検出装置及び画像形成装置
【課題】検出光の光路上にある透過体の透過率が変化する場合であっても、被検出物の表面状態の検出精度を向上させた検出装置を提供すること
【解決手段】本検出装置は、被検出物に向けて検出光を発光する発光部と、発光部から発光された検出光の光路上に設けられ、該検出光が透過する透過体と、被検出物で反射され、かつ、透過体を透過した検出光のうち、互いに特性の異なる第1検出光及び第2検出光を受光する受光部と、受光部に受光された第1検出光及び第2検出光の受光量の相対値に基づいて、被検出物の表面状態を検出する検出手段と、を備える。本検出装置によれば、当該構成を採用しない場合に比較して、検出光の光路上にある透過体の透過率が変化する場合であっても、被検出物における表面状態の検出精度を向上させることができる。
【解決手段】本検出装置は、被検出物に向けて検出光を発光する発光部と、発光部から発光された検出光の光路上に設けられ、該検出光が透過する透過体と、被検出物で反射され、かつ、透過体を透過した検出光のうち、互いに特性の異なる第1検出光及び第2検出光を受光する受光部と、受光部に受光された第1検出光及び第2検出光の受光量の相対値に基づいて、被検出物の表面状態を検出する検出手段と、を備える。本検出装置によれば、当該構成を採用しない場合に比較して、検出光の光路上にある透過体の透過率が変化する場合であっても、被検出物における表面状態の検出精度を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置及び当該検出装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学センサを用いて、例えば像担持体表面の表面状態を検出することが行われている。光学センサを備えた検出装置としては、センサの発光量と像担持体表面からの反射光量の比に基づいて、像担持体の表面状態を検出する検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−84762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光学センサの出力は、被検出物における表面状態の変化の他に、光路上にある透過体の汚れなどの状態により変化する場合がある。
【0004】
そこで、検出光の光路上にある透過体の透過率が変化する場合であっても、被検出物の表面状態の検出精度を向上させた検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の検出装置は、被検出物に向けて検出光を発光する発光部と、前記発光部から発光された検出光の光路上に設けられ、該検出光が透過する透過体と、前記被検出物で反射され、かつ、前記透過体を透過した前記検出光のうち、互いに特性の異なる第1検出光及び第2検出光を受光する受光部と、前記受光部に受光された第1検出光及び第2検出光の受光量の相対値に基づいて、前記被検出物の表面状態を検出する検出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の検出装置は、前記受光量の相対値が、前記第1検出光の受光量と前記第2検出光の受光量との比であることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の検出装置は、前記検出手段で検出された前記被検出物の表面状態の変化に関する情報に基づき、前記第1検出光及び前記第2検出光の少なくとも一方の受光量を補正する検出光補正手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の検出装置は、前記検出光補正手段で補正された前記第1検査光及び前記第2検査光の少なくとも一方の受光量に基づき、前記透過体の透過率を算出する透過率算出手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の検出装置は、前記検出手段が、前記第1検出光の受光量と前記第2検出光の受光量との比に加えて、前記第1検出光及び前記第2検出光の少なくとも一方の受光量の変化量に基づいて、前記被検出物の表面状態を検出することを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の画像形成装置は、像を形成する像形成手段と、前記像形成手段により形成された像を保持する像保持体と、前記像保持体に保持された像を記録媒体に転写する転写手段と、前記像保持体の表面状態を検出する請求項1または2記載の検出装置と、前記検出装置の検出結果に基づいて、前記像形成手段における像形成条件を補正する像形成補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の画像形成装置は、像を形成する像形成手段と、前記像形成手段により形成された像を保持する像保持体と、前記像保持体に保持された像を記録媒体に転写する転写手段と、前記像保持体の表面状態を検出する請求項3または4記載の検出装置と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の検出装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、検出光の光路上にある透過体の透過率が変化する場合であっても、被検出物における表面状態の検出精度を向上させることができる。
【0013】
請求項2記載の検出装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、透過率の影響を抑えることができる。
【0014】
請求項3記載の検出装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、第1検出光または第2検出光の検出値の検出精度を向上させることができる。
【0015】
請求項4記載の検出装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、検出光の光路上にある透過体の透過率が変化する場合であっても、透過体の透過率の算出精度を向上させることができる。
【0016】
請求項5記載の検出装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、被検出物の表面状態の検出精度を向上させることができる。
【0017】
請求項6記載の画像形成装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、検出光の光路上にある透過体の透過率が変化する影響を軽減し、像形成条件を設定することができる。
【0018】
請求項7記載の画像形成装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、検出の際に、検出光の光路上にある透過体の透過率の変化が及ぼす影響を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、図面を用い実施例について説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、実施例1に係る画像形成装置のブロック図である。本実施例における画像形成装置として、画像形成装置100を使用した。また、本実施例においては被検出物として像保持体を使用した。本実施例において、像保持体としては感光体10を使用した。なお、像保持体としては感光体10の他に中間転写体や記録紙等々を用いることができる。
【0021】
また、本実施例の検出装置として検出装置20を、発光部として発光部30を、受光部として受光部40を、検出手段としてセンサ制御部50をそれぞれ使用した。検出装置20は、感光体10の表面状態や感光体10上に形成されたトナー像を検出する。発光部30は、LED(Light Emitting Diode)等からなる少なくとも1以上の発光素子を含み、被検出物である感光体10に向けて検出光を発光する。受光部40は、少なくとも1以上の受光素子を含み、感光体10の表面または感光体10の表面に形成されたトナー像で反射された検出光を受光する。センサ制御部50は、例えばCPUから構成され、受光部40からの入力に基づき感光体10の表面状態を検出したりする。また、センサ制御部50は、後述する実施例では検出光補正手段及び透過率算出手段として使用される。上記の発光部30、受光部40、センサ制御部50は、検出装置20に含まれる。また、検出装置20は、例えばRAM(RANDOM ACCESS MEMORY)等により構成される記憶部56を含む。記憶部56には、例えば感光体10の劣化判定に用いられる閾値データ等が記憶され、記憶部56に記憶された情報は、必要に応じてセンサ制御部50により読み出される。
【0022】
画像形成装置100はさらに、感光体駆動部70、帯電部72、露光部74、現像部76、転写部78、及びトナー補給部80を備えている。本実施例では、像形成手段として帯電部72、露光部74、及び現像部76(図中に像形成手段60として示す)を使用した。また、本実施例では転写手段として転写部78を使用した。感光体駆動部70は、ドラム状の感光体10を回転駆動させる。帯電部72は、感光体10の表面を均一に帯電させる。露光部74は、帯電された感光体10の表面にレーザー光を走査して静電潜像を形成する。現像部76は、感光体10の表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により顕像化する。転写部78は、感光体10に形成・保持されたトナー像を紙などの記録媒体に転写する。トナー補給部80は、使用により減少したトナーを補給する。
【0023】
また、本実施例では、像形成補正手段として装置制御部52を使用した。装置制御部52は、例えばCPUから構成され、像形成手段における像形成条件を補正したりする。さらに、図示するように装置制御部52は、検出装置20以外の周辺装置の動作を制御する。
【0024】
実施例1では、検出装置20とは別の制御機構(装置制御部52)により上記の周辺装置を制御しているが、検出装置20の周辺装置は、検出装置20と共通の制御機構(センサ制御部50)により制御されてもよい。
【0025】
図2は、図1における検出装置20部分の構成を示した図である。実施例1の検出装置20は、発光部30として2つの発光素子である正反射用LED30a及び拡散反射用LED30bを備え、受光部40として1つの受光素子40aを備えている。また、検出装置20は、本実施例における透過体として使用した透過窓22を備えている。透過窓22は、例えば透明なガラス板などで構成され、発光素子30a及び30bから受光素子40aに至る光路上に設けられている。透過窓22により、検出装置20の内部が保護されている。
【0026】
本実施例では、第1検出光として検出光L1を、第2検出光として検出光L2をそれぞれ使用した。検出光L1は、正反射用LED30aから発光される。検出光L1は、透過窓22を介して披検出物である感光体10に照射される。検出光L1は、感光体10の表面において反射され、再び透過窓22を透過して受光素子40aに受光される。受光素子40aが受光する検出光L1は、正反射用LED30aから発光された光の正反射光である。
【0027】
検出光L2は、拡散反射用LED30bから発光される。検出光L2は、検出光L1と同様に透過窓22を介して感光体10に照射され、感光体10の表面で反射された後に再び透過窓22を透過して受光素子40aに受光される。受光素子40aが受光する検出光L2は、拡散反射用LED30bから発光された光の拡散反射光である。
【0028】
以下、感光体10の表面状態の表面状態を検出するための検出光L1(第1検出光)及び検出光L2(第2検出光)について詳細に説明する。両検出光は感光体10に対する入射角が異なる。また、検出光L1及びL2は、感光体10のほぼ同一の領域に照射され、共通の受光素子40aに受光される。検出光L1及びL2は、反射体である感光体10の表面状態、及び光路上にある透過窓22の汚れ等による影響を受ける。これにより、受光素子40aに受光される検出光の光量が増減する。
【0029】
図3(a)は、感光体10の劣化に伴う検出光の受光量の変化を示したグラフであり、横軸は感光体10の回転数(劣化度を判定する目安となる)を、縦軸は受光素子40aに受光された検出光L1及びL2の反射光量の平均を示す。図示するように、正反射光である検出光L1については、感光体10の回転数が増加するに従って受光量が低下する。一方、本実施例においては、感光体10の表面状態が初期状態では平坦な状態にあり、回転数が増えるに従って表面が劣化して凹凸が形成されることで、光が拡散しやすくなり、拡散反射光である検出光L2については、感光体10の回転数の増加に伴って受光量が僅かながら上昇する。なお、感光体10における表面状態の変化の態様によっては、L2の受光量が僅かに低下する場合や、L2の受光量がほとんど変化しない場合も考えられる。
【0030】
図3(b)は、図3(a)における検出光L1とL2の受光量の比(L2/L1)を示したグラフである。感光体10の回転数の増加に伴い、L1の受光量は減少し、L2の受光量は僅かに増加するため、両者の比であるL2/L1の出力値は増加する。なお、例えL2の傾向が異なる場合であっても、正反射光L1の受光量の変化度合いに比べて拡散反射光L2の受光量の変化度合いは小さいため、感光体10の回転数の増加に伴いL2/L1の値が増加することに変わりはない。
【0031】
図4(a)は、検出光L1及びL2の光路上に設置された透過窓22の汚れに伴う検出光の受光量の変化を示したグラフである。横軸は透過窓22の汚れ度合いを、縦軸は受光素子40aに受光された検出光L1及びL2の光量を示す。図示するように、正反射光である検出光L1及び拡散反射光である検出光L2のいずれにおいても、透過窓22の汚れ度合いが増加するに従って、受光量が一定割合で低下する。これは、図2のように、検出光L1及びL2が共に同じ透過窓22を同じ回数だけ透過するため、透過窓22の汚れが両検出光に与える影響は同じであるためと考えられる。
【0032】
図4(b)は、図4(a)における検出光L1とL2の受光量の比(L2/L1)を示したグラフである。透過窓22の汚れ度合いの増加に伴い、L1とL2の受光量は共に一定割合で減少するため、両者の比であるL2/L1の出力値はほぼ一定に維持される。
【0033】
以上のように、検出光の正反射光L1と拡散反射光L2とでは、感光体10の劣化から受ける影響と、透過窓22の汚れから受ける影響の度合いが異なる。実施例1では、このことを利用して感光体10の表面状態の劣化を判定する。
【0034】
図5は、実施例1に係る検出装置20の測定動作を説明するフローチャートである。開始時において、検出装置20の電源はONになっている。最初に、装置制御部52が感光体駆動部70を制御することにより感光体10が回転を開始する(ステップS10)。次に、センサ制御部50が正反射用LED30aをONに設定し、ステップS12)、正反射用LED30aの光量調整を行った後に(ステップS14)、感光体10の1周分に相当する範囲で第1検出光である正反射光L1の測定を行う(ステップS16)。次に、センサ制御部50が正反射用LED30aをOFFに設定し(ステップS18)、正反射光L1の受光量の平均値L1_AVEを計算する(ステップS20)。以上のステップにより、正反射光L1の測定が完了する。
【0035】
次に、センサ制御部50が拡散反射用LED30bをONに設定し(ステップS22)、拡散反射用LED30bの光量調整を行った後に(ステップS24)、感光体10の1周分に相当する範囲で第2検出光である拡散反射光L2の測定を行う(ステップS26)。また、一般的に正反射光に近い光の受光量は拡散反射光の受光量に比べて大きくなる傾向にあり、両者の絶対値の差が大きすぎると測定の精度が低下する。そのため、正反射光と拡散反射光の発光量の比は、必要に応じて適当な値(例えば、1:100)に調整されることが望ましい。次に、センサ制御部50が拡散反射用LED30bをOFFに設定し(ステップS28)、拡散反射光L2の受光量の平均値L2_AVEを計算する(ステップS30)。以上のステップにより、第2検出光である拡散反射光L2の測定が完了する。
【0036】
最後に、装置制御部52が感光体駆動部70に感光体10の回転を停止させる(ステップS32)。以上のステップにより、検出装置20による感光体10の測定が終了する。
【0037】
図6は、検出装置20による感光体10の劣化の検出動作を説明するフローチャートである。最初に、センサ制御部50が、図5のステップS20及びS30において計算された正反射光L1及び拡散反射光L2の受光量の平均に基づいて、両者の比であるL2/L1を計算する(ステップS40)。ここで、L2/L1の値は、「L2/L1=L2_AVE/L1_AVE」により求められる。次に、センサ制御部50がL2/L1の値を予め定められた閾値と比較する(ステップS42)。センサ制御部50は、L2/L1の値が閾値を上回った場合に、感光体10が寿命を迎えたと判定する(ステップS44)。
【0038】
感光体10の劣化に伴いL2/L1の値は増加するのに対し(図3(b))、透過窓22の汚れ度合いが増加してもL2/L1はほぼ一定である(図4(b))。その結果、上記の感光体10における劣化の検出動作において、透過窓22の汚れによる影響はほとんど無視することができ、L2/L1の値は汚れの影響によらず図3(b)とほぼ同じグラフを描くと考えられる。従って、図6のステップS42においては、図3(b)中に示した閾値とL2/L1の値とを比較し、L2/L1の値が閾値を超えた場合に感光体10を寿命と判定する。
【0039】
実施例1の検出装置20によれば、正反射光L1及び拡散反射光L2のそれぞれの受光量の相対値に基づいて、被検出物である感光体10の表面状態を検出する。特に、図6のステップS40に示したように、正反射光L1の受光量と拡散反射光L2の受光量との比を計算することで、透過窓22の汚れが検出結果に及ぼす影響が低減されるため、感光体10における表面状態の表面状態の検出精度が向上する。
【実施例2】
【0040】
実施例2は、1つの発光素子と2つの受光素子を用いる例である。画像形成装置100の全体構成は実施例1(図1)と共通である。
【0041】
図7は、実施例2に係る検出装置20Aの構成を示した図である。検出装置20Aは、発光部30として1つの発光素子であるLED30cを備え、受光部40として2つの受光素子である正反射用受光素子40c及び拡散反射用受光素子40dを備えている。検出装置20Aは、実施例1(図2)と同様に検出光を透過させるための透過窓22を備えている。
【0042】
LED30cから発光された検出光は、透過窓22を介して感光体10に照射され、感光体10の表面で反射された後に再び透過窓22を透過して正反射用受光素子40c及び拡散反射用受光素子40dに受光される。正反射用受光素子40cが受光する検出光L3は、LED30cから発光された光の正反射光であり、検出光L3の感光体10に対する入射角と反射角は等しい。拡散反射用受光素子40dが受光する検出光L4は、LED30cから発光された光の拡散反射光であり、検出光L4の感光体10に対する入射角と反射角は異なる。すなわち、実施例2では、正反射の検出光L3が実施例1の正反射光L1に、拡散反射の検出光L4が実施例1の拡散反射光L2にそれぞれ相当する。
【0043】
実施例1で用いた図5を参照して、実施例2に係る検出装置20Aの測定動作について説明する。検出装置20Aにおいては発光素子であるLEDは1つであるため、正反射用LEDと拡散反射用LEDを区別する必要がなく、ステップS18及びS22が不要である。また、ステップS16における正反射光(実施例2ではL3)の測定は、正反射用受光素子40cを用いて行い、ステップS26における拡散反射光(実施例2ではL4)の測定は、拡散反射用受光素子40dを用いて行う。ここで、実施例1と同じく、正反射光L3と拡散反射光L4とで感光体10における測定範囲が同一になるようにすることが望ましい。また、一般的に正反射光に近い光の受光量は拡散反射光の受光量に比べて大きく、両者の絶対値の差が大きすぎると測定の精度が低下する。そのため、ステップS14及びS24におけるLEDの光量調整代わりに、センサ制御部50が必要に応じて正反射用受光素子40c及び拡散反射用受光素子40dからの出力の増幅率を一定(例えば、1:100)に調整することが好ましい。
【0044】
検出装置20Aの検出動作は、実施例1(図6)において説明したものと共通であり、センサ制御部50は正反射光L3と拡散反射光L4との比であるL4/L3に基づいて、被検出物である感光体10の表面状態を検出する。
【0045】
以上のように、1つの発光素子と2つの受光素子を用いた場合であっても、実施例1と同様に、光路上にある透過体の汚れによる影響を低減し、感光体10の表面状態を精度良く検出することが期待される。実施例1〜2の検出装置によれば、発光素子と受光素子は、発光部30及び受光部40にそれぞれ少なくとも1つずつ備わっていればよく、その数は仕様等に応じて適宜変更してもよい。また、第1検出光は必ずしも正反射光である必要はなく、拡散反射光である第2検出光と受光量の点において十分に区別することが可能なものであれば、入射角と反射角が異なっていてもよい。
【実施例3】
【0046】
実施例3は、検出光として偏光状態の異なる2種類の光を用いる例である。画像形成装置100の全体構成は実施例1(図1)と共通である。
【0047】
図8は、実施例3に係る検出装置20Bの構成を示した図である。検出装置20Bは、発光部30として1つの発光素子であるLED30eを備え、受光部40として2つの受光素子である第1偏光用受光素子40e及び第2偏光用受光素子40fを備えている。検出装置20Bは、実施例1(図2)と同様に検出光を透過させるための透過窓22を備えている。
【0048】
検出装置20Bでは、発光部30側の光路上において、LED30eと透過窓22との間に第1偏光板24aが設けられている。また、受光部40側の光路上において、透過窓22の内側には分光板26が設けられ、第1偏光用受光素子40eと分光板26との間には第2偏光板24bが、第2偏光用受光素子40fと分光板26との間には第3偏光板24cがそれぞれ設けられている。
【0049】
LED30eから発光された検出光は、第1偏光板24を透過することにより、単一偏光の照射光L5となる。照射光L5は、透過窓22を透過して感光体10に照射され、感光体10の表面で反射された後に再び透過窓22を透過して分光板26へと導かれる。実施例3では、検出光の入射角と反射角が等しいが、当該構成は必須要件ではない。
【0050】
分光板26で分光された検出光のうちの一方(第1検出光L6)は、第2偏光板24bを透過して第1偏光用受光素子40eに受光される。第2偏光板24bは、照射光L5と同じ偏光成分をもつ光のみを透過させる偏光板であり、第2偏光板24bを透過した第1検出光L6は、照射光L5と平行な偏光面をもつ。分光板26で分光された検出光のうちの他方(第2検出光L7)は、第3偏光板24cを透過して第2偏光用受光素子40fに受光される。第3偏光板24cは、照射光L5と垂直な偏光成分をもつ光のみを透過させる偏光板であり、第3偏光板24cを透過した第2検出光L7は、照射光L5と垂直な偏光面をもつ。
【0051】
実施例3における第1検出光L6は、実施例1における正反射光L1に相当し、感光体10の劣化に伴い受光量が低下する(図3(a)参照)。また、実施例3における第2検出光L7は、実施例1における拡散反射光L2に相当し、感光体10の劣化に伴い受光量が僅かながら増加する。これは、感光体10の表面状態の劣化に伴い、照射光L5の反射時において偏光状態が変化しやすくなるためと考えられる。第1検出光L6及び第2検出光L7は、共に透過体である透過窓22を同じ回数だけ透過する。従って、これらの透過体の汚れから受ける影響は同じであり、汚れ度合いの増加に伴い、受光量は共に一定割合で低下する(図3(b)参照)。
【0052】
実施例1で用いた図5を参照して、実施例3に係る検出装置20Bの測定動作について説明する。検出装置20Bにおいては発光素子であるLEDは1つであるため、実施例2と同様にステップS18及びS22が不要である。また、ステップS16における正反射光(実施例3では第1検出光L6)の測定は、第1偏光用受光素子40eを用いて行い、ステップS26における拡散反射光(実施例3では第2検出光L7)の測定は、第2偏光用受光素子40fを用いて行う。ここで、実施例1と同じく、第1検出光L6及び第2検出光L7の測定時で感光体10における測定範囲が同一になるようにすることが望ましい。また、実施例3では分光板26を用いて2種類の検出光を同時に測定することができるため、ステップS16及びステップS26を同時に行ってもよい。
【0053】
検出装置20Bの検出動作は、実施例1(図6)において説明したものと共通であり、センサ制御部50は第1検出光L6の受光量と第2検出光L7の受光量との比であるL7/L6に基づいて、被検出物である感光体10の表面状態を検出する。
【0054】
以上のように、実施例3では、感光体10に対する反射角が異なる2種類の検出光の代わりに、偏光状態が異なる2種類の検出光を用いて感光体10の表面状態の検出を行う。
【実施例4】
【0055】
実施例4は、透過窓を有しない検出装置を用いる例である。画像形成装置100の全体構成は、実施例1(図1)と共通である。
【0056】
図9は、実施例4に係る検出装置20Cの構成を示した図である。検出装置20Cの構成は、実施例3における検出装置20B(図8)とほぼ共通であるが、透過窓22が備わっていない点が異なる。すなわち、本実施例では、透過体として分光フィルタ26を使用している。なお、分光フィルタ26としては分光プリズム等を使用してもよい。
【0057】
実施例4に係る検出装置20Cの測定動作及び検出動作は、実施例3で説明したものと同様である。これによれば、分光フィルタ26の透過率が変化した場合であっても、感光体10の表面状態を精度良く検出することが期待される。
【0058】
以上述べたように、実施例1〜4の検出装置20〜20Cによれば、特性(例えば、感光体10に対する入射角、反射角、または偏光状態など)の異なる2種類の検出光(第1検出光及び第2検出光)の受光量の相対値に基づいて、センサ制御部50が感光体10の表面状態を判定する。
【0059】
実施例1〜3では透過体として透過窓22を例に説明し、実施例4では透過体として分光フィルタ26を例に説明したが、測定に影響を与える可能性のある透過体はこれに限られるものではない。例えば、発光素子や受光素子のレンズや、図8に示した偏光板24a〜24cなども透過体の概念に含まれうる(汚れがほとんど付着せず、測定に影響を与える可能性がない場合はこれらの存在を無視してもよい)。
【実施例5】
【0060】
実施例5は、実施例1〜4で説明した2種類の検出光の受光量に加え、さらに一定期間における受光量の変動を考慮して感光体の表面状態を判定する例である。実施例5に係る画像形成装置及び検出装置の構成は、実施例1〜4で説明したもののいずれかと共通とすることができる。ここでは、実施例1の検出装置(図1及び図2を参照)と同一の検出装置20を用いる例について説明する。検出装置20の測定動作は実施例1(図5)と共通である。
【0061】
図10(a)は、感光体10の1周分に相当する期間における正反射光L1及び拡散反射光L2の受光量の変動を示したグラフである。横軸は感光体10の回転角(すなわち、感光体10上における検出光の照射位置)を、縦軸は検出光の受光量をそれぞれ示す。被検出物である感光体10の回転に伴い、検出光の感光体10上における照射位置が変化する。これにより、正反射光L1及び拡散反射光L2の受光量は、図示するように不規則に変動する。図10(b)に示すように、感光体10の劣化が進むと感光体表面の粗さが増大するため、受光量の変動量(最小値と最大値の差)も大きくなる。
【0062】
図11は、実施例5に係る検出装置の検出動作を説明するフローチャートである。最初に、実施例1(図6)と同様に、センサ制御部50が正反射光L1と拡散反射光L2との比L2/L1を計算し(ステップS50)、閾値との比較を行う(ステップS52)。ステップS52においてYESの場合、センサ制御部50が測定期間中における正反射光L1の変動量を計算し(ステップS54)、閾値と比較する(ステップS56)。ステップS56においてYESの場合、センサ制御部50は感光体10の寿命と判定する(ステップS58)。
【0063】
実施例1では、正反射光L1と拡散反射光L2との比L2/L1に基づいて感光体10の表面状態を判定したが、L2/L1の値は時に大きく変動し、感光体10の劣化前であっても閾値を一時的に超えてしまう場合がある。そこで、実施例5では、検出手段として機能するセンサ制御部50が、上記のL2/L1に加え、一定期間における正反射光L1の受光量の変化に基づいて感光体10の表面状態を判定する。これにより、感光体10の表面状態の検出精度がさらに向上する。
【0064】
実施例5では、正反射光L1の受光量の変化量に基づいて感光体10の表面状態を検出したが、正反射光L1の代わりに拡散反射光L2を用いてもよい。また、実施例2〜4に係る検出装置を用いた場合でも、一定期間における2種類の検出光(第1検出光及び第2検出光)の少なくとも一方の受光量の変化に基づいて感光体10の表面状態を判定することで、同様に検出精度の向上が期待される。
【実施例6】
【0065】
実施例6は、実施例1〜5で説明した検出装置により検出された感光体(被検出物)の表面状態に基づき、透過体の透過率を算出する例である。実施例6に係る画像形成装置及び検出装置の構成、測定動作及び検出動作は、実施例1において説明したものと共通である(図1〜図6参照)。
【0066】
本実施例では、検出光補正手段及び透過率算出手段としてセンサ制御部50を使用した。検出光補正手段としてのセンサ制御部50は、検出された感光体10の表面状態の変化に関する情報(例えば、感光体10の表面の劣化度合い)に基づき、第1検出光L1及び第2検出光L1の少なくとも一方の受光量を補正したりする。また、透過率算出手段としてのセンサ制御部50は、補正された第1検査光L1及び第2検査光L1の少なくとも一方の受光量に基づき、透過体(本実施例では透過窓22)の透過率を算出したりする。
【0067】
図12は、実施例6に係る検出装置20の検出動作を説明するフローチャートである。これらのステップは、図6における感光体10の表面状態(特に、劣化の有無)を検出するステップに続いて行っても、単独で行ってもよい。最初に、センサ制御部50が、被検出物である感光体10の劣化度を算出する(ステップS60)。ここで、劣化度とは、例えば使用開始時の感光体10の表面状態を基準とする、一定期間使用後の感光体10の表面状態を示すものである。また、劣化度の算出は、測定により得られたL2/L1の値を図13(b)のグラフに当てはめて、本実施例における感光体の変化に関する情報として用いた感光体10の劣化度を算出している。劣化度は例えば、使用開始時の感光体10の表面状態を基準とする現在の表面状態の劣化度合いを算出してもよい。
【0068】
次に、センサ制御部50が、ステップS60において算出された感光体10の劣化度に基づき、受光部40における検出光の受光量を補正する(ステップS62)。ここで、受光量の補正は、感光体10の劣化により減少したと推定される光量を補うように行われる。これにより、感光体10の劣化による受光量の減少分が相殺される。
【0069】
次に、検出手段として機能するセンサ制御部50が、ステップS62において補正された受光量から、検出光の透過体(ここでは透過窓22)における透過率を算出する(ステップS64)。透過率の算出は、例えば補正後の受光量と感光体10の使用開始時における受光量との比をとることにより行われる。ステップS62及びステップS64における検出光には、正反射光L1及び拡散反射光L2のいずれを使用してもよい。
【0070】
ステップS64において、感光体10の使用開始時に比べて検出光の受光量が減少している場合には、透過窓22における光の透過率が汚れ等の影響により減少したと考えられる。一方、検出光の受光量が変化しない場合には、透過窓22の透過率は感光体10の使用開始時と同じである。
【0071】
実施例6の検出装置によれば、センサ制御部50が被検出物である感光体10の劣化度に基づき受光部40における検出光(第1検出光及び第2検出光の少なくとも一方)の受光量を補正し、当該補正後の受光量に基づき透過窓22の透過率を算出する。これにより、補正前の受光量の低下が、感光体10の劣化によるものか、透過窓22の汚れ等によるものかが判別される。また、算出された透過窓22の透過率に応じて、透過窓22の清掃や交換を適宜行ってもよい。また、ステップS62でなされた補正に基づき、濃度制御や感光体の電位制御などを行ってもよい。
【実施例7】
【0072】
実施例7は、検出装置が被検出物である感光体10の交換判定を行う例である。画像形成装置及び検出装置の構成、測定動作及び検出動作は、実施例1において説明したものと共通である(図1〜図6参照)。本実施例では、検出手段として使用されるセンサ制御部50が、感光体10の交換判定を行う。また、記憶部56には、過去の測定時における正反射光L1の受光量のデータ、及び過去の測定時における感光体10の劣化度のデータが記憶されている。
【0073】
図14は、実施例7に係る検出装置の動作を示したフローチャートである。最初に、センサ制御部50が、過去(例えば、前回)の測定時に計算された正反射光L1aの受光量のデータを、記憶部56より読み出す(ステップS70)。正反射光L1aの受光量は、例えば図5のステップS12〜S20により測定されたものである。次に、センサ制御部50が、今回測定時に計算された正反射光L1の受光量を、ステップS70で読み出された受光量L1aと比較する(ステップS72)。
【0074】
センサ制御部50は、今回測定時の受光量L1が前回測定時の受光量L1aより大きい場合には、過去(例えば、前回)の測定時に算出された感光体10の劣化度X0と、今回測定時に算出された感光体10の劣化度X1とを比較する(ステップS74)。センサ制御部50は、感光体10の劣化度(X1)が前回測定時(X0)より大きい場合には、感光体10の交換が行われていないと判断する(ステップS76)。一方、感光体10の劣化度が前回測定時より小さい場合には、感光体10の交換が行われたと判断する(ステップS78)。
【0075】
実施例7の検出装置によれば、過去測定時と今回測定時における、正反射光L1(第1検出光)の受光量及び感光体10の劣化度に基づいて、感光体10の交換が行われたか否かが判定される。これにより、像保持体である感光体10の交換を検知するための専用の検知手段が備わっていない画像形成装置においても、感光体10の交換判定を行うことができる。
【実施例8】
【0076】
以下の実施例では、検出装置の検出結果に基づく画像生成装置の制御例について説明する。
【0077】
実施例8は、検出装置の検出結果に基づいて、露光部74における光走査装置のレーザーダイオード(ROS−LD)の光量を調整する例である。画像形成装置及び検出装置の構成は、実施例1(図1〜図2)のものと共通であり、検出装置20の測定動作及び検出動作も、実施例1(図5〜図6)と共通である。本実施例では、像形成補正手段として装置制御部52を用いている。装置制御部52は、像形成手段60における像形成条件を補正する。
【0078】
図15は、実施例8に係る画像形成装置100の動作を示したフローチャートである。本実施例では、画像形成装置100としてプリンタを想定している。画像形成装置100では、閾値ADC_INTVにより定められた枚数のプリントが行われる度に、トナー濃度の測定が行われる。また、トナー濃度の測定は、感光体10の表面に測定用のトナーパッチを形成し、検出光のトナーパッチにおける反射光量と検出光の感光体10の表面における反射光量とに基づいて行われる。
【0079】
最初に、装置制御部52が、感光体駆動部70、像形成手段60、及び転写部78を制御することにより、1ページ分のプリント動作を行う(ステップS80)。次に、装置制御部52が、カウンタADC_PV_CTRの値をインクリメントする(ステップ82)。装置制御部52は、カウンタADC_PV_CTRの値を閾値ADC_INTVと比較し(ステップS84)、ADC_PV_CTR>ADC_INTVであれば次の測定ステップへと進み、そうでなければ再び1ページ分のプリント動作を行う(ステップS80)。
【0080】
次の測定ステップにおいて、センサ制御部50は、画像形成に使用されるトナーの色が黒であるか否かを判定し(ステップS100)、黒であれば正反射用LEDをONに(ステップS102)、それ以外の色であれば拡散反射用LEDをONに(ステップS104)それぞれ設定する。測定用のLEDがONになったら、センサ制御部50が発光部30により感光体10の表面に測定光を照射し、反射された測定光の受光量Vcleanを測定する(ステップS108)。続いて、装置制御部52が像形成手段60により感光体10の表面に測定用パッチを形成する(ステップS120)。センサ制御部50は、発光部30により測定用パッチの表面に測定光を照射し、反射された測定光の受光量Vpatchを測定する(ステップS122)。測定が終了したら、センサ制御部50は測定に使用したLEDをOFFに設定する(ステップS124)。
【0081】
次に、センサ制御部50がトナーパッチのRADC(トナー濃度)を計算する(ステップS126)。RADCの値は、「RADC=Vpatch/Vclean×100」により求められる。続いて、装置制御部52が、計算されたRADCと目標値の差を計算する(ステップS128)。D_RADCの値は、「D_RADC=RADC目標値―RADC」により求められる。さらに、装置制御部52が、得られたD_RADCの値に基づいて、LDの補正量を計算する(ステップS130)。LDの補正量は、「LD補正量=D_RADC×Dsurface」の式により求められる。ここで、Dsurfaceとは、検出装置20により検出された感光体10の劣化度合いを示すパラメータである。すなわち、検出装置20の検出結果に基づいて、ROS−LDの補正量が求められる。
【0082】
装置制御部52は、得られたLD補正量をもとに、LDの光量を補正する(ステップS132)。新たなLD光量は、「LD光量=LD光量+LD補正量」により決定される。最後に、装置制御部52は、プリント動作を終了するか否かの判定を行う(ステップS134)。プリント動作を終了しない場合は、ステップS80へと戻り、再び一連の動作を繰り返す。
【0083】
図16は、ステップS126で求められた感光体10表面のトナー濃度と、ステップS130で求められたLD補正量との関係を示したグラフである。感光体10の劣化が生じていない初期状態を点線で、劣化が生じた後の状態を実線でそれぞれ示す。図示するように、感光体10の劣化前と劣化後のいずれも、グラフは右肩上がりの直線となっており、トナー濃度が薄い場合は画像が濃くなるようにLD光量が補正され、トナー濃度が濃い場合は画像が薄くなるようにLD光量が補正される。
【0084】
装置制御部52は、感光体10が劣化している場合には、劣化前に比べてLD光量の補正量の絶対値を小さく設定する。これは、感光体10の劣化時においてはトナー濃度の測定が正しく行えていないおそれがあるため、LDの補正量を小さくすることで、画像濃度が所望の値と大きくずれてしまうことを抑制するためである。これにより、画質のブレが低減され、感光体10に形成される画像の濃度が安定する。
【0085】
実施例7の画像形成装置100(図1参照)では、装置制御部52が検出装置20の検出結果に基づき像形成手段60における画像形成条件を補正することで、感光体10の劣化が画像形成プロセスに与える影響が低減される。画像形成条件としては、露光部74におけるROS−LDの光量の他に、帯電部72により印加される帯電電圧、現像部76により印加される現像バイアス、トナー補給部80に与えられるトナー補給指示などが挙げられる。装置制御部52が、検出装置20の検出結果に基づいて上記の条件を適宜補正することで、感光体10の劣化が画像形成プロセスに与える影響を低減することが期待される。
【実施例9】
【0086】
実施例9は、検出装置の検出結果に基づいて、トナー濃度の測定条件を変化させる例である。画像形成装置及び検出装置の構成は、実施例1(図1)のものと共通であり、詳細な説明を省略する。
【0087】
図17は、実施例9に係る画像形成装置100の動作を示したフローチャートである。全ステップのうち、ステップS80〜S104までは実施例8(図15)と共通であるため、同一の符号を付して説明を省略する。ステップS102またはS104において測定用のLEDがONに設定された後、装置制御部52は、感光体10の表面状態の劣化度Dsurfaceが任意の閾値を超えたか否か判定する(ステップS110)。劣化度が閾値を超えていない場合は、通常時と同じく感光体1/8周分の範囲でVcleanを測定する(ステップS112)。劣化度が閾値を超えた場合は、通常時よりも長い感光体1周分の範囲でVcleanを測定する(ステップS114)。Vcleanの測定が終了したら、装置制御部52は、測定用パッチの形成ステップへと進む(ステップS120)。以下のステップS120〜S134は、実施例8と共通である。
【0088】
以上のように、装置制御部52は、検出装置20の検出結果に応じて感光体10表面の測定期間を補正する。すなわち、感光体10の劣化度が閾値以下である場合には、測定期間中のVcleanのばらつきは少ないと考えられるため、測定期間を短くすることで動作速度の向上を図る。一方、感光体10の劣化度が閾値を上回った場合には、感光体10上における検出光反射位置によってVcleanの値は大きくばらつくことが予想されるため、測定期間を長くする。Vcleanの値は最終的に平均化されるため、測定期間が長くなるほど値が安定する。
【0089】
上記の例では、装置制御部52が検出装置20の検出結果に基づきトナー濃度の測定期間を変化させる例について説明したが、以下のようにトナー濃度の測定頻度を変化させてもよい。
【0090】
図18は、実施例9の変形例に係る画像形成装置100の動作を示したフローチャートである。全ステップのうち、ステップS80及びS81は実施例8(図15)と共通であるため、同一の符号を付して説明を省略する。ステップS81においてカウンタの値がインクリメントされた後、装置制御部52は、感光体10の表面状態の劣化度Dsurfaceが任意の閾値を超えたか否か判定する(ステップS90)。
【0091】
劣化度が閾値を超えていない場合は、装置制御部52はカウンタADC_PV_CTRの値を第1の閾値であるADC_INTV_Longと比較する(ステップS92)。「ADC_PV_CTR>ADC_INTV_Long」である場合は、トナー濃度の測定(ステップS63以降)へと進み、そうでない場合はプリント動作(ステップS60)へと戻る。ステップS90において、劣化度が閾値を超えた場合は、装置制御部52はカウンタADC_PV_CTRの値を第2の閾値であるADC_INTV_Shortと比較する(ステップS94)。ここで、第2の閾値であるADC_INTV_Shortの値は、第1の閾値であるADC_INTV_Longの値より小さい。「ADC_PV_CTR>ADC_INTV_Short」である場合は、トナー濃度の測定(ステップS100以降)へと進み、そうでない場合はプリント動作(ステップS80)へと戻る。以降のステップS100〜S134は、実施例8と共通である。
【0092】
ステップS90〜S94で説明したように、装置制御部52は検出装置20の検出結果に応じてトナー濃度の測定頻度を補正する。すなわち、感光体10の劣化度が閾値以下である場合には、測定されるVcleanの値のばらつきは小さいと考えられるため、ステップS92の比較においては値の大きい第1の閾値(ADC_INTV_Long)を用い、測定頻度を低くすることで動作速度の向上を図る。一方、感光体10の劣化度が閾値を上回った場合には、測定されるVcleanの値のばらつきは大きいと考えられるため、ステップS94の比較においては値の小さい第2の閾値(ADC_INTV_Short)を用いる。これにより、測定頻度が高くなる(測定回数が増える)ため、Vcleanの値は安定化する。
【0093】
以上のように、実施例9の画像形成装置100では、装置制御部52が検出装置20の検出結果に基づきトナー濃度の測定条件を調整する。これにより、トナー濃度の測定精度が向上するため、感光体10の表面状態の劣化が画像形成プロセスに与える影響が低減される。
【実施例10】
【0094】
実施例10は、単一の検出光に基づいて、感光体の劣化を検出する例である。実施例10に係る画像形成装置及び検出装置の基本構成は、実施例1(図1)と共通である。ここで、記憶部56には、過去の測定時における正反射光L1の受光量のデータが記憶されている。正反射光L1の受光量のデータは、透過体である透過窓22が清掃または交換された際における検出光の受光量のデータ(以下、初期受光量とする)を含むものとする。透過窓22が清掃または交換された際とは、透過窓22に付着した汚れ等が、受光量に影響を与えない程度に取り除かれている状態を指し、必ずしも清掃または交換直後の測定データである必要はない。
【0095】
図19は、実施例10に係る検出装置の動作を示したフローチャートである。開始時において、透過窓22は清掃または交換されている。これにより、透過窓22の汚れによる検出結果への影響はほぼ無視することができる。最初に、本実施例において検出手段として機能するセンサ制御部50が、図5のステップS12〜S20の方法により、正反射光L1の受光量を測定する(ステップS140)。次に、センサ制御部50が、記憶部56に記憶された初期受光量L1aを読み出す(ステップS142)。次に、センサ制御部50が、今回測定された正反射光L1の受光量とステップS142で読み出した初期受光量L1aとを比較して、感光体10の劣化を検出する(ステップS144)。
【0096】
実施例10の検出装置では、共に透過窓22が清掃または交換された際の正反射光L1の受光量に基づき、感光体10の劣化が判定される。従って、透過窓22の汚れによる影響は、測定時においてほぼ無視することができるため、正反射光L1の受光量と感光体10の劣化度との関係は、図3(a)のグラフのようになることが考えられる。センサ制御部50は、今回測定時の正反射光L1の受光量が、基準となる初期受光量より減少している場合には、感光体10の表面状態が劣化したと判定する。また、センサ制御部50は、今回測定時の正反射光L1の受光量と図3(a)のグラフに基づき、感光体10の劣化度を算出してもよい。また、複数設けた閾値や劣化度に応じて、形成できる画像のモード(例えば、高画質モードや光沢モードなどの特定の画像モード)を制限してもよい。
【0097】
以上のように、実施例10の検出装置20では、センサ制御部50が、透過体である透過窓が清掃または交換された際における検出光の受光量のデータに基づき、被検出物である感光体10の劣化を検出する。これによれば、発光素子及び受光素子がそれぞれ1つずつしか備わっていない場合でも、感光体10の劣化が検出される。
【0098】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1は、実施例1に係る画像形成装置のブロック図である。
【図2】図2は、実施例1に係る検出装置の一部の構成を示す模式図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、検出光の受光量と感光体の表面状態との関係を示すグラフである。
【図4】図4(a)及び(b)は、検出光の受光量と透過窓の汚れとの関係を示すグラフである。
【図5】図5は、実施例1に係る検出装置の測定動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施例1に係る検出装置による感光体の表面状態の検出動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施例2に係る検出装置の一部の構成を示す模式図である。
【図8】図8は、実施例3に係る検出装置の一部の構成を示す模式図である。
【図9】図9は、実施例4に係る検出装置の一部の構成を示す模式図である。
【図10】図10(a)は、感光体の回転に伴う検出光の受光量の変動を示したグラフであり、図10(b)は、受光量の変動量と感光体の表面状態との関係を示したグラフである。
【図11】図11は、実施例5に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】図12は、実施例6に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】図13(a)は、時間の経過による検出光の受光量の変化を示すグラフであり、図13(b)は、時間の経過による感光体の劣化度の変化を示すグラフである。
【図14】図14は、実施例7に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】図15は、実施例8に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】図16は、測定されたトナー濃度とLDの補正量との関係を示したグラフである。
【図17】図17は、実施例9に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】図18は、実施例9の変形例に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】図19は、実施例10に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
10 感光体
20 検出装置
30 発光部
40 受光部
50 制御部
56 記憶部
60 像形成手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置及び当該検出装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学センサを用いて、例えば像担持体表面の表面状態を検出することが行われている。光学センサを備えた検出装置としては、センサの発光量と像担持体表面からの反射光量の比に基づいて、像担持体の表面状態を検出する検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−84762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光学センサの出力は、被検出物における表面状態の変化の他に、光路上にある透過体の汚れなどの状態により変化する場合がある。
【0004】
そこで、検出光の光路上にある透過体の透過率が変化する場合であっても、被検出物の表面状態の検出精度を向上させた検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の検出装置は、被検出物に向けて検出光を発光する発光部と、前記発光部から発光された検出光の光路上に設けられ、該検出光が透過する透過体と、前記被検出物で反射され、かつ、前記透過体を透過した前記検出光のうち、互いに特性の異なる第1検出光及び第2検出光を受光する受光部と、前記受光部に受光された第1検出光及び第2検出光の受光量の相対値に基づいて、前記被検出物の表面状態を検出する検出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の検出装置は、前記受光量の相対値が、前記第1検出光の受光量と前記第2検出光の受光量との比であることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の検出装置は、前記検出手段で検出された前記被検出物の表面状態の変化に関する情報に基づき、前記第1検出光及び前記第2検出光の少なくとも一方の受光量を補正する検出光補正手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の検出装置は、前記検出光補正手段で補正された前記第1検査光及び前記第2検査光の少なくとも一方の受光量に基づき、前記透過体の透過率を算出する透過率算出手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の検出装置は、前記検出手段が、前記第1検出光の受光量と前記第2検出光の受光量との比に加えて、前記第1検出光及び前記第2検出光の少なくとも一方の受光量の変化量に基づいて、前記被検出物の表面状態を検出することを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の画像形成装置は、像を形成する像形成手段と、前記像形成手段により形成された像を保持する像保持体と、前記像保持体に保持された像を記録媒体に転写する転写手段と、前記像保持体の表面状態を検出する請求項1または2記載の検出装置と、前記検出装置の検出結果に基づいて、前記像形成手段における像形成条件を補正する像形成補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の画像形成装置は、像を形成する像形成手段と、前記像形成手段により形成された像を保持する像保持体と、前記像保持体に保持された像を記録媒体に転写する転写手段と、前記像保持体の表面状態を検出する請求項3または4記載の検出装置と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の検出装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、検出光の光路上にある透過体の透過率が変化する場合であっても、被検出物における表面状態の検出精度を向上させることができる。
【0013】
請求項2記載の検出装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、透過率の影響を抑えることができる。
【0014】
請求項3記載の検出装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、第1検出光または第2検出光の検出値の検出精度を向上させることができる。
【0015】
請求項4記載の検出装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、検出光の光路上にある透過体の透過率が変化する場合であっても、透過体の透過率の算出精度を向上させることができる。
【0016】
請求項5記載の検出装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、被検出物の表面状態の検出精度を向上させることができる。
【0017】
請求項6記載の画像形成装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、検出光の光路上にある透過体の透過率が変化する影響を軽減し、像形成条件を設定することができる。
【0018】
請求項7記載の画像形成装置によれば、本発明を採用しない場合に比較して、検出の際に、検出光の光路上にある透過体の透過率の変化が及ぼす影響を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、図面を用い実施例について説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、実施例1に係る画像形成装置のブロック図である。本実施例における画像形成装置として、画像形成装置100を使用した。また、本実施例においては被検出物として像保持体を使用した。本実施例において、像保持体としては感光体10を使用した。なお、像保持体としては感光体10の他に中間転写体や記録紙等々を用いることができる。
【0021】
また、本実施例の検出装置として検出装置20を、発光部として発光部30を、受光部として受光部40を、検出手段としてセンサ制御部50をそれぞれ使用した。検出装置20は、感光体10の表面状態や感光体10上に形成されたトナー像を検出する。発光部30は、LED(Light Emitting Diode)等からなる少なくとも1以上の発光素子を含み、被検出物である感光体10に向けて検出光を発光する。受光部40は、少なくとも1以上の受光素子を含み、感光体10の表面または感光体10の表面に形成されたトナー像で反射された検出光を受光する。センサ制御部50は、例えばCPUから構成され、受光部40からの入力に基づき感光体10の表面状態を検出したりする。また、センサ制御部50は、後述する実施例では検出光補正手段及び透過率算出手段として使用される。上記の発光部30、受光部40、センサ制御部50は、検出装置20に含まれる。また、検出装置20は、例えばRAM(RANDOM ACCESS MEMORY)等により構成される記憶部56を含む。記憶部56には、例えば感光体10の劣化判定に用いられる閾値データ等が記憶され、記憶部56に記憶された情報は、必要に応じてセンサ制御部50により読み出される。
【0022】
画像形成装置100はさらに、感光体駆動部70、帯電部72、露光部74、現像部76、転写部78、及びトナー補給部80を備えている。本実施例では、像形成手段として帯電部72、露光部74、及び現像部76(図中に像形成手段60として示す)を使用した。また、本実施例では転写手段として転写部78を使用した。感光体駆動部70は、ドラム状の感光体10を回転駆動させる。帯電部72は、感光体10の表面を均一に帯電させる。露光部74は、帯電された感光体10の表面にレーザー光を走査して静電潜像を形成する。現像部76は、感光体10の表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により顕像化する。転写部78は、感光体10に形成・保持されたトナー像を紙などの記録媒体に転写する。トナー補給部80は、使用により減少したトナーを補給する。
【0023】
また、本実施例では、像形成補正手段として装置制御部52を使用した。装置制御部52は、例えばCPUから構成され、像形成手段における像形成条件を補正したりする。さらに、図示するように装置制御部52は、検出装置20以外の周辺装置の動作を制御する。
【0024】
実施例1では、検出装置20とは別の制御機構(装置制御部52)により上記の周辺装置を制御しているが、検出装置20の周辺装置は、検出装置20と共通の制御機構(センサ制御部50)により制御されてもよい。
【0025】
図2は、図1における検出装置20部分の構成を示した図である。実施例1の検出装置20は、発光部30として2つの発光素子である正反射用LED30a及び拡散反射用LED30bを備え、受光部40として1つの受光素子40aを備えている。また、検出装置20は、本実施例における透過体として使用した透過窓22を備えている。透過窓22は、例えば透明なガラス板などで構成され、発光素子30a及び30bから受光素子40aに至る光路上に設けられている。透過窓22により、検出装置20の内部が保護されている。
【0026】
本実施例では、第1検出光として検出光L1を、第2検出光として検出光L2をそれぞれ使用した。検出光L1は、正反射用LED30aから発光される。検出光L1は、透過窓22を介して披検出物である感光体10に照射される。検出光L1は、感光体10の表面において反射され、再び透過窓22を透過して受光素子40aに受光される。受光素子40aが受光する検出光L1は、正反射用LED30aから発光された光の正反射光である。
【0027】
検出光L2は、拡散反射用LED30bから発光される。検出光L2は、検出光L1と同様に透過窓22を介して感光体10に照射され、感光体10の表面で反射された後に再び透過窓22を透過して受光素子40aに受光される。受光素子40aが受光する検出光L2は、拡散反射用LED30bから発光された光の拡散反射光である。
【0028】
以下、感光体10の表面状態の表面状態を検出するための検出光L1(第1検出光)及び検出光L2(第2検出光)について詳細に説明する。両検出光は感光体10に対する入射角が異なる。また、検出光L1及びL2は、感光体10のほぼ同一の領域に照射され、共通の受光素子40aに受光される。検出光L1及びL2は、反射体である感光体10の表面状態、及び光路上にある透過窓22の汚れ等による影響を受ける。これにより、受光素子40aに受光される検出光の光量が増減する。
【0029】
図3(a)は、感光体10の劣化に伴う検出光の受光量の変化を示したグラフであり、横軸は感光体10の回転数(劣化度を判定する目安となる)を、縦軸は受光素子40aに受光された検出光L1及びL2の反射光量の平均を示す。図示するように、正反射光である検出光L1については、感光体10の回転数が増加するに従って受光量が低下する。一方、本実施例においては、感光体10の表面状態が初期状態では平坦な状態にあり、回転数が増えるに従って表面が劣化して凹凸が形成されることで、光が拡散しやすくなり、拡散反射光である検出光L2については、感光体10の回転数の増加に伴って受光量が僅かながら上昇する。なお、感光体10における表面状態の変化の態様によっては、L2の受光量が僅かに低下する場合や、L2の受光量がほとんど変化しない場合も考えられる。
【0030】
図3(b)は、図3(a)における検出光L1とL2の受光量の比(L2/L1)を示したグラフである。感光体10の回転数の増加に伴い、L1の受光量は減少し、L2の受光量は僅かに増加するため、両者の比であるL2/L1の出力値は増加する。なお、例えL2の傾向が異なる場合であっても、正反射光L1の受光量の変化度合いに比べて拡散反射光L2の受光量の変化度合いは小さいため、感光体10の回転数の増加に伴いL2/L1の値が増加することに変わりはない。
【0031】
図4(a)は、検出光L1及びL2の光路上に設置された透過窓22の汚れに伴う検出光の受光量の変化を示したグラフである。横軸は透過窓22の汚れ度合いを、縦軸は受光素子40aに受光された検出光L1及びL2の光量を示す。図示するように、正反射光である検出光L1及び拡散反射光である検出光L2のいずれにおいても、透過窓22の汚れ度合いが増加するに従って、受光量が一定割合で低下する。これは、図2のように、検出光L1及びL2が共に同じ透過窓22を同じ回数だけ透過するため、透過窓22の汚れが両検出光に与える影響は同じであるためと考えられる。
【0032】
図4(b)は、図4(a)における検出光L1とL2の受光量の比(L2/L1)を示したグラフである。透過窓22の汚れ度合いの増加に伴い、L1とL2の受光量は共に一定割合で減少するため、両者の比であるL2/L1の出力値はほぼ一定に維持される。
【0033】
以上のように、検出光の正反射光L1と拡散反射光L2とでは、感光体10の劣化から受ける影響と、透過窓22の汚れから受ける影響の度合いが異なる。実施例1では、このことを利用して感光体10の表面状態の劣化を判定する。
【0034】
図5は、実施例1に係る検出装置20の測定動作を説明するフローチャートである。開始時において、検出装置20の電源はONになっている。最初に、装置制御部52が感光体駆動部70を制御することにより感光体10が回転を開始する(ステップS10)。次に、センサ制御部50が正反射用LED30aをONに設定し、ステップS12)、正反射用LED30aの光量調整を行った後に(ステップS14)、感光体10の1周分に相当する範囲で第1検出光である正反射光L1の測定を行う(ステップS16)。次に、センサ制御部50が正反射用LED30aをOFFに設定し(ステップS18)、正反射光L1の受光量の平均値L1_AVEを計算する(ステップS20)。以上のステップにより、正反射光L1の測定が完了する。
【0035】
次に、センサ制御部50が拡散反射用LED30bをONに設定し(ステップS22)、拡散反射用LED30bの光量調整を行った後に(ステップS24)、感光体10の1周分に相当する範囲で第2検出光である拡散反射光L2の測定を行う(ステップS26)。また、一般的に正反射光に近い光の受光量は拡散反射光の受光量に比べて大きくなる傾向にあり、両者の絶対値の差が大きすぎると測定の精度が低下する。そのため、正反射光と拡散反射光の発光量の比は、必要に応じて適当な値(例えば、1:100)に調整されることが望ましい。次に、センサ制御部50が拡散反射用LED30bをOFFに設定し(ステップS28)、拡散反射光L2の受光量の平均値L2_AVEを計算する(ステップS30)。以上のステップにより、第2検出光である拡散反射光L2の測定が完了する。
【0036】
最後に、装置制御部52が感光体駆動部70に感光体10の回転を停止させる(ステップS32)。以上のステップにより、検出装置20による感光体10の測定が終了する。
【0037】
図6は、検出装置20による感光体10の劣化の検出動作を説明するフローチャートである。最初に、センサ制御部50が、図5のステップS20及びS30において計算された正反射光L1及び拡散反射光L2の受光量の平均に基づいて、両者の比であるL2/L1を計算する(ステップS40)。ここで、L2/L1の値は、「L2/L1=L2_AVE/L1_AVE」により求められる。次に、センサ制御部50がL2/L1の値を予め定められた閾値と比較する(ステップS42)。センサ制御部50は、L2/L1の値が閾値を上回った場合に、感光体10が寿命を迎えたと判定する(ステップS44)。
【0038】
感光体10の劣化に伴いL2/L1の値は増加するのに対し(図3(b))、透過窓22の汚れ度合いが増加してもL2/L1はほぼ一定である(図4(b))。その結果、上記の感光体10における劣化の検出動作において、透過窓22の汚れによる影響はほとんど無視することができ、L2/L1の値は汚れの影響によらず図3(b)とほぼ同じグラフを描くと考えられる。従って、図6のステップS42においては、図3(b)中に示した閾値とL2/L1の値とを比較し、L2/L1の値が閾値を超えた場合に感光体10を寿命と判定する。
【0039】
実施例1の検出装置20によれば、正反射光L1及び拡散反射光L2のそれぞれの受光量の相対値に基づいて、被検出物である感光体10の表面状態を検出する。特に、図6のステップS40に示したように、正反射光L1の受光量と拡散反射光L2の受光量との比を計算することで、透過窓22の汚れが検出結果に及ぼす影響が低減されるため、感光体10における表面状態の表面状態の検出精度が向上する。
【実施例2】
【0040】
実施例2は、1つの発光素子と2つの受光素子を用いる例である。画像形成装置100の全体構成は実施例1(図1)と共通である。
【0041】
図7は、実施例2に係る検出装置20Aの構成を示した図である。検出装置20Aは、発光部30として1つの発光素子であるLED30cを備え、受光部40として2つの受光素子である正反射用受光素子40c及び拡散反射用受光素子40dを備えている。検出装置20Aは、実施例1(図2)と同様に検出光を透過させるための透過窓22を備えている。
【0042】
LED30cから発光された検出光は、透過窓22を介して感光体10に照射され、感光体10の表面で反射された後に再び透過窓22を透過して正反射用受光素子40c及び拡散反射用受光素子40dに受光される。正反射用受光素子40cが受光する検出光L3は、LED30cから発光された光の正反射光であり、検出光L3の感光体10に対する入射角と反射角は等しい。拡散反射用受光素子40dが受光する検出光L4は、LED30cから発光された光の拡散反射光であり、検出光L4の感光体10に対する入射角と反射角は異なる。すなわち、実施例2では、正反射の検出光L3が実施例1の正反射光L1に、拡散反射の検出光L4が実施例1の拡散反射光L2にそれぞれ相当する。
【0043】
実施例1で用いた図5を参照して、実施例2に係る検出装置20Aの測定動作について説明する。検出装置20Aにおいては発光素子であるLEDは1つであるため、正反射用LEDと拡散反射用LEDを区別する必要がなく、ステップS18及びS22が不要である。また、ステップS16における正反射光(実施例2ではL3)の測定は、正反射用受光素子40cを用いて行い、ステップS26における拡散反射光(実施例2ではL4)の測定は、拡散反射用受光素子40dを用いて行う。ここで、実施例1と同じく、正反射光L3と拡散反射光L4とで感光体10における測定範囲が同一になるようにすることが望ましい。また、一般的に正反射光に近い光の受光量は拡散反射光の受光量に比べて大きく、両者の絶対値の差が大きすぎると測定の精度が低下する。そのため、ステップS14及びS24におけるLEDの光量調整代わりに、センサ制御部50が必要に応じて正反射用受光素子40c及び拡散反射用受光素子40dからの出力の増幅率を一定(例えば、1:100)に調整することが好ましい。
【0044】
検出装置20Aの検出動作は、実施例1(図6)において説明したものと共通であり、センサ制御部50は正反射光L3と拡散反射光L4との比であるL4/L3に基づいて、被検出物である感光体10の表面状態を検出する。
【0045】
以上のように、1つの発光素子と2つの受光素子を用いた場合であっても、実施例1と同様に、光路上にある透過体の汚れによる影響を低減し、感光体10の表面状態を精度良く検出することが期待される。実施例1〜2の検出装置によれば、発光素子と受光素子は、発光部30及び受光部40にそれぞれ少なくとも1つずつ備わっていればよく、その数は仕様等に応じて適宜変更してもよい。また、第1検出光は必ずしも正反射光である必要はなく、拡散反射光である第2検出光と受光量の点において十分に区別することが可能なものであれば、入射角と反射角が異なっていてもよい。
【実施例3】
【0046】
実施例3は、検出光として偏光状態の異なる2種類の光を用いる例である。画像形成装置100の全体構成は実施例1(図1)と共通である。
【0047】
図8は、実施例3に係る検出装置20Bの構成を示した図である。検出装置20Bは、発光部30として1つの発光素子であるLED30eを備え、受光部40として2つの受光素子である第1偏光用受光素子40e及び第2偏光用受光素子40fを備えている。検出装置20Bは、実施例1(図2)と同様に検出光を透過させるための透過窓22を備えている。
【0048】
検出装置20Bでは、発光部30側の光路上において、LED30eと透過窓22との間に第1偏光板24aが設けられている。また、受光部40側の光路上において、透過窓22の内側には分光板26が設けられ、第1偏光用受光素子40eと分光板26との間には第2偏光板24bが、第2偏光用受光素子40fと分光板26との間には第3偏光板24cがそれぞれ設けられている。
【0049】
LED30eから発光された検出光は、第1偏光板24を透過することにより、単一偏光の照射光L5となる。照射光L5は、透過窓22を透過して感光体10に照射され、感光体10の表面で反射された後に再び透過窓22を透過して分光板26へと導かれる。実施例3では、検出光の入射角と反射角が等しいが、当該構成は必須要件ではない。
【0050】
分光板26で分光された検出光のうちの一方(第1検出光L6)は、第2偏光板24bを透過して第1偏光用受光素子40eに受光される。第2偏光板24bは、照射光L5と同じ偏光成分をもつ光のみを透過させる偏光板であり、第2偏光板24bを透過した第1検出光L6は、照射光L5と平行な偏光面をもつ。分光板26で分光された検出光のうちの他方(第2検出光L7)は、第3偏光板24cを透過して第2偏光用受光素子40fに受光される。第3偏光板24cは、照射光L5と垂直な偏光成分をもつ光のみを透過させる偏光板であり、第3偏光板24cを透過した第2検出光L7は、照射光L5と垂直な偏光面をもつ。
【0051】
実施例3における第1検出光L6は、実施例1における正反射光L1に相当し、感光体10の劣化に伴い受光量が低下する(図3(a)参照)。また、実施例3における第2検出光L7は、実施例1における拡散反射光L2に相当し、感光体10の劣化に伴い受光量が僅かながら増加する。これは、感光体10の表面状態の劣化に伴い、照射光L5の反射時において偏光状態が変化しやすくなるためと考えられる。第1検出光L6及び第2検出光L7は、共に透過体である透過窓22を同じ回数だけ透過する。従って、これらの透過体の汚れから受ける影響は同じであり、汚れ度合いの増加に伴い、受光量は共に一定割合で低下する(図3(b)参照)。
【0052】
実施例1で用いた図5を参照して、実施例3に係る検出装置20Bの測定動作について説明する。検出装置20Bにおいては発光素子であるLEDは1つであるため、実施例2と同様にステップS18及びS22が不要である。また、ステップS16における正反射光(実施例3では第1検出光L6)の測定は、第1偏光用受光素子40eを用いて行い、ステップS26における拡散反射光(実施例3では第2検出光L7)の測定は、第2偏光用受光素子40fを用いて行う。ここで、実施例1と同じく、第1検出光L6及び第2検出光L7の測定時で感光体10における測定範囲が同一になるようにすることが望ましい。また、実施例3では分光板26を用いて2種類の検出光を同時に測定することができるため、ステップS16及びステップS26を同時に行ってもよい。
【0053】
検出装置20Bの検出動作は、実施例1(図6)において説明したものと共通であり、センサ制御部50は第1検出光L6の受光量と第2検出光L7の受光量との比であるL7/L6に基づいて、被検出物である感光体10の表面状態を検出する。
【0054】
以上のように、実施例3では、感光体10に対する反射角が異なる2種類の検出光の代わりに、偏光状態が異なる2種類の検出光を用いて感光体10の表面状態の検出を行う。
【実施例4】
【0055】
実施例4は、透過窓を有しない検出装置を用いる例である。画像形成装置100の全体構成は、実施例1(図1)と共通である。
【0056】
図9は、実施例4に係る検出装置20Cの構成を示した図である。検出装置20Cの構成は、実施例3における検出装置20B(図8)とほぼ共通であるが、透過窓22が備わっていない点が異なる。すなわち、本実施例では、透過体として分光フィルタ26を使用している。なお、分光フィルタ26としては分光プリズム等を使用してもよい。
【0057】
実施例4に係る検出装置20Cの測定動作及び検出動作は、実施例3で説明したものと同様である。これによれば、分光フィルタ26の透過率が変化した場合であっても、感光体10の表面状態を精度良く検出することが期待される。
【0058】
以上述べたように、実施例1〜4の検出装置20〜20Cによれば、特性(例えば、感光体10に対する入射角、反射角、または偏光状態など)の異なる2種類の検出光(第1検出光及び第2検出光)の受光量の相対値に基づいて、センサ制御部50が感光体10の表面状態を判定する。
【0059】
実施例1〜3では透過体として透過窓22を例に説明し、実施例4では透過体として分光フィルタ26を例に説明したが、測定に影響を与える可能性のある透過体はこれに限られるものではない。例えば、発光素子や受光素子のレンズや、図8に示した偏光板24a〜24cなども透過体の概念に含まれうる(汚れがほとんど付着せず、測定に影響を与える可能性がない場合はこれらの存在を無視してもよい)。
【実施例5】
【0060】
実施例5は、実施例1〜4で説明した2種類の検出光の受光量に加え、さらに一定期間における受光量の変動を考慮して感光体の表面状態を判定する例である。実施例5に係る画像形成装置及び検出装置の構成は、実施例1〜4で説明したもののいずれかと共通とすることができる。ここでは、実施例1の検出装置(図1及び図2を参照)と同一の検出装置20を用いる例について説明する。検出装置20の測定動作は実施例1(図5)と共通である。
【0061】
図10(a)は、感光体10の1周分に相当する期間における正反射光L1及び拡散反射光L2の受光量の変動を示したグラフである。横軸は感光体10の回転角(すなわち、感光体10上における検出光の照射位置)を、縦軸は検出光の受光量をそれぞれ示す。被検出物である感光体10の回転に伴い、検出光の感光体10上における照射位置が変化する。これにより、正反射光L1及び拡散反射光L2の受光量は、図示するように不規則に変動する。図10(b)に示すように、感光体10の劣化が進むと感光体表面の粗さが増大するため、受光量の変動量(最小値と最大値の差)も大きくなる。
【0062】
図11は、実施例5に係る検出装置の検出動作を説明するフローチャートである。最初に、実施例1(図6)と同様に、センサ制御部50が正反射光L1と拡散反射光L2との比L2/L1を計算し(ステップS50)、閾値との比較を行う(ステップS52)。ステップS52においてYESの場合、センサ制御部50が測定期間中における正反射光L1の変動量を計算し(ステップS54)、閾値と比較する(ステップS56)。ステップS56においてYESの場合、センサ制御部50は感光体10の寿命と判定する(ステップS58)。
【0063】
実施例1では、正反射光L1と拡散反射光L2との比L2/L1に基づいて感光体10の表面状態を判定したが、L2/L1の値は時に大きく変動し、感光体10の劣化前であっても閾値を一時的に超えてしまう場合がある。そこで、実施例5では、検出手段として機能するセンサ制御部50が、上記のL2/L1に加え、一定期間における正反射光L1の受光量の変化に基づいて感光体10の表面状態を判定する。これにより、感光体10の表面状態の検出精度がさらに向上する。
【0064】
実施例5では、正反射光L1の受光量の変化量に基づいて感光体10の表面状態を検出したが、正反射光L1の代わりに拡散反射光L2を用いてもよい。また、実施例2〜4に係る検出装置を用いた場合でも、一定期間における2種類の検出光(第1検出光及び第2検出光)の少なくとも一方の受光量の変化に基づいて感光体10の表面状態を判定することで、同様に検出精度の向上が期待される。
【実施例6】
【0065】
実施例6は、実施例1〜5で説明した検出装置により検出された感光体(被検出物)の表面状態に基づき、透過体の透過率を算出する例である。実施例6に係る画像形成装置及び検出装置の構成、測定動作及び検出動作は、実施例1において説明したものと共通である(図1〜図6参照)。
【0066】
本実施例では、検出光補正手段及び透過率算出手段としてセンサ制御部50を使用した。検出光補正手段としてのセンサ制御部50は、検出された感光体10の表面状態の変化に関する情報(例えば、感光体10の表面の劣化度合い)に基づき、第1検出光L1及び第2検出光L1の少なくとも一方の受光量を補正したりする。また、透過率算出手段としてのセンサ制御部50は、補正された第1検査光L1及び第2検査光L1の少なくとも一方の受光量に基づき、透過体(本実施例では透過窓22)の透過率を算出したりする。
【0067】
図12は、実施例6に係る検出装置20の検出動作を説明するフローチャートである。これらのステップは、図6における感光体10の表面状態(特に、劣化の有無)を検出するステップに続いて行っても、単独で行ってもよい。最初に、センサ制御部50が、被検出物である感光体10の劣化度を算出する(ステップS60)。ここで、劣化度とは、例えば使用開始時の感光体10の表面状態を基準とする、一定期間使用後の感光体10の表面状態を示すものである。また、劣化度の算出は、測定により得られたL2/L1の値を図13(b)のグラフに当てはめて、本実施例における感光体の変化に関する情報として用いた感光体10の劣化度を算出している。劣化度は例えば、使用開始時の感光体10の表面状態を基準とする現在の表面状態の劣化度合いを算出してもよい。
【0068】
次に、センサ制御部50が、ステップS60において算出された感光体10の劣化度に基づき、受光部40における検出光の受光量を補正する(ステップS62)。ここで、受光量の補正は、感光体10の劣化により減少したと推定される光量を補うように行われる。これにより、感光体10の劣化による受光量の減少分が相殺される。
【0069】
次に、検出手段として機能するセンサ制御部50が、ステップS62において補正された受光量から、検出光の透過体(ここでは透過窓22)における透過率を算出する(ステップS64)。透過率の算出は、例えば補正後の受光量と感光体10の使用開始時における受光量との比をとることにより行われる。ステップS62及びステップS64における検出光には、正反射光L1及び拡散反射光L2のいずれを使用してもよい。
【0070】
ステップS64において、感光体10の使用開始時に比べて検出光の受光量が減少している場合には、透過窓22における光の透過率が汚れ等の影響により減少したと考えられる。一方、検出光の受光量が変化しない場合には、透過窓22の透過率は感光体10の使用開始時と同じである。
【0071】
実施例6の検出装置によれば、センサ制御部50が被検出物である感光体10の劣化度に基づき受光部40における検出光(第1検出光及び第2検出光の少なくとも一方)の受光量を補正し、当該補正後の受光量に基づき透過窓22の透過率を算出する。これにより、補正前の受光量の低下が、感光体10の劣化によるものか、透過窓22の汚れ等によるものかが判別される。また、算出された透過窓22の透過率に応じて、透過窓22の清掃や交換を適宜行ってもよい。また、ステップS62でなされた補正に基づき、濃度制御や感光体の電位制御などを行ってもよい。
【実施例7】
【0072】
実施例7は、検出装置が被検出物である感光体10の交換判定を行う例である。画像形成装置及び検出装置の構成、測定動作及び検出動作は、実施例1において説明したものと共通である(図1〜図6参照)。本実施例では、検出手段として使用されるセンサ制御部50が、感光体10の交換判定を行う。また、記憶部56には、過去の測定時における正反射光L1の受光量のデータ、及び過去の測定時における感光体10の劣化度のデータが記憶されている。
【0073】
図14は、実施例7に係る検出装置の動作を示したフローチャートである。最初に、センサ制御部50が、過去(例えば、前回)の測定時に計算された正反射光L1aの受光量のデータを、記憶部56より読み出す(ステップS70)。正反射光L1aの受光量は、例えば図5のステップS12〜S20により測定されたものである。次に、センサ制御部50が、今回測定時に計算された正反射光L1の受光量を、ステップS70で読み出された受光量L1aと比較する(ステップS72)。
【0074】
センサ制御部50は、今回測定時の受光量L1が前回測定時の受光量L1aより大きい場合には、過去(例えば、前回)の測定時に算出された感光体10の劣化度X0と、今回測定時に算出された感光体10の劣化度X1とを比較する(ステップS74)。センサ制御部50は、感光体10の劣化度(X1)が前回測定時(X0)より大きい場合には、感光体10の交換が行われていないと判断する(ステップS76)。一方、感光体10の劣化度が前回測定時より小さい場合には、感光体10の交換が行われたと判断する(ステップS78)。
【0075】
実施例7の検出装置によれば、過去測定時と今回測定時における、正反射光L1(第1検出光)の受光量及び感光体10の劣化度に基づいて、感光体10の交換が行われたか否かが判定される。これにより、像保持体である感光体10の交換を検知するための専用の検知手段が備わっていない画像形成装置においても、感光体10の交換判定を行うことができる。
【実施例8】
【0076】
以下の実施例では、検出装置の検出結果に基づく画像生成装置の制御例について説明する。
【0077】
実施例8は、検出装置の検出結果に基づいて、露光部74における光走査装置のレーザーダイオード(ROS−LD)の光量を調整する例である。画像形成装置及び検出装置の構成は、実施例1(図1〜図2)のものと共通であり、検出装置20の測定動作及び検出動作も、実施例1(図5〜図6)と共通である。本実施例では、像形成補正手段として装置制御部52を用いている。装置制御部52は、像形成手段60における像形成条件を補正する。
【0078】
図15は、実施例8に係る画像形成装置100の動作を示したフローチャートである。本実施例では、画像形成装置100としてプリンタを想定している。画像形成装置100では、閾値ADC_INTVにより定められた枚数のプリントが行われる度に、トナー濃度の測定が行われる。また、トナー濃度の測定は、感光体10の表面に測定用のトナーパッチを形成し、検出光のトナーパッチにおける反射光量と検出光の感光体10の表面における反射光量とに基づいて行われる。
【0079】
最初に、装置制御部52が、感光体駆動部70、像形成手段60、及び転写部78を制御することにより、1ページ分のプリント動作を行う(ステップS80)。次に、装置制御部52が、カウンタADC_PV_CTRの値をインクリメントする(ステップ82)。装置制御部52は、カウンタADC_PV_CTRの値を閾値ADC_INTVと比較し(ステップS84)、ADC_PV_CTR>ADC_INTVであれば次の測定ステップへと進み、そうでなければ再び1ページ分のプリント動作を行う(ステップS80)。
【0080】
次の測定ステップにおいて、センサ制御部50は、画像形成に使用されるトナーの色が黒であるか否かを判定し(ステップS100)、黒であれば正反射用LEDをONに(ステップS102)、それ以外の色であれば拡散反射用LEDをONに(ステップS104)それぞれ設定する。測定用のLEDがONになったら、センサ制御部50が発光部30により感光体10の表面に測定光を照射し、反射された測定光の受光量Vcleanを測定する(ステップS108)。続いて、装置制御部52が像形成手段60により感光体10の表面に測定用パッチを形成する(ステップS120)。センサ制御部50は、発光部30により測定用パッチの表面に測定光を照射し、反射された測定光の受光量Vpatchを測定する(ステップS122)。測定が終了したら、センサ制御部50は測定に使用したLEDをOFFに設定する(ステップS124)。
【0081】
次に、センサ制御部50がトナーパッチのRADC(トナー濃度)を計算する(ステップS126)。RADCの値は、「RADC=Vpatch/Vclean×100」により求められる。続いて、装置制御部52が、計算されたRADCと目標値の差を計算する(ステップS128)。D_RADCの値は、「D_RADC=RADC目標値―RADC」により求められる。さらに、装置制御部52が、得られたD_RADCの値に基づいて、LDの補正量を計算する(ステップS130)。LDの補正量は、「LD補正量=D_RADC×Dsurface」の式により求められる。ここで、Dsurfaceとは、検出装置20により検出された感光体10の劣化度合いを示すパラメータである。すなわち、検出装置20の検出結果に基づいて、ROS−LDの補正量が求められる。
【0082】
装置制御部52は、得られたLD補正量をもとに、LDの光量を補正する(ステップS132)。新たなLD光量は、「LD光量=LD光量+LD補正量」により決定される。最後に、装置制御部52は、プリント動作を終了するか否かの判定を行う(ステップS134)。プリント動作を終了しない場合は、ステップS80へと戻り、再び一連の動作を繰り返す。
【0083】
図16は、ステップS126で求められた感光体10表面のトナー濃度と、ステップS130で求められたLD補正量との関係を示したグラフである。感光体10の劣化が生じていない初期状態を点線で、劣化が生じた後の状態を実線でそれぞれ示す。図示するように、感光体10の劣化前と劣化後のいずれも、グラフは右肩上がりの直線となっており、トナー濃度が薄い場合は画像が濃くなるようにLD光量が補正され、トナー濃度が濃い場合は画像が薄くなるようにLD光量が補正される。
【0084】
装置制御部52は、感光体10が劣化している場合には、劣化前に比べてLD光量の補正量の絶対値を小さく設定する。これは、感光体10の劣化時においてはトナー濃度の測定が正しく行えていないおそれがあるため、LDの補正量を小さくすることで、画像濃度が所望の値と大きくずれてしまうことを抑制するためである。これにより、画質のブレが低減され、感光体10に形成される画像の濃度が安定する。
【0085】
実施例7の画像形成装置100(図1参照)では、装置制御部52が検出装置20の検出結果に基づき像形成手段60における画像形成条件を補正することで、感光体10の劣化が画像形成プロセスに与える影響が低減される。画像形成条件としては、露光部74におけるROS−LDの光量の他に、帯電部72により印加される帯電電圧、現像部76により印加される現像バイアス、トナー補給部80に与えられるトナー補給指示などが挙げられる。装置制御部52が、検出装置20の検出結果に基づいて上記の条件を適宜補正することで、感光体10の劣化が画像形成プロセスに与える影響を低減することが期待される。
【実施例9】
【0086】
実施例9は、検出装置の検出結果に基づいて、トナー濃度の測定条件を変化させる例である。画像形成装置及び検出装置の構成は、実施例1(図1)のものと共通であり、詳細な説明を省略する。
【0087】
図17は、実施例9に係る画像形成装置100の動作を示したフローチャートである。全ステップのうち、ステップS80〜S104までは実施例8(図15)と共通であるため、同一の符号を付して説明を省略する。ステップS102またはS104において測定用のLEDがONに設定された後、装置制御部52は、感光体10の表面状態の劣化度Dsurfaceが任意の閾値を超えたか否か判定する(ステップS110)。劣化度が閾値を超えていない場合は、通常時と同じく感光体1/8周分の範囲でVcleanを測定する(ステップS112)。劣化度が閾値を超えた場合は、通常時よりも長い感光体1周分の範囲でVcleanを測定する(ステップS114)。Vcleanの測定が終了したら、装置制御部52は、測定用パッチの形成ステップへと進む(ステップS120)。以下のステップS120〜S134は、実施例8と共通である。
【0088】
以上のように、装置制御部52は、検出装置20の検出結果に応じて感光体10表面の測定期間を補正する。すなわち、感光体10の劣化度が閾値以下である場合には、測定期間中のVcleanのばらつきは少ないと考えられるため、測定期間を短くすることで動作速度の向上を図る。一方、感光体10の劣化度が閾値を上回った場合には、感光体10上における検出光反射位置によってVcleanの値は大きくばらつくことが予想されるため、測定期間を長くする。Vcleanの値は最終的に平均化されるため、測定期間が長くなるほど値が安定する。
【0089】
上記の例では、装置制御部52が検出装置20の検出結果に基づきトナー濃度の測定期間を変化させる例について説明したが、以下のようにトナー濃度の測定頻度を変化させてもよい。
【0090】
図18は、実施例9の変形例に係る画像形成装置100の動作を示したフローチャートである。全ステップのうち、ステップS80及びS81は実施例8(図15)と共通であるため、同一の符号を付して説明を省略する。ステップS81においてカウンタの値がインクリメントされた後、装置制御部52は、感光体10の表面状態の劣化度Dsurfaceが任意の閾値を超えたか否か判定する(ステップS90)。
【0091】
劣化度が閾値を超えていない場合は、装置制御部52はカウンタADC_PV_CTRの値を第1の閾値であるADC_INTV_Longと比較する(ステップS92)。「ADC_PV_CTR>ADC_INTV_Long」である場合は、トナー濃度の測定(ステップS63以降)へと進み、そうでない場合はプリント動作(ステップS60)へと戻る。ステップS90において、劣化度が閾値を超えた場合は、装置制御部52はカウンタADC_PV_CTRの値を第2の閾値であるADC_INTV_Shortと比較する(ステップS94)。ここで、第2の閾値であるADC_INTV_Shortの値は、第1の閾値であるADC_INTV_Longの値より小さい。「ADC_PV_CTR>ADC_INTV_Short」である場合は、トナー濃度の測定(ステップS100以降)へと進み、そうでない場合はプリント動作(ステップS80)へと戻る。以降のステップS100〜S134は、実施例8と共通である。
【0092】
ステップS90〜S94で説明したように、装置制御部52は検出装置20の検出結果に応じてトナー濃度の測定頻度を補正する。すなわち、感光体10の劣化度が閾値以下である場合には、測定されるVcleanの値のばらつきは小さいと考えられるため、ステップS92の比較においては値の大きい第1の閾値(ADC_INTV_Long)を用い、測定頻度を低くすることで動作速度の向上を図る。一方、感光体10の劣化度が閾値を上回った場合には、測定されるVcleanの値のばらつきは大きいと考えられるため、ステップS94の比較においては値の小さい第2の閾値(ADC_INTV_Short)を用いる。これにより、測定頻度が高くなる(測定回数が増える)ため、Vcleanの値は安定化する。
【0093】
以上のように、実施例9の画像形成装置100では、装置制御部52が検出装置20の検出結果に基づきトナー濃度の測定条件を調整する。これにより、トナー濃度の測定精度が向上するため、感光体10の表面状態の劣化が画像形成プロセスに与える影響が低減される。
【実施例10】
【0094】
実施例10は、単一の検出光に基づいて、感光体の劣化を検出する例である。実施例10に係る画像形成装置及び検出装置の基本構成は、実施例1(図1)と共通である。ここで、記憶部56には、過去の測定時における正反射光L1の受光量のデータが記憶されている。正反射光L1の受光量のデータは、透過体である透過窓22が清掃または交換された際における検出光の受光量のデータ(以下、初期受光量とする)を含むものとする。透過窓22が清掃または交換された際とは、透過窓22に付着した汚れ等が、受光量に影響を与えない程度に取り除かれている状態を指し、必ずしも清掃または交換直後の測定データである必要はない。
【0095】
図19は、実施例10に係る検出装置の動作を示したフローチャートである。開始時において、透過窓22は清掃または交換されている。これにより、透過窓22の汚れによる検出結果への影響はほぼ無視することができる。最初に、本実施例において検出手段として機能するセンサ制御部50が、図5のステップS12〜S20の方法により、正反射光L1の受光量を測定する(ステップS140)。次に、センサ制御部50が、記憶部56に記憶された初期受光量L1aを読み出す(ステップS142)。次に、センサ制御部50が、今回測定された正反射光L1の受光量とステップS142で読み出した初期受光量L1aとを比較して、感光体10の劣化を検出する(ステップS144)。
【0096】
実施例10の検出装置では、共に透過窓22が清掃または交換された際の正反射光L1の受光量に基づき、感光体10の劣化が判定される。従って、透過窓22の汚れによる影響は、測定時においてほぼ無視することができるため、正反射光L1の受光量と感光体10の劣化度との関係は、図3(a)のグラフのようになることが考えられる。センサ制御部50は、今回測定時の正反射光L1の受光量が、基準となる初期受光量より減少している場合には、感光体10の表面状態が劣化したと判定する。また、センサ制御部50は、今回測定時の正反射光L1の受光量と図3(a)のグラフに基づき、感光体10の劣化度を算出してもよい。また、複数設けた閾値や劣化度に応じて、形成できる画像のモード(例えば、高画質モードや光沢モードなどの特定の画像モード)を制限してもよい。
【0097】
以上のように、実施例10の検出装置20では、センサ制御部50が、透過体である透過窓が清掃または交換された際における検出光の受光量のデータに基づき、被検出物である感光体10の劣化を検出する。これによれば、発光素子及び受光素子がそれぞれ1つずつしか備わっていない場合でも、感光体10の劣化が検出される。
【0098】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1は、実施例1に係る画像形成装置のブロック図である。
【図2】図2は、実施例1に係る検出装置の一部の構成を示す模式図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、検出光の受光量と感光体の表面状態との関係を示すグラフである。
【図4】図4(a)及び(b)は、検出光の受光量と透過窓の汚れとの関係を示すグラフである。
【図5】図5は、実施例1に係る検出装置の測定動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施例1に係る検出装置による感光体の表面状態の検出動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施例2に係る検出装置の一部の構成を示す模式図である。
【図8】図8は、実施例3に係る検出装置の一部の構成を示す模式図である。
【図9】図9は、実施例4に係る検出装置の一部の構成を示す模式図である。
【図10】図10(a)は、感光体の回転に伴う検出光の受光量の変動を示したグラフであり、図10(b)は、受光量の変動量と感光体の表面状態との関係を示したグラフである。
【図11】図11は、実施例5に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】図12は、実施例6に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】図13(a)は、時間の経過による検出光の受光量の変化を示すグラフであり、図13(b)は、時間の経過による感光体の劣化度の変化を示すグラフである。
【図14】図14は、実施例7に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】図15は、実施例8に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】図16は、測定されたトナー濃度とLDの補正量との関係を示したグラフである。
【図17】図17は、実施例9に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】図18は、実施例9の変形例に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】図19は、実施例10に係る検出装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
10 感光体
20 検出装置
30 発光部
40 受光部
50 制御部
56 記憶部
60 像形成手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出物に向けて検出光を発光する発光部と、
前記発光部から発光された検出光の光路上に設けられ、該検出光が透過する透過体と、
前記被検出物で反射され、かつ、前記透過体を透過した前記検出光のうち、互いに特性の異なる第1検出光及び第2検出光を受光する受光部と、
前記受光部に受光された第1検出光及び第2検出光の受光量の相対値に基づいて、前記被検出物の表面状態を検出する検出手段と、
を備えたことを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記受光量の相対値は、前記第1検出光の受光量と前記第2検出光の受光量との比であることを特徴とする請求項1記載の検出装置。
【請求項3】
前記検出手段で検出された前記被検出物の表面状態の変化に関する情報に基づき、前記第1検出光及び前記第2検出光の少なくとも一方の受光量を補正する検出光補正手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の検出装置。
【請求項4】
前記検出光補正手段で補正された前記第1検査光及び前記第2検査光の少なくとも一方の受光量に基づき、前記透過体の透過率を算出する透過率算出手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の検出装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記第1検出光の受光量と前記第2検出光の受光量との比に加えて、前記第1検出光及び前記第2検出光の少なくとも一方の受光量の変化量に基づいて、前記被検出物の表面状態を検出することを特徴とする請求項1記載の検出装置。
【請求項6】
像を形成する像形成手段と、
前記像形成手段により形成された像を保持する像保持体と、
前記像保持体に保持された像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面状態を検出する請求項1または2記載の検出装置と、
前記検出装置の検出結果に基づいて、前記像形成手段における像形成条件を補正する像形成補正手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
像を形成する像形成手段と、
前記像形成手段により形成された像を保持する像保持体と、
前記像保持体に保持された像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面状態を検出する請求項3または4記載の検出装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
被検出物に向けて検出光を発光する発光部と、
前記発光部から発光された検出光の光路上に設けられ、該検出光が透過する透過体と、
前記被検出物で反射され、かつ、前記透過体を透過した前記検出光のうち、互いに特性の異なる第1検出光及び第2検出光を受光する受光部と、
前記受光部に受光された第1検出光及び第2検出光の受光量の相対値に基づいて、前記被検出物の表面状態を検出する検出手段と、
を備えたことを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記受光量の相対値は、前記第1検出光の受光量と前記第2検出光の受光量との比であることを特徴とする請求項1記載の検出装置。
【請求項3】
前記検出手段で検出された前記被検出物の表面状態の変化に関する情報に基づき、前記第1検出光及び前記第2検出光の少なくとも一方の受光量を補正する検出光補正手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の検出装置。
【請求項4】
前記検出光補正手段で補正された前記第1検査光及び前記第2検査光の少なくとも一方の受光量に基づき、前記透過体の透過率を算出する透過率算出手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の検出装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記第1検出光の受光量と前記第2検出光の受光量との比に加えて、前記第1検出光及び前記第2検出光の少なくとも一方の受光量の変化量に基づいて、前記被検出物の表面状態を検出することを特徴とする請求項1記載の検出装置。
【請求項6】
像を形成する像形成手段と、
前記像形成手段により形成された像を保持する像保持体と、
前記像保持体に保持された像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面状態を検出する請求項1または2記載の検出装置と、
前記検出装置の検出結果に基づいて、前記像形成手段における像形成条件を補正する像形成補正手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
像を形成する像形成手段と、
前記像形成手段により形成された像を保持する像保持体と、
前記像保持体に保持された像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面状態を検出する請求項3または4記載の検出装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−66566(P2010−66566A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233260(P2008−233260)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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