説明

攪拌機構付き容器及び自動分析装置

【課題】使用の際は容器と音波発生手段とが固定され、必要に応じて容器と音波発生手段とを分離することが可能な攪拌機構付き容器及び自動分析装置を提供すること。
【解決手段】容器毎に保持された生体試料を分析する自動分析装置に用いられる攪拌機構付き容器及び自動分析装置。攪拌機構付き容器は、生体試料を含む液体を保持する容器本体7と、液体を攪拌する音波を容器本体へ向けて照射する表面弾性波素子8と、容器本体と表面弾性波素子とを着脱自在に固定するキュベットホイール6とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、攪拌機構付き容器及び自動分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、容器に保持された液体を音波によって攪拌する攪拌装置として、音波発生手段を音響整合層を兼ねる接着剤で接着して一体に設けた分析装置用の反応容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−90791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、音波発生手段を容器と一体に設けた場合、音波発生手段と容器が同時に破損したり故障したりすることは殆どない。このため、例えば、音波発生手段又は容器の一方が破損した場合、他方が使用できるにも拘わらず、両方を廃棄しなければならず、経済上の無駄が大きいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、使用の際は容器と音波発生手段とが固定され、必要に応じて容器と音波発生手段とを分離することが可能な攪拌機構付き容器及び自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係る攪拌機構付き容器は、容器毎に保持された生体試料を分析する自動分析装置に用いられる攪拌機構付き容器であって、前記生体試料を含む液体を保持する容器本体と、前記液体を攪拌する音波を前記容器本体へ向けて照射する音波発生手段と、前記容器本体と前記音波発生手段とを着脱自在に固定する固定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る攪拌機構付き容器は、上記の発明において、前記容器本体と前記音波発生手段との間には、当該容器本体及び当該音波発生手段に密着する第一の介在部材が配置されることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る攪拌機構付き容器は、上記の発明において、前記音波発生手段と前記固定手段との間には、前記音波発生手段を前記容器本体に向けて付勢する第二の介在部材が配置されることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る攪拌機構付き容器は、上記の発明において、前記第一の介在部材は、熱を加えると粘弾性が変化する熱変形部材であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る攪拌機構付き容器は、上記の発明において、前記第一の介在部材は、不揮発性液体であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る攪拌機構付き容器は、上記の発明において、前記不揮発性液体は、前記容器本体が前記音波発生手段と接する面に膜状に形成されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る攪拌機構付き容器は、上記の発明において、前記第二の介在部材は、弾性部材であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に係る攪拌機構付き容器は、上記の発明において、前記固定手段は、前記容器本体と前記音波発生手段とを保持する保持部と、前記容器本体に保持される液体を分注する開口が形成された蓋板と、前記保持部と前記蓋板とを締結するねじとを有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項9に係る攪拌機構付き容器は、上記の発明において、前記固定手段は、前記容器本体と前記音波発生手段とを保持する基板と、前記容器本体に保持される液体を分注する開口が形成された蓋体と、前記基板と前記蓋体とを締結するねじ又はリベットとを有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項10に係る攪拌機構付き容器は、上記の発明において、前記固定手段は、着脱自在に固定された前記容器本体と前記音波発生手段とが前記自動分析装置から取り外された後に、前記容器本体と前記音波発生手段との固定又は固定の解除を自在とするものであることを特徴とする。
【0016】
また、請求項11に係る攪拌機構付き容器は、上記の発明において、前記固定手段は、当該攪拌機構付き容器を前記自動分析装置に用いている間は前記容器本体と前記音波発生手段との固定を維持することを特徴とする。
【0017】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項12に係る自動分析装置は、検体と試薬とを含む液体試料を攪拌して反応させ、反応液の光学的特性を測定して前記検体を分析する分析装置であって、前記攪拌機構付き容器を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の攪拌機構付き容器は、固定手段によって容器本体と音波発生手段とを着脱自在に固定し、本発明の自動分析装置は、前記攪拌機構付き容器を備えているので、使用の際は固定手段によって容器本体と音波発生手段とを固定しておき、メンテナンス等で必要な際には、固定手段による容器と音波発生手段との固定を解除すれば、容器と音波発生手段とを容易に分離することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(実施の形態1)
以下に、本発明の攪拌機構付き容器及び自動分析装置にかかる実施の形態1について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、実施の形態1の自動分析装置を示す概略構成図である。図2は、図1の自動分析装置で使用するキュベットホイールを周方向に沿って切断して実施の形態1の攪拌機構付き容器を示した断面図である。図3は、実施の形態1の攪拌機構付き容器が有する固定手段の一部である蓋板とねじとを示す斜視図である。図4は、実施の形態1の攪拌機構付き容器が有する容器本体、弾性部材及び表面弾性波素子の配置を示す斜視図である。
【0020】
自動分析装置1は、図1に示すように、作業テーブル2上に検体テーブル3、検体分注機構5、キュベットホイール6、測光装置20、洗浄装置21、試薬分注機構22及び試薬テーブル23が設けられ、攪拌装置30を備えている。
【0021】
検体テーブル3は、図1に示すように、駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、外周には周方向に沿って等間隔で配置される収納室3aが複数設けられている。各収納室3aは、検体を収容した検体容器4が着脱自在に収納される。
【0022】
検体分注機構5は、キュベットホイール6に保持された複数の容器本体7に検体を分注する手段であり、図1に示すように、検体テーブル3の複数の検体容器4から検体を順次容器本体7に分注する。
【0023】
キュベットホイール6は、容器本体7と表面弾性波素子8とを着脱自在に固定する固定手段であり、検体テーブル3とは異なる駆動手段によって図1に矢印で示す方向に回転される。キュベットホイール6は、熱伝導性に優れ、比重が小さいアルミニウム等の金属からリング状に成形されており、容器本体7及び表面弾性波素子8と共に攪拌機構付き容器を形成している。キュベットホイール6は、図2に示すように、容器本体7と表面弾性波素子8とを保持する保持部であるホイール部6aと、蓋板6dとを有している。キュベットホイール6は、ホイール部6aと蓋板6dとを複数のねじ6hによって組み付けることにより容器本体7と表面弾性波素子8とを着脱自在に固定している。
【0024】
ホイール部6aは、容器本体7及び表面弾性波素子8を配置する凹部6b(図2参照)が周方向に沿って複数形成されている。各凹部6bには、図2に示すように、底壁の中央に送信基板31を配置する段部6cが形成されている。一方、蓋板6dは、図2及び図3に示すように、容器本体7に対応する位置に開口6eが形成され、開口6eの周方向両側にねじ孔6fが設けられると共に、下面に耐薬品性に優れたシリコーンゴムやフッ素系ゴム等からなる弾性部材6gが一体に取り付けられている。蓋板6dは、ねじ孔6fに挿通するねじ6hによってホイール部6aの上面に着脱自在に固定される。ここで、蓋板6dは、単一の部材であってもよいし、周方向に沿った複数箇所で分割し、複数のパーツとしてもよい。
【0025】
なお、キュベットホイール6は、各凹部6bの半径方向両側に測定光が通過する開口が形成されている。キュベットホイール6は、一周期で時計方向に(1周−1反応容器)/4個分回転し、四周期で反時計方向に容器本体7の1個分回転することにより、測光装置20によって各容器本体7に保持された液体が測光される。キュベットホイール6は、図1に示すように、測光装置20を挟んで一方に洗浄装置21が配置され、他方の下部には攪拌装置30が配置されている。
【0026】
容器本体7は、生体試料を含む液体を保持するもので、測光装置20の光源から出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する透明素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が使用される。容器本体7は、図2に示すように、上下両端に開口7a,7bを有し、開口7a,7b間に試薬と検体とを含む数nL〜数十μLの微量な液体Lを保持する液体保持部7cが形成された四角筒からなる部材である。
【0027】
容器本体7は、図2及び図4に示すように、凹部6bに下方から弾性部材10,表面弾性波素子8,第一の介在部材となる弾性部材9及び容器本体7の順に配置される。そして、上方から被せた蓋板6dを複数のねじ6h(図3参照)によってホイール部6aの上面に固定する。これにより、容器本体7が下方に押圧されて弾性部材9,10が圧縮変形し、容器本体7は、弾性部材9及び表面弾性波素子8と共に一体化される。このとき、弾性部材9,10は、シリコーンゴムやフッ素系ゴム等から扁平な四角筒形状に成形され、開口7bと同じ大きさの開口9a,10aを有している。このため、弾性部材9が、容器本体7と表面弾性波素子8とに密着することで、容器本体7は、表面弾性波素子8及び弾性部材9と共に容器を形成し、液体Lを液密に保持することができる。但し、容器本体7は、表面弾性波素子8と共に液密に一体化することができれば、弾性部材9はなくてもよい。また、ねじは、リベットであっても良く、特にプッシュ式リベットであればキュベットホイール6の組み立てが容易になる。
【0028】
表面弾性波素子8は、液体を攪拌する音波を容器本体7へ向けて照射する音波発生手段である。表面弾性波素子8は、図5に示すように、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等からなる圧電基板8a上に櫛歯状電極(IDT)からなる振動子8bとアンテナ8cが形成されている。表面弾性波素子8は、振動子8bを液体L側に向けて開口7bの下部に配置されている。このため、表面弾性波素子8は、振動子8b及びアンテナ8cを二酸化ケイ素(SiO2)等の薄膜によって被覆し、液体Lとの接触に起因する短絡から保護しておく。
【0029】
測光装置20は、図1に示すように、キュベットホイール6の外周近傍に配置され、容器本体7に保持された液体を分析する分析光(340〜800nm)を出射する光源と、液体を透過した分析光を分光して受光する受光器とを有している。測光装置20は、前記光源と受光器がキュベットホイール6の凹部6bを挟んで半径方向に対向する位置に配置されている。
【0030】
洗浄装置21は、容器本体7から液体や洗浄液を排出する排出手段と、洗浄液の分注手段とを有している。洗浄装置21は、測光終了後の容器本体7から測光後の液体を排出した後、洗浄液を分注する。洗浄装置21は、洗浄液の分注と排出の動作を複数回繰り返すことにより、容器本体7の内部を表面弾性波素子8と共に洗浄する。このようにして洗浄された容器本体7は、再度、新たな検体の分析に使用される。
【0031】
試薬分注機構22は、キュベットホイール6に保持された複数の容器本体7に試薬を分注する手段であり、図1に示すように、試薬テーブル23の所定の試薬容器24から試薬を順次容器本体7に分注する。
【0032】
試薬テーブル23は、検体テーブル3及びキュベットホイール6とは異なる駆動手段によって図1に矢印で示す方向に回転され、扇形に成形された収納室23aが周方向に沿って複数設けられている。各収納室23aは、試薬容器24が着脱自在に収納される。複数の試薬容器24は、それぞれ検査項目に応じた所定の試薬が満たされ、外面には収容した試薬に関する情報を表示する情報記録媒体(図示せず)が貼付されている。
【0033】
ここで、試薬テーブル23の外周には、図1に示すように、試薬容器24に貼付した前記情報記録媒体に記録された試薬の種類,ロット及び有効期限等の試薬情報を読み取り、制御部26へ出力する読取装置25が設置されている。
【0034】
制御部26は、検体テーブル3、検体分注機構5、キュベットホイール6、測光装置20、洗浄装置21、試薬分注機構22、試薬テーブル23、読取装置25、分析部27、入力部28、表示部29及び攪拌装置30等と接続され、例えば、分析結果を記憶する記憶機能を備えたマイクロコンピュータ等が使用される。制御部26は、自動分析装置1の各部の作動を制御すると共に、前記情報記録媒体の記録から読み取った試薬情報に基づき、試薬のロットや有効期限等が設置範囲外の場合、分析作業を停止するように自動分析装置1を制御し、或いはオペレータに警告を発する。
【0035】
分析部27は、制御部26を介して測光装置20に接続され、受光器が受光した光量に基づく容器本体7内の液体の吸光度から検体の成分濃度等を分析し、分析結果を制御部26に出力する。入力部28は、制御部26へ検査項目等を入力する操作を行う部分であり、例えば、キーボードやマウス等が使用される。表示部29は、分析内容や警報等を表示するもので、ディスプレイパネル等が使用される。
【0036】
攪拌装置30は、容器本体7に保持された液体を表面弾性波素子8が照射する音波によって攪拌する装置であり、図2に示すように、送信基板31と駆動制御部32とを有している。
【0037】
送信基板31は、図2に示すように、キュベットホイール6の段部6cに配置されている。送信基板31は、図6に示すように、基板31aの上面にRF送信アンテナ31bが形成され、駆動制御部32から送電される電力によってRF送信アンテナ31bが表面弾性波素子8のアンテナ8cに駆動信号(電力)を送信する。
【0038】
駆動制御部32は、送信基板31へ送電する電力を制御し、図2に示すように、駆動回路32a及び制御回路32bを有している。駆動回路32aは、制御回路32bからの制御信号に基づいて発振周波数を変更可能な発振回路を有しており、数十MHz〜数百MHz程度の高周波の発振信号をRF送信アンテナ31bへ出力する。制御回路32bは、駆動回路32aの作動を制御し、例えば、表面弾性波素子8が発する音波の特性(周波数,強度,位相,波の特性)、波形(正弦波,三角波,矩形波,バースト波等)或いは変調(振幅変調,周波数変調)等を制御する。また、制御回路32bは、内蔵したタイマに従って駆動回路32aが発振する発振信号の周波数を切り替えることができる。
【0039】
ここで、送信基板31と駆動制御部32との間は、キュベットホイール6が回転しても電力が電送されるように、図2に示すように、接触電極Eを介して接続され、キュベットホイール6の回転に伴って電力が供給される送信基板31が順次切り替わる。
【0040】
以上のように構成される自動分析装置1は、回転するキュベットホイール6によって周方向に沿って搬送されてくる複数の容器本体7に試薬分注機構22が試薬容器24から試薬を順次分注する。試薬が分注された容器本体7は、キュベットホイール6によって周方向に沿って搬送され、検体分注機構5によって検体テーブル3に保持された複数の検体容器4から検体が順次分注される。そして、検体が分注された容器本体7は、キュベットホイール6によって攪拌装置30の位置へ順次搬送され、図2に示すように、分注された試薬と検体とを含む液体Lが表面弾性波素子8の発生する表面弾性波Waによって順次攪拌されて反応する。このようにして検体と試薬が反応した反応液は、キュベットホイール6が再び回転したときに測光装置20を通過し、光源から出射された分析光が透過する。このとき、容器本体7内の試薬と検体の反応液は、受光部で測光され、制御部26によって成分濃度等が分析される。そして、分析が終了した容器本体7は、洗浄装置21によって洗浄された後、再度検体の分析に使用される。
【0041】
このとき、実施の形態1の自動分析装置1は、図2に示すように、使用の際は攪拌機構付き容器の固定手段であるキュベットホイール6によって容器本体7が弾性部材9及び表面弾性波素子8と共に一体化されている。そして、自動分析装置1は、非使用時、例えば、表面弾性波素子8が破損した場合や、汚れによって容器本体7のみを特別な洗浄を行う場合、更にはメンテナンスの場合等、必要な際には、複数のねじ6hを緩めて蓋板6dを外せば、容器本体7を弾性部材9や表面弾性波素子8から容易に分離することができる。
【0042】
この場合、表面弾性波素子8は、凹凸が殆どない平板であるので洗浄は容易である。しかし、容器本体7は四角筒であることから、隣接する側壁相互が交差する部分に汚れが残留し易く、特別な洗浄を行う場合が生ずる。このため、容器本体7は、構成素材として環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂を使用すると、安価なことから、弾性部材9と共に廃棄すれば、手間や経費の掛かる特別な洗浄メンテナンスを回避することもできる。
【0043】
また、実施の形態1の攪拌機構付き容器は、図2に示すように、固定手段であるキュベットホイール6によって容器本体7が弾性部材9及び表面弾性波素子8と共に一体化され、表面弾性波素子8が容器本体7に保持される液体Lと接触している。このため、実施の形態1の自動分析装置1は、攪拌装置30に関して音波伝搬経路上に不必要な音波減衰媒体が存在しないことから、表面弾性波素子8が発生した音波の広がりや減衰を抑えて容器本体7に保持された液体Lに照射することにより液体Lを効率よく攪拌することができる。しかも、実施の形態1の自動分析装置1は、表面弾性波素子8の駆動周波数と無関係に攪拌装置30の攪性性能のバラツキが抑制されるので、自動分析装置1毎の攪拌性能のバラツキが抑えられ、安定した攪拌性能を確保することができる。
【0044】
なお、実施の形態1の攪拌機構付き容器は、図7に示すように、振動子8bを下方に向けて表面弾性波素子8を容器本体7の開口7bの下部に配置してもよい。表面弾性波素子8をこのように配置すると、攪拌機構付き容器は、分注された試薬と検体とを含む液体Lをバルク波Wbによって攪拌することができる。また、容器本体7は、上述のように、表面弾性波素子8と共に液密に一体化することができれば、弾性部材9はなくてもよい。ここで、以下に説明する攪拌機構付き容器においては、同一の構成要素には同一の符号を付して説明している。
【0045】
また、実施の形態1の攪拌機構付き容器は、容器本体7と同じ素材を使用し、図8に示す容器本体11のように、上部の開口11aの他に、側壁11dに開口11eを形成してもよい。そして、キュベットホイール6は、凹部6bの側面上下2箇所に第二の介在部材となる弾性部材12を設けておく。このため、図8に示す攪拌機構付き容器は、開口11eの周囲に配置した弾性部材9を介して振動子8bを外側に向けて表面弾性波素子8を容器本体11の側壁11dに配置し、これらを凹部6bにセットした後、ホイール部6aと蓋板6dとを複数のねじ6hによって組み付ける。
【0046】
これにより、図8に示す攪拌機構付き容器は、上下2箇所に設けた弾性部材12によって表面弾性波素子8が容器本体11に向けて付勢されると共に、容器本体11と表面弾性波素子8とが一体化した状態に保持される。この結果、図8に示す攪拌機構付き容器は、液体Lを液密に保持した状態で、分注された試薬と検体とを含む液体Lを表面弾性波素子8が発生するバルク波Wbによって攪拌することができる。なお、複数のねじ6hを緩めて蓋板6dを外し、表面弾性波素子8と共に上方へ引き出せば、容器本体11は、弾性部材9や表面弾性波素子8から容易に分離することができる。
【0047】
さらに、図9に示す攪拌機構付き容器のように、振動子8bを液体L側に向けて表面弾性波素子8を容器本体11の側壁11dに配置し、分注された試薬と検体とを含む液体Lを表面弾性波Waによって攪拌してもよい。但し、この場合、表面弾性波素子8は、振動子8b及びアンテナ8cを二酸化ケイ素(SiO2)等の薄膜によって被覆し、液体Lとの接触に起因する短絡から保護しておく。
【0048】
また、弾性部材12は、図10に示すように、蓋板6dが有する弾性部材6g及び凹部6bの表面弾性波素子8と送信基板31との隙間に対応する位置に弾性部材12を設けてもよい。但し、弾性部材6gは、弾性部材12を設ける位置に弾性部材12の形状に対応した突状の楔6iを一体に形成する。このようにすると、図10に示す攪拌機構付き容器は、蓋板6dを複数のねじ6h(図3参照)によってホイール部6aの上面に固定することにより、突状の楔6iと弾性部材12とが表面弾性波素子8と送信基板31との隙間に上下から侵入する。この結果、表面弾性波素子8が弾性部材9を介して容器本体11に押圧され、容器本体11が、弾性部材9及び表面弾性波素子8と共に一体化される。
【0049】
この場合、図10に示す攪拌機構付き容器は、複数のねじ6hを緩めて蓋板6dを外せば、容器本体11は、弾性部材9や表面弾性波素子8から容易に分離することができる。また、図10に示す攪拌機構付き容器は、振動子8bを液体L側に向けて表面弾性波素子8を側壁11dに配置すると、分注された試薬と検体とを含む液体Lを表面弾性波Waによって攪拌することができる。なお、容器本体11は、表面弾性波素子8と共に液密に一体化することができれば、弾性部材9はなくてもよい。
【0050】
また、実施の形態1の攪拌機構付き容器は、キュベットホイール6に代えて、図11に示すキュベットホイール13としてもよい。キュベットホイール13は、キュベットホイール6と同様に、熱伝導性に優れ、比重が小さいアルミニウム等の金属からなり、基板13aと蓋体13cとを有している。キュベットホイール13は、容器本体7と表面弾性波素子8との間に、第一の介在部材として周方向に連続成形した弾性部材14を挟み込み、基板13aと蓋体13cとを複数のねじ13iによって組み付けることにより容器本体7と表面弾性波素子8とを着脱自在に固定し、一体化する。このような弾性部材14を使用すると、攪拌機構付き容器は、構成部品点数の削減によって、コストダウンとメンテナンス時の取り扱いの簡便化を図ることができる。さらに、容器本体7は、表面弾性波素子8と共に液密に一体化することができれば、弾性部材14はなくてもよい。
【0051】
ここで、基板13aは、図11に示すように、リング形状の部材の幅方向中央に開口13bが形成され、開口13bに送信基板31が設置されている。蓋体13cは、全体形状が基板13aに対応してリング形状に成形され、周方向に隣り合うフランジ13d間に、上壁13eと側壁13fとによって容器本体7及び表面弾性波素子8を配置する凹部13gが形成されている。蓋体13cは、上壁13eの中央に分注開口13hが形成され、半径方向に対向する側壁13fには測光孔が形成されている。蓋体13cは、フランジ13dの部分で基板13aにねじ13iによって着脱自在に固定される。
【0052】
このとき、表面弾性波素子8は、振動子8b及びアンテナ8cを二酸化ケイ素(SiO2)等の薄膜によって被覆し、液体Lとの接触に起因する短絡から保護しておく。また、基板13aと蓋体13cは、周方向に沿った複数箇所で分割し、複数のパーツとしてもよく、弾性部材14も個別であってもよいし、周方向に連続したものとしてもよい。
【0053】
なお、表面弾性波素子8は、図12に示すように、振動子8bを下方に向けて容器本体7の開口7bの下部に配置してもよい。このとき、各容器本体7は、連続成形した弾性部材14に代えて、弾性部材9を表面弾性波素子8との間に配置している。
【0054】
(実施の形態2)
次に、本発明の攪拌機構付き容器にかかる実施の形態2について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図13は、実施の形態2の攪拌機構付き容器を示す断面図である。実施の形態1の攪拌機構付き容器は、介在部材として弾性部材を使用したが、実施の形態2の攪拌機構付き容器は、介在部材として熱を加えると粘弾性が変化する熱変形部材を使用している。ここで、実施の形態2,3において、自動分析装置は、攪拌機構付き容器を除き、実施の形態1の自動分析装置1と同一のものを使用するので説明を省略している。
【0055】
実施の形態2の攪拌機構付き容器は、図13に示すように、キュベットホイール6のホイール部6aに形成した各凹部6bに、下方から弾性部材19,表面弾性波素子8,第一の介在部材となる熱変形部材15及び容器本体16の順に配置する。そして、上方から被せた蓋板6dを複数のねじ6hによってホイール部6aの上面に固定する。これにより、容器本体16が下方に押圧され、容器本体16は、表面弾性波素子8との間に熱変形部材15を介して一体化される。このため、図13に示す攪拌機構付き容器は、容器本体16内の試薬と検体とを含む液体Lを表面弾性波Waによって攪拌することができる。
【0056】
このとき、熱変形部材15は、熱を加えると粘弾性が変化する合成樹脂、例えば、ポリエチレン,ポリ塩化ビニル,ポリプロピレン,フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することができる。また、容器本体16は、容器本体7と同じ素材を使用し、上端のみに開口16aを有し、底壁と側壁16bとによって試薬と検体とを含む数nL〜数十μLの微量な液体Lを保持する液体保持部16cが形成された四角筒状のキュベットである。
【0057】
実施の形態2の攪拌機構付き容器は、自動分析装置1を使用する際は固定手段であるキュベットホイール6によって容器本体16が熱変形部材15及び表面弾性波素子8と共に一体化されている。そして、自動分析装置1の非使用時、例えば、表面弾性波素子8が破損した場合や、汚れによって容器本体16のみを特別な洗浄を行う場合、更にはメンテナンスの場合等、必要な際には、複数のねじ6hを緩めて蓋板6dを外せば、容器本体16を熱変形部材15や表面弾性波素子8から容易に分離することができる。
【0058】
このとき、実施の形態2の攪拌機構付き容器は、第一の介在部材として熱変形部材15を使用している。熱変形部材15は、常温における自己の粘弾性によって容器本体16と表面弾性波素子8とに密着するが、表面弾性波素子8の駆動による表面弾性波素子8の温度上昇によって粘弾性が変化して軟らかくなる。このため、熱変形部材15は、音波を照射する液体Lの攪拌時には、容器本体16や表面弾性波素子8との密着性がさらに向上する。なお、図13に示す攪拌機構付き容器は、振動子8bを下方に向けて表面弾性波素子8を容器本体16の下部に配置してもよい。
【0059】
また、実施の形態2の攪拌機構付き容器は、図14に示すように、側壁16bに熱変形部材15を介して表面弾性波素子8を配置してもよい。このとき、攪拌機構付き容器は、表面弾性波素子8をキュベットホイール6の凹部6bに設けた第二の介在部材である弾性部材12によって容器本体16に向けて付勢し、熱変形部材15を圧電基板8aと側壁16bとに密着させる。これにより、図14に示す攪拌機構付き容器は、分注された試薬と検体とを含む液体Lを表面弾性波素子8が発生するバルク波Wbによって攪拌することができる。
【0060】
なお、図14に示す攪拌機構付き容器は、複数のねじ6hを緩めて蓋板6dを外し、表面弾性波素子8と共に上方へ引き出せば、容器本体16は、熱変形部材15や表面弾性波素子8から容易に分離することができる。また、この攪拌機構付き容器は、振動子8bを熱変形部材15側に向けて表面弾性波素子8を配置してもよい。さらに、容器本体16は、表面弾性波素子8と共に一体化することができれば、弾性部材15はなくてもよい。
【0061】
(実施の形態3)
次に、本発明の攪拌機構付き容器にかかる実施の形態3について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図15は、実施の形態3の攪拌機構付き容器を示す断面図である。実施の形態1の攪拌機構付き容器は、介在部材として弾性部材を使用したが、実施の形態3の攪拌機構付き容器は、介在部材として不揮発性液体を使用している。
【0062】
実施の形態3の攪拌機構付き容器は、図15に示すように、キュベットホイール6のホイール部6aに形成した各凹部6bに、下方から弾性部材19,表面弾性波素子8,第一の介在部材となる不揮発性液体17及び容器本体16の順に配置する。そして、上方から被せた蓋板6dを複数のねじ6hによってホイール部6aの上面に固定する。これにより、容器本体16が下方に押圧され、容器本体16は、表面弾性波素子8との間に第一の介在部材となる不揮発性液体17を介して一体化される。このため、図15に示す攪拌機構付き容器は、容器本体16内の試薬と検体とを含む液体Lを表面弾性波Waによって攪拌することができる。
【0063】
このとき、不揮発性液体17は、電気絶縁性と熱伝導性に優れ、高温,低温を問わず各種溶剤に溶解せず、表面張力が2〜18dynes/cm,25℃と小さく、浸透性に優れ、不燃性,無毒,無臭の性質を有し、金属,ゴム,合成樹脂等を侵さないことから洗浄液としても使用可能な、例えば、フッ素系不活性液体を使用することができる。
【0064】
実施の形態3の攪拌機構付き容器は、自動分析装置1を使用する際は固定手段であるキュベットホイール6によって容器本体16が第一の介在部材となる不揮発性液体17及び表面弾性波素子8と共に一体化されている。そして、自動分析装置1の非使用時、例えば、表面弾性波素子8が破損した場合や、汚れによって容器本体16のみを特別な洗浄を行う場合、更にはメンテナンスの場合等、必要な際には、複数のねじ6hを緩めて蓋板6dを外せば、容器本体16を表面弾性波素子8から容易に分離することができる。この場合、実施の形態3の攪拌機構付き容器は、第一の介在部材が不揮発性液体17なので、熱変形部材15を使用する実施の形態2の攪拌機構付き容器よりも容器本体16と表面弾性波素子8との分離は容易である。
【0065】
ここで、実施の形態3の攪拌機構付き容器は、第一の介在部材として不揮発性液体17を使用している。不揮発性液体17は、液体であることから容器本体16と表面弾性波素子8との密着性に優れると共に、容器本体16が表面弾性波素子8と接する面に膜状に形成され、薄膜化が可能である。また、不揮発性液体17は、殆ど揮発しないことから、他の液体を用いる場合に比べて長期使用が可能となる。なお、図15に示す攪拌機構付き容器は、振動子8bを下方に向けて表面弾性波素子8を容器本体16の下部に配置してもよい。
【0066】
また、実施の形態3の攪拌機構付き容器は、図16に示すように、キュベットホイール6のホイール部6aに形成した各凹部6bに、下方から弾性部材10,表面弾性波素子8,第一の介在部材となる弾性部材9及び容器本体16の順に配置すると共に、表面弾性波素子8と容器本体16との間に配置する弾性部材9の開口9aに第一の介在部材となる不揮発性液体17を配置してもよい。
【0067】
攪拌機構付き容器を図16に示すように構成すると、上方から被せた蓋板6dを複数のねじ6hによってホイール部6aの上面に固定した際に、図15に示す構成の場合に加え、不揮発性液体17を表面弾性波素子8,弾性部材9及び容器本体16の底壁によって完全にシールすることができる。このため、図16に示す攪拌機構付き容器は、図15に示す攪拌機構付き容器以上に不揮発性液体17を長期に亘って使用することができ、不揮発性液体17の交換頻度を小さくすることができる。なお、図16に示す攪拌機構付き容器は、振動子8bを下方に向けて表面弾性波素子8を容器本体16の下部に配置してもよい。
【0068】
なお、自動分析装置1は、検体テーブルが1つの場合について説明したが、検体テーブルは複数であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施の形態1の自動分析装置を示す概略構成図である。
【図2】図1の自動分析装置で使用するキュベットホイールを周方向に沿って切断して実施の形態1の攪拌機構付き容器を示した断面図である。
【図3】実施の形態1の攪拌機構付き容器が有する固定手段の一部である蓋板とねじとを示す斜視図である。
【図4】実施の形態1の攪拌機構付き容器が有する容器本体、弾性部材及び表面弾性波素子の配置を示す斜視図である。
【図5】図4に示す表面弾性波素子を拡大して示す平面図である。
【図6】図2に示す攪拌装置の送信基板を拡大して示す平面図である。
【図7】実施の形態1の攪拌機構付き容器の第一の変形例を示す断面図である。
【図8】実施の形態1の攪拌機構付き容器の第二の変形例を示す断面図である。
【図9】実施の形態1の攪拌機構付き容器の第三の変形例を示す断面図である。
【図10】実施の形態1の攪拌機構付き容器の第四の変形例を示す断面図である。
【図11】実施の形態1の攪拌機構付き容器の第五の変形例を示す断面図である。
【図12】実施の形態1の攪拌機構付き容器の第六の変形例を示す断面図である。
【図13】実施の形態2の攪拌機構付き容器を示す断面図である。
【図14】実施の形態2の攪拌機構付き容器の変形例を示す断面図である。
【図15】実施の形態3の攪拌機構付き容器を示す断面図である。
【図16】実施の形態3の攪拌機構付き容器の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 自動分析装置
2 作業テーブル
3 検体テーブル
4 検体容器
5 検体分注機構
6 キュベットホイール
7 容器本体
8 表面弾性波素子
9,10,19 弾性部材
11 容器本体
12 弾性部材
13 キュベットホイール
14 弾性部材
15 熱変形部材
16 容器本体
17 不揮発性液体
20 測光装置
21 洗浄装置
22 試薬分注機構
23 試薬テーブル
24 試薬容器
25 読取装置
26 制御部
27 分析部
28 入力部
29 表示部
30 攪拌装置
31 送信基板
32 駆動制御部
L 液体
Wa 表面弾性波
Wb バルク波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器毎に保持された生体試料を分析する自動分析装置に用いられる攪拌機構付き容器であって、
前記生体試料を含む液体を保持する容器本体と、
前記液体を攪拌する音波を前記容器本体へ向けて照射する音波発生手段と、
前記容器本体と前記音波発生手段とを着脱自在に固定する固定手段と、
を備えたことを特徴とする攪拌機構付き容器。
【請求項2】
前記容器本体と前記音波発生手段との間には、当該容器本体及び当該音波発生手段に密着する第一の介在部材が配置されることを特徴とする請求項1に記載の攪拌機構付き容器。
【請求項3】
前記音波発生手段と前記固定手段との間には、前記音波発生手段を前記容器本体に向けて付勢する第二の介在部材が配置されることを特徴とする請求項2に記載の攪拌機構付き容器。
【請求項4】
前記第一の介在部材は、熱を加えると粘弾性が変化する熱変形部材であることを特徴とする請求項2に記載の攪拌機構付き容器。
【請求項5】
前記第一の介在部材は、不揮発性液体であることを特徴とする請求項2に記載の攪拌機構付き容器。
【請求項6】
前記不揮発性液体は、前記容器本体が前記音波発生手段と接する面に膜状に形成されることを特徴とする請求項5に記載の攪拌機構付き容器。
【請求項7】
前記第二の介在部材は、弾性部材であることを特徴とする請求項3に記載の攪拌機構付き容器。
【請求項8】
前記固定手段は、前記容器本体と前記音波発生手段とを保持する保持部と、前記容器本体に保持される液体を分注する開口が形成された蓋板と、前記保持部と前記蓋板とを締結するねじとを有することを特徴とする請求項1に記載の攪拌機構付き容器。
【請求項9】
前記固定手段は、前記容器本体と前記音波発生手段とを保持する基板と、前記容器本体に保持される液体を分注する開口が形成された蓋体と、前記基板と前記蓋体とを締結するねじ又はリベットとを有することを特徴とする請求項1に記載の攪拌機構付き容器。
【請求項10】
前記固定手段は、着脱自在に固定された前記容器本体と前記音波発生手段とが前記自動分析装置から取り外された後に、前記容器本体と前記音波発生手段との固定又は固定の解除を自在とするものであることを特徴とする請求項8又は9に記載の攪拌機構付き容器。
【請求項11】
前記固定手段は、当該攪拌機構付き容器を前記自動分析装置に用いている間は前記容器本体と前記音波発生手段との固定を維持することを特徴とする請求項8又は9に記載の攪拌機構付き容器。
【請求項12】
検体と試薬とを含む液体試料を攪拌して反応させ、反応液の光学的特性を測定して前記検体を分析する分析装置であって、請求項1乃至11のいずれか一つに記載の攪拌機構付き容器を備えたことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−145306(P2008−145306A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333717(P2006−333717)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】