説明

無線電話システム

【課題】タイムスロットが割り当てられていない端末装置からアクセスポイントへのアクセスを防止する無線電話システムを得ること。
【解決手段】AP2が、端末1−1〜1−4が送信した音声フレームD1〜D4の受信が終了してからタイムスロットTS1〜TS4が終了するまでのタイムスロットの残り時間が1音声フレームを送信する時間以上である場合には、1音声フレーム単位でタイムスロット終了時間までのダミーデータフレームFD1〜FD3を生成し、生成したダミーフレームFD1〜FD3を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセスポイントと端末装置とがTDMA(Time Division Multiple Access)方式で通信を行なう無線電話システムに関するものであり、特に、端末装置に割り当てたタイムスロットの配置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
TDMA方式を用いて通信を行なう無線電話システムでは、電話機である端末装置はバッテリーで動作する。そのため、従来から、端末装置の消費電力を低減するための種々の技術が考えられている。
【0003】
たとえば、(特許文献1)に記載の従来技術には、TDMA方式によって親機と子機との間で通信を行なうコードレス電話機において、親機および子機が、それぞれお互いが対であることを示すIDコードを記憶しておき、IDコードを用いてIDコードと1対1で対応するユニークワードを生成し、生成したユニークワードを用いて通信フレームの同期および通信相手の確認を行なうことで、IDコードの確認を省略し、無駄な電波の送受信を無くして子機の消費電力を低減する技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3195704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では無線LAN(Local Area Network)を用いた無線電話システムが普及している。無線LANを用いた無線電話システムでは、電話機である端末装置が無線回線によって無線LANのアクセスポイントにアクセス(接続)し、アクセスポイントを介してIP(Internet Protocol)ネットワークに接続される通信相手となる端末装置と通信を行なう。アクセスポイントと端末装置との無線通信は、音声伝達のQoS(Quality of Service)を確保するためにTDMA方式を用いることが多い。
【0005】
TDMA方式では、音声データの発生量や音声データの到着量の揺らぎを予め考慮してタイムスロット(サービスピリオド)を配置する。図23は、IEEE802.11eの規格で定められた音声2Wayでのタイムスロットの配置の一例を示す図である。図23では、アクセスポイント(以下、APとする)200と4台の端末A〜Dとが通信を行う場合を示しており、端末AにタイムスロットTA割り当てられ、端末BにタイムスロットTBが割り当てられ、端末CにタイムスロットTCが割り当てられ、端末DにタイムスロットTDが割り当てられている。端末A〜Dに割り当てられるタイムスロットTA〜TDの長さはそれぞれ異なる場合もあるが、端末A〜DとAP200とは、割り当てられたタイムスロットTA〜TD内で音声データが含まれる音声フレーム単位で通信を行なう。
【0006】
また、AP200は、通信に必要なさまざまの情報を自局の通信エリア内に存在する端末に報知するためのビーコンを送信する。このビーコンを送信するビーコン間隔と、IP網におけるVoIP(Voice over Internet Protocol)のコーデック間隔とは同一ではない。そのため、音声データの遅延を最小に抑えるためには、タイムスロットTA〜TD内に音声フレーム2つ分の音声データを送信しなければならないことがある。
【0007】
仮に、音声データを含む音声フレーム1つ分の転送時間を10[ms]とし、データ転送量の揺らぎ分の時間をα[ms]とすると、タイムスロットTA〜TDは、40+α[ms]となる。ここで、揺らぎ分の時間αは、端末A〜DがAP200からの音声フレームFA〜FDの受信が終了してから、AP200への音声フレームDA〜DDの送信を開始するまでの応答遅延時間より大きい値であって、かつ音声フレーム1つ分の転送時間より小さい値であり、たとえば、応答遅延時間が10[μs]とすると、「10[μs]<α<10[ms]」が成り立つように設定される。
【0008】
図24は、端末AとAP200とのタイムスロットTAの通信に着目した場合の、通信パターンを示す図である。図24において、パターン1は、AP200および端末Aがそれぞれ10[ms]の音声フレームを送信する場合である。パターン1においては、タイムスロットTAが40[ms]であり、AP200および端末Aがそれぞれ10[ms]の音声フレームを送信しているので、AP200も端末Aも音声フレームを送信していない無線通信期間300が20[ms]となる。
【0009】
パターン2は、AP200が20[ms]の音声フレームを送信し、端末Aが10[ms]の音声フレームを送信する場合であり、無線通信期間301が10[ms]となる。パターン3は、AP200が10[ms]の音声フレームを送信し、端末Aが20[ms]の音声フレームを送信する場合であり、無線通信期間302が10[ms]となる。パターン4は、AP200および端末Aがそれぞれ20[ms]の音声フレームを送信する場合であり、無線通信期間303は揺らぎ時間α以下となる。このように、AP200と端末Aとの通信において、パターン1〜3の場合、タイムスロットTA内に1音声フレーム以上の無線通信期間300〜302が発生する。これは、AP200と端末Aとの通信だけでなく、AP200と端末B〜Dとの通信においても同様であり、先の図23においては、端末Aに割り当てられたタイムスロットTAが図24のパターン1に相当し、端末Bに割り当てられたタイムスロットTBが図24のパターン2に相当し、端末Cに割り当てられたタイムスロットTCが図24のパターン3に相当し、端末Dに割り当てられたタイムスロットTDが図24のパターン4に相当する。すなわち、図23においては、タイムスロットTA〜TCに1音声フレーム以上の無線通信期間が発生する。
【0010】
無線LANでは、アクセス方式としてCSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式を用いるのが一般的である。CSMA方式では、端末が通信を開始する際に、他の端末が電波を出していないかどうかを確認してから通信を開始する。図23に示した状態で端末A〜DがAP200と通信を行なっている場合、1音声フレーム以上の無線通信期間(APおよび端末A〜Dが電波を出していない期間)が存在し、この無線通信期間内にタイムスロットが割り当てられていない端末(この場合は端末A〜Dとは異なる端末)とAP200とが通信を開始する場合がある。タイムスロットTA〜TCの無線通信期間内にタイムスロットが割り当てられていない端末とAP200とが通信を開始すると、通信が開始されたタイムスロットTA〜TD以降の端末A〜DとAP200の通信スケジュールにずれが生じる。端末A〜Dは、消費電力を抑えるために自装置に割り当てられたタイムスロットTA〜TDのみ送受信動作をおこない、その他の期間はスリープモード(待機状態)となるが、通信スケジュールがずれると、無線通信期間内に通信を開始した端末の通信が終了するまで待たなければならず、消費電力が増加するという問題があった。
【0011】
また、通信スケジュールがすれると、最後にスケジューリングされた端末とAP(図23においては、端末DとAP200)との通信が切断されてしまうことがあるという問題もあった。
【0012】
しかしながら、上記(特許文献1)に記載の従来技術は、子機(端末)と親機(アクセスポイント)とのフレーム同期時の消費電力を抑制するものであり、無線通信期間に他の端末が通信を開始する場合に関する技術は開示されていない。したがって、上記(特許文献1)に記載の従来技術では、タイムスロットの無線通信期間内に他の端末が通信を開始して通信スケジュールがずれた場合に生じる、消費電力の増加や、通信が切断されるという問題を解決することはできない。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、アクセスポイントと端末装置との間での音声データを含む音声フレームの送信時間を除いたタイムスロットの残り時間に音声データとは異なるデータを送信して、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からアクセスポイントへのアクセスを防止する無線電話システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明は、アクセスポイント、および/または端末装置が、アクセスポイントと端末装置との間での音声データを含む音声フレームの送信時間を除いたタイムスロットの残り時間を検出し、検出した残り時間に音声データとは異なるデータを送信するようにしたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、アクセスポイント、および/または端末装置が、アクセスポイントと端末装置との間での音声データを含む音声フレームの送信時間を除いたタイムスロットの残り時間を検出し、検出した残り時間に音声データとは異なるデータを送信するようにしているため、タイムスロット内の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からアクセスポイントへのアクセスを防止する無線電話システムを得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の第1の発明の無線電話システムは、アクセスポイントと、アクセスポイントを介してネットワークに接続して通信相手と相互通信を行なう複数の端末装置を備え、アクセスポイントと複数の端末装置とが、接続時に割り当てられたタイムスロット内で1音声フレーム以上の通信を行なうTDMA方式を用いた無線電話システムにおいて、アクセスポイント、および/または端末装置が、アクセスポイントと端末装置との間での音声データを含む音声フレームの送信時間を除いたタイムスロットの残り時間を検出し、検出した残り時間に音声データとは異なるデータを送信すること、を特徴とする。
【0017】
この第1の発明の無線電話システムによれば、アクセスポイント、および/または端末装置が、アクセスポイントと端末装置との間での音声データを含む音声フレームの送信時間を除いたタイムスロットの残り時間を検出し、検出した残り時間に音声データとは異なるデータを送信するようにしているため、タイムスロット内の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からアクセスポイントへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0018】
第2の発明の無線電話システムは、上記の発明において、アクセスポイントは、端末装置が送信した音声フレームの受信が終了してからタイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間を検出する時間検出部と、時間検出部によって検出されたタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上であるか否かを判定する主制御部と、主制御部によってタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上であると判定された場合には、1音声フレーム単位でタイムスロット終了時間までのダミーデータフレームを生成し、生成したダミーフレームを送信する送信データ生成部と、を備えることを特徴とする。
【0019】
この第2の発明の無線電話システムによれば、アクセスポイントが、端末装置が送信した音声フレームの受信が終了してから、タイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上である場合には、1音声フレーム単位でタイムスロット終了時間までのダミーデータフレームを生成し、生成したダミーフレームを送信するようにしているため、タイムスロット内の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からアクセスポイントへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0020】
第3の発明の無線電話システムは、上記の発明において、アクセスポイントは、自局が送信する音声フレームの送信時間が、タイムスロットとして割り当てられた時間より短いか否かを判定する主制御部と、主制御部によって自局が送信する音声フレームの送信時間が、タイムスロットとして割り当てられた時間より短いと判定された場合、1音声フレーム単位で音声フレームがタイムスロットとして割り当てられた時間になるように音声フレーム内にダミーデータを付加し、ダミーデータを付加した音声フレームを送信する送信データ生成部と、端末装置から受信した音声フレームからダミーデータと音声データとを分離し、分離した音声データをネットワークに送信するデータ分離部と、を備え、端末装置は、自装置が送信する音声フレームの送信時間が、タイムスロットとして割り当てられた時間より短いか否かを判定する主制御部と、自装置の主制御部によって自装置が送信する音声フレームの送信時間が、タイムスロットとして割り当てられた時間より短いと判定された場合、1音声フレーム単位で音声フレームがタイムスロットとして割り当てられた時間になるように音声フレーム内にダミーデータを付加し、ダミーデータを付加した音声フレームを送信する送信データ生成部と、アクセスポイントから受信した音声フレームからダミーデータと音声データとを分離し、分離した音声データを出力するデータ分離部と、を備えることを特徴とする。
【0021】
この第3の発明の無線電話システムによれば、アクセスポイントおよび無線端末が、それぞれ送信する音声フレームの送信時間がタイムスロットとして割り当てられた時間になるように1音声フレーム単位で音声データにダミーデータを付加した音声フレームを送信するようにしているため、タイムスロット内の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からアクセスポイントへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0022】
第4の発明の無線電話システムは、上記の発明において、端末装置は、自装置が送信すべき音声データから生成される音声フレームの送信が終了してからタイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間を検出する時間検出部と、時間検出部によって検出されたタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上であるか否かを判定する主制御部と、主制御部によってタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上であると判定された場合には、1音声フレーム単位で送信すべきデータを含む音声フレームがタイムスロット終了時間になるように音声フレーム内にダミーデータを付加し、ダミーデータを付加した音声フレームを送信する送信データ生成部と、を備え、アクセスポイントは、端末装置から受信した音声フレームからダミーデータと音声データとを分離し、分離した音声データをネットワークに送信するデータ分離部、を備えることを特徴とする。
【0023】
この第4の発明の無線電話システムによれば、端末装置が、自装置が送信すべき音声データから生成される音声フレームの送信が終了してからタイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間が1音声フレームを送信する時間以上である場合、1音声フレーム単位で送信すべき音声フレームがタイムスロットの終了時間になるように音声フレーム内にダミーデータを付加した音声フレームを送信するようにしているため、タイムスロット内の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からアクセスポイントへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0024】
第5の発明の無線電話システムは、上記の発明において、アクセスポイントは、端末装置との通信履歴から、端末装置が送信する音声フレームの送信時間を予測し、予測した音声フレームの送信時間と自局が送信すべき音声フレームの送信時間とに基づいてタイムスロットの残り時間を算出し、算出したタイムスロットの残り時間が1音声フレームを送信する時間以上であるか否かを判定する主制御部と、主制御部によってタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上であると判定された場合には、1音声フレーム単位でタイムスロットの残り時間分のダミーデータを音声データに付加した音声フレームを生成し、生成した音声フレームを送信する送信データ生成部と、を備え、端末装置は、アクセスポイントから受信した音声フレームからダミーデータと音声データとを分離し、分離した音声データを出力するデータ分離部、を備えることを特徴とする。
【0025】
この第5の発明の無線電話システムによれば、アクセスポイントが、端末装置との通信履歴から、端末装置が送信する音声フレームの送信時間を予測し、予測した音声フレームの送信時間と自局が送信すべき音声フレームの送信時間とに基づいて算出したタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上である場合には、1音声フレーム単位でタイムスロットの残り時間分のダミーデータを音声データに付加した音声フレームを生成して送信するようにしているため、タイムスロット内の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からアクセスポイントへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0026】
第6の発明の無線電話システムは、上記の発明において、端末装置は、自装置が送信すべき音声データから生成される音声フレームの送信が終了してからタイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間を検出する時間検出部と、自装置が送信すべき音声データから生成される音声フレームの送信が終了してから時間検出部によって検出されたタイムスロットの残り時間の間ジャム信号データを生成して送信するジャム信号データ生成部と、を備え、アクセスポイントは、端末装置から受信した音声フレームとジャム信号データとを分離し、分離した音声フレームをネットワークに送信するデータ分離部、を備えることを特徴とする。
【0027】
この第6の発明の無線電話システムによれば、端末装置が、自装置が送信すべき音声データから生成される音声フレームの送信が終了してからタイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間の間ジャム信号データを生成して送信するようにしているため、タイムスロット内の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からアクセスポイントへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0028】
第7の発明の無線電話システムは、上記の発明において、アクセスポイントは、端末装置が送信した音声フレームの受信が終了してからタイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間を検出する時間検出部と、端末装置が送信した音声フレームの受信が終了してから、時間検出部によって検出されたタイムスロットの残り時間の間ジャム信号データを生成して送信するジャム信号データ生成部と、を備えることを特徴とする。
【0029】
この第7の発明の無線電話システムによれば、アクセスポイントが、端末装置が送信した音声フレームの受信が終了してからタイムスリットが終了するまでのタイムスロットの残り時間の間ジャム信号データを生成して送信するようにしているため、タイムスロット内の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からアクセスポイントへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0030】
第8の発明の無線電話システムは、上記の発明において、アクセスポイントは、端末装置との通信履歴から、端末装置が送信する音声フレームの送信時間を予測し、予測した音声フレームの送信時間と自局が送信すべき音声フレームの送信時間とに基づいてタイムスロットの残り時間を算出する主制御部と、自局が送信すべき音声データから生成した音声フレームの送信が終了してからタイムスロットの残り時間の間ジャム信号データを生成して送信するジャム信号データ生成部と、を備え、端末装置は、アクセスポイントから受信した音声フレームとジャム信号データとを分離し、分離した音声フレームを出力するデータ分離部、を備えることを特徴とする。
【0031】
この第8の発明の無線電話システムによれば、アクセスポイントが、端末装置との通信履歴から端末装置が送信する音声フレームの送信時間を予測し、予測した音声フレームの送信時間と自局が送信すべき音声フレームの送信時間とに基づいてタイムスロットの残り時間を算出し、自局が送信すべき音声でデータから生成する音声フレームの送信が終了してからタイムスロット残り時間の間ジャム信号データを生成して送信するようにしているため、タイムスロット内の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からアクセスポイントへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0033】
(実施の形態1)
図1〜図4を用いて本発明の実施の形態1を説明する。図1は、本発明における無線電話システムの構成を示す概略図である。図1において、1−1〜1−n(1≦n,nは自然数)は端末、2は無線アクセスポイント(以下、APとする)、3はネットワークである。
【0034】
図1において、無線電話システムは、n台の端末1(1−1〜1−nを示す)が無線回線を用いてAP2に接続し、AP2を介して有線回線によるネットワーク3に接続される固定端末や無線端末と通信を行なう。端末1とAP2との通信は、たとえば、IEEE802.11eなどで規定された無線LAN(Local Area Network)に基づいて、TDMA(Time Division Multiple Access)方式を用いて音声伝達のQoS(Quality of Service)を確保する。
【0035】
端末1は、すべて同じ機能を備えている。図2に示した端末1−1の構成を示すブロック図を参照して、端末1の機能を説明する。図2において、101は主制御部、102は記憶部、103は無線受信部、104は無線送信部、105は時間検出部、106は音声コーデック部、107は音声入力部、108は音声出力部、109はキー入力部である。
【0036】
無線受信部103は、無線音声フレームを受信し、受信した無線音声フレームに予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成する。音声コーデック部106は、無線受信部103によって生成された音声フレームに含まれるデジタル音声データをアナログ音声信号に変換するとともに、音声入力部107から入力されるアナログ音声信号をデジタル音声データに変換する。
【0037】
音声出力部108は、スピーカーなどで構成され、音声コーデック部106によって変換されたアナログ音声信号を出力する。音声入力部107は、マイクなどで構成され、音声の入力手段として用いられ、入力した音声をアナログ音声信号として音声コーデック部106に出力する。
【0038】
無線送信部104は、音声コーデック部106によって変換されたデジタル音声データを含む音声フレーム、すなわちAP2に送信すべき音声フレームに予め定められた変調処理を施して無線音声フレームを生成し、生成した無線音声フレームをAP2に送信する。
【0039】
時間検出部105は、タイマ機能を備え、タイムスロットの開始時間や終了時間、AP2からの無線音声フレームの受信が終了してから、AP2へ無線音声フレームの送信を開始するまでの応答遅延時間などの時間検出を行なう。
【0040】
主制御部101は、無線受信部によって生成された音声フレームからデジタル音声データの抽出や、音声コーデック部106によって生成されたデジタル音声データを含む音声フレームを生成するとともに、端末内の各構成要素を統括的に制御する。記憶部102は、装置内の各構成要素の処理に必要なデータなどを保持するとともに、送受信動作時のバッファとして用いられる。
【0041】
キー入力部109は、スイッチなどで構成され、端末1の電源のオン/オフや、オフフック/オンフック、電話番号の入力などユーザからの入力手段として用いられる。
【0042】
図3は、図1に示したAP2の構成を示すブロック図である。図3において、201は主制御部、202は記憶部、203は無線受信部、204は無線送信部、205は送信データ生成部、206は時間検出部である。
【0043】
無線受信部203は、端末1からの無線音声フレームを受信し、受信した無線音声フレームに予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成する。時間検出部206は、タイマ機能を備え、端末1に割り当てた各タイムスロットの開始時間や終了時間、タイムスロットの残り時間などの時間検出を行なう。
【0044】
主制御部201は、無線受信部203によって生成された音声フレームを図示しないネットワーク3とのインタフェース部を介してネットワーク3に送信するとともに、インタフェース部を介してネットワーク3から受信した音声フレームの送信制御など、自局内の各構成要件を統括的に制御する。
【0045】
送信データ生成部205は、主制御部201からの指示によってダミーデータを含むダミーフレームを生成する。無線送信部204は、音声フレームおよびダミーフレームに予め定められた変調処理を施して無線音声フレームおよび無線ダミーフレームを生成し、生成した無線音声フレームおよび無線ダミーフレームを送信する。記憶部202は、局内の各構成要素の処理に必要なデータなどを保持するとともに、送受信動作時のバッファとして用いられる。
【0046】
つぎに、図1〜図4を参照して、本発明における無線電話システムの実施の形態1の動作を説明する。図4は、本発明における無線電話通信システムの実施の形態1のタイムスロット(サービスピリオド)の配置の一例を示す図である。図4においては、4台の端末1−1〜1−4とAP2との通信の場合のタイムスロットの配置を示しており、端末1−1にタイムスロットTS1が割り当てられ、端末1−2にタイムスロットTS2が割り当てられ、端末1−3にタイムスロットTS3が割り当てられ、端末1−4にタイムスロットTS4が割り当てられている。タイムスロットTS1〜TS4は、40[ms]+揺らぎ分の時間の長さであり、ここでは、すでに端末1−1〜1−4がAP2と無線回線によって接続し、タイムスロットTS1〜TS4が割り当てられているものとする。
【0047】
端末1−1の時間検出部105は、自装置が割り当てられているタイムスロットTS1の開始時間を検出すると、タイムスロット開始通知を主制御部101に通知する。タイムスロット開始通知を受けると、端末1−1の主制御部101は、無線受信部103を起動して端末1−1をAP2からの無線音声フレームを待つ受信待機状態にする。
【0048】
一方、AP2の時間検出部206は、端末1−1が割り当てられているタイムスロットTS1の開始時間を検出すると、端末1−1とのタイムスロット開始通知を主制御部201に通知する。
【0049】
端末1−1とのタイムスロット開始通知を受けると、AP2の主制御部201は、端末1−1に送信すべきデジタル音声データから予め定められたフォーマットの音声フレームデータを生成し、生成した音声フレームを無線送信部204に出力する。無線送信部204は、音声フレームに予め定められた変調処理を施して10[ms]の無線音声フレームを生成し、生成した無線音声フレームFA1を送信する。AP2の主制御部201は、無線送信部204が無線音声フレームFA1を送信した後に、無線受信部203を起動してAP2を受信待機状態にする。
【0050】
受信待機状態となっている端末1−1の無線受信部103は、AP2が送信した無線音声フレームFA1を受信する。無線受信部103は、受信した無線音声フレームFA1に予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成し、生成した音声フレームを主制御部101に出力する。
【0051】
端末1−1の主制御部101は、音声フレームからデジタル音声データを抽出し、抽出したデジタル音声データを音声コーデック部106に出力する。音声コーデック部106は、デジタル音声データをアナログ音声信号に変換し、変換したアナログ音声信号を音声出力部108に出力する。これにより音声出力部108からAP2を介して受信した通信相手の音声が出力される。
【0052】
一方、端末1−1の音声コーデック部106は、音声入力部107から入力されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換し、変換したデジタル音声データを主制御部101に出力する。主制御部101は、デジタル音声データから予め定められたフォーマットの音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線送信部104に出力する。端末1−1の無線送信部104は、音声フレームに予め定められた変調処理を施して10[ms]の無線音声フレームD1を生成する。
【0053】
端末1−1の時間検出部105は、AP2からの無線音声フレームの受信が終了してからの時間を計測しており、主制御部101は、時間検出部105が計測している時間を監視して、応答遅延時間以内にAP2への無線音声フレームD1の送信を開始するように無線送信部104に送信指示を通知する。
【0054】
送信指示を受けると、端末1−1の無線送信部104は、生成した無線音声フレームD1の送信を開始する。主制御部101は、無線送信部104が無線音声フレームD1の送信が終了した後に、各構成要素を制御して端末1−1をスリープモード(待機状態)にする。
【0055】
受信待機状態となっているAP2の無線受信部203は、端末1−1が送信した無線音声フレームD1を受信する。無線受信部203は、受信した無線音声フレームD1に予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成し、生成した音声フレームを主制御部201に出力する。主制御部201は、音声フレームを図示しないネットワークインタフェース部を介してネットワーク3に送信する。
【0056】
また、AP2の主制御部201は、時間検出部206を用いて端末1−1に割り当てたタイムスロットTS1の残り時間(端末1−1が送信した無線音声フレームD1の受信終了からタイムスロットTS1の終了までの時間)を認識する。主制御部201は、タイムスロットTS1の残り時間が1音声フレームのデータ送信時間よりも長いか否かを判定する。タイムスロットTS1の残り時間が1音声フレームのデータ送信時間以上の長さであると判定した場合、主制御部201は、ダミーフレーム生成指示を送信データ生成部205に出力する。タイムスロットTS1の残りの時間が1音声フレームのデータ送信時間よりも短いと判定した場合、主制御部101は、ダミーフレーム生成指示を出力することなく、無線受信部203を起動してAP2を受信待機状態とする。
【0057】
タイムスロットTS1においては、AP2および端末1−1がそれぞれ10[ms]の無線音声フレームFD1,D1を送信した。タイムスロットTS1は40[ms]+揺らぎ分の時間であるので、タイムスロットTS1の残り時間は2音声フレーム(20[ms])以上であり、タイムスロットTS1の残り時間が1音声フレームのデータ送信時間よりも長い。したがって、主制御部201は、ダミーフレーム生成指示を送信データ生成部205に出力する。主制御部201は、ダミーフレーム生成指示にタイムスロットTS1の残り時間が2フレーム分であるかを示すフレーム数を含めておく。
【0058】
ダミーフレーム生成指示を受けると、AP2の送信データ生成部205は、ダミーデータを含むダミーフレームをダミーフレーム生成指示に含まれるフレーム数分だけ生成する。送信データ生成部205は、生成したダミーフレームを無線送信部204に出力する。
【0059】
AP2の無線送信部204は、ダミーフレームデータに予め定められた変調処理を施して無線ダミーフレームFD1を生成し、生成した無線ダミーフレームFD1を送信する。端末1−1は無線音声フレームD1を送信した後にスリープモードになっており、つぎに自装置に割り当てられているタイムスロットの開始時間になるまで受信処理を実行することはない。したがって、AP2が送信した無線ダミーフレームFD1は、端末1−1に受信されることはないが、タイムスロットTS1において端末1−1が無線音声フレームD1の送信が終了した後からタイムスロットTS1の終了までの間の無線通信状態を無くして、端末1−1〜1−4とは異なる端末がAP2にアクセスするのを防止している。
【0060】
タイムスロットTS2〜TS4が割り当てられている端末1−2〜1−4とAP2との通信は、上述した端末1−1とAP2との通信とほぼ同じであり、相違点は、端末1−2〜1−4、およびAP2が送信する音声フレーム(無線音声フレーム)の長さだけであるので、ここでは詳細な動作の説明は省略する。
【0061】
タイムスロットTS2においては、端末1−2が受信待機状態となり、AP2が、送信すべきデジタル音声データから20[ms]の音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線音声フレームFA2として送信する。
【0062】
端末1−2は、無線音声フレームFA2を受信して音声フレームを生成し、生成した音声フレームから抽出したデジタル音声データをアナログ音声信号に変換して音声として出力する。また、端末1−2は、入力されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換し、変換したデジタル音声データを含む10[ms]の音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線音声フレームD2として送信してスリープモードとなる。
【0063】
AP2は、無線音声フレームD2を受信して音声フレームを生成し、生成した音声フレームをネットワーク3に送信する。また、AP2は、タイムスロットTS2の残り時間を認識する。この場合、AP2が送信した無線音声フレームFA2が20[ms]であり、端末1−2が送信した無線音声フレームD2が10[ms]であり、タイムスロットTS2の長さが40[ms]+揺らぎ分の時間であるので、タイムスロットTS2の残り時間は10[ms]以上、すなわち、1音声フレームのデータ送信時間よりも長い。したがって、AP2は、10[ms](1音声フレーム分)のダミーフレームを生成し、生成したダミーフレームを無線ダミーフレームFD2として送信する。
【0064】
タイムスロットTS3においては、端末1−3が受信待機状態となり、AP2が、送信すべきデジタル音声データから10[ms]の音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線音声フレームFA3として送信する。
【0065】
端末1−3は、無線音声フレームFA3を受信して音声フレームを生成し、生成した音声フレームから抽出したデジタル音声データをアナログ音声信号に変換して音声として出力する。また、端末1−3は、入力されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換し、変換したデジタル音声データを含む20[ms]の音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線音声フレームD3として送信してスリープモードとなる。
【0066】
AP2は、無線音声フレームD3を受信して音声フレームを生成し、生成した音声フレームをネットワーク3に送信する。また、AP2は、タイムスロットTS3の残り時間を認識する。この場合、AP2が送信した無線音声フレームFA3が10[ms]であり、端末1−3が送信した無線音声フレームD3が20[ms]であり、タイムスロットTS3の長さが40[ms]+揺らぎ分の時間であるので、タイムスロットTS3の残り時間は10[ms]以上、すなわち、1音声フレームのデータ送信時間よりも長い。したがって、AP2は、10[ms](1音声フレーム分)のダミーフレームを生成し、生成したダミーフレームを無線ダミーフレームFD3として送信する。
【0067】
タイムスロットTS4においては、端末1−4が受信待機状態となり、AP2が、送信すべきデジタル音声データから20[ms]の音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線音声フレームFA4として送信する。
【0068】
端末1−4は、無線音声フレームFA4を受信して音声フレームを生成し、生成した音声フレームから抽出したデジタル音声データをアナログ音声信号に変換して音声として出力する。また、端末1−4は、入力されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換し、変換したデジタル音声データを含む20[ms]の音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線音声フレームD4として送信してスリープモードとなる。
【0069】
AP2は、無線音声フレームD4を受信して音声フレームを生成し、生成した音声フレームをネットワーク3に送信する。また、AP2は、タイムスロットTS4の残り時間を認識する。この場合、AP2が送信した無線音声フレームFA4が20[ms]であり、端末1−4が送信した無線音声フレームD4が20[ms]であり、タイムスロットTS4の長さが40[ms]+揺らぎ分の時間であるので、タイムスロットTS4の残り時間は、揺らぎ分の時間以下、すなわち、1音声フレームのデータ送信時間よりも短い。したがって、AP2は、ダミーデータを含むダミーフレームを生成しない。すなわち、無線ダミーフレームを送信しない。
【0070】
このようにこの実施の形態1においては、AP2が、端末1−1〜1−4が送信した音声フレームの受信が終了してから、タイムスロットTS1〜TS4が終了するまでのタイムスロットTS1〜TS4の残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上である場合には、1音声フレーム単位でタイムスロットTS1〜TS4終了時間までのダミーデータフレームを生成し、生成したダミーフレームを送信するようにしているため、タイムスロット内に1音声フレームの送信時間以上の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からアクセスポイントへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末装置からの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0071】
また、この実施の形態1においては、AP2と端末1−1〜1−4との通信終了後にAP2が、ダミーデータフレームを生成して送信するようにしているため、端末1−1〜1−4は、自装置が送信すべき音声フレームを送信した後にスリープモードに移行することができ、消費電力を抑制することができる。
【0072】
なお、この実施の形態1の端末1−1〜1−1の主制御部101、時間検出部105、音声コーデック部106、無線送信部104、および無線受信部103によって実現される前述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部102、または図示しない記憶部に格納し、主制御部101をCPUで構成してソフトウェアを主制御部101のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0073】
また、この実施の形態1のAP2の主制御部201、時間検出部206、送信データ生成部205、無線送信部204、および無線受信部203によって実現される上述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部202、または図示しない記憶部に格納し、主制御部201をCPUで構成してソフトウェアを主制御部201のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0074】
(実施の形態2)
図5〜図7を用いて本発明の実施の形態2を説明する。本発明における実施の形態2の無線電話システムの構成は、先の図1に示した端末1、およびAP2の代わりに、端末1a(1a−1〜1a−nを示す)、およびAP2aを備える。
【0075】
端末1aは、すべて同じ機能を備えている。図5に示したこの実施の形態2の無線通信システムの端末1a−1の構成を示すブロック図を参照して、端末1aの機能を説明する。図5に示した端末1a−1は、先の図2に示した実施の形態1の端末1−1にデータ分離部111および送信データ生成部112を備えている。先の図2に示した実施の形態1の端末1−1と同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0076】
データ分離部111は、無線受信部103によって生成された音声データフレームから、ダミーデータとデジタル音声データとを分離する。送信データ生成部112は、主制御部101からの指示によって送信すべきデジタル音声データにダミーデータを付加した音声フレームを生成する。
【0077】
図6は、本発明における無線通信システムの実施の形態2のAP2aの構成を示すブロック図である。図6に示したAP2aは、先の図3に示した実施の形態1のAP2の送信データ生成部205の代わりに送信データ生成部215を備え、データ分離部211が追加されている。先の図3に示した実施の形態1のAP2と同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0078】
データ分離部211は、無線受信部203によって生成された音声データフレームからダミーデータとデジタル音声データとを分離する。送信データ生成部215は、主制御部201からの指示によって送信すべきデジタル音声データにダミーデータを付加した音声フレームを生成する。
【0079】
つぎに、図5〜図7を参照して、端末1a−1とAP2aとの通信を例に挙げて、本発明における無線電話システムの実施の形態2の動作を説明する。ここでは、タイムスロットは40[ms]+揺らぎの時間であり、1音声フレームが10[ms]であるものとする。
【0080】
端末1a−1の時間検出部105は、自装置が割り当てられているタイムスロットの開始時間を検出すると、タイムスロット開始通知を主制御部101に通知する。タイムスロット開始通知を受けると、端末1a−1の主制御部101は、無線受信部103を起動して端末1a−1をAP2aからの無線音声フレームを待つ受信待機状態にする。
【0081】
一方、AP2aの時間検出部206は、端末1a−1が割り当てられているタイムスロットの開始時間を検出すると、端末1a−1とのタイムスロット開始通知を主制御部201に通知する。
【0082】
端末1a−1とのタイムスロット開始通知を受けると、AP2aの主制御部201は、端末1a−1に送信すべきデジタル音声データが、1音声フレーム分であるのか、2フレーム分であるのか、すなわち10[ms]であるのか、20[ms]であるのかを判定する。デジタル音声データが10[ms]である場合、主制御部201は、送信データ生成部215にデジタル音声データを出力する。
【0083】
デジタル音声データを受けると、AP2aの送信データ生成部215は、デジタル音声データに10[ms](1音声フレーム分)のダミーデータを付加してデジタル音声データとダミーデータを含む20[ms]の音声フレームを生成する。送信データ生成部215は、ダミーデータにはダミーデータであることを示す特定パターン挿入しておく。送信データ生成部215は、生成した音声フレームを無線送信部204に出力する。
【0084】
一方、デジタル音声データが20[ms]である場合、AP2aの主制御部201は、デジタル音声データを含む20[ms]の音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線送信部204に出力する。
【0085】
AP2aの無線送信部204は、主制御部201または送信データ生成部215からの音声フレームに予め定められた変調処理を施して20[ms]の無線音声フレームを生成し、生成した無線音声フレームを送信する。AP2aの主制御部201は、無線送信部204が無線音声フレームを送信した後に、無線受信部203を起動してAP2aを受信待機状態にする。
【0086】
受信待機状態となっている端末1a−1の無線受信部103は、AP2aが送信した無線音声フレームを受信する。無線受信部103は、受信した無線音声フレームに予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成し、生成した音声フレームをデータ分離部111に出力する。
【0087】
端末1a−1のデータ分離部111は、音声フレームにダミーデータが含まれているか否かを判定する。音声フレーム内のダミーデータが含まれている場合、特定パターンが含まれている。データ分離部111は、音声フレーム内にこの特定パターンを検出した場合、ダミーデータが含まれていると判定する。データ分離部111は、音声フレーム内にダミーデータが含まれていると判定した場合、デジタル音声データとダミーデータとを分離して、デジタル音声データのみを音声コーデック部106に出力し、音声フレーム内にダミーデータが含まれていないと判定した場合、音声フレームからデジタル音声データを抽出して音声コーデック部106に出力する。
【0088】
端末1a−1の音声コーデック部106は、デジタル音声データをアナログ音声信号に変換し、変換したアナログ音声信号を音声出力部108に出力する。これにより音声出力部108からAP2aを介して受信した通信相手の音声が出力される。
【0089】
一方、端末1a−1の音声コーデック部106は、音声入力部107から入力されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換し、変換したデジタル音声データを主制御部101に出力する。主制御部101は、AP2aに送信すべきデジタル音声データが、1音声フレーム分であるのか、2フレーム分であるのか、すなわち10[ms]であるのか、20[ms]であるのかを判定する。デジタル音声データが10[ms]である場合、主制御部101は、送信データ生成部112にデジタル音声データを出力する。
【0090】
デジタル音声データを受けると、端末1a−1の送信データ生成部112は、デジタル音声データに10[ms](1音声フレーム分)のダミーデータを付加してデジタル音声データとダミーデータを含む20[ms]の音声フレームを生成する。送信データ生成部112は、ダミーデータにはダミーデータであることを示す特定パターン挿入しておく。送信データ生成部112は、生成した音声フレームを無線送信部104に出力する。
【0091】
一方、デジタル音声データが20[ms]である場合、端末1a−1の主制御部101は、デジタル音声データを含む20[ms]の音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線送信部104に出力する。
【0092】
端末1a−1の無線送信部104は、主制御部101または送信データ生成部112からの音声フレームに予め定められた変調処理を施して20[ms]の無線音声フレームを生成し、生成した無線音声フレームを送信する。端末1a−1の主制御部101は、無線音声フレームを送信した後に各構成要素を制御してスリープモードとする。
【0093】
受信待機状態となっているAP2aの無線受信部203は、端末1a−1が送信した無線音声フレームを受信する。無線受信部203は、受信した無線音声フレームに予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成し、生成した音声フレームをデータ分離部211に出力する。
【0094】
AP2aのデータ分離部211は、音声フレームにダミーデータが含まれているか否かを判定する。音声フレーム内のダミーデータが含まれている場合、特定パターンが含まれている。データ分離部211は、音声フレーム内にこの特定パターンを検出した場合、ダミーデータが含まれていると判定する。データ分離部211は、音声フレーム内にダミーデータが含まれていると判定した場合、デジタル音声データとダミーデータとを分離して、デジタル音声データのみが含まれる音声フレームを生成して主制御部201に出力し、音声フレーム内にダミーデータが含まれていないと判定した場合、音声フレームをそのまま主制御部201に出力する。主制御部201は、音声フレームをネットワーク3に送信する。
【0095】
図7は、本発明における無線電話システムにおけるAP2aと端末1a−1との通信パターンを示す図である。図7において、パターン1では、AP2aが10[ms]のデジタル音声データに10[ms]のダミーデータを付加した20[ms]音声フレーム(無線音声フレーム)を端末1a−1に送信し、端末1a−1が10[ms]のデジタル音声データに10[ms]のダミーデータを付加した20[ms]音声フレーム(無線音声フレーム)をAP2aに送信している。すなわち、AP2aおよび端末1a−1が、それぞれタイムスロットとして割り当てられた時間より短い時間、例えば、タイムスロットの1/2の時間(この場合は20[ms])、無線音声フレームを送信するために、10[ms]のダミーデータを付加した20[ms]の音声フレームを生成している。
【0096】
図7において、パターン2は、AP2aが20[ms]のデジタル音声データを含む20[ms]音声フレーム(無線音声フレーム)を端末1a−1に送信し、端末1a−1が10[ms]のデジタル音声データに10[ms]のダミーデータを付加した20[ms]音声フレーム(無線音声フレーム)をAP2aに送信している。すなわち、端末1a−1が、タイムスロットの1/2の時間、無線音声フレームを送信するために、10[ms]のダミーデータを付加した20[ms]の音声フレームを送信している。
【0097】
図7において、パターン3は、AP2aが10[ms]のデジタル音声データに10[ms]のダミーデータを付加した20[ms]の音声フレーム(無線音声フレーム)を端末1a−1に送信し、端末1a−1が20[ms]のデジタル音声データを含む20[ms]の音声フレーム(無線音声フレーム)をAP2aに送信している。すなわち、AP2aが、タイムスロットの1/2の時間、無線音声フレームを送信するために、10[ms]ダミーデータを付加した20[ms]の音声フレームを生成した場合である。
【0098】
図7において、パターン4は、AP2aが20[ms]のデジタル音声データを含む20[ms]の音声フレーム(無線音声フレーム)を端末1a−1に送信し、端末1a−1が20[ms]のデジタル音声データを含む20[ms]の音声フレーム(無線音声フレーム)をAP2aに送信している。すなわち、AP2aおよび端末1a−1が、タイムスロットの1/2の時間、必要なデータ、すなわちデジタル音声データを含む20[ms]の音声フレームを送信する場合である。この場合、必要なデータの送信でタイムスロットの時間を使用するため、音声フレーム内にダミーデータを含ませる必要がない。
【0099】
このようにこの実施の形態2では、AP2aおよび端末1aが、それぞれ送信する音声フレームの送信時間がタイムスロットの1/2の時間になるように1音声フレーム単位で音声データにダミーデータを付加した音声フレームを送信するようにしているため、タイムスロット内に1音声フレームの送信時間以上の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末1aからAP2aへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末1aからの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0100】
なお、この実施の形態2の端末1aの主制御部101、時間検出部105、音声コーデック部106、データ分離部111、送信データ生成部112、無線送信部104、および無線受信部103によって実現される前述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部102、または図示しない記憶部に格納し、主制御部101をCPUで構成してソフトウェアを主制御部101のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0101】
また、この実施の形態2のAP2aの主制御部201、時間検出部206、データ分離部211、送信データ生成部215、無線送信部204、および無線受信部203によって実現される上述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部202、または図示しない記憶部に格納し、主制御部201をCPUで構成してソフトウェアを主制御部201のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0102】
(実施の形態3)
図8〜図10を用いて本発明の実施の形態3を説明する。本発明における実施の形態3の無線電話システムの構成は、先の図1に示した端末1、およびAP2の代わりに、端末1b(1b−1〜1b−nを示す)、およびAP2bを備える。
【0103】
端末1bは、すべて同じ機能を備えている。図8に示したこの実施の形態3の無線通信システムの端末1b−1の構成を示すブロック図を参照して、端末1bの機能を説明する。図8に示した端末1b−1は、先の図5に示した実施の形態1の端末1a−1からデータ分離部111が削除されている。先の図5に示した実施の形態2の端末1a−1と同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0104】
図9は、本発明における無線通信システムの実施の形態3のAP2bの構成を示すブロック図である。図9に示したAP2bは、先の図6に示した実施の形態2のAP2aから送信データ生成部215が削除されている。先の図6に示した実施の形態2のAP2aと同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0105】
つぎに、図8〜図10を参照して、端末1b−1とAP2bとの通信を例に挙げて、本発明における無線電話システムの実施の形態3の動作を説明する。ここでは、タイムスロットは40[ms]+揺らぎの時間であり、1音声フレームが10[ms]であるものとする。
【0106】
端末1b−1の時間検出部105は、自装置が割り当てられているタイムスロットの開始時間を検出すると、タイムスロット開始通知を主制御部101に通知する。タイムスロット開始通知を受けると、端末1b−1の主制御部101は、無線受信部103を起動して端末1b−1をAP2bからの無線音声フレームを待つ受信待機状態にする。
【0107】
一方、AP2bの時間検出部206は、端末1b−1が割り当てられているタイムスロットの開始時間を検出すると、端末1b−1とのタイムスロット開始通知を主制御部201に通知する。
【0108】
端末1b−1とのタイムスロット開始通知を受けると、AP2bの主制御部201は、端末1b−1に送信すべきデジタル音声データから予め定められたフォーマットの音声フレームデータを生成し、生成した音声フレームを無線送信部204に出力する。無線送信部204は、音声フレームに予め定められた変調処理を施して無線音声フレームを生成し、生成した無線音声フレームを送信する。AP2bの主制御部201は、無線送信部204が無線音声フレームを送信した後に、無線受信部203を起動してAP2bを受信待機状態にする。
【0109】
受信待機状態となっている端末1b−1の無線受信部103は、AP2bが送信した無線音声フレームを受信する。無線受信部103は、受信した無線音声フレームに予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成し、生成した音声フレームを主制御部101に出力する。
【0110】
端末1b−1の主制御部101は、音声フレームからデジタル音声データを抽出し、抽出したデジタル音声データを音声コーデック部106に出力する。音声コーデック部106は、デジタル音声データをアナログ音声信号に変換し、変換したアナログ音声信号を音声出力部108に出力する。これにより音声出力部108からAP2bを介して受信した通信相手の音声が出力される。
【0111】
一方、端末1b−1の音声コーデック部106は、音声入力部107から入力されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換し、変換したデジタル音声データを主制御部101に出力する。主制御部101は、AP2bから受信した音声フレームと、送信すべきデジタル音声データから生成する音声フレームとの合計時間を算出する。主制御部101は、合計時間が40[ms]であるか否かを判定する。合計時間が40[ms]である場合、すなわちAP2bから受信した音声フレーム、および送信すべきデジタル音声データから生成する音声フレームが、ともに20[ms]である場合、主制御部101は、デジタル音声データを含む音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線送信部104に出力する。
【0112】
合計時間が40[ms]ではない場合、すなわち、AP2bから受信した音声フレームが10[ms]であって、かつ送信すべきデジタル音声データから生成する音声フレームが10[ms]である場合、AP2bから受信した音声フレームが20[ms]であって、かつ送信すべきデジタル音声データから生成する音声フレームが10[ms]である場合、または、AP2bから受信した音声フレームが10[ms]であって、かつ送信すべきデジタル音声データから生成する音声フレームが20[ms]である場合、主制御部101は、デジタル音声データを送信データ生成部112に出力する。このとき、主制御部101は、ダミーデータの長さ、すなわち1音声フレーム分であるのか、2フレーム分であるのかの付加情報をデジタル音声データとともに出力する。
【0113】
端末1b−1の送信データ生成部112は、付加情報に基づいて、1または2フレーム(10、または20[ms])のダミーデータをデジタル音声データに付加してデジタル音声データとダミーデータを含む音声フレームを生成する。送信データ生成部112は、ダミーデータにはダミーデータであることを示す特定パターン挿入しておく。送信データ生成部112は、生成した音声フレームを無線送信部104に出力する。
【0114】
端末1b−1の無線送信部104は、主制御部101または送信データ生成部112からの音声フレームに予め定められた変調処理を施して無線音声フレームを生成し、生成した無線音声フレームを送信する。端末1b−1の主制御部101は、無線音声フレームを送信した後に各構成要素を制御してスリープモードとする。
【0115】
受信待機状態となっているAP2bの無線受信部203は、端末1b−1が送信した無線音声フレームを受信する。無線受信部203は、受信した無線音声フレームに予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成し、生成した音声フレームをデータ分離部211に出力する。
【0116】
AP2bのデータ分離部211は、音声フレームにダミーデータが含まれているか否かを判定する。音声フレーム内のダミーデータが含まれている場合、特定パターンが含まれている。データ分離部211は、音声フレーム内にこの特定パターンを検出した場合、ダミーデータが含まれていると判定する。データ分離部211は、音声フレーム内にダミーデータが含まれていると判定した場合、デジタル音声データとダミーデータとを分離して、デジタル音声データのみが含まれる音声フレームを生成して主制御部201に出力し、音声フレーム内にダミーデータが含まれていないと判定した場合、音声フレームをそのまま主制御部201に出力する。主制御部201は、音声フレームをネットワーク3に送信する。
【0117】
図10は、本発明における無線電話システムにおけるAP2bと端末1b−1との通信パターンを示す図である。図10において、パターン1では、AP2bがデジタル音声データを含む10[ms]音声フレーム(無線音声フレーム)を端末1b−1に送信し、端末1b−1が10[ms]のデジタル音声データに20[ms]のダミーデータを付加した30[ms]音声フレーム(無線音声フレーム)をAP2bに送信している。
【0118】
図10において、パターン2は、AP2bがデジタル音声データを含む20[ms]音声フレーム(無線音声フレーム)を端末1b−1に送信し、端末1b−1が10[ms]のデジタル音声データに10[ms]のダミーデータを付加した20[ms]音声フレーム(無線音声フレーム)をAP2bに送信している。
【0119】
図10において、パターン3は、AP2bがデジタル音声データを含む10[ms]の音声フレーム(無線音声フレーム)を端末1b−1に送信し、端末1b−1が20[ms]のデジタル音声データに10[ms]のダミーデータを含む30[ms]の音声フレーム(無線音声フレーム)をAP2bに送信している。
【0120】
図10において、パターン4は、AP2bがデジタル音声データを含む20[ms]の音声フレーム(無線音声フレーム)を端末1b−1に送信し、端末1b−1が20[ms]のデジタル音声データを含む20[ms]の音声フレーム(無線音声フレーム)をAP2bに送信している。
【0121】
このようにこの実施の形態3においては、端末1bが、自装置が送信すべき音声データから生成される音声フレームの送信が終了してからタイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間が1音声フレームを送信する時間以上である場合、1音声フレーム単位で送信すべき音声フレームがタイムスロットの終了時間になるように音声フレーム内にダミーデータを付加した音声フレームを送信するようにしているため、タイムスロット内に1音声フレームの送信時間以上の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末1bからAP2bへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末1bからの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0122】
なお、この実施の形態3の端末1bの主制御部101、時間検出部105、音声コーデック部106、送信データ生成部112、無線送信部104、および無線受信部103によって実現される前述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部102、または図示しない記憶部に格納し、主制御部101をCPUで構成してソフトウェアを主制御部101のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0123】
また、この実施の形態3のAP2bの主制御部201、時間検出部206、データ分離部211、無線送信部204、および無線受信部203によって実現される上述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部202、または図示しない記憶部に格納し、主制御部201をCPUで構成してソフトウェアを主制御部201のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0124】
(実施の形態4)
図11〜図13を用いて本発明の実施の形態4を説明する。本発明における実施の形態4の無線電話システムの構成は、先の図1に示した端末1、およびAP2の代わりに、端末1c(1c−1〜1c−nを示す)、およびAP2cを備える。
【0125】
端末1cは、すべて同じ機能を備えている。図11に示したこの実施の形態4の無線通信システムの端末1c−1の構成を示すブロック図を参照して、端末1cの機能を説明する。図11に示した端末1c−1は、先の図5に示した実施の形態2の端末1a−1から送信データ生成部112が削除されている。先の図5に示した実施の形態2の端末1a−1と同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0126】
図12は、本発明における無線通信システムの実施の形態4のAP2cの構成を示すブロック図である。図12に示したAP2cは、先の図6に示した実施の形態2のAP2aからデータ分離部211が削除されている。先の図6に示した実施の形態2のAP2aと同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0127】
つぎに、図11〜図13を参照して、端末1c−1とAP2cとの通信を例に挙げて、本発明における無線電話システムの実施の形態4の動作を説明する。ここでは、タイムスロットは40[ms]+揺らぎの時間であり、1音声フレームが10[ms]であるものとする。
【0128】
端末1c−1の時間検出部105は、自装置が割り当てられているタイムスロットの開始時間を検出すると、タイムスロット開始通知を主制御部101に通知する。タイムスロット開始通知を受けると、端末1c−1の主制御部101は、無線受信部103を起動して端末1c−1をAP2cからの無線音声フレームを待つ受信待機状態にする。
【0129】
一方、AP2cの時間検出部206は、端末1c−1が割り当てられているタイムスロットの開始時間を検出すると、端末1c−1とのタイムスロット開始通知を主制御部201に通知する。
【0130】
端末1b−1とのタイムスロット開始通知を受けると、AP2cの主制御部201は、送信すべきデジタル音声データから生成される音声フレームと、端末1b−1との通信履歴に基づいて、当該タイムスロットにおいて端末1b−1が送信する音声フレームの長さを予測してダミーデータを付加するか否かを決定する。
【0131】
端末1b−1に割り当てたタイムスロットの周期や、AP2cが報知するビーコン間隔、IP網であるネットワーク3におけるVoIPのコーデック間隔をAP2cの主制御部201は認識している。また、端末1b−1が現在の各タイムスロットで送信した音声フレームの長さを通信履歴として記憶している。これらの情報を用いて、主制御部201は、当該タイムスロットにおいて端末1b−1が送信する音声フレームの長さを予測する。主制御部201は、予測した音声フレームの長さと、送信すべきデジタル音声データから生成される音声フレームの長さとの合計から、タイムスロットの残り時間を予測する。主制御部201は、予測したタイムスロットの残り時間が、1音声フレーム以上(10[ms]以上)である場合には、ダミーデータを付加することを決定してデジタル音声データを送信データ生成部215に出力する。このとき、主制御部201は、ダミーデータの長さ、すなわち1音声フレーム分であるのか、2フレーム分であるのかの付加情報をデジタル音声データとともに出力する。
【0132】
AP2cの送信データ生成部215は、付加情報に基づいて、1または2フレーム(10、または20[ms])のダミーデータをデジタル音声データに付加したデジタル音声データおよびダミーデータを含む音声フレームを生成する。送信データ生成部215は、ダミーデータにはダミーデータであることを示す特定パタ−ンを挿入しておく。送信データ生成部215は、生成した音声フレームを無線送信部204に出力する。
【0133】
一方、タイムスロットの残り時間が1音声フレームより小さい場合、AP2cの主制御部201は、ダミーデータを付加することなくデジタル音声データのみで音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線送信部204に出力する。
【0134】
AP2cの無線送信部204は、主制御部201または送信データ生成部215からの音声フレームに予め定められた変調処理を施して無線音声フレームを生成し、生成した無線音声フレームを送信する。AP2cの主制御部201は、無線送信部204が無線音声フレームを送信した後に、無線受信部203を起動してAP2cを受信待機状態にする。
【0135】
受信待機状態となっている端末1c−1の無線受信部103は、AP2cが送信した無線音声フレームを受信する。無線受信部103は、受信した無線音声フレームに予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成し、生成した音声フレームをデータ分離部111に出力する。
【0136】
端末1c−1のデータ分離部111は、音声フレームにダミーデータが含まれているか否かを判定する。音声フレーム内のダミーデータが含まれている場合、特定パターンが含まれている。データ分離部111は、音声フレーム内にこの特定パターンを検出した場合、ダミーデータが含まれていると判定する。データ分離部111は、音声フレーム内にダミーデータが含まれていると判定した場合、デジタル音声データとダミーデータとを分離して、デジタル音声データのみを音声コーデック部106に出力し、音声フレーム内にダミーデータが含まれていないと判定した場合、音声フレームからデジタル音声データを抽出して音声コーデック部106に出力する。
【0137】
端末1c−1の音声コーデック部106は、デジタル音声データをアナログ音声信号に変換し、変換したアナログ音声信号を音声出力部108に出力する。これにより音声出力部108からAP2cを介して受信した通信相手の音声が出力される。
【0138】
一方、端末1c−1の音声コーデック部106は、音声入力部107から入力されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換し、変換したデジタル音声データを主制御部101に出力する。主制御部101は、デジタル音声データから予め定められたフォーマットの音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線送信部104に出力する。端末1c−1の無線送信部104は、音声フレームに予め定められた変調処理を施して無線音声フレームを生成する。
【0139】
端末1c−1の時間検出部105は、AP2cからの無線音声フレームの受信が終了してからの時間を計測しており、主制御部101は、時間検出部105が計測している時間を監視して、応答遅延時間以内にAP2cへの無線音声フレームの送信を開始するように無線送信部104に送信指示を通知する。
【0140】
送信指示を受けると、端末1c−1の無線送信部104は、生成した無線音声フレームの送信を開始する。主制御部101は、無線送信部104が無線音声フレームの送信が終了した後に、各構成要素を制御して端末1c−1をスリープモード(待機状態)にする。
【0141】
受信待機状態となっているAP2cの無線受信部203は、端末1c−1が送信した無線音声フレームを受信する。無線受信部203は、受信した無線音声フレームに予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成し、生成した音声フレームを主制御部201に出力する。主制御部201は、音声フレームを図示しないネットワークインタフェース部を介してネットワーク3に送信する。
【0142】
図13は、本発明における無線電話システムにおけるAP2cと端末1c−1との通信パターンを示す図である。図13において、パターン1では、AP2cが、端末1c−1が10[ms]の無線音声フレームを送信すると予測して、10[ms]のデジタル音声データと20[ms]のダミーデータを含む30[ms]の無線音声フレームを送信している。
【0143】
図13のパターン2においては、AP2cが、端末1c−1が10[ms]の音声フレームを送信すると予測して、20[ms]のデジタル音声データと10[ms]のダミーデータを含む30[ms]の音声フレームを送信している。
【0144】
図13のパターン3においては、AP2cが、端末1c−1が20[ms]の音声フレームを送信すると予測して、10[ms]のデジタル音声データと10[ms]のダミーデータとを含む20[ms]の音声フレームを送信している。
【0145】
図13のパターン4においては、AP2cが、端末1c−1が20[ms]の音声フレームを送信すると予測して、20[ms]のデジタル音声データを含む20[ms]の音声フレームを送信している。
【0146】
このようにこの実施の形態4においては、AP2cが、端末1cとの通信履歴から、端末1cが送信する音声フレームの送信時間を予測し、予測した音声フレームの送信時間と自局が送信すべき音声フレームの送信時間とに基づいて算出したタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上である場合には、1音声フレーム単位でタイムスロットの残り時間分のダミーデータを音声データに付加した音声フレームを生成して送信するようにしているため、タイムスロット内に1音声フレームの送信時間以上の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末1cからAP2cへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末1cからの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0147】
なお、この実施の形態4の端末1cの主制御部101、時間検出部105、音声コーデック部106、データ分離部111、無線送信部104、および無線受信部103によって実現される前述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部102、または図示しない記憶部に格納し、主制御部101をCPUで構成してソフトウェアを主制御部101のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0148】
また、この実施の形態4のAP2cの主制御部201、時間検出部206、送信データ生成部215、無線送信部204、および無線受信部203によって実現される上述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部202、または図示しない記憶部に格納し、主制御部201をCPUで構成してソフトウェアを主制御部201のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0149】
(実施の形態5)
図14〜図16を用いて本発明の実施の形態5を説明する。先の実施の形態1〜4では、音声フレーム内にダミーデータを含めることで、タイムスロット内の無線通信時間をなくして、他の端末からのアクセスを防止するようにした。しかしながら、実施の形態1〜4では、タイムスロットの残り時間が1音声フレーム以上である場合のみダミーデータを付加するようにしているため、タイムスロットの残り時間が1音声フレームより短い場合、すなわち1音声フレームが成立しないような短い時間の無線通信時間に対応することができないという問題があった。
【0150】
このような問題を改善するために、この実施の形態5では、音声データを含む音声フレームが送信されていないタイムスロットの残り時間にジャム信号を出力することで、タイムスロット内の無線通信時間をなくすものである。
【0151】
本発明における実施の形態5の無線電話システムの構成は、先の図1に示した端末1、およびAP2の代わりに、端末1d(1d−1〜1d−nを示す)、およびAP2dを備える。
【0152】
端末1dは、すべて同じ機能を備えている。図14に示したこの実施の形態5の無線通信システムの端末1d−1の構成を示すブロック図を参照して、端末1dの機能を説明する。図14に示した端末1d−1は、先の図10に示した実施の形態3の端末1b−1の送信データ生成部112の代わりに、主制御部101からの指示によってジャム信号データを生成するジャム信号データ生成部151を備えている。先の図10に示した実施の形態3の端末1b−1と同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0153】
図15は、本発明における無線通信システムの実施の形態5のAP2dの構成を示すブロック図である。図15に示したAP2dは、先の図9に示した実施の形態3のAP2bからデータ分離部211の代わりに、デジタル音声データとジャム信号データとを分離するデータ分離部251を備えている。先の図9に示した実施の形態3のAP2bと同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0154】
つぎに、図14〜図16を参照して、端末1d−1とAP2dとの通信を例に挙げて、本発明における無線電話システムの実施の形態5の動作を説明する。ここでは、タイムスロットは40[ms]+揺らぎの時間であり、1音声フレームが10[ms]であるものとする。
【0155】
端末1d−1の時間検出部105は、自装置が割り当てられているタイムスロットの開始時間を検出すると、タイムスロット開始通知を主制御部101に通知する。タイムスロット開始通知を受けると、端末1d−1の主制御部101は、無線受信部103を起動して端末1d−1をAP2dからの無線音声フレームを待つ受信待機状態にする。
【0156】
一方、AP2dの時間検出部206は、端末1d−1が割り当てられているタイムスロットの開始時間を検出すると、端末1d−1とのタイムスロット開始通知を主制御部201に通知する。
【0157】
端末1d−1とのタイムスロット開始通知を受けると、AP2dの主制御部201は、端末1d−1に送信すべきデジタル音声データから予め定められたフォーマットの音声フレームデータを生成し、生成した音声フレームを無線送信部204に出力する。無線送信部204は、音声フレームに予め定められた変調処理を施して無線音声フレームを生成し、生成した無線音声フレームを送信する。AP2dの主制御部201は、無線送信部204が無線音声フレームを送信した後に、無線受信部203を起動してAP2dを受信待機状態にする。
【0158】
受信待機状態となっている端末1d−1の無線受信部103は、AP2dが送信した無線音声フレームを受信する。無線受信部103は、受信した無線音声フレームに予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成し、生成した音声フレームを主制御部101に出力する。
【0159】
端末1d−1の主制御部101は、音声フレームからデジタル音声データを抽出し、抽出したデジタル音声データを音声コーデック部106に出力する。音声コーデック部106は、デジタル音声データをアナログ音声信号に変換し、変換したアナログ音声信号を音声出力部108に出力する。これにより音声出力部108からAP2dを介して受信した通信相手の音声が出力される。
【0160】
一方、端末1b−1の音声コーデック部106は、音声入力部107から入力されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換し、変換したデジタル音声データを主制御部101に出力する。主制御部101は、デジタル音声データから予め定められたフォーマットの音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線送信部104に出力する。端末1d−1の無線送信部104は、音声フレームに予め定められた変調処理を施して無線音声フレームを生成する。
【0161】
端末1d−1の時間検出部105は、AP2dからの無線音声フレームの受信が終了してからの時間を計測しており、主制御部101は、時間検出部105が計測している時間を監視して、応答遅延時間以内にAP2dへの無線音声フレームの送信を開始するように無線送信部104に送信指示を通知する。
【0162】
送信指示を受けると、端末1d−1の無線送信部104は、生成した無線音声フレームの送信を開始する。端末1d−1の主制御部101は、無線送信部104によって無線音声フレームの送信が終了すると、ジャム信号データ生成部151にジャム信号出力指示を出力する。
【0163】
ジャム信号出力指示を受けると、端末1d−1のジャム信号データ生成部151は、ジャム信号データを生成して無線送信部104に出力し、無線送信部104は、ジャム信号データに予め定められた変調処理を施して無線ジャム信号データを生成し、生成した無線ジャム信号データを送信する。
【0164】
端末1d−1の主制御部101は、時間検出部105からタイムスロットの終了の通知を受けると、ジャム信号データ生成部151にジャム信号停止指示を出力して、ジャム信号データ生成部151のジャム信号データの出力を停止させる。主制御部101は、ジャム信号データ生成部151がジャム信号データの出力を停止した後に、各構成要素を制御して端末1d−1をスリープモードにする。
【0165】
受信待機状態となっているAP2dの無線受信部203は、端末1d−1が送信した無線音声フレームおよび無線ジャム信号データを受信する。無線受信部203は、受信した無線音声フレームおよび無線ジャム信号データに予め定められた復調処理を施して音声フレームおよびジャム信号データを生成し、生成した音声フレームおよびジャム信号データをデータ分離部251に出力する。
【0166】
AP2dのデータ分離部211は、音声フレームとジャム信号データとを分離して、音声フレームのみを主制御部201に出力する。主制御部201は、音声フレームをネットワーク3に送信する。
【0167】
図16は、本発明における無線電話システムにAP2dと端末1d−1との通信パターンを示す図である。図16において、パターン1は、AP2dが10[ms]の無線音声フレームを送信し、端末1d−1が10[ms]の無線音声フレームを送信する場合であり、端末1d−1が無線音声フレームを送信した後からタイムスロットの終了まで無線ジャム信号データを出力している。
【0168】
図16において、パターン2では、AP2dが20[ms]の無線音声フレームを送信し、端末1d−1が10[ms]の無線音声フレームを送信する場合であり、端末1d−1が無線音声フレームを送信した後からタイムスロットの終了まで無線ジャム信号データを出力している。
【0169】
図16において、パターン3は、AP2dが10[ms]の無線音声フレームを送信し、端末1d−1が20[ms]の無線音声フレームを送信する場合であり、端末1d−1が無線音声フレームを送信した後からタイムスロットの終了まで無線ジャム信号データを出力している。
【0170】
図16において、パターン4は、AP2dが20[ms]の無線音声フレームを送信し、端末1d−1が20[ms]の無線音声フレームを送信する場合であり、端末1d−1が音声フレームを送信した後からタイムスロットの終了まで無線ジャム信号データを出力している。
【0171】
このようにこの実施の形態5においては、端末1dが、自装置が送信すべき音声データから生成される音声フレームの送信が終了してからタイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間の間ジャム信号データを生成して送信するようにしているため、タイムスロット内の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末1dからAP2dへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末1dからの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0172】
なお、この実施の形態5の端末1dの主制御部101、時間検出部105、音声コーデック部106、ジャム信号データ生成部151、無線送信部104、および無線受信部103によって実現される前述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部102、または図示しない記憶部に格納し、主制御部101をCPUで構成してソフトウェアを主制御部101のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0173】
また、この実施の形態5のAP2dの主制御部201、時間検出部206、データ分離部251、無線送信部204、および無線受信部203によって実現される上述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部202、または図示しない記憶部に格納し、主制御部201をCPUで構成してソフトウェアを主制御部201のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0174】
(実施の形態6)
図17〜図19を用いて本発明の実施の形態4を説明する。本発明における実施の形態4の無線電話システムの構成は、先の図1に示した端末1、およびAP2の代わりに、端末1e(1e−1〜1e−nを示す)、およびAP2eを備える。
【0175】
端末1eは、すべて同じ機能を備えている。図17に示したこの実施の形態6の無線通信システムの端末1e−1の構成を示すブロック図を参照して、端末1eの機能を説明する。図17に示した端末1e−1は、先の図2に示した実施の形態1の端末1−1と同じであるので、同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0176】
図18は、本発明における無線通信システムの実施の形態6のAP2eの構成を示すブロック図である。図18に示したAP2eは、先の図3に示した実施の形態1のAP2の送信データ生成部205の代わりに、主制御部201からの指示によってジャム信号データを生成するジャム信号データ生成部261を備えている。先の図5に示した実施の形態1のAP2と同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0177】
つぎに、図17〜図19を参照して、本発明における無線電話システムの実施の形態6の動作を説明する。ここでは、タイムスロットは40[ms]+揺らぎの時間であり、1音声フレームが10[ms]であるものとする。
【0178】
端末1e−1の時間検出部105は、自装置が割り当てられているタイムスロットの開始時間を検出すると、タイムスロット開始通知を主制御部101に通知する。タイムスロット開始通知を受けると、端末1e−1の主制御部101は、無線受信部103を起動して端末1e−1をAP2eからの無線音声フレームを待つ受信待機状態にする。
【0179】
一方、AP2eの時間検出部206は、端末1e−1が割り当てられているタイムスロットの開始時間を検出すると、端末1e−1とのタイムスロット開始通知を主制御部201に通知する。
【0180】
端末1e−1とのタイムスロット開始通知を受けると、AP2eの主制御部201は、端末1e−1に送信すべきデジタル音声データから予め定められたフォーマットの音声フレームデータを生成し、生成した音声フレームを無線送信部204に出力する。無線送信部204は、音声フレームに予め定められた変調処理を施して無線音声フレームを生成し、生成した無線音声フレームを送信する。AP2eの主制御部201は、無線送信部204が無線音声フレームを送信した後に、無線受信部203を起動してAP2eを受信待機状態にする。
【0181】
受信待機状態となっている端末1e−1の無線受信部103は、AP2eが送信した無線音声フレームを受信する。無線受信部103は、受信した無線音声フレームに予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成し、生成した音声フレームを主制御部101に出力する。
【0182】
端末1e−1の主制御部101は、音声フレームからデジタル音声データを抽出し、抽出したデジタル音声データを音声コーデック部106に出力する。音声コーデック部106は、デジタル音声データをアナログ音声信号に変換し、変換したアナログ音声信号を音声出力部108に出力する。これにより音声出力部108からAP2eを介して受信した通信相手の音声が出力される。
【0183】
一方、端末1e−1の音声コーデック部106は、音声入力部107から入力されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換し、変換したデジタル音声データを主制御部101に出力する。主制御部101は、デジタル音声データから予め定められたフォーマットの音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線送信部104に出力する。端末1e−1の無線送信部104は、音声フレームに予め定められた変調処理を施して無線音声フレームを生成する。
【0184】
端末1e−1の時間検出部105は、AP2eからの無線音声フレームの受信が終了してからの時間を計測しており、主制御部101は、時間検出部105が計測している時間を監視して、応答遅延時間以内にAP2eへの無線音声フレームの送信を開始するように無線送信部104に送信指示を通知する。
【0185】
送信指示を受けると、端末1e−1の無線送信部104は、生成した無線音声フレームの送信を開始する。主制御部101は、無線送信部104が無線音声フレームの送信が終了した後に、各構成要素を制御して端末1e−1をスリープモードにする。
【0186】
受信待機状態となっているAP2eの無線受信部203は、端末1e−1が送信した無線音声フレームを受信する。無線受信部203は、受信した無線音声フレームに予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成し、生成した音声フレームを主制御部201に出力する。主制御部201は、音声フレームをネットワーク3に送信する。
【0187】
また、AP2eの主制御部201は、端末1e−1が送信した無線音声フレームを受信が終了すると、ジャム信号データ生成部151にジャム信号出力指示を出力する。ジャム信号出力指示を受けると、AP2eのジャム信号データ生成部261は、ジャム信号データを生成して無線送信部204に出力し、無線送信部204は、ジャム信号データに予め定められた変調処理を施して無線ジャム信号データを生成し、生成した無線ジャム信号データを送信する。
【0188】
AP2eの主制御部201は、時間検出部206からタイムスロットの終了の通知を受けると、ジャム信号データ生成部261にジャム信号停止指示を出力して、ジャム信号データ生成部261のジャム信号データの出力を停止させる。
【0189】
図19は、本発明における無線電話システムにAP2eと端末1e−1との通信パターンを示す図である。図19において、パターン1は、AP2eが10[ms]の無線音声フレームを送信し、端末1e−1が10[ms]の無線音声フレームを送信する場合であり、AP2eが端末1e−1からの無線音声フレームの受信が終了してからタイムスロットの終了まで無線ジャム信号データを出力している。
【0190】
図19において、パターン2では、AP2eが20[ms]の無線音声フレームを送信し、端末1e−1が10[ms]の無線音声フレームを送信する場合であり、AP2eが、端末1e−1からの無線音声フレームの受信が終了してからタイムスロットの終了まで無線ジャム信号データを出力している。
【0191】
図19において、パターン3は、AP2eが10[ms]の無線音声フレームを送信し、端末1e−1が20[ms]の無線音声フレームを送信する場合であり、AP2eが端末1d−1からの無線音声フレームの受信が終了してからタイムスロットの終了まで無線ジャム信号データを出力している。
【0192】
図19において、パターン4は、AP2eが20[ms]の無線音声フレームを送信し、端末1e−1が20[ms]の無線音声フレームを送信する場合であり、AP2eが端末1e−1からの無線音声フレームの受信が終了してからタイムスロットの終了まで無線ジャム信号データを出力している。
【0193】
このようにこの実施の形態6においては、AP2eが、端末1eが送信した音声フレームの受信が終了してからタイムスリットが終了するまでのタイムスロットの残り時間の間ジャム信号データを生成して送信するようにしているため、タイムスロット内の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末1eからAP2eへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末1eからの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0194】
なお、この実施の形態6の端末1eの主制御部101、時間検出部105、音声コーデック部106、無線送信部104、および無線受信部103によって実現される前述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部102、または図示しない記憶部に格納し、主制御部101をCPUで構成してソフトウェアを主制御部101のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0195】
また、この実施の形態6のAP2eの主制御部201、時間検出部206、ジャム信号データ生成部271、無線送信部204、および無線受信部203によって実現される上述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部202、または図示しない記憶部に格納し、主制御部201をCPUで構成してソフトウェアを主制御部201のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0196】
(実施の形態7)
図20〜図22を用いて本発明の実施の形態7を説明する。本発明における実施の形態7の無線電話システムの構成は、先の図1に示した端末1、およびAP2の代わりに、端末1f(1f−1〜1f−nを示す)、およびAP2fを備える。
【0197】
端末1fは、すべて同じ機能を備えている。図20に示したこの実施の形態7の無線通信システムの端末1f−1の構成を示すブロック図を参照して、端末1fの機能を説明する。図20に示した端末1f−1は、先の図11に示した実施の形態4の端末1c−1のデータ分離部111の代わりに、音声フレームとジャム信号データとを分離するデータ分離部171を備えている。先の図11に示した実施の形態4の端末1c−1と同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0198】
図21は、本発明における無線通信システムの実施の形態7のAP2fの構成を示すブロック図である。図21に示したAP2fは、先の図12に示した実施の形態4のAP2cの送信データ生成部215の代わりに、主制御部201の指示によってジャム信号データを生成するジャム信号データ生成部271を備えている。先の図12に示した実施の形態4のAP2cと同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0199】
つぎに、図20〜図23を参照して、端末1f−1とAP2fとの通信を例に挙げて、本発明における無線電話システムの実施の形態7の動作を説明する。ここでは、タイムスロットは40[ms]+揺らぎの時間であり、1音声フレームが10[ms]であるものとする。
【0200】
端末1f−1の時間検出部105は、自装置が割り当てられているタイムスロットの開始時間を検出すると、タイムスロット開始通知を主制御部101に通知する。タイムスロット開始通知を受けると、端末1f−1の主制御部101は、無線受信部103を起動して端末1f−1をAP2fからの無線音声フレームを待つ受信待機状態にする。
【0201】
一方、AP2fの時間検出部206は、端末1f−1が割り当てられているタイムスロットの開始時間を検出すると、端末1f−1とのタイムスロット開始通知を主制御部201に通知する。
【0202】
端末1f−1とのタイムスロット開始通知を受けると、AP2fの主制御部201は、端末1f−1に送信すべきデジタル音声データから予め定められたフォーマットの音声フレームデータを生成し、生成した音声フレームを無線送信部204に出力する。無線送信部204は、音声フレームに予め定められた変調処理を施して無線音声フレームを生成し、生成した無線音声フレームを送信する。
【0203】
また、AP2fの主制御部201は、端末1f−1との通信履歴に基づいて、当該タイムスロットにおいて端末1f−1が送信する音声フレームの長さを予測する。端末1f−1に割り当てたタイムスロットの周期や、AP2fが報知するビーコン間隔、IP網であるネットワーク3におけるVoIPのコーデック間隔をAP2fの主制御部201は認識している。また、端末1f−1が現在の各タイムスロットで送信した音声フレームの長さを通信履歴として記憶している。これらの情報を用いて、主制御部201は、当該タイムスロットにおいて端末1f−1が送信する音声フレームの長さを予測する。
【0204】
AP2fの主制御部201は、時間検出部206によってタイムスロットの残り時間を認識し、認識したタイムスロットの残り時間から予測した音声フレームの長さから、端末1f−1が送信に必要な時間を算出して、タイムスロットにおける端末1f−1が無線音声フレームの送信を開始する時間を予測する。
【0205】
AP2fの主制御部201は、端末1f−1への無線音声フレームの送信が終了すると、ジャム信号出力指示をジャム信号データ生成部271に出力する。ジャム信号出力指示を受けると、ジャム信号データ生成部271は、ジャム信号データを生成して無線送信部204に出力する。無線送信部204は、ジャム信号データに予め定められた変調処理を施して無線ジャム信号データを生成し、生成した無線ジャム信号データを送信する。
【0206】
AP2fの時間検出部206によって、予測したタイムスロットにおける端末1f−1が無線音声フレームの送信を開始する時間を認識すると、主制御部201は、ジャム信号停止指示をジャム信号データ生成部271に出力して、ジャム信号データ生成部271のジャム信号データの出力を停止させる。主制御部201は、ジャム信号データ生成部271がジャム信号データの出力を停止した後に、無線受信部203を起動してAP2fを受信待機状態にする。
【0207】
受信待機状態となっている端末1f−1の無線受信部103は、AP2fが送信した無線音声フレームおよび無線ジャム信号データを受信する。無線受信部103は、受信した無線音声フレームおよび無線ジャム信号データに予め定められた復調処理を施して音声フレームおよびジャム信号データを生成し、生成した音声フレームおよびジャム信号データをデータ分離部171に出力する。
【0208】
端末1f−1のデータ分離部171は、音声フレームとジャム信号データとを分離して、音声フレームのみを主制御部101に出力する。主制御部101は、音声フレームからデジタル音声データを抽出し、抽出したデジタル音声データを音声コーデック部106に出力する。音声コーデック部106は、デジタル音声データをアナログ音声信号に変換し、変換したアナログ音声信号を音声出力部108に出力する。これにより音声出力部108からAP2fを介して受信した通信相手の音声が出力される。
【0209】
一方、端末1f−1の音声コーデック部106は、音声入力部107から入力されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換し、変換したデジタル音声データを主制御部101に出力する。主制御部101は、デジタル音声データから予め定められたフォーマットの音声フレームを生成し、生成した音声フレームを無線送信部104に出力する。端末1f−1の無線送信部104は、音声フレームに予め定められた変調処理を施して無線音声フレームを生成する。
【0210】
端末1f−1の時間検出部105は、AP2fからの無線音声フレームの受信が終了してからの時間を計測しており、主制御部101は、時間検出部105が計測している時間を監視して、応答遅延時間以内にAP2fへの無線音声フレームの送信を開始するように無線送信部104に送信指示を通知する。送信指示を受けると、端末1d−1の無線送信部104は、生成した無線音声フレームの送信を開始する。主制御部101は、無線音声フレームの送信が終了した後に、各構成要素を制御して端末1f−1をスリープモードにする。
【0211】
受信待機状態となっているAP2fの無線受信部203は、端末1f−1が送信した無線音声フレームを受信する。無線受信部203は、受信した無線音声フレームに予め定められた復調処理を施して音声フレームを生成し、生成した音声フレームを主制御部201に出力する。主制御部201は、音声フレームをネットワーク3に送信する。
【0212】
図23は、本発明における無線電話システムにおけるAP2fと端末1f−1との通信パターンを示す図である。図23において、パターン1では、AP2fが、端末1f−1が10[ms]の無線音声フレームを送信すると予測して、デジタル音声データを含む10[ms]の無線音声フレームを送信した後に、10[ms]の無線音声フレームの送信時間を残して無線ジャム信号データを送信している。
【0213】
図23において、パターン2では、AP2fが、端末1f−1が10[ms]の無線音声フレームを送信すると予測して、デジタル音声データを含む20[ms]の無線音声フレームを送信した後に、10[ms]の無線音声フレームの送信時間を残して無線ジャム信号データを送信している。
【0214】
図23において、パターン3では、AP2fが、端末1f−1が20[ms]の無線音声フレームを送信すると予測して、デジタル音声データを含む10[ms]の無線音声フレームを送信した後に、20[ms]の無線音声フレームの送信時間を残して無線ジャム信号データを送信している。
【0215】
図23において、パターン4では、AP2fが、端末1f−1が20[ms]の無線音声フレームを送信すると予測して、デジタル音声データを含む20[ms]の無線音声フレームを送信した後に、20[ms]の無線音声フレームの送信時間を残して無線ジャム信号データを送信している。
【0216】
このようにこの実施の形態7においては、AP2fが、端末1fとの通信履歴から端末1fが送信する音声フレームの送信時間を予測し、予測した音声フレームの送信時間と自局が送信すべき音声フレームの送信時間とに基づいてタイムスロットの残り時間を算出し、自局が送信すべき音声でデータから生成する音声フレームの送信が終了してからタイムスロット残り時間の間ジャム信号データを生成して送信するようにしているため、タイムスロット内の無線通信時間が無くなり、タイムスロットが割り当てられていない端末1fからAP2fへのアクセスを防止することができ、タイムスロットが割り当てられていない端末1fからの割り込みによる通信スケジュールのずれによる消費電力の増加や、通信切断を抑制することができる。
【0217】
なお、この実施の形態7の端末1fの主制御部101、時間検出部105、音声コーデック部106、データ分離部171、無線送信部104、および無線受信部103によって実現される前述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部102、または図示しない記憶部に格納し、主制御部101をCPUで構成してソフトウェアを主制御部101のCPUに実行させるようにしてもよい。
【0218】
また、この実施の形態7のAP2fの主制御部201、時間検出部206、ジャム信号データ生成部271、無線送信部204、および無線受信部203によって実現される上述した各機能をソフトウェアによって実現し、ソフトウェアを記憶部202、または図示しない記憶部に格納し、主制御部201をCPUで構成してソフトウェアを主制御部201のCPUに実行させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0219】
以上のように、本発明にかかる無線電話システムは、アクセスポイントと端末装置とがTDMA方式によって通信を行なうシステムに有用であり、特に、タイムスロット毎にアクセスポイントおよび端末装置が送信する音声フレームの長さが異なる場合のシステムに適している。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【図1】本発明における無線電話システムの構成を示す概略図
【図2】本発明における無線電話システムの実施の形態1の端末の構成を示す図
【図3】本発明における無線電話システムの実施の形態1のAPの構成を示す図
【図4】本発明における無線電話システムの実施の形態1のタイムスロットの配置の一例を示す図
【図5】本発明における無線電話システムの実施の形態2の端末の構成を示す図
【図6】本発明における無線電話システムの実施の形態2のAPの構成を示す図
【図7】本発明における無線電話システムの実施の形態2のタイムスロットの配置の一例を示す図
【図8】本発明における無線電話システムの実施の形態3の端末の構成を示す図
【図9】本発明における無線電話システムの実施の形態3のAPの構成を示す図
【図10】本発明における無線電話システムの実施の形態3のタイムスロットの配置の一例を示す図
【図11】本発明における無線電話システムの実施の形態4の端末の構成を示す図
【図12】本発明における無線電話システムの実施の形態4のAPの構成を示す図
【図13】本発明における無線電話システムの実施の形態4のタイムスロットの配置の一例を示す図
【図14】本発明における無線電話システムの実施の形態5の端末の構成を示す図
【図15】本発明における無線電話システムの実施の形態5のAPの構成を示す図
【図16】本発明における無線電話システムの実施の形態5のタイムスロットの配置の一例を示す図
【図17】本発明における無線電話システムの実施の形態6の端末の構成を示す図
【図18】本発明における無線電話システムの実施の形態6のAPの構成を示す図
【図19】本発明における無線電話システムの実施の形態6のタイムスロットの配置の一例を示す図
【図20】本発明における無線電話システムの実施の形態7の端末の構成を示す図
【図21】本発明における無線電話システムの実施の形態7のAPの構成を示す図
【図22】本発明における無線電話システムの実施の形態7のタイムスロットの配置の一例を示す図
【図23】従来の無線電話システムのタイムスロットの配置の一例を示す図
【図24】従来の無線電話システムのタイムスロットの配置の一例を示す図
【符号の説明】
【0221】
1−1,1−2,1−3,1−4,1−n,1a−1,1b−1,1c−1,1d−1,1e−1,1f−1 端末
2,2a,2b,2c,2d,2e,2f AP
3 ネットワーク
101,201 主制御部
102,202 記憶部
103,203 無線受信部
104,204 無線送信部
105,206 時間検出部
106 音声コーデック部
107 音声入力部
108 音声出力部
109 キー入力部
111,171,211,251 データ分離部
112,205,215 送信データ生成部
151,261,271 ジャム信号データ生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントと、前記アクセスポイントを介してネットワークに接続して通信相手と相互通信を行なう複数の端末装置を備え、前記アクセスポイントと複数の端末装置とが、接続時に割り当てられたタイムスロット内で1音声フレーム以上の通信を行なうTDMA方式を用いた無線電話システムにおいて、
前記アクセスポイント、および/または前記端末装置が、
前記アクセスポイントと前記端末装置との間での音声データを含む音声フレームの送信時間を除いたタイムスロットの残り時間を検出し、検出した残り時間に音声データとは異なるデータを送信すること、
を特徴とする無線電話システム。
【請求項2】
前記アクセスポイントは、
前記端末装置が送信した音声フレームの受信が終了してからタイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間を検出する時間検出部と、
前記時間検出部によって検出されたタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上であるか否かを判定する主制御部と、
前記主制御部によってタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上であると判定された場合には、1音声フレーム単位でタイムスロット終了時間までのダミーデータフレームを生成し、生成したダミーフレームを送信する送信データ生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線電話システム。
【請求項3】
前記アクセスポイントは、
自局が送信する音声フレームの送信時間が、前記タイムスロットとして割り当てられた時間より短いか否かを判定する主制御部と、
前記主制御部によって自局が送信する音声フレームの送信時間が、前記タイムスロットとして割り当てられた時間より短いと判定された場合、1音声フレーム単位で音声フレームが前記タイムスロットとして割り当てられた時間になるように音声フレーム内にダミーデータを付加し、ダミーデータを付加した音声フレームを送信する送信データ生成部と、
前記端末装置から受信した音声フレームからダミーデータと音声データとを分離し、分離した音声データをネットワークに送信するデータ分離部と、
を備え、
前記端末装置は、
自装置が送信する音声フレームの送信時間が、前記タイムスロットとして割り当てられた時間より短いか否かを判定する主制御部と、
自装置の主制御部によって自装置が送信する音声フレームの送信時間が、前記タイムスロットとして割り当てられた時間より短いと判定された場合、1音声フレーム単位で音声フレームが前記タイムスロットとして割り当てられた時間になるように音声フレーム内にダミーデータを付加し、ダミーデータを付加した音声フレームを送信する送信データ生成部と、
前記アクセスポイントから受信した音声フレームからダミーデータと音声データとを分離し、分離した音声データを出力するデータ分離部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線電話システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
自装置が送信すべき音声データから生成される音声フレームの送信が終了してからタイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間を検出する時間検出部と、
前記時間検出部によって検出されたタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上であるか否かを判定する主制御部と、
前記主制御部によってタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上であると判定された場合には、1音声フレーム単位で送信すべき音声データを含む音声フレームがタイムスロット終了時間になるように音声フレーム内にダミーデータを付加し、ダミーデータを付加した音声フレームを送信する送信データ生成部と、
を備え、
前記アクセスポイントは、
前記端末装置から受信した音声フレームからダミーデータと音声データとを分離し、分離した音声データを前記ネットワークに送信するデータ分離部、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線電話システム。
【請求項5】
前記アクセスポイントは、
前記端末装置との通信履歴から、端末装置が送信する音声フレームの送信時間を予測し、予測した音声フレームの送信時間と自局が送信すべき音声フレームの送信時間とに基づいて前記タイムスロットの残り時間を算出し、算出したタイムスロットの残り時間が1音声フレームを送信する時間以上であるか否かを判定する主制御部と、
前記主制御部によってタイムスロットの残り時間が、1音声フレームを送信する時間以上であると判定された場合には、1音声フレーム単位でタイムスロットの残り時間分のダミーデータを音声データに付加した音声フレームを生成し、生成した音声フレームを送信する送信データ生成部と、
を備え、
前記端末装置は、
前記アクセスポイントから受信した音声フレームからダミーデータと音声データとを分離し、分離した音声データを出力するデータ分離部、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線電話システム。
【請求項6】
前記端末装置は、
自装置が送信すべき音声データから生成される音声フレームの送信が終了してからタイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間を検出する時間検出部と、
前記自装置が送信すべき音声データから生成される音声フレームの送信が終了してから前記時間検出部によって検出されたタイムスロットの残り時間の間ジャム信号データを生成して送信するジャム信号データ生成部と、
を備え、
前記アクセスポイントは、
前記端末装置から受信した音声フレームとジャム信号データとを分離し、分離した音声フレームを前記ネットワークに送信するデータ分離部、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線電話システム。
【請求項7】
前記アクセスポイントは、
前記端末装置が送信した音声フレームの受信が終了してからタイムスロットが終了するまでのタイムスロットの残り時間を検出する時間検出部と、
前記端末装置が送信した音声フレームの受信が終了してから、前記時間検出部によって検出されたタイムスロットの残り時間の間ジャム信号データを生成して送信するジャム信号データ生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線電話システム。
【請求項8】
前記アクセスポイントは、
前記端末装置との通信履歴から、端末装置が送信する音声フレームの送信時間を予測し、予測した音声フレームの送信時間と自局が送信すべき音声フレームの送信時間とに基づいて前記タイムスロットの残り時間を算出する主制御部と、
前記自局が送信すべき音声データから生成した音声フレームの送信が終了してから前記タイムスロットの残り時間の間ジャム信号データを生成して送信するジャム信号データ生成部と、
を備え、
前記端末装置は、
前記アクセスポイントから受信した音声フレームとジャム信号データとを分離し、分離した音声フレームを出力するデータ分離部、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線電話システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2007−116584(P2007−116584A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308182(P2005−308182)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】