機械的強度を改良することを可能にする容器の製造方法
本発明は、前もって加熱されたポリマー製の素地(3)から容器(2)の最終的な形状を決定する空洞部(8)を備える金型(5)内での容器(2)の製造方法であり、この方法は、下記の操作;
―所定の温度に加熱された金型(5)への素地(3)の導入、
―素地(3)内に加圧された爆発性ガス状混合物を導入、
―ガス状混合物の引火、
を含む方法に関するものである。
―所定の温度に加熱された金型(5)への素地(3)の導入、
―素地(3)内に加圧された爆発性ガス状混合物を導入、
―ガス状混合物の引火、
を含む方法に関するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー製の素地からのブロー成形または延伸ブロー成形による容器の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下の説明では、「素地」という語は、プリフォームの概念だけではなく、中間容器の概念、すなわち、プリフォームから出発して、一次ブロー成形(それに限定されない)を受けており、二次ブロー成形を受けて、最終的な容器が形成される物体もまた含める。
【0003】
容器の製造に最も広く使用されるポリマーとしては、飽和ポリエステル、及び、特にPET(ポリ(エチレンテレフタレート))がある。
【0004】
簡単に記すと、容器の延伸ブロー成形は、予備加熱を受けたポリマー製の素地を出発原料として、この素地を形成すべき最終的な容器の形状を備える金型内に導入し、次に、伸長棒(さおとも呼ばれる)を使用して素地を延伸し、加圧して、そこにガス(一般的には空気)を吹き込んで、材料を金型の壁に対して押し付けることからなる。
【0005】
ここでは、以下の説明がより良く理解されるように、PETの構造及び/または物理的及び機械的性質について、いくつか注意しておこう。
【0006】
本発明は、確かにPETの場合だけに限定されるものではないが、現時点では、この材料が容器の延伸ブロー成形用に最も広く利用されていることを考慮すると、この例を注意深く研究するのは時宜を得ていると思われる。
【0007】
PETは、テレフタル酸及びエチレングリコールから重縮合によって得られるものである。その構造は、アモルファスか結晶質(しかしながら、50%以下)である。一つの相から別の相に移行する可能性は、温度に大きく影響され、そのガラス遷移温度(Tg=80℃)以下では、巨大分子鎖は十分に可動ではなく、材料は固まったミクロ構造を備え、固体であり、融解温度Tr(約270℃)以上では、鎖間の結合が破壊され、材料は液体となる。これらの二つの温度間で、鎖は可動であり、形態は変化することがある(非特許文献2を参照)。
【0008】
さらに詳細には、Tg以上では、アモルファスの無秩序な区域で可能になった鎖の運動によって、より大きく且つより容易に材料の変形が可能になる(剛性特性であるヤング係数がTgからの急激に低下する)(非特許文献1を参照)。
【0009】
PETの化学式(非特許文献1を参照)を下記に示す。
【0010】
【化1】
【0011】
ポリマーの結晶化は、ガラス遷移温度Tgと融解温度Tfとの間で起きる。ポリマーが同時に変形と流出を受けると、結晶化反応速度が加速される。この場合、得られた結晶構造が複雑で、異方性であることに留意することは重要である(非特許文献3を参照)。
【0012】
高分子鎖の構造を変更するために必要なエネルギーの供給は、熱による(自然のまたは静的結晶化の場合)か、または、材料の恒久的な変形による物理的なものでもよい。この変形によるエネルギー供給は、とりわけ、下記の利点を示す;
―迅速である(鎖が伸びる、または、方向を決めるようにし、したがって、それらがアモルファスの無秩序な状態から結晶構造の状態に移行することを容易にする)。
【0013】
―誘導された配向が材料の機械抵抗を高める。
【0014】
―形成された結晶は、熱による結晶化によって生成した結晶とは異なり、材料の半透明性を保持する(形成された薄片は、可視スペクトル波長が小さいままである)。
【0015】
この結晶化され、配向された状態で、PETは多数の長所を示し、すなわち、極めて良好な機械的性質(高い剛性、良好なひっぱり及び引き裂き強さ)、良好な光学的性質、及びCO2に対するバリア特性を示す(非特許文献2を参照)。
【0016】
PETの機械的性質は、主に、結晶構造、結晶の体積分率、及び分子配向のサイズに応じている。これらのパラメータは、特に材料の熱履歴によって影響されることは公知である(非特許文献4を参照)。
【0017】
ポリマーの構造的な硬化は、長い間、もっぱら結晶化によると考えられていたが、最近の研究によって、この硬化は、完全な結晶化が存在しない場合でさえ発生し、高分子鎖の配向及びそれらの編成によることもあることが分かった(非特許文献5を参照)。
【0018】
これらの機械的性質は、容器、特にボトルの延伸ブロー成形におけるPETの使用を正当化する。延伸ブロー成形は、ポリマーの二配向性、すなわち、一方は、伸長棒による延伸時の高分子の軸方向の配向、及び、もう一方は、ブロー成形時の高分子の放射方向の配向を生じさせる。
【0019】
より詳細には、PETの延伸は、高分子鎖の左またはトランス型の構造変化を生じさせ、それによって、ポリマーの部分的な結晶化を引き起こす。ミクロ構造に関しては、ベンゼン核は、延伸の主な方向に平行な平面内で配向しようとする。上記に示したように、PETは100%結晶化することはなく、確かめられる最大の率は、約50%である。工業で製造される容器、特に、ボトルは、一般的に35%に近い率を示す(非特許文献2を参照)。
【0020】
ある用途、及び、特定のある操作条件では、結晶化率が上昇できる(40%まで、及び、さらにそれ以上と主張する人もいる)ことを以下に示す(特許文献1を参照)。
【0021】
公知の複数の方法によって、ポリマーの結晶化度を測定することができる。最も広く知られている二つの方法は、密度測定及び示差熱測定分析(英語の頭文字DSC(Differential Scanning Calorimetry(示差走査熱量計)で広く知られている)である。これらの方法は、非特許文献2に記載されており、下記に要約する。
【0022】
密度測定は、材料の密度の測定に基づく、すなわち、材料が結晶化するとき、結晶相の鎖の組織がより緻密であることから、その密度は増大することに基づく。二つの相の特定の体積が混合法則に従っていると仮定すると、そのとき、下記の数式1によって結晶化度を算出することができる。
【0023】
【数1】
【0024】
サンプルの密度dを空気中及び水中での連続した計量によって測定する。アモルファス相の密度da=1333g/cm3は、比較的一定した値である。60〜100℃で焼成された、配向したPETの場合、結晶質相の密度dcは、1423〜1433g/cm3の範囲で変化する。一般的な許容される数値は、1455g/cm3である。
【0025】
DSC分析に関しては、使用されるポリマーサンプルについてサーモグラムを設定することからなる。従来から、10℃/分の速度で材料の加熱を実施して、このサーモグラムを作成する。
【0026】
通常、ボトルの延伸ブロー成形に使用され(非特許文献3を参照)、平均分子量がMn=26kg/molの工業的PET(PET 9921W EASTMAN)について、サーモグラフの一例を図1に示した。ガラス遷移温度の移行(Tg=78℃まで)は、曲線の方向変換によって表れる。次に、初期のアモルファス材料の結晶化の特徴である、135℃あたりに中心がある第一の発熱ピーク(比特許文献3を参照)、続いて、以前に生成した結晶の融解に対応する、Tf=250℃での、第二の、今回は吸熱ピークが観察される。
【0027】
初期の結晶化率の算出は、ΔHと記す、融解及び結晶化間のエンタルピーの差(ピークの下の区域)を比較することによって実行され、完全に結晶質であると仮定されるPETの融解エンタルピーはHrefとし、その数値は一般的に約100J.g−1に選択される。結晶化率は、下記の数式2によって計算される。
【0028】
【数2】
【0029】
正確さに欠けると評されている密度測定より、DSC分析のほうが好ましい場合が多いことが注目される。
【0030】
これらの既に実施されたことを思い出して、現在、本発明が実現された背景に関係付ける。
【0031】
既に見たように、ポリマーの結晶化度及び分子配向性は、その機械的性質に影響を与える。業者たちは、久しく以前から、これらの知識を応用して、容器の剛性を増大させ、例えば、容器が数バールにも達することがある(炭酸飲料の場合)大きな圧力に耐えることができるようにした。
【0032】
また、多数の業者が、材料の結晶化の想定される結果をこれらの材料から製造される容器の機械的性質に応用するよう研究してきた。特に、結晶化度が増大すると、容器の加熱充填時に、すなわち、ガラス遷移温度Tgを上回る温度で、容器の収縮を減少させることは、科学及び技術文献において普遍的に肯定されている。(収縮は、延伸ブロー成形中のそれらの高分子の配向時に材料によって蓄積された内部応力の解放から生じるものである)(特許文献2を参照)。
【0033】
従来から、結晶化度の増大は、熱固定(英語では、ヒートセット(Heat set)と呼ばれる方法によって得られ、その方法は、ブロー成形の終わりに、250℃までになることがある所定の温度に加熱した金型の壁に対して形成した容器を保持することからなる。このように、容器は、数秒間金型の壁に押し付けられたままにされる。熱固定の温度及び期間に関しては、業者によって異なる、多数の推奨が存在する。特許文献3及び4は、特に、加熱充填時に容器の収縮を小さくするために、130〜250℃の温度範囲全体及び時間(6秒、30秒及び120秒)を特に提案する。加熱充填のとき容器が変形に耐えることができるように、熱固定を受けた容器は、一般的な産業用語で、HR(Heat resistant(ヒートレジスタント、耐熱))と称される。
【0034】
特許文献1は、ブロー成形のため、容器内に、200〜400℃の範囲にある、いわゆる高温でガス(空気)を循環させ、容器の内部壁を少なくとも120℃の温度にして、その結晶化度を高めることを提案している。この文献では、容器の製造時間全体は6秒未満であることが可能であり、一方、得られる結晶化度は34.4%から46.7%まで変化する。(容器の平均結晶化率に関するものであり、上記に示した方法に近い密度測定方法によって測定されていることに注目すべきである。)特許文献1によると、30%を上回る結晶化率は、高い結晶化度の特徴とされる。
【0035】
また、二段階で、容器のブロー成形を実施することが提案されており(特許文献5を参照)、第一段階では、得られる容器より容積が大きい中間容器を形成し、第二段階では、容器をその最終的なサイズに鋳造する。これらの二つの段階の間、中間容器は、約1〜15分の期間、180〜220℃の範囲の温度に加熱される。特許文献5によると、容器の加熱充填時(すなわち、温度93〜95℃)のその容積の変動は、これらの条件では、5%未満である。提案された説明では、二回の連続鋳造操作により、従来の方法では単一であるのに代わって、結晶の二つの二配向を提供する。
【0036】
さらに、内側面の結晶化度が外側面の結晶化度より高く、それによって、液体の香りの分散を最小にする容器を製造することが提案された(特許文献6を参照)。
【0037】
現在の工業技術、特に、上記に簡潔に説明したばかりの技術の分析により、提案された解決法における第一の関心は、最終製品である容器について最大の結晶化度の探求であり、それによって、その加熱充填時の容器の収縮を可能な限り小さくすることにある。しかしながら、業者たちは、結晶化率(上記に見たように、最大が望まれる)とサイクル時間(最小が望ましい)との矛盾という、繰り返す問題に直面している。実際、変形速度が低いほど、ポリマーの結晶化が容易であることが広く認められている(特に非特許文献1を参照)。上記の文献に示されたサイクル時間は、比較的長く(5秒以上であり、分を越えるものもある)、製造速度に関して現在の要求(1時間あたり容器50000個まで)を満たすためには、機械の増加が必要であり、それは、製造コストに重い負担となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】アメリカ合衆国特許第6767197号
【特許文献2】フランス特許第2649035号及びその等価なアメリ合衆国特許第5145632号
【特許文献3】アメリカ合衆国特許第4512948号
【特許文献4】アメリカ合衆国特許第4476197号
【特許文献5】フランス特許第2595 EV34号及びその等価なアメリカ合衆国特許第4836971号
【特許文献6】ヨーロッパ特許第1305 EV18号
【特許文献7】フランス特許第2872082号及びその等価な国際特許第2006/008380号
【非特許文献】
【0039】
【非特許文献1】J.P.Trotignon,J.Verdu,A Dobraczynski,M.Piperaud,《Matieres plastique: structure−proprietes, mise en oeuvre, normalization》,Ed.AFNOR/NATHAN, Paris, 1996, ISBN Nathan 2−09−176572−4
【非特許文献2】Y.Marco,《Caracterization multi−axiale du comportment et de la microstructure d‘un semi−cristallin: application au cas du PET 》,These de doctorat de l’Ecole Normale Superieure de Cachan, Juin 2003
【非特許文献3】M.Chauche, F.Chaari,《Cristallisation du poly(ethylene terephtalate) sou elongation: etude in−situ par diffraction de R.X et polarimetrie optique》,in Rheologie, Vol.6,54−61(2004)
【非特許文献4】M.Chauche, F.Chaari,J.Doucet, Polymer,44,473−479(2003《Crystallization of poly(ethylene terephtalate) under tensile strain: crystalline development versus mechanical behavior》,in Polymer,44(2003),473−479
【非特許文献5】A.Mahendrasingam, D.J.Blundell, C.Martin, W.Fuller, D.H.MacKerron, J.L.Harvie, R.J.Oldman, R.C.Riekel《Influence of temperature and chain orientation on the crystallization of poly(ethylene terephtalate)durring fast drawing》、in Polymer, 41(2000),7803−7814
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0040】
本発明は、特に、加熱充填時に良好な性能を得ることができる、ポリマー製の容器の製造方法の別の解決法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0041】
このため、本発明は、第一の側面によると、前もって加熱されたポリマー製の素地から容器の最終的な形状を決定する空洞を備える金型内での容器の製造方法を提案するものであり、この方法は、下記の操作;
―所定の温度に加熱された金型への素地の導入、
―素地内に加圧された爆発性ガス状混合物を導入、
―ガス状混合物の引火、
を含む。
【0042】
この方法によって得られた容器の結晶化率は、容器の内側壁の近傍で負の勾配を示すことが、測定によって分かった。
【0043】
また、驚くことに、本発明者たちは、この方法によって得られた容器が、加熱充填時に、容器の熱固定を使用する従来の方法によって得られた容器と少なくとも等価な性能を示すことを確認した。操作条件によっては、容器の収縮は極めて小さく(平均して、1%未満)、性能はむしろより良好である。これは、加熱充填時に容器の機械的安定性を増大させる(すなわち、実際にはその収縮を小さくする)ためには、容器の結晶化率を最大にすることが必要であるという普及している考え(本発明の冒頭で、記載した)とは明らかに矛盾している。
【0044】
一実施態様によると、さらに、下記の、
―爆発性ガス状混合物を導入しながら、素地を延伸する予備ブロー成形操作
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる点火操作、
―容器の内部を大気圧の近傍の圧力にするガス抜き操作が、
備えられている。
【0045】
別の実施態様によると、本発明の方法は、
―爆発性ガス状混合物を導入しながら、素地を延伸する予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる点火操作、
―容器内に高圧の空気を導入することからなるブロー成形操作、
―容器の内部を大気圧の近傍の圧力にするガス抜き操作を、
備える。
【0046】
点火操作の後、本発明の方法は、安定化操作を含むことがあり、そのとき、形成した容器内に点火から出た残留ガスを保持する。
【0047】
また、ガス抜き操作の前に、掃気操作を含むことがあり、その操作中に、容器内で空気を循環させる。
【0048】
別の実施態様によると、本発明の方法は、
―爆発性ガス状混合物を導入しながら、素地を延伸する一次予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる一次点火操作、
―容器の内部を大気圧の近傍の圧力にする一次ガス抜き操作、
―爆発性ガス状混合物を容器内に導入する二次予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる二次点火操作、
―場合によっては、点火によって発生した残留ガスを形成した容器内に保持する安定化操作、
―場合によっては、容器内に高圧の空気を導入することからなるブロー成形操作、
―場合によっては、容器内で空気を循環させる掃気操作、
―容器の内部を大気圧の近傍の圧力にするガス抜き操作を、
備える。
【0049】
また別の実施態様によると、本発明の方法は、
―圧力下で空気を導入しながら、素地を延伸する一次予備ブロー成形操作、
―容器内に高圧の空気を導入することからなる一次ブロー成形操作、
―容器の内部を大気圧の近傍の圧力にする一次ガス抜き操作
―爆発性ガス状混合物を容器内に導入する二次予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる点火操作、
―場合によっては、点火によって発生した残留ガスを形成した容器内に保持する安定化操作、
―場合によっては、容器内で空気を循環させる掃気操作、
―容器の内部を大気圧の近傍の圧力にする二次ガス抜き操作を、
備える。
【0050】
金型は、好ましくは、100℃以上の温度に加熱される。一実施態様によると、この温度は約130℃である。別の実施態様では、この温度は約160℃である。
【0051】
爆発性ガス状混合物は、点火時の爆燃を得るために、空気及び水素を、例えば、容積比率で約6%の水素で含むことがある。
【0052】
一実施態様によると、予備ブロー成形の圧力は、10バール以上である。
【0053】
ブロー成形の圧力になると、30バール以上であることが好ましい。
【0054】
本発明は、第二の側面によると、前もって加熱されたポリマー製の素地からの容器の機械を提案するものであり、その機械は、
―容器の最終形状を決定する空洞部を備える金型、
―金型の加熱手段、
―金型内に加圧された爆発性ガス状混合物の注入する手段、
―ガス状混合物の燃焼手段を、
備える。
【0055】
一実施態様によると、本発明の機械は、容器の内部と連通して、ガスを導入するのに適したノズル、ノズル内で、または、機械がそのノズル内に伸長棒を備えるとき開口する点火プラグを備える引火手段を備える。
【0056】
本発明のその他の特徴及び利点は、下記の添付図面を参照して行う説明によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、初期にアモルファスのPETの熱容量の変化を示す示差熱測定分析(DSC)サーモグラムである。
【図2】図2は、延伸ブロー成形による容器の製造機械を図示した概略的な立断面図である。
【図3A】図3A〜3Fは、第一の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図3B】図3A〜3Fは、第一の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図3C】図3A〜3Fは、第一の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図3D】図3A〜3Fは、第一の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図3E】図3A〜3Fは、第一の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図3F】図3A〜3Fは、第一の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図4A】図4Aは、図3A〜3Fに図示した方法による延伸ブロー成形時の容器内を支配する圧力の経時変化を示すグラフである。
【図4B】図4Bは、図3A〜3F及び図4Aに図示した方法を実施するための、図2に図示した機械での電気弁の開閉及び点火操作を示すクロノグラムである。
【図5A】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5B】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5C】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5D】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5E】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5F】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5G】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5H】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図6A】図6Aは、図5A〜5Hに図示した方法による延伸ブロー成形時の容器内を支配する圧力の経時変化を示すグラフである。
【図6B】図6Bは、図5A〜5H及び図6Aに図示した方法を実施するための、図2に図示した機械での電気弁の開閉及び点火操作を示すクロノグラムである。
【図7A】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7B】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7C】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7D】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7E】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7F】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7G】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7H】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7I】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7J】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7K】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7L】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図8A】図8Aは、図7A〜7Lに図示した方法による延伸ブロー成形時の容器内を支配する圧力の経時変化を示すグラフである。
【図8B】図8Bは、図7A〜7L及び図8Aに図示した方法を実施するための、図2に図示した機械での電気弁の開閉及び点火操作を示すクロノグラムである。
【図9A】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9B】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9C】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9D】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9E】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9F】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9G】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9H】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9I】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9J】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9K】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図10A】図10Aは、図9A〜9Kに図示した方法による延伸ブロー成形時の容器内を支配する圧力の経時変化を示すグラフである。
【図10B】図10Bは、図9A〜9K及び図10Aに図示した方法を実施するための、図2に図示した機械での電気弁の開閉及び点火操作を示すクロノグラムである。
【図11A】図11A〜11Fは、対照である、第五の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図11B】図11A〜11Fは、対照である、第五の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図11C】図11A〜11Fは、対照である、第五の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図11D】図11A〜11Fは、対照である、第五の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図11E】図11A〜11Fは、対照である、第五の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図11F】図11A〜11Fは、対照である、第五の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図12A】図12Aは、図11A〜11Fに図示した方法による延伸ブロー成形時の容器内を支配する圧力の経時変化を示すグラフである。
【図12B】図12Bは、図12Aに図示した方法を実施する機械の電気弁の開閉を示すクロノグラムである。
【図13】図13は、上記の図面に図示した実施態様のいずれか一つによる製造方法によって得られた容器の典型的な一例を図示した立平面図である。
【図14】図14は、図13の容器の本体の細部である、一部分XIVをとりあげた拡大断面図である。
【図15】図15は、上記の図面に図示した実施態様のいずれか一つによる製造方法によって得られた容器の、その容器の壁の連続した五切片についての質量熱容量の変化を示す示差熱測定分析(DSC)サーモグラムである。
【図16】図16は、上記の図面に図示した別の実施態様による製造方法によって製造された容器についての、図14に類似したサーモグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図2には、ポリマー製の素地からの延伸ブロー成形による容器2の製造用機械1を部分的に図示した。以下の説明では、素地3はプリフォームであり、一貫性のため、この用語を使用することとする。
【0059】
回転運搬台(図示せず)に取り付けられた機械1は、複数の鋳造装置4を備えており、その装置は各々金型5を備えている(図2に図示したように)。鋼鉄またはアルミニウム合金によって作製されたこの金型5は、二つの半金型6及び金型の底部7を備え、それらが一緒になってプリフォーム3を構成する材料のガラス遷移温度(Tg)を上回る温度に前もって加熱されたプリフォームを収容するための内部空洞部8を画成しており、その形状は、このプリフォーム3から製造される容器の所望の最終形状に対応する。その形状にかかわらず、容器2(図13に図示したような)は、一般的に頚部9、本体10及び底部11を備える。
【0060】
鋳造装置4は、下記のように、
―孔13を備える伸長棒12であって、プリフォーム3を導入できる高い位置とプリフォーム3の延伸の終点で、棒12が金型の底部に達し、そこに底部11を押し付ける低い位置との間で、金型の主要軸14(通常、回転軸)に沿ってこの金型5に対してスライド式に装着された伸長棒12、
―内部を棒12が滑動し、容器2の製造のとき、プリフォーム3の頚部17と協働する(容器の頚部9と一体になり、製造中に変形を受けない)ノズル16を画成するケース15、
―ケース15を介して、ノズル16で開口する複数の流体回路、すなわち、
―中圧(5〜20バールの範囲にある)での予備ブロー成形空気回路18であり、予備ブロー成形空気源19(例えば、複数の機械に供給する圧縮空気の第一の導管)及び第二の電気弁EV1を介在させてこの源19をノズル16に接続する導管20(少なくとも一部分をケース15内に形成することができる)を備える回路18、
―反応性ガス源23及び第二の電気弁EV2を介在させてこの源23をノズル16に接続する導管24(少なくとも一部分をケース15内に形成することができる)を備える反応性ガス回路22(ガスの例は、下記に示す)、
―ブロー成形空気源27(例えば、複数の機械に供給する圧縮空気の第二の導管)及び第三の電気弁EV3を介在させてこの源27を棒12に接続する導管28(少なくとも一部分をケース15内に形成することができる)を備える高圧ブロー成形空気回路26、
―自由大気に置かれた開口部31(場合によっては、ポンプで二重化される)及び第四の電気弁EV4を介在させてノズルをこの開口部に接続する導管を備えるガス抜き回路30
を備える。
【0061】
反応性ガスとして、水素(H2)、メタン(CH4)、プロパン(C3H8)または、さらにアセチレン(C2H2)を使用することができる。
【0062】
水素は、その酸化反応(2H2+O2→2H2O)が非汚染の性質であり、その生成物は純水であるので、水素が好ましい。水素は、機械1の上流で需要に応じて製造する(例えば、水の電解によって)ことも、コンテナに貯蔵して、本方法での必要に応じて取り出すこともできる。
【0063】
導管20、24、28、32は、図2に図示したように、ケース15内に少なくとも一部分を形成することができる。電気弁EV1、EV2、EV3、EV4は、それらの開閉を命令する制御装置34に電気的に接続される(電気弁の応答時間を十分に考慮して)。これらの電気弁EV1、EV2、EV3、EV4は、ケース15から間隔をあけて配置することも、よりコンパクトにするために、ケースに搭載することもできる。そのようなケース15の作製については、当業者は、特許文献7を参照することができる。
【0064】
電気弁EV1、EV2、EV3、EV4は、の状態(閉/開)及び点火プラグ(消火/点火)の状態は、図4B、6B、8B、10B、12Bのクロノグラムに図示されており、それらのクロノグラムは各々1〜5の番号を付された五本の線を備えており、それらの線は各々、下記のように、
―線1は、第一の電気弁(予備ブロー成形空気の供給)の状態(0、閉/1、開)を、
―線2は、第二の電気弁(反応性ガスの供給)の状態(0、閉/1、開)を、
―線3は、点火プラグの状態(0、閉/1、開)を、
―線4は、第三の電気弁(ブロー成形空気の供給)の状態(0、閉/1、開)を、
―線5は、第四の電気弁(ガス抜き)の状態(0、閉/1、開)を、
示す。
【0065】
図2から分かるように、鋳造装置4は、また、所定の瞬間に、制御装置34の命令により、ノズル16(または容器2)の中で、火花を生じさせ、容器内に存在する空気及び反応性ガスの混合物を燃焼させることができる点火装置35を備える。
【0066】
一実施態様によると、この点火装置35は、中央電極37及びアース電極38を備える点火プラグ36を備え、どちらの電極もノズル16(容器の内部と連通する)の中に入り、また、変更例では、棒2内に入り、制御装置34の命令下で、それらの電極間に電気アークが生成し、混合物の引火を促す。
【0067】
図2に示したように、鋳造装置4は、また、金型5の加熱回路39を備えており、その回路は、加圧冷却液源40(例えば、水または油)及び金型5(半金型6及び底部7を備える)の厚さの中に形成された導管41を備え、その内部を源40から来る冷却液が循環して、金型5を大気温度(20℃)より高い温度に保つ。実際、金型の温度は、用途に応じて、20〜160℃の範囲にある平均温度(金型5の内部壁で測定)に調節される。温度の例は、下記に示す。
【0068】
以下に、上記に説明した機械1によって、例えば、図13に図示したような形状を有するHR(ヒートレジスタント(耐熱))型の容器2の製造方法の五つの実施例を説明する。
【0069】
記載する各実施例では、対応する方法によって得られる容器2の結晶化度はDSCによって測定する。より正確には、容器2の本体10の、少なくとも内側壁42と反対の外側壁43の側の結晶化度を測定する。そのため、本体10からサンプルを採取し、その厚さを複数の切片に切断し(例えば、ミクロトーム切断によって)、その切片の各々の結晶化度を測定する。一実施態様によると、サンプルは、厚さがほぼ等しい五つの切片に切断される。例えば、厚さが約360μmの容器2の場合、切断された各切片の厚さは50μmである(切断刃は、連続した二つの切片の間の各境目に厚さ25μmの削り屑を形成する)。容器2の内側から採取して、連続した五つの材料の切片をA、B、C、D及びEとする。
【0070】
DSC分析によって、材料の変化(結晶化、融解)を伴う熱現象(吸熱または発熱)を量化することができる。
【0071】
ここで使用する操作方法は、以下の通りである。
【0072】
電力補償付き示差マイクロ熱量計を使用する。そのようなマイクロ熱量計は、中性雰囲気下(一般的には、窒素中)の二つの炉を備える。第一の炉には、参照(一般的には、空の小皿)を置く。第二の炉には、サンプルを置き、それについてDSC測定を実施する。
【0073】
各炉は、二つの白金抵抗を備え、その一つは加熱に、もう一つは温度測定に使用される。
【0074】
温度が大気温度(約20℃)から、ここで研究している材料の公知の融解温度以上の温度まで、一定の加熱速度で上昇する間(この場合、PETでは、材料は約250℃で融解すると考えられるので、300℃まで加熱する)、一方で、参照と外部環境との間の、もう一方で、サンプルと外部環境との間の交換熱流量を測定する。
【0075】
そこから、下記数式3によって、参照との比較により、研究中のサンプルの質量熱容量が算出される:
【0076】
【数3】
【0077】
上記式において、mはグラム表示のサンプルの質量、Tは温度、Qはサンプルにおいて数値dTの温度上昇を引き起こすのに必要な熱量(J.g−1.K−1)である。
【0078】
関係式q=dQ/dtによって定義される、測定のとき一定に保持される(及び、このとき、10K−1に等しく選択される)加熱速度qを導入すると、そのとき、質量熱容量は、下記数式4にように表記することができる。
【0079】
【数4】
【0080】
温度を関数としたサンプルの質量熱容量の変動は、マイクロ熱量計で実施される熱流量の測定から追跡される。これらの変動曲線は、サーモグラムと呼ばれる。冒頭に記載したEASTMANN社製の工業用PETのサンプルについてのサーモグラムを図1に示した。
【0081】
そのようなサーモグラムによって、発熱現象(下向き)を吸熱現象(上向き)から区別することができる。
【0082】
上記のサンプルのような、初期にアモルファスのPETサンプルの全てに、二つのピークが見られ、材料の結晶化に対応する、発熱の第一のピーク(この場合、135度付近)と、材料の融解に対応する吸熱ピーク(この場合、250℃付近)である。
【0083】
サーモグラムから、一方では融解、他方では結晶化の現象中に交換されるエンタルピーの差ΔHから初期材料の結晶化度を計算することができる。
【0084】
融解エンタルピーΔHfは、下記数式5の融解ピーク下の面積によって決定される。
【0085】
【数5】
【0086】
結晶化エンタルピーΔHcは、下記数式6の結晶化ピーク下の面積によって決定される。
【0087】
【数6】
【0088】
そこから、融解及び結晶化エンタルピーの差:ΔH=ΔHf−ΔHc、続いて、下記数式7によって結晶化率が算出される。
【0089】
【数7】
【0090】
ただし、Hrefは、完全に結晶質と想定されるサンプルの融解エンタルピーである。
【0091】
ここでは、数値140J.g−1を選択し、その数値はプラスチック材料の研究室において最もよく使われる数値である。
【実施例1】
【0092】
(図3A〜3F、4A及び4B)
【0093】
この実施例では、金型5を加熱して、その内側壁の側を約160℃の温度にする。プリフォーム3の材料は、PETである。反応性ガスは水素(H2)である。空気/水素のガス状混合物は、水素の比率を体積で約4〜18%の範囲に、好ましくは6%にして実現される。
【0094】
熱いプリフォーム3を金型5に導入した後、この方法は、第一の操作を行うが、この操作は、いわゆる予備ブロー成形であり、棒12の滑動によってプリフォーム3を延伸し、同時に、電気弁EV1及びEV2を開いて、プリフォーム3内に約5〜20バールの範囲にある圧力で空気と反応性ガスの混合物を導入して、プリフォームを予備ブロー成形することからなる(図3A〜3C、図4Bの線1及び2)。所定の期間α1(250ミリ秒未満)のこの第一の操作は、棒12がその行程を終了して、金型の底部7に到達し、材料の可塑性流出閾値を越えた(それは、圧力曲線上で、第一の圧力ピークによって約8〜10バールで具現されている)後、終了する。
【0095】
第二の操作は、いわゆる点火であり、点火プラグ36の点火によってガス状混合物を燃焼させることからなる(図3D、図4Bの線3)。ガス状混合物中の水素の比率を考慮すると、形成中の容器2内で、温度(摂氏温度数百度に達する)及び圧力(40バールを越える―図4Aの曲線上では、対応する圧力ピークは縮尺率の問題から緩やかにした)の突然の上昇に伴って、爆燃が起こる。混合物の燃焼期間α2は極めて短い(25ミリ秒未満)が、それに伴う圧力の増加は、材料を金型の壁に対して押し付け、このようにして、容器2を形成するのに十分である。
【0096】
第三の操作は、いわゆる安定化であり、電気弁EV1、EV2,EV3,EV4を閉じたままにして、所定の期間α3の間(1000〜1500ミリ秒の範囲)、このようにして形成された容器2内に残留ガス(主に、水素の燃焼から発生した空気と水蒸気の混合物)を保持して、容器2内の温度及び圧力の低下を可能にすることからなる(図3E).
【0097】
第四の操作は、いわゆるガス抜きで、第三の電気弁EV3(図4B、線4)を閉じ、所定の期間α4の間(100〜500ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けたままにして、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図4B、線5)まで、空気を放出して(図3F)、容器2をガス抜きすることからなる。この操作が終ると、第四の電気弁EV4は閉じ、金型5は開き、容器2は放出され、それによって、新しいプリフォーム3でサイクルの反復が可能になる。
【0098】
上記の条件で、DSCによって、この方法によって得られた容器2の、本体10の内側壁42の内側壁(切片A)及び外側壁(切片E)の結晶化度を測定した。その結果を下記表1に示した。
【0099】
【表1】
【0100】
容器2は、その内側壁42の位置で結晶化度が負の勾配を示すことが確認された。この場合、内側壁42の側で測定した結晶化度は、外側壁43の側で測定した結晶化度より極めて低い(約30%低い)。
【0101】
また、加熱充填(温度が85〜95℃の液体を使用する)のとき、そのような容器2の変形に対する機械抵抗は、点火の無い方法(比較例を参照)によって得られた容器の機械抵抗を上回ることが分かった。実際、85〜95℃の範囲の液体温度で、容器の収縮率は1%以下である。
【0102】
この現象は、以下のように説明される。爆発性ガス状混合物の点火によって引き起こされる爆燃のときに形成中の容器2の内部を支配する温度(摂氏温度数百度にも達する)及び圧力の極限状態は、少なくとも容器2の内側壁42の側で融解を引き起こす。
【0103】
爆燃後、形成された容器2は、金型5の加熱された壁と接触するその外側壁の側で、熱固定される。このようにして、融解に続き、完全に(ほとんど)アモルファスになったその内側壁は、アモルファス材料を大きな割合で保持し、結晶化率は比較的低くなるが、外側壁43からの厚さは、熱的方法による結晶化度の付与に好都合である。
【0104】
結晶化度の高い材料部分(外側壁43を含む)が結晶化度の低い材料部分(内側壁42を含む)に対してフレームのように働くので、内側壁42の側の低い結晶化率にかかわらず、外側壁43の側の高い結晶化率によって、容器2に、結晶化度が一定の容器(比較例に記載の方法によって、すなわち、爆発性ガス状混合物に点火が無く、得られる単純に熱固定された容器など)と等しい剛性を付与する。
【0105】
この実施例では、内側壁42の厚さは、DSC分析での必要に応じて切断したような切片Aの厚さに対応する(上記参照)。測定により、結晶化度勾配は、切片Cを越えては延びていないことが分かった。したがって、結晶化度の負の勾配に影響される内側壁42の厚さは、100μm未満であり、より真実と思われるのは約50μm未満である。
【0106】
加熱充填時、容器2によってその形成時に蓄えられた残留応力は、大部分が、内側壁42の側に大きな割合で存在するアモルファス材料内で解放され、したがって、内側壁42は、結晶化度の高い材料の部分に対して緩衝として作用し、容器2内の変形の伝播を防ぐ。
【実施例2】
【0107】
(図5A〜5H、6A、6B)
【0108】
この実施例では、金型5を加熱して、その内側壁の側を約160℃の温度にする。プリフォーム3の材料は、PETである。反応性ガスは水素(H2)である。空気/水素のガス状混合物は、水素の比率を体積で約4〜18%の範囲に、好ましくは6%にして実現される。
【0109】
熱いプリフォーム3を金型5に導入した後、一次予備ブロー成形操作は、棒12の滑動によってプリフォーム3を延伸し、同時に、電気弁EV1及びEV2を開いて、プリフォーム3内に約5〜20バールの範囲にある圧力で空気と反応性ガスの混合物を導入して、プリフォームを予備ブロー成形することからなる(図5A〜5C、図6Bの線1及び2)。所定の期間β1(250ミリ秒未満)のこの第一の操作は、棒12がその行程を終了して、金型の底部7に到達し、材料の可塑性流出閾値を越えた(それは、圧力曲線上で、第一の圧力ピークによって約8〜10バールで具現されている)後、終了する。
【0110】
第二の操作は、いわゆる点火であり、点火プラグ36の点火によってガス状混合物を燃焼させることからなる(図5D、図6Bの線3)。ガス状混合物中の水素の比率を考慮すると、形成中の容器2内で、温度(摂氏温度数百度に達する)及び圧力(40バールを越える―図6Aの曲線上では、対応する圧力ピークは縮尺率の問題から緩やかにした)の突然の上昇に伴って、爆燃が起こる。混合物の燃焼期間β2は極めて短い(25ミリ秒未満)が、それに伴う圧力の増加は、材料を金型の壁に対して押し付け、このようにして、容器2を形成するのに十分である。
【0111】
第三の操作は、いわゆる安定化であり、電気弁EV1、EV2,EV3,EV4を閉じたままにして、所定の期間β3の間(200〜300ミリ秒の範囲)、このようにして形成された容器2内に残留ガス(主に、水素の燃焼から発生した空気と水蒸気の混合物、場合によっては、NOxの痕跡を含む)を保持して、容器2内の温度及び圧力の低下を可能にすることからなる(図5E).
【0112】
第四の操作は、いわゆるブロー成形であり、第三の電気弁EV3を開いて、棒12に形成された孔13を介して容器2内に高圧(約30〜40バールの範囲)の空気を大気温度で導入し、そのようにして、金型5の壁に対して、点火操作のときに形成された容器2を押し付けて保持することからなる(図5F、図6Bの線4)。所定の期間β4(好ましくは、1000ミリ秒未満)のこのブロー成形操作の間、第四の電気弁EV4は閉じられたままである。
【0113】
第五の操作は、いわゆる掃気で、第三の電気弁EV3を開いたまま、容器2内に高圧の空気(図6B、線4)を大気温度で導入し続けながら、容器2内で空気による掃気を実施することからなり、同時に第四の電気弁EV4を開いて加圧空気を排出することを可能にする。このようにして、容器2を圧力下(10〜15バール)に保持して、容器2内の空気循環を生じさせ、それによって、金型の出口5で、金型が容器に付与した形状が保持されるように、金型を冷却しながら(図5G)、続けて、金型5の壁部に対して容器を押し付ける。この掃気操作は、200〜2000ミリ秒の範囲にある所定の期間β5の間、実施される。
【0114】
第六の操作は、いわゆるガス抜きで、第三の電気弁EV3(図6B、線4)を閉じ、所定の期間β6の間(100〜500ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けたままにして、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図6B、線5)まで、空気を放出して(図5H)、容器2をガス抜きすることからなる。この操作が終ると、第四の電気弁EV4は閉じ、金型5は開き、容器2は放出され、その結果、新しいプリフォーム3でサイクルの反復ができる。
【0115】
上記の条件で、DSCによって、この方法によって得られた容器2の、本体10の内側壁42の内側壁(切片A)及び外側壁(切片E)の結晶化度を測定した。その結果を下記表2に示した。
【0116】
【表2】
【0117】
容器2は、その内側壁42の位置で結晶化度が負の勾配を示すことが確認された。この場合、内側壁42の側で測定した結晶化度は、外側壁43の側で測定した結晶化度より極めて低い(約30%低い)。
【0118】
また、加熱充填(温度が85〜95℃の液体を使用する)のとき、そのような容器2の変形に対する機械抵抗は、点火の無い方法(比較例を参照)によって得られた容器の機械抵抗を上回ることが分かった。実際、85〜95℃の範囲の液体温度で、容器の収縮率は1%以下である。
【0119】
この現象は、以下のように説明される。爆発性ガス状混合物の点火によって引き起こされる爆燃のときに形成中の容器2の内部を支配する温度(摂氏温度数百度にも達する)及び圧力の極限状態は、少なくとも容器2の内側壁42の側で融解を引き起こす。
【0120】
爆燃後、形成された容器2は、金型5の加熱された壁と接触するその外側壁の側で、熱固定される。このようにして、融解に続き、完全に(ほとんど)アモルファスになったその内側壁は、アモルファス材料を大きな割合で保持し、結晶化率は比較的低くなるが、外側壁43からの厚さは、熱的方法による結晶化度の付与に好都合である。
【0121】
結晶化度の高い材料部分(外側壁43を含む)が結晶化度の低い材料部分(内側壁42を含む)に対してフレームのように働くので、内側壁42の側の低い結晶化率にかかわらず、外側壁43の側の高い結晶化率によって、容器2に、結晶化度が一定の容器(比較例に記載の方法によって、すなわち、爆発性ガス状混合物に点火が無く、得られる単純に熱固定された容器など)と等しい剛性を付与する。
【0122】
この実施例では、内側壁42の厚さは、DSC分析での必要に応じて切断したような切片Aの厚さに対応する(上記参照)。測定により、結晶化度勾配は、切片Cを越えては延びていないことが分かった。したがって、結晶化度の負の勾配に影響される内側壁42の厚さは、100μm未満であり、より真実と思われるのは約50μm未満である。
【0123】
加熱充填時、容器2によってその形成時に蓄えられた残留応力は、大部分が、内側壁42の側に大きな割合で存在するアモルファス材料内で解放され、したがって、内側壁42は、結晶化度の高い材料の部分に対して緩衝として作用し、容器2内の変形の伝播を防ぐ。
【実施例3】
【0124】
(図7A〜7L、8A、8B)
【0125】
この実施例では、金型5を加熱して、その内側壁の側を約130℃の温度にする。プリフォーム3の材料は、PETである。反応性ガスは水素(H2)である。空気/水素のガス状混合物は、水素の比率を体積で約4〜18%の範囲に、好ましくは6%にして実現される。
【0126】
熱いプリフォーム3を金型5に導入した後、いわゆる一次予備ブロー成形である第一の操作は、棒12の滑動によってプリフォーム3を延伸し、同時に、電気弁EV1及びEV2を開いて、プリフォーム3内に約5〜20バールの範囲にある圧力で空気と反応性ガスの混合物を導入して、プリフォームを予備ブロー成形することからなる(図7A〜7C、図8Bの線1及び2)。所定の期間γ1(250ミリ秒未満)のこの第一の操作は、棒12がその行程を終了して、金型の底部7に到達し、材料の可塑性流出閾値を越えた(それは、圧力曲線上で、第一の圧力ピークによって約8〜10バールで具現されている)後、終了する。
【0127】
第二の操作は、いわゆる一次点火であり、点火プラグ36の点火によってガス状混合物を燃焼させることからなる(図7D、図8Bの線3)。ガス状混合物中の水素の比率を考慮すると、形成中の容器2内で、温度(摂氏温度数百度に達する)及び圧力(40バールを越える―図7Aの曲線上では、対応する圧力ピークは縮尺率の問題から緩やかにした)の突然の上昇に伴って、爆燃が起こる。混合物の燃焼期間γ2は極めて短い(25ミリ秒未満)が、それに伴う圧力の増加は、材料を金型の壁に対して押し付け、このようにして、容器2を形成するのに十分である。
【0128】
第三の操作は、いわゆる一次安定化であり、電気弁EV1、EV2,EV3,EV4を閉じたままにして、所定の期間γ3の間(200〜300ミリ秒の範囲)、このようにして形成された容器2内に残留ガス(主に、水素の燃焼から発生した空気と水蒸気の混合物、場合によっては、NOxの痕跡を含む)を保持して、容器2内の温度及び圧力の低下を可能にすることからなる(図8E).
【0129】
第四の操作は、いわゆる一次ガス抜きで、所定の期間γ4の間(100〜200ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けて、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図8B、線5)まで、空気を放出して(図7F)、容器2をガス抜きすることからなる。
【0130】
第五の操作は、いわゆる二次予備ブロー成形であり、再度、電気弁EV1及びEV2を開いて、容器内に約5〜20バールの範囲にある圧力で空気と反応性ガスの混合物を導入することからなる(図7G、図8Bの線1及び2)。所定の期間γ5(250ミリ秒未満)のこの第五の操作は、容器2内の圧力が5〜20バールの範囲の数値に達したあと、電気弁EV1及びEV2を閉じることによって終了する。
【0131】
第六の操作は、いわゆる二次点火であり、点火プラグ36の点火によってガス状混合物を燃焼させることからなる(図7H、図8Bの線3)。ガス状混合物中の水素の比率を考慮すると、容器2内で、温度(摂氏温度数百度に達する)及び圧力(40バールを越える―図8Aの曲線上でも同様に、対応する圧力ピークは緩やかにした)の突然の上昇に伴って、再度、爆燃が起こる。一次点火操作のときと同様に、混合物の燃焼期間γ6は極めて短い(25ミリ秒未満)。
【0132】
第七の操作は、いわゆる二次安定化であり、電気弁EV1、EV2,EV3,EV4を全部閉じたままにして、所定の期間γ7の間(200〜300ミリ秒の範囲)、容器2内に残留ガス(主に、水素の燃焼から発生した空気と水蒸気の混合物、場合によっては、NOxの痕跡を含む)を保持して、容器2内の温度及び圧力の低下を可能にすることからなる(図7I).
【0133】
第八の操作は、いわゆるブロー成形であり、第三の電気弁EV3を開いて、棒12に形成された孔13を介して容器2内に高圧(約30〜40バールの範囲)の空気を大気温度で導入し、そのようにして、金型5の壁に対して、点火操作のときに形成された容器2を押し付けて保持することからなる(図7J、図8Bの線4)。所定の期間γ8(好ましくは、300ミリ秒未満)のこのブロー成形操作の間、第四の電気弁EV4は閉じられたままである。
【0134】
第九の操作は、いわゆる掃気で、第三の電気弁EV3を開いたまま、容器2内に高圧の空気(図8B、線4)を大気温度で導入し続けながら、容器2内で空気による掃気を実施することからなり、同時に第四の電気弁EV4を開いて加圧空気を排出することを可能にする(図8B、線5)。このようにして、容器2を圧力下(10〜15バール)に保持して、容器2内の空気循環を生じさせ、それによって、金型の出口5で、金型が容器に付与した形状が保持されるように、金型を冷却しながら(図7K)、続けて、金型5の壁部に対して容器を押し付ける。この掃気操作は、200〜2000ミリ秒の範囲にある所定の期間γ9の間、実施される。
【0135】
第十の操作は、いわゆる二次ガス抜きで、第三の電気弁EV3(図8B、線4)を閉じ、所定の期間γ10の間(100〜500ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けたままにして、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図8B、線5)まで、空気を放出して(図7L)、容器2をガス抜きすることからなる。この操作が終ると、第四の電気弁EV4は閉じ、金型5は開き、容器2は放出され、その結果、新しいプリフォーム3でサイクルの反復ができる。
【0136】
上記の条件で、DSCによって、この方法によって得られた容器2の厚さの結晶化度を測定した。その結果を下記表3に示した。
【0137】
【表3】
【0138】
容器2は、その内側壁42の位置で結晶化度が負の勾配を示すことが確認された。この場合、内側壁42の側で測定した結晶化度は、外側壁43の側で測定した結晶化度より極めて低い(約50%低い)。
【0139】
また、加熱充填(温度が85〜95℃の液体を使用する)のとき、そのような容器2の変形に対する機械抵抗は、点火の無い方法(比較例を参照)によって得られた容器の機械抵抗を上回ることが分かった。実際、85〜95℃の範囲の液体温度で、容器の収縮率は1%以下である。
【0140】
この現象は、以下のように説明される。爆発性ガス状混合物の点火によって引き起こされる爆燃のときに形成中の容器2の内部を支配する温度(摂氏温度数百度にも達する)及び圧力の極限状態は、少なくとも容器2の内側壁42の側で融解を引き起こす。
【0141】
爆燃後、形成された容器2は、金型5の加熱された壁と接触するその外側壁の側で、熱固定される。このようにして、融解に続き、完全に(ほとんど)アモルファスになったその内側壁は、アモルファス材料を大きな割合で保持し、結晶化度率は比較的低くなるが、外側壁43からの厚さは、熱的方法による結晶化度の付与に好都合である。
【0142】
結晶化度の高い材料部分(外側壁43を含む)が結晶化度の低い材料部分(内側壁42を含む)に対してフレームのように働くので、内側壁42の側の低い結晶化率にかかわらず、外側壁43の側の高い結晶化率によって、容器2に、結晶化度が一定の容器(比較例に記載の方法によって、すなわち、爆発性ガス状混合物に点火が無く、得られる単純に熱固定された容器など)と等しい剛性を付与する。
【0143】
この実施例では、内側壁42の厚さは、DSC分析での必要に応じて切断したような切片Aの厚さに対応する(上記参照)。測定により、結晶化度勾配は、切片Cを越えては延びていないことが分かった。したがって、結晶化度の負の勾配に影響される内側壁42の厚さは、100μm未満であり、より真実と思われるのは約50μm未満である。
【0144】
加熱充填時、容器2によってその形成時に蓄えられた残留応力は、大部分が、内側壁42の側に大きな割合で存在するアモルファス材料内で解放され、したがって、内側壁42は、結晶化度の高い材料の部分に対して緩衝として作用し、容器2内の変形の伝播を防ぐ。
【0145】
層Aのアモルファスの性質を確認するため、結晶化度の測定に使用したものと類似したサンプルを採取し、それを同様に切断して、五つの類似した切片A、B、C、D及びEを形成して、この容器2のDSCによる熱分析を実施した。五つの切片のDSC曲線は、図15のサーモグラフ上では類似している。切片B、C、D及びEは、全部250℃付近に単一の融解吸熱ピークを示し、一方、切片Aの曲線は、125℃付近のこの同じ吸熱ピークに加えて、約250℃に発熱ピークを示す。
【0146】
ガラス遷移温度(この場合、約80℃)と融解ピークとの間に位置するこの吸熱ピークは、結晶化ピークであり、容器2の内側壁42の側の切片Aの材料のアモルファス性を証明する。反対に、他の切片B〜Eの曲線にそのような結晶化ピークが存在しないことが、特に外側壁43の側の材料の部分的結晶性を証明している。言い換えれば、容器2は、その製造後は、内側壁42の側はアモルファスであるとみなすことができる。
【0147】
比較のため、比較例に記載した方法(すなわち、爆発性ガス状混合物の点火を含まない方法)によって得られた容器から採取したサンプルについて、同じ分析を実施した。サンプルの五つの切片A〜EのDSC曲線は、約250℃での材料の融解に対応する、吸熱の、唯一のピークしか示しておらず、それは、容器が、その内側壁の側も含めて、その厚さ全体が部分結晶性であることを示している。
【実施例4】
【0148】
(図9A〜9K、10A、10B)
【0149】
この実施例では、金型5を加熱して、その内側壁の側を約130℃の温度にする。プリフォーム3の材料は、PETである。反応性ガスは水素(H2)である。空気/水素のガス状混合物は、水素の比率を体積で約4〜18%の範囲に、好ましくは6%にして実現される。
【0150】
熱いプリフォーム3を金型5に導入した後、いわゆる一次予備ブロー成形である第一の操作は、棒12の滑動によってプリフォーム3を延伸し、同時に、電気弁EV1を開いて、プリフォーム3内に約5〜20バールの範囲にある中圧で空気を導入して、予備ブロー成形することからなる(図9A〜9C、図10Bの線1及び2)。所定の期間δ1(250ミリ秒未満)のこの第一の操作は、棒12がその行程を終了して、金型の底部7に到達し、材料の可塑性流出閾値を越えた(それは、圧力曲線上で、第一の圧力ピークによって約8〜10バールで具現されている)後、終了する。
【0151】
第二の操作は、いわゆるブロー成形であり、第三の電気弁EV3を開いて、棒12に形成された孔13を介して形成中の容器2内に高圧(約30〜40バールの範囲)の空気を大気温度で導入し、そのようにして、金型5の壁に対して、容器2を押し付けることからなる(図9D、図10Bの線4)。所定の期間δ2(好ましくは、300ミリ秒未満)のこのブロー成形操作の間、第四の電気弁EV4は閉じられたままである。
【0152】
第三の操作は、いわゆる一次ガス抜きで、所定の期間∂3の間(100〜200ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けて、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図10B、線5)まで、空気を放出して(図9E)、容器2をガス抜きすることからなる。
【0153】
第四の操作は、いわゆる二次予備ブロー成形であり、再度、電気弁EV1及びEV2を開いて、容器2内に約5〜20バールの範囲にある圧力で空気と反応性ガスの混合物を導入することからなる(図9F、図10Bの線1及び2)。所定の期間δ4(250ミリ秒未満)のこの第四の操作は、容器2内の圧力が5〜20バールの範囲の数値に達した後、電気弁EV1及びEV2を閉じることによって終了する。
【0154】
第五の操作は、いわゆる点火であり、点火プラグ36の点火によってガス状混合物を燃焼させることからなる(図9G、図10Bの線3)。混合物中の水素の比率を考慮すると、容器2内で、温度(再度、摂氏温度数百度に達する)及び圧力(40バールを越える―図10Aの曲線上では、対応する圧力ピークは縮尺の理由で緩やかにした)の突然の上昇に伴って、爆燃が起こる。混合物の燃焼期間δ5は極めて短い(25ミリ秒未満)。
【0155】
第六の操作は、いわゆる安定化であり、電気弁EV1、EV2,EV3,EV4を全部閉じたままにして、所定の期間δ6の間(200〜300ミリ秒の範囲)、容器2内に残留ガス(主に、水素の燃焼から発生した空気と水蒸気の混合物、場合によっては、NOxの痕跡を含む)を保持して、容器2内の温度及び圧力の低下を可能にすることからなる(図9H).
【0156】
第七の操作は、いわゆる二次ブロー成形であり、第三の電気弁EV3を開いて、棒12に形成された孔13を介して容器2内に高圧(約30〜40バールの範囲)の空気を大気温度で導入し、そのようにして、金型5の壁に対して、点火及び一次ブロー成形操作のときに形成された容器2を押し付けて保持することからなる(図9I、図10Bの線4)。所定の期間δ7(好ましくは、300ミリ秒未満)のこのブロー成形操作の間、第四の電気弁EV4は閉じられたままである。
【0157】
第八の操作は、いわゆる掃気で、第三の電気弁EV3を開いたまま、容器2内に高圧の空気(図10B、線4)を大気温度で導入し続けながら、容器2内で空気による掃気を実施することからなり、同時に第四の電気弁EV4を開いて加圧空気を排出することを可能にする(図10B、線5)。このようにして、容器2を圧力下(10〜15バール)に保持して、容器2内の空気循環を生じさせ、それによって、金型の出口5で、金型が容器に付与した形状が保持されるように、金型を冷却しながら、続けて、金型5の壁部に対して容器を押し付ける(図9J)。この掃気操作は、200〜2000ミリ秒の範囲にある所定の期間δ8の間、実施される。
【0158】
第九の操作は、いわゆる二次ガス抜きで、第三の電気弁EV3(図10B、線4)を閉じ、所定の期間∂9の間(100〜500ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けたままにして、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図10B、線5)まで、空気を放出して(図9K)、容器2をガス抜きすることからなる。この操作が終ると、第四の電気弁EV4は閉じ、金型5は開き、容器2は放出され、その結果、新しいプリフォーム3でサイクルの反復ができる。
【0159】
上記の条件で、DSCによって、この方法によって得られた容器2の、本体10の内側壁42の内側壁(切片A)及び外側壁(切片E)の結晶化度を測定した。その結果を下記表2に示した。
【0160】
【表4】
【0161】
容器2は、その内側壁42の位置で結晶化度が負の勾配を示すことが確認された。この場合、内側壁42の側で測定した結晶化度は、外側壁43の側で測定した結晶化度よりかなり低い(約20%低い)。
【0162】
また、加熱充填(温度が85〜95℃の液体を使用する)のとき、そのような容器2の変形に対する機械抵抗は、点火の無い方法(比較例を参照)によって得られた容器の機械抵抗を上回ることが分かった。実際、85〜95℃の範囲の液体温度で、容器の収縮率は1%以下である。
【0163】
この現象は、以下のように説明される。爆発性ガス状混合物の点火によって引き起こされる爆燃のときに形成中の容器2の内部を支配する温度(摂氏温度数百度にも達する)及び圧力の極限状態は、少なくとも容器2の内側壁42の側で融解を引き起こす。
【0164】
爆燃後、形成された容器2は、金型5の加熱された壁と接触するその外側壁の側で、熱固定される。このようにして、融解に続き、完全に(ほとんど)アモルファスになったその内側壁は、アモルファス材料を大きな割合で保持し、結晶化率は比較的低くなるが、外側壁43からの厚さは、熱的方法による結晶化度の付与に好都合である。
【0165】
結晶化度の高い材料部分(外側壁43を含む)が結晶化度の低い材料部分(内側壁42を含む)に対してフレームのように働くので、内側壁42の側の低い結晶化率にかかわらず、外側壁43の側の高い結晶化率によって、容器2に、結晶化度が一定の容器(比較例に記載の方法によって、すなわち、爆発性ガス状混合物に点火が無く、得られる単純に熱固定された容器など)と等しい剛性が付与される。
【0166】
この実施例では、内側壁42の厚さは、DSC分析での必要に応じて切断したような切片Aの厚さに対応する(上記参照)。測定により、結晶化度勾配は、切片Cを越えては延びていないことが分かった。したがって、結晶化度の負の勾配に影響される内側壁42の厚さは、100μm未満であり、より真実と思われるのは約50μm未満である。
【0167】
加熱充填時、容器2によってその形成時に蓄えられた残留応力は、大部分が、内側壁42の側に大きな割合で存在するアモルファス材料内で解放され、したがって、内側壁42は、結晶化度の高い材料の部分に対して緩衝として作用し、容器2内の変形の伝播を防ぐ。
[比較例1](図11A〜11F、12A、12B、16)
【0168】
この比較例では、金型5を加熱して、その内側壁の側を約160℃の温度にする。プリフォーム3の材料は、PETである。
【0169】
熱いプリフォーム3を金型5に導入した後、この方法は、第一の操作を行うが、この操作は、いわゆる予備ブロー成形であり、棒12の滑動によってプリフォーム3を延伸し、同時に、電気弁EV1を開いて、プリフォーム3内に約5〜20バールの範囲にある圧力で空気を導入して、プリフォームを予備ブロー成形することからなる(図11A〜11C、図12Bの線1)。所定の期間ε1(250ミリ秒未満)のこの第一の操作は、棒12がその行程を終了して、金型の底部7に到達し、材料の可塑性流出閾値を越えた(それは、圧力曲線上で、第一の圧力ピークによって約8〜10バールで具現されている)後、終了する。
【0170】
第二の操作は、いわゆるブロー成形であり、第三の電気弁EV3を開いて、棒12に形成された孔13を介してプリフォーム3内に高圧(約30〜40バールの範囲)の空気を大気温度で導入し、そのようにして、金型5の壁に対して、形成中の容器2を押し付けることからなる(図11D、図12Bの線4)。所定の期間ε2(500〜1200ミリ秒の範囲)のこのブロー成形操作の間、第四の電気弁EV4は閉じられたままである。
【0171】
第三の操作は、いわゆる掃気で、第三の電気弁EV3を開いたまま、容器2内に、棒12に形成された孔13を介して高圧の空気(図12B、線4)を大気温度で導入し続けながら、容器2内で空気による掃気を実施することからなり、同時に第四の電気弁EV4を開いて加圧空気を排出することを可能にする(図12B、線5)。このようにして、容器2を圧力下(10〜15バール)に保持して、容器2内の空気循環を生じさせ、それによって、金型5の壁に容器を押し付ける(図12E)。この掃気操作は、500〜800ミリ秒の範囲にある所定の期間ε3の間実施される。
【0172】
第四の操作は、いわゆるガス抜きで、第三の電気弁EV3(図12B、線4)を閉じ、所定の期間ε5の間(200〜500ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けたままにして、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図12B、線5)まで、空気を放出して(図11F)、容器2をガス抜きすることからなる。この操作が終ると、第四の電気弁EV4は閉じ、金型5は開き、容器2は放出され、その結果、新しいプリフォームでサイクルの反復ができる。
【0173】
上記の条件で、DSCによって、この方法によって得られた容器2の、容器の本体の内側壁の位置(切片A)及び外側壁の位置(切片E)での結晶化度を測定した。その結果を下記表4に示した。
【0174】
【表5】
【0175】
切片A(内側壁42)から切片E(外側壁43)まで、結晶化度がほぼ一定であることが分かった。これは、この方法によって実施された熱固定によって、容器2の厚さ全体がほぼ同じ性質であることを証明している。
【0176】
結晶化度の測定に使用したものと類似したサンプルを採取し、それを同様に切断して、五つの類似した切片A、B、C、D及びEを形成して、この容器2のDSCによる熱分析を実施した。五つの切片のDSC曲線は、図16のサーモグラフ上では類似している。それらの曲線は、全部250℃付近に単一の融解吸熱ピークを示し、それによって、容器2の厚さ全体において、材料が部分結晶性であることを証明している。
【0177】
また、そのような容器2の変形に対する機械抵抗は、加熱充填(温度が85〜95℃の範囲にある液体を使用する)のとき、点火を含む方法によって得られた容器のそれよりも劣る。例えば、90℃の液体温度では、容器の収縮率は2%である。また、液体温度95℃では、商業的に許容される以上に容器が変形しないで(容器は樽のように膨らむ)、充填することは不可能である。
【符号の説明】
【0178】
2 容器
3 プリフォーム
5 金型
8 空洞部
36 点火プラグ
39、40、41 加熱手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー製の素地からのブロー成形または延伸ブロー成形による容器の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下の説明では、「素地」という語は、プリフォームの概念だけではなく、中間容器の概念、すなわち、プリフォームから出発して、一次ブロー成形(それに限定されない)を受けており、二次ブロー成形を受けて、最終的な容器が形成される物体もまた含める。
【0003】
容器の製造に最も広く使用されるポリマーとしては、飽和ポリエステル、及び、特にPET(ポリ(エチレンテレフタレート))がある。
【0004】
簡単に記すと、容器の延伸ブロー成形は、予備加熱を受けたポリマー製の素地を出発原料として、この素地を形成すべき最終的な容器の形状を備える金型内に導入し、次に、伸長棒(さおとも呼ばれる)を使用して素地を延伸し、加圧して、そこにガス(一般的には空気)を吹き込んで、材料を金型の壁に対して押し付けることからなる。
【0005】
ここでは、以下の説明がより良く理解されるように、PETの構造及び/または物理的及び機械的性質について、いくつか注意しておこう。
【0006】
本発明は、確かにPETの場合だけに限定されるものではないが、現時点では、この材料が容器の延伸ブロー成形用に最も広く利用されていることを考慮すると、この例を注意深く研究するのは時宜を得ていると思われる。
【0007】
PETは、テレフタル酸及びエチレングリコールから重縮合によって得られるものである。その構造は、アモルファスか結晶質(しかしながら、50%以下)である。一つの相から別の相に移行する可能性は、温度に大きく影響され、そのガラス遷移温度(Tg=80℃)以下では、巨大分子鎖は十分に可動ではなく、材料は固まったミクロ構造を備え、固体であり、融解温度Tr(約270℃)以上では、鎖間の結合が破壊され、材料は液体となる。これらの二つの温度間で、鎖は可動であり、形態は変化することがある(非特許文献2を参照)。
【0008】
さらに詳細には、Tg以上では、アモルファスの無秩序な区域で可能になった鎖の運動によって、より大きく且つより容易に材料の変形が可能になる(剛性特性であるヤング係数がTgからの急激に低下する)(非特許文献1を参照)。
【0009】
PETの化学式(非特許文献1を参照)を下記に示す。
【0010】
【化1】
【0011】
ポリマーの結晶化は、ガラス遷移温度Tgと融解温度Tfとの間で起きる。ポリマーが同時に変形と流出を受けると、結晶化反応速度が加速される。この場合、得られた結晶構造が複雑で、異方性であることに留意することは重要である(非特許文献3を参照)。
【0012】
高分子鎖の構造を変更するために必要なエネルギーの供給は、熱による(自然のまたは静的結晶化の場合)か、または、材料の恒久的な変形による物理的なものでもよい。この変形によるエネルギー供給は、とりわけ、下記の利点を示す;
―迅速である(鎖が伸びる、または、方向を決めるようにし、したがって、それらがアモルファスの無秩序な状態から結晶構造の状態に移行することを容易にする)。
【0013】
―誘導された配向が材料の機械抵抗を高める。
【0014】
―形成された結晶は、熱による結晶化によって生成した結晶とは異なり、材料の半透明性を保持する(形成された薄片は、可視スペクトル波長が小さいままである)。
【0015】
この結晶化され、配向された状態で、PETは多数の長所を示し、すなわち、極めて良好な機械的性質(高い剛性、良好なひっぱり及び引き裂き強さ)、良好な光学的性質、及びCO2に対するバリア特性を示す(非特許文献2を参照)。
【0016】
PETの機械的性質は、主に、結晶構造、結晶の体積分率、及び分子配向のサイズに応じている。これらのパラメータは、特に材料の熱履歴によって影響されることは公知である(非特許文献4を参照)。
【0017】
ポリマーの構造的な硬化は、長い間、もっぱら結晶化によると考えられていたが、最近の研究によって、この硬化は、完全な結晶化が存在しない場合でさえ発生し、高分子鎖の配向及びそれらの編成によることもあることが分かった(非特許文献5を参照)。
【0018】
これらの機械的性質は、容器、特にボトルの延伸ブロー成形におけるPETの使用を正当化する。延伸ブロー成形は、ポリマーの二配向性、すなわち、一方は、伸長棒による延伸時の高分子の軸方向の配向、及び、もう一方は、ブロー成形時の高分子の放射方向の配向を生じさせる。
【0019】
より詳細には、PETの延伸は、高分子鎖の左またはトランス型の構造変化を生じさせ、それによって、ポリマーの部分的な結晶化を引き起こす。ミクロ構造に関しては、ベンゼン核は、延伸の主な方向に平行な平面内で配向しようとする。上記に示したように、PETは100%結晶化することはなく、確かめられる最大の率は、約50%である。工業で製造される容器、特に、ボトルは、一般的に35%に近い率を示す(非特許文献2を参照)。
【0020】
ある用途、及び、特定のある操作条件では、結晶化率が上昇できる(40%まで、及び、さらにそれ以上と主張する人もいる)ことを以下に示す(特許文献1を参照)。
【0021】
公知の複数の方法によって、ポリマーの結晶化度を測定することができる。最も広く知られている二つの方法は、密度測定及び示差熱測定分析(英語の頭文字DSC(Differential Scanning Calorimetry(示差走査熱量計)で広く知られている)である。これらの方法は、非特許文献2に記載されており、下記に要約する。
【0022】
密度測定は、材料の密度の測定に基づく、すなわち、材料が結晶化するとき、結晶相の鎖の組織がより緻密であることから、その密度は増大することに基づく。二つの相の特定の体積が混合法則に従っていると仮定すると、そのとき、下記の数式1によって結晶化度を算出することができる。
【0023】
【数1】
【0024】
サンプルの密度dを空気中及び水中での連続した計量によって測定する。アモルファス相の密度da=1333g/cm3は、比較的一定した値である。60〜100℃で焼成された、配向したPETの場合、結晶質相の密度dcは、1423〜1433g/cm3の範囲で変化する。一般的な許容される数値は、1455g/cm3である。
【0025】
DSC分析に関しては、使用されるポリマーサンプルについてサーモグラムを設定することからなる。従来から、10℃/分の速度で材料の加熱を実施して、このサーモグラムを作成する。
【0026】
通常、ボトルの延伸ブロー成形に使用され(非特許文献3を参照)、平均分子量がMn=26kg/molの工業的PET(PET 9921W EASTMAN)について、サーモグラフの一例を図1に示した。ガラス遷移温度の移行(Tg=78℃まで)は、曲線の方向変換によって表れる。次に、初期のアモルファス材料の結晶化の特徴である、135℃あたりに中心がある第一の発熱ピーク(比特許文献3を参照)、続いて、以前に生成した結晶の融解に対応する、Tf=250℃での、第二の、今回は吸熱ピークが観察される。
【0027】
初期の結晶化率の算出は、ΔHと記す、融解及び結晶化間のエンタルピーの差(ピークの下の区域)を比較することによって実行され、完全に結晶質であると仮定されるPETの融解エンタルピーはHrefとし、その数値は一般的に約100J.g−1に選択される。結晶化率は、下記の数式2によって計算される。
【0028】
【数2】
【0029】
正確さに欠けると評されている密度測定より、DSC分析のほうが好ましい場合が多いことが注目される。
【0030】
これらの既に実施されたことを思い出して、現在、本発明が実現された背景に関係付ける。
【0031】
既に見たように、ポリマーの結晶化度及び分子配向性は、その機械的性質に影響を与える。業者たちは、久しく以前から、これらの知識を応用して、容器の剛性を増大させ、例えば、容器が数バールにも達することがある(炭酸飲料の場合)大きな圧力に耐えることができるようにした。
【0032】
また、多数の業者が、材料の結晶化の想定される結果をこれらの材料から製造される容器の機械的性質に応用するよう研究してきた。特に、結晶化度が増大すると、容器の加熱充填時に、すなわち、ガラス遷移温度Tgを上回る温度で、容器の収縮を減少させることは、科学及び技術文献において普遍的に肯定されている。(収縮は、延伸ブロー成形中のそれらの高分子の配向時に材料によって蓄積された内部応力の解放から生じるものである)(特許文献2を参照)。
【0033】
従来から、結晶化度の増大は、熱固定(英語では、ヒートセット(Heat set)と呼ばれる方法によって得られ、その方法は、ブロー成形の終わりに、250℃までになることがある所定の温度に加熱した金型の壁に対して形成した容器を保持することからなる。このように、容器は、数秒間金型の壁に押し付けられたままにされる。熱固定の温度及び期間に関しては、業者によって異なる、多数の推奨が存在する。特許文献3及び4は、特に、加熱充填時に容器の収縮を小さくするために、130〜250℃の温度範囲全体及び時間(6秒、30秒及び120秒)を特に提案する。加熱充填のとき容器が変形に耐えることができるように、熱固定を受けた容器は、一般的な産業用語で、HR(Heat resistant(ヒートレジスタント、耐熱))と称される。
【0034】
特許文献1は、ブロー成形のため、容器内に、200〜400℃の範囲にある、いわゆる高温でガス(空気)を循環させ、容器の内部壁を少なくとも120℃の温度にして、その結晶化度を高めることを提案している。この文献では、容器の製造時間全体は6秒未満であることが可能であり、一方、得られる結晶化度は34.4%から46.7%まで変化する。(容器の平均結晶化率に関するものであり、上記に示した方法に近い密度測定方法によって測定されていることに注目すべきである。)特許文献1によると、30%を上回る結晶化率は、高い結晶化度の特徴とされる。
【0035】
また、二段階で、容器のブロー成形を実施することが提案されており(特許文献5を参照)、第一段階では、得られる容器より容積が大きい中間容器を形成し、第二段階では、容器をその最終的なサイズに鋳造する。これらの二つの段階の間、中間容器は、約1〜15分の期間、180〜220℃の範囲の温度に加熱される。特許文献5によると、容器の加熱充填時(すなわち、温度93〜95℃)のその容積の変動は、これらの条件では、5%未満である。提案された説明では、二回の連続鋳造操作により、従来の方法では単一であるのに代わって、結晶の二つの二配向を提供する。
【0036】
さらに、内側面の結晶化度が外側面の結晶化度より高く、それによって、液体の香りの分散を最小にする容器を製造することが提案された(特許文献6を参照)。
【0037】
現在の工業技術、特に、上記に簡潔に説明したばかりの技術の分析により、提案された解決法における第一の関心は、最終製品である容器について最大の結晶化度の探求であり、それによって、その加熱充填時の容器の収縮を可能な限り小さくすることにある。しかしながら、業者たちは、結晶化率(上記に見たように、最大が望まれる)とサイクル時間(最小が望ましい)との矛盾という、繰り返す問題に直面している。実際、変形速度が低いほど、ポリマーの結晶化が容易であることが広く認められている(特に非特許文献1を参照)。上記の文献に示されたサイクル時間は、比較的長く(5秒以上であり、分を越えるものもある)、製造速度に関して現在の要求(1時間あたり容器50000個まで)を満たすためには、機械の増加が必要であり、それは、製造コストに重い負担となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】アメリカ合衆国特許第6767197号
【特許文献2】フランス特許第2649035号及びその等価なアメリ合衆国特許第5145632号
【特許文献3】アメリカ合衆国特許第4512948号
【特許文献4】アメリカ合衆国特許第4476197号
【特許文献5】フランス特許第2595 EV34号及びその等価なアメリカ合衆国特許第4836971号
【特許文献6】ヨーロッパ特許第1305 EV18号
【特許文献7】フランス特許第2872082号及びその等価な国際特許第2006/008380号
【非特許文献】
【0039】
【非特許文献1】J.P.Trotignon,J.Verdu,A Dobraczynski,M.Piperaud,《Matieres plastique: structure−proprietes, mise en oeuvre, normalization》,Ed.AFNOR/NATHAN, Paris, 1996, ISBN Nathan 2−09−176572−4
【非特許文献2】Y.Marco,《Caracterization multi−axiale du comportment et de la microstructure d‘un semi−cristallin: application au cas du PET 》,These de doctorat de l’Ecole Normale Superieure de Cachan, Juin 2003
【非特許文献3】M.Chauche, F.Chaari,《Cristallisation du poly(ethylene terephtalate) sou elongation: etude in−situ par diffraction de R.X et polarimetrie optique》,in Rheologie, Vol.6,54−61(2004)
【非特許文献4】M.Chauche, F.Chaari,J.Doucet, Polymer,44,473−479(2003《Crystallization of poly(ethylene terephtalate) under tensile strain: crystalline development versus mechanical behavior》,in Polymer,44(2003),473−479
【非特許文献5】A.Mahendrasingam, D.J.Blundell, C.Martin, W.Fuller, D.H.MacKerron, J.L.Harvie, R.J.Oldman, R.C.Riekel《Influence of temperature and chain orientation on the crystallization of poly(ethylene terephtalate)durring fast drawing》、in Polymer, 41(2000),7803−7814
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0040】
本発明は、特に、加熱充填時に良好な性能を得ることができる、ポリマー製の容器の製造方法の別の解決法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0041】
このため、本発明は、第一の側面によると、前もって加熱されたポリマー製の素地から容器の最終的な形状を決定する空洞を備える金型内での容器の製造方法を提案するものであり、この方法は、下記の操作;
―所定の温度に加熱された金型への素地の導入、
―素地内に加圧された爆発性ガス状混合物を導入、
―ガス状混合物の引火、
を含む。
【0042】
この方法によって得られた容器の結晶化率は、容器の内側壁の近傍で負の勾配を示すことが、測定によって分かった。
【0043】
また、驚くことに、本発明者たちは、この方法によって得られた容器が、加熱充填時に、容器の熱固定を使用する従来の方法によって得られた容器と少なくとも等価な性能を示すことを確認した。操作条件によっては、容器の収縮は極めて小さく(平均して、1%未満)、性能はむしろより良好である。これは、加熱充填時に容器の機械的安定性を増大させる(すなわち、実際にはその収縮を小さくする)ためには、容器の結晶化率を最大にすることが必要であるという普及している考え(本発明の冒頭で、記載した)とは明らかに矛盾している。
【0044】
一実施態様によると、さらに、下記の、
―爆発性ガス状混合物を導入しながら、素地を延伸する予備ブロー成形操作
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる点火操作、
―容器の内部を大気圧の近傍の圧力にするガス抜き操作が、
備えられている。
【0045】
別の実施態様によると、本発明の方法は、
―爆発性ガス状混合物を導入しながら、素地を延伸する予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる点火操作、
―容器内に高圧の空気を導入することからなるブロー成形操作、
―容器の内部を大気圧の近傍の圧力にするガス抜き操作を、
備える。
【0046】
点火操作の後、本発明の方法は、安定化操作を含むことがあり、そのとき、形成した容器内に点火から出た残留ガスを保持する。
【0047】
また、ガス抜き操作の前に、掃気操作を含むことがあり、その操作中に、容器内で空気を循環させる。
【0048】
別の実施態様によると、本発明の方法は、
―爆発性ガス状混合物を導入しながら、素地を延伸する一次予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる一次点火操作、
―容器の内部を大気圧の近傍の圧力にする一次ガス抜き操作、
―爆発性ガス状混合物を容器内に導入する二次予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる二次点火操作、
―場合によっては、点火によって発生した残留ガスを形成した容器内に保持する安定化操作、
―場合によっては、容器内に高圧の空気を導入することからなるブロー成形操作、
―場合によっては、容器内で空気を循環させる掃気操作、
―容器の内部を大気圧の近傍の圧力にするガス抜き操作を、
備える。
【0049】
また別の実施態様によると、本発明の方法は、
―圧力下で空気を導入しながら、素地を延伸する一次予備ブロー成形操作、
―容器内に高圧の空気を導入することからなる一次ブロー成形操作、
―容器の内部を大気圧の近傍の圧力にする一次ガス抜き操作
―爆発性ガス状混合物を容器内に導入する二次予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる点火操作、
―場合によっては、点火によって発生した残留ガスを形成した容器内に保持する安定化操作、
―場合によっては、容器内で空気を循環させる掃気操作、
―容器の内部を大気圧の近傍の圧力にする二次ガス抜き操作を、
備える。
【0050】
金型は、好ましくは、100℃以上の温度に加熱される。一実施態様によると、この温度は約130℃である。別の実施態様では、この温度は約160℃である。
【0051】
爆発性ガス状混合物は、点火時の爆燃を得るために、空気及び水素を、例えば、容積比率で約6%の水素で含むことがある。
【0052】
一実施態様によると、予備ブロー成形の圧力は、10バール以上である。
【0053】
ブロー成形の圧力になると、30バール以上であることが好ましい。
【0054】
本発明は、第二の側面によると、前もって加熱されたポリマー製の素地からの容器の機械を提案するものであり、その機械は、
―容器の最終形状を決定する空洞部を備える金型、
―金型の加熱手段、
―金型内に加圧された爆発性ガス状混合物の注入する手段、
―ガス状混合物の燃焼手段を、
備える。
【0055】
一実施態様によると、本発明の機械は、容器の内部と連通して、ガスを導入するのに適したノズル、ノズル内で、または、機械がそのノズル内に伸長棒を備えるとき開口する点火プラグを備える引火手段を備える。
【0056】
本発明のその他の特徴及び利点は、下記の添付図面を参照して行う説明によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、初期にアモルファスのPETの熱容量の変化を示す示差熱測定分析(DSC)サーモグラムである。
【図2】図2は、延伸ブロー成形による容器の製造機械を図示した概略的な立断面図である。
【図3A】図3A〜3Fは、第一の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図3B】図3A〜3Fは、第一の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図3C】図3A〜3Fは、第一の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図3D】図3A〜3Fは、第一の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図3E】図3A〜3Fは、第一の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図3F】図3A〜3Fは、第一の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図4A】図4Aは、図3A〜3Fに図示した方法による延伸ブロー成形時の容器内を支配する圧力の経時変化を示すグラフである。
【図4B】図4Bは、図3A〜3F及び図4Aに図示した方法を実施するための、図2に図示した機械での電気弁の開閉及び点火操作を示すクロノグラムである。
【図5A】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5B】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5C】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5D】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5E】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5F】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5G】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図5H】図5A〜5Hは、第二の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図6A】図6Aは、図5A〜5Hに図示した方法による延伸ブロー成形時の容器内を支配する圧力の経時変化を示すグラフである。
【図6B】図6Bは、図5A〜5H及び図6Aに図示した方法を実施するための、図2に図示した機械での電気弁の開閉及び点火操作を示すクロノグラムである。
【図7A】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7B】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7C】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7D】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7E】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7F】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7G】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7H】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7I】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7J】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7K】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図7L】図7A〜7Lは、第三の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図8A】図8Aは、図7A〜7Lに図示した方法による延伸ブロー成形時の容器内を支配する圧力の経時変化を示すグラフである。
【図8B】図8Bは、図7A〜7L及び図8Aに図示した方法を実施するための、図2に図示した機械での電気弁の開閉及び点火操作を示すクロノグラムである。
【図9A】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9B】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9C】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9D】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9E】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9F】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9G】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9H】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9I】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9J】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図9K】図9A〜9Kは、第四の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図10A】図10Aは、図9A〜9Kに図示した方法による延伸ブロー成形時の容器内を支配する圧力の経時変化を示すグラフである。
【図10B】図10Bは、図9A〜9K及び図10Aに図示した方法を実施するための、図2に図示した機械での電気弁の開閉及び点火操作を示すクロノグラムである。
【図11A】図11A〜11Fは、対照である、第五の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図11B】図11A〜11Fは、対照である、第五の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図11C】図11A〜11Fは、対照である、第五の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図11D】図11A〜11Fは、対照である、第五の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図11E】図11A〜11Fは、対照である、第五の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図11F】図11A〜11Fは、対照である、第五の実施態様による、延伸ブロー成形による容器の製造方法の連続した各段階を図示した概略的な立断面図である。
【図12A】図12Aは、図11A〜11Fに図示した方法による延伸ブロー成形時の容器内を支配する圧力の経時変化を示すグラフである。
【図12B】図12Bは、図12Aに図示した方法を実施する機械の電気弁の開閉を示すクロノグラムである。
【図13】図13は、上記の図面に図示した実施態様のいずれか一つによる製造方法によって得られた容器の典型的な一例を図示した立平面図である。
【図14】図14は、図13の容器の本体の細部である、一部分XIVをとりあげた拡大断面図である。
【図15】図15は、上記の図面に図示した実施態様のいずれか一つによる製造方法によって得られた容器の、その容器の壁の連続した五切片についての質量熱容量の変化を示す示差熱測定分析(DSC)サーモグラムである。
【図16】図16は、上記の図面に図示した別の実施態様による製造方法によって製造された容器についての、図14に類似したサーモグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図2には、ポリマー製の素地からの延伸ブロー成形による容器2の製造用機械1を部分的に図示した。以下の説明では、素地3はプリフォームであり、一貫性のため、この用語を使用することとする。
【0059】
回転運搬台(図示せず)に取り付けられた機械1は、複数の鋳造装置4を備えており、その装置は各々金型5を備えている(図2に図示したように)。鋼鉄またはアルミニウム合金によって作製されたこの金型5は、二つの半金型6及び金型の底部7を備え、それらが一緒になってプリフォーム3を構成する材料のガラス遷移温度(Tg)を上回る温度に前もって加熱されたプリフォームを収容するための内部空洞部8を画成しており、その形状は、このプリフォーム3から製造される容器の所望の最終形状に対応する。その形状にかかわらず、容器2(図13に図示したような)は、一般的に頚部9、本体10及び底部11を備える。
【0060】
鋳造装置4は、下記のように、
―孔13を備える伸長棒12であって、プリフォーム3を導入できる高い位置とプリフォーム3の延伸の終点で、棒12が金型の底部に達し、そこに底部11を押し付ける低い位置との間で、金型の主要軸14(通常、回転軸)に沿ってこの金型5に対してスライド式に装着された伸長棒12、
―内部を棒12が滑動し、容器2の製造のとき、プリフォーム3の頚部17と協働する(容器の頚部9と一体になり、製造中に変形を受けない)ノズル16を画成するケース15、
―ケース15を介して、ノズル16で開口する複数の流体回路、すなわち、
―中圧(5〜20バールの範囲にある)での予備ブロー成形空気回路18であり、予備ブロー成形空気源19(例えば、複数の機械に供給する圧縮空気の第一の導管)及び第二の電気弁EV1を介在させてこの源19をノズル16に接続する導管20(少なくとも一部分をケース15内に形成することができる)を備える回路18、
―反応性ガス源23及び第二の電気弁EV2を介在させてこの源23をノズル16に接続する導管24(少なくとも一部分をケース15内に形成することができる)を備える反応性ガス回路22(ガスの例は、下記に示す)、
―ブロー成形空気源27(例えば、複数の機械に供給する圧縮空気の第二の導管)及び第三の電気弁EV3を介在させてこの源27を棒12に接続する導管28(少なくとも一部分をケース15内に形成することができる)を備える高圧ブロー成形空気回路26、
―自由大気に置かれた開口部31(場合によっては、ポンプで二重化される)及び第四の電気弁EV4を介在させてノズルをこの開口部に接続する導管を備えるガス抜き回路30
を備える。
【0061】
反応性ガスとして、水素(H2)、メタン(CH4)、プロパン(C3H8)または、さらにアセチレン(C2H2)を使用することができる。
【0062】
水素は、その酸化反応(2H2+O2→2H2O)が非汚染の性質であり、その生成物は純水であるので、水素が好ましい。水素は、機械1の上流で需要に応じて製造する(例えば、水の電解によって)ことも、コンテナに貯蔵して、本方法での必要に応じて取り出すこともできる。
【0063】
導管20、24、28、32は、図2に図示したように、ケース15内に少なくとも一部分を形成することができる。電気弁EV1、EV2、EV3、EV4は、それらの開閉を命令する制御装置34に電気的に接続される(電気弁の応答時間を十分に考慮して)。これらの電気弁EV1、EV2、EV3、EV4は、ケース15から間隔をあけて配置することも、よりコンパクトにするために、ケースに搭載することもできる。そのようなケース15の作製については、当業者は、特許文献7を参照することができる。
【0064】
電気弁EV1、EV2、EV3、EV4は、の状態(閉/開)及び点火プラグ(消火/点火)の状態は、図4B、6B、8B、10B、12Bのクロノグラムに図示されており、それらのクロノグラムは各々1〜5の番号を付された五本の線を備えており、それらの線は各々、下記のように、
―線1は、第一の電気弁(予備ブロー成形空気の供給)の状態(0、閉/1、開)を、
―線2は、第二の電気弁(反応性ガスの供給)の状態(0、閉/1、開)を、
―線3は、点火プラグの状態(0、閉/1、開)を、
―線4は、第三の電気弁(ブロー成形空気の供給)の状態(0、閉/1、開)を、
―線5は、第四の電気弁(ガス抜き)の状態(0、閉/1、開)を、
示す。
【0065】
図2から分かるように、鋳造装置4は、また、所定の瞬間に、制御装置34の命令により、ノズル16(または容器2)の中で、火花を生じさせ、容器内に存在する空気及び反応性ガスの混合物を燃焼させることができる点火装置35を備える。
【0066】
一実施態様によると、この点火装置35は、中央電極37及びアース電極38を備える点火プラグ36を備え、どちらの電極もノズル16(容器の内部と連通する)の中に入り、また、変更例では、棒2内に入り、制御装置34の命令下で、それらの電極間に電気アークが生成し、混合物の引火を促す。
【0067】
図2に示したように、鋳造装置4は、また、金型5の加熱回路39を備えており、その回路は、加圧冷却液源40(例えば、水または油)及び金型5(半金型6及び底部7を備える)の厚さの中に形成された導管41を備え、その内部を源40から来る冷却液が循環して、金型5を大気温度(20℃)より高い温度に保つ。実際、金型の温度は、用途に応じて、20〜160℃の範囲にある平均温度(金型5の内部壁で測定)に調節される。温度の例は、下記に示す。
【0068】
以下に、上記に説明した機械1によって、例えば、図13に図示したような形状を有するHR(ヒートレジスタント(耐熱))型の容器2の製造方法の五つの実施例を説明する。
【0069】
記載する各実施例では、対応する方法によって得られる容器2の結晶化度はDSCによって測定する。より正確には、容器2の本体10の、少なくとも内側壁42と反対の外側壁43の側の結晶化度を測定する。そのため、本体10からサンプルを採取し、その厚さを複数の切片に切断し(例えば、ミクロトーム切断によって)、その切片の各々の結晶化度を測定する。一実施態様によると、サンプルは、厚さがほぼ等しい五つの切片に切断される。例えば、厚さが約360μmの容器2の場合、切断された各切片の厚さは50μmである(切断刃は、連続した二つの切片の間の各境目に厚さ25μmの削り屑を形成する)。容器2の内側から採取して、連続した五つの材料の切片をA、B、C、D及びEとする。
【0070】
DSC分析によって、材料の変化(結晶化、融解)を伴う熱現象(吸熱または発熱)を量化することができる。
【0071】
ここで使用する操作方法は、以下の通りである。
【0072】
電力補償付き示差マイクロ熱量計を使用する。そのようなマイクロ熱量計は、中性雰囲気下(一般的には、窒素中)の二つの炉を備える。第一の炉には、参照(一般的には、空の小皿)を置く。第二の炉には、サンプルを置き、それについてDSC測定を実施する。
【0073】
各炉は、二つの白金抵抗を備え、その一つは加熱に、もう一つは温度測定に使用される。
【0074】
温度が大気温度(約20℃)から、ここで研究している材料の公知の融解温度以上の温度まで、一定の加熱速度で上昇する間(この場合、PETでは、材料は約250℃で融解すると考えられるので、300℃まで加熱する)、一方で、参照と外部環境との間の、もう一方で、サンプルと外部環境との間の交換熱流量を測定する。
【0075】
そこから、下記数式3によって、参照との比較により、研究中のサンプルの質量熱容量が算出される:
【0076】
【数3】
【0077】
上記式において、mはグラム表示のサンプルの質量、Tは温度、Qはサンプルにおいて数値dTの温度上昇を引き起こすのに必要な熱量(J.g−1.K−1)である。
【0078】
関係式q=dQ/dtによって定義される、測定のとき一定に保持される(及び、このとき、10K−1に等しく選択される)加熱速度qを導入すると、そのとき、質量熱容量は、下記数式4にように表記することができる。
【0079】
【数4】
【0080】
温度を関数としたサンプルの質量熱容量の変動は、マイクロ熱量計で実施される熱流量の測定から追跡される。これらの変動曲線は、サーモグラムと呼ばれる。冒頭に記載したEASTMANN社製の工業用PETのサンプルについてのサーモグラムを図1に示した。
【0081】
そのようなサーモグラムによって、発熱現象(下向き)を吸熱現象(上向き)から区別することができる。
【0082】
上記のサンプルのような、初期にアモルファスのPETサンプルの全てに、二つのピークが見られ、材料の結晶化に対応する、発熱の第一のピーク(この場合、135度付近)と、材料の融解に対応する吸熱ピーク(この場合、250℃付近)である。
【0083】
サーモグラムから、一方では融解、他方では結晶化の現象中に交換されるエンタルピーの差ΔHから初期材料の結晶化度を計算することができる。
【0084】
融解エンタルピーΔHfは、下記数式5の融解ピーク下の面積によって決定される。
【0085】
【数5】
【0086】
結晶化エンタルピーΔHcは、下記数式6の結晶化ピーク下の面積によって決定される。
【0087】
【数6】
【0088】
そこから、融解及び結晶化エンタルピーの差:ΔH=ΔHf−ΔHc、続いて、下記数式7によって結晶化率が算出される。
【0089】
【数7】
【0090】
ただし、Hrefは、完全に結晶質と想定されるサンプルの融解エンタルピーである。
【0091】
ここでは、数値140J.g−1を選択し、その数値はプラスチック材料の研究室において最もよく使われる数値である。
【実施例1】
【0092】
(図3A〜3F、4A及び4B)
【0093】
この実施例では、金型5を加熱して、その内側壁の側を約160℃の温度にする。プリフォーム3の材料は、PETである。反応性ガスは水素(H2)である。空気/水素のガス状混合物は、水素の比率を体積で約4〜18%の範囲に、好ましくは6%にして実現される。
【0094】
熱いプリフォーム3を金型5に導入した後、この方法は、第一の操作を行うが、この操作は、いわゆる予備ブロー成形であり、棒12の滑動によってプリフォーム3を延伸し、同時に、電気弁EV1及びEV2を開いて、プリフォーム3内に約5〜20バールの範囲にある圧力で空気と反応性ガスの混合物を導入して、プリフォームを予備ブロー成形することからなる(図3A〜3C、図4Bの線1及び2)。所定の期間α1(250ミリ秒未満)のこの第一の操作は、棒12がその行程を終了して、金型の底部7に到達し、材料の可塑性流出閾値を越えた(それは、圧力曲線上で、第一の圧力ピークによって約8〜10バールで具現されている)後、終了する。
【0095】
第二の操作は、いわゆる点火であり、点火プラグ36の点火によってガス状混合物を燃焼させることからなる(図3D、図4Bの線3)。ガス状混合物中の水素の比率を考慮すると、形成中の容器2内で、温度(摂氏温度数百度に達する)及び圧力(40バールを越える―図4Aの曲線上では、対応する圧力ピークは縮尺率の問題から緩やかにした)の突然の上昇に伴って、爆燃が起こる。混合物の燃焼期間α2は極めて短い(25ミリ秒未満)が、それに伴う圧力の増加は、材料を金型の壁に対して押し付け、このようにして、容器2を形成するのに十分である。
【0096】
第三の操作は、いわゆる安定化であり、電気弁EV1、EV2,EV3,EV4を閉じたままにして、所定の期間α3の間(1000〜1500ミリ秒の範囲)、このようにして形成された容器2内に残留ガス(主に、水素の燃焼から発生した空気と水蒸気の混合物)を保持して、容器2内の温度及び圧力の低下を可能にすることからなる(図3E).
【0097】
第四の操作は、いわゆるガス抜きで、第三の電気弁EV3(図4B、線4)を閉じ、所定の期間α4の間(100〜500ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けたままにして、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図4B、線5)まで、空気を放出して(図3F)、容器2をガス抜きすることからなる。この操作が終ると、第四の電気弁EV4は閉じ、金型5は開き、容器2は放出され、それによって、新しいプリフォーム3でサイクルの反復が可能になる。
【0098】
上記の条件で、DSCによって、この方法によって得られた容器2の、本体10の内側壁42の内側壁(切片A)及び外側壁(切片E)の結晶化度を測定した。その結果を下記表1に示した。
【0099】
【表1】
【0100】
容器2は、その内側壁42の位置で結晶化度が負の勾配を示すことが確認された。この場合、内側壁42の側で測定した結晶化度は、外側壁43の側で測定した結晶化度より極めて低い(約30%低い)。
【0101】
また、加熱充填(温度が85〜95℃の液体を使用する)のとき、そのような容器2の変形に対する機械抵抗は、点火の無い方法(比較例を参照)によって得られた容器の機械抵抗を上回ることが分かった。実際、85〜95℃の範囲の液体温度で、容器の収縮率は1%以下である。
【0102】
この現象は、以下のように説明される。爆発性ガス状混合物の点火によって引き起こされる爆燃のときに形成中の容器2の内部を支配する温度(摂氏温度数百度にも達する)及び圧力の極限状態は、少なくとも容器2の内側壁42の側で融解を引き起こす。
【0103】
爆燃後、形成された容器2は、金型5の加熱された壁と接触するその外側壁の側で、熱固定される。このようにして、融解に続き、完全に(ほとんど)アモルファスになったその内側壁は、アモルファス材料を大きな割合で保持し、結晶化率は比較的低くなるが、外側壁43からの厚さは、熱的方法による結晶化度の付与に好都合である。
【0104】
結晶化度の高い材料部分(外側壁43を含む)が結晶化度の低い材料部分(内側壁42を含む)に対してフレームのように働くので、内側壁42の側の低い結晶化率にかかわらず、外側壁43の側の高い結晶化率によって、容器2に、結晶化度が一定の容器(比較例に記載の方法によって、すなわち、爆発性ガス状混合物に点火が無く、得られる単純に熱固定された容器など)と等しい剛性を付与する。
【0105】
この実施例では、内側壁42の厚さは、DSC分析での必要に応じて切断したような切片Aの厚さに対応する(上記参照)。測定により、結晶化度勾配は、切片Cを越えては延びていないことが分かった。したがって、結晶化度の負の勾配に影響される内側壁42の厚さは、100μm未満であり、より真実と思われるのは約50μm未満である。
【0106】
加熱充填時、容器2によってその形成時に蓄えられた残留応力は、大部分が、内側壁42の側に大きな割合で存在するアモルファス材料内で解放され、したがって、内側壁42は、結晶化度の高い材料の部分に対して緩衝として作用し、容器2内の変形の伝播を防ぐ。
【実施例2】
【0107】
(図5A〜5H、6A、6B)
【0108】
この実施例では、金型5を加熱して、その内側壁の側を約160℃の温度にする。プリフォーム3の材料は、PETである。反応性ガスは水素(H2)である。空気/水素のガス状混合物は、水素の比率を体積で約4〜18%の範囲に、好ましくは6%にして実現される。
【0109】
熱いプリフォーム3を金型5に導入した後、一次予備ブロー成形操作は、棒12の滑動によってプリフォーム3を延伸し、同時に、電気弁EV1及びEV2を開いて、プリフォーム3内に約5〜20バールの範囲にある圧力で空気と反応性ガスの混合物を導入して、プリフォームを予備ブロー成形することからなる(図5A〜5C、図6Bの線1及び2)。所定の期間β1(250ミリ秒未満)のこの第一の操作は、棒12がその行程を終了して、金型の底部7に到達し、材料の可塑性流出閾値を越えた(それは、圧力曲線上で、第一の圧力ピークによって約8〜10バールで具現されている)後、終了する。
【0110】
第二の操作は、いわゆる点火であり、点火プラグ36の点火によってガス状混合物を燃焼させることからなる(図5D、図6Bの線3)。ガス状混合物中の水素の比率を考慮すると、形成中の容器2内で、温度(摂氏温度数百度に達する)及び圧力(40バールを越える―図6Aの曲線上では、対応する圧力ピークは縮尺率の問題から緩やかにした)の突然の上昇に伴って、爆燃が起こる。混合物の燃焼期間β2は極めて短い(25ミリ秒未満)が、それに伴う圧力の増加は、材料を金型の壁に対して押し付け、このようにして、容器2を形成するのに十分である。
【0111】
第三の操作は、いわゆる安定化であり、電気弁EV1、EV2,EV3,EV4を閉じたままにして、所定の期間β3の間(200〜300ミリ秒の範囲)、このようにして形成された容器2内に残留ガス(主に、水素の燃焼から発生した空気と水蒸気の混合物、場合によっては、NOxの痕跡を含む)を保持して、容器2内の温度及び圧力の低下を可能にすることからなる(図5E).
【0112】
第四の操作は、いわゆるブロー成形であり、第三の電気弁EV3を開いて、棒12に形成された孔13を介して容器2内に高圧(約30〜40バールの範囲)の空気を大気温度で導入し、そのようにして、金型5の壁に対して、点火操作のときに形成された容器2を押し付けて保持することからなる(図5F、図6Bの線4)。所定の期間β4(好ましくは、1000ミリ秒未満)のこのブロー成形操作の間、第四の電気弁EV4は閉じられたままである。
【0113】
第五の操作は、いわゆる掃気で、第三の電気弁EV3を開いたまま、容器2内に高圧の空気(図6B、線4)を大気温度で導入し続けながら、容器2内で空気による掃気を実施することからなり、同時に第四の電気弁EV4を開いて加圧空気を排出することを可能にする。このようにして、容器2を圧力下(10〜15バール)に保持して、容器2内の空気循環を生じさせ、それによって、金型の出口5で、金型が容器に付与した形状が保持されるように、金型を冷却しながら(図5G)、続けて、金型5の壁部に対して容器を押し付ける。この掃気操作は、200〜2000ミリ秒の範囲にある所定の期間β5の間、実施される。
【0114】
第六の操作は、いわゆるガス抜きで、第三の電気弁EV3(図6B、線4)を閉じ、所定の期間β6の間(100〜500ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けたままにして、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図6B、線5)まで、空気を放出して(図5H)、容器2をガス抜きすることからなる。この操作が終ると、第四の電気弁EV4は閉じ、金型5は開き、容器2は放出され、その結果、新しいプリフォーム3でサイクルの反復ができる。
【0115】
上記の条件で、DSCによって、この方法によって得られた容器2の、本体10の内側壁42の内側壁(切片A)及び外側壁(切片E)の結晶化度を測定した。その結果を下記表2に示した。
【0116】
【表2】
【0117】
容器2は、その内側壁42の位置で結晶化度が負の勾配を示すことが確認された。この場合、内側壁42の側で測定した結晶化度は、外側壁43の側で測定した結晶化度より極めて低い(約30%低い)。
【0118】
また、加熱充填(温度が85〜95℃の液体を使用する)のとき、そのような容器2の変形に対する機械抵抗は、点火の無い方法(比較例を参照)によって得られた容器の機械抵抗を上回ることが分かった。実際、85〜95℃の範囲の液体温度で、容器の収縮率は1%以下である。
【0119】
この現象は、以下のように説明される。爆発性ガス状混合物の点火によって引き起こされる爆燃のときに形成中の容器2の内部を支配する温度(摂氏温度数百度にも達する)及び圧力の極限状態は、少なくとも容器2の内側壁42の側で融解を引き起こす。
【0120】
爆燃後、形成された容器2は、金型5の加熱された壁と接触するその外側壁の側で、熱固定される。このようにして、融解に続き、完全に(ほとんど)アモルファスになったその内側壁は、アモルファス材料を大きな割合で保持し、結晶化率は比較的低くなるが、外側壁43からの厚さは、熱的方法による結晶化度の付与に好都合である。
【0121】
結晶化度の高い材料部分(外側壁43を含む)が結晶化度の低い材料部分(内側壁42を含む)に対してフレームのように働くので、内側壁42の側の低い結晶化率にかかわらず、外側壁43の側の高い結晶化率によって、容器2に、結晶化度が一定の容器(比較例に記載の方法によって、すなわち、爆発性ガス状混合物に点火が無く、得られる単純に熱固定された容器など)と等しい剛性を付与する。
【0122】
この実施例では、内側壁42の厚さは、DSC分析での必要に応じて切断したような切片Aの厚さに対応する(上記参照)。測定により、結晶化度勾配は、切片Cを越えては延びていないことが分かった。したがって、結晶化度の負の勾配に影響される内側壁42の厚さは、100μm未満であり、より真実と思われるのは約50μm未満である。
【0123】
加熱充填時、容器2によってその形成時に蓄えられた残留応力は、大部分が、内側壁42の側に大きな割合で存在するアモルファス材料内で解放され、したがって、内側壁42は、結晶化度の高い材料の部分に対して緩衝として作用し、容器2内の変形の伝播を防ぐ。
【実施例3】
【0124】
(図7A〜7L、8A、8B)
【0125】
この実施例では、金型5を加熱して、その内側壁の側を約130℃の温度にする。プリフォーム3の材料は、PETである。反応性ガスは水素(H2)である。空気/水素のガス状混合物は、水素の比率を体積で約4〜18%の範囲に、好ましくは6%にして実現される。
【0126】
熱いプリフォーム3を金型5に導入した後、いわゆる一次予備ブロー成形である第一の操作は、棒12の滑動によってプリフォーム3を延伸し、同時に、電気弁EV1及びEV2を開いて、プリフォーム3内に約5〜20バールの範囲にある圧力で空気と反応性ガスの混合物を導入して、プリフォームを予備ブロー成形することからなる(図7A〜7C、図8Bの線1及び2)。所定の期間γ1(250ミリ秒未満)のこの第一の操作は、棒12がその行程を終了して、金型の底部7に到達し、材料の可塑性流出閾値を越えた(それは、圧力曲線上で、第一の圧力ピークによって約8〜10バールで具現されている)後、終了する。
【0127】
第二の操作は、いわゆる一次点火であり、点火プラグ36の点火によってガス状混合物を燃焼させることからなる(図7D、図8Bの線3)。ガス状混合物中の水素の比率を考慮すると、形成中の容器2内で、温度(摂氏温度数百度に達する)及び圧力(40バールを越える―図7Aの曲線上では、対応する圧力ピークは縮尺率の問題から緩やかにした)の突然の上昇に伴って、爆燃が起こる。混合物の燃焼期間γ2は極めて短い(25ミリ秒未満)が、それに伴う圧力の増加は、材料を金型の壁に対して押し付け、このようにして、容器2を形成するのに十分である。
【0128】
第三の操作は、いわゆる一次安定化であり、電気弁EV1、EV2,EV3,EV4を閉じたままにして、所定の期間γ3の間(200〜300ミリ秒の範囲)、このようにして形成された容器2内に残留ガス(主に、水素の燃焼から発生した空気と水蒸気の混合物、場合によっては、NOxの痕跡を含む)を保持して、容器2内の温度及び圧力の低下を可能にすることからなる(図8E).
【0129】
第四の操作は、いわゆる一次ガス抜きで、所定の期間γ4の間(100〜200ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けて、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図8B、線5)まで、空気を放出して(図7F)、容器2をガス抜きすることからなる。
【0130】
第五の操作は、いわゆる二次予備ブロー成形であり、再度、電気弁EV1及びEV2を開いて、容器内に約5〜20バールの範囲にある圧力で空気と反応性ガスの混合物を導入することからなる(図7G、図8Bの線1及び2)。所定の期間γ5(250ミリ秒未満)のこの第五の操作は、容器2内の圧力が5〜20バールの範囲の数値に達したあと、電気弁EV1及びEV2を閉じることによって終了する。
【0131】
第六の操作は、いわゆる二次点火であり、点火プラグ36の点火によってガス状混合物を燃焼させることからなる(図7H、図8Bの線3)。ガス状混合物中の水素の比率を考慮すると、容器2内で、温度(摂氏温度数百度に達する)及び圧力(40バールを越える―図8Aの曲線上でも同様に、対応する圧力ピークは緩やかにした)の突然の上昇に伴って、再度、爆燃が起こる。一次点火操作のときと同様に、混合物の燃焼期間γ6は極めて短い(25ミリ秒未満)。
【0132】
第七の操作は、いわゆる二次安定化であり、電気弁EV1、EV2,EV3,EV4を全部閉じたままにして、所定の期間γ7の間(200〜300ミリ秒の範囲)、容器2内に残留ガス(主に、水素の燃焼から発生した空気と水蒸気の混合物、場合によっては、NOxの痕跡を含む)を保持して、容器2内の温度及び圧力の低下を可能にすることからなる(図7I).
【0133】
第八の操作は、いわゆるブロー成形であり、第三の電気弁EV3を開いて、棒12に形成された孔13を介して容器2内に高圧(約30〜40バールの範囲)の空気を大気温度で導入し、そのようにして、金型5の壁に対して、点火操作のときに形成された容器2を押し付けて保持することからなる(図7J、図8Bの線4)。所定の期間γ8(好ましくは、300ミリ秒未満)のこのブロー成形操作の間、第四の電気弁EV4は閉じられたままである。
【0134】
第九の操作は、いわゆる掃気で、第三の電気弁EV3を開いたまま、容器2内に高圧の空気(図8B、線4)を大気温度で導入し続けながら、容器2内で空気による掃気を実施することからなり、同時に第四の電気弁EV4を開いて加圧空気を排出することを可能にする(図8B、線5)。このようにして、容器2を圧力下(10〜15バール)に保持して、容器2内の空気循環を生じさせ、それによって、金型の出口5で、金型が容器に付与した形状が保持されるように、金型を冷却しながら(図7K)、続けて、金型5の壁部に対して容器を押し付ける。この掃気操作は、200〜2000ミリ秒の範囲にある所定の期間γ9の間、実施される。
【0135】
第十の操作は、いわゆる二次ガス抜きで、第三の電気弁EV3(図8B、線4)を閉じ、所定の期間γ10の間(100〜500ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けたままにして、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図8B、線5)まで、空気を放出して(図7L)、容器2をガス抜きすることからなる。この操作が終ると、第四の電気弁EV4は閉じ、金型5は開き、容器2は放出され、その結果、新しいプリフォーム3でサイクルの反復ができる。
【0136】
上記の条件で、DSCによって、この方法によって得られた容器2の厚さの結晶化度を測定した。その結果を下記表3に示した。
【0137】
【表3】
【0138】
容器2は、その内側壁42の位置で結晶化度が負の勾配を示すことが確認された。この場合、内側壁42の側で測定した結晶化度は、外側壁43の側で測定した結晶化度より極めて低い(約50%低い)。
【0139】
また、加熱充填(温度が85〜95℃の液体を使用する)のとき、そのような容器2の変形に対する機械抵抗は、点火の無い方法(比較例を参照)によって得られた容器の機械抵抗を上回ることが分かった。実際、85〜95℃の範囲の液体温度で、容器の収縮率は1%以下である。
【0140】
この現象は、以下のように説明される。爆発性ガス状混合物の点火によって引き起こされる爆燃のときに形成中の容器2の内部を支配する温度(摂氏温度数百度にも達する)及び圧力の極限状態は、少なくとも容器2の内側壁42の側で融解を引き起こす。
【0141】
爆燃後、形成された容器2は、金型5の加熱された壁と接触するその外側壁の側で、熱固定される。このようにして、融解に続き、完全に(ほとんど)アモルファスになったその内側壁は、アモルファス材料を大きな割合で保持し、結晶化度率は比較的低くなるが、外側壁43からの厚さは、熱的方法による結晶化度の付与に好都合である。
【0142】
結晶化度の高い材料部分(外側壁43を含む)が結晶化度の低い材料部分(内側壁42を含む)に対してフレームのように働くので、内側壁42の側の低い結晶化率にかかわらず、外側壁43の側の高い結晶化率によって、容器2に、結晶化度が一定の容器(比較例に記載の方法によって、すなわち、爆発性ガス状混合物に点火が無く、得られる単純に熱固定された容器など)と等しい剛性を付与する。
【0143】
この実施例では、内側壁42の厚さは、DSC分析での必要に応じて切断したような切片Aの厚さに対応する(上記参照)。測定により、結晶化度勾配は、切片Cを越えては延びていないことが分かった。したがって、結晶化度の負の勾配に影響される内側壁42の厚さは、100μm未満であり、より真実と思われるのは約50μm未満である。
【0144】
加熱充填時、容器2によってその形成時に蓄えられた残留応力は、大部分が、内側壁42の側に大きな割合で存在するアモルファス材料内で解放され、したがって、内側壁42は、結晶化度の高い材料の部分に対して緩衝として作用し、容器2内の変形の伝播を防ぐ。
【0145】
層Aのアモルファスの性質を確認するため、結晶化度の測定に使用したものと類似したサンプルを採取し、それを同様に切断して、五つの類似した切片A、B、C、D及びEを形成して、この容器2のDSCによる熱分析を実施した。五つの切片のDSC曲線は、図15のサーモグラフ上では類似している。切片B、C、D及びEは、全部250℃付近に単一の融解吸熱ピークを示し、一方、切片Aの曲線は、125℃付近のこの同じ吸熱ピークに加えて、約250℃に発熱ピークを示す。
【0146】
ガラス遷移温度(この場合、約80℃)と融解ピークとの間に位置するこの吸熱ピークは、結晶化ピークであり、容器2の内側壁42の側の切片Aの材料のアモルファス性を証明する。反対に、他の切片B〜Eの曲線にそのような結晶化ピークが存在しないことが、特に外側壁43の側の材料の部分的結晶性を証明している。言い換えれば、容器2は、その製造後は、内側壁42の側はアモルファスであるとみなすことができる。
【0147】
比較のため、比較例に記載した方法(すなわち、爆発性ガス状混合物の点火を含まない方法)によって得られた容器から採取したサンプルについて、同じ分析を実施した。サンプルの五つの切片A〜EのDSC曲線は、約250℃での材料の融解に対応する、吸熱の、唯一のピークしか示しておらず、それは、容器が、その内側壁の側も含めて、その厚さ全体が部分結晶性であることを示している。
【実施例4】
【0148】
(図9A〜9K、10A、10B)
【0149】
この実施例では、金型5を加熱して、その内側壁の側を約130℃の温度にする。プリフォーム3の材料は、PETである。反応性ガスは水素(H2)である。空気/水素のガス状混合物は、水素の比率を体積で約4〜18%の範囲に、好ましくは6%にして実現される。
【0150】
熱いプリフォーム3を金型5に導入した後、いわゆる一次予備ブロー成形である第一の操作は、棒12の滑動によってプリフォーム3を延伸し、同時に、電気弁EV1を開いて、プリフォーム3内に約5〜20バールの範囲にある中圧で空気を導入して、予備ブロー成形することからなる(図9A〜9C、図10Bの線1及び2)。所定の期間δ1(250ミリ秒未満)のこの第一の操作は、棒12がその行程を終了して、金型の底部7に到達し、材料の可塑性流出閾値を越えた(それは、圧力曲線上で、第一の圧力ピークによって約8〜10バールで具現されている)後、終了する。
【0151】
第二の操作は、いわゆるブロー成形であり、第三の電気弁EV3を開いて、棒12に形成された孔13を介して形成中の容器2内に高圧(約30〜40バールの範囲)の空気を大気温度で導入し、そのようにして、金型5の壁に対して、容器2を押し付けることからなる(図9D、図10Bの線4)。所定の期間δ2(好ましくは、300ミリ秒未満)のこのブロー成形操作の間、第四の電気弁EV4は閉じられたままである。
【0152】
第三の操作は、いわゆる一次ガス抜きで、所定の期間∂3の間(100〜200ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けて、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図10B、線5)まで、空気を放出して(図9E)、容器2をガス抜きすることからなる。
【0153】
第四の操作は、いわゆる二次予備ブロー成形であり、再度、電気弁EV1及びEV2を開いて、容器2内に約5〜20バールの範囲にある圧力で空気と反応性ガスの混合物を導入することからなる(図9F、図10Bの線1及び2)。所定の期間δ4(250ミリ秒未満)のこの第四の操作は、容器2内の圧力が5〜20バールの範囲の数値に達した後、電気弁EV1及びEV2を閉じることによって終了する。
【0154】
第五の操作は、いわゆる点火であり、点火プラグ36の点火によってガス状混合物を燃焼させることからなる(図9G、図10Bの線3)。混合物中の水素の比率を考慮すると、容器2内で、温度(再度、摂氏温度数百度に達する)及び圧力(40バールを越える―図10Aの曲線上では、対応する圧力ピークは縮尺の理由で緩やかにした)の突然の上昇に伴って、爆燃が起こる。混合物の燃焼期間δ5は極めて短い(25ミリ秒未満)。
【0155】
第六の操作は、いわゆる安定化であり、電気弁EV1、EV2,EV3,EV4を全部閉じたままにして、所定の期間δ6の間(200〜300ミリ秒の範囲)、容器2内に残留ガス(主に、水素の燃焼から発生した空気と水蒸気の混合物、場合によっては、NOxの痕跡を含む)を保持して、容器2内の温度及び圧力の低下を可能にすることからなる(図9H).
【0156】
第七の操作は、いわゆる二次ブロー成形であり、第三の電気弁EV3を開いて、棒12に形成された孔13を介して容器2内に高圧(約30〜40バールの範囲)の空気を大気温度で導入し、そのようにして、金型5の壁に対して、点火及び一次ブロー成形操作のときに形成された容器2を押し付けて保持することからなる(図9I、図10Bの線4)。所定の期間δ7(好ましくは、300ミリ秒未満)のこのブロー成形操作の間、第四の電気弁EV4は閉じられたままである。
【0157】
第八の操作は、いわゆる掃気で、第三の電気弁EV3を開いたまま、容器2内に高圧の空気(図10B、線4)を大気温度で導入し続けながら、容器2内で空気による掃気を実施することからなり、同時に第四の電気弁EV4を開いて加圧空気を排出することを可能にする(図10B、線5)。このようにして、容器2を圧力下(10〜15バール)に保持して、容器2内の空気循環を生じさせ、それによって、金型の出口5で、金型が容器に付与した形状が保持されるように、金型を冷却しながら、続けて、金型5の壁部に対して容器を押し付ける(図9J)。この掃気操作は、200〜2000ミリ秒の範囲にある所定の期間δ8の間、実施される。
【0158】
第九の操作は、いわゆる二次ガス抜きで、第三の電気弁EV3(図10B、線4)を閉じ、所定の期間∂9の間(100〜500ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けたままにして、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図10B、線5)まで、空気を放出して(図9K)、容器2をガス抜きすることからなる。この操作が終ると、第四の電気弁EV4は閉じ、金型5は開き、容器2は放出され、その結果、新しいプリフォーム3でサイクルの反復ができる。
【0159】
上記の条件で、DSCによって、この方法によって得られた容器2の、本体10の内側壁42の内側壁(切片A)及び外側壁(切片E)の結晶化度を測定した。その結果を下記表2に示した。
【0160】
【表4】
【0161】
容器2は、その内側壁42の位置で結晶化度が負の勾配を示すことが確認された。この場合、内側壁42の側で測定した結晶化度は、外側壁43の側で測定した結晶化度よりかなり低い(約20%低い)。
【0162】
また、加熱充填(温度が85〜95℃の液体を使用する)のとき、そのような容器2の変形に対する機械抵抗は、点火の無い方法(比較例を参照)によって得られた容器の機械抵抗を上回ることが分かった。実際、85〜95℃の範囲の液体温度で、容器の収縮率は1%以下である。
【0163】
この現象は、以下のように説明される。爆発性ガス状混合物の点火によって引き起こされる爆燃のときに形成中の容器2の内部を支配する温度(摂氏温度数百度にも達する)及び圧力の極限状態は、少なくとも容器2の内側壁42の側で融解を引き起こす。
【0164】
爆燃後、形成された容器2は、金型5の加熱された壁と接触するその外側壁の側で、熱固定される。このようにして、融解に続き、完全に(ほとんど)アモルファスになったその内側壁は、アモルファス材料を大きな割合で保持し、結晶化率は比較的低くなるが、外側壁43からの厚さは、熱的方法による結晶化度の付与に好都合である。
【0165】
結晶化度の高い材料部分(外側壁43を含む)が結晶化度の低い材料部分(内側壁42を含む)に対してフレームのように働くので、内側壁42の側の低い結晶化率にかかわらず、外側壁43の側の高い結晶化率によって、容器2に、結晶化度が一定の容器(比較例に記載の方法によって、すなわち、爆発性ガス状混合物に点火が無く、得られる単純に熱固定された容器など)と等しい剛性が付与される。
【0166】
この実施例では、内側壁42の厚さは、DSC分析での必要に応じて切断したような切片Aの厚さに対応する(上記参照)。測定により、結晶化度勾配は、切片Cを越えては延びていないことが分かった。したがって、結晶化度の負の勾配に影響される内側壁42の厚さは、100μm未満であり、より真実と思われるのは約50μm未満である。
【0167】
加熱充填時、容器2によってその形成時に蓄えられた残留応力は、大部分が、内側壁42の側に大きな割合で存在するアモルファス材料内で解放され、したがって、内側壁42は、結晶化度の高い材料の部分に対して緩衝として作用し、容器2内の変形の伝播を防ぐ。
[比較例1](図11A〜11F、12A、12B、16)
【0168】
この比較例では、金型5を加熱して、その内側壁の側を約160℃の温度にする。プリフォーム3の材料は、PETである。
【0169】
熱いプリフォーム3を金型5に導入した後、この方法は、第一の操作を行うが、この操作は、いわゆる予備ブロー成形であり、棒12の滑動によってプリフォーム3を延伸し、同時に、電気弁EV1を開いて、プリフォーム3内に約5〜20バールの範囲にある圧力で空気を導入して、プリフォームを予備ブロー成形することからなる(図11A〜11C、図12Bの線1)。所定の期間ε1(250ミリ秒未満)のこの第一の操作は、棒12がその行程を終了して、金型の底部7に到達し、材料の可塑性流出閾値を越えた(それは、圧力曲線上で、第一の圧力ピークによって約8〜10バールで具現されている)後、終了する。
【0170】
第二の操作は、いわゆるブロー成形であり、第三の電気弁EV3を開いて、棒12に形成された孔13を介してプリフォーム3内に高圧(約30〜40バールの範囲)の空気を大気温度で導入し、そのようにして、金型5の壁に対して、形成中の容器2を押し付けることからなる(図11D、図12Bの線4)。所定の期間ε2(500〜1200ミリ秒の範囲)のこのブロー成形操作の間、第四の電気弁EV4は閉じられたままである。
【0171】
第三の操作は、いわゆる掃気で、第三の電気弁EV3を開いたまま、容器2内に、棒12に形成された孔13を介して高圧の空気(図12B、線4)を大気温度で導入し続けながら、容器2内で空気による掃気を実施することからなり、同時に第四の電気弁EV4を開いて加圧空気を排出することを可能にする(図12B、線5)。このようにして、容器2を圧力下(10〜15バール)に保持して、容器2内の空気循環を生じさせ、それによって、金型5の壁に容器を押し付ける(図12E)。この掃気操作は、500〜800ミリ秒の範囲にある所定の期間ε3の間実施される。
【0172】
第四の操作は、いわゆるガス抜きで、第三の電気弁EV3(図12B、線4)を閉じ、所定の期間ε5の間(200〜500ミリ秒の範囲)、第四の電気弁EV4を開けたままにして、容器2の内部を支配する圧力がほとんど大気圧に達する(図12B、線5)まで、空気を放出して(図11F)、容器2をガス抜きすることからなる。この操作が終ると、第四の電気弁EV4は閉じ、金型5は開き、容器2は放出され、その結果、新しいプリフォームでサイクルの反復ができる。
【0173】
上記の条件で、DSCによって、この方法によって得られた容器2の、容器の本体の内側壁の位置(切片A)及び外側壁の位置(切片E)での結晶化度を測定した。その結果を下記表4に示した。
【0174】
【表5】
【0175】
切片A(内側壁42)から切片E(外側壁43)まで、結晶化度がほぼ一定であることが分かった。これは、この方法によって実施された熱固定によって、容器2の厚さ全体がほぼ同じ性質であることを証明している。
【0176】
結晶化度の測定に使用したものと類似したサンプルを採取し、それを同様に切断して、五つの類似した切片A、B、C、D及びEを形成して、この容器2のDSCによる熱分析を実施した。五つの切片のDSC曲線は、図16のサーモグラフ上では類似している。それらの曲線は、全部250℃付近に単一の融解吸熱ピークを示し、それによって、容器2の厚さ全体において、材料が部分結晶性であることを証明している。
【0177】
また、そのような容器2の変形に対する機械抵抗は、加熱充填(温度が85〜95℃の範囲にある液体を使用する)のとき、点火を含む方法によって得られた容器のそれよりも劣る。例えば、90℃の液体温度では、容器の収縮率は2%である。また、液体温度95℃では、商業的に許容される以上に容器が変形しないで(容器は樽のように膨らむ)、充填することは不可能である。
【符号の説明】
【0178】
2 容器
3 プリフォーム
5 金型
8 空洞部
36 点火プラグ
39、40、41 加熱手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前もって加熱されたポリマー製の素地(3)から容器(2)の最終的な形状を決定する空洞部(8)を備える金型(5)内での容器(2)の製造方法であり、この方法は、下記の操作;
―所定の温度に加熱された金型(5)への素地(3)の導入、
―素地(3)内に加圧された爆発性ガス状混合物を導入、
―ガス状混合物の引火、
を含む方法。
【請求項2】
―爆発性ガス状混合物を導入しながら、素地(3)を延伸する予備ブロー成形操作
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる点火操作、
―容器の内部を大気圧(2)の近傍の圧力にするガス抜き操作、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
―爆発性ガス状混合物を導入しながら、素地(3)を延伸する予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる点火操作、
―容器(2)内に高圧の空気を導入することからなるブロー成形操作、
―容器(2)の内部を大気圧の近傍の圧力にするガス抜き操作、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
点火操作後、点火により発生した残留ガスを形成された容器(2)内に保持する安定化操作を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
ガス抜き操作の前に、容器(2)内の空気を循環させる掃気操作を含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
―爆発性ガス状混合物を導入しながら、素地(3)を延伸する一次予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる一次点火操作、
―容器の内部(2)を大気圧の近傍の圧力にする一次ガス抜き操作、
―爆発性ガス状混合物を容器(2)内に導入する二次予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる二次点火操作、
―容器(2)の内部を大気圧の近傍の圧力にする二次ガス抜き操作、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
二次点火操作後、容器(2)内に高圧で空気を導入することからなるブロー成形操作を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
各点火操作後、点火により発生した残留ガスを形成された容器(2)内に保持する安定化操作を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
二次ガス抜き操作の前に、容器(2)内の空気を循環させる掃気操作を含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
―圧力下で空気を導入しながら、素地(3)を延伸する一次予備ブロー成形操作、
―素地(3)内に高圧で空気を導入することからなる一次ブロー成形操作、
―容器(2)の内部を大気圧の近傍の圧力にする一次ガス抜き操作
―爆発性ガス状混合物を容器(2)内に導入する二次予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる点火操作、
―容器(2)の内部を大気圧の近傍の圧力にする二次ガス抜き操作、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
点火操作後、点火により発生した残留ガスを形成された容器(2)内に保持する安定化操作を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
二次ガス抜き操作の前に、容器(2)内の空気を循環させる掃気操作を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
金型(5)は、100℃以上の温度に加熱されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
金型(5)は、約130℃の温度に加熱されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
金型(5)は、約160℃の温度に加熱されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
爆発性ガス状混合物は、空気及び水素を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
水素の容積比率は、約6%であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
爆発性ガス状混合物は、10バール以上の圧力で、素地(3)または容器(2)に導入されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】
ブロー成形操作のとき、素地(3)または容器(2)に導入される空気の圧力は、30バール以上であることを特徴とする請求項3,7、または10に記載の方法。
【請求項20】
前もって加熱されたポリマー製の素地(3)からの容器(2)の製造機械(1)であって、その機械は、
―容器(2)の最終形状を決定する空洞部(8)を備える金型(5)、
―金型(5)の加熱手段(39、40、41)、
―金型(5)内に加圧された爆発性ガス状混合物の注入する手段(18−24、
EV2)、
―ガス状混合物の燃焼手段(35、36)、
を備えることを特徴とする機械。
【請求項21】
燃焼手段(35、36)は、点火プラグ(36)を備えることを特徴とする請求項20に記載の機械(1)。
【請求項22】
点火プラグ(36)は、ガスまたはガス状混合物を導入するノズル(16)内に開口することを特徴とする請求項21に記載の機械(1)。
【請求項23】
点火プラグ(36)は、伸長棒(12)内に開口することを特徴とする請求項21に記載の機械(1)。
【請求項1】
前もって加熱されたポリマー製の素地(3)から容器(2)の最終的な形状を決定する空洞部(8)を備える金型(5)内での容器(2)の製造方法であり、この方法は、下記の操作;
―所定の温度に加熱された金型(5)への素地(3)の導入、
―素地(3)内に加圧された爆発性ガス状混合物を導入、
―ガス状混合物の引火、
を含む方法。
【請求項2】
―爆発性ガス状混合物を導入しながら、素地(3)を延伸する予備ブロー成形操作
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる点火操作、
―容器の内部を大気圧(2)の近傍の圧力にするガス抜き操作、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
―爆発性ガス状混合物を導入しながら、素地(3)を延伸する予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる点火操作、
―容器(2)内に高圧の空気を導入することからなるブロー成形操作、
―容器(2)の内部を大気圧の近傍の圧力にするガス抜き操作、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
点火操作後、点火により発生した残留ガスを形成された容器(2)内に保持する安定化操作を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
ガス抜き操作の前に、容器(2)内の空気を循環させる掃気操作を含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
―爆発性ガス状混合物を導入しながら、素地(3)を延伸する一次予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる一次点火操作、
―容器の内部(2)を大気圧の近傍の圧力にする一次ガス抜き操作、
―爆発性ガス状混合物を容器(2)内に導入する二次予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる二次点火操作、
―容器(2)の内部を大気圧の近傍の圧力にする二次ガス抜き操作、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
二次点火操作後、容器(2)内に高圧で空気を導入することからなるブロー成形操作を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
各点火操作後、点火により発生した残留ガスを形成された容器(2)内に保持する安定化操作を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
二次ガス抜き操作の前に、容器(2)内の空気を循環させる掃気操作を含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
―圧力下で空気を導入しながら、素地(3)を延伸する一次予備ブロー成形操作、
―素地(3)内に高圧で空気を導入することからなる一次ブロー成形操作、
―容器(2)の内部を大気圧の近傍の圧力にする一次ガス抜き操作
―爆発性ガス状混合物を容器(2)内に導入する二次予備ブロー成形操作、
―爆発性ガス状混合物に引火することからなる点火操作、
―容器(2)の内部を大気圧の近傍の圧力にする二次ガス抜き操作、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
点火操作後、点火により発生した残留ガスを形成された容器(2)内に保持する安定化操作を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
二次ガス抜き操作の前に、容器(2)内の空気を循環させる掃気操作を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
金型(5)は、100℃以上の温度に加熱されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
金型(5)は、約130℃の温度に加熱されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
金型(5)は、約160℃の温度に加熱されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
爆発性ガス状混合物は、空気及び水素を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
水素の容積比率は、約6%であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
爆発性ガス状混合物は、10バール以上の圧力で、素地(3)または容器(2)に導入されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】
ブロー成形操作のとき、素地(3)または容器(2)に導入される空気の圧力は、30バール以上であることを特徴とする請求項3,7、または10に記載の方法。
【請求項20】
前もって加熱されたポリマー製の素地(3)からの容器(2)の製造機械(1)であって、その機械は、
―容器(2)の最終形状を決定する空洞部(8)を備える金型(5)、
―金型(5)の加熱手段(39、40、41)、
―金型(5)内に加圧された爆発性ガス状混合物の注入する手段(18−24、
EV2)、
―ガス状混合物の燃焼手段(35、36)、
を備えることを特徴とする機械。
【請求項21】
燃焼手段(35、36)は、点火プラグ(36)を備えることを特徴とする請求項20に記載の機械(1)。
【請求項22】
点火プラグ(36)は、ガスまたはガス状混合物を導入するノズル(16)内に開口することを特徴とする請求項21に記載の機械(1)。
【請求項23】
点火プラグ(36)は、伸長棒(12)内に開口することを特徴とする請求項21に記載の機械(1)。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7i】
【図7J】
【図7K】
【図7L】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図9H】
【図9i】
【図9J】
【図9K】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7i】
【図7J】
【図7K】
【図7L】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図9H】
【図9i】
【図9J】
【図9K】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2010−528900(P2010−528900A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510846(P2010−510846)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000771
【国際公開番号】WO2009/004192
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(508356548)シデル パーティシペイションズ (33)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000771
【国際公開番号】WO2009/004192
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(508356548)シデル パーティシペイションズ (33)
【Fターム(参考)】
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