説明

気相成長装置及び気相成長方法

【課題】 シャワープレートの熱膨張による反りと温度上昇を防止し、シャワープレート上での生成物の成長を抑制して、被処理基板上に品質の安定した化合物半導体結晶を成膜できる気相成長装置を提供する。
【解決手段】 シャワーヘッドを保護するためのシャワープレートを備えた気相成長装置であって、シャワープレートは、複数のプレート孔を有する中央プレートと、中央プレートを保持する周辺プレートからなり、中央プレートの端面と、中央プレートの端面と向かい合う周辺プレートの側面との間に空間部を設け、空間部は中央プレートの熱膨張による伸長以上の空間を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、縦型シャワーヘッド型MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)等のシャワープレート、気相成長装置及び気相成長方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、化合物半導体材料を用いる発光ダイオード、半導体レーザ、宇宙用ソーラーパワーデバイス、及び高速デバイスの製造においては、トリメチルガリウム(TMG)又はトリメチルアルミニウム(TMA)等の有機金属ガスと、アンモニア(NH3)、ホスフィン(PH3)又はアルシン(AsH3)等の水素化合物ガスとを成膜に寄与する反応ガスとして成長室に導入して化合物半導体結晶を成長させるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法が用いられている。
【0003】
MOCVD法は、上記の反応ガスをキャリアガスと共に成長室内に導入して加熱し、所定の基板上で気相反応させることにより、その基板上に化合物半導体結晶を成長させる方法である。MOCVD法を用いた化合物半導体結晶の製造においては、成長する化合物半導体結晶の品質を向上させながら、コストを抑えて、歩留まりと生産能力とをどのように最大限確保するかということが常に高く要求されている。
【0004】
図16に、MOCVD法に用いられる従来の縦型シャワーヘッド型MOCVD装置の一例の模式的な構成を示す。このMOCVD装置においては、ガス供給源101から反応炉102の内部の成長室103に反応ガス及びキャリアガスを導入するためのガス配管104が接続されており、反応炉102における内部の成長室103の上部には該成長室103に反応ガス及びキャリアガスを導入するための複数のガス吐出孔を配設したシャワーヘッド105がガス導入部として設置されている。
【0005】
また、成長室103の下部には、基板106を載置するためのサセプタ107が、シャワーヘッド105と対向するように設置されている。サセプタ107は、基板106を加熱するためのヒータ108を備え、図示しないアクチュエータによって回転軸109を中心に回転自在となっている。
【0006】
さらに、反応炉102の下部には、成長室103内のガスを外部に排気するためのガス排気部110が設置されている。このガス排気部110は、パージライン111を介して、排気されたガスを無害化するための排ガス処理装置112に接続されている。
【0007】
上記構成の縦型シャワーヘッド型MOCVD装置において、化合物半導体結晶を成長させる場合には、まず、サセプタ107に基板106を設置し、サセプタ107を回転させ、ヒータ108により基板106を所定の温度に加熱する。その後、シャワーヘッド105に配設されている複数のガス吐出孔から成長室103に反応ガス及びキャリアガス(不活性ガス)を導入する。
【0008】
シャワーヘッドの具体例について、特許文献1を例示して説明する。特許文献1に開示されているシャワーヘッド200は、図17に示すように、成長室201に複数の反応ガスを別々に導入する第1導管202及び第2導管203と、第1導管202及び第2導管203を冷却する冷却チャンバー204を備えている。特許文献1のシャワーヘッド200によれば、反応ガスを成長室201に別々に導入し、次いで、それらを混合し、加熱した基板205に近接した位置で均質な混合物を形成することができる、と記載されている。
【0009】
しかしながら、特許文献1のシャワーヘッド200は、基板205と対向する面(以下、シャワー表面と記す)に、成長室201で反応したガスによる生成物が付着し、その生成物が堆積してガス吐出孔を覆い目詰まりが生じるという問題が発生する。また、シャワー表面に堆積した生成物が基板205上に落下し、不良が発生するという問題が生じる。
【0010】
このような問題を解決する手段として、例えば、特許文献2に開示の技術が挙げられる。特許文献2には、図18に示すように、上部電極の底面を電極カバー301で覆ったシャワーヘッドが開示されている。電極カバー301は、上部電極のガス噴出細孔302と重なるように同径の細孔303が設けられており、上部電極にネジ304で固定されている。特許文献2のシャワーヘッドでは、この電極カバー301に付着した生成物が堆積する前に、電極カバー301を交換することにより、生成物が落下し基板上の薄膜に取り込まれるのを防ぐことができる。
【0011】
また、同様の構成として、特許文献3には、図19に示すように、プロセス室を上流部分と下流部分とに分離するシャワーヘッド72が開示されている。シャワーヘッド72は、ウエハーの直径に近似した直径を有するアルミニウムの小さな板材であり、大きなリング73に交換可能に取り付けられ、限定されプロセス空間より大きくない構成となっている。このため、異なった寸法のウエハー及び異なった処理条件で使用するために種々のシャワーヘッドを交換することができ、また、小さいシャワーヘッドの使用は費用を減らしプロセスの大きな融通性を提供し、プロセスガスの流れを基板の直上の空間内に集中させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平8−91989号公報
【特許文献2】特開平11−131239号公報
【特許文献3】特表2002−511529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
シャワーヘッドは、例えば、特許文献1の冷却チャンバー204のように、ガス吐き出し部の周辺を冷却することにより、反応生成物の成長を抑制しているが、特許文献2のシャワーヘッドでは、被処理基板に対向して配置される電極カバー301が温度上昇しやすく、特に中央部や表面部は高温となり局所的な熱膨張が発生する。そして、電極カバー301の周囲は上部電極にネジ304で固定されているので、図20に示すように、電極カバー301の中央部が下部電極側に反り、上部電極との接触が不十分な状態となる。このため、上部電極から電極カバー301への冷却が妨げられ、電極カバー301の温度は益々上昇することになる。
【0014】
電極カバー301は高温になると、反応ガスの望まない気相反応が促進されて反応生成物が堆積しやすくなるため、電極カバー301を頻繁に交換しなければならず生産能力が低下する問題があった。また、電極カバー301上での望ましくない気相反応は、被処理基板上での気相反応を妨げ、化合物半導体結晶の品質、成膜速度、歩留まりを低下させる問題があった。さらに、電極カバー301が反ると上部電極との間に隙間が生じ、上部電極の表面に反応生成物が堆積される問題もあった。
【0015】
特許文献3に開示されているシャワーヘッド72も、アルミニウムからなる平らな円板形で構成されており、シャワーヘッド72の温度上昇により反りが生じる。
【0016】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、シャワープレートの熱膨張による反りと温度上昇を防止し、シャワープレート上での生成物の成長を抑制して、被処理基板上に品質の安定した化合物半導体結晶を成膜できる気相成長装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の気相成長装置は、シャワーヘッドを保護するためのシャワープレートを備えた気相成長装置であって、シャワープレートは、複数のプレート孔を有する中央プレートと、中央プレートを保持する周辺プレートからなり、中央プレートの端面と、中央プレートの端面と向かい合う周辺プレートの側面との間に空間部を設け、空間部は中央プレートの熱膨張による伸長以上の空間を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
シャワープレートの熱膨張による反りと温度上昇を防止し、シャワープレート上での生成物の成長を抑制して、被処理基板上に品質の安定した化合物半導体結晶を成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明における気相成長装置の実施の一形態を示すものであって、気相成長装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】実施例1のシャワープレートの平面図及び断面図である。
【図3】図1のA部を拡大した断面図である。
【図4】実施例2のシャワープレートの分解斜視図である。
【図5】実施例3のシャワープレートを設置した気相成長装置において、図1のA部と同じ領域を拡大して示す断面図である。
【図6】実施例4の気相成長装置の全体構成を示す概略図である。
【図7】実施例4のシャワープレートの平面図及び断面図である。
【図8】実施例4の位置決めピンの断面図及び斜視図である。
【図9】図6のB部を拡大した断面図である。
【図10】実施例4のシャワープレートの別の形態を示す斜視図である。
【図11】図6のB部に別のシャワープレートを用いた断面図である。
【図12】実施例5のシャワープレートの変形例を示す分解斜視図である。
【図13】実施例5のシャワープレートにおける保持部を拡大した断面図である。
【図14】実施例6のシャワープレートにおける保持部を拡大した断面図である。
【図15】実施例6のシャワープレートに位置決めピンを用いた断面図である。
【図16】従来技術である気相成長装置の概略構成を示す断面図である。
【図17】従来技術である気相成長装置のシャワーヘッドの一例を示す断面図である。
【図18】従来技術である気相成長装置のシャワープレートの一例を示す断面図である。
【図19】従来技術である気相成長装置のシャワーヘッドの他の一例を示す断面図である。
【図20】従来技術である気相成長装置のシャワープレートの反りを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
本発明の一実施形態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分又は相当部分を表わすものとする。
【0021】
図1に、本発明の気相成長装置として、MOCVD装置100の模式的な構成の一例を示す。図1に示すように、本実施の形態のMOCVD装置100は、内部を大気側と隔離する反応炉1を備えており、反応炉1内部には、反応室隔壁2によって分離された反応外部空間3と反応室4が設けられている。反応外部空間3には、パージガス供給管5が接続されており、パージガス(N2ガス、H2ガス)が導入されている。反応室4には、被処理基板6を載置する基板保持部7が備えられている。
【0022】
基板保持部7は、回転伝達部8の一端に備え付けられており、図示しない回転機構により回転可能となっている。また、基板保持部7の下側には、被処理基板6を加熱するための基板加熱ヒータ9が設けられている。
【0023】
反応炉1の上部には、シャワーヘッド10が取外し可能に配設されている。反応炉1とシャワーヘッド10は、Oリング11aでシールされており、反応炉1の内部をガス排出口12から排気して気密状態に保持できるようなっている。
【0024】
シャワーヘッド10は、第1ガスを充満させる第1ガス分配空間13と、第1ガスとは異なる第2ガスを充満させる第2ガス分配空間14を備え、第1ガス分配空間13と第2ガス分配空間14との間には、Oリング11bが設けられ、第2ガス分配空間14とその天板14cとの間にもOリング11cが設けられて、各空間が分離可能になっていると共に、各空間の気密状態が保持されている。また、シャワーヘッド10の下部には、冷媒が充満される冷媒空間15を備えており、下部壁面10aは全面が冷媒空間15で冷却されているため、温度が均一となるようにコントロールされている。
【0025】
シャワーヘッド10の下部壁面10aには、生成物の付着を防止するシャワープレート20が被処理基板6を保持する基板保持部7と対向するように配置されネジ16で固定されている。シャワープレート20の詳細については後述するが、複数のプレート孔21aを有する中央プレート21と、中央プレート21を保持して下部壁面10aに当接させる周辺プレート22から構成されている。
【0026】
被処理基板6に化合物半導体結晶を成膜するときは、第1ガス分配空間13に、例えば、III族の元素を含む第1ガスが、第1ガス導入口13aから導入され、冷媒空間15を貫通する複数の第1ガス供給管13bを通って冷却された後、第1ガス供給管13bのガス吐出孔H1に連通する中央プレート21のプレート孔21aから反応室4に導入される。
【0027】
また、第2ガス分配空間14には、例えば、V族の元素を含む第2ガスが、第2ガス導入口14aから導入され、冷媒空間15を貫通する複数の第2ガス供給管14bを通って冷却された後、第2ガス供給管14bのガス吐出孔H2に連通する中央プレート21のプレート孔21aから反応室4に導入される。
【0028】
このように、第1ガスと第2ガスは、シャワーヘッド10の内部で混合されることなく、別々に反応室4に導入されるようになっているため、シャワーヘッド10の内部で気相反応が生じることが防止されている。
【0029】
基板保持部7に保持された被処理基板6は、基板加熱ヒータ9で高温に加熱され、反応室4に導入された第1ガスと第2ガスは、高温の被処理基板6上に到達すると気相反応が促進され、被処理基板6上に化合物半導体薄膜が成膜される。なお、被処理基板6上を通過した反応ガスはガス排出口12から排出され、図示しない排ガス処理装置にて無害化される。
【0030】
次に、図1から図3を用いて、本発明の特徴的な構造であるシャワープレート20について詳細に説明する。図2は、シャワープレート20を被処理基板6側から見た平面図(a)とB−B部における断面図(b)である。また、図3は、図1に示すMOCVD装置100のA部を拡大した断面図である。
【0031】
図2に示すように、シャワープレート20は、複数のプレート孔21aを有する中央プレート21と、中央プレート21を保持して下部壁面10aに当接させる周辺プレート22により構成されている。中央プレート21は、シャワーヘッド10のガス吐出孔H1、H2と対応するように複数のプレート孔21aが設けられており、シャワーヘッド10に対して、各プレート孔21aがガス吐出孔H1、H2に重なるように配置される。したがって、ガス吐出孔H1、H2と各プレート孔21aは、同軸となり反応ガスを反応室4へ導入できるようになっている。
【0032】
周辺プレート22は、中央プレート21の端部21bを周辺で保持して、中央プレート21をシャワーヘッド10の下部壁面10aに当接させるものである。周辺プレート22には、周辺プレート22をシャワーヘッド10の下部壁面10aにネジ16で固定するためのネジ孔22aと、中央プレート21の端面と向き合う側面に中央プレート21を保持するための保持部22bが切り欠き状に形成されている。
【0033】
中央プレート21の端部が周辺プレート22の保持部22bに保持された状態で、中央プレート21の端面と、前記中央プレート21の端面21cと向かい合う周辺プレート22の側面22cとの間に所定の空間部23が設けられている。この空間部23は、中央プレート21が熱膨張したときの伸長分以上の空間になっている。
【0034】
周辺プレート22は、各プレート孔21aがガス吐出孔H1、H2に重なるように配置された中央プレート21を保持しながら、シャワーヘッド10の下部壁面10aにネジ16で固定される。
【0035】
図3は、図1に示した気相成長装置100におけるA部を拡大したものであり、シャワープレート20がシャワーヘッド10の下部壁面10aに取り付けられた状態を示している。図3に示すように、シャワープレート20が中央プレート21と周辺プレート22に分割される部分は、成膜時に高温に加熱される基板保持部7(以下、加熱領域と記す)の外側(以下、非加熱領域と記す)の領域に配置されている。
【0036】
シャワープレート20は、中央プレート21が加熱領域に配置されており、成膜時に温度上昇するが、周辺プレートは非加熱領域に配置されており、中央プレート21よりも低温に保たれているので、中央プレート21と周辺プレート22には温度勾配が生じる。ここで、シャワープレート20は、中央プレート21と周辺プレート22に分割されているので、中央プレート21から周辺プレート22への熱伝導が抑えられ、中央プレート21、周辺プレート22、それぞれの温度分布が小さくなり、プレートの一部が高温になって熱膨張することによる反りを防止できる。
【0037】
また、中央プレート21は、図3に示すように、シャワーヘッド10の下部壁面10aとは直接固定されず、周辺プレート22の第1の保持部22bの接触面の摩擦力によって保持された状態となっており、中央プレート21が温度上昇して熱膨張すると、伸長分は摩擦力に勝って空間部23に移動することができる。このため、中央プレート21には熱膨張による内部応力が加わることがなく、中央プレート21に反りが生じるのを防止することができる。
【0038】
このように、中央プレート21は、成膜中も熱膨張による反りが防止され、シャワーヘッド10の下部壁面10aと接触した状態で保持されるため、温度を低温にコントロールすることができる。したがって、中央プレート21表面での生成物の成長が抑制されるとともに、被処理基板6上の成膜速度の低下も防止される。また、プレート孔21aに生成物の目詰まりや、被処理基板6上に生成物の落下が生じ難くなり、中央プレート21を頻繁に交換する必要がなくなり、気相成長装置の生産能力を向上させることができる。
【0039】
また、中央プレート21と周辺プレート22との分割部は、中央プレート21の端部と周辺プレート22の第1の保持部22bが重なり、被処理基板6側からシャワーヘッド下部壁面10aが覗かないように遮蔽されているので、反応室4からシャワーヘッド10側への反応ガスの逆流が阻止され、シャワーヘッド10の下部壁面10aに生成物が付着されることがない。このため、シャワーヘッド10に対する清掃等のメンテナンスを減らすことができる。
【0040】
なお、実施例1では、中央プレート21の端部に段差を設けて、周辺プレート22の保持部22bと嵌合するように重ねているが、中央プレート21の端部は段差の無い形状であってもよい。
【0041】
また、中央プレート21の端部と周辺プレート22の保持部22bには、プレート孔21aをガス吐出孔H1、H2に容易に位置合わせできるように、位置合わせマーカーや、放射状に中心部へ向う凹凸による係合部などを設けてもよい。
【実施例2】
【0042】
図4は、実施例2のシャワープレート20の分解斜視図である。実施例2では、中央プレート21、または、周辺プレート22の構成が異なっており、他の構成については実施例1と同じであるため詳細な説明は省略する。図4に示すように、中央プレート21は、径方向に中央部で2分割され、それぞれの分割端に形成された切り欠き部21dが、互いの側面を離して隙間を保有するように嵌合されて第1の嵌合部24が設けられている。
【0043】
また、周辺プレート22は、4分割され、それぞれの分割端に形成された切り欠き部22dが、互いの側面を離して隙間を保有するように嵌合されて第2の嵌合部25が設けられている。なお、図4では、周辺プレート22のねじ孔22aは省略されているが、各プレート片に少なくも1つのねじ孔22aが設けられている。
【0044】
上記の構成によれば、中央プレート21が熱膨張により伸長したときには、伸長分は空間部23に吸収されるとともに、第1の嵌合部24に設けられた隙間によっても吸収されるため、中央プレート21の伸長分が大きくなっても反りを防止することができる。
【0045】
また、周辺プレート22が熱膨張により伸長したときには、伸長分は空間部23に吸収されるとともに、第2の嵌合部25に設けられた隙間によっても吸収されるため、周辺プレート22の伸長分が大きくなっても反りを防止することができる。
【0046】
また、中央プレート21、周辺プレート22が複数のプレート片に分割されていることにより、一つの部材として作製する場合よりも、構成部品(プレート片)のサイズを小さくすることができる。その結果、装置が大型化したときにおいても、中央プレート21や周辺プレート22の作製コストを低減できる効果も得られる。
【0047】
また、中央プレート21の第1の嵌合部24は、互いの切り欠き部21dの接触面が重なり、被処理基板6側からシャワーヘッド下部壁面10aが覗かないように遮蔽されているので、反応室4に導入された反応ガスがシャワーヘッド10側への逆流が阻止され、シャワーヘッド10の下部壁面10aへの生成物の成長が防止されている。このため、シャワーヘッド10に対する清掃等のメンテナンスを減らすことができる。
【0048】
同様に、周辺プレート22の第2の嵌合部25も、互いの切り欠き部22dの接触面が重なり、被処理基板6側からシャワーヘッド下部壁面10aが覗かないように遮蔽されているので、反応室4に導入された反応ガスがシャワーヘッド10側への逆流が阻止され、シャワーヘッド10の下部壁面10aへの生成物の成長が防止されている。このため、シャワーヘッド10に対する清掃等のメンテナンスを減らすことができる。
【0049】
なお、周辺プレート22は、4分割された構成について説明したが、4分割以上で分割された構成であってもよく、分割数が増えることにより、熱膨張による伸長を均等に吸収することができる。
【実施例3】
【0050】
図5は、実施例3の気相成長装置であり、図1におけるA部と同じ個所を拡大した断面図である。実施例3では、中央プレート21の端部21bと周辺プレート22の保持部22bとの保持部の構成が異なっており、他の構成については実施例1と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0051】
実施例3の気相成長装置は、図5に示すように、中央プレート21の端部21bと周辺プレート22の保持部22bとの接触面に、潤滑性を有する潤滑性部材26が設けられていることが特徴となっている。潤滑性部材26は、中央プレート21の端部21bと周辺プレート22の保持部22bとの接触面における摩擦力を均一にして、中央プレート21が熱膨張した伸長分を空間部23へスムーズに移動させることができる。このため、中央プレート21の端部21bが保持部22bとの接触面で引っかかってしまい、中央プレート21が偏って移動することにより、ガス吐出孔H1、H2とプレート孔21aがずれて孔を塞いだり、空間部23が減少して熱膨張による伸長分が吸収できなくなったりすることを防止できる。
【0052】
また、潤滑性部材26が設けられることにより、中央プレート21の端部21bと周辺プレート22の第1の保持部22bとの間で熱抵抗が大きくなり、加熱領域に配置された中央プレート21から非加熱領域に配置された周辺プレート22への熱移動を分断するため、中央プレート21と周辺プレート22のそれぞれ全体の温度をより均一に保つことができ、一部が局所的に熱膨張して反りに至ることを防止できる。
【0053】
潤滑性部材23の材料は、高純度カーボン、熱分解炭素被膜カーボン、熱分解炭素、窒化ホウ素のいずれかによって構成される材料が望ましい。これらの材料は、潤滑性を有するとともに、H2やNH3ガスに対する耐食性、熱に対する耐熱性等も備えているため、気相成長装置の反応炉1の内部環境に適合し、シャワープレート20と併設することが可能である。
【実施例4】
【0054】
実施例4は、実施例1のMOCVD装置100において、シャワーヘッド10のガス吐出孔H1(H2)と中央プレート21のプレート孔21aの位置を合わせるための位置決め機構を備えたものであり、実施例1と共通の構成については同じ符号を付記して詳細な説明は省略する。
【0055】
図6は、実施例4のMOCVD装置100の概略構成を示す図である。図6に示すように、実施例4のMOCVD装置100は、シャワーヘッド10のガス吐出孔H1、H2と中央プレート21のプレート孔21aの位置を合わせる位置決めピン27が中央プレート21に設けられている。
【0056】
図7(a)は、実施例4のシャワープレート20の平面図であり、位置決めピン27が中央プレート21に設けられる位置を示している。位置決めピン27は、図7(a)に示すように、中央プレート21の中心近傍に設置される。
【0057】
図7(b)は、シャワープレート20の断面図であり、位置決めピン27が中央プレート21に設置された状態を示している。位置決めピン27は、中央プレート21のプレート孔21aに反応室側から貫入されて、先端のピン部28がプレート孔21aからシャワーヘッド側に突出して設置されている。この突出したピン部28を、シャワーヘッド10のガス吐出孔H1(若しくはH2)に嵌入することにより、プレート孔21aとガス吐出孔H1、H2の位置を容易に合わせることができる。なお、位置決めピン27で位置を合わせるとともに、ガス吐出孔H1(若しくはH2)に固定してもよい。
【0058】
位置決めピン27は、図7(a)に示すように、中央プレート21の中心部近傍に設置されることで、中央プレート21が熱膨張により外側へ伸張するのを妨げず、熱膨張した伸長分は空間部23へ移動して吸収され、中央プレート21の反りを防止することができる。
【0059】
また、位置決めピン27は、ガス吐出孔H1(若しくはH2)に固定されるか、若しくは、中央プレート21の少なくとも2か所に設置されることにより、中央プレート21の回転方向の動きを拘束し、中央プレート21の回転に伴うガス吐出孔H1、H2とプレート孔21aとの位置ずれを防止することができる。
【0060】
図8は、位置決めピン27の断面図及び斜視図である。位置決めピン27は、先端のピン部28から、係止ねじ29、頭部30の順に一体形成されたボルト状の部材である。また、位置決めピン27は、ピン部28から頭部30の中心軸部を貫通する貫通孔31を有している。
【0061】
係止ねじ29には雄ネジ加工されており、中央プレート21のプレート孔21aを雌ネジ加工することにより、係止ねじ29をプレート孔21aにネジ止めできるようになっている。また、ネジ止めの際に、位置決めピン27の頭部30を工具等で把持できるように、例えば六角形状となっている。なお、頭部30は本形状に限定されるものではなく、スリワリ形状、2面取り形状等であってもよく、締結工具に合わせた形状であればよい。
【0062】
図9は、図6の要部Bを拡大して示したものであり、中央プレート21のプレート孔21aとシャワーヘッド10のガス吐出孔H1(若しくはH2)を位置決めピン27により位置合わせした状態を示している。中央プレート21は、位置決めピン27がネジ止めされ、中央プレート21からピン部28が突出するため、このピン部28を位置決め機構としてガス吐出孔H1(若しくはH2)に嵌入することにより、プレート孔21aと吐出孔H1(若しくはH2)との位置を合わせることができる。
【0063】
そして、位置決めピン27が設置されたプレート孔21aとガス吐出孔H1(H2)は、位置決めピン27が貫通孔31を有することにより、互いの孔が塞がれることがなく、位置決めピン27が設置された箇所においても、反応ガスを反応室4に導入することができる。
【0064】
また、貫通孔31に反応ガスが流れて冷却されるため、位置決めピン27の近傍の温度上昇を抑制することができる。このため、温度上昇による気相反応を生じさせず、生成物の付着を防止することができる。
【0065】
なお、ガス吐出孔H1(H2)の孔径よりも貫通孔31の孔径が小さくなるため、ピン部28の先端で反応ガスの流速が変化し、反応ガスの流れに淀みが生じることがあり、このような反応ガスの淀みは、シャワーヘッド10内部で生成物を生じさせる。
【0066】
このため、図8に示すように、貫通孔31には、ピン部28の先端32に向って、貫通孔31の孔径が大きくなるテーパー部33が設けられている。テーパー部33を有することにより、ガス吐出孔H1(H2)から貫通孔31に向って孔径の変化が小さくなるため、ピン部28の先端32での反応ガスの流れの淀みが解消され、シャワーヘッド10の内部への生成物の付着を防止することができる。
【0067】
図10は、位置決めピン27の別の形態として、中央プレート21と位置決めピン27が一体的に形成された構造を示す斜視図である。図10に示すように、削り出し加工や溶接加工により、中央プレート21にピン部28を一体的に形成することも可能である。ただし、上記したように、中央プレート21と位置決めピン27を別体で構成する方が、製作コストや製作精度の面では有利である。
【0068】
また、位置決めピン27の別の形態として、シャワーヘッド10側に位置決めピン27を設けることも可能である。例えば、シャワーヘッド10の下部壁面10aから第1ガス供給管13b(第2ガス供給管14b)を突出させ、中央プレート21のプレート孔21aの孔径を拡げ、突出した第1ガス供給管13bをプレート孔21aに勘入することで、上記の位置決めピン27と同様に位置合わせと位置ずれの防止を行なうことができる。
【0069】
図11は、中央プレート21にザグリ部34を設けて、位置決めピン27の頭部30の突出をなくした構造を示す断面図である。図11に示すように、中央プレート21の位置決めピン27が設置される箇所にザグリ部34を形成して、位置決めピン27の頭部30をザグリ部34に納めてもよい。このように、中央プレート21の表面を平坦にすることにより、位置決めピン27の頭部30が突出して反応室4内での反応ガスの流れが阻害されることを防止でき、被処理基板6上での成膜レート、膜の均一性、再現性等を向上することができる。
【実施例5】
【0070】
実施例5は、被処理基板を複数枚処理するような大型のMOCVD装置100に適したシャワープレート20である。実施例2で説明したシャワープレート20と分割の構造が異なっており、他の構成については実施例2と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0071】
図12は、実施例5のシャワープレート20の分解斜視図を示す。MOCVD装置100が大型になるにつれてシャワープレート20も大きくなり、シャワープレート20を製造する際や、付着した生成物を清掃する際には、扱いやすいように小さく分割できることが望ましい。
【0072】
このため、実施例5のシャワープレート20は、シャワープレート20が3個以上に分割され、複数の小さな扇形状のプレート片からなる構造となっている。また、各プレート片は、均等の大きさで分割されることにより、各プレート片の熱膨張量のばらつきを小さくし、中央プレート21が不均一に反って平坦性が損なわれることを防止している。
【0073】
図12に示すように、中央プレート21は、例えば、中央プレート21を中心から径方向へ4分割した構造となっている。中央プレート21を中心から均等に3個以上で分割した場合、各プレート片の中央側が下方に撓み、シャワーヘッド10との間に隙間が生じやすくなる。このため、各プレート片には中心側に被係止部35を形成し、シャワーヘッド10には、各プレート片の被係止部35を係止する係止部40を設けている。
【0074】
被係止部35は、各プレート片の中央側の端面に断面がコの字状の凹溝部36が形成されている。また、係止部40は、凸縁部41を有する円柱体からなり、シャワーヘッド下部壁面10aの中央部にねじ(図示なし)等によって固定されている。
【0075】
図13は、各プレート片の被係止部35が、係止部40に係止された状態を示す断面図である。被係止部35の凹溝部36の内部に、係止部40の凸縁部41が嵌合されることにより、係止部40に生成物の付着が防止されるともに、中央プレート21の各プレート片を中央側でシャワーヘッド10に接触させて係止することができる。
【実施例6】
【0076】
実施例6は、実施例5のシャワープレート20と同様に、中央プレート21を3個以上に分割し、複数の小さな扇形状のプレート片からなる構造となっており、各プレート片には中心側に被係止部35を形成している。また、シャワーヘッド10には、各プレート片の被係止部35を係止する係止部40を設けている。ここで、実施例5とは被係止部35および係止部40の構造が異なっており、他の構成については実施例5と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0077】
図14は、実施例6の被係止部35と係止部40の断面構造を示す。被係止部35は、各プレート片の中央側端部に貫通穴37が形成されている。また、係止部40は、シャワーヘッド下部壁面10aの中央部に、上記貫通穴37と対応するねじ穴42が形成されている。そして、各プレート片の貫通穴37をシャワーヘッド10のねじ穴42にねじ43で係止することにより、各プレート片の中央側をシャワーヘッド10に接触させて保持している。
【0078】
実施例6に示した構造であれば、被係止部35と係止部40を製作し易く、また、清掃や補修などのメンテナンスを行ない易い構造にすることができる。
【0079】
なお、実施例6において、被係止部35の貫通穴37を係止したねじ43が突出しないように凹部38の中に形成してもよい。
【0080】
また、被係止部35としてプレート片のプレート孔21aを貫通穴37に用い、係止部40としてガス吐出孔H1(H2)にねじ穴42を設けて、実施例4で示した貫通孔31を有する位置決めピン27のようなねじ43で係止してもよい。
【0081】
図15は、被係止部35とするプレート孔21aを係止部40とするガス吐出孔H1に、貫通孔31を有しねじ加工された位置決めピン27で係止した状態を示す。この場合、係止した位置決めピン27の貫通孔31に反応ガスが流れることにより、被係止部35と係止部40が冷却されて温度上昇を抑制することができる。
【0082】
以上、各実施例について説明したが、本発明においては、MOCVD装置100を構成する反応炉1、シャワープレート20及びその他部材が各実施例に示す構成に限定されないことは言うまでもない。
【0083】
例えば、シャワープレート20は、熱伝導率が100W/(m・K)以上であり、また、熱膨張係数が6×10E−6/℃以下であることが望ましい。熱伝導率が100W/(m・K)以上であることにより、シャワープレート20の表面温度が低く保たれ、裏面との温度差が小さくなる。また、熱膨張係数が6×10E−6/℃以下であることにより、熱膨張し難くなり伸長量が小さくなる。このため、シャワープレート20の反りが防止され、シャワープレート20の表面で生成物が成長することを抑制し、被処理基板6上での成膜レート、膜均一性及び膜の再現性を確保し得る気相成長装置及び気相成長方法を提供することができる。
【0084】
また、前記シャワープレート20を構成する中央プレート21と周辺プレート22の材料は、モリブデンもしくはタングステン、高純度カーボン、SiC皮膜カーボン、TaC皮膜カーボン、熱分解炭素被膜カーボン、熱分解炭素のいずれかが望ましい。これらの材料は、高熱伝導率、低熱膨張係数の素材であるため、上記のようにシャワープレート20の反りを防止する効果を奏するとともに、H2やNH3ガスに対する耐食性を有しているため、シャワープレート20の耐久性を向上することができる。このため、シャワープレート20の交換頻度を減らせるので、タクトの短縮及びコストダウンを図ることができる。
【0085】
また、位置決めピン27の材料もシャワープレート20と同様に、モリブデンもしくはタングステン、高純度カーボン、SiC皮膜カーボン、TaC皮膜カーボン、熱分解炭素被膜カーボン、熱分解炭素のいずれかが望ましい。これらの材料は、高熱伝導率、低熱膨張係数の素材であり、位置決めピン27とシャワープレート20との間に熱膨張差が生じないため、位置決めピン27が緩んだり、シャワープレート20が歪んだりすることが防止される。また、H2やNH3ガスに対する耐食性を有しているため、位置決めピン27の耐久性を向上することができる。このため、位置決めピン27の交換頻度を減らせるので、タクトの短縮及びコストダウンを図ることができる。
【0086】
また、本発明は、被処理基板を複数枚処理する多枚炉を備える大型装置においても顕著な効果をもたらす。例えば、6インチ基板1枚を処理する単枚炉では、シャワーヘッド10ならびにシャワープレート20の直径は、約150mm程度となるが、6インチ基板を7枚処理する多枚炉では、最緻密に配置しても、その直径は、3倍の450mmにも達し、シャワープレート20の熱膨張による伸長分は3倍に増加してしまう。また、シャワープレート20に温度分布が存在した場合は、さらに熱膨張による変形の寄与が大きくなってしまう。
【0087】
本発明によれば、シャワーヘッド10およびシャワープレート20の直径が大きくなる大型装置においても、シャワープレート20の反りが防止され、シャワープレート20の表面温度が高温とならないため、シャワープレート20の表面に形成される生成物の成長を抑制し、被処理基板6上での成膜レート、膜均一性及び膜の再現性を確保することができる。
【0088】
さらに、今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
1 反応炉
4 反応室(成長室)
6 被処理基板
7 基板保持部
9 基板加熱ヒータ
10 シャワーヘッド
20 シャワープレート
21 中央プレート
21a プレート孔
22 周辺プレート
22a ネジ孔
22b 保持部
23 空間部
24 第1の嵌合部
25 第2の嵌合部
26 潤滑性部材
27 位置決めピン
35 被係止部
40 係止部
100 MOCVD装置(気相成長装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワーヘッドを保護するためのシャワープレートを備えた気相成長装置であって、
前記シャワープレートは、複数のプレート孔を有する中央プレートと、前記中央プレートを保持する周辺プレートからなり、
前記中央プレートの端面と、前記中央プレートの端面と向かい合う前記周辺プレートの側面との間に空間を設け、
前記空間部は、前記中央プレートの熱膨張による伸長以上の空間部を備えることを特徴とする気相成長装置。
【請求項2】
前記周辺プレートの側面に、前記中央プレートの端部を保持する保持部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
【請求項3】
前記周辺プレートの保持部と前記中央プレートとが接する部分に、潤滑性部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の気相成長装置。
【請求項4】
前記潤滑性部材は、高純度カーボン、熱分解炭素、窒化ホウ素のいずれかを含む素材で構成されていることを特徴とする請求項3に記載のシャワープレート。
【請求項5】
前記中央プレートまたは前記周辺プレートは、複数のプレート片からなり、各プレート片は嵌合部を有し、前記嵌合部で重なっていることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
【請求項6】
前記中央プレートまたは前記周辺プレートは、モリブデン、タングステン、高純度カーボン、SiC皮膜カーボン、TaC皮膜カーボン、熱分解炭素のいずれかを含む素材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
【請求項7】
前記シャワーヘッドのガス吐出孔と前記中央プレートのプレート孔の位置を合わせるための位置決め機構を備えたことを特徴する請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の気相成長装置。
【請求項8】
前記位置決め機構は、前記中央プレートに設けられた突起部であり、
前記突起部が前記ガス吐出孔に嵌入されることを特徴とする請求項7記載の気相成長装置。
【請求項9】
前記突起部は、前記中央プレートの中央近傍に設けられたことを特徴とする請求項8記載の気相成長装置。
【請求項10】
前記突起部は、前記中央プレートのプレート孔に固定された位置決めピンであることを特徴とする請求項8に記載の気相成長装置。
【請求項11】
前記突起部は、前記中央プレートと一体形成されていることを特徴とする請求項8に記載の気相成長装置。
【請求項12】
前記突起部は、突出方向に貫通孔を有することを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載の気相成長装置。
【請求項13】
前記貫通孔は、突出側にテーパー部を有することを特徴とする請求項12に記載の気相成長装置。
【請求項14】
シャワーヘッドを保護するためのシャワープレートであって、
前記シャワーヘッドのガス吐出孔と前記シャワープレートのプレート孔の位置を合わせるための位置決め機構を備えたことを特徴とするシャワープレート。
【請求項15】
前記位置決め機構は、前記シャワープレートに設けられた突起部であり、
前記突起部が前記ガス吐出孔に嵌入されることを特徴とする請求項14記載のシャワープレート。
【請求項16】
前記突起部は、前記シャワープレートの中央近傍に設けられたことを特徴とする請求項15記載のシャワープレート。
【請求項17】
前記突起部は、前記シャワープレートのプレート孔に固定された位置決めピンであることを特徴とする請求項16に記載のシャワープレート。
【請求項18】
前記突起部は、雌ネジ加工された前記プレート孔に、雄ネジ加工された位置決めピンが固定されることを特徴とする請求項17に記載のシャワープレート。
【請求項19】
シャワーヘッドのガス吐出孔と中央プレートのプレート孔が同軸となるように、前記シャワーヘッドに前記中央プレートを配置し、前記中央プレートを保持する周辺プレートを前記シャワーヘッドに固定するステップと、
前記ガス吐出孔及び前記プレート孔を通じて、反応ガス及びキャリアガスを成長室に供給するステップと、
前記シャワーヘッドと対抗する基板を回転させ、ヒータで加熱して成膜するステップとを含み、
前記加熱時に、前記中央プレートをその側面方向に設けられた空間に向かって熱膨張させることにより、前記中央プレートの反りを防止することを特徴とする気相成長方法。
【請求項20】
前記中央プレートの端面と、前記中央プレートの端面と向かい合う前記周辺プレートの側面との間に、前記中央プレートの熱膨張による伸長以上の空間部を設けるステップとを含むことを特徴とする請求項19に記載の気相成長方法。
【請求項21】
前記中央プレートは、3個以上に分割された複数のプレート片からなり、
前記複数のプレート片の中心側に形成された被係止部が、前記シャワーヘッドに設けられた係止部に係止されていることを特徴とする請求項5に記載の気相成長装置。
【請求項22】
前記複数の各プレート片は、ほぼ均等に分割された扇形状となっていることを特徴とする請求項21に記載の気相成長装置。
【請求項23】
前記係止部は、凸縁部を有する円柱体からなり、
前記被係止部は、プレート片端面に形成された凹溝部であり、
前記凸縁部と前記凹溝部が嵌合されて係止されることを特徴とする請求項21に記載の気相成長装置。
【請求項24】
前記中央プレートは、3個以上に分割された複数のプレート片からなり、
前記複数のプレート片の中心側に形成された貫通穴が、前記シャワーヘッドに設けられたねじ穴に、ねじで係止されることを特徴とする請求項5に記載の気相成長装置。
【請求項25】
前記貫通穴は前記プレート片のプレート孔であり、前記シャワーヘッドのガス吐出孔に設けられたねじ穴に、貫通孔を有するねじで係止されることを特徴とする請求項24に記載の気相成長装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−216744(P2012−216744A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143636(P2011−143636)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】