説明

攪拌判定方法及び分析装置

【課題】攪拌の良否を確実、かつ、簡易に判定することが可能な攪拌判定方法及び分析装置を提供すること。
【解決手段】容器に保持された液体試料を攪拌し、反応した反応液の光学的特性を測定することにより前記液体試料を分析する分析装置の攪拌判定方法及び分析装置。攪拌判定方法は、希釈液と攪拌判定用の判定液とを容器内で攪拌した希釈判定溶液の光学的特性を経時的に測定する測光工程と、経時的に隣り合う2つの測光点における希釈判定溶液の測定値の差の絶対値の和が予め設定した基準値以上の場合に攪拌不良と判定する判定工程とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、攪拌判定方法及び分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や尿等の生体試料を分析する分析装置は、生体試料からなる検体と試薬とを反応させた反応液の光学的特性を測定することによって生体試料の成分濃度等を分析している。このため、分析装置は、検体と試薬とを攪拌して十分に反応させるため、攪拌棒を用いて検体と試薬とを直接攪拌する攪拌装置(例えば、特許文献1参照)や、音波を用いて検体と試薬とを非接触で攪拌する攪拌装置等、種々の攪拌装置を使用している。
【0003】
【特許文献1】特開2003−57249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、攪拌装置による攪拌の良否を判定する場合、従来は、転倒混和した攪拌直後の液体試料と、攪拌装置で攪拌した直後の同じ液体試料を分光光度計で測定し、それぞれの吸光度を比較することによって判定していた。この場合、液体試料の測定は、転倒混和によって攪拌する場合も、攪拌装置で攪拌する場合も、それぞれ1回である。このため、攪拌装置で攪拌した場合、装置の不具合等により液体試料の攪拌が不十分であるにも拘わらず、転倒混和によって攪拌した液体試料と測定値が同一になると、不正確な測定値が見過ごされてしまうことがあるという問題があった。しかも、転倒混和による攪拌の場合も、攪拌装置による攪拌の場合も、分析装置以外の分光光度計で測定することから、分光光度計への液体試料のセット作業が煩雑になるというという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、攪拌の良否を確実、かつ、簡易に判定することが可能な攪拌判定方法及び分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の攪拌判定方法は、容器に保持された液体試料を攪拌し、反応した反応液の光学的特性を測定することにより前記液体試料を分析する分析装置の攪拌判定方法であって、希釈液と攪拌判定用の判定液とを前記容器内で攪拌した希釈判定溶液の光学的特性を経時的に測定する測光工程と、経時的に隣り合う2つの測光点における前記希釈判定溶液測定値の差の絶対値の和が予め設定した基準値以上の場合に攪拌不良と判定する判定工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の攪拌判定方法は、上記の発明において、前記判定工程は、前記絶対値の和を吸光度の規格値で割った値が予め設定した規格基準値以上の場合に攪拌不良と判定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の攪拌判定方法は、上記の発明において、前記経時的に隣り合う2つの測光点は、前記希釈液と判定液とを攪拌した後の測光点から最終の測光点に含まれることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の攪拌判定方法は、上記の発明において、前記測光工程は、前記希釈判定溶液の量が異なる少なくとも2つの液量において前記光学的特性を測定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の攪拌判定方法は、上記の発明において、前記測光工程は、攪拌モード及び前記希釈判定溶液の量が異なる状態で攪拌した際の前記光学的特性を経時的に測定することを特徴とする。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分析装置は、容器に保持された液体試料を攪拌し、反応した反応液の光学的特性を測定することにより前記液体試料を分析する分析装置であって、希釈液と攪拌判定用の判定液とを前記容器内で攪拌した希釈判定溶液の光学的特性を経時的に測定する測光手段と、経時的に隣り合う2つの測光点における前記希釈判定溶液の測定値の差の絶対値の和が予め設定した基準値以上の場合に攪拌不良と判定する判定手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の分析装置は、上記の発明において、前記判定手段は、前記絶対値の和を吸光度の規格値で割った値が規格基準値以上の場合に攪拌不良と判定することを特徴とする。
【0013】
攪拌モードが状態とは、表面弾性波素子を使用した非接触攪拌方式の攪拌装置の場合には、表面弾性波素子による撹拌時の周波数等を変更した状態を言い、攪拌棒を用いる接触攪拌方式の攪拌装置の場合には、攪拌棒のサイズ,回転数等を変更した状態を言う。また、攪拌モードは、撹拌対象の液体の量や種類が異なる場合や、容器を変えた場合に変更される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の攪拌判定方法は、希釈液と攪拌判定用の判定液とを容器内で攪拌した希釈判定溶液の光学的特性を経時的に測定する測光工程と、経時的に隣り合う2つの測光点における希釈判定溶液の測定値の差の絶対値の和が予め設定した基準値以上の場合に攪拌不良と判定する判定工程とを含み、本発明の分析装置は、容器に分注された希釈液と攪拌判定用の判定液とを攪拌した希釈判定溶液の経時的に隣り合う2つの測光点における測定値の差の絶対値の和が予め設定した基準値以上の場合に攪拌不良と判定する判定手段を備えているので、攪拌の良否を確実、かつ、簡易に判定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の攪拌判定方法及び分析装置にかかる実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の分析装置として、非接触攪拌方式の攪拌装置を搭載した自動分析装置であって、本発明の攪拌判定方法を実行する生化学自動分析装置の全体構成を示す図である。図2は、送電体の接触子をキュベットに取り付けた表面弾性波素子の電気端子に当接させた状態を示す斜視図である。図3は、図2のキュベットの側面を表面弾性波素子と共に示す側面図である。
【0016】
自動分析装置1は、図1に示すように、ラック供給装置2、反応部4、第一試薬保冷庫7及び第二試薬保冷庫8、光学測定部14、制御部16、第一攪拌装置21及び第二攪拌装置25を備えている。また、自動分析装置1は、ラック供給装置2と反応部4との間に検体分注装置3が設けられ、反応部4と第一試薬保冷庫7との間に第一試薬分注装置5が、反応部4と第二試薬保冷庫8との間に第二試薬分注装置6が、それぞれ設けられている。
【0017】
ラック供給装置2は、図1に示すように、複数のラック2aが配列され、各ラック2aには検体を保持したサンプルカップ2bが搭載されている。ラック供給装置2は、矢印で示す経路に沿ってラック2aを順次搬送し、検体分注装置3のプローブ3aによって各サンプルカップ2bに保持された検体が反応部4のキュベット(容器)Cに分注される。
【0018】
ここで、検体分注装置3の近傍には、緊急検体用のSTATテーブル(図示せず)が配置されており、このSTATテーブルに色素液を保持した色素容器がセットされている。従って、色素液は、検体分注装置3のプローブ3aによって前記色素容器から反応部4のキュベット(容器)Cに分注される。なお、攪拌判定に使用する判定液として、例えば、色素液を使用する場合、希釈液は、用いる色素液によって塩酸,硫酸等をイオン交換水で希釈した酸溶媒や水酸化ナトリウム等をイオン交換水で希釈したアルカリ溶媒を希釈液として使用する場合があり、希釈液の水素イオン濃度(pH)は、用いる色素液に合わせて選択される。
【0019】
また、本発明の攪拌判定方法を実行する際に検体分注装置3が分注する色素液の量は任意であるが、第一試薬分注装置5や第二試薬分注装置6が分注する希釈水の量は、色素液と第一試薬分注装置5が分注した希釈水との合計量が測光可能最小検液量付近となり、更に第二試薬分注装置6が分注した希釈水を加えた合計量が測光可能最大検液量となるように設定する。例えば、キュベットCの測光可能検液量が150〜400μLの場合、検体分注装置3が分注する色素液の量を1μL、第一試薬分注装置5が分注する希釈水の量を150μL、第二試薬分注装置6が分注する希釈水の量を250μLに設定する。
【0020】
反応部4は、図1に示すように、保温部材4aとキュベットホイール(図示せず)を有している。保温部材4aは、キュベットホイールの半径方向内側及び外側に配置され、光学測定部14と対応する位置に測光用の開口4cが形成されている。キュベットホイールは、複数のキュベットCを体温程度の温度に保持して回転し、例えば、一周期で時計方向に(1周−1キュベット)/4分回転し、四周期では時計方向に1キュベット分回転する。
【0021】
第一試薬保冷庫7及び第二試薬保冷庫8は、構成が同じなので第一試薬保冷庫7について説明し、第二試薬保冷庫8については対応する構成部分に対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0022】
第一試薬保冷庫7は、図1に示すように、第一試薬を保持した複数の試薬ボトル7aとイオン交換水からなる希釈水を保持した希釈水ボトル7bが配置され、第一試薬分注装置5のプローブ5aによって所定の試薬或いは希釈水がキュベットCに分注される。複数の試薬ボトル7aは、それぞれ検査項目に応じた所定の試薬が満たされ、収容した試薬に関する情報を表示するバーコードラベル等の情報記録媒体(図示せず)が外面に貼付されている。このとき、希釈水ボトル7bにも情報記録媒体(図示せず)が外面に貼付されている。第一試薬が分注されたキュベットCは、第一攪拌装置21によって検体と第一試薬とが攪拌される。また、第一試薬保冷庫7の外周には、各試薬ボトル7aや希釈水ボトル7bに貼付された前記情報記録媒体から情報を読み取り、制御部16へ出力する読取装置9が設置されている。なお、読取装置10は、第二試薬保冷庫8内の各試薬ボトル8aや希釈水ボトル8bに貼付された前記情報記録媒体から情報を読み取る。
【0023】
光学測定部14は、図1に示すように、光源14aと測光センサ14bとを有している。光源14aは、試薬と検体とが反応したキュベットC内の反応液を分析するための分析光を出射する。測光センサ14bは、光源14aが出射し、開口4cを通ってキュベットC内の反応液や希釈色素溶液を透過した光束を測光する。このようにして反応液や希釈色素溶液が測光されたキュベットCは、洗浄・乾燥ユニット15において内部の反応液や希釈色素溶液が吸引されて廃棄されると共に、洗浄水タンクから供給される洗浄水によって内部が洗浄された後、加圧空気を吹き込んで乾燥される。そして、キュベットCは、再び検体分注装置3のプローブ3aによって新たな検体が分注され、分析に使用される。
【0024】
制御部16は、例えば、分析結果を記憶する記憶機能を備えたマイクロコンピュータ等が使用され、測光センサ14b、バーコードラベル読取装置9,10、分析部16a、入力部17、表示部18、第一攪拌装置21及び第二攪拌装置25等と接続されている。制御部16は、自動分析装置1の各部の作動を制御すると共に、前記情報記録媒体から読み取った情報に基づき、試薬のロットや有効期限等が設置範囲外の場合、分析作業を規制するように自動分析装置1を制御し、或いはオペレータに警告を発する。より詳細には、制御部16は、分析部16aと判定部16bとを有している。
【0025】
分析部16aは、測光センサ14bが測光した光量の信号に基づいて、キュベットC内の検体と試薬の反応液の吸光度(光学的特性)から検体の成分濃度等を分析し、記憶しておく。判定部16bは、キュベットC内の希釈色素溶液について測定した吸光度をもとに攪拌の良否を判定する。
【0026】
入力部17は、制御部16へ検体数や検査項目等を入力する操作を行う部分であり、例えば、キーボードやマウス等が使用される。表示部18は、分析結果を含む分析内容や攪拌の良否を含む警報等を表示するもので、ディスプレイパネル等が使用される。
【0027】
第一攪拌装置21及び第二攪拌装置25は、キュベットCに分注された検体と試薬とを音波によって非接触で攪拌し、反応させる他、攪拌の良否を判定する際、キュベットCに分注された色素液及び/又は希釈水を攪拌する。この非接触による攪拌を行うため、反応部4の保温部材4aは、第一攪拌装置21及び第二攪拌装置25に対向する部分が開放されている。そして、キュベットCは、側壁に取り付けた表面弾性波素子24を外側に向けてキュベットホイールにセットされる。
【0028】
第一攪拌装置21及び第二攪拌装置25は、制御部16によって作動が制御され、共に構成が同一なので第一攪拌装置21について説明し、第二攪拌装置25は同一の構成要素に同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【0029】
第一攪拌装置21は、図1〜図3に示すように、送電体22、位置決め部材23及び表面弾性波素子24を有している。
【0030】
送電体22は、図1に示すように、反応部4外周の互いに対向する位置にキュベットCと水平方向に対向させて配置され、数MHz〜数百MHz程度の高周波交流電源から供給される電力を表面弾性波素子24に送電する。送電体22は、駆動回路とコントローラとを備えており、図2に示すように、表面弾性波素子24の電気端子24cに当接するブラシ状の接触子22aを有している。そして、送電体22は、図1に示すように、位置決め部材23に支持されており、キュベットホイールの回転が停止したときに接触子22aから電気端子24cに電力を送電する。
【0031】
位置決め部材23は、制御部16によって作動が制御され、送電体22から電気端子24cに電力を送電する送電時に、送電体22を移動させて送電体22と電気端子24cとの反応部4の周方向並びに半径方向における相対配置を調整するもので、例えば、2軸ステージが使用される。具体的には、位置決め部材23は、反応部4が回転する間は、作動を停止して、送電体22と電気端子24cとを一定の距離に保持している。そして、反応テーブル4が停止すると、位置決め部材23は、制御部16の制御の下に作動して送電体22を移動させ、送電体22と電気端子24cとが対向するように位置を調整する。これと共に、位置決め部材23は、制御部16の制御の下に、接触子22aと電気端子24cとを接触させることで送電体22から電気端子24cに電力を送電し、表面弾性波素子24を駆動する。
【0032】
表面弾性波素子24は、キュベットCの側壁に取り付けられ、図3に示すように、基板24aの表面に櫛型電極(IDT)からなる振動子24bが設けられている。振動子24bは、送電体22から送電された電力を表面弾性波(超音波)に変換する音波発生手段である。振動子24bは、受電手段となる電気端子24cとの間が導体回路24dによって接続されている。表面弾性波素子24は、振動子24b,電気端子24c及び導体回路24dを外側に向け、音響整合層を介してキュベットCの側壁に取り付けられる。
【0033】
以上のように構成される自動分析装置1は、制御部16の制御の下に作動し、回転するキュベットホイールによって周方向に沿って搬送されてくる複数のキュベットCのそれぞれに第一試薬分注装置5によって第一試薬が順次分注された後、検体分注装置3によってラック2aに保持された複数の検体容器2bから検体が順次分注される。検体が分注されたキュベットCには、第二試薬分注装置6が試薬容器3aから順次第二試薬が分注される。
【0034】
この間、試薬や検体が分注されたキュベットCは、キュベットホイールが停止する都度、第一攪拌装置21や第二攪拌装置25によって試薬や検体が攪拌され、キュベットホイールが再び回転したときに光学測定部14を通過する。このとき、キュベットC内の試薬と検体とが反応した反応液は、光学測定部14において光学的特性が測定され、光学測定部14から入力される光信号をもとに制御部16によって成分濃度等が分析される。そして、反応液の測定が終了したキュベットCは、洗浄部15に移送されて洗浄された後、再度検体の分析に使用される。
【0035】
このとき、自動分析装置1は、例えば、分析開始前に本発明の攪拌判定方法を実行することによって事前に個々のキュベットにおける攪拌の良否が判定される。以下、本発明の判定手順を図4を参照して説明する。
【0036】
先ず、入力部17から制御部16へ攪拌判定の実行が入力されると、制御部16は、希釈水ボトル7bからキュベットCへ所定量(例えば、150μL)の希釈水を分注するように第一試薬分注装置5に指令信号を出力する。これにより、プローブ5aが、図4に示すように、キュベットCに所定量の希釈水Wを分注する。
【0037】
次に、制御部16は、第一攪拌装置21に指令信号を出力してキュベットCに分注された希釈水Wを攪拌(MIX0)した後、光学測定部14に指令信号を出力し、図4に示すように、希釈水Wを保持したキュベットCの吸光度A0(バックグラウンド)を測定させる。次いで、制御部16は、前記STATテーブルの色素容器からキュベットCへ所定量(例えば、1μL)の色素液を分注するように検体分注装置3に指令信号を出力する。これにより、プローブ3aが、図4に示すように、キュベットCに所定量の色素液Lpを分注する。ここで、色素液としては、水で希釈される吸光度約200のオレンジG溶液(和光純薬工業株式会社製)を使用した。
【0038】
この後、制御部16は、第一攪拌装置21に指令信号を出力し、キュベットCに分注された希釈水Wと色素液Lpとを攪拌(MIX1)させ、図4に示すように、希釈色素溶液Lp1とする。その後、制御部16は、光学測定部14に指令信号を出力し、希釈色素溶液Lp1を保持したキュベットCの吸光度A1を測定させる。次に、制御部16は、希釈水ボトル8bからキュベットCへ所定量(例えば、250μL)の希釈水を分注するように第二試薬分注装置6に指令信号を出力する。これにより、プローブ6aが、図4に示すように、キュベットCに所定量の希釈水Wを分注する。
【0039】
次いで、制御部16は、第二攪拌装置25に指令信号を出力してキュベットCに分注された希釈水Wと希釈色素溶液Lp1とを攪拌(MIX2)させ、図4に示すように、希釈色素溶液Lp2とする。その後、制御部16は、光学測定部14に指令信号を出力し、希釈色素溶液Lp2を保持したキュベットCの吸光度A2を測定させる。このようにして吸光度A0〜A2を測定した後、制御部16は、測定したキュベットCの各吸光度A1,A2からバックグラウンドとなる吸光度A0を引いてそれぞれ濃度の異なる希釈色素溶液Lp1,Lp2のみの値である修正吸光度とする。この演算は、判定部16bが行う。
【0040】
このとき、自動分析装置1は、キュベットホイールが複数のキュベットCを保持して回転し、例えば、一周期で時計方向に(1周−1キュベット)/4分回転しながら、複数のキュベットCに関して上述した吸光度の測定が並行して実行されてゆく。ここで、吸光度は、図5に示すように、吸光度A0の測光を含め、1つのキュベットC当たり経時的に合計28の測光点(P0〜P27)で測光される。このとき、使用するキュベットCに汚れがなく、イオン交換水や純水を希釈水として用いた場合、分析光の吸収は非常に少なく、光学的特性の測定を省略することできるので、吸光度A0の測光は、必ずしも行う必要はない。但し、上述した酸溶媒やアルカリ溶媒を希釈液として用いる場合は、希釈水による分析光の吸収があるので、精度よく光学的特性を測定して攪拌の良否を判断するためには、吸光度A0を測光しておくことが好ましい。
【0041】
図5は、キュベットCに分注された希釈水と色素液(オレンジG溶液)との攪拌が良好に行われ、判定部16bによって攪拌が良と判定される場合の吸光度の測定例の一例を示している。図5において、TM1はキュベットCに分注された希釈水Wと色素液Lpとを攪拌(MIX1)して希釈色素溶液Lp1とするタイミングを示し、TM2は攪拌した希釈色素溶液Lp1と再度分注した希釈水Wとを攪拌(MIX2)して希釈色素溶液Lp2とするタイミングを示しており、具体的には測光点P0〜P1及び測光点P11〜P12に対応している。
【0042】
次に、判定部16bは、このようにして測定された総てのキュベットCの吸光度をもとに、キュベットCごとに測光点P2〜P11,P13〜P27の修正吸光度XH2〜XH11,XL13〜XH27を演算する。測光点P2〜P11の修正吸光度XH2〜XH11は、例えば、測光点P2であれば、測光点P2の吸光度(A2)からバックグラウンドとなる測光点P0の吸光度(A0)を引くことによって求める。また、測光点P13〜P27の修正吸光度XL13〜XH27も同様に、例えば、測光点P13であれば、測光点P12の吸光度(A13)からバックグラウンドとなる測光点P0の吸光度(A0)を引くことによって求める。
【0043】
そして、判定部16bは、キュベットCごとに演算した修正吸光度XH2〜XH11,XL13〜XH27をもとに経時的に隣り合う2つの測光点における修正吸光度XH2〜XH11,XL13〜XH27の差の絶対値の和DH,DLを算出する。ここで、絶対値の和DH,DLは、次式で与えられる。また、用いる希釈判定溶液の濃度ごとに測定した吸光度をもとに予め吸光度の基準値VH,VHを設定し、入力部17から判定部16bに入力しておく。但し、基準値VH,VLは、用いる希釈判定溶液をもとに経験的,実験的に設定する。
DH={|XH2−XH3|+|XH3−XH4|+………+|XH9−XH10|+|XH10−XH11|}
DL={|XL13−XL14|+|XL14−XL15|+……+|XL25−XL26|+|XL26−XL27|}
【0044】
判定部16bは、このようにして算出した絶対値の和DH,DLと吸光度の基準値VH,VLをもとに、キュベットCごとに攪拌の良否を判定する。このとき、判定部16bは、絶対値の和が吸光度の基準値に対してDH<VHやDL<VLの場合に攪拌が良と判定し、絶対値の和が吸光度の基準値に対してDH≧VHやDL≧VLの場合に攪拌不良と判定する。
【0045】
ここで、キュベットCに分注された希釈水Wと色素液Lpとの攪拌(MIX1)及び希釈水Wと希釈色素溶液Lp1との攪拌(MIX2)をしない場合、キュベットCに分注された希釈水Wと色素液Lpとを攪拌(MIX1)するが、希釈水Wと希釈色素溶液Lp1との攪拌(MIX2)をしない場合の吸光度の測定例を、図5に示す攪拌(MIX1)及び攪拌(MIX2)をする場合の吸光度の測定例と共に図6に示す。また、図6に示す吸光度の測定例のうち、測光点P0〜P11の吸光度の測定例を拡大したものを図7に示し、測光点P12〜P27の吸光度の測定例を拡大したものを図8に示す。
【0046】
このとき、判定部16bが個々のキュベットCに対して行う判定手順を図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0047】
判定部16bは、先ず、希釈色素溶液Lp1を保持したキュベットCの経時的に隣り合う2つの測光点における修正吸光度の差の絶対値の和DHが吸光度の基準値VHよりも小さい(DH<VH)か否かを判定する(ステップS100)。判定結果が否定の場合(ステップS100,No)、希釈色素溶液Lp1を保持したキュベットCは、絶対値の和DHが基準値VH以上であり、攪拌が不良である。このため、判定部16bは、キュベットCの識別番号をエラー表示するよう表示部18に指令信号を出力する(ステップS102)。
【0048】
一方、判定結果が肯定の場合(ステップS100,Yes)、希釈色素溶液Lp1を保持したキュベットCは、絶対値の和DHが基準値VHよりも小さく、攪拌が良好である。このため、判定部16bは、希釈色素溶液Lp2を保持したキュベットCの経時的に隣り合う2つの測光点における修正吸光度の差の絶対値の和DLが吸光度の基準値VLよりも小さい(DL<VL)か否かを判定する(ステップS104)。
【0049】
判定結果が否定の場合(ステップS104,No)、希釈色素溶液Lp2を保持したキュベットCは、絶対値の和DLが吸光度の基準値VL以上であり、攪拌が不良である。このため、判定部16bは、そのキュベットCの識別番号をエラー表示するよう表示部18に指令信号を出力する(ステップS102)。
【0050】
一方、判定結果が肯定の場合(ステップS104,Yes)、希釈色素溶液Lp2を保持したキュベットCは、絶対値の和DLが吸光度の基準値VLよりも小さく、攪拌が良好である。判定部16bは、個々のキュベットCについて絶対値の和DL,DLが吸光度の基準値VH,VLよりも小さいか否かを判定した後、判定を終了する。
【0051】
ここで、本発明の攪拌判定方法は、吸光度という共通の尺度をもとに攪拌の良否を判定しているが、希釈色素溶液Lp1と希釈色素溶液Lp2は、修正吸光度の値から明らかなように、濃度が異なっている。このため、濃度が異なる希釈色素溶液Lp1の吸光度と希釈色素溶液Lp2の吸光度を共通に扱うと、攪拌の良否判定に誤差が生ずる可能性がある。
【0052】
そこで、同一の色素液を希釈した希釈色素溶液であっても、濃度が異なる希釈色素溶液の吸光度を使用して攪拌の良否を判定する場合には、次式で示すように、前記絶対値の和DH,DLを吸光度の規格値NH,NLで割って規格化した規格吸光度比DNH,DNLを予め設定した規格基準値VNH,VNLと比較して攪拌の良否を判定するようにする。
DNH={|XH2−XH3|+|XH3−XH4|+………
+|XH9−XH10|+|XH10−XH11|}/NH×100(%)
DNL={|XL13−XL14|+|XL14−XL15|+………
+|XL25−XL26|+|XL26−XL27|}/NL×100(%)
【0053】
この場合、吸光度の規格値NH,NLとしては、例えば、最終の測光点P27における希釈判定溶液の吸光度、同一濃度において測定した総てのキュベットCの吸光度の平均値、或いは、希釈判定溶液の濃度に基づいて予め決定する吸光度の値等を使用する。また、規格基準値VNH,VNLとしては、例えば、1%とする。即ち、規格吸光度比DNH,DNLの計算値が、1%以上の場合には攪拌不良と判定し、1%よりも小さければ攪拌良好と判定するように、判定部16bを設定する。但し、規格基準値VNH,VNLは、基準値VH,VLの場合と同様に、用いる色素液、従って判定液をもとに経験的に実験的に設定する。
【0054】
このように、絶対値の和DH,DLを規格値NH,NLで割って規格化した規格吸光度比DNH,DNLを使用すると、希釈色素溶液の濃度が異なった場合であっても、吸光度の変動による前記絶対値の和DH,DLの変動が小さく抑えられる。この結果、濃度が大きく異なる希釈色素溶液Lp1の吸光度と希釈色素溶液Lp2の吸光度は、攪拌の良否を判定する際に共通に扱うことができる。
【0055】
以上の説明で明らかなように、本発明の攪拌判定方法及び自動分析装置1によれば、キュベットCの経時的に隣り合う2つの測光点における光学的特性の測定値の差の絶対値の和を予め設定した基準値と比較して攪拌の良否を判定する。このため、本発明の攪拌判定方法及び自動分析装置1は、自動分析装置1が本来的に搭載している光学測定部14を使用することができるので、攪拌の良否を確実、かつ、簡易に判定することができる。
【0056】
なお、上述の攪拌判定方法は、経時的に隣り合う2つの測定点における吸光度の差を予め設定した基準値と比較して攪拌の良否を判定してもよい。
【0057】
また、規格吸光度比DNH,DNLに代えて、次式で示されるゆらぎ吸光度比DYH,DYLを予め設定した規格基準値VYH,VYLと比較して攪拌の良否を判定してもよい。
DYH=(XHmax−XHmin)/XH11×100(%)
DYL=(XLmax−XLmin)/XL27×100(%)
【0058】
上記の式において、XHmax,XHminは、測光点P2〜P11における修正吸光度XH2〜XH11の最大値と最小値である。また、XLmax,XLminは、測光点P13〜P27における修正吸光度XL13〜XH27の最大値と最小値である。この場合、規格基準値VYH,VYLは、規格基準値VNH,VNLと同様にして設定し、例えば、1%とする。即ち、ゆらぎ吸光度比DYH,DYLの計算値が、1%以上の場合には攪拌不良と判定し、1%よりも小さければ攪拌良好と判定するように、判定部16bを設定する。
【0059】
ここで、上述の実施の形態は、非接触攪拌方式の攪拌装置を搭載した自動分析装置について説明したが、本発明の攪拌判定方法及び分析装置は、図10に示すように、攪拌棒を用いる接触攪拌方式の攪拌装置を搭載した自動分析装置20であっても適用することができる。
【0060】
自動分析装置20は、第一攪拌装置21及び第二攪拌装置25に代えて、接触攪拌方式の第一攪拌装置11及び第二攪拌装置12が配置され、キュベットCには表面弾性波素子24が取り付けられていない。ここで、攪拌装置11は、通常、第一試薬や検体の攪拌に使用され、攪拌装置12は、更に第二試薬を分注した際の攪拌に使用される。即ち、第一攪拌装置11及び第二攪拌装置12は、キュベットCに分注された検体や試薬を攪拌棒11a,11b或いは攪拌棒12aによって攪拌する。そして、攪拌の良否を判定する際、攪拌棒11aは、希釈水の攪拌(MIX0)に使用し、攪拌棒11bは、洗浄水と色素液の攪拌(MIX1)に使用する。また、攪拌棒12aは、洗浄水と希釈色素溶液の攪拌(MIX2)に使用する。
【0061】
ここで、自動分析装置1で使用するキュベットCは、キュベットごとに表面弾性波素子24が取り付けられている。このため、非接触攪拌方式の第一攪拌装置21及び第二攪拌装置25の攪拌性能は、キュベットCごとに異なる。従って、第一攪拌装置21及び第二攪拌装置25を搭載した自動分析装置1は、総てのキュベットCについて攪拌の良否を判定する必要がある。
【0062】
これに対し、第一攪拌装置11及び第二攪拌装置12は、攪拌棒を用いる機械式攪拌装置であることから、キュベットCが異なっても攪拌性能が大きく変わることはない。このため、第一攪拌装置11及び第二攪拌装置12を搭載した自動分析装置20は、一部のキュベットC、例えば、5個のキュベットについて攪拌後の希釈判定溶液の光学的特性を測定すればよい。そして、測定した一部のキュベットCについて、上述のようにして求めた絶対値の和DH,DLと吸光度の基準値VH,VLをもとに、攪拌の良否を判定する。
【0063】
但し、非接触攪拌方式の第一攪拌装置21及び第二攪拌装置25を搭載した自動分析装置1は、本発明の攪拌判定方法を適用すると、キュベットホイールからキュベットCを取り出すことなく、キュベットホイールにキュベットCをセットした状態でキュベットCごとに攪拌の良否を分析作業の一部として簡易に判定できるという利点がある。
【0064】
また、上述の攪拌判定方法は、濃度の異なる希釈色素溶液Lp1,Lp2を測定した際の吸光度の測定値をもとに攪拌の良否を判定したが、いずれか一方の希釈色素溶液を測定した際の吸光度の測定値をもとに攪拌の良否を判定してもよいし、濃度の異なる3以上の希釈色素溶液を使用してもよい。このとき、自動分析装置1は、図4に示したように、液量の異なる各攪拌(MIX0〜MIX2)ごとに、表面弾性波素子24を駆動する駆動周波数や駆動電力等の攪拌モードを変え、自動分析装置20は、第一攪拌装置11や第二攪拌装置12の攪拌棒を攪拌対象の液量に応じて交換してもよい。
【0065】
また、攪拌判定用の判定液は、希釈液によって希釈することが可能であり、光学的特性を測定することができれば、色素液に代えて、キャリブレータ等、検体に準じたものを使用してもよい。
【0066】
また、エラー表示をする場合、判定部16bは、測定値にその旨のリマークを付すると共に、自動分析装置1の場合にはエラー表示された識別番号のキュベットCについて引き続く分析作業で使用しないように使用停止の設定をし、或いはエラー表示と併せてそのキュベットCを交換すべき旨の表示をしてもよい。一方、自動分析装置20の場合には、判定部16bは、測定値にその旨のリマークを付すると共に、攪拌不良となった第一攪拌装置11や第二攪拌装置12の攪拌棒を交換すべき旨の表示をする。
【0067】
また、希釈水は、希釈水ボトル7b,8bに保持させて第一試薬保冷庫7や第二試薬保冷庫8に配置したが、第一試薬分注装置5や第二試薬分注装置6のプローブ5a,6aから吐出する洗浄用のイオン交換水を使用してもよい。
【0068】
なお、所定希釈率の色素溶液について攪拌が適切に行われた場合の光学的特性の測定値及び基準値を予め制御部に基準データとして記憶させておき、攪拌判定用の判定液と希釈液とを攪拌して得た希釈判定溶液に関する光学的特性の測定値の差の絶対値の和を基準値と比較することにより攪拌の良否を判定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の分析装置として非接触攪拌方式の攪拌装置を搭載した自動分析装置の全体構成を示す図である。
【図2】送電体の接触子をキュベットに取り付けた表面弾性波素子の電気端子に当接させた状態を示す斜視図である。
【図3】図2のキュベットの側面を表面弾性波素子と共に示す側面図である。
【図4】攪拌判定用の判定液を希釈水によって希釈することにより2種類の希釈判定溶液を調整する手順を説明する図である。
【図5】キュベットに分注された希釈水と色素液との攪拌が良好に行われ、判定部によって良と判定される場合の吸光度の測定例の一例を示す図である。
【図6】攪拌をしない場合の吸光度の測定例を、図5に示す攪拌をする場合の吸光度の測定例と共に示す図である。
【図7】図6に示す吸光度の測定例のうち、測光点P0〜P11の吸光度の測定例を拡大した図である。
【図8】図6に示す吸光度の測定例のうち、測光点P12〜P27の吸光度の測定例を拡大した図である。
【図9】判定部が実行する判定手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の分析装置として、攪拌棒を用いた接触攪拌方式の攪拌装置を搭載した自動分析装置であって、本発明の攪拌判定方法を実行する生化学自動分析装置の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1 自動分析装置
2 ラック供給装置
3 検体分注装置
4 反応部
5 第一試薬分注装置
6 第二試薬分注装置
7 第一試薬保冷庫
8 第二試薬保冷庫
9,10 読取装置
11 第一攪拌装置
12 第二攪拌装置
14 光学測定部
15 洗浄・乾燥ユニット
16 制御部
16b 判定部
17 入力部
18 表示部
20 自動分析装置
21 第一攪拌装置
25 第二攪拌装置
22 送電体
23 位置決め部材
24 表面弾性波素子
C キュベット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に保持された液体試料を攪拌し、反応した反応液の光学的特性を測定することにより前記液体試料を分析する分析装置の攪拌判定方法であって、
希釈液と攪拌判定用の判定液とを前記容器内で攪拌した希釈判定溶液の光学的特性を経時的に測定する測光工程と、
経時的に隣り合う2つの測光点における前記希釈判定溶液の測定値の差の絶対値の和が予め設定した基準値以上の場合に攪拌不良と判定する判定工程と、
を含むことを特徴とする攪拌判定方法。
【請求項2】
前記判定工程は、前記絶対値の和を吸光度の規格値で割った値が予め設定した規格基準値以上の場合に攪拌不良と判定することを特徴とする請求項1に記載の攪拌判定方法。
【請求項3】
前記経時的に隣り合う2つの測光点は、前記希釈液と判定液とを攪拌した後の測光点から最終の測光点に含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の攪拌判定方法。
【請求項4】
前記測光工程は、前記希釈判定溶液の量が異なる少なくとも2つの液量において前記光学的特性を測定することを特徴とする請求項3に記載の攪拌判定方法。
【請求項5】
前記測光工程は、攪拌モード及び前記希釈判定溶液の量が異なる状態で攪拌した際の前記光学的特性を経時的に測定することを特徴とする請求項4に記載の攪拌判定方法。
【請求項6】
容器に保持された液体試料を攪拌し、反応した反応液の光学的特性を測定することにより前記液体試料を分析する分析装置であって、
希釈液と攪拌判定用の判定液とを前記容器内で攪拌した希釈判定溶液の光学的特性を経時的に測定する測光手段と、
経時的に隣り合う2つの測光点における前記希釈判定溶液の測定値の差の絶対値の和が予め設定した基準値以上の場合に攪拌不良と判定する判定手段を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記絶対値の和を吸光度の規格値で割った値を規格基準値以上の場合に攪拌不良と判定することを特徴とする請求項6に記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−150730(P2009−150730A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327955(P2007−327955)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】