説明

比較回路

【課題】消費電流および回路規模をほとんど増大させることなく、容易に容量の充電時間を短くすることの出来る比較回路を提供する。
【解決手段】差動増幅回路10の出力が入力される単相増幅回路20の出力をNチャネルMOSトランジスタMN5からなるソースフォロワによるクランプ回路41に入力し、当該クランプ回路41により単相増幅回路20の入力を制限することにより、新たに定電圧源を設けることなく必要な充電電圧幅を狭めて容量Cpの充電時間を短くすることができる。また、単相増幅回路10の出力に応じて単相増幅回路10の入力を制限するので、単相増幅回路10の閾値電圧のばらつきや電源電圧の影響が問題にならない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力の変化に対する応答時間を短縮することのできる比較回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図7に従来の比較回路の構成を示す。この比較回路は、差動増幅回路10,単相増幅回路20および波形整形回路30を有している。差動増幅回路10はバイアス電流Ib1を供給する定電流源11、差動対を構成するPチャネルMOSトランジスタMP1,MP2、およびカレントミラー回路を構成するNチャネルMOSトランジスタMN1,MN2を有し、PチャネルMOSトランジスタMP1,MP2のゲートにそれぞれ入力される入力電圧Vinp,Vinmの差に応じた電流を、PチャネルMOSトランジスタMP2とNチャネルMOSトランジスタMN2の接続点である差動増幅回路10の出力端子から出力する。
【0003】
単相増幅回路20はバイアス電流Ib2を供給する定電流源21とNチャネルMOSトランジスタMN3が直列に接続された直列回路からなり、NチャネルMOSトランジスタMN3のゲート端子をその入力端子とし、定電流源21とNチャネルMOSトランジスタMN3の接続点を出力端子としている。単相増幅回路20の入力端子は、差動増幅回路10の出力端子に接続されている。単相増幅回路20は差動増幅回路10の出力電圧Vo1を増幅した信号Vo2を生成して、次段の波形整形回路30に入力するものである。波形整形回路30は、直列に接続されたPチャネルMOSトランジスタMP3とNチャネルMOSトランジスタMN4からなり、単相増幅回路20の出力信号Vo2をさらに増幅して2値信号Vo3に整形するものである。そして、この比較回路には高電位側電位VDD、低電位側電位0V(接地電位)の電源が供給されている。
【0004】
なお、容量Cpは差動増幅回路10の出力と単相増幅回路20の入力を結ぶラインに付随する全ての容量(NチャネルMOSトランジスタMN3のゲート容量やその他の寄生容量など)をまとめたものである。
【0005】
本比較回路における、2つの入力信号の関係がVinp<<VinmからVinp>Vinmに変化するときの過渡応答動作を図8に示す。Vinp<<Vinmの初期状態では、差動増幅回路10の出力電圧Vo1は下限の0V(接地電位)となっている。差動増幅回路10のトランスコンダクタンスをgmとすると、Vinp>Vinmに変化する時刻taから、差動増幅回路10の出力端子より(Vinp−Vinm)・gmの電流が出力され、この電流が容量Cpを充電していく。容量Cpの充電電圧が差動増幅回路10の出力電圧Vo1であり、この出力電圧Vo1は容量Cpの充電の進行に伴い上昇していく。そして、電圧Vo1が時刻tbでNチャネルMOSトランジスタMN3の閾値電圧Vth1を超えて単相増幅回路20の動作領域に入ると、単相増幅回路20の出力信号Vo2が低下を開始する。時刻tcで単相増幅回路20の出力信号Vo2が波形整形回路30の閾値電圧Vth2以下になると、比較回路の出力である波形整形回路30の出力Vo3がL(Low)レベルからH(High)レベルに反転する。
【0006】
ここで、Vinp>Vinmに変化してから比較回路の出力Vo3がHレベルに変化
するまで、容量Cpの充電時間を主要因とする遅れ(tc−ta)が生じてしまうという問題点がある。
【0007】
この問題点に対し、差動増幅回路の差動対に流れる電流の比により比較回路のバイアス電流を切り替えるようにし、入力電圧に変化があったときにバイアス電流を増加させる増幅器が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。差動増幅回路のバイアス電流を大きくすれば、容量Cpの充電時間を短くすることができる。
【0008】
また、差動増幅回路の出力端子にクランプ回路を接続して、図7の電圧Vo1に相当する電圧の変化範囲を制限するコンパレータ回路が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。電圧Vo1に相当する電圧の変化範囲が制限されていれば、比較回路の出力を反転されるまでに必要な容量Cpの充放電電圧の値が小さくなり、容量Cpの充電時間を短くすることができる。特許文献2で開示されているクランプ回路についてさらに説明する。図9に、特許文献2で開示されているクランプ回路の実施例を示す。図9において、差動増幅回路10の出力電圧Vo1のラインにはダイオードD1,D2からなるクランプ回路が接続されている。ダイオードD1のアノードは出力電圧Vo1に接続され、カソードは定電圧V1に接続されている。また、ダイオードD2のアノードは定電圧V2に接続され、カソードは出力電圧Vo1に接続されている。ダイオードD1,D2の順方向電圧を無視すれば、この構成により出力電圧Vo1の変化範囲はV2〜V1に制限される。
【0009】
図10に、特許文献2で開示されているクランプ回路の別の実施例を示す。図10において、差動増幅回路10の出力電圧Vo1のラインにはPNPトランジスタTr1からなるクランプ回路が接続されている。PNPトランジスタTr1のベースには定電圧Vrが印加されていて、PNPトランジスタTr1のベース・エミッタ電圧を無視すれば、これにより出力電圧Vo1の最大電圧はVrに制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−174035号公報
【特許文献2】特開昭61−16612号公報(第2,4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1の増幅器はバイアス電流を増加させて容量Cpの充放電時間を短くするものであるが、波形整形回路30の出力Vo3を反転させるのに必要な充電電圧が高いと、高速化のためにはバイアス電流の増加量を大きくする必要があり、消費電流が増えてしまうという課題がある。また、入力信号が切り換わるときだけバイアス電流を増加させるようにすると、それなりの回路規模を必要とするという課題がある。
【0012】
特許文献2のコンパレータは、容量Cpの充放電初期値を0でないものにして必要な充放電電圧幅を狭めて容量Cpの充電時間を短くするものであるが、定電圧V1,V2やVrを生成する回路を設ける必要があり、そのための回路規模の拡大および消費電流の増大という問題が生じる。また、次段の単相増幅回路20の閾値電圧のばらつきや電源電圧の影響を考慮すると、定電圧V1,V2,Vrと単相増幅回路20の閾値電圧との差をある程度大きくしておく必要がある。
【0013】
そこで本発明は、上記の課題を解決し、消費電流および回路規模をほとんど増大させることなく、容易に容量Cpの充電時間を短くすることの出来る比較回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、第1の入力電圧と第2の入力電圧の差に応じた出力電流を出力端子から出力する差動増幅回路と、入力端子が前記差動増幅回路の前記出力端子に接続される単相増幅回路と、該単相増幅回路の出力を入力として該単相増幅回路の入力電圧を制限するクランプ回路と、を有し、前記クランプ回路は、前記単相増幅回路の出力が第1の所定電圧を超えて上昇すると電流を出力する電流ソース素子と、前記単相増幅回路の出力が第2の所定電圧を超えて減少すると電流を引き抜く電流シンク素子の少なくとも一方を有する比較回路であることを特徴とする。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記電流ソース素子は前記単相増幅回路の出力を入力とするNチャネルMOSトランジスタによるソースフォロワ回路もしくはNPNトランジスタによるエミッタフォロワ回路であり、前記電流シンク素子は前記単相増幅回路の出力を入力とするPチャネルMOSトランジスタによるソースフォロワ回路もしくはPNPトランジスタによるエミッタフォロワ回路であることを特徴とする。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記単相増幅回路の出力を入力とする波形整形回路を有し、該波形整形回路は前記第1の所定電圧より低く、前記第2の所定電圧より高い第3の所定電圧を閾値電圧とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の比較回路によれば、差動増幅回路の出力が入力される単相増幅回路の出力をソースフォロワやエミッタフォロワなどによるクランプ回路に入力し、当該クランプ回路により単相増幅回路の入力を制限することにより、新たに定電圧源を設けることなく必要な充電電圧幅を狭めて容量Cpの充電時間を短くすることができる。また、単相増幅回路の出力に応じて単相増幅回路の入力を制限するので、単相増幅回路の閾値電圧のばらつきや電源電圧の影響が問題にならない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の基本構成を示す図である。
【図2】本発明に係る比較回路の第1の実施例を示す図である。
【図3】本発明に係る比較回路の第1の実施例に関し、入力電圧Vinmを固定し、入力電圧Vinpを時刻t1でHレベルからLレベルに変化させたときの応答を示すタイムチャートを示す図である。
【図4】本発明に係る比較回路の第1の実施例に関し、入力電圧Vinmを固定し、入力電圧Vinpを時刻t4でLレベルからHレベルに変化させたときの応答を示すタイムチャートを示す図である。
【図5】本発明に係る比較回路の第2の実施例を示す図である。
【図6】本発明に係る比較回路の第3の実施例を示す図である。
【図7】従来の比較回路の構成を示す図である。
【図8】従来の比較回路に対する2つの入力信号の関係が、Vinp<<VinmからVinp>Vinmに変化するときの過渡応答動作を示す図である。
【図9】特許文献2で開示されているクランプ回路の実施例を示す図である。
【図10】特許文献2で開示されているクランプ回路の別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に本発明の基本構成を示す。差動増幅回路10,単相増幅回路20および波形整形回路30が直列に接続されている点は図7の従来回路と同じであるが、単相増幅回路20の出力Vo2を入力とし、出力が単相増幅回路20の入力Vo1に接続されるクランプ回路40を設けた点が異なっている。クランプ回路を設けた点は特許文献2のコンパレータに類似しているが、特許文献2のクランプ回路で必要だった定電圧V1,V2やVr及びこれらを生成する回路が不要で、これにより上記の発明の効果を奏することができる。
【0020】
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0021】
図2に本発明に係る比較回路の第1の実施例を示す。図7と共通する部位には同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。図2のクランプ回路41は、NチャネルMOSトランジスタMN5によるソースフォロワ回路により図1のクランプ回路40を構成したものである。NチャネルMOSトランジスタMN5のゲート端子がクランプ回路41の入力端子であり、ここには単相増幅回路20の出力信号Vo2が入力されている。また、クランプ回路41の出力端子であるNチャネルMOSトランジスタMN5のソース端子は、単相増幅回路20の入力端子に接続されている。この構成により、信号Vo1の電圧が((信号Vo2の電圧)−(NチャネルMOSトランジスタMN5のゲート・ソース電圧))以下にはならないようにすることができる。
【0022】
本実施例のクランプ回路の動作について、図3,4により説明する。図3は、入力電圧Vinmを固定し、入力電圧Vinpを時刻t1でH(High)レベルからL(Low)レベルに変化させたときの応答を示すタイムチャートである。時刻t1以前ではVinp>Vinmという状態が続いていたので、信号Vo1,Vol3はHレベル、信号Vo2はLレベルとなっている。時刻t1以降はVinp>Vinmとなるので、差動増幅回路10により(Vinp−Vinm)・gmの電流が容量Cpから引き抜かれ、これにより信号Vo1が低下していく。時刻t2で信号Vo1がNチャネルMOSトランジスタMN3の閾値電圧Vth1近傍に達してNチャネルMOSトランジスタMN3に流れる電流がバイアス電流Ib2より小さくなると、信号Vo2が増加を開始する。信号Vo2が、信号Vo1とNチャネルMOSトランジスタMN5の閾値電圧の和の電圧を超えて上昇すると、すなわちNチャネルMOSトランジスタMN5のゲート・ソース電圧が当該トランジスタの閾値電圧を超えると、NチャネルMOSトランジスタMN5からなるソースフォロワ回路が電流ソース素子として機能して容量Cpに電流が流れ込み、信号Vo1の低下が抑えられる。最終的な信号Vo1の大きさはNチャネルMOSトランジスタMN3がバイアス電流Ib2を流すのに必要なゲート・ソース電圧となり、最終的な信号電圧Vo2の大きさはこの信号Vo1にNチャネルMOSトランジスタMN5が(Vinp−Vinm)・gmの電流を流す(差動増幅回路10により引き抜かれる電流と等しい電流を容量Cpに供給して、信号Vo1が安定する状態となる。なお、その電流値の最大値はバイアス電流Ib1である。)のに必要なゲート・ソース電圧を加算した電圧となる。また、信号Vo2が増加して時刻t3に波形整形回路30の閾値電圧Vth2に達すると、波形整形回路の出力信号Vo3がHからLに反転する。
【0023】
図4は、入力電圧Vinmを固定し、入力電圧Vinpを時刻t4でLレベルからHレベルに変化させたときの応答を示すタイムチャートである。時刻t4以前は、図3の時刻t3以降と同じ状態である。Vinp>Vinmに変化する時刻t4から、差動増幅回路10の出力端子より(Vinp−Vinm)・gmの電流が出力され、この電流が容量Cpを充電し、これに伴い信号Vo1が上昇していく。信号Vo1の初期値は、上述のようにNチャネルMOSトランジスタMN3がバイアス電流Ib2を流すのに必要なゲート・ソース電圧であり、これは既にNチャネルMOSトランジスタMN3の閾値電圧Vth1を超えているので、信号Vo2は時刻t4から直ちに減少を開始し、時刻t5で波形整形回路30の閾値電圧Vth2以下になると、比較回路の出力である波形整形回路30の出力Vo3がLレベルからHレベルに反転する。この動作を図8のものと比較すると、容量CpをNチャネルMOSトランジスタMN3の閾値電圧Vth1まで充電する時間(tb−ta)が不要であり、さらに信号Vo2の初期値が図8のものより波形整形回路30の閾値電圧Vth2に近いものとなっているので、比較回路の応答時間を大幅に短縮することができる。また、従来の比較回路に追加したものが、NチャネルMOSトランジスタMN5からなるソースフォロワ回路だけであり、定電圧源も不要で、回路規模および消費電流の増加を抑制することができる。
【実施例2】
【0024】
実施例1はVinp>Vinmのときの信号Vo1の下限および信号Vo2の上限を制限するものであるが、図5に示す実施例2は、さらにVinp<Vinmのときの信号Vo1の上限および信号Vo2の下限も制限するものである。図5に示す実施例2については、図2の実施例1と共通する部位には同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0025】
図5に示す実施例2は、図2に示す実施例1に対しPチャネルMOSトランジスタMP4からなるソースフォロワ回路を追加し、このソースフォロワ回路とNチャネルMOSトランジスタMN5からなるソースフォロワ回路とで図1のクランプ回路40に相当するクランプ回路42を構成したものである。NチャネルMOSトランジスタMN5とPチャネルMOSトランジスタMP4のゲート端子がクランプ回路42の入力端子であり、ここに単相増幅回路20の出力信号Vo2が入力されている。また、クランプ回路42の出力端子であるNチャネルMOSトランジスタMN5とPチャネルMOSトランジスタMP4のソース端子は、単相増幅回路20の入力端子に接続されている。この構成により、信号Vo1の電圧が((信号Vo2の電圧)+(PチャネルMOSトランジスタMP4のゲート・ソース電圧))以上、もしくは((信号Vo2の電圧)−(NチャネルMOSトランジスタMN5のゲート・ソース電圧))以下、にはならないようにすることができる。
【0026】
PチャネルMOSトランジスタMP4からなるソースフォロワ回路が信号Vo1の上限および信号Vo2の下限を制限する動作は、実施例1で説明したNチャネルMOSトランジスタMN5によるソースフォロワ回路が信号Vo1の下限および信号Vo2の上限を制限する動作と同じであるので、詳細な説明は省略する。信号Vo1の上昇により、信号Vo2が信号Vo1からPチャネルMOSトランジスタMP4の閾値電圧を差し引いた電圧を超えて減少すると、すなわちPチャネルMOSトランジスタMP4のゲート・ソース電圧が当該トランジスタの閾値電圧を超えると、PチャネルMOSトランジスタMP4からなるソースフォロワ回路が電流シンク素子として機能して容量Cpから電荷を引き抜き、信号Vo1の上昇が抑えられる。Vinp<Vinmで信号Vo1の上限および信号Vo2の下限が制限されたときの最終的な信号Vo1の大きさはNチャネルMOSトランジスタMN3がバイアス電流Ib2を流すのに必要なゲート・ソース電圧となり、信号電圧Vo2の大きさはこの信号Vo1からPチャネルMOSトランジスタMP4が(Vinm−Vinp)・gmの電流を流す(差動増幅回路10から供給される電流と等しい電流を容量Cpから引き抜いて、信号Vo1が安定する状態となる。)のに必要なゲート・ソース電圧を差し引いた電圧となる。
【0027】
上記より、NチャネルMOSトランジスタMN5とPチャネルMOSトランジスタMP4を両方接続した場合、信号Vo1の大きさはNチャネルMOSトランジスタMN3がバイアス電流Ib2を流すのに必要なゲート・ソース電圧近傍となり、信号Vo2の大きさは、ほぼ((信号Vo1+NチャネルMOSトランジスタMN5の閾値電圧)〜(信号Vo1−PチャネルMOSトランジスタMP4の閾値電圧)の範囲となる。波形整形回路30の閾値電圧Vth2はこの範囲内にあるようにする。また、クランプ回路42をPチャネルMOSトランジスタMP4によるソースフォロワ回路のみで構成するようにしてもよい。
【実施例3】
【0028】
図6に示す第3の実施例は、図5の差動増幅回路10と単相増幅回路20におけるPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタの役割を入れ替えて差動増幅回路10aと単相増幅回路20aを構成したものである。すなわち、差動増幅回路10のPチャネルMOSトランジスタMP1,MP2、NチャネルMOSトランジスタMN1,MN2および定電流源11を、それぞれNチャネルMOSトランジスタMN6,MN7、PチャネルMOSトランジスタMP5,MP6および定電流源11aに置き換えて差動増幅回路10aを構成している。また、単相増幅回路20のNチャネルMOSトランジスタMN3および定電流源21を、それぞれPチャネルMOSトランジスタMP7および定電流源21aで置き換えて単相増幅回路20aを構成している。本実施例の動作は実施例2のものと同様であるので、説明は省略する。
【0029】
また、上述の実施例において、NチャネルMOSトランジスタMN5によるソースフォロワ回路はNPNトランジスタ回路によるエミッタフォロワ回路に置き換えてもよい。また、PチャネルMOSトランジスタMP4によるソースフォロワ回路はPNPトランジスタ回路によるエミッタフォロワ回路に置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0030】
10,10a 差動増幅回路
11,11a,21,21a 定電流源
20,20a 単相増幅回路
30 波形整形回路
40,41,42 クランプ回路
Cp 容量
MN1〜MN7 NチャネルMOSトランジスタ
MP1〜MP7 PチャネルMOSトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の入力電圧と第2の入力電圧の差に応じた出力電流を出力端子から出力する差動増幅回路と、
入力端子が前記差動増幅回路の前記出力端子に接続される単相増幅回路と、
該単相増幅回路の出力を入力として該単相増幅回路の入力電圧を制限するクランプ回路と、を有し、
前記クランプ回路は、前記単相増幅回路の出力が第1の所定電圧を超えて上昇すると電流を出力する電流ソース素子と、前記単相増幅回路の出力が第2の所定電圧を超えて減少すると電流を引き抜く電流シンク素子の少なくとも一方を有することを特徴とする比較回路。
【請求項2】
前記電流ソース素子は前記単相増幅回路の出力を入力とするNチャネルMOSトランジスタによるソースフォロワ回路もしくはNPNトランジスタによるエミッタフォロワ回路であり、前記電流シンク素子は前記単相増幅回路の出力を入力とするPチャネルMOSトランジスタによるソースフォロワ回路もしくはPNPトランジスタによるエミッタフォロワ回路であることを特徴とする請求項1に記載の比較回路。
【請求項3】
前記単相増幅回路の出力を入力とする波形整形回路を有し、該波形整形回路は前記第1の所定電圧より低く、前記第2の所定電圧より高い第3の所定電圧を閾値電圧とすることを特徴とする請求項1または2に記載の比較回路。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−223130(P2011−223130A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87468(P2010−87468)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】