説明

湿度センサ感湿膜用電解質高分子組成物、それから製造される電解質高分子インク、及びインクジェット印刷方式を用いて感湿膜を形成する湿度センサの製造方法

【課題】高分子湿度センサの感湿膜形成用電解質高分子溶液、それから製造されるインク、及びそのインクを用いた高分子膜湿度センサの製造に関す
る。
【解決手段】電解質高分子溶液は、電解質高分子、架橋剤、アルコール等の有機溶媒の単独又は混合物とする。製造されるインクは、電解質高分子溶
液に、インクジェットプリンタの適合した液流動性を確保するために、有機溶媒と、インクによるノズルの乾燥を防ぐ高沸点ヒューメクタントと、界面活性剤と
を添加し、インクを製造する。このインクをインクジェットプリンタを用いて、湿度センサの感湿膜を形成し、加熱熱処理によって湿度センサを製造する。湿度
センサの感湿膜に適した特性の電解質溶液、及びインクジェット用電解質インクの製造でき、インクジェット印刷、熱処理後、一定の厚さを有する感湿膜を形成
して、信頼性の高い湿度センサを製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿度センサ感湿膜用電解質高分子組成物、それから製造される電解質高分子インク、及びそのインクを用いた湿度センサの感湿膜の形成方
法に関し、より詳しくは、電解質高分子を溶媒に溶解させて、電解質高分子組成物溶液を製造し、これをインクジェットプリンタに適用して、感湿膜を形成可能
な電解質高分子インク、また、製造された電解質高分子インクをインクジェットプリンタを用いて印刷した後、熱処理することにより、様々な電極上に感湿膜を
形成して湿度センサを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の感湿膜の形成方法は、主に、浸漬法、塗布法、スピンコート法、スプレー塗布法、ディスペンサ塗布法を用いており、基材としては、使用目的
に応じて、アルミナまたはエポキシのような硬質基材と、ポリイミドのような軟質基材など、様々な基材が用いられている。
【0003】
浸漬・塗布法は、電極が形成された基材にリード線を取り付け、治具に固定した後、感湿膜に垂直に一定の時間の間浸漬し、その後、上昇させて水平
に維持して乾燥してから、熱反応後、感湿膜を形成する方法である。
【0004】
スピンコート法は、半導体工程において多く用いられる方法であって、回転する電極に電解質高分子液を滴下することにより、電極に感湿膜を形成す
る方法である。
【0005】
スプレー法は、電解質高分子溶液をノズルから噴霧して電極に塗布することにより、感湿膜を形成する方法である。
【0006】
ディスペンサ塗布法は、数μl単位の電解質高分子溶液を、マイクロ注射器を用いて射出することにより、電極上に感湿膜を形成する方法である。
[先行技術文献]
【0007】
PCT国際調査報告書を参照されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上の方法は、広く用いられているが、工程が複雑であり、工程時間が比較的に長く、原料の損失、低い歩留まり、及び高費用などの問題があった。
特に、電極が既に相当な厚さに形成された状態で、一定の厚さの感湿膜を形成することは極めて難しいので、正確性が要求される物性を調節するのが極めて困難
である。また、最も広く用いられる方法である浸漬法は、硬質基材に対しては容易であるものの、軟質基材の感湿膜の塗布は難しいことが現状である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した問題点は、インクジェットプリンタを用いて感湿膜を形成する方法により解決することができる。
【0010】
インクジェットを用いた湿度センサの感湿膜の形成方法は、電解質高分子インクを、コンピュータにより設計されたパターン通りに、インクジェット
プリンタのヘッドから電極が形成された基材に吐出させて感湿膜を形成する方法であって、各湿度の領域において正確な特性を示す感湿膜の場合、一つの基材上
において、数個の電極に異なる組成の感湿膜を選別的に塗布することが可能である。
【0011】
インクジェットを用いた感湿膜の形成方法は、前述した問題点を解決できるだけでなく、コンピュータと周辺機器の発展に伴い、回路上における厚さ
を容易に調節して塗布することができるという長所があり、また、需要者が要求する湿度センサの少量・多品種化を可能にして、安価で需要者に提供することが
でき、正確かつ信頼性のある湿度センサを提供することができる。
【0012】
このような利点を生かすためには、電解質高分子溶液は、インクジェット印刷を可能にする要件を備えるとともに、感湿特性が低下してはならない。
すなわち、インクジェット印刷を可能にするインクの性質である粘度、表面張力、長期保存安定性などを満足させ、感湿特性もまた優れていなければならない。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、インクジェット印刷に適合しており、感湿特性に優れた電解質高分子組成物溶液を製造
し、これから製造されるインクを提供し、また、これを用いてインクジェットプリンタを用いた感湿膜を塗布して、湿度センサを製造する方法を提供することに
ある。
【0014】
本発明者らは、前述のようにインクジェット方式で感湿膜を形成可能な電解質高分子インクを開発するために努力したあげく、これに適合した感湿膜
形成用電解質高分子組成物溶液を製造し、これから電解質高分子インクを製造することができた。
【0015】
上記感湿膜形成用電解質高分子組成物は、電解質高分子、架橋剤で構成され、これに、アルコールのような有機溶媒の単独またはこれらの混合物を含
めて電解質高分子組成物溶液を製造することができる。
【0016】
上記電解質高分子は、単量体として、ジアミン系化合物と、これと反応するジハロアルカン系化合物と、上記両単量体と反応して反応性作用基を付与
可能な化合物とで構成されている。
【0017】
従来の技術による電解質高分子は、一般に、4級アンモニウム塩を含み、または、カルボン酸塩、スルホン酸塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、
リン酸塩などを含むビニル単量体を、他の様々な単量体と共重合して製造しているが、これは、分子量の調節が困難であって、インクとして要求される粘度が得
られない。
【0018】
電解質高分子インクは、インクジェット印刷を可能にするインクとしての性質、すなわち、粘度、表面張力、安定性などを満たさなければならない。
このような条件を満たすためには、架橋可能な官能基を有する低分子量の形態が適合する。これは、分子量が大きい電解質高分子は、粘度が高すぎてインクとし
ての機能をすることができないからである。
【0019】
前記ジアミン系化合物は、N,N,N’,N’−テトラメチルアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラエチルアミノエタン、N,N,N’,N’
−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−
ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、N,
N,N’,N’−テトラエチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、1,3−ビス(ジエチルアミノ)−2
−プロパノール、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,3−ジアミノブタン、1,3−ジ
(4−ピリジル)プロパン、4,4’−ビピリジル、2,2’−ビピリジル、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、N,N’−ジメチルピペラジ
ン、N,N’−ジメチル−1,3−ジ(4−ピペリジル)プロパン、ピラジン、ピラジンアミド、4−(N,N’−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N,N’,
N’−テトラメチル−1,5−ペンタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,5−ペンタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,
6−ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,6−ヘキサンジアミン、または、これらのうち2以上の混合物からなる群より選ばれるもので
あってもよい。
【0020】
前記ジアミンを含む単量体と反応するジハロアルカンは、1,4−ジクロロ−2−ブテン、1,4−ジブロモ−2−ブテン、1,3−ジクロロ−2−
プロパノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、2,3−ジクロロプロパノール、1,3−ジクロロプロパノン、1,3−ジブロモプロパノン、1,4−
ジクロロ−2−ブタノール、ビス−2−クロロエチルエーテル、ビス−2−ブロモエチルエーテル、1,2−ビス(2−クロロエトキシ)エタン、1,2−ビス
(2−ブロモエトキシ)エタン、1,3−ジクロロアセトン、1,3−ジブロモアセトン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシ
レン、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−ジブロモ−m−キシレン、及びα,α’−ジクロロ−p−キシレン
などのように、炭素数1乃至18のアルキル基に、塩素、臭素、ヨードなどのハロゲン原子が2つ含まれた化合物、炭素数5乃至6のシクロ化合物に2つのハロ
ゲンが含まれた化合物、または、これらのうち2以上の混合物からなる群より選ばれたものであってもよい。
【0021】
前記両単量体と反応して反応性作用基を付与可能な化合物は、ハロゲンを含むアルコールやハロゲンを含むカルボン酸を、それぞれ単独または混合し
て使用することができ、ハロゲンを含むアルコールとして、炭素数2乃至18のアルキル基に、塩素、臭素、ヨードなどのハロゲン原子の1つを含むアルコール
化合物;アミン基を含むアルコールとして、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、アミノ−2−プロパノール、アミノブ
タノール、アミノシクロヘキサノール、2−(エチルアミノ)エタノール、2−(メチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、N,N−ジブチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノプロパノール、N,N
−ジエチルアミノプロパノール、3−ピロリジノール、1−メチル−3−ピロリジノール、1−メチル−2−ピロリジルエタノール、3−ヒドロキシピペリジ
ン、4−ヒドロキシピペリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、または、これらのうち2以上の混合物からなる群より選ばれたものであってもよ
く、ハロゲンを含むカルボン酸は、炭素数2乃至18の塩素、臭素、ヨードなどのハロゲン原子の1つを含むカルボン酸、または、これらのうち2以上の混合物
からなる群より選ばれたものであってもよく、アミン基を含むカルボン酸は、炭素数2乃至18のアミノ酸、または、これらのうち2以上の混合物からなる群よ
り選ばれたものであってもよい。
【0022】
前記反応性作用基と反応可能な架橋剤としては、ジイソシアネート、メチロールメラミン、メチロール尿素、ブロック化ジイソシアネート、アジリジ
ン、オキサゾリン、エポキシ、ジアミノアルカン、カルボジイミドを選らんで用いてもよい。
【0023】
このように、電解質高分子は、単量体として、ジアミン系化合物、これと反応するジハロアルカン系化合物、前記両単量体と反応して反応性作用基を
付与可能な化合物、及び前記反応性作用基と反応可能な架橋剤で構成され、これに、アルコールのような有機溶媒の単独、または、これらの混合物を含めて電解
質高分子組成物溶液を製造することができる。
【0024】
このような方法で製造された電解質高分子組成物溶液に、インクジェットプリンタの適合した液流動性を確保するために、アルコールのような有機溶
媒と、インクによるノズルの乾燥を防止するための高沸点ヒューメクタント(humectant)と、界面活性剤とを添加して、伝導性インクを製造した。
【0025】
本発明の電解質高分子インク組成物は、電解質高分子組成物溶液10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%、より好ましくは20〜30重量
%、架橋剤1〜10重量%、これと相溶性を有するヒューメクタントとしての有機溶媒40〜80重量%、好ましくは40〜70重量%、より好ましくは
50〜70重量%、及び非イオン性界面活性剤及びイオン性界面活性剤0.1〜2重量%、好ましくは0.2〜1重量%、より好ましくは0.5〜1重量%で構
成されている。
【0026】
この際、有機溶媒は、50〜300℃、好ましくは60〜200℃、より好ましくは60〜150℃の沸点を有する極性溶媒の単独、または、2種以
上の混合物を用いてもよい。
【0027】
これは、溶媒の沸点が100℃よりも低い場合、インクジェットヘッドノズルの目詰まりが発生し、感湿膜の形成後、表面の割れ、表面の粗さが生じ
得る。
【0028】
また、溶媒は、粘度調節用として用いられるが、その量は、塗膜の厚さ、インクジェットヘッドノズルの大きさなどに応じて調節可能である。この
際、粘度は、2〜100cps、好ましくは2〜50cps、より好ましくは2〜35cpsであることが好ましい。
【0029】
界面活性剤の場合、イオン性、非イオン性界面活性剤のいずれかに限定されず、単独または2種以上の混合物として用いられ得る。これは、基材の表
面の表面張力、すなわち、インクの基材に対する濡れ性の調節用として用いられるが、通常、32〜50dyne/cmの範囲で表面張力を調節することが好ま
しい。
【0030】
32dyne/cmよりも表面張力が低い場合は、基材に噴射後、基材においてあまりにも速い速度で広がるので、要求される解像度を維持すること
ができないのに対して、50dyne/cmよりも高い場合は、ノズルから噴射されるインクの量が必要なだけ噴射されず、充分な塗膜の厚さが得られない。
【0031】
感湿膜を形成する方法としては、圧電素子により、その振動でインク滴を噴射するピエゾ式と、熱を用いて内部に気泡を発生させ、これによって、イ
ンク滴を吐出するサーマル式と、バブルジェット(登録商標)式がある。しかしながら、熱を用いてインクを噴射する場合は、電解質の分解を発生させて、ノズ
ルの目詰まりが生じ、または液安定性が低下することがある。
【0032】
本発明では、ピエゾ式のインクジェットノズルを用いることが好ましく、より好ましくは、周波数の調節、インク貯蔵所の温度調節、ノズルの大きさ
の制御、適用基材の温度調節を可能とするインクジェットプリント装置を用いることがよい。
【0033】
このように、インクジェット噴射方式を用いて形成された感湿膜は、加熱熱処理によって、最終の感湿特性が得られるが、加熱熱処理条件に応じて、
膜の外観特性、付着性、及び架橋密度が左右される。
【0034】
この際、電解質高分子溶液を塗布し、架橋され得る熱処理温度は、50〜200℃が適当であり、好ましくは60〜150℃、より好ましくは
60〜130℃である。
【0035】
通常、熱処理条件は、60〜100℃で10〜30分間、続けて100〜130℃で10〜30分間行い、この際、窒素、アルゴン、水素などの単独
または混合のガス雰囲気で行うことにより、膜特性及び感湿特性を向上させることができる。
【0036】
このように製造された本発明の感湿膜の抵抗は、30%RHにおいて1乃至3MΩ、また、90%RHにおいて1乃至5kΩを示す。
【0037】
図1は、感湿膜が設けられたアルミナ基板の湿度センサを示す正面図である。
図2は、図1の側面図である。
図3は、感湿膜が設けられたポリイミド基板の湿度センサを示す正面図である。
図4は、図3の側面図である。
【0038】
図において、符号は次の部分をあらわす。
11,21 感湿膜
12 セラミック基板
13,22 金電極
14 電極保護膜
15,24 電極パッド
16 リードフレーム
23 銅電極
25 ベースフィルム
26 カバーレイフィルム
27 接着剤
28 カバーレイ接着剤

【発明の効果】
【0039】
本発明では、電解質高分子溶液を、電解質高分子、架橋剤、アルコールのような有機溶媒の単独またはこれらの混合物で構成した。これから製造され
るインクは、電解質高分子溶液に、インクジェットプリンタの適合した液流動性を確保するために、アルコールのような有機溶媒と、インクによるノズルの乾燥
を防止するための高沸点ヒューメクタントと、界面活性剤とを添加して、インクを製造した。このインクをインクジェットプリンタを用いて、湿度センサの感湿
膜を形成し、加熱熱処理によって湿度センサを製造した。湿度センサの感湿膜に用いるのに適当な特性を有する電解質溶液、及びインクジェット用電解質インク
の製造方法を提供することができ、インクジェット印刷、熱処理後、既存の方式に比べて、一定の厚さを有する感湿膜を形成することができ、信頼性の高い湿度
センサの製造技術を提供することができる。
【0040】
本発明によれば、湿度センサの感湿膜に用いるのに適当な特性である粘度、固形分、インクジェット吐出性を有する電解質溶液及びインクジェット用
電解質インクの製造方法を提供して、既存の湿度センサの特性に比べて劣らず、インクジェット工程を経て熱処理後、既存の方式に比べて、一定の厚さの感湿膜
を形成することができ、製品信頼性が高い湿度センサの製造技術を提供することができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
各請求項に記載したものは、本発明の最良の実施の形態である。
【0042】
請求項1の発明は、以下に実施する:
湿度センサ感湿膜用電解質高分子組成物において、
ジアミン系化合物から選ばれた1種以上の化合物と、ジハロアルカン系化合物から選ばれた1種以上の化合物と、架橋官能基を含む1種以上の化合物
とを含むことを特徴とする電解質高分子組成物。

【0043】
請求項2の発明は、以下に実施する:
ジアミン系化合物から選ばれた1種以上の化合物35〜50重量%と、ジハロアルカン系化合物から選ばれた1種以上の化合物45〜64.9重量%
と、架橋官能基を含む1種以上の化合物0.1〜5重量%とを含むことを特徴とする請求項1に記載の電解質高分子組成物。

【0044】
請求項3の発明は、以下に実施する:
前記ジアミン系化合物が、N,N,N’,N’−テトラメチルアミノエタン、
N,N,N’,N’−テトラエチルアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエ
チル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、
N,N,N’,N’−テトラエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、N,N,
N’,N’−テトラエチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、
1,3−ビス(ジエチルアミノ)−2−プロパノール、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラ
エチル−1,3−ジアミノブタン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、4,4’−ビピリジル、2,2’−ビピリジル、1,4−ジアザビシクロ[2,2,
2]オクタン、N,N’−ジメチルピペラジン、
N,N’−ジメチル−1,3−ジ(4−ピペリジル)プロパン、ピラジン、ピラジンアミド、4−(N,N’−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N,
N’,N’−テトラメチル−1,5−ペンタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,5−ペンタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル
−1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,6−ヘキサンジアミンから1種以上選ばれ、単独または混合されて用いられることを特
徴とする請求項1に記載の電解質高分子組成物。

【0045】
請求項4の発明は、以下に実施する:
前記ジハロアルカンが、1,4−ジクロロ−2−ブテン、1,4−ジブロモ−2−ブテン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,3−ジブロモ
−2−プロパノール、2,3−ジクロロプロパノール、1,3−ジクロロプロパノン、1,3−ジブロモプロパノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノール、ビス
−2−クロロエチルエーテル、ビス−2−ブロモエチルエーテル、1,2−ビス(2−クロロエトキシ)エタン、1,2−ビス(2−ブロモエトキシ)エタン、
1,3−ジクロロアセトン、1,3−ジブロモアセトン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−p−
キシレン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−ジブロモ−m−キシレン、及びα,α’−ジクロロ−p−キシレンなどのように、炭素数1乃至18
のアルキル基に、塩素、臭素、ヨードなどのハロゲン原子が2つ含まれた化合物、炭素数5乃至6のシクロ化合物に2つのハロゲンが含まれた化合物から1種以
上選ばれ、単独または混合されて用いられることを特徴とする請求項1に記載の電解質高分子組成物。

【0046】
請求項5の発明は、以下に実施する:
前記架橋官能基を含む1種以上の化合物が、ハロゲンを含むアルコール、ハロゲンを含むカルボン酸、アミン基を含むカルボン酸から1種以上選らば
れ、単独または混合されて用いられることを特徴とする請求項1に記載の電解質高分子組成物。

【0047】
請求項6の発明は、以下に実施する:
前記ハロゲンを含むアルコールが、炭素数2乃至18のアルキル基に、塩素、臭素、ヨードなどのハロゲン原子の1つを含むアルコール化合物;アミ
ン基を含むアルコールが、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、アミノ−2−プロパノール、アミノブタノール、アミノ
シクロヘキサノール、2−(エチルアミノ)エタノール、2−(メチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルア
ミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、N,N−ジブチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノプロパノール、N,N−ジエチルアミノプ
ロパノール、3−ピロリジノール、1−メチル−3−ピロリジノール、1−メチル−2−ピロリジルエタノール、3−ヒドロキシピペリジン、4−ヒドロキシピ
ペリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンから1種以上選ばれ、単独または混合されて用いられることを特徴とする請求項4に記載の電解質高分子組
成物。

【0048】
請求項7の発明は、以下に実施する:
前記ハロゲンを含むカルボン酸が、炭素数2乃至18の塩素、臭素、ヨードなどのハロゲン原子の1つを含むカルボン酸から1種以上選ばれ、単独ま
たは混合されて用いられることを特徴とする請求項4に記載の電解質高分子組成物。

【0049】
請求項8の発明は、以下に実施する:
前記アミン基を含むカルボン酸が、炭素数2乃至18のアミノ酸から1種以上選ばれ、単独または混合されて用いられることを特徴とする請求項4に
記載の電解質高分子組成物。

【0050】
請求項9の発明は、以下に実施する:
請求項1乃至7のいずれかに記載の電解質高分子組成物10〜50重量%、架橋剤1〜10重量%、有機溶媒38〜88.9重量%、非イオン性界面
活性剤とイオン性界面活性剤の混合物0.1〜2重量%で構成されることを特徴とする電解質高分子インク。

【0051】
請求項10の発明は、以下に実施する:
前記架橋剤が、ジイソシアネート、メチロールメラミン、メチロール尿素、ブロック化ジイソシアネート、アジリジン、オキサゾリン、エポキシ、ジ
アミノアルカン、カルボジイミドから選ばれることを特徴とする請求項8に記載の電解質高分子組成物。

【0052】
請求項11の発明は、以下に実施する:
湿度センサを作製する方法において、インクジェット印刷方式を用いて電解質高分子インクを塗布し、熱処理して感湿膜を形成することを特徴とする
湿度センサの製造方法。

【0053】
請求項12の発明は、以下に実施する:
請求項8乃至9のいずれかに記載の電解質高分子インクを、電極が形成された基板にインクジェット方式で塗布し、50〜200℃の温度で熱処理し
て感湿膜を形成することを特徴とする請求項11に記載の湿度センサの製造方法。

【0054】
以下、実施例、比較例によって、上述した内容についてさらに具体的に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではな
い。

【0055】
ポリイミドFPC電極
曲面に付着可能な柔軟なFPC(flexible printed
circuit)基板は、屈曲使用が可能であり、単独3次元配線の実現、及びコネクタと電線が省略されて、プリント配線板そのものが小さくなるので、電子
機器全体の小型化、軽量化、及び原価節減ができるという長所がある。また、他の特徴は、薄くて軽いので、25μm厚さのベースフィルムを用いる場合、全体
の厚さが100〜140μm程度として、体積と重量が小さくなるのみならず、機器全体の小型化が可能である。しかし、基材材料が薄いほど、機械的強度が低
くて損傷しやすいため、FPCの特有な構造としての補強板及びカバーレイを取り付けることにより、これを補完した。電極の形状は、図1に示すように、直線
のバイト状であり、バイト数は5個であり、間隔は0.25mmとして製造した。
【0056】
電極の材料としては、銅を用いており、金を0.5μm厚さにメッキして用いた。FPCの構造は、基板、銅板、カバーレイフィルム、補強板で構成
されている。端子部の連結部分は、2μmのニッケルメッキ、1μmの金メッキを施して、半田付けしやすいように作製した。銅箔面は平面であり、電流容量と
屈曲使用のために、軟性のある35μm厚さの圧延銅箔を用いた。また、銅箔の腐食性及び保護のために、感湿部位を除いた全ての部位に、他のポリイミドフィ
ルムを35μm厚さにカバーレイとして付着した。

【0057】
アルミナ基板電極
センサとして用いられる基板は、96%α−アルミナとしてアルミナを選択した。一般に、厚膜回路に用いられる基板(50mm×50mm×
5mm)に、5mm
×10mmの大きさの電極を、10×5個を同時に形成して用いた。導電性電極を製造するために、金ペーストを用いており、0.195mmと0.4mm間隔
の櫛歯状を形成した。半田付けのための部分は、Ag−Pd(6:1)ペーストを用い、金電極の転移を防止するために、ガラスオーバーコートを用いた。印刷
後、ペーストに含有されている溶剤とバインダを除去するために、乾燥オーブンにて150℃/15分間乾燥後、電極焼成のために、マッフル電気炉にて
850℃/10分間の焼結過程を経て完成した。
【0058】
また、得られた湿度センサについて電気的性質を調べた。得られた湿度センサの感湿特性は、恒温恒湿漕(JEIO
TECH、TM−NFM−L(−20℃〜100℃))の温度が25℃、相対湿度30%RHに平衡となったとき、LCR
meter(ED−Lab、KOREA、Model
EDC−1630)の出力を1KHz、1Vで湿度を調節して抵抗値を測定した。各試料は、同じ組成として50個の試料を作製して測定し、同じ組成で得られ
たセンサの感湿特性をプロットし、最大値と最小値の領域をプロットして誤差範囲を定めた。
【0059】
以下において、本発明の好適な実施例及び比較例を記述する。
以下の実施例は、本発明を予知するためのものであり、本発明の範囲を限定するものとして理解されてはならない。

【実施例1】
【0060】
コンデンサ付き丸底フラスコに、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン(14.40g、100mmol)を、2−エトキシ
エタノール(50g)に溶解して入れ、1,6−ジブロモヘキサン(21.90g、90mmol)と2−ブロモエタノール(1.25g、10mmol)を2
−エトキシエタノール(50g)に溶解し、5℃以下を維持して滴下した後、60℃で4時間の間反応を進行させた。その後、80℃に昇温し、24時間反応を
持続した後、溶媒の約50gを留去した。最終溶液に30gのジメチルスルホキシドを添加し、ブロック化ジイソシアネート(1.5g)を溶解させて、最終の
電解質高分子組成物溶液を製造した。この際、得られた最終固形分は、33.0%の無色の感湿溶液であった。
【0061】
この実施例1の電解質高分子溶液15gに、イソプロピルアルコール5gとスルフィノール−465(商標名:エアプロダクツ社製)0.001gを
添加して、インクジェット用インクを製造した。この際、固形分は25.0%であり、表面張力は37dyne/cm、粘度は15cpsであった。

【実施例2】
【0062】
コンデンサ付き丸底フラスコに、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン(15.51g、90mmol)と2−(N,N−
ジメチルアミノ)エタノール(0.89g、10mmol)を、2−エトキシエタノール(50g)に溶解して入れ、1,4−ジブロモブタン(21.59g、
100mmol)を2−エトキシエタノール(50g)に溶解し、5℃以下を維持して滴下した後、60℃で4時間の間反応を進行させた。その後、80℃に昇
温し、24時間反応を持続した後、溶媒の約50gを留去した。最終溶液に30gのジメチルスルホキシドを添加し、ブロック化ジイソシアネート(1.5g)
を溶解させて、最終の電解質高分子組成物溶液を製造した。この際、得られた最終固形分は、33.0%の無色の感湿溶液であった。
【0063】
この実施例2の電解質高分子溶液15gに、イソプロピルアルコール5gとスルフィノール−465(商標名:エアプロダクツ社製)0.001gを
添加して、インクジェット用インクを製造した。この際、固形分は25.0%であり、表面張力は36dyne/cm、粘度は13cpsであった。

【実施例3】
【0064】
コンデンサ付き丸底フラスコに、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン(13.68g、95mmol)とN,N,N’,
N’−テトラメチル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール(0.23g、5mmol)を、2−エトキシエタノール(50g)に溶解して入れ、1,6−ジブ
ロモヘキサン(21.90g、100mmol)を2−エトキシエタノール(50g)に溶解し、5℃以下を維持して滴下した後、60℃で4時間の間反応を進
行させた。その後、80℃に昇温し、24時間反応を持続した後、溶媒の約50gを留去した。最終溶液に30gのジメチルスルホキシドを添加し、ブロック化
ジイソシアネート(1.5g)を溶解させて、最終の電解質高分子組成物溶液を製造した。この際、得られた最終固形分は、31.8%の無色の感湿溶液であっ
た。
【0065】
この実施例3の電解質高分子溶液15gに、イソプロピルアルコール5gとスルフィノール−465(商標名:エアプロダクツ社製)0.001gを
添加して、インクジェット用インクを製造した。この際、固形分は23.9%であり、表面張力は37dyne/cm、粘度は14cpsであった。

【実施例4】
【0066】
コンデンサ付き丸底フラスコに、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン(17.23g、100mmol)を、2−エトキ
シエタノール(50g)に溶解して入れ、1,4−ジブロモブタン(20.51g、95mmol)と1,3−ジブロモ−2−プロパノール(1.09g、
5mmol)を2−エトキシエタノール(50g)に溶解し、5℃以下を維持して滴下した後、60℃で4時間の間反応を進行させた。その後、80℃に昇温
し、24時間反応を持続した後、溶媒の約50gを留去した。最終溶液に30gのジメチルスルホキシドを添加し、ブロック化ジイソシアネート(1.5g)を
溶解させて、最終の電解質高分子組成物溶液を製造した。この際、得られた最終固形分は、33.5%の無色の感湿溶液であった。
【0067】
この実施例4の電解質高分子溶液15gに、イソプロピルアルコール5gとスルフィノール−465(商標名:エアプロダクツ社製)0.001gを
添加して、インクジェット用インクを製造した。この際、固形分は25.2%であり、表面張力は36dyne/cm、粘度は13cpsであった。
【0068】
[実施例5〜8]
前記実施例1〜4のインクをポリエチレン容器に充填し、ピエゾ式のインクジェットプリンタヘッドF076000(商標名:エプソン社製)が取り
付けられた平板プリンタを用いて、アルミナ基板及びポリイミドフィルムに電極が形成されたセンサ電極上に印刷を5回行い、熱処理をして最終の感湿膜を形成
することにより、湿度センサが得られた。この際の熱処理条件は、100℃で30分間処理後、続けて120℃で30分間処理した。処理後、これに対する特性
については、下記の表1及び表2に各電極に対して詳しく示した。
【0069】
[比較例1]
メチルメタクリレート、アクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアンモニウムエチルメタクリレート塩素塩の重量比が、
40/2/0.5/57.5からなる4元共重合体を、2−メトキシエタノールに溶かして、浸漬用電解質高分子溶液を製造し、この際、得られた最終の電解質
高分子溶液は、固形分10.5%、粘度230cps/25℃の無色の溶液であった。この溶液100重量%に、アジリジン硬化剤であるXAMA−7(商標
名:ゼネカ社製)を0.1重量%で混合して感湿液を製造し、電極が形成されたアルミナ基板及びポリイミドフィルムであるケプトン(商標名:デュポン社製)
に、浸漬法によって感湿膜を形成した。
【0070】
[比較例2]
スチレン、アクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアンモニウムエチルメタクリレート塩素塩の重量比が、40/2/0.
5/57.5からなる4元共重合体を、2−メトキシエタノールに溶かして、浸漬用電解質高分子溶液を製造し、この際、得られた最終の電解質高分子溶液は、
固形分12.0%、粘度450cps/25℃の無色の溶液であった。この溶液100重量%に、アジリジン硬化剤であるXAMA−7(商標名:ゼネカ社製)
を0.1重量%で混合して感湿液を製造し、電極が形成されたアルミナ基板及びポリイミドフィルムであるケプトン(商標名:デュポン社製)に、浸漬法によっ
て感湿膜を形成した。

【0071】
アルミナ電極を用いた湿度センサ
【表1】

【0072】
ポリイミド電極を用いた湿度センサ
【表2】





【0073】
実施例5〜8から得られたセンサは、感湿膜の化学的組成間の差があるため、感湿特性が異なるが、セミロググラフにおいて、相溶化するのに充分な
良好な感湿特性を示している。感湿膜を形成するインクは、5回印刷した後に測定したが、感湿膜の厚さが薄くなると、抵抗が増加するのに対して、厚くなる
と、抵抗が減少する。インクジェットを用いた感湿膜の形成は、印刷の回数を調節すると、感湿膜の厚さを調節して、感湿特性を調節することができるという長
所を有している。50個に作製されたセンサ間に、再現精度において、印刷によって得られた湿度センサは、±0.5%RHの範囲内に全て含まれて製品再現性
が高いことが認められ、既存の湿度センサの作製に用いる浸漬による方法では、±3%RHの範囲内に含まれて、インクジェット印刷方式に比べて、製品再現性
に劣ることを示した。また、ポリイミド電極の場合、浸漬法によって得られたセンサは、基板の柔軟性により数個を同時に浸漬することが困難であるため、得ら
れた試料の再現誤差がさらに大きくなることを示した。しかし、インクジェット方式で得られたセンサは、基板材質にかかわらず、試料間の作製再現誤差が±
0.3%RHの範囲まで近接して、製品生産の際に極めて高い製品再現性を確保できることがわかった。

【産業上の利用可能性】
【0074】
上述した本発明によれば、湿度センサの感湿膜に用いるのに適当な特性である粘度、固形分、インクジェット吐出性を有する電解質溶液及びインク
ジェット用電解質インクの製造方法を提供して、既存の湿度センサの特性に比べて劣らず、インクジェット工程を経て熱処理後、既存の方式に比べて、一定の厚
さの感湿膜を形成することができ、製品信頼性が高い湿度センサの製造技術を提供することができる。

【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】は、感湿膜が設けられたアルミナ基板の湿度センサを示す正面図である。
【図2】は、図1の側面図である。
【図3】は、感湿膜が設けられたポリイミド基板の湿度センサを示す正面図である。
【図4】は、図3の側面図である。
【符号の説明】
【0076】
11,21 感湿膜
12 セラミック基板
13,22 金電極
14 電極保護膜
15,24 電極パッド
16 リードフレーム
23 銅電極
25 ベースフィルム
26 カバーレイフィルム
27 接着剤
28 カバーレイ接着剤


【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿度センサ感湿膜用電解質高分子組成物において、
ジアミン系化合物から選ばれた1種以上の化合物と、ジハロアルカン系化合物から選ばれた1種以上の化合物と、架橋官能基を含む1種以上の化合物
とを含むことを特徴とする電解質高分子組成物。

【請求項2】
ジアミン系化合物から選ばれた1種以上の化合物35〜50重量%と、ジハロアルカン系化合物から選ばれた1種以上の化合物
45〜64.9重量%と、架橋官能基を含む1種以上の化合物0.1〜5重量%とを含むことを特徴とする請求項1に記載の電解質高分子組成物。

【請求項3】
前記ジアミン系化合物が、N,N,N’,N’−テトラメチルアミノエタン、
N,N,N’,N’−テトラエチルアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエ
チル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、
N,N,N’,N’−テトラエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、N,N,
N’,N’−テトラエチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、
1,3−ビス(ジエチルアミノ)−2−プロパノール、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラ
エチル−1,3−ジアミノブタン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、4,4’−ビピリジル、2,2’−ビピリジル、1,4−ジアザビシクロ[2,2,
2]オクタン、N,N’−ジメチルピペラジン、
N,N’−ジメチル−1,3−ジ(4−ピペリジル)プロパン、ピラジン、ピラジンアミド、4−(N,N’−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N,
N’,N’−テトラメチル−1,5−ペンタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,5−ペンタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル
−1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,6−ヘキサンジアミンから1種以上選ばれ、単独または混合されて用いられることを特
徴とする請求項1に記載の電解質高分子組成物。

【請求項4】
前記ジハロアルカンが、1,4−ジクロロ−2−ブテン、1,4−ジブロモ−2−ブテン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,
3−ジブロモ−2−プロパノール、2,3−ジクロロプロパノール、1,3−ジクロロプロパノン、1,3−ジブロモプロパノン、1,4−ジクロロ−2−ブタ
ノール、ビス−2−クロロエチルエーテル、ビス−2−ブロモエチルエーテル、1,2−ビス(2−クロロエトキシ)エタン、1,2−ビス(2−ブロモエトキ
シ)エタン、1,3−ジクロロアセトン、1,3−ジブロモアセトン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジ
クロロ−p−キシレン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−ジブロモ−m−キシレン、及びα,α’−ジクロロ−p−キシレンなどのように、炭素
数1乃至18のアルキル基に、塩素、臭素、ヨードなどのハロゲン原子が2つ含まれた化合物、炭素数5乃至6のシクロ化合物に2つのハロゲンが含まれた化合
物から1種以上選ばれ、単独または混合されて用いられることを特徴とする請求項1に記載の電解質高分子組成物。

【請求項5】
前記架橋官能基を含む1種以上の化合物が、ハロゲンを含むアルコール、ハロゲンを含むカルボン酸、アミン基を含むカルボン酸から1
種以上選らばれ、単独または混合されて用いられることを特徴とする請求項1に記載の電解質高分子組成物。

【請求項6】
前記ハロゲンを含むアルコールが、炭素数2乃至18のアルキル基に、塩素、臭素、ヨードなどのハロゲン原子の1つを含むアルコール
化合物;アミン基を含むアルコールが、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、アミノ−2−プロパノール、アミノブタ
ノール、アミノシクロヘキサノール、2−(エチルアミノ)エタノール、2−(メチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,
N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、N,N−ジブチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノプロパノール、N,N−ジ
エチルアミノプロパノール、3−ピロリジノール、1−メチル−3−ピロリジノール、1−メチル−2−ピロリジルエタノール、3−ヒドロキシピペリジン、4
−ヒドロキシピペリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンから1種以上選ばれ、単独または混合されて用いられることを特徴とする請求項4に記載の
電解質高分子組成物。

【請求項7】
前記ハロゲンを含むカルボン酸が、炭素数2乃至18の塩素、臭素、ヨードなどのハロゲン原子の1つを含むカルボン酸から1種以上選
ばれ、単独または混合されて用いられることを特徴とする請求項4に記載の電解質高分子組成物。

【請求項8】
前記アミン基を含むカルボン酸が、炭素数2乃至18のアミノ酸から1種以上選ばれ、単独または混合されて用いられることを特徴とす
る請求項4に記載の電解質高分子組成物。

【請求項9】
請求項1乃至7のいずれかに記載の電解質高分子組成物10〜50重量%、架橋剤1〜10重量%、有機溶媒38〜88.9重量%、非
イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤の混合物0.1〜2重量%で構成されることを特徴とする電解質高分子インク。

【請求項10】
前記架橋剤が、ジイソシアネート、メチロールメラミン、メチロール尿素、ブロック化ジイソシアネート、アジリジン、オキサゾリ
ン、エポキシ、ジアミノアルカン、カルボジイミドから選ばれることを特徴とする請求項8に記載の電解質高分子組成物。

【請求項11】
湿度センサを作製する方法において、インクジェット印刷方式を用いて電解質高分子インクを塗布し、熱処理して感湿膜を形成するこ
とを特徴とする湿度センサの製造方法。

【請求項12】
請求項8乃至9のいずれかに記載の電解質高分子インクを、電極が形成された基板にインクジェット方式で塗布し、50〜200℃の
温度で熱処理して感湿膜を形成することを特徴とする請求項11に記載の湿度センサの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−502342(P2007−502342A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523122(P2006−523122)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【国際出願番号】PCT/KR2004/001943
【国際公開番号】WO2005/014700
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(505362609)
【Fターム(参考)】