説明

最適消耗品解析システム、機器製品管理方法および消耗品および媒体並びにプログラム

【課題】 ユーザごとの使用方法に適した消耗品を提供する。
【解決手段】 カートリッジの稼動情報(インターネットを使用、TAGの少なくともどちらか使用)と、カートリッジを回収して調査した調査情報とを合わせて、該当する画像形成装置本体に対応する最適な消耗品を解析する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最適消耗品解析システム、機器製品管理方法および消耗品および媒体並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、ファクシミリなどの出力装置の使用環境、使用形態が年々多様化してきている。例えば、文字出力中心から写真等の画像出力を中心とする使用形態、週に1度程度のみの使用から毎日大量に使用する使用形態などがある。また世界中の国々でこれらの出力装置が使用されるようになり、使用環境(温度や湿度など)も多種多様化している。
【0003】
この様な状況ではあるが、市場から強いコストダウンが望まれていることや、ユーザ毎の使用状況や使用環境を的確に判断するのは困難であったことなどから、現状では、どのような状況・環境でも問題が発生しない製品を開発し、それを大量生産してコストダウンし、世界中に送り出すというビジネスを展開している。
【0004】
従来例としては、例えば特許文献1と特許文献2と特許文献3をあげることが出来る。
【特許文献1】特開2002-031988号公報
【特許文献2】特開2002-142071号公報
【特許文献3】特開2003-058694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来の仕組みでは、使用環境や使用形態が多様化するほど、ユーザ全てが、ニーズに合った最適な消耗品を使用している事にはならない。また、求められる性能が高まるにつれ、全ユーザの使用条件で問題が発生しないという命題をクリアするための開発にかかる時間やコストが掛かってくる。
【0006】
また、仮にメーカが、特定の出力装置に対して使用形態にあった複数の消耗品を用意していたとしても、以下の4つの理由により、ユーザ全てが、それぞれの使用状況や環境にあった最適な消費品を選択できるとは限らない。
【0007】
(1)ユーザは必ずしも自分が使用している状況を正確に把握している訳ではない。
【0008】
(2)使用状況を把握していたとしても、使用方法に適した消耗品をユーザ自身が的確に選択するのは非常に困難である。
【0009】
(3)メーカ側もユーザの使用方法や環境を個別に把握しているわけではないため、必ずしも最適な消耗品を提供できない。
【0010】
(4)ユーザの使用環境や使用形態は、常に同一ではないため、短期間では最適なユーザの使用環境や使用形態を十分には把握しきれない場合がある。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザが使用する出力装置の稼動情報及びユーザニーズに応じて、前記出力装置に使用される最適な消耗品を、ユーザに負荷をかけることなく精度良く、且つ効率的に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0013】
本発明に係る最適消耗品解析システムは、出力信号に従って出力をおこなう出力装置と、該出力装置に内蔵した状態で出力が可能となる、交換可能な消耗品とを有し、
出力装置の稼動情報を、所定のタイミングでインターネットを介して接続された情報処理装置に送信する送信手段と、
該情報処理装置内に、出力装置の稼働情報を受信する受信手段と、
消耗品が、どの出力装置に内蔵されて稼動したかを識別する識別手段と、
該消耗品をユーザから回収した後に、消耗品を構成する複数のパーツ及び現像剤の状況を検査する検査手段と、
該消耗品の検査情報を情報処理装置に送信する送信手段と、
該情報処理装置内に、該消耗品の検査情報及び、識別手段によって識別された出力装置情報を受信する受信手段と、
消耗品の、回収した後に検査した検査情報とインターネットを介して受信した稼動情報とを用いて該当する出力装置に対する最適な消耗品を解析する解析手段とを有することを特徴とする。
【0014】
消耗品の構成を、インターネットを介して受信した情報のみではなく、回収後の消耗品を構成するパーツなどの情報も考慮して解析するため、よりユーザの使用状況に適した消耗品を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、従来ではユーザごとに最適な消耗品を提供しようと思っても以下の4つの理由により、ユーザ全てが、それぞれの使用状況や環境にあった最適な消費品を選択できるとは限らなかった。
【0016】
(1)ユーザは必ずしも自分が使用している状況を正確に把握している訳ではない。
【0017】
(2)使用状況を把握していたとしても、使用方法に適した消耗品をユーザ自身が的確に選択するのは非常に困難である。
【0018】
(3)メーカ側もユーザの使用方法や環境を個別に把握しているわけではないため、必ずしも最適な消耗品を提供できない。
【0019】
(4)ユーザの使用環境や使用形態は、常に同一ではないため、短期間では最適なユーザの使用環境や使用形態を十分には把握しきれない場合がある。
【0020】
本発明によれば、消耗品の、回収した後に検査した検査情報とインターネットを介して受信した稼動情報とを用いて消耗品を解析することで、ユーザに負荷をかけることなく且つ効率的に該当する出力装置に対する最適な消耗品を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1の実施例)
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
[ネットワーク構成]
図1は本発明の実施の形態に係るプリンタ103が接続されたネットワークの構成を示している。
【0023】
同図において、100はネットワークであり、下層プロトコルは10BASE−T規格のイーサネット(登録商標)、TCP/IPプロトコルのLAN(ネットワーク)である。該ネットワーク100はマネージャ(ネットワーク監視端末)やエージェント(ホスト、プリンタ、ゲートウェイ、或いはターミナルサーバなどの管理ネットワークデバイス内のコンポーネント)などが接続されている。上記ネットワーク端末は、RFC821で既定されたSMTPプロトコルにより、RFC822で既定された仕様のメールヘッダが付加された電子メールをやり取りする事が出来る。
【0024】
また、ネットワークマネージャ及びエージェント(ホスト、プリンタ)が無線通信で接続されているような構成も本発明では想定され、その場合には、例えば2.4GHz帯を使用する無線通信方式として最近注目されているものとしてBluetooth(登録商標)等が考えられる。また、情報処理装置であるエージェントPCは不図示のコンピュータを含めてn台接続されている形態も本発明では想定される。
【0025】
101はパーソナルコンピュータ(エージェントPC)であり、ネットワークケーブルによりネットワーク100に接続され、アプリケーションプログラムなどの各種のプログラムを実行可能であり、印刷データ(PDL:PageDescriptionLanguage)をプリンタに対応したプリンタ言語に変換する機能を有するプリンタドライバーを搭載している。尚、プリンタドライバーは複数のプリンタ言語に対応するものも想定されるものとする。
【0026】
102はマネージャでありネットワークケーブルによってネットワーク100に接続され、ネットワークで使用されるファイルを蓄積したり、ネットワークの使用状態(稼動情報)を監視したりする。本実施例のマネージャは、ネットワーク上のプリンタ(エージェントプリンタ)103のIP情報やバッファに受信したジョブの情報をエージェントPCに通知したりするサーバ機能を備えている。
【0027】
103はネットワーク上の画像記録装置であるエージェントプリンタであり、ネットワークインターフェイスを介してネットワーク100と接続されている。
【0028】
以上のようにマネージャ、エージェントPC,エージェントプリンタにより役割を分担する事により、コンピュータやプリンタの有効利用、ネットワークの負担の軽減が図られている。
【0029】
また、エージェントPCとエージェントプリンタの別の接続構成として図2に示すような、RS−232C、USB等の所定の通信ケーブル203を介して接続されている形態も本発明では想定される。なお、エージェントPC及びエージェントプリンタの機能に関しては上に説明したものと同様とするので、ここでは詳しい説明は省略する。
【0030】
[情報処理装置概要]
図3は一般的な情報処理装置の概略構成を示すブロック図であり、図1のエージェントPC102、図2のエージェントPC201、マネージャ102(ネットワーク管理単端末)などがこれに該当する。
【0031】
302は情報処理装置の制御手段であるCPUであり、外部記憶装置306、或いは、メモリ303(ROM)に格納されているアプリケーションプログラム、プリンタドライバプログラム、OSやネットワークプリンタ制御プログラムなどを実行し、メモリ手段303のRAMにプログラムの実行に必要な情報、ファイルなどを一時的に格納する制御を行う。該RAMは一時記憶手段でありCPU302の主メモリ、ワークエリアなどとして機能する。またメモリ手段303のROMには基本I/Oプログラムなどのプログラム、文書処理の際に使用するフォントデータ、テンプレート用データなどの各種データを記憶する。
【0032】
307は指示入力手段であるキーボード、マウス等のポインティングデバイスであり、例えば、ユーザがエージェントPC101に対してデバイスの制御コマンドの命令などを入力指示する手段である。
【0033】
307は表示手段であるCRT、液晶ディスプレイ等を含むものとする。入力部307から入力されたコマンドやインターフェース304を介して受信したプリンタの状態情報などを表示したりする手段である。また、表示手段308の表示は先に説明したCPU302による制御によって実現されるものとする。
【0034】
309はシステムバスであり、情報処理装置内のデータの流れを司る手段である。
【0035】
304は外部装置とのデータの送受信を行うにあたっての入出力手段であるインターフェースであり、本実施例におけるインターフェースであるネットワークボードを介して情報処理装置は外部装置とのデータのやり取りを行う。例えば、ネットワークボード上にエージェントを実装することによりエージェントPCをネットワークソフトウェアによる管理の対象とする。また、インターフェース304はネットワークボードに限定されるものではなく、一般的な入出力インターフェースを含むものとする。
【0036】
[エージェントプリンタ概要]
図4は本実施例における出力装置の一例としての記録装置であるエージェントプリンタの概要構成を示すブロック図である。該エージェントプリンタは、インクジェット式のプリンタ、電子写真方式の電子写真プリンタ、複写機等の画像形成装置を指すものである。
【0037】
406は制御手段であるCPUであり記録装置全体を制御する。407はメモリ手段であるROM/RAMでありCPU406を制御する制御プログラムや定数データ、該プリンターからの情報を送信する送信先電子メールアドレス情報、送信するプリンタ情報内容を一時記憶するバッファを含んでいる。ここで、ROMとしては不揮発性記憶手段を指すものであり、EEPROM(ElectricallyErasableProgrammableRead−OnlyMemory)、FlashMemory等の記憶手段もが本発明では想定される。
【0038】
408は表示部でありメモリ手段407に一時記憶されているデータや、操作状況などを表示する表示パネルである。また、エージェントプリンタの動作モードやその他各種設定値を入力するための入力機能も備えている。また、先に説明したCPU302によって、該表示部408の制御が行われるものとする。
【0039】
402はプリンタ印字部であり、メモリ手段に記憶されているプログラムに基いてCPU406で生成したビットマップデータを印字出力する。ここで印字とはグラフィック画像の印刷なども含むものとする。(印字の詳細は後述する)
404は入出力インターフェースであり、該インターフェイスを介して外部装置とのデータの送受信を行うものであり、外部装置としては図1に示されるマネージャ102、エージェントプリンタPC101、図示はされていないが後述にて説明する情報処理装置、図2のエージェントPC201等が該当する。
【0040】
通信部403は外部装置との情報の送受信処理を行うためのものであり、例えば、TCP/IPプロトコル上でSMTPプロトコルに基づいた電子メールの送受信を実行する機能を有する。この通信部403によって、エージェントプリンタはエージェントPC、或いは、後述にて説明する情報処理装置との情報の送受信を実行する。
【0041】
405は通信回線であり該通信回線を介してエージェントプリンタと外部装置との通信が可能となる。また、該通信回線は有線、無線を問わない。
【0042】
[エージェントプリンタの印字の概要]
次に図4で示したエージェントプリンタの本実施例における印字方法を、図5、6を用いて説明する。
【0043】
図5で示すように出力装置の消耗品であるプロセスカートリッジCは、潜像担持体である感光体1と、感光体を均一に帯電するための帯電手段7と、感光体1に非接触で対向配置された現像手段としての現像ローラ2及びトナー規制部材5と連結しているトナーTの収納部であるトナー容器4と、クリーニング手段8と、クリーニング手段8により感光体1から除去された廃トナーを収容する廃トナー容器9などの各々の役割をもった複数のパーツから構成されている。
【0044】
次に、この消耗品すなわちプロセスカートリッジCが内蔵される出力装置である画像形成装置14には、図6に示すようにプロセスカートリッジCの上方に、画像情報に対応してレーザー光10を照射するレーザースキャナー11が、また下方には感光体1に対向する転写手段12が配設されている。上記構成において、感光体1が帯電手段7によって均一に帯電され、その表面をレーザースキャナー11から照射されるレーザー光10によって走査露光なされ目的の画像情報の静電潜像が形成される。静電潜像は、現像ローラ2に印加される現像バイアスなどの作用によって、トナー容器4内のトナーTが付着されてトナー像として可視化される。
【0045】
感光体1と現像ローラ2の間が、所定の距離(300μm)が保たれるように距離保持部材が設けられている。現像バイアスは、ACとDCを重畳している。なお、本実施例においては、絶縁性磁性1成分トナーを用いた。感光体1上の画像は、転写手段12で記録紙へ転写される。記録紙は、定着手段13を通って記録紙上に画像を定着させ、本体外部へ排出される。
【0046】
[稼動情報の送信処理手順]
次に図7を用いて稼動情報の送信手順について説明する。なお、該フローチャートの各ステップにおける処理は、図4に示されるCPU406がメモリ407に記憶されたプログラムコードに基づく処理を実行することによって実現されるものとする。
【0047】
稼動情報は、所定のタイミングで所定の手段を用いて情報処理装置に送信する。
【0048】
所定のタイミングとしては、
所定の印字枚数や動作時間の場合や、出力装置または消耗品が有している検知センサが変化を示したときなどが考えられ、求める精度や目的などによって最適な方法を設定する必要がある。
【0049】
また、稼動情報の記憶方法によって、稼動時間とともにメモリに記憶する容量が極端に増えていく場合などがある。その場合には、メモリに記憶された情報の容量が所定値を超えたときに送信するという方法もある。
【0050】
所定の手段としては、
電子メールを用いる方法、FTPを用いて指定されたIP-addressに直接ファイルを転送する方法、WEB上でURLを指定して送信する方法などがあるが、送信の手段は特別に限定されるものではない。
【0051】
本実施例では、消耗品が有している現像剤の残量検知センサ若しくは温度・湿度センサが変化するタイミングで、電子メールを用いて稼動情報を情報処理装置へ送信する方法を用いている。
【0052】
以下に図7のシーケンスを用いてその詳細を記す。
【0053】
電源がonになると(S701)電源onの時間を記憶し(S702)印字待機及び温度・湿度確認モードに入る(S703)。
【0054】
S704において、特に変化がない場合には、そのままS703に戻る。
【0055】
S704において、温度・湿度信号が変化した際には、その時間及び温度・湿度のレベル(詳細は後述)を記憶し(S705)S703に戻る。
【0056】
S704において、印字信号がonになった場合には稼動情報を入手し(本実施例の場合、印字中に入手する情報は現像剤残量のみ)(S706)印字が終了となる(S707)。
【0057】
印字終了後に印字枚数、印字率、駆動時間の情報を入手し(S708)、記憶をおこなう(S709)。
【0058】
S710において、現像剤残量検知センサの値が変化していなかった場合、S703に戻る。
【0059】
S710において、現像剤残量検知センサの値が変化していた場合、現像剤残量の検出値を記憶し(S711)、送信メールアドレスを読み込み(S712)、記憶情報を読み出して(S713)その内容を元にメールの本文を作成し(S714)メールを送信(S715)したのちS703に戻る。
【0060】
なお、図示していないが、本実施例では、電源がoffになる際の時間情報も記憶している。
【0061】
本実施例における出力装置の稼動情報は、印字枚数(連続印字、間欠印字)、印字率、駆動時間、使用頻度、電源on/off時間、使用環境(温度・湿度)、現像剤残量値を用いている。これらの値の記憶方法やタイミング、また消耗品を構成するどのパーツの選択に主に影響を与えるかなどについて詳細を記す。
【0062】
印字枚数:
《記憶方法、タイミング》
1枚前の印字と現在の印字との間に駆動が停止しなかった場合(連続印字)と停止した場合(間欠印字)とに分けてカウントし、印字終了後に過去のデータに積算して保存する。
【0063】
《関与度の高い消耗品を構成するパーツ、理由》感光体、現像剤量
間欠印字の場合、印字の前後に準備やリセットの為の駆動時間が長く必要となるため、連続印字と間欠印字の場合では、同じ印字枚数でも駆動時間が大きく異なる。それに伴って、感光体の消耗度にも大きく影響を与えるため、それぞれ別にカウントする必要がある。これらの値を用いてユーザの使用状況を把握することで、最適な感光体を選択することが可能となる。また、現像剤の消費と感光体の消耗が同程度に進み、ほぼ同じタイミングで使用不可能になることがエコロジーの観点でも望ましいため、現像剤の量設定にも寄与する。
【0064】
印字率:
《記憶方法、タイミング》
レーザースキャナーで感光体を照射して潜像を形成する際に、印字領域内での照射時間と非照射時間とを分けてカウントし、印字終了後に過去のデータに積算して保存する。
【0065】
《関与度の高い消耗品を構成するパーツ、理由》現像剤量、感光体
印字率が異なると現像剤の使用量が異なる。上記最適な感光体との組み合わせになるが、使用状況に応じて最適な現像剤量を選択することが可能となる。
【0066】
駆動時間:
《記憶方法、タイミング》
印字終了後もしくは電源ON後の待機時など駆動終了後のタイミングで過去のデータに積算して保存する。
【0067】
《関与度の高い消耗品を構成するパーツ、理由》感光体、駆動により磨耗・変形するパーツ
印字枚数の項目で記したように、消耗品は印字している時だけではなく、印字の前後に準備やリセットの為の駆動時間が長く必要となる。この時間は感光体だけではなく駆動により磨耗・変形する部材すべてに影響を与える。但し、材料の特性により、駆動時間だけではなく、駆動時の温度や湿度も磨耗度に大きく影響を与えることもある。
【0068】
使用頻度:
《記憶方法、タイミング》
印字終了後のタイミングに現在の日時や使用開始からの時間などの情報と、現在使用している消耗品での積算枚数や現像剤の使用量を送り、時間情報は更新し、使用情報は過去のデータに積算して保存する。
【0069】
《関与度の高い消耗品を構成するパーツ、理由》現像剤量、感光体
消耗品を構成するパーツはどれも年月の経過とともに状況および性能が変化していくため、保障期間が設定されている。この中でも特にゴム類、現像剤、感光体は特に年月の変化に対する変化が激しい。
【0070】
そのためユーザ毎の使用頻度に応じた適切な寿命の消耗品を提供することが可能となる。
【0071】
電源on/off時間:
《記憶方法、タイミング》
消耗品の使用開始時間、電源off時間、電源on時間を逐次送信する。
【0072】
《関与度の高い消耗品を構成するパーツ、理由》現像剤種類、変形しやすいパーツ
現像剤の消耗度合いは温度湿度の影響を大きく受ける。また同じ状態で長期間放置するとパーツの一部が変形するなどして性能を低下させてしまうことがある。出力装置の電源がonの時には、温度湿度をコントロールする装置が作動したり、出力信号が無くても定期的に少し駆動させたりすることができるが、電源がoffだとそのような策が使用できないため、電源offで放置することが多いユーザには、耐久性の特に高いパーツを用意する必要がある。
【0073】
使用環境(温度・湿度):
《記憶方法、タイミング》
温度を4段階(〜15℃未満、15℃以上〜25℃未満、25℃以上〜35℃未満、35℃以上〜)湿度を4段階(〜10%未満、10%以上〜45%未満、45%以上〜80%未満、80%以上〜)に分け、その段階を超えて変化したときに情報を送信し、各レベルの時間を積算している。
【0074】
《関与度の高い消耗品を構成するパーツ、理由》現像剤種類、環境依存度の高いパーツ
現像剤の消耗度合いは温度湿度の影響を大きく受ける。また現像剤以外にも多くのパーツが温度湿度の影響を強く受ける。ユーザの使用環境に応じた現像剤や他のパーツを選択する必要がある。
【0075】
現像剤残量値:
《記憶方法、タイミング》
現像剤残量の検出値が変化した時に情報を送信する。
【0076】
ちなみに本実施例では現像ローラ近傍に電極を設け、該電極と現像ローラ間の静電容量を用いて現像剤残量を測定しており、この値を元に消耗品を使い切る日時を推測したりする。
【0077】
このシーケンスでは、基本的に、出力装置内に設けられたCPUが原稿の印字を受信し一連の動作が終了する度に前記メモリ手段(不揮発性のROM)407に記憶している前記稼動情報を更新することになる。
【0078】
また、該送信先メールアドレスは記録装置内に設けられた不揮発性記憶手段である例えば前記メモリ手段(ROM)407から取得される。また、稼動情報についても記録装置に設けられた不揮発性記憶手段である例えば前記メモリ手段(ROM)407から取得される。
【0079】
また、記録装置本体ではなく、該記憶装置と通信可能にされたエージェントPC等の情報処理装置に稼動情報を記憶させておくような形態も本発明では想定される。
【0080】
<メール本文の作成>
次に、S712からS715で示したメール本文の作成などに関して詳細を説明する。
【0081】
本実施例ではメールの雛型は既にメモリ手段(ROM)407に記憶されており雛型に必要な情報のみ追記する形式でメール本文は作られるものとして説明する。また、メールの本文の雛型から装置本体で作成するような形態も本発明では想定される。
【0082】
ここで、作成されるメール本文の一例を図8に記す。同図において、電子メールの本文部分の付帯情報としてのヘッダ部には、各情報がCPU406によって埋め込まれており、「From」フィールドに記録装置、或いは、エージェントPCに応じたのメールアドレス「xxx@yyy.co.jp」が埋め込まれ、「To」フィールドに図7のS712にて読み込まれた送信先メールアドレス「zzz@−−−.co.jp」が埋め込まれている。本文部にも既に各フィールドの雛型が埋め込まれており、最上段のフィールドには出力装置のID番号、連続印字枚数○○枚、間欠印字枚数○○枚などのフィールドが埋め込まれている。上記「○○」の個所に前記メモリ手段(不揮発性ROM)407から取得した情報が埋め込まれメール本文が生成される。
【0083】
送信メールアドレス先とは、図1には図示されていないが、記録装置の外部にインターネット等の所定の通信回線を介して接続され通信可能とされた情報処理装置であり、該情報処理装置では後述にて説明を行う製品情報やメンテナンス情報等のサービス情報をユーザに提供する機能を持っている。具体的には、情報処理装置は図1のマネージャ102を介してインターネット等の所定の通信回線を更に介して外部に通信可能に設けられたサーバであり、基本的な構成は図2に示されたものと同様のものとする。
【0084】
[消耗品の検査情報の送信処理手順]
次に図9を用いて、検査情報の送信処理手段について説明する。
【0085】
まず消耗品であるプロセスカートリッジの使用終了後に工場へと送付してもらう。
【0086】
工場では後述する検査を行い、その検査情報を出力装置のID番号と共に情報処理装置に送信する。
【0087】
<回収時に調査する項目および調査方法>
潜像坦持体の調査(削れ量、付着物、傷の有無や形状)
『表面の削れ量』:現在の表層の厚みを測定し、新品時からの削れ量の差を調査情報として用いる。(新品時の厚みは、全数は測定していないため、同一製造日、同一ロットの厚みを代表して用いている)
『表面の付着物及び傷』:基本的に目視で観察し、発生場所や形状・量などを調査情報として用いる。付着物の量や傷に関しては、レベルを4段階に分け(レベル1:全く無し、レベル2:若干有る、レベル3:多数有る、レベル4:劣悪レベル)そのレベルも調査情報として用いる。
【0088】
(トナー以外の付着物が存在する場合には、電子顕微鏡での拡大撮影や成分分析結果なども調査情報として用いることもあり、その情報は特記事項として調査情報に記憶する)
クリーニング部材の調査(ゴム部の硬度・永久変形・傷の有無や形状、汚れ、異常発生履歴)
『ゴム部の硬度』:現在値と新品からの変化値を調査情報として用いる。
【0089】
(新品時の硬度は、全数は測定していないため、同一製造日、同一ロットの厚みを代表して用いている)
『ゴム部の傷の有無や汚れ』:基本的に目視で観察し、発生場所や形状・量などを調査情報として用いる。
【0090】
傷や汚れに関しては、レベルを4段階に分け(レベル1:全く無し、レベル2:若干有る、レベル3:多数有る、レベル4:劣悪レベル)そのレベルも調査情報として用いる。
【0091】
(トナー以外の付着物が存在する場合には、電子顕微鏡での拡大撮影や成分分析結果なども調査情報として用いることもあり、その情報は特記事項として調査情報に記憶する)
『異常発生履歴』:クリーニング部材として弾性部材を潜像坦持体に当接する構成の場合、弾性部材が潜像坦持体の回転力によって、想定外に変形をしてしまい本来の機能を全く果たせなくなってしまう事があるが、その異常な状態が発生したかどうかを目視で確認し調査情報として用いている。
【0092】
廃トナー容器内の調査(廃トナー量、紙紛の種類、トナーの状態)
『廃トナー量』:廃トナー容器内のトナーの重量を測定し、調査結果として用いる。
【0093】
『紙紛の種類、トナーの状態』:廃トナー容器内のトナーや紙紛を取り出し、電子顕微鏡での拡大してトナーの状況を確認、紙紛の成分を分析し、調査結果として用いる。(特記事項として記憶する)
帯電部材の調査(汚れ、帯電能力、硬度)
『帯電部材の汚れ、帯電能力』:基本的に目視で観察し、発生場所や形状・量などを調査情報として用いる。(汚れがひどい場合には、その汚れ量で、どの程度の帯電能力があったのか潜像坦持体を実際に帯電させて見ることで確認し調査情報として用いる。)
汚れに関しては、レベルを4段階に分け(レベル1:全く無し、レベル2:若干有る、レベル3:多数有る、レベル4:劣悪レベル)そのレベルも調査情報として用いる。
【0094】
『硬度』:現在値と新品からの変化値を調査情報として用いる。
【0095】
(新品時の硬度は、全数は測定していないため、同一製造日、同一ロットの厚みを代表して用いている)
現像剤坦持体の調査(表面状態、硬度)
『現像剤坦持体の表面状態』:表面の粗さ(凹凸状態)を表すRa、Rzの、現在値と新品からの変化値を調査情報として用いる。また、表面に付着したトナー等は、付着した場所や量について目視で確認し、調査情報として用いる。
【0096】
付着に関しては、レベルを4段階に分け(レベル1:全く無し、レベル2:若干有る、レベル3:多数有る、レベル4:劣悪レベル)そのレベルも調査情報として用いる。
【0097】
現像剤坦持体と潜像坦持体間の距離を保持する部材の調査(トナー付着、形状)
『保持部材のトナー付着、形状』:基本的に目視で観察し、発生場所や量、どの程度変形したかなどを調査情報として用いる。(汚れや形状変化がひどい場合には、それによって、どの程度現像剤坦持体と潜像坦持体との距離が変化するかを測定し、調査情報として用いる。)
付着に関しては、レベルを4段階に分け(レベル1:全く無し、レベル2:若干有る、レベル3:多数有る、レベル4:劣悪レベル)そのレベルも調査情報として用いる。
【0098】
現像剤規制部材の調査(ゴム部の硬度、永久変形、傷の有無や汚れ)
『ゴム部の硬度』:現在値と新品からの変化値を調査情報として用いる。
【0099】
(新品時の硬度は、全数は測定していないため、同一製造日、同一ロットの厚みを代表して用いている)
『ゴム部の永久変形』:弾性部がどこにも接触しない状態にして、その際の形状の変化を調査情報として用いる。
【0100】
『ゴム部の傷の有無や汚れ』:基本的に目視で観察し、発生場所や形状・量などを調査情報として用いる。
【0101】
傷や汚れに関しては、レベルを4段階に分け(レベル1:全く無し、レベル2:若干有る、レベル3:多数有る、レベル4:劣悪レベル)そのレベルも調査情報として用いる。
【0102】
容器やギア部の調査(ゆがみ、汚れ、削れ)
『容器のゆがみ』:理想的な形状に対して、どの程度変形しているかを上下、左右、前後の三箇所を測定しその値を調査情報として用いる。
【0103】
『ギア部の削れ』:顕微鏡で拡大し、削れ具合を目視で確認し調査情報として用いる。
【0104】
削れ具合に関しては、レベルを4段階に分け(レベル1:良好、レベル2:少し削れている、レベル3:削れ多い、レベル4:劣悪レベル)そのレベルも調査情報として用いる。
【0105】
現像剤の調査(劣化度合い、残量)
『現像剤の劣化度合い』:電子顕微鏡で観察し、形状や混ざり具合のレベルを調査情報として用いる。
【0106】
劣化度合いに関しては、レベルを4段階に分け(レベル1:良好、レベル2:若干劣化、レベル3:劣化、レベル4:劣悪レベル)そのレベルも調査情報として用いる。
【0107】
『現像剤の残量』:容器内に残留した量を測定し調査情報として用いる。
【0108】
[取得情報の集計]
次に、図1のマネージャを介して送信されてきた稼動情報、或いは、エージェントPCから送信されてきた稼動情報、或いは、エージェントプリンタから送信されてきた稼動情報に応じてなされる処理について説明する。
【0109】
ここで、情報処理装置においては、図8に示した送り先アドレス「zzz@−−−.co.jp」に転送された各プリンタからの送信情報を、送り元ID番号に(即ちプリンタ毎に)集計して記憶部に記憶する。
【0110】
上記送り元アドレスから転送されてきたデータは上に説明した既定フォーマットのデータである。本文中の既知のフィールドのデータを夫々集計する事によって既知期間内の既知データをユーザ毎に集計することが可能となる。
【0111】
また、消耗品であるプロセスカートリッジは、出力装置に内蔵して稼動した段階で、出力装置の認識番号であるID番号が記憶手段に記憶される。
【0112】
その後、プロセスカートリッジの使用が終了し、回収された後に上記の調査を行い、その調査結果を、記憶手段に記憶されたID番号と対応させて情報処理装置に送信する。
【0113】
情報処理装置内では、上記ID番号を用いて、インターネットを介して受信した稼動情報との連携をとる。
【0114】
[稼動情報と調査情報を用いた最適消耗品の解析方法]
上記の通り集計された情報に基づいて、各個別ユーザに各々最適な商品情報の解析および提供が情報処理装置によって行われる。
【0115】
本実施例では、図10に示す対応表を用いて消耗品を構成する最適なパーツ及び現像剤であるトナーの解析をしている。
【0116】
図10は、縦軸に示すパラメータの稼動情報および検査情報より最適なパーツ及び現像剤(横軸)を解析することを表している。△、○、◎はそれぞれのパラメータの寄与度を表し、重み付けをしている。
【0117】
例えば潜像坦持体であれば、削れに強いがコストが高い材料、削れコストとバランスの良い材料、コストが安いが削れに弱い材料を用意しており、ユーザの使用方法に応じて用いる材料を選択している。
【0118】
また、クリーニング部材のように、同一の材料でも形状を変更することで機能が大きく変化する事項に関しては、形状を変更出来る準備をしておき、ユーザの使用方法に応じて用いる形状を選択している。
【0119】
以上、インターネットを用いて送受信した稼働情報と消耗品の現物を回収して検査して分かった検査情報の2つを用いて最適消耗品を解析する方法について説明をした、
この方法は、必ずしもインターネットを用いなくても、例えば消耗品に設けられた記憶手段に、同様の稼働情報が記憶し、現物消耗品の回収時に検査情報とあわせて稼働情報を入手すれば同じ効果が得られる。
【0120】
インターネットを用いると情報を即座に入手できるが、network回線のトラブルや情報に漏れがあった場合、使い切る直前の情報が送受信できない可能性がある。
【0121】
一方消耗品に設けた記憶手段に稼働情報を記憶する場合は、消耗品を回収するまで情報が得られないため最新の稼働情報を、次の消耗品解析に活かすことが出来ない(消耗品を使い切った直後、回収する前に次の消耗品を使うため)が、使用終了直前の稼働情報まで確実に入手することが可能となる。
【0122】
それらの特性を状況に応じて使い分け
回収して調査した調査情報と、インターネットを用いて入手した稼働情報を用いる場合
回収して調査した調査情報と、記憶手段から入手した稼働情報を用いる場合
回収して調査した調査情報と、インターネット及び記憶手段を用いて入手した稼働情報を用いる場合
のパターンを状況によって使い分ける必要がある。
【0123】
上に説明したような各対応表を情報処理装置に記憶させておくことにより、出力装置の稼動情報に応じた製品情報をユーザに効率よく提供することができる。本発明における対応表は図9、10にて説明したものに限定されるものではなく、様々な製品情報、支援情報を提供するための対応表が想定される。
【0124】
(第2の実施例)
本実施例は、蓄積された過去の稼動情報と調査情報、最新の稼動情報と調査情報とを統合して最適な消耗品の解析をする点が特徴である。
【0125】
基本的な構成は実施例1と同様であり、情報を蓄積する部分のみが異なる。
【0126】
図11を用いて情報の蓄積方法について説明する。
【0127】
<情報の蓄積方法>
図11は、実施例1で説明した各パラメータをどのように蓄積していくかを示している。
【0128】
平均値:過去の情報の平均値を蓄積している。
【0129】
(消耗品の新品から寿命までを1cycleとした場合の、1cycle辺りの平均値)
これによって、過去の稼動状況の平均が算出される。
【0130】
合計値:過去の情報の合計値を蓄積している。
【0131】
これによって、該当する出力装置の履歴が算出される。
【0132】
各レベルの発生回数:調査情報の中には、発生レベルで管理している情報があり、各レベルが何度発生しているのかを蓄積している。
【0133】
(例:付着レベル1→頻度2回、レベル2→頻度3回、レベル3→頻度1回、レベル4→頻度0回)
これによって、発生レベルの傾向を確認する事が出来る。
【0134】
特記事項:目視検査の結果、物性分析などの結果わかったことを蓄積している。
【0135】
<最適消耗品の解析方法と作用>
この蓄積情報を元に、実施例1と同様の方法で最適な消耗品を解析する。
【0136】
以上のように各パラメータを蓄積していくことによって、使用すれば使用するほどユーザの使用環境や使用状況を的確に判断することが可能となり、その結果としてより精度良く最適な消耗品を提供することが可能となる。
【0137】
なお、本実施例では蓄積情報は単に平均や合計時間などを算出しているが、過去の稼動情報、検査情報に対して、現在に近い情報に、より重みを付けたり、付着レベルなどの頻度に関しては問題となるレベルが一度でも発生した場合には、そのパラメータに重点をおくなど、方法はひとつとは限らない。
【0138】
(第3の実施例)
本実施例は、最新の解析結果と、該当する出力装置で現在用いられている消耗品との差を解析し、その結果に応じて対応を行うという点が特徴である。
【0139】
図12のフローチャートを用いて詳細を説明する。
【0140】
・ 最適な消耗品の解析が終了した後(S1201)最適なパーツ組み合わせを情報処理装置に記憶する(S1202)
・ 対応する出力装置に、現在内蔵されている消耗品のパーツの組み合わせを情報処理装置から読み出し、比較する(S1203)
・ その結果、差異がなければそのまま終了する(S1212)
* 差異があり、出力装置のシーケンス変更で対応可能な場合は、ユーザに確認を取った後、インターネットを用いて出力装置のシーケンスを変更する。(S1207)
(その時の情報は、情報処理装置に記憶する)(シーケンス変更の詳細は後述)
* 出力装置のシーケンス変更では対応できないが、ユーザの使い方で対応が可能な場合は、ユーザに使用方法の変更を、インターネットを用いて依頼し(S1210)終了(S1212)
(使用方法変更の詳細は後述)
* ユーザの使い方変更でも対応が出来ないが、大きな問題が発生しない場合は、動作は特に起こさずに終了する* 大きな問題が発生する場合には、ユーザにその旨を伝え、早急に最適消耗品を送付する(S1211)
(ユーザへの伝え方の詳細は後述)
<シーケンス変更で対応可能かの判断方法および対応方法>
本実施例では、以下の方法でシーケンス変更での対応が可能か判断する。
【0141】
転写効率が悪い時:
転写のバイアスを変更し無駄なく転写出来るようにする。
【0142】
(転写効率は、実際のトナー残量から想定されるトナー使用量と廃トナー容器内に存在する実際の廃トナー量との比から下記の式を用いて算出し、本実施例では上記転写効率が70%を下回る場合には転写バイアスを強く印加している)
(転写効率)=100−(廃トナー量)/(トナー使用量)×100
(トナー使用量)=(初期状態のトナー量)−(トナー残量)
スリーブとドラム間の距離保持部材の変形が激しい時:
駆動時間に伴って距離が離れていくのを補完するために現像バイアスを変更して現像性を高める。
【0143】
(本実施例では保持部材の変形によって潜像坦持体と、現像剤坦持体の距離が、10%以上変化した場合には現像バイアスを強く印加している)
帯電部材の汚れが激しく、帯電能力が弱い時:
駆動時間に伴って汚れが増し帯電能力が弱まっていくのを補完するために帯電バイアスを変更して帯電性能を高める。
【0144】
(本実施例では帯電能力が、10%以上変化した場合には帯電バイアスを強く印加している)
<ユーザの使用方法変更で対応可能かの判断方法および対応方法>
ドラム上の融着状態が悪く、融着が発生しやすい紙粉の成分が検出された場合:
所定の転写紙の使用を控えてもらうための連絡を、インターネットを介して行う。
【0145】
チリや埃が大量に検出された場合:
出力装置の使用場所を変えるか、近傍のクリーン度を上げてもらうための連絡を、インターネットを介して行う。
【0146】
現像剤の劣化が激しい場合:
機内温度が上がり過ぎないように連続して200枚以上の印刷を控えて欲しい旨の連絡を、インターネットを介して行う。
【0147】
ギヤや容器類の変形が激しい場合:
所定の位置に消耗品が内蔵されているか、所定の位置に消耗品が内蔵されるのを防ぐような異物が出力装置内に無いか確認して欲しい旨の連絡を、インターネットを介して行う。
【0148】
<問題が発生するかどうか判断方法>
クリーニングブレードが異常を起こし、性能を発揮できなくなっている時:
インターネットを介して、問題が発生する可能性がある旨を伝え、早急に対策消耗品を送付する。
【0149】
潜像坦持体上に激しい融着が発生している時:
インターネットを介して、問題が発生する可能性がある旨を伝え、早急に対策消耗品を送付する。
【0150】
ギア部の削れや汚れが激しい時:
インターネットを介して、問題が発生する可能性がある旨を伝え、早急に対策消耗品を送付する。
【0151】
なお、本実施例では、現在[対応する出力装置]に内蔵されている消耗品のパーツなどの情報は、情報処理装置内にある、解析時に蓄積した情報から受信しているが、インターネットを用い消耗品の記憶手段に記憶されている情報から受信しても良い。
【0152】
(第4の実施例)
本実施例は、解析された最適な消耗品が[対応する出力装置]に内蔵されなかったときに適切な対応を行うという点が特徴である。
【0153】
図13を用いて対応方法について説明する。
【0154】
[対応する出力装置に内蔵されたかどうかの判断方法]
実施例1で記したとおり、各々の出力装置に対して最適な構成が選択される点が特徴であるため、出力装置に内蔵された際に、[対応する出力装置]に内蔵されたかを正確に判断する必要がある。
【0155】
本実施例では、消耗品に[対応する出力装置]のID番号が記憶されており、消耗品が出力装置に内蔵した際に、出力装置は消耗品の記憶手段に有るID番号を確認し、その番号が異なる場合には、図13の様な警告を表示しユーザに知らせている。
【0156】
別の出力装置用に最適化された消耗品を使用することの弊害を防止するため、本実施例ではユーザの確認が得られるまで出力装置の動作を停止している。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】出力装置と情報処理装置がネットワークを介して接続される構成の一例。
【図2】出力装置と情報処理装置がケーブルを介して接続される構成の一例。
【図3】情報処理装置のブロック図の一例。
【図4】出力装置のブロック図の一例。
【図5】出力装置に内蔵される交換可能な消耗品の断面図。
【図6】図5で示す消耗品が内蔵された出力装置の断面図。
【図7】出力装置が外部装置に対して稼動情報を送信する際の処理の一形態を示すフローチャート。
【図8】出力装置が外部装置に対して稼動情報を送信する際のメールの一例。
【図9】消耗品を回収する部分から検査情報を情報処理装置に送信する形態を示すブロック図。
【図10】入手した稼動情報と検査情報から最適なパーツを選択するためのテーブルの一例
【図11】入手した稼動情報と検査情報をどのように蓄積していくかを示すテーブルの一例
【図12】解析終了後の処理の一形態を示すフローチャート。
【図13】別の出力装置用に最適化された消耗品を出力装置内に内蔵したときの表示の一例
【符号の説明】
【0158】
1 感光体
2 現像ローラ
7 帯電手段
T 現像剤(トナー)
100 ネットワーク
101 エージェントPC
102 マネージャ
103 エージェントプリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力信号に従って出力をおこなう出力装置と、該出力装置に内蔵した状態で出力が可能となる、交換可能な消耗品とを有し、
出力装置の稼動情報を、所定のタイミングでインターネットを介して接続された情報処理装置に送信する送信手段と、
該情報処理装置内に、出力装置の稼働情報を受信する受信手段と、
消耗品が、どの出力装置に内蔵されて稼動したかを識別する識別手段と、
該消耗品をユーザから回収した後に、消耗品を構成する複数のパーツ及び現像剤の状況を検査する検査手段と、
該消耗品の検査情報を情報処理装置に送信する送信手段と、
該情報処理装置内に、該消耗品の検査情報及び、識別手段によって識別された出力装置情報を受信する受信手段と、
消耗品の、回収した後に検査した検査情報とインターネットを介して受信した稼動情報とを用いて該当する出力装置に対する消耗品を解析する解析手段とを有する消耗品解析システム。
【請求項2】
請求項2に記載の消耗品解析システムにおいて、
消耗品は、書き込み/読み出し可能な記憶手段を有し、
該記憶手段には、少なくとも、どの出力装置に内蔵して稼動したかを識別する識別情報と、
そのときの稼動情報が記憶され、
消耗品の検査情報と、インターネットを介して受信した稼動情報と、書き込み/読み出し可能な記憶手段に記憶された稼動情報を用いて該当する出力装置に対する消耗品を解析する解析手段とを有する請求項1に記載の消耗品解析システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の消耗品解析システムにおいて、
該消耗品をユーザから回収した後に、消耗品を構成する複数のパーツ及び現像剤の状況を検査した消耗品の検査結果と、インターネットを介して情報処理装置内に受信した若しくは/更に書き込み/読み出し可能な記憶手段に記憶された稼動情報とを蓄積する蓄積手段とを有し、
現在及び過去の、消耗品の稼働情報および、検査結果に応じて消耗品を解析する請求項1または2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
出力信号に従って出力をおこなう出力装置と、該出力装置に内蔵した状態で出力が可能となる、交換可能な消耗品とを有し、
該消耗品は、書き込み/読み出し可能な記憶手段を有し、
記憶手段には、少なくとも、どの出力装置に内蔵して稼動したかを識別する識別情報と、
そのときの稼動情報が記憶され、
該消耗品をユーザから回収した後に、消耗品を構成する複数のパーツ及び現像剤の状況を検査した消耗品の検査結果と、書き込み/読み出し可能な記憶手段に記憶された稼動情報とをあわせて、
該当する出力装置に対する消耗品を解析する解析手段とを有する消耗品解析システム。
【請求項5】
請求項4に記載の消耗品解析システムにおいて、
該消耗品をユーザから回収した後に、消耗品を構成する複数のパーツ及び現像剤の状況を検査した消耗品の検査情報と、書き込み/読み出し可能な記憶手段に記憶された稼動情報を蓄積する蓄積手段とを有し、現在及び過去の、消耗品の稼働情報および、検査情報に応じて消耗品を解析する請求項4に記載の消耗品解析システム。
【請求項6】
請求項1から5に記載の消耗品解析システムにおいて、出力装置に対して解析された消耗品が、異なる出力装置に内蔵された場合には、その旨を告知する手段を有することを特徴とする請求項1から5に記載の消耗品解析システム。
【請求項7】
請求項1から5に記載の消耗品解析システムにおいて、解析された消耗品情報と、該当する出力装置で現在使用している消耗品情報及び/または消耗品の稼動情報とを比較した結果を元に、インターネットを介して出力装置の動作条件を変更することを特徴とする請求項1から5に記載の消耗品解析システム。
【請求項8】
請求項1から5に記載の消耗品解析システムにおいて、解析された消耗品情報と、該当する出力装置で現在使用している消耗品情報及び/または消耗品の稼動情報とを比較した結果を元にインターネットを介してユーザに所定の情報を提供する事を特徴とする請求項1から5に記載の消耗品解析システム。
【請求項9】
出力信号に従って出力をおこなう出力装置と、該出力装置に内蔵した状態で出力が可能となる、交換可能な消耗品とを有し、
出力装置の稼動情報を、所定のタイミングでインターネットを介して接続された情報処理装置に送信する送信手段と、
該情報処理装置内に、出力装置の稼働情報を受信する受信手段と、
消耗品が、どの出力装置に内蔵されて稼動したかを識別する識別手段と、
該消耗品をユーザから回収した後に、消耗品を構成する複数のパーツ及び現像剤の状況を検査する検査手段と、
該消耗品の検査情報を情報処理装置に送信する送信手段と、
該情報処理装置内に、該消耗品の検査情報及び、識別手段によって識別された出力装置情報を受信する受信手段と、
消耗品の、回収した後に検査した検査情報とインターネットを介して受信した稼動情報とを用いて該当する出力装置に対する消耗品を解析する解析手段とを有する機器製品管理方法。
【請求項10】
出力信号に従って出力をおこなう出力装置と、該出力装置に内蔵した状態で出力が可能となる、交換可能な消耗品とを有し、
該消耗品は、書き込み/読み出し可能な記憶手段を有し、
記憶手段には、少なくとも、どの出力装置に内蔵して稼動したかを識別する識別情報と、
そのときの稼動情報が記憶され、
該消耗品をユーザから回収した後に、消耗品を構成する複数のパーツ及び現像剤の状況を検査した消耗品の検査結果と、書き込み/読み出し可能な記憶手段に記憶された稼動情報とをあわせて、
該当する出力装置に対する消耗品を解析する解析手段とを有する機器製品管理方法。
【請求項11】
出力信号に従って出力をおこなう出力装置と、該出力装置に内蔵した状態で出力が可能となる、交換可能な消耗品とを有し、
出力装置の稼動情報を、所定のタイミングでインターネットを介して接続された情報処理装置に送信する送信手段と、
該情報処理装置内に、出力装置の稼働情報を受信する受信手段と、
消耗品が、どの出力装置に内蔵されて稼動したかを識別する識別手段と、
該消耗品をユーザから回収した後に、消耗品を構成する複数のパーツ及び現像剤の状況を検査する検査手段と、
該消耗品の検査情報を情報処理装置に送信する送信手段と、
該情報処理装置内に、該消耗品の検査情報及び、識別手段によって識別された出力装置情報を受信する受信手段と、
消耗品の、回収した後に検査した検査情報とインターネットを介して受信した稼動情報とを用いて該当する出力装置に対する構成を解析されることを特徴とする交換可能な消耗品。
【請求項12】
出力信号に従って出力をおこなう出力装置と、該出力装置に内蔵した状態で出力が可能となる、交換可能な消耗品とを有し、
該消耗品は、書き込み/読み出し可能な記憶手段を有し、
記憶手段には、少なくとも、どの出力装置に内蔵して稼動したかを識別する識別情報と、
そのときの稼動情報が記憶され、
該消耗品をユーザから回収した後に、消耗品を構成する複数のパーツ及び現像剤の状況を検査した消耗品の検査結果と、書き込み/読み出し可能な記憶手段に記憶された稼動情報とをあわせて、
該当する出力装置に対する構成を解析されることを特徴とする交換可能な消耗品。
【請求項13】
請求項9および10に記載されたの機器製品管理方法を実行するためのプログラムコードをコンピュータが読み込み可能な形態で記憶した記憶媒体。
【請求項14】
請求項9および10に記載されたの機器製品管理方法を実現するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−76647(P2008−76647A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254589(P2006−254589)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】