説明

燃料電池システム

【課題】多相式電圧変換装置を備える燃料電池システムにおける燃料電池のインピーダンス計測性能を向上させる。
【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池に接続されているN相(Nは2以上の整数)の多相式電圧変換装置と、多相式電圧変換装置の出力目標電圧を示す電圧にインピーダンス計測用の制御用波形を重畳することにより、多相式電圧変換装置の各相を制御するための制御信号を生成し、N相分の制御信号を、予め定められた位相差をもって、順次多相式電圧変換装置に出力する制御信号生成部と、予め定められた位相差と同じ位相差を持つN個の所定のサンプリング周波数に対応する周期で燃料電池の電流と電圧とを測定し、測定された電流と電圧とを用いて燃料電池のインピーダンスを演算するインピーダンス演算部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流インピーダンス法を用いて燃料電池のインピーダンス測定を行う燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池の内部抵抗は、燃料電池内部の電解質膜の湿潤度に影響することが知られている。燃料電池の内部水分量が少なく電解質膜が乾燥している場合には、内部抵抗が大きくなり燃料電池の出力電圧は低下する。燃料電池の内部水分量が過剰である場合には、燃料電池の電極が水分で覆われてしまうため、反応物質である酸素、水素の拡散が阻害され、出力電圧が低下する。
【0003】
燃料電池を高効率で運転させるためには、燃料電池の内部水分量の管理を最適に行う必要がある。燃料電池の内部水分量は、燃料電池のインピーダンスと相関関係があることが知られている。このため、現在では、交流インピーダンス法により燃料電池のインピーダンスを測定し、間接的に燃料電池内部の水分状態を把握することが行われている。具体的には、燃料電池の出力信号に任意の周波数を有する正弦波信号を重畳し、その場合における燃料電池のインピーダンスを測定する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−15992号公報
【特許文献2】特開平10−146049号公報
【特許文献3】特開2007−12418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来は、インピーダンス測定のための電圧および電流の測定に際して行われるサンプリングの回数が、CPU負荷等の要因により制限されていたため、燃料電池のインピーダンス計測性能に関しては十分な工夫がされていないのが実情であった。
【0006】
本発明は、多相式電圧変換装置を備える燃料電池システムにおける燃料電池のインピーダンス計測性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
燃料電池システムであって、
燃料電池と、
前記燃料電池に接続されているN相(Nは2以上の整数)の多相式電圧変換装置と、
前記多相式電圧変換装置の出力目標電圧を示す電圧にインピーダンス計測用の制御用波形を重畳することにより、前記多相式電圧変換装置の各相を制御するための制御信号を生成し、N相分の前記制御信号を、予め定められた位相差をもって、順次前記多相式電圧変換装置に出力する制御信号生成部と、
前記予め定められた位相差と同じ位相差を持つN個の所定のサンプリング周波数に対応する周期で前記燃料電池の電流と電圧とを測定し、測定された前記電流と前記電圧とを用いて前記燃料電池のインピーダンスを演算するインピーダンス演算部と、
を備える、燃料電池システム。
このような構成とすれば、インピーダンス演算部は、インピーダンス演算用の電流と電圧とを測定する際に、多相式電圧変換装置の各相を制御するために出力される制御信号の位相差と同じ位相差を持つN個の所定のサンプリング周波数に対応する周期で、燃料電池の電流と電圧とをサンプリングする。この結果、制御用波形に近い形の詳細なサンプリング結果を得ることができるため、多相式電圧変換装置を備える燃料電池システムにおける燃料電池のインピーダンス計測性能を向上させることができる。
【0009】
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池システムであって、
前記予め定められた位相差は360度/Nである、燃料電池システム。
【0010】
[適用例3]
適用例1または2記載の燃料電池システムであって、さらに、
蓄電器と、
前記蓄電器に接続されている電圧変換装置と、
を備える、燃料電池システム。
このような構成とすれば、蓄電池からの出力を制御するための電圧変換装置を備える構成においても、適用例1と同様の効果を得ることができる。
【0011】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能である。例えば、燃料電池システム、燃料電池システムを制御する方法、燃料電池システムを備える車両等の移動体等の態様で実現することができる。また、本発明は、上述した種々の特徴を必ずしも全て備えている必要はなく、その一部を省略して構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例としての燃料電池システムを搭載した車両HRの概略構成を示す説明図である。
【図2】燃料電池の等価回路を示す説明図である。
【図3】燃料電池の内部インピーダンス測定について説明するための説明図である。
【図4】制御信号生成部により生成される制御信号について説明するための説明図である。
【図5】インピーダンス演算部におけるサンプリングについて説明するための説明図である。
【図6】第2実施例における燃料電池システムを搭載した車両HRの概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
【0014】
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池システム100を搭載した車両HRの概略構成を示す説明図である。なお、以下の説明では、車両の一例として燃料電池自動車(FCHV:Fuel Cell Hybrid Vehicle)を例に挙げて説明する。車両HRは、主に、燃料電池システム100と、インバータ60と、モータ61と、出力軸62と、減速ギヤ63と、車両駆動軸64とを備えている。
【0015】
インバータ60は、燃料電池システム100から出力される直流電流を三相交流電流に変換して、モータ61に供給する。モータ61は、車両HRの動力源であり、同期モータであって、回転磁界を形成するための位相コイルを備えている。モータ61は、出力軸62に接続されており、動力を出力軸62に伝達する。なお、モータ61は、制動時には発電機としても機能することができる。モータ61から出力軸62に出力される動力は、減速ギヤ63を介して、車両駆動軸64に伝達される。
【0016】
燃料電池システム100は、主に、制御ユニット10と、バッテリ20と、DC/DCコンバータ30と、燃料電池40と、車両補機50と、FC補機51とを備えている。制御ユニット10は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成される。具体的には、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行する図示しないCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納された図示しないROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされる図示しないRAMと、各種信号を入出力する図示しない入出力ポート等を備える。制御ユニット10は、アクセルペダルセンサ11や、シフトポジションセンサ(図示省略)、ブレーキセンサ(図示省略)等と信号回線を介して接続される。制御ユニット10は、これらの検出信号から、アクセル開度や車速等、車両の運転に関する情報を取得し、燃料電池システム100のDC/DCコンバータ30に対する駆動信号を生成する(詳細は後述)。
【0017】
バッテリ20は、充放電可能な2次電池であり、例えば鉛蓄電池や、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、リチウム2次電池など種々の2次電池を用いることができる。バッテリ20は、燃料電池40の放電経路に介挿され、燃料電池40と並列に接続されている。なお、バッテリ20に代えて、2次電池以外の充放電可能な蓄電器(例えば、キャパシタ)を用いてもよい。
【0018】
燃料電池40は、供給される燃料ガスおよび酸化ガスから電力を発生させる。燃料電池40は、膜電極接合体(以下、「MEA」とも呼ぶ。)などを備えた複数の単セルを直列に積層したスタック構造を有している。燃料電池40としては、種々のタイプの燃料電池(例えば、固体高分子型や、熔融炭酸塩型等)を利用することができる。
【0019】
バッテリ20と、燃料電池40とは、インバータ60に並列接続されている。また、燃料電池40からインバータ60への回路には、バッテリ20からの電流またはモータ61により発電された電流が逆流するのを抑制するために、ダイオード42が設けられている。
【0020】
このように、並列に接続されたバッテリ20と、燃料電池40との両電源における適切な出力分配を実現するために、本実施例においては、多相式電圧変換装置(DC/DCコンバータ30)が設けられている。DC/DCコンバータ30は、燃料電池40から入力されたDC電圧を、与えられた目標電圧へ昇圧(または降圧)して出力する機能を有している。DC/DCコンバータ30は、その内部に並列に動作可能な複数の電源モジュールを有しており、各電源モジュールは、DC/DCコンバータ30の相(フェーズ)を構成している。本実施例においては、内部にu相を構成する電源モジュールと、v相を構成する電源モジュールを有する2相式のDC/DCコンバータを例示して説明する。なお、DC/DCコンバータ30は、バッテリ20と、バッテリ20が接続される配線との接続状態を制御するスイッチとしても機能する。具体的には、バッテリ20において充放電を行う必要のないときには、バッテリ20と、バッテリ20が接続される配線との間の接続を切断する。
【0021】
車両補機50は、車両の運転時等に使用される種々の電力機器を意味する。車両補機50には、例えば、照明機器、空調機器、油圧ポンプが含まれる。FC補機51は、燃料電池40の運転に使用される種々の電力機器を意味する。FC補機51には、例えば、燃料ガスや改質材料を供給するためのポンプ、改質器の温度を調整するためのヒータが含まれる。車両補機50およびFC補機51は、バッテリ20とDC/DCコンバータ30との間に接続されている。
【0022】
図2は、燃料電池40の等価回路を示す説明図である。燃料電池40は、セパレータ抵抗R1と、MEA抵抗R2と、電極容量Cとによって表される。これらの抵抗R1、R2および容量Cは、燃料電池40の内部インピーダンスを形成しており、以下に述べるようにインピーダンス測定を行うことで、燃料電池40の内部特性を把握することができる。
【0023】
図3は、燃料電池40の内部インピーダンス測定について説明するための説明図である。制御ユニット10は、目標電圧決定部110と、重畳信号生成部120と、制御信号生成部130と、インピーダンス演算部140とを備えている。目標電圧決定部110は、アクセルペダルセンサ11(図1)等から入力されるセンサ信号に基づいて、DC/DCコンバータ30からの出力目標電圧を決定し、この値を制御信号生成部130へ出力する。重畳信号生成部120は、出力目標電圧に重畳すべきインピーダンス計測用の制御用波形(例えば、振幅aのサイン波)を生成し、この制御用波形を制御信号生成部130へ出力する。なお、出力目標電圧や制御用波形の各パラメータ(波形の種類、周波数、振幅値)は、システム設計等に応じて適宜変更可能である。
【0024】
制御信号生成部130は、出力目標電圧と、制御用波形とを重畳することによってDC/DCコンバータ30の各相を制御するための制御信号を生成する。制御信号生成部130は、このようにして生成した制御信号を、DC/DCコンバータ30の各相分の制御信号(uDuty、vDuty)として、予め定められた位相差をもって(具体的には、DC/DCコンバータ30からの出力パルスの位相を遅延させたいタイミングだけずらして)、順次出力する。DC/DCコンバータ30は、制御信号生成部130から与えられる各相分の制御信号(uDuty、vDuty)に基づいて、燃料電池40から入力されたDC電圧の制御を行う。具体的には、uDutyに基づいて、DC/DCコンバータ30内部のu相に該当する電源モジュールのスイッチ素子をON/OFFする。同様に、vDutyに基づいて、DC/DCコンバータ30内部のv相に該当する電源モジュールのスイッチ素子をON/OFFする。
【0025】
図4は、制御信号生成部130により生成される制御信号について説明するための説明図である。図4(A)は、制御信号生成部130からDC/DCコンバータ30へ出力される制御信号(uDuty、vDuty)を模式的に示している。このように、DC/DCコンバータ30における各相分の制御信号(uDuty、vDuty)は、その一方が、他方に対して予め定められた位相差ps分だけ遅延した形で出力される。なお、この位相差psは、制御ユニット10内部の記憶領域に予め格納しておくことができる。本実施例における位相差psは45度である。図4(B)は、図4(A)に示す制御信号が入力された結果、DC/DCコンバータ30から出力されるFC電流について、その周波数成分Ifcを模式的に示す説明図である。なお、FC電流とは、燃料電池40の実運転動作点における出力電流を意味する。
【0026】
図5は、インピーダンス演算部140におけるサンプリングについて説明するための説明図である。図5(A)は、DC/DCコンバータ30から出力されるFC電流の周波数成分Ifcを模式的に示す説明図である。インピーダンス演算部140は、DC/DCコンバータ30から出力されるFC電流の周波数成分Ifcに対して、図4(A)に示したuDutyと、vDutyとの位相差psと同じ位相差psを持つ各相分のサンプリング周波数に対応する周期(すなわち、SFu、SFv)でサンプリングを行う。すなわち、図5(A)の例では、インピーダンス演算部140は、相数に対応した2つのサンプリング周波数のそれぞれについて、正弦波の中心部分と、正弦波の中心からの最大偏差を有する部分と、のタイミングSFu、SFvでサンプリングを行う。なお、図5(A)はあくまで一例であり、サンプリング周波数は任意に定めることができる。
【0027】
図5(B)は、インピーダンス演算部140がサンプリング周期SFuでサンプリングを行った結果uIfを示している。図5(C)は、インピーダンス演算部140がサンプリング周期SFvでサンプリングを行った結果vIfを示している。また、図5(D)は、上述のようにして得られるuIfとvIfとを足し合わせたサンプリング結果uIf+vIfを示している。
【0028】
インピーダンス演算部140は、電圧センサ141によって検出される燃料電池40の実運転動作点における出力電圧(以下、「FC電圧」とも呼ぶ。)の周波数成分Vfcについても、図5で説明したものと同様にサンプリングを行い、FC電圧の周波数成分Vfcのサンプリング結果を取得する。インピーダンス演算部140は、このようにして、FC電流およびFC電圧のサンプリング処理を行った後、フーリエ変換処理後のFC電圧信号をフーリエ変換処理後のFC電流信号で除算する等して、燃料電池40のインピーダンスを求める。
【0029】
このように、第1実施例によれば、インピーダンス演算部140は、インピーダンス演算用のFC電流と、FC電圧とを測定する際に、DC/DCコンバータ30の各相を制御するために出力される制御信号uDutyと、vDutyとの位相差psと同じ位相差psを持つ、各相分のサンプリング周波数に対応する周期SFu、SFvでサンプリングを行う。このため、インピーダンス演算部140は、FC電流と、FC電圧との測定結果として、図5(D)に示すような、制御用波形に近い形の詳細なサンプリング結果を得ることができる。インピーダンス演算部140は、このようにして得られたFC電流と、FC電圧との測定値を元にして、燃料電池40のインピーダンス計算を行う。この結果、多相式電圧変換装置(DC/DCコンバータ30)を備える燃料電池システムにおける燃料電池のインピーダンス計測性能を向上させることができる。
【0030】
さらに、第1実施例によれば、インピーダンス演算部140は、FC電流と、FC電圧とについて、複数のサンプリング周波数に対応する周期SFu、SFvでサンプリングを行うため、インピーダンス演算部140が、サンプリング周波数よりも周波数を大きくした単一のサンプリング周波数に対応する周期でサンプリングを行った場合と比較して、制御ユニット10内のCPUに掛ける負荷を小さくすることができる。
【0031】
B.第2実施例:
図6は、第2実施例における燃料電池システム100aを搭載した車両HRの概略構成を示す説明図である。図1に示した第1実施例との違いは、さらに、DC/DCコンバータ31を備える点だけであり、他の構成や動作は第1実施例と同じである。なお、図中において第1実施例と同様の構成部分については先に説明した第1実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。DC/DCコンバータ31は、バッテリ20とインバータ60との間に介挿され、バッテリ20から入力されたDC電圧を、与えられた目標電圧へ昇圧(または降圧)して出力する機能を有している。なお、第2実施例におけるDC/DCコンバータ30は、バッテリ20と、バッテリ20が接続される配線との接続状態を制御するスイッチとしての機能は有さない点においてのみ、第1実施例と異なる。
【0032】
このような構成としても、第1実施例と同様に、多相式電圧変換装置(DC/DCコンバータ30)を備える燃料電池システムにおける燃料電池のインピーダンス計測性能を向上させることができる。
【0033】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0034】
C1.変形例1:
上記実施例では、多相式電圧変換装置として、2相式(N=2)のDC/DCコンバータ30を例に挙げて説明した。しかし、本発明におけるDC/DCコンバータは多相式であれば足り、任意の相数を採用することができる。例えば、3相式のDC/DCコンバータを採用することができる。この場合、インピーダンス演算部140は、各相分の制御信号(uDuty、vDuty、wDuty)との位相差と同じ位相差だけ遅延させた3組のサンプリング周波数に対応する周期SFu、SFv、SFwでサンプリングを行うため、FC電流と、FC電圧のより詳細なサンプリング結果を得ることができる。この結果、燃料電池のインピーダンス計測性能をより向上させることができる。
【0035】
C2.変形例2:
上記実施例では、燃料電池システム100における各種設定値について例示した。しかし、燃料電池システム100における各種設定値(例えば、位相差ps)は、任意に定めることができる。例えば、位相差psは、360度/Nであるとしてもよい。
【0036】
C3.変形例3:
上記実施例では、車両の一例として、燃料電池自動車を例に挙げて説明した。しかし、本発明における燃料電池システムを搭載した車両としては、種々のものを想定することができる。例えば、電気自動車や、ハイブリッド自動車にも適用可能である。さらに、本発明における燃料電池システムは、車両以外の移動体(例えば、船舶や飛行機等)にも適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
10…制御ユニット
11…アクセルペダルセンサ
20…バッテリ
40…燃料電池
42…ダイオード
50…車両補機
60…インバータ
61…モータ
62…出力軸
63…減速ギヤ
64…車両駆動軸
100…燃料電池システム
100a…燃料電池システム
110…目標電圧決定部
120…重畳信号生成部
130…制御信号生成部
140…インピーダンス演算部
141…電圧センサ
142…電流センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムであって、
燃料電池と、
前記燃料電池に接続されているN相(Nは2以上の整数)の多相式電圧変換装置と、
前記多相式電圧変換装置の出力目標電圧を示す電圧にインピーダンス計測用の制御用波形を重畳することにより、前記多相式電圧変換装置の各相を制御するための制御信号を生成し、N相分の前記制御信号を、予め定められた位相差をもって、順次前記多相式電圧変換装置に出力する制御信号生成部と、
前記予め定められた位相差と同じ位相差を持つN個の所定のサンプリング周波数に対応する周期で前記燃料電池の電流と電圧とを測定し、測定された前記電流と前記電圧とを用いて前記燃料電池のインピーダンスを演算するインピーダンス演算部と、
を備える、燃料電池システム。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池システムであって、
前記予め定められた位相差は360度/Nである、燃料電池システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の燃料電池システムであって、さらに、
蓄電器と、
前記蓄電器に接続されている電圧変換装置と、
を備える、燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−216429(P2011−216429A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85697(P2010−85697)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】