説明

携帯機及び制御方法

【課題】電力の消費量を軽減できる携帯機及び制御方法を提供する
【解決手段】
車両を制御する車載機と無線通信を行って、車載機に車両を制御させる携帯機であって、ユーザが車両に所望する制御を実行させる際に操作する操作部と、ユーザが操作した操作部に応じた制御信号を送信する送信部と、車両からの信号を受信する受信部と、受信部で受信した信号に応じた表示を行う表示部と、送信部へ制御信号を送信させた後から所定時間、受信部を電池から供給される電力により車載機から送信される信号を受信可能な状態とし、該所定時間経過した場合に該受信可能な状態を解除する制御部とを備える。これによれば、車両からの信号を受信可能な状態にするために用いる電力の消費量を軽減できる。このため、電池の電池寿命を延長できるだけでなく、電池の消耗により信号の待ち受けができなくなることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を遠隔制御する携帯機及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、車両の盗難又は破壊を防止するために、車載機が検知した車両の異常を携帯機で警報できるシステムが知られるに至った。このシステムは、車両に生じた異常を検出すると共に、検出した異常を警報する警報信号を電波通信する車両に搭載された車載機を有する。またこのシステムは、車載機から警報を命じる警報信号を受信した場合に、車両の異常を警報すると共に、警報信号に対する応答信号を車載機へ返信する携帯機を有する。
【0003】
このため、車載機と携帯機との不要な電波通信を抑制できるシステムが知られるに至った(例えば、特許文献1)。
このシステムを構成する車載機は、移動体を検知すると携帯機から応答信号を受信するまでの間において、警報信号を発した時からの時間の経過で変化する所定間隔で、警報信号を発信する。
【0004】
更に、例えば、運転者が車両に乗り込む前に、予め暖機するよう遠隔地から電波通信を用いてエンジンを車載機に制御させるだけでなく、異常検知を行うよう遠隔地から車載機を制御できる、例えば、リモートエンジンスターター等の携帯機が知られるに至った。また、この携帯機は、車載機が異常を検知した場合に、電波を用いて異常の検知結果を受信すると共に、受信した検知結果について警報できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−269203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムにおいては、車載機から送信された警報信号を受信するために、携帯機を常に又は定周期で間欠的に受信可能な状態(以下単に、待受状態ともいう)にしておく必要がある。このため、携帯機の消費電力を軽減できないという問題があった。特に、電池が供給する電力を用いて警報信号を受信する携帯機においては、待受状態の継続により電池寿命が短縮するだけでなく、電池の消耗により警報信号を受信できなくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、電力の消費量を軽減できる携帯機及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯機は、車両を制御する車載機と無線通信を行って、車載機に車両を制御させる携帯機であって、ユーザが車両に所望する制御を実行させる際に操作する操作部と、ユーザが操作した操作部に応じた制御信号を送信する送信部と、車両からの信号を受信する受信部と、受信部で受信した信号に応じた表示を行う表示部と、送信部へ制御信号を送信させた後から所定時間、受信部を電池から供給される電力により車載機から送信される信号を受信可能な状態とし、該所定時間経過した場合に該受信可能な状態を解除する制御部とを備える。
これによれば、車両からの信号を受信可能な状態にするために用いる電力の消費量を軽減できる。このため、電池の電池寿命を延長できるだけでなく、電池の消耗により信号の待ち受けができなくなることを防止できる。
【0009】
上記構成において、車載機が制御する車両の状態を検知すると共に、検知した状態を表す検知信号を、車載機に送信させる操作を操作部が受けた後から所定の時間に渡って、検知信号を送信するよう要求する要求信号を定期的に送信するよう送信部を制御する構成を採用できる。
この構成によれば、ユーザが操作をしてから所定の時間に限った上で車両の状態を定期的に受信するため、受信に要する電力の消費量の増加を抑制しながら車両に生じる異常を短期で表示できる。
【0010】
上記構成において、制御信号は、車両に搭載されたエンジンを始動するよう車載機を制御する信号を含み、受信部は、制御信号に応じてエンジンを制御した結果を表す応答信号を受信し、制御部は、送信部が制御信号を送信した後に、車載機が要求信号に応じて検知信号を送信するために要する第1の時間よりも長い第2の時間に渡って応答信号を受信可能な状態に受信部を制御する構成を採用できる。
この構成によれば、電力の消費量を軽減しながら確実にエンジンの制御結果を表示できる。
【0011】
本発明に係る制御方法は、車両を制御する車載機と無線通信を行って、車載機に車両を制御させる制御方法であって、車両に所望の制御を実行させるためのユーザの操作に応じた制御信号を送信する送信ステップと、車両からの信号を受信部が受信する受信ステップと、受信ステップで受信した信号に応じた表示を行う表示ステップと、送信ステップで制御信号を送信した後から所定時間、受信部を電池から供給される電力により車載機から送信される信号を受信可能な状態とし、該所定時間経過した場合に該受信可能な状態を解除する制御ステップとを備える。
これによれば、車両からの信号を受信可能な状態にするために用いる電力の消費量を軽減できる。このため、電池の電池寿命を延長できるだけでなく、電池の消耗により信号の待ち受けができなくなることを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
これらの構成によれば、車両からの信号を受信可能な状態にするために用いる電力の消費量を軽減できる。このため、電池の寿命を延長できるだけでなく、電池の消耗により情報の待ち受けができなくなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の携帯機を備える制御システムの一実施形態を示す構成図である。
【図2】携帯機の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図3】制御部が実行する制御処理の一例を表すフローチャートの一部である。
【図4】制御部が実行する制御処理の一例を表すフローチャートの他部である。
【図5】制御部が実行する制御処理の一例を表すフローチャートの他部である。
【図6】携帯機及び車載機が信号を送受信するタイミングの一例を表すタイミングチャートである。
【図7】車両の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図8】車載機が実行する制御処理の一例を表すフローチャートの一部である。
【図9】車載機が実行する制御処理の一例を表すフローチャートの他部である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0015】
図1(a)は、本発明の携帯機を備える制御システム1の一実施形態を示す構成図である。
図1(a)に示す制御システム1は、制御装置100と制御装置100が制御する車両200とで構成される。制御装置100は、車両200の乗員によって携帯されるため、以下、携帯機ともいう。制御システム1は、車両に搭載される。本実施例において、車両は、例えば、乗用車、バス、及びトラック等の自動車で構成される。また、これに限定される訳ではなく、原動機付自転車、軽車両、及びトロリーバス、戦車等の軍用車両、並びに鉄道車両で構成される実施例を採用できる。更に、制御システム1は、車両のみならず、船舶、航空機、並びに人工衛星、宇宙探査機、及び宇宙ステーション等の宇宙機に搭載される構成、及び車両又は船舶等に搭載されずに使用される構成を採用できる。
【0016】
ここで、図1(b)を参照して、携帯機100の外観構成について説明する。図1(b)は、携帯機100を上面から表す上面図である。
携帯機100は、表示部110と操作部120とを有する。表示部110は、車両200の状態を表示する。具体的には、表示部110は、燈色(オレンジ)のLED110O(Light Emitting Diode)、緑色(グリーン)のLED110G、及び赤色(レッド)のLED110Rで構成される。表示部110は、これら3つのLEDの点灯パターンにより、車両の状態を表示する。この構成によれば、LEDの点灯パターンによって車両の状態を表示するため、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)により車両200の状態を表示する場合に比べて、状態の表示に要する電力を軽減できる。
より具体的には、赤色のLED110Rは、例えば、車両200が盗難を受けた等の異常な状態にある場合に点灯する。また、緑色のLED110Gは、例えば、携帯機100の制御に従って動作した状態に車両200がある場合に点灯する。更に、燈色のLED110Oは、車両200の状態が不明である場合に点灯する。
【0017】
本実施例において、表示部110は、LEDで構成されるとして説明したがこれに限定される訳ではなく、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)で構成される実施例を採用できる。
また本実施例において、携帯機100は表示部110を備えるとして説明したが、これに限定される訳ではない。携帯機100は、例えば、スピーカ等の音声出力装置を備え、車両の状態に応じて予め定める通知音を出力する構成を採用できる。この構成によれば、車両200の乗員によって携帯機100が携帯されていなくとも、通知音により車両200の状態を通知できる。
【0018】
操作部120は、車両200の乗員の操作を受けて、車両の制御を命じる制御命令を入力する。つまり、ユーザは、車両に所望する制御を実行させる際に操作部120を操作する。具体的には、操作部120は、ロックボタン121、アンロックボタン122、エンジンスタートボタン123、エンジンストップボタン124、及び監視モードボタン125で構成される。ロックボタン121及びアンロックボタン122は、それぞれ乗員のドアロック操作及びドアアンロック操作を受けて、車両200のドアをロックする制御及びアンロックする制御を行うよう携帯機100に命じるドアロック制御命令及びドアアンロック制御命令を入力する。エンジンスタートボタン123及びエンジンストップボタン124は、それぞれ乗員のエンジンスタート操作及びエンジンストップ操作を受けて、車両200のエンジンを始動する制御及びエンジンを停止する制御を行うよう携帯機100に命じるエンジン始動制御命令及びエンジン停止制御命令を入力する。監視モードボタン125は、乗員の監視モードON操作及び監視モードOFF操作を受けて、それぞれ車両200の安全に関する状態の監視を開始及び終了するよう携帯機100に命じる監視開始命令及び監視終了命令を入力する。
尚、携帯機100は、監視モードボタン125を有さず、他のボタン121から124が入力する命令の組み合わせで監視モードボタン125が入力する命令の入力を実現する構成を採用できる。
【0019】
次に、図2を参照して、携帯機100の構成について説明する。図2は、携帯機100の一構成例を表すハードウェア構成図である。
携帯機100は、制御部130、アンテナ140、受信部151、送信部152、スイッチ153、電池160、及びスイッチ161のみならず、図1(b)で既に説明した表示部110及び操作部120で構成される。制御部130については後述する。
【0020】
アンテナ140は、例えば、平面アンテナ、線状アンテナ、又は立体アンテナで構成される。アンテナ140は、スイッチ153を介して受信部151に接続する場合に、車両200が送信した所定の波動を受信して発生させた低周波電流を受信部151へ出力する。尚、本実施例において、波動とは、電波をいうとして説明するが、これに限定される訳ではなく、光、電磁波、超音波、及び音のいずれかをいう構成を採用できる。
また、アンテナ140は、スイッチ153を介して送信部152に接続する場合に、送信部152が出力する高周波電流に基づいて、所定の波動を車両200に発信する。
【0021】
受信部151は、例えば、AF(Audio Frequency)回路等の低周波増幅回路で構成される。受信部151は、電池160が蓄電する電力を用いて、アンテナ140が出力する低周波電流を増幅した後に、増幅した電流を制御部130へ出力する。具体的には、受信部151は、要求信号に応じた車両200による検知信号の送信を待ち受けると共に、待ち受けた検知信号を受信する。
【0022】
尚、検知信号とは、車両200が検知した車両200の安全に関する状態を表す信号をいう。また、要求信号とは、検知信号を送信するよう車両200に要求する信号をいう。また更に、送信を待ち受けるとは、送信される情報を受信できる状態(つまり、受信可能な状態)にあることをいう。
【0023】
また、受信部151は、電池160が蓄電する電力を用いて、制御信号に応じた車両200による応答信号の送信を待ち受けると共に、待ち受けた応答信号を受信する。尚、制御信号とは、携帯機100が送信する車両200の制御に用いる信号をいう。また、応答信号とは、制御信号に応じて車両200を制御した結果を表す信号をいう。
【0024】
具体的には、制御信号は、エンジン開始制御信号(以下、エンジンスタート命令ともいう)、エンジン停止制御信号(以下、エンジンストップ命令ともいう)、ドア施錠制御信号(以下、ドアロック命令ともいう)、ドア開錠制御信号(以下、ドアアンロック命令ともいう)を含む。エンジンスタート命令は、車両200に搭載されたエンジンを始動するよう車両200に命じる命令(車両200を制御する制御信号)である。同様に、エンジンストップ命令、ドアロック命令、及びドアアンロック命令は、それぞれエンジンを停止するよう、ドアを施錠するよう、及びドアを開錠するよう車両200に命じる命令である。
【0025】
送信部152は、例えば、RF(Radio Frequency)回路等の高周波増幅回路で構成される。送信部152は、電池160が蓄電する電力を用いて、制御部130が出力する要求信号又は制御信号を表す高周波電流を発生させると共に、発生させた電流を増幅する。その後、送信部152は、増幅させた電流をアンテナ140へ出力する。つまり、具体的には、送信部152は、電池160が蓄電する電力を用いて、要求信号及び制御信号を車両200へ送信する。
スイッチ153は、制御部130に制御されて、アンテナ140と接続する部を、受信部151及び送信部152のいずれか一方に切り替える。
【0026】
電池160は、例えば、乾電池等の一時電池又は蓄電池等の二時電池で構成される。電池160は、携帯機100を構成する各部へ電力を供給する。
スイッチ161は、携帯機100が後述するウェイク状態にある場合には、制御部130に制御されて、電池160の供給する電力を受信部151及び送信部152のいずれか一方へ中継する。また、スイッチ161は、携帯機100が後述するスリープ状態にある場合には、制御部130に制御されて、電池160の供給する電力を受信部151及び送信部152の双方へ中継しない。
【0027】
制御部130は、例えば、マイクロコンピュータ(以下単に、マイコンという)で構成される。制御部130は、電池が供給する電力を用いて、制御処理等のソフトウェア処理を実行して車両200を制御する。具体的には、制御部130は、操作部120が入力する制御命令に従って、車両の安全に関する状態を検知し始めるよう車両を制御する。
【0028】
尚、車両の安全に関する状態とは、例えば、車両200が盗難を試みられている状態、車両200が盗難された状態、車両200が破壊を試みられている状態、車両200が破壊された状態、車両200の車室内に移動体が存在する状態、及び車両200の周辺に移動体が存在する状態を含む。尚、車両200の周辺は、車両200に対して盗難又は破壊をすることができる範囲を含む。また、車両200が盗難を試みられている状態、及び車両200が破壊を試みられている状態は、車両200に対して外部から振動又は衝撃が加えられている状態を含む。
【0029】
また、制御部130は、送信部152が要求信号を送信した後に、第1の時間に渡って検知信号の送信を待ち受けるよう受信部151を制御する。尚、第1の時間とは、車両200が要求信号を受信すると共に受信した信号に応じて検知信号を送信するために要する時間をいう。本実施例において、第1の時間は、例えば、「10秒」であるとして説明を行うが、これに限定される訳ではなく、より好適な値は実験により定めることができる。更に、制御部130は、検知信号の受信後又は第1の時間を経過した後に待ち受けを停止するよう受信部151を制御する。
【0030】
また更に、制御部130は、操作部120が監視開始命令を入力した後から所定の時間に渡って要求信号を定期周期で送信するよう送信部152を制御する。本実施例において、所定の時間及び定期周期は、例えば、それぞれ「120分」及び「5分」であるとして説明を行うが、これに限定される訳ではなく、より好適な値は実験により定めることができる。また、携帯機100の使用者によって、所定の時間及び定期周期が設定可能である構成を採用できる。
【0031】
但し、制御部130は、操作部120が監視命令以外の命令(つまり、エンジン駆動制御命令、エンジン停止命令、ドアロック命令、及びドアアンロック命令)を入力した後から所定の時間に渡って要求信号を定期周期で送信するよう送信部152を制御することは無い。電力の消費量を軽減して、電池50の寿命を延ばすためである。
【0032】
更に、制御部130は、送信部152が制御信号を送信した後に、第2の時間に渡って応答信号の送信を待ち受けるよう受信部151を制御すると共に、応答信号の受信後又は第2の時間を経過した後に待ち受けを停止するよう受信部151を制御する。尚、第2の時間とは、車両200が制御信号を受信すると共に受信した信号に応じて応答信号を送信するために要する時間をいう。
【0033】
本実施例において、第2の時間の長さは、例えば、「10秒」であって、第1の時間と同じ長さであるとして説明を行うが、これに限定される訳ではなく、より好適な値は実験により定めることができる。特に、第2の時間の長さは、第1の時間よりも長い構成を採用できる。第2の時間において受信する応答信号は、第1の時間において受信する検知信号と異なり、制御後の第2の時間においてのみ送信されるため、より確実に受信する必要があるからである。また、車両200を制御した後に制御結果を返信するのに要する時間は、既に検知した車両200の状態を返信するのに要する時間よりも長いためである。この構成によれば、第2の時間の長さが第1の時間の長さと同じである場合に比べて、電力の消費量を軽減しながら確実にエンジン等の制御結果を通知できる。
【0034】
また、第2の時間の長さは、制御信号が制御を命じる対象、及び制御内容のいずれか1つ以上に応じて異なる長さである構成を採用できる。具体例としては、エンジンを始動させるのに要する時間は、ドアを施錠させるのに要する時間よりも長いためである。この構成によれば、電力の消費量を軽減しながら、制御の内容に応じて確実に応答信号を受信できる。
【0035】
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)等の実行部130a、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等のメモリである読出専用記憶装置130b、DRAM(Dynamic RAM)又はSRAM(Static RAM)等の揮発性メモリ及びNVRAM(Non Volatile RAM)等の不揮発性メモリである読書可能記憶装置130c、及びA/D変換器等の入出力部130dで構成される。尚、実行部130a、読出専用記憶装置130b、読書可能記憶装置130c、及び入出力部130dは互いにバス130fによって情報の授受が可能なように接続している。
【0036】
ソフトウェア処理は、実行部130aが、読出専用記憶装置130bに格納したプログラムを読み込み、読み込んだプログラムが表すソフトウェア処理の実行手順に従って演算を行うことにより実現される。尚、読書可能記憶装置130cには、実行部130aが行った演算の結果を表す情報が書き込まれる。また、必要に応じて入出力部130dは、接続する操作部120、受信部151、及び送信部152との間で入出力する情報を、実行部130aが演算対象とする情報又は演算した結果を表す情報として入出力する。
【0037】
次に、図3から5を参照して、制御部130が実行する制御処理について説明する。図3から5は、制御部130が実行する制御処理の一例を表すフローチャートである。尚、制御部130は、所定のイベントが発生した場合に制御処理を実行する。所定のイベントは、上記各種の操作が携帯機100に対してなされるイベント、又は下記のタイマの値が所定値を超えるイベントを含む。
【0038】
先ず、制御部130は、例えば、電池160が取り外された、又は電源スイッチが操作されたために電源が「OFF」になるか否かを判断する(ステップS01)。制御部130は、電源が「OFF」になると判断する場合には制御処理の実行を終了し、そうでない場合にはステップS02の処理を実行する。
【0039】
ステップS01において、電源が「OFF」になると判断した場合には、制御部130は、エンジンスタート操作がなされたか否かを判断する(ステップS02)。制御部130は、エンジンスタート操作がなされたと判断する場合にはステップS06の処理を実行し、そうでない場合にはステップS03の処理を実行する。
【0040】
ステップS02において、エンジンスタート操作がなされなかったと判断した場合には、制御部130は、エンジンストップ操作がなされたか否かを判断する(ステップS03)。制御部130は、エンジンストップ操作がなされたと判断する場合にはステップS07の処理を実行し、そうでない場合にはステップS04の処理を実行する。
【0041】
ステップS03において、エンジンストップ操作がなされなかったと判断した場合には、制御部130は、ドアロック操作がなされたか否かを判断する(ステップS04)。制御部130は、ドアロック操作がなされたと判断する場合にはステップS08の処理を実行し、そうでない場合にはステップS05の処理を実行する。
【0042】
ステップS04において、ドアロック操作がなされなかったと判断した場合には、制御部130は、ドアアンロック操作がなされたか否かを判断する(ステップS05)。制御部130は、ドアアンロック操作がなされたと判断する場合にはステップS09の処理を実行し、そうでない場合にはステップS11の処理を実行する。
【0043】
尚、制御部130は、操作部120がエンジン停止命令、エンジン始動命令、ドアロック命令、及びドアアンロック命令を入力する場合に、それぞれエンジンストップ操作、エンジンスタート操作、ドアロック操作、及びドアアンロック操作がなされたと判断する。
【0044】
ここで、一旦図6を参照して、ステップS02からS06において、エンジンスタート操作、エンジンストップ操作、ドアロック操作、及びドアアンロック操作のいずれかがなされたと制御部130が判断した場合に、制御部130を構成する携帯機100及び車両200の搭載する車載機が実行する処理について、ドアロック操作がなされた場合を例に挙げて概説する。図6は、携帯機100及車載機が信号を送受信する処理を実行するタイミングを表すタイミングチャートである。
【0045】
先ず、時刻t11前において、携帯機100は、スリープ状態にある。ここで、スリープ状態とは、携帯機100が消費する電力量が、スリープでない状態(以下、ウェイク状態という)と比べて少ない低電力状態にあることをいう。具体的には、スリープ状態において、携帯機100を構成する制御部130は、ウェイク状態と比べ長い周期で演算を実行すると共に、電池160から受信部151への電力供給を停止して電力消費量を軽減する。
また、時刻t11前において、車両200に搭載された車載機は、車両200の状態を検知しない無警戒状態にあり、車両200の異常を検知していない(つまり、無検知)。
【0046】
次に、時刻t11において、携帯機100は、携帯機100を携帯する車両200の乗員により、ドアロック操作がなされる。よって、携帯機100は、操作部120がドアロック制御命令を入力したイベントを検知して、スリープ状態からウェイク状態に移行する(つまり、ウェイクする)。次に、携帯機100は、ドアロック制御命令に従って、ドアロック命令を車両200へ送信して、ドアを施錠するよう車両200を制御する。
【0047】
その後、時刻t12において、車両200に搭載された車載機は、ドアロック命令を携帯機100から受信する。また、車載機は、命令に応じてドアをロックすると共に、車両200の状態を検知して、例えば、盗難、破壊、及び侵入等を警戒する警戒状態に移行する。
次に、時刻t13において、車載機は、命令に応じてロック及び警戒状態への移行(以下、セキュリティONという)したことを表す応答信号を携帯機100へ送信する。
【0048】
その後、時刻t14において、携帯機100は、応答信号を車載機から受信すると共に、受信した応答信号の内容を、表示部110を用いて表示する。具体的には、ステップS28において説明するように、携帯機100は、緑色のLED111Gを点灯して応答信号の内容を通知する。
次に、時刻t15において、携帯機100は、スリープ状態へ移行して(つまり、スリープする)消費電力を軽減する。
【0049】
次に、図3に戻り、携帯機100を構成する制御部130が実行する制御処理の一例について、図6を参照して概説した時刻t11ないしt15の処理から引き続き説明を行う。
ステップS02において、エンジンスタート操作がなされたと判断した場合には、制御部130は、エンジンスタート命令を送信して、エンジンを始動するよう車両200を制御する(ステップS06)。
ステップS03において、エンジンストップ操作がなされたと判断した場合には、制御部130は、エンジンストップ命令を送信して、エンジンを停止するよう車両200を制御する(ステップS07)。
【0050】
ステップS04において、ドアロック操作がなされたと判断した場合には、制御部130は、ドアロック命令を送信して、ドアを施錠するよう車両200を制御する(ステップS08)。
ステップS05において、ドアアンロック操作がなされたと判断した場合には、制御部130は、ドアアンロック命令を送信して、ドアを開錠するよう車両200を制御する(ステップS09)。
【0051】
ステップS06からS09の処理を実行すると、制御部130は、命令(つまり、制御信号)を送信した後に応答信号の送信を待ち受ける待受時間を計測するタイマRを再スタートする(ステップS10)。その後、制御部130は、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0052】
ステップS05において、ドアアンロック操作がなされなかったと判断した場合には、制御部130は、監視モードON操作がなされたか否かを判断する(ステップS11)。制御部130は、監視モードON操作がなされたと判断する場合にはステップS16の処理を実行し、そうでない場合にはステップS12の処理を実行する。
【0053】
ステップS11において、監視モードON操作がなされなかったと判断した場合には、制御部130は、監視モードOFF操作がなされたか否かを判断する(ステップS12)。制御部130は、監視モードOFF操作がなされたと判断する場合にはステップS19の処理を実行し、そうでない場合にはステップS13の処理を実行する。尚、制御部130は、操作部120が監視開始命令及び監視終了命令を入力する場合に、それぞれ、監視モードON操作及び監視モードOFF操作がなされたと判断する。
【0054】
ステップS12において、監視モードOFF操作がなされなかったと判断した場合には、制御部130は、監視モードの終了時刻を経過した否かを判断する(ステップS13)。尚、監視モードは、携帯機100の監視モードと、車載機の監視モードとに類別される。携帯機100の監視モードは、検知信号を定周期で受信することで、車両の安全に関する状態を監視する携帯機100の状態をいう。車載機の監視モードは、定周期で検知信号を送信することで、検出した車両状態を監視される車載機の状態をいう。具体的には、携帯機100が監視モードへ移行してからの経過時間を計測するタイマKの値が所定の時間「120分」を超えたと判断する場合に、制御部130は、監視モードの終了時刻を経過したと判断する。制御部130は、タイマKの値が「120分」を超えたと判断する場合にはステップS19の処理を実行し、そうでない場合にはステップS14の処理を実行する。
【0055】
ステップS13において、タイマKの値が「120分」を超えなかったと判断した場合には、制御部130は、監視モードにおける車両200の監視時刻を経過した否かを判断する(ステップS14)。尚、車両200の監視時刻とは、携帯機100が車両200へ要求信号を送信する時刻をいう。具体的には、前回に要求信号を送信して監視をした時刻からの経過時間を計測するタイマSの値が所定の周期「5分」を超えたと判断する場合に、制御部130は、監視時刻を経過したと判断する。制御部130は、タイマSの値が「5分」を超えたと判断する場合にはステップS22の処理を実行し、そうでない場合にはステップS15の処理を実行する。
【0056】
ステップS14において、タイマSの値が「5分」を超えなかったと判断した場合には、制御部130は、送信した要求信号及び制御信号に対する情報の返信を待ち受ける待受時間を計測するタイマRの値が第1の時間及び第2の時間「10秒」を超えた否かを判断する(ステップS15)。制御部130は、タイマRの値が「10秒」を超えたと判断する場合にはステップS25の処理を実行し、そうでない場合にはステップS26の処理を実行する。
【0057】
ここで、再度図6を参照して、ステップS11において、監視モードON操作があったと制御部130が判断した場合に、携帯機100及び車載機が実行する処理について概説する。
先ず、時刻t21前において、携帯機100は、スリープ状態にある。また、時刻t21前において、車載機は、車両の状態を検知していない(つまり、無検知)。
【0058】
次に、時刻t21において、携帯機100は、乗員により監視モードON操作がなされる。よって、携帯機100は、操作部120が監視開始命令を入力したイベントを検知してウェイクする。次に、携帯機100は、監視開始命令に従って、監視モードON命令(単に、監視命令ともいう)を車両200へ送信して、定期的に検知信号を送信するよう車両200を制御する。尚、監視モードON命令とは、監視モードに移行するよう車載機に命じる命令である。また、同様に、監視モードを終了するよう車載機に命じる命令を監視モードOFF命令という。
【0059】
その後、時刻t22において、車両200に搭載された車載機は、監視モードON命令を携帯機100から受信する。
次に、時刻t23において、車載機は、命令に応じて監視モードに移行すると共に、監視の対象とされる車両200の状態を表す検知信号を携帯機100へ返信する。尚、時刻t23において、検知された車両200の状態は、異常がない正常な状態であったとする。
その後、時刻t24において、携帯機100は、検知信号を車載機から受信すると共に、受信した検知信号の内容を、表示部110に表示する。
次に、時刻t25において、携帯機100は、スリープして消費電力を軽減する。
【0060】
次に、再度図4に戻り、携帯機100を構成する制御部130が実行する制御処理の一例について、図6を参照して概説した時刻t21ないしt25の処理から引き続き説明を行う。
【0061】
ステップS11において、監視モードON操作がなされたと判断した場合には、制御部130は、監視モードへ移行すると共に、監視モードON命令を車載機へ送信する(ステップS16)。この構成によれば、携帯機100は、ユーザの監視モードスイッチ125に対する監視モードON操作に応じて監視モードに移行するため、ユーザが電池の消耗を理解した上で車両200の状態を確認できる。また、例えば、車両200に対する盗難、破壊、又は侵入等の危険がある場所に車両200を駐車した等の必要がある場合に限って携帯機100が監視モードに移行するため、不必要な場合に検知信号を定周期的に受信又は受信待ち受けすることを防止して電池寿命を延ばすことができる。
【0062】
次に、制御部130は、監視モードへ移行してからの経過時間を計測するタイマKをスタートさせる(ステップS17)。また、制御部130は、監視モードON命令を含む要求信号を送信した前回の監視時刻からの経過時間を計測するタイマSをスタートさせる(ステップS18)。その後、制御部130は、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0063】
次に、図4を参照したまま、制御部130が実行する制御処理の一例について、監視モードを終了する処理から引き続き説明を行う。
ステップS12において、監視モードOFF操作がなされたと判断した場合、又は監視モードの終了時刻を経過した(つまり、タイマKの値が「120分」を超えた)と判断した場合には、監視モードOFF命令を車両200へ送信する(ステップS19)。次に、制御部130は、タイマK及びタイマSのタイマ値をリセットする(つまり、停止させると共に、タイマ値を値「0」とする)(ステップS20及びS21)。これは、監視モード終了により、監視期間を計測する必要と監視周期を計測する必要とが無くなったためである。その後、制御部130は、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0064】
次に、再度図6を参照して、ステップS14において、監視時刻を経過した(つまり、タイマS値が「5分」を超えた)、又は待受時間が第1の時間を経過した(つまり、タイマR値が「10秒」を超えた)と制御部130が判断した場合に、携帯機100及び車載機が行う処理について概説する。
【0065】
時刻t31前における、携帯機100及び車載機の状態は、時刻t31前における状態とそれぞれ同様であるので、以下相違点について主に説明を行う。時刻t31前において、携帯機100は、監視モードON命令を車両200へ送信した時刻t21から「5分」が経過した時刻を監視時刻としていた。
【0066】
次に、時刻t31において、携帯機100は、監視時刻に達したイベントを検知してウェイクする。次に、携帯機100は、定期トリガ信号を車両200へ送信して、検知信号を送信するよう車両200を制御する。尚、定期トリガ信号とは、定周期で訪れる監視時刻において、車載機が検知信号を送信するトリガとなる信号をいう。本実施例において、携帯機100は、定期トリガ信号として、定周期「5分」毎に検知信号の返信を要求する要求信号を送信するとして説明を行うがこれに限定される訳ではない。
【0067】
その後、時刻t32において、車両200に搭載された車載機は、定期トリガ信号を携帯機100から受信する。
次に、時刻t33において、車載機は、監視モード状態に変化がないため、時刻t23と異なり、検知信号を携帯機100へ返信しない。この構成によれば、車載機が消費する電力を軽減できる。しかし、これに限定される訳ではなく、車載機は、監視モード状態に変化がなくとも検知信号を返信する構成を採用できる。この構成によれば、携帯機100は、車載機が検知信号を送信しているにも関わらず検知信号を受信できないことを検知できる。また、車載機は、監視モード状態に変化がなくとも検知信号を返信するか、変化がなければ検知信号を返信しないかを設定により変更できる構成を採用できる。
【0068】
同様に、時刻t34において、携帯機100は、検知信号を車載機から受信しない。この構成によれば、携帯機100の検知信号の受信により消費する電力を軽減できる。
その後、時刻t35において、携帯機100は、検知信号を受信しないため、スリープせずにウェイクを続ける。
次に、時刻t36において、携帯機100は、待受時間が第1の時間を経過したイベントを検知して、検知信号を受信しなかったことを表示部110を用いて通知する。具体的には、ステップS25において説明するように、携帯機100は、橙色のLED111Oを点灯して情報を受信しなかった旨を表示する。その後、携帯機100は、スリープする。
この構成によれば、表示する内容を表す検知信号の送信を待ち受けるために用いる電力の消費量を軽減できる。このため、電池160の電池寿命を延長できるだけでなく、電池160の消耗により情報の待ち受けができなくなることを防止できる。また、車載機が検知した車両の状態が変化しなかったことを、検知信号の受信に電力を用いることなく確認すると共に表示できる。
【0069】
次に、再度図4に戻り、携帯機100を構成する制御部130が実行する制御処理の一例について、図6を参照して概説した時刻t31ないしt36の処理から引き続き説明を行う。
ステップS14において、監視時刻を経過した(つまり、タイマS値が「5分」を超えた)と判断した場合には、制御部130は、定期トリガ信号を送信するよう送信部152を制御する(ステップS22)。次に、制御部130は、タイマS及びタイマRをリスタートさせる(ステップS23及びS24)。次の監視時刻の経過及び第1の時間の経過を制御部130が判断するためである。その後、制御部130は、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0070】
ステップS15において、待受時間が第1の時刻を経過した(つまり、タイマRの値が「10秒」を超えた)と判断した場合には、制御部130は、検知信号又は応答信号を受信していないことを表示(以下単に、非受信表示ともいう)する(ステップS25)。具体的には、制御部130は、燈色LED110Oを点灯するよう表示部110を制御する。その後、制御部130は、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0071】
ステップS15において、タイマRの値が「10秒」を超えていないと判断した場合には、制御部130は、車両から応答信号及び検知信号のいずれか1つ以上の信号を受信したか否かを判断する(ステップS26)。制御部130は、車両から信号を受信したと判断する場合にはステップS27の処理を、そうでない場合にはステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0072】
ステップS26において、車両から信号を受信したと判断した場合には、制御部130は、受信した信号が、車両の異常を表す情報(以下単に、警告情報又はアラーム情報という)を表すか否かを判断する(ステップS27)。制御部130は、受信した信号が、アラーム情報を表すと判断する場合にはステップS29の処理を、そうでない場合にはステップS28の処理を実行する。
ステップS27において、受信した信号がアラーム情報を表わさないと判断した場合には、応答信号の受信を表示(以下単に、応答表示という)する(ステップS28)。具体的には、制御部130は、緑色のLED110Gを点灯させるよう表示部110を制御する。その後、制御部130は、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
ステップS27において、受信した信号がアラーム情報を表すと判断した場合には、制御部130は、盗難を通報するよう表示部110を制御する(ステップS29)。具体的には、制御部130は、赤色のLED110Rを点灯させるよう表示部110を制御する。その後、制御部130は、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0073】
次に再度、図6を参照して、ステップS26において、車両200から信号を受信したと制御部130が判断した場合に、携帯機100及び車載機が行う処理について概説する。
時刻t40前からt42までにおける、携帯機100及び車載機の状態は、時刻t31前からt32までにおける状態とそれぞれ同様であるので、以下主に、相違点について説明を省略する。時刻t40において、車載機は、車両200に生じた異常を検知した。
【0074】
次に、時刻t43において、車載機は、時刻t40で検出した監視モード状態に変化があったため、時刻t33と異なり、検知信号を携帯機100へ返信する。
同様に、時刻t44において、携帯機100は、検知信号を車載機から受信する。その後、携帯機100は、検知信号が表す車両200の異常を表示部110で表示する。この構成によれば、電力の消費量の増加を、監視モードON命令を入力してから所定の時間に限った上で、定期的に車両の状態を監視するため、電力の消費量の増加を抑制しながら車両に生じる異常を短期で通知できる。
【0075】
その後、時刻t45において、携帯機100は、表示部110が異常を表示した後に、所定時間を経過したと判断してスリープする。この構成によれば、携帯機100の消費する電力量を軽減できる。
【0076】
次に、図7を参照して、図1(a)に示す制御システム1を構成する車両200について説明する。図7は、車両200の一構成例を表す構成図である。
車両200は、車載機である制御装置260を搭載する。車載機260は、携帯機100から受信した制御信号に応じた信号を携帯機へ返信する。また制御装置260の他に、車両200は、トランスポンダ210、イモビ制御装置215、キーシリンダ220、バッテリ221、エンジン制御装置222、スタータリレー223、スタータモータ224、アンテナ230、ボデー制御装置240、ハザードランプ241、ブザー242、ドアロック制御装置243、各種のスイッチ251から256及びセンサ257で構成される。
【0077】
トランスポンダ210は、例えば、エンジンキーKYが内蔵するID(identification)チップのIDコードを読み取ると共に、読み取ったコードをイモビ制御装置215へ出力する。
イモビ制御装置215は、例えば、ECUで構成される。尚、エンジン制御装置222、ボデー制御装置240、ドアロック制御装置243、制御装置260も同様に、ECUで構成される。これらのECUは、例えば、CAN(Controller Area Network )通信によって相互に情報の授受が可能に接続する。イモビ制御装置215は、トランスポンダ210と共に、車両の盗難を防止するイモビライザーシステムを構成する。具体例としては、イモビ制御装置215は、トランスポンダ210が読み取ったIDコードが予め記憶するコードと一致すると判断すると、ドアを開錠するようボデー制御装置240を制御する。
【0078】
キーシリンダ220は、エンジンキーKYの鍵山とタンブラー配列とが一致したか否かを表す信号をスタータリレー223及びエンジン制御装置222へ出力する。
バッテリ221は、例えば、鉛蓄電池で構成され、車両に搭載される各種の装置へ電力を供給する。
【0079】
エンジン制御装置222は、車載機260に制御されてエンジンを制御する。具体例としては、キーシリンダ220が鍵山とタンブラー配列とが一致したことを表す信号を出力する場合であって、かつ車載機260が「IG-ON」信号とアクセサリへの電源の供給をカットする信号を出力する場合に、エンジンにおける燃料の噴射量及び燃焼タイミングを制御してエンジンを駆動させる。
【0080】
スタータリレー223は、キーシリンダ220で鍵山とタンブラー配列とが一致し、かつ車載機260がスタートを命じるスタート信号を出力する場合に、バッテリ221が供給する電力をスタータモータ224へ中継する。
スタータモータ24は、スタータリレー223に中継された電力を用いてエンジンを始動させる。
【0081】
アンテナ230は、例えば、アンテナ140とほぼ同様の構成を有する。アンテナ230は、波動を用いて携帯機100との間で上記各種の信号を通信する。
ボデー制御装置240は、例えば、ドアの開閉等のボデー系の制御を行う。具体例としては、ボデー制御装置240は、イモビ制御装置215又は車載機260の制御に従って、ドアを施錠又は開錠するようドアロック制御装置243を制御する。また、ボデー制御装置240は、ドアを施錠又は開錠する制御をした場合には、ドアの施錠又は開錠を通知するようハザードランプ241又はブザー242を制御する。また、ボデー制御装置240は、車載機260が、車両に生じた異常を検知した場合に、異常の検知を通知するようハザードランプ241又はブザー242を制御する。また、これに限定される訳ではなく、ボデー制御装置240は、MILランプを点灯又は点滅させる構成及びクラクション(ホーン)を吹鳴させる構成を採用できる。
【0082】
ハザードランプ241は、ボデー制御装置240に制御されて点灯、点滅、及び消灯を行う。特に、ハザードランプ241は、エンジン及びドアの制御結果、及び車両に生じた異常の検知を点灯又は点滅により通知する。具体例としては、所定の間隔で所定の回数に渡って左右のハザードランプ241が同時に点滅する等の所定の点滅パターンで、ドアの開錠、ドアの開錠、及び異常の検出を通知する。
ブザー242は、ボデー制御装置240に制御されて吹鳴する。特に、ブザー242は、エンジン及びドアの制御結果及び異常の検知を所定の音を出力することにより通知する。
【0083】
ドアロック制御装置243は、ボデー制御装置240に制御されてドアを施錠又は開錠すると共に、制御結果をボデー制御装置240へ返信する。
各種センサ251から256は、フットブレーキスイッチ251、パーキングブレーキスイッチ252、ドア開閉スイッチ253、ドアロックスイッチ254、エンジンフードスイッチ255、及びシフトポジションスイッチ256である。各種センサ251から256は、それぞれフットブレーキが踏み込まれているか否か、パーキングブレーキが引かれているか否か、ドアが開らいているか否か、ドアが施錠されているか否か、エンジンフードが閉じているか否か、及びシフトレバーの位置を表す信号を出力する。エンジン回転数センサ257は、エンジンの回転数を検出すると共に、検出した回転数を表す信号を出力する。また、図示を省略するが、車両200は、例えば、ドップラセンサ等の移動体検知センサ、又は、例えば、エピゾ素子で構成される振動センサを搭載する構成を採用できる。
【0084】
車載機260は、ソフトウェア処理である制御処理を実行する。車載機260は、ソフトウェア処理を実行することで、アンテナ210が受信した信号に従って、車両の安全に関する状態を検知し始める。具体例としては、車載機260は、各種スイッチ251から256又はセンサ257が出力する信号、及びイモビ制御装置215が送信する情報に基づいて車両の状態を検知する。より具体的には、イモビ制御装置215が、IDコードが一致したと判断していないにも関わらず、例えば、ドア開閉スイッチ253等が出力する信号がドアの開放を表す信号に変化した場合に、車両に対する盗難等の異常を検知する。また、他の具体例としては、移動体検知センサが所定のレベル超える信号を出力した場合、又は振動センサが所定のレベルを超える衝撃を検出した場合に、車両に対する盗難、破壊、又はそれらのおそれを検知する。
【0085】
また、車載機260は、アンテナ210が受信した制御信号に従って、エンジンを始動又は停止するようを制御したり、ドアを施錠又は開錠するよう制御する。具体的には、車載機260は、エンジン開始制御信号(エンジンスタート命令)を受信すると、イグニッションスイッチ261aを閉じてエンジン制御装置222へ「IG-ON」信号を出力し、アクセサリカットスイッチ261bを閉じてアクセサリ(ACC)に対するバッテリ221からの電源供給を中断し、かつスタートスイッチ261cを閉じてスタータリレー223を駆動させることで、エンジンを始動させるよう制御する。
【0086】
ここで、車載機260の一構成例について説明する。
車載機260は、制御部、受信部、送信部、スイッチ、及び通信部で構成される。制御部、受信部、送信部、及びスイッチについては、図2を参照して説明した制御部130、受信部151、送信部152、及びスイッチ153とほぼ同様の構成を有するため、説明を省略する。また、通信部は、例えば、CANコントローラで構成され、他のECUから受信した信号を制御部の演算対象として入力する共に、制御部の演算結果を他のECUへ送信する。
【0087】
次に、図8及び9を参照して、車載機260が実行する制御処理について説明する。図8及び9は、車載機260が実行する制御処理の一例を表すフローチャートである。尚、車載機260は、所定のイベントが発生した場合に制御処理を実行する。所定のイベントは、上記各種の命令又は信号を携帯機100から受信するイベント、又は下記のタイマの値が所定値を超えるイベントを含む。
【0088】
先ず、車載機260は、エンジンキーKYがキーシリンダ220へ挿入されると共に、エンジンを始動するためにIG-ON信号を出力したか否かを判断する(ステップS31)。車載機260は、IG-ON信号を出力したと判断する場合には制御処理の実行を終了し、そうでない場合にはステップ32の処理を実行する。
【0089】
ステップS31において、IG-ON信号を出力していないと判断した場合には、車載機260は、エンジンスタート命令を受信したか否かを判断する(ステップS32)。車載機260は、エンジンスタート命令を受信したと判断する場合にはステップS36の処理を、そうでない場合にはステップS33の処理を実行する。
【0090】
ステップS32において、エンジンスタート命令を受信してないと判断した場合には、車載機260は、エンジンストップ命令を受信したか否かを判断する(ステップS33)。車載機260は、エンジンストップ命令を受信したと判断する場合にはステップS38の処理を、そうでない場合にはステップS34の処理を実行する。
【0091】
ステップS33において、エンジンストップ命令を受信してないと判断した場合には、車載機260は、ドアロック命令を受信したか否かを判断する(ステップS34)。車載機260は、ドアロック命令を受信したと判断する場合にはステップS40の処理を、そうでない場合にはステップS35の処理を実行する。
【0092】
ステップS34において、ドアロック命令を受信してないと判断した場合には、車載機260は、ドアアンロック命令を受信したか否かを判断する(ステップS35)。車載機260は、ドアアンロック命令を受信したと判断する場合にはステップS44の処理を、そうでない場合にはステップS49の処理を実行する。
【0093】
ステップS32において、エンジンスタート命令を受信したと判断した場合には、車載機260は、エンジンを始動するようエンジン制御装置222及びスタータリレー223を制御する(ステップS36)。次に、エンジンが始動すると、車載機260は、エンジンの始動を表す応答信号を携帯機100へ返信する(ステップS37)。その後、車載機260は、ステップS31に戻り上記処理を繰り返す。
【0094】
ステップS33において、エンジンストップ命令を受信したと判断した場合に、車載機260は、エンジンを停止するようエンジン制御装置222を制御する(ステップS38)。次に、エンジンが停止すると、車載機260は、エンジンの停止を表す応答信号を携帯機100へ返信する(ステップS39)。その後、車載機260は、ステップS31に戻り上記処理を繰り返す。
【0095】
ステップS34において、ドアロック命令を受信したと判断した場合には、車載機260は、全てのドアが閉まっているか否かを判断する(ステップS40)。具体的には、車載機260は、ドア開閉スイッチ253が出力する信号に基づいてドアの開閉を判断する。車載機260は、全てのドアが閉まっていると判断する場合にはステップS41の処理を実行し、そうでない場合にはステップS31に戻り上記処理を繰り返す。
【0096】
ステップS40において、全てのドアが閉まっていると判断した場合には、車載機260は、全ドアを施錠するようボデー制御装置240を制御する(ステップS41)。次に、車載機260は、車両の状態を検知し始める(以下単に、セキュリティをセットするという)(ステップS42)。その後、車載機260は、セキュリティをセットしたことを表す応答信号を携帯機100へ返信する(ステップS43)。次に、車載機260は、ステップS31に戻り上記処理を繰り返す。
【0097】
ステップS35において、ドアアンロック命令を受信したと判断した場合には、車載機260は、全ドアを開錠するようボデー制御装置240を制御する(ステップS44)。次に、車載機260は、車両の状態を検知することを終了する(以下単に、セキュリティをリセットするという)(ステップS45)。その後、車載機260は、セキュリティをリセットしたことを表す応答信号を携帯機100へ返信する(ステップS46)。次に、車載機260は、盗難等の異常を検知した回数をカウントする盗難カウンタの値を「0」にして初期化する(ステップS47)。次に、車載機260は、異常を警報している警報期間を計測するタイマDの値を「0」にして初期化する(ステップS48)。その後、車載機260は、ステップS31に戻り上記処理を繰り返す。
【0098】
尚、ステップS32からS48の処理は、図6を参照して説明した時刻t11からt15において車載機260が実行する処理に相当する。
【0099】
次に、図9を参照したまま、車載機260が実行する制御処理について、異常を検知した場合の処理から引き続き説明を行う。
ステップS35において、ドアアンロック命令を受信していないと判断した場合には、車載機260は、警報期間が「60秒」を超えたか否かを判断する(ステップS49)。具体的には、車載機260は、タイマDの値が「60秒」を超えたと判断する場合に警報期間が「60秒」を超えたと判断する。車載機260は、タイマDの値が「60秒」を超えたと判断する場合にはステップS51の処理を、そうでない場合にはステップS50の処理を実行する。
【0100】
ステップS49において、タイマDの値が「60秒」を超えていないと判断した場合には、車載機260は、盗難カウンタに基づいて盗難等の異常を検知したか否かを判断する(ステップS50)。車載機260は、盗難等を検知したと判断する場合にはステップS53の処理を、そうでない場合にはステップS56の処理を実行する。
【0101】
ステップS49において、タイマDの値が「60秒」を超えたと判断した場合には、車載機260は、ホーン又はブザー242の吹鳴を停止し、ハザードランプ243の点灯を停止するようボデー制御装置240を制御して警報を終了する(ステップS51)。その後、車載機260は、タイマDをリセットする(ステップS52)。警報期間が終了したためである。次に、車載機200は、ステップS31に戻り上記処理を繰り返す。
【0102】
ステップS50において、盗難等の異常を検知した判断した場合には、車載機260は、ホーン又はブザー242を吹鳴させるようボデー制御装置240を制御し、かつハザードランプ243を点灯させるようボデー制御装置240を制御する(ステップS53)。その後、車載機260は、盗難カウンタの値をインクリメントする(ステップS54)。次に、車載機260は、タイマDをスタートする(ステップS55)。警報期間を計測するためである。その後、車載機200は、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0103】
尚、ステップS49からS55の処理は、図6を参照して説明した時刻t40からt45において車載機260が実行する処理に相当する。
【0104】
次に、図8(b)を参照したまま、車載機260が実行する制御処理について、監視モードに関する処理から引き続き説明を行う。
ステップS50において、盗難等の異常を検知しなかった判断した場合には、車載機260は、監視モードON命令を受信したか否かを判断する(ステップS56)。車載機260は、監視モードON命令を受信したと判断した場合にはステップS58の処理を、そうでない場合にはステップS57の処理を実行する。
【0105】
ステップS56において、監視モードON命令を受信していないと判断した場合には、車載機260は、定期トリガ信号を受信したか否かを判断する(ステップS57)。車載機260は、定期トリガ信号を受信したと判断した場合にはステップS58の処理を、そうでない場合にはステップS61の処理を実行する。
【0106】
ステップS56において、監視モードON命令を受信したと判断した場合、又はステップS57において、定期トリガ信号を受信したと判断した場合には、車載機260は、盗難カウンタに基づいて、盗難等の異常を1回以上検知したか否かを判断する(ステップS58)。また、車載機260は、監視モードON命令を受信したと判断すると、監視モードへ移行する。車載機260は、盗難カウンタの値が「1」以上であると判断する場合にはステップS59の処理を、そうでない場合にはステップS60の処理を実行する。
【0107】
ステップS58において、盗難カウンタの値が「1」以上であると判断した場合には、盗難等の異常が発生したことを表す検知信号を携帯機100へ送信する(ステップS59)。その後、車載機200は、ステップS31に戻り上記処理を繰り返す。
ステップS58において、盗難カウンタの値が「1」より少ないと判断した場合には、盗難等の異常が発生していないことを表す検知信号を携帯機100へ送信する(ステップS60)。その後、車載機200は、ステップS31に戻り上記処理を繰り返す。
【0108】
ステップS57において、定期トリガ信号を受信していないと判断した場合、車載機260は、監視モードOFF信号を受信したか否かを判断する(ステップS61)。車載機260は、監視モードOFF信号を受信したと判断した場合にはステップS62の処理を実行し、そうでない場合にはステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
ステップS61において、監視モードOFF信号を受信したと判断した場合には、監視モードを解除すると共に、盗難カウンタの値を「0」にして初期化する(ステップS62)。その後、車載機200は、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0109】
尚、ステップS56、及びステップS58からS60の処理は、図6を参照して説明した時刻t21からt25において車載機260が実行する処理に相当する。また、ステップS57、及びステップS58からS60の処理は、図6を参照して説明した時刻t31からt36において車載機260が実行する処理に相当する。
【0110】
尚、車載機200は、監視モードにある場合に、所定の周期で定期トリガ信号を受信しない場合には、応答信号を携帯機100に返信しない。この構成によれば、車載機200が消費する電力を軽減できる。一方で、車載機200は、監視モードにある場合に、所定の周期で定期トリガ信号を受信しないと、トリガ信号を受信しなかったことを表す応答信号を返信する構成を採用できる。また、携帯機100は、トリガ信号を受信しなかったことを表す応答信号を受信すると、受信しなかった旨を通知する構成を採用できる。更に、携帯機100は、トリガ信号を受信しなかったことを表す応答信号を受信すると、監視モードを解除する構成を採用できる。この構成によれば、車載機260へトリガ信号を送信できなかったことを通知できる。また、検知信号を受信できないにも関わらずトリガ信号を送信することにより生じる電力消費を削減できる。
【0111】
本発明において、制御装置260が車載機に相当するとして説明を行ったが、これに限定される訳ではなく、ボデー制御装置240が車載機に相当し、図8及び9を参照して説明した制御処理を実行する構成を採用できる。また、これに限定される訳ではなく、ボデー制御装置240及び制御装置260の双方が車載機に相当し、それぞれが制御処理を構成するステップの一部を分担ながら同期して実行する構成を採用できる。
【0112】
制御部130及び制御装置260が実行するプログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより提供できる。
また、制御部130及び制御装置260がソフトウェア処理を実行することで実現する機能の一部又は全部は、ハードウェア回路を用いて実現することができる。逆に、制御部130及び制御装置260がハードウェア回路を用いて実現する機能の一部又は全部は、ソフトウェア処理を実行することで実現することができる。
本発明に係る制御方法は、制御部130及び制御装置260のいずれか1つ以上を用いて実施できる。
【0113】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0114】
1…制御システム 100…携帯機(制御装置)
110…表示部 111G…緑色LED
111O…橙色LED 111R…赤色LED
120…操作部 121…ロックボタン
122…アンロックボタン 123…E/Gスタートボタン
124…E/Gストップボタン 125…監視モードボタン
130…制御部 130a…CPU
130b…ROM 130c…RAM
130d…I/F 130f…バス
140…アンテナ 151…受信部
152…送信部 153…スイッチ
160…電池 161…スイッチ
200…車両 210…トランスポンダ
215…イモビ制御装置 220…キーシリンダ
221…バッテリ 222…エンジン制御装置
223…スタータリレー 224…スタータモータ
230…アンテナ 240…ボデー制御装置
241…ハザードランプ 242…ブザー
243…ドアロック制御装置 260…制御部(車載機)
KY…エンジン鍵

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を制御する車載機と無線通信を行って、車載機に車両を制御させる携帯機であって、
ユーザが車両に所望する制御を実行させる際に操作する操作部と、
ユーザが操作した操作部に応じた制御信号を送信する送信部と、
車両からの信号を受信する受信部と、
受信部で受信した信号に応じた表示を行う表示部と、
送信部へ制御信号を送信させた後から所定時間、受信部を電池から供給される電力により車載機から送信される信号を受信可能な状態とし、該所定時間経過した場合に該受信可能な状態を解除する制御部とを備える携帯機。
【請求項2】
車載機が制御する車両の状態を検知すると共に、検知した状態を表す検知信号を、車載機に送信させる操作を操作部が受けた後から所定の時間に渡って、検知信号を送信するよう要求する要求信号を定期的に送信するよう送信部を制御する請求項1に記載の携帯機。
【請求項3】
制御信号は、車両に搭載されたエンジンを始動するよう車載機を制御する信号を含み、
受信部は、制御信号に応じてエンジンを制御した結果を表す応答信号を受信し、
制御部は、送信部が制御信号を送信した後に、車載機が要求信号に応じて検知信号を送信するために要する第1の時間よりも長い第2の時間に渡って応答信号を受信可能な状態に受信部を制御する請求項1又は2に記載の携帯機。
【請求項4】
車両を制御する車載機と無線通信を行って、車載機に車両を制御させる制御方法であって、
車両に所望の制御を実行させるためのユーザの操作に応じた制御信号を送信する送信ステップと、
車両からの信号を受信部が受信する受信ステップと、
受信ステップで受信した信号に応じた表示を行う表示ステップと、
送信ステップで制御信号を送信した後から所定時間、受信部を電池から供給される電力により車載機から送信される信号を受信可能な状態とし、該所定時間経過した場合に該受信可能な状態を解除する制御ステップとを備える制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−173384(P2010−173384A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16021(P2009−16021)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】