説明

有機シリコーン微粒子、有機シリコーン微粒子の製造方法、高分子材料改質剤及び化粧品原料

【課題】
高分子材料改質剤や化粧品原料等として有用な、ポリシロキサン架橋構造体から成る新規の有機シリコーン微粒子を提供する。
【解決手段】
ポリシロキサン架橋構造体から成る有機シリコーン微粒子を、全体として円形リング形状を呈し、外径の平均値が0.05〜15μm、内径の平均値が0.01〜10μm、且つ外径の平均値と内径の平均値との差が0.04〜5μmの範囲内にあるものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な形状を有する有機シリコーン微粒子、該有機シリコーン微粒子の製造方法、該有機シリコーン微粒子から成る高分子材料改質剤及び化粧品原料に関する。高分子材料改質剤、化粧品原料、コーティング材、診断薬担体、塗料原料等として、ポリシロキサン架橋構造体から成る有機シリコーン微粒子が広く利用されている。本発明は、かかる有機シリコーン微粒子であって、粒子形状が全体として円形リング形状を呈する有機シリコーン微粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記のような有機シリコーン微粒子として、1)表面の滑らかな中実球状のもの(例えば特許文献1〜13参照)、2)表面に多数のくぼみを有する全体としては中実球状のもの(例えば特許文献14参照)、3)断面馬蹄形を呈するもの(例えば特許文献15参照)4)中空半球体形状を呈するもの(例えば特許文献16参照)、5)ラグビーボール形状を呈するもの(例えば特許文献17参照)等が知られている。これら従来の有機シリコーン微粒子は、それらが発現する潤滑性、非粘着性、吸油性、分散性、耐熱性、耐溶剤性、撥水性等により高分子材料改質剤や化粧品原料として注目されている。
【0003】
ところが、前記のような従来の有機シリコーン微粒子には、それらを高分子材料改質剤や化粧品原料として用いた場合に効果の発現が不充分という問題がある。例えば、従来の有機シリコーン微粒子を液晶ディスプレーの防眩フィルムの防眩剤として用いた場合、防眩性及び透過画像の鮮明性に劣るという問題があり、また従来の有機シリコーン微粒子を高分子フィルムのブロッキング防止剤として用いた場合、密着防止性や防滑性に劣るという問題があって、更に従来の有機シリコーン微粒子を皮膚外用の化粧品原料として用いた場合、密着性や滑りに劣るという問題がある。
【特許文献1】特開昭61−159427号公報
【特許文献2】特開昭61−159467号公報
【特許文献3】特開昭61−194009号公報
【特許文献4】特開昭63−15849号公報
【特許文献5】特開昭63−8461号公報
【特許文献6】特開昭63−77940号公報
【特許文献7】特開昭63−297313号公報
【特許文献8】特開昭63−312324号公報
【特許文献9】特開平1−144423号公報
【特許文献10】特開平2−209927号公報
【特許文献11】特開平4−337390号公報
【特許文献12】特開平6−279589号公報
【特許文献13】特開平6−49209号公報
【特許文献14】特開2000−191788号公報
【特許文献15】特開2000−191789号公報
【特許文献16】特開2003−128788号公報
【特許文献17】特開2003−171465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、それを高分子材料改質剤や化粧品原料として用いた場合にそこに求められる効果を充分に発現することができる有機シリコーン微粒子を提供する処にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、ポリシロキサン架橋構造体から成り、全体として円形リング形状を呈する特定の大きさの有機シリコーン微粒子が正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、ポリシロキサン架橋構造体から成る有機シリコーン微粒子であって、全体として円形リング形状を呈し、外径の平均値が0.05〜15μm、内径の平均値が0.01〜10μm、且つ外径の平均値と内径の平均値との差が0.04〜5μmの範囲内にあることを特徴とする有機シリコーン微粒子に係る。また本発明はかかる有機シリコーン微粒子の製造方法、該有機シリコーン微粒子から成る高分子材料改質剤及び化粧品原料に係る。
【0007】
先ず、本発明の有機シリコーン微粒子について説明する。本発明の有機シリコーン微粒子は、ポリシロキサン架橋構造体から成るものである。このポリシロキサン架橋構造体は、シロキサン単位が3次元の網目構造を形成した構造体である。本発明はポリシロキサン架橋構造体を構成するシロキサン単位の種類や割合を特に制限するものではないが、ポリシロキサン架橋構造体としては、下記の化1で示されるシロキサン単位、化2で示されるシロキサン単位、化3で示されるシロキサン単位、化4で示されるシロキサン単位、化5で示されるシロキサン単位及び化6で示されるシロキサン単位から構成されたものであって、且つ下記の条件1〜3を同時に満足するものが好ましい。
【0008】
【化1】

【0009】
【化2】

【0010】
【化3】

【0011】
【化4】

【0012】
【化5】



【0013】
【化6】

【0014】
化3〜化6において、
,R:非反応性炭化水素基
,R:下記の反応性基群から選ばれる反応性基を有する有機基
反応性基群:アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基及びメルカプト基
【0015】
条件1:化1で示されるシロキサン単位/(化2で示されるシロキサン単位+化3で示されるシロキサン単位+化4で示されるシロキサン単位+化5で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)=20/80〜50/50(モル比)の割合であること
【0016】
条件2:(化2で示されるシロキサン単位+化3で示されるシロキサン単位+化4で示されるシロキサン単位)/(化5で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)=50/50〜75/25(モル比)の割合であること
【0017】
条件3:(化3で示されるシロキサン単位+化5で示されるシロキサン単位)/(化4で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)=20/80〜60/40(モル比)の割合であること
【0018】
化1で示されるシロキサン単位は、無水ケイ酸単位である。また化2で示されるシロキサン単位は、ヒドロキシシロキサン単位である。
【0019】
化3で示されるシロキサン単位において、化3中のRは、非反応性炭化水素基である。かかる非反応性炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基等が挙げられるが、これらのうちではメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。化3で示されるシロキサン単位としては、メチルシロキサン単位、エチルシロキサン単位、プロピルシロキサン単位等が挙げられるが、メチルシロキサン単位が好ましい。
【0020】
化4で示されるシロキサン単位において、化4中のRは、特定の反応性基を有する有機基である。かかる特定の反応性基としては、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基、メルカプト基が挙げられる。かかる反応性基を有する有機基としては、1)2−アクリロキシエチル基、3−アクリロキシプロピル基等のアクリロキシ基を有する有機基、2)2−メタクリロキシエチル基、3−メタクリロキシプロピル基等のメタクリロキシ基を有する有機基、3)ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、2−メチルアリル基等のビニル基を有する有機基、4)メルカプトプロピル基、メルカプトエチル基等のメルカプト基を有する有機基が挙げられる。化4で示されるシロキサン単位としては、1)2−アクリロキシエチルシロキサン単位、3−アクリロキシプロピルシロキサン単位等のアクリロキシ基を有するシロキサン単位、2)2−メタクリロキシエチルシロキサン単位、3−メタクロキシプロピルシロキサン単位等のメタクリロキシ基を有するシロキサン単位、3)ビニルシロキサン単位、アリルシロキサン単位、イソプロペニルシロキサン単位等のビニル基を有するシロキサン単位、4)メルカプトプロピルシロキサン単位、メルカプトエチルシロキサン単位等のメルカプト基を有するシロキサン単位が挙げられるが、なかでもアクリロキシ基を有するシロキサン単位、メタクリロキシ基を有するシロキサン単位が好ましい。
【0021】
化5で示されるシロキサン単位において、化5中のRは、化3中のRについて前記したことと同じである。化5で示されるシロキサン単位としては、ヒドロキシ=メチルシロキサン単位、ヒドロキシ=エチルシロキサン単位、ヒドロキシ=プロピルシロキサン単位等が挙げられるが、ヒドロキシ=メチルシロキサン単位が好ましい。
【0022】
化6で示されるシロキサン単位において、化6中のRは、化4中のRについて前記したことと同じである。化6で示されるシロキサン単位としては、1)ヒドロキシ=2−アクリロキシエチルシロキサン単位、ヒドロキシ=3−アクリロキシプロピルシロキサン単位等のアクリロキシ基を有するヒドロキシシロキサン単位、2)ヒドロキシ=2−メタクリロキシエチルシロキサン単位、ヒドロキシ=3−メタクロキシプロピルシロキサン単位等のメタクリロキシ基を有するヒドロキシシロキサン単位、3)ヒドロキシ=ビニルシロキサン単位、ヒドロキシ=アリルシロキサン単位、ヒドロキシ=イソプロペニルシロキサン単位等のビニル基を有するヒドロキシシロキサン単位、4)ヒドロキシ=メルカプトプロピルシロキサン単位、ヒドロキシ=メルカプトエチルシロキサン単位等のメルカプト基を有するヒドロキシシロキサン単位が挙げられるが、なかでもアクリロキシ基を有するヒドロキシシロキサン単位、メタクリロキシ基を有するヒドロキシシロキサン単位が好ましい。
【0023】
ポリシロキサン架橋構造体を前記したシロキサン単位で構成する場合、各シロキサン単位の構成割合は前記した条件1〜3を同時に満足するようにする。条件1は、化1で示されるシロキサン単位/(化2で示されるシロキサン単位+化3で示されるシロキサン単位+化4で示されるシロキサン単位+化5で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)=20/80〜50/50(モル比)の割合であることであるが、25/75〜45/55(モル比)の割合であることが好ましい。また条件2は、(化2で示されるシロキサン単位+化3で示されるシロキサン単位+化4で示されるシロキサン単位)/(化5で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)=50/50〜75/25(モル比)の割合であることであるが、60/40〜70/30(モル比)の割合であることが好ましい。更に条件3は、(化3で示されるシロキサン単位+化5で示されるシロキサン単位)/(化4で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)=20/80〜60/40(モル比)の割合であることであるが、25/75〜45/55(モル比)の割合であることが好ましい。
【0024】
本発明の有機シリコーン微粒子は、以上説明したようなポリシロキサン架橋構造体から成るものであって、全体として円形リング形状を呈し、その外径の平均値が0.05〜15μm、内径の平均値が0.01〜10μm、且つ外径の平均値と内径の平均値との差が0.04〜5μmの範囲内にあるものであるが、外径の平均値が0.1〜8μm、内径の平均値が0.05〜6μm、且つ外径の平均値と内径の平均値との差が0.5〜3μmの範囲内にあるものが好ましい。本発明の有機シリコーン微粒子において、外径の平均値及び内径の平均値は共に、本発明の有機シリコーン微粒子を走査型電子顕微鏡に供し、その二次電子像から抽出した任意の100個について、外径及び内径をそれぞれ測定し、その平均を求めた値である。
【0025】
次に、本発明の有機シリコーン微粒子の製造方法について説明する。本発明の有機シリコーン微粒子の製造方法は、前記した本発明の有機シリコーン微粒子を製造する方法であって、下記の化7で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物、化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物及び化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物を、化7で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物/(化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物+化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物)=25/75〜60/40(モル比)の割合で用い、且つ化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物/化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物=20/80〜60/40(モル比)の割合で用いて、これらを触媒を存在させた条件下で水と接触させて加水分解することによりシラノール化合物を生成させ、引き続き該シラノール化合物を縮合反応させることによりポリシロキサン架橋構造体から成る有機シリコーン微粒子を生成させる方法である。
【0026】
【化7】

【0027】
【化8】

【0028】
【化9】

【0029】
化7〜化9において、
:非反応性炭化水素基
:下記の反応性基群から選ばれる反応性基を有する有機基
反応性基群:アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基及びメルカプト基
X,Y,Z:炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシエトキシ基、炭素数2〜4のアシロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基を有するN,N−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は水素原子
【0030】
化7で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物は、結果として化1で示されるシロキサン単位及び化2で示されるシロキサン単位を形成することとなる化合物である。化7中のXは、1)メトキシ基やエトキシ基等の、炭素数1〜4のアルコキシ基、2)メトキシエトキシ基やブトキシエトキシ基等の、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシエトキシ基、3)アセトキシ基やプロピオキシ基等の、炭素数2〜4のアシロキシ基、4)ジメチルアミノ基やジエチルアミノ基等の、炭素数1〜4のアルキル基を有するN,N−ジアルキルアミノ基、5)ヒドロキシル基、6)塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子、又は7)水素原子である。
【0031】
化7で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシエトキシシラン、トリブトキシエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラ(ジメチルアミノ)シラン、テトラ(ジエチルアミノ)シラン、シランテトラオール、クロルシラントリオール、ジクロルジシラノール、テトラクロルシラン、クロルトリハイドロジェンシラン等が挙げられるが、なかでもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラプロピオキシシランが好ましい。
【0032】
化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物は、結果として化3で示されるシロキサン単位及び化5で示されるシロキサン単位を形成することとなる化合物である。化8中のRは、化3中のRについて前記したことと同様であり、また化8中のYは、化7中のXについて前記したことと同様である。
【0033】
化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロピオキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリ(ジメチルアミノ)シラン、メチルトリ(ジエチルアミノ)シラン、メチルシラントリオール、メチルクロルジシラノール、メチルトリクロルシラン、メチルトリハイドロジェンシラン等が挙げられるが、なかでも化3中のRについて前記したように、結果としてメチルシロキサン単位を形成することとなるシラノール基形成性ケイ素化合物が好ましい。また化5中のRについて前記したように、結果としてヒドロキシ=メチルシロキサン単位を形成することとなるシラノール基形成性ケイ素化合物が好ましい。
【0034】
化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物は、結果として化4で示されるシロキサン単位及び化6で示されるシロキサン単位を形成することとなる化合物である。化9中のRは、化4中のRについて前記したことと同様であり、また化9中のZは、化7中のXについて前記したことと同様である。
【0035】
化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物としては、1)2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシ基を有するシラン化合物、2)2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリロキシ基を有するシラン化合物、3)ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、イソプロぺニルトリメトキシシラン等のビニル基を有するシラン化合物、4)メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトエチルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシラン化合物が挙げられるが、なかでもアクリロキシ基を有するシラン化合物、メタクリロキシ基を有するシラン化合物が好ましい。
【0036】
本発明の有機シリコーン微粒子の製造方法では先ず、以上説明した化7で示されるシラノール基形成性化合物、化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物及び化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物を、化7で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物/(化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物+化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物)=25/75〜60/40(モル比)の割合、好ましくは30/70〜55/45(モル比)の割合で用い、且つ化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物/化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物=20/80〜60/40(モル比)の割合、好ましくは25/75〜45/55(モル比)の割合で用いて、これらを触媒存在下で水と接触させて加水分解し、シラノール化合物を生成させる。シラノール基形成性ケイ素化合物を加水分解するための触媒は従来公知のものを用いることができる。これには例えば、塩基性触媒として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等の無機塩基類や、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、ドデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド、ナトリウムメトキシド等の有機塩基類が挙げられ、また酸性触媒として、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸類や、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルスルホン酸等の有機酸類が挙げられる。
【0037】
化7で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物、化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物及び化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物を、触媒存在下で水と接触させて加水分解するとき、通常は水にこれらのシラノール基形成性ケイ素化合物と触媒とを加えて撹拌し、水に不溶のシラノール基形成性ケイ素化合物が反応系から消失して均一な液層が形成された時点を加水分解の終点とする。シラノール基形成性ケイ素化合物の種類により、本来的な加水分解反応性の他に、水に対する分散性の差に基づく加水分解反応性が異なるため、反応系に加える触媒の種類、その使用量及び反応温度等を適宜選択するが、シラノール基形成性ケイ素化合物と水との接触反応を容易にするために、反応系に界面活性剤を加えることもできる。
【0038】
本発明の有機シリコーン微粒子の製造方法において、触媒と共に反応系に加える場合の界面活性剤は、ノニオン界面活性剤及び/又はアニオン界面活性剤である。かかるノニオン界面活性剤としては、いずれもポリオキシアルキレン基がオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位の繰り返しで構成された、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油等が挙げられる。ノニオン界面活性剤は、反応系に0.001〜0.05重量%の濃度で存在させるのが好ましい。
【0039】
またアニオン界面活性剤としては、オクチル硫酸塩、セチル硫酸塩、ラウリル硫酸塩等の炭素数8〜18の有機硫酸塩、オクチルスルホン酸塩、セチルスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、ステアリルスルホン酸塩、オレイルスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、オレイルベンゼンスルホン酸塩、ナフチルスルホン酸塩、ジイソプロピルナフチルスルホン酸塩等の炭素数8〜30の有機スルホン酸塩等が挙げられる。アニオン界面活性剤は、反応系に0.005〜0.55重量%の濃度で存在させるのが好ましい。
【0040】
水/シラノール基形成性ケイ素化合物全量の仕込み割合は、通常、10/90〜70/30(重量比)とする。触媒の使用量は、その種類及びシラノール基形成性ケイ素化合物の種類によっても異なるが、通常、シラノール基形成性ケイ素化合物の全量に対して1重量%以下とするのが好ましい。また反応温度は、通常、0〜40℃とするが、加水分解反応によって生成させたシラノール化合物の即製的な縮重合反応を避けるために30℃未満とするのが好ましい。
【0041】
化7で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物、化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物及び化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物は、これらを水中へ一度に投入してから加水分解してもよいし、又はこれらを水中へ遂次投入しつつ加水分解してもよい。用いるシラノール基形成性ケイ素化合物の間で加水分解速度が著しく異なるような場合には、予め加水分解速度の遅いシラノール基形成性ケイ素化合物の加水分解を行ない、次いで加水分解速度の速いシラノール基形成性ケイ素化合物を投入して引き続き加水分解を行なうのが好ましい。
【0042】
本発明に係る有機シリコーン微粒子の製造方法では次に、加水分解により生成させたシラノール化合物を引き続き縮合反応させることによりポリシロキサン架橋構造体から成る有機シリコーン微粒子を生成させる。加水分解により生成させたシラノール化合物を含有する反応液はそのまま縮合反応に供してもよいし、更に触媒を加えてから縮合反応に供してもよい。縮合反応時の反応温度は通常0〜50℃とするが、最初は30℃未満で縮合反応を開始して、その後に30〜50℃に加温して縮合反応を行うことが好ましい。かくして本発明の有機シリコーン微粒子をその水性懸濁液として得る。
【0043】
本発明の有機シリコーン微粒子は、前記の水性懸濁液から分離し、乾燥することにより得られる。例えば、水性懸濁液を金網に通して抜き取り、遠心分離法、加圧濾過法等により脱水し、その脱水物を100〜250℃で加熱乾燥する方法や、水性懸濁液をスプレードライヤーにより直接100〜250℃で加熱乾燥する方法により得られる。これらの乾燥物は、例えばジェットミル粉砕機を用いて解砕するのが好ましい。以上の水性懸濁液から脱水物を得る過程において、該水性懸濁液を多孔質膜で分別処理すると、大きさのばらつきを少なくした有機シリコーン微粒子を得ることができる。かかる多孔質膜としては、分相法でつくられる多孔質セラミック膜、相転換法や延伸法で製膜された高分子メンブランフィルター、高分子延伸糸をワインディングして製造されるカートリッジフィルター、中性子線照射によって得られるポア−フィルター等が挙げられるが、高分子メンブランフィルターが好ましい。
【0044】
かくして得られる有機シリコーン微粒子は、全体として円形リング形状を呈し、外径の平均値が0.05〜15μm、内径の平均値が0.01〜10μm、且つ外径の平均値と内径の平均値との差が0.04〜5μmの範囲内にあるものとなる。前記したように、シラノール化合物を縮合反応させた後、生成した有機シリコーン微粒子の水性懸濁液を高分子メンブランフィルターで分別処理すると、外径の平均値が0.1〜8μm、内径の平均値が0.05〜6μm、且つ外径の平均値と内径の平均値との差が0.5〜3μmの範囲内にあるものとすることができる。
【0045】
本発明の有機シリコーン微粒子及び本発明の有機シリコーン微粒子の製造方法によって得られる有機シリコーン微粒子は、高分子材料改質剤、化粧品原料、コーティング材、診断薬担体、塗料原料等として広く利用できるが、特に高分子材料改質剤、化粧品原料として有用である。
【0046】
本発明の高分子材料改質剤は、以上説明したような本発明の有機シリコーン微粒子又は本発明の有機シリコーン微粒子の製造方法によって得られる有機シリコーン微粒子から成るもので、高分子材料表面に特異な光学的特性と密着防止性を付与する。かかる高分子材料改質剤を適用する高分子材料としては、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリカプロラクトン、アクリル樹脂等の合成高分子から形成された合成高分子フィルムやシートが挙げられる。本発明の高分子材料改質剤は、なかでも合成高分子フィルムやシートの防眩剤、ブロッキング防止剤として適用する場合に特に有用である。
【0047】
本発明の高分子材料改質剤を合成高分子フィルムやシートの防眩剤として適用する方法としては、合成高分子フィルムやシートに有機シリコーン微粒子を塗布する方法が挙げられる。かかる方法では、有機シリコーン微粒子の水性懸濁液を調製し、これをローラータッチ法、スプレー法等の公知の方法によって合成高分子フィルムやシートの表面に塗布する。塗布する工程は、合成高分子フィルムやシートの製造工程において、これらの溶融押出し直後における延伸配向前の工程、一軸延伸配向後における二軸延伸配向前の工程、二軸延伸配向後の工程のいずれでもよいが、一軸延伸配向後における二軸延伸配向前の工程が好ましく、いずれの工程で塗布する場合でも通常は、有機シリコーン微粒子を、合成高分子フィルムやシート1m当たり、0.01〜0.2gとなるように塗布する。
【0048】
本発明の高分子材料改質剤を合成高分子フィルムやシートのブロッキング防止剤として適用する方法としては、1)有機シリコーン微粒子を合成高分子に含有させた後、フィルムやシートに成形する方法、2)合成高分子フィルムやシートに有機シリコーン微粒子を塗布する方法が挙げられる。前記1)の方法では、有機シリコーン微粒子を、フィルムやシートに成形する合成高分子100重量部当たり、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部となるように含有させる。有機シリコーン微粒子を合成高分子に含有させる方法、有機シリコーン微粒子を含有させた合成高分子を溶融製膜してフィルムやシートに成形する方法は特に制限されず、公知の方法を適用できる。また前記2)の方法では、有機シリコーン微粒子の水性懸濁液を調製し、これをローラータッチ法、スプレー法等の公知の方法によって合成高分子フィルムやシートの表面に塗布する。塗布する工程は、合成高分子フィルムやシートの製造工程において、これらの溶融押出し直後における延伸配向前の工程、一軸延伸配向後における二軸延伸配向前の工程、二軸延伸配向後の工程のいずれでもよいが、一軸延伸配向後における二軸延伸配向前の工程が好ましく、いずれの工程で塗布する場合でも通常は、有機シリコーン微粒子を、合成高分子フィルムやシート1m当たり、0.01〜0.2gとなるように塗布する。
【0049】
本発明の化粧品原料は、前記したような本発明の有機シリコーン微粒子又は本発明の有機シリコーン微粒子の製造方法によって得られる有機シリコーン微粒子から成るものである。本発明の化粧品原料は、粉末原料として、フェイシャル化粧品、メークアップ化粧品、ボディー化粧品、腋臭防止剤等の皮膚外用剤、頭髪化粧品、口腔衛生品、入浴剤、フレグランス等に適用できるが、特に肌上での使用感触の多様化への適応性、更には液状化粧品成分、紫外線吸収剤、無機粉末、色材等の内包や吸着等による多機能化乃至高機能化への適応性の点で、皮膚外用剤に用いる原料として有用である。化粧品原料として用いる場合、有機シリコーン微粒子の使用量は、適用する化粧品の使用形態により適宜選択するが、例えばメークアップ化粧品の場合、プレス状メークアップ化粧品においては1.0〜50重量%とするのが好ましく、また液状メークアップ化粧品においては0.1〜30重量%とするのが好ましい。
【0050】
例えばメークアップ化粧品の場合、有機シリコーン微粒子と共に用いる他の原料としては、顔料粉体、結合油剤、水、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、香料等が挙げられるが、これらを原料とするメークアップ化粧品は、有機シリコーン微粒子と共にかかる他の原料を均一に分散させる公知の方法で調製できる。
【発明の効果】
【0051】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、高分子材料改質剤や化粧品原料等として有用な、ポリシロキサン架橋構造体から成る新規の有機シリコーン微粒子を提供することができるという効果がある。
【0052】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は重量部を、また%は重量%を意味する。
【実施例】
【0053】
試験区分1(有機シリコーン微粒子の合成)
・実施例1{有機シリコーン微粒子(P−1)の合成}
反応容器にイオン交換水700gを仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.3gを添加して水溶液とした。この水溶液にメチルトリメトキシラン32.6g(0.24モル)、3−メタクリロキシプロピルトリメチルシラン89.3g(0.36モル)及びテトラエトキシラン83.2g(0.4モル)を添加し、温度を13〜15℃に保ちながら1時間加水分解反応を行なって、シラノール化合物を含有する透明な反応液を得た。この反応液に10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液3gを添加した後、温度を13〜15℃に保ちながら3時間縮合反応を行ない、さらに温度を30〜50℃に保ちながら5時間縮合反応を行なって、有機シリコーン微粒子を含有する水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を孔径10μmのアドバンテック社製のメンブランフィルターに通した後、遠心分離機を用いて白色微粒子を濾別した。得られた白色微粒子を水洗し、150℃で5時間、熱風乾燥を行なって有機シリコーン微粒子(P−1)60.1gを得た。有機シリコーン微粒子(P−1)について、以下の走査型電子顕微鏡による観察、29SiCP/MAS−NMRスペクトル分析、元素分析、ICP発光分光分析、FT−IRスペクトル分析を行なったところ、この有機シリコーン微粒子(P−1)は、円形リング形状を呈し、外径の平均値が3.0μm、内径の平均値が2.2μm、且つ外径の平均値と内径の平均値との差が0.8μmの有機シリコーン微粒子であって、化1で示されるシロキサン単位/(化2で示されるシロキサン単位+化3で示されるシロキサン単位+化4で示されるシロキサン単位+化5で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)=32/68(モル比)の割合で有しており、(化2で示されるシロキサン単位+化3で示されるシロキサン単位+化4で示されるシロキサン単位)/化5で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)=66/34(モル比)の割合で有していて、(化3で示されるシロキサン単位+化5で示されるシロキサン単位)/(化4で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)=40/60(モル比)の割合で有するポリシロキサン架橋構造体から成るものであった。
【0054】
尚、有機シリコーン微粒子(P−1)の形状、外径の平均値、内径の平均値は、走査型電子顕微鏡を用い、5000〜10000倍で任意の100個の有機シリコーン微粒子(P−1)を観察し、各部位を測定して、その平均を求めた値である。また結合有機基の分析は次のように行なった。有機シリコーン微粒子(P−1)5gを精秤し、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液250mlに加え、有機シリコーン微粒子(P−1)中の加水分解性基をすべて水溶液に抽出した。水溶液から超遠心分離により有機シリコーン微粒子を分離し、分離した有機シリコーン微粒子を水洗した後、200℃で5時間乾燥したものを、元素分析、ICP発光分光分析、FT−IRスペクトル分析に供して、全炭素含有量及びケイ素含有量を測定すると共に、ケイ素−炭素結合、ケイ素―酸素―ケイ素結合を確認した。これらの分析値と、原料に用いた化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物のRの炭素数、化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物のRの炭素数、及び29SiCP/MAS−NMRスペクトルの積分値により、化1で示されるシロキサン単位/(化2で示されるシロキサン単位+化3で示されるシロキサン単位+化4で示されるシロキサン単位+化5で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)の割合を算出した。また同様に、(化2で示されるシロキサン単位+化3で示されるシロキサン単位+化4で示されるシロキサン単位)/化5で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)の割合、及び(化3で示されるシロキサン単位+化5で示されるシロキサン単位)/(化4で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)の割合を算出した。
【0055】
・実施例2〜10及び比較例1〜4{有機シリコーン微粒子(P−2)〜(P−10)及び(R−1)〜(R−4)の合成}
有機シリコーン微粒子(P−1)と同様にして、有機シリコーン微粒子(P−2)〜(P−10)及び(R−1)〜(R−4)を合成し、分析した。
【0056】
・実施例11{有機シリコーン微粒子(P−11)の合成}
反応容器にイオン交換水700gを仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.6g及びノニルフェノールの10モルエチレンオキサイド付加物の20%水溶液0.25gを添加し、よく攪拌して均一な水溶液とした。この水溶液に、その温度を14℃に保ちながら、メチルトリメトキシラン23.1g(0.17モル)、3−メタクリロシキプロピルトリメトキシシラン57.1g(0.23モル)及びテトラエトキシラン125.0g(0.6モル)の混合モノマーを、水溶液と混合モノマーが混ざらないよう徐々に滴下した後、双方が層流状態を保つようゆっくり攪拌した。1時間後、10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液3gを添加し、更に3時間その温度でゆっくり攪拌した後、温度30℃で5時間熟成して、水性懸濁液を生成させた。この水性懸濁液を孔径10μmのアドバンテック社製のメンブランフィルターに通し、更に遠心分離機に供して、白色微粒子を分離した。この白色微粒子を水洗し、150℃で5時間熱風乾燥を行なって、有機シリコーン微粒子(P−12)71.3gを得た。この有機シリコーン微粒子(P−12)について、実施例1と同様の観察、測定及び分析を行なった。
【0057】
・実施例12{有機シリコーン微粒子(P−12)の合成}
有機シリコーン微粒子(P−11)と同様にして、有機シリコーン微粒子(P−12)を合成し、分析した。
【0058】
・実施例13{有機シリコーン微粒子(P−13)の合成}
反応容器にイオン交換水700gを仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.6g及びノニルフェノールの10モルエチレンオキサイド付加物の20%水溶液0.25gを添加し、よく攪拌して均一な水溶液とした。この水溶液に、その温度を14℃に保ちながら、シクロヘキシルトリメトキシラン49.5g(0.24モル)、3−メタクリロシキプロピルトリメトキシシラン89.4g(0.36モル)及びテトラエトキシラン83.3g(0.4モル)の混合モノマーを、水溶液と混合モノマーが混ざらないよう徐々に滴下した後、双方が層流状態を保つよう、4時間ゆっくり攪拌した。更に温度30℃で5時間熟成して、水性懸濁液を生成させた。この水性懸濁液を金網に通し、更に遠心分離機に供して、白色微粒子を分離した。この白色微粒子を水洗し、150℃で5時間、熱風乾燥を行なって有機シリコーン微粒子(P−13)96.8gを得た。この有機シリコーン微粒子(P−13)について、実施例1と同様の観察、測定及び分析を行なった。
【0059】
・実施例14及び15{有機シリコーン微粒子(P−14)及び(P−15)の合成}
有機シリコーン微粒子(P−13)と同様にして、有機シリコーン微粒子(P−14)及び(P−15)を合成し、分析した。
【0060】
・実施例16{有機シリコーン微粒子(P−16)の合成}
10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、有機シリコーン微粒子(P−16)を合成し、分析した。
【0061】
・比較例5{有機シリコーン微粒子(R−5)の合成}
反応容器にイオン交換水3950g及び28%アンモニア水50gを仕込み、室温下で10分間攪拌して均一なアンモニア水溶液とした。このアンモニア水溶液に、メチルトリメトキシシラン600g(4.41モル)を双方が混ざらないよう加え、上層にメチルトリメトキシラン層、下層にアンモニア水溶液層の2層状態となるようにした。2層状態を保ちながらゆっくり攪拌し、メチルトリメトキシランとアンモニア水溶液との界面において加水分解及び縮合反応を行なった。反応の進行に伴い、反応物が徐々に沈降して下層は白濁し、上層のメチルトリメトキシシラン層は徐々に層が薄くなり、約3時間で消失した。更に温度を50〜60℃に保ち、同条件で3時間攪拌を行った後、25℃に冷却して、懸濁状に析出した白色微粒子を濾別した。この白色微粒子を水洗し、150℃で3時間、熱風乾燥を行なって有機シリコーン微粒子(R−5)266gを得た。この有機シリコーン微粒子(R−5)について、実施例1と同様の観察、測定及び分析を行なった。
【0062】
・比較例6{有機シリコーン微粒子(R−6)の合成}
反応容器にイオン交換水1080gを仕込み、酢酸0.2gを添加して均一な溶液とした。これにメチルトリメトキシシラン1169.6g(8.6モル)及びテトラエトキシシラン291.6g(1.4モル)を添加し、温度を30℃に保ちながら加水分解反応を行なった。約30分間でシラノール化合物を含有する透明な反応液を得た。別の反応容器にイオン交換水475g及びドデシルベンゼンスルホン酸50gをとり、よく溶かした後、温度を80〜85℃にした。これに前記の透明な反応液300gを約2時間かけて滴下し、縮合反応を行なった。15分間熟成後、徐冷し、室温になるまで1時間攪拌した。攪拌終了後、炭酸ナトリウム水溶液でpH7.0になるよう調整し、水性懸濁液を得た。この水性懸濁液から白色微粒子を濾別した。この白色微粒子を水洗し、150℃で3時間熱風乾燥を行なって、有機シリコーン微粒子(R−6)594gを得た。この有機シリコーン微粒子(R−6)について、実施例1と同様の観察、測定及び分析を行なった。
【0063】
・比較例7{有機シリコーン微粒子(R−7)の合成}
反応容器にイオン交換水1080gを仕込み、酢酸0.2gを添加して均一な溶液とした。これにメチルトリメトキシシラン816g(6モル)及びテトラエトキシラン832g(4モル)を添加し、温度を30℃に保ちながら加水分解反応を行なった。約30分間でシラノール化合物を含有する透明な反応液を得た。別の反応容器にイオン交換水475g及びドデシルベンゼンスルホン酸50gをとり、よく溶かした後、温度を80〜85℃にした。これに前記の透明な反応液300gを約2時間かけて滴下し、縮合反応を行なった。15分間熟成後、徐冷し、室温になるまで1時間攪拌した。攪拌終了後、炭酸ナトリウム水溶液でpH7.0になるよう調整し、水性懸濁液を得た。この水性懸濁液から白色微粒子を濾別した。この白色微粒子を水洗し、150℃で3時間熱風乾燥を行なって、有機シリコーン微粒子(R−7)578gを得た。この有機シリコーン微粒子(R−7)について、実施例1と同様の観察、測定及び分析を行なった。
【0064】
・比較例8{有機シリコーン微粒子(R−8)の合成}
反応容器にイオン交換水700gを仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.2gを添加して溶液とした。この水溶液にメチルトリメトキシラン81.6g(0.6モル)及びテトラエトキシラン83.2g(0.4モル)を添加し、温度を13〜15℃に保ちながら4時間加水分解反応を行ない、シラノール化合物を含有する透明な反応液を得た。この反応液の温度を30〜80℃に保ちながら5時間縮合反応を行なって、水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を孔径10μmのアドバンテック社製のメンブランフィルターに通し、更に遠心分離機に供して、白色微粒子を分離した。この白色微粒子を水洗し、150℃で5時間熱風乾燥を行なって、有機シリコーン微粒子(R−8)58gを得た。この有機シリコーン微粒子(R−8)について、実施例1と同様の観察、測定及び分析を行なった。
【0065】
・比較例9{有機シリコーン微粒子(R−9)の合成}
反応容器にイオン交換水100g、酢酸0.02g及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液3gを仕込み、均一な水溶液とした。この水溶液にメチルトリメトキシシラン47.6g(0.35モル)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン9.8g(0.05モル)、ジメチルジメトキシシラン24.0g(0.20モル)及びテトラエトキシシラン72.9g(0.35モル)を加え、温度を30℃に保ちながら加水分解を行なった。約30分間でシラノール化合物を含有する透明な反応液を得た。別の反応容器にイオン交換水700gを仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.3gを加えて均一な水溶液とした。この水溶液に前記の透明な反応液を徐加し、温度を13〜15℃に保ちながら5時間縮合反応を行ない、更に温度を30〜80℃に保ちながら5時間縮合反応を行なって、水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を遠心分離機に供して、白色微粒子を分離した。この白色微粒子を水洗し、150℃で5時間熱風乾燥を行なって、有機シリコーン微粒子(R−9)59gを得た。この有機シリコーン微粒子(R−9)について、実施例1と同様の観察、測定及び分析を行なった。
以上の各例で合成した有機シリコーン微粒子についての内容を表1〜3にまとめて示した。











【0066】
【表1】

【0067】
表1において、
*1:化7で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物/(化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物+化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物)の割合(モル比)
*2:化7で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物/化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物の割合(モル比)
*3:ジメチルジメトキシシランを20モル%の割合で含む
E−1:テトラエトキシシラン
E−2:テトラメトキシシラン
F−1:メチルトリメトキシシラン
F−2:エチルトリメトキシシラン
F−3:プロピルトリメトキシシラン
F−4:シクロヘキシルトリメトキシシラン
F−5:フェニルトリメトキシシラン
F−6:ベンジルトリメトキシシラン
G−1:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
G−2:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
G−3:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
G−4:ビニルトリメトキシラン
H−1:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
H−2:ノニルフェノールの10モルエチレンオキサイド付加物
【0068】
【表2】

【0069】
表2において、
*4:ジメチルジメトキシシランから形成されたシロキサン単位を20モル%の割合で含む
A−1:メチルシロキサン単位
A−2:エチルシロキサン単位
A−3:プロピルシロキサン単位
A−4:シクロヘキシルシロキサン単位
A−5:フェニルシロキサン単位
A−6:ベンジルシロキサン単位
B−1:3−メタクリロキシプロピルシロキサン単位
B−2:3−アクリロキシプロピルシロキサン単位
B−3:3−メルカプトプロピルシロキサン単位
B−4:ビニルシロキサン単位
C−1:ヒドロキシ=メチルシロキサン単位
C−2:ヒドロキシ=エチルシロキサン単位
C−3:ヒドロキシ=プロピルシロキサン単位
C−4:ヒドロキシ=シクロヘキシルシロキサン単位
C−5:ヒドロキシ=フェニルシロキサン単位
C−6:ヒドロキシ=ベンジルシロキサン単位
D−1:ヒドロキシ=3−メタクリロキシプロピルシロキサン単位
D−2:ヒドロキシ=3−アクリロキシプロピルシロキサン単位
D−3:ヒドロキシ=3−メルカプトプロピルシロキサン単位
D−4:ヒドロキシ=ビニルシロキサン単位
【0070】
【表3】

【0071】
表3において、
*5:レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製のLA−700型)により測定した平均粒子径
*6:電子顕微鏡の二次電子像観察から求めた長径の平均値が16.0μm及び短径の平均値が7.0μmを有するラグビーボール形状の有機微粒子
【0072】
試験区分2(高分子材料改質剤としての評価その1;防眩性フィルムの調製とその評価)
・防眩性フィルムの調製
試験区分1で合成した有機シリコーン微粒子10部、エポキシアクリレート系UV樹脂(旭電化社製の商品名KR−566、固形分95%)90部及びメチルイソブチルケトン300部から成る混合物をサンドミルを用いて分散処理し、塗工液を得た。この塗工液を、トリアセチルセルロース透明フィルム(膜厚80μm、透過率92%)の片面上に、リバースコーティング方式で塗工し、100℃で2分間乾燥した後、120W/cmの集光型高圧水銀灯1灯を用いて、照射距離10cm、照射時間30秒の条件で紫外線照射を行ない、トリアセチルセルロース透明フィルム上の塗工膜を硬化させて、防眩層を有する防眩性フィルムを調製した。
【0073】
・防眩性フィルムの評価
前記で調製した防眩性フィルムについて、透過画像鮮明性及び防眩性を下記のように評価した。結果を表4にまとめて示した。
【0074】
・・透過画像鮮明性の評価
前記の防眩性フィルムを、写像性測定器(スガ試験機社製の商品名写像性測定器ICM−1DP)を用い、透過モード、光学くし幅0.5mmの条件で、JIS−K7105に準じて、透過画像鮮明度を測定し、測定値を下記の基準で評価した。
基準評価
◎:透過画像鮮明度が60以上
○:透過画像鮮明度が40以上60未満
△:透過画像鮮明度が35以上40未満
×:透過画像鮮明度が35未満
【0075】
・・防眩性の評価
前記の防眩性フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/cmに)を映し、その反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
基準評価
◎:蛍光灯の輪郭が全く〜ほとんどわからないもの
○:蛍光灯の輪郭がわずかにわかるもの
△:蛍光灯はぼけているが、輪郭はわかるもの
×:蛍光灯がほとんどぼけないで輪郭がはっきりわかるもの
















【0076】
【表4】

【0077】
試験区分3(高分子材料改質剤としての評価その2;密着防止性合成高分子フィルムの調製とその評価)
・密着防止性合成高分子フィルムの調製
25℃のオルソクロロフェノール中で測定した極限粘度が0.62の、無機質フィラーをまったく含まないポリエチレンテレフタレートを、エクストルーダーで口金から押し出し、これを40℃に冷却したドラム上で静電印加を行ないながら厚さ152μの押し出しフィルムとし、続いて93℃に加熱した金属ロール上で長手方向へ3.6倍に延伸して、一軸延伸フィルムを得た。この一軸延伸フィルムがテンターに至る直前の位置で、該一軸延伸フィルムの片面上に、試験区分1で合成した有機シリコーン微粒子の水性懸濁液を3本のロールから成るコーターヘッドから均一塗布した。この際の有機シリコーン微粒子の塗工量は前記一軸延伸フィルム1m2当り約2.3gとした(この塗布量は、下記二軸延伸フィルムでは1m2当り約0.0129gに相当する)。最後に片面塗工した一軸延伸フィルムをテンター内に導き、101℃で横方向へ3.5倍に延伸し、更に225℃で6.3秒間熱固定して、二軸延伸フィルムとして密着防止性合成高分子フィルムを調製した(片面塗工後のフィルムが加熱を受けた時間は合計で11秒間である)。
【0078】
・密着防止性合成高分子フィルムの評価
前記で調製した密着防止性合成高分子フィルムについて、密着防止性及び防滑性を下記のように評価した。結果を表5にまとめて示した。
【0079】
・・密着防止性の評価
前記の密着防止性合成高分子フィルムの塗工面に粘着テープを貼り合わせ、20mm幅に切り出し、テンシロンにより密着防止性合成高分子フィルムと粘着テープとの間の180度剥離力を測定し、下記の基準で密着防止性を評価した。またJIS規格L0823に記載の染色堅牢度試験用摩擦試験機II型により、水に濡らした白綿布に500gの荷重(そのうち摩擦子の自重が200g、追加の重りが300g)をかけて、密着防止性合成高分子フィルムの塗工面の表面を擦る試験方法で、200回往復擦り試験を行なったものについて、前記と同様に剥離力を測定し、下記の基準で密着防止性の耐久性を評価した。
基準評価
◎:剥離力が10g/20mm未満(優れている)
○:剥離力が10g/20mm以上50g/20mm未満(良好である)
△:剥離力が50g/20mm以上70g/20mm未満(やや劣る)
×:剥離力が70g/20mm以上(劣る)
【0080】
・・防滑性の評価
前記の密着防止性合成高分子フィルムを、20℃で相対湿度65%の条件下に24時間調湿した後、東洋精機社製の摩擦測定機TR型を用い、ASTM−D−1894に準じて静摩擦係数を測定し、測定値を下記の基準で評価した。
評価基準
◎:0.40以上0.70未満(防滑性が優れている)
○:0.30以上0.40未満(防滑性が良好である)
△:0.20以上0.30未満(防滑性が若干劣っている)
×:0.20以下(防滑性が著しく劣り、実用できない)
【0081】
【表5】

【0082】
試験区分4(化粧品原料としての評価)
・皮膚外用剤であるファウンデーション原料としての評価
試験区分1で合成した有機シリコーン微粒子5部、酸化チタン10部、カオリン35部、タルク20部、流動パラフィン10部、オクタメチルシクロテトラシロキサン2部、パルミチン酸イソプロピル6部及びグリセリン3部を均一混合し、プレス成形して、ファウンデーションを調製した。このファウンデーションを30人のパネラーの官能試験に供し、密着性と滑りを下記の基準で評価した。結果を表6にまとめて示した。
【0083】
評価基準
◎:優れている。
○:良好である。
△:やや悪い。
×:悪い。
【0084】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリシロキサン架橋構造体から成る有機シリコーン微粒子であって、全体として円形リング形状を呈し、外径の平均値が0.05〜15μm、内径の平均値が0.01〜10μm、且つ外径の平均値と内径の平均値との差が0.04〜5μmの範囲内にあることを特徴とする有機シリコーン微粒子。
【請求項2】
外径の平均値が0.1〜8μm、内径の平均値が0.05〜6μm、且つ外径の平均値と内径の平均値との差が0.5〜3μmの範囲内にある請求項1記載の有機シリコーン微粒子。
【請求項3】
ポリシロキサン架橋構造体が、下記の化1で示されるシロキサン単位、化2で示されるシロキサン単位、化3で示されるシロキサン単位、化4で示されるシロキサン単位、化5で示されるシロキサン単位及び化6で示されるシロキサン単位から構成されたものであって、且つ下記の条件1〜3を同時に満足するものである請求項1又は2記載の有機シリコーン微粒子。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

(化3〜化6において、
,R:非反応性炭化水素基
,R:下記の反応性基群から選ばれる反応性基を有する有機基
反応性基群:アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基及びメルカプト基)
条件1:化1で示されるシロキサン単位/(化2で示されるシロキサン単位+化3で示されるシロキサン単位+化4で示されるシロキサン単位+化5で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)=20/80〜50/50(モル比)の割合であること
条件2:(化2で示されるシロキサン単位+化3で示されるシロキサン単位+化4で示されるシロキサン単位)/(化5で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)=50/50〜75/25(モル比)の割合であること
条件3:(化3で示されるシロキサン単位+化5で示されるシロキサン単位)/(化4で示されるシロキサン単位+化6で示されるシロキサン単位)=20/80〜60/40(モル比)の割合であること
【請求項4】
化3で示されるシロキサン単位が、化3中のRがメチル基である場合のものである請求項3記載の有機シリコーン微粒子。
【請求項5】
請求項1記載の有機シリコーン微粒子の製造方法であって、下記の化7で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物、化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物及び化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物を、化7で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物/(化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物+化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物)=25/75〜60/40(モル比)の割合で用い、且つ化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物/化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物=20/80〜60/40(モル比)の割合で用いて、これらを触媒を存在させた条件下で水と接触させて加水分解することによりシラノール化合物を生成させ、引き続き該シラノール化合物を縮合反応させることによりポリシロキサン架橋構造体から成る有機シリコーン微粒子を生成させることを特徴とする有機シリコーン微粒子の製造方法。
【化7】

【化8】

【化9】

(化7〜化9において、
:非反応性炭化水素基
:下記の反応性基群から選ばれる反応性基を有する有機基
反応性基群:アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基及びメルカプト基
X,Y,Z:炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシエトキシ基、炭素数2〜4のアシロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基を有するN,N−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は水素原子)
【請求項6】
化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物が、化8中のRがメチル基である場合のものである請求項5記載の有機シリコーン微粒子の製造方法。
【請求項7】
シラノール化合物を縮合反応させた後、更に高分子メンブランフィルターで分別処理する請求項5又は6記載の有機シリコーン微粒子の製造方法。
【請求項8】
化7で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物、化8で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物及び化9で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物を、触媒の他に、更にノニオン界面活性剤及び/又はアニオン界面活性剤を存在させた条件下で水と接触させる請求項5〜7のいずれか一つの項記載の有機シリコーン微粒子の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか一つの項記載の有機シリコーン微粒子から成ることを特徴とする高分子材料改質剤。
【請求項10】
請求項5〜8のいずれか一つの項記載の有機シリコーン微粒子の製造方法によって得られる有機シリコーン微粒子から成ることを特徴とする高分子材料改質剤。
【請求項11】
合成高分子フィルム又はシートの防眩剤である請求項9又は10記載の高分子材料改質剤。
【請求項12】
合成高分子フィルム又はシートのブロッキング防止剤である請求項9又は10記載の高分子材料改質剤。
【請求項13】
請求項1〜4のいずれか一つの項記載の有機シリコーン微粒子から成ることを特徴とする化粧品原料。
【請求項14】
請求項5〜8のいずれか一つの項記載の有機シリコーン微粒子の製造方法によって得られる有機シリコーン微粒子から成ることを特徴とする化粧品原料。
【請求項15】
皮膚外用剤に用いるものである請求項13又は14記載の化粧品原料。

【公開番号】特開2006−117867(P2006−117867A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309310(P2004−309310)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(000210654)竹本油脂株式会社 (138)
【Fターム(参考)】