説明

文字データの生成装置および生成方法、文字データの表示制御装置および表示方法、ナビゲーション装置

【課題】BMP化された複数の文字データを斜めに並べて配置する場合に、文字の下部を揃えて見やすく表示できる「文字データの生成装置および生成方法、文字データの表示制御装置および表示方法、ナビゲーション装置」を提供する。
【解決手段】回転角度が0度の正位置文字データを用いて、正位置文字を背景エリアの中心点を基準点として所定角度だけ回転させる文字データ回転部2と、回転文字データの背景エリアを水平方向および垂直方向の少なくとも一方に拡大する中心点一致処理部3とを備え、当該拡大処理によって、回転文字データについても回転文字の中心点とBMPデータの中心点とを一致させることにより、複数の文字データをその中心点が基準線上に位置するように並べた場合に、各文字の中心点が基準線に沿うように揃うのみならず、各文字の下部も基準線に沿って揃い、下揃え視点で波打って見えてしまう不都合を防止できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字データの生成装置および生成方法、文字データの表示制御装置および表示方法、ナビゲーション装置に関し、例えば、1文字ずつの文字データを並べて道路名称等の文字列を表示するように成されたナビゲーション装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車載用のナビゲーション装置では、自立航法センサやGPS(Global Positioning System)受信機などを用いて車両の現在位置を検出し、その近傍の地図データを記録媒体から読み出して画面上に表示する。そして、画面上の所定箇所に自車位置を示す自車位置マークを重ね合わせて表示することにより、車両が現在どこを走行しているのかを一目で分かるようにしている。
【0003】
表示画面の地図上には、道路付近に道路名称が表示される。通常、高性能なCPU(中央処理装置)が使用されないナビゲーション装置では、文字表示にかかる処理負荷を軽減して表示の高速化を図るために、文字を1文字ずつビットマップ(BMP)化して保有している。そして、道路名称等を地図上に表示する際には、当該道路名称等を構成する各文字のBMPデータを順に並べて1つの文字列を表示するようにしている。
【0004】
欧米で使用されるナビゲーション装置では、地図上の道路に沿って道路名称を表示するのが普通である。道路は斜めに描画されることも多いが、その斜めの道路に文字列を沿わせるために、文字を回転させる必要がある。図12は、回転文字のBMPデータを斜めの道路に沿って並べて配置した状態を示す図である。図12に示すように、複数の文字を斜めに並べて表示する場合、従来は各文字のBMPデータの中心点を求め、その中心点が道路に平行な直線500上に位置するように各BMPデータを配置する処理が行われていた。
【0005】
なお、傾斜角度が略0度に修正された文字データで構成される一連の文字列の中心点を求め、その中心点を図形データ上の所定位置に一致させて表示するようにした技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−181412号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図13は、正位置(回転角度が0度の位置)の文字およびこれを所定角度回転させた回転文字のBMPデータの例を示す図である。図13に示すように、正位置文字の場合、そのBMPデータは、文字の中心点501とBMPデータの中心点とが一致するように作られている。しかしながら、当該正位置文字を所定角度回転させて回転文字を作った場合、回転文字の中心点502とBMPデータの中心点とが一致しなくなる文字がある。このため、複数種の回転文字のBMPデータをその中心点が一直線上に並ぶように配置すると、図14のように各文字の下部が揃わず、下揃え視点では波打って見えてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、ビットマップ化された複数の文字データを斜めに並べて配置する場合に、文字の下部を揃えて見やすく表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、回転角度が0度の正位置文字および当該正位置文字の背景エリアを含む正位置文字データを用いて、背景エリアの中心点を基準点として正位置文字を所定方向に所定角度だけ回転させる文字データ回転部と、文字データ回転部により生成された回転文字データの背景エリアを水平方向および垂直方向の少なくとも一方に拡大することによって、拡大回転文字データの中心点と回転文字の中心点とを一致させる中心点一致処理部とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、回転文字についても文字の中心点と背景エリアを含む文字データの中心点とが一致するので、複数の文字データをその中心点が基準線上に位置するように並べた場合に、各文字の中心点が基準線に沿うように揃うのみならず、各文字の下部も基準線に沿って揃い、下揃え視点で波打って見えてしまう不都合を防止することができる。これにより、複数の文字データを斜めに並べて配置する場合でも、各文字の下部を揃えて見やすく表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による文字データ生成装置100の機能構成例を示すブロック図である。図2は、本実施形態による文字データ生成装置100によって処理される文字データの例を示す図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態による文字データ生成装置100は、文字データ取得部1、文字データ回転部2、中心点一致処理部3および透明化処理部4を備えて構成されている。なお、実際にはこれらの各機能ブロック1〜4は、例えば、コンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどで構成されるものであり、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することにより実現できる。
【0012】
文字データ取得部1は、回転角度が0度の正位置文字が、当該正位置文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の背景エリア上に存在する文字データであって、正位置文字の中心点と背景エリアの中心点とが一致した文字データ(以下、正位置文字データと称する)を取得する。図2(a)は、この文字データ取得部1により取得される正位置文字データの例を示している。ここで取得する正位置文字データは、文字を1文字ずつビットマップ(BMP)化したものである。ここで、背景エリアの中心点は、BMPデータの中心点でもある。
【0013】
正位置文字および背景エリアを含む正位置文字データは、データ容量を最小限に抑えるために、背景エリアの大きさが、正位置文字を含ませることが可能な最小の大きさに設定されている。つまり、正位置文字データは、正位置文字の外形ぎりぎりに矩形の背景エリアをカットして作られている。そのため、例えば正位置文字がアルファベットのA〜Z、a〜zであれば、当該アルファベット全ての正位置文字が、背景エリアを構成する矩形の4辺に接している。
【0014】
文字データ取得部1は、このような正位置文字データを外部より取得する。例えば、当該正位置文字データが記録されたリムーバル記録メディアから読み取ることによって当該正位置文字データを取得する。または、インターネット等の通信ネットワークと接続し、インターネット上に存在するサーバから当該正位置文字データをダウンロードして取得するようにしても良い。または、本実施形態による文字データ生成装置100自身で、当該正位置文字データを生成することによって取得するようにしても良い。さらに、本実施形態の文字データ生成装置100をナビゲーション装置などの電子機器に組み込んで使用する場合において、当該電子機器が備えるハードディスクなどの記録媒体から読み取ることによって当該正位置文字データを取得するようにしても良い。
【0015】
ここで、文字データ取得部1が数ある文字種の中からどの文字種の正位置文字データを取得するかは、あらかじめ決められたものとしても良いし、文字データ生成装置100のユーザが任意に選択できるようにしても良い。または、本実施形態の文字データ生成装置100をナビゲーション装置などの電子機器に組み込んで使用する場合において、当該電子機器が備えるコントローラからの指示により決定するようにしても良い。ここで取得する正位置文字データは、1つであっても良いし、複数であっても良い。
【0016】
文字データ回転部2は、文字データ取得部1により取得された正位置文字データを用いて、背景エリアの中心点(BMPデータの中心点でもある)を基準点として正位置文字を所定方向に所定角度だけ回転させて回転文字を形成し、当該回転文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の変形背景エリア上に回転文字が存在する回転文字データを生成する。
【0017】
ここで、正位置文字をどの方向にどの角度だけ回転させるかは、あらかじめ決められた値としても良いし、文字データ生成装置100のユーザが任意に選択できるようにしても良い。または、本実施形態の文字データ生成装置100をナビゲーション装置などの電子機器に組み込んで使用する場合において、当該電子機器が備えるコントローラからの指示により決定するようにしても良い。複数の正位置文字データを回転させる場合は、これらを後で並べてディスプレイに表示する際の見栄えを考慮して、全ての文字を同一方向および同一角度で回転させるのが好ましい。
【0018】
図2(b)は、図2(a)に示す「A」の正位置文字データを回転させた状態の文字データ(以下、回転文字データと称する)の例を示している。ここでは、文字データ回転部2は、正位置文字データ中に含まれる正位置文字を、背景エリアの中心点(正位置文字データの場合はBMPデータの中心点でもあり、正位置文字の中心点でもある)を基準点80として左方向に30度回転させ、回転後の回転文字に合わせて変形背景エリアの大きさを調整している。
【0019】
すなわち、回転文字データも、その変形背景エリアの大きさが、回転文字を含ませることが可能な最小の大きさに設定されている。つまり、回転文字データは、回転文字の外形ぎりぎりに矩形の変形背景エリアをカットして作られる。これにより、回転文字および変形背景エリアを含む回転文字データの形状は、文字種によって、元の正位置文字データの形状から変化することがある。これに伴い、回転文字データ(BMPデータ)の中心点と当該データ中に含まれる回転文字の中心点(基準点80)とが一致しなくなる。
【0020】
中心点一致処理部3は、文字データ回転部2により生成された回転文字データの変形背景エリアを水平方向および垂直方向の少なくとも一方に拡大することにより、拡大された変形背景エリア(以下、拡大変形背景エリアと称する)の中心点と回転文字の中心点とが一致した拡大回転文字データを生成する。図2(c)は、図2(b)に示す「A」の回転文字データの変形背景エリアを左方向および上方向に所定量ずつ拡大した状態の拡大回転文字データを示している。図2(c)から分かるように、拡大回転文字データは、拡大回転文字データ(BMPデータ)の中心点と当該データ中に含まれる回転文字の中心点(基準点80)とが一致している。
【0021】
ここで、中心点一致処理部3の具体的な処理例について説明する。図3は、中心点一致処理部3の機能構成例を示すブロック図である。図3に示すように、中心点一致処理部3は、その機能構成として、文字種特定部11、回転量特定部12、拡大量記憶部13および背景エリア拡大処理部14を備えている。
【0022】
文字種特定部11は、変形背景エリアを拡大する対象となる回転文字データの文字種を特定する。ここで対象とする文字種は、文字データ取得部1により取得された正位置文字データの文字種であるから、文字データ取得部1について上述したのと同様の方法により、あるいは文字種特定部11が文字データ取得部1から文字種を表す情報を取得することにより、拡大対象の文字種を特定することが可能である。
【0023】
回転量特定部12は、文字データ回転部2が正位置文字データを回転させたときの回転方向および回転角度を特定する。この回転方向および回転角度は、文字データ回転部2について上述したのと同様の方法により、あるいは回転量特定部12が文字データ回転部2から回転方向および回転角度を表す情報を取得することにより、正位置文字データを回転させたときの回転方向および回転角度を特定することが可能である。
【0024】
拡大量記憶部13は、正位置文字を所定方向に所定角度だけ回転させた場合に変形背景エリアを拡大すべき方向および拡大量の情報をあらかじめ記憶している。上述したように、回転文字データに関しては、BMPデータの中心点と回転文字の中心点とは一致しないが、変形背景エリアを拡大して生成した拡大回転文字データに関しては、BMPデータの中心点と回転文字の中心点とが一致する。ここで、拡大回転文字データに関してBMPデータの中心点と回転文字の中心点とを一致させるために必要な変形背景エリアの拡大方向および拡大量は、回転文字データに関するBMPデータの中心点と回転文字の中心点とのずれ方向とずれ量によって一意に定まる。
【0025】
そこで、どの文字種をどの方向にどの程度回転させたときに回転文字データの中心点と回転文字の中心点とがどの方向にどの程度ずれるかをシミュレーションにより検出する。そして、そのずれ方向とずれ量から一意に定まる変形背景エリアの拡大方向および拡大量を、拡大量記憶部13にあらかじめ情報として記憶しておく。この拡大方向および拡大量は、文字種、回転方向、回転角度によって異なる固有の値である。そこで、文字種、回転方向および回転角度と、変形背景エリアの拡大方向および拡大量とを対応付けて、例えばテーブル情報として記憶しておくことが可能である。
【0026】
背景エリア拡大処理部14は、文字データ回転部2により生成された回転文字データの変形背景エリアを、拡大量記憶部13に記憶されている拡大量だけ、拡大量記憶部13に記憶されている拡大方向に拡大する処理を行う。このとき背景エリア拡大処理部14は、文字種特定部11により特定された文字種と、回転量特定部12により特定された回転文字の回転方向および回転角度とに基づいて拡大量記憶部13のテーブル情報を参照し、当該文字種、回転方向および回転角度に対応付けられている変形背景エリアの拡大方向および拡大量を読み出して利用する。
【0027】
図4は、中心点一致処理部3の他の機能構成例を示すブロック図である。図5は、図4に示した中心点一致処理部3の処理を説明するための図である。なお、図5(a)は変形背景エリアの拡大前の状態、図5(b)は変形背景エリアの拡大後の状態を示している。図4に示すように、中心点一致処理部3は、図3に示した機能構成に代えて、水平方向差分検出部21、垂直方向差分検出部22、水平方向背景エリア拡大処理部23および垂直方向背景エリア拡大処理部24を機能構成として備えるようにしても良い。
【0028】
水平方向差分検出部21は、文字データ回転部2により生成された回転文字データを用いて、回転の基準点80から左右の水平方向に見て、基準点80から回転文字の左側端部までの長さX1、基準点80から回転文字の右側端部までの長さX2、および両長さの差分|X1−X2|を検出する。ここで用いる基準点80は、文字データ回転部2が正位置文字データを回転させたときの背景エリアの中心点であるが、正位置文字の中心点でもあり、回転文字の中心点とも一致している(ただし、BMPデータの中心点とはずれている)。
【0029】
垂直方向差分検出部22は、文字データ回転部2により生成された回転文字データを用いて、基準点80から上下の垂直方向に見て、基準点80から回転文字の上側端部までの長さY1、基準点80から回転文字の下側端部までの長さY2、および両長さの差分|Y1−Y2|を検出する。
【0030】
水平方向背景エリア拡大処理部23は、水平方向差分検出部21により検出された差分|X1−X2|だけ、左右のうち長さX1,X2が短い側に変形背景エリアを水平方向に拡大する。図5(a)に示す例では、基準点80から回転文字の左側端部までの長さX1の方が、基準点80から回転文字の右側端部までの長さX2よりも短いので、水平方向背景エリア拡大処理部23は、左方向に差分|X1−X2|だけ変形背景エリアを拡大する。
【0031】
垂直方向背景エリア拡大処理部24は、垂直方向差分検出部22により検出された差分|Y1−Y2|だけ、上下のうち長さY1,Y2が短い側に変形背景エリアを垂直方向に拡大する。図5(a)に示す例では、基準点80から回転文字の上側端部までの長さY1の方が、基準点80から回転文字の下側端部までの長さY2よりも短いので、垂直方向背景エリア拡大処理部24は、上方向に差分|Y1−Y2|だけ変形背景エリアを拡大する。
【0032】
このような変形背景エリアの拡大処理を行うと、図5(b)に示すように、基準点80から回転文字の左側端部までの長さがX2となって回転文字の右側端部までの長さと一致する。また、基準点80から回転文字の上側端部までの長さがY2となって回転文字の下側端部までの長さと一致する。これにより、拡大回転文字データに関しても、回転文字の中心点(基準点80)と、BMPデータの中心点とが一致することとなる。
【0033】
図4のような構成によれば、拡大対象とする回転文字の文字種や回転方法、回転角度を特定しなくても、画像処理を用いて長さX1,X2,Y1,Y2を測定することにより、適切な方向に適切な量だけ変形背景エリアを拡大して、拡大回転文字データ(BMPデータ)の中心点と回転文字の中心点とを一致させることができる。また、変形背景エリアの拡大方向と拡大量とをあらかじめシミュレーションして記憶しておく必要もない。
【0034】
図1の透明化処理部4は、中心点一致処理部3により拡大された変形背景エリアに透明化処理を施す。ここで透明化処理を施す部分は、拡大変形背景エリアの全体(拡大される前の変形背景エリアの領域を含む)であっても良いし、拡大された部分のみのエリアであっても良い。
【0035】
中心点一致処理部3により生成される拡大回転文字データは、BMPデータ内で占める拡大変形背景エリアの大きさや位置が文字種によって異なる。このため、複数の文字種の拡大回転文字データを等間隔で並べて表示すると、BMPデータ自体は等間隔に並んでいても、実際に見える回転文字は等間隔に並ばなくなるケースが生じる。
【0036】
そこで、透明化処理部4によって拡大変形背景エリアに透明化処理を施し、図示しない表示コントローラが複数の文字種の拡大回転文字データを並べて表示するときに、透明化処理の施された拡大変形背景エリアのうち拡大された部分が、隣接する拡大回転文字データの一部と重なるように並べて配置すれば、回転文字自体を等間隔に並べて表示することができる。
【0037】
なお、例えば1文字のみを表示する場合や、回転文字が等間隔に並ばなくても良い用途の場合は、必ずしも透明化処理を行う必要はない。しかし、複数の文字種の回転文字を等間隔に並べたい場合には、上述の通り透明化処理を行って、一の拡大回転文字データの背景エリアの部分を、それに隣接する拡大回転文字データの一部に重ねて並べるのが好ましい。
【0038】
図6は、本実施形態による文字データ生成装置100の動作例、すなわち、本実施形態による文字データ生成方法の処理手順例を示すフローチャートである。図6において、まず文字データ取得部1は、正位置文字データを外部より取得する(ステップS1)。次に文字データ回転部2は、文字データ取得部1により取得された正位置文字データを用いて画像処理を行うことにより、回転文字データを生成する(ステップS2)。
【0039】
次に、中心点一致処理部3の水平方向差分検出部21は、文字データ回転部2により生成された回転文字データを用いて、基準点80から回転文字の左側端部までの長さX1と、基準点80から回転文字の右側端部までの長さX2との差分|X1−X2|を検出する(ステップS3)。
【0040】
また、中心点一致処理部3の垂直方向差分検出部22は、文字データ回転部2により生成された回転文字データを用いて、基準点80から回転文字の上側端部までの長さY1と、基準点80から回転文字の下側端部までの長さY2との差分|Y1−Y2|を検出する(ステップS4)。
【0041】
次に、水平方向背景エリア拡大処理部23は、水平方向差分検出部21により検出された水平方向の差分|X1−X2|だけ、基準点80から見て左右方向のうち回転文字端部までの長さが短い側に、変形背景エリアを水平方向に拡大する(ステップS5)。
【0042】
また、垂直方向背景エリア拡大処理部24は、垂直方向差分検出部22により検出された垂直方向の差分|Y1−Y2|だけ、基準点80から見て上下方向のうち回転文字端部までの長さが短い側に、変形背景エリアを垂直方向に拡大する(ステップS6)。そして最後に、透明化処理部4により拡大変形背景エリアに透明化処理を施して(ステップS7)、拡大回転文字データが完成する。
【0043】
次に、以上に説明した本実施形態の文字データ生成装置100を用いて構成した文字データ表示制御装置について説明する。図7は、本実施形態による文字データ表示制御装置200の機能構成例を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態の文字データ表示制御装置200は、文字データ生成部31、基準線設定部32、文字データ配列部33および表示制御部34を備えて構成されている。なお、実際にはこれらの各機能ブロック31〜34は、例えば、コンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどで構成されるものであり、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することにより実現できる。
【0044】
文字データ生成部31は、図1に示した文字データ生成装置100と同等の機能を有するものである。すなわち、文字データ生成部31は、正位置文字データを取得する文字データ取得部1と、回転文字データを生成する文字データ回転部2と、拡大回転文字データを生成する中心点一致処理部3と、拡大回転文字データの背景エリアに透明化処理を施す透明化処理部4とを備えている。
【0045】
基準線設定部32は、文字データ生成部31により生成された拡大回転文字データを複数個並べて配置する際の基準線を設定する。この基準線は任意に設定することが可能であり、直線でも曲線でも構わない。ここで、どのような基準線を設定するかは、あらかじめ決められたものとしても良いし、文字データ表示制御装置200のユーザが任意に選択できるようにしても良い。または、本実施形態の文字データ表示制御装置200をナビゲーション装置などの電子機器に組み込んで使用する場合において、当該電子機器が備えるコントローラからの指示により決定するようにしても良い。
【0046】
なお、複数個の文字を整然と並べて見やすくすることを考慮すれば、基準線は直線であることが好ましい。また、基準線の水平方向に対する角度は、正位置文字を回転させて回転文字データを生成したときの回転角度と同じであることが好ましい。また、基準線の傾斜の向きは、正位置文字の回転方向が左回転の場合は正の傾斜角となり、正位置文字の回転方向が右回転の場合は負の傾斜角となるように設定するのが好ましい。
【0047】
ここでは、正位置文字を回転させて回転文字データを生成したときの回転方向と回転角度とに応じて基準線を設定する例について説明したが、逆に、最初に基準線を設定し、当該基準線の傾斜方向と傾斜角度とに応じて正位置文字の回転方向と回転角度と設定するようにしても良い。
【0048】
文字データ配列部33は、基準線設定部32により設定された基準線上に拡大回転文字データ(BMPデータ)の中心点(これは文字データ生成部31が正位置文字を回転させたときの回転の基準点80であり、回転文字の中心点でもある)が位置するように、複数個の拡大回転文字データを並べて配置する。表示制御部34は、文字データ配列部33により並べられた複数個の拡大回転文字データに基づいて、ディスプレイの画面上に文字列を表示するように制御する。
【0049】
図8は、文字データ配列部33により複数個の拡大回転文字データを配列した状態を示す図である。図8に示す「A」〜「G」の7個の拡大回転文字データは、文字データ生成部31において正位置文字を左方向に30度回転させて生成したものである。また、基準線81は、水平方向に対する角度が30度で、傾斜の向きが正の傾斜角となるように設定された直線である。
【0050】
文字データ配列部33は、7個の拡大回転文字データを、そのBMPデータの中心点が何れも基準線81上に位置するように並べて配置する。ここで配置する拡大回転文字データは、回転文字の中心点とBMPデータの中心点とが一致しているので、複数の拡大回転文字データをBMPデータの中心点が基準線81上に位置するように並べた場合に、各回転文字の中心点が基準線81に沿うように揃うのみならず、各回転文字の下部も基準線81に沿って揃う(補助線82を参照)。これにより、複数の回転文字が下揃え視点で波打って見えてしまう不都合を防止することができ、複数の文字データを斜めに並べて配置する場合でも、各文字の下部を揃えて見やすく表示することができる。
【0051】
なお、図8の例では、拡大回転文字データのBMPデータ自体を基準線81上で等間隔に配置する例を示している。これに対して、複数個の拡大回転文字データの中心点が基準線81上に位置し、かつ、透明化処理の施された背景エリアのうち拡大された部分が隣接する拡大回転文字データの一部と重なるように、複数個の拡大回転文字データを並べて配置するようにしても良い。
【0052】
ここで、「D」の拡大回転文字データは右方向に変形背景エリアが拡大された部分を有し、その右隣りの「E」の拡大回転文字データは左方向に変形背景エリアが拡大された部分を有する。このように、隣接する2つの拡大回転文字データが、変形背景エリアの拡大された部分が互いに向き合うように並べられている場合には、一方の拡大回転文字データについて拡大された部分が存在しないものと想定して、他方の拡大回転文字データが有する拡大された部分が一方の拡大回転文字データの一部と重なるように配置するようにしても良い。例えば、「D」の拡大回転文字データについて右方向に拡大された部分は存在しないものと想定して、「E」の拡大回転文字データついて左方向に拡大された部分が「D」の拡大回転文字データの一部と重なるように配置する。
【0053】
図9は、本実施形態による文字データ表示制御装置200の動作例、すなわち、本実施形態による文字データ表示方法の処理手順例を示すフローチャートである。図9において、まず、基準線設定部32は、1個以上の拡大回転文字データを並べて配置する際の基準線81を設定する(ステップS11)。次に文字データ生成部31は、複数の正位置文字データから拡大回転文字データを生成する(ステップS12)。この拡大回転文字データの生成処理の詳細な手順は、例えば図6のフローチャートに示した手順と同様である。
【0054】
なお、このときの正位置文字の回転方向と回転角度は、基準線81の傾斜方向と傾斜角度から決定する。例えば、傾斜の向きが正の傾斜角となり、傾斜角が30度となるような直線が基準線81として設定された場合、文字データ生成部31の文字データ回転部2は、正位置文字を左方向に30度回転させて回転文字データを生成する。そして、中心点一致処理部3が回転文字データの変形背景エリアを拡大し、透明化処理部4が拡大変形背景エリアを透明化処理することによって、拡大回転文字データを生成する。
【0055】
次に、文字データ配列部33は、基準線設定部32により設定された基準線81上に、文字データ生成部31により生成された1個以上の拡大回転文字データの中心点が位置し、かつ、透明化処理が施された背景エリアのうち拡大された部分が隣接する拡大回転文字データの一部と重なるように、1個以上の拡大回転文字データを並べて配置する(ステップS13)。最後に表示制御部34は、文字データ配列部33により並べられた1個以上の拡大回転文字データに基づいてディスプレイ画面上に文字列を表示するように制御する(ステップS14)。
【0056】
次に、以上に説明した本実施形態の文字データ表示制御装置200を組み込んだナビゲーション装置について説明する。図10は、本実施形態によるナビゲーション装置300の機能構成例を示すブロック図である。図10において、41はシステムコントローラであり、ナビゲーション装置300の全体を制御する。このシステムコントローラ41は、マイクロコンピュータ等により構成され、地図や、当該地図上に表す道路名称などの文字列の描画処理を行う。
【0057】
400はDVD(Digital Versatile Disk)などの地図記憶媒体であり(ナビゲーション装置300の構成要素ではない)、地図表示や文字列表示、経路探索などに必要な地図データが記憶されている。なお、ここでは地図データを記憶する記憶媒体としてDVD400を用いているが、CD−ROM、ハードディスク、半導体メモリなどの他の記憶媒体を用いても良い。42はDVD制御部であり、DVD400からの地図データの読み取りを制御する。
【0058】
DVD400に記憶されている地図データには、交差点や分岐など複数の道路が交わる点に対応するノードに関する情報と、道路上のあるノードとこれに隣接する他のノードとの間を接続する、道路や車線等に対応するリンクに関する情報とが含まれている。すなわち、地図データには、全ノードの詳細データを納めた接続ノードテーブルと、隣接する2つのノードによって特定されるリンクの詳細データを納めたリンクテーブルとが含まれている。
【0059】
また、DVD400に記憶されている地図データには、地図上に表す道路名称などの文字列を構成する各文字の文字データも含まれている。この文字データは、例えば上述の正位置文字データである。本実施形態のナビゲーション装置300は、1文字ずつの文字データを並べて道路名称等の文字列を表示するように成されたものである。このため正位置文字データは、例えばA〜Z、a〜zの文字毎に別々に用意されている。
【0060】
43は車両の現在位置を測定する位置測定部であり、自立航法センサ、GPS受信機、位置計算用CPU等で構成されている。自立航法センサは、所定走行距離毎に1個のパルスを出力して車両の移動距離を検出する車速センサ(距離センサ)と、車両の回転角度(移動方位)を検出する振動ジャイロ等の角速度センサ(相対方位センサ)とを含んでいる。自立航法センサは、これらの車速センサおよび角速度センサによって車両の相対位置および方位を検出する。
【0061】
位置計算用CPUは、自立航法センサから出力される自車の相対的な位置および方位のデータに基づいて、絶対的な自車位置(推定車両位置)および車両方位を計算する。また、GPS受信機は、複数のGPS衛星から送られてくる電波をGPSアンテナで受信して、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計算する(車両方位は、現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)。
【0062】
44はディスプレイ装置であり、システムコントローラ41から出力される画像データに基づいて、自車周辺の地図画像を車両位置マークや各種ランドマーク、道路名称などの文字列と共に表示する。
【0063】
次に、システムコントローラ41の詳細な構成について説明する。51は地図データメモリであり、DVD400から読み出された地図データ(正位置文字データを除く)を一時的に格納する。この地図データメモリ51が、本発明の地図データ記憶部に相当する。52は文字データメモリであり、DVD400から読み出された正位置文字データ一時的に格納する。この文字データメモリ52が、本発明の文字データ記憶部に相当する。なお、ここでは地図データメモリ51と文字データメモリ52とを分けているが、同じメモリとしても良い。
【0064】
53はマップマッチング処理部であり、地図データメモリ51に読み出されている地図データと、位置測定部43により測定されたGPS受信機による自車位置および車両方位のデータと、位置測定部43により計算された自立航法センサに基づく自車位置および車両方位のデータとを用いて、車両走行距離毎にマップマッチング処理を行い、自車の走行位置を地図データの道路上に位置修正する。
【0065】
19は地図描画部であり、地図データメモリ51に格納された地図データと、マップマッチング処理部53によってマップマッチング処理された後の車両現在位置の情報とに基づいて、車両位置周辺の地図をディスプレイ装置44に表示させるのに必要な地図画像データを描画する。このとき地図描画部54は、自車位置を表す車両位置マークや各種ランドマークを発生し、これらの各種マークを地図と共に表示させるのに必要な地図画像データを生成する。
【0066】
55は基準線設定部であり、後述する文字データ生成部57により生成される拡大回転文字データを複数個並べて配置する際の基準線を設定する。図10の例で基準線設定部55は、地図データメモリ51に格納された地図データと、マップマッチング処理部53によってマップマッチング処理された後の車両現在位置の情報とに基づいて、車両位置周辺の地図上に表示される道路の道路リンクに対して平行となるように基準線を設定する。
【0067】
56は角度算出部であり、基準線設定部55により設定された基準線の絶対座標系に対する傾斜角度と傾斜方向とを算出する。57は文字データ生成部であり、図1に示した文字データ生成装置100と同等の機能を有し、文字データ記憶部52から正位置文字データを取得して拡大回転文字データを生成する。
【0068】
このときの正位置文字の回転方向と回転角度は、角度算出部56により算出された基準線の傾斜方向と傾斜角度とから決定する。例えば、基準線の傾斜の向きが正の傾斜角で、傾斜角が30度となっている場合、文字データ生成部57は、正位置文字を左方向に30度回転させて回転文字データを生成する。そして、当該回転文字データの変形背景エリアを拡大し、拡大変形背景エリアを透明化処理することによって、拡大回転文字データを生成する。
【0069】
58は文字データ配列部であり、基準線設定部55により設定された基準線上に、文字データ生成部57により生成された複数個の拡大回転文字データの中心点が位置するように、当該複数個の拡大回転文字データを並べて配置する。59は文字描画部であり、文字データ配列部58により配列された複数個の拡大回転文字データに基づいて、地図の道路脇における道路名称をディスプレイ装置44に表示させるのに必要な文字画像データを描画する。
【0070】
60は画像合成部であり、地図描画部54で描画された地図画像に対して、文字描画部59で描画した文字画像を重ね合わせてディスプレイ装置44に出力する。すなわち、画像合成部60は本発明の表示制御部に相当するものであり、地図データに基づいて地図描画部54により描画された地図画像と、文字データ配列部58により並べられた複数個の拡大回転文字データに基づいて文字描画部59により描画された文字画像とを用いて、画面上において地図の道路に沿って道路名称の文字列を表示するように制御する。
【0071】
ところで、地図上に表示される道路の向きと角度、すなわち、道路リンクに対して平行となるように設定される基準線の傾斜方向と傾斜角度は様々である。傾斜角度が比較的大きくなる場合もある。その場合に、回転角度が0度の正位置文字を大きく回転させると、回転文字に歪みが生じてしまう。このような回転文字の歪みを抑制するために、以下のように構成しても良い。
【0072】
すなわち、文字データメモリ52に記憶する文字データとして、回転角度が0度の正位置文字データに加えて、回転角度がθ(θは0度以外の任意の角度で、一または複数の角度)の回転文字データも含ませるようにする。例えば、左方向に30度、60度、90度、右方向に30度、60度、90度回転した状態の回転文字データをあらかじめ文字データメモリ52に記憶しておく。これらの回転文字データも正位置文字データと同様に、回転文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の背景エリア上に存在する文字データであって、回転文字の中心点と背景エリアの中心点とが一致した文字データとする。
【0073】
この場合、文字データ生成部57が備える文字データ取得部1は、角度算出部56により算出された傾斜方向と傾斜角度に最も近い角度だけ回転している文字データを文字データメモリ52から選択的に読み出す。また、文字データ生成部57が備える文字データ回転部2は、文字データ取得部1により読み出された文字データの回転角度と角度算出部56により算出された傾斜角度との差分だけ、文字データ取得部1により読み出された文字データを回転させる。このようにすれば、文字データ回転部2による文字データの回転量をできるだけ少なくすることができ、文字データを回転させたときの歪みを極力抑えることができる。
【0074】
図11は、ナビゲーション装置300のディスプレイ画面に表示される地図の例を示す図である。なお、図11(a)が本実施形態のナビゲーション装置300により表示される地図の例を示し、図11(b)は従来のナビゲーション装置により表示される地図の例を示す。図11に(b)に示すように、従来のナビゲーション装置では道路名称が下揃えにならず、個々の文字も回転によって歪みを生じていた。これに対して、本実施形態のナビゲーション装置300によれば、道路名称が道路に沿ってほぼ下揃えになっており、個々の文字にも回転による歪みは殆ど生じていない。
【0075】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、背景エリアの中心点を基準点として正位置文字を所定角度だけ回転させて回転文字データを生成した後、回転文字データの変形背景エリアを水平方向および垂直方向の少なくとも一方に拡大することによって、拡大回転文字データ(BMPデータ)の中心点と回転文字の中心点とを一致させるようにしている。
【0076】
BMPデータの中心点と回転文字の中心点とが一致すると、複数の拡大回転文字データをその中心点が基準線上に位置するように並べた場合に、各回転文字の中心点が基準線に沿うように揃うのみならず、各回転文字の下部も基準線に沿って揃い、下揃え視点で波打って見えてしまう不都合を防止することができる。これにより、複数の回転文字データを斜めに並べて配置する場合でも、各文字の下部を揃えて見やすく表示することができる。
【0077】
また、本実施形態では、拡大回転文字データの背景エリアに透明化処理を施して、基準線上に複数の拡大回転文字データの中心点が位置し、かつ、透明化処理が施された背景エリアのうち拡大された部分が隣接する拡大回転文字データの一部と重なるように、複数の拡大回転文字データを並べて配置するようにしている。このようにすれば、回転文字データの背景エリアが拡大されても、少なくともその拡大された部分については透明化処理が施され、隣接する拡大回転文字データの一部に重ねて表示されるので、背景エリアが拡大された分だけ文字間の間隔が開いてしまうという不都合を防止することができる。これにより、複数の拡大回転文字データを斜めに並べて配置する場合でも、各文字の下部を揃えて、かつ、各文字をほぼ等間隔で見やすく表示することができる。
【0078】
なお、上記実施形態では、アルファベットのA〜Z,a〜zを対象として文字データ生成や文字データ表示の処理を行う例について説明したが、これに限定されない。日本語のひらがなやカタカナ、漢字などを始めとするあらゆる文字につても同様に処理することが可能である。
【0079】
また、上記実施形態では、文字データ表示制御装置200をナビゲーション装置に適用する例について説明したが、適用可能な電子機器はナビゲーション装置に限定されるものではない。
【0080】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本実施形態による文字データ生成装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による文字データ生成装置によって処理される文字データの例を示す図である。
【図3】本実施形態による中心点一致処理部の機能構成例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態による中心点一致処理部の他の機能構成例を示すブロック図である。
【図5】図4に示した本実施形態による中心点一致処理部の処理を説明するための図である。
【図6】本実施形態による文字データ生成装置の動作例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態による文字データ表示制御装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図8】本実施形態の文字データ配列部により複数個の拡大回転文字データを配列した状態を示す図である。
【図9】本実施形態による文字データ表示制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態によるナビゲーション装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図11】ナビゲーション装置のディスプレイ画面に表示される地図の例を示す図である。
【図12】従来技術の説明図であり、回転文字のBMPデータを斜めの道路に沿って並べて配置した状態を示す図である。
【図13】正位置文字およびこれを所定角度回転させた回転文字のBMPデータの例を示す図である。
【図14】各文字が下揃えになっていない従来の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
【0082】
1 文字データ取得部
2 文字データ回転部
3 中心点一致処理部
4 透明化処理部
13 拡大量記憶部
14 背景エリア拡大処理部
21 水平方向差分検出部
22 垂直方向差分検出部
23 水平方向背景エリア拡大処理部
24 垂直方向背景エリア拡大処理部
31 文字データ生成部
32 基準線設定部
33 文字データ配列部
34 表示制御部
51 地図データメモリ
52 文字データメモリ
55 基準線設定部
56 角度算出部
57 文字データ生成部
58 文字データ配列部
59 文字描画部
60 画像合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転角度が0度の正位置文字が、当該正位置文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の背景エリア上に存在する文字データであって、上記正位置文字の中心点と上記背景エリアの中心点とが一致した正位置文字データを取得する文字データ取得部と、
上記文字データ取得部により取得された正位置文字データを用いて、上記背景エリアの中心点を基準点として上記正位置文字を所定方向に所定角度だけ回転させて回転文字を形成し、当該回転文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の変形背景エリア上に上記回転文字が存在する回転文字データを生成する文字データ回転部と、
上記文字データ回転部により生成された回転文字データの変形背景エリアを水平方向および垂直方向の少なくとも一方に拡大することによって、当該拡大された変形背景エリアの中心点と上記回転文字の中心点とが一致した拡大回転文字データを生成する中心点一致処理部とを備えたことを特徴とする文字データの生成装置。
【請求項2】
上記中心点一致処理部は、上記正位置文字を上記所定方向に上記所定角度だけ回転させた場合に上記変形背景エリアを拡大すべき方向および拡大量の情報をあらかじめ記憶した拡大量記憶部と、
上記文字データ回転部により生成された回転文字データの変形背景エリアを、上記拡大量記憶部に記憶されている拡大量だけ上記拡大量記憶部に記憶されている拡大方向に拡大する背景エリア拡大処理部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の文字データの生成装置。
【請求項3】
上記中心点一致処理部は、上記文字データ回転部により生成された回転文字データを用いて、上記基準点から左右の水平方向に見て、上記基準点から上記回転文字の左側端部までの長さ、上記基準点から上記回転文字の右側端部までの長さ、および両長さの差分を検出する水平方向差分検出部と、
上記文字データ回転部により生成された回転文字データを用いて、上記基準点から上下の垂直方向に見て、上記基準点から上記回転文字の上側端部までの長さ、上記基準点から上記回転文字の下側端部までの長さ、および両長さの差分を検出する垂直方向差分検出部と、
上記水平方向差分検出部により検出された差分だけ、左右のうち上記長さが短い側に上記変形背景エリアを水平方向に拡大する水平方向背景エリア拡大処理部と、
上記垂直方向差分検出部により検出された差分だけ、上下のうち上記長さが短い側に上記変形背景エリアを垂直方向に拡大する垂直方向背景エリア拡大処理部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の文字データの生成装置。
【請求項4】
上記中心点一致処理部により拡大された変形背景エリアに透明化処理を施す透明化処理部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の文字データの生成装置。
【請求項5】
回転角度が0度の正位置文字が、当該正位置文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の背景エリア上に存在する文字データであって、上記正位置文字の中心点と上記背景エリアの中心点とが一致した正位置文字データをコンピュータにて取得する第1のステップと、
上記取得された正位置文字データを用いて上記コンピュータにて画像処理を行うことにより、上記背景エリアの中心点を基準点として上記正位置文字を所定方向に所定角度だけ回転させて回転文字を形成し、当該回転文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の変形背景エリア上に上記回転文字が存在する回転文字データを生成する第2のステップと、
上記回転により生成された回転文字データの変形背景エリアを水平方向および垂直方向の少なくとも一方に拡大する画像処理を上記コンピュータにて行うことにより、当該拡大された変形背景エリアの中心点と上記回転文字の中心点とを一致させる第3のステップとを有することを特徴とする文字データの生成方法。
【請求項6】
上記第3のステップは、上記第2のステップで生成された回転文字データを用いて、上記基準点から左右の水平方向に見て、上記基準点から上記回転文字の左側端部までの長さ、上記基準点から上記回転文字の右側端部までの長さ、および両長さの差分を検出する第4のステップと、
上記第2のステップで生成された回転文字データを用いて、上記基準点から上下の垂直方向に見て、上記基準点から上記回転文字の上側端部までの長さ、上記基準点から上記回転文字の下側端部までの長さ、および両長さの差分を検出する第5のステップと、
上記第4のステップで検出された差分だけ、左右のうち上記長さが短い側に上記変形背景エリアを水平方向に拡大する第6のステップと、
上記第5のステップで検出された差分だけ、上下のうち上記長さが短い側に上記変形背景エリアを垂直方向に拡大する第7のステップとを有することを特徴とする請求項5に記載の文字データの生成方法。
【請求項7】
回転角度が0度の正位置文字が、当該正位置文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の背景エリア上に存在する文字データであって、上記正位置文字の中心点と上記背景エリアの中心点とが一致した正位置文字データを取得する文字データ取得部と、
上記文字データ取得部により取得された正位置文字データを用いて、上記背景エリアの中心点を基準点として上記正位置文字を所定方向に所定角度だけ回転させて回転文字を形成し、当該回転文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の変形背景エリア上に上記回転文字が存在する回転文字データを生成する文字データ回転部と、
上記文字データ回転部により生成された回転文字データの変形背景エリアを水平方向および垂直方向の少なくとも一方に拡大することによって、当該拡大された変形背景エリアの中心点と上記回転文字の中心点とが一致した拡大回転文字データを生成する中心点一致処理部と、
上記拡大回転文字データを複数個並べて配置する際の基準線を設定する基準線設定部と、
上記基準線設定部により設定された基準線上に上記拡大回転文字データの中心点が位置するように、複数個の拡大回転文字データを並べて配置する文字データ配列部と、
上記文字データ配列部により並べられた上記複数個の拡大回転文字データに基づいて画面上に文字列を表示するように制御する表示制御部とを備えたことを特徴とする文字データの表示制御装置。
【請求項8】
上記中心点一致処理部により生成された拡大回転文字データの背景エリアに透明化処理を施す透明化処理部を更に備え、
上記文字データ配列部は、上記基準線設定部により設定された基準線上に上記複数個の拡大回転文字データの中心点が位置し、かつ、上記透明化処理の施された背景エリアのうち拡大された部分が、隣接する拡大回転文字データの一部と重なるように、上記複数個の拡大回転文字データを並べて配置することを特徴とする請求項7に記載の文字データの表示制御装置。
【請求項9】
文字データを複数個並べて配置する際の基準線を設定する第1のステップと、
回転角度が0度の正位置文字が、当該正位置文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の背景エリア上に存在する文字データであって、上記正位置文字の中心点と上記背景エリアの中心点とが一致した正位置文字データを1個以上取得する第2のステップと、
上記第2のステップで取得された正位置文字データを用いて、上記背景エリアの中心点を基準点として上記正位置文字を所定方向に所定角度だけ回転させて回転文字を形成し、当該回転文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の変形背景エリア上に上記回転文字が存在する回転文字データを1個以上生成する第3のステップと、
上記第3のステップで生成された回転文字データの変形背景エリアを水平方向および垂直方向の少なくとも一方に拡大することによって、当該拡大された変形背景エリアの中心点と上記回転文字の中心点とが一致した拡大回転文字データを1個以上生成する第4のステップと、
上記第1のステップで設定された基準線上に上記拡大回転文字データの中心点が位置するように、上記第4のステップで生成された1個以上の拡大回転文字データを並べて配置する第5のステップと、
上記第5のステップで並べられた上記1個以上の拡大回転文字データに基づいて画面上に文字列を表示するように制御する第6のステップとを有することを特徴とする文字データの表示方法。
【請求項10】
上記第4のステップで生成された拡大回転文字データの背景エリアに透明化処理を施す第7のステップを上記第4のステップの後に有し、
上記第5のステップでは、上記第1のステップで設定された基準線上に上記1個以上の拡大回転文字データの中心点が位置し、かつ、上記第7のステップで上記透明化処理の施された背景エリアのうち拡大された部分が、隣接する拡大回転文字データの一部と重なるように、上記1個以上の拡大回転文字データを並べて配置することを特徴とする請求項9に記載の文字データの表示方法。
【請求項11】
回転角度が0度の正位置文字が、当該正位置文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の背景エリア上に存在する文字データであって、上記正位置文字の中心点と上記背景エリアの中心点とが一致した正位置文字データを記憶する文字データ記憶部と、
請求項1に記載の文字データの生成装置と同等の機能を有し、上記文字データ記憶部から上記正位置文字データを取得して上記拡大回転文字データを生成するようになされた文字データ生成部と、
道路リンクを含む地図データを記憶する地図データ記憶部と、
上記拡大回転文字データを複数個並べて配置する際の基準線を、上記地図データに含まれる道路リンクに対して平行となるように設定する基準線設定部と、
上記基準線設定部により設定された基準線上に上記複数個の拡大回転文字データの中心点が位置するように、上記複数個の拡大回転文字データを並べて配置する文字データ配列部と、
上記文字データ配列部により並べられた上記複数個の拡大回転文字データおよび上記地図データ記憶部から読み出される上記地図データに基づいて、画面上において地図の道路に沿って文字列を表示するように制御する表示制御部とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
上記文字データ生成部は、上記拡大回転文字データの背景エリアに透明化処理を施す透明化処理部を更に備え、
上記文字データ配列部は、上記基準線設定部により設定された基準線上に上記複数個の拡大回転文字データの中心点が位置し、かつ、上記透明化処理の施された背景エリアのうち拡大された部分が、隣接する拡大回転文字データの一部と重なるように、上記複数個の拡大回転文字データを並べて配置することを特徴とする請求項11に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
上記基準線設定部により設定された基準線の絶対座標系に対する傾斜角度および傾斜方向を算出する角度算出部を更に備え、
上記文字データ記憶部は、上記正位置文字の文字データに加えて、回転角度がθ(θは0度以外の任意の角度で、一または複数の角度)の回転文字が、当該回転文字の少なくとも一部が4辺に接する矩形の背景エリア上に存在する文字データであって、上記回転文字の中心点と上記背景エリアの中心点とが一致した回転位置文字の文字データを記憶しており、
上記文字データ生成部が備える文字データ取得部は、上記文字データ記憶部に記憶されている上記正位置文字の文字データおよび上記回転位置文字の文字データの中から、上記角度算出部により算出された傾斜角度に最も近い角度を有する文字データを選択的に読み出し、上記文字データ生成部が備える文字データ回転部は、上記文字データ取得部により読み出された文字データの回転角度と上記角度算出部により算出された傾斜角度との差分だけ、上記文字データ取得部により読み出された文字データを回転させるように成されていることを特徴とする請求項11に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−25583(P2009−25583A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189048(P2007−189048)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】