説明

携帯情報端末機器

【課題】ユーザーの日常生活の中で身体的、時間的拘束をすることなく、状態情報、生体情報さらに位置情報などを対応させたログデータを計測、記録する携帯情報端末機器を提供する。
【解決手段】本発明の携帯情報端末機器は、装着者の生体データを取得する携帯情報端末機器であって、複数の心拍センサー電極及び該複数の心拍センサー電極からの電流を増幅部とからなる心拍情報取得部300と、ユーザーが機器を装着した状態であるかどうかを検出する装着検知部400と、心拍情報取得部300から取得される生体データ及び装着検知部400から取得される装着・非装着に係るデータとを対応づけて生体・状態対応データとして記憶する記憶部800とからなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型の心拍センサーを内蔵し、生体情報を一般生活の中でエコロジカルに測定できる携帯電話あるいはPDA装置などの携帯情報端末機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDAなどの個人で携帯する携帯情報端末機器が広く普及している。このような携帯情報端末機器を利用して、個人の健康管理を行うとする種々の試みがなされている。このような試みの一例としては、例えば、特許文献1(特開2004−321252号公報)に、携帯型生体情報測定装置であって、手首に向かって押圧させられる押圧面と、該押圧面に設けられ、表皮上から橈骨動脈に向かって押圧させられて橈骨動脈波を検出する圧力検出素子と、該押圧面に設けられ、該手首の骨に向かって押圧させられる振動センサと、該振動センサから出力される信号から心音を抽出する心音抽出手段とを含むことを特徴とする携帯型生体情報測定装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2(特開2005−237569号公報)には、利用者が携帯するための携帯型測定機器(50a,・・・,50aa,・・・,50ab,・・・,150a,・・・,250a,・・・,450a,・・・)であって、前記利用者の体の動きに関する情報である体動情報を、前記利用者に非接触で測定する測定装置(10a,・・・,30a,・・・,210a,・・・)と、前記体動情報に基づいて、前記利用者の心拍に関する情報である心拍情報を出力する出力装置(20a,・・・,20ab,・・・,120a,・・・,220a,・・・)と、を備えた、携帯型測定機器(50a,・・・)が開示されている。
【特許文献1】特開2004−321252号公報
【特許文献2】特開2005−237569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の従来技術の手法では心拍・心電計測は電極を肌に接触させなければならないため拘束性が強く、また心理的なバイアスも加担して日常の真の生体情報のデータが正確に取得できるとは言いがたい、という問題がある。また短時間でスポットサンプリング的な計測しか出来ない、という問題がある。また、
これに対して、特許文献2に記載のものは、ユーザーに非接触で測定する測定装置を備える携帯型測定機器であるので、上記のような心理的なバイアスや、スポットサンプリングの問題といったことはない。しかしながら、特許文献2に記載の携帯型測定機器では、ユーザーがどのような状態であるのか(機器を装着している状態であるのか、寝ている状態であるのか、起きている状態であるのか、歩いている状態であるのか、など)を検知することはできず、ユーザーの状態情報と生体情報とが対応するものではなく、問題となる。というのうは、例えば、生体情報というのは、ユーザーの状態情報に大きく依存するものであるからである。例えば、ユーザーが人混みなどで非常に混雑している状況にいれば、ストレスを感じて心拍数などが上昇する可能性もあるし、寝ている状態であればリラックスして安定した心拍数が得られることとなる。ところが、このようなユーザーの状態情報と生体情報とを対応させる技術については、特許文献2に記載のものには何ら開示がない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記問題点を解決すべく、携帯電話やPDA装置といった位置を特定できる携帯型情報端末に、非接触の容量性電極を使ったセンサー、人の身体の姿勢と動きをみる加速度センサー、情報端末自体の姿勢を検知するジャイロセンサーとストレインゲージセンサー等を内蔵し、主に服(シャツ)の胸ポケットに装着させて日常生活環境(エコロジカル)に則した生体情報計測を行うこととしている。
【0006】
人が動いて(生活して)いる時、常に胸ポケットに本発明に係る携帯情報端末機器を入れておく。通常のシャツの胸ポケットには機器を立てた状態で挿入するのをそれぞれ加速度(ジャイロ)センサーで判定し、心拍・心電の計測を行う仕組みを設ける。また本発明に係る携帯情報端末機器はストレインゲージを備えてなり、ポケットに収まる携帯情報端末機器の姿勢を端末の自重を使ってセンシングすることを可能に構成する。
【0007】
また本発明に係る携帯情報端末機器では、GPS測位部によって位置計測できる機能を有し、いつどこでどのような環境下での生体データなのかという付帯情報を記録できる。また通信機能を備えているため、必要時にそれらの収集した生体データを、管理センターなどの遠隔地に送信できる。
【0008】
送信時には、心拍・心電の状態に応じて遠隔への呼び出し(着信)音と音量を予め決められたものに変更出来る機能を備える。このような本発明の機能により、遠隔地で呼び出しを受けた者はデータの詳細を呼び出し音のもつ意味と記号性によって直感的に判断でき、緊急状態に即座に対処することが 可能になる。
【0009】
以上のような構成とするために、請求項1に係る発明は、装着者の生体データを取得する携帯情報端末機器であって、複数の心拍センサー電極及び該複数の心拍センサー電極からの電流を増幅する増幅部とからなる心拍情報取得部と、ユーザーが機器を装着した状態であるかどうかを検出する装着検知部と、該心拍情報取得部から取得される生体データ及び該装着検知部から取得される装着・非装着に係るデータとを対応づけて生体・状態対応データとして記憶する記憶部とからなることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の携帯情報端末機器であって、ユーザーの姿勢を検出する姿勢検知部を有し、該姿勢検知部から取得される姿勢に係るデータも、該生体・状態対応データに含めて該記憶部に記憶することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末機器であって、ユーザーの動作を検出する動作検知部を有し、該動作検知部から取得される動作に係るデータを、該生体・状態対応データに含めて該記憶部に記憶することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の携帯情報端末機器であって、機器の所在位置を取得する位置情報取得部を有し、該位置情報取得部から取得される位置情報に係るデータを、該生体・状態対応データに含めて、該生体・状態・位置対応データとして該記憶部に記憶することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の携帯情報端末機器であって、該生体・状態対応データ又は該生体・状態・位置対応データを外部に通信出力する外部通信出力部を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の携帯情報端末機器であって、該心拍情報取得部が取得する生体データは携帯電話を装着するユーザーの心拍数と心電図データであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に係る発明は、請求項5又は請求項6に記載の携帯情報端末機器であって、該外部通信出力部からの通信出力を受信する受信側の呼び出し形態を生体データの状態に応じて変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の携帯情報端末機器によれば、ユーザーの日常生活の中で身体的、時間的拘束をほとんど受けずに簡易に、しかも、ユーザーの状態に対応した生体情報を計測、記録することが出来る。 また、本発明の携帯情報端末機器によれば、また送受信機能を使った自宅、医療センター、管理センター、ホームサーバなどとの連携で安心した健康管理、生体情報管理が可能になる。また、本発明の携帯情報端末機器によれば、ユーザーの状態情報と生体情報さらに位置情報などとを対応させたログデータを取得することが可能となるため、より精度の高い健康管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器の外観斜視図であり、図2は本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器のブロック構成の概略を示す図である。なお、本実施形態においては、携帯情報端末機器としては携帯電話を例に説明するが、本発明の携帯情報端末機器としてはPDAなどの携帯情報機器なども含まれるものである。図1及び図2において、100は携帯電話、200は判定処理部、300は心拍情報取得部、310〜340は心拍センサー電極、400は装着・姿勢・動作検知部、410は3Dモーションセンサー、420はGセンサー、430はジャイロセンサー、440、450はストレインゲージ、500は位置情報取得部、510はGPS測位部、600は入出力部、610はディスプレイ、620はスピーカー、630はキー入力部、640はマイク、700は外部通信出力部、710は通信I/F部、720は通信回線部、730は車両制御・情報I/F部、800は記憶部、810は生体・動作・位置情報記録ログ、820は個人情報・PIMをそれぞれ示している。
【0018】
本実施形態の携帯電話100には、通常の携帯電話としての通話のための構成の他に、心拍情報取得部300、装着・姿勢・動作検知部400、位置情報取得部500、入出力部600、外部通信出力部700、記憶部800を有するものである。
【0019】
図1(A)は携帯電話100のヒンジ構造部を開いた状態を示しており、 図1(B)は携帯電話100のヒンジ構造部を閉じた状態を示している。携帯電話100のヒンジ構造部を閉じたときの外装の表裏には、心拍センサー電極310〜340が設けられており、ユーザーが携帯電話100を携帯するために胸ポケットなどに携帯電話100を入れたとき(ユーザーが携帯電話100を装着したとき)に、心拍センサー電極310及び320が、又は心拍センサー電極330及び340がユーザーの胸に接触するようになっている。心拍センサー電極310〜340は携帯電話100を装着するユーザーの心臓に係る情報(心拍数・心電図)などを取得するための構成であり、例えば容量性電極などから構成される。このような容量性電極としては、例えば特開2005−511174号公報記載のものを用いることができる。
【0020】
また携帯電話100の外装部には、ストレインゲージ440、450が一部露出するように設けられ、携帯電話100に対する押圧力(圧力)を検知して、ユーザーが携帯電話100を装着している状態にあるのか否かに係る情報として利用する。また、携帯電話100の内部には、3Dモーションセンサー410としてのGセンサー420、ジャイロセンサー430などのセンサー類が設けられており、後述するような形態で利用される。
【0021】
図2の本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器のブロック図において、判定処理部200はエレクトロニックコントロールユニットであり、CPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理機構である。
【0022】
心拍情報取得部300は、心拍センサー電極310〜340とこれらの電極から収集される微弱電流を増幅する増幅部などから構成されており、携帯電話100を装着するユーザーの心臓に係る情報である心拍数と心電図データを取得する。取得した心拍数または心電図データを解析して、呼吸数データを求めることもできる。
【0023】
装着・姿勢・動作検知部400は、3Dモーションセンサー410であるGセンサー420(加速時計)やジャイロセンサー430、ストレインゲージ440、450と、これらセンサーで取得される信号の処理部とからなる。装着・姿勢・動作検知部400は、携帯電話100のユーザーが、携帯電話100を身につけているか、いないかを検知する装着検知機能を有する。また、装着・姿勢・動作検知部400は、携帯電話100を装着しているユーザーがどのような姿勢(寝ているのか、起きているのか)でいるのかを検知する姿勢検知機能を有する。また、装着・姿勢・動作検知部400は、携帯電話100を装着しているユーザーがどのような動作を行っているのかを検知する動作検知機能を有する。
【0024】
位置情報取得部500は、携帯電話100の所在地(位置情報)を取得するものである。このような構成として、本発明の携帯電話100においては、GPS衛星からのGPS信号を受信して自らの位置を計算するGPS測位部510が用いられている。本発明の携帯情報端末機器は、位置情報を取得することができれば、このようなGPS測位法によらずとも、その他の測位法を用いることができるものである。
【0025】
入出力部600は、携帯電話100の入出力インターフェイスを構成するものであり、文字、、図形、イメージ情報を表示するディスプレイ610、音声の出力を行うスピーカー620、文字入力等を行うキー入力部630、音声の入力を行うマイク640などからなっている。入出力部600は以上のような構成に限定することなく、その他のマンマシンインターフェイス機構を用いることができるものである。
【0026】
外部通信出力部700は、携帯電話100において取得された生体データ等を外部に送信するための通信出力部である。通信I/F部710は、ワイヤレスLAN、ブルートゥースなどの通信インターフェイスであり、通信回線部720は、携帯電話100の通話用回線であり、また、車両制御・情報I/F部730は、例えば、車両などに搭載された車内LANや車載のナビゲーションシステムとの通信を行うインターフェイスである。以上のように構成される外部通信出力部700は、生体・動作・位置情報記録ログ810の情報を管理センターに送信したり、生体情報に異常があった場合に警報、緊急事態発生情報を出力したりする。
【0027】
記憶部800は、ハードディスクなどの比較的大容量の記憶装置からなり、生体・動作・位置情報記録ログ810と個人情報・PIM820とからなる。
生体・動作・位置情報記録ログ810は、装着・姿勢・動作検知部400で取得されたユーザーの装着状態・姿勢状態・動作状態に係るデータと、位置情報取得部500で取得された位置情報と、心拍情報取得部300で取得された生体データとを対応付けて記録するものである。また、個人情報・PIM820は、携帯電話100を利用するユーザーの個人情報ファイルや、パーソ ナルインフォメーションマネージャーである。ここで、個人情報ファイルとは、ユーザーが持ちえる生体情報の基本情報(平均心拍(過去履歴より学習)、心拍数の判定閾値。病歴、主治医連絡情報)のことである。また、この個人情報ファイルにおいて、後述の情報自動発信の同意情報をプリセットできる。
【0028】
次に、以上のように構成される携帯電話100の動作について説明する。図3は本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器(携帯電話100)の処理に関するフローチャートを示す図である。図3のフローチャートにおいて、ステップS100で、携帯電話100の電源が投入されて処理が開始されると、続いてステップS101に進み、個人情報・PIM820からユーザーの個人情報ファイルの読み込みが行われる。なお、ステップS100とステップS101との間には、必要に応じて設定変更割込などを実行することができる。
【0029】
設定変更割込は、キー入力部630によって上記個人情報のリセットや変更を受け付けるものである。このような変更操作は通信によるリモート操作あるいはディスプレイ610の画面のGUI表示などによって行い得るように構成する。
【0030】
ステップS102では、動作継続か否かの判定が行われる。ステップS102で判定の結果がNOであると、次にステップS117に進み処理を終了する。ステップS102で判定の結果がYESであると、次にステップS103に進む。
【0031】
ステップS103では、装着検知が行われる。図4は本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器(携帯電話100)の装着・姿勢・動作検知部400における装着検知を説明する図である。本発明に係る携帯電話100の装着検知では、図4に示すように、例えば、胸ポケットに本体があるか否かをストレインゲージ440、450にて本体自重を利用することにより検知する。
【0032】
次にステップS104では、身体動検知が行われる。図5は本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器(携帯電話100)の装着・姿勢・動作検知部400における姿勢検知を説明する図であり、図6は本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器(携帯電話100)の装着・姿勢・動作検知部400における動作検知を説明する図である。図4及び図5に示すように、身体動検知では、携帯電話100を装着しているユーザーが身体を動かしている状態か否か、歩いている状態か否かのなどの情報をGセンサー420(加速度センサー)及びジャイロセンサー430にて検知する。
【0033】
次にステップS105では、心拍情報取得部300から生体データの読み込みが行われる。ここで、生体データの読み込みは、心拍センサー電極310〜340から心電及び心拍データー(心電図・心拍数)の読み込みを行うことである。このとき、外乱ノイズやエラーによって読み込めないような場合には未測定であることを記録する。
【0034】
次にステップS106では、位置情報取得部500から位置情報の読み込みが行われる。このステップでは、GPS測位部510からのGPS情報を基にした携帯電話100の現在場所と時刻の読み込みが行われる。
【0035】
次にステップS107は、ログデータ編集&記録が行われるステップである。ログデータ編集&記録のステップとは、ステップS103及びステップS104で取得されたユーザーの状態情報と、ステップS105で読み込まれた生体データと、ステップS106で読み込まれた位置情報データ、日付時刻データとを元に紐付けしてログデータとして生体・動作・位置情報記録ログ810に記録する。また携帯電話100端末内にPIMアプリケーションソフトがインストールされているような場合には、個人情報・PIM820におけるPIM情報と日付時刻データとに紐付けすることが可能となる。
【0036】
次にステップS108では、携帯電話100を装着しているユーザーの心身状態の推定が行われる。このステップS108における心身状態の推定は、生体データである心電、心拍数データから緊急状態等の推定を行う。緊急状態の推定には呼吸数データも使用してもよい。このステップでは、個人差を吸収するため、その判定閾値は個人情報+絶対値を用いるようにすることが望ましい。このような、個人差の吸収は、先の個人情報ファイルの設定などにより可能となる。
【0037】
次に、ステップS109では、推定された心身状態から、心身状態が異常であるか否かが判定される。このステップS109における判定のための条件(異常条件)とは、心身状態を判定した結果が緊急を要する事態であるか否かを判定するものである。
【0038】
ステップS109における判定の結果がN(すなわち、心身状態に問題なし)の場合には、ステップS102に戻る。ステップS109における判定の結果がY(すなわち、心身状態に問題発生)の場合には、次にステップS110に進む。
【0039】
ステップS110では、ユーザーの状態確認のためにメッセージをディスプレイ610やスピーカー620に出力する。このようなメッセージは、緊急事態が発生した場合に、ユーザー本人に確認応答を求めるものであり、本ステップにより誤作動や外乱によるエラーを防ぐものである。
【0040】
ステップS111では、本人が良好かどうかの判定が行われる。このステップにおける本人良好応答とは、ユーザー本人の状態が良好であることの、ユーザー本人による確認応答である。
【0041】
ユーザーはもし、本人の健康状態に問題なければその旨を返答する。すなわち、このケースは、ステップS111においてYと判定される場合である。ステップS111においてYと判定されると、ステップS102に戻る。
【0042】
ユーザーが本人の健康状態に問題があると自覚しているような場合には、ステップS111においてNとなり、緊急事態に係るS112以降のステップに進む。また身体異常で応答すらままならない場合においても、一定時間待って、ステップS111においてNとし、自動的に緊急通報を行うステップに進む。このような一定時間数と、自動で進んで良いか否かは個人情報ファイルで予め同意の設定を行っておくことができる。
【0043】
ステップS112においては、個人情報ファイルの設定にて、通信通知の設定があるか否かの判定が行われる。ステップS112における判定の結果がNであるときには、ステップS115に進み、YであるときにはステップS113に進む。
【0044】
ステップS113では、個人情報ファイルの設定にて、通信通知の設定があった場合、予め登録されている連絡先に電話連絡を行う。予め個人情報ファイルとして、自動動作が同意されていたような場合には自動で行う。また、ステップS113では、警報・緊急事態発生の情報出力を行う。このために通信を行う際のデータ編集を行う。その緊急の度合いによって呼び出し音を代える処理を行う。こうすることで呼び出された側が、着信と同時におおよその内容を把握することが出来る。また本人が、受け答え等できない身体状態であっても緊急事態を知らせることが出来る。予め登録されている連絡先には、自宅、医療センター、管理センター、ホームサーバなどがあり得る。
【0045】
登録されている連絡先への電話連絡を行うとき、個人情報ファイルによって、呼び出し(着信)音と音量を予め決められたものに変更する設定を行う。このような設定によれば、遠隔地で呼び出しを受けた者はデータの詳細を呼び出し音のもつ意味と記号性によって直感的に判断でき、緊急状態に即座に対処することが可能になる。また、個人情報ファイルによって、このような電話連絡は自宅、医療センター、管理センター、ホームサーバなどに行うようにしてもよい。
【0046】
ステップS114では、ログ情報の出力処理を行う。このようなログ情報の出力処理のためのログデータは、中段判定処理B)で取得したログデータ、及びリアルタイムの生体データなどであり、これらを医療センター、管理センター、ホームサーバなどに送信する。
【0047】
E)車両制御通知処理であるステップS115及びステップS116はオプション的な所定である。これらのステップでは、車両コンピュータ、車内LAN、ナビゲーションシステム等のインテリジェント機能搭載車両を前提としている。
【0048】
ステップS115においては、携帯電話100を装着しているユーザーが車両に乗車中であるかどうかが判定され、緊急事態発生が車両乗車中であるか否かの判定がなされる。このような 判定処理方法としては、ブルートゥース通信による携帯電話100本体と車両側とのリモート通信(ハンズフリー電話等に用いられる)機能を用いることができる。
【0049】
ステップS115における判定の結果がNであればステップS102へと進み、Yであれば続くステップS116へと進む。
【0050】
ステップS116においては、車両停止制御への通知信号出力が行われる。緊急事態発生が車両乗車中である場合、緊急時に安全に車両を停止制御すべく、信号情報を車両側に出力する。本信号は、安全に停車を行うためカーナビゲーション、車両を安定させるための車両安定化制御システム、横すべり防止装置の情報として用いられる。
【0051】
以上、本発明の携帯情報端末機器によれば、ユーザーの日常生活の中で身体的、時間的拘束をほとんど受けずに簡易に、しかも、ユーザーの状態に対応した生体情報を計測、記録することが出来る。 また、本発明の携帯情報端末機器によれば、また送受信機能を使った自宅、医療センター、管理センター、ホームサーバなどとの連携で安心した健康管理、生体情報管理が可能になる。また、本発明の携帯情報端末機器によれば、ユーザーの状態情報と生体情報さらに位置情報などとを対応させたログデータを取得することが可能となるため、より精度の高い健康管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器のブロック構成の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器の処理に関するフローチャートを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器(携帯電話100)の装着・姿勢・動作検知部400における装着検知を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器(携帯電話100)の装着・姿勢・動作検知部400における姿勢検知を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る携帯情報端末機器(携帯電話100)の装着・姿勢・動作検知部400における動作検知を説明する図である。
【符号の説明】
【0053】
100・・・携帯電話、200・・・判定処理部、300・・・心拍情報取得部、310〜340・・・心拍センサー電極、400・・・装着・姿勢・動作検知部、410・・・3Dモーションセンサー、420・・・Gセンサー、430・・・ジャイロセンサー、440、450・・・ストレインゲージ、500・・・位置情報取得部、510・・・GPS測位部、600・・・入出力部、610・・・ディスプレイ、620・・・スピーカー、630・・・キー入力部、640・・・マイク、700・・・外部通信出力部、710・・・通信I/F部、720・・・通信回線部、730・・・車両制御・情報I/F部、800・・・記憶部、810・・・生体・動作・位置情報記録ログ、820・・・個人情報・PIM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の生体データを取得する携帯情報端末機器であって、
複数の心拍センサー電極及び該複数の心拍センサー電極からの電流を増幅する増幅部とからなる心拍情報取得部と、
ユーザーが機器を装着した状態であるかどうかを検出する装着検知部と、
該心拍情報取得部から取得される生体データ及び該装着検知部から取得される装着・非装着に係るデータとを対応づけて生体・状態対応データとして記憶する記憶部とからなることを特徴とする携帯情報端末機器。
【請求項2】
ユーザーの姿勢を検出する姿勢検知部を有し、該姿勢検知部から取得される姿勢に係るデータも、該生体・状態対応データに含めて該記憶部に記憶することを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末機器。
【請求項3】
ユーザーの動作を検出する動作検知部を有し、該動作検知部から取得される動作に係るデータを、該生体・状態対応データに含めて該記憶部に記憶することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末機器。
【請求項4】
機器の所在位置を取得する位置情報取得部を有し、該位置情報取得部から取得される位置情報に係るデータを、該生体・状態対応データに含めて、該生体・状態・位置対応データとして該記憶部に記憶することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の携帯情報端末機器。
【請求項5】
該生体・状態対応データ又は該生体・状態・位置対応データを外部に通信出力する外部通信出力部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の携帯情報端末機器。
【請求項6】
該心拍情報取得部が取得する生体データは携帯電話を装着するユーザーの心拍数と心電図データであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の携帯情報端末機器。
【請求項7】
該外部通信出力部からの通信出力を受信する受信側の呼び出し形態を生体データの状態に応じて変更することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の携帯情報端末機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−229092(P2008−229092A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−74300(P2007−74300)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】