説明

油脂火災防止用ガス検知器及び油脂火災防止用ガス検知方法

【課題】油脂の種類によらず、油脂火災をその発生前に検知することが可能となる油脂火災防止用ガス検知器、並びに、油脂火災防止用ガス検知方法を提供する。
【解決手段】炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子3と、そのセンサ素子3の出力情報に基づいて、油脂の温度を推定する油温推定手段100とを備え、センサ素子3が、酸化物半導体であるタングステン酸化物を主成分として、Ruを0.5%〜5.0%の範囲で含有する1層構造の感ガス体材料より構成される

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天ぷら油等の油脂の過熱による火災を防止するための油脂火災防止用ガス検知器、及び、油脂火災防止用ガス検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天ぷら油等の油脂火災を検知する手段として、煙探知式や熱検知式の火災警報機が使用されている。このうち、煙検知式のものは、火災発生時の炎から生じる煙の光減衰作用を利用するものであるため、通常の調理時に発生する焼き魚などからの煙に対しても感度を有し、誤報が多い不利がある。一方、熱検知式のものでは、誤報可能性は低くなるものの、火災が進行した状況での温度上昇を検知するため、火災の発生を未然に防ぐ手段にはなり得なかった。
一方で、火災の初期に発生する薫焼ガスを検知することによる火災検知器について、種々の技術が提案されている。例えば、下記に示す特許公開公報には、焼き魚などからの煙による誤報を防止するために、従来の煙検知手段にガス検知手段を組み合せた排煙フードに関する技術が開示され、さらに、食用油脂を加熱する場合に大量のアセトアルデヒドが発生する点が記載されている(例えば、特許文献1参照)。また、たばこの喫煙時や食用油脂の加熱時に発生するアセトアルデヒドを検知するため、特にアセトアルデヒドとホルムアルデヒドに対して高感度を示す検知部の材料技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平4−155132号公報(第2−4頁、図1−図7)
【特許文献2】特開平8−170955号公報(第2−4頁、図1−図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のガス検知式の火災検知器は、油脂火災について、アセトアルデヒド(炭素数2)のような低級のアルデヒドを検知することを目的とするものであるが、発明者らが食用油脂の熱分解ガスの分析を行った結果によれば、アセトアルデヒドは、リノレン酸含有率の低い、例えばオレイン酸リッチベニ花油のような食用油脂では発生量が極めて低く、従って、従来のガス検知式の火災検知器では、油脂火災を確実に検知することができないことが判明した。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、油脂の種類によらず、油脂火災をその発生前に検知することが可能となる油脂火災防止用ガス検知器、並びに、油脂火災防止用ガス検知方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子と、そのセンサ素子の出力情報に基づいて、油脂の温度を推定する油温推定手段とを備え、前記センサ素子が、酸化物半導体であるタングステン酸化物を主成分として、Ruを0.5%〜5.0%の範囲で含有する1層構造の感ガス体材料より構成される点にある。
【0007】
同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子と、そのセンサ素子の出力情報に基づいて、油脂が過熱状態にあるか否かの判定を行う判定手段とを備え、前記センサ素子が、酸化物半導体であるタングステン酸化物を主成分として、Ruを0.5%〜5.0%の範囲で含有する1層構造の感ガス体材料より構成される点にある。
【0008】
同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第二の特徴構成に加えて、前記判定手段が、前記センサ素子の出力の時間的な変化率が設定値以上である状態が設定時間以上継続したときに、油脂が過熱状態にあることを判定するように構成されている点にある。
【0009】
同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、上記第二の特徴構成に加えて、前記判定手段が、前記センサ素子の出力からその抵抗値もしくは抵抗値に対応する量を算出して、その抵抗値もしくは抵抗値に対応する量を対数変換した値の時間的な変化率が設定値以上である状態が設定時間以上継続したときに、油脂が過熱状態にあることを判定するように構成されている点にある。
【0010】
同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した如く、上記第二から第四のいずれかの特徴構成に加えて、前記判定手段が、前記センサ素子の出力が判定開始用の設定値を超えて変化しているときに、前記判定を行うように構成されている点にある。
【0011】
同第六の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した如く、上記第二から第五のいずれかの特徴構成に加えて、前記判定手段にて油脂の過熱状態が判定されたときに警報作動する警報手段を備え、その警報手段が作動可能又は作動不能のいずれかの状態に変更設定自在に構成されている点にある。
【0012】
本発明に係る油脂火災防止用ガス検知方法の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した如く、炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子であって、酸化物半導体であるタングステン酸化物を主成分として、Ruを0.5%〜5.0%の範囲で含有する1層構造の感ガス体材料より構成されるセンサ素子の出力情報に基づいて、油脂が過熱状態にあるか否かを判定する点にある。
【0013】
以下に作用並びに効果を説明する。
本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器の第一の特徴構成によれば、炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子が検出作動し、そのセンサ素子の出力情報に基づいて、油温推定手段が油脂の温度を推定する。ここで、センサ素子は、酸化物半導体であるタングステン酸化物を主成分として、Ruを0.5%〜5.0%の範囲で含有する1層構造の感ガス体材料より構成される。
すなわち、食用油等の油脂の加熱時に比較的高濃度で発生する熱分解ガスは、油脂の種類によらず、例えば、アルカンではペンタン(炭素数5)であり、さらにその他のガス成分として、エタン(炭素数2)やオクタン(炭素数8)を含む炭素数2〜8のアルカンも発生するので、これらのアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子によって、油脂の加熱に伴う発生ガスが検知可能である。そして、油脂の温度上昇に伴って、センサ素子に到達する上記アルカンのガス濃度が増加してセンサ素子の出力が変化するので、この油脂の温度とセンサ出力との相関関係を用いて、センサ出力から油脂の温度を推定することができる。
また、油脂が加熱されるときに発生するガスを検知して油脂の温度を推定するので、油脂火災発生前の時点での油脂の温度を的確に判断することができる。
従って、油脂の種類によらず、油脂の温度によって油脂火災をその発生前に検知することが可能となる油脂火災防止用ガス検知器が提供される。
【0014】
同第二の特徴構成によれば、炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子が検出作動し、そのセンサ素子の出力情報に基づいて、判定手段が油脂が過熱状態にあるか否かの判定を行う。ここで、センサ素子は、酸化物半導体であるタングステン酸化物を主成分として、Ruを0.5%〜5.0%の範囲で含有する1層構造の感ガス体材料より構成される。
すなわち、食用油等の油脂の加熱時に比較的高濃度で発生する熱分解ガスは、油脂の種類によらず、例えば、アルカンではペンタン(炭素数5)であり、さらにその他のガス成分として、エタン(炭素数2)やオクタン(炭素数8)を含む炭素数2〜8のアルカンも発生するので、これらのアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子によって、油脂の加熱に伴う発生ガスが検知可能である。
また、油脂が加熱されるときに発生するガスを検知して過熱状態を判定するので、油脂火災発生前の時点で火災発生の可能性を適切に判断することができる。
従って、油脂の種類によらず、油脂火災をその発生前に検知することが可能となる油脂火災防止用ガス検知器が提供される。
【0015】
同第三の特徴構成によれば、判定手段が、前記センサ素子の出力の時間的な変化率が設定値以上である状態が設定時間以上継続したときに、油脂が過熱状態にあると判定する。
すなわち、焼き肉等の調理時においては、センサ出力が発生ガス濃度の増加に伴って増加したのち、フラットな領域が存在して増加傾向が長期間継続することが少ないのに対し、食用油脂等の加熱時に発生する炭素数2〜8のアルカンは沸点が室温よりも高いために、油脂加熱時の発生ガス濃度の増加によるセンサ出力の増加は比較的長い時間継続する傾向があり、上記焼き肉等の調理時におけるセンサ出力の変化とは異なる特異的な変化を示す。
従って、センサ出力の時間的な変化に基づいて、通常の調理時に発生するガスによる誤検知を適切に回避しながら、油脂の過熱状態の判定を的確に行うことが可能となり、油脂火災防止用ガス検知器の好適な実施形態が得られる。
【0016】
同第四の特徴構成によれば、判定手段が、前記センサ素子の出力からセンサ素子の抵抗値もしくは抵抗値に対応する量を算出し、そのセンサ素子の抵抗値もしくは抵抗値に対応する量を対数変換した値の時間的な変化率が設定値以上である状態が設定時間以上継続したときに、油脂が過熱状態にあると判定する。
すなわち、センサ素子の抵抗値の対数と検出するガス濃度の対数とはほぼ線形の関係にあり、また、油脂の加熱により発生するガス濃度の対数は時間に対してほぼ線形の関係にあるので、油脂加熱に伴ってガス濃度が増加したときに、そのガス濃度の増加を、センサ素子の抵抗値もしくは抵抗値に対応する量を対数変換した値の時間に対する線形的な変化としてとらえることができる。
従って、油脂加熱に伴うガス濃度の増加をセンサ素子の抵抗値もしくは抵抗値に対応する量の変化によって的確に検知することが可能となり、油脂火災防止用ガス検知器の好適な実施形態が得られる。
【0017】
同第五の特徴構成によれば、センサ素子の出力が判定開始用の設定値を超えて変化しているときに、判定手段が油脂が過熱状態にあるか否かの判定を行う。
すなわち、油脂が加熱されてセンサ素子の出力が変化しても、熱分解ガスの発生量が少ないために、センサ素子の出力が判定開始用の設定値を超えていない場合は油脂の過熱についての判定は行われず、油脂の加熱が継続して熱分解ガスの発生量が多くなり、センサ素子の出力が設定値を超えた後、油脂の過熱についての判定が行われる。
従って、油脂が過熱状態にないにもかかわらず、センサ素子の出力値の時間的な変化率や、センサ素子の抵抗値もしくは抵抗値に対応する量の対数変換値の時間的な変化率が前述の所定条件を満たした場合に、油脂の過熱状態を誤検知する不都合を的確に回避することができ、油脂火災防止用ガス検知器の好適な実施形態が得られる。
【0018】
また、低級の可燃性ガスは、貴金属を担持した触媒層で燃焼除去されるため、触媒層の下の酸化物半導体を主成分とする感ガス層に達せず検出されない。一方、炭素数2〜8のアルカンの高級な可燃性ガスは、貴金属を担持した触媒層で燃焼除去されることなく、触媒層の下の酸化物半導体を主成分とする感ガス層に達して検出される。
従って、感ガス層の上に貴金属を担持した触媒層を積層するだけの比較的簡素な構造によって、センサ素子が炭素数2〜8のアルカンに含まれるガス成分に感度を有する場合にノイズ成分となる低級の可燃性ガスに対して感度を有しないようにして、センサ素子の検出選択性を確保することができ、油脂火災防止用ガス検知器の好適な実施形態が得られる。
【0019】
また、低級の可燃性ガスは、感ガス体材料に含有した貴金属で燃焼除去されて検出されず、一方、炭素数2〜8のアルカンの高級な可燃性ガスは、貴金属で燃焼除去されることなく、上記感ガス体材料の主成分である酸化物半導体によって検出される。
従って、感ガス層と貴金属を担持した触媒層の2層構造よりもさらに単純な構成(1層構造)であるにも関わらず、同等の感度を持たせることができ、かつ、これらの感度を同濃度のエタノールに対する感度よりも高めることができるため、油の種類に依存せず、かつ、調理酒などの誤検出の可能性の少ない油脂火災防止用ガス検知器の実現が可能となる
【0020】
同第六の特徴構成によれば、警報手段が作動可能状態に変更設定されていれば、判定手段にて油脂の過熱状態が判定されたときに警報手段が警報作動し、警報手段が作動不能状態に変更設定されていれば、判定手段にて油脂の過熱状態が判定されても警報手段は警報作動しない。
従って、通常は、警報手段を作動可能状態に設定して、油脂の過熱時に警報を適切に発生させるようにする一方、例えば油脂を意図的に高温に加熱するような場合には、警報手段を作動不能状態に設定して、不要な警報の発生を防止するような切り替え操作を適宜行うことができ、油脂火災防止用ガス検知器の好適な実施形態が得られる。
【0021】
本発明に係る油脂火災防止用ガス検知方法の特徴構成によれば、炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子が検出作動し、そのセンサ素子の出力情報に基づいて、油脂が過熱状態にあるか否かを判定する。ここで、センサ素子は、酸化物半導体であるタングステン酸化物を主成分として、Ruを0.5%〜5.0%の範囲で含有する1層構造の感ガス体材料より構成される。
【0022】
すなわち、食用油等の油脂の加熱時に比較的高濃度で発生する熱分解ガスは、油脂の種類によらず、例えば、アルカンではペンタン(炭素数5)であり、さらにその他のガス成分として、エタン(炭素数2)やオクタン(炭素数8)を含む炭素数2〜8のアルカンも発生するので、これらのアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子によって、油脂の加熱に伴う発生ガスが検知可能である。
また、油脂が加熱されるときに発生するガスを検知して過熱状態を判定するので、油脂火災発生前の時点で火災発生の可能性を適切に判断することができる。
従って、油脂の種類によらず、油脂火災をその発生前に検知することが可能となる油脂火災検知方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器及び油脂火災防止用ガス検知方法の実施の形態について図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
先ず、本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器(以下、ガスセンサという)1の基本構成について説明する。図1(イ)に示すように、本発明に係るガスセンサ1には、基盤10に支持されるとともに、ハウジング8で囲われた半導体式のセンサ素子3が備えられている。図中、9はハウジング8の上部側のガス取入口に設けた防塵用の金網である。
【0024】
センサ素子3は、炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有している。特にアルデヒドでは、ヘキサナール(炭素数6)、ヘプタナール(炭素数7)、ノナナール(炭素数9)、アルカンでは、ペンタン(炭素数5)に対して顕著な感度を有することが望ましい。
図4に、2種の食用油脂(通常のサラダ油とオレイン酸リッチベニハナ油)の250℃における熱分解ガスの組成を示している。尚、図中、ガス濃度の単位は任意単位である。図より、アセトアルデヒド(炭素数2)は食用油脂の種類によって約2倍(濃度比0.56)の濃度の差異があるのに対して、ヘキサナール(炭素数6)では油脂の種類による濃度の差異は小さく、また、炭素数3〜9のアルデヒドの総和においても濃度の差異が小さい。一方、アルカンについては、食用油脂の種類によらずメタン(炭素数2)の発生濃度は低く、また、食用油脂の種類によって、ペンタン(炭素数5)では濃度比で0.7倍程度、炭素数2〜8のアルカンの総和においても濃度比で1.3倍程度の変化しかない。
【0025】
さらに、図5に、サラダ油についての熱分解ガス濃度と油脂の温度との関係を示している。尚、図中、ガス濃度の単位は任意単位である。図より、アセトアルデヒド(炭素数2)やメタン(炭素数2)についても、油脂の温度上昇とともに発生濃度が指数関数的に増加する傾向があるものの、プロピオンアルデヒド(炭素数3)やヘキサナール(炭素数6)、あるいはペンタン(炭素数5)といった炭素数の多い高級なアルデヒドやアルカンの方が、発生濃度が高い。
以上のことから、炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンが、食用油脂の熱分解ガスについての検知対象として適していることが分かる。
【0026】
前記センサ素子3は、具体的には、図1(ロ)に示すように、アルミナ製の基板4上に、酸化物半導体を主成分とする感ガス層5を備え、さらに感ガス層5の上に、エタノールやメタン等の低級の可燃性ガスを燃焼除去するための貴金属(例えばパラジウム)を担持した触媒層7を積層した構造からなる。感ガス層5の両端には信号電極5cが形成され、また、基板4の下面には加熱用のヒータ6が付設されている。センサ素子3からは、ヒータ6の通電用の2本のリード線、及び、感ガス層5の信号電極5cに接続される信号取出し用の2本のリード線の計4本のリード線が取出され、これらはハウジング8の底面から取出されたリードピンと接続されている。そして、図2に示すように、上記センサ素子3は前記リード線によって、マイコン等からなる制御部2に接続されている。尚、感ガス層5は検出作動時に400〜550℃の温度範囲に加熱される。
【0027】
上記感ガス層5は、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムなどのn型半導体膜5aと、このn型半導体膜5aを被覆するように、W、Moなどの金属を担持した触媒層5bとで形成され、さらに、この触媒層5bを被覆するように、前記触媒層7を積層している。この構成により、最外側の触媒層7で低級の可燃性ガスが燃焼除去されるとともに、内側の触媒層5bによって感ガス層5の特性が変化し、炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンに含まれるガス成分に感度を有するように構成している。
【0028】
次に、第1実施形態に係るセンサ素子3の出力を検出する回路を図3に示す。図3において、Rsはセンサ素子3の抵抗値となる感ガス部5a(実際は前記半導体膜5a)の抵抗であり、この感ガス部5aの抵抗Rsに直列に固定抵抗Roを接続し、この感ガス部5aの抵抗Rsと固定抵抗Roの直列配置に対して電圧Vtを印加したときの固定抵抗Roの両端電圧Voを測定する。そして、油脂の熱分解ガスが存在しない清浄な空気だけの状態(エアレベル)での上記電圧Voを基準として、このエアレベル電圧からの電圧Voの増分をセンサの出力として取出している。尚、上記固定抵抗Roの抵抗値は、検知対象の油脂を所定温度に保持したときのセンサ素子3の抵抗値Rsとほぼ同等の値に選定する。具体的には、食用油脂の場合は、250℃付近で白煙が生じるため、この付近でのセンサ抵抗値Rsと同等の抵抗値に選定する。
【0029】
次に、本ガスセンサ1による計測について説明する。尚、図示しないが、食用油脂を加熱するコンロの直上1.5mの位置にガスセンサ1を設置している。
先ず、サラダ油について温度を徐々に上昇させたときの油温とセンサ素子3の出力との関係を図6に示す。図6より、油温とセンサ素子3の出力との間に明確な相関がみられ、本ガスセンサ1を用いて、センサ素子3の出力値により油温の予知が可能となることが分かる。
そして、前記制御部2の信号処理部内に、前記センサ素子3の出力情報に基づいて、油脂の温度を推定する油温推定手段100が構成されている。
【0030】
さらに、図6において、加熱された油脂の自然発火は、センサ出力値が油温350℃に相当する1.8Vを超えた領域で発生している。そこで、センサ出力値が、上記自然発火温度よりも低い温度、例えば油温230〜250℃に相当する0.6〜0.8Vを超えるか否かによって、油温の異常、すなわち油脂が過熱状態にあるか否かを判断している。そして、この油温の異常が判断されると、後述の警報手段11によって警報が発せられることになる。
【0031】
ところで、本ガスセンサ1は、動物油脂の熱分解時に発生するガスに対しても感度を有するため、通常の調理(焼き肉や焼き魚等)時においてもセンサ出力が増加する。そこで、通常の調理時に本ガスセンサ1が誤動作しないようにするために、図2に示すように、前記制御部2の信号処理部内に、前記センサ素子3の出力情報に基づいて、油脂が過熱状態にあるか否かの判定を行う判定手段101が設けられ、この判定手段101が、前記センサ素子3の出力の時間的な変化率が設定値以上である状態が設定時間以上継続したときに、油脂が過熱状態にあることを判定するように構成されている。尚、判定手段101は、センサ素子3の出力が判定開始用の設定値を超えて変化しているときに、前記油脂が過熱状態にあるか否かの判定を行う。
【0032】
さらに、前記判定手段101にて油脂の過熱状態が判定されたときに警報作動する警報手段11を備え、その警報手段11が作動可能又は作動不能のいずれかの状態に変更設定自在に構成されている。具体的には、警報手段11は制御部2に接続された警報音発生用のブザーや、音声で警報するスピーカー、あるいは光の点滅等を表示するランプで構成される。そして、制御部2に接続した手動スイッチ12をオン又はオフに切り替えることで、警報手段11を作動可能状態と作動不能状態とに変更設定できるようになっている。
【0033】
前記判定手段101について具体的に説明すると、図7に示すように、サラダ油を加熱した場合には、発生ガスの濃度の増加によるセンサ出力の増加の傾向は比較的長い時間継続するが、一方、焼き肉においては、センサ出力が増加するときに、途中で出力が変化しないフラットな領域が存在したりして、増加の傾向が長時間継続することが少ないことが分かる。因みに、このようなセンサ出力の変化に差異があるのは、通常の調理時における熱分解ガスの発生濃度の変化は、調理者の調理作業により不規則であるのに対して、例えば天ぷら油火災等の原因になる食用油脂の場合には、天ぷら鍋から調理者が離れるため油温は単調に増加し、それに伴い熱分解ガスも指数関数的に増加し続けるためと推論される。
【0034】
そこで、センサ出力の増加率判定を行う判定開始用の設定値を、天ぷら油の適温である180℃相当の出力値0.35Vとし(図6参照)、1分ごとにセンサ出力値を測定して、その1分ごとのセンサ出力値の変化率が設定値0.1V/分を超えている状態が、設定時間である4分間以上継続するかどうかを判定している。このように判定手段101を構成することにより、焼き肉等の調理時において誤動作することなく、自然発火温度(350℃)よりも低い油温の時点で油脂の過熱状態を判定して、警報を発することができた。因みに、図7の例においては、天ぷら油の温度が290℃付近になった時点で、過熱状態を判定することができた。
【0035】
本ガスセンサ1の設置場所としては、油脂からの熱分解ガスが発生する種々の場所が可能であるが、例えば台所においては、油脂が過熱して発生した熱分解ガスは換気扇で集められて外部に排気されるので、換気扇のフード内、又は、排気通路内などが本ガスセンサ1の設置場所として好適である。
【0036】
次に、本発明に係る油脂火災防止用ガス検知方法は、炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有する前記センサ素子3の出力情報に基づいて、油脂が過熱状態にあるか否かを判定するものである。具体的には、図1に示すセンサ素子3の出力を外部の計測装置に入力し、その計測装置によってセンサ素子3の出力信号を解析して、油脂の過熱状態を判定する。この場合には、センサ素子3を使う使用者が、センサ素子3の出力信号を解析する解析内容について検知対象の油脂の条件等を考慮して自由に設定することができるメリットが得られる。
【0037】
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器の第2実施形態について説明するが、この第2実施形態では、前記判定手段101の具体構成が異なる。以下、相違点について説明する。
前記判定手段101が、前記センサ素子3の出力からそのセンサ素子3の抵抗値Rsに対応する量を算出して、その抵抗値Rsに対応する量を対数変換した値の時間的な変化率が設定値以上である状態が設定時間以上継続したときに、油脂が過熱状態にあることを判定するように構成されている。上記センサ素子3の抵抗値Rsに対応する量としては、センサ素子3の抵抗値Rsを前記エアレベル状態でのセンサ素子3の抵抗値Rsoで割った量Rs/Rsoを採用する。
【0038】
これは、油脂の熱分解により発生する炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンのガス濃度が時間経過(温度上昇)とともに指数関数的に増加するかどうかを判断するものであり、そのためには、半導体式のセンサ素子3の抵抗値Rsの対数はガス濃度の対数とほぼ線形関係にあり、また、ガス濃度の対数は時間に対してほぼ線形の関係にあるため、センサ抵抗値Rsの対数は時間に対して線形の関係で変化することから、センサ素子3の抵抗値Rsに対応する量を対数変換した値の時間的な変化で判断することが好ましいことによる。
【0039】
図8に示すように、サラダ油を加熱した場合に、上記センサ素子3の抵抗値Rsに対応する量Rs/Rsoを対数変換した値Log(Rs/Rso)が時間と共に線形的に減少する傾向が確認できるので、上記Log(Rs/Rso)が判定開始用の設定値−0.65より低下したかどうか(これは、センサ素子3の出力が判定開始用の設定値を超えているかどうかに対応する)を判断し、判定開始用の設定値−0.65より低下していれば、上記Log(Rs/Rso)の時間的な減少率を測定して、その減少率が設定値0.08/分以上の状態が設定時間である4分以上継続したか否かを判断する。そして、この条件が満たされると、油脂が過熱状態にあると判定され、前記警報手段11によって警報が発せられる。
【0040】
〔第3実施形態〕
次に、本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器の第3実施形態について説明するが、この第3実施形態では、前記センサ素子3の構成が第1、第2実施形態と異なる。以下、相違点について説明する。
図10に示すように、前記センサ素子3が、酸化物半導体を主成分として、貴金属を含有する感ガス体材料13より構成される。具体的には、酸化物半導体がタングステン酸化物であり、貴金属が、Pt,Pd,Rh,Ruのうちの少なくとも1つである。感ガス体材料13は基板4上に層状に形成されている。
【0041】
図10に示すセンサ素子3が図1(ロ)のセンサ素子3と異なる点は、感ガス体材料13の1層構造であり、その材料が、三酸化タングステンを主成分とし、これにPt,Pd,Rh,Ruより選ばれる1以上の元素を0.5%〜5.0%の範囲で担持させたことである。尚、三酸化タングステンの焼結助材として、Si,Alなどの元素を、タングステン(W)に対する元素比で5〜30%程度添加しても、油脂熱分解ガスに対する高感度な特性を損なうことは無い。この感ガス体材料13を使用する場合、特に図1(ロ)のセンサ素子3の触媒層7のような層を形成する必要は無い。この感ガス体材料13の層が、300〜450℃の範囲内の温度(例えば、360℃付近)で保持されるための通電加熱用のヒータ6を備え、この通電加熱時の感ガス体材料13の層の電気抵抗値を測定するために、感ガス体材料13の層と電気的に接するように検出電極13aを両端に設けている。
【0042】
次に、上記構造のセンサ素子3によるガス検知特性について説明する。ここでは、ガス感度において最も良好であった、RuをWに対して2%添加したサンプルを代表例として述べる。図11に示すように、特に炭素数6,7のアルデヒドに対して、10ppm程度の低濃度においても、極めて有意な感度を有していることが判る。しかも、エタノールに対する感度は同濃度のアルデヒド感度に比してはるかに小さく、料理酒などによる誤検出(誤報)の確率を低くすることが可能となる。尚、感度はセンサ素子3のエアレベル状態での抵抗値Rsoと上記濃度での抵抗値Rsとの比で表わしている。
【0043】
図12は、図10のセンサ素子3を油の加熱を行う箇所の真上130cmの地点に設置し、2種の食用油脂(通常のサラダ油とオレイン酸リッチベニハナ油)を240℃まで加熱したときの油の温度とセンサ応答との関係を示している。ここで、縦軸はセンサ抵抗値Rs(Ω)の対数変換値、横軸は油の温度である。図12から判るように、オレイン酸リッチベニハナ油のようなその熱分解ガスにアセトアルデヒド、ホルムアルデヒドといった成分を含有しない種類の油であっても、加熱時に大きな感度を有し、かつ、食用油脂の種類(通常のサラダ油とオレイン酸リッチベニハナ油)によらず、同等の高感度を得ることができる。
【0044】
なお、図12において油の温度の上昇とともに減少するセンサ抵抗値Rsの対数変換値Log(Rs)が、ある温度箇所でやや上がる傾向が見られるが、これは測定中の気流の影響であると考えられる。こういった気流の影響は油温予測精度に影響するが、実用に供し得る誤差範囲で、油温の推定や過熱状態にあるか否かの判定が可能となる。例えば、センサ抵抗値Rsが5kΩ(対数変換値で、3.70)を超えて下回ることで過熱状態にあることを判定する場合、気流の影響を加味しても、220℃〜240℃の幅程度の誤差であり、実用に供することができる。
【0045】
図13は、図10のセンサ素子3を油の加熱を行う箇所の真上83cmの地点に設置し、天ぷら油を250℃まで加熱したときのセンサ抵抗値Rsの対数値の応答特性を示している。ここで、縦軸はセンサ抵抗値Rs(Ω)の対数変換値、横軸は加熱時間である。図13には、同じ設置位置におけるセンサ応答で、約1ヶ月のモニター試験において感度が大きかった各種調理の場合のセンサ応答も示している。図13から、正常調理時の抵抗値は、240℃相当の抵抗値である1.9kΩ(対数変換値で、3.28)よりも下回ることがないことが分かる。したがって、前記判定手段101を、センサ抵抗値Rsが1.9kΩ(対数変換値Log(Rs)=3.28)を超えて下回った場合に油脂が過熱状態にあると判定させるようにすれば、正常調理時と識別して油脂過熱に基づく警報を発することが可能となる。
【0046】
また一方で、図10のセンサ素子3を用いた場合には、センサ抵抗値Rsの対数変換値Log(Rs)において、0.1/分以上の減少が2分以上継続するか否かで、正常調理時と識別して油脂過熱に基づく警報を発することが可能となる。特に、上記の経時的変化の判定を、油の温度が220℃相当の抵抗値Rs=3.1kΩ(対数変換値Log(Rs)=3.49)を超えて下回った時点で開始し、Log(Rs)の減少率として0.1/分以上の減少率が、2分を超えるか否かでもって、油の温度が異常か否かを判断した場合には、油の温度がより低い時点で、食用油脂が無人で加熱している状況を予測することが可能となり、セキュリティが向上する。
【0047】
〔別実施形態〕
以下に別実施形態を説明する。
上記第1実施形態では、センサ素子3の抵抗Rsに直列に固定抵抗Roを接続して、固定抵抗Roの両端電圧Voのエアレベル電圧からの増分をセンサ素子3の出力として取り出したが、逆にセンサ素子3の抵抗Rsの両端電圧のエアレベル電圧からの減少分をセンサ素子3の出力として取り出すようにしてもよい。従って、この別実施形態では、油温の上昇とともにセンサ出力は減少するので、センサ出力の減少した値が設定値を下回るか否か、及び、センサ出力の時間的な減少率が設定値以上である状態が設定時間以上継続するか否かを判断して、油脂の過熱状態を判定する。
さらに、センサ素子3の抵抗Rsに直列に固定抵抗Roを接続する代わりに、図9に示すように、固定抵抗Ro,R2、可変抵抗R1とともにブリッジ回路を構成して、図のe−f間の電圧値又は電流値を、センサ出力として取り出すようにしてもよい。
【0048】
上記第1実施形態では、油温推定手段100が推定した油温が設定温度を超えている場合に油脂の過熱状態を判定して、警報手段11を警報作動させるようにしたが、これ以外に、推定した油温を数字表示器等に表示してもよい。この形態によれば、業務用等において、調理者が表示された油温の値を見て、油脂が過熱状態にあるかどうかを判断することになる。
【0049】
上記第2及び第3実施形態では、前記判定手段101が、前記センサ素子3の出力からその抵抗値Rsに対応する量Rs/Rsoを算出して、その抵抗値Rsに対応する量Rs/Rsoを対数変換した値の時間的な変化率が設定値以上である状態が設定時間以上継続したときに、油脂が過熱状態にあることを判定するように構成したが、前記センサ素子3の出力からその抵抗値Rsを算出して、その抵抗値Rsを対数変換した値の時間的な変化率が設定値以上である状態が設定時間以上継続したときに、油脂が過熱状態にあることを判定するように構成してもよい。
【0050】
上記実施形態では、センサ素子3を構成する感ガス層5又は感ガス体材料13の主成分である酸化物半導体を、n型半導体で構成したが、p型半導体で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器の構造を示す側面断面図
【図2】本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器のブロック図
【図3】第1実施形態に係るガス検知部の等価回路を示す図
【図4】油脂の過熱時に発生するガスの特性を示す図
【図5】油脂の過熱時に発生するガスの特性を示すグラフ
【図6】第1実施形態に係るガス検知器のガス検知特性を示すグラフ
【図7】第1実施形態に係るガス検知器のガス検知特性を示すグラフ
【図8】第2実施形態に係るガス検知器のガス検知特性を示すグラフ
【図9】別実施形態に係るガス検知部の等価回路を示す図
【図10】第3実施形態に係るガス検知器の構造を示す側面断面図
【図11】第3実施形態に係るガス検知器のガス種別感度を示す数表
【図12】第3実施形態に係るガス検知器のガス検知特性を示すグラフ
【図13】第3実施形態に係るガス検知器のガス検知特性を示すグラフ
【符号の説明】
【0052】
3 センサ素子
5 感ガス層
7 触媒層
11 警報手段
13 感ガス体材料
100 温度推定手段
101 判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子と、そのセンサ素子の出力情報に基づいて、油脂の温度を推定する油温推定手段とを備え、前記センサ素子が、酸化物半導体であるタングステン酸化物を主成分として、Ruを0.5%〜5.0%の範囲で含有する1層構造の感ガス体材料より構成される油脂火災防止用ガス検知器。
【請求項2】
炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子と、そのセンサ素子の出力情報に基づいて、油脂が過熱状態にあるか否かの判定を行う判定手段とを備え、前記センサ素子が、酸化物半導体であるタングステン酸化物を主成分として、Ruを0.5%〜5.0%の範囲で含有する1層構造の感ガス体材料より構成される油脂火災防止用ガス検知器。
【請求項3】
前記判定手段が、前記センサ素子の出力の時間的な変化率が設定値以上である状態が設定時間以上継続したときに、油脂が過熱状態にあることを判定するように構成されている請求項2に記載の油脂火災防止用ガス検知器。
【請求項4】
前記判定手段が、前記センサ素子の出力からその抵抗値もしくは抵抗値に対応する量を算出して、その抵抗値もしくは抵抗値に対応する量を対数変換した値の時間的な変化率が設定値以上である状態が設定時間以上継続したときに、油脂が過熱状態にあることを判定するように構成されている請求項2に記載の油脂火災防止用ガス検知器。
【請求項5】
前記判定手段が、前記センサ素子の出力が判定開始用の設定値を超えて変化しているときに、前記判定を行うように構成されている請求項2、3、4のいずれか一項に記載の油脂火災防止用ガス検知器。
【請求項6】
前記判定手段にて油脂の過熱状態が判定されたときに警報作動する警報手段を備え、その警報手段が作動可能又は作動不能のいずれかの状態に変更設定自在に構成されている請求項2、3、4、5のいずれか一項に記載の油脂火災防止用ガス検知器。
【請求項7】
炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に感度を有するセンサ素子であって、酸化物半導体であるタングステン酸化物を主成分として、Ruを0.5%〜5.0%の範囲で含有する1層構造の感ガス体材料より構成されるセンサ素子の出力情報に基づいて、油脂が過熱状態にあるか否かを判定する油脂火災防止用ガス検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−107364(P2008−107364A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339579(P2007−339579)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【分割の表示】特願2002−336722(P2002−336722)の分割
【原出願日】平成14年11月20日(2002.11.20)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】