説明

改善されたESD保護回路を有する増幅器

【解決手段】改善されたESD保護回路を有する増幅器が述べられる。典型的な一設計では、この増幅器は、トランジスタ、インダクタ、及びクランプ回路を含む。トランジスタは、パッドに結合されたゲートを有し、増幅器についての信号増幅を提供する。インダクタは、トランジスタのソースに結合され、トランジスタについてのソース・ディジェネレーションを提供する。クランプ回路は、トランジスタのゲートとソースとの間に結合され、トランジスタのESD保護を提供する。クランプ回路は、トランジスタのゲートとソースとの間に結合された少なくとも1つのダイオードを含み得る。クランプ回路は、大電圧パルスがパッドに印加された際に、インダクタを介して電流を導き、インダクタの両端に電圧降下を生じさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して電子工学に関し、より具体的には増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
増幅器は、信号増幅をもたらすために種々の電子デバイスに一般に用いられている。種々のタイプの増幅器が、種々の用途に使用可能である。例えば、携帯電話のような無線通信デバイスは、双方向通信のために送信機及び受信機を含み得る。受信機は、低ノイズ増幅器(LNA:low noise amplifier)を使用し、送信機は電力増幅器(PA:power amplifier)を使用し、受信機及び送信機は可変利得増幅器(VGA:variable gain amplifier)を使用し得る。
【0003】
増幅器は、種々の集積回路(IC)プロセスで製造され得る。サブミクロンの相補型金属酸化物半導体(CMOS)製造プロセスは、コストを削減し集積度を向上させるために、無線デバイス及びその他の電子デバイスの無線周波数(RF)回路において広く用いられている。しかしながら、サブミクロンCMOSプロセスで製造されたトランジスタは、一般に小さい物理的寸法を有し、静電気放電(ESD)によりストレスを受けやすく、そして故障しやすい。ESDは、静電気及び/またはその他のソースから生じ得る突然の大きな一瞬の電荷である。性能への影響を最小限にしつつ、ESDに効果的に対処することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】図1は、無線通信デバイスのブロック図を示す。
【図2】図2は、ESD保護回路を有する増幅器を示す。
【図3】図3は、ESDテストのための種々の電圧のグラフを示す。
【図4A】図4Aは、改善されたESD保護回路を有する増幅器の典型的な設計を示す。
【図4B】図4Bは、改善されたESD保護回路を有する増幅器の典型的な設計を示す。
【図5】図5は、改善されたESD保護回路を有する差動増幅器を示す。
【図6】図6は、ESD保護を提供する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
用語「典型的(exemplary)」は、本明細書では「例(example)、例証(instance)、または例示(illustration)として与えられること」を意味するように用いられる。本明細書で「典型的」として述べられたあらゆる設計は、他の設計に対して好適または有利であると解釈される必要はない。
【0006】
改善されたESD保護回路を有する増幅器の種々の典型的な設計が、本明細書において述べられる。この増幅器は、無線及び有線通信デバイス、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯デバイス、無線モデム、ラップトップコンピュータ、コードレス電話、Bluetooth(登録商標)デバイス等のような種々の電子デバイスに使用され得る。明確化のため、以下では無線通信デバイスにおける増幅器の使用について述べられる。
【0007】
図1は、携帯電話またはその他のあるデバイスであり得る無線通信デバイス100のブロック図を示す。図1に示す典型的な設計では、無線デバイス100は、双方向通信をサポートする受信機130及び送信機150を含む。一般に、無線デバイス100は任意の数の通信システム及び周波数帯域につき任意の数の受信機及び送信機を含むことが出来る。
【0008】
受信経路では、アンテナ110は、基地局及び/またはその他の送信局から送信された信号を受信して、受信RF信号を供給する。この受信RF信号は、デュプレクサ/スイッチ112を経由して、受信機130に供給される。受信機130内では、受信RF信号は、低ノイズ増幅器(LNA)132によって増幅され、そして受信復調器(RX復調器)134によって復調されて、同相(I:inphase)及び直交位相(Q:quadrature)のダウンコンバート信号が得られる。ダウンコンバート信号は、増幅器136によって増幅され、ローパスフィルタ138によってフィルタリングされ、更に増幅器140によって増幅されて、I及びQの入力ベースバンド信号が得られ、これはデータプロセッサ170に供給される。
【0009】
送信経路では、データプロセッサ170は、送信すべきデータを処理して、I及びQの出力ベースバンド信号を送信機150に供給する。送信機150内において出力ベースバンド信号は、増幅器152によって増幅され、ローパスフィルタ154によってフィルタリングされ、増幅器156によって増幅され、そして送信(TX)変調器158によって変調されて、変調信号が得られる。電力増幅器(PA)160は、変調信号を増幅して所望の出力電力レベルを得て、送信RF信号を供給する。この送信RF信号は、デュプレクサ/スイッチ112を経由して、アンテナ110を介して送信される。局部発振器(LO)信号生成器162は、受信機130の復調器134に対してダウンコンバートLO信号を生成し、送信機150の変調器158に対してアップコンバートLO信号を生成する。
【0010】
図1は、送受信機の典型的な設計を示す。概して、送信機及び受信機における信号の調整は、増幅器、フィルタ、アップコンバータ、ダウンコンバータ等の1つまたはそれ以上のステージによって実行され得る。回路ブロックは、図1に示す構成とは異なるように配置されても良い。更に、図1には示されない他の回路もまた、送信機及び受信機において信号を調整するために用いられても良い。図1におけるいくらかの回路ブロックが省かれても良い。
【0011】
図1に示す典型的な設計において、受信機130及び送信機150は、RF集積回路(RFIC)120上に実装され得る。LNA130及び増幅器152は、RFIC120外部のデバイスから入力信号を受信し、従ってICピンに結合されたそれらの入力を有し得る。これらのICピンは、ESD電荷(ESD charge)に影響を受けやすく、これはICピンに結合された回路を損傷させ得る。LNA130及び増幅器152は、ICピンを介して結合されたESD電荷に対処し得るESD保護回路と共に実装され得る。
【0012】
図2は、ESD保護回路を有する増幅器200の典型的な設計の概念図を示す。増幅器200は、図1のLNA132、増幅器152、及び/またはその他の回路ブロックに使用され得る。単純化のため、図2は、増幅器200の入力部分のみを示している。増幅器200は、単純化のために図2には示していない他の回路を含んでも良い。
【0013】
増幅器200内部において、Nチャネル金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタ210は、パッド250に結合されたそのゲート、インダクタ212の一端に結合されたそのソース、及び負荷回路214に結合されたそのドレインを有する。用語「トランジスタ」及び「デバイス」は、しばしば交換可能に用いられる。インダクタ212の他端は、低電圧電源Vssに結合され、これは回路のグランドであり得る。負荷回路214の他端は、高電圧電源Vddに結合される。NMOSトランジスタ210は、パッド250を介して受信された入力信号Vinに対する増幅を供給する。NMOSトランジスタ210は、高周波数における高い性能を得るため、薄いゲート酸化膜で実現され得る。この薄いゲート酸化膜の使用は、NMOSトランジスタ210に対して、より低い動作電圧とより低い降伏(breakdown)電圧をもたらし得る。インダクタ212は、NMOSトランジスタ210に対してソース・ディジェネレーション(source degeneration)をもたらし、これは増幅器200の線形性を向上させ得る。インダクタ212はまた、NMOSトランジスタ210のゲートから見たインピーダンス整合をもたらし得る。
【0014】
増幅器200のESD保護回路は、ダイオード230及び232、並びに過渡電流保護回路(transient protection circuit)240を含む。ダイオード230は、パッド250に結合されたそのアノードと、Vddに結合されたそのカソードとを有する。ダイオード232は、Vssに結合されたそのアノードと、パッド250に結合されたそのカソードとを有する。ダイオード230及び232は、より低い容量を有するが(これは増幅器200の性能を向上させ得る)より遅いターンオン速度を有するSTI(shallow trench isolation)ダイオードで実現され得る。過渡電流保護回路240は、Vssに結合されたそのソースと、Vddに結合されたそのドレインとを有するNMOSトランジスタ242を含む。インバータ244は、ノードAに結合されたその入力と、NMOSトランジスタ242のゲートに結合されたその出力とを有する。抵抗246は、ノードAとVddとの間に結合される。キャパシタ248は、ノードAとVssとの間に結合される。NMOSトランジスタ242は、オン状態とされた際に大きな電流量を供給し得る大きな電界効果トランジスタ(FET)であり得る。
【0015】
図2に示すESD保護回路は、パッド250に印加された大きな正及び負のESD電流パルスに対処するように設計されている。ESD電流パルスは、電源電圧が与えられない状態で、増幅器200を含むICパッケージに印加され得る。通常動作の期間、キャパシタ248はVddに充電され、インバータ244の出力は論理lowであり、そしてNMOSトランジスタ242はオフ状態である。増幅器200を含むICパッケージを取り扱う際に、高速に立ち上がる大きな正のESD電流パルスがVssに対してパッド250に印加されることがある。この大きなESD電流パルスはダイオード230をフォワードバイアスし、これにより電流は過渡電流保護回路240に導かれ、Vddをプルアップする。Vddが十分に高くプルアップされると、インバータ244の出力は論理highに遷移し、そしてNMOSトランジスタ242をオンさせる。NMOSトランジスタ242は、オン状態では低いオン抵抗を有し、そして大きな正のESD電流パルスからの電流を導く経路を提供する。反対に、大きな負のESD電流パルスがパッド250に印加された際には、ダイオード232はオン状態とされ、そしてその他の回路に損傷を与えない比較的低い電圧をドロップしつつ、このESD電流パルスからの電流を導く経路を提供する。ESD保護回路は、ESD電流パルスによる電圧降下が、ESD保護回路自身及び内部回路を損傷させるほどには大きくないように設計され得る。
【0016】
デバイス帯電モデル(CDM:charged device model)テストは、デバイスの静電気の帯電に耐えられる性能を決定するために用いられ得る。CDMテストでは、ICチップはフィールドプレート(field plate)上にマウントされ、そしてフィールドプレートに対して大きな電圧(例えば500ボルト(V))に帯電させられ得る。そしてICチップ上のピンが、テストプローブを介してフィールドプレートにショートされ、このICピンを介して大きな静電気電荷が与えられ得る。よって、このCDMテストは、ICチップに蓄えられ、そして引き続き金属の物体との接触により放電される静電気電荷に耐える、このICチップの能力をテストする。この種の放電は、ESDの共通のタイプであり、ICチップへのESD損傷の大部分の原因となる。
【0017】
CDMテストは、図2の増幅器200上で行われた。このCDMテストは、NMOSトランジスタ210のゲート・ソース間のゲート酸化膜が、所望の値を遙かに下回るCDM電圧で破壊されるだろうことを明らかにした。ゲート・ドレイン間の酸化膜は破壊されず、これは多少の電圧降下を吸収することによりゲート・ドレイン間の酸化膜についてのいくらかの保護を与える負荷回路114によるものであろう。ダイオード230及び232並びに過渡電流保護回路240からなるESD保護回路は、NMOSトランジスタ210の薄いゲート酸化膜の保護において部分的にのみ効果的であった。図3に示すESD保護回路における主たる問題は、ダイオード230及び232に対するSTIダイオードの使用による。STIダイオードは、100ピコ秒(ps)の速度で立ち上がり得る非常に高速のCDM電流パルスに対する応答が遅い。この高速の立ち上がり時間に対するSTIダイオードの遅い応答時間により、初期電圧スパイク(initial voltage spike)がパッド250上に現れる。
【0018】
図3は、CDMテストにおいて、パッド250での入力電圧(Vin)とNMOSトランジスタ210のゲート・ソース間電圧(Vgs)の典型的なグラフを示す。このCDMテストでは、大きな静電気電荷が、約0.5オームのソース抵抗を有する非常に高速のパルス生成器によってモデル化されている。パルス生成器は、グラフ310に示される大きな電圧パルスを供給する。この大きな電圧パルスは、10Vのピーク電圧への立ち上がり時間100psを有し、そして250psまで10Vを維持し、そして400psで10Vから7Vに降下する。初期のピーク電圧は、大きな静電気電荷によるパッド250のスパイクに近似する。この大きな電圧パルスは、1.2ナノ秒(ns)まで7Vを維持し、そして1.4nsで7Vから0Vに降下し、そして0Vを維持する。400psから1.2nsまでの7Vは、5VのVdd電圧と、大電流を伴ったダイオード230の両端における約2Vの電圧降下によるだろう。
【0019】
このCDMテストは、パッド250からVssへの入力電圧が、ESD保護回路によって10Vに制限されていることを前提としている。テスト測定は、約400psでダイオードが完全にオン状態とされていることを示した。400psの後は、ダイオード230はパッド250で7Vの電圧を維持する。
【0020】
NMOSトランジスタ210のVgs電圧は、グラフ320で示されている。Vgs電圧は概して、この大きな電圧パルスに従い、更にインダクタ212による上昇を含む。この上昇により、初期のスパイクの期間、ピークのVgs電圧は10.7Vに達する。図2に示す典型的な設計では、7Vの高電圧が1nsを超えて、NMOSトランジスタ210のゲート・ソース間に印加されると、NMOSトランジスタ250のゲート酸化膜が破壊されるだろう。そしてこれは図3に示されるケースである。ゲート酸化膜は電圧に対して非常にセンシティブであり、パルス存続期間が短かったとしても、7Vを超える電圧で容易に破壊され得る。
【0021】
一般に、薄いNMOSゲート酸化膜の絶縁経時破壊(TDDB:time dependent dielectric breakdown)は、次のように与えられる。すなわち、
TDDB=(Vox/(0.24・Tox+2.1))−30 式(1)
ここで、TDDBは酸化膜の降伏までのナノ秒(ns)単位での時間であり、
Voxはボディ、ドレイン、及びソースに対するゲート酸化膜電圧であり、
Toxは、ゲート酸化膜のオングストローム(Å)単位での膜厚である。
【0022】
式(1)は、11〜27Åの範囲内のゲート酸化膜厚で有効であり得る。式(1)は、NMOSトランジスタのゲート酸化膜の破壊までの期間が、Vgs電圧及びゲート酸化膜厚に大いに依存し得ることを示している。
【0023】
CDMテストによるゲート酸化膜の破壊は、他の増幅器構成を使用することにより避けられ得る。しかしながら、これらの他の増幅器構成は、図2に示す増幅器構成に較べて性能が劣り、及び/または他の欠点を有するだろう。
【0024】
ダイオード230及び232でクランプする強力な力(brute force)は、図2に示す増幅器構成において使用されるが、特にNMOSトランジスタ210が、サブミクロンCMOSプロセスで形成された薄膜トランジスタである場合には、その効果は限定的だろう。更に、図3に示すように、クランプダイオード230及び232のターンオン速度が十分に速くない場合には、高いピーク電圧が生じ得る。より速いターンオン速度を得るには、より速いダイオードを使用出来るが、これらのより速いダイオードは、ストライプ長のミクロンにき、より大きい容量を有し、これは性能の観点からは望ましくないだろう。
【0025】
より効果的なクランプは、(i)NMOSトランジスタ210のゲートとパッド250との間に抵抗を挿入すること、及び(ii)1組のクランプダイオード230及び232を、この抵抗の両側に接続すること、によって得ることが出来る。しかしながら、NMOSトランジスタ210のゲートにおける抵抗は、ノイズを増加させるだろう。そしてそれは、増幅器200がLNAで使用される場合には非常に望ましくないだろう。
【0026】
一側面では、改善されたESD保護が、ソース・ディジェネレーション(source degeneration)インダクタを有するNMOSトランジスタのゲートとソース間に結合されたクランプ回路で得られ得る。このクランプ回路は、インダクタを介してESD電流を導き、この導かれた電流はインダクタの両端で電圧降下をもたらすだろう。NMOSトランジスタのVgsは、このインダクタの両端での電圧降下量によって低減されるだろう。
【0027】
図4Aは、改善されたESD保護回路を有する増幅器400の典型的な設計の概念図を示す。増幅器400は、図1のLNA132、増幅器152、及び/または他の回路ブロックに使用出来る。増幅器400は、パッド450に結合されたそのゲート、ソース・ディジェネレーション・インダクタ412に結合されたそのソース、及び負荷回路414に結合されたそのドレインを有している。インダクタ412の他端はVssに結合され、負荷回路414の他端はVddに結合されている。
【0028】
増幅器400のESD保護回路は、ダイオード430及び432並びに過渡電流保護回路440を含み、これらは図2のダイオード230及び232並びに過渡電流保護回路240と同様に結合されている。ESD保護回路は更に、NMOSトランジスタ410のゲートとソースとの間に結合されたクランプ回路420を含む。図4Aに示す典型的な設計では、クランプ回路420は、直列に接続されたN個のダイオード424a〜424nを含み、ここでNは1またはそれ以上であり得る。各ダイオード424は、次のダイオードのアノードに結合されたそのカソードを有する。初段のダイオード424aは、NMOSトランジスタ410のゲートに結合されたそのアノードを有し、最終段のダイオード424nは、NMOSトランジスタ410のソースに結合されたそのカソードを有する。
【0029】
クランプ回路420は、パッド450に印加された大きな正の電圧パルスに効果的であり得る。通常動作の期間、インダクタ412の両端の電圧降下は小さく、NMOSトランジスタ410のソースはVssに近い。大きな正の電圧パルスがパッド450に印加された際、ダイオード424a〜424nは、電流をインダクタ412に導く。インダクタ412の両端には電圧降下が発生し、次のように表される。すなわち、
Vind=L・(di/dt) 式(2)
ここで、Lはインダクタ412のインダクタンスであり、
di/dtはインダクタ412を介して流れる電流の変化率であり、
Vindはインダクタ412の両端における電圧降下である。
【0030】
大きな静電気電荷の場合、di/dtは約100ピコ秒にわたってアンペアオーダーであり、よって非常に大きいだろう。Lは、増幅器400の所望の性能に依存し、ナノヘンリー(nH)のオーダーであり得る。よって、ボルトのオーダーの比較的大きい電圧降下が、インダクタ412の両端に発生し得る。
【0031】
図4Aに示すように、入力電圧は、インダクタ412の両端の電圧降下を加えたNMOSトランジスタのVgs電圧に等しい。よって、インダクタ412の両端の電圧降下は、NMOSトランジスタ410のゲート及びソース間のVgs電圧を低減する。Vgs電圧は、次のように表され得る。すなわち、
Vgs=Vin−Vind 式(3)。
【0032】
図3は、図4Aのクランプ回路420を使用した際のNMOSトランジスタ410のVgs電圧のグラフ330を示す。図2の増幅器200に対して実行され、図3につき上記で説明したCDMテストが、図4Aの増幅器400に対しても行われた。クランプ回路420のダイオード424a〜424nに電流を導くことにより、NMOSトランジスタ410のピークのVgs電圧は、大きな電圧パルスの初期の500psの期間、約4.4Vに低減されている。Vgs電圧を、増幅器200の場合の約7V及びピーク電圧10.7Vから、増幅器400の場合の最大電圧約4.4Vに至るまで低減することにより、NMOSトランジスタ410のゲート酸化膜の破壊を回避出来る。
【0033】
図4Aに戻り、十分な数のダイオード424が、通常動作時にこれらのダイオードがターンオンするのを回避するために、直列に結合され得る。概して、使用するダイオード424の数は、NMOSトランジスタ410のゲートのバイアス電圧、及びターゲットとなるリーク電流またはそれ未満での、各ダイオード424についてのワーストケースでのフォワードバイアス電圧に基づいて決定され得る。例えば、NMOSトランジスタ410の最大のゲートバイアス電圧が0.6Vであり、各ダイオードにつきワーストケースでのフォワードバイアス電圧が0.3Vであった場合、2つのダイオードが直列に結合され得る。通常動作時には、各ダイオードの両端のフォワードバイアス電圧は、オンする条件よりも十分に低く、これは高温において約0.5Vであり得る。より大きなゲートバイアス電圧の場合には、2つより多いダイオードが直列に結合され得る。
【0034】
ダイオード424は、NMOSトランジスタ410の動作に対するこれらのダイオードの影響を最小限にするため、小さいサイズで設計され得る。ダイオード424は、この小さいサイズであっても、短い期間で多くの電流量を導くことが出来る。
【0035】
ダイオード424は、STIダイオード、ゲーテッドダイオード(gated diode)等のような、種々のタイプのダイオードで実装され得る。STIダイオードは、より小さい容量を有するが、しかし、より遅いターンオンスピードも有し得る。ゲーテッドダイオードは、より速いターンオン速度を有するが、より大きな容量を有し得る。典型的な設計では、ダイオード424は、より速いターンオン速度を得るため、ゲーテッドダイオードで実装され得る。より高速なゲーテッドダイオードによる追加の容量は、これらのダイオードがソースとVssとの間ではなく、NMOSトランジスタ410のゲートとソースとの間に結合されているため、NMOSトランジスタ410の性能にわずかに影響を与え得る。ダイオード424に高速なゲーテッドダイオードを使用することで、ESD電流をより速くインダクタ412に送ることが出来、これにより、大きな初期の電圧降下をインダクタ412の両端に生じさせ、そしてNMOSトランジスタ410間には小さいVgsドロップを生じさせる。ダイオード424に高速なゲーテッドダイオードを使用することはまた、ダイオード430及び432が、より遅いSTIダイオードで実装されることを可能にし得る。これは、パッド450におけるより小さい容量、及びより良い増幅器性能をもたらし得る。電圧スパイクは、図3のグラフ320で示されるように、ダイオード430及び432に、より遅いSTIダイオードを使用することに起因し得る。しかしながら、この電圧スパイクは、ダイオード424のゲーテッドダイオードの高速なターンオン速度によって補償され、そして電圧スパイクは、インダクタ412の両端の電圧降下と、NMOSトランジスタ410のVgs電圧とに分割され得る。
【0036】
図4Bは、改善されたESD保護回路を有する増幅器402の典型的な設計の概念図を示す。増幅器402もまた、図1のLNA132、増幅器152、及び/または他の回路ブロックに使用され得る。増幅器402は、図4Aの増幅器の全ての回路要素を含むが、増幅器400のクランプ回路420が、増幅器402のクランプ回路422に置き換えられている。
【0037】
図4Bの典型的な設計では、クランプ回路422は、NMOSトランジスタ410のゲートとソースの間に直列に結合されたN個のダイオード424a〜424nを含む。クランプ回路422は更に、NMOSトランジスタ410のソースに結合されたそのアノードと、NMOSトランジスタのゲートに結合されたそのカソードとを有するダイオード426を含む。
【0038】
クランプ回路420は、パッド450に印加された大きな正及び負の電圧パルスに効果的であり得る。パッド450に印加された大きな正の電圧は、図4Aで上記説明したようにダイオード424a〜424nによって対処され得る。大きな負の電圧パルスがパッド450に印加された際には、ダイオード426が、ソース・ディジェネレーション・インダクタ412から電流を引き出す。そして、式(2)で示されるように、インダクタ412の両端には負の電圧降下が生じる。入力電圧は、インダクタ412の両端での電圧降下を加えたNMOSトランジスタ410のVgs電圧に等しい。よって、インダクタ412の両端での電圧降下は、式(3)に示されるように、NMOSトランジスタ410のゲートとソースとの間のVgs電圧を低減する。よって、このVgs電圧はダイオード426によって低減され、そしてより小さいVgs電圧によって、NMOSトランジスタ410のゲート酸化膜の破壊が防止され得る。
【0039】
ダイオード426は、ダイオード424について上記説明した検討によって実装され得る。ダイオード426は、NMOSトランジスタ410の動作に対する影響を低減するため、十分に小さいサイズを有し得る。ダイオード426は、より高速なターンオン速度を得るために、ゲーテッドダイオードで実装され得る。これにより、ダイオード432をSTIダイオードによって実装することが出来、これは、NMOSトランジスタ410のゲートにおける容量を低減し得る。ダイオード426はまた、その他のタイプのダイオードで実装されても良い。
【0040】
図5は、改善されたESD保護回路を有する差動増幅器500の典型的な設計の概念図を示す。増幅器500もまた、図1に示すLNA132、増幅器152、及び/または他の回路ブロックに使用され得る。増幅器500は、NMOSトランジスタ510a及び510bからなる差動対を含み、これらはパッド550a及び550bにそれぞれ結合されたそれらのゲート、差動トランス512の2つの一端に結合されたそれらのソース、及び負荷回路514に結合されたそれらのドレインを有する。トランス512の他端はVssに結合され、そして負荷回路514の他端はVddに結合されている。
【0041】
増幅器500のESD保護回路は、クランプ回路520a及び520b、ダイオード530a、530b、532a、及び532b、並びに過渡電流保護回路540を含む。クランプ回路520aは、NMOSトランジスタ510aのゲートとソースとの間に結合され、クランプ回路520bは、NMOSトランジスタ510bのゲートとソースとの間に結合される。各クランプ回路520は、(i)直列に結合されたN個のダイオード524a〜524n(最初のダイオード524aのアノードがNMOSトランジスタ510のゲートに結合され、最後のダイオード524nのカソードがNMOSトランジスタ510のソースに結合される)、及び(ii)NMOSトランジスタ510のソースに結合されたそのアノードと、NMOSトランジスタ510のゲートに結合されたそのカソードとを有するダイオード526を含む。ダイオード530a及び532aは、Vdd、パッド550a、及びVss間に結合されている。ダイオード530b及び532bは、Vdd、パッド550b、及びVss間に結合されている。過渡電流保護回路540は、VddとVssとの間に結合され、そして図2の過渡電流保護回路と同じようにして実装され得る。
【0042】
増幅器500のESD保護回路は、パッド550a及び550bに印加された大きな正及び負の電圧パルスに対して効果的であり得る。パッド550a(またはパッド550b)に印加された大きな正の電圧パルスは、図4Aで上記説明したように、クランプ回路520a(またはクランプ回路520a)のダイオード524a〜524nと共に、ダイオード530a(またはダイオード530b)及び過渡電流保護回路540により対処され得る。パッド550a(またはパッド550b)に印加された大きな負の電圧パルスは、図4Bで上記説明したように、クランプ回路520a(またはクランプ回路520a)のダイオード526と共に、ダイオード532a(またはダイオード532b)により対処され得る。
【0043】
図4A、4B、及び5は、NMOSトランジスタを用いた増幅器の典型的な設計を示す。増幅器は、PチャネルMOS(PMOS)トランジスタまたはその他のタイプのトランジスタを用いて実装されても良い。
【0044】
本明細書で述べられた改善されたESD保護回路は、入力NMOSトランジスタのゲートとソースとの間に結合された比較的小さいダイオードを使用して、このNMOSトランジスタのゲート酸化膜の保護を劇的に改善する。この小さなダイオードは、パッドとVssとの間の容量を低く維持しつつ、高速電圧パルスについてのNMOSトランジスタのゲート酸化膜間での電圧降下を低減することが出来る二次クランプ(secondary clamp)として機能する。この小さなダイオードの増幅器の通常動作に対する影響は無視し得る。
【0045】
概して、装置はトランジスタ、インダクタ、及びクランプ回路を備え得る。このトランジスタは、パッドに結合されたゲートを有し、そして増幅器、例えばLNAについての信号増幅を提供し得る。このトランジスタは、NMOSトランジスタ、PMOSトランジスタ、またはその他の対応のトランジスタであり得る。インダクタは、トランジスタのソースに結合され、そしてトランジスタについてのソース・ディジェネレーションを提供する。クランプ回路は、トランジスタのゲートとソースとの間に結合され、そしてこのトランジスタについてのESD保護を提供する。
【0046】
クランプ回路は、大きな正の電圧パルスがパッドに印加された際に、インダクタに電流を供給して、インダクタの両端に正の電圧降下を生じさせ得る。このクランプ回路はまた、大きな負の電圧パルスがパッドに印加された際に、インダクタから電流を引き出し、インダクタの両端に負の電圧降下を生じさせ得る。いずれの場合でも、トランジスタのVgs電圧は、インダクタの両端での電圧降下により低減され得る。
【0047】
クランプ回路は、トランジスタのゲートとソースとの間に結合された少なくとも1つのダイオードを備え得る。典型的な一設計では、少なくとも1つのダイオードは、初段のダイオードと最終段のダイオードを含み、直列に結合された複数のダイオード(例えば、図4A及び4Bのダイオード424a〜424n)を備え得る。初段のダイオードは、トランジスタのゲートに結合されたアノードを有し、そして最終段のダイオードは、トランジスタのソースに結合されたカソードを有し得る。別の典型的な設計では、少なくとも1つのダイオードは、トランジスタのソースに結合されたアノードと、トランジスタのゲートに結合されたカソードとを有するダイオード(例えば、図4Bのダイオード426)を備え得る。全ての設計において、この少なくとも1つのダイオードは、少なくとも1つのゲーテッドダイオード、または高速のターンオン速度を有するその他のダイオードで実装され得る。
【0048】
この装置は更に、第1及び第2のダイオード(例えば、図4A及び4Bのダイオード430及び432)を備え得る。第1のダイオードは、パッドと高電圧電源との間に結合され、大きな正の電圧パルスがパッドに印加された際に電流を流し得る。第2のダイオードは、パッドと低電圧電源との間に結合され、大きな負の電圧パルスがパッドに印加された際に電流を流し得る。第1及び第2のダイオードは、STIダイオード、またはより小さい容量を有するその他のタイプのダイオードで実装され得る。この装置は更に、過渡電流保護回路(例えば、図4A及び4Bの過渡電流保護回路440)を備え、これは高電圧電源と低電圧電源との間に結合され、大きな過渡電流が高電圧電源に生じた際に電流を流し得る。
【0049】
この装置は更に、例えば図5に示すように、第2のトランジスタ、第2のインダクタ、及び第2のクランプ回路を備え得る。第2のトランジスタは第2のパッドに結合されたゲートを有し、この2つのトランジスタは増幅器の差動対を形成し得る。第2のインダクタは第2のトランジスタのソースに結合され、この2つのインダクタは差動トランスの一部であり得る。第2のクランプ回路は、第2のトランジスタのゲートとソースとの間に結合され得る。
【0050】
典型的な一設計では、集積回路は、NMOSトランジスタ、インダクタ、及び少なくとも1つのダイオードを備える。NMOSトランジスタは、パッドに結合されたゲートを有し、増幅器、例えばLNAの信号増幅を提供する。インダクタは、NMOSトランジスタのソースと低電圧電源との間に結合され、NMOSトランジスタについてのソース・ディジェネレーションを提供する。少なくとも1つのダイオードは、NMOSトランジスタのゲートとソースとの間に結合され、NMOSトランジスタのESD保護を提供する。
【0051】
典型的な一設計では、少なくとも1つのダイオードは、初段及び最終段のダイオードを含み、直列に結合された複数のダイオードを備える。初段のダイオードは、NMOSトランジスタのゲートに結合されたアノードを有し、そして最終段のダイオードは、NMOSトランジスタのソースに結合されたカソードを有し得る。別の典型的な設計では、少なくとも1つのダイオードは、NMOSトランジスタのソースに結合されたアノードと、NMOSトランジスタのゲートに結合されたカソードとを有するダイオードを備える。
【0052】
この集積回路は更に、第1及び第2のダイオードを備え得る。第1のダイオード(例えばダイオード430)は、パッドと高電圧電源との間に結合され、大きな正の電圧パルスがパッドに印加された際に電流を流し得る。第2のダイオード(例えばダイオード432)は、パッドと低電圧電源との間に結合され、大きな負の電圧パルスがパッドに印加された際に電流を流し得る。少なくとも1つのダイオードは、第1及び第2のダイオードよりも高速のターンオン速度を有し得る。典型的な一設計では、この少なくとも1つのダイオードは少なくとも1つのゲーテッドダイオードで実装され、第1及び第2のダイオードはSTIダイオードで実装され得る。
【0053】
図6は、ESD保護を提供する方法600の典型的な設計を示す。大きな電圧パルスがNMOSトランジスタのゲートに印加された際、NMOSトランジスタのソースとゲートとの間に結合された少なくとも1つのダイオードを通って電流が導かれ得る(ブロック612)。NMOSトランジスタのソースに結合されたインダクタの両端に、このインダクタを流れる導かれた電流により、電圧降下が生じ得る(ブロック614)。大きな電流パルスは大きな正の電圧パルスであり、少なくとも1つのダイオードは、インダクタに電流を供給して、インダクタの両端に正の電圧降下を生じさせ得る。あるいは、大きな電流パルスは大きな負の電圧パルスであり、少なくとも1つのダイオードは、インダクタから電流を引き出して、インダクタの両端に負の電圧降下を生じさせ得る。いずれの場合においても、NMOSトランジスタのVgs電圧が、インダクタの両端での電圧降下により低減され得る(ブロック616)。
【0054】
本明細書で述べられた改善されたESD保護回路を有する増幅器は、IC、アナログIC、RFIC、mixed-signal IC、特定用途向け集積回路(ASIC)、プリント回路基板(PCB)、電子デバイス等の上に実装され得る。この増幅器はまた、CMOS、NMOS、PMOS、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウム砒素(GaAs)等のような、種々のICプロセス技術で製造され得る。
【0055】
本明細書で述べられた増幅器を実装する装置は、スタンドアローンのデバイスであっても良いし、または大型のデバイスの一部であっても良い。デバイスは、(i)スタンドアローンIC、(ii)データ及び/または命令を記憶するメモリICを含み得る1つまたはそれ以上のICのセット、(iii)RF受信機(RFR)またはRF送信機/受信機(RTR)のようなRFIC、(iv)モバイルステーションモデム(MSM)のようなASIC、(v)その他のデバイス内部に組み込まれ得るモジュール、(vi)受信機、携帯電話、無線デバイス、ハンドセット、またはモバイルユニット、(vii)その他、であり得る。
【0056】
1つまたはそれ以上の典型的な設計では、述べられた機能はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、それらの機能は1つまたはそれ以上の命令またはコードとして、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶され、或いは伝送され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの持ち運びを助ける任意の媒体を含むコンピュータ記憶メディア及び通信メディアの双方を含む。記録媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であって良い。例として、これに限定するもので無いものとして、このようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは光ディスク媒体、磁気ディスク媒体または他の磁気記録デバイス、または命令またはデータ構造の形で所望のプログラムコードを運びまたは保持するために使用され、そしてコンピュータによってアクセスできる他の任意の媒体を含むことが出来る。また、あらゆる接続が、適切にコンピュータ読み取り可能な媒体と呼ばれる。例えば、そのソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、或いは赤外線、無線、及びマイクロ波といった無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、または遠隔源から送信されるならば、この同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、或いは赤外線、無線、及びマイクロ波といった無線技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk and disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光学ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、及びブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、一般的に、磁気によってデータを再生し、ディスク(disc)はレーザによって光学的にデータを再生する。上記の組合せもまたコンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0057】
本開示の上記説明は、当業者に本開示の製造及び使用を可能にするために与えられる。この開示の種々の変形が、当業者には容易に明白であろう。そして本明細書で定義された包括的な原理は、この開示の範囲から逸脱することなく、その他の変形に適用され得る。よって、この開示は、本明細書に述べられた例及び設計に限定されることを意図されないが、本明細書で開示された新規な特徴と原理に一致する最も広い範囲に許容される。
【0058】
特許請求の範囲は以下の通りである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッドに結合されたゲートを有するトランジスタと、
前記トランジスタのソースに結合されたインダクタと、
前記トランジスタの前記ゲートと前記ソースとの間に結合され、前記トランジスタの静電気放電(ESD)保護を提供するクランプ回路と
を備える装置。
【請求項2】
前記クランプ回路は、正の大電圧パルスが前記パッドに印加された際に、前記インダクタに電流を供給して、前記インダクタの両端に正の電圧降下を生じさせる、請求項1の装置。
【請求項3】
前記クランプ回路は、負の大電圧パルスが前記パッドに印加された際に、前記インダクタから電流を引き出して、前記インダクタの両端に負の電圧降下を生じさせる、請求項1の装置。
【請求項4】
前記トランジスタは、Nチャネル金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタを備える、請求項1の装置。
【請求項5】
前記クランプ回路は、前記トランジスタの前記ゲートと前記ソースとの間に結合された少なくとも1つのダイオードを備える、請求項1の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのダイオードは、少なくとも1つのゲーテッドダイオード(gated diode)で実装される、請求項5の装置。
【請求項7】
前記クランプ回路は、初段のダイオードと最終段のダイオードとを備える直列に結合された複数のダイオードを備え、
前記初段のダイオードは、前記トランジスタの前記ゲートに結合されたアノードを有し、
前記最終段のダイオードは、前記トランジスタの前記ソースに結合されたカソードを有する、請求項1の装置。
【請求項8】
前記クランプ回路は、前記トランジスタの前記ソースに結合されたアノードと、前記トランジスタの前記ゲートに結合されたカソードとを有するダイオードを備える、請求項1の装置。
【請求項9】
前記パッドと高電圧電源との間に結合され、正の大電圧パルスが前記パッドに印加された際に電流を流す第1のダイオードと、
前記パッドと低電圧電源との間に結合され、負の大電圧パルスが前記パッドに印加された際に電流を流す第2のダイオードと
を更に備える請求項1の装置。
【請求項10】
前記高電圧電源と前記低電圧電源との間に結合され、大きな過渡電流が前記高電圧電源に与えられた際に電流を流す過渡電流保護回路、を更に備える請求項9の装置。
【請求項11】
前記第1及び第2のダイオードは、STI(shallow trench isolation)ダイオードで実装される、請求項9の装置。
【請求項12】
第2のパッドに結合されたゲートを有する第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタのソースに結合された第2のインダクタと、
前記第2のトランジスタの前記ゲートと前記ソースとの間に結合された第2のクランプ回路と
を更に備え、前記トランジスタと前記第2のトランジスタは、増幅器の差動対を形成し、
前記インダクタと前記第2のインダクタは、差動トランスの一部である、請求項1の装置。
【請求項13】
前記トランジスタは、低ノイズ増幅器(LNA)についての信号増幅を提供するNチャネル金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタを備え、
前記インダクタは、前記NMOSトランジスタについてのソース・ディジェネレーション(source degeneration)を提供し、
前記複数のダイオードは、前記NMOSトランジスタについてのESD保護を提供する、請求項7の装置。
【請求項14】
パッドに結合されたゲートを有するNチャネル金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタと、
前記NMOSトランジスタのソースと低電圧電源との間に結合されたインダクタと、
前記NMOSトランジスタの前記ゲートと前記ソースとの間に結合され、前記NMOSトランジスタの静電気放電(ESD)保護を提供する少なくとも1つのダイオードと
を備える集積回路。
【請求項15】
前記少なくとも1つのダイオードは、初段のダイオードと最終段のダイオードとを備える直列に結合された複数のダイオードを備え、
前記初段のダイオードは、前記NMOSトランジスタの前記ゲートに結合されたアノードを有し、
前記最終段のダイオードは、前記NMOSトランジスタの前記ソースに結合されたカソードを有する、請求項14の集積回路。
【請求項16】
前記少なくとも1つのダイオードは、前記NMOSトランジスタの前記ソースに結合されたアノードと、前記NMOSトランジスタの前記ゲートに結合されたカソードとを有するダイオードを備える、請求項14の集積回路。
【請求項17】
前記パッドと高電圧電源との間に結合され、正の大電圧パルスが前記パッドに印加された際に電流を流す第1のダイオードと、
前記パッドと低電圧電源との間に結合され、負の大電圧パルスが前記パッドに印加された際に電流を流す第2のダイオードと
を更に備える請求項14の集積回路。
【請求項18】
前記少なくとも1つのダイオードは、前記第1及び第2のダイオードよりも高速のターンオン速度を有する、請求項17の集積回路。
【請求項19】
前記少なくとも1つのダイオードは、前記第1及び第2のダイオードよりも小さいサイズを有する、請求項17の集積回路。
【請求項20】
前記少なくとも1つのダイオードは、少なくとも1つのゲーテッドダイオード(gated diode)で実装され、
前記第1及び第2のダイオードは、STI(shallow trench isolation)ダイオードで実装される、請求項17の集積回路。
【請求項21】
前記NMOSトランジスタは、低ノイズ増幅器(LNA)についての信号増幅を提供し、
前記インダクタは、前記NMOSトランジスタについてのソース・ディジェネレーション(source degeneration)を提供する、請求項14の集積回路。
【請求項22】
大電圧パルスがNチャネル金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタのゲートに印加された際に、前記NMOSトランジスタのソースとゲートとの間に結合された少なくとも1つのダイオードに電流を流すことと、
前記流された電流がインダクタを通ることにより、前記NMOSトランジスタの前記ソースに結合された前記インダクタの両端に電圧降下を発生させることと、
前記インダクタの両端の前記電圧降下により、前記NMOSトランジスタのゲート・ソース間電圧(Vgs)を低減することと
を備える方法。
【請求項23】
前記大電圧パルスは、正の大電圧パルスであり、
前記電流を流すことは、前記インダクタの両端に正の電圧降下を発生させるために、前記少なくとも1つのダイオードを介して前記インダクタに電流を供給すること、を備える、請求項22の方法。
【請求項24】
前記大電圧パルスは、負の大電圧パルスであり、
前記電流を流すことは、前記インダクタの両端に負の電圧降下を発生させるために、前記少なくとも1つのダイオードを介して前記インダクタから電流を引き出すこと、を備える、請求項22の方法。
【請求項25】
大電圧パルスがNチャネル金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタのゲートに印加された際に、前記NMOSトランジスタのソースに結合されたインダクタに電流を流す手段と、
前記インダクタの両端での電圧降下により、前記NMOSトランジスタのゲート・ソース間電圧(Vgs)を低減する手段と
を備える装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−507950(P2012−507950A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534721(P2011−534721)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/062409
【国際公開番号】WO2010/053791
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】