説明

撮像装置、撮像装置に用いられる画像処理方法および当該画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム

【課題】人間の顔を撮影する場合に、撮影者の好みに応じた適切な撮影を迅速に行うことができることを目的とする。
【解決手段】撮像素子120により撮像された画像を表示する表示部300を具備する撮像装置100において、撮像された画像に含まれる人間の顔を検出する顔検出回路134と、検出された顔に対応する顔画像を撮像素子120により撮像された画像から取り出すHI制御回路180と、前記顔画像取出手段により取り出された顔画像を表示部300に表示させるHI制御回路180とを具備する。また、表示部300に表示されている顔画像を選択するスイッチ211を具備し、選択された顔画像に対応する被写体の顔が撮像素子120により撮像される画像において所定の構成比率となる焦点距離である適正な焦点距離を算出し、算出された適正な焦点距離を表示部300に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスチルカメラ等の撮像装置に関し、特に、被写体となる人物の顔の撮影に適した撮像装置、および、撮像方法、これらにおける処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体となる人物の顔を撮影する撮像装置として、CCD(Charge Coupled Devices)等の撮像素子を用いて撮影した画像を電気信号に変換し、変換された電気信号をデジタルデータとして記憶媒体に記憶するデジタルスチルカメラが存在する。
【0003】
デジタルスチルカメラについては、ハードウェアの処理能力が向上するとともに、撮影された画像(撮影画像)に対応するデジタルデータから所定の画像部分を検出する技術が多数提案されている。また、撮影画像に対応するデジタルデータから人物の顔部分を正確に検出する各種の技術が提案され、さらに、撮影画像に対応するデジタルデータから複数の顔部分を検出する技術が提案されている。
【0004】
例えば、入力された画像に含まれる肌色部分や顔の特徴量に基づいて、入力された画像に含まれる人間の顔部分の大きさおよび位置を求め、この顔部分の大きさおよび位置に従って、顔の領域がバストショットのサイズになるように、ズームレンズを制御する撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。なお、バストショットとは、人物を撮影する場合において人物の胸から上の部分(顔を含む)を撮影することである。
【特許文献1】特開平06−217187号公報(図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術では、デジタルスチルカメラの液晶ディスプレイ(LCD)に表示される撮影範囲に含まれる人間の顔部分を撮影する場合において、その顔部分に対して適切なズームを行うことができるため、適正なバストショットを行うことができる。
【0006】
ところで、デジタルスチルカメラで複数の人物を撮影する場合、この複数の人物が撮影範囲に入るようにズームレンズを調整して撮影する。例えば、この撮影後に、複数の人物の中から各人の撮影をするような場合には、上述の従来技術を用いて適正なバストショットを行うことができる。
【0007】
しかしながら、人間の顔を撮影する場合には、撮影対象となる人の顔の向きや背景等に応じてバストショットに適した構図と適さない構図とがある。例えば、上述の撮影後に、複数の人物の中から撮影者の好みの構図となる個人を選び撮影する場合には、ズーム機能等を用いて各人について撮影範囲をバストショットのサイズとして構図を確認する必要がある。このため、撮影時間が長くなり、撮影者の好みに応じた適切な撮影を迅速に行うことができなかった。
【0008】
つまり、撮影範囲に含まれる複数の人物の中から撮影者の好みの構図となっている個人を選び撮影する場合において、撮影者の好みに応じた適切な撮影を迅速に行うことができないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、人間の顔を撮影する場合に、撮影者の好みに応じた適切な撮影を迅速に行うことができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段を具備する撮像装置において、上記撮像手段により撮像された画像に含まれる人間の顔を検出する顔検出手段と、上記顔検出手段により検出された顔に対応する顔画像を上記撮像手段により撮像された画像から取り出す顔画像取出手段と、上記顔画像取出手段により取り出された顔画像を上記表示手段に表示させる表示制御手段とを具備することを特徴とする撮像装置、撮像装置に用いられる画像処理方法および当該画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、撮像手段により撮像された画像を表示部に表示するとともに、撮像手段により撮像された画像に人間の顔が含まれている場合には、その顔に対応する顔画像を撮像手段により撮像された画像から取り出して表示手段に表示させるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記表示手段の少なくとも一部には撮影画像表示領域と顔画像表示領域とが設けられ、上記表示制御手段は、上記撮像手段により撮像された画像を上記撮影画像表示領域に表示させるとともに上記顔画像取出手段により取り出された顔画像を上記顔画像表示領域に表示させることができる。これにより、撮像手段により撮像された画像と顔画像取出手段により取り出された顔画像とを表示手段の所定の領域に表示させることができるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記表示手段に表示されている顔画像を選択する顔画像選択手段をさらに具備し、上記表示制御手段は、上記顔画像選択手段により顔画像が選択された旨を上記表示手段に表示させることができる。これにより、顔画像選択手段により選択された顔画像を認識し易くするために、顔画像が選択された旨を表示手段に表示させることができるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記顔画像選択手段により選択された顔画像に対応する被写体の顔に対する撮影条件を上記顔画像取出手段により取り出された顔画像に基づいて設定する撮影条件設定手段を具備することができる。これにより、顔画像選択手段により選択された顔画像に対応する被写体の顔を撮影する場合に、その撮影条件を容易に設定することができるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記表示制御手段は、上記顔画像取出手段により取り出された顔画像を所定のサイズに変換して上記表示手段に表示させることができる。これにより、顔画像取出手段により取り出された顔画像を所定のサイズで表示手段に表示させるという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記顔画像取出手段は、上記顔検出手段により複数の顔が検出された場合には上記検出された複数の顔に対応する複数の顔画像を上記撮像手段により撮像された画像から取り出し、上記表示制御手段は、上記顔画像取出手段により取り出された複数の顔画像を上記表示手段に表示させることができる。これにより、撮像手段により撮像された画像に複数の人間の顔が含まれている場合には、その複数の顔に対応する顔画像を表示手段に表示させることができるという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記表示手段の少なくとも一部には顔画像表示領域が設けられ、上記表示制御手段は、上記顔画像取出手段により取り出された複数の顔画像を所定の条件に従って上記顔画像表示領域に並べて一覧表示させることができる。これにより、撮像手段により撮像された画像に複数の人間の顔が含まれている場合には、その複数の顔に対応する顔画像を所定の条件に従って記顔画像表示領域に並べて一覧表示させることができるという作用をもたらす。
【0017】
また、本発明の第2の側面は、撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段を具備する撮像装置において、上記撮像手段により撮像された画像に含まれる人間の顔を検出する顔検出手段と、上記顔検出手段により検出された顔に対応する顔画像を上記撮像手段により撮像された画像から取り出す顔画像取出手段と、上記顔画像取出手段により取り出された顔画像を上記表示手段に表示させる顔画像表示制御手段と、上記表示手段に表示されている顔画像を選択する顔画像選択手段と、上記顔画像選択手段により選択された顔画像に対応する被写体の顔が上記撮像手段により撮像される画像において所定の構成比率となる焦点距離である適正な焦点距離を現在の焦点距離と上記顔画像取出手段により取り出された顔画像の大きさとに基づいて算出する焦点距離算出手段と、上記焦点距離算出手段により算出された適正な焦点距離を上記表示手段に表示させる焦点距離表示制御手段とを具備することを特徴とする撮像装置、撮像装置に用いられる画像処理方法および当該画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、撮像手段により撮像された画像に人間の顔が含まれている場合において、その顔に対応する顔画像を撮像手段により撮像された画像から取り出して表示させ、表示されている顔画像が選択された場合には、選択された顔画像に対応する被写体の顔が撮像手段により撮像される画像において所定の構成比率となる焦点距離である適正な焦点距離を算出し、算出された適正な焦点距離を表示させることができるという作用をもたらす。
【0018】
また、この第2の側面において、上記表示手段の少なくとも一部には現在の焦点距離を表示する焦点距離表示領域が設けられ、上記焦点距離表示制御手段は、上記焦点距離算出手段により算出された適正な焦点距離を上記焦点距離表示領域内に表示させることができる。これにより、算出された適正な焦点距離を焦点距離表示領域内に表示させることができるという作用をもたらす。
【0019】
また、この第2の側面において、上記焦点距離算出手段は、上記顔画像選択手段により選択された顔画像に対応する被写体の顔が上記撮像手段により撮像される画像において所定の構成比率となる焦点距離の一定の範囲を示す焦点距離範囲を上記算出された適正な焦点距離に基づいて算出し、上記焦点距離表示制御手段は、上記焦点距離算出手段により算出された焦点距離範囲を上記焦点距離表示領域内に表示させることができる。これにより、選択された顔画像に対応する被写体の顔が撮像手段により撮像される画像において所定の構成比率となる焦点距離の一定の範囲を示す焦点距離範囲を算出された適正な焦点距離に基づいて算出し、算出された焦点距離範囲を焦点距離表示領域内に表示させることができるという作用をもたらす。
【0020】
また、この第2の側面において、上記焦点距離表示領域は、一の端部が望遠側を示し他の端部が広角側を示す棒状の領域であり、上記焦点距離表示制御手段は、上記焦点距離表示領域内において上記現在の焦点距離の値に応じた位置を他の部分と異なる色で表示させることによって当該現在の焦点距離を表示させるとともに上記焦点距離算出手段により算出された焦点距離範囲の値に応じた部分を他の部分と異なる色で表示させることによって当該焦点距離範囲を表示させることができる。これにより、一の端部が望遠側を示し他の端部が広角側を示す棒状の領域である焦点距離表示領域内において、現在の焦点距離の値に応じた位置を他の部分と異なる色で表示させることによって当該現在の焦点距離を表示させ、算出された焦点距離範囲の値に応じた部分を他の部分と異なる色で表示させることによって当該焦点距離範囲を表示させることができるという作用をもたらす。
【0021】
また、この第2の側面において、上記顔検出手段により検出された顔に対応する顔画像に基づいて当該顔に係る人物の性別を判別する性別判別手段をさらに具備し、上記焦点距離算出手段は、上記判別された性別に応じて上記算出された適正な焦点距離を補正することができる。これにより、検出された顔に対応する顔画像に基づいて判別された性別に応じて適正な焦点距離を補正することができるという作用をもたらす。
【0022】
また、この第2の側面において、被写体を撮影するための撮影条件である撮影モードを設定する撮影モード設定手段をさらに具備し、上記焦点距離算出手段は、上記設定された撮影モードに応じて上記算出された適正な焦点距離を補正することができる。これにより、設定された撮影モードに応じて適正な焦点距離を補正することができるという作用をもたらす。
【0023】
また、本発明の第3の側面は、撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段とズームレンズとを具備する撮像装置において、上記撮像手段により撮像された画像に含まれる人間の顔を検出する顔検出手段と、上記顔検出手段により検出された顔に対応する顔画像を上記撮像手段により撮像された画像から取り出す顔画像取出手段と、上記顔画像取出手段により取り出された顔画像を上記表示手段に表示させる顔画像表示制御手段と、上記表示領域に表示されている顔画像を選択する顔画像選択手段と、上記顔画像選択手段により選択された顔画像に対応する被写体の顔が上記撮像手段により撮像される画像において所定の構成比率となる焦点距離である適正な焦点距離を現在の焦点距離と上記顔画像取出手段により取り出された顔画像の大きさとに基づいて算出する焦点距離算出手段と、上記焦点距離算出手段により算出された適正な焦点距離に基づいて上記ズームレンズを制御するズームレンズ制御手段とを具備することを特徴とする撮像装置、撮像装置に用いられる画像処理方法および当該画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、撮像手段により撮像された画像に人間の顔が含まれている場合において、その顔に対応する顔画像を撮像手段により撮像された画像から取り出して表示させ、表示されている顔画像が選択された場合には、選択された顔画像に対応する被写体の顔が撮像手段により撮像される画像において所定の構成比率となる焦点距離である適正な焦点距離を算出し、算出された適正な焦点距離に基づいてズームレンズを制御することができるという作用をもたらす。
【0024】
また、この第3の側面において、上記顔画像取出手段は、上記顔検出手段により複数の顔が検出された場合には上記検出された複数の顔に対応する複数の顔画像を上記撮像手段により撮像された画像から取り出し、上記顔画像取出手段により取り出された複数の顔画像を上記表示手段に表示させるとともに上記表示手段に表示されている複数の顔画像に対応する複数の顔のうちで上記ズームレンズ制御手段により制御された上記ズームレンズのピント位置と同一の被写界深度内にある顔に対応する顔画像についてはピントが合っている旨を上記表示手段に表示させる表示制御手段を具備することができる。これにより、複数の顔が検出された場合には、撮像手段により撮像された画像から取り出された複数の顔画像を表示させるとともに、表示されている複数の顔画像に対応する複数の顔のうちで制御されたズームレンズのピント位置と同一の被写界深度内にある顔に対応する顔画像についてはピントが合っている旨を表示させるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、人間の顔を撮影する場合に、撮影状況や撮影者の好みに応じた適切な撮影を迅速に行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【0028】
撮像装置100は、光学系110と、撮像素子120と、カメラ信号処理回路130と、バッファメモリ140と、画像処理回路150と、カメラ制御回路160と、レンズドライバ170と、HI制御回路180と、モータ190および191と、露出駆動部分200と、操作部210と、表示部300とを備える。撮像装置100は、例えば、静止画を記録するデジタルスチルカメラや動画を記録するデジタルビデオカメラである。
【0029】
なお、撮像装置100には複数の撮影モードが備えられている。撮影モードとは、被写体を撮影する場合における撮影条件である。撮影モードとして、例えば、通常の撮影を行う場合に使用する通常モード、人物を被写体とする場合に使用するポートレートモード、風景を撮影する場合に使用する風景モード、暗い場所を撮影する場合に使用する夜景モード等がある。本実施の形態では、顔検出モードについて詳細に説明する。なお、撮像装置100においては、顔検出モードと他の撮影モードとを同時に設定することができる。
【0030】
光学系110は、ズームレンズおよびフォーカスレンズを含む複数のレンズ等からなる撮像装置100の光学系である。
【0031】
撮像素子120は、光学系110を通して撮影された画像を画像信号(電気信号)に光電変換し、光電変換された画像信号をカメラ信号処理回路130に出力するものである。撮像素子120としては、例えば、所定の被写体の画像を撮像するCCD(Charge Coupled Device)がある。
【0032】
カメラ信号処理回路130は、撮像素子120により光電変換された画像信号に対して適正な信号処理を施してバッファメモリ140に出力するものである。また、カメラ信号処理回路130は、カメラ制御回路160との間でカメラ制御に必要な信号通信を行う。
【0033】
バッファメモリ140は、カメラ信号処理回路130が出力した画像信号を一時的に記憶するとともに、記憶された画像信号を画像処理回路150に出力するバッファメモリである。
【0034】
画像処理回路150は、バッファメモリ140を介してカメラ信号処理回路130から入力された画像信号について、表示部300または外部装置に出力するための変換を行うものである。
【0035】
カメラ制御回路160は、撮像装置100全体を制御する制御回路である。また、カメラ制御回路160は、光学系110を構成する各レンズを制御するため、レンズドライバ170との間で信号通信を行うとともに、露出駆動部分200を制御する。
【0036】
レンズドライバ170は、カメラ制御回路160の指示に従って、光学系110を構成する所定のレンズに取り付けられたモータ190および191を制御するレンズドライバである。
【0037】
HI(Human Interface)制御回路180は、操作部210から入力された操作情報と、カメラ制御回路160から入力された各種情報とに基づいて画像処理回路150を制御するものである。
【0038】
モータ190および191は、光学系110を構成する所定のレンズに取り付けられ、レンズドライバ170の制御に基づいて、各レンズの位置を移動させるモータである。
【0039】
露出駆動部分200は、カメラ制御回路160の制御に基づいて、撮像素子120に入る光の総量を制御する部分である。
【0040】
操作部210は、ユーザからの各種操作情報を入力する操作部であり、入力された操作情報をHI制御回路180に出力する。なお、操作部210には、顔選択のためのスイッチ211が設けられている。スイッチ211としては、例えば、上下の矢印キーや上下左右の十字キーが考えられる。
【0041】
図2は、表示部300に表示される画像表示の一例を示す図である。
【0042】
表示部300は、HI制御回路180の制御に基づいて、画像処理回路150が出力した各種画像情報を表示する表示部である。表示部として、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や電子ビューファインダ(EVF)が用いられる。なお、通常の撮影モードにおいて、表示部300には撮像素子120が撮影した画像がそのまま表示される。一方、顔検出モードが設定されている場合において、表示部300には、図2に示すように、撮影画像表示領域310と顔選択表示領域320とが設けられる。
【0043】
撮影画像表示領域310には、焦点距離表示バー311が表示される。また、焦点距離表示バー311内には、現在の焦点距離312と適正な焦点距離313とが表示される。焦点距離表示バー311は、ズームレンズを操作する際に使用するズームバーであり、撮像装置100が撮影可能な焦点距離の範囲を示すものである。現在の焦点距離312は、現在の焦点距離を示す表示である。適正な焦点距離313は、顔検出モードが設定されている場合において、選択された顔を撮影する場合における適正な焦点距離の範囲を示す表示である。
【0044】
つまり、焦点距離表示バー311は、一の端部が望遠側を示し他の端部が広角側を示す棒状の焦点距離表示領域である。また、焦点距離表示バー311内において現在の焦点距離の値に応じた位置が他の部分と異なる色で表示されることによって現在の焦点距離312が表示される。さらに、適正な焦点距離の範囲の値に応じた部分が他の部分と異なる色で表示されることによって適正な焦点距離313が表示される。ただし、図2および図4および図5では、適正な焦点距離313を斜線で示す。なお、焦点距離とは、光学系110を構成するレンズ全体から撮像素子120までの距離を示す値である。
【0045】
顔選択表示領域320には、撮影画像表示領域310に含まれる人の顔の画像が所定サイズで並べて表示される。
【0046】
例えば、図2には、弟H1と父H2と母H3と姉H4との家族4人で撮影する場合において、撮影画像表示領域310に各人物の顔が表示されている例を示す。この場合において、第一表示領域321には弟H1の顔画像H1aが表示され、第二表示領域322には父H2の顔画像H2aが表示され、第三表示領域323には母H3の顔画像H3aが表示され、第四表示領域324には姉H4の顔画像H4aが表示される。この並び順は、検出された顔の大きさに基づいてもよく、また、検出された顔画像の確度順に並べるようにしてもよい。
【0047】
次に、カメラ信号処理回路130についてさらに詳細に説明する。
【0048】
図3は、カメラ信号処理回路130の機能構成例を示すブロック図である。
【0049】
カメラ信号処理回路130は、I/F(インターフェース)回路131と、検波回路132と、カメラ画像信号処理回路133と、顔検出回路134と、メモリI/F回路135と、I/F回路136と、バス137と、バス138とを備える。
【0050】
I/F回路131は、撮像素子120により変換された画像信号を入力すると、入力された画像信号をメモリI/F回路135にバス137を介して出力するI/F回路である。
【0051】
検波回路132は、メモリI/F回路135に入力された画像信号から、カメラ制御に必要な各種情報を取得する検波処理を行い、取得した各種情報をカメラ制御回路160にI/F回路136を介して出力する検波回路である。なお、検波回路132が取得する情報は、画像の明るさ、コンストラスト情報、色の判別等の情報や、ホワイトバランス、色相合わせ、AE、AF等の制御に必要な情報である。
【0052】
カメラ画像信号処理回路133は、メモリI/F回路135に入力された画像信号について、リニアマトリクス処理、ホワイトバランス処理、γ補正処理等のカメラ画像処理を行うものである。
【0053】
なお、図1で示すカメラ制御回路160は、検波回路132の検波処理により取得した各種情報に基づいてカメラ制御演算処理を行い、このカメラ制御演算処理により決定された制御パラメータをI/F回路136を介してカメラ画像信号処理回路133に出力する。また、カメラ画像信号処理回路133は、カメラ制御回路160が出力した制御パラメータに基づいてカメラ画像処理を行う。
【0054】
顔検出回路134は、カメラ画像信号処理回路133がカメラ画像処理を施した画像信号に含まれている人間の顔を検出する顔検出回路である。そして、人間の顔を検出した場合には、人間の顔を検出した旨を示す情報である顔検出情報をI/F回路136を介してカメラ制御回路160へ出力する。顔検出の例としては、撮影画像に含まれる肌色の部分や人間の顔の特徴量等に基づいた顔検出がある。また、顔検出情報には、検出された顔画像の領域の座標位置、検出された顔画像の領域情報(顔画像の中心座標、顔画像の水平方向および垂直方向の大きさ等)、顔の向き、顔の大きさ、検出した顔画像の確度を示す数値等が含まれる。
【0055】
メモリI/F回路135は、撮像素子120により変換された画像信号をI/F回路131を介して入力すると、入力された画像信号を検波回路132とカメラ画像信号処理回路133と顔検出回路134とに同時にバス137を介して出力するメモリI/F回路である。また、カメラ画像信号処理回路133がカメラ画像処理を施した画像信号を、バッファメモリ140に出力する。
【0056】
I/F回路136は、カメラ制御回路160との間で各種情報を送受信するためのI/F回路である。
【0057】
次に、表示部300の撮影画像表示領域310に表示されている撮影画像に含まれる人間の顔画像を、顔選択表示領域320の各表示領域321〜324に表示する方法について説明する。
【0058】
図4(a)は、図2と同様に、表示部300の撮影画像表示領域310および顔選択表示領域320に表示される画像表示の一例を示す図であり、図4(b)は、撮影画像表示領域310に含まれる父H2の顔画像を示す図である。
【0059】
ここでは、図4(b)に示すように、表示部300の撮影画像表示領域310に表示されている父H2の顔画像を取り出し、取り出した父H2の顔画像について、顔選択表示領域320の第二表示領域322に表示する顔画像H2aを生成する場合について説明する。
【0060】
撮影画像表示領域310に表示されている人間の顔画像を取り出す場合には、顔検出回路134が出力した顔検出情報が参照される。ここでは、顔検出情報に含まれる顔画像の領域情報が用いられる。
【0061】
最初に、顔検出情報に含まれる領域情報に基づいて、撮影画像表示領域310に表示されている父H2の顔画像を取り出すための領域計算を行う。具体的には、図4(b)に示すように、父H2の顔画像の中心座標401(Xo、Yo)と、顔画像の水平方向の大きさを示す値X1および垂直方向の大きさを示す値Y1とを用いる。
【0062】
なお、X1×Y1が示す顔画像の領域H2bは、図4(a)および(b)に示すように、顔画像の大部分が含まれる程度の矩形状の領域である。しかし、顔選択表示領域320に顔全体を表示するためには、取り出す顔画像の領域は、顔全体を含む領域とする必要がある。つまり、取り出す顔画像の領域H2cは、顔画像の領域情報に含まれる顔画像の領域H2bよりも大きい領域である。
【0063】
このように取り出す顔画像の領域H2cについては、顔全体を含む領域とするため、顔画像の領域情報に含まれる顔画像の領域H2b(X1×Y1)に基づいて領域計算を行う。この計算の一例として、所定の比Bを設定しておき、以下に示す(式1)を用いて、取り出す領域の水平方向の大きさを示す値X1を求める計算について説明する。また、取り出す領域の垂直方向の大きさを示す値Y1については、以下に示す(式2)を用いて同様に計算をして求める。
X1=B・X1……(式1)
Y1=B・Y1……(式2)
【0064】
(式1)および(式2)を用いて求めた値X1×Y1の画像領域H2cとなるように、座標401(Xo、Yo)を中心として父H2の顔画像を、撮影画像表示領域310に表示されている画像から取り出す。
【0065】
続いて、取り出した父H2の顔画像(画像領域H2c)について、水平方向の大きさを示す値がXs以内となり、垂直方向の大きさを示す値がYs以内となるようにサイズ変更する。具体的には、水平方向の大きさについては、(式3)を用いて、取り出した父H2の顔画像の値X1と顔選択表示領域320の表示領域の水平方向の大きさを示す値Xsとの比であるC1を計算して求め、垂直方向の大きさについては、(式4)を用いて、取り出した父H2の顔画像の値Y1と顔選択表示領域320の表示領域の垂直方向の大きさを示す値Ysとの比であるC2を計算して求める。
X1/Xs=C1……(式3)
Y1/Ys=C2……(式4)
【0066】
続いて、(式3)および(式4)を用いて求めた値C1と値C2とを比較し、値C1または値C2のうちで大きい値をC3として決定する。続いて、決定されたC3および以下の(式5)を用いて、顔選択表示領域320の表示領域に表示する顔画像の表示領域の水平方向の大きさを示す値Xs1を算出する。
Xs1=1/C3×X1……(式5)
【0067】
また、決定されたC3および以下の(式6)を用いて、顔選択表示領域320の表示領域に表示する顔画像の表示領域の垂直方向の大きさを示す値Ys1を算出する。
Ys1=1/C3×Y1……(式6)
【0068】
例えば、取り出した顔画像の値X1がXsよりも大きい場合、または、Y1がYsよりも大きい場合には、X1×Y1の画像領域H2cがXs×Ys以内となるように取り出した顔画像を縮小する。一方、取り出した顔画像の値X1がXsよりも小さく、かつ、Y1がYsよりも小さい場合には、取り出した顔画像のサイズをそのまま使用するようにしてもよく、X1×Y1の画像領域H2cがXs×Ysの範囲内になるように拡大するようにしてもよい。
【0069】
なお、取り出した画像領域(例えば、X1×Y1)の一部には、他人の顔画像の一部が含まれることがあるが、本実施の形態では、取り出した画像領域に含まれる他人の顔画像の一部の表示を省略している。また、顔部分の画像のみを取り出せる場合には、顔部分の画像のみを取り出し、取り出した顔部分の画像を使用するようにしてもよい。
【0070】
続いて、Xs×Ysの表示領域の範囲内に収まるように、縮小等された顔画像を顔選択表示領域320の各表示領域321〜324のいずれかの領域に表示する。顔選択表示領域320の各表示領域321〜324に複数の顔画像を表示する場合における表示位置については、顔検出情報に含まれる顔の大きさ、顔画像の確度等に基づいて決定するようにしてもよく、処理順に並べるようにしてもよい。
【0071】
これらの各処理を検出された複数の顔画像に対して行う。
【0072】
検出された複数の顔画像の全ての顔画像について、顔選択表示領域320の各表示領域321〜324への表示が終了した後に、顔選択表示領域320の第五表示領域330に不選択ボタン331を表示する。
【0073】
なお、顔選択表示領域320の各表示領域の数および大きさについては、検出された顔画像の数に応じて変形するようにしてもよい。また、顔選択表示領域320の各表示領域の数を固定とし、この数よりも多く顔画像が検出された場合には、各表示領域に所定の順番で顔画像を並べ、表示することができない顔画像についてはスクロール操作によって表示させるようにしてもよい。また、表示される顔画像が少ない場合には、顔画像が表示されない表示領域に不選択ボタン331を順次表示するようにしてもよい。
【0074】
次に、表示部300に図2に示す各画像が表示されている場合において、撮影画像表示領域310に表示されている弟H1と父H2と母H3と姉H4との各顔の中から、撮影の対象となる被写体の人物の顔を選択する場合について説明する。
【0075】
図2に示すように、撮影画像表示領域310に表示されている弟H1と父H2と母H3と姉H4との各顔については、顔選択表示領域320の各表示領域321〜324に表示されている。このように表示されている状態で、ユーザが操作部210のスイッチ211を使用して、顔選択表示領域320の各表示領域321〜324に表示されている顔のいずれかを選択する。
【0076】
例えば、父H2の顔画像を選択する場合には、父H2の顔画像H2aが表示されている第二表示領域322に網掛表示がされる。なお、本実施の形態では、図2に示すように、選択された顔画像(選択顔画像)が表示された領域を斜線で表示するが、他の領域と選択された領域とを異なる色で表示するようにするようにしてもよく、所定の大きさ(例えば、1.5倍)になるように選択顔画像を拡大表示し、選択顔画像を見易くするとともに、他の領域と識別できるようにしてもよい。また、他の領域と選択された領域とを他の表示方法で識別できるようにしてもよい。さらに、選択された顔画像が識別できるように表示するとともに、撮影画像表示領域310に表示されている画像の中で、選択された顔画像に対応する画像部分を網掛表示等により識別できるようにしてもよい。
【0077】
顔選択表示領域320に表示されている顔が選択された場合には、選択された顔を撮影する場合における適正な焦点距離の範囲を示す適正な焦点距離313が、撮影画像表示領域310の焦点距離表示バー311に表示される。つまり、焦点距離表示バー311に表示される適正な焦点距離313は、選択された顔画像に対応する被写体の顔が撮像素子120により撮像される画像において所定の構成比率となる焦点距離の一定の範囲を示すものである。
【0078】
現在の焦点距離312が、焦点距離表示バー311に表示された適正な焦点距離313の範囲内になるように、操作部210のズームボタン(図示せず)等を操作すると、選択された顔が適正な大きさとなるように撮影をすることができる。
【0079】
次に、図4を参照して、焦点距離表示バー311に適正な焦点距離313を表示するための焦点距離の算出方法について説明する。なお、以下に示す計算方法は、焦点距離と撮影画像表示領域310に表示される表示サイズとは比例する、という性質を利用した計算方法である。
【0080】
最初に、撮影画像表示領域310に対して水平方向の適正な顔の大きさを示す値をXとし、撮影画像表示領域310の水平方向の大きさを示す値をXaとした場合において、以下に示す(式7)を用いて、適正比率Aを求める。
X/Xa=A……(式7)
【0081】
続いて、顔検出情報に含まれる画像領域の大きさを示す値X1と、撮影画像表示領域310の水平方向の大きさを示す値をXaとに基づいて、以下に示す(式8)を用いて、現在の比率A1を求める。
X1/Xa=A1……(式8)
【0082】
続いて、現在の焦点距離を示す値をZ1とした場合に、上記で求めた適正比率Aと、現在の比率A1とに基づいて、以下に示す(式9)を用いて、適正な焦点距離Zを求める。
Z=Z1×A/A1……(式9)
【0083】
なお、上記で求めた適正な焦点距離Zについては、撮影者の好みに応じた撮影ができるように、焦点距離情報として所定の幅を持たせるようにする。たとえば、所定の幅の値を水平方向および垂直方向について各0.5倍と設定した場合において、適正な焦点距離Zの値が2.0の場合には、適正な焦点距離として、1.75〜2.25の値が適正な焦点距離の範囲(焦点距離範囲)となる。また、所定の幅を2割の幅と設定した場合において、適正な焦点距離Zの値が2.0の場合には、適正な焦点距離として、1.8〜2.2の値が適正な焦点距離の範囲となる。
【0084】
続いて、求めた焦点距離範囲を適正な焦点距離313として焦点距離表示バー311に表示する。なお、図2および図4および図5では、適正な焦点距離313を斜線で示す。
【0085】
図5(a)は、焦点距離表示バー311に表示されている適正な焦点距離313が示す範囲の最低値(ワイド端側)に現在の焦点距離312を合わせた場合における撮影画像表示領域310の表示例を示す図である。
【0086】
図5(b)は、焦点距離表示バー311に表示されている適正な焦点距離313が示す範囲の最高値(テレ端側)に現在の焦点距離312を合わせた場合における撮影画像表示領域310の表示例を示す図である。
【0087】
図5に示すように、焦点距離表示バー311に表示されている適正な焦点距離313の範囲内に現在の焦点距離312を合わせた場合には、選択された人間の顔を適正な大きさで表示することができる。これによって、選択された人間の顔を適正な大きさで撮影することができる。
【0088】
なお、焦点距離表示バー311の適正な焦点距離313については、所定の時間が経過するまでの間、または、所定の操作が行われるまでの間、表示を継続する。
【0089】
また、顔選択表示領域320の各表示領域には、表示部300の撮影画像表示領域310に表示されている画像の中から検出された人間の顔を順次表示する。ただし、このように検出された人間の顔を順次表示する代わりに、顔選択表示領域320の各表示領域に表示された各顔について、所定の時間が経過するまでの間、または、所定の操作が行われるまでの間、表示しておくようにしてもよい。
【0090】
次に、本発明の実施の形態における撮像装置100の動作について図面を参照して説明する。以下に示す各動作は、撮像装置100において顔検出モードが設定されている場合に実行される動作である。
【0091】
なお、撮像装置100を顔検出モードに設定するための手法としては様々なものが考えられる。例えば、操作部210に設けられた顔検出ボタン(図示せず)を押下することにより顔検出モードに移行するようにしてもよい。また、表示部300におけるメニュー表示から顔検出モードを設定するようにしてもよく、撮像された画像に人間の顔が含まれている場合に顔検出モードを自動的に設定するようにしてもよい。
【0092】
図6は、HI制御回路180による検出された顔画像表示の処理手順を示すフローチャートである。
【0093】
最初に、カメラ制御回路160から顔検出情報が入力されたか否かが判断される(ステップS900)。
【0094】
カメラ制御回路160から顔検出情報が入力されていなければ(ステップS900)、表示部300に顔が検出されていない旨の表示がされるように画像処理回路150が制御される。例えば、撮影画像表示領域310の顔選択表示領域320の各表示領域に不選択ボタン331が表示される(ステップS904)。
【0095】
一方、図2に示すように、撮影画像表示領域310に表示される画像に顔が含まれている場合には、カメラ制御回路160から顔検出情報が入力される(ステップS900)。
【0096】
カメラ制御回路160から顔検出情報が入力された場合には(ステップS900)、(式1)および(式2)を用いて、撮影画像表示領域310に表示される画像から取り出される顔画像の領域が計算により求められる(ステップS901)。
【0097】
続いて、撮影画像表示領域310に表示されている画像から、ステップS901で計算して求められた領域の顔画像が取り出され、取り出された顔画像のサイズが、顔選択表示領域320の表示領域の範囲内になるように、(式3)〜(式6)を用いて、取り出された顔画像について縮小等の画像処理が実行される(ステップS902)。
【0098】
続いて、ステップS902で縮小等の画像処理が施された顔画像が顔選択表示領域320の各表示領域321〜324のいずれかの領域に表示される(ステップS903)。
【0099】
続いて、検出された複数の顔画像の全ての顔画像について、顔選択表示領域320の各表示領域321〜324への表示が終了した後に、顔画像が表示されていない顔選択表示領域320の表示領域に不選択ボタン331が表示される(ステップS904)。
【0100】
図7は、HI制御回路180による顔選択の処理手順を示すフローチャートである。
【0101】
最初に、顔選択表示領域320の各表示領域321〜324に顔画像が表示されているか否かが判断される(ステップS910)。
【0102】
顔選択表示領域320の各表示領域321〜324に顔画像が表示されていなければ(ステップS910)、顔選択の処理を終了する。
【0103】
一方、顔選択表示領域320の各表示領域321〜324に顔画像が表示されていれば(ステップS910)、操作部210からの操作情報に基づいて、スイッチ211が押下され、顔選択表示領域320の各表示領域321〜324に表示されている顔のいずれかが選択されたか否かが判断される(ステップS911)。
【0104】
顔選択表示領域320の各表示領域321〜324に表示されている顔のいずれも選択されていなければ(ステップS911)、顔選択の処理を終了する。
【0105】
顔選択表示領域320の各表示領域321〜324に表示されている顔のいずれかが選択されていれば(ステップS911)、例えば、選択された顔画像が表示されている表示領域が、例えば網掛表示される(ステップS912)。
【0106】
続いて、選択された顔画像に関する情報である選択顔情報がカメラ制御回路160に出力される(ステップS913)。
【0107】
なお、ステップS911で顔選択表示領域320の不選択ボタン331が選択された場合には、例えば、不選択ボタン331が表示されている表示領域が、例えば網掛表示され(ステップS912)、不選択ボタン331が選択された旨を示す情報である不選択情報をカメラ制御回路160に出力する(ステップS913)。
【0108】
図8は、カメラ制御回路160による顔検出の処理手順を示すフローチャートである。
【0109】
顔検出回路134から顔検出情報が入力されたか否かが判断される(ステップS920)。顔検出回路134から顔検出情報が入力されていなければ、ステップS922に進む。
【0110】
一方、顔検出回路134から顔検出情報が入力されれば(ステップS920)、入力された顔検出情報に基づく顔検出情報がHI制御回路180に出力される(ステップS921)。
【0111】
続いて、選択された顔情報がHI制御回路180から入力されたか否かが判断される(ステップS922)。選択された顔情報がHI制御回路180から入力されていなければ、顔検出の処理を終了する。
【0112】
一方、選択された顔情報がHI制御回路180から入力されていれば(ステップS922)、入力された選択された顔情報に対応する顔画像について、(式7)〜(式9)を用いて、適正な焦点距離Zが計算され、さらに、計算された適正な焦点距離Zに基づく所定の範囲の値が求められる(ステップS923)。
【0113】
続いて、ステップS923で求められた適正な焦点距離Zと所定の範囲の値を含む情報である焦点距離情報がHI制御回路180に出力される(ステップS924)。
【0114】
図9は、HI制御回路180による適正な焦点距離表示の処理手順を示すフローチャートである。
【0115】
顔選択表示領域320の各表示領域321〜324に表示されている顔のいずれかが選択されているか否かが判断され(ステップS930)、各表示領域321〜324に表示されている顔のいずれも選択されていなければ、適正な焦点距離表示の処理を終了する。
【0116】
一方、各表示領域321〜324に表示されている顔のいずれかが選択されていれば(ステップS930)、焦点距離情報がカメラ制御回路160から入力されたか否かが判断される(ステップS931)。
【0117】
焦点距離情報がカメラ制御回路160から入力されていなければ(ステップS931)、適正な焦点距離表示の処理を終了する。
【0118】
焦点距離情報がカメラ制御回路160から入力されていれば(ステップS931)、入力された焦点距離情報に含まれる範囲を適正な焦点距離313として焦点距離表示バー311に表示する(ステップS932)。
【0119】
図10は、カメラ制御回路160によるズームアップの処理手順を示すフローチャートである。
【0120】
ステップS940〜ステップS944に示す各処理手順は、図8に示すステップS920〜ステップS924の各処理手順と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0121】
ステップS944で、焦点距離情報がHI制御回路180に出力された後に、焦点距離情報がレンズドライバ170に出力される(ステップS945)。
【0122】
焦点距離情報がレンズドライバ170に入力されると、入力された焦点距離情報に基づいてレンズドライバ170が焦点距離情報に含まれる適正な焦点距離となるように、光学系110を構成する所定のレンズに取り付けられたモータ190および191を制御する。
【0123】
なお、ステップS945において焦点距離情報がレンズドライバ170に出力された後に、選択された顔画像に対応する被写体の顔を撮影するため、「選択した人物の顔が画面の中心にくるようにカメラ位置を変更して下さい。」とメッセージを表示部300に表示し、その人物の顔が画面の中心になった後に、モータ190および191の制御を開始するようにしてもよい。
【0124】
なお、本実施の形態において、現在の焦点距離312が、焦点距離表示バー311に表示された適正な焦点距離313の範囲内になった場合に、選択された顔画像に対応する被写体の顔を適正に撮影することができる撮影条件になるようにカメラ制御処理を実行し、当該撮影条件を設定するようにしてもよい。このカメラ制御処理としては、選択された顔画像に対応する被写体の顔が適切な条件で撮像することができるようにする制御処理であり、当該顔に対して適正な露出状態となるようにするための露出制御処理、その顔にピントが合うようにレンズを制御するレンズ制御処理、その顔が適正な肌色となるようするためのホワイトバランス処理、色相等を制御する色制御処理、フォーカス制御、焦点距離制御等の処理がある。これらの制御処理は、顔検出回路134が検出した顔検出情報に基づいて実行し、設定することができる。
【0125】
また、顔検出回路134が検出した顔検出情報に基づいて、顔検出回路134が検出した顔に対応する人物と撮像装置100との距離を推定することができる。
【0126】
さらに、推定した距離に基づいて、表示部300に表示されている複数の顔画像に対応する複数の顔のうちで、適正な焦点距離となるように制御されたズームレンズのピント位置と同一の被写界深度内にある顔に対応する顔画像についてはピントが合っている旨を表示部300に表示させるようにしてもよい。例えば、撮影画像表示領域310に表示されている顔画像のうちで、適正な焦点距離となるように制御されたズームレンズのピント位置と同一の被写界深度内にある顔に対応する顔画像については網掛表示する。
【0127】
次に、性別に応じて適正な焦点距離の範囲を補正する例について説明する。
【0128】
カメラ画像信号処理回路133がカメラ画像処理を施した画像信号に含まれている人間の顔を顔検出回路134が検出する場合において、検出した顔の特徴を抽出し、抽出した顔の特徴に基づいて性別を判別する。そして、判別した性別を含めた顔検出情報を顔検出回路134がカメラ制御回路160に出力する。
【0129】
カメラ制御回路160は、適正な焦点距離Zを計算する場合、顔検出回路134からの顔検出情報に含まれる性別に基づいて、(式7)を用いて求めた適正比率Aを性別に応じて補正する。例えば、女性を写真撮影する場合には、顔が比較的小さくなるように撮影すると綺麗に撮影することができると考えられている。このため、適正比率Aの値よりも大きな値とした値A2を適正比率の値として使用する。
【0130】
次に、撮影モードに応じて適正な焦点距離を補正する例について説明する。
【0131】
例えば、撮像装置100において風景&人物モードが設定されている場合には、人物とともに背景も撮影したい場合が多いため、顔の画面比率(構成比率)を通常よりも小さくなるように設定することが望ましい。
【0132】
そこで、カメラ制御回路160は、適正な焦点距離Zを計算する場合、女性を撮影する場合と同様に、適正比率Aの値よりも大きな値とした値A3を適正比率の値として使用する。また、適正な焦点距離の範囲については、撮影者の選択の幅を広げるため、例えば、通常よりも大きな値である1.0倍程度の幅を使用するようにしてもよい。
【0133】
このように、本発明の実施の形態によれば、顔検出モードに設定して人間の顔を撮影する場合、表示部300の撮影画像表示領域310に含まれる人の顔の画像が、顔選択表示領域320に所定サイズで並べて表示されるため、撮影者が撮影したい人物のバストショットのサイズ等を撮影前に容易に確認することができる。これにより、撮影状況と撮影者の好みに応じた適切な撮影を迅速に行うことができる。また、撮影者が意図する顔の撮影を効率的に行うことができる。さらに、撮影者が撮影したい人物のバストショットのサイズ等を撮影前に容易に確認することができるため、撮影者が意図しない撮影を防止することができ、デジタルデータを格納する記憶領域を有効に活用することができる。
【0134】
また、表示部300の撮影画像表示領域310に含まれる人の顔が複数ある場合には、顔選択表示領域320に複数の顔画像が所定サイズで並べて表示されるため、撮影者が撮影したい人物の顔を撮影前に容易に確認することができる。これにより、表示部300の撮影画像表示領域310に含まれる画像の中から撮影対象となる人の顔を探す場合に、撮影対象となる人の顔を顔選択表示領域320を参照して迅速に探すことができるため、撮影を迅速に行うことができる。
【0135】
なお、顔検出モードに設定して人間の顔を撮影する場合において、顔選択表示領域320に所定サイズで並べて表示される顔画像の中に、撮影者が撮影したい構図がないような場合には、不選択ボタン331を用いて顔画像を選択しないようにすることができる。これにより、撮影状況と撮影者の好みに応じた適切な撮影を迅速に行うことができる。
【0136】
また、顔選択表示領域320に表示されている顔画像の中で選択された顔画像の領域を、他の領域と識別することができるようにするため、撮影者が撮影したい人物を顔選択表示領域320の選択顔画像で確認しながら撮影を行うことができる。これにより、撮影を迅速に行うことができる。
【0137】
ところで、人間の顔を撮影する場合には、撮影者の好みや背景に応じて構図を変更する場合が多い。例えば、有名な観光名所で撮影するような場合には、その場所の背景を比較的多く取り入れて撮影する場合が多い。
【0138】
しかしながら、上述の従来技術では、撮像装置の表示部に表示される撮影範囲に含まれる人間の顔部分を撮影する場合において、その顔部分に対して適切なズームを行い、その顔部分が定められた大きさとなるように制御することができるものの、撮影者の好みや背景に応じた変更を適切かつ迅速に行うことができなかった。
【0139】
つまり、撮影範囲に含まれる人物の中を撮影する場合において、撮影者の好みや背景に応じた適切な撮影を迅速に行うことができないという問題があった。
【0140】
これに対して、本実施の形態によれば、選択された顔画像に対応する被写体の人物の顔を適正な大きさで撮影することができる焦点距離の範囲が、適正な焦点距離313として焦点距離表示バー311に表示されるため、その焦点距離の範囲を撮影者が視覚的に容易に確認することができる。これにより、撮影者の好みに応じた適切な撮影を迅速かつ容易に行うことができる。
【0141】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、以下に示すように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0142】
すなわち、請求項1、8または14において、撮像手段は、例えば撮像素子120に対応する。また、表示手段は、例えば表示部300に対応する。また、顔検出手段は、例えば顔検出回路134に対応する。
【0143】
請求項1、6、8、14または15において、顔画像取出手段は、例えばHI制御回路180に対応する。
【0144】
請求項1乃至3、5乃至8、14または15において、表示制御手段は、例えばHI制御回路180に対応する。
【0145】
請求項2または7において、撮影画像表示領域は、例えば撮影画像表示領域310に対応する。
【0146】
請求項2または14において、顔画像表示領域は、例えば顔選択表示領域320に対応する。
【0147】
請求項3または8において、顔画像選択手段は、例えばスイッチ211に対応する。
【0148】
請求項4において、撮影条件設定手段は、例えばカメラ制御回路160に対応する。
【0149】
請求項8または10、12乃至14において、焦点距離算出手段は、例えばカメラ制御回路160に対応する。
【0150】
請求項8乃至11において、焦点距離表示制御手段は、例えばHI制御回路180に対応する。
【0151】
請求項9または11において、焦点距離表示領域は、例えば焦点距離表示バー311に対応する。
【0152】
請求項12において、性別判別手段は、例えばカメラ制御回路160に対応する。
【0153】
請求項13において、撮影モード設定手段は、例えば操作部210に対応する。
【0154】
請求項14において、ズームレンズは、例えば光学系110を構成するズームレンズに対応する。ズームレンズ制御手段は、例えばレンズドライバ170に対応する。
【0155】
請求項16または請求項17において、顔検出手順は、例えばステップS920に対応する。また、顔画像取出手順は、例えばステップS902に対応する。また、表示制御手順は、例えばステップS903に対応する。
【0156】
なお、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】表示部300に表示される画像表示の一例を示す図である。
【図3】カメラ信号処理回路130の機能構成例を示すブロック図である。
【図4】表示部300の撮影画像表示領域310および顔選択表示領域320に表示される画像表示と、撮影画像表示領域310に含まれる父H2の顔画像を示す図である。
【図5】焦点距離表示バー311に表示されている適正な焦点距離313が示す範囲のワイド端側またはテレ端側に現在の焦点距離312を合わせた場合における撮影画像表示領域310の表示例を示す図である。
【図6】HI制御回路180による検出された顔画像表示の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】HI制御回路180による顔選択の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】カメラ制御回路160による顔検出の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】HI制御回路180による適正な焦点距離表示の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】カメラ制御回路160によるズームアップの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0158】
100 撮像装置
110 光学系
120 撮像素子
130 カメラ信号処理回路
131 I/F回路
132 検波回路
133 カメラ画像信号処理回路
134 顔検出回路
135 メモリI/F回路
136 I/F回路
137、138 バス
140 バッファメモリ
150 画像処理回路
160 カメラ制御回路
170 レンズドライバ
180 HI制御回路
190、191 モータ
200 露出駆動部分
210 操作部
211 スイッチ
300 表示部
310 撮影画像表示領域
311 焦点距離表示バー
312 現在の焦点距離
313 適正な焦点距離
320 顔選択表示領域
331 不選択ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段を具備する撮像装置において、
前記撮像手段により撮像された画像に含まれる人間の顔を検出する顔検出手段と、
前記顔検出手段により検出された顔に対応する顔画像を前記撮像手段により撮像された画像から取り出す顔画像取出手段と、
前記顔画像取出手段により取り出された顔画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記表示手段の少なくとも一部には撮影画像表示領域と顔画像表示領域とが設けられ、
前記表示制御手段は、前記撮像手段により撮像された画像を前記撮影画像表示領域に表示させるとともに前記顔画像取出手段により取り出された顔画像を前記顔画像表示領域に表示させることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示手段に表示されている顔画像を選択する顔画像選択手段をさらに具備し、
前記表示制御手段は、前記顔画像選択手段により顔画像が選択された旨を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記顔画像選択手段により選択された顔画像に対応する被写体の顔に対する撮影条件を前記顔画像取出手段により取り出された顔画像に基づいて設定する撮影条件設定手段を具備することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記顔画像取出手段により取り出された顔画像を所定のサイズに変換して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
前記顔画像取出手段は、前記顔検出手段により複数の顔が検出された場合には前記検出された複数の顔に対応する複数の顔画像を前記撮像手段により撮像された画像から取り出し、
前記表示制御手段は、前記顔画像取出手段により取り出された複数の顔画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
前記表示手段の少なくとも一部には顔画像表示領域が設けられ、
前記表示制御手段は、前記顔画像取出手段により取り出された複数の顔画像を所定の条件に従って前記顔画像表示領域に並べて一覧表示させることを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項8】
撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段を具備する撮像装置において、
前記撮像手段により撮像された画像に含まれる人間の顔を検出する顔検出手段と、
前記顔検出手段により検出された顔に対応する顔画像を前記撮像手段により撮像された画像から取り出す顔画像取出手段と、
前記顔画像取出手段により取り出された顔画像を前記表示手段に表示させる顔画像表示制御手段と、
前記表示手段に表示されている顔画像を選択する顔画像選択手段と、
前記顔画像選択手段により選択された顔画像に対応する被写体の顔が前記撮像手段により撮像される画像において所定の構成比率となる焦点距離である適正な焦点距離を現在の焦点距離と前記顔画像取出手段により取り出された顔画像の大きさとに基づいて算出する焦点距離算出手段と、
前記焦点距離算出手段により算出された適正な焦点距離を前記表示手段に表示させる焦点距離表示制御手段と
を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
前記表示手段の少なくとも一部には現在の焦点距離を表示する焦点距離表示領域が設けられ、
前記焦点距離表示制御手段は、前記焦点距離算出手段により算出された適正な焦点距離を前記焦点距離表示領域内に表示させることを特徴とする請求項8記載の撮像装置。
【請求項10】
前記焦点距離算出手段は、前記顔画像選択手段により選択された顔画像に対応する被写体の顔が前記撮像手段により撮像される画像において所定の構成比率となる焦点距離の一定の範囲を示す焦点距離範囲を前記算出された適正な焦点距離に基づいて算出し、
前記焦点距離表示制御手段は、前記焦点距離算出手段により算出された焦点距離範囲を前記焦点距離表示領域内に表示させることを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項11】
前記焦点距離表示領域は、一の端部が望遠側を示し他の端部が広角側を示す棒状の領域であり、
前記焦点距離表示制御手段は、前記焦点距離表示領域内において前記現在の焦点距離の値に応じた位置を他の部分と異なる色で表示させることによって当該現在の焦点距離を表示させるとともに前記焦点距離算出手段により算出された焦点距離範囲の値に応じた部分を他の部分と異なる色で表示させることによって当該焦点距離範囲を表示させることを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項12】
前記顔検出手段により検出された顔に対応する顔画像に基づいて当該顔に係る人物の性別を判別する性別判別手段をさらに具備し、
前記焦点距離算出手段は、前記判別された性別に応じて前記算出された適正な焦点距離を補正することを特徴とする請求項8記載の撮像装置。
【請求項13】
被写体を撮影するための撮影条件である撮影モードを設定する撮影モード設定手段をさらに具備し、
前記焦点距離算出手段は、前記設定された撮影モードに応じて前記算出された適正な焦点距離を補正することを特徴とする請求項8記載の撮像装置。
【請求項14】
撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段とズームレンズとを具備する撮像装置において、
前記撮像手段により撮像された画像に含まれる人間の顔を検出する顔検出手段と、
前記顔検出手段により検出された顔に対応する顔画像を前記撮像手段により撮像された画像から取り出す顔画像取出手段と、
前記顔画像取出手段により取り出された顔画像を前記表示手段に表示させる顔画像表示制御手段と、
前記表示領域に表示されている顔画像を選択する顔画像選択手段と、
前記顔画像選択手段により選択された顔画像に対応する被写体の顔が前記撮像手段により撮像される画像において所定の構成比率となる焦点距離である適正な焦点距離を現在の焦点距離と前記顔画像取出手段により取り出された顔画像の大きさとに基づいて算出する焦点距離算出手段と、
前記焦点距離算出手段により算出された適正な焦点距離に基づいて前記ズームレンズを制御するズームレンズ制御手段と
を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項15】
前記顔画像取出手段は、前記顔検出手段により複数の顔が検出された場合には前記検出された複数の顔に対応する複数の顔画像を前記撮像手段により撮像された画像から取り出し、
前記顔画像取出手段により取り出された複数の顔画像を前記表示手段に表示させるとともに前記表示手段に表示されている複数の顔画像に対応する複数の顔のうちで前記ズームレンズ制御手段により制御された前記ズームレンズのピント位置と同一の被写界深度内にある顔に対応する顔画像についてはピントが合っている旨を前記表示手段に表示させる表示制御手段を具備することを特徴とする請求項14記載の撮像装置。
【請求項16】
撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段を具備する撮像装置に用いられる画像処理方法において、
前記撮像手段により撮像された画像に含まれる人間の顔を検出する顔検出手順と、
前記顔検出手順で検出された顔に対応する顔画像を前記撮像手段により撮像された画像から取り出す顔画像取出手順と、
前記顔画像取出手順で取り出された顔画像を前記表示手段に表示させる表示制御手順と
を具備することを特徴とする画像処理方法。
【請求項17】
撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段を具備する撮像装置において、
前記撮像手段により撮像された画像に含まれる人間の顔を検出する顔検出手順と、
前記顔検出手順で検出された顔に対応する顔画像を前記撮像手段により撮像された画像から取り出す顔画像取出手順と、
前記顔画像取出手順で取り出された顔画像を前記表示手段に表示させる表示制御手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−98739(P2008−98739A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275102(P2006−275102)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】