説明

燃料タンクの支持構造及び自動車組立て方法

【課題】 サブフレームの剛性強度を犠牲にせずに、燃料タンクのタンク容量を十分確保可能な燃料タンクの支持構造を提供することである。
【解決手段】 燃料タンクの支持構造であって、車両ボディの床下に設けられた静的には十分な剛性強度を有するサスペンションアーム固定構造と、該サスペンションアーム固定構造と車両前後方向に部分的にオーバラップするように設けられた燃料タンクと、前記燃料タンクの下側に車両幅方向に伸長して設けられ、前記サスペンションアーム固定構造に締結されて前記燃料タンクを車両ボディの床下に圧接させて固定する着脱可能な支持部材とを具備し、前記支持部材は車両走行時に前記サスペンションアーム固定構造にかかる動的荷重に十分耐え得るように該サスペンションアーム固定構造に剛性強度を与える補強部材を兼用することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載する燃料タンクの支持構造及び燃料タンクを組み付ける自動車組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の燃料タンクは、リヤシートの下に配置するのが一般的であり、多くの車種でこのようなレイアウトが採用されている。例えば、特開平6−286484号公報には、燃料タンクをサブフレームに組み付けてリヤサスペンションモジュールをまず組立て、このモジュールをメインフレームに取り付ける燃料タンクの支持構造が開示されている。
【0003】
この公開公報に開示された燃料タンクの支持構造は、燃料タンクに対するブリーザパイプの取り付け位置を高くして、燃料タンクの実質的な容量を増加させることを狙ったものであるが、燃料タンクはリヤシートの下方でサブフレームにより支持されている。
【0004】
また、特開2000−255448号公報には、リヤサブフレームの配設スペースの省スペース化とデファレンシャル装置の支持剛性の向上との両立化を図った車両のリヤサブフレーム構造が開示されている。
【0005】
このリヤサブフレーム構造では、プロペラシャフトとの干渉を避けるために燃料タンクの中央部分が薄肉部に形成されており、燃料タンクは右側タンク部と左側タンク部とから構成され、リヤサブフレームの前方でリヤシートの下方に配置されている。
【特許文献1】特開平6−286484号公報
【特許文献2】特開2000−255448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、リヤサスペンション性能向上のためにサスペンションアーム配置の自由度を向上させたいと要望があるが、このような配置を取ると燃料タンクのタンク容量を確保できず、容積効率の悪い場所に燃料タンクを配置することになり、燃料タンクの重量アップと室内居住空間に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0007】
また、燃料タンクのタンク容量を容積効率良く確保しようとすると、サスペンションアームを支えるサブフレーム又は車両ボディのアーム取付点の剛性強度を確保することが困難になる。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サブフレームの剛性強度を犠牲にせずに燃料タンクのタンク容量を十分確保可能な燃料タンクの支持構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明によると、燃料タンクの支持構造であって、車両ボディの床下に設けられた静的には十分な剛性強度を有するサスペンションアーム固定構造と、該サスペンションアーム固定構造と車両前後方向に部分的にオーバラップするように設けられた燃料タンクと、前記燃料タンクの下側に車両幅方向に伸長して設けられ、前記サスペンションアーム固定構造に締結されて前記燃料タンクを車両ボディの床下に圧接させて固定する着脱可能な支持部材とを具備し、前記支持部材は車両走行時に前記サスペンションアーム固定構造にかかる動的荷重に十分耐え得るように該サスペンションアーム固定構造に剛性強度を与える補強部材を兼用することを特徴とする燃料タンクの支持構造が提供される。
【0010】
請求項2記載の発明によると、燃料タンクの支持構造であって、車両ボディの床下に設けられた静的には十分な剛性強度を有するサスペンションアーム固定構造と、該サスペンションアーム固定構造と車両前後方向に部分的にオーバラップするように設けられた燃料タンクと、前記燃料タンクの下側に車両幅方向に伸長して設けられ、前記サスペンションアーム固定構造に締結されて前記燃料タンクを該サスペンションアーム固定構造の一部とで挟み込んで固定する着脱可能な支持部材とを具備し、前記支持部材は車両走行時に前記サスペンションアーム固定構造にかかる動的荷重に十分耐え得るように該サスペンションアーム固定構造に剛性強度を与える補強部材を兼用することを特徴とする燃料タンクの支持構造が提供される。
【0011】
請求項3記載の発明によると、請求項1又は2記載の発明において、前記サスペンションアーム固定構造が車両ボディとは別に設けられたサブフレームから構成されることを特徴とする燃料タンクの支持構造が提供される。
【0012】
請求項4記載の発明によると、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、静的にはそれだけで前記燃料タンクを車両ボディに固定可能なタンクバンドを更に備えたことを特徴とする燃料タンクの支持構造が提供される。
【0013】
請求項5記載の発明によると、請求項2記載の発明において、前記サスペンションアーム固定構造は車両ボディとは別に設けられたサブフレームから構成され、該サブフレームは車両前後方向で前記燃料タンクと半分以上の長さオーバラップしており、前記サブフレームに締結されて前記燃料タンクを固定支持する着脱可能な第2支持部材を更に具備したことを特徴とする燃料タンクの支持構造が提供される。
【0014】
請求項6記載の発明によると、自動車組立て方法であって、サブフレームにサスペンションアーム、ホイールハブ及びブレーキを組み付けてサスペンションモジュールを小組しておき、車両ボディに該サスペンションモジュールを取り付け、燃料タンクを前記サスペンションモジュールに車両前後方向に部分的にオーバラップするように組み付けた後、車両幅方向に伸長する支持部材を前記燃料タンクの下側に通して、該支持部材を前記サスペンションモジュールに締結することを特徴とする自動車組立て方法が提供される。
【0015】
請求項7記載の発明によると、自動車組立て方法であって、サブフレームと車両前後方向に部分的にオーバラップするようにサブフレームに燃料タンクを組み付け、該燃料タンクの下側から支持部材を前記サブフレームに締結して該燃料タンクを固定したサブフレームモジュールを組み立て、該サブフレームモジュールを車両ボディに組み付けることを特徴とする自動車組立て方法が提供される。
【発明の効果】
【0016】
請求項1及び請求項2記載の発明によると、燃料タンクを支える支持部材がサスペンションアーム固定構造に剛性強度を与える補強部材を兼用するため、燃料タンクの支持構造を合理化でき、室内居住性に悪影響を及ぼすことなく、効率良くタンク容量を確保することができる。また、リヤサスペンションアーム配置の自由度を向上することができ、リヤサスペンション性能の向上を期待できる。
【0017】
請求項3記載の発明によると、燃料タンクのタンク容量を十分確保しながらサブフレーム構造を合理化することができ、サブフレームの剛性強度の向上と軽量化を両立することができる。
【0018】
請求項4記載の発明によると、燃料タンク拘束効率の向上により、使用するタンクバンドの本数削減が可能である。
【0019】
請求項5記載の発明によると、2本の着脱可能な支持部材をサブフレームに締結して燃料タンクを固定支持するため、燃料タンクの拘束効率向上によりタンクバンドを省略可能であるとともに、燃料タンクの搭載位置精度を向上できる。
【0020】
請求項6記載の発明によると、サスペンションモジュールを車両ボディに取り付けた後、燃料タンクを組付けるため、燃料タンクの搭載性を向上することができる。
【0021】
請求項7記載の発明によると、支持部材をサブフレームに締結して燃料タンクを固定したサブフレームモジュールをまず組み立て、このサブフレームモジュールを車両ボディに組付けるため、サブフレーム及び燃料タンクの搭載性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の各種実施形態について詳細に説明する。まず、図1乃至図4を参照して、本発明第1実施形態の燃料タンクの支持構造について詳細に説明する。図1は上面図、図2は図1の正面図、図3は図1の背面図である。図1及び図3でFRは車両前方、RHは車両右側、LHは車両左側をそれぞれ示している。
【0023】
符号2はサブフレームを示しており、車両の幅方向に伸びる横方向部材4と、車両の前後方向に伸びる一対の縦方向部材6,8から一体的に構成されている。縦方向部材6は、車両の幅方向外側且つ下方向に伸びる両端部6a,6bを有している。同様に、縦方向部材8も車両幅方向外側且つ下方向に伸びる両端部8a,8bを有している。
【0024】
縦方向部材6には、図示しないリヤサスペンションのアッパーアームをサブフレーム2に固定するための一対の固定用ブラケット7,9が一体的に形成されている。同様に、縦方向部材8にもアッパーアーム固定用の一対のブラケット11,13が一体的に形成されている。
【0025】
図2を参照すると明らかなように、横方向部材4の一端部4aは垂直に立ち上がっており、リヤサスペンションのロアアーム固定用のブラケット17が一体的に形成されている。縦方向部材6には垂直部材10が一体的に取り付けられており、垂直部材10の先端にはロアアーム固定用のブラケット15が一体的に形成されている。
【0026】
図3に示されるように、横方向部材4の垂直に立ち上がった他方の端部にもロアアーム固定用のブラケット21が一体的に形成されており、縦方向部材8と一体形成された垂直部材の先端にもロアアーム固定用のブラケット19が一体的に形成されている。
【0027】
12はその両端が垂直部材10に着脱可能に締結されて、燃料タンク14を支持する支持部材である。燃料タンク14はサブフレーム2と車両前後方向に部分的にオーバラップするように搭載される。燃料タンク14は例えば合成樹脂から形成され、図2及び図4に示すように容積拡大部14aを有している。
【0028】
図1から明らかなように、燃料タンク14の上面には4個の突出部16が一体的に形成されており、図4に模式的に示すように、支持部材12をサブフレーム2に着脱可能に締結すると、燃料タンク14の突出部16が車両ボディの床下22に圧接されて燃料タンクが固定される。
【0029】
図4で24はリヤシートのシートクッション、26はシートバックである。28はタンクバンドであり、このタンクバンド28により燃料タンク14の前端部が車両ボディに固定支持される。
【0030】
18は排気管であり、排気管の途中には膨張室20が形成されている。排気管18はサブフレーム2及び燃料タンク14と干渉しないように配置されている。
【0031】
サブフレーム2は静的には十分な剛性強度を有している。支持部材12がサブフレーム2に締結されると、支持部材12は燃料タンク14を固定支持するとともに、動的荷重に十分耐えるようにサブフレーム2に剛性強度を与える補強部材として作用する。
【0032】
燃料タンク14に損傷等が起きて補修又は交換のために燃料タンクを取り外したい場合には、支持部材12をサブフレーム2から取り外すことにより、燃料タンク14を容易に取り外すことができる。
【0033】
本実施形態によると、燃料タンク14を支持する支持部材12がサブフレーム2に剛性強度を与える補強部材として作用することにより、サブフレームの構造を合理化でき、室内居住性に悪影響を及ぼすことなく、リヤシートと干渉しない位置に燃料タンクの一部を配置することができるため、燃料タンクのタンク容量を十分確保することができる。
【0034】
更に、燃料タンクの拘束効率向上により、タンクバンドの本数を従来の2本から1本に削減可能であり、高剛性支持部材12で燃料タンクを支持するため、燃料タンクの搭載位置精度を向上できる。
【0035】
尚、本実施形態の変形例として、サスペンションアームを固定するのにサブフレーム2を使用せずに、サスペンションアーム固定部が直接ボディに形成されているような実施形態を挙げることができる。
【0036】
次に、図5乃至図7を参照して、本発明第2実施形態の燃料タンクの支持構造について説明する。この第2実施形態は上述した第1実施形態と類似しており、第1実施形態と同一構成部分については同一符号を付し、重複を避けるためその説明を省略する。
【0037】
第2実施形態のサブフレーム2Aは燃料タンク14の上面を押さえる前側横方向部材30を有している点で、上述した第1実施形態と相違する。前側横方向部材30の両端は一対の縦方向部材6,8に一体的に固定されている。
【0038】
本実施形態の燃料タンクの支持構造では、図6に示すように燃料タンク14を前側横方向部材30と支持部材12とで挟み込んで固定する。よって、燃料タンク14は車両ボディに対しては浮いている。本実施形態でも、燃料タンク14の前端部はタンクバンドにより固定支持される。本実施形態でも、上述した第1実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0039】
第1及び第2実施形態の燃料タンクの支持構造の組立て方法としては以下の方法が考えられる。第1の組立て方法は、サブフレーム2又は2Aにサスペンションアーム、ホイールハブ及びブレーキを組み付けてサスペンションモジュールを小組する。そして、車両ボディにこのサスペンションモジュールを取り付ける。
【0040】
更に、燃料タンクをサスペンションモジュールに車両前後方向に部分的にオーバラップするように組み付けた後、車両幅方向に伸長する支持部材を燃料タンクの下側に通して、支持部材をサスペンションモジュールに締結する。
【0041】
第2実施形態では、第2の組立方法も可能である。第2の組立て方法では、サブフレーム2Aと車両前後方向に部分的にオーバラップするようにサブフレームに燃料タンク14を組み付ける。そして、燃料タンク14の下側から支持部材12をサブフレームに締結して燃料タンクを固定したサブフレームモジュールを組み立てる。次いで、サブフレームモジュールを車両ボディに組み付ける。
【0042】
このようにサスペンションモジュール又はサブフレームモジュールを利用する組立て方法によると、組立て効率を向上することができ、燃料タンクの搭載性を向上することができる。
【0043】
図8を参照すると、本発明第3実施形態の燃料タンクの支持構造の概略側面図が示されている。本実施形態のサブフレーム2Bは、垂直方向部材32と、垂直方向部材32の上端に一体的に結合された上側縦方向部材34と、垂直方向部材32の下端に一体的に結合された下側縦方向部材36を含んでいる。図示した実施形態では、上側縦方向部材34は燃料タンク14とその全長でオーバラップしているが、半分程度の長さで燃料タンク14とオーバラップしていれば良い。
【0044】
7,9は第1及び第2実施形態で説明したリヤサスペンションのアッパーアームの固定点(固定用ブラケット)であり、15,17はロアアームの固定点(固定用ブラケット)である。
【0045】
燃料タンク14の上面は上側縦方向部材34に締結又は一体的に結合された押さえ部材38,40で押さえられるようになっている。燃料タンク14の下面は第1支持部材42を下側縦方向部材36に着脱可能に締結し、第2支持部材44を上側縦方向部材34に着脱可能に締結することにより支持される。
【0046】
46,48はサブフレーム2Bを車両ボディに取り付けるためのラバーマウントであり、このラバーマウント46,48によりロードノイズの遮断に加え燃料タンク14で発生した振動又は騒音が直接車両ボディに伝達するのを抑制している。
【0047】
本実施形態でも、第1及び第2支持部材42,44を取り外すことにより、燃料タンク14単独で取り外し可能であり、上述した第1及び第2実施形態と同様な効果を上げることができる。更に本実施形態では、第1及び第2支持部材で燃料タンクの下端を支持しているため、従来必要であったタンクバンドを必要としない。
【0048】
図9を参照すると、本発明第4実施形態の燃料タンクの支持構造の概略側面図が示されている。本実施形態のサブフレーム2Cは、垂直方向部材32と、垂直方向部材32の上端に一体的に結合された上側縦方向部材34´と、垂直方向部材32の下端に一体的に結合された下側縦方向部材36を含んでいる。
【0049】
タンク14の後端部はサブフレーム2Cに着脱可能に締結される支持部材42により支持され、前端部は車両ボディに固定されるタンクバンド28により支持される。
【0050】
更に本実施形態では、アッパーアーム固定点7,11を連結するストッパー部材50を燃料タンク14の容積拡大部14aの前面に係合させている。これにより、車両が前面衝突した場合、燃料タンク14の前方への移動をストッパ部材50で規制することができる。
【0051】
図10を参照すると本発明第5実施形態の燃料タンクの支持構造の概略側面図が示されている。本実施形態では、アッパーアーム固定点7,11を連結するストッパ部材54を燃料タンク14の容積拡大部14aの後面に係合させている。
【0052】
これにより、車両が前面衝突した場合、スペアタイヤ52が矢印56で示すように前方に移動するが、ストッパ部材54によりスペアタイヤ52がフロアを介して燃料タンク14に衝突するのを防止することができる。
【0053】
図11を参照すると、第5実施形態の変形例である第6実施形態にかかる燃料タンク支持構造の概略側面図が示されている。本実施形態のサブフレーム2Dは、アッパーアーム固定点9,13を連結するストッパ部材58を燃料タンク14の容積拡大部14aの後面に当接させている。
【0054】
図12に示すように、サブフレーム2Dは車体幅方向に伸長する横方向部材60を有している。本実施形態によっても、車両の前面衝突時にスペアタイヤ52が前方に移動して燃料タンク14に衝突するのを防止することができる。
【0055】
図13を参照すると、本発明第7実施形態の燃料タンクの支持構造の概略側面図が示されている。本実施形態によると、支持部材42をロアアーム固定点15,19に着脱可能に締結するとともに、押さえ部材62をアッパーアーム固定点7,11に締結する。
【0056】
本実施形態によると、燃料タンク14を支持部材42及び押さえ部材62で上下で拘束してサブフレームモジュールとして組立てることができ、このサブフレームモジュールを車両ボディに一体搭載することができる。
【0057】
本実施形態によると、燃料タンクの搭載性を向上することができるとともに、燃料タンクの位置決め精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明第1実施形態の燃料タンクの支持構造の上面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1の背面図である。
【図4】第1実施形態によるリヤシートと燃料タンクとの位置関係を示す模式図である。
【図5】本発明第2実施形態の燃料タンクの支持構造の上面図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】図5の背面図である。
【図8】本発明第3実施形態の燃料タンクの支持構造の概略側面図である。
【図9】本発明第4実施形態の燃料タンクの支持構造の概略側面図である。
【図10】本発明第5実施形態の燃料タンクの支持構造の概略側面図である。
【図11】本発明第6実施形態の燃料タンクの支持構造の概略側面図である。
【図12】サブフレームを示す図である。
【図13】本発明第7実施形態の燃料タンクの支持構造の概略側面図である。
【符号の説明】
【0059】
2,2A,2B,2C,2D サブフレーム
4 横方向部材
6,8 縦方向部材
7,9,11,13 アッパーアーム固定用ブラケット(アッパーアーム固定点)
14 燃料タンク
15,17,19,21 ロアアーム固定用ブラケット(ロアアーム固定点)
18 排気管
22 床
24 シートクッション
26 シートバック
28 タンクバンド
30 前側横方向部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクの支持構造であって、
車両ボディの床下に設けられた静的には十分な剛性強度を有するサスペンションアーム固定構造と、
該サスペンションアーム固定構造と車両前後方向に部分的にオーバラップするように設けられた燃料タンクと、
前記燃料タンクの下側に車両幅方向に伸長して設けられ、前記サスペンションアーム固定構造に締結されて前記燃料タンクを車両ボディの床下に圧接させて固定する着脱可能な支持部材とを具備し、
前記支持部材は車両走行時に前記サスペンションアーム固定構造にかかる動的荷重に十分耐え得るように該サスペンションアーム固定構造に剛性強度を与える補強部材を兼用することを特徴とする燃料タンクの支持構造。
【請求項2】
燃料タンクの支持構造であって、
車両ボディの床下に設けられた静的には十分な剛性強度を有するサスペンションアーム固定構造と、
該サスペンションアーム固定構造と車両前後方向に部分的にオーバラップするように設けられた燃料タンクと、
前記燃料タンクの下側に車両幅方向に伸長して設けられ、前記サスペンションアーム固定構造に締結されて前記燃料タンクを該サスペンションアーム固定構造の一部とで挟み込んで固定する着脱可能な支持部材とを具備し、
前記支持部材は車両走行時に前記サスペンションアーム固定構造にかかる動的荷重に十分耐え得るように該サスペンションアーム固定構造に剛性強度を与える補強部材を兼用することを特徴とする燃料タンクの支持構造。
【請求項3】
前記サスペンションアーム固定構造は車両ボディとは別に設けられたサブフレームから構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料タンクの支持構造。
【請求項4】
静的にはそれだけで前記燃料タンクを車両ボディに固定可能なタンクバンドを更に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料タンクの支持構造。
【請求項5】
前記サスペンションアーム固定構造は車両ボディとは別に設けられたサブフレームから構成され、
該サブフレームは車両前後方向で前記燃料タンクと半分以上の長さオーバラップしており、
前記サブフレームに締結されて前記燃料タンクを固定支持する着脱可能な第2支持部材を更に具備したことを特徴とする請求項2記載の燃料タンクの支持構造。
【請求項6】
自動車組立て方法であって、
サブフレームにサスペンションアーム、ホイールハブ及びブレーキを組み付けてサスペンションモジュールを小組しておき、
車両ボディに該サスペンションモジュールを取り付け、
燃料タンクを前記サスペンションモジュールに車両前後方向に部分的にオーバラップするように組み付けた後、
車両幅方向に伸長する支持部材を前記燃料タンクの下側に通して、該支持部材を前記サスペンションモジュールに締結することを特徴とする自動車組立て方法。
【請求項7】
自動車組立て方法であって、
サブフレームと車両前後方向に部分的にオーバラップするようにサブフレームに燃料タンクを組み付け、
該燃料タンクの下側から支持部材を前記サブフレームに締結して該燃料タンクを固定したサブフレームモジュールを組み立て、
該サブフレームモジュールを車両ボディに組み付けることを特徴とする自動車組立て方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−283972(P2007−283972A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115672(P2006−115672)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】