説明

方位判別装置、方位判別方法及び方位判別プログラム

【課題】本発明は、簡易な構成で移動体の方位や位置を正確に求め得るようにする。
【解決手段】本発明は、車両に設置された二軸加速度センサ3により、当該車両が旋回したときの遠心力によって発生する移動体の進行方向と直交した横G値を検出し、横G値と所定の閾値TH1、TH2とに基づいて車両が右旋回したか左旋回したかを判別することにより、角速度センサを用いることなく単一の二軸加速度センサ3だけの簡易な構成で車両の旋回方向を正確に判別することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方位判別装置、方位判別方法及び方位判別プログラムに関し、例えばカーナビゲーション装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高価な角速度センサ(ジャイロセンサ)を用いることなく、比較的安価な加速度センサだけを用いて車両の回転角速度を算出するようになされた回転角速度算出装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3416694号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでかかる構成の回転角速度算出装置においては、一対の加速度センサの設置間距離と、車両の移動速度とに基づいて回転角速度を算出しなければならないため、複数の加速度センサが必要となり、その構成が複雑であると共に煩雑な算出処理を要するという問題があった。
【0004】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成で移動体の方位や現在位置を正確に求め得る方位判別装置、方位判別方法及び方位判別プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するため本発明においては、移動体に設置された水平方向加速度検出手段により、当該移動体が旋回したときの遠心力によって発生する移動体の進行方向と直交した水平方向の加速度を検出し、水平方向の加速度の値と所定の閾値とに基づいて移動体が右旋回したか左旋回したかを判別することにより、角速度検出手段を用いることなく単一の水平方向加速度検出手段だけの簡易な構成で移動体の旋回方向を正確に判別することができる。
【0006】
また本発明においては、移動体の進行方向に対する走行速度を検出し、水平方向の加速度と走行速度とに基づいて移動体の旋回時における角速度を算出し、走行速度と角速度とを基に相対位置変化量を求めて移動体の現在位置を更新することにより、角速度検出手段を用いることなく単一の水平方向加速度検出手段だけの簡易な構成で移動体の現在位置を正確に算出することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、角速度検出手段を用いることなく単一の水平方向加速度検出手段だけの簡易な構成で移動体の方位や、現在位置を正確に求め得る方位判別装置、方位判別方法及び方位判別プログラムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0009】
(1)本発明の基本原理
本発明のカーナビゲーション装置では、車両の進行方向に対応した進行方向加速度、及び当該進行方向と直交した水平方向の横G(横方向加速度)を検出可能な二軸加速度センサを用いて車両の旋回時における横G(横方向加速度)を検出し、その横Gの値(以下、これを横G値と呼ぶ)を基準として車両の方位を判別したり、車両の進行方向に対する走行速度及び横G値に基づいて車両の旋回時における角速度を算出し、走行速度と角速度とを基に相対位置変化量を求めて車両の現在位置を推定する基本原理について説明する。
【0010】
(1−1)方位判別原理
例えば図1に示すように、1秒間当り50回(n)のサンプリング周波数で検出された二軸加速度センサの出力である横G値(電圧値)を表した横Gグラフでは、時間(t)の経過に伴って横G値がどのように変化していくかが示されている。
【0011】
この場合、横軸については、サンプリング回数(n)が表記されているが、これを時間に置き換えれば、分刻みの時間(t)で表記されることも可能であり、ここでは分かり易さのため2通りの表記で示している。
【0012】
また、縦軸については、二軸加速度センサの出力電圧が0[V]〜5[V]の範囲で変動し、横Gが車両に対して一切働いていない状態では、その出力電圧の電位が2.5[V]となるところ(縦軸右側に表記)、二軸加速度センサの出力をハイパスフィルタへ通すことによって直流成分をカットし、横Gが一切働いていないときの出力電圧の電位を0[V]の基準出力として設定するようになされている(縦軸左側に表記)。
【0013】
さらに図1では、二軸加速度センサの出力をローパスフィルタへ通すことによって、高調波成分が除去された横G値の出力波形が表されている。
【0014】
この横G値の出力波形は、車両が右折したときに車両左側へ働く水平方向の遠心力を正と定義し、車両が左折したときに車両右側へ働く水平方向の遠心力を負と定義しており、遠心力の大きさに比例して横G値の出力波形における振幅レベルが変動するようになされている。
【0015】
従って、カーナビゲーション装置としては、ある時点(t)における横G値の電圧レベルと、二軸加速度センサの基準出力(0[V])との差分が、予め設定しておいた所定の閾値TH1、TH2を超えている場合、右旋回、左旋回したことを判別し、その方位を認識し得るようになされている。
【0016】
ところで、図2に示すように、車両が所定角度θだけ傾いた道路の斜面を走行している場合、二軸加速度センサの横G値に重力加速度成分gfが含まれることになる。この場合、図3に示すように、横G値の出力波形は、その重力加速度成分gfの電位がオフセットされた状態で表されることになり、閾値TH1、TH2との比較では誤判定を生じてしまうことになる。
【0017】
しかしながら本発明のカーナビゲーション装置では、二軸加速度センサの出力をハイパスフィルタへ通すことによって直流成分をカットし、横Gが一切働いていないときの出力電圧の電位を0[V]の基準出力として設定するようにしたことにより、その重力加速度成分gfのオフセットも予め除去された状態で横G値の出力波形を得ることができるので、閾値TH1、TH2との比較による誤判定を生じさせずに済むようになされている。
【0018】
(1−2)現在位置推定原理
更にカーナビゲーション装置では、角速度センサを用いることなく、車両の右旋回時又は左旋回時における角速度ωを求めるため、角速度ωが遠心力による加速度すなわち横G値αの関数であると同時に、例えば車両から供給される車速パルスに基づいて算出した車両の走行速度vの関数であることを考慮し、次式
【0019】
【数1】

【0020】
によって角速度ωを正確に求め得るようになされている。
【0021】
因みに、車両の走行速度vは、車両から供給される車速パルスに基づいて算出するだけではなく、それ以外にも、GPS(Global Positioning System)衛星からGPS受信機によって受信した衛星信号に基づいて算出したり、二軸加速度センサの進行方向加速度を積分することにより算出しても良く、車速パルスに基づいて算出する以外の種々の方法によって得ることが出来る。
【0022】
ナビゲーション装置は、上述の(1)式で求めた車両の角速度ωと、車両の進行方向に対する走行速度vとを基に、図4に示すような、前回の位置PO1から次の新しい現在位置PO2までの相対位置変化量を求め、これを前回の位置PO1に加えることによって新しい現在位置PO2を算出(推定)し得るようになされている。
【0023】
すなわち相対位置変化量は、角速度ωによって車両の方位変化量を示し、走行速度vによって車両の移動量を示すことによって、前回の位置PO1から次の新しい現在位置PO2を算出するための相対的な位置の変化量を表すものである。
【0024】
従って、この場合のカーナビゲーション装置では、角速度センサを用いることなく、二軸加速度センサの横G値α及び車両の走行速度vに基づいて車両の角速度ωを容易かつ正確に求め、その角速度ωを用いて自律航法を実現し得るようになされている。
【0025】
(2)カーナビゲーション装置の構成
上述した本発明の基本原理を用いて車両をガイドするカーナビゲーション装置の具体的構成について説明する。
【0026】
図5に示すように、1は全体として本発明の一実施の形態におけるカーナビゲーション装置を示し、上述した方位判別原理及び現在位置推定原理に基づいて角速度センサを用いることなく車両の方位を判別し、また角速度センサを用いることなく角速度ωを算出して車両の現在位置を推定するための方位判別部2を有することを特徴としている。
【0027】
方位判別部2の制御部6は、CPU(Central Processing Unit)構成でなり、例えばハードディスクでなる記憶部8から読み出した基本プログラムによって全体を統括制御すると共に、記憶部8から読み出した方位判別プログラム等のアプリケーションプログラムによって後述する角速度センサを用いない方位判別処理手順や、角速度センサを用いない現在位置推定処理手順を実行するようになされている。
【0028】
実際上、カーナビゲーション装置1は、GPS受信機7によってGPS衛星からの衛星情報を受信し、その衛星情報S4を制御部6へ送出する。制御部6は、衛星情報S4に基づいて車両の現在位置PO、走行速度v等を算出し得、その算出結果に基づいて現在位置POを液晶ディスプレイ等でなる表示部9に表示すると共に、目的地までの経路等をスピーカ等でなる音声出力部10を介して音声出力することにより、ルートガイドや現在位置表示等のナビゲーション動作を実行するようになされている。
【0029】
(2−1)角速度センサを用いない方位判別手法
従ってカーナビゲーション装置1は、GPS受信機7を介して衛星情報S4を受信できているときは特に問題はないが、トンネル、ビルの谷間等で衛星情報S4を受信できない環境下のときが問題であり、そのような環境下にあっても、継続してルートガイドする必要がある。
【0030】
そのような場合、カーナビゲーション装置1では、方位判別部2の二軸加速度センサ3によって車両の進行方向と直交した水平方向の横G値S1を検出し、これをハイパスフィルタ4へ送出する。
【0031】
ハイパスフィルタ4は、横G値S1の直流成分をカットすることにより、車両に対して横Gが一切働いていないときの出力電圧の電位を0[V]の基準出力となるように設定し、そのハイパスフィルタ出力データS2をローパスフィルタ5へ送出する。
【0032】
ローパスフィルタ5は、ハイパスフィルタ出力データS2の高調波成分を除去することにより滑らかな出力波形でなる横G値S3を生成し、これを制御部6へ送出する。すなわち、横G値S3の出力波形が、図1に示した横Gグラフに相当するものである。
【0033】
制御部6は、横G値S3の電圧レベルと閾値TH1、TH2とを基に車両が右旋回しているのか、或いは左旋回しているのかを判別し、その判別結果を用いて車両の現在位置における方位を表示部9に対してアイコン表示すると共に、その方位を音声出力部10により音声出力することによりルートガイドを行うようになされている。
【0034】
(2−2)角速度センサを用いない方位判別処理手順
具体的には、方位判別部の制御部6は、図6に示すルーチンRT1の開始ステップから入って次のステップSP1へ移り、最初に車両が右旋回及び左旋回していないときのハイパスフィルタ4及びローパスフィルタ5を介して得られる二軸加速度センサ3の横G値S3(出力電圧0[V])を基準出力としてRAMに保持し、次のステップSP2へ移る。
【0035】
ステップSP2において制御部6は、車両の旋回時において、二軸加速度センサ3、ハイパスフィルタ4及びローパスフィルタ5を介して水平方向の遠心力に相当する横G値S3を検出し、次のステップSP3へ移る。
【0036】
ステップSP3において制御部6は、ステップSP2で検出された車両の旋回時における横G値S3と、ステップSP1で保持した基準出力との差分が、閾値TH1又はTH2を超えている場合、右旋回又は左旋回していると判別し、次のステップSP4へ移る。
【0037】
ステップSP4において制御部6は、ステップSP3で判別した車両の方位をアイコン表示すると共に音声出力することによりルートガイドを行い、次ぎのステップSP5へ移って処理を終了する。
【0038】
(2−3)角速度センサを用いない現在位置推定手法
またカーナビゲーション装置1では、方位判別部2の二軸加速度センサ3によって車両の進行方向と直交した水平方向の横G値S1を検出し、これをハイパスフィルタ4へ送出する。
【0039】
ハイパスフィルタ4は、横G値S1の直流成分をカットすることにより、横Gが一切働いていないときの出力電圧の電位を0[V]の基準出力となるように設定し、そのハイパスフィルタ出力データS2をローパスフィルタ5へ送出する。
【0040】
ローパスフィルタ5は、ハイパスフィルタ出力データS2の高調波成分を除去することにより滑らかな出力波形でなる横G値S3を生成し、これを制御部6へ送出する。
【0041】
制御部6は、車両から供給される車速パルスPvに基づいて車両の進行方向に対する走行速度vを算出し、ローパスフィルタ5から供給される横G値S3を当該走行速度vによって除算することにより、(1)式に示したように車両の旋回時における角速度ωを算出する。
【0042】
そして制御部6は、車両の角速度ωと、車両の走行速度vとを基に、図2に示したような、前回の位置PO1から次の新しい現在位置PO2までの相対位置変化量を求め、これを前回の位置PO1に加えることによって新しい現在位置PO2を算出(推定)し、その結果を用いて自律航法を実現するようになされている。
【0043】
(2−4)角速度センサを用いない現在位置推定処理手順
具体的には、方位判別部の制御部6は、図7に示すルーチンRT2の開始ステップから入って次のステップSP11へ移り、最初に車両が右旋回及び左旋回していないときのハイパスフィルタ4及びローパスフィルタ5を介して得られる二軸加速度センサ3の横G値S3(出力電圧0[V])を基準出力としてRAMに保持し、次のステップSP12へ移る。
【0044】
ステップSP12において制御部6は、車両の旋回時において、二軸加速度センサ3、ハイパスフィルタ4及びローパスフィルタ5を介して水平方向の遠心力に相当する横G値S3を検出し、次のステップSP13へ移る。
【0045】
ステップSP13において制御部6は、例えば車両から供給される車速パルスPvに基づいて車両の走行速度vを検出し、次のステップSP14へ移る。
【0046】
ステップSP14において制御部6は、上述した(1)式に従って、横G値S3を走行速度vで除算することにより車両の旋回時における角速度ωを求め、次のステップSP15へ移る。
【0047】
ステップSP15において制御部6は、図4に示したように、ステップSP13で検出した車両の走行速度vと、ステップSP14で算出した車両の角速度ωとを基に相対位置変化量を求め、次のステップSP16へ移る。
【0048】
ステップSP16において制御部6は、ステップSP15で求めた相対位置変化量を前回の位置PO1に加えることにより次の新しい現在位置PO2を算出(推定)し、次のステップSP17へ移る。
【0049】
ステップSP17において制御部6は、ステップSP16で推定した次の新しい現在位置PO2をアイコン表示すると共に音声出力することによりルートガイドを行い、次ぎのステップSP18へ移って処理を終了する。
【0050】
(3)動作及び効果
以上の構成において、カーナビゲーション装置1は角速度センサを用いることなく、方位判別部2の二軸加速度センサ3の出力だけを用いて簡易に方位判別及び現在位置推定を行うことができるので、そのサイズが例えば10[mm]×10[mm]×3[mm]程度もある角速度センサを用いる場合に比べて、例えば4[mm]×4[mm]×1.5[mm]程度のサイズでなる二軸加速度センサ3を1個搭載するだけで済むので、小型化及び軽量化に大きく貢献することができる。
【0051】
またカーナビゲーション装置1は、1個の二軸加速度センサ3だけを用いる構成であり、かつ角速度ωの算出に際しても、(1)式で示したように容易な計算手法で済むため、従来の回転角速度算出装置(特許文献1)に比べて、その構成を簡素化することができると共に、角速度ωの算出処理に要する処理負担を大幅に軽減することができる。
【0052】
更にカーナビゲーション装置1では、二軸加速度センサ3の横G値S1の直流成分をハイパスフィルタ4によりカットするようにしたことにより、車両に横Gが一切働いていないときの出力電圧の電位を0[V]の基準出力となるように設定することができるので、道路傾斜によって車両が所定角度θだけ傾いた場合であっても、その傾いたことによって生じる重力加速度成分gfのオフセットが予め除去された状態で横G値の出力波形を得ることができ、かくして方位判別及び現在位置推定を正確に実行することができる。
【0053】
以上の構成によれば、カーナビゲーション装置1は単一の二軸加速度センサ3だけを用いた簡易な構成で、方位判別及び現在位置推定を正確に実行することができる。
【0054】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、進行方向加速度及び横Gを検出可能な二軸加速度センサ3を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、横Gだけを検出可能な一軸の加速度センサや、進行方向加速度、横G及び重力方向加速度を検出可能な三軸加速度センサを用いるようにしても良い。
【0055】
また上述の実施の形態においては、車両の走行速度vを車両から供給される車速パルスPvに基づいて算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、GPS衛星から受信した衛星情報S4に基づいて算出したり、二軸加速度センサ3によって検出される進行方向加速度に基づいて算出するようにしても良い。
【0056】
この場合、図5との対応部分に同一符号を付した図8に示すように、GPS衛星からGPS受信機7を介して受信した衛星情報S4に基づき走行速度vを算出する場合、カーナビゲーション装置21では、二軸加速度センサ3、ハイパスフィルタ4、ローパスフィルタ5、制御部6及びGPS受信機7によって方位判別部22が構成されることになる。
【0057】
また、図5との対応部分に同一符号を付した図9に示すように、二軸加速度センサ3、ハイパスフィルタ4及びローパスフィルタ5を介して得られた進行方向加速度に基づき制御部6が走行速度vを算出する場合、カーナビゲーション装置31では、二軸加速度センサ3、ハイパスフィルタ4、ローパスフィルタ5及び制御部6によって方位判別部32が構成されることになる。
【0058】
さらに上述の実施の形態においては、制御部6が記憶部8から読み出してRAMに展開した方位判別プログラム等のアプリケーションプログラムによってルーチンRT1の角速度センサを用いない方位判別処理手順や、ルーチンRT2の角速度センサを用いない現在位置推定処理手順を実行するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、記録媒体からインストールした方位判別プログラムや、インターネットからダウンロードした方位判別プログラムに従ってルーチンRT1における角速度センサを用いない方位判別処理手順や、ルーチンRT2の角速度センサを用いない現在位置推定処理手順を実行するようにしても良い。
【0059】
さらに上述の実施の形態においては、移動体として車両を適用対象として用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、オートバイ、船舶、自転車等のその他種々の移動体を適用対象として用いるようにしても良い。
【0060】
さらに上述の実施の形態においては、ハイパスフィルタ4及びローパスフィルタ5をハードウェアとして設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、制御部6によりハイパスフィルタ及びローパスフィルタの機能をソフトウェア的に実行するようにしても良い。
【0061】
さらに上述の実施の形態においては、本発明における方位判別装置としての方位判別部2を、水平方向加速度検出手段としての二軸加速度センサ3、方位判別手段としての制御部6によって構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、水平方向加速度検出手段として三軸加速度センサを用いたり、方位判別手段としてマイクロコンピュータを用いる等、その他種々の構成によって方位判別装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の方位判別装置、方位判別方法及び方位判別プログラムは、例えばカーナビゲーション装置に適用する以外にも、自律走行するラジオコントロールカー、ゲーム機のコントローラ等のその他種々の電子機器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】横G値を用いた右旋回又は左旋回の判断手法の説明に供する特性曲線図である。
【図2】斜面走行時に働く重力加速度成分の説明に供する略線図である。
【図3】斜面走行時の重力加速度成分がオフセットされた横G値の出力波形を示す特性曲線図である。
【図4】相対位置変化量を用いた現在位置推定手法の説明に供する略線図である。
【図5】一実施の形態におけるカーナビゲーション装置の構成を示す略線的ブロック図である。
【図6】角速度センサを用いない方位判別処理手順の説明に供するフローチャートである。
【図7】角速度センサを用いない現在位置推定処理手順の説明に供するフローチャートである。
【図8】他の実施の形態におけるカーナビゲーション装置の構成(1)を示す略線的ブロック図である。
【図9】他の実施の形態におけるカーナビゲーション装置の構成(2)を示す略線的ブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
1、21、31……カーナビゲーション装置、2、22、32……方位判別部、3……二軸加速度センサ、4……ハイパスフィルタ、5……ローパスフィルタ、6……制御部、7……GPS受信機、8……記憶部、9……表示部、10……音声出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設置され、当該移動体が旋回したときの遠心力によって発生する上記移動体の進行方向と直交した水平方向の加速度を検出する水平方向加速度検出手段と、
上記水平方向の加速度の値と所定の閾値とに基づいて上記移動体が右旋回したか左旋回したかを判別する方位判別手段と
を具えることを特徴とする方位判別装置。
【請求項2】
上記方位判別装置は、
上記方位判別手段によって判別された結果を用いて上記移動体の進行方向をガイドする案内手段と
を具えることを特徴とする請求項1に記載の方位判別装置。
【請求項3】
上記方位判別装置は、
上記移動体の進行方向に対する走行速度を検出する走行速度検出手段と、
上記水平方向の加速度と上記走行速度とに基づいて上記移動体の旋回時における角速度を算出する角速度算出手段と、
上記走行速度と上記角速度とを基に相対位置変化量を求めて上記移動体の現在位置を更新する更新手段と
を具えることを特徴とする請求項1に記載の方位判別装置。
【請求項4】
上記方位判別装置は、
上記更新手段によって更新された上記移動体の現在位置を用いて進行方向をガイドする案内手段と
を具えることを特徴とする請求項1に記載の方位判別装置。
【請求項5】
移動体に設置された水平方向加速度検出手段により、当該移動体が旋回したときの遠心力によって発生する上記移動体の進行方向と直交した水平方向の加速度を検出する水平方向加速度検出ステップと、
上記水平方向の加速度の値と所定の閾値とに基づいて上記移動体が右旋回したか左旋回したかを判別する方位判別ステップと
を具えることを特徴とする方位判別方法。
【請求項6】
情報処理装置に対して、
移動体が旋回したときの遠心力によって発生する上記移動体の進行方向と直交した水平方向の加速度を外部から入力する水平方向加速度入力ステップと、
上記水平方向の加速度の値と所定の閾値とに基づいて上記移動体が右旋回したか左旋回したかを判別する方位判別ステップと
を実行させることを特徴とする方位判別プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−89517(P2008−89517A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−273364(P2006−273364)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】