材料供給装置およびこれを用いた積層板の製造装置
【課題】シート材料を供給する材料供給装置の大型化を避ける。
【解決手段】複数のシート材料を巻芯6にロール状に重ね巻きした積層ロール5からシート材料を巻出して供給する材料供給装置12は、巻芯6の軸方向両端部にベアリング39を介して懸架された一対の取付ベース35と、両取付ベース35間に軸支され且つ積層ロール6から引き出したシート材料を引き出し方向にガイドするガイドロール36、37と、両取付ベース35にそれぞれ枢着された一対の支持アーム31、33と、一対の支持アーム31、33の回転自由端側同士の間に架設され且つガイドロール36、37を通過したシート材料に対してガイドロールとは逆側から圧接する張力付加ロール32、34と、を備える。取付ベース35は、巻芯の軸方向両端部に装着されたベアリング39を有する軸受ユニット38を、着脱自在に固定する固定部51を備える。
【解決手段】複数のシート材料を巻芯6にロール状に重ね巻きした積層ロール5からシート材料を巻出して供給する材料供給装置12は、巻芯6の軸方向両端部にベアリング39を介して懸架された一対の取付ベース35と、両取付ベース35間に軸支され且つ積層ロール6から引き出したシート材料を引き出し方向にガイドするガイドロール36、37と、両取付ベース35にそれぞれ枢着された一対の支持アーム31、33と、一対の支持アーム31、33の回転自由端側同士の間に架設され且つガイドロール36、37を通過したシート材料に対してガイドロールとは逆側から圧接する張力付加ロール32、34と、を備える。取付ベース35は、巻芯の軸方向両端部に装着されたベアリング39を有する軸受ユニット38を、着脱自在に固定する固定部51を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料供給装置およびこれを用いた積層板の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層板の製造装置としては、複数のシート材料をそれぞれ巻き取った複数のロールと、複数のロールから巻き出した複数のシート材料を積層した状態で通過させつつ互いに熱溶着して積層板とする熱プレス機と、熱プレス機からの積層板を巻き取る製品巻取装置と、を備えて構成されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
そのため、複数のシート材料を熱プレス機に供給するための材料供給装置では、各ロールを支持するロール支持部が少なくともシート材料の枚数以上必要になり、この複数のロール支持部を互いに干渉しないように設置するために、材料供給装置が大型化してしまう。
【0004】
なお、材料供給装置を大型化させずに複数のロール支持部を配置すると、複数のロール支持部が互いに近接することになり、セット時にロール支持部にロールを装着する作業や、シート材料を熱プレス機に挿入する作業が困難になる。
【特許文献1】特開平5−42555号公報
【特許文献2】特開平9−1590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本出願人は、複数のシート材料を積層した状態でロール状にして巻き取って積層ロールを作り、この積層ロールを積層ロール支持部に装着しておき、この積層ロールから複数のシート材料を引き出す方法に想い至った。
【0006】
この方法によれば、複数のロール支持部を、一つの積層ロール支持部としてまとめることができるため、装置を大幅に小型化できる。しかしながら、このような積層ロールからシート材料を巻き出すと、各シート材料の周長差により外側のシート材料ほど巻き出し量が長くなるため、この周長差を吸入できないと、複数のシート材料を重ね合わせて熱プレスする際に皺や折り目ができてしまう虞がある。
【0007】
そこで、周長差を吸収するためにダンサーロール機構などを設けることが考えられる。例えば特許文献2には走行距離補正手段としてダンサーロール機構の一例が開示されている。ダンサーロール機構は、回転軸が固定されている一対の固定ロールと、一対の固定ロールの間に設けられ且つその回転軸が固定ロールに対して移動可能なダンサーロールと、を備えて構成される。このようなダンサーロール機構を用いると、積層ロール支持部の以外に、複数のシートごとにそれぞれダンサーロール機構の支持部が必要となり、こらら積層ロール支持部とダンサーロール機構支持部とが互いに干渉しないようにすると、材料供給装置が大型化し、装置全体の大型化が避けられなくなってしまう。
【0008】
本発明は、装置の大型化を回避できる積層板の製造装置およびこれに用いる材料供給装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る積層板の製造装置および材料供給装置は、積層ロールの巻芯に装着され且つ積層ロールの複数のシート材料の周長差を吸収する周長差吸収機構を備え、前記周長差吸収機構は、前記積層ロールから引き出すシート材料を引き出し方向にガイドする1以上のガイドロールと、前記ガイドロールを通過したシート材料に対して前記ガイドロールとは逆側からシート材料に圧接して張力を与える1以上の張力付加ロールと、を備えて構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、積層ロールから複数のシート材料を引き出した際にこれら複数のシート材料間に生じる周長差を、周長差吸収機構によって吸収できる。
【0011】
また、この周長差吸収機構を、積層ロールの巻芯を支持する積層ロール支持部に対して積層ロールの軸方向にずれた位置に配置できるため、複数の積層ロール支持部を近接配置してもこれら積層ロール支持部に周長差吸収機構が干渉せずにすみ、材料供給装置の大型化を避けることができる。
【0012】
また、周長差吸収機構は、ガイドロールと張力付加ロールとを備えて構成されているため、ガイドロールが無い構造に比べ、周長差を吸収できる量が大きくなる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
(第1実施形態)
第1実施形態の積層板の製造装置について図1〜7を参照しつつ説明する。
【0015】
「積層板の製造装置の概略」
まず、本実施形態の積層板の製造装置10の全体構造を概略的に説明する。本実施形態の積層板の製造装置10は、図2に示すように、材料供給装置12と、熱プレス機としてのダブルベルトプレス装置13と、製品巻取装置14と、を備えて構成されている。
【0016】
材料供給装置12は、各積層ロール5から多層ワーク8(複数のシート材料4a、4b、4cを積層したもの)を巻き出してダブルベルトプレス装置13のワーク供給口に供給するものであり、ダブルベルトプレス装置13は、公知のダブルベルトプレス装置により構成され、材料供給装置12からの多層ワーク8を通過させつつ加熱圧着することにより多層ワーク8を構成する複数のシート材料4a、4b、4c同士を熱溶着(ラミネート成形)して積層板9とするものであり、このようにダブルベルトプレス装置13でラミネート成形された積層板9を、製品巻取装置14で巻き取るようになっている。
【0017】
なお、積層ロール5の製造方法は、図1に示すように長尺帯状の複数のシート材料4a、4b、4cを積層した状態で巻芯6にロール状に巻き取ることにより、行われる。この積層ロール5を製造するための積層ロール製造装置1は、図1に示すように各シート材料4a、4b、4cがそれぞれ別々にロール状に巻き取られた単層ロール3a、3b、3cを軸支する単層ロール支持部2a、2b、2cと、各単層ロールからのシート材料4a、4b、4cを積層した状態で巻き取るための巻芯6を支持する積層ロール支持部7と、を主な構成要素として備える。この例では、複数のシート材料4a、4b、4cは3枚で、銅箔4a,ポリイミドフィルム4b,及び銅箔4cからなる。そのため、図2に示す製造装置10で製造される積層板9は、ポリイミドフィルム4bの両面が銅箔層4a、4cとなる両面銅箔積層板(ラミネートシート)となる。なお、シート材料4a、4b、4cが上述の材質の場合、ダブルベルトプレス装置13による加熱圧着処理は、圧力20〜80[bar]、温度180〜400[℃]、時間1〜10[分]の範囲内で行うことが望ましい。
【0018】
「材料供給装置」
次に、材料供給装置12についてより詳しく説明する。
【0019】
材料供給装置12は、図2、4に示すように、積層ロール5の巻芯6を回転自在に軸支する積層ロール支持部21、23を備えている。積層ロール支持部21、23は巻芯6の軸方向両端側に設けられており、軸方向一端側の積層ロール支持部21が、床面から垂直方向に立設された取付壁20に各積層ロール5毎に埋設されており、軸方向他端側の積層ロール支持部23が、各積層ロール5毎に床面または天井から垂直方向に立設された柱状に形成されている。
【0020】
この積層ロール支持部21、23は、回転シャフト25を介して積層ロール5の巻芯6を軸支している。つまり、積層ロール5の巻芯6は中空(この例では円筒状)に形成されており、この巻芯6内を貫通する回転シャフト25を積層ロール支持部21、23によって支持している。なお、回転シャフト25は、巻芯6の内周面に係合すべく径方向にむけて出没する図示せぬストッパを有しており、ストッパが径方向に突出すると回転シャフト25と巻芯6とが一体化して回転シャフト25と巻芯6とが一体的に回転することとなる。
【0021】
積層ロール支持部21、23の少なくとも何れか一方には、製品巻取装置14による積層板9の巻き取りに対してブレーキをかけるブレーキ手段(図示せぬ)が内蔵されており、これにより多層ワーク8が張架した状態でダブルベルトプレス装置13に投入されるようになっている。
【0022】
しかしながら、多層ワーク8は複数のシート材料4a、4b、4c(厚さt1,t2,t3)により形成されているため、積層ロール5から巻出した際に、外側のシート材料4cは中間のシート材料4bによりも1周あたり2π×(t2)/2だけ長く巻き出されるとともに内側のシート材料4aに対しては1周あたり2π×(t2+t3)/2だけ長く巻き出されることとなる。
【0023】
そのため、ダブルベルトプレス装置13に多層ワーク8が挿入される際、ダブルベルトプレス装置13のワーク挿入口においてシート材料4a、4b、4cの精度よく積層されずに皺などが発生して、積層板の成形不良を引き起こす可能性がある。そこで、このような不具合が発生することを防止するために、本実施形態の材料供給装置12は周長差吸収機構30を備えて構成されている。
【0024】
「周長差吸収機構」
次に周長差吸収機構30について図4〜10を参照しつつ説明する。
【0025】
周長差吸収機構30は、積層ロール5の複数のシート材料4a、4b、4cの周長差を吸収するものである。本実施形態の周長差吸収機構30は、積層ロール5の巻芯6に装着されている。より具体的には、以下のような構成になっている。
【0026】
本実施形態の周長差吸収機構30では、図4〜図10に示すように積層ロール5の巻芯6の軸方向両端側にベアリング39を介して懸架された対向する一対の板状の取付ベース35が設けられている。この対向する一対の取付ベース35には、巻芯6と平行になるようにガイドロール36、37が懸架された状態で軸支されているとともに、一対の支持アーム31および一対の支持アーム32が枢着されている。この一対の支持アームの回転自由端側には張力付加ロール32、34が巻芯6と平行になるように架設された状態でその軸方向両端が軸支されている。
【0027】
ガイドロール36、37は、積層ロール5から引き出すシート材料4b、4cを引き出し方向にガイドするものである。また、張力付加ロール32、34は、ガイドロール36、37を通過したシート材料4b、4cに対してガイドロール36、37とは逆側から圧接して張力を与えるものである。ここで、ガイドロール36、37および張力付加ロール32、34の個数は、シート材料4a、4b、4cの枚数と同一であってもよいが、この例では、ガイドロール36、37および張力付加ロール32、34が、複数のシート材料4a、4b、4cのうち最内側のシート材料4aを除いた各シート材料4b、4cに対して設けられており、最内側のシート材料4aはガイドロールおよび張力付加ロールを介さずにダブルベルトプレス装置13を通じて製品巻取装置14で巻き取るようになっているため、ガイドロール36、37および張力付加ロール32、34の個数は、シート材料4a、4b、4cの枚数よりも1つ少なくなっている。つまり、この例では、多層ワーク8のシート材料の枚数が3枚に対して、ガイドロール36、37および張力付加ロール32、34は1つ少ない2つになっている。
【0028】
なお、取付ベース35は、回転する巻芯6に対して当該取付ベース35の自重によって姿勢が一定に保たれているか、床面や積層ロール支持部やその他の固定点に係合されて姿勢が一定に保たれるようになっている(回転する巻芯6につられて回転しないようになっている)。
【0029】
そして、張力付加ロール32、34がシート材料4b、4cに圧接する方向に向けて支持アーム31、33が回転するように、支持アーム31、33が付勢手段によって付勢されている。本実施形態の付勢手段は、支持アーム31、33に連結されたワイヤ43、45を電動モータ41で駆動するスライダ42で引っ張る構造である。なお、本発明では、付勢手段は、バネ部材やエアシリンダなど様々な形態で実現されうる。また、本発明では、付勢手段を設けずに、張力付加ロール32、34および支持アーム31、33の自重により、張力付加ロール32、34がシート材料4b、4cに圧接するようなっていても良い。
【0030】
このような周長差吸収機構30により、ダブルベルトプレス装置13に投入される複数のシート材料4a、4b、4c間の巻出し長さが吸収される。具体的には、図8→図9→図10に示すように、積層ロール5から多層ワーク8が巻り出されるにしたがい外側のシート材料ほど弛みが大きくなるため、これを吸収するように支持アーム31、33が回転していく。これにより、製造される積層板9に皺が発生することが防止される。
【0031】
ここで、本実施形態の周長差吸収機構30では、図5〜図7に示すように、取付ベース35が、巻芯6の軸方向両端側に対して着脱自在に構成されている。より具体的には、取付ベース35には、巻芯6の軸方向両端側に装着された軸受ユニット38を、径方向から着脱自在に固定する固定部51が形成されている。
【0032】
軸受ユニット38は、少なくともベアリング39を有して構成され、この実施形態では、巻芯6の軸方向両端側に圧入固定されているベアリング39と、このベアリング39の外周側に固定される板状のベアリングベース40と、を備えて構成されている。
【0033】
また、軸受ユニット38および固定部51は、嵌合構造で構成されており、固定部51内に軸受ユニット38が嵌合されるようになっている。取付ベース35の固定部51は、切欠部53を介して取付ベース35の周縁に開放しており、図5→図6に示すように、この切欠部53を通じて径方向から軸受ユニット38を挿入できるようになっている。この切欠部53は、図7に示すように蓋部55により塞がれるようになっている。蓋部55は、2つのクランプ57、57によって切欠部53を閉めた状態で取付ベース本体に固定される。切欠部53を閉じた状態の蓋部55は、軸受ユニット38を固定部51の内周面に押圧している。なお、蓋部55の内面には弾性部材64(この例では厚さ20mmウレタン)が付設されており、この弾性部材64を押しつぶしつつ蓋部55を閉めることで、当該弾性部材64の弾性復元力により軸受ユニット51が蓋部55と対向する面63に対して押圧された状態で固定部51内に嵌合される。
【0034】
軸方向両側の軸受ユニット38、38は非真円形(この例では方形)の同一形状で形成され、また、軸方向両側の固定部51、51も非真円形(この例では方形)の同一形状で形成されている。そのため、積層ロール5の取付ベース35に対する取付方向を左右入れ替えても、装着できるようになっている。
【0035】
また、取付ベース35には、さらに第2のクランプ59が取付けられており、この第2のクランプ59の締め付け方向が、第1のクランプ57の締め付け方向(=蓋部の押圧方向)と直交している。
【0036】
このように構成された周長差吸収機構30の積層ロール5への取り付けは以下のように行う。
【0037】
まず、図5に示すように、周長差吸収機構30の取付ベース35を、その固定部51の切欠部53が上方に向くように配置するとともに、蓋部55を取り外して固定部51を開放しておく。
【0038】
次に、図5→図6に示すように、取付ベース35の固定部51に、切欠部53を通じて積層ロール5の巻芯6の両端の軸受ユニット38を挿入する。なお、挿入の際には、固定部51の内周面の対向する2面に形成されたガイド部61、62(この例ではガイドレール)により、軸受ユニット38が固定部51内へ精度よく誘い込まれる。
【0039】
次に、図6→図7に示すように、取付ベース35の固定部51の切欠部53を蓋部55で塞ぎ、その蓋部55を第1のクランプ57で取付ベース本体に締め付けて固定し、最終的に、第1のクランプ57とは異なる方向から第2のクランプ59で軸受ユニット38を締め付けて、軸受ユニット38を取付ベース35の固定部51内に固定状態をより確実にする。
【0040】
このように本実施形態の材料供給装置14および積層板の製造装置によれば、周長差吸収機構30が巻芯6に対して着脱自在になっているため、積層ロール5を交換するだけで周長差吸収機構30を使い回すことができる。
【0041】
次に本実施形態の効果を列挙する。
【0042】
(1)本実施形態の積層板の製造装置10およびこれに用いる材料供給装置12は、積層ロール5から引き出した複数のシート材料4a、4b、4cの周長差を吸収する周長差吸収機構30を備えている。そのため、積層ロール5から多層ワーク8を引き出した際に多層ワーク8を構成する複数のシート材料4a、4b、4c間に生じる周長差を、周長差吸収機構30によって吸収できる。結果、熱プレス機13のワーク挿入口において多層ワーク8の積層状態を安定させることができ、製造される積層板9に皺が入るなどの製造不良を防止できる。
【0043】
(2)本実施形態では、当該周長差吸収機構30が積層ロール5の巻芯6に装着されている。そのため、周長差吸収機構30を、積層ロール支持部21、23に対して軸方向にずれた位置に配置できるため、複数の積層ロール支持部21、23を径方向に近接配置してもこれら積層ロール支持部21、23に周長差吸収機構30が干渉せずにすみ、材料供給装置12の大型化を避けることができる。
【0044】
特に、多層ワーク8を構成するシート材料が3枚以上の構造において、複数の積層ロール5を互いに近接配置することが容易となる。
【0045】
(3)本実施形態では、周長差吸収機構30は、積層ロール5の巻芯6の軸方向両端側にベアリング39を介して懸架された一対の取付ベース35と、一対の取付ベース35間に軸支され且つ積層ロール5から引き出すシート材料4b、4cを引き出し方向にガイドするガイドロール36、37と、一対の取付ベース35にそれぞれ枢着された一対の支持アーム31、33と、一対の支持アーム31、33の回転自由端間に軸支され且つ前記ガイドロール36、37を通過したシート材料4b、4cに対して前記ガイドロール36、37とは逆側から圧接して張力を与える張力付加ロール32、34と、を備えて構成されている。
【0046】
そのため、積層ロール5の巻芯6に装着される周長差吸収機構30が、簡素な構成となり、装置の原価低減に寄与する。また、一対の支持アーム31、33で張力付加ロール32、34の長手方向両端を支持するため、張力付加ロール32、34の安定性が高く、シート材料4a、4b、4cがより皺になりにくくなる。
【0047】
(4)また本実施形態では、取付ベース35は、巻芯6の軸方向両端部に装着された軸受ユニット38に対して着脱自在である。そのため、周長差吸収機構30が積層ロール5の巻芯6に対して着脱自在となり、これにより、積層ロール5を交換するだけで周長差吸収機構30を使い回すことができる。
【0048】
(5)また本実施形態では、軸受ユニット38および固定部51は、互いに嵌め合うように構成され、両端の軸受ユニット38、38が同一形状であり、且つ、両端の取付ベース35の固定部51、51が同一形状である。そのため、積層ロール5の巻芯6の取付ベース35に対する取付方向を入れ替えて利用することができる。つまり、巻芯6にシート材料を巻き取り方向や、巻芯からシート材料を巻出し方向などを容易に変更でき、積層ロール5や周長差吸入機構30に設計変更を加えることなく、積層ロール5や周長差吸収機構30の取付位置や取付方向などのレイアウト変更を自由にできる。
【0049】
(6)また本実施形態では、取付ベース35は、当該取付ベース35の周縁から前記固定部51に連通することで軸受ユニット38を固定部51に径方向から挿入自在とする切欠部53と、切欠部53を塞ぐ蓋部55と、を備えて構成され、蓋部55は、閉状態で、軸受ユニット38を固定部51の内周面に向けて押圧している。そのため、容易に軸受ユニット38を固定部51に装着できる構造でありつつ、軸受ユニット38の固定部51への固定状態が安定する。
【0050】
(7)また、本実施形態では、支持アーム31、33を巻芯6よりもガイドロール36、37側において回転自在に軸支してある。そのため、支持アーム31、33の長さを短くすることができ、これにより、さらに装置のコンパクト化を図ることができる。
【0051】
(8)また本発明では、複数の支持アーム31、33の回転中心を一致させても良いが、仮に、複数の支持アーム31、33の回転中心を一致させた場合は、複数の支持アーム31、33を巻芯6の軸方向に向けて積層する必要がある。これに対して、本実施形態では、複数の支持アーム31、33の回転中心を一致させずにズラして設けてあるため、巻芯6の軸方向に大型化せずにすむ。
【0052】
(9)また本実施形態では、積層ロール5から引き出した多層ワーク(積層した複数のシート材料4a、4b、4cからなる)のうち最内側のシート材料4aを除いた各シート材料4b、4cに対して、ガイドロール36、37および張力付加ロール32、34が設けられている。つまり、ガイドロール36、37および張力付加ロール32、34の個数が、シート材料の枚数よりも1つ少ない個数になっている。そのため、張力付加ロール32、34およびこれを支持する支持アーム31、33が最小限で済むため、部品点数が低減され、原価低減に寄与する。
【0053】
(第2実施形態)
次に、周長差吸収機構30の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において、上述の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、構成ならびにその作用効果の重複する説明は省略する。
【0054】
図11に示す第2実施形態の周長差吸収機構30は、支持アーム31、張力付加ロール32、ガイドロール36が一つである点で、第1実施形態と異なる。
【0055】
また第2実施形態では、積層ロール5の両端の軸受ユニット38が外周形状が円形であり、これに合わせて取付ベース35に形成された固定部51の内周面が、略U字状に形成されている点で、第1実施形態と異なる。また第2実施形態では、蓋部53が取付ベース本体に枢着されている点で、蓋部53が取付ベース本体に枢着されていない第1実施形態と異なる。
【0056】
このような第2実施形態においても、上述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0057】
以上、本発明を上述の実施形態を例にとって説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されることはない。
【0058】
例えば、上記銅箔はアルミニウム箔やステンレス箔等の銅箔以外の金属箔であってもよく、また、ポリイミドフィルムは液晶ポリマーやアラミドフィルム、ペットフィルム、極薄ガラスクロス基材のエポキシ樹脂シートなどポリイミドフィルム以外の種々のフィルム状基材であってもよい。
【0059】
また、上述の実施形態では、6枚の積層板を同時にラミネート成形するものであったが、本発明では、1枚の積層板をラミネート形成するものであってもよい。但し、同時に製造する積層板の枚数が多いほど、つまり、積層ロールの個数が多いほど、積層ロールの支持部の配置スペースが限られてくるため、本発明の効果がより功を奏する。
【0060】
また、上述の実施形態では、巻芯は回転シャフトを介して積層ロール支持部に装着されていたが、本発明では、巻芯が回転シャフトを介さずに積層ロール支持部に直接装着されていても良い。
【0061】
また、上述の実施形態では、軸受ユニット38は、巻芯6に圧入固定されたベアリング39と、このベアリング39の外周側に固定される板状のベアリングベース40と、を備えて構成されているが、本発明では、取付ベース35が軸受ユニット38を着脱自在に固定されるものであれば、軸受ユニット38はベアリング39のみで構成されるものであってもよい。
【0062】
また、上述の実施形態では、ガイドロール、張力付加ロールおよび支持アームの点数を最小限にすべく、多層ワークを構成するシート枚数よりもガイドロール、張力付加ロールおよび支持アームの個数が1つ少なくなっているが、本発明ではシート枚数と、ガイドロールおよび張力付加ロールおよび支持アームの個数とが同一でもよいし、また多くてもよい。
【0063】
また、その他、上記実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態の積層板の製造装置に用いる積層ロール製造装置の模式図である。
【図2】本実施形態の積層板の製造装置の模式図。
【図3】同積層板の製造装置により製造される積層板の製造原理を概略的に説明する模式図。
【図4】同積層板の製造装置の材料供給装置に用いられる周長差吸収機構の斜視図。
【図5】同周長差吸収機構に積層ロールを装着する工程を説明する図であって、装着前の図。
【図6】同周長差吸収機構に積層ロールを装着する工程を説明する図であって、装着中の図。
【図7】同周長差吸収機構に積層ロールを装着する工程を説明する図であって、装着後の図。
【図8】同周長差吸収機構の側面図であって、多層ワークの巻出し中期の状態を示す図。
【図9】同周長差吸収機構の側面図であって、多層ワークの巻出し後期の状態を示す図。
【図10】同周長差吸収機構の断面図。
【図11】周長差吸収機構の第2実施形態であって、図11aは積層ロールの装着前、図11bは積層ロールの装着後を示す図。
【符号の説明】
【0065】
4a,4c:銅箔(シート材料)
4b…ポリイミドフィルム(シート材料)
5…積層ロール
6…巻芯
10…積層板の製造装置
12…材料供給装置
13…ダブルベルトプレス装置(熱プレス機)
14…製品巻取装置
20…取付壁
21、23…積層ロール支持部
30…周長差吸収機構
31、33…支持アーム
32、34…張力付加ロール
36、37…ガイドロール
38…軸受ユニット
39…ベアリング
40…ベアリングベース
51…固定部
53…切欠部
55…蓋部
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料供給装置およびこれを用いた積層板の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層板の製造装置としては、複数のシート材料をそれぞれ巻き取った複数のロールと、複数のロールから巻き出した複数のシート材料を積層した状態で通過させつつ互いに熱溶着して積層板とする熱プレス機と、熱プレス機からの積層板を巻き取る製品巻取装置と、を備えて構成されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
そのため、複数のシート材料を熱プレス機に供給するための材料供給装置では、各ロールを支持するロール支持部が少なくともシート材料の枚数以上必要になり、この複数のロール支持部を互いに干渉しないように設置するために、材料供給装置が大型化してしまう。
【0004】
なお、材料供給装置を大型化させずに複数のロール支持部を配置すると、複数のロール支持部が互いに近接することになり、セット時にロール支持部にロールを装着する作業や、シート材料を熱プレス機に挿入する作業が困難になる。
【特許文献1】特開平5−42555号公報
【特許文献2】特開平9−1590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本出願人は、複数のシート材料を積層した状態でロール状にして巻き取って積層ロールを作り、この積層ロールを積層ロール支持部に装着しておき、この積層ロールから複数のシート材料を引き出す方法に想い至った。
【0006】
この方法によれば、複数のロール支持部を、一つの積層ロール支持部としてまとめることができるため、装置を大幅に小型化できる。しかしながら、このような積層ロールからシート材料を巻き出すと、各シート材料の周長差により外側のシート材料ほど巻き出し量が長くなるため、この周長差を吸入できないと、複数のシート材料を重ね合わせて熱プレスする際に皺や折り目ができてしまう虞がある。
【0007】
そこで、周長差を吸収するためにダンサーロール機構などを設けることが考えられる。例えば特許文献2には走行距離補正手段としてダンサーロール機構の一例が開示されている。ダンサーロール機構は、回転軸が固定されている一対の固定ロールと、一対の固定ロールの間に設けられ且つその回転軸が固定ロールに対して移動可能なダンサーロールと、を備えて構成される。このようなダンサーロール機構を用いると、積層ロール支持部の以外に、複数のシートごとにそれぞれダンサーロール機構の支持部が必要となり、こらら積層ロール支持部とダンサーロール機構支持部とが互いに干渉しないようにすると、材料供給装置が大型化し、装置全体の大型化が避けられなくなってしまう。
【0008】
本発明は、装置の大型化を回避できる積層板の製造装置およびこれに用いる材料供給装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る積層板の製造装置および材料供給装置は、積層ロールの巻芯に装着され且つ積層ロールの複数のシート材料の周長差を吸収する周長差吸収機構を備え、前記周長差吸収機構は、前記積層ロールから引き出すシート材料を引き出し方向にガイドする1以上のガイドロールと、前記ガイドロールを通過したシート材料に対して前記ガイドロールとは逆側からシート材料に圧接して張力を与える1以上の張力付加ロールと、を備えて構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、積層ロールから複数のシート材料を引き出した際にこれら複数のシート材料間に生じる周長差を、周長差吸収機構によって吸収できる。
【0011】
また、この周長差吸収機構を、積層ロールの巻芯を支持する積層ロール支持部に対して積層ロールの軸方向にずれた位置に配置できるため、複数の積層ロール支持部を近接配置してもこれら積層ロール支持部に周長差吸収機構が干渉せずにすみ、材料供給装置の大型化を避けることができる。
【0012】
また、周長差吸収機構は、ガイドロールと張力付加ロールとを備えて構成されているため、ガイドロールが無い構造に比べ、周長差を吸収できる量が大きくなる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
(第1実施形態)
第1実施形態の積層板の製造装置について図1〜7を参照しつつ説明する。
【0015】
「積層板の製造装置の概略」
まず、本実施形態の積層板の製造装置10の全体構造を概略的に説明する。本実施形態の積層板の製造装置10は、図2に示すように、材料供給装置12と、熱プレス機としてのダブルベルトプレス装置13と、製品巻取装置14と、を備えて構成されている。
【0016】
材料供給装置12は、各積層ロール5から多層ワーク8(複数のシート材料4a、4b、4cを積層したもの)を巻き出してダブルベルトプレス装置13のワーク供給口に供給するものであり、ダブルベルトプレス装置13は、公知のダブルベルトプレス装置により構成され、材料供給装置12からの多層ワーク8を通過させつつ加熱圧着することにより多層ワーク8を構成する複数のシート材料4a、4b、4c同士を熱溶着(ラミネート成形)して積層板9とするものであり、このようにダブルベルトプレス装置13でラミネート成形された積層板9を、製品巻取装置14で巻き取るようになっている。
【0017】
なお、積層ロール5の製造方法は、図1に示すように長尺帯状の複数のシート材料4a、4b、4cを積層した状態で巻芯6にロール状に巻き取ることにより、行われる。この積層ロール5を製造するための積層ロール製造装置1は、図1に示すように各シート材料4a、4b、4cがそれぞれ別々にロール状に巻き取られた単層ロール3a、3b、3cを軸支する単層ロール支持部2a、2b、2cと、各単層ロールからのシート材料4a、4b、4cを積層した状態で巻き取るための巻芯6を支持する積層ロール支持部7と、を主な構成要素として備える。この例では、複数のシート材料4a、4b、4cは3枚で、銅箔4a,ポリイミドフィルム4b,及び銅箔4cからなる。そのため、図2に示す製造装置10で製造される積層板9は、ポリイミドフィルム4bの両面が銅箔層4a、4cとなる両面銅箔積層板(ラミネートシート)となる。なお、シート材料4a、4b、4cが上述の材質の場合、ダブルベルトプレス装置13による加熱圧着処理は、圧力20〜80[bar]、温度180〜400[℃]、時間1〜10[分]の範囲内で行うことが望ましい。
【0018】
「材料供給装置」
次に、材料供給装置12についてより詳しく説明する。
【0019】
材料供給装置12は、図2、4に示すように、積層ロール5の巻芯6を回転自在に軸支する積層ロール支持部21、23を備えている。積層ロール支持部21、23は巻芯6の軸方向両端側に設けられており、軸方向一端側の積層ロール支持部21が、床面から垂直方向に立設された取付壁20に各積層ロール5毎に埋設されており、軸方向他端側の積層ロール支持部23が、各積層ロール5毎に床面または天井から垂直方向に立設された柱状に形成されている。
【0020】
この積層ロール支持部21、23は、回転シャフト25を介して積層ロール5の巻芯6を軸支している。つまり、積層ロール5の巻芯6は中空(この例では円筒状)に形成されており、この巻芯6内を貫通する回転シャフト25を積層ロール支持部21、23によって支持している。なお、回転シャフト25は、巻芯6の内周面に係合すべく径方向にむけて出没する図示せぬストッパを有しており、ストッパが径方向に突出すると回転シャフト25と巻芯6とが一体化して回転シャフト25と巻芯6とが一体的に回転することとなる。
【0021】
積層ロール支持部21、23の少なくとも何れか一方には、製品巻取装置14による積層板9の巻き取りに対してブレーキをかけるブレーキ手段(図示せぬ)が内蔵されており、これにより多層ワーク8が張架した状態でダブルベルトプレス装置13に投入されるようになっている。
【0022】
しかしながら、多層ワーク8は複数のシート材料4a、4b、4c(厚さt1,t2,t3)により形成されているため、積層ロール5から巻出した際に、外側のシート材料4cは中間のシート材料4bによりも1周あたり2π×(t2)/2だけ長く巻き出されるとともに内側のシート材料4aに対しては1周あたり2π×(t2+t3)/2だけ長く巻き出されることとなる。
【0023】
そのため、ダブルベルトプレス装置13に多層ワーク8が挿入される際、ダブルベルトプレス装置13のワーク挿入口においてシート材料4a、4b、4cの精度よく積層されずに皺などが発生して、積層板の成形不良を引き起こす可能性がある。そこで、このような不具合が発生することを防止するために、本実施形態の材料供給装置12は周長差吸収機構30を備えて構成されている。
【0024】
「周長差吸収機構」
次に周長差吸収機構30について図4〜10を参照しつつ説明する。
【0025】
周長差吸収機構30は、積層ロール5の複数のシート材料4a、4b、4cの周長差を吸収するものである。本実施形態の周長差吸収機構30は、積層ロール5の巻芯6に装着されている。より具体的には、以下のような構成になっている。
【0026】
本実施形態の周長差吸収機構30では、図4〜図10に示すように積層ロール5の巻芯6の軸方向両端側にベアリング39を介して懸架された対向する一対の板状の取付ベース35が設けられている。この対向する一対の取付ベース35には、巻芯6と平行になるようにガイドロール36、37が懸架された状態で軸支されているとともに、一対の支持アーム31および一対の支持アーム32が枢着されている。この一対の支持アームの回転自由端側には張力付加ロール32、34が巻芯6と平行になるように架設された状態でその軸方向両端が軸支されている。
【0027】
ガイドロール36、37は、積層ロール5から引き出すシート材料4b、4cを引き出し方向にガイドするものである。また、張力付加ロール32、34は、ガイドロール36、37を通過したシート材料4b、4cに対してガイドロール36、37とは逆側から圧接して張力を与えるものである。ここで、ガイドロール36、37および張力付加ロール32、34の個数は、シート材料4a、4b、4cの枚数と同一であってもよいが、この例では、ガイドロール36、37および張力付加ロール32、34が、複数のシート材料4a、4b、4cのうち最内側のシート材料4aを除いた各シート材料4b、4cに対して設けられており、最内側のシート材料4aはガイドロールおよび張力付加ロールを介さずにダブルベルトプレス装置13を通じて製品巻取装置14で巻き取るようになっているため、ガイドロール36、37および張力付加ロール32、34の個数は、シート材料4a、4b、4cの枚数よりも1つ少なくなっている。つまり、この例では、多層ワーク8のシート材料の枚数が3枚に対して、ガイドロール36、37および張力付加ロール32、34は1つ少ない2つになっている。
【0028】
なお、取付ベース35は、回転する巻芯6に対して当該取付ベース35の自重によって姿勢が一定に保たれているか、床面や積層ロール支持部やその他の固定点に係合されて姿勢が一定に保たれるようになっている(回転する巻芯6につられて回転しないようになっている)。
【0029】
そして、張力付加ロール32、34がシート材料4b、4cに圧接する方向に向けて支持アーム31、33が回転するように、支持アーム31、33が付勢手段によって付勢されている。本実施形態の付勢手段は、支持アーム31、33に連結されたワイヤ43、45を電動モータ41で駆動するスライダ42で引っ張る構造である。なお、本発明では、付勢手段は、バネ部材やエアシリンダなど様々な形態で実現されうる。また、本発明では、付勢手段を設けずに、張力付加ロール32、34および支持アーム31、33の自重により、張力付加ロール32、34がシート材料4b、4cに圧接するようなっていても良い。
【0030】
このような周長差吸収機構30により、ダブルベルトプレス装置13に投入される複数のシート材料4a、4b、4c間の巻出し長さが吸収される。具体的には、図8→図9→図10に示すように、積層ロール5から多層ワーク8が巻り出されるにしたがい外側のシート材料ほど弛みが大きくなるため、これを吸収するように支持アーム31、33が回転していく。これにより、製造される積層板9に皺が発生することが防止される。
【0031】
ここで、本実施形態の周長差吸収機構30では、図5〜図7に示すように、取付ベース35が、巻芯6の軸方向両端側に対して着脱自在に構成されている。より具体的には、取付ベース35には、巻芯6の軸方向両端側に装着された軸受ユニット38を、径方向から着脱自在に固定する固定部51が形成されている。
【0032】
軸受ユニット38は、少なくともベアリング39を有して構成され、この実施形態では、巻芯6の軸方向両端側に圧入固定されているベアリング39と、このベアリング39の外周側に固定される板状のベアリングベース40と、を備えて構成されている。
【0033】
また、軸受ユニット38および固定部51は、嵌合構造で構成されており、固定部51内に軸受ユニット38が嵌合されるようになっている。取付ベース35の固定部51は、切欠部53を介して取付ベース35の周縁に開放しており、図5→図6に示すように、この切欠部53を通じて径方向から軸受ユニット38を挿入できるようになっている。この切欠部53は、図7に示すように蓋部55により塞がれるようになっている。蓋部55は、2つのクランプ57、57によって切欠部53を閉めた状態で取付ベース本体に固定される。切欠部53を閉じた状態の蓋部55は、軸受ユニット38を固定部51の内周面に押圧している。なお、蓋部55の内面には弾性部材64(この例では厚さ20mmウレタン)が付設されており、この弾性部材64を押しつぶしつつ蓋部55を閉めることで、当該弾性部材64の弾性復元力により軸受ユニット51が蓋部55と対向する面63に対して押圧された状態で固定部51内に嵌合される。
【0034】
軸方向両側の軸受ユニット38、38は非真円形(この例では方形)の同一形状で形成され、また、軸方向両側の固定部51、51も非真円形(この例では方形)の同一形状で形成されている。そのため、積層ロール5の取付ベース35に対する取付方向を左右入れ替えても、装着できるようになっている。
【0035】
また、取付ベース35には、さらに第2のクランプ59が取付けられており、この第2のクランプ59の締め付け方向が、第1のクランプ57の締め付け方向(=蓋部の押圧方向)と直交している。
【0036】
このように構成された周長差吸収機構30の積層ロール5への取り付けは以下のように行う。
【0037】
まず、図5に示すように、周長差吸収機構30の取付ベース35を、その固定部51の切欠部53が上方に向くように配置するとともに、蓋部55を取り外して固定部51を開放しておく。
【0038】
次に、図5→図6に示すように、取付ベース35の固定部51に、切欠部53を通じて積層ロール5の巻芯6の両端の軸受ユニット38を挿入する。なお、挿入の際には、固定部51の内周面の対向する2面に形成されたガイド部61、62(この例ではガイドレール)により、軸受ユニット38が固定部51内へ精度よく誘い込まれる。
【0039】
次に、図6→図7に示すように、取付ベース35の固定部51の切欠部53を蓋部55で塞ぎ、その蓋部55を第1のクランプ57で取付ベース本体に締め付けて固定し、最終的に、第1のクランプ57とは異なる方向から第2のクランプ59で軸受ユニット38を締め付けて、軸受ユニット38を取付ベース35の固定部51内に固定状態をより確実にする。
【0040】
このように本実施形態の材料供給装置14および積層板の製造装置によれば、周長差吸収機構30が巻芯6に対して着脱自在になっているため、積層ロール5を交換するだけで周長差吸収機構30を使い回すことができる。
【0041】
次に本実施形態の効果を列挙する。
【0042】
(1)本実施形態の積層板の製造装置10およびこれに用いる材料供給装置12は、積層ロール5から引き出した複数のシート材料4a、4b、4cの周長差を吸収する周長差吸収機構30を備えている。そのため、積層ロール5から多層ワーク8を引き出した際に多層ワーク8を構成する複数のシート材料4a、4b、4c間に生じる周長差を、周長差吸収機構30によって吸収できる。結果、熱プレス機13のワーク挿入口において多層ワーク8の積層状態を安定させることができ、製造される積層板9に皺が入るなどの製造不良を防止できる。
【0043】
(2)本実施形態では、当該周長差吸収機構30が積層ロール5の巻芯6に装着されている。そのため、周長差吸収機構30を、積層ロール支持部21、23に対して軸方向にずれた位置に配置できるため、複数の積層ロール支持部21、23を径方向に近接配置してもこれら積層ロール支持部21、23に周長差吸収機構30が干渉せずにすみ、材料供給装置12の大型化を避けることができる。
【0044】
特に、多層ワーク8を構成するシート材料が3枚以上の構造において、複数の積層ロール5を互いに近接配置することが容易となる。
【0045】
(3)本実施形態では、周長差吸収機構30は、積層ロール5の巻芯6の軸方向両端側にベアリング39を介して懸架された一対の取付ベース35と、一対の取付ベース35間に軸支され且つ積層ロール5から引き出すシート材料4b、4cを引き出し方向にガイドするガイドロール36、37と、一対の取付ベース35にそれぞれ枢着された一対の支持アーム31、33と、一対の支持アーム31、33の回転自由端間に軸支され且つ前記ガイドロール36、37を通過したシート材料4b、4cに対して前記ガイドロール36、37とは逆側から圧接して張力を与える張力付加ロール32、34と、を備えて構成されている。
【0046】
そのため、積層ロール5の巻芯6に装着される周長差吸収機構30が、簡素な構成となり、装置の原価低減に寄与する。また、一対の支持アーム31、33で張力付加ロール32、34の長手方向両端を支持するため、張力付加ロール32、34の安定性が高く、シート材料4a、4b、4cがより皺になりにくくなる。
【0047】
(4)また本実施形態では、取付ベース35は、巻芯6の軸方向両端部に装着された軸受ユニット38に対して着脱自在である。そのため、周長差吸収機構30が積層ロール5の巻芯6に対して着脱自在となり、これにより、積層ロール5を交換するだけで周長差吸収機構30を使い回すことができる。
【0048】
(5)また本実施形態では、軸受ユニット38および固定部51は、互いに嵌め合うように構成され、両端の軸受ユニット38、38が同一形状であり、且つ、両端の取付ベース35の固定部51、51が同一形状である。そのため、積層ロール5の巻芯6の取付ベース35に対する取付方向を入れ替えて利用することができる。つまり、巻芯6にシート材料を巻き取り方向や、巻芯からシート材料を巻出し方向などを容易に変更でき、積層ロール5や周長差吸入機構30に設計変更を加えることなく、積層ロール5や周長差吸収機構30の取付位置や取付方向などのレイアウト変更を自由にできる。
【0049】
(6)また本実施形態では、取付ベース35は、当該取付ベース35の周縁から前記固定部51に連通することで軸受ユニット38を固定部51に径方向から挿入自在とする切欠部53と、切欠部53を塞ぐ蓋部55と、を備えて構成され、蓋部55は、閉状態で、軸受ユニット38を固定部51の内周面に向けて押圧している。そのため、容易に軸受ユニット38を固定部51に装着できる構造でありつつ、軸受ユニット38の固定部51への固定状態が安定する。
【0050】
(7)また、本実施形態では、支持アーム31、33を巻芯6よりもガイドロール36、37側において回転自在に軸支してある。そのため、支持アーム31、33の長さを短くすることができ、これにより、さらに装置のコンパクト化を図ることができる。
【0051】
(8)また本発明では、複数の支持アーム31、33の回転中心を一致させても良いが、仮に、複数の支持アーム31、33の回転中心を一致させた場合は、複数の支持アーム31、33を巻芯6の軸方向に向けて積層する必要がある。これに対して、本実施形態では、複数の支持アーム31、33の回転中心を一致させずにズラして設けてあるため、巻芯6の軸方向に大型化せずにすむ。
【0052】
(9)また本実施形態では、積層ロール5から引き出した多層ワーク(積層した複数のシート材料4a、4b、4cからなる)のうち最内側のシート材料4aを除いた各シート材料4b、4cに対して、ガイドロール36、37および張力付加ロール32、34が設けられている。つまり、ガイドロール36、37および張力付加ロール32、34の個数が、シート材料の枚数よりも1つ少ない個数になっている。そのため、張力付加ロール32、34およびこれを支持する支持アーム31、33が最小限で済むため、部品点数が低減され、原価低減に寄与する。
【0053】
(第2実施形態)
次に、周長差吸収機構30の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において、上述の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、構成ならびにその作用効果の重複する説明は省略する。
【0054】
図11に示す第2実施形態の周長差吸収機構30は、支持アーム31、張力付加ロール32、ガイドロール36が一つである点で、第1実施形態と異なる。
【0055】
また第2実施形態では、積層ロール5の両端の軸受ユニット38が外周形状が円形であり、これに合わせて取付ベース35に形成された固定部51の内周面が、略U字状に形成されている点で、第1実施形態と異なる。また第2実施形態では、蓋部53が取付ベース本体に枢着されている点で、蓋部53が取付ベース本体に枢着されていない第1実施形態と異なる。
【0056】
このような第2実施形態においても、上述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0057】
以上、本発明を上述の実施形態を例にとって説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されることはない。
【0058】
例えば、上記銅箔はアルミニウム箔やステンレス箔等の銅箔以外の金属箔であってもよく、また、ポリイミドフィルムは液晶ポリマーやアラミドフィルム、ペットフィルム、極薄ガラスクロス基材のエポキシ樹脂シートなどポリイミドフィルム以外の種々のフィルム状基材であってもよい。
【0059】
また、上述の実施形態では、6枚の積層板を同時にラミネート成形するものであったが、本発明では、1枚の積層板をラミネート形成するものであってもよい。但し、同時に製造する積層板の枚数が多いほど、つまり、積層ロールの個数が多いほど、積層ロールの支持部の配置スペースが限られてくるため、本発明の効果がより功を奏する。
【0060】
また、上述の実施形態では、巻芯は回転シャフトを介して積層ロール支持部に装着されていたが、本発明では、巻芯が回転シャフトを介さずに積層ロール支持部に直接装着されていても良い。
【0061】
また、上述の実施形態では、軸受ユニット38は、巻芯6に圧入固定されたベアリング39と、このベアリング39の外周側に固定される板状のベアリングベース40と、を備えて構成されているが、本発明では、取付ベース35が軸受ユニット38を着脱自在に固定されるものであれば、軸受ユニット38はベアリング39のみで構成されるものであってもよい。
【0062】
また、上述の実施形態では、ガイドロール、張力付加ロールおよび支持アームの点数を最小限にすべく、多層ワークを構成するシート枚数よりもガイドロール、張力付加ロールおよび支持アームの個数が1つ少なくなっているが、本発明ではシート枚数と、ガイドロールおよび張力付加ロールおよび支持アームの個数とが同一でもよいし、また多くてもよい。
【0063】
また、その他、上記実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態の積層板の製造装置に用いる積層ロール製造装置の模式図である。
【図2】本実施形態の積層板の製造装置の模式図。
【図3】同積層板の製造装置により製造される積層板の製造原理を概略的に説明する模式図。
【図4】同積層板の製造装置の材料供給装置に用いられる周長差吸収機構の斜視図。
【図5】同周長差吸収機構に積層ロールを装着する工程を説明する図であって、装着前の図。
【図6】同周長差吸収機構に積層ロールを装着する工程を説明する図であって、装着中の図。
【図7】同周長差吸収機構に積層ロールを装着する工程を説明する図であって、装着後の図。
【図8】同周長差吸収機構の側面図であって、多層ワークの巻出し中期の状態を示す図。
【図9】同周長差吸収機構の側面図であって、多層ワークの巻出し後期の状態を示す図。
【図10】同周長差吸収機構の断面図。
【図11】周長差吸収機構の第2実施形態であって、図11aは積層ロールの装着前、図11bは積層ロールの装着後を示す図。
【符号の説明】
【0065】
4a,4c:銅箔(シート材料)
4b…ポリイミドフィルム(シート材料)
5…積層ロール
6…巻芯
10…積層板の製造装置
12…材料供給装置
13…ダブルベルトプレス装置(熱プレス機)
14…製品巻取装置
20…取付壁
21、23…積層ロール支持部
30…周長差吸収機構
31、33…支持アーム
32、34…張力付加ロール
36、37…ガイドロール
38…軸受ユニット
39…ベアリング
40…ベアリングベース
51…固定部
53…切欠部
55…蓋部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシート材料を積層した状態で巻芯にロール状に重ね巻した積層ロールから各シート材料を巻き出して供給する材料供給装置であって、
前記積層ロールの各シート材料の周長差を吸収する周長差吸収機構を備え、
前記周長差吸収機構は、前記巻芯の軸方向両端側にベアリングを介して懸架された一対の取付ベースと、前記両取付ベース間に軸支され且つ前記積層ロールから引き出したシート材料を引き出し方向にガイドするガイドロールと、前記両取付ベースに枢着された一対の支持アームと、前記一対の支持アームの回転自由端側同士の間に架設され且つ前記ガイドロールを通過したシート材料に対して前記ガイドロールとは逆側からシート材料に圧接して張力を与える張力付加ロールと、を備え、
前記取付ベースは、前記巻芯の軸方向両端側に装着された前記ベアリングを少なくとも有する軸受ユニットを、着脱自在に固定する固定部を備えることを特徴とする材料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の材料供給装置であって、
前記軸受ユニットおよび前記固定部は、互いに嵌め合う構造で構成され、両端の軸受ユニットがそれぞれ同一形状であり、且つ、両端の取付ベースの固定部がそれぞれ同一形状であることを特徴とする材料供給装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の材料供給装置であって、
前記取付ベースは、当該取付ベースの周縁から前記固定部に連通することで前記軸受ユニットを前記固定部に挿入自在とする切欠部と、前記切欠部を閉じる蓋部と、を備えて構成され、
前記蓋部は、閉状態で前記軸受ユニットを押圧することを特徴とする材料供給装置。
【請求項4】
複数のシート材料を積層した状態で巻芯にロール状に巻き取った積層ロールから前記複数のシート材料を巻き出して供給する材料供給装置と、前記材料供給装置からの複数のシート材料を積層した状態で通過させつつ熱プレスすることにより複数のシート材料同士を熱溶着して積層板とする熱プレス機と、を備える積層板の製造装置であって、
前記材料供給装置は、前記積層ロールの複数のシート材料の周長差を吸収する周長差吸収機構を備え、
前記周長差吸収機構は、前記巻芯の軸方向両端側にベアリングを介して懸架された一対の取付ベースと、前記両取付ベース間に軸支され且つ前記積層ロールから引き出したシート材料を引き出し方向にガイドするガイドロールと、前記両取付ベースに枢着された一対の支持アームと、前記一対の支持アームの回転自由端側同士の間に架設され且つ前記ガイドロールを通過したシート材料に対して前記ガイドロールとは逆側からシート材料に圧接して張力を与える張力付加ロールと、を備え、
前記取付ベースは、前記巻芯の軸方向両端側に装着された前記ベアリングを少なくとも有する軸受ユニットを、着脱自在に固定する固定部を備えることを特徴とする積層板の製造装置。
【請求項1】
複数のシート材料を積層した状態で巻芯にロール状に重ね巻した積層ロールから各シート材料を巻き出して供給する材料供給装置であって、
前記積層ロールの各シート材料の周長差を吸収する周長差吸収機構を備え、
前記周長差吸収機構は、前記巻芯の軸方向両端側にベアリングを介して懸架された一対の取付ベースと、前記両取付ベース間に軸支され且つ前記積層ロールから引き出したシート材料を引き出し方向にガイドするガイドロールと、前記両取付ベースに枢着された一対の支持アームと、前記一対の支持アームの回転自由端側同士の間に架設され且つ前記ガイドロールを通過したシート材料に対して前記ガイドロールとは逆側からシート材料に圧接して張力を与える張力付加ロールと、を備え、
前記取付ベースは、前記巻芯の軸方向両端側に装着された前記ベアリングを少なくとも有する軸受ユニットを、着脱自在に固定する固定部を備えることを特徴とする材料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の材料供給装置であって、
前記軸受ユニットおよび前記固定部は、互いに嵌め合う構造で構成され、両端の軸受ユニットがそれぞれ同一形状であり、且つ、両端の取付ベースの固定部がそれぞれ同一形状であることを特徴とする材料供給装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の材料供給装置であって、
前記取付ベースは、当該取付ベースの周縁から前記固定部に連通することで前記軸受ユニットを前記固定部に挿入自在とする切欠部と、前記切欠部を閉じる蓋部と、を備えて構成され、
前記蓋部は、閉状態で前記軸受ユニットを押圧することを特徴とする材料供給装置。
【請求項4】
複数のシート材料を積層した状態で巻芯にロール状に巻き取った積層ロールから前記複数のシート材料を巻き出して供給する材料供給装置と、前記材料供給装置からの複数のシート材料を積層した状態で通過させつつ熱プレスすることにより複数のシート材料同士を熱溶着して積層板とする熱プレス機と、を備える積層板の製造装置であって、
前記材料供給装置は、前記積層ロールの複数のシート材料の周長差を吸収する周長差吸収機構を備え、
前記周長差吸収機構は、前記巻芯の軸方向両端側にベアリングを介して懸架された一対の取付ベースと、前記両取付ベース間に軸支され且つ前記積層ロールから引き出したシート材料を引き出し方向にガイドするガイドロールと、前記両取付ベースに枢着された一対の支持アームと、前記一対の支持アームの回転自由端側同士の間に架設され且つ前記ガイドロールを通過したシート材料に対して前記ガイドロールとは逆側からシート材料に圧接して張力を与える張力付加ロールと、を備え、
前記取付ベースは、前記巻芯の軸方向両端側に装着された前記ベアリングを少なくとも有する軸受ユニットを、着脱自在に固定する固定部を備えることを特徴とする積層板の製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−29571(P2009−29571A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195045(P2007−195045)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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