説明

現像ユニット、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】 シール部材の寸法精度や現像剤収納枠体への貼付け精度を向上させなくとも、検知部材の導通経路からの現像剤の封止を簡単な構成で実現することができる現像ユニットを提供する。
【解決手段】 ドラム20に形成された静電潜像を現像するために現像剤Tを担持する現像ローラ41と、現像剤Tを収容する現像剤収容部を形成するフタ48と、現像剤収容部の内部の現像剤量を検知する検知部材49と、を備え、フタ48及び検知部材49は、一体成型されており、検知部材49は、現像剤収容部の内側に設けられた検知部49aと、現像剤収容部の外側に設けられた接点部49bと、検知部49a及び接点部49bを繋ぐ経路部49cと、を有し、経路部49cは、フタ48の樹脂48Jで覆われる現像ユニット40を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ユニット、この現像ユニットを有するプロセスカートリッジ、及び、このプロセスカートリッジが着脱自在な画像形成装置に関する。
【0002】
ここで、本発明において、現像ユニットとは、電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にユニット化したものである。例えば、前記プロセス手段としての現像手段である、現像剤担持体(以下、現像ローラと称する)と現像剤規制部材(以下、現像ブレードと称する)を一体的にユニット化したものが挙げられる。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体と、この電子写真感光体に作用するプロセス手段とを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置本体に対して取り外し可能に装着されるものである。例えば、電子写真感光体と、前記プロセス手段としての、現像手段、帯電手段、クリーニング手段の少なくとも一つを一体的にカートリッジ化したものが挙げられる。
【0004】
また、電子写真画像形成装置(画像形成装置)とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【0005】
また、電子写真画像形成装置の装置本体とは、プロセスカートリッジを除いた電子写真画像形成装置部分である。
【背景技術】
【0006】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置には、プロセスカートリッジが用いられるものがある。このようなプロセスカートリッジには、内部の現像剤量を検知する検知手段が設けられるものが知られている。この検知手段は、例えば、現像剤収納枠体の内部に設けられる導電性の検知部材で構成され、現像ローラとの静電容量を検出することにより現像剤量を検知する。こうした検知部材に関する発明として、特許文献1に記載の発明が開示されている。
【0007】
特許文献1に記載の発明では、検知部材は、現像剤収納枠体の内部に設けられ、画像形成装置本体との導通を取るために、現像剤収納枠体の内側と外側を繋ぐ経路部に、現像剤封止構成が設けられている。この現像剤封止構成は、弾性体からなるシール部材によって検知部材の導通経路を形成する電極棒の周囲を封止するものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3745231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、検知部材の導通経路の現像剤を封止するために、シール部材を設ける必要があった。そして、必要な現像剤の封止性能を得るためには、シール部材の寸法精度や現像剤収納枠体への貼付け精度を向上させる必要があった。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑み、シール部材の寸法精度や現像剤収納枠体への貼付け精度を向上させなくとも、検知部材の導通経路からの現像剤の封止を簡単な構成で実現することができる現像ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の現像ユニットは、像担持体に形成された静電潜像を現像するために現像剤を担持する現像剤担持体と、現像剤を収容する現像剤収容部を形成する枠体と、前記現像剤収容部の内部の現像剤量を検知する検知部材と、を備え、前記枠体及び前記検知部材は、一体成型されており、前記検知部材は、前記現像剤収容部の内側に設けられた検知部と、前記現像剤収容部の外側に設けられた接点部と、前記検知部及び前記接点部を繋ぐ経路部と、を有し、前記経路部は、前記枠体の樹脂で覆われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シール部材の寸法精度や現像剤収納枠体への貼付け精度を向上させなくとも、検知部材の導通経路からの現像剤の封止が簡単な構成で実現される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】カートリッジの構成を示す拡大断面図である。
【図3】現像枠体とフタを結合する前の現像枠体ユニットの分解斜視図である。
【図4】フタ及び検知部材の構成を示す斜視図である。
【図5】図4(a)のA−A線に沿う一部拡大断面等である。
【図6】フタ、現像枠体及び検知部材の構成を示す拡大断面図である。
【図7】実施例2に係る現像ユニットが備える検知部材の構成を示す一部拡大斜視図である。
【図8】実施例3に係る現像ユニットを有するカートリッジの構成を示す拡大断面図である。
【図9】現像ユニットや検知部材の構成を示す斜視図である。
【図10】現像ユニットの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置1の構成を示す断面図である。ここでは、画像形成装置1は、現像ユニット40(図2参照)を有する『プロセスカートリッジ』であるカートリッジ2が装置本体1Aに着脱自在で電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。図1に示されるように、画像形成装置1は画像形成装置本体(以下、単に『装置本体』という)1Aを有し、この装置本体1Aの内部には、画像を形成する画像形成部が設けられる。画像形成部は、少なくとも、ドラム20等を含む。
【0016】
カートリッジ2が装置本体1Aに装着された状態では、装置本体1Aの内部でカートリッジ2の上方には、露光装置3が配置されている。また、装置本体1Aの内部でカートリッジ2の下方には、シートであるシートPを収容したシートトレイ4が配置されている。更に、装置本体1Aには、シートPの搬送方向に沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ5b、搬送ローラ5c、転写ガイド6、転写用帯電ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ10、排出トレイ11等が配置されている。
【0017】
次に、画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、電子写真感光体ドラム(以下、ドラムと記載する)20は、矢印R1の方向(図2)に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転する。ドラム20の外周面にはバイアス電圧が印加された帯電ローラ12が接触していて、この帯電ローラ12によってドラム20の外周面は、一様均一に帯電する。
【0018】
露光装置3からは、画像情報の時系列的電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザ光Lが出力される。そのレーザ光Lがカートリッジ2の上面の露光窓部51aからカートリッジ2の内部に入光してドラム20の外周面を走査露光する。これにより、ドラム20の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。この静電潜像は、現像ユニット40の現像剤Tによって可視化され現像剤像として現像される。
【0019】
さらに説明すると、帯電ローラ12はドラム20に接触して設けられており、ドラム20に帯電を行う。この帯電ローラ12は、ドラム20に従動しつつ回転する。また、現像ユニット40(図2参照)は、ドラム20の現像領域へ現像剤Tを供給して、ドラム20に形成された静電潜像を現像する。
【0020】
ここで、図2を参照しつつ、現像ユニット40の動作を説明する。現像ユニット40は、『現像剤収納部』である現像剤室45内の現像剤Tを撹拌部材43の回転によって『現像剤収納部』である現像剤供給室44に送り出す。そして、現像ユニット40は、固定磁石41aを内蔵した現像剤担持体である現像ローラ41を回転させるとともに、現像ブレード42によって摩擦帯電電荷を付与した現像剤層を現像ローラ41の表面に形成する。そして、現像ユニット40は、その現像剤を静電潜像に応じてドラム20へ転移させることによって現像剤像を形成して可視像化する。現像ブレード42は、現像ローラ41の周面の現像剤量を規定すると共に摩擦帯電電荷を付与する。
【0021】
ここで、図1に戻って説明する。一方、レーザ光Lの出力するタイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ5b、搬送ローラ5cによって、装置本体1Aの下部に収納されたシートPがシートトレイ4から給送される。そして、そのシートPが転写ガイド6を経由して、ドラム20と転写用帯電ローラ7との間の転写位置へ供給される。この転写位置において、現像剤像はドラム20からシートPに順次転写されていく。
【0022】
現像剤像が転写されたシートPは、ドラム20から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そしてシートPは、定着装置9を構成する定着ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われて現像剤像はシートPに定着される。現像剤像の定着処理を受けたシートPは、排出ローラ10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。
【0023】
一方、転写後のドラム20は、クリーニングブレード52(図2参照)により外周面上の残留現像剤が除去されて、再び、帯電から始まる作像に供される。ドラム20から除去された残留現像剤は廃現像剤室51b(図2参照)に貯蔵される。上記において、帯電ローラ12、現像ローラ41、クリーニングブレード52がドラム20に作用するプロセス手段である。なお、制御手段であるコントローラ80は、装置本体100Aの内部の各機器の駆動を制御する。また、コントローラ80は、後述する検知部材49が検知する情報に基づいて現像剤に関する情報を解析等が可能であり、この解析結果等に基づいて、現像装置を駆動可能である。
【0024】
図2は、カートリッジ2の構成を示す拡大断面図である。図2に示されるように、ドラム20、帯電ローラ12およびクリーニングブレード52は、ドラム枠体51に取り付けられ、一体的なドラムユニット50を構成している。一方、現像ローラ41、現像ブレード42、撹拌部材43等が現像枠体ユニット46に取り付けられ、一体的な現像ユニット40を構成している。『現像剤担持体』である現像ローラ41は、『像担持体』であるドラム20に形成された静電潜像を現像するために現像剤Tを担持するローラである。
【0025】
現像枠体ユニット46は、現像剤Tを収容する現像剤収容部を形成する『枠体』である現像枠体47及びフタ48を有する。これらの現像枠体47及びフタ48が組み合わせられることで、現像剤Tを収納する現像剤室45や現像剤供給室44が形成される。現像剤室45及び現像剤供給室44は共に、現像剤収容部の一部を形成している。現像枠体47とフタ48は、溶着等の手段により、一体に結合される。
【0026】
現像剤室45の内部には、現像剤収容部を形成する枠体としてのフタ48に対して、導電性の材質で形成されて現像剤収容部の内部の現像剤量を検知する検知部材49(現像剤量検知部材)が設けられている。このフタ48及び検知部材49は、一体成型されている。現像ローラ41に電圧が印加されると、検知部材49に静電容量が誘起される。現像剤Tが消費されていくと、現像ローラ41と検知部材49との間の現像剤量が変化する。現像剤Tの誘電率は空気より大きいため、現像剤量が変化するに従って、静電容量が徐々に小さく変化していく。この静電容量を測定することで、現像剤量を検出することができる。
【0027】
図3は、現像枠体47とフタ48を結合する前の現像枠体ユニット46の分解斜視図である。図3に示される検知部材49は、板状の金属部材からなり、現像剤収容部を形成する枠体としてのフタ48にインサート成型などにより一体成型されている。
【0028】
フタ48には、現像枠体47との当接面48aに結合手段としての溶着リブ48bが設けられている。溶着リブ48bは当接面48aの全周に渡って設けられている。現像枠体47は溶着リブ48bとの結合面47aを有している。溶着リブ48bと結合面47aが溶着され、枠体同士を結合すると共に、現像剤封止を行う。なお、本実施例においては現像枠体47とフタ48の結合を溶着にて行なっているが、接着剤によって結合することも可能である。
【0029】
図4(a)は、一体成型されたフタ48及び検知部材49の構成を示す斜視図である。図4(b)は、検知部材49の構成を示す斜視図である。図4(c)は、図4(a)の矢印Cの方向から見た裏面斜視図である。まず、図4(b)に示されるように、検知部材49は、検知部49a、接点部49b、及び、経路部49cを有する。
【0030】
図4(a)に示されるように、検知部49aは現像剤収容部の内側に設けられている。図4(c)に示されるように、接点部49bは現像剤収容部の外側に設けられている。そして、図4(b)に示されるように、経路部49cは、検知部49a及び接点部49bを繋ぐ部位である。
【0031】
ここで、図4(a)に示されるように、検知部材49及びフタ48が一体成型されるときに、経路部49cは、樹脂48Jで覆われるように構成されている。また、図4(c)に示されるように、接点部49bは、フタ48の表面(現像枠体ユニット46が完成したときの内側面)ではなくて裏面(現像枠体ユニット46が完成したときの外側面)側に露出する構成となっている。
【0032】
図5(a)は、図4(a)のA−A線に沿う一部拡大断面である。図5(a)に示されるように、検知部材49の検知部49aにおける幅方向の両端部は、フタ48の一部である押さえ部48c、48dで覆われており、検知部材49がフタ48に保持されている。
【0033】
図5(b)は、図4(a)のB−B線に沿うフタ48に現像枠体47を加えた断面図(概念図)である。図5(b)には、現像剤室45の内側部、外側部に対する検知部材49の検知部49a、接点部49b及び経路部49cの位置関係が示されている。経路部49cは、フタ48を形成する樹脂48Jで覆われ、埋め込まれている。そして、前述したようにフタ48が有する溶着リブ48bによって、現像枠体47とフタ48が溶着され、現像剤Tが封止される。接点部49bには、装置本体1A(図1)が有する本体接点(不図示)が接触し、現像ローラ41(図2)と検知部材49の間に発生した静電容量を測定可能となる。
【0034】
図6を用いて、検知部材49の外形寸法のずれや、フタ48と検知部材49との一体成型時に相対位置がずれる事によって製造誤差が生じた場合の説明を行う。製造誤差が無い場合は、図6(a)に示すように、経路部49cがフタ48の厚みに対して均等になるように位置するので、フタ48の肉厚t1、t2は同じ厚みになる。一方、製造誤差によって経路部49cの位置がずれた場合は、図6(b)に示すようにt1<t2の関係、または、図6(c)に示すようにt1>t2の関係となる。いずれの場合も、経路部49cは樹脂48Jで覆われているので、現像剤封止性能に変わりは無く、製造誤差を吸収することができる。
【0035】
実施例1の構成によれば、以下の効果が得られる。(1)検知部材49が有する経路部49cは、現像剤収容部を形成するフタ48の樹脂48Jで覆われる。そのために、検知部材49の導通経路の周囲に形成される隙間の現像剤封止のために、弾性シール部材によらず、フタ48を形成する樹脂48Jによって埋めて、現像剤Tの封止が実現される。このために、シール部材の寸法精度や現像剤収納枠体への貼付け精度を向上させなくとも、検知部材49の導通経路からの現像剤Tの封止が簡単な構成で実現される。
【0036】
(2)また、検知部材49の外形寸法のずれや、フタ48と検知部材49との一体成型時に相対位置がずれる事など、製造誤差が生じる場合がある。しかし、その場合もフタ48の肉厚が変わるのみで、経路部49cは樹脂48Jに埋まる。よって、現像剤封止性能に影響することなく、検知部材49の製造誤差を吸収することが出来る。それにより、現像剤封止部において、従来、高い精度が必要であった部品精度や組立精度を、低くする事が出来、製造簡略化によるコストダウンが可能となる。
【0037】
(3)さらに、検知部材49とフタ48を一体成型によって組付けるため、組立てるための両面テープ等の部品が必要ない。また、組立装置も必要ないため、部品点数削減及び組立工数削減によるコストダウンが可能となる。
【0038】
(4)また、検知部材49が有する接点部49bに対して、装置本体1Aが有する本体接点を直接接触させる構成により、カートリッジの内部に導電経路を形成する為の複数の接点部材を設ける必要が無い為、部品点数削減によるコストダウンが可能となる。
【0039】
(5)さらに、カートリッジ内部に接点部が無いため、導電性能の信頼性が向上する。
【実施例2】
【0040】
図7は、実施例2に係る現像ユニット又は画像形成装置が備える検知部材60の構成を示す一部拡大斜視図である。実施例2で特徴的なのは、経路部60aが、段差部60b又は屈曲部62bを有する点である。
【0041】
図7(a)に示される検知部材60(現像剤量検知部材)の経路部60aは、実施例1で説明したように、フタ(不図示)の樹脂48Jで覆われている。しかし、一般的に樹脂材料は成型時や周囲環境温度の変化による寸法変化率が金属材料よりも大きい。従って、成型時や周囲環境温度の変化での寸法変化により、経路部60aと樹脂48Jに僅かな隙間が生じる可能性がある。その場合の現像剤が漏れる経路の一つとして、ハッチング61に示すように経路部60aの外形に沿った箇所が経路となり得る。
【0042】
そこで、経路部60aに対して段差部60bを設けた。段差部60bを設ける事により、現像剤Tの経路が曲がるため、現像剤Tが経路部60aと樹脂48Jの僅かな隙間に入り込んだ場合でも、現像剤Tが現像剤収容部の外部に至る途中で止まる事になる。
【0043】
図7(b)は、実施例2の変形例に係る検知部材62の構成を示す斜視図である。図7(b)に示されるように、検知部材62の経路部62aに対して、屈曲部62bを設けても良い。この場合も、現像剤Tの経路を曲げるという構成によって得られる効果は同様である。
【0044】
実施例2の構成によれば、以下の効果が得られる。経路部49cが段差部60b又は屈曲部62bを有する。そのために、経路部49cとフタ48との間に樹脂48Jの収縮による僅かな隙間が生じた場合でも、現像剤Tが封止される。その結果、現像剤Tの封止の信頼性が向上する。
【実施例3】
【0045】
図8は、実施例3の現像ユニットを有するカートリッジ77の構成を示す拡大断面図である。『プロセスカートリッジ』であるカートリッジ77は、現像ユニット70を有し、装置本体1Aに対して着脱自在である。現像ユニット70の枠体は、現像枠体71と現像剤収納枠体72とフタ73との3枠体を有する。また、検知部材74(現像剤量検知部材)は、現像剤収容部を形成する枠体としての現像枠体71に設けられている。実施例3の構成においても、実施例1及び2と同様に、現像ローラ41と検知部材74との間の静電容量変化を測定することで、現像剤量を検出することができる。
【0046】
図9(a)は、検知部材74を組み込んだ現像枠体71を示す斜視図である。検知部材74は、現像枠体71に一体成型されている。また、現像剤供給室75(図8)の内側に検知部74aを有する。また、現像剤供給室75の外側に接点部74bを有する。一方、現像剤封止部としては、現像枠体71に設けられた上下で2箇所の溶着リブ71aと、長手方向の両端部に設けられた弾性シール部材78と、がある。それによって、現像枠体71と現像剤収納枠体72(図8)の間の現像剤封止を行っている。
【0047】
図9(b)は、図9(a)中の検知部材74の構成を示す斜視図である。検知部74aと接点部74bを繋ぐ経路部74cは、段差部74dと屈曲部74eを有している。
【0048】
そして、図9(c)に示すように、経路部74c(点線で示す)は、現像枠体71が有する『樹脂』に相当するリブ71bで覆われている。
【0049】
図10は、現像ユニット76の構成を示す斜視図である。現像ユニット76の状態において、接点部74bは現像ユニット76の側面部に露出している。この位置において、本体接点(不図示)と接触する構成となっており、現像剤量が検知可能となる。
【0050】
実施例3の構成によれば、以下の効果(実施例1や2と同様なものもある)が得られる。(1)検知部材74が有する経路部74cは、現像枠体71を形成するリブ71bで覆われる。そのために、検知部材74の導通経路の周囲に形成される隙間の現像剤封止のために、弾性シール部材によらず、現像枠体71を形成するリブ71bによって埋めて,現像剤Tの封止が実現される。このために、シール部材の寸法精度や現像剤収納枠体への貼付け精度を向上させなくとも、検知部材74の導通経路からの現像剤Tの封止が簡単な構成で実現される。
【0051】
(2)また、検知部材74の外形寸法のずれや、現像枠体71と検知部材74との一体成型時に相対位置がずれる事など、製造誤差が生じる場合がある。しかし、その場合も現像枠体71の肉厚が変わるのみで、経路部74cはリブ71bに埋まる。よって、現像剤封止性能に影響することなく、検知部材74の製造誤差を吸収することが出来る。それにより、現像剤封止部において、従来、高い精度が必要であった部品精度や組立精度を、低くする事が出来、製造簡略化によるコストダウンが可能となる。
【0052】
(3)さらに、検知部材74と現像枠体71を一体成型によって組付けるため、組立てるための両面テープ等の部品が必要ない。また、組立装置も必要ないため、部品点数削減及び、組立工数削減によるコストダウンが可能となる。
【0053】
(4)検知部材74が有する接点部74bに対して、装置本体1Aが有する本体接点を直接接触させる構成により、カートリッジ77の内部に導電経路を形成する為の複数の接点部材を設ける必要が無い為、部品点数削減によるコストダウンが可能となる。それにより、現像剤封止部において、従来、高い精度が必要であった部品精度や組立精度を、低くする事が出来、製造簡略化によるコストダウンが可能となる。
【0054】
(5)経路部74cに段差部74dもしくは屈曲部74eを設けることによって、経路部74cと現像枠体71のリブ71bとの間にリブ71bの収縮による僅かな隙間が生じた場合にも、現像剤Tを封止することが出来る。従って、現像剤封止の信頼性が向上する。
【符号の説明】
【0055】
20 ドラム(像担持体)
40 現像ユニット
41 現像ローラ(現像剤担持体)
47 現像枠体(枠体)
48 フタ(枠体)
49 検知部材
49a 検知部
49b 接点部
49c 経路部
48J 樹脂
71b リブ(樹脂)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に形成された静電潜像を現像するために現像剤を担持する現像剤担持体と、
現像剤を収容する現像剤収容部を形成する枠体と、
前記現像剤収容部の内部の現像剤量を検知する検知部材と、を備え、
前記枠体及び前記検知部材は、一体成型されており、
前記検知部材は、前記現像剤収容部の内側に設けられた検知部と、前記現像剤収容部の外側に設けられた接点部と、前記検知部及び前記接点部を繋ぐ経路部と、を有し、
前記経路部は、前記枠体の樹脂で覆われることを特徴とする現像ユニット。
【請求項2】
前記経路部は、段差部又は屈曲部を有することを特徴とする請求項1に記載の現像ユニット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の現像ユニットを有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項4】
請求項3に記載のプロセスカートリッジが着脱自在であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−168241(P2012−168241A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26989(P2011−26989)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】