測距装置、侵入者監視装置、距離計測方法、及びプログラム
【課題】
測距装置において、簡単な構成により、物体の画像からその物体までの距離を測定する。
【解決手段】
撮影手段2と、撮影手段2の撮影視野を投光する投光手段3と、制御部5と、を有し、制御部5は、投光手段3により投光しないときの被測定物の画像(無投光画像)と投光したときの画像(投光画像)とを取得し、無投光画像の輝度値と、無投光画像と投光画像との輝度差から、撮影手段2から被測定物までの距離を算出する。
測距装置において、簡単な構成により、物体の画像からその物体までの距離を測定する。
【解決手段】
撮影手段2と、撮影手段2の撮影視野を投光する投光手段3と、制御部5と、を有し、制御部5は、投光手段3により投光しないときの被測定物の画像(無投光画像)と投光したときの画像(投光画像)とを取得し、無投光画像の輝度値と、無投光画像と投光画像との輝度差から、撮影手段2から被測定物までの距離を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測距装置、その測距装置を用いた侵入者監視装置、距離計測方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物敷地等の監視領域への侵入者を監視するため、監視領域を撮影するカメラ(監視カメラ)と、その監視カメラの撮影画像を処理する画像処理装置とを備え、予め撮影した背景画像(侵入者等の異物が存在しない状態の画像)と、監視画像(監視時における撮影画像)との差分、例えば輝度の差分を画素毎に算出して得られる画像(差分画像)から、侵入者等の異物の存在を検知する侵入者監視装置が従来から知られている。
【0003】
従来の侵入者監視装置は、差分画像を用いるため異物を精度よく検知することができる。しかし、差分画像のみから異物を検知すると、監視領域範囲に侵入したネコやネズミ等の小動物も侵入者として検知するため、頻繁に誤報を生じてしまうことがある。
【0004】
そこで、このような誤報を防止するため、監視カメラとレーザ測距装置とを備え、レーザ測距装置により、異物が存在しないときに撮影視野内にある各物体までの距離を測定しておき、それらの物体を遮って異物が侵入したときに、その異物までの距離を測定して、異物までの距離とその異物により遮られた物体までの距離との差が所定の距離より大きい場合に、その異物を侵入者と判断する方法が提案されている(特許文献1参照)。ただし、この方法では、撮影視野内にある物体の前に近接して侵入者が立っている場合には、上記距離の差は小さく、小動物と侵入者とを識別するのは困難である。
【0005】
また、小動物による誤報を防止する第2の方法として、監視カメラから異物までの距離を計測し、計測した距離と差分画像における異物の大きさから、その異物の実際の大きさを算出して、その異物が侵入者か否かを判断する方法も知られている。すなわち、距離計測機能を有するカメラを監視カメラとして用い、この監視カメラで異物を検知すると共に異物までの距離を測定し、その異物の大きさを算出して、その異物が人間か否かを判断するのである。なお、監視カメラで撮影された物体の実際の大きさRは、監視カメラの撮像面上におけるその物体の影像の大きさrと、監視カメラからその物体までの距離Dから、R=(D/f)×r(fは監視カメラの焦点距離)により求めることができる。
【0006】
このような距離計測機能を有するカメラ(距離カメラ)として、従来、CCD等の撮像素子と、撮像素子の撮影視野方向に一定周期の光パルスを照射する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)と、撮像素子の撮像面の前方に配され撮像素子へ入射する光を通過又は阻止する(オン/オフする)光ゲートと、を有し、LEDが光パルスを物体に照射した後、その物体からの反射光が撮像素子により受光されるまでの時間を測定して、その物体までの距離を計測する方法(TOF法:Time-of-Flight法)により距離計測を行うものがある(特許文献2参照)。すなわち、照射光パルスが発光してから光ゲートをオン(透過状態)にするまでの時間(遅延時間)を徐々に変化させ、物体からの反射光が光ゲートを通過して撮像素子により受光されたときの上記遅延時間から、物体までの距離を算出するのである。
【0007】
また、従来の距離カメラの第2の例として、所定の距離離れて配置された2台のカメラにより物体を撮影し、各カメラの撮影画像上におけるその物体の位置から、三角測量の原理によりその物体までの距離を測定する方法(ステレオカメラ法又はステレオマッチング法)により距離計測を行うものが知られている(特許文献3参照)。
【0008】
しかしながら、上記従来の距離カメラは、TOF法を用いたものでは、照射光を出射してから反射光を受光するまで時間差を測定するために、特殊な光ゲートや高速に動作する処理装置が必要となること、ステレオカメラ法を用いたものでは、少なくとも2台のカメラを必要とすることから、いずれも構成が複雑でありかつ高価となるという問題がある。そのため、監視カメラとして構成がより簡易であり、したがってより低コストのものが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4460782号公報
【特許文献2】特開平7−110381号公報
【特許文献3】特開2006−172253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、簡単な構成により、物体の画像に基づいてその物体までの距離を計測することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、撮影手段と、前記撮影手段の撮影視野に投光する投光手段とを有し、前記投光手段から投光して撮影した被測定物の画像に基づき、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を計測する測距装置であって、前記投光手段の発光状態を、第1の発光状態及び第1の発光状態よりも照度の大きい第2の発光状態としたときの、前記被測定物の画像の輝度をそれぞれ取得する輝度取得手段と、前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差に基づき、前記第1の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度差から、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を算出する算出手段と、を有する測距装置である。
また、本発明は、監視領域に異物がないときの背景画像と、前記監視領域内への異物の侵入を監視する監視画像との差分画像から、前記監視領域内の異物を検知して前記監視領域内の侵入者を検知する侵入者監視装置であって、請求項1ないし3のいずれかに記載された測距装置と、前記測距装置が計測した前記撮影手段から前記異物までの距離と、前記差分画像における前記異物画像のサイズから、前記異物サイズを算出する異物サイズ算出手段と、異物サイズ算出手段が算出した前記異物サイズが所定のサイズ以上であるときに警報を発する警報発生手段と、を有する侵入者監視装置である。
また、本発明は、撮影手段と、前記撮影手段の撮影視野に投光する投光手段とを有し、前記投光手段から投光して撮影した被測定物の画像に基づき、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を計測する測距装置における距離計測方法であって、前記投光手段の発光状態を、第1の発光状態及び第1の発光状態よりも照度の大きい第2の発光状態としたときの、前記被測定物の画像の輝度をそれぞれ取得する工程と、前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差に基づき、前記第1の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度差から、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を算出する工程と、を有する距離計測方法である。
また、本発明は、撮影手段と、前記撮影手段の撮影視野に投光する投光手段とを有し、前記投光手段から投光して撮影した被測定物の画像に基づき、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を計測する測距装置のコンピュータを、前記投光手段の発光状態を、第1の発光状態及び第1の発光状態よりも照度の大きい第2の発光状態としたときの、前記被測定物の画像の輝度をそれぞれ取得する輝度取得手段と、前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差に基づき、前記第1の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度差から、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を算出する算出手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単な構成により、物体の画像に基づいてその物体までの距離を計測することができ、これを用いて、小動物等による誤報を生じにくい侵入者監視装置を安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る測距装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る測距装置における、記憶部が記憶する距離算出情報の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る測距装置における、制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る測距装置の、動作手順を示すフロー図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る測距装置における、校正モード処理の手順を示すフロー図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る測距装置における、計測モード処理の手順を示すフロー図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る測距装置における、撮影モード処理の手順を示すフロー図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る侵入者監視装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る侵入者監視装置の、動作手順を示すフロー図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る侵入者監視装置における、監視モード処理の手順を示すフロー図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る侵入者監視装置における、背景取得処理の手順を示すフロー図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る侵入者監視装置における、監視処理の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る測距装置の構成を示すブロック図である。
本測距装置1は、レンズ及びCCD等の撮像素子で構成される撮影手段2と、撮影手段2の方向から撮像素子の撮影視野に投光する投光手段3と、を有している。ここで、撮影手段2及び投光手段3として、例えば、可視光ランプや赤外線ランプを備えた、一般に使用されている投光器付きカメラを使用することができる。なお、以下の説明においては、投光手段3により投光して撮影した画像を投光画像、投光せずに撮影した画像を無投光画像という。
【0015】
本測距装置1は、また、物体の無投光画像の輝度値Iと、輝度値I及び撮影手段2からその物体までの距離(撮影距離L)により定まる、その物体の無投光画像と投光画像との輝度差ΔIとの関係を示す距離算出情報を記憶する記憶部4と、撮影手段2等各部の動作を制御する制御部5と、ユーザが制御部5に動作指示を与えるための操作手段であり、かつ、ユーザに画像や種々のデータを表示する表示手段でもある、タッチパネル等から成る操作表示部6を有している。
【0016】
ここで、記憶部4が記憶する距離算出情報について、以下に説明する。
投光手段3により、撮影手段2の方向から撮影手段2の撮影視野に投光して物体を撮影する場合、その物体は、その撮影環境に存在する蛍光灯や太陽等からの光(環境照明)と、投光手段3から発した光とにより照明される。このうち投光手段3から発してその物体に到達する光の強度は、その物体までの距離の二乗に反比例するため、その物体の投光画像と無投光画像の輝度差ΔIは、その物体が投光手段3に近いほど、従って撮影手段2に近いほど大きくなる。
【0017】
一方、CCD等の撮影手段2を用いて得られる画像の輝度値Iは、一般に、撮影手段2の内部で行なわれるガンマ補正後の値であるため、物体の実際の輝度と撮影手段2から出力される輝度値Iとの関係は、線形にはならない。このため、無投光画像と投光画像から算出される輝度差ΔIは、通常はその物体の無投光画像の輝度値Iにも依存する。
【0018】
したがって、撮影手段2から物体までの距離(撮影距離)L、その物体の無投光画像の輝度値I、及び、投光画像と無投光画像の輝度差ΔIとの関係を、輝度値Iの異なる複数の物体について撮影距離Lを変えながら予め測定し、これらの測定値に基づいて、輝度値Iと輝度差ΔIにより撮影距離Lを求める算出式を導出すれば、その算出式から、撮影距離の不明な物体までの距離を算出することができる。また、算出式を導出できない場合でも、上記の測定値に対し内挿法又は外挿法を用いることにより、撮影距離の不明な物体までの距離を算出することができる。
【0019】
本実施形態では、撮影距離L、輝度値I、及び輝度差ΔIの測定値に対し内挿法又は外挿法を用いて、物体までの距離を算出するものとし、上記測定値を距離算出情報として記憶部4に記憶するものとしている。
すなわち、記憶部4が記憶する距離算出情報は、撮影手段2から物体までの距離(撮影距離)L、その物体の無投光画像の輝度値I、及び、投光画像と無投光画像の輝度差ΔIを、輝度値Iの異なる複数の物体について撮影距離Lを変えながら予め測定して得た測定値に基づいて作成される。
【0020】
図2は、記憶部4が記憶する距離算出情報の一例を示す図である。
図2Aに示す距離算出情報には、左側の列から右に向かって、撮影距離L、無投光画像の輝度値I、及び無投光画像と投光画像の輝度差ΔIが記載されている。なお、輝度値I及び輝度差ΔIは、256階調で表現した輝度の階調値で表されている。
【0021】
この距離算出情報は、例えば、輝度の異なる3つの領域で構成されたテストチャートを用いて、撮影距離Lを変えながら、撮影手段2と投光手段3により投光画像及び無投光画像を取得することにより作成することができる。
【0022】
図2Bは、図2Aに示した距離算出情報の、輝度値Iと輝度差ΔIとの関係を示すグラフであり、横軸を輝度値I、縦軸を輝度差ΔIとして、撮影距離Lが3m、6m、及び9mのときの測定値がプロットされている。
【0023】
図2Aに示した距離算出情報を用いると、撮影距離Lが不明な物体Zについて、その撮影距離Lを以下のように算出することができる。
一例として、その物体Zの無投光画像の輝度値Iが100、投光画像の輝度値が120であったとする。したがって、輝度差ΔIは20(=120−100)である。
【0024】
まず、図2Aの距離算出情報に示された測定値から、撮影距離Lが9m、6m、及び3mのそれぞれについて、輝度値I=100における輝度差ΔIを線形内挿法(直線近似)により算出すると、L=9mにおいてΔI=14.36、L=6mにおいてΔI=33.73、L=3mにおいてΔI=73.31となる。
【0025】
物体Zの輝度差ΔI=20は、上記で算出したL=9mにおける輝度差ΔI=14.36とL=6mにおける輝度差ΔI=33.73の間にあることから、物体Zの撮影距離Lは、9mと6mの間にあることが判る。そこで、これらの値から、ΔI=20となる撮影距離Lを線形内挿法により求めると、物体Zの撮影距離Lは8mとなる。
【0026】
なお、上記の例では3次元空間(L、I、ΔI)における線形内挿法(双線形内挿法)を用いたが、他の内挿法(例えば、双2次内挿法や双3次内挿法)を用いることもできる。また、線形外挿法や2次外挿法等の外挿法を用いて、例えば、投光手段3から9mより遠くにある物体や、3mより近くにある物体の撮影距離Lを算出することもできる。
【0027】
また、上記の例のように内挿法を用いて物体の撮影距離Lを求めるのではなく、図2Aに示した測定値に基づいて、被測定物の撮影距離Lを距離範囲として求めることもできる(上記の例では、撮影距離L=6m以上で9m未満)。なお、撮影距離Lをより狭い距離範囲で特定したい場合には、図2Cに点線で示すように、測定した撮影距離Lとは異なる撮影距離L(図2Cでは、4m、5m、7m、及び8m)についての輝度値Iと輝度差ΔIの関係を、予め内挿法により算出して距離算出情報(図2Aの表)に追加しておけばよい。
【0028】
さらに、上記の説明においては、投光手段3がONの時(点灯時)及びOFFのとき(消灯時)に物体を撮影し、投光画像及び無投光画像からその物体の距離を算出するものとしたが、環境照明が暗く、適切な明るさの無投光画像が得られないときは、投光手段3の発光状態を照度の異なる2つの発光状態で点灯させて、物体までの距離を算出することもできる。すなわち、投光手段3を、第1の発光状態と、第1の発光状態よりも明るい(照度の大きい)第2の発光状態で点灯するものとし、無投光画像の代わりに第1の発光状態において撮影した画像を、投光画像の代わりに第2の発光状態において撮影した画像を用いて、物体までの距離を算出することもできる。
【0029】
図3は、制御部5の構成を示すブロック図である。
制御部5は、CPU(Central Processing Unit)、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータであり、撮影手段2と投光手段3を制御して、撮影手段2の撮影視野内にある物体の無投光画像及び投光画像を取得する画像取得手段51と、その物体の無投光画像及び投光画像の輝度をそれぞれ取得して、輝度値I及び輝度差ΔIを特定する輝度取得手段52と、特定した輝度値I、輝度差ΔI、及び記憶部4に記憶された距離算出情報から、その物体までの距離を算出する算出手段である距離算出手段53と、記憶部4に記憶する距離算出情報を作成する算出情報作成手段54と、外部の機器(例えば、パーソナルコンピュータ:PC(Personal Computer))との間で動作指示やデータ等の情報をやりとりするため通信インタフェース55と、を有している。
【0030】
ここで、制御部5が有する上記の各手段は、プログラムにより実現される制御部(コンピュータ)5の機能実現手段である。また、コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。
【0031】
上記の構成を備える測距装置1は、ユーザが、撮影手段2の撮影視野を物体に向けた後、電源を投入して操作表示部6により撮影を開始すると、まず、制御部5が、投光手段3をON/OFFを制御して、撮影手段2によりその物体の無投光画像と投光画像を取得する。次に、制御部5は、無投光画像から輝度値Iを、無投光画像と投光画像から輝度差ΔIを求め、記憶部4が記憶している距離算出情報を参照して、その物体の撮影距離Lを算出する。
【0032】
これにより、測距装置1は、特殊な部品を用いることなく、一般に使用されている投光器付きカメラ等、撮影手段2と投光手段3とを組み合わせた簡単な構成により、物体の画像に基づいてその物体までの距離を測定することができる。
【0033】
次に、測距装置1の動作手順について、図4に示すフロー図を用いて説明する。なお、測距装置1は3つの動作モード、すなわち、記憶部4に距離算出情報を記憶させるための校正モード、撮影視野内の物体を撮影する撮影モード、及び、物体を撮影すると共にその物体までの距離を測定する計測モードを有している。
【0034】
まず、ユーザが測距装置1の電源を投入すると(S101)、制御部5は、動作モードを入力するための画面(動作モード入力画面)を操作表示部6に表示し(S102)、動作モードが入力されたか否かを判断して(S103)、動作モードが入力されていないときは(S103、No)、入力されるまで待機する。一方、動作モードが入力されたときは(S103、Yes)、入力された動作モードが校正モードか否かを判断し(S104)、校正モードであるときは(S104、Yes)、校正モード処理を行った後(S105)、ステップS102に戻る。
【0035】
ステップS104において、入力された動作モードが校正モードでないときは(S104、No)、入力された動作モードが計測モードであるか否かを判断し(S106)、計測モードであるときは(S106、Yes)、計測モード処理を行った後(S107)、ステップS102に戻る。
一方、入力された動作モードが計測モードでないとき、即ち、撮影モードであるときは(S106、No)、撮影モード処理を行った後(S108)、ステップS102に戻る。
【0036】
次に、測距装置1における校正モード処理の手順を、図5に示すフロー図にしたがって説明する。
校正モード処理を開始すると、制御部5は、操作表示部6に、ユーザが撮影開始指示を入力するための画面を表示し(S201)、撮影開始指示が入力されたか否かを判断する(S202)。そして、撮影開始指示が入力されていないときは(S202、No)、入力されるまで待機する。
【0037】
この待機期間に、ユーザは、例えば輝度の異なる3つの領域で構成されるテストチャートを準備し、そのテストチャートを撮影手段2から所定距離離れた位置に配置する。そして、テストチャートの配置を完了したら、操作表示部6に撮影開始指示を入力する。
【0038】
操作表示部6により撮影開始指示が入力されると(S202、Yes)、制御部5は、画像取得手段51により、投光手段3をOFFにしてテストチャートの無投光画像を取得した後(S203)、投光手段3をONにしてテストチャートの投光画像を取得する(S204)。
【0039】
次に、制御部5は、操作表示部6に、テストチャートの投光画像を表示すると共に、ユーザに対し、輝度値I及び輝度差ΔIを求める領域(測定対象領域)と、その測定対象領域までの距離(撮影距離L)を入力するよう促すメッセージを表示する(S205)。続いて、制御部5は、測定対象領域とその撮影距離Lが入力されたか否かを判断し(S206)、入力されていないときは(S206、No)、入力されるまで待機する。
【0040】
ここで、ユーザは、例えば撮影視野内に配置したテストチャート上の領域を測定対象領域として入力し、撮影手段2からそのテストチャートまでの距離を撮影距離Lとして入力する。なお、測定対象領域の入力は、例えば、ユーザがマウス等のポインティング・デバイス(不図示)を用いて、テストチャートの画像の上に矩形を描いて行なうものとすることができる。
【0041】
ユーザが測定対象領域とその撮影距離Lを入力すると(S206、Yes)、制御部5の輝度取得手段52は、無投光画像及び投光画像に基づき、指定された測定対象領域の輝度値Iと輝度差ΔIを取得する(S207)。ここで、輝度値I及び輝度差ΔIは、例えば、入力された測定対象領域内の各画素の輝度値の平均値及び輝度差の平均値を、それぞれ256階調で表した輝度の階調値として取得することができる。
【0042】
次に、制御部5は、ステップS206において入力された撮影距離Lと、ステップS207で求めた輝度値I及び輝度差ΔIを、距離算出情報として記憶部4に記憶し(S208)、操作表示部6に、校正モード処理の続行指示又は終了指示を入力するための画面を表示する(S209)。続いて、制御部5は、操作表示部6に校正作業の続行指示が入力されたか否かを判断し(S210)、続行指示が入力されたときは(S210、Yes)、ステップS201に戻って処理を繰り返す。
【0043】
一方、続行指示が入力されていないとき、すなわち、終了指示が入力されたときは(S210、Yes)、算出情報生成手段54は、測定された各測定値(L,I,ΔI)に基づき、内挿法又は外挿法により、所定の撮影距離Lにおける所定の輝度値Iに対する輝度差ΔIを算出する(S211)。続いて、制御部5は、上記所定の撮影距離L及び輝度値Iと、算出した輝度差ΔIとを、距離算出情報として記憶部4に記憶して(S212)、処理を終了する。
【0044】
ここで、上記所定の撮影距離Lは、例えば図2に示した例であれば4m、5m、7m、及び8mとすることにより(図2Cの点線)、3mから9mまで1m間隔のデータを距離算出情報とすることができる。また、上記所定の輝度値Iとして、例えば、階調値10から250まで10階調の間隔とすることができる。これにより、後述する計測モード処理においては、距離計測のたびに内挿法や外挿法による計算を行なうことなく、撮影距離が不明の物体の撮影距離を精度1mで特定することができる。
なお、距離計測のたびに物体の撮影距離を内挿法又は外挿法により求める場合には、上記のステップS211及びS212の処理は不要である。
【0045】
次に、測距装置1における計測モード処理の手順を、図6に示すフロー図にしたがって説明する。
計測モード処理を開始すると、制御部5は、ユーザが撮影開始指示を入力するための画面を操作表示部6に表示し(S301)、撮影開始指示が入力されたか否かを判断する(S302)。そして、撮影開始指示が入力されていないときは(S302、No)、入力されるまで待機する。
【0046】
一方、操作表示部6に操作開始指示が入力されると(S302、Yes)、制御部5の画像取得手段51は、投光手段3をOFFにして撮影視野内にある物体の無投光画像を取得した後(S303)、投光手段3をONにしてその物体の投光画像を取得する(S304)。次に、制御部5の輝度取得手段52は、取得した無投光画像と投光画像に基づいて、画素毎に輝度値Iと輝度差ΔIを取得し(S305)、記憶部4が記憶している距離算出情報を参照して(S306)、距離算出情報と、画素毎の輝度値I及び輝度差ΔIから、画素毎の撮影距離Lを算出して(S307)、処理を終了する。
【0047】
ここで、ステップS307で算出した画素毎の撮影距離Lは、例えば、通信インタフェース55を介して他の機器(PC等)へ送信するものとしてもよい。また、ステップS303又はS304で取得した無投光画像又は投光画像を操作表示部6に表示すると共に、ユーザがマウス等(不図示)により指定した所定位置の画素の撮影距離Lを操作表示部6に表示するものとしてもよい。さらに、制御部5により、各画素にその撮影距離Lに応じた色を付し、撮影視野内に存在する各物体の撮影距離の違いを色の違いとして表示した画像(距離画像)を生成して、操作表示部6に表示するものとしてもよい。
【0048】
なお、本実施形態では、投光画像と無投光画像を1回取得して撮影距離を算出するだけで計測モード処理を終了する構成としたが、撮影距離の算出後、ステップS303に戻って処理を繰り返すものとしてもよい。これにより、撮影距離をリアルタイムに計測して、物体の動きを捉えることができる。このように計測モード処理を繰り返す場合には、操作表示部6の表示領域の隅などに計測終了ボタンを表示しておき、ユーザが計測終了ボタンを押下したときに、操作表示部6から制御部5に割り込み信号を送信して計測モード処理を終了させるものとしてもよい。
【0049】
次に、測距装置1における撮影モード処理の手順を、図7に示すフロー図にしたがって説明する。
撮影モード処理を開始すると、制御部5は、操作表示部6に、投光手段3の点灯指示又は消灯指示を入力するための画面を表示し(S401)、点灯指示が入力されたか否かを判断する(S402)。そして、点灯指示が入力されたときは(S402、Yes)、投光手段3が点灯していなければ、投光手段3を点灯する(S403)。一方、点灯指示が入力されていないときは(S402、No)、消灯指示が入力されたか否かを判断し(S404)、消灯指示が入力されたときは(S404、Yes)、投光手段3が点灯していれば、投光手段3を消灯する(S405)。また、ステップS404において、消灯指示が入力されていないときは(S404、No)、ステップS402に戻って、点灯指示又は消灯指示が入力されるまで上記の処理を繰り返す。
【0050】
次に、制御部5は、ユーザが撮影開始指示を入力するための画面を操作表示部6に表示し(S406)、ユーザが撮影開始指示を入力したか否かを判断する(S407)。そして、撮影開始指示を入力していないときは(S407、No)、入力されるまで待機する。
【0051】
一方、操作表示部6に撮影開始指示が入力されると(S407、Yes)、制御部5の画像取得手段51は、撮影視野内にある物体の画像を取得した後(S408)、取得した画像を操作表示部6に表示して(S409)、処理を終了する。
【0052】
上述した撮影モード処理においては、撮影視野の画像を1回取得して操作表示部6に表示するだけで撮影モード処理を終了する構成としたが、操作表示部6へ画像を表示した後、ステップS408に戻って処理を繰り返すものとしてもよい。これにより、撮影視野の画像をリアルタイムに撮影することができる。この場合には、操作表示部6の表示領域の隅などに撮影終了ボタンを表示しておき、ユーザが撮影終了ボタンを押下したときに、操作表示部6から制御部5に割り込み信号を送信して撮影モード処理を終了させるものとしてもよい。
【0053】
なお、上述した校正モード処理、計測モード処理、及び撮影モード処理において、操作表示部6を用いて入力される情報(撮影開始指示や測定対象領域等)は、他の機器(PC等)から通信インタフェース55を介して与えられるものとしてもよい。
【0054】
次に、本発明の第2の実施形態に係る測距装置について説明する。
本測距装置では、第1の実施形態に係る測距装置1における記憶部4が記憶する距離換算情報を用いず、距離算出手段53は、輝度値Iと輝度差ΔIから撮影距離Lを求める算出式を用いて、物体までの距離を算出するものとする。
【0055】
本実施形態によれば、内挿法又は外挿法等を用いることなく、物体までの距離を簡単に算出することができる。
【0056】
具体的には、撮影距離Lを求める算出式は、撮影手段2から物体までの距離(撮影距離)L、その物体の無投光画像の輝度値I、及び、投光画像と無投光画像の輝度差ΔIを、輝度値Iの異なる複数の物体について撮影距離Lを変えながら予め測定して得た測定値に基づき、直線近似法や2次曲線近似法等の数学的手法を用いて導出することができる。
【0057】
なお、上記測定において、環境照明が暗く適切な明るさの無投光画像が得られないときは、投光手段3を、第1の発光状態と、第1の発光状態よりも明るい(照度の大きい)第2の発光状態で点灯するものとし、無投光画像の代わりに第1の発光状態において撮影した画像を、投光画像の代わりに第2の発光状態において撮影した画像を用いて、輝度値I及び輝度差ΔIを測定し、上記算出式を導出するものとしてもよい。
【0058】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態は、本発明に係る測距装置を、建物敷地等の監視領域を撮影する監視カメラとして用いた侵入者監視装置である。
図8は、本実施形態に係る侵入者監視装置7の構成を示すブロック図である。
本侵入者監視装置7は、測距装置1’と、測距装置1’に動作指示を与えると共に測距装置1’から画像を取得し、その画像を処理して侵入者を検知する処理部8と、測距装置1’と処理部8とを接続するデータバス9と、測距装置1’により取得した画像データを記憶する画像記憶部10と、ユーザが処理部8への動作指示を入力する入力手段であり、かつ、処理部8がユーザに画像やデータを表示する表示部でもある、タッチパネル等により構成される操作表示部11と、処理部8が侵入者を検知したときに警告を発するスピーカ12と、を有している。
【0059】
測距装置1’は、第1の実施形態に係る測距装置1と同様に、撮影手段2、投光手段3、記憶部4を有するが、操作表示部6を有さず、操作表示部6からの入力に応じて動作する制御部5の代わりに、データバス9を介して受信した動作指示により動作すると共に、画像データ等の情報をデータバス9を介して処理部8へ送信する制御部5’を有している。
【0060】
制御部5’は、第1の実施形態に係る測距装置1における制御部5と同様に、画像取得手段51、輝度取得手段52、距離算出手段53、算出情報生成手段54、及び、通信インタフェース55を有している。
【0061】
処理部8は、CPU(Central Processing Unit)、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータであり、測距装置1’から取得した、侵入者等の異物のない状態における撮影視野の画像(背景画像)と、監視時の撮影視野の画像(監視画像)に基づき、監視画像と背景画像との各画素の差分(例えば輝度の差分)を算出して得られる画像(差分画像)により異物を検知する異物検知手段81を有している。
【0062】
また、処理部8は、測距装置1’により計測した異物までの距離と、差分画像における異物の影像(異物画像)の大きさ(例えば画素数)から、その異物の大きさを算出する異物サイズ算出手段82と、異物サイズ算出手段82が算出した異物の大きさが所定の大きさ以上であるときに、その異物を侵入者と判断して警報を発する警報発生手段83と、データバス9を介して測距装置1’とデータのやりとりを行なうための通信インタフェース84と、を有している。
【0063】
なお、本実施形態では、侵入者監視装置7を動作させるコンピュータとして、処理部8及び測距装置1’が有するコンピュータである制御部5’を用いているが、制御部5’を用いず処理部8により、測距装置1’の各部を制御すると共に制御部5’が有する各手段を実現するものとしてもよい。また、画像記憶部10を使用せず、画像記憶部10に記憶する画像を記憶部4に記憶するものとしてもよい。
【0064】
上記の構成を有する侵入者監視装置7は、背景画像と監視画像により得られる差分画像から異物を検知すると、その異物までの距離を測距装置1’により計測し、差分画像における異物画像の大きさと異物までの距離から、その異物の大きさを算出して、その大きさによりその異物が侵入者であるか否かを判断する。
これにより、侵入者監視装置7は、ネズミ等の小動物と人とを識別することができ、小動物を侵入者と間違えて誤報が生じるのを防止することができる。
【0065】
次に、本侵入者監視装置7の動作手順について、図9に示すフロー図を用いて説明する。なお、侵入者監視装置7は、記憶部4に距離算出情報を記憶させるための校正モードと、侵入者の監視を行なう監視モードという2つの動作モードを有している。また、以下の説明においては、撮影手段2の撮影視野は、既に、建物敷地や屋内等の監視領域を撮影できるように設定されているものとする。
【0066】
まず、ユーザが侵入者監視装置7の電源を投入すると(S501)、処理部8は、操作表示部11に、動作モードを入力するための画面を表示し(S502)、動作モードが入力されたか否かを判断して(S503)、動作モードが入力されていないときは(S503、No)、入力されるまで待機する。一方、動作モードが入力されたときは(S503、Yes)、入力された動作モードが監視モードか否かを判断し(S504)、監視モードであるときは(S504、Yes)、監視モード処理を行った後(S505)、ステップS502に戻る。
【0067】
また、ステップS504において、入力された動作モードが監視モードでないとき、すなわち、校正モードであるときは(S504、No)、校正モード処理を行った後(S506)、ステップS502に戻る。
【0068】
なお、ステップS506の校正モード処理は、図5に示した校正モード処理と同様であるが、操作表示部6の代わりに操作表示部11が使用されることのみが異なる。
【0069】
次に、侵入者監視装置7における監視モード処理の手順を、図10に示すフロー図にしたがって説明する。
監視モード処理を開始すると、処理部8は、背景画像の取得指示(背景取得指示)又は監視画像の取得指示(監視動作指示)のいずれかを入力するための画面(動作指示入力画面)を操作表示部11に表示する(S601)。
【0070】
次に、処理部8は、上記のいずれかの動作指示が入力されたか否かを判断して(S602)、いずれの動作指示も入力されていないときは(S602、No)、いずれかが入力されるまで待機する。一方、いずれかの指示が入力されたときは(S602、Yes)、入力された指示が監視動作指示であるか否かを判断し(S603)、監視動作指示であるときは(S603、Yes)、監視処理を行った後(S604)、ステップS601に戻って処理を繰り返す。
【0071】
一方、ステップS603において、入力された指示が監視動作指示でないとき、すなわち背景取得指示であるときは(S603、No)、背景取得処理を行った後(S605)、ステップS601に戻って処理を繰り返す。
【0072】
次に、侵入者監視装置7における背景取得処理の手順を、図11に示すフロー図にしたがって説明する。
背景取得処理を開始すると、処理部8は、測距装置1’に、撮影視野内(すなわち監視領域)の無投光画像及び投光画像の取得を指示するコマンドを、データバス9を介して送信する(S701)。
【0073】
測距装置1’の制御部5’は上記のコマンドを受信し、画像取得手段51により、まず投光手段3をOFFにして監視領域の無投光画像を取得した後(S702)、投光手段3をONにして監視領域の投光画像を取得する(S703)。続いて、制御部5’は、取得した無投光画像及び投光画像を、それぞれ無投光時の背景画像及び投光時の背景画像として記憶部4に記憶した後(S704)、それらの画像をデータバス9を介して処理部8に送信する(S705)。
【0074】
処理部8は、制御部5’から送信された無投光画像及び投光画像を受信し、これらの画像を、それぞれ無投光時の背景画像及び投光時の背景画像として画像記憶部10に記憶して(S706)、背景取得処理を終了する。
【0075】
次に、侵入者監視装置7における監視処理の手順を、図12に示すフロー図にしたがって説明する。なお、測距装置1’の記憶部4には、侵入者監視装置7の設置環境における距離算出情報が、既に記憶されているものとする。
監視動作処理を開始すると、処理部8は、上述した背景取得処理における画像取得動作(図11のステップS701ないしS705)と同様に、測距装置1’に対しコマンドを送信し、測距装置1’により、監視領域の無投光画像と投光画像を取得する(S801)。このとき、制御部5’は、図11のステップS704と同様に、監視領域の無投光画像と投光画像を、無投光時の監視画像及び投光時の監視画像として記憶部4に記憶するものとする。
【0076】
次に、処理部8は、測距装置1’により取得した監視領域の無投光画像と投光画像を、それぞれ無投光時の監視画像及び投光時の監視画像として画像記憶部10に記憶する(S802)。
【0077】
続いて、処理部8の異物検知手段81は、画像記憶部10に記憶された各画像を参照し、無投光時の差分画像と投光時の差分画像を生成する(S803)。無投光時及び投光時の差分画像の生成は、それぞれ、無投光時及び投光時の、背景画像と監視画像の差分、例えば、画素毎の輝度の差の絶対値を算出して生成する。
【0078】
次に、異物検知手段81は、無投光時及び投光時の差分画像に異物が写っているか否かを判断する(S804)。ここで、差分画像に異物が写っているか否かの判断は、例えば、各差分画像に対し所定の値より大きい輝度値を持つ画素(異物画素)のみを抽出する2値化処理を行った後、ラベリング処理を行って、隣接する異物画素の画素数が所定の数を超えていれば異物有りと判断することができる。
【0079】
ステップS804において、無投光時の差分画像又は投光時の差分画像のいずれかの差分画像に異物が写っていないときは(S804、No)、ステップS801に戻って処理を繰り返す。
一方、ステップS804において、無投光時及び投光時の差分画像のいずれにも異物が写っているときは(S804、Yes)、処理部8の異物サイズ算出手段82は、無投光時及び投光時の差分画像に写っている異物の、縦方向及び横方向の画素数を、それぞれ算出する(S805)。
【0080】
続いて、処理部8の異物サイズ算出手段82は、測距装置1’に対し、その異物までの距離(異物の撮影距離L)を算出するよう指示するコマンド(算出指示コマンド)を送信する(S806)。ここで、上記の算出指示コマンドは、例えば、距離算出の対象位置として、無投光時及び投光時の監視画像における異物画素の位置の情報を付して構成することができる。
【0081】
次に、制御部5’は、算出指示コマンドを受信し、記憶部4に記憶した無投光時及び投光時の監視画像に基づき、距離算出手段53により、上記算出指示コマンドにより指定された位置の各異物画素の撮影距離Lを算出して、処理部8に送信する(S807)。
【0082】
処理部8は、各異物画素の撮影距離Lを受信し、異物サイズ算出手段82は、受信した異物画素の撮影距離Lの平均値を算出して、異物までの距離とする(S808)。ここで、異物までの距離は、平均値以外にも、異物画素の撮影距離Lの最小値、最大値、又は中央値とすることができる。また、各異物画素の撮影距離Lが距離範囲として表現されている場合は、その距離範囲の中央値の平均値、下限値の最小値、又は上限値の最大値とすることもできる。
【0083】
次に、異物サイズ算出手段82は、ステップS805で算出した異物の縦方向及び横方向の画素数と、ステップS808で算出した異物までの距離に基づき、その異物のサイズ(縦方向及び横方向の大きさ)を算出する(S809)。続いて、警報発生手段83は、算出した異物のサイズが所定のサイズ以上であるか否かを判断し(S810)、所定のサイズ以上(例えば、縦方向及び横方向の大きさがいずれも所定の値以上)であるときは(S810、Yes)、その異物を侵入者であると判断し、侵入者を検知したことを示す警報として、スピーカ12から警告音を鳴らし(S811)、監視処理を終了する。
【0084】
なお、警報発生後は、監視処理を終了せずに警報を発し続けるものとすることもできる。この場合には、例えば、操作表示部11に設けたリセットスイッチ(不図示)等により警報を解除して、監視処理を終了するものとすることができる。また、警報発生手段83が発する警報として、スピーカ12から警告音を鳴らす代わりに、赤色ランプを点滅させたり、建物等の監視領域全体を管理する監視装置(不図示)等に警報信号を送信するものとしてもよい。
【0085】
一方ステップS810において、異物の縦方向及び横方向の大きさのいずれかが、所定の大きさ未満であるときは(S810、No)、その異物は侵入者ではないものとして、ステップS801に戻って処理を繰り返す。
ここで、ステップS810では、異物の縦方向及び横方向の大きさのいずれもが所定の値以上であるときに、その異物を侵入者と判断するものとしたが、縦方向又は横方向のいずれかが所定の大きさ以上であるときに、その異物を侵入者と判断するものとしてもよい。また、異物の面積が所定の値以上であるときに、その異物を侵入者と判断するものとしてもよい。
【0086】
なお、上述した監視動作処理においては、無投光時及び投光時の差分画像の両方に異物が映っていると判断したときに異物までの距離を計測するものとしたが(図12のステップS804、Yes)、これに限らず、無投光時の差分画像又は投光時の差分画像のいずれかに異物が映っていると判断したときに、異物までの距離を計測するものとしてもよい。
【0087】
また、侵入者検知の判断基準として異物の縦方向及び横方向の大きさが所定の値以上であること(図12のステップS810、Yes)としたが、その他にも、例えば、異物画素の撮影距離Lの最大値と最小値の差から算出した異物の奥行き方向の厚みが、所定の値以上であることも、判断基準の一つとすることができる。
【0088】
以上説明したように、第1及び第2の実施形態に係る測距装置は、特殊な部品を用いることなく、一般に使用されている投光器付きカメラ等、撮影手段2と投光手段3とを組み合わせた簡単な構成により、被測定物の画像に基づいてその被測定物までの距離を測定することができる。また、本発明に係る測距装置を用いれば、第3の実施形態に係る侵入者監視装置のように、小動物等と侵入者とを的確に識別して、小動物等を侵入者と間違えて誤報を生ずることのない侵入者監視装置を、安価に構成することができる。
【符号の説明】
【0089】
1、1’・・・測距装置、2・・・撮影手段、3・・・投光手段、4・・・記憶部、5、5’・・・制御部、51・・・画像取得手段、52・・・輝度取得手段、53・・・距離算出手段、54・・・算出情報生成手段、55、84・・・通信インタフェース、6、11・・・操作表示部、7・・・侵入者監視装置、8・・・処理部、81・・・異物検知手段、82・・・異物サイズ算出手段、83・・・警報発生手段、9・・・データバス、10・・・画像記憶部、12・・・スピーカ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、測距装置、その測距装置を用いた侵入者監視装置、距離計測方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物敷地等の監視領域への侵入者を監視するため、監視領域を撮影するカメラ(監視カメラ)と、その監視カメラの撮影画像を処理する画像処理装置とを備え、予め撮影した背景画像(侵入者等の異物が存在しない状態の画像)と、監視画像(監視時における撮影画像)との差分、例えば輝度の差分を画素毎に算出して得られる画像(差分画像)から、侵入者等の異物の存在を検知する侵入者監視装置が従来から知られている。
【0003】
従来の侵入者監視装置は、差分画像を用いるため異物を精度よく検知することができる。しかし、差分画像のみから異物を検知すると、監視領域範囲に侵入したネコやネズミ等の小動物も侵入者として検知するため、頻繁に誤報を生じてしまうことがある。
【0004】
そこで、このような誤報を防止するため、監視カメラとレーザ測距装置とを備え、レーザ測距装置により、異物が存在しないときに撮影視野内にある各物体までの距離を測定しておき、それらの物体を遮って異物が侵入したときに、その異物までの距離を測定して、異物までの距離とその異物により遮られた物体までの距離との差が所定の距離より大きい場合に、その異物を侵入者と判断する方法が提案されている(特許文献1参照)。ただし、この方法では、撮影視野内にある物体の前に近接して侵入者が立っている場合には、上記距離の差は小さく、小動物と侵入者とを識別するのは困難である。
【0005】
また、小動物による誤報を防止する第2の方法として、監視カメラから異物までの距離を計測し、計測した距離と差分画像における異物の大きさから、その異物の実際の大きさを算出して、その異物が侵入者か否かを判断する方法も知られている。すなわち、距離計測機能を有するカメラを監視カメラとして用い、この監視カメラで異物を検知すると共に異物までの距離を測定し、その異物の大きさを算出して、その異物が人間か否かを判断するのである。なお、監視カメラで撮影された物体の実際の大きさRは、監視カメラの撮像面上におけるその物体の影像の大きさrと、監視カメラからその物体までの距離Dから、R=(D/f)×r(fは監視カメラの焦点距離)により求めることができる。
【0006】
このような距離計測機能を有するカメラ(距離カメラ)として、従来、CCD等の撮像素子と、撮像素子の撮影視野方向に一定周期の光パルスを照射する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)と、撮像素子の撮像面の前方に配され撮像素子へ入射する光を通過又は阻止する(オン/オフする)光ゲートと、を有し、LEDが光パルスを物体に照射した後、その物体からの反射光が撮像素子により受光されるまでの時間を測定して、その物体までの距離を計測する方法(TOF法:Time-of-Flight法)により距離計測を行うものがある(特許文献2参照)。すなわち、照射光パルスが発光してから光ゲートをオン(透過状態)にするまでの時間(遅延時間)を徐々に変化させ、物体からの反射光が光ゲートを通過して撮像素子により受光されたときの上記遅延時間から、物体までの距離を算出するのである。
【0007】
また、従来の距離カメラの第2の例として、所定の距離離れて配置された2台のカメラにより物体を撮影し、各カメラの撮影画像上におけるその物体の位置から、三角測量の原理によりその物体までの距離を測定する方法(ステレオカメラ法又はステレオマッチング法)により距離計測を行うものが知られている(特許文献3参照)。
【0008】
しかしながら、上記従来の距離カメラは、TOF法を用いたものでは、照射光を出射してから反射光を受光するまで時間差を測定するために、特殊な光ゲートや高速に動作する処理装置が必要となること、ステレオカメラ法を用いたものでは、少なくとも2台のカメラを必要とすることから、いずれも構成が複雑でありかつ高価となるという問題がある。そのため、監視カメラとして構成がより簡易であり、したがってより低コストのものが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4460782号公報
【特許文献2】特開平7−110381号公報
【特許文献3】特開2006−172253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、簡単な構成により、物体の画像に基づいてその物体までの距離を計測することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、撮影手段と、前記撮影手段の撮影視野に投光する投光手段とを有し、前記投光手段から投光して撮影した被測定物の画像に基づき、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を計測する測距装置であって、前記投光手段の発光状態を、第1の発光状態及び第1の発光状態よりも照度の大きい第2の発光状態としたときの、前記被測定物の画像の輝度をそれぞれ取得する輝度取得手段と、前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差に基づき、前記第1の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度差から、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を算出する算出手段と、を有する測距装置である。
また、本発明は、監視領域に異物がないときの背景画像と、前記監視領域内への異物の侵入を監視する監視画像との差分画像から、前記監視領域内の異物を検知して前記監視領域内の侵入者を検知する侵入者監視装置であって、請求項1ないし3のいずれかに記載された測距装置と、前記測距装置が計測した前記撮影手段から前記異物までの距離と、前記差分画像における前記異物画像のサイズから、前記異物サイズを算出する異物サイズ算出手段と、異物サイズ算出手段が算出した前記異物サイズが所定のサイズ以上であるときに警報を発する警報発生手段と、を有する侵入者監視装置である。
また、本発明は、撮影手段と、前記撮影手段の撮影視野に投光する投光手段とを有し、前記投光手段から投光して撮影した被測定物の画像に基づき、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を計測する測距装置における距離計測方法であって、前記投光手段の発光状態を、第1の発光状態及び第1の発光状態よりも照度の大きい第2の発光状態としたときの、前記被測定物の画像の輝度をそれぞれ取得する工程と、前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差に基づき、前記第1の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度差から、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を算出する工程と、を有する距離計測方法である。
また、本発明は、撮影手段と、前記撮影手段の撮影視野に投光する投光手段とを有し、前記投光手段から投光して撮影した被測定物の画像に基づき、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を計測する測距装置のコンピュータを、前記投光手段の発光状態を、第1の発光状態及び第1の発光状態よりも照度の大きい第2の発光状態としたときの、前記被測定物の画像の輝度をそれぞれ取得する輝度取得手段と、前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差に基づき、前記第1の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度差から、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を算出する算出手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単な構成により、物体の画像に基づいてその物体までの距離を計測することができ、これを用いて、小動物等による誤報を生じにくい侵入者監視装置を安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る測距装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る測距装置における、記憶部が記憶する距離算出情報の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る測距装置における、制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る測距装置の、動作手順を示すフロー図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る測距装置における、校正モード処理の手順を示すフロー図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る測距装置における、計測モード処理の手順を示すフロー図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る測距装置における、撮影モード処理の手順を示すフロー図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る侵入者監視装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る侵入者監視装置の、動作手順を示すフロー図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る侵入者監視装置における、監視モード処理の手順を示すフロー図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る侵入者監視装置における、背景取得処理の手順を示すフロー図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る侵入者監視装置における、監視処理の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る測距装置の構成を示すブロック図である。
本測距装置1は、レンズ及びCCD等の撮像素子で構成される撮影手段2と、撮影手段2の方向から撮像素子の撮影視野に投光する投光手段3と、を有している。ここで、撮影手段2及び投光手段3として、例えば、可視光ランプや赤外線ランプを備えた、一般に使用されている投光器付きカメラを使用することができる。なお、以下の説明においては、投光手段3により投光して撮影した画像を投光画像、投光せずに撮影した画像を無投光画像という。
【0015】
本測距装置1は、また、物体の無投光画像の輝度値Iと、輝度値I及び撮影手段2からその物体までの距離(撮影距離L)により定まる、その物体の無投光画像と投光画像との輝度差ΔIとの関係を示す距離算出情報を記憶する記憶部4と、撮影手段2等各部の動作を制御する制御部5と、ユーザが制御部5に動作指示を与えるための操作手段であり、かつ、ユーザに画像や種々のデータを表示する表示手段でもある、タッチパネル等から成る操作表示部6を有している。
【0016】
ここで、記憶部4が記憶する距離算出情報について、以下に説明する。
投光手段3により、撮影手段2の方向から撮影手段2の撮影視野に投光して物体を撮影する場合、その物体は、その撮影環境に存在する蛍光灯や太陽等からの光(環境照明)と、投光手段3から発した光とにより照明される。このうち投光手段3から発してその物体に到達する光の強度は、その物体までの距離の二乗に反比例するため、その物体の投光画像と無投光画像の輝度差ΔIは、その物体が投光手段3に近いほど、従って撮影手段2に近いほど大きくなる。
【0017】
一方、CCD等の撮影手段2を用いて得られる画像の輝度値Iは、一般に、撮影手段2の内部で行なわれるガンマ補正後の値であるため、物体の実際の輝度と撮影手段2から出力される輝度値Iとの関係は、線形にはならない。このため、無投光画像と投光画像から算出される輝度差ΔIは、通常はその物体の無投光画像の輝度値Iにも依存する。
【0018】
したがって、撮影手段2から物体までの距離(撮影距離)L、その物体の無投光画像の輝度値I、及び、投光画像と無投光画像の輝度差ΔIとの関係を、輝度値Iの異なる複数の物体について撮影距離Lを変えながら予め測定し、これらの測定値に基づいて、輝度値Iと輝度差ΔIにより撮影距離Lを求める算出式を導出すれば、その算出式から、撮影距離の不明な物体までの距離を算出することができる。また、算出式を導出できない場合でも、上記の測定値に対し内挿法又は外挿法を用いることにより、撮影距離の不明な物体までの距離を算出することができる。
【0019】
本実施形態では、撮影距離L、輝度値I、及び輝度差ΔIの測定値に対し内挿法又は外挿法を用いて、物体までの距離を算出するものとし、上記測定値を距離算出情報として記憶部4に記憶するものとしている。
すなわち、記憶部4が記憶する距離算出情報は、撮影手段2から物体までの距離(撮影距離)L、その物体の無投光画像の輝度値I、及び、投光画像と無投光画像の輝度差ΔIを、輝度値Iの異なる複数の物体について撮影距離Lを変えながら予め測定して得た測定値に基づいて作成される。
【0020】
図2は、記憶部4が記憶する距離算出情報の一例を示す図である。
図2Aに示す距離算出情報には、左側の列から右に向かって、撮影距離L、無投光画像の輝度値I、及び無投光画像と投光画像の輝度差ΔIが記載されている。なお、輝度値I及び輝度差ΔIは、256階調で表現した輝度の階調値で表されている。
【0021】
この距離算出情報は、例えば、輝度の異なる3つの領域で構成されたテストチャートを用いて、撮影距離Lを変えながら、撮影手段2と投光手段3により投光画像及び無投光画像を取得することにより作成することができる。
【0022】
図2Bは、図2Aに示した距離算出情報の、輝度値Iと輝度差ΔIとの関係を示すグラフであり、横軸を輝度値I、縦軸を輝度差ΔIとして、撮影距離Lが3m、6m、及び9mのときの測定値がプロットされている。
【0023】
図2Aに示した距離算出情報を用いると、撮影距離Lが不明な物体Zについて、その撮影距離Lを以下のように算出することができる。
一例として、その物体Zの無投光画像の輝度値Iが100、投光画像の輝度値が120であったとする。したがって、輝度差ΔIは20(=120−100)である。
【0024】
まず、図2Aの距離算出情報に示された測定値から、撮影距離Lが9m、6m、及び3mのそれぞれについて、輝度値I=100における輝度差ΔIを線形内挿法(直線近似)により算出すると、L=9mにおいてΔI=14.36、L=6mにおいてΔI=33.73、L=3mにおいてΔI=73.31となる。
【0025】
物体Zの輝度差ΔI=20は、上記で算出したL=9mにおける輝度差ΔI=14.36とL=6mにおける輝度差ΔI=33.73の間にあることから、物体Zの撮影距離Lは、9mと6mの間にあることが判る。そこで、これらの値から、ΔI=20となる撮影距離Lを線形内挿法により求めると、物体Zの撮影距離Lは8mとなる。
【0026】
なお、上記の例では3次元空間(L、I、ΔI)における線形内挿法(双線形内挿法)を用いたが、他の内挿法(例えば、双2次内挿法や双3次内挿法)を用いることもできる。また、線形外挿法や2次外挿法等の外挿法を用いて、例えば、投光手段3から9mより遠くにある物体や、3mより近くにある物体の撮影距離Lを算出することもできる。
【0027】
また、上記の例のように内挿法を用いて物体の撮影距離Lを求めるのではなく、図2Aに示した測定値に基づいて、被測定物の撮影距離Lを距離範囲として求めることもできる(上記の例では、撮影距離L=6m以上で9m未満)。なお、撮影距離Lをより狭い距離範囲で特定したい場合には、図2Cに点線で示すように、測定した撮影距離Lとは異なる撮影距離L(図2Cでは、4m、5m、7m、及び8m)についての輝度値Iと輝度差ΔIの関係を、予め内挿法により算出して距離算出情報(図2Aの表)に追加しておけばよい。
【0028】
さらに、上記の説明においては、投光手段3がONの時(点灯時)及びOFFのとき(消灯時)に物体を撮影し、投光画像及び無投光画像からその物体の距離を算出するものとしたが、環境照明が暗く、適切な明るさの無投光画像が得られないときは、投光手段3の発光状態を照度の異なる2つの発光状態で点灯させて、物体までの距離を算出することもできる。すなわち、投光手段3を、第1の発光状態と、第1の発光状態よりも明るい(照度の大きい)第2の発光状態で点灯するものとし、無投光画像の代わりに第1の発光状態において撮影した画像を、投光画像の代わりに第2の発光状態において撮影した画像を用いて、物体までの距離を算出することもできる。
【0029】
図3は、制御部5の構成を示すブロック図である。
制御部5は、CPU(Central Processing Unit)、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータであり、撮影手段2と投光手段3を制御して、撮影手段2の撮影視野内にある物体の無投光画像及び投光画像を取得する画像取得手段51と、その物体の無投光画像及び投光画像の輝度をそれぞれ取得して、輝度値I及び輝度差ΔIを特定する輝度取得手段52と、特定した輝度値I、輝度差ΔI、及び記憶部4に記憶された距離算出情報から、その物体までの距離を算出する算出手段である距離算出手段53と、記憶部4に記憶する距離算出情報を作成する算出情報作成手段54と、外部の機器(例えば、パーソナルコンピュータ:PC(Personal Computer))との間で動作指示やデータ等の情報をやりとりするため通信インタフェース55と、を有している。
【0030】
ここで、制御部5が有する上記の各手段は、プログラムにより実現される制御部(コンピュータ)5の機能実現手段である。また、コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。
【0031】
上記の構成を備える測距装置1は、ユーザが、撮影手段2の撮影視野を物体に向けた後、電源を投入して操作表示部6により撮影を開始すると、まず、制御部5が、投光手段3をON/OFFを制御して、撮影手段2によりその物体の無投光画像と投光画像を取得する。次に、制御部5は、無投光画像から輝度値Iを、無投光画像と投光画像から輝度差ΔIを求め、記憶部4が記憶している距離算出情報を参照して、その物体の撮影距離Lを算出する。
【0032】
これにより、測距装置1は、特殊な部品を用いることなく、一般に使用されている投光器付きカメラ等、撮影手段2と投光手段3とを組み合わせた簡単な構成により、物体の画像に基づいてその物体までの距離を測定することができる。
【0033】
次に、測距装置1の動作手順について、図4に示すフロー図を用いて説明する。なお、測距装置1は3つの動作モード、すなわち、記憶部4に距離算出情報を記憶させるための校正モード、撮影視野内の物体を撮影する撮影モード、及び、物体を撮影すると共にその物体までの距離を測定する計測モードを有している。
【0034】
まず、ユーザが測距装置1の電源を投入すると(S101)、制御部5は、動作モードを入力するための画面(動作モード入力画面)を操作表示部6に表示し(S102)、動作モードが入力されたか否かを判断して(S103)、動作モードが入力されていないときは(S103、No)、入力されるまで待機する。一方、動作モードが入力されたときは(S103、Yes)、入力された動作モードが校正モードか否かを判断し(S104)、校正モードであるときは(S104、Yes)、校正モード処理を行った後(S105)、ステップS102に戻る。
【0035】
ステップS104において、入力された動作モードが校正モードでないときは(S104、No)、入力された動作モードが計測モードであるか否かを判断し(S106)、計測モードであるときは(S106、Yes)、計測モード処理を行った後(S107)、ステップS102に戻る。
一方、入力された動作モードが計測モードでないとき、即ち、撮影モードであるときは(S106、No)、撮影モード処理を行った後(S108)、ステップS102に戻る。
【0036】
次に、測距装置1における校正モード処理の手順を、図5に示すフロー図にしたがって説明する。
校正モード処理を開始すると、制御部5は、操作表示部6に、ユーザが撮影開始指示を入力するための画面を表示し(S201)、撮影開始指示が入力されたか否かを判断する(S202)。そして、撮影開始指示が入力されていないときは(S202、No)、入力されるまで待機する。
【0037】
この待機期間に、ユーザは、例えば輝度の異なる3つの領域で構成されるテストチャートを準備し、そのテストチャートを撮影手段2から所定距離離れた位置に配置する。そして、テストチャートの配置を完了したら、操作表示部6に撮影開始指示を入力する。
【0038】
操作表示部6により撮影開始指示が入力されると(S202、Yes)、制御部5は、画像取得手段51により、投光手段3をOFFにしてテストチャートの無投光画像を取得した後(S203)、投光手段3をONにしてテストチャートの投光画像を取得する(S204)。
【0039】
次に、制御部5は、操作表示部6に、テストチャートの投光画像を表示すると共に、ユーザに対し、輝度値I及び輝度差ΔIを求める領域(測定対象領域)と、その測定対象領域までの距離(撮影距離L)を入力するよう促すメッセージを表示する(S205)。続いて、制御部5は、測定対象領域とその撮影距離Lが入力されたか否かを判断し(S206)、入力されていないときは(S206、No)、入力されるまで待機する。
【0040】
ここで、ユーザは、例えば撮影視野内に配置したテストチャート上の領域を測定対象領域として入力し、撮影手段2からそのテストチャートまでの距離を撮影距離Lとして入力する。なお、測定対象領域の入力は、例えば、ユーザがマウス等のポインティング・デバイス(不図示)を用いて、テストチャートの画像の上に矩形を描いて行なうものとすることができる。
【0041】
ユーザが測定対象領域とその撮影距離Lを入力すると(S206、Yes)、制御部5の輝度取得手段52は、無投光画像及び投光画像に基づき、指定された測定対象領域の輝度値Iと輝度差ΔIを取得する(S207)。ここで、輝度値I及び輝度差ΔIは、例えば、入力された測定対象領域内の各画素の輝度値の平均値及び輝度差の平均値を、それぞれ256階調で表した輝度の階調値として取得することができる。
【0042】
次に、制御部5は、ステップS206において入力された撮影距離Lと、ステップS207で求めた輝度値I及び輝度差ΔIを、距離算出情報として記憶部4に記憶し(S208)、操作表示部6に、校正モード処理の続行指示又は終了指示を入力するための画面を表示する(S209)。続いて、制御部5は、操作表示部6に校正作業の続行指示が入力されたか否かを判断し(S210)、続行指示が入力されたときは(S210、Yes)、ステップS201に戻って処理を繰り返す。
【0043】
一方、続行指示が入力されていないとき、すなわち、終了指示が入力されたときは(S210、Yes)、算出情報生成手段54は、測定された各測定値(L,I,ΔI)に基づき、内挿法又は外挿法により、所定の撮影距離Lにおける所定の輝度値Iに対する輝度差ΔIを算出する(S211)。続いて、制御部5は、上記所定の撮影距離L及び輝度値Iと、算出した輝度差ΔIとを、距離算出情報として記憶部4に記憶して(S212)、処理を終了する。
【0044】
ここで、上記所定の撮影距離Lは、例えば図2に示した例であれば4m、5m、7m、及び8mとすることにより(図2Cの点線)、3mから9mまで1m間隔のデータを距離算出情報とすることができる。また、上記所定の輝度値Iとして、例えば、階調値10から250まで10階調の間隔とすることができる。これにより、後述する計測モード処理においては、距離計測のたびに内挿法や外挿法による計算を行なうことなく、撮影距離が不明の物体の撮影距離を精度1mで特定することができる。
なお、距離計測のたびに物体の撮影距離を内挿法又は外挿法により求める場合には、上記のステップS211及びS212の処理は不要である。
【0045】
次に、測距装置1における計測モード処理の手順を、図6に示すフロー図にしたがって説明する。
計測モード処理を開始すると、制御部5は、ユーザが撮影開始指示を入力するための画面を操作表示部6に表示し(S301)、撮影開始指示が入力されたか否かを判断する(S302)。そして、撮影開始指示が入力されていないときは(S302、No)、入力されるまで待機する。
【0046】
一方、操作表示部6に操作開始指示が入力されると(S302、Yes)、制御部5の画像取得手段51は、投光手段3をOFFにして撮影視野内にある物体の無投光画像を取得した後(S303)、投光手段3をONにしてその物体の投光画像を取得する(S304)。次に、制御部5の輝度取得手段52は、取得した無投光画像と投光画像に基づいて、画素毎に輝度値Iと輝度差ΔIを取得し(S305)、記憶部4が記憶している距離算出情報を参照して(S306)、距離算出情報と、画素毎の輝度値I及び輝度差ΔIから、画素毎の撮影距離Lを算出して(S307)、処理を終了する。
【0047】
ここで、ステップS307で算出した画素毎の撮影距離Lは、例えば、通信インタフェース55を介して他の機器(PC等)へ送信するものとしてもよい。また、ステップS303又はS304で取得した無投光画像又は投光画像を操作表示部6に表示すると共に、ユーザがマウス等(不図示)により指定した所定位置の画素の撮影距離Lを操作表示部6に表示するものとしてもよい。さらに、制御部5により、各画素にその撮影距離Lに応じた色を付し、撮影視野内に存在する各物体の撮影距離の違いを色の違いとして表示した画像(距離画像)を生成して、操作表示部6に表示するものとしてもよい。
【0048】
なお、本実施形態では、投光画像と無投光画像を1回取得して撮影距離を算出するだけで計測モード処理を終了する構成としたが、撮影距離の算出後、ステップS303に戻って処理を繰り返すものとしてもよい。これにより、撮影距離をリアルタイムに計測して、物体の動きを捉えることができる。このように計測モード処理を繰り返す場合には、操作表示部6の表示領域の隅などに計測終了ボタンを表示しておき、ユーザが計測終了ボタンを押下したときに、操作表示部6から制御部5に割り込み信号を送信して計測モード処理を終了させるものとしてもよい。
【0049】
次に、測距装置1における撮影モード処理の手順を、図7に示すフロー図にしたがって説明する。
撮影モード処理を開始すると、制御部5は、操作表示部6に、投光手段3の点灯指示又は消灯指示を入力するための画面を表示し(S401)、点灯指示が入力されたか否かを判断する(S402)。そして、点灯指示が入力されたときは(S402、Yes)、投光手段3が点灯していなければ、投光手段3を点灯する(S403)。一方、点灯指示が入力されていないときは(S402、No)、消灯指示が入力されたか否かを判断し(S404)、消灯指示が入力されたときは(S404、Yes)、投光手段3が点灯していれば、投光手段3を消灯する(S405)。また、ステップS404において、消灯指示が入力されていないときは(S404、No)、ステップS402に戻って、点灯指示又は消灯指示が入力されるまで上記の処理を繰り返す。
【0050】
次に、制御部5は、ユーザが撮影開始指示を入力するための画面を操作表示部6に表示し(S406)、ユーザが撮影開始指示を入力したか否かを判断する(S407)。そして、撮影開始指示を入力していないときは(S407、No)、入力されるまで待機する。
【0051】
一方、操作表示部6に撮影開始指示が入力されると(S407、Yes)、制御部5の画像取得手段51は、撮影視野内にある物体の画像を取得した後(S408)、取得した画像を操作表示部6に表示して(S409)、処理を終了する。
【0052】
上述した撮影モード処理においては、撮影視野の画像を1回取得して操作表示部6に表示するだけで撮影モード処理を終了する構成としたが、操作表示部6へ画像を表示した後、ステップS408に戻って処理を繰り返すものとしてもよい。これにより、撮影視野の画像をリアルタイムに撮影することができる。この場合には、操作表示部6の表示領域の隅などに撮影終了ボタンを表示しておき、ユーザが撮影終了ボタンを押下したときに、操作表示部6から制御部5に割り込み信号を送信して撮影モード処理を終了させるものとしてもよい。
【0053】
なお、上述した校正モード処理、計測モード処理、及び撮影モード処理において、操作表示部6を用いて入力される情報(撮影開始指示や測定対象領域等)は、他の機器(PC等)から通信インタフェース55を介して与えられるものとしてもよい。
【0054】
次に、本発明の第2の実施形態に係る測距装置について説明する。
本測距装置では、第1の実施形態に係る測距装置1における記憶部4が記憶する距離換算情報を用いず、距離算出手段53は、輝度値Iと輝度差ΔIから撮影距離Lを求める算出式を用いて、物体までの距離を算出するものとする。
【0055】
本実施形態によれば、内挿法又は外挿法等を用いることなく、物体までの距離を簡単に算出することができる。
【0056】
具体的には、撮影距離Lを求める算出式は、撮影手段2から物体までの距離(撮影距離)L、その物体の無投光画像の輝度値I、及び、投光画像と無投光画像の輝度差ΔIを、輝度値Iの異なる複数の物体について撮影距離Lを変えながら予め測定して得た測定値に基づき、直線近似法や2次曲線近似法等の数学的手法を用いて導出することができる。
【0057】
なお、上記測定において、環境照明が暗く適切な明るさの無投光画像が得られないときは、投光手段3を、第1の発光状態と、第1の発光状態よりも明るい(照度の大きい)第2の発光状態で点灯するものとし、無投光画像の代わりに第1の発光状態において撮影した画像を、投光画像の代わりに第2の発光状態において撮影した画像を用いて、輝度値I及び輝度差ΔIを測定し、上記算出式を導出するものとしてもよい。
【0058】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態は、本発明に係る測距装置を、建物敷地等の監視領域を撮影する監視カメラとして用いた侵入者監視装置である。
図8は、本実施形態に係る侵入者監視装置7の構成を示すブロック図である。
本侵入者監視装置7は、測距装置1’と、測距装置1’に動作指示を与えると共に測距装置1’から画像を取得し、その画像を処理して侵入者を検知する処理部8と、測距装置1’と処理部8とを接続するデータバス9と、測距装置1’により取得した画像データを記憶する画像記憶部10と、ユーザが処理部8への動作指示を入力する入力手段であり、かつ、処理部8がユーザに画像やデータを表示する表示部でもある、タッチパネル等により構成される操作表示部11と、処理部8が侵入者を検知したときに警告を発するスピーカ12と、を有している。
【0059】
測距装置1’は、第1の実施形態に係る測距装置1と同様に、撮影手段2、投光手段3、記憶部4を有するが、操作表示部6を有さず、操作表示部6からの入力に応じて動作する制御部5の代わりに、データバス9を介して受信した動作指示により動作すると共に、画像データ等の情報をデータバス9を介して処理部8へ送信する制御部5’を有している。
【0060】
制御部5’は、第1の実施形態に係る測距装置1における制御部5と同様に、画像取得手段51、輝度取得手段52、距離算出手段53、算出情報生成手段54、及び、通信インタフェース55を有している。
【0061】
処理部8は、CPU(Central Processing Unit)、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータであり、測距装置1’から取得した、侵入者等の異物のない状態における撮影視野の画像(背景画像)と、監視時の撮影視野の画像(監視画像)に基づき、監視画像と背景画像との各画素の差分(例えば輝度の差分)を算出して得られる画像(差分画像)により異物を検知する異物検知手段81を有している。
【0062】
また、処理部8は、測距装置1’により計測した異物までの距離と、差分画像における異物の影像(異物画像)の大きさ(例えば画素数)から、その異物の大きさを算出する異物サイズ算出手段82と、異物サイズ算出手段82が算出した異物の大きさが所定の大きさ以上であるときに、その異物を侵入者と判断して警報を発する警報発生手段83と、データバス9を介して測距装置1’とデータのやりとりを行なうための通信インタフェース84と、を有している。
【0063】
なお、本実施形態では、侵入者監視装置7を動作させるコンピュータとして、処理部8及び測距装置1’が有するコンピュータである制御部5’を用いているが、制御部5’を用いず処理部8により、測距装置1’の各部を制御すると共に制御部5’が有する各手段を実現するものとしてもよい。また、画像記憶部10を使用せず、画像記憶部10に記憶する画像を記憶部4に記憶するものとしてもよい。
【0064】
上記の構成を有する侵入者監視装置7は、背景画像と監視画像により得られる差分画像から異物を検知すると、その異物までの距離を測距装置1’により計測し、差分画像における異物画像の大きさと異物までの距離から、その異物の大きさを算出して、その大きさによりその異物が侵入者であるか否かを判断する。
これにより、侵入者監視装置7は、ネズミ等の小動物と人とを識別することができ、小動物を侵入者と間違えて誤報が生じるのを防止することができる。
【0065】
次に、本侵入者監視装置7の動作手順について、図9に示すフロー図を用いて説明する。なお、侵入者監視装置7は、記憶部4に距離算出情報を記憶させるための校正モードと、侵入者の監視を行なう監視モードという2つの動作モードを有している。また、以下の説明においては、撮影手段2の撮影視野は、既に、建物敷地や屋内等の監視領域を撮影できるように設定されているものとする。
【0066】
まず、ユーザが侵入者監視装置7の電源を投入すると(S501)、処理部8は、操作表示部11に、動作モードを入力するための画面を表示し(S502)、動作モードが入力されたか否かを判断して(S503)、動作モードが入力されていないときは(S503、No)、入力されるまで待機する。一方、動作モードが入力されたときは(S503、Yes)、入力された動作モードが監視モードか否かを判断し(S504)、監視モードであるときは(S504、Yes)、監視モード処理を行った後(S505)、ステップS502に戻る。
【0067】
また、ステップS504において、入力された動作モードが監視モードでないとき、すなわち、校正モードであるときは(S504、No)、校正モード処理を行った後(S506)、ステップS502に戻る。
【0068】
なお、ステップS506の校正モード処理は、図5に示した校正モード処理と同様であるが、操作表示部6の代わりに操作表示部11が使用されることのみが異なる。
【0069】
次に、侵入者監視装置7における監視モード処理の手順を、図10に示すフロー図にしたがって説明する。
監視モード処理を開始すると、処理部8は、背景画像の取得指示(背景取得指示)又は監視画像の取得指示(監視動作指示)のいずれかを入力するための画面(動作指示入力画面)を操作表示部11に表示する(S601)。
【0070】
次に、処理部8は、上記のいずれかの動作指示が入力されたか否かを判断して(S602)、いずれの動作指示も入力されていないときは(S602、No)、いずれかが入力されるまで待機する。一方、いずれかの指示が入力されたときは(S602、Yes)、入力された指示が監視動作指示であるか否かを判断し(S603)、監視動作指示であるときは(S603、Yes)、監視処理を行った後(S604)、ステップS601に戻って処理を繰り返す。
【0071】
一方、ステップS603において、入力された指示が監視動作指示でないとき、すなわち背景取得指示であるときは(S603、No)、背景取得処理を行った後(S605)、ステップS601に戻って処理を繰り返す。
【0072】
次に、侵入者監視装置7における背景取得処理の手順を、図11に示すフロー図にしたがって説明する。
背景取得処理を開始すると、処理部8は、測距装置1’に、撮影視野内(すなわち監視領域)の無投光画像及び投光画像の取得を指示するコマンドを、データバス9を介して送信する(S701)。
【0073】
測距装置1’の制御部5’は上記のコマンドを受信し、画像取得手段51により、まず投光手段3をOFFにして監視領域の無投光画像を取得した後(S702)、投光手段3をONにして監視領域の投光画像を取得する(S703)。続いて、制御部5’は、取得した無投光画像及び投光画像を、それぞれ無投光時の背景画像及び投光時の背景画像として記憶部4に記憶した後(S704)、それらの画像をデータバス9を介して処理部8に送信する(S705)。
【0074】
処理部8は、制御部5’から送信された無投光画像及び投光画像を受信し、これらの画像を、それぞれ無投光時の背景画像及び投光時の背景画像として画像記憶部10に記憶して(S706)、背景取得処理を終了する。
【0075】
次に、侵入者監視装置7における監視処理の手順を、図12に示すフロー図にしたがって説明する。なお、測距装置1’の記憶部4には、侵入者監視装置7の設置環境における距離算出情報が、既に記憶されているものとする。
監視動作処理を開始すると、処理部8は、上述した背景取得処理における画像取得動作(図11のステップS701ないしS705)と同様に、測距装置1’に対しコマンドを送信し、測距装置1’により、監視領域の無投光画像と投光画像を取得する(S801)。このとき、制御部5’は、図11のステップS704と同様に、監視領域の無投光画像と投光画像を、無投光時の監視画像及び投光時の監視画像として記憶部4に記憶するものとする。
【0076】
次に、処理部8は、測距装置1’により取得した監視領域の無投光画像と投光画像を、それぞれ無投光時の監視画像及び投光時の監視画像として画像記憶部10に記憶する(S802)。
【0077】
続いて、処理部8の異物検知手段81は、画像記憶部10に記憶された各画像を参照し、無投光時の差分画像と投光時の差分画像を生成する(S803)。無投光時及び投光時の差分画像の生成は、それぞれ、無投光時及び投光時の、背景画像と監視画像の差分、例えば、画素毎の輝度の差の絶対値を算出して生成する。
【0078】
次に、異物検知手段81は、無投光時及び投光時の差分画像に異物が写っているか否かを判断する(S804)。ここで、差分画像に異物が写っているか否かの判断は、例えば、各差分画像に対し所定の値より大きい輝度値を持つ画素(異物画素)のみを抽出する2値化処理を行った後、ラベリング処理を行って、隣接する異物画素の画素数が所定の数を超えていれば異物有りと判断することができる。
【0079】
ステップS804において、無投光時の差分画像又は投光時の差分画像のいずれかの差分画像に異物が写っていないときは(S804、No)、ステップS801に戻って処理を繰り返す。
一方、ステップS804において、無投光時及び投光時の差分画像のいずれにも異物が写っているときは(S804、Yes)、処理部8の異物サイズ算出手段82は、無投光時及び投光時の差分画像に写っている異物の、縦方向及び横方向の画素数を、それぞれ算出する(S805)。
【0080】
続いて、処理部8の異物サイズ算出手段82は、測距装置1’に対し、その異物までの距離(異物の撮影距離L)を算出するよう指示するコマンド(算出指示コマンド)を送信する(S806)。ここで、上記の算出指示コマンドは、例えば、距離算出の対象位置として、無投光時及び投光時の監視画像における異物画素の位置の情報を付して構成することができる。
【0081】
次に、制御部5’は、算出指示コマンドを受信し、記憶部4に記憶した無投光時及び投光時の監視画像に基づき、距離算出手段53により、上記算出指示コマンドにより指定された位置の各異物画素の撮影距離Lを算出して、処理部8に送信する(S807)。
【0082】
処理部8は、各異物画素の撮影距離Lを受信し、異物サイズ算出手段82は、受信した異物画素の撮影距離Lの平均値を算出して、異物までの距離とする(S808)。ここで、異物までの距離は、平均値以外にも、異物画素の撮影距離Lの最小値、最大値、又は中央値とすることができる。また、各異物画素の撮影距離Lが距離範囲として表現されている場合は、その距離範囲の中央値の平均値、下限値の最小値、又は上限値の最大値とすることもできる。
【0083】
次に、異物サイズ算出手段82は、ステップS805で算出した異物の縦方向及び横方向の画素数と、ステップS808で算出した異物までの距離に基づき、その異物のサイズ(縦方向及び横方向の大きさ)を算出する(S809)。続いて、警報発生手段83は、算出した異物のサイズが所定のサイズ以上であるか否かを判断し(S810)、所定のサイズ以上(例えば、縦方向及び横方向の大きさがいずれも所定の値以上)であるときは(S810、Yes)、その異物を侵入者であると判断し、侵入者を検知したことを示す警報として、スピーカ12から警告音を鳴らし(S811)、監視処理を終了する。
【0084】
なお、警報発生後は、監視処理を終了せずに警報を発し続けるものとすることもできる。この場合には、例えば、操作表示部11に設けたリセットスイッチ(不図示)等により警報を解除して、監視処理を終了するものとすることができる。また、警報発生手段83が発する警報として、スピーカ12から警告音を鳴らす代わりに、赤色ランプを点滅させたり、建物等の監視領域全体を管理する監視装置(不図示)等に警報信号を送信するものとしてもよい。
【0085】
一方ステップS810において、異物の縦方向及び横方向の大きさのいずれかが、所定の大きさ未満であるときは(S810、No)、その異物は侵入者ではないものとして、ステップS801に戻って処理を繰り返す。
ここで、ステップS810では、異物の縦方向及び横方向の大きさのいずれもが所定の値以上であるときに、その異物を侵入者と判断するものとしたが、縦方向又は横方向のいずれかが所定の大きさ以上であるときに、その異物を侵入者と判断するものとしてもよい。また、異物の面積が所定の値以上であるときに、その異物を侵入者と判断するものとしてもよい。
【0086】
なお、上述した監視動作処理においては、無投光時及び投光時の差分画像の両方に異物が映っていると判断したときに異物までの距離を計測するものとしたが(図12のステップS804、Yes)、これに限らず、無投光時の差分画像又は投光時の差分画像のいずれかに異物が映っていると判断したときに、異物までの距離を計測するものとしてもよい。
【0087】
また、侵入者検知の判断基準として異物の縦方向及び横方向の大きさが所定の値以上であること(図12のステップS810、Yes)としたが、その他にも、例えば、異物画素の撮影距離Lの最大値と最小値の差から算出した異物の奥行き方向の厚みが、所定の値以上であることも、判断基準の一つとすることができる。
【0088】
以上説明したように、第1及び第2の実施形態に係る測距装置は、特殊な部品を用いることなく、一般に使用されている投光器付きカメラ等、撮影手段2と投光手段3とを組み合わせた簡単な構成により、被測定物の画像に基づいてその被測定物までの距離を測定することができる。また、本発明に係る測距装置を用いれば、第3の実施形態に係る侵入者監視装置のように、小動物等と侵入者とを的確に識別して、小動物等を侵入者と間違えて誤報を生ずることのない侵入者監視装置を、安価に構成することができる。
【符号の説明】
【0089】
1、1’・・・測距装置、2・・・撮影手段、3・・・投光手段、4・・・記憶部、5、5’・・・制御部、51・・・画像取得手段、52・・・輝度取得手段、53・・・距離算出手段、54・・・算出情報生成手段、55、84・・・通信インタフェース、6、11・・・操作表示部、7・・・侵入者監視装置、8・・・処理部、81・・・異物検知手段、82・・・異物サイズ算出手段、83・・・警報発生手段、9・・・データバス、10・・・画像記憶部、12・・・スピーカ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影手段と、前記撮影手段の撮影視野に投光する投光手段とを有し、前記投光手段から投光して撮影した被測定物の画像に基づき、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を計測する測距装置であって、
前記投光手段の発光状態を、第1の発光状態及び第1の発光状態よりも照度の大きい第2の発光状態としたときの、前記被測定物の画像の輝度をそれぞれ取得する輝度取得手段と、
前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差に基づき、前記第1の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度差から、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を算出する算出手段と、
を有する測距装置。
【請求項2】
請求項1に記載された測距装置において、
前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差とを記憶する記憶手段を有する測距装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された測距装置において、
前記投光手段の第1の発光状態は消灯状態であり、第2の発光状態は点灯状態である測距装置。
【請求項4】
監視領域に異物がないときの背景画像と、前記監視領域内への異物の侵入を監視する監視画像との差分画像から、前記監視領域内の異物を検知して前記監視領域内の侵入者を検知する侵入者監視装置であって、
請求項1ないし3のいずれかに記載された測距装置と、
前記測距装置が計測した前記撮影手段から前記異物までの距離と、前記差分画像における前記異物画像のサイズから、前記異物サイズを算出する異物サイズ算出手段と、
異物サイズ算出手段が算出した前記異物サイズが所定のサイズ以上であるときに警報を発する警報発生手段と、
を有する侵入者監視装置。
【請求項5】
請求項4に記載された侵入者監視装置において、
前記異物サイズ算出手段は、前記測距装置が計測した、前記異物のうち前記撮影手段から最も遠い部分と前記撮影手段との距離、及び最も近い部分と前記撮影手段との距離の差により、前記異物の厚さを算出する機能を有し、
前記警報発生手段は、さらに、前記異物の厚さが所定の厚さ以上であるときに、警報を発する侵入者監視装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載された侵入者監視装置において、
前記差分画像は、前記投光手段が第1の発光状態であるときに取得された背景画像と監視画像とに基づいて生成される測距装置。
【請求項7】
請求項4又は5に記載された侵入者監視装置において、
前記差分画像は、前記投光手段が第2の発光状態であるときに取得された背景画像と監視画像とに基づいて生成される測距装置。
【請求項8】
撮影手段と、前記撮影手段の撮影視野に投光する投光手段とを有し、前記投光手段から投光して撮影した被測定物の画像に基づき、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を計測する測距装置における距離計測方法であって、
前記投光手段の発光状態を、第1の発光状態及び第1の発光状態よりも照度の大きい第2の発光状態としたときの、前記被測定物の画像の輝度をそれぞれ取得する工程と、
前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差に基づき、前記第1の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度差から、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を算出する工程と、
を有する距離計測方法。
【請求項9】
撮影手段と、前記撮影手段の撮影視野に投光する投光手段とを有し、前記投光手段から投光して撮影した被測定物の画像に基づき、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を計測する測距装置のコンピュータを、
前記投光手段の発光状態を、第1の発光状態及び第1の発光状態よりも照度の大きい第2の発光状態としたときの、前記被測定物の画像の輝度をそれぞれ取得する輝度取得手段と、
前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差に基づき、前記第1の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度差から、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を算出する算出手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
撮影手段と、前記撮影手段の撮影視野に投光する投光手段とを有し、前記投光手段から投光して撮影した被測定物の画像に基づき、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を計測する測距装置であって、
前記投光手段の発光状態を、第1の発光状態及び第1の発光状態よりも照度の大きい第2の発光状態としたときの、前記被測定物の画像の輝度をそれぞれ取得する輝度取得手段と、
前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差に基づき、前記第1の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度差から、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を算出する算出手段と、
を有する測距装置。
【請求項2】
請求項1に記載された測距装置において、
前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差とを記憶する記憶手段を有する測距装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された測距装置において、
前記投光手段の第1の発光状態は消灯状態であり、第2の発光状態は点灯状態である測距装置。
【請求項4】
監視領域に異物がないときの背景画像と、前記監視領域内への異物の侵入を監視する監視画像との差分画像から、前記監視領域内の異物を検知して前記監視領域内の侵入者を検知する侵入者監視装置であって、
請求項1ないし3のいずれかに記載された測距装置と、
前記測距装置が計測した前記撮影手段から前記異物までの距離と、前記差分画像における前記異物画像のサイズから、前記異物サイズを算出する異物サイズ算出手段と、
異物サイズ算出手段が算出した前記異物サイズが所定のサイズ以上であるときに警報を発する警報発生手段と、
を有する侵入者監視装置。
【請求項5】
請求項4に記載された侵入者監視装置において、
前記異物サイズ算出手段は、前記測距装置が計測した、前記異物のうち前記撮影手段から最も遠い部分と前記撮影手段との距離、及び最も近い部分と前記撮影手段との距離の差により、前記異物の厚さを算出する機能を有し、
前記警報発生手段は、さらに、前記異物の厚さが所定の厚さ以上であるときに、警報を発する侵入者監視装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載された侵入者監視装置において、
前記差分画像は、前記投光手段が第1の発光状態であるときに取得された背景画像と監視画像とに基づいて生成される測距装置。
【請求項7】
請求項4又は5に記載された侵入者監視装置において、
前記差分画像は、前記投光手段が第2の発光状態であるときに取得された背景画像と監視画像とに基づいて生成される測距装置。
【請求項8】
撮影手段と、前記撮影手段の撮影視野に投光する投光手段とを有し、前記投光手段から投光して撮影した被測定物の画像に基づき、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を計測する測距装置における距離計測方法であって、
前記投光手段の発光状態を、第1の発光状態及び第1の発光状態よりも照度の大きい第2の発光状態としたときの、前記被測定物の画像の輝度をそれぞれ取得する工程と、
前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差に基づき、前記第1の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度差から、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を算出する工程と、
を有する距離計測方法。
【請求項9】
撮影手段と、前記撮影手段の撮影視野に投光する投光手段とを有し、前記投光手段から投光して撮影した被測定物の画像に基づき、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を計測する測距装置のコンピュータを、
前記投光手段の発光状態を、第1の発光状態及び第1の発光状態よりも照度の大きい第2の発光状態としたときの、前記被測定物の画像の輝度をそれぞれ取得する輝度取得手段と、
前記撮影手段からの距離毎に予め測定された、前記第1の発光状態における物体の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態における前記物体の画像の輝度差に基づき、前記第1の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度と、前記第1及び第2の発光状態において取得した前記被測定物の画像の輝度差から、前記撮影手段から前記被測定物までの距離を算出する算出手段、
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−117896(P2012−117896A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267277(P2010−267277)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】
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