軸を上記クリーンルームCR-1からの距離Lとし横軸を該クリーンルームCR-1対応位置からの経過時間Tとして示している。すなわち図の(a),(b)で、倉庫としてのクリーンルームCR-1でカセット収容済のコンテナ22を積載した状態で充電室Bで充電した2台の第二の搬送車24-1,24-2を同時に発進させると、主線路T-1を共に矢印A1 方向に進む先頭の第二の搬送車24-1が先ずクリーンルームCR-2への分岐点p1 で主線路から分岐して該クリーンルームのパスボックスPB-2に進入するが、続く第二の搬送車24-2はそのまま進行しクリーンルームCR-3への分岐点p2 で主線路から分岐して該クリーンルームのパスボックスPB-3に進入する
【0060】そして該各パスボックスPB-2,PB-3で前述した如くそれぞれのクリーンルーム側の第一の搬送車23に上記コンテナを移載すると同時に、必要に応じて作業済カセットを収容したコンテナ22を移載する。そこで上記各第二の搬送車24-1と24-2を逆方向に発進させるが、上記各クリーンルームCR-2,CR-3のクリーンルームCR-1からの距離(L)の違いによって搬送車24-2が搬送車24-1よりも時間“t”だけ遅れて主線路T-1に戻るので、該主線路T-1上で相互に干渉することなく共に矢印A2 方向に進行して倉庫としての上記クリーンルームCR-1のパスボックスPB-1に進入させることができる。
【0061】かかる搬送方法では、例えば処理作業用のクリーンルームが5個の場合には上記主線路T-1上に5台の第二の搬送車24を配する等、処理作業用のクリーンルーム数に合わせて第二の搬送車24を主線路T-1上に配することで、同一時間帯・同一方向への各搬送車の往復移動が可能になって効率的な搬送が実現できるメリットがある。
【0062】更に、上記各パスボックスPB-1〜PB-3での第一の搬送車と第二の搬送車間でのコンテナの遣り取りには、マニュアル作業等を必要とせずすべて前述したベルトコンベア211を使用するので該遣り取りに要する時間が各パスボックスごとでほぼ同一となり、結果的にp1 とp2 間の時間差“t1 ”とほぼ同じ時間差“t2 ”の点p1 ′とp2 ′で共に作業が終了することから、以後の搬送時の時間設定が極めて容易にできるメリットがある。
【0063】搬送システムとしての応用例を本発明に関わる主要部を抽出して示した図11で、(a)はクリーンルーム内のパスボックスを示した平面図、(b)はコンテナ移載時の状態を、(c)は搬送時の状態をそれぞれ示したものである。図でこの場合の搬送システム3は、図1の搬送システム2の各クリーンルームにおけるパスボックスPB-1とPB-2のみを、図(a)に示す如くその平面視サイズが前記第一の搬送車23と第二の搬送車24とが縦列状態で入り得る大きさのパスボックスPB-6に変えて構成したものである。
【0064】そして、クリーンルームCR-1内のカセット収容済の上記コンテナ22が積載された第一の搬送車23と、主線路T-1上に位置する空の第二の搬送車24とを共に該パスボックスPB-6に移動させると、該各搬送車23,24のそとめんを清掃することができる。次いで図(b)に示す如く、開閉扉242を開けた第二の搬送車に第一の搬送車23を接するように接近させ、両車それぞれのベルトコンベア231を前記a2 方向に動作させて上記コンテナ22を第二の搬送車24に移載させる。
【0065】その後、図(c)のように第一の搬送車23を所定の位置まで後退させると共に上記第二の搬送車24を主線路T-1に戻すことで、搬送車間のコンテナ移載を実現することができる。かかるパスボックスPB-6を備えた搬送システム3では、搬送車間のコンテナ移載がエアシャワーからなる清掃手段を備えたパスボックス内で実現できることから、コンテナ移載時に発生し易い塵埃が除去できるメリットがある。
【0066】なお、第二の搬送車24に積載された上記コンテナを他のクリーンルーム内に搬送するときでも、該クリーンルームに上記パスボックスPB-6を設けることで同様のメリットを得ることができる。第二の搬送車の応用例を説明する図12で、(a)は全体斜視図であり、(b)は進行方向に直行する面での断面図である。
【0067】図で第二の搬送車25は、前述した第二の搬送車24におけるカバー241のみを本発明に関わるカバー251に変えたものである。すなわちこの場合のカバー251は、上記カバー241と同様に第一の搬送車23のベルトコンベア近傍の側面で該第一の搬送車に固定されるものであり、その進行方向前後の壁面251aのほぼ全面に外気を遮断し得るように前記開閉扉242が設けられていることも上記カバー241と同様である。
【0068】更に該カバー251には、その天井域に該カバー内部に送風し得る送風手段252が設けられていると共に進行方向と並行する片側の壁面251bに複数の排気孔251cが設けられ、上記送風手段252からの気流が上記壁面251bとの対向壁面251d側に設けた開口孔251eを通ってカバー内部に流入するように構成されている。
【0069】このことは上記送風手段252からの気流が、上記開口孔251eを通った後に該第二の搬送車25に載置されているコンテナ22のカセット収容域を通って上記排気孔251cから排出される矢印a3 の流路を経ることを示している。従ってコンテナとカセットの表面やベルトコンベア近傍等に付着している塵埃等を常時清掃することができて更なるクリーンアップが実現できるメリットがある。
【0070】上記第二の搬送車の搬送状態を説明する図1313の(a)で、クリーンルームCR-1内の支線路T-3にはコンテナ22を載置した前記第一の搬送車23が、また主線路T-1上には空の上記第二の搬送車25がそれぞれ位置しており、該第二の搬送車25の内部は上記送風手段252からの気流によって清掃されている。そこで、上記第一の搬送車23を上記クリーンルームのパスボックスPB-6内に移動させると共に上記送風手段252を停止させた第二の搬送車25を該パスボックス内に移動させて(b)に示す状態にするが、この時点で該第二の搬送車25の車輪を含む外面が清掃されることは前述した通りである。
【0071】そしてこの時点で、前述した如く開閉扉242を開けた第二の搬送車25に第一の搬送車23を上記同様に接近させ、両車それぞれのベルトコンベア231を動作させて上記コンテナ22を第二の搬送車25に移載させる。以後(c)に示す如く、第一の搬送車23を後退させると共に上記開閉扉を閉じた第二の搬送車25を主線路T-1に戻して上記送風手段252を動作させながら移動させると、コンテナとカセットの表面やその近傍及びベルトコンベア近傍等に付着している塵埃等が除去できるので、更なるクリーンアップ状態で所要のコンテナひいてはカセットAを搬送することができる。
【0072】なお、第二の搬送車25に積載された上記コンテナを他のクリーンルーム内に搬送するときでも該第二の搬送車25を該クリーンルームのパスボックスPB-6内に移動させてその車輪を含む外面を清掃することで、該第二の搬送車の内外共の清浄状態を保ったままコンテナひいてはカセットAの移載と搬送が実現できるメリットがある。
【0073】また上記第二の搬送車25を図1で説明した搬送システム2における第二の搬送車24に代えて搬送システムを構成しても同等の効果を得ることができる。
(付記1)搬送部品の受渡領域を有して通路に面するパスボックス付のクリーンルーム相互間を、床面に設けられた線路に沿って移動する搬送車で搬送部品を搬送する搬送システムであって、前記クリーンルームの少なくとも1つに設けられるストッカーと、複数の前記搬送部品を収容する大きさを有して前記ストッカーの前記受渡領域に載置されるコンテナと、前記各クリーンルーム内で移動する第一の搬送車と、前記クリーンルーム間を移動する第二の搬送車とを含んで構成され、前記ストッカーの前記受渡領域と第一及び第二の搬送車のそれぞれが、ストッカーと第一の搬送車間及び第一の搬送車と第二の搬送車間で前記コンテナを自動的に受渡しし得る移載手段を備えていることを特徴とする搬送システム。
【0074】(付記2)前記コンテナが、前記ストッカーに設けられた棚板に対応する仕切板を備えた枠形で該ストッカーの搬送部品収容部としての機能を有すると共に、前記ストッカーに設けられたクレーンの動作で複数の前記搬送部品が収容されまたは取り出せるように構成されていることを特徴とする付記1記載の搬送システム。
【0075】(付記3)前記コンテナの移載手段が、該コンテナの受渡し方向に往復動可能なベルトコンベアで構成されていることを特徴とする搬送システム。
(付記4)前記パスボックスが、前記第一の搬送車と第二の搬送車とを縦列駐車し得る大きさを備えていることを特徴とする付記1記載の搬送システム。
(付記5)前記第二の搬送車が、該第二の搬送車の内部を横切る方向に流れて片側の壁面から流出排気させる送風手段を備えていることを特徴とする付記1記載の搬送システム。
【0076】(付記6)搬送部品の受渡領域を有して通路に面するパスボックス付のクリーンルーム相互間を、床面に設けられた線路に沿って移動する搬送車で搬送部品を搬送する搬送方法であって、前記クリーンルーム間を繋ぐ単線化された主線路の一端に処理作業用のクリーンルームに対応する数の第二の搬送車を配する工程と、前記各第二の搬送車を同一時間帯に同一方向に同時移動させて、該各第二の搬送車のそれぞれを対応するクリーンルームのパスボックス内に分岐移動させる工程と、前記各クリーンルーム内のそれぞれに設ける支線路に沿って移動する第一の搬送車を前記パスボックス近傍に移動させる工程と、複数の前記搬送部品を収容するコンテナを第一の搬送車と第二の搬送車間の自動的な受渡しで移載せしめる工程と、移載終了後の前記各第二の搬送車を、同一時間帯に逆の方向に同時移動させて前記主線路に戻す工程と、を含むことを特徴とする搬送方法。
【0077】(付記7)前記第一の搬送車と第二の搬送車間での搬送部品の自動的な受渡しを,前記パスボックス内で行わしめることを特徴とする搬送方法。
【0078】
【発明の効果】上述の如く本発明により、ストッカーとクリーンルーム内の第一の搬送車間や該第一の搬送車と一般通路用の第二の搬送車間の電子部品の遣り取りを自動化し、または単線の主線路上の複数の第二の搬送車を同一時間帯・同一方向に移動させることで複数のクリーンルーム間での搬送効率アップによる生産性向上を図った搬送システムと搬送車及び搬送方法を提供することができる。
【0079】なお本発明では、ストッカーが各側壁面二段宛カセットを収容する大きさでありまたコンテナが4個のカセットを収容する大きさである場合を例としているが、特にこれに限定されるものでなく如何なる大きさのストッカーでもまた如何なる数のカセットを収容するコンテナでも、本発明を適用することで同様の降下が得られることは明らかである。
【0080】また本発明ではコンテナの移載手段にベルトコンベアを使用しているが、該ベルトコンベアを例えばローラコンベアやころコンベア等に代えても同等の効果が得られることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の搬送システムの全体構成を示す図。
【図2】 図1におけるストッカーを説明する図。
【図3】 図1におけるコンテナを説明する図。
【図4】 図2のストッカーへのコンテナの収容手段を説明する図。
【図5】 図1における第一の搬送車を説明する図。
【図6】 ストッカーと第一の搬送車間の移載手段を説明する図。
【図7】 図1における第二の搬送車を説明する図。
【図8】 第一の搬送車と第二の搬送車間の移載手段を説明する図。
【図9】 図1における作業机を説明する図。
【図10】 本発明の搬送方法を時系列的に説明する図。
【図11】 第一の搬送車と第二の搬送車間の他の移載手段を説明する図。
【図12】 他の第二の搬送車を説明する図。
【図13】 図12における第二の搬送車の搬送状態を説明する図。
【図14】 技術的背景として搬送システムの適用場所を例示説明する図。
【図15】 従来の搬送システムの構成を説明する図。
【図16】 図15のストッカーを説明する図。
【図17】 図15のストッカーでのカセット取り出し状態を説明する図。
【図18】 図15のクリーンルーム内の第一の搬送車を説明する図。
【図19】 図15の一般通路用の第二の搬送車を説明する図。
【図20】 各搬送車間でのカセットの遣り取り状態を説明する図。
【図21】 従来の搬送方法を説明する図。である。
【符号の説明】
C 電池室
CR-1,CR-2,CR-3,クリーンルーム
PB-1,PB-2,PB-5 エアシャワー付パスボックス
-1,T-2 主線路
-3,T-4,T-5 支線路
R 一般通路
2 搬送システム
11a 底面
11b 開口側端面
11d クレーンガイド
11f 凸の段差面
11h 棚板
111 クレーン
21 ストッカー
21a 凹の段差面
211 ベルトコンベア
22 コンテナ
22a 仕切り板
22b 底板
22c 凹溝
22d 凹溝
23 第一の搬送車
231 ベルトコンベア
24,24-1, 24-2, 第二の搬送車
241 カバー
242 開閉扉
25 第二の搬送車
251 カバー
251a 壁面
251b 壁面
251c 排気孔
251d 開口孔
252 送風手段
26 作業机
26a 凹の段差面
261 ベルトコンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】 搬送部品の受渡領域を有して通路に面するパスボックス付のクリーンルーム相互間を、床面に設けられた線路に沿って移動する搬送車で搬送部品を搬送する搬送システムであって、前記クリーンルームの少なくとも1つに設けられるストッカーと、複数の前記搬送部品を収容する大きさを有して前記ストッカーの前記受渡領域に載置されるコンテナと、前記各クリーンルーム内で移動する第一の搬送車と、前記クリーンルーム間を移動する第二の搬送車とを含んで構成され、前記ストッカーの前記受渡領域と第一及び第二の搬送車のそれぞれが、ストッカーと第一の搬送車間及び第一の搬送車と第二の搬送車間で前記コンテナを自動的に受渡しし得る移載手段を備えていることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】 前記コンテナが、前記ストッカーに設けられた棚板に対応する仕切板を備えた枠形で該ストッカーの搬送部品収容部としての機能を有すると共に、前記ストッカーに設けられたクレーンの動作で複数の前記搬送部品が収容されまたは取り出せるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の搬送システム。
【請求項3】 前記パスボックスが、前記第一の搬送車と第二の搬送車とを縦列駐車し得る大きさを備えていることを特徴とする請求項1記載の搬送システム。
【請求項4】 前記第二の搬送車が、該第二の搬送車の内部を横切る方向に流れて片側の壁面から流出排気させる送風手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の搬送システム。
【請求項5】 搬送部品の受渡領域を有して通路に面するパスボックス付のクリーンルーム相互間を、床面に設けられた線路に沿って移動する搬送車で搬送部品を搬送する搬送方法であって、前記クリーンルーム間を繋ぐ単線化された主線路の一端に処理作業用のクリーンルームに対応する数の第二の搬送車を配する工程と、前記各第二の搬送車を同一時間帯に同一方向に同時移動させて、該各第二の搬送車のそれぞれを対応するクリーンルームのパスボックス内に分岐移動させる工程と、前記各クリーンルーム内のそれぞれに設ける支線路に沿って移動する第一の搬送車を前記パスボックス近傍に移動させる工程と、複数の前記搬送部品を収容するコンテナを第一の搬送車と第二の搬送車間の自動的な受渡しで移載せしめる工程と、移載終了後の前記各第二の搬送車を、同一時間帯に逆の方向に同時移動させて前記主線路に戻す工程と、を含むことを特徴とする搬送方法。

【図5】
image rotate


【図7】
image rotate


【図9】
image rotate


【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図6】
image rotate


【図14】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図18】
image rotate


【図19】
image rotate


【図8】
image rotate


【図10】
image rotate


【図12】
image rotate


【図21】
image rotate


【図11】
image rotate


【図13】
image rotate


【図15】
image rotate


【図16】
image rotate


【図17】
image rotate


【図20】
image rotate


【公開番号】特開2003−163250(P2003−163250A)
【公開日】平成15年6月6日(2003.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−359480(P2001−359480)
【出願日】平成13年11月26日(2001.11.26)
【出願人】(302036002)富士通ディスプレイテクノロジーズ株式会社 (13)
【Fターム(参考)】