説明

摩擦材の熱成形方法及び熱成形用金型

【課題】 熱成形中に発生するガスを、効率よく排出できる摩擦材の熱成形方法と、この方法に使用する摩擦材の成形金型とを提供する。
【解決手段】 貫通した中空部6aを有する枠型6と、該中空部の一方側に配置された押し型5と、他方側に配置された受け型7とを有し、押し型5と受け型7の少なくとも一方が前記枠型6の中空部6a内を摺動自在な熱成形用金型を用い、摩擦材原料を前記枠型内に投入し、該摩擦材に前記押し型と受け型とにより圧力を加え、加熱して成形する。枠型6は複数個に分割され、熱成形中に前記押し型と受け型とにより加える圧力を減圧するとともに、前記複数個に分割された枠型を離反し、該離反した枠型の隙間から熱成形中に発生したガスを排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車等のディスクブレーキパッドやブレーキライニング、クラッチフェーシングなどの摩擦材に関し、特に、摩擦材の熱成形方法と成形用金型とに関する。
【背景技術】
【0002】
摩擦材は、たとえば、有機繊維、無機繊維、金属繊維などの繊維材と、グラファイト、硫酸バリウムなどの摩擦調整材と、天然ゴム或いは合成ゴムなどの充填材とをフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を結合材として混合した粉末状の原料から成形される。
【0003】
ディスクブレーキパッドは、前記粉末状の摩擦材原料を加圧及び加熱して成形すると同時に鋼鉄製のバックプレートに貼り付けることによって形成される。あるいは、ブレーキライニングのように、前記粉末状の摩擦材原料を加圧及び加熱して成形しただけで、成形と同時にバックプレートに貼付しないものもある。
【0004】
摩擦材を成形する方法としては、主として上型(押し型)、中型(枠型)、下型により構成され、所要の温度に加温された熱成形金型を使用する。枠型は筒状で下型が底部となっている。下型は、枠型の筒状の内部を昇降可能となっており、筒状の内部に摩擦材の原料を投入する。そして、バックプレートに貼りつける場合は、枠型の上面にバックプレートを載せ、その上から押し型で押圧する。バックプレートに貼付しない場合は、押し型は直接摩擦材を押圧することになる。摩擦材は、固定された押し型に対し下型が上昇することで加圧され、金型で加熱されることで摩擦材の熱硬化性樹脂が溶融し硬化する。
【0005】
摩擦材の原料として粉末状の摩擦材原料を造粒した造粒物や、粉末状の摩擦材原料または造粒物を加熱せずに加圧して固めた予備成形品を使用することもある。この場合、枠型の空間内に、この造粒物や予備成形品を投入することになる。
【0006】
いずれの方法でも、摩擦材原料を加圧し、かつ、加熱して摩擦材にすることは同じで、この工程中に、結合材として混入されたフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が溶融して硬化するが、このとき、大量のガスが発生する。このガスを適切に抜いておかないと、成形後にフクレや亀裂が発生したり、ブレーキパッドとして使用しているとき、摩擦熱により亀裂が発生する原因となる。
【0007】
摩擦材の成形時に発生するガスを、成形中の摩擦材から抜く方法として、押し型を上昇させる方法がある。この方法によれば、押し型と摩擦材との間に隙間ができるので、摩擦面からのガスが抜け易い。しかし、摩擦材の側面は枠型に密着しているので、側面からはガスが抜けにくく、側面にクラックが発生し易い。
【0008】
このような問題を解決するために特許文献1では、押し型と枠型とにガス抜きの溝として、縦方向溝と横方向溝とを設けている。成形時に発生するガスをこれらの縦横方向の溝で排出できるようにしている。
【0009】
また、特許文献2では、枠型を上下に分割し、中間に1枚以上のインサート板を挿入し、このインサート板にガス抜き孔を設けている。
【0010】
しかし、特許文献1及び2に記載のものは、ガス抜きの通路は金型等に形成するので、熱成形中に溶融した結合材が、このガス抜き通路内に流れ込み、通路を塞いだり、流れ込んだ結合材が固まって形成された摩擦材にバリなどとして残ったりすることになる。そのため、ガス抜き通路を広げることはできず、狭い通路となる。すると、ガス抜きも不十分になり、通路はさらに塞がれ易くなる、という問題があった。
【特許文献1】特開平10−122284号
【特許文献2】特開2003−211474号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような問題の解決を図ったもので、熱成形中に発生するガスを、効率よく排出できる摩擦材の熱成形方法と、この方法に使用する摩擦材の成形金型とを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するために本願の請求項1の摩擦材の熱成形方法は、貫通した中空部を有する枠型と、該中空部の一方側に配置された押し型と、他方側に配置された受け型とを有し、押し型と受け型の少なくとも一方が前記枠型の中空部内を摺動自在な熱成形用金型を用い、摩擦材原料を前記枠型内に投入し、該摩擦材に前記押し型と受け型とにより圧力を加え、加熱して成形する摩擦材の熱成形方法において、前記枠型を中空部の貫通方向に沿った分割線で複数個に分割し、熱成形中に前記押し型と受け型とにより加える圧力を減圧するとともに、前記複数個に分割された枠型を離反し、該離反した枠型の隙間から熱成形中に発生したガスを排出することを特徴としている。
【0013】
前記枠型の中空部が枠型を上下方向に貫通し、前記押し型が枠型の上方に配置され、前記受け型が枠型の下方に配置され、前記押し型と受け型の加圧が垂直方向に加えられることとしたり、前記垂直方向に加わる圧力を減圧する工程が、摩擦材原料に加わる圧力を前記押し型の重量による圧力まで減圧する工程であることとしたり、前記枠型の一端にバックプレートを載置し、該バックプレートを前記押し型が押圧してバックプレートに熱成形された摩擦材を貼付することとしたりすることができる。
【0014】
また、本発明の摩擦材の熱成形用金は、貫通した中空部を有する枠型と、該中空部の一方側に配置される押し型と、他方側に配置された受け型とを有し、押し型と受け型の少なくとも一方が前記枠型の中空部内を摺動自在な熱成形用金型であることを特徴としている。前記枠型が、分割状態と結合状態との間で移行するためのガイド部材を有する構成としてもよい。
【0015】
粉末状あるいは造粒物又はこれらから予備成形した摩擦材原料を枠型の中空部に投入し、押し型と受け型とにより圧力を加え、同時に加熱する。この加熱により、摩擦材に混入されている熱硬化性樹脂などの結合材が溶融し、固化し始める。このとき、大量のガスが発生するので、押し型と受け型とに加えた圧力を減圧し、かつ、分割された枠型を分離して若干の隙間ができるようにする。摩擦材内部に発生したガスは、この隙間から外部に排出され、ガス抜きがされることになる。
【0016】
なお、摩擦材を加圧・加熱する際、結合材は溶融し、加圧によって流動するが、枠型を開いているときに摩擦材は加圧されていないので、結合材は流動しない。従ってこの状態で枠型を開いても溶融した物質が開いた枠型の隙間に進入することはない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、摩擦材を加圧・加熱して成形するとき、枠型が開いて内部に溜まったガスを効果的に排出することができるので、摩擦材側面からのガスの抜けがよくなる。また、ガス抜き用の溝ではないので、溶融物によりガス抜き用の通路を塞がれることもない。
【0018】
枠型の中空部が枠型を上下方向に貫通し、前記押し型が枠型の上方に配置され、前記受け型が枠型の下方に配置され、前記押し型と受け型の加圧が垂直方向に加えられる構成とすれば、粉末状の摩擦材原料を、枠型内に水平に投入することができ、摩擦材の厚さを一定に保ち易くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の摩擦材を熱成形する装置の構成を示す図である。熱成形装置は、押し型5と枠型6及び受け型7とを有する。押し型5及び受け型7は上下方向に移動可能な構成であるが、枠型6は上下方向には移動せずに固定されている。
【0021】
図2は、枠型6の上面図である。枠型6は、中央に摩擦材と同じ形状の中空部6aがある。この中空部6aは、枠型6を直線的に貫通している。枠型6の上面にはいくつかの位置決め部材6bが設けられている。この位置決め部材6bは、バックプレート1の位置決め用のものである。位置決め部材6bの個数や場所は、図示の例に限定されるものではないが、位置決め部材6bがバックプレート1に引っ掛かり、枠型の離反を妨げることのない場所に設けるのが必須である。
【0022】
受け型7は、枠型6の中空部6a内を昇降可能で、受け型7の上面は平面で、中空部6aの底面となっている。押し型5には、2つの突起5a,5aが形成されている。突起5a,5aの径d2は、後述するバックプレート1の結着孔2の径Dより小さく、遊嵌できるようになっている。
【0023】
本発明の枠型6は、中空部6aが貫通する図1の上下方向に沿って分割線6c,6cで枠型61と枠型62の2つに分割されている。これらは、分離手段70により分割状態と密着状態とに変化することが可能である。図2は密着状態を示す。
【0024】
図3は、枠型6の分割状態を示す図である。分離手段70のシリンダロッドを伸縮することで、枠型61と枠型62は矢印aの方向に分割したり結合したりする。分割されたとき枠型61と62との間には、隙間sができる。分離手段70としては、ソレノイド、エアーシリンダ、オイルシリンダ、カム等種々のものを使用できるが、押し型5と受け型7とで加圧したとき、枠型6が閉じた状態を保持できる構成でればよい。また、上記のような強制的に枠型を分離する分離手段を用いなくとも、発生したガスの内圧で枠型を分離させることもできるので、ガス抜き時にのみ枠型6が分離方向に自由に離反できるようにし、押し型と受け型で加圧したとき、枠型6が閉じた状態に保持する構成にすることも可能である。ガイド部材として、枠型61にはガイドピン61aがあり、枠型62にはガイドピン61aが進入する穴62aが穿設されている。これによって、枠型6の分割時に枠型61と62とが水平面内で動き、再度閉じるときにずれが生じるのを防止することができる。
【0025】
図4は、従来の摩擦部材の一例としてのディスクブレーキのディスクパッドに用いられるバックプレートを示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のIV−IV断面図である。同図に示すバックプレート1は、自動車用鋼板、又は、機械用構造用鋼板をプレス機により打ち抜き加工して所定の形状に成形し、同時に、2つの結着孔2,2を貫通させている。
【0026】
バックプレート1はプレス機による打ち抜き加工の後、表面の油を取り除く脱脂行程を経て、サンドブラスト等で表面仕上げされ、摩擦材との結合力を上げるために熱硬化性接着剤を塗布される。
【0027】
一方、摩擦材は、繊維材と充填材と結合材とを混合した素材から製造される。繊維材としては、有機繊維、無機繊維、金属繊維が使用され、有機繊維としては、アラミド繊維、セルロース繊維、アクリル繊維などがあり、無機繊維としては、ロックウール、ガラス繊維、セピオライトなどがあり、金属繊維としてはステンレススチール繊維、スチール繊維、銅繊維、真鍮繊維、青銅繊維などが挙げられる。
【0028】
充填材は、増量目的や、潤滑特性を付与して安定した摩擦を得られるようにするためのもので、金属片/金属粉、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、グラファイト、粘着性有機充填材としてNBRなどの合成ゴムや天然ゴムなどが使用される。
【0029】
結合材は、繊維材や充填材を結びつけるもので、フェノール樹脂、ユリア樹脂などの熱硬化性樹脂が使用される。
【0030】
原料の混合が終わった摩擦材は、所定の重量に計量され、図示しない金型に入れられ、加圧され、「素押し」と言われる予備成形品となる。予備成形の際は、原則的には加圧のみで成形し、加熱しないが、場合によっては結合材が反応しない程度の温度まで加熱する場合もある。
【0031】
図5は摩擦材の予備成形品を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。予備成形品3は、形状は完成品と同じであるが、密度は粗く、その厚さTは、バックプレート1に加圧接着されて所定の密度に圧縮された完成品の厚さt(図7)のほぼ2倍となっている。また、予備成形品3には、結着孔2に対応した盛上部4,4が形成されている。盛上部4は、裾野部分は広がっているが、先端部の直径d1は結着孔2の直径D(図4)より小さく、容易に結着孔2内に進入できるような関係にある。
【0032】
こうしてバックプレート1と摩擦材の予備成形品3とができると、これらは図1に示す熱成形装置に送られる。
【0033】
図6は、予備成形品をバックプレートに貼付するための熱成形加工を開始する状態を示す図である。同図に示すように、受け型7の上に予備成形品3を載せ、枠型6の上にバックプレート1を置く。枠型6には位置決め部材6b(図2)があり、それによってバックプレート1の位置決めがされる。その後、受け型7が上昇して盛上部4,4が結着孔2,2の下方から進入し、同時に押し型5が下降して結着孔2,2の上方から突起5a,5aが進入し、バックプレート1と予備成形品3とが重なり、加熱され、熱成形加工が行われる。
【0034】
加熱により結合材として含まれていた熱硬化性樹脂が溶融し、硬化を始めると、ガスが発生する。そこで、押し型5と受け型7とに加えられていた加圧力をほぼ0まで減少させる。それと同時または少し遅いタイミングで、枠型61と62とを図3に示すように発生ガスの内圧により自然に、または強制的に開く。すると、内部に溜まっていたガスが、隙間sから外部に排出される。
【0035】
隙間sの幅は、1mm程度あれば十分と考えられる。ガス抜きが完了したら、また、枠型6を閉じ、押し型5と受け型7とにより加圧を加え、加熱して熱成形を再開する。必要に応じて、複数回枠型6を開いてもよい。なお、摩擦材の形状が枠型の離反を妨げるような形状の場合、摩擦材原料の硬化が進むと、枠型を開くことができなくなるか、開くことができても摩擦材にクラックが発生してしまうことがある。この場合は、枠型6を開くのは摩擦材原料が溶融して流動する状態の時だけとし、摩擦材原料の硬化が進み、流動性が無くなったら、枠型6は開かずに、押し型5、受け型7の減圧によりガスを排出する。
【0036】
図7は熱成形加工が終了した状態を示す図である。同図に示すように、摩擦材の予備成形品3は、加熱により結合材が反応し、加圧を受けて密度が高くなってその厚さがTからtへと半分程度に減じ、所定の密度の摩擦材9になりバックプレート1と接着している。さらに、結着孔2内に進入した盛上部4,4は、頂部から突起5a,5aで押さえられ、結着孔2内で広がり、内壁とほぼ密着する。
【0037】
図8は上記により形成された摩擦部材Bを示す図である。こうして、摩擦材9は、バックプレート1の下面と結着孔2の内面との双方で接着され、強力な結合力を得ることになる。摩擦材9は、熱成形中に十分なガス抜きがされているので、クラックは入っておらず、かつ、自動車のブレーキとして取り付けて使用した場合、ブレーキ時の摩擦力で温度が上昇してもクラックが入ることがなくなる。
【0038】
以上の実施例では、予備成形品3を使用したが、粉末状の摩擦材原料や造粒物を予備成形せずにそのまま中空部6aに投入し、加熱、加圧する熱成形を行うこととしてもよい。また、予備成形を使用する場合、押し型5と受け型7とを枠型6の上下に配置したが、枠型6の中空部6aを横方向に置き、押し型5と受け型7とを水平方向に配置することも可能である。
【0039】
図9は、本発明の第2実施例の枠型8を示す平面図である。この実施例では、中央に中空部8aを有する枠型8を、4本の分割線6cにより4つの枠型81,82,83,84に分割している。ガイド部材として、枠型81は90゜で交差する方向に2本のガイドピン81a,81bを有し、枠型82は90゜で交差する方向にガイドピン82aと穴82bとを有する。同様に枠型83は、90゜で交差する方向に2つの穴83a,83bを有し、枠型84は、90゜で交差する方向にガイドピン84aと穴84bとを有する。4つの枠型81〜84は、矢印a方向に分離する分離手段70,72と、矢印b方向に分離する分離手段73,74とを有し、枠型81と82は、枠型83と84に対して矢印a方向に分離し、枠型82と83は、枠型81と84に対して矢印b方向に分離する。分離してできる隙間sの幅は、1mm前後あればよい。
【0040】
また、上記の実施例では、枠型6,8の分割をガイドするガイド手段として、ガイドピンと穴とを例示しているが、この構成に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の摩擦材を熱成形する装置の構成を示す図である。
【図2】枠型の上面図である。
【図3】枠型の分割状態を示す図である。
【図4】従来の摩擦部材の一例としてのディスクブレーキのディスクパッドに用いられるバックプレートを示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のIV-IV断面図である。
【図5】摩擦材の予備成形品を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図6】予備成形品をバックプレートに貼付するための熱成形加工を開始する状態を示す図である。
【図7】熱成形加工が終了した状態を示す図である。
【図8】上記により形成された摩擦部材Bを示す図で(a)は平面図、(b)は(a)のIIX-IIX断面図である。
【図9】本発明の第2実施例の枠型を示す平面図である。
【符号の説明】
【0042】
1バックプレート
3予備成形品
5押し型
6,8枠型
6a,8a中空部
6c分割線
7受け型
9摩擦材
61枠型
62枠型
81,82,83,84枠型
s隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通した中空部を有する枠型と、該中空部の一方側に配置された押し型と、他方側に配置された受け型とを有し、押し型と受け型の少なくとも一方が前記枠型の中空部内を摺動自在な熱成形用金型を用い、摩擦材原料を前記枠型内に投入し、該摩擦材に前記押し型と受け型とにより圧力を加え、加熱して成形する摩擦材の熱成形方法において、
前記枠型を中空部の貫通方向に沿った分割線で複数個に分割し、熱成形中に前記押し型と受け型とにより加える圧力を減圧するとともに、前記複数個に分割された枠型を離反し、該離反した枠型の隙間から熱成形中に発生したガスを排出することを特徴とする摩擦材の熱成形方法。
【請求項2】
前記枠型の中空部が枠型を上下方向に貫通し、前記押し型が枠型の上方に配置され、前記受け型が枠型の下方に配置され、前記押し型と受け型の加圧が垂直方向に加えられることを特徴とする請求項1記載の摩擦材の熱成形方法。
【請求項3】
前記垂直方向に加わる圧力を減圧する工程が、摩擦材原料に加わる圧力を前記押し型の重量による圧力まで減圧する工程であることを特徴とする請求項2記載の摩擦材の熱成形方法。
【請求項4】
前記枠型の一端にバックプレートを載置し、該バックプレートを前記押し型が押圧してバックプレートに熱成形された摩擦材を貼付することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の摩擦材の熱成形方法。
【請求項5】
貫通した中空部を有する枠型と、該中空部の一方側に配置される押し型と、他方側に配置された受け型とを有し、押し型と受け型の少なくとも一方が前記枠型の中空部内を摺動自在で、前記枠型を中空部の貫通方向に沿った分割線で複数個に分割されていることを特徴とする摩擦材の熱成形用金型。
【請求項6】
前記枠型が、分割状態と結合状態との間で移行するためのガイド部材を有することを特徴とする請求項5記載の摩擦材の熱成形用金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−15125(P2007−15125A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196037(P2005−196037)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(000004374)日清紡績株式会社 (370)
【Fターム(参考)】