説明

流体間接触低減化用複数成分吐出カートリッジ,混合ノズルおよびその方法

【課題】カートリッジの出口での残留流体は、互いに接触、反応、かつ固化して目詰まり状態を生じさせる。
【解決手段】第1および第2の流体を混合し吐出する流体カートリッジが、ハウジングと、前記ハウジング内に装着されたピストンユニットと、混合ノズルとを備える。この混合ノズルは、ハウジングの遠位端に着脱可能に取り付け可能な第1の部分と、前記第1の部分から離れて位置する第2の部分とを備える。内部流路が第1の部分と第2の部分との間を連通する。静的混合部材が第2の部分内に位置しており、遠位の吐出開口がこの静的混合部材に連通する。筒状の流体セパレーター部材が第1の部分内に位置しており、第1の流路および第2の流路を画定している。第1の流路は中央路であり、第2の流路は第1の流路の半径方向外側にある。流体セパレーター部材は、混合ノズルの第1の部分内で第1の流体の流れを第2の流体の流れから分離した状態に維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、静的混合ノズルを利用したタイプの多流体成分の混合吐出カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
流体チャンバーが並設される構成である多成分混合吐出装置、並びに流体チャンバーが同軸構成である多成分混合および吐出装置を含め、種々のタイプの多成分を混合し吐出する装置が存在している。そのようなカートリッジは一般的に、一以上の可動プランジャーを有するハンドヘルドアプリケーター又はガン内に配置されている。プランジャーは、カートリッジの遠位端にて2成分流体を吐出し混合するように、流体チャンバーと連関してピストンを移動させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この一般的なタイプの流体カートリッジは、2つの流体を流体チャンバーから混合ノズルに放出するそれぞれの第1の出口および第2の出口を遠位端に含む。混合ノズルは、混合対象となる2つの流体の層を繰り返し組合せる内部静的混合部材を備える。カートリッジの出口は、互いに流体連通し、また隣接しており、例えば混合ノズルの近位端内で、同軸又は並設されるように、互いに隣接するように位置する。これらの出口は、静的混合ノズルがカートリッジの遠位端に固定されると互いに直接流体連通するため、それらの出口の位置でノズル内の2つの流体が相互に汚染される可能性がある。これらの流体は、多くの場合、流体の一方が樹脂成分であり他方が化学反応を引き起こして最終的に混合流体を固化させる触媒であるエポキシ樹脂接着剤のように、互いに反応性を有している。このことは、混合ノズルが取り付けられている状態でカートリッジを再使用する場合、又は使用済みの混合ノズルを除去して新しいノズルと交換する場合等、困難を呈する。カートリッジの出口の位置での残留流体は多くの場合、互いに接触、反応、かつ固化して目詰まり状態を生じさせる。
【0004】
したがって、これらの問題に対処する、流体カートリッジ用混合ノズルおよび方法を提供することが望まれていよう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一般に、ハウジングと、ピストンユニットと、混合ノズルとを備える、第1の流体および第2の流体を混合し吐出する流体カートリッジを提供することにある。そのハウジングは、遠位端と、第1の流体および第2の流体とをそれぞれが保持するようになっている第1の流体チャンバーおよび第2の流体チャンバーとを有する。第1の流体チャンバーおよび第2の流体チャンバーはそれぞれ、ハウジングの遠位端において第1の出口および第2の出口に連通している。ピストンユニットはハウジング内に装着されており、第1の流体および第2の流体を第1の流体チャンバーおよび第2の流体チャンバーから第1の出口および第2の出口の外へ流すよう押しやるように移動可能である。混合ノズルは、ハウジングの遠位端に着脱可能に取り付け可能な第1の部分と、前記第1の部分から離れて位置する第2の部分とを有する。内部流路は第1の部分と第2の部分との間を連通する。静的混合部材が遠位の第2の部分内に位置決めされており、吐出開口が静的混合部材の遠位に位置している。筒状の流体セパレーター部材は第1の部分内に位置しており、第1の流路および第2の流路を画定している。第1の流路は、筒状部材の中央筒状部分内に含まれており、第1の出口に連通し、第2の流路は中央筒状部分の半径方向外側に位置しており、第2の出口に連通している。筒状の流体セパレーター部材は、混合ノズルの第1の部分内で第1の流体の流れを第2の流体の流れから分離した状態に維持する。このようにして、第1の流体および第2の流体は、流体カートリッジのハウジングの遠位端の出口面で互いに接触せず、混合ノズルおよびそれに含まれる流体セパレーター部材がハウジングの遠位端から取り外されたときに混ざりにくいと共に相互作用しにくい。
【0006】
ハウジングの第1の出口は、筒状の出口部材を更に含むことができ、この筒状の出口部材に流体セパレーター部材の中央筒状部分が着脱可能に連結することができる。より具体的には、セパレーター部材の中央筒状部分は、ハウジングの筒状の出口部材を受け入れるボアを含むことができる。このボアは例として、第1の流路に沿った貫通ボア又は第1の流路の周りの環状ボアとすることができる。流体セパレーター部材の第1の流路は円筒形とすることができるか、又は、別の例として、第1の流路は、遠位方向に概ね集束するものとすることができる。混合ノズルは内壁を更に備えることができ、流体セパレーター部材は内壁に係合するフランジを更に備えることができる。フランジは、ハウジングの第2の出口に連通する第2の流路を含む。より具体的には、この第2の流路はフランジ内の一以上の孔によって画定してもよい。
【0007】
本発明は、上記で概説したような混合ノズルと、さらには、上記で概説したような流体カートリッジに着脱可能に連結されるようになっているか又は計量吐出ガンのような他のタイプのディスペンサーに取り付けられる場合のノズルから、第1の流体および第2の流体を混合し吐出する方法を意図している。本方法は、一般に、混合ノズルの第1の部分をハウジングの遠位端に着脱可能に連結することを含む。第1の流体および第2の流体は、ハウジングの第1の出口および第2の出口から混合ノズルの第1の部分に押しやられる。第1の流体および第2の流体は、混合ノズルの第1の部分内に位置すると共に第1の出口および第2の出口の遠位に少なくとも部分的に位置する流体セパレーター部材により、互いから物理的に分離した状態に維持される。流体セパレーター部材は筒状部材を更に備え、本方法は、この筒状部材の中央筒状部分を通して第1の流体を方向付けること、および中央筒状部分の半径方向外側の経路に沿って第2の流体を方向付けることを更に含む。第1の流体および第2の流体は、混合ノズルの、第1の部分から離れて位置する第2の部分内の静的混合部材を通して送出される。第1の流体および第2の流体は、静的混合部材により混合される。混合された第1の流体および第2の流体は、静的混合部材から離れて位置する吐出開口を通して放出される。
【0008】
本方法は、第1の流体および第2の流体が少なくとも実質的に分離したままの状態で、混合ノズルおよび流体セパレーター部材をハウジングから取り外すことを更に含むことができる。ハウジングの第1の出口は筒状の出口部材を更に有し、混合ノズルの第1の部分をハウジングの遠位端に着脱可能に連結することは、中央筒状部分を筒状の出口部材に着脱可能に連結することを更に含む。より具体的には、中央筒状部分はボアを含むことができ、中央筒状部分を筒状の出口部材に着脱可能に連結することは、筒状の中央部材が筒状の出口部材から遠位に延びる状態で筒状の出口部材をボアに挿入することを更に含むことができる。第1の流体および第2の流体を互いから物理的に分離した状態に維持することは、集束流路を通して、又は流体セパレーター部材内の別の形状の流路を通して第1の流体を方向付けることを更に含むことができる。
【0009】
種々の追加的な特徴および利点は、添付の図面と共に例示的な実施形態の以下の詳細な説明を検討すれば明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の例示的な実施形態に従って構成されている流体カートリッジの斜視図である。
【図2】流体カートリッジの長手方向中心軸に沿った、内部構成部材を例示する、図1に示す流体カートリッジの部分断面図である。
【図3A】流体カートリッジのハウジングの遠位端および静的混合ノズルの近位部分をより具体的に例示する分解断面図である。
【図3B】図3Aと同様の断面図であって、吐出前のカートリッジのハウジングとノズルとの組立状態を例示する図である。
【図3C】図3Bと同様の断面図であって、吐出動作を例示する図である。
【図3D】図3Cと同様の断面図であって、吐出動作が完了した後の静的混合ノズルの取り外しを例示する図である。
【図4A】第1の例示的な実施形態に従って構成されている流体セパレーター部材の斜視図である。
【図4B】図4Aに示す流体セパレーター部材の長手方向軸に概ね沿った断面図である。
【図5A】第2の例示的な実施形態に従って構成されている流体セパレーター部材の斜視図である。
【図5B】図5Aに示す流体セパレーター部材の長手方向中心軸に概ね沿った断面図である。
【図6A】第2の実施形態に関連する混合ノズルと流体カートリッジのハウジングとの接続面を示す部分断面図である。
【図6B】図6Aと同様の断面図であって、混合ノズルが取り外された状態を例示する図である。
【図7A】図6Aと同様の部分断面図であって、図6Aに例示されている筒状の流体分離部材を有しない接続面を例示する図である。
【図7B】図7Aと同様の部分断面図であって、混合ノズルが取り外された状態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
初めに図1および図2を参照すると、第1の流体12および第2の流体14を混合し吐出する流体カートリッジ10が示されており、前記流体カートリッジ10は概して、ハウジング16と、前記ハウジング16内に装着されたピストンユニット18と、ハウジング16の遠位端16aに連結された混合ノズル20とを備える。ハウジング16およびピストンユニット18は多くの異なる設計を呈することができ、ここで図示されている設計は例示目的にすぎないことが理解されるであろう。ピストンユニット18の動作に関するさらなる詳細について、米国特許第7,748,567号(この開示は参照により本明細書に援用される)を参照することができる。
【0012】
概して、ハウジング16は、第1の流体12および第2の流体14のそれぞれを保持する第1の流体チャンバー22および第2の流体チャンバー24を備える。第2の流体チャンバー24は、第1のチャンバー22の前方セクションすなわち遠位セクション22aに対して包囲関係で配置された環状チャンバーである。ピストンユニット18は、第1の流体12および第2の流体14を第1の流体チャンバー22および第2の流体チャンバー24からハウジング16のそれぞれの第1の出口30および第2の出口32の外へ押しやるよう移動するようになっている。第1の出口30は、ハウジング16の第1の筒状の出口部材34の遠位端に位置しており、第2の出口32は、第1の筒状の出口部材34と同心であると共に第2の流体チャンバー24に流体連通するように連結されている第2の筒状の出口部材36の遠位端に位置している。この後者の筒状の出口部材36は、静的混合ノズル20の近位の取付部材41内の雌ねじ40と連結する雄ねじ38を備える。ピストンユニット18はより具体的には、各自、第1の流体12および第2の流体14を第1の流体チャンバー22および第2の流体チャンバー24の外へ押しやる第1のピストン42および第2のピストン44を含む。このピストンユニット18は、図2に示す矢印48の方向へのプランジャー部材46に対する手動式アプリケーター(図示せず)を用いること等によって、また、より詳細には上記で援用した米国特許第7,748,567号において記載されているような原動力を与えることによって動作する。
【0013】
より具体的に図3Aを参照すると、静的混合ノズル20はより具体的には、上述したようにハウジング16の遠位端16aに着脱可能な方法で取り付け可能な、より近位に位置する第1の部分50と、前記第1の部分50から離れて位置する第2の部分52と、第1の部分50と第2の部分52との間を連通する内部流路54とを備える。一以上の静的混合部材56が第2の部分52内に位置し、混合された流体12、14を吐出する吐出開口58が第2の部分52の遠位先端に位置する。流体セパレーター部材60が、第1の部分50内に位置し、図示のように別個の構成部材とすることができるか、又はプラスチック成形プロセスによるように混合ノズル20と一体形成することができる。流体セパレーター部材60は、混合ノズルのこの近位の部分50内で第1の流路62および第2の流路64を画定している。この実施形態では、第1の流路62は、中央筒状部分66内に位置し、第2の流路64は、中央筒状部分66の半径方向外側に位置し、例えばプレス嵌めにより混合ノズル20の内壁構造72に連結するフランジ70を貫通している。フランジ70は、第2の流路64の一部を含む複数の孔74を含む。
【0014】
図3Bに示すように、中央筒状部分66はハウジングの筒状の出口部材34に着脱可能に連結している。具体的には、中央筒状部分66は、静的混合部材20をハウジング16の筒状の出口部材36に対して回転させる際に密接したシール摩擦嵌めにより筒状の出口部材34を受け入れる直径を有するサイズになっている円筒形の内部ボア66aを含む。中央筒状部分66の遠位端セクション66bが細く絞られており、筒状の出口部材34の出口30から遠位に延びる第1の流路62を含む。第1の流路62は、筒状の出口部材34の内径に少なくとも実質的に等しい内径を有する。
【0015】
流体カードリッジ10の動作は、図3Bから図3Dに示される事項から最もよく理解されるであろう。図3Bにおいて、静的混合ノズル20は、前記静的混合ノズル20の近位の取付部材41を出口部分36に対して回転させることおよび各自のねじ38、40に係合させることによって、ハウジング16の筒状の出口36に着脱可能に固定されている。これは、流体密の摩擦嵌めにより第1の筒状の出口部材34を流体セパレーター部材60の中央筒状部分66内に同時に連結する。この時点で、第1の流体12および第2の流体14は、各自の第1の流体チャンバー22および第2の流体チャンバー24内にあるままであり、各自の出口30、32で互いに接触することはない。吐出動作時、第1の流体12および第2の流体14は各自、ピストン42、44(図2)によって遠位方向に押しやられる。図3Cに示すように、流体12、14は、出口30、32を通って移動し、筒状の出口部材34に連結された流体セパレーター部材60により、前記流体12、14が中央筒状部分66の遠位先端66cに達するまで物理的な分離を維持することになる。より具体的には、第1の流体12は、筒状の出口部材34の流路80を通って中央筒状部分66の遠位端セクション66bに移動する。第2の流体14は、ハウジング16の出口32から流体セパレーター部材60のフランジ70内のそれぞれの孔又は穴74を通って、第1の流体12用の流路62および80の半径方向外側に画定されている流路64に沿って前記流路内を移動する。2つの流体12、14は次いで、静的混合部材(複数可)56に直近した位置82で互いに接触する。この地点で、2つの流体12、14は共に混合ノズル20の第2の部分すなわち遠位部分52に入り、静的混合部材(複数可)56内を移動し、この静的混合部材において流体12、14が混合され、次いで、吐出開口58から吐出される。図3Dに例示されるように、静的混合ノズル20が吐出動作後に取り外されたときに、ハウジング16の出口30、32における第1の流体12および第2の流体14の残りは、互いに接触および潜在的に反応して目詰まり状態を引き起こすことを少なくとも実質的に防止される。
【0016】
本発明の流体セパレーター部材は多くの異なる方法で形成することができるが、2つの実施形態が各自、図4Aおよび図5Aにおいて例示されている。図4Aおよび図4Bにおいてより具体的に示される第1の実施形態は、上述した実施形態であり、そのため、不必要な説明は繰り返さない。同様の参照符号は上述したのと同じ部材を指す。図4Aおよび図4Bに更に示されるように、フランジ又は環状部材70はそれぞれのリブ90によって中央筒状部分66に固定されている。孔74がリブ90間、および中央筒状部分66と外側の環状部材又はフランジ70との間に位置決めされている。
【0017】
図5Aおよび図6Bは、第1の実施形態と同様の方法で構成されているが、遠位端が切頭円錐状である中央筒状部分66’を含む、第2の実施形態の流体セパレーター部材60’を例示する。この実施形態では、プライム記号(‘)付きの同様の参照符号は、図4Aおよび図4Bに関して上述した同様の参照符号付きの部材と類似の構造を示すことが理解されるであろう。プライム記号付きの部材は、プライム記号の付いていない上記の参照符号で示した部材と同じ機能を有する。この第2の実施形態における主要な相違点は、第1の流体12(図2)の流れが混合ノズルの内部形状に沿うか又は対応するよう遠位方向に集束するように、第1の流路の部分62a’が遠位端66c’に向かってテーパーになっている点である。また、筒状の流体セパレーター部材60’は、以下に記載するように、流体カートリッジのハウジングの遠位端につながると共に前記遠位端とシールする環状のブラインドボア100を更に含む。流路の第2の部分62’がその長さに沿って均一な直径を有する。
【0018】
図6Aおよび図6Bは、第2の実施形態の実施によって表されるような、本発明に関連する利点を例示する。ここでも同様に、これらの図における同様の参照符号は、上述と同様の構造および機能を指し、したがって、さらなる説明は必要ではない。図6Aに示すように、混合ノズル20の筒状の流体セパレーター部材60’は、筒状の出口部材34に固定されていると共にシールされている。混合ノズル20をねじ38、40によってハウジング16の遠位端に対して回転させる際、筒状の出口部材34の遠位端が流体密シールにより環状のブラインドボア100内に保持される。2つの流体12、14は、混合ノズル20内の領域82にて互いに接触することになる。こうして、流体セパレーター部材60’が出口30を同心的に位置する出口32から物理的に分離するため、出口30、32における相互汚染はない。したがって、混合ノズル20を取り外すときに(この取り外しは位置82において材料が混交して部分的に又は完全に硬化した後で行うことができる)、材料の領域82および部材60’が混合ノズル20と共に取り去られることになり、残留している材料は図6Bに示すように相互汚染を免れる。他方、流体セパレーター部材60’を使用しなければ、図7Aおよび図7Bに示す状況が生じる。この状況では、ここでも同様に相互汚染が位置82で生じるが、相互汚染のこの領域は各自の出口30、32の近位に及んでいる。したがって、混合ノズル20が取り外されると、この混交した材料が硬化領域又は固化領域102を生じる可能性があり、この領域が出口30、32を目詰まりさせることで流体カートリッジを使用困難にさせる可能性がある。
【0019】
本発明を種々の好ましい実施形態の説明によって例示し、これらの実施形態を幾分詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限又はいかようにも限定することは本出願人の意図ではない。さらなる利点および変更が当業者には容易に明らかであろう。本発明の種々の特徴は単独で、又はユーザーの必要性および好みに応じて任意の組合せで用いることができる。本明細書には、現時点で知られているような本発明を実施する好ましい方法と共に、本発明の説明がなされている。しかしながら、本発明自体は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流体と第2の流体とを混合し吐出する流体カートリッジに着脱可能に連結されるようになっている混合ノズルであって、前記流体カートリッジは、遠位端と、第1の流体と第2の流体とのそれぞれを保持するようになっていて、前記遠位端において第1の出口および第2の出口のそれぞれに連通する第1の流体チャンバーおよび第2の流体チャンバーとを有するハウジングを備え、前記ノズルは、
前記ハウジングの前記遠位端に着脱可能に取り付けられるようになっている第1の部分と、
前記第1の部分から離れて位置する第2の部分と、
前記第1の部分と前記第2の部分との間を連通する内部流路と、
前記第2の部分内の静的混合部材と、
前記静的混合部材から離れて位置する吐出開口と、
前記第1の部分内の筒状の流体セパレーター部材であって、前記筒状の流体セパレーター部材は第1の流路および第2の流路を画定し、前記第1の流路は、前記筒状の流体セパレーター部材の中央筒状部分内に含まれていると共に、前記第1の出口に連通するよう結合されていて、前記第2の流路は、前記中央筒状部分の半径方向外側に位置すると共に、前記第2の出口に連通するように結合されていて、前記流体セパレーター部材は、前記混合ノズルの前記第1の部分内で前記第1の流体の流れを前記第2の流体の流れから分離状態に維持する筒状の流体セパレーター部材と、
を備える、混合ノズル。
【請求項2】
請求項1に記載の混合ノズルであって、
前記中央筒状部分は、前記筒状の出口部材を受け入れるようになっているボアを有することを特徴とする混合ノズル。
【請求項3】
請求項2に記載の混合ノズルであって、前記ボアは環状ボアであることを特徴とする混合ノズル。
【請求項4】
請求項1に記載の混合ノズルであって、前記第1の流路は円筒形であることを特徴とする混合ノズル。
【請求項5】
請求項1に記載の混合ノズルであって、前記第1の流路は、一般に、前記混合ノズルの前記第2の部分に向かう方向に集束することを特徴とする混合ノズル。
【請求項6】
請求項2に記載の混合ノズルであって、前記混合ノズルは内壁を更に備え、前記筒状の流体セパレーター部材は、前記内壁に係合するフランジを更に備え、前記フランジは前記ハウジングの前記第2の出口に連通するようになっている前記第2の流路を含むことを特徴とする混合ノズル。
【請求項7】
第1の流体および第2の流体を混合し吐出する流体カートリッジであって、
遠位端と、第1の流体および第2の流体のそれぞれを保持するようになっていると共に、前記遠位端において第1の出口および第2の出口のそれぞれに連通する第1の流体チャンバーおよび第2の流体チャンバーとを有するハウジングと、
前記ハウジング内に装着されていると共に、前記第1の流体および前記第2の流体を前記第1の流体チャンバーおよび前記第2の流体チャンバーから前記第1の出口および前記第2の出口の外へ流すよう押しやるように移動可能なピストンユニットと、
請求項1から6のいずれか一項に記載の混合ノズルであって、前記第1の部分は前記ハウジングの前記遠位端に着脱可能に取り付けられる前記混合ノズルと、
を備える流体カートリッジ。
【請求項8】
流体カートリッジに着脱可能に連結されるようになっているノズルから第1の流体および第2の流体を混合し吐出する方法であって、前記流体カートリッジは、遠位端と、各自の第1の流体および第2の流体を保持するようになっていると共に、前記遠位端において各自の第1の出口および第2の出口に連通する第1の流体チャンバーおよび第2の流体チャンバーとを有するハウジングを備え、前記方法は、
混合ノズルの第1の部分を前記ハウジングの前記遠位端に着脱可能に連結する工程と、
前記第1の流体および前記第2の流体を前記第1の出口および前記第2の出口から前記混合ノズルの前記第1の部分に押しやる工程と、
前記筒状部材の中央筒状部分を通して前記第1の流体を方向付ける工程と、
前記第1の流体および前記第2の流体を前記第1の出口に遠位の位置にて物理的に分離状態に維持するように、前記中央筒状部分の半径方向外側の経路に沿って前記第2の流体を方向付ける工程と、
前記混合ノズルの、前記第1の部分から離れて位置する第2の部分内の静的混合部材を通して前記第1の流体および前記第2の流体を送出する工程と、
前記静的混合部材により前記第1の流体および前記第2の流体を混合する工程と、
前記混合された第1の流体および第2の流体を前記静的混合部材から離れて位置する吐出開口を通して放出する工程と、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記第1の流体および前記第2の流体が少なくとも実質的に分離したままの状態で、前記混合ノズルおよび前記流体セパレーター部材を前記ハウジングから取り外す工程を更に有することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記ハウジングの前記第1の出口は筒状の出口部材を更に備え、混合ノズルの前記第1の部分を前記ハウジングの前記遠位端に着脱可能に連結する工程は、
前記中央筒状部分を前記筒状の出口部材に着脱可能に連結する工程を有することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記中央筒状部分はボアを含み、前記中央筒状部分を前記筒状の出口部材に着脱可能に連結する工程は、
前記筒状の中央部材が前記筒状の出口部材から遠位に延びる状態で前記筒状の出口部材を前記ボアに挿入する工程を有することを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項8に記載の方法であって、
前記第1の流体および前記第2の流体を互いから物理的に分離した状態に維持する工程は、
前記筒状の流体セパレーター部材の前記中央筒状部分内の集束流路を通して前記第1の流体を方向付ける工程を有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2012−96228(P2012−96228A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−238478(P2011−238478)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】