説明

撮像装置及びそれを備えた生体情報取得装置

【課題】被検体以外に起因する外部からの不要光の影響を受けることなく、良質の生体画像情報を得ることができると共に、製造歩留まりを向上させることができる低コストの撮像装置を提供する。
【解決手段】2次元配列された複数の集光レンズ32と、複数の集光レンズ32のそれぞれに対応して2次元配列された複数の画素PX(受光素子)とを備えた撮像装置150である。複数の集光レンズ32を、透明基板31の、複数の画素PX(受光素子)側と反対側の面上に形成する。透明基板31の、複数の集光レンズ32が形成された面上の、集光レンズ領域外に、集光レンズ32を通過せずに透明基板31の内部に入射した光を画素PX(受光素子)に到達させることなく除去するプリズム33を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及びそれを備えた生体情報取得装置に関し、例えば、生体の血管パターンを撮像するのに好適な撮像装置及びそれを備えた生体情報取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報セキュリティの保護方式として、指紋や虹彩、血管パターンといった個人の体の一部を鍵として用いる生体認証が注目されている。中でも、血管パターンを用いた認証方法は、指紋のように犯罪捜査を連想させたり、虹彩のように直接眼球に光を照射したりすることがないため、心理的抵抗感が少ないという利点がある。また、血管パターンを用いた認証方法は、容易に観測できる生体表面ではなく、生体内部の情報を利用するものであるため、偽造が困難であるという利点もある。
【0003】
また、近年、このような生体認証を行う生体認証装置の小型化及び薄型化が要求されている。生体認証装置に用いられる撮像装置には、従来から単数又は複数のレンズによる縮小結像を利用した単眼縮小光学系が用いられてきたが、レンズ構造の関係上、小型化及び薄型化には限界があった。
【0004】
そこで、マイクロレンズアレイと複数の受光素子とを組み合わせた複眼光学系を、生体認証装置に適用することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
特許文献1、2には、透明基板上に形成された複数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイ(レンズアレイ基板)と、それぞれが各マイクロレンズに対向して設けられた複数の受光素子を有する受光部(イメージセンサ基板)と、マイクロレンズアレイと受光部との間に設けられ、各マイクロレンズと1対1に対応する円筒状の開口を有する遮光スペーサ(遮光層)とを備えた撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平3−157602号公報
【特許文献2】特開2008−36058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2等に開示された撮像装置によれば、必要光であるマイクロレンズの直上の被検体からの光を、マイクロレンズによってマイクロレンズの直下の受光素子に集光させる一方で、不要光であるマイクロレンズの直上以外からの光の大部分を、遮光スペーサ(遮光層)によってマイクロレンズの直下の受光素子に入らないように遮断することにより、生体画像情報を得ることができる。
【0008】
この場合、良質の生体画像情報を得るためには、生体画像情報を乱す不要光である被検体以外に起因する外部からの光をいかに遮断するかが重要となる。
【0009】
しかし、特許文献1、2等に開示された撮像装置では、以下に説明する装置構成上の問題により、被検体以外に起因する外部からの不要光を除去することは困難であった。
【0010】
すなわち、これらの撮像装置は、複数の受光素子を有する受光部(イメージセンサ基板)を土台として、その上に遮光スペーサ(遮光層)とマイクロレンズアレイ(レンズアレイ基板)とが順次積層された構成となっている。そして、イメージセンサ基板は、受光素子の動作に必要な電力を供給するための、あるいは、受光素子からの電気信号を外部へ取り出すための、配線層と電極とを備えている。これらの配線層や電極は、一般的に、アルミニウムや銀などの金属製であるため、反射率が極めて高い。
【0011】
このため、例えば図6に示すように、外部からの不要光の一部が、レンズアレイ基板30や遮光層22、13を通過することなくイメージセンサ基板11に到達すると、当該不要光は、イメージセンサ基板11で反射した後、レンズアレイ基板30の側面からレンズアレイ基板30の内部に入射し、さらに、レンズアレイ基板30の内部を反射しながら伝播する。そして、当該不要光は、やがて遮光層22、13の開口OP1、OP2を通過して受光素子(画素)PXに到達し、生体画像情報を乱してしまう。
【0012】
また、例えば図8に示すように、レンズアレイ基板30の、集光レンズ32が設けられていない領域(平坦部)を介してレンズアレイ基板30の内部に入射した外部からの不要光の一部が、遮光層22、13の開口OP1、OP2を通過して受光素子(画素)PXに到達し、これも生体画像情報を乱す原因となる。
【0013】
対策方法として、外部からの不要光がレンズアレイ基板30の側面や平坦部から入射することを防止するために、レンズアレイ基板30の側面部分、平坦部分に別途遮光筐体を設ける方法や、レンズアレイ基板30の側面部分、平坦部分及びイメージセンサ基板11の配線層部分、電極部分に黒色塗料などを塗布する方法が考えられる。
【0014】
しかし、これらの対策方法では、部品点数が多くなり、また、製造工程が複雑になるため、製造コストの高騰と歩留まりの低下を避けることができないという問題点がある。
【0015】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、被検体以外に起因する外部からの不要光の影響を受けることなく、良質の生体画像情報を得ることができ、かつ、製造歩留まりを向上させることができる低コストの撮像装置及びそれを備えた生体情報取得装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するため、本発明に係る撮像装置の構成は、2次元配列された複数の集光レンズと、前記複数の集光レンズのそれぞれに対応して2次元配列された複数の受光素子とを備えた撮像装置であって、前記複数の集光レンズが、透明基板の、前記複数の受光素子側と反対側の面上に形成され、前記透明基板の、前記複数の集光レンズが形成された面上の、集光レンズ領域外に、前記集光レンズを通過せずに前記透明基板の内部に入射した光を前記受光素子に到達させることなく除去する光学的構造体が設けられたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る生体情報取得装置の構成は、被検体に対する光照射に基づいて前記被検体の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、前記被検体に照射される光を出射する光源と、前記被検体からの透過光又は反射光が入射する前記本発明の撮像装置とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の撮像装置によれば、透明基板の、複数の集光レンズが形成された面上の、集光レンズ領域外に、前記集光レンズを通過せずに前記透明基板の内部に入射した光を受光素子に到達させることなく除去する光学的構造体が設けられているので、被検体に対する光照射に基づいて前記被検体の生体情報を取得する生体情報取得装置に組み込んだ場合に、前記被検体以外に起因する外部からの不要光(すなわち、前記集光レンズを通過せずに前記透明基板の内部に入射した光)の影響を受けることなく、良質の生体画像情報を得ることができる。また、従来型の撮像装置に比べて部品点数が増加せず、光学的構造体を、集光レンズの形成と同時に容易に形成することができるため、製造歩留まりを向上させることができる低コストの撮像装置及びそれを備えた生体情報取得装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態における生体情報取得装置を示す概略構成図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態における撮像装置を模式的に示す概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態における撮像装置を構成する、集光レンズと開口と画素との配置関係を示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態における撮像装置を構成する光機能部の製造工程を示す概略断面図である。
【図5A】図5Aは、本発明の第1の実施の形態における撮像装置の製造工程を示す概略断面図である((a)、(b)、(c))。
【図5B】図5Bは、本発明の第1の実施の形態における撮像装置の製造工程を示す概略断面図である((d)、(e))。
【図6】図6は、本発明の比較例における撮像装置を模式的に示す概略断面図であり、被検体以外に起因する外部からの不要光が受光素子(画素)に到達する光路の一例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態の実施例における、被検体以外に起因する外部からの不要光が受光素子(画素)に到達することなく外部へ出射する光路の一例を示す概略断面図である。
【図8】図8は、本発明の比較例における撮像装置を模式的に示す概略断面図であり、被検体以外に起因する外部からの不要光が受光素子(画素)に到達する光路の他の例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施の形態の実施例における、被検体以外に起因する外部からの不要光が受光素子(画素)に到達することなく外部へ出射する光路の他の例を示す概略断面図である。
【図10】図10は、本発明の第1の実施の形態における生体情報取得装置の他の例を示す概略構成図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施の形態における撮像装置を模式的に示す概略断面図であり、被検体以外に起因する外部からの不要光が受光素子(画素)に到達することなく外部へ出射する光路の一例を示す図である。
【図12】図12は、本発明の第2の実施の形態における撮像装置を模式的に示す概略断面図であり、被検体以外に起因する外部からの不要光が受光素子(画素)に到達することなく外部へ出射する光路の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
前記本発明の撮像装置の構成においては、前記光学的構造体が、前記集光レンズを通過せずに前記透明基板の内部に入射し、前記透明基板の内部を伝播する光を、前記透明基板の外部へ出射するように斜面角度が設定されたプリズムであるのが好ましい。
【0021】
また、前記本発明の撮像装置の構成においては、前記光学的構造体が、前記集光レンズを通過せずに前記透明基板の内部に入射し、前記透明基板の内部を伝播する光を、前記透明基板の外部へ出射するような形状に形成されたレンズであるのが好ましい。
【0022】
以下、好適な実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施の形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
尚、以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施の形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明は、以下の説明において参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、以下の説明において参照する各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0024】
[第1の実施の形態]
(撮像装置及び生体情報取得装置の構成)
まず、本実施の形態における撮像装置及び生体情報取得装置の構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明の第1の実施の形態における生体情報取得装置を示す概略構成図、図2は、本発明の第1の実施の形態における撮像装置を模式的に示す概略断面図、図3は、当該撮像装置を構成する、集光レンズと開口と画素との配置関係を示す模式図である。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態の生体情報取得装置100は、被検体としての例えばヒトの指200に対する光照射に基づいてヒトの指200の生体情報である静脈201のパターンの画像を取得する生体情報取得装置である。より具体的には、生体情報取得装置100は、ヒトの指200に照射される光を出射する光源110と、ヒトの指200からの透過光が入射され、静脈201のパターンを撮像する撮像装置150とを備えている。ここで、光源110と撮像装置150は、コントローラ120に接続されている。
【0027】
光源110は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザダイオード(LD:Laser Diode)等の一般的な半導体素子である。光源110は、ヒトの指200の静脈201で吸収される赤外線(近赤外線〜遠赤外線)を出力する。
【0028】
撮像装置150は、ヒトの指200内を透過した光を受光して、静脈201のパターンの画像(静脈像)を撮像し、取得した静脈像をコントローラ120に出力する。
【0029】
コントローラ120は、例えば、通常のコンピュータである。コントローラ120は、記憶部に格納されたプログラムをCPUで実行することにより、様々な機能を実現することができる。具体的には、コントローラ120は、光源110を駆動して、光源110から赤外線を出力させる。また、コントローラ120は、撮像装置150を駆動して、ヒトの指200の静脈像を撮像させる。
【0030】
図2に示すように、本実施の形態の撮像装置150は、イメージセンサ10と、光機能部20と、レンズアレイ基板30とがこの順番に積層されて構成されている。尚、イメージセンサ10と光機能部20は、接着層40を介して貼り合わされている。また、光機能部20とレンズアレイ基板30は、接着層50を介して貼り合わされている。そして、光機能部20とレンズアレイ基板30の積層体によって光学部品が構成されている。
【0031】
以下、撮像装置150の各構成部材について、図3をも参照しながら、さらに具体的に説明する。
【0032】
イメージセンサ10は、一般的な撮像素子(CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ、CCD(Charge Coupled Device)センサ等)である。
【0033】
イメージセンサ10は、イメージセンサ基板(半導体基板)11と、イメージセンサ基板11上に形成された配線層12及び電極(図示せず)とを備えている。イメージセンサ基板11は、通常のシリコン基板である。イメージセンサ基板11の主面(撮像面)には、複数の画素PX(受光素子)が2次元状に形成されている。尚、画素PXは、不純物をイメージセンサ基板11に拡散させることによって形成される。画素PXでは、入射光強度に応じた値の電気信号が生成される。イメージセンサ基板11上に形成された配線層12及び電極は、画素PX(受光素子)の動作に必要な電力を供給するための、あるいは、画素PX(受光素子)からの電気信号を外部へ取り出すためのものである。尚、イメージセンサ基板11の具体的な構成は任意である。
【0034】
配線層12は、シリコン酸化層などの絶縁層の堆積によって形成される。堆積された絶縁層内には、信号の伝送路として機能する金属配線が埋め込まれている。
【0035】
配線層12の上には、遮光層13が形成されている。遮光層13には、各光軸AXに対応して開口OP2が形成されている。遮光層13は、後述の遮光層22と共に、クロストーク防止のための遮光構造を形成する。
【0036】
遮光層13は、光源110の出射光を吸収する特性を有する。遮光層13の材質は、例えば、黒色樹脂や酸化金属等である。遮光層13は、光軸AX上に開口OP2を有する。開口OP2は、遮光層13が部分的に除去されることによって形成される。遮光層13での反射によって迷光が生じることを抑制するために、低反射率の材料で遮光層13を形成するのが望ましい。後述の遮光層22についても同様である。また、遮光層13は、配線層12内に埋め込んでもよい。
【0037】
尚、開口OP2とは、光学的な意味での開口を意味し、当該開口OP2に何らかの物質が充填されていてもよい。後述の開口OP1についても同様である。
【0038】
光機能部20は、イメージセンサ10とレンズアレイ基板30との間に配置される。光機能部20は、透明基板23と、透明基板23のイメージセンサ10側の面に形成されたフィルタ層21と、透明基板23のレンズアレイ基板30側の面に形成された遮光層22とを備えている。
【0039】
フィルタ層21は、フィルタ特性を有する部材である。フィルタ層21の光透過率は、入射光の入射角度に応じて変動する。ここでは、特定の波長に注目したとき、入射光の入射角度が増加するとフィルタ層21の光透過率は減少する。換言すると、フィルタ層21は、入射角度が0°に近い光に対しては透明であり、入射角度が斜めの光に対しては不透明になる。これにより、ノイズとなる迷光成分を低減させることができる。
【0040】
フィルタ層21の具体的な材料は任意である。フィルタ層21に屈折作用又は回折作用を付与することにより、フィルタ層21の光透過率が入射角度に依存するように設定される。例えば、フィルタ層21は、屈折率が制御された複数の薄膜の積層体を用いて形成することができる。
【0041】
尚、遮光層22の特性及び材質は、前述した遮光層13の特性及び材質と同じである。
【0042】
レンズアレイ基板30は、透明基板31と、透明基板31の、光機能部20側と反対側(すなわち、複数の画素PX(受光素子)側と反対側)の面上に形成された複数の集光レンズ32とを備えている。
【0043】
また、透明基板31の、複数の集光レンズ32が形成された面上の、集光レンズ領域外には、集光レンズ32を通過せずに透明基板31の内部に入射した光を画素PX(受光素子)に到達させることなく除去する光学的構造体が設けられている。
【0044】
本実施の形態においては、上記光学的構造体として、集光レンズ32を通過せずに透明基板31の内部に入射し、透明基板31の内部を伝播する光を、透明基板31の外部へ出射するように斜面角度が設定されたプリズム33が用いられている。
【0045】
尚、上記光学的構造体は、このように構成されたプリズム33に限定されるものではなく、集光レンズ32を通過せずに透明基板31の内部に入射した光を画素PX(受光素子)に到達させることなく除去する機能を有するものであればよい。
【0046】
透明基板31は、板状部材であって、光源110からの出射光に対して実質的に透明である。透明基板31は、例えば、ガラス基板である。
【0047】
集光レンズ32は、透明基板31の主面上に2次元配列されている。そして、被検体側からの入射光は、集光レンズ32のレンズの作用により、画素PXに向けて収束しながら光軸AXに沿って進行する。
【0048】
接着層40、50は、熱硬化樹脂又は光硬化樹脂(例えば、紫外線硬化樹脂等)により形成される。
【0049】
図2、図3に示すように、集光レンズ32を透過した光は、透明基板31、接着層50、遮光層22の開口OP1、透明基板23、フィルタ層21、接着層40、遮光層13の開口OP2、及び配線層12をこの順番に通過し、画素PXに入射する。各画素PXでは、入射光が光電変換され、入射光強度に応じた値の電気信号が生成される。そして、各画素PXで生成された電気信号は、イメージセンサ10の読み出し動作によって、外部バスに接続される。
【0050】
[実施例]
以下、撮像装置150及び各構成部材の製造方法を説明しながら、本実施の形態の実施例について説明する。
【0051】
(レンズアレイ基板の製造方法)
レンズアレイ基板30の製造方法について説明する。
【0052】
レンズアレイ基板30は、種々の方法によって製造可能であるが、ここでは以下の方法を用いた。すなわち、透明基板31上に紫外線硬化樹脂を塗布した後、空間的に強度分布が制御された紫外線を照射し、樹脂層の未硬化部分を有機溶剤によって除去することにより、透明基板31上に集光レンズ32及びプリズム33を形成した。
【0053】
透明基板31としては、公称厚みが250μmの光学部品用ガラス基板(材質:ホウ珪酸ガラス)を用い、集光レンズ32は、その厚み(樹脂層と透明基板31との界面からレンズ頂点までの距離)が40μmとなるように形成した。
【0054】
(レンズ形状)
集光レンズ32の光入射側のレンズ面の形状は、下記(数1)で与えられる。
【0055】
【数1】

【0056】
但し、上記(数1)中、rはレンズ面上の任意の点の座標(r=(x2+y21/2)、zはレンズ面上の任意の点における透明基板31の主面からの高さ、cはレンズ面の曲率、κは円錐常数をそれぞれ表わしている。
【0057】
本実施例においては、
レンズ面の曲率c:6.5[1/mm]、
円錐常数κ:−0.2
とした。
【0058】
尚、本発明の撮像装置150を構成する集光レンズ32のレンズ面の形状は、上記(数1)で与えられるものに限定されるものではない。
【0059】
(プリズム形状)
プリズム33の形状は、xz断面が三角形で頂角が100°であり、集光レンズ領域に近接する側の底角は30°、透明基板31の端部に近接する側の底角は50°である。
【0060】
尚、本発明の撮像装置150を構成するプリズム33は、かかる形状のものに限定されるものではない。集光レンズ32を通過せずに透明基板31の内部に入射し、透明基板31の内部を伝播する光を、透明基板31の外部へ出射するように斜面角度が設定されたプリズムであればよい。
【0061】
(光機能部の製造方法)
光機能部20の製造方法について、図4を参照しながら説明する。
【0062】
まず、図4(a)に示すように、透明基板23の一方の面上に、フィルタ層21を形成した。ここでは、フィルタ層21として、Ta25からなる高屈折率層とSiO2からなる低屈折率層との積層構造を、蒸着法を用いて形成した。また、フィルタ層21の総厚みは、約5μmとした。次いで、透明基板23の、フィルタ層21を形成した面と反対側の面上に、遮光層22を通常の薄膜形成技術(スピンコート法等)を用いて形成した。ここでは、遮光層22の厚みは、1μmとした。
【0063】
次に、図4(b)に示すように、フォトマスク91を介して遮光層22を露光した。
【0064】
次に、図4(c)に示すように、現像液を用いて、遮光層22のうちの光が照射されなかった部分を除去した。遮光層22の材質は、例えば、黒色樹脂や酸化金属からなるネガ型のレジストである。従って、光が照射されて変質した部分は現像液によって除去されずに残留し、光が照射されなかった部分は現像液によって除去される。その結果、開口OP1が形成される。ここでは、開口OP1の開口形状は、一辺が25μmの正方形とした。
【0065】
(撮像装置の製造方法)
撮像装置150の製造方法について、図5A、図5Bを参照しながら説明する。
【0066】
まず、図5A(a)に示すように、イメージセンサ10の配線層12の主面上に、遮光層13を通常の薄膜形成技術(スピンコート法等)を用いて形成した。ここでは、遮光層13の厚みは、1μmとした。次いで、遮光層22の場合と同様に、光リソグラフィによって遮光層13をパターニングした。その結果、開口OP2が形成された。
【0067】
次に、図5A(b)に示すように、イメージセンサ10の上に接着層40を塗布した。尚、接着層40の材質は熱硬化樹脂とし、その塗布厚みは20μmとした。
【0068】
次に、図5A(c)に示すように、接着層40上に光機能部20を配置した。次いで、加熱して接着層40を硬化させた。これにより、イメージセンサ10と光機能部20とが接着層40を介して互いに貼り合わされた。
【0069】
次に、図5B(d)に示すように、光機能部20の上に接着層50を塗布した。尚、接着層50の材質は紫外線硬化樹脂とし、その塗布厚みは20μmとした。
【0070】
次に、図5B(e)に示すように、接着層50上にレンズアレイ基板30を配置した。次いで、レンズアレイ基板30を介して接着層50に紫外線を照射することにより、接着層50を硬化させた。これにより、イメージセンサ10及び光機能部20の積層体とレンズアレイ基板30とが接着層50を介して互いに貼り合わされた。
【0071】
以上の工程により、図2に示す撮像装置150が製造された。
【0072】
(比較例)
図6、図8に示すように、比較例として、上記と同様の製造工程を用いて、主な構成は同一であるが透明基板31上にプリズム33が形成されていない従来型の撮像装置を作製した。
【0073】
(本実施の形態の実施例と比較例との対比)
以下、本発明の効果を、本実施の形態の実施例と比較例とを対比することによって説明する。
【0074】
比較例の構成では、図6に示すように、被検体以外に起因する外部からの不要光の一部が、レンズアレイ基板30や遮光層22、13を通過することなくイメージセンサ基板11に到達すると、当該不要光は、イメージセンサ基板11で反射した後、レンズアレイ基板30の側面からレンズアレイ基板30の内部に入射し、さらに、レンズアレイ基板30の内部を反射しながら伝播する。そして、当該不要光は、やがて遮光層22、13の開口OP1、OP2を通過して受光素子(画素)PXに到達し、生体画像情報を乱してしまう。
【0075】
特に不要光がレンズアレイ基板30の内部を反射しながら伝播する過程では、透明基板31(材質:ホウ珪酸ガラス、屈折率:1.52)の上面(集光レンズ32が形成されている側の面)と空気(屈折率:1.00)との界面において発生する全反射光が大きな役割を果たす。全反射では反射時のエネルギー損失が無いからである。尚、この場合の臨界角θm はθm =sin-1(1.00/1.52)≒41.1°であり、図6に示す例では、不要光の界面への入射角が臨界角θm 以上となっており、界面で全反射が起こることが分かる。
【0076】
これに対し、本実施の形態の実施例の構成では、図7に示すように、比較例の場合と同様に、上記不要光の一部は、イメージセンサ基板11で反射した後、レンズアレイ基板30の側面からレンズアレイ基板30の内部に入射するものの、透明基板31(材質:ホウ珪酸ガラス、屈折率:1.52)の上面(集光レンズ32が形成されている側の面)とプリズム33(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)との界面で反射することなく、プリズム33の内部に入射する。そして、プリズム33の内部に入射した上記不要光は、プリズム33(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)の傾斜面と空気(屈折率:1.00)との界面で反射することなく、プリズム33の傾斜面からレンズアレイ基板30の外部へ出射する。このため、上記不要光が受光素子(画素)PXに到達して、生体画像情報を乱してしまうことはない。
【0077】
このように、集光レンズ32を通過せずにレンズアレイ基板30の内部に入射し、レンズアレイ基板30の内部を伝播する光を、プリズム33の傾斜面からレンズアレイ基板30の外部へ出射させることができるのは、透明基板31とプリズム33の材質が適切に選定され、かつ、プリズム33の斜面角度が適切な範囲に設定されているからである。尚、この場合の、透明基板31(材質:ホウ珪酸ガラス、屈折率:1.52)とプリズム33(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)との界面での臨界角θm ’はθm ’=sin-1(1.47/1.52)≒75.3°であり、図7に示す例では、上記不要光の界面への入射角が臨界角θm ’未満となっており、界面で全反射は起こらないことが分かる。また、この場合の、プリズム33(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)の傾斜面と空気(屈折率:1.00)との界面での臨界角θm ”はθm ”=sin-1(1.00/1.47)≒42.9°であり、図7に示す例では、上記不要光の界面への入射角が臨界角θm ”未満となっており、界面で全反射は起こらないことが分かる。
【0078】
また、比較例の構成では、図8に示すように、レンズアレイ基板30の、集光レンズ32が設けられていない領域(平坦部)を介してレンズアレイ基板30の内部に入射した外部からの不要光の一部が、遮光層22、13の開口OP1、OP2を通過して受光素子(画素)PXに到達し、これも生体画像情報を乱す原因となる。
【0079】
これに対し、本実施の形態の実施例の構成では、図9に示すように、集光レンズ32を通過せずにレンズアレイ基板30の内部に直接入射する不要光は、プリズム33を通過する際に、遮光層22の開口OP1が形成されていないレンズアレイ基板30の端部方向へ進行方向が変更され、遮光層22で反射されて、最終的にレンズアレイ基板30の外部へ出射する。このため、上記不要光が受光素子(画素)PXに到達して、生体画像情報を乱してしまうことはない。
【0080】
このように、集光レンズ32を通過せずにレンズアレイ基板30の内部に直接入射する上記不要光の進行方向を、遮光層22の開口OP1が形成されていないレンズアレイ基板30の端部方向へ変更させることができるのは、上記と同様に、透明基板31とプリズム33の材質が適切に選定され、かつ、プリズム33の斜面角度が適切な範囲に設定されているからである。すなわち、図9に示す例では、集光レンズ32を通過することなく、プリズム33を介してレンズアレイ基板30の内部に入射する上記不要光は、空気(屈折率:1.00)とプリズム33(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)の傾斜面との界面、及び、プリズム33(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)と透明基板31(材質:ホウ珪酸ガラス、屈折率:1.52)との界面で反射することなく屈折して、遮光層22の開口OP1が形成されていないレンズアレイ基板30の端部方向へ進行方向が変更される。そして、遮光層22で反射した当該不要光は、透明基板31(材質:ホウ珪酸ガラス、屈折率:1.52)と空気(屈折率:1.00)との界面で反射することなく屈折して、レンズアレイ基板30の外部へ出射する。尚、透明基板31(材質:ホウ珪酸ガラス、屈折率:1.52)と空気(屈折率:1.00)との界面での臨界角は上記したように41.1°であり、図9に示す例では、不要光の界面への入射角が臨界角未満となっており、界面で全反射は起こらないことが分かる。
【0081】
本実施の形態の実施例の構成、及び、比較例の構成を有する撮像装置を用いて同一の被検体を撮像し、両者を比較してみたところ。比較例の構成では、被検体以外に起因する外部からの不要光の影響により、撮像画像の端部付近が中央付近に比べて特に不明瞭となったのに対し、本実施の形態の実施例の構成では、撮像領域全面で明瞭な画像を得ることができた。従って、本実施の形態の撮像装置150を用いれば、被検体以外に起因する外部からの不要光の影響を受けることなく、良質の生体画像情報を得ることができる生体情報取得装置100を実現することが可能となる。そして、本実施の形態の撮像装置150の場合、従来型の撮像装置に比べて部品点数は増加せず、光学的構造体としてのプリズム33は、集光レンズ32の形成と同時に容易に形成することができるため、製造歩留まりを向上させることができる低コストの撮像装置150及びそれを備えた生体情報取得装置100を実現することが可能となる。
【0082】
尚、本実施の形態においては、ヒトの指200等の被検体からの透過光を利用する生体情報取得装置100を例に挙げて説明したが、図10に示すように、被検体からの反射光を利用する生体情報取得装置に本発明の撮像装置を組み込むようにしてもよい。すなわち、図10に示す生体情報取得装置においては、光源110は、被検体としての例えばヒトの指200の斜め下方に位置するように配置されている。そして、光源110から出射される光がヒトの指200の内部で散乱反射されて、撮像装置150に入射する。この際、静脈がある部分では光が吸収されるため、ヒトの指200の生体情報である静脈像を取得することができる。尚、図10において、参照符号130は赤外線透過フィルタを示している。この赤外線透過フィルタ130は、赤外領域の波長の光を透過し、それ以外の領域の波長の光を遮断する。静脈像は、赤外光であるため、ノイズとなる、それ以外の外部からの光を赤外線透過フィルタ130によって遮断することにより、さらに鮮明な静脈像を取得することができる。
【0083】
また、図1に示す生体情報取得装置100においても、被検体であるヒトの指200と撮像装置150との間に赤外線透過フィルタを介在させることができ、これにより、さらに鮮明な静脈像を取得することが可能となる。
【0084】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態における撮像装置の構成について説明する。
【0085】
図11は、本発明の第2の実施の形態における撮像装置を模式的に示す概略断面図であり、被検体以外に起因する外部からの不要光が受光素子(画素)に到達することなく外部へ出射する光路の一例を示す図である。また、図12は、当該撮像装置を用いた場合の、被検体以外に起因する外部からの不要光が受光素子(画素)に到達することなく外部へ出射する光路の他の例を示す概略断面図である。
【0086】
図11、図12に示すように、本実施の形態の撮像装置151は、光学的構造体としてプリズム33の代わりにレンズ34が形成されている以外は、上記第1の実施の形態及び実施例の撮像装置150と同じである。ここで、レンズ34は、そのレンズ面の形状が上記(数1)で与えられ、レンズ面の曲率cは6.5[1/mm]、円錐常数κは−0.2である。尚、レンズ34の材質及び形成方法は、上記第1の実施の形態におけるプリズム33の材質及び形成方法と同じである。また、集光レンズ32の場合と異なり、レンズ34の光軸上には、開口OP2、OP1も画素PX(受光素子)も存在していない。
【0087】
本実施の形態の撮像装置151の構成では、図11に示すように、上記第1の実施の形態で説明した比較例の場合と同様に、被検体以外に起因する外部からの不要光の一部は、イメージセンサ基板11で反射した後、レンズアレイ基板30の側面からレンズアレイ基板30の内部に入射するものの、透明基板31(材質:ホウ珪酸ガラス、屈折率:1.52)の上面(集光レンズ32が形成されている側の面)とレンズ34(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)との界面で反射することなく、レンズ34の内部に入射する。そして、レンズ34の内部に入射した上記不要光は、レンズ34(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)のレンズ面と空気(屈折率:1.00)との界面で反射することなく、レンズ34のレンズ面からレンズアレイ基板30の外部へ出射する。このため、上記不要光が受光素子(画素)PXに到達して、生体画像情報を乱してしまうことはない。
【0088】
このように、集光レンズ32を通過せずにレンズアレイ基板30の内部に入射し、レンズアレイ基板30の内部を伝播する光を、レンズ34のレンズ面からレンズアレイ基板30の外部へ出射させることができるのは、透明基板31とレンズ34の材質が適切に選定され、かつ、レンズ34の形状(レンズ面の曲率c、円錐常数κ)が適切な範囲に設定されているからである。尚、この場合の、透明基板31(材質:ホウ珪酸ガラス、屈折率:1.52)とレンズ34(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)との界面での臨界角Θm ’はΘm ’=sin-1(1.47/1.52)≒75.3°であり、図11に示す例では、上記不要光の界面への入射角が臨界角Θm ’未満となっており、界面で全反射は起こらないことが分かる。また、この場合の、レンズ34(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)のレンズ面と空気(屈折率:1.00)との界面での臨界角Θm ”はΘm ”=sin-1(1.00/1.47)≒42.9°であり、図11に示す例では、上記不要光の界面への入射角が臨界角Θm ”未満となっており、界面で全反射は起こらないことが分かる。
【0089】
また、本実施の形態の撮像装置151の構成では、図12に示すように、集光レンズ32を通過せずにレンズアレイ基板30の内部に直接入射する不要光は、レンズ34の集光作用によって遮光層22の開口OP1が形成されていない部分に導かれ、遮光層22で反射される。そして、当該不要光は、レンズ34と隣り合う集光レンズ32を通過し、最終的にレンズアレイ基板30の外部へ出射する。このため、上記不要光が受光素子(画素)PXに到達して、生体画像情報を乱してしまうことはない。
【0090】
このように、集光レンズ32を通過せずにレンズアレイ基板30の内部に直接入射する上記不要光を、レンズ34の集光作用によって遮光層22の開口OP1が形成されていない部分に導くことができるのは、上記と同様に、透明基板31とレンズ34の材質が適切に選定され、かつ、レンズ34の形状(レンズ面の曲率c、円錐常数κ)が適切な範囲に設定されているからである。すなわち、図12に示す例では、集光レンズ32を通過することなく、レンズ34を介してレンズアレイ基板30の内部に入射する上記不要光は、空気(屈折率:1.00)とレンズ34(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)のレンズ面との界面、及び、レンズ34(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)と透明基板31(材質:ホウ珪酸ガラス、屈折率:1.52)との界面で反射することなく屈折して、遮光層22の開口OP1が形成されていない部分に導かれる。そして、遮光層22で反射した当該不要光は、透明基板31(材質:ホウ珪酸ガラス、屈折率:1.52)と集光レンズ32(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)との界面、及び、集光レンズ32(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)と空気(屈折率:1.00)との界面で反射することなく屈折して、レンズアレイ基板30の外部へ出射する。尚、この場合の、透明基板31(材質:ホウ珪酸ガラス、屈折率:1.52)と集光レンズ32(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)との界面での臨界角Θm ’はΘm ’=sin-1(1.47/1.52)≒75.3°であり、図12に示す例では、上記不要光の界面への入射角が臨界角Θm ’未満となっており、界面で全反射は起こらないことが分かる。また、この場合の、集光レンズ32(材質:紫外線硬化樹脂、屈折率:1.47)のレンズ面と空気(屈折率:1.00)との界面での臨界角Θm ”はΘm ”=sin-1(1.00/1.47)≒42.9°であり、図12に示す例では、上記不要光の界面への入射角が臨界角Θm ”未満となっており、界面で全反射は起こらないことが分かる。
【0091】
本実施の形態の構成、及び、上記第1の実施の形態で説明した比較例の構成を有する撮像装置を用いて同一の被検体を撮像し、両者を比較してみたところ。比較例の構成では、被検体以外に起因する外部からの不要光の影響により、撮像画像の端部付近が中央付近に比べて特に不明瞭となったのに対し、本実施の形態の構成では、撮像領域全面で明瞭な画像を得ることができた。従って、本実施の形態の撮像装置151を用いれば、被検体以外に起因する外部からの不要光の影響を受けることなく、良質の生体画像情報を得ることができる生体情報取得装置を実現することが可能となる。そして、本実施の形態の撮像装置151の場合、従来型の撮像装置に比べて部品点数は増加せず、光学的構造体としてのレンズ34は、集光レンズ32の形成と同時に容易に形成することができるため、製造歩留まりを向上させることができる低コストの撮像装置151及びそれを備えた生体情報取得装置を実現することが可能となる。
【0092】
尚、本発明の撮像装置151を構成するレンズ34の形状は、上記の形状に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明によれば、被検体以外に起因する外部からの不要光の影響を受けることなく、良質の生体画像情報を得ることが可能な撮像装置を提供することができる。従って、本発明は、良質の生体画像情報を得ることが求められる生体情報取得装置の分野において産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0094】
10 イメージセンサ
11 イメージセンサ基板(半導体基板)
12 配線層
13、22 遮光層
20 光機能部
21 フィルタ層
23、31 透明基板
30 レンズアレイ基板
32 集光レンズ
33 プリズム
34 レンズ
40、50 接着層
91 フォトマスク
100 生体情報取得装置
110 光源
120 コントローラ
150、151 撮像装置
200 ヒトの指(被検体)
201 静脈
AX 光軸
OP1、OP2 開口
PX 画素(受光素子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元配列された複数の集光レンズと、
前記複数の集光レンズのそれぞれに対応して2次元配列された複数の受光素子とを備えた撮像装置であって、
前記複数の集光レンズが、透明基板の、前記複数の受光素子側と反対側の面上に形成され、
前記透明基板の、前記複数の集光レンズが形成された面上の、集光レンズ領域外に、前記集光レンズを通過せずに前記透明基板の内部に入射した光を前記受光素子に到達させることなく除去する光学的構造体が設けられたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記光学的構造体が、前記集光レンズを通過せずに前記透明基板の内部に入射し、前記透明基板の内部を伝播する光を、前記透明基板の外部へ出射するように斜面角度が設定されたプリズムである、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記光学的構造体が、前記集光レンズを通過せずに前記透明基板の内部に入射し、前記透明基板の内部を伝播する光を、前記透明基板の外部へ出射するような形状に形成されたレンズである、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
被検体に対する光照射に基づいて前記被検体の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、
前記被検体に照射される光を出射する光源と、
前記被検体からの透過光又は反射光が入射する請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置とを備えたことを特徴とする生体情報取得装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−190926(P2012−190926A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51926(P2011−51926)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】