説明

新規な天然油ゲルおよびその適用

本発明は、(A)少なくとも1個のポリスチレンブロックと少なくとも1個の不飽和ゴムセグメントを有する、1〜50重量パーセントの少なくとも1種のブロック共重合体と、(B)99〜50重量パーセントの天然油のブレンドを含む製品である。本発明の天然油は、天然の動物性油、植物油、またはこれらの混合物であり、ブロック共重合体は、ポリスチレンブロックおよびゴムブロックを有し、ゴムブロックは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、またはこれらの混合物などの不飽和ゴムである。本発明に有用なブロック共重合体は、トリブロックポリマー、放射状(星型)ポリマー、マルチブロックポリマー、ジブロックポリマー、またはこれらの混合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、健康、化粧、および美容製品、洗い流すタイプのパーソナルクレンジング製品、ならびにロウソク、昆虫忌避剤、空気清涼剤などの家庭用製品の成分としての、新規の透明で安定な天然油ゲルおよび新規の安定な天然油軟固体ゲルの組成物に関する。
【0002】
本出願は、以前に出願している、NOVEL CLEAR NATRUAL OIL GELSと題した2006年10月10日出願の米国特許仮出願第60/850,586号、PERSONAL CARE COMPOSITIONS CONTAINING NATURAL OIL GELSと題した2007年2月9日出願の第60/900,512号、およびNATURAL OIL SOFT-SOLID GELSと題した2007年2月9日出願の第60/900,518号の利益を主張するものであり、これらすべてを参照により本明細書に援用する。
【0003】
本明細書で開示する本発明は、一部分は米国農務省より授与された助成金#2004-33610-14309で成り立っており、米国農務省は、本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0004】
最近では、石油系オイルに代わりうる油として、自然で、環境にやさしく、生分解性があり、再生可能な天然植物油の使用を探索することが早急に求められている。たとえば、再生可能なダイズ油および他の再生可能な油から得られるメチルエステルであるバイオディーゼルは、ガソリンに代わりうる油として、環境意識が高い消費者に好まれるようになってきている。本発明は、その限りでないが、ロウソク、芳香送達系、空気ケア製品、健康、美容、および化粧製品、ならびにパーソナルケア製品を含めた広範囲な用途に向けて、石油系原料に代わりうる新しい原料として、ゲル化した天然植物油(plant or vegetable oil)をブロック共重合体と共に使用することに関する。
【0005】
ジブロック、トリブロック、放射状などの分子構造を有するポリスチレン/ゴム(rubber)のブロック共重合体は、当業界で知られており、いくつかが市販されている。最も一般的なゴムブロックは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ(エチレン-ブチレン)、ポリ(エチレン-プロピレン)などである。その商用名には、Kraton Polymer Inc.のKraton(登録商標)、Dexco Polymers Inc.のVector(登録商標)、Kurray Inc.のHybra(登録商標)およびSepton(登録商標)が含まれる。
【0006】
これらのブロック共重合体は、溶解性パラメーターの低い炭化水素油とオイルゲルを形成することが知られている。たとえば、Kraton Polymer Inc -Fact Sheet K0026 Global,“Kraton Styrenic Block Copolymers in Oil Gels"という技術小冊子には、パラフィン系油またはナフテン系油と、ゴムセグメントがポリ(エチレン-ブチレン)やポリ(エチレン-プロピレン)などの飽和炭化水素ポリマーであるG-シリーズのKratonポリマーとのオイルゲルについて記載されている。
【0007】
着香剤、芳香、フェロモン、昆虫忌避剤、動物忌避剤、殺虫剤、および他の揮発性有効成分は、その空気への放出を通して、嗅覚の心地よさ、健康、および安全という恩恵をもたらす。その空気中およびターゲット区域への送達を制御する方法が提案および実行されて、従来技術におけるその機能および利益は向上しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/850,586号
【特許文献2】米国特許仮出願第60/900,512号
【特許文献3】米国特許仮出願第60/900,518号
【特許文献4】US 007196049
【特許文献5】US 7122512
【特許文献6】US 6067816
【特許文献7】US 6426326
【特許文献8】US 5952286
【特許文献9】US 2006/0079417 A1
【特許文献10】米国特許第4,509,949号
【特許文献11】米国特許第2,798,053号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Kraton Polymer Inc -Fact Sheet K0026 Global,“Kraton Styrenic Block Copolymers in Oil Gels"
【非特許文献2】S.Arctander、「Perfume and Flavor Chemicals」(ニュージャージー州モントクレア、1969年)
【非特許文献3】S.Arctander、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」(ニュージャージー州Elizabeth、1960年)
【非特許文献4】「Perfumes-Cosmetics and Soap」、第2版、W.A.Poucher編、1959
【非特許文献5】「Flavor and Fragrance Materials - 1992」、Allured Publishing Co.、イリノイ州ホイートン
【非特許文献6】「CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary」、第4版、1991年、12ページおよび80ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
こうした進歩にもにもかかわらず、様々な消費製品における芳香および空気ケア有効成分の別の制御送達方法が今なお求められている。
【0011】
増大する消費者ニーズに対処するために、最新の液体および軟固体のパーソナルクレンジング製品(シャンプー、シャワージェル、洗顔料、固形石鹸など)は、基本の洗浄機能に加えて、多様な利益、すなわち、良好な泡立ち特性、皮膚へのやさしさ(乾燥させない)、保湿、太陽光からの保護、色の保護、つや、香り、長時間持続する香り、およびアンチエイジングのなどを提供するものでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、(A)少なくとも1個のポリスチレンブロックと少なくとも1個の不飽和ゴムセグメントを有する、1〜50重量パーセントの少なくとも1種のブロック共重合体と、(B)99〜50重量パーセントの天然油とからなるブレンドを含む製品である。本発明の天然油は、天然の動物性油、植物油、またはこれらの混合物の油であり、ブロック共重合体は、ポリスチレンブロックとゴムブロックを有し、ゴムブロックは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、またはこれらの混合物などの不飽和ゴムである。本発明に有用なブロック共重合体は、トリブロックポリマー、放射状(星型)ポリマー、マルチブロックポリマー、ジブロックポリマー、またはこれらの混合物である。
【0013】
本発明の1つの目的は、ロウソク、芳香送達、空気ケア製品、健康、化粧、および美容製品、洗い流すタイプのパーソナルクレンジング製品、パーソナルケア製品、ならびに家庭用製品への適用に有利な性質を示す透明な天然植物油ゲルの組成物を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、ロウソク、芳香送達、空気ケア製品、健康、化粧、および美容製品、洗い流すタイプのパーソナルクレンジング製品、パーソナルケア製品、ならびに家庭用製品への適用に有利な性質を示す不透明な天然植物油軟固体ゲルの組成物を提供することである。
【0015】
別の目的は、化石系炭化水素油ゲル燃料とは対照的に本発明の天然油ゲルに基づく、既存のものに代わる環境に配慮したゲル燃料の組成物を、ロウソクならびに他の照明および加熱用途向けに提供することである。
【0016】
本発明の追加の目的は、本発明の透明な天然植物油ゲルまたは不透明な天然植物油軟固体ゲルを含む、着香剤および空気ケア有効成分の制御送達組成物を提供することである。
【0017】
本発明の別の目標は、本発明の透明な天然植物油ゲルまたは不透明な天然植物油軟固体ゲルを含む、健康、化粧、美容、およびパーソナルケア製品の組成物を提供することである。
【0018】
本発明の別の目標は、本発明の透明な植物油ゲルおよび/または植物油の軟固体ゲルを含有し、疎水性の有益な成分ブレンドと、界面活性剤成分を含有する少なくとも1種の明確な構造をもつまたは明確な構造をもたない泡立つ洗浄相とを含む、液体または軟固体のパーソナルクレンジング組成物を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のブロック共重合体は、2種の不適合性のブロック、すなわちポリスチレンブロックとゴムブロックから構成され、2種の異なるポリマーブロックは、化学結合によって互いに結合している。ポリスチレンブロックは、熱可塑性、すなわち、室温では固体のプラスチックであるが、高温では液体である。共重合体の分子構造は、線状トリブロック共重合体ではA-B-A、放射状ブロック共重合体では(A-B)n、ジブロック共重合体ではA-Bであり、ここでAはポリスチレンブロックであり、Bはゴムブロックであり、nは>2かつ20未満である。本発明のBブロックは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ(イソプレン-ブタジエン)、ポリ(ブタジエン-スチレン)などの不飽和ゴムである。
【0020】
本発明のブロック共重合体は、ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレン、ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレン、ポリスチレン-ポリ(イソプレン-ブタジエン)-ポリスチレン、ポリスチレン-ポリ(ブタジエン-スチレン)-ポリスチレン、ポリスチレン-ポリ(エチレン-プロピレン-スチレン)-ポリスチレン、ポリスチレン-ポリイソプレン、ポリスチレン-ポリブタジエン、ポリスチレン-ポリ(イソプレン-ブタジエン)、ポリスチレン-ポリ(ブタジエン-スチレン)、ポリスチレン-ポリ(エチレン-プロピレン-スチレン)、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0021】
市販の飽和ブロック共重合体の例には、Kraton(登録商標)Gポリマー(Kraton Polymers Inc.、米国テキサス州ヒューストン)およびSepton(登録商標)ポリマー(クラレ、日本)が含まれるがこの限りでない。市販の不飽和ブロック共重合体の例には、その限りでないが、Kraton(登録商標)DポリマーおよびVector(登録商標)ポリマー(Dexco Polymers)が含まれ、どちらもゴムブロックとしてポリブタジエンまたはポリイソプレンを有する。
【0022】
便宜上、ブロックポリマー構造を表すのに以下の略語を使用する。SBS:ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレン、SIS:ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレン、(SB)n:ポリスチレン-ポリブタジエンの放射状ポリマー、(Sl)n:ポリスチレン-ポリイソプレンの放射状ポリマー、SI:ポリスチレン-ポリイソプレン、SB:ポリスチレン-ポリブタジエン、SEPS:ポリスチレン-ポリ(エチレン-プロピレン)-ポリスチレン、SEBS:ポリスチレン-ポリ(エチレン-ブチレン)-ポリスチレン。
【0023】
本発明は、(A)少なくとも1個のポリスチレンブロックと少なくとも1個の不飽和ゴムブロックを有する、1〜50重量パーセントの少なくとも1種のブロック共重合体と、(B)99〜50重量パーセントの天然油とからなるブレンドを有する組成物である。組成物は、透明な天然油ゲルとなる。
【0024】
本発明のブロック共重合体部分は、組成物の1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、最も好ましくは5〜25重量%に相当する。ブロック共重合体は、単一のブロック共重合体でも、または異なるブロック共重合体の混合物でもよい。ブロック共重合体は、不飽和ゴムブロック、たとえば、SBS、SB、SIS、SI、(SB)n、および(Sl)nを有する。ブロック共重合体は、ポリスチレン含有量がブロック共重合体の5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%、最も好ましくは15〜40重量%である。こうした共重合体の例には、Kraton(登録商標)DポリマーおよびVector(登録商標)ポリマーが含まれる。
【0025】
本発明の天然油は、植物油でも動物性油でもよく、室温で液体になる傾向がある。本発明の天然油は、広範囲な植物および動物から抽出される。動物性油の例は魚油である。本発明の最も好ましい天然油は植物油である。たとえば、好ましい植物油はホホバ油であり、ホホバ油は、エイコサン酸およびドコサン酸とエイコサノールおよびドコサノールアルコールのモノエステルである。他のほとんどの植物油は、グリセリンと脂肪酸からなるトリグリセリドであり、脂肪酸は、大部分がオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸である。本発明の植物油には、非遺伝子組換え油、遺伝子組換え油、有機栽培油、非有機栽培油、およびこれらの混合物が含まれる。
【0026】
一般に、植物油は容易に入手可能であり、植物種子から抽出して調製される。植物油の例には、アーモンド油、アボカド油、ヒマシ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ラッカセイ油、米糠油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、クルミ油、キャノーラ油、精製パーム油、メドウフォーム油、チャノキ油などが含まれるがこの限りでない。
【0027】
本発明の透明な天然油ゲルは、さらに補助的な成分を含有してよく、補助的な成分としては、a)その限りでないが感覚増強剤、合成エステル、炭化水素油を含めた、天然油から得られるものが好ましい、皮膚に適合性のある疎水性軟化薬、b)皮膚に有益な物質、およびc)着色剤、ヒュームドシリカ、トウモロコシデンプン、酸化防止剤などが挙げられる。
【0028】
皮膚に適合性のある疎水性軟化薬は、体温または浴温で液体であると定義され、化粧品への使用が安全であるとみなされており、すなわち、皮膚に対して不活性であり、または実際に有益である。
【0029】
合成エステル油は、少なくとも1個のエステル基を含んでいる。非限定的な例として、脂肪酸のモノおよびポリエステル、たとえば、オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジステアリン酸グリセリル、クエン酸アルキル、酒石酸アルキル、スクロースエステル、ソルビトールエステル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドなどが挙げられる。他の部類の非限定的な例は、ジカルボン酸とジオールの反応からの液体ポリエステル、たとえば、Exxon MobilのPURESYN ESTERS(登録商標)である。好ましいのは、天然油から得られるものである。
【0030】
液体炭化水素は、別の部類の皮膚適合性軟化薬である。液体炭化水素には、たとえば、流動パラフィン、スクアレン、鉱油などの線鎖および分枝鎖の油、ならびにExxonMobilがPANALENE(登録商標)またはINDOPOL(登録商標)の商品名で販売しているポリαオレフィンなどの低粘性合成炭化水素が含まれる。皮膚適合性軟化薬には、鉱油、パラフィンワックス、および微結晶ワックスのブレンドであるワセリンゼリーも含まれる。シリコーン系皮膚適合性軟化薬も望ましい。そのような軟化薬には、線状および環状ポリジメチルシロキサン、有機官能性シリコーン、およびアミノシリコーンが含まれる。
【0031】
天然由来の皮膚適合性軟化薬は、その分子の少なくとも一部が天然油または天然資源から生じていると定義される。非限定的な例として、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(CCTG)、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、スクロースエステル、ソルビトールエステル、ヒマシ油由来のポリエステル、スクアレン、クエン酸アルキルなどが挙げられる。CCTGは、ヤシ油の天然成分であり、合成することもできる。
【0032】
皮膚に有益な物質は、予防および修復によって皮膚の状態を改善する働きをし、以下のものがこれに含まれる。a)使用中および使用後に心地よい香りを提供する着香剤、b)ビタミンC、ビタミンE、ビタミンBなどを含めて、ビタミンおよびビタミンアルキルエステル、c)太陽の有害な紫外線をブロックするUVフィルター、たとえば、オクチルメトキシ桂皮酸エステル、ブチルメトキシベンゾイルメタン、超微細TiO2、ZnO、およびこれらの混合物、d)皮膚の明度を増大させるのに使用される美白物質、たとえばナイアシンアミド、e)トリクロサンなどの抗菌剤、f)過剰な酸化による光損傷および時期尚早の損傷を軽減するのに使用される抗酸化剤、たとえば、アスコルビン酸パルミテート、ビタミンE酢酸エステル、ブチルヒドロキシアニソール、および2,6-ジt-ブチルp-クレゾール。
【0033】
一般に、透明な天然植物油ゲルは、ブロック共重合体と天然油を、100℃〜250℃にて緩徐または適度な混合速度でブレンドして調製する。ブレンドが均質で透明な溶液になったなら、室温に冷却すると、透明なゲルとなる。本発明の天然植物油ゲルは、安定であり透明である。その透明度は、白色の紙上に書かれた黒色の単語を厚さ1cmのゲルを通して読むことができるような程度である。一方、天然の植物油と飽和ゴムセグメントを有するブロック共重合体でできた天然植物油ゲルは、短時間で油とゲルが分離して不透明になる。
【0034】
ブロック共重合体の濃度、分子量、およびタイプを様々に変えることによって、弾性があり、変形または破損しにくい強固なゲル、最小限の力で変形または破損し得る弱く柔らかいゲル、さらには5rpmで1000cPを超える粘度を有する濃厚な粘稠性の油に及ぶ範囲の物理的および力学的性質を備えた広範囲な天然植物油ゲルを調製できることは、当業者に認識される。
【0035】
本発明の別の実施形態では、本発明の透明な天然植物油ゲルを皮膚適合性固体ワックスと組み合わせて、不透明な天然油軟固体ゲルを生成する。皮膚適合性固体ワックスは、蜜蝋および蜜蝋誘導体、水素添加された植物油およびその誘導体、植物ワックスおよびその誘導体、ステロールおよびコレステロール脂肪酸エステル、リン脂質、スフィンゴ脂質、セラミド、グリコスフィンゴ脂質、合成エステルワックス、固体脂肪酸および脂肪アルコールとその誘導体、ステアリン酸、ベヘニルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、固体合成アルコール、微結晶ワックス、パラフィンワックス、オゾケライト、ポリエチレン、シリコーンワックス、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。シェルワックス、バター(シア、ココアなど)、C12〜50アルコールのアルコールおよび酸も含まれる。
【0036】
前記の不透明な天然油軟固体ゲルは、皮膚適合性軟化薬、皮膚に有益な物質、着色剤などをさらに含有してよい。
【0037】
一般に、本発明の不透明な天然植物油軟固体ゲルは、透明な天然植物油ゲル、皮膚適合性ワックス、補助添加剤を、100℃〜250℃にて緩徐または適度な混合速度で均質になるまで一緒にブレンドし、次いで室温に冷却して調製する。あるいは、ブロック共重合体、天然の植物油、皮膚適合性ワックス、および補助添加剤のブレンドから直接調製することもできる。
【0038】
本発明の不透明な軟固体ゲル中のブロック共重合体の総重量は、1%〜60%、好ましくは2%〜40%、最も好ましくは2%〜30%の範囲になる。固体ワックスの総重量%は、1%〜60%、好ましくは5%〜40%、最も好ましくは5%〜30%の範囲になる。天然の油の総重量%は、5%〜95%、好ましくは20%〜90%、最も好ましくは40%〜90%の範囲になる。
【0039】
固体ワックスは室温で固体であり、融点は35℃〜180℃である。ワックス系材料の非限定的な例として、蜜蝋、蜜蝋誘導体、水素添加された植物油、その誘導体;カルナウバワックスやカンデリラワックスなどの植物ワックス、その誘導体;コレステロールやコレステロール脂肪酸エステルなどのステロール;レシチンなどのリン脂質および誘導体、スフィンゴ脂質、セラミド、グリコスフィンゴ脂質など;ステアリン酸ステアリルなどの合成エステルワックス;固体脂肪酸、脂肪アルコール、およびこれらの誘導体、たとえば、ステアリン酸、ベヘニルアルコール、モノステアリン酸グリセリル;合成アルコール、合成脂肪酸、およびこれらの誘導体、たとえば、PetroliteのUnilin(登録商標)およびUnithox(登録商標)ライン、CrodaのSyncrhrowax(登録商標)など;微結晶ワックス、パラフィンワックス、オゾケライト、ポリエチレン、シリコーンワックスなどが挙げられる。好ましいワックスは、蜜蝋、水素添加された植物油、天然の脂肪酸および脂肪アルコール、これらの誘導体など、自然由来のものから選択される。
【0040】
特定の理論に拘泥されるものではないが、植物ワックスなどの固体ワックスは、巨視的な結晶が絡み合う網目によって植物油を構造化するのに対し、本発明のブロック共重合体は、ポリスチレンのミクロドメインからなる網目によって植物油を構造化すると考えられる。本発明の不透明な軟固体ゲルにおいて2種の構造化機序または材料を組み合わせると、本発明の透明な植物油ゲル、および植物ワックスと植物油のゲルとは異なる性質を有する特有の材料となる。
【0041】
今日ロウソクは、その暖かみのある照明に加え、その装飾的な要素やその香りを求めて購入される。換言すれば、ロウソクは、楽しみ、喜び、雰囲気、および情緒的なニーズのためのものである。再生可能であり、環境に安全(しばしば「環境に配慮した(green)」と呼ばれる)かつやさしい資源でできたロウソクを選ぶ消費者層は増加傾向にある。本発明の別の実施形態は、この増加傾向にある消費者ニーズに対処するために、本発明の透明または不透明な天然油ゲルを使用した「環境に配慮した」ロウソクまたは「環境に配慮した」固形燃料といった製品を提供することである。
【0042】
本発明の天然油ゲルロウソクは、a)本発明の不透明な天然植物油軟固体ゲルまたは透明な天然油ゲル、b)ゲル中の芯、c)着香剤、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、昆虫忌避剤、不溶性装飾体などからなる群から選択される添加物、ならびにd)任意選択で、天然植物油由来の他の油および炭化水素油を含む。植物油由来の任意選択の油の例には、バイオディーゼル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸、ステアリン酸グリセリル、パルミチン酸オクチルなどが含まれる。任意選択の炭化水素油には、鉱油、パラフィン系油、ナフテン系油などが含まれる。着色剤をどのように適用するかに応じて、ゲルロウソクは、1色、多色、色の層などにすることができる。
【0043】
本発明のロウソクは、従来の固形の自立型ロウソクまたは容器に入ったゲルロウソクでよい。単一またはブレンドのジブロック、トリブロック、マルチブロック、および放射状ブロック共重合体を、天然植物油中に様々な比率で使用すると、自立型ロウソクやゲルロウソクなど、異なるロウソクの種類に合わせて、異なる組合せの所望の力学的、物理的、および光学的性質を開発することができることは理解される。
【0044】
好ましい製品は、a)植物油である本発明の透明な天然油ゲル、b)ゲル中の芯、c)ゲルロウソクが入っている透明な容器、d)着香剤、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、昆虫忌避剤、不溶性装飾体の群から選択される添加物、ならびにe)任意選択で、天然植物油由来の油および炭化水素油とその混合物を含み、但しゲルは透明なままである、透明な容器入りゲルロウソクである。
【0045】
本発明のゲルロウソクは、本発明の透明な天然植物油ゲルを約70〜100℃に加熱し、着香剤、染料、顔料などの添加物とブレンドし、凝固する前に芯および不溶性装飾体を挿入して調製することができる。室温に冷却すると、自立型ゲルロウソクまたは容器入りゲルロウソクができる。
【0046】
本発明の別の実施形態は、再生可能かつ環境にやさしい資源の製品を選ぶ増加傾向にある消費者層向けに、本発明の天然植物油ゲルと着香剤および空気ケア有効成分の送達ブレンドを含む、着香剤および空気ケア製品の制御送達用組成物を提供することである。
【0047】
本発明の着香剤および空気ケア有効成分の制御送達天然油ゲル組成物は、本発明の透明または不透明な天然油ゲル、着香剤および空気ケア有効成分、ならびに補助添加剤からなる送達ブレンドを含む。送達ブレンドは、a)99重量パーセント〜10重量パーセントの本発明の透明または不透明な天然油ゲル、b)1重量パーセント〜90重量パーセントの芳香および空気ケア有効成分、ならびにc)着色剤、可溶化剤、安定剤、揮発油、乳化剤、感覚増強剤などからなる群から選択される任意選択の補助添加剤である。
【0048】
本発明の組成物にとって有用な着香剤、芳香および空気ケア有効成分は、着香剤、精油、脱臭剤、マスキング剤、害虫忌避剤、殺虫剤など、およびこれらの混合物からなる群から選択される。合成着香剤、および天然油に可溶性の他の空気ケア有効成分も含まれる。着香剤には、香料、精油、エキス、アブゾリュート、レジノイド、コンセントレート、およびこれらの混合物が含まれるがこの限りでない。例として、テルペン炭化水素、エステル、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、アセタール、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの混合物が挙げられる。他の例には、アーモンド、ブドウ、オレンジ、ラズベリーなどの果実の香り、ラベンダー、バラ様、カーネーション様、ローズマリー、タイムなどの花の香り、マツ、エゾマツなどの森の香り、ハッカ、スペアミントなどの精油が含まれる。
【0049】
本発明にとって有用な着香剤および香料は、当業者向けに、参照により本明細書に援用されるS.Arctander、「Perfume and Flavor Chemicals」(ニュージャージー州モントクレア、1969年);S.Arctander、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」(ニュージャージー州Elizabeth、1960年);「Perfumes-Cosmetics and Soap」、第2版、W.A.Poucher編、1959;および「Flavor and Fragrance Materials - 1992」、Allured Publishing Co.、イリノイ州ホイートンで見ることができる。
【0050】
本発明にとって有用な昆虫忌避剤、害虫忌避剤、および殺虫剤有効成分は、昆虫、線虫、菌類などの有害または危害を加える生物を忌避し、または死に至らしめる(terminate)ことができる。昆虫忌避剤の例には、その限りでないが、蚊用のN,N-ジエチル-m-トルイミド(DEET)、蛾用のE-エムペントリン、およびシトロネラ油が含まれる。殺虫剤の例には、N-[[(4-クロロフェニル)-アミノ]カルボニル]-2,6-ジフルオロベンズアミド、メチルカルバミン酸2,2-ジメチル-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)、O,O-ジエチル-O-6-メチル-2-(1-メチルエチル)-4-ピリミジニルホスホロチオエート、およびO-エチル-S-フェニルエチルホスホノジチオエートが含まれるがこの限りでない。他の例としては、ヒドラメチルノン、フェノキシカルブ、エバーメクチンなどの毒餌および虫下し(stomach kill)、ピレスロイド、カルバメート、ホスホロチオエートなどの残留性接触致死剤、有機リン化合物、キク、幼若ホルモンなどの燻蒸致死剤が挙げられる。
【0051】
補助添加剤は、制御送達の目標にマイナスの影響を及ぼさない程度に混ぜることができる。たとえば、着色剤を使用して、ゲルに単色または多色を付与することができ、BHTなどの酸化防止剤および難燃剤を混ぜて、安定性および安全性を強化することもできる。シクロペンタシロキサン、イソドデカンなどの揮発油は、制御送達を強化し得る。
【0052】
前記送達ブレンドの調製方法は、本発明の天然油ゲルを60〜110℃に加熱し、空気ケア有効成分および補助添加剤にブレンドし、鋳型に入れて冷却して、所望の形状を形づくることを含む。
【0053】
前記送達ブレンドを含む組成物が、広範囲な完成品を包含し得ることは、当業者に得心される。前記送達ブレンドは、噴霧冷却して粉末を生成し、親水性の媒質中に乳化して乳濁液または分散液とし、ジメチルエーテルなどの炭化水素噴射剤を使用して従来型のエアロゾルスプレー容器中に製剤することができ、得られる粉末および分散液は、広範囲な健康、化粧品、美容、パーソナルケア、パーソナルクレンジング、家庭用、および農業用の完成品に製造することができる。これによって、そうした完成品の組成物が前記送達ブレンドを含み得る。
【0054】
たとえば、加熱素子によって動力を供給される空気清涼器具が本発明の送達ブレンドを含み得る。
【0055】
別の例は、送達ブレンドの親水性の分散液または乳濁液であり、これは、水などの担体中に送達ブレンドの粒子を10重量%〜80重量%、最も好ましくは40%〜75%含有する。粒径は、0.1u〜5000u、好ましくは1u〜1000uでよい。分散した粒子は、中性、マイナス、プラス、および双性イオンの電荷を有する乳化剤の使用によって、中性、マイナス、プラス、または双性イオンの電荷を帯びることができ、好ましい電荷は、カチオン性乳化剤、またはカチオン性、非イオン性、および双性乳化剤の混合物の使用による正味の正電荷である。分散した粒子に正電荷を付与する別の好ましい方法は、分散した粒子をカチオンポリマーでコーティングすることである。
【0056】
カチオンポリマーの送達ブレンドの粒子上への固定は、水素相互作用、イオン性相互作用、または疎水性相互作用などの物理的結合によって、またはゲル粒子に対して永久的な化学結合を形成する化学結合によって実現することができる。
【0057】
広範囲な水溶性のカチオンポリマー、両性ポリマー、またはこれらの混合物が本発明に使用できることは、当業者に得心される。例には、多糖体、ポリペプチド、ポリアクリレート、アミノシリコーンなどが含まれる。他の適切な水溶性ポリマーは、参照により本明細書に援用されるUS 007196049およびUS 7122512に示されている。
【0058】
前記送達ブレンドを含む種類の親水性分散液は、付けるタイプの製品、洗い流すタイプの製品、洗濯用洗剤、洗濯用柔軟剤、固形石鹸、防除製品などの製品に製造することができる。
【0059】
非限定的な実施例6〜8で、種々の完成品の広範囲な組成物を例示する。
【0060】
オリーブ油、ヤシ油、ゴマ油などの天然油は、最新の健康、化粧品、美容、パーソナルケア、およびパーソナルクレンジング製品を製剤するための重要な成分である。適用後皮膚および毛髪上に残る製品には、肌用クリーム、リップスティック、リップバーム、ファンデーション、デオドラント剤、ヘアトリートメントジェルおよびコンディショナー、医薬品の局所治療軟膏およびクリーム、日焼け止め、色物化粧品などが含まれ、「付けるタイプ」の製品と呼ぶことができる。適用後洗い流される他の製品としては、シャワージェル、シャンプー、固形石鹸、洗顔料、手洗い洗剤などが挙げられ、「洗い流すタイプ」の製品と呼ぶことができる。しかし、天然油は液体であり、こうした最新の「付けるタイプ」および「洗い流すタイプ」の健康、化粧品、美容、パーソナルケア、およびパーソナルクレンジング製品の多くの製剤ニーズを必ずしも満たすとは限らない。
【0061】
本発明の透明な天然植物油ゲルおよび不透明な天然植物油軟固体ゲルは、本質的にすべてのこうした天然油、ならびに通常の軟化薬、皮膚有効成分、および補助的な成分と適合性がある。これら本発明のゲルは、粘度、触質性、製剤における柔軟性、直接性、耐摩耗性、耐転移性(transfer-resistance)、耐水性、ならびに皮膚および毛髪上での天然油の他の利点を強化する。
【0062】
本発明の付けるタイプの健康、美容、化粧品、およびパーソナルケア製品の組成物は、前記の透明な天然植物油ゲルおよび/または前記の不透明な天然植物油軟固体ゲルを100%〜1%、好ましくは50%〜2%、最も好ましくは20%〜5%含み、残りの%は、健康上また化粧品として許容できる有効成分、機能成分、不活性成分、および補助成分である。前記有効な成分および有益な物質は、その限りでないが、皮膚保湿剤、軟化薬、合成エステル油、皮膚ホワイトニング剤、ビタミン、抗酸化剤、血液凝固剤、創傷治癒剤、創傷のための吸収剤、抗菌物質、ヘアコンディショナー、UVフィルター、アンチエイジング物質などの群から選択される。前記の機能成分および補助成分には、洗浄界面活性剤、乳化剤、軟化薬、合成エステル油、合成炭化水素油、着香剤、着色剤、保存剤、および水やグリセリンなどの他の適切な担体が含まれるがこの限りでない。
【0063】
本発明の「付けるタイプ」の健康、美容、化粧品、およびパーソナルケア製品は、その限りでないが、無水品、乳濁液(「拭くタイプ」または「拭き取りタイプ」)、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、スティック、スプレー式、ペースト、粉末などを含めて、多くの異なる体裁にすることができる。非限定的な実施例8〜12では、付けるタイプの製品の組成物をさらに例示する。
【0064】
本発明の別の実施形態は、本発明の透明な植物油ゲルおよび/または不透明な天然油軟固体ゲルを含有する少なくとも1種の疎水性の有益な成分ブレンドと、界面活性剤成分を含有する少なくとも1種の明確な構造をもつまたは明確な構造をもたない泡立つ洗浄相とを含む、液体または軟固体パーソナルクレンジング組成物を提供することである。
【0065】
本発明の疎水性の有益な成分ブレンドは、本発明の透明な天然植物油ゲル、不透明な天然植物油軟固体ゲル、皮膚適合性軟化薬、皮膚適合性ワックス、皮膚に有益な物質、および任意選択で顔料や着色剤などの補助的な物質を含む。好ましい組成物は、この組成物の10%〜100%の天然油ゲル、90%〜0%の皮膚適合性軟化薬およびワックス、皮膚に有益な物質、ならびに補助的物質を含むことが好ましく、20%〜100%の前記ゲルと80%〜0%の他の成分を含むことが最も好ましい。本発明の前記の有益な成分ブレンドは、ソフトゲルから軟固体、十分な稠性を有する液体に至る範囲に及ぶ。
【0066】
洗浄相は、界面活性剤成分を含み、疎水性の有益な成分部分および多相性の製品体裁を安定化するのに十分な降伏応力または降伏点の剪断減粘レオロジーを示す構造を有することが好ましい。前記の明確な構造をもつ洗浄相は、界面活性剤成分を適切な液晶の誘発物質、安定剤、およびこれらの混合物とブレンドして生成された液晶界面活性剤相を含む。洗浄相は、カチオン付着ポリマー、顔料、光沢のある粒子、電解質、保存剤、着香剤、スクラブ粒子、水溶性の皮膚に有益な物質、ビーズ、湿潤剤、pH調整剤などをさらに含む。
【0067】
界面活性剤成分は、界面活性剤または界面活性剤の混合物を含むが、そうした界面活性剤は、皮膚および毛髪への適用に適したものであり、本明細書では、皮膚および毛髪への適用に適し、他の点では多相からなる安定なパーソナルケア組成物中の他の不可欠な成分と適合性のある、既知またはそうでなくとも効果的などんな洗浄界面活性剤もこれに含まれる。そのような界面活性剤には、直鎖または分枝鎖のアニオン性、非イオン性、カチオン性、双性イオン性、もしく両性の界面活性剤、石鹸、またはこれらの組合せが含まれる。洗浄相中の界面活性剤成分の重量%は、2%〜90%、好ましくは5%〜40%、より好ましくは10%〜30%の範囲に及んでよい。
【0068】
そうした液晶誘発物質の例には、直鎖または分枝鎖の脂肪酸、そのエステル誘導体、直鎖または分枝鎖の脂肪アルコール、ラウリン酸、イソステアリン酸、イソステアリン酸グリセリルなどが含まれる。US 6067816 (2000年)、US 6426326 (2002年)、US 5952286 (1999年)、およびUS 2006/0079417 A1は、前記液晶誘発物質を用いて前記の層状の界面活性剤相を形成する技術を教示しており、これらの文献を参照により本明細書に援用する。
【0069】
安定剤は、さらなる構造化をもたらして製品の全体的な安定性も向上させるが、これには、粘土、解膠性のポリマー、合成ポリマー、天然由来ポリマー、架橋ポリマー、会合性ポリマー、疎水性に改変されたポリマーなどからなる群から選択される増粘剤が含まれる。本発明に有用な増粘剤の例は、米国特許第4,509,949号および第2,798,053号、ならびに「CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary」、第4版、1991年、12ページおよび80ページで開示されており、これらすべてを参照により本明細書に援用する。非限定的な例として、粘土、シリカ、デンプン、ヒドロキシプロピルリン酸デンプン(hydroxypropylphosphate starch)、オクテニルコハク酸デンプン(starch octenyl succinate)、アルギン酸塩、ペクチン、カラゲナン、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、キトサン、ゼラチン、カゼイン、架橋結合ポリアクリレート、架橋結合ポリアクリルアミド、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレート共重合体などが挙げられる。
【0070】
別の部類の前記安定剤は、ヒドロキシル基を含む結晶性物質、たとえば、ヒドロキシル基を含む脂肪酸、脂肪酸エステル、または脂肪性石鹸、特にトリヒドロキシステアリンから選択される。
【0071】
当業者には、この組成物の組成物が、その限りでないが、シャワージェル、目に見えてわかる縞模様または形相が施されたシャワージェル、洗顔クリーム、クレンジングフォーム、シャンプーなどの液体パーソナルクレンジング製品、および固形石鹸や固形合成洗浄料などの軟固体パーソナルクレンジング製品を含む、いくつかの製品体裁で存在し得ることが得心される。
【0072】
パーソナルクレンジング製品の形の本発明の別の実施形態は、本発明の透明な天然植物油ゲルおよび/または不透明な天然植物油軟固体ゲルを含む疎水性の有益な成分部分の粒子を含む軟固体固形石鹸および固形マイルドクレンジング合成洗浄料である。固形石鹸および固形合成洗浄料の組成物は、20〜90重量%の石鹸、低刺激性の起泡性界面活性剤、およびこれらの混合物、2〜50重量%の本発明の疎水性の有益な成分部分、ならびに水、液体水溶性脂肪族ポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される3〜20重量%のバインダーを含む。好ましくは、組成物は、20〜90重量%の石鹸、低刺激性の起泡性界面活性剤、およびこれらの混合物、2〜30重量%の本発明の疎水性の有益な成分部分、ならびに3〜20重量%のバインダーを含む。
【実施例】
【0073】
実施例1および2の植物油ゲルは、以下の手順を使用して調製した。まず、80重量部のダイズ油をガラス製ビーカーに加え、100℃〜200℃の間の温度に加熱した。次いで、20重量部のKraton(登録商標)ブロック共重合体(Kraton Polymers、米国テキサス州ヒューストンから入手可能)またはVector(登録商標)ブロック共重合体(Dexco Polymers、米国テキサス州ヒューストンから入手可能)を、溶液が見たところ透明になるまでオーバーヘッドミキサーで混合した。溶液を冷却し、安定性試験用の透明なプラスチック製広口瓶に移した。室温で3日間経過後、植物油ゲルを、透明度、油にじみ、力学的性質の3つの判定基準によって評価した。透明性または透明度は、白色の紙に書かれた黒色の単語が厚さ1cmのゲルを通して読めるかどうかによって判断する。油にじみは、ゲル上部の分離した透明に見える油層によって判断する。粘着性、柔らかさ、および弾力を含む力学的性質は、ゲルを指や手で触り、引っ張ることによって判断する。以下の実施例で示す成分のパーセントは、重量パーセントである。
【0074】
好結果のゲルは、透明で油にじみがないと判断される。便宜上、ブロック重合体構造を表すのに以下の頭字語を使用する。
SBS ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレン
SIS: ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレン
(SB)n ポリスチレンポリブタジエンの放射状ポリマー
(SI)n ポリスチレン-ポリイソプレンの放射状ポリマー
SI ポリスチレン-ポリイソプレン
SB ポリスチレン-ポリブタジエン
SEPS ポリスチレン-ポリ(エチレン-プロピレン)-ポリスチレン
SEBS: ポリスチレン-ポリ(エチレン-ブチレン)-ポリスチレン
【0075】
(実施例1:安定性のある本発明の透明な天然植物油ゲル)
この実施例では、不飽和ゴムセグメントを有するブロック共重合体を使用した本発明の透明な植物油ゲルについて実証する。Kraton(登録商標)DポリマーおよびVector(登録商標)ポリマーは、ポリスチレンと、ポリイソプレンやポリブタジエンなどの不飽和ゴムとのブロック共重合体である。その高分子微細構造および分子量(トルエン中25重量%および室温で測定した粘度によって示される)にかかわらず、Kraton(登録商標)DおよびVector(登録商標)ブロック共重合体はすべて、ダイズ油を安定性のある透明なゲルに首尾よくゲル化させることができ、ゲルの力学的性質は、ソフトゲルから中硬度エラストマー、硬エラストマーに至る範囲に及ぶものであった。
【0076】
【表1】

【0077】
(実施例2:不安定な天然植物油ゲルの比較実施例)
表2には、Kraton(登録商標)Gブロック共重合体とダイズ油のブレンドの結果を示す。Kraton(登録商標)Gポリマーは、ポリ(エチレン-プロピレン)またはポリ(エチレン-ブチレン)として飽和ゴムブロックを有する。共重合体がトリブロック共重合体であるかジブロック共重合体であるかにかかわらず、飽和ゴムブロックを有するいずれのKratonポリマーも、ダイズ油とブレンドされて安定で透明なゲルを形成しなかった;その代わりに、すべてのゲルは不透明であり、油にじみがあった。したがって、本発明のゲルを生成するには、不飽和ゴムブロックを有する共重合体を使用してゲルを調製しなければならない。
【0078】
【表2】

【0079】
(実施例3:安定性のある本発明の不透明な天然油ゲル)
この実施例では、本発明の不透明な軟固体天然植物油ゲル組成物について実証する。これらの組成物は、指や手を使用してゲルを触り、引っ張ることによって1〜5の主観的尺度を用いて評価して、裂けやすさ、粘着性、および反発力/弾力といった物理的性質によって特徴づけした。本発明の透明な植物油ゲルと比較すると、これらの不透明な軟固体は、同程度に安定性があるが、それほど粘着性でなく、より可撓性である。
【0080】
【表3】

【0081】
(実施例4:皮膚適合性軟化薬を含有する安定な天然油ゲル)
この実施例では、天然植物油に加えて皮膚適合性軟化薬を含む本発明の安定な天然油ゲルの組成物を例示する。これらのゲルは、上述の方法によって調製した。当業者には、皮膚適合性軟化薬の重量%は、最終的なゲルが安定なままであるレベルまでにすることができ、その%レベルは、本発明の共重合体の%およびタイプに応じて様々となることが理解される。
【0082】
【表4】

【0083】
(実施例5:透明な容器入りゲルロウソク)
20%のVector(登録商標)V4411ブロック共重合体、表2の80%のダイズ油、および1%のシトロネラ油からなる99重量%の透明な天然植物油ゲルのブレンドを80℃に加熱し、内側に標準の芯を配した透明なガラス容器に注いだ。ブレンドが室温に冷える間芯をその場で保持すると、透明な容器入りゲルロウソクとなる。このロウソクは、数時間にわたり均等に燃える。
【0084】
以下の実施例では、本発明の天然油ゲルおよび空気ケア有効成分を含む、広範囲な製品のための様々な組成物を例示する。
【0085】
(実施例6:空気清涼剤および昆虫忌避剤)
60%のダイズ油および40%のVector(登録商標)4411ブロック共重合体の透明で透き通ったゲルを上述の手順によって調製した。調製したゲル80%とシトロネラ油20%の昆虫忌避剤/空気清涼剤を、ゲルを90℃に加熱し、次いでシトロネラ油を加え、次いで直ちに混合して、見たところ透明な溶液にすることによって調製した。これを液体であるうちにアルミナ皿の円形の鋳型に注いだ。これが冷えて透明で透き通った円形のゲルになり、シトロネラの香りが空気中に数日間ゆっくりと継続的に放出された。この実施例は、ゲル形態の組成物を例示するものである。
【0086】
(実施例7:長時間持続する着香剤クリーム)
A相:水59%、グリセリン3%、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド1.5%と、B相:ステアレス-21 5%、ジステアリルジモニウムクロリド1%、5%の着香剤と95%の天然植物油ゲル(20%のVector 4411および80%のダイズ油)の混合物35%とを有するクリームを生成した。着香剤は、Belle Aireの「Rain Shower」である。A相およびB相を別々に75℃に加熱した後、B相をA相に混合して、クリームを調製した。クリームは柔らかく光沢があった。皮膚に適用した後、クリームは乾燥してフィルムを形成し、心地よい香りが数時間継続的に検出可能であった。
【0087】
(実施例8:心地よい香りが持続するシャンプー)
この組成物は、70.85%の水、10%のラウリルエーテル硫酸ナトリウム(70%)、7%のコカミドプロピルベタイン(35%)、0.5%のコカミドMEA、0.05%のEDTA二ナトリウム、0.3%のジステアリン酸PEG150、および1%の塩化ナトリウムを75℃で混合して透明な溶液とした後、0.3%の保存剤および10%の実施例6のクリームをブレンドして調製した。このシャンプーは、容易に泡立ち、心地よい香りが持続する白色のクリームであった。この実施例は、組成物を、スキンケア、パーソナルケア、色物化粧品、パーソナルクレンジングなどの広範囲な製品体裁に混ぜて、その製品の目的である主たる恩恵に加え、持続する心地よい香りを提供することができることを例示するものである。
【0088】
以下の実施例では、本発明の天然植物油ゲル、皮膚/健康有効成分、および補助的な成分を含む様々な健康、美容、および化粧製品の組成物を例示する。これらの製品には、スキンケア、サンケア、ヘアコンディショナー、ボディオイル、シャワー用ボディモイスチャライザー、ファンデーションなどが含まれるがこの限りでない。
【0089】
(実施例9:セサミボディオイル)
この調製物は、40%の本発明の天然植物油ゲル(10%のKrayton D4411および90%のゴマ油)、20%のゴマ油、40%のミリスチン酸イソプロピル、5%のペルオレイン酸PEG-40ソルビタン、および着香剤を70℃でブレンドして透明な溶液にすることによって生成した。冷却した後、調製物は、若干の稠性を有する液体となった。組成物は、皮膚全体に非常に容易に広がり、直ちに皮膚に吸収され、皮膚に柔らかくすべすべした感触を残し、油っぽい感じは少しもなかった。
【0090】
(実施例10:毛髪および皮膚のつやを出すセサミセラム)
この組成物は、40%の本発明の天然植物油ゲル(10%のKraton(登録商標)D1118およびゴマ油)、30%のゴマ油、14%のシクロペンタシロキサン、12.5%のミリスチン酸イソプロピル、2%のペルオレイン酸PEG 40ソルビタン、1.5%のジメチコンコポリオール、および数滴の着香剤を70℃でブレンドして透明な溶液にした後、冷却して希薄な液体ソフトゲルにすることによって調製した。皮膚または毛髪に適用したとき、触れると非常に柔らかく感じられ、皮膚に直ちに吸収され、皮膚および毛髪を柔らかくつややかにした。
【0091】
(実施例11:天然油を含有するボディバター)
このようなボディバター組成物は、実施例6の手順などの化粧製品の通常の手順によって調製した。これらの組成物は、すべて柔らかいクリームであり、皮膚全体に容易に広がり、皮膚に柔らかい感触を残し、天然の植物油による潤いを与えた。前記ボディバターは、皮膚に適用したとき、柔らかく弾力のある触り心地を示すが、これは、本発明の天然油ゲルの弾力のある性質のためであると考えられる。
【0092】
【表5】

【0093】
(実施例12:天然植物油のファンデーション)
この組成物は、油中水乳濁液であり、水相を油相に混合して調製した。組成物は次のように分類される。油相-6%の表3の天然油ゲル軟固体#4、6%のシア脂、6%のヒマワリ油、1.5%のジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、0.12%のポリヒドロキシステアリン酸、0.4%のオレイン酸ソルビタン、3%のシクロペンタシロキサン、1%のジメチコン油、白色の二酸化チタン、黄色、赤色、黒色の酸化鉄、および2%のマイカからなる12%の顔料混合物;油相-55.13%の水、5%のグリセリン、ならびに硫酸マグネシウム、保存剤、および香料を含む補助添加物。
【0094】
以下の実施例では、(a)本発明の天然植物油ゲルと(b)洗浄相とを含む組成物を例示する。このような製品の例には、シャワージェル、シャンプー、洗顔料、洗濯用洗剤、洗車用洗剤、固形石鹸、固形合成洗浄料などが含まれるがこの限りでない。
【0095】
(実施例13:天然植物性ゲルの保湿シャワージェル)
このような組成物は、従来の方法によって調製した。有益な成分部分は、実施例1および2と同様に調製した。洗浄相は、オーバーヘッドミキサーを用い、成分をビーカーの中で70〜80℃にて適度なスピードで混合して調製した。50〜70℃の疎水性の有益な成分相を、ビーカーの中の洗浄相に混合した。すべての製剤は、なめらかなローションまたはクリーム製品であり、皮膚全体に非常に広がりやすく、豊富な泡を生じた。洗浄後、皮膚は、非常に柔らかくすべすべした感じがし、心地よい香りを伴った。組成#3の洗浄相は、層状の相であった。
【0096】
【表6】

【0097】
(実施例14:天然油を含有するコンディショニングシャンプー)
組成物は、まず70.65%の水、0.2%のグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、1%のグリセリン、7%のナトリウムラウリルエーテル硫酸塩(70%)、10%の30%コカミドプロピルベタイン、0.5%のコカミドMEA、0.05%のEDTA二ナトリウム、1%の塩化ナトリウム、および0.3%のジステアリン酸PEG-150を75℃で混ぜ合わせた後、本発明のダイズ油ゲル(20%のVector 441/80%のダイズ油)33%とオリーブ油67%からなる混合物3%、保存剤、および香料を混ぜ合わせて調製した。このシャンプーは、毛髪を十分な泡立ち作用によって洗浄し、毛髪を柔らかく、整った状態にした。
【0098】
(実施例15:乾燥肌用の潤うボディシャワーローション)
この組成物は、シャワーで濡れている間に乾燥肌を整え、潤いを与えるためのものである。この組成物は、濡れた身体の肌全体に容易に広がる安定なローションであった。水ですすぎ、身体をタオルで乾かした後、皮膚は潤い、回復した感じであった。組成物は、油相を水相に混合して調製した。水相は、73.76%の水、0.5%のヒドロキシエチルセルロース、0.5%のヒドロキシプロピルデンプンリン酸、4%のグリセリン、0.04%のEDTA二ナトリウム、保存剤、および香料からなるものであった。油相は、6%の本発明のダイズ油ゲル(20%のVector 4111および80%のダイズ油)、10%のヒマワリ油、3%のシア脂、1%のPJ、0.2%のポリソルベート20、0.5%のジステアリルジモニウムクロリド、香料、および保存剤からなるものであった。
【0099】
本発明について一定の程度に詳細に述べてきたが、この開示が例示するものとしてなされているにすぎないこと、ならびに本発明の真意および範囲から逸脱することなく、各部の構成および配置の細目に数多くの変更を添えてもよいことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)少なくとも1個のポリスチレンセグメントと少なくとも1個の不飽和のゴムセグメントを有する、1〜50重量パーセントの少なくとも1種のブロック共重合体と、
(B)99〜50重量パーセントの天然油とのブレンドを含む組成物。
【請求項2】
前記ブロック共重合体が、ジブロック、トリブロック、放射状、もしくはマルチブロック共重合体、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ブロック共重合体が、ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレン、ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレン、ポリスチレン-ポリ(イソプレン-ブタジエン)-ポリスチレン、ポリスチレン-ポリ(ブタジエン-スチレン)-ポリスチレン、ポリスチレン-ポリ(エチレン-プロピレン-スチレン)-ポリスチレン、ポリスチレン-ポリイソプレン、ポリスチレン-ポリブタジエン、ポリスチレン-ポリ(イソプレン-ブタジエン)、ポリスチレン-ポリ(ブタジエン-スチレン)、ポリスチレン-ポリ(エチレン-プロピレン-スチレン)、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
皮膚適合性軟化薬をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
1〜60重量パーセントの量で存在する皮膚適合性固体ワックスをさらに含み、成分(A)と(B)のブレンドが組成物全体の99〜40重量パーセントの量で存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
皮膚適合性固体ワックスが、蜜蝋および蜜蝋誘導体、水素添加された植物油およびその誘導体、植物ワックスおよびその誘導体、ステロールおよびコレステロール脂肪酸エステル、リン脂質、スフィンゴ脂質、セラミド、グリコスフィンゴ脂質、合成エステルワックス、固体脂肪酸および脂肪アルコールとその誘導体、ステアリン酸、ベヘニルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、固体合成アルコール、微結晶ワックス、パラフィンワックス、オゾケライト、ポリエチレン、シリコーンワックス、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
(A)少なくとも1個のポリスチレンセグメントと少なくとも1個の不飽和ゴムセグメントを有する、1〜50重量パーセントの少なくとも1種のブロック共重合体、および
(B)99〜50重量パーセントの天然油
のブレンドと、
前記ブレンドの中に配置される芯と
を含む製品。
【請求項8】
1〜60重量パーセントの量で存在する皮膚適合性固体ワックスをさらに含み、成分(A)と(B)のブレンドが組成物全体の99〜40重量パーセントの量で存在する、請求項7に記載の製品。
【請求項9】
前記ブレンドが、着香剤、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、昆虫忌避剤、不溶性装飾体、天然植物油由来の他の油、炭化水素油、およびこれらの混合物からなる群から選択される添加物をさらに含む、請求項7または8に記載の製品。
【請求項10】
容器をさらに含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の製品。
【請求項11】
(A)少なくとも1個のポリスチレンセグメントと少なくとも1個の不飽和ゴムセグメントを有する、1〜50重量パーセントの少なくとも1種のブロック共重合体、および
(B)99〜50重量パーセントの天然油
のブレンドであって、組成物の5〜99重量パーセントを占めるブレンドと、
組成物の0.5〜40重量パーセントを占める空気ケア有効成分と
を含む組成物。
【請求項12】
前記ブレンドが、1〜60重量パーセントの量で存在する皮膚適合性固体ワックスをさらに含み、成分(A)と(B)のブレンドがブレンド全体の99〜40重量パーセントの量で存在する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
空気ケア有効成分が、着香剤、精油、脱臭剤、マスキング剤、害虫忌避剤、殺虫剤など、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項11または12に記載の組成物。
【請求項14】
組成物の物理形態が、スラリー、乳濁液、ゲル、または粒径が0.5〜500uの範囲の固体粒子もしくはゲル粒子の粉末である、請求項11から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
(A)少なくとも1個のポリスチレンセグメントと少なくとも1個の不飽和ゴムセグメントを有する、1〜50重量パーセントの少なくとも1種のブロック共重合体と、
(B)99〜50重量パーセントの天然油
のブレンドを含む組成物であって、
前記ブレンドは、組成物の1〜99重量パーセントを占め、
組成物の99〜1重量パーセントは、健康上また化粧品として許容できる有効成分、有益な物質、機能成分、不活性成分、補助成分、およびこれらの混合物からなる群から選択される組成物。
【請求項16】
ブレンドが、1〜60重量パーセントの量で存在する皮膚適合性固体ワックスをさらに含み、成分(A)と(B)のブレンドがブレンド全体の99〜40重量パーセントの量で存在する、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
組成物の物理形態が、ローション、クリーム、ペースト、ゲル、スティック、エアロゾル、フォーム、または粉末である、請求項15または16に記載の組成物。
【請求項18】
i.少なくとも1個のポリスチレンセグメントと少なくとも1個の不飽和ゴムセグメントを有する、1〜50重量パーセントの少なくとも1種のブロック共重合体、および
ii.99〜50重量パーセントの天然油
のブレンドであって、組成物の98〜1重量パーセントを占める有益な成分ブレンドと、
組成物の2〜99重量%の量を占める洗浄相と
を含む組成物。
【請求項19】
有益な成分ブレンドが、1〜60重量パーセントの量で存在する皮膚適合性軟化薬または固体ワックスをさらに含み、成分(A)と(B)のブレンドが、ブレンド全体の99〜20重量パーセントの量で存在する、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
洗浄相が、アニオン性、両性、双性イオン性、非イオン性、カチオン性の界面活性剤、およびこれらの混合物から選択される界面活性剤を含む、請求項18または19に記載の組成物。
【請求項21】
組成物全体の1〜60重量%の濃度で0.1u〜500uの粒子として洗浄相に分散した疎水性の有益な成分ブレンドを含むパーソナルクレンジング組成物である、請求項18から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
層状の構造をもつ界面活性剤相をさらに含み、皮膚適合性界面活性剤の濃度が2〜50%である、請求項18から21のいずれか一項に記載の洗浄相。
【請求項23】
固形石鹸または低刺激性固形合成洗浄料であり、洗浄相が、石鹸、低刺激性の起泡性界面活性剤、またはこれらの混合物から選択される20〜90重量%の界面活性剤と、水、液体の水溶性脂肪族ポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される3〜20重量%のバインダーとを含む、請求項18から22のいずれか一項に記載の組成物。

【公表番号】特表2010−506036(P2010−506036A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532382(P2009−532382)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/021605
【国際公開番号】WO2008/045451
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(509098618)アップルケム・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】