携帯端末装置
【課題】タッチパネル上に表示された操作キー群を所望のレイアウトに簡単に変更することができ、操作性を向上できる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】操作キー群を表示部4に表示して、タッチパネル5を介して入力操作するようにした携帯端末装置1は、表示部4に表示された操作キー群の表示範囲内の一点を起点としたタッチパネル5による連続する移動入力を検知して、起点と対応する一点を定点として、連続する移動入力に応じて起点を移動させるとともに、この起点の移動に応じて操作キー群の表示範囲を拡大または縮小するとともに操作キー群の少なくとも一部を拡大または縮小して、操作キー群のレイアウトを変更する制御手段11を備える。
【解決手段】操作キー群を表示部4に表示して、タッチパネル5を介して入力操作するようにした携帯端末装置1は、表示部4に表示された操作キー群の表示範囲内の一点を起点としたタッチパネル5による連続する移動入力を検知して、起点と対応する一点を定点として、連続する移動入力に応じて起点を移動させるとともに、この起点の移動に応じて操作キー群の表示範囲を拡大または縮小するとともに操作キー群の少なくとも一部を拡大または縮小して、操作キー群のレイアウトを変更する制御手段11を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関し、特に、情報の入力に際しタッチパネルを使用する携帯端末装置における操作キー群のレイアウトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータのみならず、携帯電話等の携帯端末装置においても、電子メールをはじめとする各種情報を手入力することによってやり取りする機会が急増している。
【0003】
携帯端末装置においては、デスクトップ・パーソナルコンピュータの場合とは異なり、携帯するために端末本体を小型化する必要がある。それに伴って、キー入力系の小型化と、一定の操作性の確保という相反する要求のバランスをとらなければならない。したがって、この種の携帯端末装置において、キー入力に際しての操作性を向上させる各種技術が所望されている。
【0004】
従来の携帯端末装置におけるキー入力の操作性向上の技術として、例えば、ユーザが表示画面の見方を変更する場合、即ち携帯端末装置の向きを変更して操作する場合、キー操作系のキーの配置またはキー操作部の表示の設定を変更することにより、ユーザがキー操作する際のストレスを軽減できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0005】
これらの特許文献に記載された技術によれば、携帯端末装置の向きを変えて操作する場合であっても、携帯端末装置の向きの変更に合わせて操作キーも回転させることにより、ユーザに対して操作キーを常に一定方向に維持できるため、ユーザが携帯端末装置の向きに応じたキー配列を覚える必要はなくなり、さらに、携帯端末装置を右手で持って操作する場合にも左手で持って操作する場合にも、それぞれの場合に対応させて、操作キーを反転させるなどすることで、一定の操作性を維持することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−51124号公報
【特許文献2】特開2005−12493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献に開示された技術は、本質的には、情報が表示される表示画面の視認性を種々の向きにおいても確保するか、または端末本体の持ち位置、即ち端末本体を右手で操作するか左手で操作するか、を変更した際でも元の操作性を維持するための技術であり、通常使用時におけるキー入力そのものの操作性を向上させるものではない。
【0008】
これらの従来の携帯端末装置は、通常使用時にはどのユーザも同じキーの構成に従って操作を行うものであり、結局は各ユーザ側が携帯端末装置に適応して操作せざるを得なかった。利用者の手の大きさや端末装置を持つ位置等による指の可動範囲は考慮されておらず、現在のキーのレイアウトでは使いにくいと感じられても、基本的にキーのレイアウトを変更したり修正したりして操作性を向上させることはできない。このためユーザによっては端末装置を使いにくい場合もあるという問題があった。
【0009】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、タッチパネル上に表示された操作キー群を所望のレイアウトに簡単に変更することができ、操作性を向上できる携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する請求項1に係る携帯端末装置の発明は、
操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置であって、
前記表示部に表示された前記操作キー群の表示範囲内の一点を起点とした前記タッチパネルによる連続する移動入力を検知して、前記起点と対応する一点を定点として、前記連続する移動入力に応じて前記起点を移動させるとともに、該起点の移動に応じて操作キー群の表示範囲を拡大または縮小するとともに前記操作キー群の少なくとも一部を拡大または縮小して、前記操作キー群のレイアウトを変更する制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記制御手段は、前記起点周辺を高い拡大率で、かつ前記定点の周辺を低い拡大率で拡大するように前記操作キー群のレイアウトを変更することを特徴とするものである。
【0012】
さらに、請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の携帯端末機器において、
前記定点は、前記操作キー群の前記表示範囲を、該表示範囲の中心を交点とする2本の直線により4分割し、前記起点を含む領域と対角をなす領域において前記中心からの距離が最長となる点とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、操作キー群の表示範囲内の一点を起点としたタッチパネルによる連続する移動入力を検知して、起点と対応する一点を定点として、連続する移動入力に応じて起点を移動させるとともに、この起点の移動に応じて操作キー群の表示範囲を拡大または縮小するとともに操作キー群の少なくとも一部を拡大または縮小するようにしたので、ユーザがタッチパネル上をドラッグする(なぞる)動作をすることにより、タッチパネル上に表示された操作キー群を所望のレイアウトに簡単に変更することができ、操作性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末装置としての携帯電話の概略を示す図である。
【0016】
この携帯端末装置1では、ユーザが指等で入力操作を行う矩形状の入力部2と、入力された情報等を表示するモニタ部3とを有している。入力部2は、図2に概略断面図で示すように、操作キー群を表示する表示部であるディスプレイ4と、その上に配置された、マトリクス状に配置された多数の接点を有するタッチパネル5とを具えており、このタッチパネル5はディスプレイ4と連動してキー操作の入力を受け付けるようになっている。したがって、例えば、ユーザがディスプレイ4上に表示された操作キーの数字の「1」の部分に指で触れようとすると、実際にはそのディスプレイ4の前面にあってディスプレイ4の「1」の表示部分と対応するタッチパネル5の部分に触れたことになり、このタッチパネル5はその部分に対応する信号を出力するようになっている。
【0017】
図3は、本実施の形態に係る携帯端末装置1に関する制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【0018】
携帯端末装置1は、前述したディスプレイ4およびタッチパネル5と、操作キー群のレイアウト(キーレイアウト)をディスプレイ4に表示するためのレイアウト表示手段6と、操作キー群のレイアウト設定に際し操作キー群のレイアウト可能な範囲を決定する範囲決定手段7および位置を決定する位置決定手段8と、操作キー群のレイアウトおよび操作キー群のレイアウトに対応するタッチパネル5の入力パターン等を複数格納しているメモリ9と、範囲決定手段7および位置決定手段8によって決定されたデータに対応するパターンのデータをメモリ9より選択する選択手段10と、およびディスプレイ4に表示された操作キー群のレイアウトの変更制御を含む全体の動作を制御する制御手段11とを具えている。
【0019】
以下、本実施の形態による操作キー群レイアウト方法の概略について説明する。
【0020】
ユーザが携帯端末装置1を片手で持って使用している際に、初期設定によって表示されている操作キー群のレイアウトではキー操作がしづらい、または現在使用している操作キー群のレイアウト表示ではキー操作がしづらいと感じた場合に、図4に示すように、ユーザはタッチパネル5上にて、キー操作に通常使用する指を用いて、ほぼ円形または多角形等の簡単な線図12(以下、円形状線図という)を一筆書き状に描く。この際、タッチパネル5上に描かれる線図12に対して、対応するディスプレイ4の場所にリアルタイムに軌跡がドットで描かれるようにすることで、ユーザが入力した実際の線図12を確認し易くすることもできる。
【0021】
通常のキー操作では、タッチパネル上に触れる指は一地点に一瞬触れるだけであるので、このように意図して円形状線図12を描く動作のように連続する入力とは区別することができる。携帯端末装置1は、この連続入力を検出して、操作キー群レイアウト設定モードに切り換える。
【0022】
なお、操作キー群レイアウト設定モードへの切換手段(操作キー等)を別途設け、この切換手段により操作キー群レイアウト設定モードに切り換えてから、表示位置および範囲の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0023】
位置決定手段8は、ユーザが描いた円形状線図12の情報に基づいて、操作キー群の表示位置を決定し、範囲決定手段7は操作キー群の表示範囲を決定する。この際、位置決定手段8は、ユーザが円形状線図12を書き始める位置や描く軌跡の始点から終点までの向き等から、ユーザの入力が右手操作によるものか左手操作によるものかを決定し、さらに範囲決定手段7は、ユーザが指で描いた円形状線図12の内側を指が無理なく届く可動範囲13と決定し、これに基づいて操作キー群の表示範囲の決定を行う。
【0024】
なお、先に描いた円形状線図12では操作キー群のレイアウトが小さすぎるものになるだろうとユーザが判断したときは、連続してより面積の広い円形状線図12を描くことも可能である。このためには、タッチパネル5に指が最初に触れることで連続動作が開始し、円形状線図12を描いている指がタッチパネルから離れた事をトリガーとして連続入力は終了し入力動作は完了と見なし、対応する信号を決定手段7および8に送信するようにすることが望ましい。円形状線図12を描くという意識的な動作をユーザが行うことによって携帯端末装置1を操作キー群レイアウト設定モードに切り換えるようにすることで、通常のキー操作の際に、操作キーに指が少し触れただけで範囲決定手段7または位置決定手段8が起動してしまうというような誤動作を防ぐことができる。
【0025】
範囲決定手段7で決定された可動範囲13があまりにも小さく、それに対応した操作キー群のレイアウトを仮に表示したとしても有効なキー操作は出来ないと判断される場合は、操作キー群レイアウト設定モードになる直前まで使用されていた標準のキーレイアウトまたは初期設定時のキーレイアウトを選び、これをディスプレイ4に表示するようにする。
【0026】
なお、このように、描かれた円形状線図12があまりにも小さい場合には、警告音を鳴らしユーザに注意を喚起することで再入力を求めたり、以前のキーレイアウト(または初期設定時のキーレイアウト)が選択されたことを知らせるようにしたりすることもできる。携帯端末装置1本体を片手だけで握った状態で使用する場合には、通常操作時にユーザがキー操作に使用する指は親指であることがほとんどであると想定される。このため、操作キー群のレイアウトがあまりにも小さく設定されるような場合は、上記のように警告を発したり予め設定したキーレイアウトを使用したりすることで、ユーザに誤入力し易いキーレイアウトを提供してしまうことを防ぐことができる。
【0027】
さらに、長時間キー入力がされない状態では、電池の消耗を防ぐため、ディスプレイ4を駆動しないスリープモード(省エネモード)に設定するようにもできる。この場合は、指などによる一筆書き動作によりタッチパネル5上に線図を描くことでスリープモードを解除して、この軌跡をディスプレイ4上に表示することも可能である。もちろん、タッチパネル5上の一地点に指が一瞬触れる場合には、通常のキー操作のモードに移行することもできる。
【0028】
図5に示すフローチャートを参照して、本実施の形態にかかる携帯端末装置1の操作キー群レイアウト方法をさらに詳細に説明する。
【0029】
先ずステップS101で、ユーザが指などでタッチパネル5に触れたことを検出し、その際にスリープモードにある場合には、ステップS102にてスリープモード(省エネモード)を解除する。
【0030】
次にステップS103において、ユーザが指などでタッチパネル5の表面に一筆書き状に円形状線図12を描くことで連続的な入力が行われているかどうかを判断し、タッチパネル5の入力が連続入力でない、即ちユーザが通常操作を望んでいると判断した場合はステップS104へ進む。ここでは、直前まで使用していたキーレイアウトを表示させる設定がされているかどうかを判断する。直前のキーレイアウトを使用する設定がされていない場合はステップS105に進み、メモリ9に格納されているデフォルト設定のキーレイアウトをディスプレイ4に表示してステップS115に進む。この場合、制御手段11によって選択手段10がメモリ9からデフォルトのキーレイアウトのデータを取り出すように制御する。
【0031】
またステップS104にて直前まで使用していたキーレイアウトを使用する設定がされている場合には、ステップS106にて直前まで使用されていたキーレイアウトをディスプレイ4に表示してステップS115に進む。
【0032】
一方、ステップS103にてタッチパネル5の表面に連続的な入力がされたと判断した場合は、ユーザが操作キー群のレイアウトの変更を望んでいるものと判断し、ステップS107で操作キー群のレイアウトの設定を行うため操作キー群レイアウト設定モードに切り換える。
【0033】
次にステップS108では、タッチパネル5にユーザの指などが触れて入力が行われていることを示すために、指が触れた位置の軌跡をディスプレイ4上にドット表示をするようにする。
【0034】
その後、ステップS109では、ユーザの指などがタッチパネル5から離れることにより連続入力が終了したかどうかを判断し、連続入力が終了していない場合は引き続きステップ108にて軌跡をディスプレイ4にドット表示する。これにより、ユーザは自分の描いた軌跡を確認することができ、入力位置をリアルタイムで見ることができ、描いた線図が小さ過ぎると感じる場合には、引き続きさらに大きな線図を描くこともできる。
【0035】
ステップS109にて、ユーザがタッチパネル5から指などを離したと判断した、即ち円形状線図12の連続入力が終了したと判断した場合は、ステップS110に進む。
【0036】
ステップS110では、円形状線図12が複数回描かれているか否かを判断し、線図が複数回描かれている場合には、ステップS111において大きい軌跡の形状を選択して、ステップS112へ移行する。
【0037】
これに対し、ステップS110で円形状線図12が複数存在しない場合は、現在描かれている線図を選択してからステップS112へ移行する。
【0038】
ステップS112では、選択された線図に基づく位置および範囲に、予め設定された最小のキーレイアウトの配置の設定が可能かどうかを判断する。最小のキーレイアウトを配置する設定ができない場合、または選択された線図に基づく適切なキーレイアウトが見つからない場合はステップS113に進んでユーザにその旨を警告し、ステップS103の連続入力に戻る。こうすることにより、あまりにも小さく非実用的なキーレイアウトが選択されてしまうことが防止できる。
【0039】
ステップS112にて、線図に基づく位置および範囲にキーレイアウトの表示が可能であると判断されると、ステップS200のキーレイアウト処理へと進む。ステップS200におけるキーレイアウト処理については後述する。
【0040】
ステップS114で、キーレイアウト処理された情報に基づくキーレイアウトを、制御手段11によってメモリ9から読み取り、ディスプレイ4の指定された位置および範囲に表示し、ステップS115に移行する。
【0041】
ステップS115では、タッチパネル5にユーザの指などが触れたかどうかを判断し、触れたと判断された場合はステップS116にてキー入力の処理を行う。これは通常のキー操作を行うモード、つまり操作キー群レイアウト設定モードではない場合のキー操作を想定している。
【0042】
ディスプレイ4に表示された各キーの位置に相当する場所のタッチパネル5をユーザが指などで触れた場合には、そのキーが押圧されたものとして認識して、確認音を出すと共にキー入力処理を行う。ステップS116でキー入力処理をした後はステップS115に戻り、次のキー入力を待つ。
【0043】
ステップS115にてタッチパネル5からのキー入力がないと判断した場合にはステップS117に進み、最後にキー入力がなされた時からの時間を計測して、それが予め設定された時間内で有ればステップS115に戻り、次のキー入力を待つ。これに対し、予め設定された時間を経過しても何らキー入力が無い場合にはステップS118に進み、ディスプレイ4をスリープモードに切り換える。
【0044】
図6(A)および(B)は、本実施の形態に係る操作キー群レイアウト方法によるキーのレイアウト例を示す図である。
【0045】
ユーザがタッチパネル5上にて、例えば円形状線図12を描くことにより、この軌跡の内側が指を無理なく動かせる可動範囲13として決定される。この時、この軌跡を範囲決定手段7が読み取ることにより範囲が決定される。こうして決定された範囲に基づいたキーレイアウトが選択手段10によりメモリ9から読み出され、このキーレイアウトがレイアウト表示手段6によってディスプレイ4に表示される。これらの制御は、制御手段11により行われ、またメモリ9には、様々な場合に対応した多数のキーレイアウトが予め記憶されている。
【0046】
メモリ9に記憶されているキーレイアウトのパターンとしては、例えば、ユーザの描いた円形状線図12の内側にキーレイアウト全体が収まるようにする、図6(A)に示すパターン、および、ユーザの描いた円形状線図12のライン上は指の可動範囲13に含まれると想定して、キーレイアウト全体の四隅に配置される4つの各キーの中心あたりを軌跡が通過するようにキー全体をレイアウトする、図6(B)に示すパターンなどが考えられる。
【0047】
また、一部のキー、例えば「電話」、「マナー」および「切」などのキーは、携帯端末装置にて電子メールの入力をする際には使用頻度が低いキーであるとみなすことにより、これらのキーを除外した状態でのキーレイアウト全体の四隅に配列される4つのキー(例えばこの場合は「1」、「3」、「#」および「※」)などを基準として、図6(A)または図6(B)に示すようなキーレイアウトのパターンの構成を設定しておくこともできる。
【0048】
次に、前述したステップS200のキーレイアウト処理を、図7に示すフローチャートについて説明する。なお、この例においては、縦横比が固定されているキーのレイアウトのパターンがメモリ9に多数記憶されているものとして説明する。
【0049】
まずステップS201では、タッチパネル5に描かれる円形状線図12から、描かれた図形の重心を求める。この時、描かれた図形が閉じた図形でない場合には、始点と終点を結ぶ処理を行い、近似的に円形状にすることも可能である。
【0050】
次にステップS202では、図8に示すように、重心から角度α方向の距離を算出する。角度αとは、図形の重心を原点として、矩形の入力部2の各辺に直交するx軸およびy軸をとった場合に、x軸からの所定の角度である。例えばα=45°とすることができる。ステップS201にて求めた重心をOとして、角度±α方向に引いた2直線と軌跡の図形との交点4箇所を、それぞれa、b、cおよびdとして、線分Oa、Ob、OcおよびOdの長さを求める。
【0051】
次にステップS203では、線分Oa、Ob、OcおよびOdのうち、長さが最短のものを選択し、それを線AとしてステップS204に移行する。ここでは、例えば線分Oaが最短、即ちOa=Aであるものとする。
【0052】
ステップS204では、軌跡内に収まる基準キーレイアウトをメモリ9より選択する。ここで図9に示すように、線分Oaが最短(Oa=A)であるので、ユーザの描いた円形状線図12が点P1を通過するA≧A’となるようなキーレイアウトを選択する。このキーレイアウトはユーザの指が描いた円形状線図12の軌跡に内包されることになる。
【0053】
次にステップS205では、ユーザが、大きめの、即ちキーの間隔が大きいキーレイアウトを望む場合に、もう少し拡大されたキーレイアウトを選択することができるかどうかを判定する。例えば、A≒B’となるようなキーレイアウトは、ユーザの描いた線図がP2を通過することになり、先ほどのA≧A’となるキーレイアウトよりも大きな構成となる。同様に、A≒C’となるようなキーレイアウトでは、ユーザの描いた線図がP3を通過することになり、先ほどのA≒B’となるキーレイアウトよりもさらに大きな構成となる。
【0054】
ステップS205において、円形状線図12が、ディスプレイ4のキー表示エリアの範囲内にて最大の大きさで描かれていた場合は、線図の軌跡に内包されるキーレイアウト(A≧A’)が最大のレイアウトになるので、ステップS207にてメモリ9を参照してこのキーレイアウトを読み込み、それをディスプレイ4に表示する。
【0055】
一方、ステップS205にて、A≒A’の場合よりもさらに大きなキーレイアウトが表示可能であると判断された場合には、ステップS206に進む。
【0056】
ステップS206では、ユーザが、描く線図に対してどの程度の大きさのキーレイアウトを所望しているかが予め設定されているかどうかが判断される。即ち、ユーザによって、描いた線図に全体が内包されるようなキーレイアウトを望むのか、四隅のキー(例えば「電話」、「切」、「#」および「※」のキー)それぞれの中心が線図のほぼライン上に来るようなキーレイアウトを望むのか、または四隅のキーが線図に外接するようなキーレイアウトを望むのか、ユーザが予め設定しているかどうかが判断される。
【0057】
ステップS206にて、所望のキーレイアウトについてユーザ設定がなされている場合には、ステップS207にてそれに対応するキーレイアウトがメモリ参照されて、ディスプレイ4に表示される。一方ユーザ設定がされていない場合には、ステップS214にてユーザに基準位置の設定の入力を促し、ステップS207にてそれに対応するキーレイアウトをメモリ9から参照して、ディスプレイ4に表示する。
【0058】
このようにして、ユーザに簡単な指の操作を要求するだけで、指の可動範囲を考慮したキーレイアウトを構成することができる。
【0059】
次に、本実施の形態の携帯端末装置1による操作キー群のレイアウト変更動作の要部について説明する。
【0060】
本実施の形態においては、例えば携帯端末装置1の用途を電話機能からメール作成機能に切り換えるなど、何らかの理由により現在のキーレイアウトでは操作しづらいと感じられる場合などに、その時の使用態様に応じてキーレイアウトを簡単に変更することを可能にする。
【0061】
図10(a)は、上述のようにしてディスプレイ4上に表示された操作キー群のレイアウトであり、各キーのサイズは同じになっている。すなわち、各キーの横方向のサイズはX11=X12=X13であり、また縦方向のサイズはY11=Y12=Y13=Y14=Y15となっている。
【0062】
次に、ユーザがキーレイアウトを変更することを所望する場合には、例えばキーレイアウト全体の枠の右下の一点、つまり「#」のキーの右下(ポイントXY1)に相当する位置をタッチパネル5にて指などで押圧し、そのまま図10(b)の矢印が示すキーレイアウト枠の外側の一点(例えばポイントXY2)までドラッグ(触れたままなぞる)動作をしたとする。
【0063】
そうすると、このポイントXY1を押圧ポイント(起点)としたドラッグ動作の情報がタッチパネル5から制御手段11で読み取られ、制御手段11は、この情報に基づいてポイントXY1(起点)と対応する一点(例えばポイントXY)を定点として、連続する移動入力に応じてポイントXY1の表示位置をポイントXY2までドラッグさせるとともに、操作キー群を拡大してレイアウトを変更する。
【0064】
ここで、定点は以下のようにして決定する。すなわち、図11に示すように、キーレイアウト全体の枠の中心点Mを設定し、この中心点Mを通過する任意の2直線L1およびL2によって、キーレイアウトの表示領域を4分割する。例えばユーザが点XYnnを起点としてドラッグ操作を開始したとすると、4分割された領域のうち、点XYnnが押圧された領域と対向する領域の中で、中点Mから最も遠い点を定点XYと設定する。
【0065】
これにより、もともとは、ドラッグ前の押圧ポイント(XY1)とこの押圧ポイントに相対する定点であるポイントXYとの、これら2点を結ぶ線分を対角線とした矩形領域のキーレイアウトだったが、ドラッグ動作の後は、ドラッグ後の押圧ポイント(XY2)と定点のポイントXYとを結ぶ線分を対角線とするキーレイアウトに拡大される。さらに、本実施の形態では、このレイアウトが拡大される際に、各キーの拡大率は、横方向についてはX21<X22<X23の関係に、また縦方向についてはY21<Y22<Y23<Y24<Y25の関係になるように、起点(XY1)となった表示位置の周辺を高い拡大率で、かつ定点(XY)とした表示位置の周辺を低い拡大率で拡大表示する。このようなレイアウトを、メモリ9から参照してディスプレイ4上に表示するか、あるいは制御手段11にてその都度拡大率を算出して表示する。なお、各キーのサイズが変更されるのに伴って、これに対応して各キー上の数字などの文字のフォントのサイズもキーのサイズに合わせて変更させてディスプレイ4に表示させることもできる。
【0066】
また、ドラッグ操作を実行した後に、移動の度合いが過ぎてしまったと感じられる際には、今度は逆方向のドラッグ操作をすることで、図10(b)のような状態にあるレイアウトを図10(a)のような状態にあるレイアウトに戻すことも当然できる。このような作業を行うことにより微調整することで、各ユーザに合ったレイアウトを提供することができる。
【0067】
また、図示していないが、例えば、レイアウト全体の外枠の底辺(つまり「*」、「0」および「#」のキーの下部のライン)上にある一点をタッチパネル5上にて押圧しドラッグ操作すると、キーのレイアウトを縦方向のみ変更することができる。
【0068】
この場合には、各キーのサイズも縦方向の倍率のみが変更されるようになる。すなわち、対向する軸であるレイアウト全体の外枠の上辺(つまり「電話」、「マナー」および「切」のキーの上部のライン)を固定軸として各キーの行方向のサイズの比率はY21<Y22<Y23<Y24<Y25という関係になる。
【0069】
同様に、レイアウト全体の外枠の右側の辺(つまり「切」、「3」、「6」、「9」および「#」のキーの右側のライン)上にある一点をタッチパネル5上にて押圧しドラッグ操作すると、キーのレイアウトを横方向のみ変更することができる。
【0070】
さらに、押圧ポイント(XY1)からX軸上にドラッグするとレイアウトおよび各キーのX軸方向のサイズの比率を変更することができ、Y軸方向にドラッグするとレイアウトおよび各キーのY軸方向のサイズの比率を変更することができる。
【0071】
以上は、キーのレイアウト全体の枠上の一点をドラッグした場合の例について説明したが、次に、キーレイアウト内部の一点をドラッグした場合の例について説明する。これは、ある特定のキーを中心として拡大をかけることにより、使用頻度の高いキーなどが大きく使い易いようなレイアウトが所望される場合などに用いる。
【0072】
図12(a)は操作キー群のレイアウトに従いディスプレイ4上に最初に表示されたキー群であり、各キーのサイズは同じになっている。すなわち、各キーの横方向のサイズはX41=X42=X43であり、また縦方向のサイズはY41=Y42=Y43=Y44=Y45となっている。
【0073】
この状態から、例えばキーレイアウトの枠内部の右下の一点、つまり「8」のキーの右下(ポイントXY41)に相当する位置(起点)のタッチパネル5を指などで押圧し、そのまま図12(b)の矢印が示すポイントXY51までキーレイアウト枠の外側に向かってドラッグ操作したとする。
【0074】
そうすると、このXY41を押圧ポイント(起点)としたドラッグ動作の情報がタッチパネル5から制御手段11で読み取られ、制御手段11は、この情報に基づいて操作キー群のレイアウトを変更するよう制御を行う。この場合は、ドラッグ前の押圧ポイント(XY41)とこの押圧ポイントに対応する定点となるポイントXYとの2点を結ぶ線分を対角線とした矩形領域のキーレイアウトは、ドラッグ動作の後には、ドラッグ後の押圧ポイント(XY51)と定点であるポイントXYとを結ぶ線分を対角線とするキーレイアウトに拡大され、その他のキーについては、縦方向に配列されているキーは横方向のサイズは変更なく、また横方向に配列されているキーは縦方向のサイズの変更なく拡大されたレイアウトになる。すなわち、キーサイズの横方向の拡大率はX51<X52、X53=X43、縦方向の拡大率はY51<Y52<Y53<Y54、Y55=Y45の関係になるようなキーレイアウトになる。このようなレイアウトを、メモリ9から参照してディスプレイ4上に表示するか、あるいは制御手段11にてその都度拡大率を算出して表示する。
【0075】
図12(b)では、キーのレイアウト全体の枠内のある特定のキーを中心としてキー群を拡大したが、図12(c)に示すように、キーのレイアウト全体の枠の大きさは変えずに、枠内のある特定のキーを中心としてレイアウト全体の枠内の各キーを拡大および縮小して表示することもできる。
【0076】
すなわち、上記と同様のドラッグ操作で、使用頻度の高いキー、例えば「8」キーの右下の位置に相当するタッチパネル5上の一点(図12(a)の起点となるポイントXY41)を押圧し、図12(c)の矢印が示す一点(ポイントXY61)までキーレイアウトの外側に向かってドラッグ操作し、指を離す。この場合には、キーレイアウト全体の枠のサイズは変更されずに、レイアウト全体の枠内の各キーが拡大および縮小される。この例では、X63の列およびY65の行はキーが縮小表示され、他のキーについては、横方向はX61<X62、縦方向はY61<Y62<Y63<Y64となるように拡大されて表示される。このようなレイアウトを、メモリ9から参照してディスプレイ4上に表示するか、あるいは制御手段11にてその都度拡大率および縮小率を算出して表示する。
【0077】
このようにすることで、もともとのキーレイアウト全体の大きさを変更することなく、その中の任意のキーのみのサイズを変更することができる。
【0078】
以上のように、本実施の形態によれば、ユーザはキーレイアウトの任意の地点からドラッグを開始することで、押圧された起点が存在する領域と対向する領域の最遠点を定点としてレイアウトを変更できるので、所望のレイアウトに簡単に変更することができ、操作性を向上できる。
【0079】
なお、本発明は、上述した実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変更または変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、最初にユーザが円形状線図12を描きそれに基づいてキーのレイアウトが設定された後に所望のレイアウトに変更したが、初期設定の状態でデフォルトとして設定されているキーレイアウトをもとに上述のレイアウト変更を行うようにすることも当然できる。
【0080】
また、上記実施の形態では、キーレイアウトの変更動作を行う際に、変更前のレイアウトから指をレイアウトの外側にドラッグすることによってキー群を拡大させたが、最変更前のレイアウトから指をレイアウトの内側にドラッグさせることによって、キー群を縮小させることもできる。この場合には、キーレイアウト全体の外枠の一点をドラッグさせることで縮小させる場合には、レイアウト全体が縮小し、さらにキー群も段階的な縮小率で縮小するようになる。また、キーレイアウト内部の一点をさらに内側にドラッグさせる場合には、特にドラッグしたキーを中心としてキー群を縮小させてレイアウト全体を縮小させる場合の処理と、またはレイアウト全体のサイズは変えずに特にドラッグしたキーを縮小させ周囲のキーは拡大するものと縮小するものを混在させる場合の処理とができる。
【0081】
なお、本発明の各実施の形態に係る携帯端末装置1は、典型的には携帯電話等の端末装置とすることができるが、これに限定されるものではなく、PDA等の携帯端末装置を含む様々な携帯端末装置にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施の形態に係る携帯端末装置の概略を示す図である。
【図2】図1に示す携帯端末装置の入力部の概略断面図である。
【図3】同じく、制御回路の概略ブロック図である。
【図4】図1に示す携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法の概略を説明する図である。
【図5】同じく、操作キー群レイアウトの表示動作を説明するフローチャートである。
【図6】同じく、キーレイアウト例を示す図である。
【図7】図5に示すレイアウト処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図8】同じく、レイアウト処理を説明するための図である。
【図9】同じく、レイアウト処理を説明するための図である。
【図10】レイアウトの変更処理を説明するための図である。
【図11】レイアウトを変更する際の定点の設定を説明するための図である。
【図12】レイアウトの変更処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0083】
1 携帯端末装置
2 入力部
3 モニタ部
4 ディスプレイ
5 タッチパネル
6 レイアウト表示手段
7 範囲決定手段
8 位置決定手段
9 メモリ
10 選択手段
11 制御手段
12 円形状線図
13 可動範囲
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関し、特に、情報の入力に際しタッチパネルを使用する携帯端末装置における操作キー群のレイアウトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータのみならず、携帯電話等の携帯端末装置においても、電子メールをはじめとする各種情報を手入力することによってやり取りする機会が急増している。
【0003】
携帯端末装置においては、デスクトップ・パーソナルコンピュータの場合とは異なり、携帯するために端末本体を小型化する必要がある。それに伴って、キー入力系の小型化と、一定の操作性の確保という相反する要求のバランスをとらなければならない。したがって、この種の携帯端末装置において、キー入力に際しての操作性を向上させる各種技術が所望されている。
【0004】
従来の携帯端末装置におけるキー入力の操作性向上の技術として、例えば、ユーザが表示画面の見方を変更する場合、即ち携帯端末装置の向きを変更して操作する場合、キー操作系のキーの配置またはキー操作部の表示の設定を変更することにより、ユーザがキー操作する際のストレスを軽減できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0005】
これらの特許文献に記載された技術によれば、携帯端末装置の向きを変えて操作する場合であっても、携帯端末装置の向きの変更に合わせて操作キーも回転させることにより、ユーザに対して操作キーを常に一定方向に維持できるため、ユーザが携帯端末装置の向きに応じたキー配列を覚える必要はなくなり、さらに、携帯端末装置を右手で持って操作する場合にも左手で持って操作する場合にも、それぞれの場合に対応させて、操作キーを反転させるなどすることで、一定の操作性を維持することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−51124号公報
【特許文献2】特開2005−12493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献に開示された技術は、本質的には、情報が表示される表示画面の視認性を種々の向きにおいても確保するか、または端末本体の持ち位置、即ち端末本体を右手で操作するか左手で操作するか、を変更した際でも元の操作性を維持するための技術であり、通常使用時におけるキー入力そのものの操作性を向上させるものではない。
【0008】
これらの従来の携帯端末装置は、通常使用時にはどのユーザも同じキーの構成に従って操作を行うものであり、結局は各ユーザ側が携帯端末装置に適応して操作せざるを得なかった。利用者の手の大きさや端末装置を持つ位置等による指の可動範囲は考慮されておらず、現在のキーのレイアウトでは使いにくいと感じられても、基本的にキーのレイアウトを変更したり修正したりして操作性を向上させることはできない。このためユーザによっては端末装置を使いにくい場合もあるという問題があった。
【0009】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、タッチパネル上に表示された操作キー群を所望のレイアウトに簡単に変更することができ、操作性を向上できる携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する請求項1に係る携帯端末装置の発明は、
操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置であって、
前記表示部に表示された前記操作キー群の表示範囲内の一点を起点とした前記タッチパネルによる連続する移動入力を検知して、前記起点と対応する一点を定点として、前記連続する移動入力に応じて前記起点を移動させるとともに、該起点の移動に応じて操作キー群の表示範囲を拡大または縮小するとともに前記操作キー群の少なくとも一部を拡大または縮小して、前記操作キー群のレイアウトを変更する制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記制御手段は、前記起点周辺を高い拡大率で、かつ前記定点の周辺を低い拡大率で拡大するように前記操作キー群のレイアウトを変更することを特徴とするものである。
【0012】
さらに、請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の携帯端末機器において、
前記定点は、前記操作キー群の前記表示範囲を、該表示範囲の中心を交点とする2本の直線により4分割し、前記起点を含む領域と対角をなす領域において前記中心からの距離が最長となる点とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、操作キー群の表示範囲内の一点を起点としたタッチパネルによる連続する移動入力を検知して、起点と対応する一点を定点として、連続する移動入力に応じて起点を移動させるとともに、この起点の移動に応じて操作キー群の表示範囲を拡大または縮小するとともに操作キー群の少なくとも一部を拡大または縮小するようにしたので、ユーザがタッチパネル上をドラッグする(なぞる)動作をすることにより、タッチパネル上に表示された操作キー群を所望のレイアウトに簡単に変更することができ、操作性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末装置としての携帯電話の概略を示す図である。
【0016】
この携帯端末装置1では、ユーザが指等で入力操作を行う矩形状の入力部2と、入力された情報等を表示するモニタ部3とを有している。入力部2は、図2に概略断面図で示すように、操作キー群を表示する表示部であるディスプレイ4と、その上に配置された、マトリクス状に配置された多数の接点を有するタッチパネル5とを具えており、このタッチパネル5はディスプレイ4と連動してキー操作の入力を受け付けるようになっている。したがって、例えば、ユーザがディスプレイ4上に表示された操作キーの数字の「1」の部分に指で触れようとすると、実際にはそのディスプレイ4の前面にあってディスプレイ4の「1」の表示部分と対応するタッチパネル5の部分に触れたことになり、このタッチパネル5はその部分に対応する信号を出力するようになっている。
【0017】
図3は、本実施の形態に係る携帯端末装置1に関する制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【0018】
携帯端末装置1は、前述したディスプレイ4およびタッチパネル5と、操作キー群のレイアウト(キーレイアウト)をディスプレイ4に表示するためのレイアウト表示手段6と、操作キー群のレイアウト設定に際し操作キー群のレイアウト可能な範囲を決定する範囲決定手段7および位置を決定する位置決定手段8と、操作キー群のレイアウトおよび操作キー群のレイアウトに対応するタッチパネル5の入力パターン等を複数格納しているメモリ9と、範囲決定手段7および位置決定手段8によって決定されたデータに対応するパターンのデータをメモリ9より選択する選択手段10と、およびディスプレイ4に表示された操作キー群のレイアウトの変更制御を含む全体の動作を制御する制御手段11とを具えている。
【0019】
以下、本実施の形態による操作キー群レイアウト方法の概略について説明する。
【0020】
ユーザが携帯端末装置1を片手で持って使用している際に、初期設定によって表示されている操作キー群のレイアウトではキー操作がしづらい、または現在使用している操作キー群のレイアウト表示ではキー操作がしづらいと感じた場合に、図4に示すように、ユーザはタッチパネル5上にて、キー操作に通常使用する指を用いて、ほぼ円形または多角形等の簡単な線図12(以下、円形状線図という)を一筆書き状に描く。この際、タッチパネル5上に描かれる線図12に対して、対応するディスプレイ4の場所にリアルタイムに軌跡がドットで描かれるようにすることで、ユーザが入力した実際の線図12を確認し易くすることもできる。
【0021】
通常のキー操作では、タッチパネル上に触れる指は一地点に一瞬触れるだけであるので、このように意図して円形状線図12を描く動作のように連続する入力とは区別することができる。携帯端末装置1は、この連続入力を検出して、操作キー群レイアウト設定モードに切り換える。
【0022】
なお、操作キー群レイアウト設定モードへの切換手段(操作キー等)を別途設け、この切換手段により操作キー群レイアウト設定モードに切り換えてから、表示位置および範囲の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0023】
位置決定手段8は、ユーザが描いた円形状線図12の情報に基づいて、操作キー群の表示位置を決定し、範囲決定手段7は操作キー群の表示範囲を決定する。この際、位置決定手段8は、ユーザが円形状線図12を書き始める位置や描く軌跡の始点から終点までの向き等から、ユーザの入力が右手操作によるものか左手操作によるものかを決定し、さらに範囲決定手段7は、ユーザが指で描いた円形状線図12の内側を指が無理なく届く可動範囲13と決定し、これに基づいて操作キー群の表示範囲の決定を行う。
【0024】
なお、先に描いた円形状線図12では操作キー群のレイアウトが小さすぎるものになるだろうとユーザが判断したときは、連続してより面積の広い円形状線図12を描くことも可能である。このためには、タッチパネル5に指が最初に触れることで連続動作が開始し、円形状線図12を描いている指がタッチパネルから離れた事をトリガーとして連続入力は終了し入力動作は完了と見なし、対応する信号を決定手段7および8に送信するようにすることが望ましい。円形状線図12を描くという意識的な動作をユーザが行うことによって携帯端末装置1を操作キー群レイアウト設定モードに切り換えるようにすることで、通常のキー操作の際に、操作キーに指が少し触れただけで範囲決定手段7または位置決定手段8が起動してしまうというような誤動作を防ぐことができる。
【0025】
範囲決定手段7で決定された可動範囲13があまりにも小さく、それに対応した操作キー群のレイアウトを仮に表示したとしても有効なキー操作は出来ないと判断される場合は、操作キー群レイアウト設定モードになる直前まで使用されていた標準のキーレイアウトまたは初期設定時のキーレイアウトを選び、これをディスプレイ4に表示するようにする。
【0026】
なお、このように、描かれた円形状線図12があまりにも小さい場合には、警告音を鳴らしユーザに注意を喚起することで再入力を求めたり、以前のキーレイアウト(または初期設定時のキーレイアウト)が選択されたことを知らせるようにしたりすることもできる。携帯端末装置1本体を片手だけで握った状態で使用する場合には、通常操作時にユーザがキー操作に使用する指は親指であることがほとんどであると想定される。このため、操作キー群のレイアウトがあまりにも小さく設定されるような場合は、上記のように警告を発したり予め設定したキーレイアウトを使用したりすることで、ユーザに誤入力し易いキーレイアウトを提供してしまうことを防ぐことができる。
【0027】
さらに、長時間キー入力がされない状態では、電池の消耗を防ぐため、ディスプレイ4を駆動しないスリープモード(省エネモード)に設定するようにもできる。この場合は、指などによる一筆書き動作によりタッチパネル5上に線図を描くことでスリープモードを解除して、この軌跡をディスプレイ4上に表示することも可能である。もちろん、タッチパネル5上の一地点に指が一瞬触れる場合には、通常のキー操作のモードに移行することもできる。
【0028】
図5に示すフローチャートを参照して、本実施の形態にかかる携帯端末装置1の操作キー群レイアウト方法をさらに詳細に説明する。
【0029】
先ずステップS101で、ユーザが指などでタッチパネル5に触れたことを検出し、その際にスリープモードにある場合には、ステップS102にてスリープモード(省エネモード)を解除する。
【0030】
次にステップS103において、ユーザが指などでタッチパネル5の表面に一筆書き状に円形状線図12を描くことで連続的な入力が行われているかどうかを判断し、タッチパネル5の入力が連続入力でない、即ちユーザが通常操作を望んでいると判断した場合はステップS104へ進む。ここでは、直前まで使用していたキーレイアウトを表示させる設定がされているかどうかを判断する。直前のキーレイアウトを使用する設定がされていない場合はステップS105に進み、メモリ9に格納されているデフォルト設定のキーレイアウトをディスプレイ4に表示してステップS115に進む。この場合、制御手段11によって選択手段10がメモリ9からデフォルトのキーレイアウトのデータを取り出すように制御する。
【0031】
またステップS104にて直前まで使用していたキーレイアウトを使用する設定がされている場合には、ステップS106にて直前まで使用されていたキーレイアウトをディスプレイ4に表示してステップS115に進む。
【0032】
一方、ステップS103にてタッチパネル5の表面に連続的な入力がされたと判断した場合は、ユーザが操作キー群のレイアウトの変更を望んでいるものと判断し、ステップS107で操作キー群のレイアウトの設定を行うため操作キー群レイアウト設定モードに切り換える。
【0033】
次にステップS108では、タッチパネル5にユーザの指などが触れて入力が行われていることを示すために、指が触れた位置の軌跡をディスプレイ4上にドット表示をするようにする。
【0034】
その後、ステップS109では、ユーザの指などがタッチパネル5から離れることにより連続入力が終了したかどうかを判断し、連続入力が終了していない場合は引き続きステップ108にて軌跡をディスプレイ4にドット表示する。これにより、ユーザは自分の描いた軌跡を確認することができ、入力位置をリアルタイムで見ることができ、描いた線図が小さ過ぎると感じる場合には、引き続きさらに大きな線図を描くこともできる。
【0035】
ステップS109にて、ユーザがタッチパネル5から指などを離したと判断した、即ち円形状線図12の連続入力が終了したと判断した場合は、ステップS110に進む。
【0036】
ステップS110では、円形状線図12が複数回描かれているか否かを判断し、線図が複数回描かれている場合には、ステップS111において大きい軌跡の形状を選択して、ステップS112へ移行する。
【0037】
これに対し、ステップS110で円形状線図12が複数存在しない場合は、現在描かれている線図を選択してからステップS112へ移行する。
【0038】
ステップS112では、選択された線図に基づく位置および範囲に、予め設定された最小のキーレイアウトの配置の設定が可能かどうかを判断する。最小のキーレイアウトを配置する設定ができない場合、または選択された線図に基づく適切なキーレイアウトが見つからない場合はステップS113に進んでユーザにその旨を警告し、ステップS103の連続入力に戻る。こうすることにより、あまりにも小さく非実用的なキーレイアウトが選択されてしまうことが防止できる。
【0039】
ステップS112にて、線図に基づく位置および範囲にキーレイアウトの表示が可能であると判断されると、ステップS200のキーレイアウト処理へと進む。ステップS200におけるキーレイアウト処理については後述する。
【0040】
ステップS114で、キーレイアウト処理された情報に基づくキーレイアウトを、制御手段11によってメモリ9から読み取り、ディスプレイ4の指定された位置および範囲に表示し、ステップS115に移行する。
【0041】
ステップS115では、タッチパネル5にユーザの指などが触れたかどうかを判断し、触れたと判断された場合はステップS116にてキー入力の処理を行う。これは通常のキー操作を行うモード、つまり操作キー群レイアウト設定モードではない場合のキー操作を想定している。
【0042】
ディスプレイ4に表示された各キーの位置に相当する場所のタッチパネル5をユーザが指などで触れた場合には、そのキーが押圧されたものとして認識して、確認音を出すと共にキー入力処理を行う。ステップS116でキー入力処理をした後はステップS115に戻り、次のキー入力を待つ。
【0043】
ステップS115にてタッチパネル5からのキー入力がないと判断した場合にはステップS117に進み、最後にキー入力がなされた時からの時間を計測して、それが予め設定された時間内で有ればステップS115に戻り、次のキー入力を待つ。これに対し、予め設定された時間を経過しても何らキー入力が無い場合にはステップS118に進み、ディスプレイ4をスリープモードに切り換える。
【0044】
図6(A)および(B)は、本実施の形態に係る操作キー群レイアウト方法によるキーのレイアウト例を示す図である。
【0045】
ユーザがタッチパネル5上にて、例えば円形状線図12を描くことにより、この軌跡の内側が指を無理なく動かせる可動範囲13として決定される。この時、この軌跡を範囲決定手段7が読み取ることにより範囲が決定される。こうして決定された範囲に基づいたキーレイアウトが選択手段10によりメモリ9から読み出され、このキーレイアウトがレイアウト表示手段6によってディスプレイ4に表示される。これらの制御は、制御手段11により行われ、またメモリ9には、様々な場合に対応した多数のキーレイアウトが予め記憶されている。
【0046】
メモリ9に記憶されているキーレイアウトのパターンとしては、例えば、ユーザの描いた円形状線図12の内側にキーレイアウト全体が収まるようにする、図6(A)に示すパターン、および、ユーザの描いた円形状線図12のライン上は指の可動範囲13に含まれると想定して、キーレイアウト全体の四隅に配置される4つの各キーの中心あたりを軌跡が通過するようにキー全体をレイアウトする、図6(B)に示すパターンなどが考えられる。
【0047】
また、一部のキー、例えば「電話」、「マナー」および「切」などのキーは、携帯端末装置にて電子メールの入力をする際には使用頻度が低いキーであるとみなすことにより、これらのキーを除外した状態でのキーレイアウト全体の四隅に配列される4つのキー(例えばこの場合は「1」、「3」、「#」および「※」)などを基準として、図6(A)または図6(B)に示すようなキーレイアウトのパターンの構成を設定しておくこともできる。
【0048】
次に、前述したステップS200のキーレイアウト処理を、図7に示すフローチャートについて説明する。なお、この例においては、縦横比が固定されているキーのレイアウトのパターンがメモリ9に多数記憶されているものとして説明する。
【0049】
まずステップS201では、タッチパネル5に描かれる円形状線図12から、描かれた図形の重心を求める。この時、描かれた図形が閉じた図形でない場合には、始点と終点を結ぶ処理を行い、近似的に円形状にすることも可能である。
【0050】
次にステップS202では、図8に示すように、重心から角度α方向の距離を算出する。角度αとは、図形の重心を原点として、矩形の入力部2の各辺に直交するx軸およびy軸をとった場合に、x軸からの所定の角度である。例えばα=45°とすることができる。ステップS201にて求めた重心をOとして、角度±α方向に引いた2直線と軌跡の図形との交点4箇所を、それぞれa、b、cおよびdとして、線分Oa、Ob、OcおよびOdの長さを求める。
【0051】
次にステップS203では、線分Oa、Ob、OcおよびOdのうち、長さが最短のものを選択し、それを線AとしてステップS204に移行する。ここでは、例えば線分Oaが最短、即ちOa=Aであるものとする。
【0052】
ステップS204では、軌跡内に収まる基準キーレイアウトをメモリ9より選択する。ここで図9に示すように、線分Oaが最短(Oa=A)であるので、ユーザの描いた円形状線図12が点P1を通過するA≧A’となるようなキーレイアウトを選択する。このキーレイアウトはユーザの指が描いた円形状線図12の軌跡に内包されることになる。
【0053】
次にステップS205では、ユーザが、大きめの、即ちキーの間隔が大きいキーレイアウトを望む場合に、もう少し拡大されたキーレイアウトを選択することができるかどうかを判定する。例えば、A≒B’となるようなキーレイアウトは、ユーザの描いた線図がP2を通過することになり、先ほどのA≧A’となるキーレイアウトよりも大きな構成となる。同様に、A≒C’となるようなキーレイアウトでは、ユーザの描いた線図がP3を通過することになり、先ほどのA≒B’となるキーレイアウトよりもさらに大きな構成となる。
【0054】
ステップS205において、円形状線図12が、ディスプレイ4のキー表示エリアの範囲内にて最大の大きさで描かれていた場合は、線図の軌跡に内包されるキーレイアウト(A≧A’)が最大のレイアウトになるので、ステップS207にてメモリ9を参照してこのキーレイアウトを読み込み、それをディスプレイ4に表示する。
【0055】
一方、ステップS205にて、A≒A’の場合よりもさらに大きなキーレイアウトが表示可能であると判断された場合には、ステップS206に進む。
【0056】
ステップS206では、ユーザが、描く線図に対してどの程度の大きさのキーレイアウトを所望しているかが予め設定されているかどうかが判断される。即ち、ユーザによって、描いた線図に全体が内包されるようなキーレイアウトを望むのか、四隅のキー(例えば「電話」、「切」、「#」および「※」のキー)それぞれの中心が線図のほぼライン上に来るようなキーレイアウトを望むのか、または四隅のキーが線図に外接するようなキーレイアウトを望むのか、ユーザが予め設定しているかどうかが判断される。
【0057】
ステップS206にて、所望のキーレイアウトについてユーザ設定がなされている場合には、ステップS207にてそれに対応するキーレイアウトがメモリ参照されて、ディスプレイ4に表示される。一方ユーザ設定がされていない場合には、ステップS214にてユーザに基準位置の設定の入力を促し、ステップS207にてそれに対応するキーレイアウトをメモリ9から参照して、ディスプレイ4に表示する。
【0058】
このようにして、ユーザに簡単な指の操作を要求するだけで、指の可動範囲を考慮したキーレイアウトを構成することができる。
【0059】
次に、本実施の形態の携帯端末装置1による操作キー群のレイアウト変更動作の要部について説明する。
【0060】
本実施の形態においては、例えば携帯端末装置1の用途を電話機能からメール作成機能に切り換えるなど、何らかの理由により現在のキーレイアウトでは操作しづらいと感じられる場合などに、その時の使用態様に応じてキーレイアウトを簡単に変更することを可能にする。
【0061】
図10(a)は、上述のようにしてディスプレイ4上に表示された操作キー群のレイアウトであり、各キーのサイズは同じになっている。すなわち、各キーの横方向のサイズはX11=X12=X13であり、また縦方向のサイズはY11=Y12=Y13=Y14=Y15となっている。
【0062】
次に、ユーザがキーレイアウトを変更することを所望する場合には、例えばキーレイアウト全体の枠の右下の一点、つまり「#」のキーの右下(ポイントXY1)に相当する位置をタッチパネル5にて指などで押圧し、そのまま図10(b)の矢印が示すキーレイアウト枠の外側の一点(例えばポイントXY2)までドラッグ(触れたままなぞる)動作をしたとする。
【0063】
そうすると、このポイントXY1を押圧ポイント(起点)としたドラッグ動作の情報がタッチパネル5から制御手段11で読み取られ、制御手段11は、この情報に基づいてポイントXY1(起点)と対応する一点(例えばポイントXY)を定点として、連続する移動入力に応じてポイントXY1の表示位置をポイントXY2までドラッグさせるとともに、操作キー群を拡大してレイアウトを変更する。
【0064】
ここで、定点は以下のようにして決定する。すなわち、図11に示すように、キーレイアウト全体の枠の中心点Mを設定し、この中心点Mを通過する任意の2直線L1およびL2によって、キーレイアウトの表示領域を4分割する。例えばユーザが点XYnnを起点としてドラッグ操作を開始したとすると、4分割された領域のうち、点XYnnが押圧された領域と対向する領域の中で、中点Mから最も遠い点を定点XYと設定する。
【0065】
これにより、もともとは、ドラッグ前の押圧ポイント(XY1)とこの押圧ポイントに相対する定点であるポイントXYとの、これら2点を結ぶ線分を対角線とした矩形領域のキーレイアウトだったが、ドラッグ動作の後は、ドラッグ後の押圧ポイント(XY2)と定点のポイントXYとを結ぶ線分を対角線とするキーレイアウトに拡大される。さらに、本実施の形態では、このレイアウトが拡大される際に、各キーの拡大率は、横方向についてはX21<X22<X23の関係に、また縦方向についてはY21<Y22<Y23<Y24<Y25の関係になるように、起点(XY1)となった表示位置の周辺を高い拡大率で、かつ定点(XY)とした表示位置の周辺を低い拡大率で拡大表示する。このようなレイアウトを、メモリ9から参照してディスプレイ4上に表示するか、あるいは制御手段11にてその都度拡大率を算出して表示する。なお、各キーのサイズが変更されるのに伴って、これに対応して各キー上の数字などの文字のフォントのサイズもキーのサイズに合わせて変更させてディスプレイ4に表示させることもできる。
【0066】
また、ドラッグ操作を実行した後に、移動の度合いが過ぎてしまったと感じられる際には、今度は逆方向のドラッグ操作をすることで、図10(b)のような状態にあるレイアウトを図10(a)のような状態にあるレイアウトに戻すことも当然できる。このような作業を行うことにより微調整することで、各ユーザに合ったレイアウトを提供することができる。
【0067】
また、図示していないが、例えば、レイアウト全体の外枠の底辺(つまり「*」、「0」および「#」のキーの下部のライン)上にある一点をタッチパネル5上にて押圧しドラッグ操作すると、キーのレイアウトを縦方向のみ変更することができる。
【0068】
この場合には、各キーのサイズも縦方向の倍率のみが変更されるようになる。すなわち、対向する軸であるレイアウト全体の外枠の上辺(つまり「電話」、「マナー」および「切」のキーの上部のライン)を固定軸として各キーの行方向のサイズの比率はY21<Y22<Y23<Y24<Y25という関係になる。
【0069】
同様に、レイアウト全体の外枠の右側の辺(つまり「切」、「3」、「6」、「9」および「#」のキーの右側のライン)上にある一点をタッチパネル5上にて押圧しドラッグ操作すると、キーのレイアウトを横方向のみ変更することができる。
【0070】
さらに、押圧ポイント(XY1)からX軸上にドラッグするとレイアウトおよび各キーのX軸方向のサイズの比率を変更することができ、Y軸方向にドラッグするとレイアウトおよび各キーのY軸方向のサイズの比率を変更することができる。
【0071】
以上は、キーのレイアウト全体の枠上の一点をドラッグした場合の例について説明したが、次に、キーレイアウト内部の一点をドラッグした場合の例について説明する。これは、ある特定のキーを中心として拡大をかけることにより、使用頻度の高いキーなどが大きく使い易いようなレイアウトが所望される場合などに用いる。
【0072】
図12(a)は操作キー群のレイアウトに従いディスプレイ4上に最初に表示されたキー群であり、各キーのサイズは同じになっている。すなわち、各キーの横方向のサイズはX41=X42=X43であり、また縦方向のサイズはY41=Y42=Y43=Y44=Y45となっている。
【0073】
この状態から、例えばキーレイアウトの枠内部の右下の一点、つまり「8」のキーの右下(ポイントXY41)に相当する位置(起点)のタッチパネル5を指などで押圧し、そのまま図12(b)の矢印が示すポイントXY51までキーレイアウト枠の外側に向かってドラッグ操作したとする。
【0074】
そうすると、このXY41を押圧ポイント(起点)としたドラッグ動作の情報がタッチパネル5から制御手段11で読み取られ、制御手段11は、この情報に基づいて操作キー群のレイアウトを変更するよう制御を行う。この場合は、ドラッグ前の押圧ポイント(XY41)とこの押圧ポイントに対応する定点となるポイントXYとの2点を結ぶ線分を対角線とした矩形領域のキーレイアウトは、ドラッグ動作の後には、ドラッグ後の押圧ポイント(XY51)と定点であるポイントXYとを結ぶ線分を対角線とするキーレイアウトに拡大され、その他のキーについては、縦方向に配列されているキーは横方向のサイズは変更なく、また横方向に配列されているキーは縦方向のサイズの変更なく拡大されたレイアウトになる。すなわち、キーサイズの横方向の拡大率はX51<X52、X53=X43、縦方向の拡大率はY51<Y52<Y53<Y54、Y55=Y45の関係になるようなキーレイアウトになる。このようなレイアウトを、メモリ9から参照してディスプレイ4上に表示するか、あるいは制御手段11にてその都度拡大率を算出して表示する。
【0075】
図12(b)では、キーのレイアウト全体の枠内のある特定のキーを中心としてキー群を拡大したが、図12(c)に示すように、キーのレイアウト全体の枠の大きさは変えずに、枠内のある特定のキーを中心としてレイアウト全体の枠内の各キーを拡大および縮小して表示することもできる。
【0076】
すなわち、上記と同様のドラッグ操作で、使用頻度の高いキー、例えば「8」キーの右下の位置に相当するタッチパネル5上の一点(図12(a)の起点となるポイントXY41)を押圧し、図12(c)の矢印が示す一点(ポイントXY61)までキーレイアウトの外側に向かってドラッグ操作し、指を離す。この場合には、キーレイアウト全体の枠のサイズは変更されずに、レイアウト全体の枠内の各キーが拡大および縮小される。この例では、X63の列およびY65の行はキーが縮小表示され、他のキーについては、横方向はX61<X62、縦方向はY61<Y62<Y63<Y64となるように拡大されて表示される。このようなレイアウトを、メモリ9から参照してディスプレイ4上に表示するか、あるいは制御手段11にてその都度拡大率および縮小率を算出して表示する。
【0077】
このようにすることで、もともとのキーレイアウト全体の大きさを変更することなく、その中の任意のキーのみのサイズを変更することができる。
【0078】
以上のように、本実施の形態によれば、ユーザはキーレイアウトの任意の地点からドラッグを開始することで、押圧された起点が存在する領域と対向する領域の最遠点を定点としてレイアウトを変更できるので、所望のレイアウトに簡単に変更することができ、操作性を向上できる。
【0079】
なお、本発明は、上述した実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変更または変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、最初にユーザが円形状線図12を描きそれに基づいてキーのレイアウトが設定された後に所望のレイアウトに変更したが、初期設定の状態でデフォルトとして設定されているキーレイアウトをもとに上述のレイアウト変更を行うようにすることも当然できる。
【0080】
また、上記実施の形態では、キーレイアウトの変更動作を行う際に、変更前のレイアウトから指をレイアウトの外側にドラッグすることによってキー群を拡大させたが、最変更前のレイアウトから指をレイアウトの内側にドラッグさせることによって、キー群を縮小させることもできる。この場合には、キーレイアウト全体の外枠の一点をドラッグさせることで縮小させる場合には、レイアウト全体が縮小し、さらにキー群も段階的な縮小率で縮小するようになる。また、キーレイアウト内部の一点をさらに内側にドラッグさせる場合には、特にドラッグしたキーを中心としてキー群を縮小させてレイアウト全体を縮小させる場合の処理と、またはレイアウト全体のサイズは変えずに特にドラッグしたキーを縮小させ周囲のキーは拡大するものと縮小するものを混在させる場合の処理とができる。
【0081】
なお、本発明の各実施の形態に係る携帯端末装置1は、典型的には携帯電話等の端末装置とすることができるが、これに限定されるものではなく、PDA等の携帯端末装置を含む様々な携帯端末装置にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施の形態に係る携帯端末装置の概略を示す図である。
【図2】図1に示す携帯端末装置の入力部の概略断面図である。
【図3】同じく、制御回路の概略ブロック図である。
【図4】図1に示す携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法の概略を説明する図である。
【図5】同じく、操作キー群レイアウトの表示動作を説明するフローチャートである。
【図6】同じく、キーレイアウト例を示す図である。
【図7】図5に示すレイアウト処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図8】同じく、レイアウト処理を説明するための図である。
【図9】同じく、レイアウト処理を説明するための図である。
【図10】レイアウトの変更処理を説明するための図である。
【図11】レイアウトを変更する際の定点の設定を説明するための図である。
【図12】レイアウトの変更処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0083】
1 携帯端末装置
2 入力部
3 モニタ部
4 ディスプレイ
5 タッチパネル
6 レイアウト表示手段
7 範囲決定手段
8 位置決定手段
9 メモリ
10 選択手段
11 制御手段
12 円形状線図
13 可動範囲
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置であって、
前記表示部に表示された前記操作キー群の表示範囲内の一点を起点とした前記タッチパネルによる連続する移動入力を検知して、前記起点と対応する一点を定点として、前記連続する移動入力に応じて前記起点を移動させるとともに、該起点の移動に応じて操作キー群の表示範囲を拡大または縮小するとともに前記操作キー群の少なくとも一部を拡大または縮小して、前記操作キー群のレイアウトを変更する制御手段を備えることを特徴とする携帯端末機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記起点周辺を高い拡大率で、かつ前記定点の周辺を低い拡大率で拡大するように前記操作キー群のレイアウトを変更することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記定点は、前記操作キー群の前記表示範囲を、該表示範囲の中心を交点とする2本の直線により4分割し、前記起点を含む領域と対角をなす領域において前記中心からの距離が最長となる点とすることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末機器。
【請求項1】
操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置であって、
前記表示部に表示された前記操作キー群の表示範囲内の一点を起点とした前記タッチパネルによる連続する移動入力を検知して、前記起点と対応する一点を定点として、前記連続する移動入力に応じて前記起点を移動させるとともに、該起点の移動に応じて操作キー群の表示範囲を拡大または縮小するとともに前記操作キー群の少なくとも一部を拡大または縮小して、前記操作キー群のレイアウトを変更する制御手段を備えることを特徴とする携帯端末機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記起点周辺を高い拡大率で、かつ前記定点の周辺を低い拡大率で拡大するように前記操作キー群のレイアウトを変更することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記定点は、前記操作キー群の前記表示範囲を、該表示範囲の中心を交点とする2本の直線により4分割し、前記起点を含む領域と対角をなす領域において前記中心からの距離が最長となる点とすることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−84144(P2008−84144A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265289(P2006−265289)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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