説明

液状食品加熱装置及びその液状食品加熱方法

【課題】 蒸気噴出ノズルにこびり付いた液状食品や蒸気噴出ノズル内に逆流又は残存した液状食品を完全排除することにより、衛生的で且つ美味な状態を保ったまま液状食品の加熱を行うことが可能な液状食品加熱装置及びその液状食品加熱方法を提供する。
【解決手段】 本実施形態の液状食品加熱装置1及びその液状食品加熱方法によれば、液状食品用容器2内のスープ4を加熱する毎に、蒸気噴出ノズル6のノズル部13が自動的にノズル固定部14に嵌脱される。これにより、ノズル部13が自動的に交換され、蒸気噴出ノズル6にこびり付いたスープ4や蒸気噴出ノズル6内に逆流又は残存したスープ4を完全排除することが可能なので、衛生的で且つ美味なスープ4の加熱を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミルク、コーヒー、具入りスープ等の液状食品を蒸気により加熱する液状食品加熱装置及びその液状食品加熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液状食品中に直接挿入した蒸気噴出ノズルから吐出する蒸気によって、液状食品を加熱する液状食品加熱装置が知られている(例えば、特許文献1)。この液状食品加熱装置71は、図21に示すように、容器72内に収容された液状食品(例えばスープ)73に直接挿入し蒸気を吐出する蒸気噴出ノズル74と、液状食品73に直接挿入する温度センサー75と、蒸気の吐出制御を行うマイクロコンピューターとを備えている。また、蒸気噴出ノズル74の一端部側には、容器72の開口部を閉塞するための蓋76が備えられている。さらに、液状食品加熱装置71は、蒸気噴出ノズル74及び温度センサー75を洗浄する洗浄手段77が備えられ、この洗浄手段77には、蒸気や水を噴出する洗浄用噴出口が設けられている。
【0003】
次に、上記液状食品加熱装置71の加熱動作を説明する。液状食品加熱装置71は、温度センサー75で計測された液状食品73の温度に応じて、マイクロコンピューターが蒸気の吐出制御を行い、蒸気噴出ノズル74から蒸気が吐出する。そして、液状食品73の温度が予め設定された温度に達すると、マイクロコンピューターから蒸気吐出停止信号が出力され、蒸気噴出ノズル74の蒸気の吐出が停止する。液状食品加熱装置71による液状食品73の加熱が完全に停止した後、洗浄手段77に設けられた洗浄用噴出口から蒸気や水を交互に噴出することによって、使用後の蒸気噴出ノズル74及び温度センサー75の洗浄を行う。
【0004】
また、蒸気噴出ノズルを液状食品から引き抜く毎に、ノズル洗浄手段の洗浄ヘッドから水を流して蒸気噴出ノズルの外表面に付着した液状食品を洗い流し、除去するようにした液状食品加熱装置が知られている(例えば、特許文献2)。このノズル洗浄手段の洗浄ヘッドは、蒸気噴出ノズルの外側に同芯的かつ上端側が閉塞されて下端側が解除するように設けられている。これにより、液状食品の加熱を終了した後、蒸気噴出ノズルを引き抜く毎に蒸気噴出ノズルの外表面を自動的に洗浄することによって、種々の液状食品を能率良く、美味且つ衛生的に加熱することができる
さらに、蒸気弁を閉じて蒸気噴出ノズルへの蒸気の供給を遮断すると同時に蒸気弁から下流の蒸気噴出ノズルを含めた蒸気吐出管を大気と連通するよう動作する通気弁を設けた液状食品加熱装置が知られている(例えば、特許文献3)。これにより、蒸気吹き込みによる液状食品加熱直後の蒸気吐出管路内の負圧発生を防止して、蒸気噴出ノズル内への液状食品の逆流を防止することによって、種々の液状食品を美味、且つ衛生的に加熱することができる。
【特許文献1】特開2003−70644号公報
【特許文献2】特開平7−100063号公報
【特許文献3】特開平6−34359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の液状食品加熱装置では、蒸気噴出ノズルにこびり付いた液状食品を完全に除去できない場合があり、衛生面に悪影響を与えてしまうという問題があった。また、異なる種類の液状食品を連続的に加熱する場合等において、蒸気噴出ノズルにこびり付いた液状食品が次に加熱される液状食品内に排出されてしまい、液状食品の味が損なわれてしまうという問題があった。
【0006】
また、特許文献3に記載の液状食品加熱装置は、大気と連通するようにしても蒸気噴出ノズル内へ液状食品が多少逆流してしまったり、蒸気噴出ノズル内に液状食品が残存してしまうおそれがある。これにより、液状食品の衛生面に悪影響を与えてしまうという問題があった。また、異なる種類の液状食品を連続的に加熱する場合等において、蒸気噴出ノズル内に逆流又は残存した液状食品が次に加熱される液状食品内に排出されてしまい、液状食品の味が損なわれてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蒸気噴出ノズルにこびり付いた液状食品や蒸気噴出ノズル内に逆流又は残存した液状食品を完全排除することにより、衛生的で且つ美味な状態を保ったまま液状食品の加熱を行うことが可能な液状食品加熱装置及びその液状食品加熱方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の液状食品加熱装置は、液状食品用容器の容器本体内に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープ等の液状食品内に蒸気噴出ノズルを挿入し、該蒸気噴出ノズルから蒸気を吐出して該液状食品を加熱する液状食品加熱装置において、前記蒸気噴出ノズルは、少なくとも1つ以上の蒸気噴出孔が設けられたノズル部と、前記液状食品用容器の上方に固定され、下部が該ノズル部の上部と嵌脱可能なノズル固定部とから構成され、前記ノズル部を係脱自在に保持するノズル台と、前記ノズル台に係合された前記ノズル部の上部が前記ノズル固定部の下部に嵌合するよう、前記ノズル台を移動させるノズル台可動装置と、前記ノズル固定部に嵌合した前記ノズル部のうち少なくとも前記蒸気噴出孔が前記液状食品用容器の内側に入るよう、該液状食品用容器を該ノズル固定部に対して上下動させる容器昇降装置とを有する構造である。
【0009】
請求項1の発明によれば、まず、ノズル台可動装置が駆動することによって、ノズル部を係脱自在に保持したノズル台が液状食品用容器の上方に固定されたノズル固定部に向かって動き、ノズル固定部の下部にノズル部の上部が嵌合される。次に、容器昇降装置が駆動することによって液状食品用容器が上昇し、ノズル固定部に嵌合したノズル部のうち少なくとも蒸気噴出孔が液状食品用容器の内側に入るように蒸気噴出ノズルが液状食品用容器内に自動的に挿入される。続いて、蒸気噴出ノズルの噴出孔から液状食品内に向かって蒸気が吐出し、液状食品が加熱される。さらに、液状食品の加熱条件を満たし、蒸気噴出ノズルから吐出する蒸気を停止させる直前に、又は吐出する蒸気を停止させると同時に、ノズル台可動装置によってノズル台を移動させて、ノズル固定部の下部とノズル部の上部との嵌合箇所を解除した後、液状食品の加熱を終了する。その後、容器昇降装置が駆動することにより、液状食品用容器と、液状食品用容器内に挿入された状態のノズル部とがノズル固定部の下部から離れるように、液状食品用容器がノズル固定部に対して下降し、ノズル固定部からノズル部が自動的に抜ける。最後に、ノズル台可動装置によってノズル部が脱離した後のノズル台がノズル固定部から遠ざかるように動き、もとの待機位置に戻る。
【0010】
請求項2に記載の液状食品加熱装置は、前記ノズル台可動装置は、前記ノズル台可動装置は、第1可逆転駆動源と、前記第1可逆転駆動源の回転運動により無端チェーン、無端ベルト等の無端伝達部材を回転させる第1動力伝達機構と、前記ノズル台を支持し、前記無端伝達部材の回転に連動して該ノズル台を前記ノズル固定部に向かうように、又は該ノズル固定部から遠ざかるように動かす第1支持部材とを有する構造となっている。
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1の作用に加え、第1可逆転駆動源の回転運動が第1動力伝達機構に伝わり、この第1動力伝達機構によって第1無端伝達部材が回転する。そして、この第1無端伝達部材の回転に連動して、ノズル台が第1支持部材によってノズル固定部に向かうように、又はノズル固定部から遠ざかるように動く。以上からなるノズル台可動装置の作用により、ノズル部の上部がノズル固定部の下部に対して嵌合又は脱離することができる。
【0012】
請求項3に記載の液状食品加熱装置は、請求項1又は請求項2に記載の液状食品加熱装置において、前記容器昇降装置は、第2可逆転駆動源と、前記第2可逆転駆動源の回転運動により無端チェーン、無端ベルト等の無端伝達部材を上下方向に回転させる第2動力伝達機構と、前記液状食品用容器を載置する容器載置部と、前記容器載置部を支持し、前記無端伝達部材の回転に連動して該容器載置部を上下動させる第2支持部材とを有する構造となっている。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の作用に加え、第2可逆転駆動源の回転運動が第2動力伝達機構に伝わり、この第2動力伝達機構によって無端伝達部材が上下方向に回転する。そして、この無端伝達部材の回転に連動して、容器載置部が第2支持部材によって上下動する。以上からなる容器昇降装置の作用により、容器載置部に載置された液状食品用容器がノズル固定部に対して上下動することができる。
【0014】
請求項4に記載の液状食品加熱装置は、請求項1又は請求項3記載の液状食品加熱装置において、前記容器昇降装置は、前記第2支持部材が前記無端伝達部材の下端部側に移動するとき該第2支持部材を傾斜させる容器傾斜部を有する構造となっている。
【0015】
請求項4の発明によれば、請求項1又は請求項3の作用に加え、容器傾斜部によって容器載置部及び容器載置部に載置された液状食品用容器を自動的に傾斜させることができる。これにより、液状食品用容器の容器本体内に収容された液状食品を別の容器に移す動作を自動的に行えるので、手間を省くことができる。また、容器本体内に収容された液状食品を自動的に別の容器に移すことが可能なので、別の容器に移す動作時に加熱後の液状食品を零してしまったり、零した加熱後の液状食品や熱くなった容器本体によって使用者が火傷したりすることを防止できる。
【0016】
請求項5に記載の液状食品加熱装置は、請求項3又は請求項4に記載の液状食品加熱装置において、前記容器載置部は、前記容器本体の上端鍔部を保持する鍔保持部を有する構造となっている。
【0017】
請求項5の発明によれば、請求項3又は請求項4の作用に加え、鍔保持部によって容器本体の上端鍔部が保持されることにより、容器載置部から液状食品用容器がずれたり、容器載置部及び容器載置部に載置された液状食品用容器を傾斜させた際に、液状食品用容器が容器載置部から抜け落ちたりすることを防止できる。
【0018】
請求項6に記載の液状食品加熱装置は、請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の液状食品加熱装置の前記液状食品用容器が、前記液状食品を収容する上面開口の容器本体と、前記容器本体の上面開口を閉塞する蓋と、前記蓋の開封方向の上流側に外方へ向かって突出して配置され、少なくとも1つ以上のフック用孔が設けられている摘み片と、を有する構造となっている。
【0019】
請求項6の発明によれば、請求項1乃至請求項5の何れか一項の作用に加え、まず液状食品用容器の蓋の開封方向の上流側に外方へ向かって突出して配置された摘み片を開封方向の上流側から下流側に向かってに移動させる。この摘み片の移動に伴って、蓋が開封方向へ誘導され開封される。摘み片を開封方向の上流側から下流側に向かって移動させる手段としては、摘み片を手指で直に摘んで移動させる手動による手段、又は、フック等の機械的開封手段をフック用孔に挿通させて移動させる機械的手段が挙げられる。これにより、液状食品用容器の蓋の開封手段は、手動による開封手段のみならず、フック等の機械的開封手段をフック用孔に挿通させて蓋を開封することができる。したがって、蓋の開封動作も自動化できるので、一層手間を省くことができる。
【0020】
請求項7に記載の液状食品加熱装置は、請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の液状食品加熱装置において、前記液状食品用容器の位置を検知する容器位置検知手段と、該容器位置検知手段の検知容器位置に基づき容器位置を制御する制御手段とを有する構造となっている。
【0021】
請求項7の発明によれば、請求項1乃至請求項6の何れか一項の作用に加え、容器昇降装置によって容器載置部に載置された液状食品用容器を上下動させる際に、液状食品用容器の位置を容器位置検知手段によって検知し、液状食品用容器がノズル固定部に対して適切な位置に移動するように制御手段によって制御できる。
【0022】
請求項8に記載の液状食品加熱装置は、請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の液状食品加熱装置において、前記ノズル台の位置を検知するノズル台位置検知手段と、該ノズル台位置検知手段の検知ノズル台位置に基づきノズル台位置を制御する制御手段とを有する構造となっている。
【0023】
請求項8の発明によれば、請求項1乃至請求項7の何れか一項の作用に加え、ノズル台に係合されたノズル部の上部がノズル固定部の下部に嵌合するよう、ノズル台を移動する際にノズル台の位置をノズル台位置検知手段によって検知し、ノズル台がノズル固定部に対して適切な位置に移動するように制御手段によって制御できる。
【0024】
請求項9に記載の液状食品加熱装置は、請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の液状食品加熱装置において、前記ノズル部は、外周側面に少なくとも1つ以上の突起部を有する構造となっている。
【0025】
請求項9の発明によれば、請求項1乃至請求項8の何れか一項の作用に加え、
ノズル部の外周側面に突起部を設けることによって、ノズル部が液状食品用容器の蓋を貫通し挿入した際に、蓋に蒸気抜き口が形成され、容器本体内の圧力を調整することができる。
【0026】
請求項10に記載の液状食品加熱装置の液状食品加熱方法は、液状食品用容器の容器本体内に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープ等の液状食品を蒸気噴出ノズルから吐出する蒸気によって加熱する液状食品加熱装置の液状食品加熱方法において、ノズル台に係脱自在に保持された前記蒸気噴出ノズルを構成するノズル部の上部が前記蒸気噴出ノズルを構成するノズル固定部の下部に嵌合するよう、ノズル台可動装置によって該ノズル台を移動させる第1ノズル台移動工程と、前記第1ノズル台移動工程の後に、前記ノズル固定部に嵌合した前記ノズル部のうち少なくとも蒸気噴出孔が液状食品用容器の内側に入るよう、容器昇降装置によって、該液状食品用容器を該ノズル固定部に対して上昇させる液状食品用容器上昇工程と、前記液状食品用容器上昇工程の後に、前記蒸気噴出ノズルから蒸気を吐出して前記液状食品を加熱する液状食品加熱工程と、前記蒸気噴出ノズルから吐出する蒸気を停止させる直前に、又は吐出する蒸気を停止させると同時に、前記ノズル固定部の下部と該ノズル部の上部との嵌合箇所を解除するよう、前記ノズル台可動装置によって該ノズル台を移動させる第2ノズル台移動工程と、前記第2ノズル台移動工程の後に、前記液状食品用容器と、該液状食品用容器内に挿入された状態で前記ノズル固定部の下部との嵌合箇所が解除された前記ノズル部とが前記ノズル固定部の下部から離れるよう、前記容器昇降装置によって、該液状食品用容器を該ノズル固定部に対して下降させる液状食品用容器下降工程と、前記液状食品用容器下降工程の後に、前記ノズル台が前記ノズル固定部から離れるよう、前記ノズル台可動装置によって該ノズル台を移動させる第3ノズル台移動工程と、を有する。
【0027】
請求項10の発明によれば、まず、第1ノズル台移動工程において、ノズル台可動装置が駆動することによりノズル台が移動し、ノズル固定部の下部にノズル部の上部が嵌合される。次に、液状食品用容器上昇工程において、容器昇降装置が駆動することにより液状食品用容器が上昇し、ノズル固定部に嵌合したノズル部のうち少なくとも蒸気噴出孔が液状食品用容器の内側に入るように蒸気噴出ノズルが液状食品用容器内に自動的に挿入される。続いて、液状食品加熱工程において、蒸気噴出ノズルから液状食品内に向かって蒸気が吐出し、液状食品が加熱される。さらに、第2ノズル台移動工程において、蒸気噴出ノズルから吐出する蒸気を停止させる直前に、又は吐出する蒸気を停止させると同時に、ノズル台可動装置によってノズル台を移動させて、ノズル固定部の下部とノズル部の上部との嵌合箇所を解除した後、液状食品の加熱を終了する。液状食品の加熱終了後、液状食品用容器下降工程において、容器昇降装置が駆動することにより、液状食品用容器と、液状食品用容器内に挿入された状態のノズル部とがノズル固定部の下部から離れるように、液状食品用容器がノズル固定部に対して下降し、ノズル固定部からノズル部が自動的に抜ける。最後に、第3ノズル台移動工程において、ノズル台可動装置が駆動することにより、ノズル部が脱離した後のノズル台がノズル固定部から離れるように移動し、もとの待機位置に戻る。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、液状食品用容器内の液状食品を加熱する毎に、蒸気噴出ノズルのノズル部の上部が自動的にノズル固定部の下部と嵌脱される。これにより、ノズル部が自動的に交換され、蒸気噴出ノズルにこびり付いた液状食品を完全排除することが可能なので、衛生的で且つ美味な液状食品の加熱を行うことができる。
【0029】
また、請求項1の発明によれば、蒸気噴出ノズルから吐出する蒸気を停止させる直前に、又は吐出する蒸気を停止させると同時に、ノズル固定部とノズル部との嵌合箇所を解除するので、蒸気吹き込みによる液状食品加熱直後の蒸気噴出ノズル内の負圧発生を防止できる。蒸気吐出管路内の負圧発生を防止することにより、ノズル部内に液状食品が逆流することを防止できる。もし、ノズル部内に液状食品が逆流した場合であっても、液状食品が逆流したノズル部はノズル固定部から脱離されるので、蒸気噴出ノズル内に逆流又は残存した液状食品を完全排除することが可能である。これにより、衛生的で且つ美味な液状食品の加熱を行うことができる。
【0030】
さらに、請求項1の発明によれば、ノズル台をノズル固定部に向かって、又は遠ざかるように移動させること、自動的にノズル部の上部をノズル固定部の下部に嵌脱すること、液状食品用容器内の液状食品を加熱すること、液状食品用容器内の液状食品の加熱を終了させること、液状食品用容器を上昇及び下降させること、及びノズル固定部からノズル部を抜くことの全てを自動で行うことが可能なので、手動によって行う動作を減少させることができ、手間を削減ことができる。
【0031】
請求項10の発明によれば、液状食品用容器内の液状食品を加熱する毎に、蒸気噴出ノズルのノズル部の上部が自動的にノズル固定部の下部と嵌脱される。これにより、ノズル部が自動的に交換され、蒸気噴出ノズルにこびり付いた液状食品を完全排除することが可能なので、衛生的で且つ美味な液状食品の加熱を行うことができる。
【0032】
また、請求項10の発明によれば、第2ノズル台移動工程において、蒸気噴出ノズルから吐出する蒸気を停止させる直前に、又は吐出する蒸気を停止させると同時に、ノズル固定部とノズル部との嵌合箇所を解除するので、蒸気吹き込みによる液状食品加熱直後の蒸気噴出ノズル内の負圧発生を防止できる。蒸気吐出管路内の負圧発生を防止することにより、ノズル部内に液状食品が逆流することを防止できる。もし、ノズル部内に液状食品が逆流した場合であっても、液状食品が逆流したノズル部はノズル固定部から脱離されるので、蒸気噴出ノズル内に逆流又は残存した液状食品を完全排除することが可能である。これにより、衛生的で且つ美味な液状食品の加熱を行うことができる。
【0033】
さらに、請求項10の発明によれば、第1ノズル台移動工程、液状食品用容器上昇工程、液状食品加熱工程、第2ノズル台移動工程、液状食品用容器下降工程及び第3ノズル台移動工程の全てを自動で行うことが可能なので、手動によって行う工程を減少させることができ、手間を削減ことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1乃至図20は本発明の第1実施形態を示すもので、図1は第1実施形態に係る液状食品加熱装置の全体概略図、図2は第1実施形態に係る蒸気噴出ノズルを示す正面断面図、図3は第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図、図4は第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す平面図、図5は第1実施形態に係る鍔保持部と容器本体の概略断面図、図6は第1実施形態に係る第1支持部材及びノズル台を示す斜視図、図7は第1実施形態に係る液状食品加熱装置の制御回路を示すブロック図、図8は第1実施形態に係る液状食品加熱装置による液状食品加熱制御を示すフローチャート、図9は第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図、図10は第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図、図11は第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図、図12は第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図、図13は第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図、図14は本発明の第1実施形態に係る液状食品加熱装置による液状食品加熱制御を示すフローチャート、図15は本発明の第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図、図16は第1実施形態に係る液状食品用容器を示す正面断面図、図17は第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置の他の一例を示す概略断面図、図18は第1実施形態に係る蒸気噴出ノズルの他の一例を示す正面断面図、図19は第1実施形態に係る蒸気噴出ノズルの他の一例を示す正面断面図、図20は第1実施形態に係る蒸気噴出ノズルの他の一例を示す正面断面図である。
【0035】
本実施形態の液状食品加熱装置1は、図1に示すように、液状食品用容器2と、液状食品(本実施形態ではスープ4)内に挿入した後に噴出孔6aから蒸気6bを吐出してスープ4を加熱する蒸気噴出ノズル6と、蒸気開閉弁7が設けられた蒸気配水管8を介して蒸気噴出ノズル6と接続されたボイラ9と、ポンプ10を介してボイラ9と接続された水タンク11とから主に構成されている。また、液状食品用容器2は、容器本体5と、容器本体5の上面開口を閉塞する蓋3と、容器本体5に収容されたスープ4とから構成されている。また、本実施形態の液状食品加熱装置1は、図7に示すように、マイクロコンピューター(以下、「マイコン」という)60を有している。さらに、本実施形態の液状食品加熱装置1は、蒸気噴出ノズル6の噴出孔6aから蒸気6bが吐出する際の時間を検知する時間検知手段(本実施形態ではタイマー54)を有する。
【0036】
このように構成された液状食品加熱装置1の作用について説明する。まず、ポンプ10によって水タンク11からボイラ9に水を給送する。給送された水はボイラ9によって加熱され蒸気6bを生成し、蒸気配水管8を通った蒸気6bが蒸気開閉弁7を介して蒸気噴出ノズル6に供給される。供給された蒸気6bは、蒸気噴出ノズル6の噴出孔6aから容器本体5に収容されたスープ4内に吐出され、スープ4が加熱される。尚、蒸気噴出ノズル6による蒸気6bの吐出開始及び終了はマイコン60によって制御されている。
【0037】
以上のような液状食品加熱装置1の構成及び作用は周知のものであり、本実施形態の特徴的構成は、液状食品加熱装置1の蒸気噴出ノズル6、ノズル台40、容器昇降装置20、及びノズル台可動装置31の各構造及びその作用にある。
【0038】
まず、蒸気噴出ノズル6の構造を図2を参照して説明する。蒸気噴出ノズル6は、少なくとも1つ以上(本実施形態では8つ)の噴出孔6aが設けられたノズル部13と、液状食品用容器2の上方に固定されているノズル固定部14とから構成されている。
【0039】
ノズル部13は、上面開口のお椀形状に成形された上部13aと、ノズル部1スープ4内に挿入する際に蓋3を突き破ることができるよう端が鋭角に成形された下部13bとから構成されている。
【0040】
ノズル固定部14は、円錐台の形状をした下部14aと、円柱の形状をした上部14bとから構成されている。ノズル固定部14の下部14aは、ノズル部13の上部13aと嵌合され、これにより、蒸気配水管8、ノズル部13、及びノズル固定部14は連通する。また、スープ4の加熱終了後や嵌合箇所の嵌合不具合等の場合において、下部14aの嵌合箇所を解除してノズル部13の上部13aを脱離することができる。さらに、上部14bは、蒸気配水管8を介して蒸気開閉弁7と接続され、また、上部14bの外周には螺旋状のバネ14cが捲回されている。
【0041】
次に、容器昇降装置20の構造を図3乃至図5を参照して説明する。本実施形態の液状食品加熱装置1の容器昇降装置20は、図3及び図4に示すように、容器本体5を載置する容器載置部21と、第2動力伝達機構である一対のスプロケット22に巻き掛けられた無端チェーン(無端伝達部材)23と、容器載置部21とスプロケット22との間に設けられ、無端チェーン23の回転に伴い容器載置部21を上昇及び下降させる第2支持部材24と、容器載置部21及び容器載置部21に載置された容器本体5を傾斜させる容器傾斜部25と、第2可逆転駆動源である第2モータ26とから主に構成されている。
【0042】
容器載置部21は、図4に示すように、円形状の輪になるようにワイヤで形成されたものであり、容器本体5の鍔5aがこの周縁上に載置するようになっている。また、容器載置部21の周縁の一部には、容器載置部21に載置した容器本体5内のスープ4を別の容器に移し易くするために、注ぎ口用載置部21aが設けられている。また、容器載置部21は、容器載置部21から容器本体5がずれたり、容器載置部21及び容器載置部21に載置された容器本体5を傾斜させた際に容器本体5が容器載置部21から抜け落ちたりすることを防止するために、図4及び図5に示すように、容器本体5の鍔5aを保持する鍔保持部21bを有する。
【0043】
一対のスプロケット22は、図3及び図4に示すように、上下に無端チェーン23が巻き掛けられたスプロケット22(以下、「上下のスプロケット22a」という)が4組と、左右に無端チェーン23が巻き掛けられたスプロケット22(以下、「左右のスプロケット22b」という)が1組とから構成されている。
【0044】
4組の上下のスプロケット22aは、図4に示すように、2組毎に回転軸27a又は27bで連結されている。この回転軸27aと27bとの間は、無端チェーン23が巻き掛けられた左右のスプロケット22bによって連結されており、一方の回転軸の動きが他方の回転軸に伝わるようになっている。また、図4に向かって右側に示される2組の上下のスプロケット22aのうち、一方の上下のスプロケット22aは第2モータ26と接続され、この第2モータ26の駆動により回転するようになっている。即ち、第2モータ26を駆動させると、図4に向かって右側に示される2組の上下のスプロケット22aのうち、一方の上下のスプロケット22aが回転し、同時に回転軸27aで連結している他方の上下のスプロケット22aも回転するようになっている。尚、各スプロケット22の回転の開始及び停止は、マイコン60によって制御されている。
【0045】
無端チェーン23は、図3及び図4に示すように、多数のリンク28と、各リンク28同士を回転自在に連結する多数の連結ピン29とからなる。
【0046】
第2支持部材24は、図4に示すように、ワイヤ24a,24b,24c,24d及び24eから構成されている。このワイヤ24a,24b,24c,24d及び24eについて以下に説明する。
【0047】
ワイヤ24aは、その一端側が容器載置部21と注ぎ口用載置部21aとの節目となる箇所A1,A2において溶接されている。また、ワイヤ24aの中央付近は、ワイヤ24cの両端と接合箇所A3,A4において溶接されている。更には、ワイヤ24aの他端側は、図4に向かって左側に示される2組の上下のスプロケット22aに巻き掛けられた無端チェーン23にスプロケット22aの邪魔にならないように固着することによって、無端チェーン23と連動するようになっている。尚、ワイヤ24aの他端側にはカラー30を取り付けているので、容器載置部21の支持力が増加している。
【0048】
ワイヤ24bは、その一端が容器載置部21と接合箇所A5において溶接され、またワイヤ24cと接合箇所A6,A7において溶接されている。
【0049】
ワイヤ24cは、ワイヤ24a側から図4に向かって右側に示される2組の上下のスプロケット22a側に向かってコの字の形状をなすように延在して設けられている。このワイヤ24cの両端は、ワイヤ24aと接合箇所A3,A4において溶接され、またワイヤ24bと接合箇所A6,A7において溶接され、更にはワイヤ24eと接合箇所A8,A9において溶接されている。そして、ワイヤ24cの図4に向かって右端部は、ワイヤ24dに溶接されることなく支持されている。
【0050】
ワイヤ24dの一端側は、ワイヤ24cの図4に向かって右端部を支持している。また、ワイヤ24dの他端側は、図3に向かって右側に示される2組の上下のスプロケット22aに巻き掛けられた無端チェーン23に、スプロケット22aの邪魔にならないように固着することによって、無端チェーン23と連動するようになっている。
【0051】
ワイヤ24eは、ワイヤ24cと接合箇所A8,A9において溶接され、また容器傾斜部25に溶接されることなく支持されている。
【0052】
容器傾斜部25は、図4に示すように、回転軸27bと直角を成して一体に設けられ、ワイヤ24eを支持している。即ち、容器傾斜部25には、回転軸27bを通じて図3に向かって左側に示される2組の上下のスプロケット22aの回転が伝達される。そして、容器傾斜部25は、この伝達された動きを容器傾斜部25が支持しているワイヤ24eに伝達することができる。
【0053】
続いて、ノズル台可動装置31とノズル台40の構造を図3、図4、及び図6を参照して説明する。本実施形態の液状食品加熱装置1のノズル台可動装置31は、図3及び図4に示すように、第1動力伝達機構である一対のスプロケット32と、無端伝達部材である無端チェーン33と、無端チェーン33の回転に伴って後述するノズル台40に係合されたノズル部13の上部13aがノズル固定部14の下部14aに嵌合するよう、ノズル台40を移動させる第1支持部材34と、第1可逆転駆動源である第1モータ35とから主に構成されている。
【0054】
一対のスプロケット32は、図3及び図4に示すように、左右に無端チェーン33が巻き掛けられている。また、図3及び図4に向かって右側のスプロケット32には第1モータ35が接続され、この第1モータ35の駆動によりスプロケット32は回転するようになっている。尚、各スプロケット32の回転の開始及び停止は、マイコン60によって制御されている。
【0055】
無端チェーン33は、上述した無端チェーン23と同様に、多数のリンク28と、各リンク28同士を回転自在に連結する多数の連結ピン29とからなる。
【0056】
第1支持部材34は、図6に示すように、ノズル台40側の一方の面に4つの突起34aと、ノズル台40と連結するためにバネ45が捲回されている突起34bとを有している。また、第1支持部材34の他方の面は、無端チェーン33にスプロケット32の邪魔にならないように固着することによって、無端チェーン33と連動するようになっている。
【0057】
また、ノズル台40は、図6に示すように、蒸気噴出ノズル6のノズル部13を係脱自在に保持する底板部40aと、この底板部40aの一辺に底板部40aに対して直角を成すように設けられた背板部40bとからなる。底板部40aは、ノズル部13を係脱自在に保持するために、鍵穴形状の係合孔41を有する。また、背板部40bは、第1支持部材34の突起34aが挿入可能な楕円形状の貫通孔42と、第1支持部材34と連結するためにバネ45が捲回されている突起43を有する。
【0058】
以上のように構成された第1支持部材34とノズル台40との間は、バネ45によって連結されている。さらに、第1支持部材34及びノズル台40がノズル固定部14に向かって移動する際に、最適な停止位置を超えないようにするため、図3に向かって左側に示される2組の上下のスプロケット22a側に、ノズル台ストッパー40cが設けられている。
【0059】
尚、本実施形態の容器昇降装置20は、図3に示すように、液状食品用容器2の位置を検知する第1乃至第3容器位置検知手段46,47,48を有する。第1容器位置検知手段46は液状食品用容器2の待機位置Y1を、第2容器位置検知手段47は液状食品用容器2の加熱位置Y2を、第3容器位置検知手段48は液状食品用容器2の注ぎ位置Y3を、それぞれ検知する。これにより、第1乃至第3容器位置検知手段46,47,48の検知信号に基づき、マイコン60により液状食品用容器2の位置は制御されている。
【0060】
また、本実施形態のノズル台可動装置31は、図3に示すように、第1支持部材34及びノズル台40の位置を検知する第1乃至第3ノズル台位置検知手段49,50,51と、ノズル台40の底板部40aにノズル部13が保持されているか否かを検知するノズル部検知手段52とを有する。即ち、第1ノズル台位置検知手段49は第1支持部材34及びノズル台40の待機位置N1を、第2ノズル台位置検知手段50はノズル部13とノズル固定部14とが嵌合する際の位置N2を、第3ノズル台位置検知手段51はノズル部13とノズル固定部14との嵌合を解除する位置を、それぞれ検知する。これにより、第1乃至第3ノズル台位置検知手段49,50,51の検知信号に基づき、マイコン60により第1支持部材34及びノズル台40の位置は制御されている。
【0061】
マイコン60は、図7に示すように、CPU61とメモリ62とを備えている。このCPU61には、第1乃至第3容器位置検知手段46,47,48の計測信号、第1乃至第3ノズル台位置検知手段49,50,51の計測信号、タイマー54の計測信号、及び起動スイッチ55からの起動信号が入力され、各制御信号に基づき容器昇降装置20、ノズル台可動装置31、及び蒸気開閉弁7の開閉を制御するようになっている。また、メモリ62には、容器位置Y1,Y2,Y3、ノズル台位置N1,N2,N3、最適蒸気吐出時間T1、最適注ぎ時間T2等の各種情報が格納されている。
【0062】
これらCPU61とメモリ62とを備えているマイコン60は、図7に示すように、スープ4中に直接挿入した蒸気噴出ノズル6から吐出された蒸気6bによって、スープ4を加熱する過程を制御する。
【0063】
以下、液状食品加熱装置1によってスープ4を加熱し、加熱後のスープ4が収容された液状食品用容器2をそのまま持ち帰る際の処理を図8のフローチャートに基づいて説明する。即ち、マイコン60には容器位置Y1,Y2、ノズル台位置N1,N2,N3、最適蒸気吐出時間T1に基づいた設定信号が入力され(S1)、起動スイッチ55がオンしたか否かをマイコン60が常時監視している(待機状態)(S2)。
【0064】
ステップS2において、起動スイッチ55がオンしたとマイコン60が判断したときは、ノズル台可動装置31が駆動することによって、ノズル部13の上部13aがノズル固定部14の下部14aに嵌合するよう、第1支持部材34及びノズル台40がノズル固定部14に向かって(図9に示す白抜き矢印の方向)移動し始める(S3)。そして、第1支持部材34及びノズル台40がノズル台位置N2に到達するまで第2ノズル台位置検知手段50によって監視する(S4)。ステップS4において、第1支持部材34及びノズル台40がノズル台位置N2に到達していれば、第1支持部材34及びノズル台40は、図10に示すようにノズル台位置N2で停止する。一方、第1支持部材34及びノズル台40がノズル台位置N2に到達していなければ、ステップS4に戻る。
【0065】
ステップS4の後、ノズル台40の底板部40aにノズル部13が保持されているかをノズル部検知手段52によって検知する(S5)。ステップS5において、ノズル部13がノズル台40の底板部40aに保持されていれば、ノズル台可動装置31を駆動することによって、図10に示す黒矢印の方向にノズル台40が上昇し、これに伴って蒸気噴出ノズル6のノズル部13が上昇する。そして、図11に示すように、ノズル固定部14の下部14aにノズル部13の上部13aが嵌合される(S6)。
【0066】
一方、ステップS5において、ノズル部13がノズル台40の底板部40aに保持されていなければ、ノズル台可動装置31を駆動させて、第1支持部材34及びノズル台40がノズル固定部14から遠ざかるように(図9に示す白抜き矢印の逆方向)移動する(S7)。そして、第1支持部材34及びノズル台40が待機位置N1に到達するまで第1ノズル台位置検知手段49によって監視する(S8)。ステップS8において、第1支持部材34及びノズル台40が待機位置N1に到達するとスープ4の加熱処理を終了する。また、第1支持部材34及びノズル台40が待機位置N1に到達していなければ、ステップS8に戻る。
【0067】
ステップS6の後、容器昇降装置20を駆動することによって液状食品用容器2が上昇し始め(図11に示す黒矢印の方向)(S9)、液状食品用容器2が容器位置Y2に到達するまで第2容器位置検知手段47によって監視する(S10)。ステップS10において、液状食品用容器2が容器位置Y2に到達していれば、図12に示すように、蒸気開閉弁7を開き、スープ4の加熱を開始する(S11)。一方、液状食品用容器2が容器位置Y2に到達していなければ、ステップS10に戻る。
【0068】
ステップS11の後、スープ4の加熱を開始してからの時間が最適蒸気吐出時間T1に到達するまでの吐出時間をタイマー54によって監視する(S12)。ステップS12において、吐出時間が最適蒸気吐出時間T1に到達していれば、ノズル台可動装置31を駆動して、ノズル部13の上部13aとノズル固定部14の下部14aとの嵌合(連結)箇所を解除するようにノズル台40を移動させる(S13)。一方、吐出時間が最適蒸気吐出時間T1に到達していなければ、ステップS12に戻る。
【0069】
ステップS13の後、ノズル部13とノズル固定部14との嵌合を解除する位置N3に到達するまで第3位置検知手段51によって監視する(S14)。ステップS14において、ノズル部13とノズル固定部14との嵌合を解除する位置N3に到達していれば、蒸気開閉弁7を閉じて、スープ4の加熱を終了する(S15)。一方、ノズル部13とノズル固定部14との嵌合を解除する位置N3に到達していなければ、ステップS14に戻る。
【0070】
ステップS15の後、容器昇降装置20を駆動することによって液状食品用容器2が下降し始め(図12に示す黒矢印の方向)(S16)、液状食品用容器2の待機位置Y1に到達するまで第1容器位置検知手段46によって監視する(S17)。ステップS17において、液状食品用容器2の待機位置Y1に到達していれば、ノズル台可動装置31を駆動し、第1支持部材34及びノズル台40がノズル固定部14から遠ざかるように(図12に示す白抜き矢印の方向)移動する(S18)。一方、液状食品用容器2の待機位置Y1に到達していなければ、ステップS17に戻る。
【0071】
ステップS18の後、第1支持部材34及びノズル台40の待機位置N1に到達するまで第1ノズル台位置検知手段49によって監視する(S19)。ステップS19において、第1支持部材34及びノズル台40の待機位置N1に到達していれば、スープ4中に直接挿入した蒸気噴出ノズル6によるスープ4の加熱処理を終了する。一方、第1支持部材34及びノズル台40の待機位置N1に到達していなければ、ステップS19に戻る。
【0072】
以上のように構成された液状食品加熱装置1によってスープ4を加熱し、加熱後のスープ4が収容された液状食品用容器2をそのまま持ち帰る際の作用について詳細に説明する。
【0073】
まず、図9に示すように、容器載置部21にスープ4が収容された容器本体5を載置する。次に、起動スイッチ55をオンすると、ノズル台可動装置31の第1モータ35が駆動し、一対のスプロケット32が回転する。この回転と同時に、図9に示す白抜き矢印の方向に、即ちノズル部13の上部13aがノズル固定部14の下部14aに嵌合するように、第1支持部材34及びノズル台40が、ノズル固定部14に向かって移動し始める(第1ノズル台移動工程)。
【0074】
次に、第1支持部材34及びノズル台40が、図10に示す最適な停止位置に到達すると、次に、図10に示す黒矢印の方向にノズル台40が上昇し、このノズル台40の上昇に伴って蒸気噴出ノズル6のノズル部13も上昇する。そして、図11に示すように、ノズル固定部14の下部14aとノズル部13の上部13aとが嵌合する。この嵌合により、蒸気配水管8、ノズル部13、及びノズル固定部14が連通するので、蒸気配水管8を通った蒸気6bがノズル固定部14を通過してノズル部13に供給することが可能な状態となる。
【0075】
続いて、容器昇降装置20の第2モータ26が駆動する。第2モータ26が駆動すると、図4に向かって右側に示される2組の上下のスプロケット22aが図10に示す白抜き矢印の方向に回転する。この回転と同時に、図4に示す左右のスプロケット22bによって、回転軸27aの回転が回転軸27bに伝えられ、図4に向かって左側に示される2組の上下のスプロケット22aも図10に示す白抜き矢印の方向に回転し始める。
【0076】
さらに、この各上下のスプロケット22aの回転に伴って、ワイヤ24a,24dが図11に示す黒色矢印の方向に上昇し始める。そして、ワイヤ24aの上昇に伴って容器載置部21が、ワイヤ24dの上昇に伴ってワイヤ24c,24b、及び容器載置部21がそれぞれ上昇することにより、容器載置部21に載置された液状食品用容器2がノズル固定部14に向かって(図11に示す黒色矢印の方向)上昇する(液状食品用容器上昇工程)。このとき、液状食品用容器2は、ノズル固定部14に嵌合したノズル部13のうち少なくとも蒸気噴出孔6aが液状食品用容器2の内側に入るように上昇する。そして、上昇した液状食品用容器2の蓋3の一部分は、蒸気噴出ノズル6のノズル部13の下部13bによって突き破られる。これにより、蒸気噴出ノズル6のノズル部13がスープ4内に挿入される。また、この液状食品用容器上昇工程において、容器傾斜部25は、図11に示す破線矢印の方向に回転し、図12に示す位置まで移動する。
【0077】
容器載置部21に載置された容器本体5が設定された高さまで更に上昇し、蒸気噴出ノズル6のノズル部13がスープ4内に確実に挿入されたとマイコン60が判断すると、図12に示すように、蒸気噴出ノズル6の噴出孔6aからスープ4内に向かって蒸気6bの吐出を開始する(液状食品加熱工程)。これにより、スープ4が蒸気6bによって加熱される。
【0078】
そして、タイマー54によって蒸気6bが吐出する時間が検知され、最適蒸気吐出時間T1に至ったとマイコン60が判断すると、蒸気噴出ノズル6の噴出孔6aからの蒸気6bの吐出を停止する。この吐出する蒸気6bを停止させる直前に、ノズル部13とノズル固定部14との嵌合を解除するよう、ノズル台可動装置31によってノズル台40を移動させる(第2ノズル台移動工程)。その後、蒸気噴出ノズル6の噴出孔6aからの蒸気6bの吐出を停止する。
【0079】
その後、容器昇降装置20の第2モータ26を逆転駆動させて、図3に向かって右側に示される2組の上下のスプロケット22aが図12に示す白抜き矢印の方向に逆回転する。この回転と同時に、回転軸27aの回転が左右のスプロケット22bによって回転軸27bに伝えられ、図3に向かって左側に示される2組の上下のスプロケット22aも図12に示す白抜き矢印の方向に回転し始める。
【0080】
続いて、この各上下のスプロケット22aの回転に伴って、ワイヤ24a,24dが図6に示す黒色矢印の方向に下降し始める。そして、ワイヤ24a,24dの下降に伴って、容器載置部21に載置された液状食品用容器2と、液状食品用容器2内に挿入された状態でノズル固定部14との嵌合箇所が解除されたノズル部13とが、ノズル固定部14の下部14aから離れるよう、液状食品用容器2がノズル固定部14に対して(図12に示す黒色矢印の方向)下降する(液状食品用容器下降工程)。このとき、容器傾斜部25は、図12に示す破線矢印の方向に回転し、図13に示す位置まで移動する。
【0081】
最後に、ノズル台可動装置31を駆動し、第1支持部材34及びノズル台40がノズル固定部14から遠ざかるように、即ち、図12に示す斜線矢印の方向に向かって移動する(第3ノズル台移動工程)。第1支持部材34及びノズル台40が待機位置に到達すると、スープ4中に直接挿入した蒸気噴出ノズル6によるスープ4の加熱処理を終了する。
【0082】
以上からなる液状食品加熱装置1の構成、処理及び作用によって、スープ4を加熱し、加熱後のスープ4が収容された液状食品用容器2をそのまま持ち帰ることができる。更に、本実施形態の液状食品加熱装置1は、液状食品用容器2内に収容されたスープ4を別の容器に注ぎ移すことができる。この処理と作用について詳細に説明する。
【0083】
以下、液状食品用容器2内に収容されたスープ4を別の容器に注ぎ移す処理を図15のフローチャートに基づいて説明する。即ち、マイコン60には容器位置Y1,Y2,Y3、ノズル台位置N1,N2,N3、最適蒸気吐出時間T1、最適注ぎ時間T2に基づいた設定信号が入力され(S20)、図8に示すステップS2〜S19までの加熱処理を行う(S21)。尚、ステップS2〜S19までの加熱処理は、図8で説明した通りなので省略する。
【0084】
ステップS21の後、容器昇降装置20を更に駆動することによって液状食品用容器2が傾倒し始め(図15に示す黒矢印の方向)(S22)、液状食品用容器2の注ぎ位置Y3に到達するまで第3容器位置検知手段48によって監視する(S23)。ステップS23において、液状食品用容器2の注ぎ位置Y3に到達していれば、液状食品用容器2内のスープ4は別容器に注ぎ移される。一方、液状食品用容器2の注ぎ位置Y3に到達していなければ、ステップS23に戻る。
【0085】
ステップS23の後、スープ4の加熱を開始してからの時間が最適注ぎ時間T2に到達するまでをタイマー54によって監視する(S24)。ステップS24において最適注ぎ時間T2に到達していれば、容器昇降装置20を駆動することによって液状食品用容器2が逆に傾倒する(図15に示す黒矢印の逆方向)(S25)。一方、最適注ぎ時間T2に到達していなければ、ステップS24に戻る。
【0086】
ステップS25の後、液状食品用容器2の待機位置Y1に到達するまで第1容器位置検知手段46によって監視する(S26)。ステップS26において、液状食品用容器2の待機位置Y1に到達していれば、液状食品用容器2内に収容されたスープ4を別の容器に注ぎ移す処理を終了する。一方、液状食品用容器2の待機位置Y1に到達していなければ、ステップS26に戻る。
【0087】
以上のように構成された液状食品加熱装置1によって液状食品用容器2内に収容されたスープ4を別の容器に注ぎ移す際の作用について詳細に説明する。尚、スープ4中に直接挿入した蒸気噴出ノズル6によるスープ4を加熱するまでの作用は上述した通りなので、その説明を省略する。
【0088】
まず、第2モータ26を逆転駆動させ、図3に向かって右側に示される2組の上下のスプロケット22aが図16に示す白抜き矢印の方向に逆回転する。この回転と同時に、回転軸27aの回転が左右のスプロケット22bによって回転軸27bに伝えられ、図3に向かって左側に示される2組の上下のスプロケット22aも図7に示す白抜き矢印の方向に回転し始める。
【0089】
このとき、容器傾斜部25は図15に示す破線矢印の方向に傾斜し、この回転に伴って容器傾斜部25に支持されていたワイヤ24eも破線矢印の方向に移動する。これにより、ワイヤ24cの図3に向かって右端部がワイヤ24dから離れ、破線矢印の方向に移動する。即ち、水平方向に位置していたワイヤ24aとワイヤ24cは、容器傾斜部25の傾斜によって垂直方向に位置するようになる。このワイヤ24c,24eの移動に伴って、容器載置部21に載置された容器本体5が図16に示す黒色矢印の方向に傾斜する。これにより、容器本体5内に収容されたスープ4を別の容器に移すことができる。容器本体5内に収容されたスープ4を別の容器に移し終えたら、第2モータ26を駆動させ、液状食品用容器2を元の位置まで戻す。
【0090】
本実施形態の液状食品加熱装置1によれば、液状食品用容器2内のスープ4を加熱する毎に、蒸気噴出ノズル6のノズル部13が自動的にノズル固定部14に嵌脱される。これにより、ノズル部13が自動的に交換され、蒸気噴出ノズル6にこびり付いたスープ4を完全排除することが可能なので、衛生的で且つ美味なスープ4の加熱を行うことができる。
【0091】
また、本実施形態の液状食品加熱装置1によれば、第2ノズル台移動工程において、蒸気噴出ノズル6から吐出する蒸気6bを停止させる直前に、ノズル固定部14とノズル部13との嵌合箇所が解除するので、蒸気6bの吹き込みによるスープ4の加熱直後の蒸気噴出ノズル6内の負圧発生を防止できる。蒸気噴出ノズル6内の負圧発生を防止することにより、ノズル部13内にスープ4が逆流することを防止できる。もし、ノズル部13内にスープ4が逆流した場合であっても、スープ4が逆流したノズル部13はノズル固定部14から脱離することができる。これにより、蒸気噴出ノズル6内に逆流又は残存したスープ4を完全排除することが可能なので、衛生的で且つ美味なスープ4の加熱を行うことができる。
【0092】
さらに、本実施形態の液状食品加熱装置1によれば、ノズル台をノズル固定部に向かって、又は遠ざかるように移動させること(第1ノズル台移動工程、又は第3ノズル台移動工程)、自動的にノズル部13の上部13aをノズル固定部14の下部14bに嵌脱すること(第1ノズル台移動工程、又は第2ノズル台移動工程)、液状食品用容器を上昇させて液状食品用容器2内にノズル部13を挿入すること(液状食品用容器上昇工程)、液状食品用容器2内のスープ4を加熱すること(液状食品加熱工程)、液状食品用容器2内のスープ4の加熱を終了させること、液状食品用容器を下降させてノズル固定部14からノズル部13が抜くこと(液状食品用容器下降工程)、及び容器載置部21及び容器載置部21に載置された容器本体5を傾斜させることの全てを自動で行うことが可能なので、手動によって行う動作を減少させることができ、手間を削減ことができる。
【0093】
さらにまた、自動的に液状食品用容器2内に収容されたスープ4を別の容器に注ぎ移すことができるので、別の容器に移す動作時に加熱後のスープ4を零してしまったり、零した加熱後のスープ4や熱くなった容器本体5によって使用者が火傷したりすることを防止でき、手間を削減ことができる。
【0094】
尚、本実施形態では、上述したように容器昇降装置20によって容器本体5内に収容されたスープ4を別の容器に移す前に、容器本体5の上面開口を閉塞する蓋3の注ぎ口部分を開封しておくことが好ましい。開封方法としては、摘み片を手指で直に摘んで移動させる手動による手段、又は、液状食品加熱装置に予め固定して設けたフック等の機械的開封手段による方法がある。このうち機械的開封手段であるフックによって開封可能な液状食品用容器について、図16を用いて説明する。
【0095】
液状食品用容器2は、図16に示すように、液状食品であるスープ4を収容する容器本体5と、容器本体5の上面開口を閉塞する蓋3とから主に構成されている。蓋3は、開封方向(図16に示す白抜き矢印の方向)の上流側に、外方へ向かって突出して配置された摘み片3aを有している。この摘み片3aには、機械的開封手段であるフック63を挿通可能なフック用孔3bが1つ設けられている。
【0096】
このように構成された液状食品用容器31の蓋3をフック63によって開封する際の作用について、図17を用いて説明する。上述した手順で容器本体5内に収容されたスープ4の加熱が行われた後の液状食品用容器31のフック用孔3bには、フック63が挿入されるようになっている。そして、上述したように第2モータ26を逆転駆動させて図17に示す破線矢印の方向に移動した容器傾斜部25によって、液状食品用容器31が図17に示す黒色矢印の方向に傾動する。このとき、容器本体5は図17に示す黒色矢印の方向に移動するが、摘み片3aはフック63が挿通され固定されているので移動しない。これにより、容器本体5と摘み片3aを有する蓋3との接着箇所が剥がれ、蓋3が開封される。したがって、蓋3の開封動作も自動化できるので、一層手間を省くことができる。
【0097】
また、本実施形態の蒸気噴出ノズル6を構成するノズル部13は、上部13aが上面開口のお椀形状に成形され、ノズル固定部14は円錐台の形状をした下部14aと、円柱の形状をした上部14bとから構成されているが、ノズル部13の上部13aとノズル固定部14の下部14aとが嵌脱できれば、ノズル部13とノズル固定部14の形状はこれに限られない。例えば、図18に示す蒸気噴出ノズル65のように、ノズル部13に突起部66が設けられていても良い。この突起部66によって、ノズル部13が蓋3を貫通し挿入した際に、蓋3に蒸気抜き口が形成され、容器本体5内の圧力を調整することができる。また、図19に示す蒸気噴出ノズル67のように、ノズル部13の上部13aが上面開口のお椀形状で、且つノズル固定部68の上部68bが円柱形状であっても良い。さらに、図20に示す蒸気噴出ノズル69のように、ノズル固定部68の上部68bが円柱形状で、且つノズル部70の上部70aが円錐台の形状であっても良い。
【0098】
また、本実施形態では、無端伝達部材として一対のスプロケット22,32に巻き掛けられた無端チェーン23,33を用いて説明したが、これに限られない。例えば、一対のプーリに巻き掛けられた無端ベルトを用いても良い。
【0099】
また、本実施形態のワイヤ24a,24dの各他端側は、それぞれ無端チェーン23に固着させて無端チェーン23と連動するようにしているが、これに限られない。例えば、ワイヤ24a,24dの各他端側を連結ピン29のように各リンク28に挿通させることにより、無端チェーン23と連動するようにしても良い。同様に、第1支持部材34は、無端チェーン33に固着させて無端チェーン33と連動するようにしているが、これに限られない。
【0100】
さらに、本実施形態の第2ノズル台移動工程では、吐出する蒸気6bを停止させる直前に、ノズル台可動装置31によってノズル台40を移動させたが、ノズル部13内へのスープ4の逆流が防止できれば、これに限られない。例えば、吐出する蒸気6bを停止させると同時に、ノズル台可動装置31によってノズル台40を移動させて、ノズル部13とノズル固定部14との嵌合を解除するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液状食品加熱装置の全体概略図
【図2】第1実施形態に係る蒸気噴出ノズルを示す正面断面図
【図3】第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図
【図4】第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す平面図
【図5】第1実施形態に係る鍔保持部と容器本体の概略断面図
【図6】第1実施形態に係る第1支持部材及びノズル台を示す斜視図
【図7】第1実施形態に係る液状食品加熱装置の制御回路を示すブロック図
【図8】第1実施形態に係る液状食品加熱装置による液状食品加熱制御を示すフローチャート
【図9】第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図
【図10】第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図
【図11】第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図
【図12】第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図
【図13】第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図
【図14】第1実施形態に係る液状食品加熱装置による液状食品加熱制御を示すフローチャート
【図15】第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置を示す正面図
【図16】第1実施形態に係る液状食品用容器を示す正面断面図
【図17】第1実施形態に係る容器昇降装置及びノズル台可動装置の他の一例を示す概略断面図
【図18】第1実施形態に係る蒸気噴出ノズルの他の一例を示す正面断面図
【図19】第1実施形態に係る蒸気噴出ノズルの他の一例を示す正面断面図
【図20】第1実施形態に係る蒸気噴出ノズルの他の一例を示す正面断面図
【図21】本発明の従来例に係る液状食品加熱装置を示す斜視図
【符号の説明】
【0102】
1…液状食品加熱装置、2…液状食品用容器、3…蓋、4…スープ、5…容器本体、6…蒸気噴出ノズル、6a…噴出孔、6b…蒸気、13…ノズル部、14…ノズル固定部、20…容器昇降装置、21…容器載置部、31…ノズル台可動装置、40…ノズル台


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状食品用容器の容器本体内に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープ等の液状食品内に蒸気噴出ノズルを挿入し、該蒸気噴出ノズルから蒸気を吐出して該液状食品を加熱する液状食品加熱装置において、
前記蒸気噴出ノズルは、少なくとも1つ以上の蒸気噴出孔が設けられたノズル部と、前記液状食品用容器の上方に固定され、下部が該ノズル部の上部と嵌脱可能なノズル固定部とから構成され、
前記ノズル部を係脱自在に保持するノズル台と、
前記ノズル台に係合された前記ノズル部の上部が前記ノズル固定部の下部に嵌合するよう、前記ノズル台を移動させるノズル台可動装置と、
前記ノズル固定部に嵌合した前記ノズル部のうち少なくとも前記蒸気噴出孔が前記液状食品用容器の内側に入るよう、該液状食品用容器を該ノズル固定部に対して上下動させる容器昇降装置とを有する
ことを特徴とする液状食品加熱装置。
【請求項2】
前記ノズル台可動装置は、
第1可逆転駆動源と、
前記第1可逆転駆動源の回転運動により無端チェーン、無端ベルト等の無端伝達部材を回転させる第1動力伝達機構と、
前記ノズル台を支持し、前記無端伝達部材の回転に連動して該ノズル台を前記ノズル固定部に向かうように、又は該ノズル固定部から遠ざかるように動かす第1支持部材とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の液状食品加熱装置。
【請求項3】
前記容器昇降装置は、
第2可逆転駆動源と、
前記第2可逆転駆動源の回転運動により無端チェーン、無端ベルト等の無端伝達部材を上下方向に回転させる第2動力伝達機構と、
前記液状食品用容器を載置する容器載置部と、
前記容器載置部を支持し、前記無端伝達部材の回転に連動して該容器載置部を上下動させる第2支持部材とを有する
ことを特徴とする請求項1及び請求項2記載の液状食品加熱装置。
【請求項4】
前記容器昇降装置は、前記第2支持部材が前記無端伝達部材の下端部側に移動するとき該第2支持部材を傾斜させる容器傾斜部を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の液状食品加熱装置。
【請求項5】
前記容器載置部は、前記容器本体の上端鍔部を保持する鍔保持部を有する
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の液状食品加熱装置。
【請求項6】
前記液状食品用容器は、前記液状食品を収容する上面開口の容器本体と、
前記容器本体の上面開口を閉塞する蓋と、
前記蓋の開封方向の上流側に外方へ向かって突出して配置され、少なくとも1つ以上のフック用孔が設けられている摘み片と、を有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の液状食品加熱装置。
【請求項7】
前記液状食品用容器の位置を検知する容器位置検知手段と、該容器位置検知手段の検知容器位置に基づき容器位置を制御する制御手段とを有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の液状食品加熱装置。
【請求項8】
前記ノズル台の位置を検知するノズル台位置検知手段と、該ノズル台位置検知手段の検知ノズル台位置に基づきノズル台位置を制御する制御手段とを有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の液状食品加熱装置。
【請求項9】
前記ノズル部は、外周側面に少なくとも1つ以上の突起部を有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の液状食品加熱装置。
【請求項10】
液状食品用容器の容器本体内に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープ等の液状食品を蒸気噴出ノズルから吐出する蒸気によって加熱する液状食品加熱装置の液状食品加熱方法において、
ノズル台に係脱自在に保持された前記蒸気噴出ノズルを構成するノズル部の上部が前記蒸気噴出ノズルを構成するノズル固定部の下部に嵌合するよう、ノズル台可動装置によって該ノズル台を移動させる第1ノズル台移動工程と、
前記第1ノズル台移動工程の後に、前記ノズル固定部に嵌合した前記ノズル部のうち少なくとも蒸気噴出孔が液状食品用容器の内側に入るよう、容器昇降装置によって、該液状食品用容器を該ノズル固定部に対して上昇させる液状食品用容器上昇工程と、
前記液状食品用容器上昇工程の後に、前記蒸気噴出ノズルから蒸気を吐出して前記液状食品を加熱する液状食品加熱工程と、
前記蒸気噴出ノズルから吐出する蒸気を停止させる直前に、又は吐出する蒸気を停止させると同時に、前記ノズル固定部の下部と該ノズル部の上部との嵌合箇所を解除するよう、前記ノズル台可動装置によって該ノズル台を移動させる第2ノズル台移動工程と、
前記第2ノズル台移動工程の後に、前記液状食品用容器と、該液状食品用容器内に挿入された状態で前記ノズル固定部の下部との嵌合箇所が解除された前記ノズル部とが前記ノズル固定部の下部から離れるよう、前記容器昇降装置によって、該液状食品用容器を該ノズル固定部に対して下降させる液状食品用容器下降工程と、
前記液状食品用容器下降工程の後に、前記ノズル台が前記ノズル固定部から離れるよう、前記ノズル台可動装置によって該ノズル台を移動させる第3ノズル台移動工程と、を有する
ことを特徴とする液状食品加熱装置の液状食品加熱方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−271877(P2006−271877A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−99521(P2005−99521)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】