説明

有機性廃棄物の炭化処理装置

【課題】 乾留ガスに含まれるタール分や煤等で配管が閉塞するようなことがなく、長時間の連続運転が可能であるとともに、装置全体を単純化・小型化できて設備費やメンテナンス費を低減でき、しかも熱伝導効率が良いうえに燃料の消費量が僅かで、従来に比してランニングコストを格段に低減でき、かつ有害成分や悪臭成分の除去効率も高い有機性廃棄物の炭化処理装置を提供する。
【解決手段】 燃焼炉5内に燃焼空間6を残してガス化炭化炉3を設置する。有機性廃棄物をガス化炭化炉3内で撹拌機9により撹拌しつつ炭化させながら乾留ガスを発生させ、その乾留ガスをガス化炭化炉3の乾留ガス出口3cから燃焼空間6に直接導入して燃焼させるとともに、その燃焼ガスを燃焼ガス導入口3dからガス化炭化炉3内に導入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品残渣や有機汚泥や植物廃棄物等の水分を含む有機性廃棄物を乾留により炭化するとともに、その乾留ガスの有効利用が図れる有機性廃棄物の炭化処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、特許文献1(特開2000−248282号公報)には、原料を水分蒸発させて乾燥するロータリーキルンと、その乾燥後の原料を中継コンベアを経由して投入されて炭化させる炭化筒と、この炭化筒を加熱する箱形の炭化筒加熱室と、炭化筒からの乾留ガスを炭化筒加熱室からの燃焼ガスと共に燃焼させる乾留ガス燃焼室とを備えた生物残渣の処理装置が開示されている。この装置では、分離しているロータリーキルンと炭化筒加熱室と乾留ガス燃焼室のそれぞれにバーナーが設けられ、これらそれぞれでオイル等の燃料を燃焼させるようになっている。また、炭化筒は炭化筒加熱室内に設置されていて、バーナーからの火炎により周囲から加熱され、炭化筒内で発生した乾留ガス及び炭化筒加熱室内で生じた燃焼ガスは、それぞれの煙道(配管)を通じて乾留ガス燃焼室へ送られ、ここでバーナーにより再び燃焼されてから、煙道(配管)を通じてロータリーキルンへ送られ、原料の乾燥に供されるようになっている。
【0003】
しかし、これによると次のような問題点がある。
(1)炭化筒内で発生した乾留ガスを、煙道(配管)を通じて乾留ガス燃焼室へ送って再燃焼させているが、炭化筒内で発生した乾留ガスはタール分や煤等を多量に含んでいるため、煙道(配管)が短時間のうちに閉塞してしまう。そのため、長時間の連続運転は不可能である。
(2)炭化筒による炭化前に原料を乾燥させるためのバーナー付きロータリーキルン、及び炭化筒内で発生した乾留ガスを炭化筒加熱室内で生じた燃焼ガスと共に再燃焼させるためのバーナー付き乾留ガス燃焼室を別途設けているため、装置が大型化・複雑化するとともに、設備費やメンテナンス費が高くなる。
(3)炭化筒内で燃焼が生じないように、炭化筒を炭化筒加熱室内に設置し、炭化筒加熱室内にバーナーからの火炎を吹き込んで、炭化筒をその周囲から火炎で間接的に加熱しているものの、炭化筒加熱室内で発生した燃焼ガスは、炭化筒内に送らないで、炭化筒内で発生した乾留ガスと共に煙道(配管)を通じて乾留ガス燃焼室で別途燃焼させた後、ロータリーキルンでの乾燥に供しているため、熱伝導効率が悪いばかりでなく、有害成分や悪臭成分の除去効率が総じて悪い。
(4)炭化筒加熱室内にバーナーからの火炎を常に吹き込まないと炭化させることができないので、燃焼の消費量が多く、ランニングコストが高くなる。
【特許文献1】特開2000−248282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、乾留ガスに含まれるタール分や煤等で配管が閉塞するようなことがなく、長時間の連続運転が可能であるとともに、装置全体を単純化・小型化できて設備費やメンテナンス費を低減でき、しかも熱伝導効率が良いうえに燃料の消費量が僅かで、従来に比してランニングコストを格段に低減でき、かつ有害成分や悪臭成分の除去効率も高い有機性廃棄物の炭化処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による有機性廃棄物の炭化処理装置は、燃焼炉と、該燃焼炉内で乾留ガスの燃焼を生じさせるための燃焼源と、該燃焼炉内に燃焼空間を残して設置され、この燃焼空間内に乾留ガス出口を臨ませているとともに、燃焼炉の燃焼空間内で燃焼された燃焼ガスを導入するための燃焼ガス導入口を有するガス化炭化炉と、該ガス化炭化炉内に有機性廃棄物を搬入する搬入機構と、その搬入された有機性廃棄物をガス化炭化炉内で撹拌する撹拌機とを備え、有機性廃棄物をガス化炭化炉内で撹拌しつつ炭化させながら乾留ガスを発生させ、その乾留ガスをガス化炭化炉の乾留ガス出口から燃焼炉の燃焼空間に直接導入して燃焼させるとともに、その燃焼ガスを燃焼ガス導入口からガス化炭化炉内に導入することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の装置によると、有機性廃棄物を無酸素状態で熱分解するとガス化し、可燃性の乾留ガスと有害なタール及び煙や悪臭が発生する。ここで、ガス化炭化炉で発生した乾留ガスは配管を介さずに燃焼炉内に直接導入され、この乾留ガスが燃焼炉内で燃焼し、その燃焼ガスが燃焼炉からガス化炭化炉内に直接導入され、これらがガス化炭化炉と燃焼炉との間を循環する。その間に、タール、煙、悪臭はガス化、無煙化、無臭化する。
ガス化炭化炉は燃焼炉内に設置されているため、ガス化炭化炉内の有機性廃棄物は、燃焼炉での燃焼による燃焼熱で周囲から間接的に加熱されるとともに、その燃焼ガスが燃焼炉からガス化炭化炉内に直接導入されて、その熱で直接加熱される。これにより、配管を介さない熱風直接循環式による、しかも湿度が高いほど乾燥速度が高くなる高温過熱水蒸気による高温高湿乾燥となり、空気は水蒸気に置換されて無酸素状態となるため、有機性廃棄物の酸化が起こらず、300℃以上の高温でも焦げたり、燃えたりすることなく、しかも表面硬化せずにポーラスな状態で内部まで均一に乾燥して炭化する。また、余分の水蒸気だけ系外へ排出することができるので、排ガス量や悪臭成分が極めて少なくなるとともに、熱効率も良い。さらに、燃焼炉内での乾留ガスの燃焼は、燃焼炉を一定の温度に保つとともに、乾留ガスが燃焼するに必要最小限の空気を送入するだけで継続する。
従って、乾留ガスに含まれるタール分や煤等で配管が閉塞するようなことがなく、長時間の連続運転が可能であるとともに、装置全体を単純化・小型化できて設備費やメンテナンス費を低減でき、しかも熱伝導効率も良く、かつ燃料の消費量が僅かで、従来に比してランニングコストを格段に低減でき、かつ有害成分や悪臭成分の除去効率も高い。
【0007】
本発明の好ましい形態は次のとおりである。
燃焼源は、燃焼炉内を一定の温度に保つことで乾留ガスの燃焼を継続させる。
【0008】
燃焼炉及びガス化炭化炉を横長とし、ガス化炭化炉の乾留ガス出口は、搬入機構で有機性廃棄物が搬入されるところに近い側、ガス化炭化炉の燃焼ガス導入口はこれとは反対側に設ける。
このようにすると、ガス化炭化炉内での高温過熱水蒸気による高温高湿乾燥を効率良く行える。
【0009】
ガス化炭化炉は、乾留ガス出口側が高く、燃焼ガス導入口側が低くなるように傾斜させる。
このようにすると、ガス化炭化炉内での有機性廃棄物の送り込み及び撹拌をスムーズに行える。
【0010】
燃焼炉の燃焼空間からの排気ガスを導入して熱交換媒体とする熱交換器を備える。この熱交換器は、排気ガスの熱を水又は空気と熱交換することで、燃焼炉の燃焼空間からの排気ガス(主に水蒸気)の熱を回収して、給湯用又は温風発生用に利用できる。
【0011】
ガス化炭化炉とこれに有機性廃棄物を搬入する搬入機構との間に、ガス化炭化炉からの熱を遮断するシャッタを開閉可能に設ける。
このようにすると、搬入待機状態になっている有機性廃棄物が、ガス化炭化炉からの熱で搬入前に乾燥硬化又は炭化して閉塞を来たし、搬入不能になることがない。
【0012】
撹拌機は、その撹拌回転軸に、撹拌送り用の螺旋羽根と、一次撹拌粉砕用の突起群と、二次撹拌粉砕用の撹拌粉砕片群とを、有機性廃棄物の搬入側からその反対側に向かって順次設けている。
このようにすると、ガス化炭化炉内に入った有機性廃棄物を撹拌送り用の螺旋羽根にて撹拌しながら送り込み、一次撹拌粉砕用の突起群で撹拌しながら粉砕し、続いて二次撹拌粉砕用の撹拌粉砕片群で撹拌しながら更に細かく粉砕するので、熱分解の表面積が増えることにより炭化時間を短縮できるとともに、均一な紛状の炭化物にすることができるので、その再利用性が高く、しかも吸湿や面倒な二次処理は不要である。
【0013】
撹拌機は、さらに、一次撹拌粉砕用の突起群と二次撹拌粉砕用の撹拌粉砕片群との両方の区間に渡る撹拌長棒を、撹拌回転軸に対し平行に設けている。
このようにすると、長い撹拌長棒によって有機性廃棄物を大きく撹拌しながら、一次撹拌粉砕用の突起群と二次撹拌粉砕用の撹拌粉砕片群とで上記のように粉砕できるので、炭化処理時間を一層短縮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1に、本発明の炭化処理装置による処理を流れ図にして示す。
ホッパ1に投入された原料である有機性廃棄物は、搬入機構2により横長のガス化炭化炉3内に搬入されるが、その搬入は、搬入機構2の先端のシャッタ4が開いたときだけ原料入口3aから行われる。
【0015】
ガス化炭化炉3内に入った破砕後の有機性廃棄物は、ガス化炭化炉3内の撹拌機9により撹拌及び粉砕されながら、原料入口3aとは反対側の炭化物排出口3bへ向かって送られる。
【0016】
ガス化炭化炉3は、燃焼炉5内に燃焼空間6を残し、しかも炭化物排出口3b側が低くなるようにやや傾斜させて設置され、原料入口3a側に設けた乾留ガス出口3cを燃焼空間6内に臨ませているとともに、炭化物排出口3b側に設けた燃焼ガス導入口3dを燃焼空間6と連通させてある。
【0017】
燃焼空間6内には、燃焼炉5の一端外部に設けた燃焼源である熱風バーナー7から、乾留ガス出口3cの近くにおいて熱風が吹き込まれるため、ガス化炭化炉3内で発生した乾留ガスは配管を介さずに燃焼空間6内に直接導入されて燃焼され、その燃焼ガスは、燃焼ガス導入口3dからガス化炭化炉3に導入されて循環する。なお、燃焼条件によって循環しないときもある。
【0018】
ガス化炭化炉3内の有機性廃棄物は、撹拌機9により撹拌及び粉砕されながら、燃焼空間6からの燃焼ガス(800℃以上)で直接加熱されるとともに、燃焼空間6内での燃焼による燃焼熱で周囲から間接的に加熱される。
【0019】
従って、ガス化炭化炉3内の条件は、配管を介さない熱風直接循環式による、しかも湿度が高いほど乾燥速度が高くなる高温過熱水蒸気による高温高湿乾燥となり、空気は水蒸気に置換されて無酸素状態となる。そのため、有機性廃棄物の酸化が起こらず、焦げたり、燃えたりすることなく、しかも表面硬化せずにポーラスな状態で内部まで均一に乾燥して炭化する。また、ガス化炭化炉3と燃焼炉5との間をガスが循環することにより、ガス中のタール、煙、悪臭はガス化、無煙化、無臭化する。炭化物は炭化物排出口3bを通じて搬出用コンベア14により系外へ搬出される。
【0020】
一方、燃焼空間6内で余った燃焼ガスは、排気ファン8aによる吸引圧力により燃焼炉5の外側に設置の熱交換器8内に送られ、ここで例えば給湯のために水と熱交換されてから、排気される。
【実施例】
【0021】
次に、本発明の実施例について詳細に説明する。
図2〜図5に示すように、本炭化処理装置の全体はアウトリガー付きの移動可能な機枠10上に搭載されている。燃焼炉5は密閉した断面矩形の横長箱状で、機枠10上に水平に設置されている。ガス化炭化炉3は横長円筒形で、燃焼炉5内の中心線より上位置で燃焼炉5内を貫通するように、しかも炭化物排出口3b側が低くなるようにやや傾斜させて燃焼炉5の両端壁に支持されており、燃焼炉5内の残った空間が燃焼空間6となっている。
【0022】
燃焼炉5の天井壁5aの一端部上側には、ホッパ1に投入された有機性廃棄物がブリッジするのを防止する回転棒11が装着されているとともに、その下側に、搬入機構2である搬入用コンベア(スクリューコンベア)12がほぼ水平に設置されている。
【0023】
また、燃焼炉5には、その天井壁5aを貫通してガス化炭化炉3内に突入し、その原料入口3aにもなっている原料投入ダクト13が垂直に支持されている。図6に示すように、搬入用コンベア12の先端部は、この原料投入ダクト13の中途でその内部に突入しており、搬入用コンベア12の先端開口である排出口は、原料投入ダクト13内でシャッタ4により開閉されるようになっている。このシャッタ4は、原料投入ダクト13上に装置されたシャッタ開閉機構15のモータ16を駆動することにより自動的に開閉され、搬入用コンベア12内の有機性廃棄物がガス化炭化炉3からの熱で搬入前に炭化して閉塞しないように遮熱する。
【0024】
燃焼炉5の側壁一端部の外側には燃焼源である熱風バーナー7が設置されている。この熱風バーナー7は、例えば灯油等の燃料をバーナー内部(燃焼炉5に対してはその外部)で必要に応じて燃焼させ、その燃焼熱を熱風として燃焼炉5の一端部の熱風入口17から燃焼空間6内に吹き込むことで、燃焼空間6内を一定温度以上に保ち、導入されたガス化炭化炉3からの乾留ガスを燃焼させるとともに、ガス化炭化炉3と燃焼空間6との間でガスを循環させる風力源にもなっている。乾留ガスの燃焼のみで燃焼空間6内の温度が一定以上に保たれている場合は、熱風バーナー7は燃焼しない。なお、熱風バーナー7は電気ヒータを用いたものでもよい。
【0025】
新鮮空気を、給気パイプ19を通じて燃焼炉5の一端壁5bから燃焼空間6内に給気できるようになっており、燃焼空間6内に乾留ガスの燃焼に必要な空気が補給される。
【0026】
ガス化炭化炉3には、その原料入口3aよりも更に一端寄りに乾留ガス出口3cが設けられている。この乾留ガス出口3cは、燃焼炉5の熱風入口17の近くで燃焼空間6内に開口しており、ガス化炭化炉3の乾留ガスは燃焼空間6内に直接入ると同時に熱風入口17からの熱風による高温雰囲気により自然燃焼する。
【0027】
これとは反対側には、燃焼炉5に燃焼ガス出口20が設けられているとともに、ガス化炭化炉3に燃焼ガス導入口3dが設けられている。燃焼ガス出口20は、燃焼ガス導入口3dに通じているとともに、ガスダクト21を介して燃焼炉5の外側に設置された熱交換器8に接続されており、燃焼空間6内で発生した燃焼ガスは、一部がガス化炭化炉3に導入されるとともに、残りが熱交換器8に導入される。
【0028】
熱交換器8内に導入された燃焼ガス(主に余分な水蒸気)は、熱交換器8において、図7に示す熱交換パイプ群22により水又は空気と熱交換されてから、排気される。
【0029】
一方、ガス化炭化炉3内に導入された燃焼ガスは、ガス化炭化炉3内で撹拌機9により撹拌及び粉砕されながら炭化物排出口3b側へ送られてくる有機性廃棄物を直接加熱する。
【0030】
撹拌機9は、ガス化炭化炉3及び燃焼炉5の外側に設置された撹拌用モータ23により回転される。この撹拌機9は特殊な構造になっているもので、次にその構造を図8〜図12を参照して説明する。
【0031】
撹拌機9の撹拌回転軸9aには、原料の投入側から排出側(図8において右側から左側)に向かって、撹拌送り用の螺旋羽根24と、一次撹拌粉砕用の突起群25と、二次撹拌粉砕用の撹拌粉砕片群26とが順次設けられているとともに、一次撹拌粉砕用の突起群25と二次撹拌粉砕用の撹拌粉砕片群26との両方の区間を越える長さの複数本の撹拌長棒27が、複数の支持リング28により回転軸23に対し平行に架設されている。図9、図10、図11、図12に図8におけるA−A線、B−B線、C−C線、D−D線の各位置で見た各部の断面図を示す。
【0032】
撹拌送り用の螺旋羽根24は、ガス化炭化炉3内に入った有機性廃棄物を撹拌しながら一次撹拌粉砕用の突起群25側へ送る。
【0033】
一次撹拌粉砕用の突起群25は、多数の直線棒状突起を撹拌回転軸9aの軸線方向に間隔をおいて列状に植設し、しかもその列を円周方向に間隔をおいて複数列としたもので、送られて来る有機性廃棄物を撹拌しながら粉砕する。
【0034】
二次撹拌粉砕用の撹拌粉砕片群26は、多数のF状撹拌粉砕片を撹拌回転軸9aの軸線方向に間隔をおいて列状に植設し、しかもその列を円周方向に間隔をおいて複数列としたもので、送られて来る有機性廃棄物を撹拌しながら更に細かく粉砕する。
【0035】
複数本の撹拌長棒27は、螺旋羽根24以降において、有機性廃棄物を大きく広範囲に撹拌する。
【0036】
ガス化炭化炉3内に入った有機性廃棄物は、このような撹拌機9で撹拌及び粉砕されながら、循環する燃焼ガスで直接加熱されるとともに、燃焼空間6内での燃焼により間接的に加熱される。すなわち、配管を介さない熱風直接循環式による、しかも湿度が高いほど乾燥速度が高くなる高温過熱水蒸気による高温高湿乾燥条件で、粉末状に炭化される。その粉末状炭化物は、図5に示すように、ガス化炭化炉3の炭化物排出口3bから排出ダクト29を通じて排出され、搬出用コンベア14により系外へ搬出される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の炭化処理装置による処理の流れ図である。
【図2】同装置の実施例を示す断面図である。
【図3】その平面図である。
【図4】その端面図である。
【図5】反対側の端面図である。
【図6】搬入用コンベアの先端開口を開閉するシャッタ開閉機構の拡大図である。
【図7】熱交換器の拡大図である。
【図8】撹拌機の側面図である。
【図9】図8におけるA−A線位置で見た断面図である。
【図10】同じくB−B線位置で見た断面図である。
【図11】C−C線位置で見た断面図である。
【図12】D−D線位置で見た断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 ホッパ
2 搬入機構
3 ガス化炭化炉
3a 原料入口
3b 炭化物排出口
3c 乾留ガス出口
3d 燃焼ガス導入口
4 シャッタ
5 燃焼炉
5a 天井壁
5b 一端壁
6 燃焼空間
7 熱風バーナー(燃焼源)
8 熱交換器
9 撹拌機
9a 撹拌回転軸
10 機枠
11 回転棒
12 搬入用コンベア
13 原料投入ダクト
14 搬出用コンベア
15 シャッタ開閉機構
16 モータ
17 熱風入口
19 給気パイプ
20 燃焼ガス出口
21 ガスダクト
22 熱交換パイプ群
23 撹拌用モータ
24 螺旋羽根
25 一次撹拌粉砕用の突起群
26 二次撹拌粉砕用の撹拌粉砕片群
27 撹拌長棒
28 支持リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼炉と、該燃焼炉内で乾留ガスの燃焼を生じさせるための燃焼源と、該燃焼炉内に燃焼空間を残して設置され、この燃焼空間内に乾留ガス出口を臨ませているとともに、燃焼炉の燃焼空間内で燃焼された燃焼ガスを導入するための燃焼ガス導入口を有するガス化炭化炉と、該ガス化炭化炉内に有機性廃棄物を搬入する搬入機構と、その搬入された有機性廃棄物をガス化炭化炉内で撹拌する撹拌機とを備え、有機性廃棄物をガス化炭化炉内で撹拌しつつ炭化させながら乾留ガスを発生させ、その乾留ガスをガス化炭化炉の乾留ガス出口から燃焼炉の燃焼空間に直接導入して燃焼させるとともに、その燃焼ガスを燃焼ガス導入口からガス化炭化炉内に導入することを特徴とする有機性廃棄物の炭化処理装置。
【請求項2】
燃焼源は、燃焼炉内を一定の温度に保つことで乾留ガスの燃焼を継続させることを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物の炭化処理装置。
【請求項3】
燃焼炉及びガス化炭化炉を横長とし、ガス化炭化炉の乾留ガス出口は、搬入機構で有機性廃棄物が搬入されるところに近い側、ガス化炭化炉の燃焼ガス導入口はこれとは反対側に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機性廃棄物の炭化処理装置。
【請求項4】
ガス化炭化炉は、乾留ガス出口側が高く、燃焼ガス導入口側が低くなるように傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の有機性廃棄物の炭化処理装置。
【請求項5】
燃焼炉の燃焼空間からの排気ガスを導入して熱交換媒体とする熱交換器を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の有機性廃棄物の炭化処理装置。
【請求項6】
熱交換器が排気ガスの熱を水又は空気と熱交換することを特徴とする請求項5に記載の有機性廃棄物の炭化処理装置。
【請求項7】
ガス化炭化炉とこれに有機性廃棄物を搬入する搬入機構との間に、ガス化炭化炉からの熱を遮断するシャッタを開閉可能に設けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の有機性廃棄物の炭化処理装置。
【請求項8】
撹拌機は、その撹拌回転軸に、撹拌送り用の螺旋羽根と、一次撹拌粉砕用の突起群と、二次撹拌粉砕用の撹拌粉砕片群とを、有機性廃棄物の搬入側からその反対側に向かって順次設けていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の有機性廃棄物の炭化処理装置。
【請求項9】
撹拌機は、一次撹拌粉砕用の突起群と二次撹拌粉砕用の撹拌粉砕片群との両方の区間に渡る撹拌長棒を、撹拌回転軸に対し平行に設けていることを特徴とする請求項8に記載の有機性廃棄物の炭化処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−8736(P2006−8736A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183629(P2004−183629)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(504240337)株式会社マイクロ・エナジー (3)
【Fターム(参考)】