説明

環状ピラジノイルグアニジンナトリウムチャネルブロッカー

本発明は、ナトリウムチャネルブロッカーに関する。さらに本発明は、これらの発明的なナトリウムチャネルブロッカーを使用する様々な治療法を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、そのまま本出願に援用される2003年8月18日提出の米国特許仮出願第60/495720号明細書による優先権を請求する。
【0002】
本発明は、ナトリウムチャネルブロッカーに関する。本発明はさらに、これらの発明的ナトリウムチャネルブロッカーを使用する様々な治療方法を包含する。
【背景技術】
【0003】
周囲と体との間の界面に位置する粘膜表面は、いくつかの「先天防御」、即ち保護機構を展開している。このような先天防御の主要な形態は、液体を用いてこれらの表面を清潔にすることである。通常、粘膜表面に存在する液体層の量は、往々にして水(およびカチオン対イオン)と結合しているアニオン(Cl-および/またはHCO3-)を反映している上皮液体分泌と、往々にして水および対イオン(Cl-および/またはHCO3-)と結合しているNa+吸収を反映している上皮液体吸収とのバランスを反映している。粘膜表面に関する多くの疾患は、これらの粘膜表面に保護液が少なすぎることにより誘発され、これは、分泌(少なすぎる)と吸収(比較的多すぎる)とのアンバランスにより生じる。これらの粘膜機能障害を特徴づける防御塩輸送プロセスは、粘膜表面の上皮層に属する。
【0004】
粘膜表面に位置する防御液体層を補充する1つの手法は、Na+チャネルおよび液体吸収をブロックすることにより、このシステムを「再バランス」させることである。Na+の律速ステップおよび液体吸収を仲介する上皮タンパク質は、上皮Na+チャネル(ENaC)である。ENaCは、上皮の先端表面に、即ち、粘膜表面-周囲界面に位置する。したがって、ENaCに仲介されるNa+および液体吸収を阻害するためには、アミロリド群のENaCブロッカー(ENaCを細胞外領域からブロックする)を、粘膜表面に輸送することが必要であり、この際、重要なことは、治療効果を達成するために、これをその位置で保持することである。本発明は、粘膜表面に液体が少なすぎることを特徴とする疾患ならびにこれらの疾患を治療するために必要な高い効力、低い粘膜吸収およびENaCからの遅い解離(「未結合」または脱離)を示すように設計された「局所」ナトリウムチャネルブロッカーを記載する。
【0005】
慢性気管支炎(CB)の最も一般的な致命的な遺伝的形態を含む慢性気管支炎、のう胞性線維症(CF)は、体が通常は肺から粘液を除去することができないことを反映しており、最終的には慢性気道炎症をもたらす疾患である。正常な肺では、慢性的な肺内気道感染(慢性気管支炎)に対する一次的な防御は、気管支気道表面からの粘液の継続的除去により仲介される。健康であれば、この機能は、肺から有害であるかもしれない毒素および病原体を有効に除去する。最近のデータにより、CBおよびCFの両方での初期的問題、即ち「基本的欠陥」は、気道表面から粘液を除去することができないことであることが示されている。粘液を除去することができないことは、気道表面に位置する液体の量とムチンとのアンバランスを反映している。この「気道表面液」(ASL)は主に、血漿と同様の割合の塩および水からなる(即ち、等張性)。ムチン高分子は、よく定義されている「粘液層」を組織しており、これは、正常ならば、吸入されたバクテリアを捕捉し、「近線毛液(periciliary liquid)」(PCL)と称される水様の低粘度溶液を打つ線毛の作用を介して肺の外側へと運び出される。疾患状態では、気道表面上のASLとしての粘液の量にアンバランスが存在する。この結果、ASLの相対的低下が生じ、このことが、粘液の濃縮、PCLの潤滑剤活性の低下および線毛活性を介する口中への粘液の除去の失敗をもたらす。肺からの粘液の機械的除去が低下すると、気道表面に付着している粘液の慢性的な細菌コロニー形成が生じる。細菌の慢性的な滞留、局所抗菌物質が粘液に捕捉された細菌を長期的に撲滅することができないこと、およびこのタイプの表面感染に対する体の継続的な慢性炎症応答が、CBおよびCFの症候群をもたらす。
【0006】
米国で現在苦しんでいる集団は、慢性気管支炎の後天的(主にタバコの煙にさらされたことによる)形態を伴う12000000人の患者および遺伝的形態ののう胞性線維症を伴う約30000人の患者である。ほぼ同数の両方の集団が、ヨーロッパに存在する。アジアでは、CFは少ないが、世界と他の地域と同様にCBの発症率は高く、増加している。
【0007】
現在、これらの疾患をもたらす基礎的欠陥のレベルでCBおよびCFを特異的に治療する製品に対する、満たされていない多大な医学的必要性が存在する。慢性気管支炎およびのう胞性線維症に対する現在の治療は、これらの疾患の症状および/または後期の影響を治療することに焦点を当てている。したがって、慢性気管支炎では、β-アゴニスト、吸入ステロイド、抗コリン作動薬および経口テオフィリンおよびホスホジエステラーゼ阻害剤が開発されている全てである。しかしながら、これらの薬物のいずれも、肺から粘液を除去することができないという基本的な問題を有効に治療することはない。同様に、のう胞性線維症では、薬理剤の同じスペクトルが使用されている。これらのストラテジーは、接着粘液物質中で成長している細菌を撲滅しようと無駄な試みをしている好中球により肺に堆積しているDNAをCF肺から除去するように設計されている最近のストラテジー(「Pulmozyme」;Genentech)により、さらに、細菌の接着粘液プラークを除去する肺自体の撲滅メカニズムを増大させるように設計されている吸入抗生物質(「TOBI」)を介して補完されている。体の通常の原理では、粘液滞留/閉塞の場合に、開始病変が治療されなければ、細菌感染は慢性になり、抗菌治療に対して耐性になる。したがって、CBおよびCF肺疾患の両方に関して満たされていない治療的に必要な主なものは、気道粘液に再水分補給(即ち、ASL容量の回復/拡充)し、肺からのその除去(細菌と共に)を促進する有効な手段である。
【0008】
R.C.Boucher(米国特許第6264975号明細書)は、粘液表面に水分補給するために、ピラジノイルグアニジンナトリウムチャネルブロッカーを使用することを記載している。通常はよく知られている利尿薬のアミロリド、ベンズアミルおよびフェナミルであるこの化合物は、有効である。しかしながら、これらの化合物は、(1)比較的効力が低い(impotent)(肺に吸入されうる薬物量が限られているので、このことは重要である);(2)迅速に吸収される(粘液表面での薬物の半減期が限られる);(3)ENaCから遊離に解離されうるという多大な欠点を有する。これらのよく知られている利尿薬で現れるこれらの欠点全体が、粘液表面に水分補給するという治療的利点を得るには不十分な効力および/または有効半減期を粘液表面で有する化合物をもたらしている。
【0009】
明らかに、CB/CFを伴う患者の肺からの粘液の除去を回復する際により有効な薬物が、必要である。これらの新規の治療の価値は、CFおよびCB集団の両方での生活の質および寿命の改善に反映されるであろう。
【0010】
体の中および上の他の粘膜表面は、その表面上で、保護表面液の正常な生理において繊細な違いを示すが、疾患の病体生理学は、共通のテーマ、即ち、少なすぎる保護表面液を反映している。例えば、口腔乾燥症(口腔乾燥)では、連続的なNa+(ENaC)輸送により仲介される口腔からの液体吸収にもかかわらず、耳下腺、舌下腺および顎下腺が液体を分泌することができないことにより、口腔は、液体が枯渇している。同様に、乾性角結膜炎(眼球乾燥)は、連絡表面での連続的なNa+依存性液体吸収にもかかわらず、涙腺が液体を分泌できないことにより誘発される。鼻副鼻腔炎では、CBと同様に、粘液分泌と相対的なASL枯渇との間にアンバランスが存在する。最後に、胃腸管では、近位小腸でCl-(および液体)が分泌されないと、下部回腸での高いNa+(および液体)吸収と組み合わさって、遠位腸閉塞症候群(DIOS)が生じる。老齢の患者では、下行結腸での過剰なNa+(および容量)吸収が、便秘および憩室炎をもたらす。
【0011】
50000万人のアメリカ人およびその他の世界の数億人が、高血圧を患っており、その後続の後遺症は、うっ血性心不全をもたらし、死亡率を高めている。これは、西欧での主要な死因であり、これらの疾患を治療するための新規の医薬品が必要とされている。したがって加えて、本発明の新規のナトリウムチャネルブロッカーの内の数種を、腎臓をターゲットするように設計することができ、そのままこれらを、高血圧、うっ血性心不全(CHF)および他の心血管疾患を治療するための利尿薬として使用することができる。これらの新規の薬剤は、単独で、またはベータブロッカー、ACE阻害剤、HMGCoAレダクターゼ阻害剤、カルシウムチャネルブロッカーおよび他の心血管薬と組み合わせて使用することができる。
【特許文献1】米国特許仮出願第60/495720号明細書
【特許文献2】米国特許第6264975号明細書
【特許文献3】米国特許第5656256号明細書
【特許文献4】米国特許第5292498号明細書
【特許文献5】米国特許第5789391号明細書
【特許文献6】米国特許第5740794号明細書
【特許文献7】米国特許第5654007号明細書
【特許文献8】米国特許第5458135号明細書
【特許文献9】米国特許第5775320号明細書
【特許文献10】米国特許第5785049号明細書
【特許文献11】米国特許第5622166号明細書
【特許文献12】米国特許第5577497号明細書
【特許文献13】米国特許第5645051号明細書
【特許文献14】米国特許第5492112号明細書
【特許文献15】米国特許第5826570号明細書
【特許文献16】米国特許第5813397号明細書
【特許文献17】米国特許第5819726号明細書
【特許文献18】米国特許第5655516号明細書
【特許文献19】米国特許第4501729号明細書
【非特許文献1】J. Nairn, Solutions, Emulsions, Suspensions and Extracts, in Remington: The Science and Practice of Pharmacy, chap. 86(19thed.1995)
【特許文献20】米国特許第4389393号明細書
【特許文献21】米国特許第5707644号明細書
【特許文献22】米国特許第4294829号明細書
【特許文献23】米国特許第4835142号明細書
【特許文献24】米国特許第5656256号明細書
【非特許文献2】E. J. Cragoe, "The Synthesis of Amiloride and Its Analogs"(Chapter 3) in Amiloride and Its Analogs, PP. 25-36
【特許文献25】米国特許第3313813号明細書
【特許文献26】米国特許第229929号明細書
【特許文献27】米国特許第233377号明細書
【特許文献28】米国特許第234105号明細書
【非特許文献3】Sabater et al、Journal of Applied Physiology, 1999, pp. 2191-2196
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、既知の化合物よりも効力があり、かつ/またはそれらよりも遅く粘液表面から吸収され、かつ/またはそれらよりも可逆性が低い化合物を提供することである。
【0013】
本発明の他の態様は、アミロルド(amilorde)、ベンザミルおよびフェナミルなどの化合物よりも効力があり、かつ/またはそれらよりも遅く粘液表面に吸収され、かつ/またはそれらよりも低い可逆性を示す化合物(I)を提供することである。したがって、式(I)の化合物は、粘膜表面上で既知の化合物よりも長い薬力学的半減期を示すであろう。
【0014】
本発明の他の目的は、(1)既知の化合物よりも遅く粘膜表面、特に気道表面から吸収され;(2)粘膜表面に投与された後、粘膜表面から吸収されると、ナトリウムチャネルをブロックする際に、投与された親化合物よりも低い効力を有するその代謝誘導体にin vivoで変化する式(I)の化合物を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、アミロリド、ベンザミルおよびフェナミルなどの化合物よりも効力があり、かつ/またはそれらよりも遅く吸収され、かつ/またはそれらよりも低い可逆性を示す式(I)の化合物を提供することである。したがって、式(I)の化合物は、先行する化合物よりも長い薬力学的半減期を粘膜表面で示すであろう。
【0016】
本発明の他の目的は、心血管疾患を治療する際に使用するために、腎臓をターゲットとする式(I)の化合物を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、前記の特性を利用する治療方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の目的は、式(I)により表されるピラジノイルグアニジン化合物群を用いると達成することができる:
【0019】
【化1】

【0020】
[上式中、
Xは、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、低級アルキル、非置換または置換フェニル、低級アルキル-チオ、フェニル-低級アルキル-チオ、低級アルキル-スルホニルまたはフェニル-低級アルキル-スルホニルであり;
Yは、水素、ヒドロキシル、メルカプト、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、ハロゲン、低級アルキル、非置換または置換単核アリールまたは-N(R2)2であり;
R1は、水素または低級アルキルであり;
R2はそれぞれ独立に、-R7、-(CH2)m-OR8、-(CH2)m-NR7R10、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2CH2O)m-R8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10、-(CH2)n-Zg-R7、-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2)n-CO2R7または
【0021】
【化2】

【0022】
であり;
R3およびR4はそれぞれ独立に、水素、式(A)により表される基、低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、フェニル、フェニル-低級アルキル、(ハロフェニル)-低級アルキル、低級-(アルキルフェニルアルキル)、低級(アルコキシフェニル)-低級アルキル、ナフチル-低級アルキルまたはピリジル-低級アルキルであるが、但し、R3およびR4の少なくとも一方は、式(A)
【化3】

により表される基であり;
RLはそれぞれ独立に、-R7、-(CH2)n-OR8、-O-(CH2)m-OR8、-(CH2)n-NR7R10、-O-(CH2)m-NR7R10、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2CH2O)m-R8、-O-(CH2CH2O)mR8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10、-O-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(CH2)n-(Z)g-R7、-O-(CH2)m-(Z)g-R7、-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2)n-CO2R7、-O-(CH2)m-CO2R7、-OSO3H、-O-グルクロニド、-O-グルコース、
【0023】
【化4】

【0024】
であり;
oはそれぞれ独立に、0から10の整数であり;
pはそれぞれ、0から10の整数であるが;
但し、それぞれ隣接する鎖中でのoおよびpの合計は、1から10であり;
xはそれぞれ独立に、O、NR10、C(=O)、CHOH、C(=N-R10)、CHNR7R10であるか、単結合を表し;
R5はそれぞれ独立に、-O-(CH2)m-OR8、-(CH2)n-NR7R10、-O-(CH2)m-NR7R10
-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2CH2O)m-R8、-O-(CH2CH2O)m-R8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10、-O-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(CH2)n-(Z)g-R7、-O-(CH2)m-(Z)g-R7
-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2)n-CO2R7、-O-(CH2)mCO2R7、-OSO3H、-O-グルクロニド、-O-グルコース、
【0025】
【化5】

【0026】
R5はそれぞれ独立に、-(CH2)n-NR12R12、-O-(CH2)m-NR12R12、-O-
(CH2)n-NR12R12、-O-(CH2)m(Z)gR12、-(CH2)nNR11R11、-O-(CH2)mNR11R11、-(CH2)n-N+-
(R11)3、-O-(CH2)m-N+-(R11)3、-(CH2)n-(Z)g-(CH2)m-NR10R10、-O-(CH2)m-(Z)g-(CH2)m-
NR10R10、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR12R12、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR12R12、-(CH2)n-(C=O)NR12R12、-O-(CH2)m-(C=O)NR12R12、-O-(CH2)m-(CHOR8)mCH2NR10-(Z)g-R10、-(CH2)n-(CHOR8)mCH2-NR10-(Z)g-R10、-(CH2)nNR10-O(CH2)m(CHOR8)n-CH2NR10-(Z)g-R10
-O(CH2)m-NR10-(CH2)m-(CHOR8)nCH2NR10-(Z)g-R10、-(Het)-(CH2)m-OR8、-(Het)-(CH2)m-NR7R10、-(Het)-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(Het)-(CH2CH2O)m-R8、-(Het)-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(Het)-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(Het)-(CH2)m-(Z)g-R7、-(Het)-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(Het)-(CH2)m-CO2R7、-(Het)-(CH2)m-NR12R12、-(Het)-(CH2)n-NR12R12、-(Het)-(CH2)m-(Z)gR12、-(Het)-(CH2)mNR11R11、-(Het)-
(CH2)m-N+-(R11)3、-(Het)-(CH2)m-(Z)g-(CH2)m-NR10R10、-(Het)-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR12R12、-(Het)-(CH2)m-(C=O)NR12R12、-(Het)-(CH2)m-(CHOR8)mCH2NR10-(Z)g-R10、-(Het)-(CH2)m-NR10-(CH2)m-(CHOR8)nCH2NR10-(Z)g-R10であってもよく、
この際、2個の-CH2OR8が相互に1,2-または1,3-で位置する場合、R8基は結合して、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソラン、
-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8(但し、少なくとも2個の-CH2OR8が相互に隣接して位置すると、R8基は結合して、一置換または二置換1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成する)
-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8(但し、少なくとも2個の-CH2OR8が相互に隣接して位置すると、R8基は結合して、一置換または二置換1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成する)
-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8(但し、少なくとも2個の-CH2OR8が相互に隣接して位置すると、R8基は結合して、一置換または二置換1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成する)、または
-O-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8(但し、少なくとも2個の-CH2OR8が相互に隣接して位置すると、R8基は結合して、一置換または二置換1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成する)を形成し、
R5はそれぞれ独立に、Link-(CH2)n-CAP、Link-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CAP、Link-(CH2CH2O)m-CH2-CAP、Link-(CH2CH2O)m-CH2CH2-CAP、Link-(CH2)n-(Z)g-CAP、Link-(CH2)n(Z)g(CH2)m-CAP、Link-(CH2)n-NR13-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CAP、Link-(CH2)、(CHOR8)mCH2-NR13-(Z)g-CAP、Link-(CH2)nNR13-(CH2)m(CHOR8)nCH2NR13-(Z)g-CAP、Link-(CH2)m-(Z)g-(CH2)m-CAP、Link-NH-C(=O)-NH-(CH2)m-CAP、Link-(CH2)m-C(=O)NR13-(CH2)m-C(=O)NR10R10、Link-(CH2)m-C(=O)NR13-(CH2)m-CAP、Link-(CH2)m-C(=O)NR11R11、Link-(CH2)m-C(=O)NR12R12、Link-(CH2)n-(Z)g-(CH2)m-(Z)g-CAP、Link-Zg-(CH2)m-Het-(CH2)m-CAPであってもよく;
Linkはそれぞれ独立に、-O-、-(CH2)n-、-O(CH2)m-、-NR13-C(=O)-NR13、-NR13-C(=O)-(CH2)m-、-C(=O)NR13-(CH2)m、-(CH2)n-Zg-(CH2)n、-S-、-SO-、-SO2-、-SO2NR7-、-SO2NR10-または-Het-であり;
CAPはそれぞれ独立に、チアゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、ヘテロアリール-C(=O)NR13R13、-ヘテロアリール-W、-CN、-O-C(=S)NR13R13、-ZgR13、-CR10(ZgR13)(ZgR13)、-C(=O)OAr、-C(=O)NR13Ar、イミダゾリン、テトラゾール、テトラゾールアミド、-SO2NHR13、-SO2NH-C(R13R13)-(Z)g-R13、環式糖またはオリゴ糖、環式アミノ糖またはオリゴ糖、
【0027】
【化6】

【0028】
であり;
Arはそれぞれ独立に、フェニル、置換フェニルであり、ここで、置換フェニルの置換基は、OH、OCH3、NR13R13、Cl、FおよびCH3またはヘテロアリールからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基であり;
Wはそれぞれ独立に、チアゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、ヘテロアリール-C(=O)NR13R13、-CN、-O-C(=S)NR13R13、-ZgR13、-CR10(ZgR13)(ZgR13)、-C(=O)OAr、-C(=O)NR13Ar、イミダゾリン、テトラゾール、テトラゾールアミド、-SO2NHR13、-SO2NH-C(R13R13)-(Z)g-R13、環式糖またはオリゴ糖、環式アミノ糖またはオリゴ糖、
【0029】
【化7】

【0030】
であり;
R6はそれぞれ独立に、-R5、-R7、-OR8、-N(R7)2、-(CH2)m-OR8
-O-(CH2)m-OR8、-(CH2)n-NR7R10、-O-(CH2)m-NR7R10
-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2CH2O)m-R8、-O-(CH2CH2O)m-R8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10
-O-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(CH2)n-(Z)g-R7、-O-(CH2)m-(Z)g-R7、-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8
-O-(CH2)mNR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8
-(CH2)n-CO2R7、-O-(CH2)m-CO2R7、-OSO3H、-O-グルクロニド、-O-グルコース、
【0031】
【化8】

【0032】
であり、ここで、2個の-CH2OR8が相互に1,2-または1,3-で位置する場合、R8基は結合して、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成し;
R7はそれぞれ独立に、水素、低級アルキル、フェニル、置換フェニルまたは-CH2(CHOR)8m-R10であり;
R8はそれぞれ独立に、水素、低級アルキル、-C(=O)-R11、グルクロニド、2-テトラヒドロピラニルであるか、または
【0033】
【化9】

【0034】
であり;
R9はそれぞれ独立に、-CO2R13、-CON(R13)2、-SO2CH2R13または-C(=O)R13であり;
R10はそれぞれ独立に、-H、-SO2CH3、-CO2R13、-C(=O)NR13R13、-C(=O)R13または-(CH2)m-(CHOH)n-CH2OHであり;
Zはそれぞれ独立に、CHOH、C(=O)、-(CH2)n-、-CHNR13R13、C=NR13またはNR13であり;
R11はそれぞれ独立に、低級アルキルであり;
R12はそれぞれ独立に、-SO2CH3、-CO2R13、-C(=O)NR13R13、-C(=O)R13または-CH2-(CHOH)n-CH2OHであり;
R13はそれぞれ独立に、水素、R7、R10、-(CH2)m-NR13R13
+
-(CH2)m-NR13R13R13
-(CH2)m-(CHOR8)m-(CH2)mNR13R13、-(CH2)m-NR10R10
+
-(CH2)m-(CHOR8)m-(CH2)mNR13R13R13
【0035】
【化10】

【0036】
であるが、但し、NR13R13はそれ自体結合して、下記:
【0037】
【化11】

【0038】
のいずれかを含む環を形成してもよく;
Hetはそれぞれ独立に、-NR13-、-S-、-SO-、-SO2-、-O-、-SO2NR13-、-NHSO2-、-NR13CO-または-CONR13-であり;
gはそれぞれ独立に、1から6の整数であり;
mはそれぞれ独立に、1から7の整数であり;
nはそれぞれ独立に、0から7の整数であり;
Qはそれぞれ独立に、-CR6R5、-CR6R6、-NR10、-NR7、-NR5、-S-、-SO-、または-SO2-であり;
環において最高3個のQはヘテロ原子を含み、少なくとも1個のQは-CR5R6またはNR5でなければならず;
Vはそれぞれ独立に、-(CH2)m-NR7R10、-(CH2)mNR7R7、-(CH2)m-
+
NR11R11R11、-(CH2)n-(CHOR8)m-(CH2)mNR7R10、-(CH2)n-NR10R10
+
-(CH2)n-(CHOR8)m-(CH2)mNR7R7、-(CH2)n-(CHOR8)m-(CH2)mNR11R11R11
であり、但し、Vが窒素原子に直接結合している場合には、Vは独立に、R7、R10または(R11)2であってもよく;
但し、2個の-CH2OR8基が相互に1,2-または1,3-で位置する場合、R8基は結合して、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成してもよく;
前記の化合物はいずれも、その薬学的に許容できる塩であってもよく、前記の化合物は、全ての鏡像異性体、ジアステレオ異性体およびそのラセミ混合物の全てを包含する]。
【0039】
好ましい実施形態では、-(CH2)n-(Z)g-R7はそれぞれ、前記の構造の範囲内であり、独立に、
-(CH2)n-(C=N)-NH2
-(CH2)n-NH-C(=NH)NH2
-(CH2)n-CONHCH2(CHOH)n-CH2OHまたは
-NH-C(=O)-CH2-(CHOH)nCH2OH
である。
【0040】
他の好ましい実施形態では、-O-(CH2)m-(Z)g-R7はそれぞれ、前記の構造の範囲内であり、独立に、
-O-(CH2)M-NH-C(=NH)-N(R7)2または
-O-(CH2)m-CHNH2-CO2NR7R10
である。
【0041】
他の好ましい実施形態では、R5はそれぞれ、前記の構造の範囲内であり、独立に、
-O-CH2CHOHCH2O-グルクロニド、
-OCH2CHOHCH3
-OCH2CH2NH2
-OCH2CH2NHCO(CH3)3
-CH2CH2OH、
-OCH2CH2OH、
-O-(CH2)m-Boc、
-(CH2)m-Boc、
-OCH2CH2OH、
-OCH2CO2H、
-O-(CH2)m-NH-C(=NH)-N(R7)2
-(CH2)n-NH-C(=NH)-N(R7)2
-NHCH2(CHOH)2-CH2OH、
-O-CH2CO2Et、
-NHSO2CH3
-(CH2)m-NH-C(=O)-OR7
-O-(CH2)m-NH-C(=O)-OR7
-(CH2)n-NH-C(=O)-R11
-O-(CH2)m-NH-C(=O)-R11
-O-CH2C(=O)NH2
-CH2NH2
-NHCO2Et、
-OCH2CH2CH2CH2OH、
-CH2NHSO2CH3
-OCH2CH2CHOHCH2OH、
-OCH2CH2NHCO2Et、
-NH-C(=NH2)-NH2
-OCH2-(α-CHOH)2-CH2OH
-OCH2CHOHCH2NH2
【0042】
【化12】

【0043】
-(CH2)m-CHOH-CH2-NHBoc、
-O-(CH2)m-CHOH-CH2-NHBoc、
-(CH2)m-NHC(O)OR7
-O-(CH2)m-NHC(O)OR7
-O-CH2CH2CH2NH2
-OCH2CH2NHCH2(CHOH)2CH2OH、
-OCH2CH2NH(CH2[(CHOH)2CH2OH)]2
-(CH2)4-NHBoc、
-(CH2)4-NH2
-(CH2)4-OH、
-OCH2CH2NHSO2CH3
-O-(CH2)m-C(=NH)-N(R7)2
-(CH2)n-C(=NH)-N(R7)2
-(CH2)3-NH Boc、
-(CH2)3NH2
-O-(CH2)m-NH-NH-C(=NH)-N(R7)2
-(CH2)n-NH-NH-C(=NH)-N(R7)2、または-O-CH2-CHOH-CH2-NH-C(=NH)-N(R7)2;
である。
【0044】
前記の実施形態でのR5の好ましい例には:
-N(SO2CH3)2
-CH2-CHNHBocCO2CH3(α)、
-O-CH2-CHNH2CO2H(α)、
-O-CH2-CHNH2CO2CH3(α)、
-O-(CH2)2-N+(CH3)3
-C(=O)NH-(CH2)2-NH2、および
-C(=O)NH-(CH2)2-NH-C(=NH)-NH2
が含まれる。
【0045】
R5の好ましい例にはさらに:
-N(SO2CH3)2
-CH2-CHNHBocCO2CH3(α)、
-O-CH2-CHNH2CO2H(α)、
-O-CH2-CHNH2CO2CH3(α)、
-O-(CH2)2-N+(CH3)3
-C(=O)NH-(CH2)2NH2
-C(=O)NH-(CH2)2-NH-C(=NH)-NH2
および
【0046】
【化13】

【0047】
が含まれる。
【0048】
本発明はさらに、前記の化合物を含有する薬剤組成物を提供する。
【0049】
本発明はさらに、粘膜表面の水分補給を促進する方法を提供し、これは、
有効量の式(I)により表される化合物を被験者の粘膜表面に投与することを含む。
【0050】
本発明はさらに、粘膜防御を回復させる方法を提供し、これは、
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者の粘膜表面に局所投与することを含む。
【0051】
本発明はさらに、ENaCをブロックする方法を提供し、これは:
ナトリウムチャネルと有効量の式(I)により表される化合物とを接触させることを含む。
【0052】
本発明はさらに、粘膜表面での粘液除去を促進する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物を験者の粘膜表面に局所投与することを含む。
【0053】
本発明はさらに、慢性気管支炎を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0054】
本発明はさらに、のう胞性線維症を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0055】
本発明はさらに、副鼻腔炎を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0056】
本発明はさらに、鼻乾燥を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者の鼻道に投与することを含む。
【0057】
特殊な実施形態では、鼻乾燥は、被験者への乾燥酸素の投与により生じている。
【0058】
本発明はさらに、副鼻腔炎を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0059】
本発明はさらに、肺炎を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0060】
本発明はさらに、人工呼吸器誘発肺炎を予防する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物を、人工呼吸器を伴う被験者に投与することを含む。
【0061】
本発明はさらに、喘息を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0062】
本発明はさらに、一次毛様体ジスキネジアを治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0063】
本発明はさらに、中耳炎を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0064】
本発明はさらに、診断のために痰を誘発する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0065】
本発明はさらに、慢性閉塞性肺疾患を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0066】
本発明はさらに、気腫を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0067】
本発明はさらに、乾燥眼症候群を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者の眼に投与することを含む。
【0068】
本発明はさらに、眼球水分補給を促進する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物を被験者の眼に投与することを含む。
【0069】
本発明はさらに、角膜水分補給を促進する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物を被験者の眼に投与することを含む。
【0070】
本発明はさらに、シェーグレン症候群を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0071】
本発明はさらに、乾燥膣を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者の膣管に投与することを含む。
【0072】
本発明はさらに、乾燥皮膚を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者の皮膚に投与することを含む。
【0073】
本発明はさらに、口内乾燥(口腔乾燥症)を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者の口腔に投与することを含む。
【0074】
本発明はさらに、遠位腸閉塞症候群を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0075】
本発明はさらに、食道炎を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0076】
本発明はさらに、便秘を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。本方法の一実施形態では、化合物を、経口で、もしくは座薬または浣腸を介して投与する。
【0077】
本発明はさらに、慢性憩室炎を治療する方法を提供し、これは:
有効量の式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0078】
本発明はさらに、高血圧症を治療する方法を提供し、これは、式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0079】
本発明はさらに、血圧を低下させる方法を提供し、これは、式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0080】
本発明はさらに、水腫を治療する方法を提供し、これは、式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0081】
本発明はさらに、利尿を促進する方法を提供し、これは、式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0082】
本発明はさらに、ナトリウム利尿を促進する方法を提供し、これは、式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【0083】
本発明はさらに、塩類利尿を促進する方法を提供し、これは、式(I)により表される化合物をその必要のある被験者に投与することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0084】
本発明は、式(I)の化合物は、アミロリド、ベンザミルおよびフェナミルなどの化合物よりも効力があるか、かつ/またはより遅く粘膜表面、特に気道表面から吸収されるか、かつ/またはENaCとの相互作用からの可逆性が低いという発見に基づく。したがって、式(I)の化合物は、これらの化合物よりも長い半減期を粘膜表面において有する。
【0085】
式(I)により表される化合物では、Xは、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、低級アルキル、低級シクロアルキル、非置換または置換フェニル、低級アルキル-チオ、フェニル-低級アルキル-チオ、低級アルキル-スルホニルまたはフェニル-低級アルキル-スルホニルであってよい。ハロゲンが、好ましい。
【0086】
ハロゲンの例には、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が含まれる。塩素および臭素が、好ましいハロゲンである。塩素が特に好ましい。この記載は、本開示を通して使用される「ハロゲン」との用語に当てはまる。
【0087】
本願明細書で使用する場合、「低級アルキル」との用語は、8個未満の炭素原子を有するアルキル基を意味する。この範囲には、炭素原子の具体的な値およびその間のサブレンジの全てが含まれ、例えば、1、2、3、4、5、6および7個の炭素原子である。「アルキル」との用語は、このような基、例えば、直鎖、分枝鎖および環式アルキル基の全てのタイプを包含する。この記載は、本開示を通して使用される「低級アルキル」との用語に当てはまる。適切な低級アルキルの例には、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチルなどが含まれる。
【0088】
フェニル基での置換基には、ハロゲンが含まれる。特に好ましいハロゲン置換基は、塩素および臭素である。
【0089】
Yは、水素、ヒドロキシル、メルカプト、低級アルコキシ、低級アルキル-チオ、ハロゲン、低級アルキル、低級シクロアルキル、単核アリールまたは-N(R2)2であってよい。低級アルコキシ基のアルキル成分は、前記と同様の成分である。単核アリールの例には、フェニル基が含まれる。フェニル基は、前記のように非置換であるか、置換されていてよい。Yの好ましいアイデンティティは、-N(R2)2である。R2がそれぞれ水素である化合物が、特に好ましい。
【0090】
R1は、水素または低級アルキルであってよい。水素が、R1には好ましい。
【0091】
R2はそれぞれ独立に、-R7、-(CH2)m-OR8、-(CH2)m-NR7R10、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2CH2O)m-R8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10、-(CH2)n-Zg-R7、-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2)n-CO2R7または
【0092】
【化14】

【0093】
である。
【0094】
水素および低級アルキル、特にC1〜C3アルキルが、R2に好ましい。水素が特に好ましい。
【0095】
R3およびR4はそれぞれ独立に、水素、式(A)により表される基、低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、フェニル、フェニル-低級アルキル、(ハロフェニル)-低級アルキル、低級-(アルキルフェニルアルキル)、低級(アルコキシフェニル)-低級アルキル、ナフチル-低級アルキルまたはピリジル-低級アルキルであってよいが、但し、R3およびR4の少なくとも一方は、式(A)により表される基である。
【0096】
好ましい化合物は、R3およびR4の一方が水素であり、他方が式(A)により表される化合物である。
【0097】
式(A)中、-(C(RL)2)O-x-(C(RL)2)P-成分は、間構造に結合したアルキレン基を規定している。変数oおよびpはそれぞれ、0から10の整数であってよいが、但し、鎖中のoおよびpの合計が、1から10であることを条件とする。したがって、oおよびpはそれぞれ、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であってよい。好ましくは、oおよびpの合計は、2から6である。特に好ましい実施形態では、oおよびpの合計は、4である。
【0098】
アルキレン鎖中の架橋基xは独立に、O、NR10、C(=O)、CHOH、C(=N-R10)、CHNR7R10であるか、単結合を表す。
【0099】
したがって、xが単結合である場合、環に結合しているアルキレン鎖は、-(C(RL)2)O+p-で表され、ここで、o+pの合計は、1から10である。
【0100】
RLはそれぞれ独立に、-R7、-(CH2)n-OR8、-O-(CH2)m-OR8、-(CH2)n-NR7R10、-O-(CH2)m-NR7R10、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2CH2O)mR8、-O-(CH2CH2O)m-R8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10、-O-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(CH2)n-(Z)g-R7、-O-(CH2)m-(Z)g-R7、-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2)n-CO2R7、-O-(CH2)m-CO2R7、-OSO3H、-O-グルクロニド、-O-グルコース、
【0101】
【化15】

【0102】
であってよい。
【0103】
好ましいRL基には、-H、-OH、-N(R7)2が含まれ、ここで、R7はそれぞれ、水素である。
【0104】
式(A)中のアルキレン鎖中、炭素原子に結合している1個のRL基が水素以外である場合、炭素原子に結合している他のRL基が水素である、即ち-CHRL-であることが好ましい。さらに、アルキレン鎖中で最高2個のRL基が水素以外である場合、鎖中の他のRL基は水素であることが好ましい。さらに好ましくは、アルキレン鎖中1個のみのRL基が水素以外である場合、鎖中の他のRL基は水素である。これらの実施形態では、xは単結合を表すことが好ましい。
【0105】
本発明の他の特別な実施形態では、アルキレン鎖中のRL基が全て水素である。これらの実施形態では、アルキレン鎖は、式:
-(CH2)o-x-(CH2)p-
により表される。
【0106】
R5はそれぞれ独立に、-O-(CH2)m-OR8、-(CH2)n-NR7R10、-O-(CH2)m-NR7R10、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2CH2O)m-R8、-O-(CH2CH2O)m-R8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10、-O-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(CH2)n-(Z)g-R7、-O-(CH2)n-(Z)g-R7、-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)mNR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2)n-CO2R7、-O-(CH2)m-CO2R7、-OSO3H、-O-グルクロニド、-O-グルコース、
【0107】
【化16】

【0108】
であってよい。
【0109】
さらに、R5はそれぞれ独立に、-(CH2)n-NR12R12、-O-(CH2)m-NR12R12、-O-(CH2)n-NR12R12、-O-(CH2)m-(Z)gR12、-(CH2)n-NR11R11、-O-(CH2)mNR11R11、-(CH2)n-N+-(R11)3、-O-(CH2)m-N+-(R11)3、-(CH2)n-(Z)g-(CH2)m-NR10R10、-O-(CH2)m-(Z)g-(CH2)m-NR10R10、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR12R12、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR12R12、-(CH2)n-(C=O)NR12R12、-O-(CH2)m-(C=O)NR12R12、-O-(CH2)m-(CHOR8)mCH2NR10-(Z)g-R10、-(CH2)n-(CHOR8)mCH2-NR10-(Z)g-R10、-(CH2)nNR10-O(CH2)m(CHOR8)nCH2NR10-(Z)g-R10、-O(CH2)m-NR10-(CH2)m-(CHOR8)nCH2NR10-(Z)g-R10、-(Het)-(CH2)m-OR8、-(Het)-(CH2)m-NR7R10、-(Het)-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(Het)-(CH2CH2O)m-R8、-(Het)-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(Het)-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(Het)-(CH2)m-(Z)g-R7、-(Het)-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(Het)-(CH2)m-CO2R7、-(Het)-(CH2)m-NR12R12、-(Het)-(CH2)n-NR12R12、-(Het)-(CH2)m-(Z)gR12、-(Het)-(CH2)mNR11R11、-(Het)-(CH2)m-N+-(R11)3、-(Het)-(CH2)m-(Z)g-(CH2)m-NR10R10、-(Het)-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR12R12、-(Het)-(CH2)m-(C=O)NR12R12、-(Het)-(CH2)m-(CHOR8)mCH2NR10-(Z)g-R10、-(Het)-(CH2)m-NR10-(CH2)m-(CHOR8)nCH2NR10-(Z)g-R10
であってよく、
この際、2個の-CH2OR8が相互に1,2-または1,3-で位置する場合、R8基は結合して、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソラン、
-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8(但し、少なくとも2個の-CH2OR8が相互に隣接して位置すると、R8基は結合して、一置換または二置換1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成する)
-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8(但し、少なくとも2個の-CH2OR8が相互に隣接して位置すると、R8基は結合して、一置換または二置換1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成する)
-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8(但し、少なくとも2個の-CH2OR8が相互に隣接して位置すると、R8基は結合して、一置換または二置換1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成する)
-O-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8(但し、少なくとも2個の-CH2OR8が相互に隣接して位置すると、R8基は結合して、一置換または二置換1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成する)を形成し、
さらに、R5はそれぞれ独立に、Link-(CH2)n-CAP、Link-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CAP、Link-(CH2CH2O)m-CH2-CAP、Link-(CH2CH2O)m-CH2CH2-CAP、Link-(CH2)n-(Z)g-CAP、Link-(CH2)n(Z)g-(CH2)m-CAP、Link-(CH2)n-NR13-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CAP、Link-(CH2)n-(CHOR8)mCH2-NR13-(Z)g-CAP、Link-(CH2)nNR13-(CH2)m(CHOR8)nCH2NR13-(Z)g-CAP、Link-(CH2)m-(Z)g-(CH2)m-CAP、Link-NH-C(=O)-NH-(CH2)m-CAP、Link-(CH2)m-C(=O)NR13-(CH2)m-C(=O)NR10R10、Link-(CH2)m-C(=O)NR13-(CH2)m-CAP、Link-(CH2)m-C(=O)NR11R11、Link-(CH2)m-C(=O)NR12R12、Link-(CH2)n-(Z)g-(CH2)m-(Z)g-CAP、Link-Zg-(CH2)m-Het-(CH2)m-CAPであってよい。
【0110】
Linkはそれぞれ独立に、-O-、-(CH2)n-、-O(CH2)m-、-NR13-C(=O)-NR13、-NR13-C(=O)-(CH2)m-、-C(=O)NR13-(CH2)m、-(CH2)n-Zg-(CH2)n、-S-、-SO-、-SO2-、-SO2NR7-、-SO2NR10-または-Het-であり;
CAPはそれぞれ独立に、チアゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、ヘテロアリール-C(=O)NR13R13、ヘテロアリール-W、-CN、-O-C(=S)NR13R13、-ZgR13、-CR10(ZgR13)(ZgR13)、-C(=O)OAr、-C(=O)NR13Ar、イミダゾリン、テトラゾール、テトラゾールアミド、-SO2NHR13、-SO2NH-C(R13R13)-(Z)g-R13、環式糖またはオリゴ糖、環式アミノ糖またはオリゴ糖、
【0111】
【化17】

【0112】
である。
【0113】
Arはそれぞれ独立に、フェニル、置換フェニルであり、ここで、置換フェニルの置換基は、OH、OCH3、NR13R13、Cl、FおよびCH3またはヘテロアリールからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基である。
【0114】
Wはそれぞれ独立に、チアゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、ヘテロアリール-C(=O)NR13R13、-CN、-O-C(=S)NR13R13、-ZgR13、-CR10(ZgR13)(ZgR13)、-C(=O)OAr、-C(=O)NR13Ar、イミダゾリン、テトラゾール、テトラゾールアミド、-SO2NHR13、-SO2NH-C(R13R13)-(Z)g-R13、環式糖またはオリゴ糖、環式アミノ糖またはオリゴ糖、
【0115】
【化18】

【0116】
である。
【0117】
ヘテロアリールの例には、ピリジル、ピラジル、チナジル、フリル、フルフリル、チエニル、テトラジル、チアゾリジンジオニルおよびイミダゾイル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、キノリル、インドリル、アデニル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジル、1,2,3-トリアジル、1,2,4-トリアジル、1,3,5-トリアジル、シノリル、フタラジル、キナゾリル、キノキサリルまたはプテルジル基が含まれる。
【0118】
前記の基において、2個の-CH2OR8が相互に1,2-または1,3-で位置する場合、R8基は結合して、環式一置換または二置換1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成してもよい。
【0119】
好ましい一実施形態では、-(CH2)n-(Z)g-R7はそれぞれ、前記の構造の範囲内であり、独立に、
-(CH2)n-(C=N)-NH2
-(CH2)n-NH-C(=NH)NH2
-(CH2)n-CONHCH2(CHOH)n-CH2OH、または
-NH-C(=O)-CH2-(CHOH)nCH2OH
である。
【0120】
他の好ましい実施形態では、-O-(CH2)m-(Z)g-R7はそれぞれ、前記の構造の範囲内であり、独立に、
-O-(CH2)M-NH-C(=NH)-N(R7)2、または
-O-(CH2)m-CHNH2-CO2NR7R10
である。
【0121】
他の好ましい実施形態では、R5は、前記の基の範囲内で;
-O-CH2CHOHCH2O-グルクロニド、
-OCH2CHOHCH3
-OCH2CH2NH2
-OCH2CH2NHCO(CH3)3
-CH2CH2OH、
-OCH2CH2OH、
-O-(CH2)m-Boc、
-(CH2)m-Boc、
-OCH2CH2OH、
-OCH2CO2H、
-O-(CH2)m-NH-C(=NH)-N(R7)2
-(CH2)n-NH-C(=NH)-N(R7)2
-NHCH2(CHOH)2-CH2OH、
-OCH2CO2Et、
-NHSO2CH3
-(CH2)m-NH-C(=O)-OR7
-O-(CH2)m-NH-C(=O)-OR7
-(CH2)n-NH-C(=O)-R11
-O-(CH2)m-NH-C(=O)-R11
-O-CH2C(=O)NH2
-CH2NH2
-NHCO2Et、
-OCH2CH2CH2CH2OH、
-CH2NHSO2CH3
-OCH2CH2CHOHCH2OH、
-OCH2CH2NHCO2Et、
-NH-C(=NH2)-NH2
OCH2-(α-CHOH)2-CH2OH
-OCH2CHOHCH2NH2
【0122】
【化19】

【0123】
-(CH2)m-CHOH-CH2-NHBoc、
-O-(CH2)m-CHOH-CH2-NHBoc、
-(CH2)m-NHC(O)OR7
-O-(CH2)m-NHC(O)OR7
-OCH2CH2CH2NH2
-OCH2CH2NHCH2(CHOH)2CH2OH、
-OCH2CH2NH(CH2[(CHOH)2CH2OH])2
-(CH2)4-NHBoc、
-(CH2)4-NH2
-(CH2)4-OH、
-OCH2CH2NHSO2CH3
-O-(CH2)m-C(=NH)-N(R7)2
-(CH2)n-C(=NH)-N(R7)2
-(CH2)3-NH Boc、
-(CH2)3NH2
-O-(CH2)m-NH-NH-C(=NH)-N(R7)2
-(CH2)n-NH-NH-C(=NH)-N(R7)2、または
-O-CH2-CHOH-CH2-NH-C(=NH)-N(R7)2;
であってよい。
【0124】
R6はそれぞれ独立に、-R7、-OR11、-N(R7)2、-(CH2)m-OR8、-O-(CH2)m-OR8、-(CH2)n-NR7R10、-O-(CH2)m-NR7R10、-(CH2)n-(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2CH2O)m-R8、-O-(CH2CH2O)m-R8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10、-O-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(CH2)n-(Z)g-R7、-O-(CH2)m(Z)g-R7、-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2)n-CO2R7、-O-(CH2)m-CO2R7、-OSO3H、-O-グルクロニド、-O-グルコース、
【0125】
【化20】

【0126】
である。
【0127】
加えて、1個または複数のR6基は、前記のR6の幅広い定義に該当するR5基のうちの1個であってもよい。
【0128】
前記で検討したように、R6は、水素であってもよい。したがって、1、2、3、または4個のR6基は、水素以外であってもよい。好ましくは、最高3個のR6基が水素以外である。
【0129】
gはそれぞれ独立に、1から6の整数である。したがって、gはそれぞれ、1、2、3、4、5または6であってよい。
【0130】
mはそれぞれ独立に、1から7の整数である。したがって、gはそれぞれ、1、2、3、4、5、6または7であってよい。
【0131】
nはそれぞれ独立に、0から7の整数である。したがって、nはそれぞれ、0、1、2、3、4、5、6または7であってよい。
【0132】
Qはそれぞれ独立に、-CR6R5、-CR6R6、-NR10、-NR7、-NR5、-S-、-SO-、または-SO2-であり;
環において最高3個のQはヘテロ原子を含み、少なくとも1個のQは-CR5R6またはNR5でなければならない。
【0133】
かくして、間においては1、2、または3個の窒素原子が存在して良い。好ましくは、最高2個のQが窒素原子である。
【0134】
本発明の好ましい実施形態では、Yは-NH2である。
【0135】
他の好ましい実施形態では、R2は水素である。
【0136】
他の好ましい実施形態では、R1は水素である。
【0137】
他の好ましい実施形態では、Xは塩素である。
【0138】
他の好ましい実施形態では、R3は水素である。
【0139】
他の好ましい実施形態では、RLは水素である。
【0140】
他の好ましい実施形態では、oは4である。
【0141】
他の好ましい実施形態では、pは0である。
【0142】
他の好ましい実施形態では、oおよびpの合計は、4である。
【0143】
他の好ましい実施形態では、xは、単結合を表す。
【0144】
他の好ましい実施形態では、R6は、水素である。
【0145】
他の好ましい実施形態では、最高2個のQが窒素原子である。
【0146】
他の好ましい実施形態では、最高1個のQが窒素原子である。
【0147】
他の好ましい実施形態では、Qは一つも窒素原子である。
【0148】
本発明の他の好ましい実施形態では、
Xは、ハロゲンであり;
Yは、-N(R7)2であり;
R1は、水素またはC1〜C3アルキルであり;
R2は、-R7、-OR7、CH2O7または-CO2R7であり;
R3は、式(A)により表される基であり;
R4は、水素、式(A)により表される基または低級アルキルである。
【0149】
本発明の他の好ましい実施形態では:
Xは、クロロまたはブロモであり;
Yは、-N(R7)2であり;
R2は、水素またはC1〜C3アルキルであり;
最高3個のR6は、前記のように水素以外であり;
最高3個のRLは、前記のように水素以外であり;及び
最高2個のQが窒素原子である。
【0150】
本発明の他の好ましい実施形態では:
Yは、-NH2である。
【0151】
本発明の他の好ましい実施形態では:
R4は、水素であり;
最高1個のRLは、前記のように水素以外であり;
最高2個のR6は、前記のように水素以外であり;及び
最高1個のQが窒素原子である。
【0152】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0153】
【化21】

【0154】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0155】
【化22】

【0156】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0157】
【化23】

【0158】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0159】
【化24】

【0160】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0161】
【化25】

【0162】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0163】
【化26】

【0164】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0165】
【化27】

【0166】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0167】
【化28】

【0168】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0169】
【化29】

【0170】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0171】
【化30】

【0172】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0173】
【化31】

【0174】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0175】
【化32】

【0176】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0177】
【化33】

【0178】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0179】
【化34】

【0180】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0181】
【化35】

【0182】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0183】
【化36】

【0184】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0185】
【化37】

【0186】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0187】
【化38】

【0188】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0189】
【化39】

【0190】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0191】
【化40】

【0192】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0193】
【化41】

【0194】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0195】
【化42】

【0196】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0197】
【化43】

【0198】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0199】
【化44】

【0200】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0201】
【化45】

【0202】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0203】
【化46】

【0204】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0205】
【化47】

【0206】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0207】
【化48】

【0208】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0209】
【化49】

【0210】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0211】
【化50】

【0212】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0213】
【化51】

【0214】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0215】
【化52】

【0216】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0217】
【化53】

【0218】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0219】
【化54】

【0220】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0221】
【化55】

【0222】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0223】
【化56】

【0224】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0225】
【化57】

【0226】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0227】
【化58】

【0228】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0229】
【化59】

【0230】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0231】
【化60】

【0232】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0233】
【化61】

【0234】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0235】
【化62】

【0236】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0237】
【化63】

【0238】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0239】
【化64】

【0240】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0241】
【化65】

【0242】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0243】
【化66】

【0244】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0245】
【化67】

【0246】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0247】
【化68】

【0248】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0249】
【化69】

【0250】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0251】
【化70】

【0252】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0253】
【化71】

【0254】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0255】
【化72】

【0256】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0257】
【化73】

【0258】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0259】
【化74】

【0260】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0261】
【化75】

【0262】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0263】
【化76】

【0264】
本発明の他の好ましい実施形態では、式(1)の化合物は、下式により表される:
【0265】
【化77】

【0266】
式(I)の化合物は、遊離塩基として調製および使用することができる。もしくは、化合物を薬学的に許容できる塩として調製および使用することができる。薬学的に許容できる塩は、親化合物の望ましい生体活性をとどめているか、増強し、望ましくない毒性作用を加えない塩である。このような塩の例は、(a)無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸などと形成される酸付加塩;(b)有機酸、例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パルミチン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ポリガラクツロン酸、マロン酸、スルホサリチル酸、グリコール酸、2-ヒドロキシ-3-ナフトエート、パモエート、サリチル酸、ステアリン酸、フタル酸、マンデル酸、乳酸などと形成される塩;および(c)元素アニオン、例えば、塩素、臭素およびヨウ素から形成される塩である。
【0267】
式(I)の範囲内にある化合物の全ての鏡像異性体、ジアステレオ異性体およびラセミ化合物が、本発明に包含されることを特記する。このような鏡像異性体およびジアステレオ異性体の全ての混合物が、本発明の範囲内である。
【0268】
特定の理論に限定されることはないが、式(I)の化合物はin vivoで、ナトリウムチャネルブロッカーとして作用すると考えられる。粘膜表面に存在する上皮ナトリウムチャネルをブロックすることにより、式(I)の化合物は、粘膜表面による水の吸収を低減する。この作用により、粘膜表面上の保護液の容量が高まり、システムが再バランスされて、疾患が治療される。
【0269】
さらに本発明は、前記で検討した式(I)の化合物の特性を利用する治療法を提供する。したがって、本発明の方法により治療可能な被験者には、これらに限られないが、のう胞性線維症、一次毛様体ジスキネジア、慢性気管支炎、慢性閉塞性気道疾患、人工呼吸器を伴う患者、急性肺炎を伴う患者などが含まれる。活性化合物を患者の少なくとも一方の肺に投与し、次いで、その患者からの痰を誘発するか採取することにより、本発明を使用して、患者から痰試料を得ることができる。通常、本発明を、エアロゾル(液体または乾燥粉末)または洗浄を介して呼吸粘膜表面に投与する。
【0270】
本発明の方法により治療可能な被験者にはさらに、補助酸素を鼻から投与されている患者(気道表面を乾燥させる傾向のあるレジーム);鼻気道表面を冒すアレルギー疾患または応答を患っている患者(例えば、花粉、埃、獣毛または粒子、昆虫または昆虫粒子などに対するアレルギー応答);鼻気道表面の細菌感染、例えば、スタヒロコッカス アウレウス感染などのスタヒロコッカス感染、ヘモフィルスインフルエンザ感染、ストレプトコッカス ニューモニエ感染、シュードモナス アエルギノーザ感染などを患っている患者;鼻気道表面を冒す炎症性疾患を患っている患者;または副鼻腔炎を患っている患者(ここで、副鼻腔にうっ滞している液体の排出を促進するために有効な量を投与することにより、副鼻腔にうっ滞している粘液分泌の排出を促進するために、1種または複数の活性剤を投与する)、または複合鼻副鼻腔炎が含まれる。本発明は、エアロゾルおよびドロップを含む局所輸送により、副鼻腔表面に投与することができる。
【0271】
本発明を、気道表面以外の粘膜表面に水分補給するために使用することもできる。このような他の粘膜表面には、胃腸表面、口腔表面、生殖-尿道表面、眼球表面または眼の表面、内耳および中耳が含まれる。例えば、本発明の活性化合物を、局所、経口または直腸を含む適切な手段により有効量で投与することができる。
【0272】
本発明の化合物はさらに、心血管系に関する様々な機能を治療するために使用することができる。したがって、本発明の化合物は、抗高血圧剤として使用することができる。さらに化合物を使用して、血圧を低下させ、水腫を治療することができる。加えて、本発明の化合物はさらに、利尿、ナトリウム利尿および塩利尿を促進するために使用することができる。化合物を単独で使用することもできるし、高血圧、うっ血性心疾患を治療し、心血管脂肪を減らすためのベータブロッカー、ACE阻害剤、HMGCoA、レダクターゼ阻害剤、カルシウムチャネルブロッカーおよび他の心血管薬と組み合わせて使用することもできる。
【0273】
本発明の化合物はさらに、空気感染を治療するために使用することもできる。空気感染の例には、例えば、RSVが含まれる。本発明の化合物はさらに、炭疽菌感染を治療するために使用することもできる。
【0274】
本発明は主に、ヒト被験者の治療に関するが、これはさらに、イヌおよびネコなどのほ乳類被験者を獣医学的目的で治療するために使用することができる。
【0275】
前記で検討したように、本発明の組成物を調製するために使用される化合物は、薬学的に許容できる遊離塩基の形態であってもよい。化合物の遊離塩基は通常、その塩よりも水溶液に溶けにくいので、遊離塩基組成物を使用して、肺への活性薬剤のより長い持続放出をもたらすことができる。溶液に溶解していない粒子形態で肺に存在する活性薬剤は、生理学的応答をもたらすことはないが、溶液に徐々に溶解する生物学的に利用可能なデポーとして役立つ。
【0276】
本発明の別の態様は、薬学的に許容できる担体(例えば、水性担体溶液)中に式(I)の化合物を含有する薬剤組成物である。通常、式(I)の化合物は、粘膜表面による水の再吸収を阻害するために有効な量で組成物中に含まれている。
【0277】
本発明の化合物は、P2Y2受容体アゴニストまたはその薬学的に許容できる塩(場合によっては、「活性薬剤」とも称される)と共に使用することもできる。組成物はさらに、P2Y2受容体アゴニストまたはその薬学的に許容できる塩(場合によっては、「活性薬剤」とも称される)を含有してもよい。P2Y2受容体アゴニストは通常、気道表面、特に、鼻気道表面による塩化物および水分泌を刺激するために有効な量で含まれる。適切なP2Y2受容体アゴニストは、それぞれ参照により本願明細書に援用される米国特許第6264975号明細書、米国特許第5656256号明細書および米国特許第5292498号明細書の9から10欄に記載されている。
【0278】
気管支拡張薬を、本発明の化合物と組み合わせて使用することもできる。これらの気管支拡張薬には、これらに限られないが、エピネフリン、イソプロテレノール、フェノテロール、アルブテレオール(albutereol)、テルブタリン、ピルブテロール、ビトルテロール、メタプロテレノール、イオセタリン(iosetharine)、キシナホ酸サルメテロールを含むβ-アドレナリンアゴニスト、さらにこれらに限られないが、臭化イプラトロピウムを含む抗コリン作動薬、さらにテオフィリンおよびアミノフィリンなどの化合物が、これらに限られないが含まれる。これらの化合物を、既知の技術に従い、本願明細書に記載の活性化合物の前、またはそれと同時に投与することができる。
【0279】
本発明の他の態様は、薬学的に許容できる担体(例えば水性担体溶液)中に前記の活性化合物を含有する薬剤処方物である。通常、活性化合物は、気道および他の表面を含む粘膜表面により水が再吸収されることを阻害するなど、粘膜表面を治療するために有効な量で組成物中に含まれる。
【0280】
本願明細書に開示されている活性化合物は、局所、経口、直腸、経膣、眼および皮膚を含む適切な手段により、粘膜表面に投与することができる。例えば、便秘を治療するためには、活性化合物を経口または直腸により、胃腸粘膜表面に投与することができる。活性化合物を、無菌生理学的または希釈食塩水または局所溶液として、経口投与では液滴、錠剤などとして、直腸または生殖-尿路投与では座薬としてなどの適切な形態で、薬学的に許容できる担体と組み合わせることができる。所望のように活性化合物の可溶性を増強するために、付形剤が処方物中に含まれていてもよい。
【0281】
本願明細書に開示されている活性化合物は、生理学的または希釈食塩水溶液または蒸留水などの薬学的に許容できる担体中の活性化合物のスプレー、ミストまたは液滴を含む何らかの適切な手段により、患者の気道表面に投与することができる。例えば、活性化合物を処方物として調製し、そのまま本願明細書に援用されるJacobusに付与された米国特許第5789391号明細書に記載されているように投与することができる。
【0282】
本発明を実行するために調製された固体または液体粒子活性剤は、前記のように、吸入可能か、吸入不可能なサイズを含む;即ち、吸入可能な粒子では、粒子のサイズは、吸入すると、口および喉頭を通過して、気管支および肺の気胞に至るほど十分に小さく、吸入不可能な粒子では、粒子は、喉頭を通過して、気管支および肺の気胞に至るよりもむしろ、鼻気道に留まるほど十分に大きい。通常、約1から5ミクロンのサイズ範囲(好ましくは約4.7ミクロンのサイズ)の粒子が、吸入可能である。吸入不可能なサイズの粒子は、約5ミクロンよりも大きく、可視液滴のサイズまでである。したがって、鼻投与では、10〜500μmの範囲の粒子サイズを使用して、鼻腔での滞留を保証する。
【0283】
本発明による処方物を製造する際には、活性剤もしくはその生理学的に許容できる塩また遊離塩基を通常、特には許容可能な担体と混合する。もちろん、担体は、処方物中の他の成分と相容性でなければならず、患者に有害であってはならない。担体は、固体または液体であるか、その両方でなければならず、好ましくは、活性化合物0.5重量%から99重量%を含有してもよい単位容量処方物として、例えば、カプセルとして化合物と共に処方される。1種または複数の活性化合物を、本発明の処方物中に導入することができるが、この処方物は、主に成分を混合することからなる薬学のよく知られている技術により調製することができる。
【0284】
乳鉢および乳棒を用いて乾燥活性剤を粉砕し、次いで、微粉化組成物を400メッシュスクリーンに通して、大きな凝集物を壊すか、分離することにより、微粉化活性剤の吸入可能または吸入不可能な乾燥粒子を含有する組成物を調製することができる。
【0285】
粒子状の活性薬剤組成物は場合によって、エアロゾルの処方を容易にするために役立つ分散剤を含有してもよい。適切な分散剤は、ラクトースであり、これは、活性剤に適切な比(例えば、1:1重量比)でブレンドすることができる。
【0286】
本願明細書に開示されている活性化合物は、鼻液滴、ミストなどの当技術分野で知られている適切な手段により、患者の鼻道、副鼻腔および肺を含む気道表面に投与することができる。本発明の一実施形態では、本発明の活性化合物を、経気管支スコープ洗浄(transbronchoscopic lavage)により投与する。本発明の好ましい一実施形態では、被験者が吸入する活性化合物を含有する吸入可能な粒子のエアロゾル懸濁物を投与することにより、本発明の活性化合物を、肺気道表面に堆積させる。吸入可能な粒子は、液体または固体であってよい。被験者の肺にエアロゾル粒子を投与するための数多くの吸入器が知られている。
【0287】
これらに限られないが、本願明細書に参照により援用される米国特許第5740794号明細書;米国特許第5654007号明細書、米国特許第5458135号明細書、米国特許第5775320号明細書および米国特許第5785049号明細書に開示されているものを含む、Inhale Therapeutic Systems,Palo Alto(米国カリフォルニア)により開発されたものなどの吸入器を使用することができる。本出願人は特に、本願明細書で挙げられている全ての特許参考文献の開示は、そのまま本願明細書に参照により援用されることを意図している。これらに限られないが、本願明細書に参照により援用される米国特許第5622166号明細書;米国特許第5577497号明細書、米国特許第5645051号明細書および米国特許第5492112号明細書に開示されているものを含む、Dura Pharmaceuticals,Inc.(米国カリフォルニア、サンディエゴ)により開発されたものなどの吸入器も使用することができる。加えて、これらに限られないが、本願明細書に参照により援用される米国特許第5826570号明細書;米国特許第5813397号明細書、米国特許第5819726号明細書および米国特許第5655516号明細書に開示されているものを含む、Aradigm Corp.(米国カリフォルニア、ヘイワード)により開発されたものなどの吸入器も使用することができる。これらの装置は、乾燥粒子吸入器として特に適している。
【0288】
活性化合物を含有する液体粒子のエアロゾルは、圧力推進エアロゾル噴霧器または超音波噴霧器を用いるなどの適切な手段により生じさせることができる。例えば、本願明細書に参照により援用される米国特許第4501729号明細書参照。噴霧器は、市販されている装置であり、これは、狭いベンチュリ開口部を介して圧縮ガス、通常は空気または酸素を推進する手段により、または超音波攪拌の手段により、活性成分の溶液または懸濁液を治療エアロゾルミストに変える。噴霧器中で使用するために適している処方物は、液体担体中の活性成分からなり、活性成分は、処方物の40%w/wまで、好ましくは、20%w/w未満を占めている。担体は通常、水(さらに好ましくは無菌の発熱物質不含水)または希釈アルコール水溶液である。過フルオロカーボン担体を使用することもできる。処方物が無菌で製造されていない場合、付加的な添加剤には、防腐剤、例えば、ヒドロキシ安息香酸メチル、抗酸化剤、着香剤、揮発性オイル、緩衝剤および界面活性剤が含まれる。
【0289】
活性化合物を含む固体粒子のエアロゾルも、固体粒子状医薬品エアロゾル発生器を用いて生じさせることができる。被験者に固体粒子医薬品を投与するためのエアロゾル発生器は、前記で説明したような吸入可能な粒子をもたらし、予め決定された医薬品測定用量の量をヒトに投与するために適した速度で生じさせる。固体粒子状エアロゾル発生器のタイプの1例は、注入器である。注入により投与するために適した処方物には、微粉際された粉末が含まれ、これは、注入により輸送することできるか、嗅剤の要領で鼻腔に摂取することができる。注入器では、粉末(例えば、前記の治療を実施するために有効な測定用量)は、通常はゼラチンまたはプラスチック製のカプセルまたはカートリッジに含まれ、これはその場で、孔を空けられるか、開封されて、粉末は、吸入の際に装置を介して引き込まれた空気により、または手動で操作されるポンプにより輸送される。吸入器で使用される粉末は、活性成分のみもしくは活性成分、ラクトースなどの適切な粉末希釈剤および付加的な界面活性剤を含む粉末ブレンドからなる。活性成分は通常、処方物0.1から100%w/wを占める。エアロゾル発生器の第2のタイプの例は、測定用量吸入器を含む。測定用量吸入器は、加圧エアロゾルディスペンサーであり、これは通常、液化推進剤中に活性成分の懸濁液または溶液処方物を含む。使用の間、これらの装置は、測定された容量、通常は10から150μlを輸送するように調節したバルブを介して処方物を排出して、活性成分を含む微粒子スプレーをもたらす。適切な推進剤には、一定のクロロフルオロ炭素化合物、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンおよびこれらの混合物が含まれる。処方物は加えて、1種または複数の補助溶剤、例えば、エタノール、オレイン酸またはトリオレイン酸ソルビタンなどの界面活性剤、抗酸化剤および適切な着香剤を含有してもよい。
【0290】
固体または液体粒子が生じるかどうかに関わらず、エアロゾル発生器により、1分当たり約10から150リットル、好ましくは1分当たり30から150リットル、さらに好ましくは1分当たり約60リットルの速度で、エアロゾルを生じさせることができる。より大量の医薬品を含有するエアロゾルをより迅速に投与することもできる。
【0291】
本願明細書に開示されている活性化合物の用量は、治療される症状および被験者の状態に左右されるが、通常は、気道表面に堆積する医薬品約0.01、0.03、0.05、0.1から1、5、10または20mgであってよい。1日用量を、1回または複数回単位用量投与に分けることもできる。目的は、肺気道表面での薬剤濃度10-9〜104Mを達成することである。
【0292】
他の実施形態では、鼻を介して被験者が吸入する活性化合物を含む吸入可能または吸入不可能な粒子(好ましくは吸入不可能な粒子)のエアロゾル懸濁液を投与することにより、これらを投与する。吸入可能または吸入不可能な粒子は、液体または固体であってよい。含まれる活性剤の量は、被験者の気道表面での活性剤の溶解濃度約10-9、10-8または10-7から約10-3、10-2、10-1モル/リットル、さらに好ましくは、約10-9から約10-4モル/リットルを達成するために十分な量であってよい。
【0293】
活性化合物の用量は、治療される症状および患者の状態に応じて変動するが、通常、被験者の鼻道表面での活性化合物の溶解濃度約10-9、10-8または10-7から約10-3、10-2、10-1モル/リットル、さらに好ましくは、約10-7から約10-4モル/リットルを達成するために十分な量であってよい。投与される活性化合物の特定の処方物の可溶性に応じて、1日用量を1回または複数回単位用量投与に分けることができる。重量による1日用量は、被験者の年齢および症状に応じて、ヒト被験者では、活性剤粒子約0.01、0.03、0.1、0.5または1.0から10または20ミリグラムの範囲であってよい。現在好ましい単位用量は、1日当たり2から10回投与のレジームで投与される活性剤約0.5ミリグラムである。用量を、適切な手段により予めパッケージングされた単位として提供することができる(例えば、ゼラチンカプセルに封入)。
【0294】
本発明の一実施形態では、鼻の粘液分泌物に溶解する活性剤の早期放出および持続放出の両方をもたらすように、微粒子活性剤組成物は、活性剤の遊離塩基および薬学的に許容できる塩の両方を含有してもよい。このような組成物は、早期放出と一定期間にわたる持続放出の両方を患者に与えるために役立つ。必要とされる1日投与の回数を減らすことにより、持続放出は、活性剤治療の経過に対する患者の順応を高めることが期待される。
【0295】
気道投与に適した薬剤処方物には、溶液、エマルション、懸濁液および抽出物の処方物が含まれる。一般的には、参照により本願明細書に援用されるJ.Nairn, Solutions, Emulsions, Suspensions and Extracts, in Remington: The Science and Practice of Pharmacy, chap.86(19thed.1995)参照。その開示がそのまま参照により本願明細書に援用されるSchorに付与された米国特許第4389393号明細書;Illumに付与された米国特許第5707644号明細書;スズキに付与された米国特許第4294829号明細書;およびスズキに付与された米国特許第4835142号明細書に記載されているように、鼻投与に適した薬剤処方物を調製することができる。
【0296】
無菌生理食塩水または無菌水などの薬学的に許容できる水性担体中の活性薬剤を伴う単純な鼻スプレーなどによる何らかの適切な手段により、活性化合物を含有する液体粒子のミストまたはエアロゾルを生じさせることができる。投与は、圧力推進エアロゾル噴霧器または超音波噴霧器を用いて行うことができる。例えば、両方とも参照により本願明細書に援用される米国特許第4501729号明細書および米国特許第5656256号明細書参照。鼻液滴またはスプレーボトルまたは噴霧器中で使用するために適した処方物は、液体担体中の活性成分からなり、この際、活性成分は、処方物の40%w/wまで、好ましくは、20%w/w未満を占めている。担体は通常、水(さらに好ましくは無菌の発熱物質不含水)または希釈アルコール水溶液であり、好ましくは、塩化ナトリウムの0.12%から0.8%溶液中で製造する。付加的な添加物には、処方物が無菌で製造されていなければ、防腐剤、例えば、ヒドロキシ安息香酸メチル、抗酸化剤、着香剤、揮発油、緩衝剤、浸透活性剤(例えばマンニトール、キシリトール、エリトリトール)および界面活性剤が含まれる。
【0297】
乳鉢および乳棒を用いて乾燥活性剤を粉砕し、次いで、微粉化組成物を400メッシュスクリーンに通して、大きな凝集物を壊すか、分離することにより、微粉化活性剤の吸入可能か吸入不可能な乾燥粒子を含有する組成物を調製することができる。
【0298】
粒子状の組成物は場合によって、エアロゾルの処方を容易にするために役立つ分散剤を含有してもよい。適切な分散剤は、ラクトースであり、これは、活性剤に適切な比(例えば、1:1重量比)でブレンドすることができる。
【0299】
式(I)の化合物を、当技術分野で知られている手順に従い合成することができる。合成手順の例を、下記のスキームに示す:
【0300】
【化78】

【0301】
これらの手順は、例えば、参照により本願明細書に援用されるE. J. Cragoe, "The Synthesis of Amiloride and Its Analogs"(Chapter 3) in Amiloride and Its Analogs, PP. 25-36に記載されている。化合物を調製する他の方法は、例えば、参照により本願明細書に援用される米国特許第3313813号明細書に記載されている。特に、米国特許第3313813号明細書に記載されている方法A、B、CおよびD参照。これらの化合物を調製するために、特に、新規のHNR3R4断片を調製するために役立つ他の方法は、例えば、参照により本願明細書に援用される米国特許第229929号明細書、米国特許第233377号明細書および米国特許第234105号明細書に記載されている。スキーム1〜4は、これらに限られないが、本願明細書に記載のナトリウムチャネルブロッカーを調製するために使用される手順の例である。
【0302】
【化79】

【0303】
【化80】

【0304】
【化81】

【0305】
【化82】

【0306】
いくつかのアッセイを使用して、本発明の化合物を同定することができる。アッセイの例を、下記で検討する。
【0307】
ナトリウムチャネルブロック活性および可逆性のin vitro測定
本発明の化合物の作用機序および/または効力を評価するために使用される1アッセイは、ウッシング室中に設置した気道上皮単分子膜を使用して、短絡電流(Isc)下に測定される気道上皮ナトリウム電流のルーメン薬物阻害を測定することを含む。新たに切除されたヒト、イヌ、ヒツジまたは齧歯類の気道から得られた細胞を、多孔性0.4ミクロンSnapwell(商標)Inserts(CoStar)に播種し、気相液相界面(ALI)条件でホルモン的に規定された培地中で培養し、ナトリウム輸送活性(Isc)に関してアッセイするが、その間、ウッシング室中でKrebs Bicarbonate Ringer(KBR)に浸した。全ての試験薬物を、半ログ用量添加プロトコルでルーメン浴に加え(1×10-11から3×10-5M)、Iscの累積変化(阻害)を記録した。全ての薬物を、ジメチルスルホキシド中で、1×10-2Mの濃度のストック溶液として調製し、-20℃で貯蔵した。8種の製剤を通常は平行して処理するが、1回の処理当たり2種の製剤が陽性対照としてアミロイドおよび/またはベンザミルを含む。最大濃度(5×10-5M)を投与した後に、ルーメン浴を新鮮な薬物不含KBR溶液と交換し、生じるIscを、それぞれの洗浄の後にほぼ5分間にわたって測定した。3回の洗浄の後に、ナトリウム電流に関する基線値まで回復するパーセントとして、可逆性を定義する。電圧固定からの全てのデータを、コンピューターインターフェースを介して集め、オフラインで分析した。
【0308】
全ての化合物に関する用量-効果関係を熟考し、Prism 3.0プログラムにより分析する。IC50値、最大効果濃度および可逆性を算出し、陽性対照としてのアミロリドおよびベンザミルに比較する。
【0309】
吸収の薬理学的アッセイ
(1) 先端消失アッセイ
気管支細胞(イヌ、ヒト、ヒツジまたは齧歯類細胞)を、1.13cm2の成長面積を伴う多孔性Transwell-Colコラーゲンコーティング膜に0.25×106/cm2の密度で播種し、気相液相界面で、分極上皮を促進するホルモン的に規定された培地中で成長させた。気相液相界面(ALI)を展開させた12から20日後に、培養は、>90%線毛を有すると期待され、ムチンが細胞に蓄積する。一次気道上皮細胞製剤の完全性を保証するために、培養の分極性質に関する完全性の指標である経上皮抵抗(Rt)および経上皮電位差(PD)を測定する。先端表面からの吸収速度を研究するためには、ヒト細胞系が好ましい。in vivoでの「薄」膜(〜25μl)を模倣する条件下に、消失アッセイを行い、実験用ナトリウムチャネルブロッカーまたは陽性対照(アミロリド、ベンザミル、フェナミル)を先端表面に、当初濃度10μMで加えることにより開始する。0、5、20、40、90および240分を含む様々な時点で、一連の試料(1試料当たり5μl容量)を集める。Fluorocount Microplate FlourometerまたはHPLCを使用して、各ナトリウムチャネルブロッカーの固有蛍光を測定することにより、濃度を測定する。定量分析では、既知の濃度および純度を有する確実な参照基準物質から生じた標準曲線を使用する。非線形回帰、一相指数関数的減衰を使用して、消失速度のデータ分析を行う(Prism V 3.0)。
【0310】
2. アミロリド同族体摂取の共焦点顕微鏡アッセイ
ほぼ全てのアミロリド様分子は、紫外線範囲で蛍光を発する。x-z共焦点顕微鏡を使用することにより、これらの分子のこの特性を使用して、細胞摂取を直接測定することができる。実験化合物ならびにアミロリドおよび細胞室への迅速な摂取を示す化合物(ベンザミルおよびフェナミル)を含む陽性対照の当モル濃度を、共焦点顕微鏡のステージ上に位置する気道培養の先端表面に置く。時間と共に、一連のx-zイメージを得て、細胞室に蓄積した蛍光の程度を定量し、時間に対する蛍光の変化としてプロットする。
【0311】
3. 化合物代謝のin vitroアッセイ
気道上皮細胞は、経上皮吸収のプロセスの間に薬物を代謝する能力を有する。さらに、あまり確実ではないが、特殊な細胞外酵素活性により、薬物は気道上皮表面で代謝されうる。細胞外表面事象として、おそらくより確実には、肺疾患、例えばのう胞性線維症を伴う患者の気道ルーメンを占める感染分泌物により、化合物は代謝されうる。したがって、一連のアッセイを行って、試験化合物とヒト気道上皮および/またはヒト気道上皮ルーメン産物との相互作用から生じる化合物代謝を同定する。
【0312】
アッセイの第1のシリーズでは、「ASL」刺激剤としてのKBR中の試験化合物の相互作用を、T-Col挿入系で成長させたヒト気道上皮細胞の先端表面に施与した。大抵の化合物では、化学種を解明するための高速液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびに試験化合物および新規代謝産物の相対量を推定するためのこれらの化合物の内生蛍光特性を使用することにより、代謝(新規の種の発生)を試験した。通常のアッセイでは、試験溶液(試験化合物10μMを含有するKBR25μl)を、上皮ルーメン表面に施与する。(1)ルーメンから漿膜浴へと透過する試験化合物の量および(2)親化合物からの代謝産物の生じうる形成をHPLC分析するために、ルーメンおよび漿膜室から連続する試料5から10μlを得る。試験化合物の蛍光特性が、このような同定に適していない場合には、これらのアッセイのために、放射線標識された化合物を使用する。HPLCデータから、ルーメン表面での新規代謝産物化合物の消失および/または形成ならびに基底外側溶液への試験化合物および/または新規代謝産物の出現の速度を定量する。親化合物を参照しつつ、あり得る新規代謝産物のクロマトグラフ移動性に関するデータも定量する。
【0313】
CF痰により起こりうる試験化合物の代謝を分析するために、10人のCF患者から得られた吐き出されたCF痰の混合物「例」(IRB承認下)を集めた。激しいボルテックス処理により、痰を、KBR溶液の1:5混合物に溶かし、次いでこの混合物を、「元の(neat)」の痰アリコットに分け、アリコットを超遠心分離に掛けて、「上澄み」アリコットを得た(元=細胞;上澄み=液相)。CF痰による化合物代謝の通常の研究は、既知の量の試験化合物を「元の」CF痰に加え、CF痰「上澄み」のアリコットを37℃でインキュベーションし、次いで、前記のようにHPLC分析により化合物安定性/代謝を同定するために、各痰タイプからのアリコットを連続的にサンプリングすることを必要とする。次いで前記のように、化合物消失、新規代謝産物の形成速度および新規代謝産物のHPLC移動性の分析を行う。
【0314】
4. 動物での薬物の薬理学的作用および作用機序
参照により本願明細書に援用されるSabater et al., Journal of Applied Physiology, 1999, pp. 2191-2196に記載されているin vivoモデルを使用して、粘液線毛除去(MCC)を増強する化合物の作用を測定することができる。
【0315】
方法
動物の準備: 成体雌ヒツジ(体重25から35kg)を、変形ショッピングカートに合わせた特殊なボディハーネスに直立姿勢で拘束した。動物の頭を固定し、鼻道の局所麻酔を2%リドカインを用いて誘発した。次いで、動物に、内径7.5mmの気管内挿入管(ETT)を鼻から挿管した。ETTの先端部(cuff)を声帯の真下に設置し、その位置を柔軟な気管支鏡で確かめた。挿管の後に、動物を、粘液線毛クリアランスの測定を開始する前の約20分間、平衡化させた。
【0316】
放射エアロゾルの投与: 中央空気動力学的直径3.6μmを有する液滴を生じるRaidrop Nebulizerを使用して、99mTc-ヒト血清アルブミン(3.1mg/ml;約20mCi含有)のエアロゾルを生じさせた。この噴霧器を、ソレノイドバルブおよび圧縮空気(20psi)の源からなる用量測定系に接続した。噴霧器の出口は、プラスチック製Tコネクターに直結しており;その一方の末端は、気管内チューブに接続しており、他方は、ピストン呼吸装置に接続している。呼吸装置の吸気サイクルの開始時に1秒間、この系は活性化された。呼吸装置を1回呼吸気量500mL、吸気-呼気比1:1および1分当たり呼吸20回の速度に設定して、中央気道堆積を最大化した。ヒツジは、放射能標識されたエアロゾルを5分間呼吸した。ガンマカメラを使用して、気道からの99mTc-ヒト血清アルブミンの除去を測定した。カートに支持されている自然な直立姿勢のヒツジで、カメラを、動物の背中の上に設置して、画像フィールドを動物の脊髄に対して直角にした。外部放射能標識されたマーカーをヒツジに設置して、ガンマカメラ下での正確な配置を保証した。全ての画像をガンマカメラに集積されているコンピュータに保存した。該当領域を、ヒツジの右肺に対応する画像でトレーシングし、カウントを記録した。減衰に関してカウントを補正し、当初基線画像に存在する放射能に対するパーセンテージとして表した。左肺は、分析から除外した。それというのも、その輪郭は、胃の上に重なっており、カウントが嚥下されて、放射能標識された粘液として胃に入ることがあるためである。
【0317】
処理プロトコル(t-0での活性評価): 基線堆積画像を放射能エアロゾル投与の直後に得た。0時点では、基線画像を得た後に、ビヒクル対照(蒸留水)、陽性対照(アミロリド)または実験用化合物を4ml容量から、Pari LC JetPlus噴霧器を使用して自由呼吸動物へとエアロゾル投与した。1分当たり8リットルの流速を伴う圧縮空気を用いて、噴霧器を作動させた。溶液を輸送する時間は、10から12分であった。全用量を輸送した直後に、動物を抜管して、ETTから過剰の放射能トレーサーを吸引することにより生じるカウントの謝った上昇を防いだ。肺の連続画像を投与の後の最初の2時間は15分間隔で、投与後のそれに続く6時間は1時間ごとに、全部で8時間の観察期間にわたって得た。少なくとも7日間の洗い出し期間を隔てて、別の実験薬剤での投与期間を設けた。
【0318】
処理プロトコル(t-4時間での活性評価): 標準プロトコルの次のバリエーションを使用して、ビヒクル対照(蒸留水)、陽性対照化合物(アミロリドまたはベンザミル)または発明の薬剤に1回暴露した後の応答期間を評価した。0時点で、ビヒクル対照(蒸留水)、陽性対照(アミロリド)または発明の化合物を4ml容量から、Pari LC JetPlus噴霧器を使用して自由呼吸動物へとエアロゾル投与した。1分当たり8リットルの流速を伴う圧縮空気を用いて、噴霧器を作動させた。溶液を輸送する時間は、10から12分であった。動物を、特殊なボディハーネスに直立姿勢で4時間拘束した。4時間の終了時に、動物に、Raindrop Nebulizerからの1回容量のエアロゾル化99mTc-ヒト血清アルブミン(3.1mg/ml;約20mCi含有)を投与した。全用量の放射能トレーサーを輸送した直後に、動物を抜管した。放射能エアロゾル投与の直後に、基線堆積画像を得た。肺の連続画像を、放射能トレーサーの投与の後の最初の2時間(薬物投与の4から6時間後を表す)は15分間隔で、投与後のそれに続く2時間は1時間ごとに、全部で4時間の観察期間にわたって得た。少なくとも7日間の洗い出し期間を隔てて、別の実験薬剤での投与期間を設けた。
【0319】
統計: SYSTAT for Windows(登録商標), version5を使用して、データを分析した。2元繰り返しANOVA(全体作用を評価するため)を使用して、データを分析し、続いて、対t検定を行い、特定の対での差異を同定した。Pが0.05以下である場合に、有意性が認められた。平均MCC曲線でのスロープ値(t-0評価での投与後当初45分間に集められたデータから算出)を、線状最小二乗回帰を使用して算出して、迅速な除去相での当初速度の差異を評価した。前記のin vitroアッセイを使用して、化合物をさらに、イヌ気管支上皮での効力に関して試験することができる。本発明の化合物での結果を、アミロリドに対する増倍値として報告する。
【0320】
(実施例)
本発明を一般的に記載したが、特に記載のない限り、本発明を制限することを意図せず、詳述のためだけに示される一定の具体的な実施例を参照することにより、さらなる理解が得られる。
【0321】
ナトリウムチャネルブロッカーの調製
原料および方法。全ての試薬および溶剤は、Aldrich Chemical Corp.から購入し、さらに精製することなく使用した。NMRスペクトルをBruker WM360(360MHzで1H NMRおよび90MHzで13C NMR)またはBruker AC 300(300MHzで1H NMRおよび75MHzで13C NMR)で得た。Elution Solution(PO Box 5147, Charlottesville, Virginia 22905)からのフラッシュクロマトグラフィーをFlash Elute(商標)系で行い、20psi(N2)で90gシリカゲルカートリッジ(40M FSO-0110-040155,32-63μm)を充填した。GC分析を、Heliflex Capillary Column(Alltech);Phase:AT-1、長さ10メートル、内径:0.53mm、膜:0.25マイクロメートルを備えたシマヅGC-17で行った。GCパラメーター:注射器320℃、検出器320℃、FIDガス流:40ml/分でH2、400ml/分で空気。担体ガス:スプリット比16:1、N2流15ml/分、N2速度18cm/秒。温度プログラムは、0から3分間70℃、3から10分間70から300℃、10〜15分間300℃である。
【0322】
HPLC分析は、Microsorb MV C8カラム、100A、25cmを備えたGilson 322Pump、360nmでの検出器UV/Vis-156で行った。移動相:A=0.1%のTFAを伴うアセトニトリル、B=0.1%のTFAを伴う水。勾配プログラム:1分間B:A=95:5、次いで、7分間B:A=20:80、次いで、1分間A100%、続いて、A100%で11分間洗浄、流速:1ml/分。
【0323】
(実施例1)
二塩酸N-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)-N'-{4-[1-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-4-イル]ブチル}グアニジン(PSA25193)の合成
【0324】
【化83】

【0325】
4-(ピペリジン-4-イル)酪酸メチルエステル(2)
メタノール(30mL)中の1(2.00g,9.50mmol)及びクロロトリメチルシラン(2.30g,20.1mmol)の溶液を、室温で一晩攪拌した(スキーム1)。その後、減圧下で溶媒を除去し、残余物をフラッシュTMクロマトグラフィー(BIOTAGE,Inc)(9:1ジクロロメタン/メタノール、v/v)によって精製し、明黄色の固体として2(1.73g、98%)を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ1.39(m,4H),1.66(m,3H),1.95(d,2H),2.39(m,2H),3.02(m,2H),3.40(m,2H),3.69(s,3H)。m/z(ESI):186[C10H19NO2+H]+。
【0326】
4-[1-(2-ベンジルオキシエチル)ピペリジン-4-イル]酪酸メチルエステル(3a)
ジクロロメタン(30mL)中の2(2.00g,108mmol)、(2-ブロモエトキシメチル)ベンゼン(2.31g,10.8mmol)、及びトリエチルアミン(4.5ml,32.4mmol)の溶液を、室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、残余物をフラッシュTMクロマトグラフィー(BIOTAGE,Inc)(9.3:0.7ジクロロメタン/メタノール)によって精製し、黄色の油として3a(1.3g,42%)を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ1.30(m,5H),1.66(m,2H),1.87(d,2H),2.37(m,2H),2.58(m,2H),3.04(m,2H),3.39(m,2H),3.65(s,3H),3.80(m,2H),4.55(s,2H),7.37(m,5H)。m/z(ESI):320[C19H29NO3+H]+。
【0327】
4-[1-(2-ベンジルオキシエチル)ピペリジン-4-イル]ブチルアミド(4a)
化合物3a(1.30g,4.0mmol)を、密封チューブ中のメタノール(25mL)中の7N NH3に溶解した。生成した溶液を3日間50℃で攪拌した。その後溶媒を真空下で除去し、残余物をフラッシュTMクロマトグラフィー(BIOTAGE,Inc)(9.5:0.45:0.05ジクロロメタン/メタノール/濃縮水酸化アンモニウム,v/v)によって精製し、白色の固体として4a(0.93g,78%)を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ1.27(m,5H),1.65(m,4H),2.11(m,4H),2.65(m,2H),2.96(d,2H),3.62(m,2H),4.51(s,2H),7.37(m,5H)。m/z(ESI):305[C18H28N2O2+H]+
【0328】
4-[1-(2-ベンジルオキシエチル)ピペリジン-4-イル]ブチルアミン(5a)
0℃に冷却したBH3・THF(2.2mL,2.2mmol)の溶液に、化合物4a(100mg,0.3mmol)を加えた。精製した混合物を30分攪拌し、次いで室温に温め一晩攪拌した。反応を水で停止し、Et2Oで抽出した。有機溶媒をNa2SO4で乾燥し、真空下で濃縮し、5a(85.2mg,89%)を得て、更なる精製なしに直接使用した。1H NMR(500MHz,CD3OD)δ1.39(m,2H),1.45(m,4H),1.62(m,1H),1.71(m,2H),1.95(m,2H),2.87(m,2H),2.97(m,2H),3.25(m,2H),3.45(d,2H),3.82(m,2H),4.61(s,2H),7.39(m,5H)。m/z(ESI):291[C18H30N2O+H]+
【0329】
2-[4-(4-アミノブチル)ピペリジン-1-イル]エタノール(6a)
メタノール(25mL)中の5a(0.3g,1.03mmol)と触媒(炭素上の10%パラジウム,0.8g,50%wウエット)の懸濁物を、Parrシェイカーボトルに配置した。このシステムを真空処理し、窒素で還流した。この方法を3回繰り返した。次いで混合物を40psiの水素雰囲気下で一晩室温で震盪した。次いでこのシステムを再び真空処理し窒素で還流した。この方法を3回繰り返した。結晶を真空下で濾過し、メタノール(2×10mL)で洗浄した。濾過物と洗浄液を組み合わせて減圧下で濃縮し6a(186mg,90%)を得た。粗生成物を精製なしに直接使用した。m/z(ESI):201[C11H24N2O+H]+
【0330】
二塩酸N-(3,5-1)ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)-N’-{4-[1-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-4-イル]ブチル}グアニジン(7a,PSA25193)
酸塩1-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)-2-メチルイソチオウレア(290mg,0.73mmol)をエタノール(5mL)中の化合物6a(130mg,0.65mmol)及びDIPEA(0.34mL.1.95mmol)の溶液に加えた。反応混合物を65℃で5時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残余物を半調製HPLC(水/アセトニトリル/0.1%TFA)により精製した。精製した生成物を5%HCL水溶液に溶解し、室温で30分攪拌した。次いで混合物を濃縮し、高圧化で更に乾燥し、明黄色の固体として7a(15mg,6%)を得た。1H NMR(500MHz,CD3OD)δ1.50(m,9H),2.01(m,2H),3.20(m,2H),3.61(m,2H),3.89(s,2H)。m/z(ESI):413[C17H29CLN8O2+H]+。mp168-170℃
【0331】
(実施例2)
二塩酸N-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)-N’-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)ピペリジン-4-イル]ブチル}グアニジン(PSA25310)の合成
【化84】

【0332】
4-[1-(3-ベンジルオキシプロピル)ピペリジン-4-イル]酪酸メチルエステル(3b)
化合物3aの調製のために記載された同じ方法に従って、化合物3bを黄色の油として化合物2から40%の収率で合成した。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ1.21(m,4H),1.49(m,2H),1.83(d,2H),1.93(m,2H),2.31(m,2H),2.69(m,2H),2.99(m,2H),3.35(m,2H),3.60(m,5H),4.50(m,2H),7.28(m,5H)。m/z(ESI):334[C20H31NO3+H]+
【0333】
4-[1-(3-ベンジルオキシプロピル)ピペリジン-4-イル]ブチルアミド(4b)
化合物4aの調製のために記載された同じ方法に従って、化合物4bを黄色の固体として化合物3bから69%の収率で合成した。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ1.25(m,5H),1.49(m,2H),1.68(m,2H),1.85(m,2H),2.014(m,2H),2.40(m,2H),2.75(m,2H),3.13(m,3H),3.45(m,3H),4.47(m,2H),7.37(m,5H)。m/z(ESI):319[C19H30N2O2+H]+
【0334】
4-[1-(3-ベンジルオキシプロピル)ピペリジン-4-イル]ブチルアミン(5b)
化合物5aの調製のために記載された同じ方法に従って、化合物5bを明黄色の固体として化合物4bから70%の収率で合成した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ1.16(m、5H),1.29(m,2H),1.43(m,2H),1.61(m,3H),1.85(m,5H),2.60(m,3H),2.70(m,1H),2.95(m,2H),3.50(m,2H),4.51(s,2H),7.39(m,5H)。m/z(ESI):305[C19H32N2O+H]+
【0335】
3-[4-(4-アミノブチル)ピペリジン-1-イル]プロパン-1-オール(6b)
化合物6aの調製のために記載された同じ方法に従って、化合物6bを明黄色の固体として化合物5bから90%の収率で合成した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ1.20(m,7H),1.41(m,2H),1.65(m,5H),1.89(m,2H),2.60(m,4H),3.00(m,4H),3.79(m,2H)。m/z(ESI):215[C12H26N2O+H]+
【0336】
二塩酸N-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)-N’-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)ピペリジン-4-イル]ブチル}グアニジン(7b,PSA25310)
化合物7aを調製するために記載された同じ方法に従って、化合物7bを黄色の固体として化合物6bから40%の収率で合成した。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ1.25(m,5H),1.52(m,5H),1.85(m,4H),2.85(m,2H),3.00(m,2H),3.15(m,1H),3.31(m,2H),3.45(m,4H),7.41(m,3H),8.90(m,2H),9.40(m,1H)。m/z(ESI):427[C18H31CLN8O2+H]+。mp165-167℃。
【0337】
(実施例3)
三塩酸N-{4-[1-(2-アミノエチル)ピペリジン-4-イル]ブチル}-N’-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)グアニジン(PSA25455)の合成
【化85】

【0338】
4-[1-(-tert-ブトキシカルボニルアミノエチル)ピペリジン-4-イル]酪酸メチルエステル(3c)
化合物3aの調製のために記載された同じ方法に従って、化合物3cを灰白色の固体として化合物2から合成した。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ1.18-1.35(m,7H),1.41(m,9H),1.59-1.84(m,5H),2.29-2.37(m,2H),2.41-2.52(m,2H),2.86-3.02(m,2H),3.13-3.24(m,2H),3.67(s,3H)。m/z(ESI):329[C17H32N2O4+H]+
【0339】
{2-[4-(3-カルバモイルプロピル)ピペリジン-1-イル]エチル}カルバミン酸tert-ブチルエステル(4c)
化合物4aの調製のために記載された同じ方法に従って、化合物4cを灰白色の固体として化合物3cから合成した。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ1.18-1.35(m,7H),1.41(m,9H),1.59-1.84(m,5H),2.29-2.37(m,2H),2.41-2.52(m,2H),2.86-3.02(m,2H),3.13-3.24(m,2H)。m/z(ESI):314[C16H31N3O3+H]+
【0340】
{2-[4-(4-アミノブチル)ピペリジン-1-イル]エチル}カルバミン酸tert-ブチルエステル(5c)
ジクロロメタン(10mL)中の化合物4c(250mg,0.80mmol)の溶液を0℃に冷却し、次いでDIBAI-H(7.4mL,トルエン中に1Mの7.4mmol)を、45分間で前記溶液に滴加した。 混合物を1時間攪拌し、次いで室温に温め、14時間攪拌した。反応を酒石酸カリウムナトリウム水溶液で停止した。混合物をジクロロメタン(3×10mL)で抽出した。 組み合わせた抽出物を水と塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して油を得た。カラムクロマトグラフィー(シリカ;90:10,v/v,ジクロロメタン/メタノール、引き続き89:10:1ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウム)による精製により、所望の生産物5c(54mg,23%非最適化収率)を透明無色の油として得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ1.21-1.26(m,8H),1.42-1.46(m,11H),1.64-1.67(m,3H),1.91-1.99(m,2H),2.41-2.48(m,2H),2.67-2.70(m,2H),2.83-2.86(m,2H),3.20-3.22(m,2H),5.00(br s,1H)。m/z(ESI):300[C16H33N3O2+H]+
【0341】

[3-(4-{4-[N’-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)グアニジノ]ブチル}ピペリジン-1-イル)エチル]カルバミン酸tert-ブチルエステル(7c)
化合物7aの調製のために記載された同じ方法に従って、化合物7cを黄色の固体として化合物5cから54%の収率で合成した(スキーム2)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ1.21-1.26(m,8H),1.41-1.46(m,11H),1.64-1.67(m,7H),1.91-1.99(m,2H),2.41-2.48(m,2H),2.83-2.86(m,2H),3.20-3.22(m,2H),5.00(br s,2H)。m/z(ESI):512[C22H38ClN9O3+H]+
【0342】
三塩酸N-{4-[1-(2-アミノエチル)ピペリジン-4-イル]ブチル}-N’-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)グアニジン(8c,PSA25455)
メタノール(2mL)に溶解した化合物7c(37mg,0.0723mmol)の溶液を0℃に冷却した(スキーム2)。攪拌溶液に対してジエチルエーテル(1mL)中の1N HCLを滴下した。生成混合物を2時間攪拌し、次いで溶媒を真空下で除去し、残余物を高圧で乾燥し、黄色の固体として8c(36mg、定量的)を得た:mp>200℃。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ1.24-1.92(m,12H),2.82-3.02(m,2H),3.51-3.72(m,4H),7.45-7.58(m,2H),8.42(br s,3H),8.75-9.09(m,2H),9.29(br s,1H),10.55(br s,1H),10.75(m,1H)。m/z(APCI):412[C17H30ClN9O+H]+
【0343】
(実施例4)
三塩酸N-{4-[1-(3-アミノプロピル)ピペリジン-4-イル]ブチル}-N’-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)グアニジン(PSA25510)の合成
【化86】

【0344】
4-[1-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロピル)ピペリジン-4-イル]酪酸メチルエステル(3d)
化合物3aの調製のために記載された同じ方法に引き続き、化合物3dを黄色の固体として化合物2から64%の収率で合成した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ1.30(m,3H),1.41(m,2H),1.65(m,3H),1.78(m,2H),1.95(m,2H),2.25(m,3H),2.75(m,1H),3.17(m,4H),3.67(m,3H),4.98(s,1H)。m/z(ESI):343[C18H34N2O4+H]+
【0345】
{3-[4-(3-カルバモイルプロピル)ピペリジン-1-イル]プロピル}カルバミン酸tert-ブチルエステル(4c)
化合物4aの調製のために記載された同じ方法に従って、化合物4dを黄色の固体として化合物3dから66%の収率で合成した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ1.22(m,7H),1.45(s,9H),1.65(m,6H),1.87(m,2H),2.19(m,2H),2.39(m,2H),2.90(d,2H),5.40(s,2H),5.62(s,1H)。m/z(ESI):328[C17H33N3O3+H]+
【0346】
{3-[4-(4-アミノブチル)ピペリジン-1-イル]プロピル}カルバミン酸tert-ブチルエステル(5d)
化合物5cの調製のために記載された同じ方法に引き続き、化合物5dを灰白色の固体として化合物4dから82%の収率で合成した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ1.20(m,5H),1.35(m,3H),1.46(m,12H),1.65(m,2H),1.84(m,2H),2.46(m,2H),2.68(m,1H),2.87(d,2H),3.18(d,2H),3.45(s,1H),5.65(s,2H),7.49(m,1H)。m/z(ESI):314[C17H35N3O2+H]+
【0347】
[3-(4-{4-[N’-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)グアニジノ]ブチル}ピペリジン-1-イル)プロピル]カルバミン酸tert-ブチルエステル(7d,PSA25452)
化合物7cの調製のために記載された同じ方法に従って、化合物7dを黄色の固体として化合物5dから合成した(スキーム2)。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ1.12(m,6H),1.31(m,11H),1.47(m,4H),1.60(d,2H),1.77(m,2H),2.20(m,2H),2.79(d,2H),2.91(m,2H),3.10(m,3H),6.55(m,3H),6.79(s,2H),9.05(s,1H)。m/z(APCI):527[C23H40ClN9O3+H]+。mp98-102℃。
【0348】
三塩酸N-{4-[1-(3-アミノプロピル)ピペリジン-4-イル]ブチル}-N’-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)グアニジン(8d,PSA25510)
化合物8cの調製のために記載された同じ方法に従って、化合物8dを黄色の固体として化合物7dから91%の収率で合成した(スキーム2)。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ1.30(m,4H),1.55(m,5H),1.85(d,2H),2.07(m,2H),2.85(m,3H),3.12(m,2H),3.31(m,2H),3.44(m,2H),7.45(m,2H),8.19(s,3H),8.90(d,2H),9.35(s,1H),10.55(s,1H),10.75(s,1H)。m/z(ESI):426[C18H32ClN9O+H]+。mp105-108℃。
【0349】
(実施例5)
N-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)-N’-{4-[1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-ピペリジン-4-イル]ブチル}グアニジン(PSA25456)
【化87】

【0350】
4-[1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)ピペリジン-4-イル]ブチルアミド(10)
化合物4の調製のために記載されたものと同じ方法に従って、化合物10(263mg,71%収率、スキーム3)を、透明な橙色の油として化合物9から調製した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ1.21-1.29(m,6H),1.65-1.70(m,6H),2.92-2.98(m,1H),2.19-2.34(m,3H),2.51-2.53(m,1H),2.78-2.82(m,1H),2.96-3.02(m,1H),3.45-3.75(m,3H),5.28(m,2H)。m/z(ESI):245[C12H24N2O3+H]+
【0351】
3-[4-(4-アミノブチル)ピペリジン-1-イル]プロパン-1,2-ジオール(11)
化合物10(263mg,1.07mmol)を窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(12mL)中に溶解した。リチウムアルミニウムヒドリド(THF中に1Mの溶液の3.7mL)を20分間滴下した。反応を8時間還流し、次いで室温に冷却した。それを水(1mL、滴加)、20%水酸化ナトリウム溶液(1mL)、次いで25%水酸化アンモニウム溶液(2mL)を連続して加えることにより停止した。生成混合物を30分攪拌し、次いで珪藻土で濾過した。濾過物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮し、赤色の油としてアミン11(183mg,74%の収率)を得て、それを更なる精製なく実施した:1H NMR(500MHz,CDCl3)δ1.21-1.68/(m,12H),1.88-1.95(m,3H),2.20-2.33(m,4H),2.49-2.53(m,1H),2.66-2.70(m,1H),2.78-2.82(m,1H),2.96-3.02(m,1H),3.48-3.94(m,3H)。m/z(ESI):231[C12H26N2O2+H]+
【0352】
N-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)-N’-{4-[1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-ピペリジン-4-イル]ブチル}グアニジン(12,PSA25453)
化合物7aの調製のために記載された同じ方法に従って、化合物12を黄色の固体として化合物11から28%の収率で合成した。Mp188-191℃。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ1.09-1.32(m,8H),1.45-1.61(m,4H),1.90(br s,2H),2.20-2.30(m,2H),3.75-3.92(m,2H),3.11(br s,2H),3.57(br s,1H),4.31(br s,1H),4.56-4.57(m,1H),6.60(br s,3H),9.06(br s,1H)。m/z(APCI):443[C18H31ClN8O3+H]+
【0353】
(実施例6)
三塩酸N-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)-N’-{4-[1-(3-グアニジノプロピル)ピペリジン-4-イル]ブチル}グアニジン(PSA25795) の合成
【化88】

【0354】
N-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)-N’-{4-[1-(3-[N”N”’-ビス-tert-ブトキシカルボニル]グアニジノプロピル)ピペリジン-4-イル]ブチル}グアニジン(13,PSA25569)
グッドマン試薬、(tert-ブトキシカルボニルアミノ-トリフルオロメタンスルホニルイミノメチル)カルバミン酸tert-ブチルエステル(368mg,0.94mmol)を、メタノール(20mL)中の化合物8d(360mg,0.67mmol)及びDIPEA(0.47mL,2.69mmol)の溶液に加えた。反応混合物を一晩室温で攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残余物をフラッシュゲルクロマトグラフィー(9:0.9:0.1ジクロロメタン/メタノール/濃縮水酸化アンモニウム,v/v)によって精製し、黄色の固体として13(327mg、73%)を得た。mp122-125℃。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ1.25(m,9H),1.40(m,21H),1.59(m,4H),1.75(m,2H),2.25(m,2H),2.82(m,2H),3.11(m,2H),6.60(m,3H),8.55(s,2H),9.05(s,1H),11.55(s,2H)。m/z(ESI)668[C29H50ClN11O5+H]+
【0355】
三塩酸N-(3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボニル)-N’-{4-[1-(3-グアニジノプロピル)ピペリジン-4-イル]ブチル}グアニジン(14,PSA25795)
0℃に冷却したメタノール(5mL)中の化合物13(250mg,0.37mmol)の溶液に対して、12N HCl(2.5mL)を滴下した。それを0℃で0.5時間最初に攪拌し、次いで室温に加温した。攪拌を更に3時間続けた。真空下での溶媒の完全な除去により、黄色の固体として14(215mg,94%)を得た。mp176-178℃。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ1.29(m,2H),1.30(m,3H),1.54(m,6H),1.82(m,2H),1.93(m,2H),2.84(m,2H),3.02(m,2H),3.15(s,1H),3.24(m,5H),7.17(m,3H),7.99(s,1H),8.90(d,2H),9.30(s,1H),10.54(s,1H),10.62(s,1H)。m/z(ESI)468[C19H34ClN11O+H]+
【0356】
(実施例7)
選択された環状ピラジノイルグアニジンのナトリウムチャネルブロック活性
【0357】
【表1】

【0358】
当然のことながら、前記の教示を考慮すれば、本発明の様々な変更および改変が可能である。したがって、添付の請求項の範囲内であれば、具体的な本願明細書の記載とは別の方法で、本発明を実施することができることは理解されるであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
全ての鏡像異性体、ジアステレオ異性体およびそれらのラセミ混合物を含む、式(I)により表される化合物またはその薬学的に許容できる塩:
【化1】

[上式中、
Xは、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、低級アルキル、非置換または置換フェニル、低級アルキル-チオ、フェニル-低級アルキル-チオ、低級アルキル-スルホニルまたはフェニル-低級アルキル-スルホニルであり;
Yは、水素、ヒドロキシル、メルカプト、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、ハロゲン、低級アルキル、非置換または置換単核アリールまたは-N(R2)2であり;
R1は、水素または低級アルキルであり;
R2はそれぞれ独立に、-R7、-(CH2)m-OR8、-(CH2)m-NR7R10、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2CH2O)m-R8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10、-(CH2)n-Zg-R7、-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2)n-CO2R7または
【化2】

であり;
R3およびR4はそれぞれ独立に、水素、式(A)により表される基、低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、フェニル、フェニル-低級アルキル、(ハロフェニル)-低級アルキル、低級-(アルキルフェニルアルキル)、低級(アルコキシフェニル)-低級アルキル、ナフチル-低級アルキルまたはピリジル-低級アルキルであるが、但し、R3およびR4の少なくとも一方は、式(A)
【化3】

により表される基であり;
RLはそれぞれ独立に、-R7、-(CH2)n-OR8、-O-(CH2)m-OR8、-(CH2)n-NR7R10、-O-(CH2)m-NR7R10、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2CH2O)m-R8、-O-(CH2CH2O)m-R8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10、-O-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(CH2)n-(Z)g-R7、-O-(CH2)m-(Z)g-R7、-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2)n-CO2R7、-O-(CH2)m-CO2R7、-OSO3H、-O-グルクロニド、-O-グルコース、
【化4】

であり;
oはそれぞれ独立に、0から10の整数であり;
pはそれぞれ、0から10の整数であるが;
但し、それぞれ隣接する鎖中でのoおよびpの合計は、1から10であり;
xはそれぞれ独立に、-O-、-NR10-、-C(=O)-、-CHOH-、-C(=N-R10)-、-CHNR7R10-であるか、単結合を表し;
R5はそれぞれ独立に、-O-(CH2)m-OR8、-(CH2)n-NR7R10、-O-(CH2)m-NR7R10、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2CH2O)m-R8、-O-(CH2CH2O)m-R8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10、-O-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(CH2)n-(Z)g-R7、-O-(CH2)m-(Z)g-R7、-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2)n-CO2R7、-O-(CH2)m-CO2R7、-OSO3H、-O-グルクロニド、-O-グルコース、
【化5】

-(CH2)n-NR12R12、-O-(CH2)m-NR12R12、-O-(CH2)n-NR12R12、-O-(CH2)m-(Z)gR12、-(CH2)nNR11R11、-O-(CH2)mNR11R11、-(CH2)n-N+-(R11)3、-O-(CH2)m-N+-(R11)3、-(CH2)n-(Z)g-(CH2)m-NR10R10、-O-(CH2)m-(Z)g-(CH2)m-NR10R10、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR12R12、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR12R12、-(CH2)n-(C=O)NR12R12、-O-(CH2)m-(C=O)NR12R12、-O-(CH2)m-(CHOR8)mCH2NR10-(Z)g-R10、-(CH2)n-(CHOR8)mCH2-NR10-(Z)g-R10、-(CH2)nNR10-O(CH2)m(CHOR8)nCH2NR10-(Z)g-R10、-O(CH2)m-NR10-(CH2)m-(CHOR8)nCH2NR10-(Z)g-R10、-(Het)-(CH2)m-OR8、-(Het)-(CH2)m-NR7R10、-(Het)-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(Het)-(CH2CH2O)m-R8、-(Het)-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(Het)-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(Het)-(CH2)m-(Z)g-R7、-(Het)-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(Het)-(CH2)m-CO2R7、-(Het)-(CH2)m-NR12R12、-(Het)-(CH2)n-NR12R12、-(Het)-(CH2)m-(Z)gR12、-(Het)-(CH2)mNR11R11、-(Het)-(CH2)m-N+-(R11)3、-(Het)-(CH2)m-(Z)g-(CH2)m-NR10R10、-(Het)-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR12R12、-(Het)-(CH2)m-(C=O)NR12R12、-(Het)-(CH2)m-(CHOR8)mCH2NR10-(Z)g-R10、-(Het)-(CH2)m-NR10-(CH2)m-(CHOR8)nCH2NR10-(Z)g-R10、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)1-7-CH2OR8であり、
2個の-CH2OR8が相互に1,2-または1,3-で位置し、R8基は結合して、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソラン、-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8を形成し、但し、少なくとも2個の-CH2OR8が相互に1,2-または1,3-で位置し、R8基は結合して、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソラン、-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)1-7-CH2OR8を形成し、但し、少なくとも2個の-CH2OR8が相互に1,2-または1,3-で位置し、R8基は結合して、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソラン、-O-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8を形成し、但し、少なくとも2個の-CH2OR8が相互に1,2-または1,3-で位置し、R8基は結合して、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソラン、-Link-(CH2)n-CAP、-Link-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CAP、-Link-(CH2CH2O)m-CH2-CAP、-Link-(CH2CH2O)m-CH2CH2-CAP、-Link-(CH2)n-(Z)g-CAP、-Link-(CH2)n(Z)g-(CH2)m-CAP、-Link-(CH2)n-NR13-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CAP、-Link-(CH2)n-(CHOR8)mCH2-NR13-(Z)g-CAP、-Link-(CH2)nNR13-(CH2)m(CHOR8)nCH2NR13-(Z)g-CAP、-Link-(CH2)m-(Z)g-(CH2)m-CAP、-Link-NH-C(=O)-NH-(CH2)m-CAP、-Link-(CH2)m-C(=O)NR13-(CH2)m-C(=O)NR10R10、-Link-(CH2)m-C(-O)NR13-(CH2)m-CAP、-Link-(CH2)m-C(=O)NR11R11、-Link-(CH2)m-C(=O)NR12R12、-Link-(CH2)n-(Z)g-(CH2)m-(Z)g-CAP、または-Link-Zg-(CH2)m-Het-(CH2)m-CAP;
を形成し;
Linkはそれぞれ独立に、-O-、-(CH2)n-、-O(CH2)m-、-NR13-C(=O)-NR13、-NR13-C(=O)-(CH2)m-、-C(=O)NR13-(CH2)m、-(CH2)n-Zg-(CH2)n、-S-、-SO-、-SO2-、-SO2NR7-、-SO2NR10-または-Het-であり;
CAPはそれぞれ独立に、チアゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、-ヘテロアリール-C(=O)NR13R13、-ヘテロアリール-W、-CN、-O-C(=S)NR13R13、-ZgR13、-CR10(ZgR13)(ZgR13)、-C(=O)OAr、-C(=O)NR13Ar、イミダゾリン、テトラゾール、テトラゾールアミド、-SO2NHR13、-SO2NH-C(R13R13)-(Z)g-R13、環式糖またはオリゴ糖、環式アミノ糖またはオリゴ糖、
【化6】

であり;
Arはそれぞれ独立に、フェニル、置換フェニルであり、ここで、置換フェニルの置換基は、OH、OCH3、NR13R13、Cl、FおよびCH3またはヘテロアリールからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基であり;
Wはそれぞれ独立に、チアゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、ヘテロアリール-C(=O)NR13R13、-CN、-O-C(=S)NR13R13、-ZgR13、-CR10(ZgR13)(ZgR13)、-C(=O)OAr、-C(=O)NR13Ar、イミダゾリン、テトラゾール、テトラゾールアミド、-SO2NHR13、-SO2NH-C(R13R13)-(Z)g-R13、環式糖またはオリゴ糖、環式アミノ糖またはオリゴ糖、
【化7】

であり;
R6はそれぞれ独立に、-R5、-R7、-OR8、-N(R7)2、-(CH2)m-OR8、-O-(CH2)m-OR8、-(CH2)n-NR7R10、-O-(CH2)m-NR7R10、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2CH2O)m-R8、-O-(CH2CH2O)m-R8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10、-O-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(CH2)n-(Z)g-R7、-O-(CH2)m-(Z)g-R7、-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(CH2)n-CO2R7、-O-(CH2)m-CO2R7、-OSO3H、-O-グルクロニド、-O-グルコース、
【化8】

であり;
R7はそれぞれ独立に、水素、低級アルキル、フェニル、置換フェニルまたは-CH2(CHOR)8m-R10であり;
R8はそれぞれ独立に、水素、低級アルキル、-C(=O)-R11、グルクロニド、2-テトラヒドロピラニルであるか、または
【化9】

であり;
R9はそれぞれ独立に、-CO2R13、-CON(R13)2、-SO2CH2R13または-C(=O)R13であり;
R10はそれぞれ独立に、-H、-SO2CH3、-CO2R13、-C(=O)NR13R13、-C(=O)R13または-(CH2)m-(CHOH)n-CH2OHであり;
Zはそれぞれ独立に、-CHOH、-C(=O)、-(CH2)n-、-CHNR13R13、C=NR13または-NR13であり;
R11はそれぞれ独立に、低級アルキルであり;
R12はそれぞれ独立に、-SO2CH3、-CO2R13、-C(=O)NR13R13、-C(=O)R13または-CH2-(CHOH)n-CH2OHであり;
R13はそれぞれ独立に、水素、R7、R10、-(CH2)m-NR13R13
+
-(CH2)m-NR13R13R13
-(CH2)m-(CHOR8)m-(CH2)mNR13R13、-(CH2)m-NR10R10
+
-(CH2)m-(CHOR8)m-(CH2)mNR13R13R13
【化10】

であるが、但し、NR13R13はそれ自体結合して、下記:
【化11】

のいずれかを含む環を形成してもよく;
Hetはそれぞれ独立に、-NR13-、-S-、-SO-、-SO2-、-O-、-SO2NR13-、-NHSO2-、-NR13CO-または-CONR13-であり;
gはそれぞれ独立に、1から6の整数であり;
mはそれぞれ独立に、1から7の整数であり;
nはそれぞれ独立に、0から7の整数であり;
Qはそれぞれ独立に、-CR6R5、-CR6R6、-NR10、-NR7、-NR5、-S-、-SO-、または-SO2-であり;
環において最高3個のQはヘテロ原子を含み、少なくとも1個のQは-CR5R6またはNR5でなければならず;
Vはそれぞれ独立に、-(CH2)m-NR7R10、-(CH2)mNR7R7、-(CH2)m-
+
NR11R11R11、-(CH2)n-(CHOR8)m-(CH2)mNR7R10、-(CH2)n-NR10R10
+
-(CH2)n-(CHOR8)m-(CH2)mNR7R7、-(CH2)n-(CHOR8)m-(CH2)mNR11R11R11
であり、但し、Vが窒素原子に直接結合している場合には、Vは独立に、R7、R10または(R11)2であってもよく;
但し、2個の-CH2OR8基が相互に1,2-または1,3-で位置する場合、R8基は結合して、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成してもよい]。
【請求項2】
Yは-NH2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R2は水素である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R1は水素である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Xは塩素である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R3は水素である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
RLはそれぞれ水素である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
oは4である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
pは0である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
xは単結合を表す、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
R6はそれぞれ水素である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
R5は-O-(CH2)m-OR8、-O-(CH2)4-OH、-(CH2)4-OHである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
最高3個のQが存在し、一つのQもヘテロ原子を含まない、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
式:
【化12】

により表される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
R5は、-(CH2)n-NR7R10、-NHSO2CH3、-CH2NH(C=O)-(OCH3)3、-NH(C=O)CH3、-CH2NH2、-NH-CO2C2H5、-NH-CO2C2H5、-NH-CO2C2H5、-CH2NH(C=O)CH3、-CH2NHCO2CH3、-CH2NHSO2CH3、-(CH2)4-NH(C=O)O(CH3)3、-(CH2)4-NH2、-(CH2)3-NH(C=O)O(CH3)3または-(CH2)3-NH2である、請求項11に記載の化合物。
【請求項16】
一つのQもNではない、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
式:
【化13】

により表される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
R5は、-O-(CH2)m-NR7R10、-OCH2CH2NHCO2(CH3)3、-OCH2CH2NHCO2C2H5、-O-(CH2)3-NH-CO2-(CH3) 3、-O(CH2)3-NH2、-OCH2CH2NHSO2CH3または-O-CH2CH2NH2である、請求項11に記載の化合物。
【請求項19】
式:
【化14】

により表される、請求項16に記載の化合物。
【請求項20】
R5は、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-OCH2CHOHCH2O-グルクロニド、-OCH2CH2CHOHCH2OH、-OCH2-(α-CHOH)2CH2OHまたは-OCH2-(CHOH)2CH2OHである、請求項11に記載の化合物。
【請求項21】
式:
【化15】

により表される、請求項13に記載の化合物。
【請求項22】
請求項21に記載の化合物のメタンスルホン酸塩。
【請求項23】
式:
【化16】

により表される、請求項13に記載の化合物。
【請求項24】
式:
【化17】

により表される、請求項11に記載の化合物。
【請求項25】
式:
【化18】

により表される、請求項11に記載の化合物。
【請求項26】
R5は、-(CH2CH2O)m-R8または-O-(CH2CH2O)m-R8である、請求項11に記載の化合物。
【請求項27】
1個のQがNR5である、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
式:
【化19】

により表される、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
式:
【化20】

により表される、請求項13に記載の化合物。
【請求項30】
式:
【化21】

により表される、請求項11に記載の化合物。
【請求項31】
R5は、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(CH2)n-C(=O)NR7R10または-C(=O)NH2である、請求項11に記載の化合物。
【請求項32】
R5は、-O-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-O-CH2-(C=O)NHCH2CHOH、-O-CH2-(C=O)NHCH2CHOHCH2OH、-O-CH2(C=O)NHCH2(CHOH)2CH2OH、-O-CH2C(C=O)NHSO2CH3、-O-CH2(C=O)NHCO2CH3、-O-CH2-C(C=O)NH-C(C=O)NH2または-O-CH2-(C=O)NH-(C=O)CH3である、請求項11に記載の化合物。
【請求項33】
R5は、-(CH2)n-(Z)g-R7、(CH2)n-(C=N)-NH2、-(C=NH)NH2、(CH2)n-NH-C(=NH)-NH2、-(CH2)3-NH-C(=NH)-NH2、-CH2NH-C(=NH)-NH2または(CH2)n-CONHCH2(CHOH)n-CH2OHである、請求項11に記載の化合物。
【請求項34】
式:
【化22】

で表される、請求項13に記載の化合物。
【請求項35】
R5は、NH-C(=O)-CH2-(CHOH)nCH2OH、-NH-(C=O)-NH-CH2(CHOH)2CHOHまたは-NHC(C=O)NHCH2CH2OHである、請求項11に記載の化合物。
【請求項36】
式:
【化23】

で表される、請求項16に記載の化合物。
【請求項37】
R5は、-O-(CH2)m-(Z)g-R7、-O-(CH2)m-NH-C(=NH)-N(R7)2、-O(CH2)3-NH-C(=NH)-NH2または-O-(CH2)m-CHNH2-CO2NR7R10である、請求項13に記載の化合物。
【請求項38】
式:
【化24】

で表される、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
R5は、-OCH2-CHNH2-CO2NH2である、請求項37に記載の化合物。
【請求項40】
請求項37に記載の化合物の(R)鏡像異性体。
【請求項41】
請求項37に記載の化合物の(S)鏡像異性体。
【請求項42】
式:
【化25】

で表される、請求項37に記載の化合物。
【請求項43】
R5は、-OCH2CHOH-CH2NHCO2(CH3)3である、請求項11に記載の化合物。
【請求項44】
式:
【化26】

で表される、請求項11に記載の化合物。
【請求項45】
R5は、-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8である、請求項11に記載の化合物。
【請求項46】
R5は、-NHCH2(CHOH)2CH2OHである、請求項11に記載の化合物。
【請求項47】
R5は、-O-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8-O-(CH2)m-NH-エリスリトール、-O-(CH2)m-NH-ソルビトール、-O-(CH2)m-NH-エリスリトール、-O-(CH2)m-NH-キシリトール、-O-(CH2)m-NH-グリシドールで、-O-(CH2)m-CO2R7、-OCH2CH2CO2(CH3)3、-OCH2CO2H、または-OCH2CO2C2H5ある、請求項11に記載の化合物。
【請求項48】
R5は、-OSO3H、-O-グルクロニド、-O-グルコースまたは-O-CH2-ジオキソランである、請求項11に記載の化合物。
【請求項49】
Xは、ハロゲンであり;
Yは、-N(R7)2であり;
R1は、水素またはC1〜C3アルキルであり;
R2は、-R7、-(CH2)m-OR8または-(CH2)n-CO2R7であり;
R3は、式(A)で表される基であり;
R4は、水素、式(A)で表される基または低級アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項50】
Xは、クロロまたはブロモであり;
Yは、-N(R7)2であり;
R2は、水素またはC1〜C3アルキルであり;
最大3個のR6は、前記で定義されたように水素以外であり;
最大3個のRLは、前記で定義されたように水素以外であり;及び
最高2個のQは窒素原子を含む、請求項14に記載の化合物。
【請求項51】
Yは、-NH2である、請求項50に記載の化合物。
【請求項52】
R4は、水素であり;
最大1個のRLは、前記で定義されたように水素以外であり;
最大2個のR6は、前記で定義されたように水素以外であり;及び
最高1個のQは窒素原子を含む、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
R5は、-(CH2)m-OR8、-O-(CH2)m-OR8、-(CH2)n-NR7R10または-O-(CH2)m-NR7R10である、請求項1に記載の化合物。
【請求項54】
R5は、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8または-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8である、請求項1に記載の化合物。
【請求項55】
R5は、-(CH2CH2O)m-R8、-O-(CH2CH2O)m-R8、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10または-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10である、請求項1に記載の化合物。
【請求項56】
R5は、-(CH2)n-C(=O)NR7R10または-O-(CH2)m-C(=O)NR7R10である、請求項1に記載の化合物。
【請求項57】
R5は、-(CH2)n-(Z)g-R7または-O-(CH2)m-(Z)g-R7である、請求項1に記載の化合物。
【請求項58】
R5は、-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8または-O-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8である、請求項1に記載の化合物。
【請求項59】
R5は、-O-(CH2)3-OH、-NH2、-O-CH2-(CHOH)2-CH2OH-O-CH2-CHOH-CH2OH、-O-CH2CH2-O-テトラヒドロピラン-2-イル、-O-CH2CHOH-CH2-O-グルクロニド、-O-CH2CH2OH、-O-(CH2CH2O)4-CH3、-O-CH2CH2OCH3、-O-CH2-(CHOC(=O)CH3)-CH2-OC(=O)CH3、-O-(CH2CH2O)2-CH3、-OCH2-CHOH-CHOH-CH2OH、-CH2OH、-CO2CH3
【化27】

及び
【化28】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項60】
R5は、-O-(CH2)3-OH、-NH2、-O-CH2-(CHOH)2-CH2OH、オルト-O-CH2-CHOH-CH2OH、メタ-O-CH2-CHOH-CH2OH、-O-CH2CH2-O-テトラヒドロピラン-2-イル、-O-CH2CHOH-CH2-O-グルクロニド、-O-CH2CH2OH、-O-(CH2CH2O)4-CH3、-O-CH2CH2OCH3、-O-CH2-(CHOC(=O)CH3)-CH2-OC(=O)CH3、-O-(CH2CH2O)2-CH3、-OCH2CHOH-CHOH-CH2OH、-CH2OH、-CO2CH3、-SO3H、-O-グルクロニド、
【化29】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項61】
R5は、
-O-CH2CHOHCH2O-グルクロニド、
-OCH2CO2H、
-NHCH2(CHOH)2-CH2OH、
-OCH2CO2Et、
-NHSO2CH3
-O-CH2C(=O)NH2
-CH2NH2
-NHCO2Et、
-OCH2CH2CH2CH2OH、
-CH2NHSO2CH3
-OCH2CH2CHOHCH2OH、
-OCH2CH2NHCO2Et、
-NH-C(=NH2)-NH2OHOH、
-CH2CH-CH-CH2OH、
-CH2-CHOH-CH2-NHBoc、
-O-CH2-CHOH-CH2-NHBoc、
-OCH2CH2CH2NH2
-OCH2CH2NHCH2(CHOH)2CH2OH、
-OCH2CH2NH(CH2[(CHOH)2CH2OH)]2
-(CH2)4-NHBoc、
-(CH2)4-NH2
-(CH2)4-OH、
-OCH2CH2NHSO2CH3
-(CH2)3-NH Boc、
-(CH2)3NH2、または
-O-CH2-CHOH-CH2-NH-C(=NH)-N(R7)2
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項62】
Xは、クロロまたはブロモであり;
Yは、-N(R7)2であり;
R1は、水素またはC1〜C3アルキルであり;
R2は、水素またはC1〜C3アルキルであり;
R3は、式(A)で表される基であり;
R4は、水素、式(A)で表される基または低級アルキルであり;
最大2個のR6は、前記で定義されたような水素以外であり;
最大3個のRLは、前記で定義されたような水素以外である、請求項1に記載の化合物。
【請求項63】
R4は、水素であり;
最大1個のRLは、前記で定義されたような水素以外であり;
最大1個のR6は、前記で定義されたような水素以外である、請求項157に記載の化合物。
【請求項64】
Xは、クロロまたはブロモであり;
Yは、-N(R7)2であり;
R1は、水素またはC1〜C3アルキルであり;
R2は、水素またはC1〜C3アルキルであり;
R3は、式(A)で表される基であり;
R4は、水素、式(A)で表される基または低級アルキルであり;
最大2個のR6は、前記で定義されたような水素以外であり;
最大3個のRLは、前記で定義されたような水素以外である、請求項158に記載の化合物。
【請求項65】
R4は、水素であり;
最大1個のRLは、前記で定義されたような水素以外である、請求項159に記載の化合物。
【請求項66】
xは、単結合である、請求項1に記載の化合物。
【請求項67】
R5は、-OCH2CH2OCH3、-(CH2)n-NR12R12または-(CH2)n-N(SO2R7)2である、請求項11に記載の化合物。
【請求項68】
ヘテロ原子である2個のQを含み、一方のQはNであり、もう一方のQはNR5である、請求項1に記載の化合物。
【請求項69】
R5は、-O-(CH2)m-NR12R12、-O-(CH2)m-NR12R12、-O-(CH2)m-N(SO2R7)2、-O-(CH2)m-(Z)gR12、-(CH2)n-CHNHBocCO2R7(α)または-O-(CH2)m-CHNHBocCO2R7(α)である、請求項11に記載の化合物。
【請求項70】
式:
【化30】

で表される、請求項11に記載の化合物。
【請求項71】
R5は、-(CH2)n-N(R11)2、-O-(CH2)m-N(R11)2、-O-(CH2)2-N(Me)2、-(CH2)n-CHNH2CO2R7(α)または-O-(CH2)m-CHNH2CO2R7(α)である、請求項11に記載の化合物。
【請求項72】
式:
【化31】

で表される、請求項67に記載の化合物。
【請求項73】
式:
【化32】

で表される、請求項67に記載の化合物。
【請求項74】
R5は、-O-(CH2)m-N+(R11)3である、請求項11に記載の化合物。
【請求項75】
R5は、-(CH2)n-(Z)g-(CH2)m-NR10R10、-C(=O)NH-(CH2)m-N(R10)2、-NHC(=O)(CH2)m-N(R10)2、-C(=O)NH-(CH2)m-NH-C(=NH)-N(R7)2または-NH-C(=O)-(CH2)mNH-C(=NH)-N(R10)2である、請求項11に記載の化合物。
【請求項76】
式:
【化33】

で表される、請求項75に記載の化合物。
【請求項77】
式:
【化34】

で表される、請求項16に記載の化合物。
【請求項78】
式:
【化35】

で表される、請求項16に記載の化合物。
【請求項79】
式:
【化36】

で表される、請求項11に記載の化合物。
【請求項80】
R5は、-O-(CH2)m-(CHOR8)mCH2NR10-(Z)g-R10、-O-CH2-CHOH-CH2-グアニジン、-(CH2)n-(CHOR8)mCH2-NR10-(Z)g-R10、-(CH2)nNR10-O(CH2)m(CHOR8)nCH2NR10-(Z)g-R10または-O(CH2)m-NR10-(CH2)m-(CHOH8)nCH2NR10-(Z)g-R10である、請求項11に記載の化合物。
【請求項81】
R5は、-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR12R12、-O-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR12R12、-(CH2)n-(C=O)NR12R12または-O-(CH2)m-(C=O)NR12R12である、請求項11に記載の化合物。
【請求項82】
R5は、-(Het)-(CH2)m-OR8、-(Het)-(CH2)m-NR7R10、-(Het)-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(Het)-(CH2CH2O)m-R8、-(Het)-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR7R10、-(Het)-(CH2)m-C(=O)NR7R10、-(Het)-(CH2)m-(Z)g-R7、-(Het)-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8、-(Het)-(CH2)m-CO2R7、-(Het)-(CH2)m-NR12R12、-(Het)-(CH2)n-NR12R12、-(Het)-(CH2)m-(Z)gR12、-(Het)-(CH2)mNR11R11、-(Het)-(CH2)m-N+-(R11)3、-(Het)-(CH2)m-(Z)g-(CH2)m-NR10R10、-(Het)-(CH2CH2O)m-CH2CH2NR12R12、-(Het)-(CH2)m-(C=O)NR12R12、-(Het)-(CH2)m-(CHOR8)mCH2NR10-(Z)g-R10、または-(Het)-(CH2)m-NR10-(CH2)m-(CHOR8)nCH2NR10-(Z)g-R10である、請求項11に記載の化合物。
【請求項83】
R5は、-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)1-7-CH2OR8であるが、但し、少なくとも2個の-CH2OR8は、相互に隣接して位置し、前記のR8基は一緒になって、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成している、請求項11に記載の化合物。
【請求項84】
R5は、-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)1-7-CH2OR8であるが、但し、少なくとも2個の-CH2OR8は、相互に隣接して位置し、前記のR8基は一緒になって、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成している、請求項11に記載の化合物。
【請求項85】
R5は、-O-(CH2)m-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8であるが、但し、少なくとも2個の-CH2OR8は、相互に1,2-または1,3-で位置し、前記のR8基は一緒になって、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成している、請求項11に記載の化合物。
【請求項86】
R5は、-O-(CH2)m(CHOR8)(CHOR8)n-CH2OR8であるが、但し、少なくとも2個の-CH2OR8は、相互に1,2-または1,3-で位置し、前記のR8基は一緒になって、一置換または二置換環式1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランを形成している、請求項11に記載の化合物。
【請求項87】
式:
【化37】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項88】
式:
【化38】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項89】
式:
【化39】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項90】
式:
【化40】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項91】
式:
【化41】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項92】
式:
【化42】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項93】
R5は、-Link-(CH2)n-CAPである、請求項11に記載の化合物。
【請求項94】
R5は、-Linkであり、-O-であり、CAPは、チアゾリジンジオンである、請求項11に記載の化合物。
【請求項95】
式:
【化43】

で表される、請求項95に記載の化合物。
【請求項96】
Linkは、-O-であり、CAPはテトラゾールである、請求項11に記載の化合物。
【請求項97】
式:
【化44】

で表される、請求項96に記載の化合物。
【請求項98】
Linkは、-O-であり、CAPは、N,N-ジメチルスルホンアミドである、請求項11に記載の化合物。
【請求項99】
式:
【化45】

で表される、請求項98に記載の化合物。
【請求項100】
式:
【化46】

で表される、請求項98に記載の化合物。
【請求項101】
Linkは、-O-であり、CAPは、スルホンアミドである、請求項11に記載の化合物。
【請求項102】
式:
【化47】

で表される、請求項101に記載の化合物。
【請求項103】
Linkは、-O-であり、CAPは、オキサゾリジンジオンである、請求項11に記載の化合物。
【請求項104】
式:
【化48】

で表される、請求項103に記載の化合物。
【請求項105】
Linkは、-O-であり、CAPは、-C(=O)NR10Arである、請求項11に記載の化合物。
【請求項106】
式:
【化49】

で表される、請求項105に記載の化合物。
【請求項107】
式:
【化50】

で表される、請求項105に記載の化合物。
【請求項108】
式:
【化51】

で表される、請求項105に記載の化合物。
【請求項109】
Linkは、-O-であり、CAPは、イミダゾールである、請求項11に記載の化合物。
【請求項110】
式:
【化52】

で表される、請求項109に記載の化合物。
【請求項111】
Linkは、-O-であり、CAPは、シアノである、請求項11に記載の化合物。
【請求項112】
式:
【化53】

で表される、請求項111に記載の化合物。
【請求項113】
CAPは、-SO2NH-CR7R10-Zg-R7である、請求項11に記載の化合物。
【請求項114】
式:
【化54】

で表される、請求項113に記載の化合物。
【請求項115】
R5は、-Link-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CAP、-Link-(CH2CH2O)m-CH2-CAP、-Link-(CH2CH2O)m-CH2CH2-CAP、-Link-(CH2)n-(Z)g-CAPまたは-Link-(CH2)n(Z)g-(CH2)m-CAPである、請求項11に記載の化合物。
【請求項116】
式:
【化55】

で表される、請求項11に記載の化合物。
【請求項117】
R5は、-Link-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CAP、-Link-(CH2)n-(CHOR8)mCH2-NR10-(Z)g-CAPまたは-Link-(CH2)nNR10-(CH2)m(CHOR8)nCH2NR10-(Z)g-CAPである、請求項11に記載の化合物。
【請求項118】
R5は、-Link-(CH2)m-(Z)g-(CH2)m-CAP、-Link-NH-C(=O)-NH-(CH2)m-CAP、-Link-(CH2)m-C(=O)NR10-(CH2)m-C(=O)NR10N10、-Link-(CH2)m-C(=O)NR10-(CH2)m-CAP、-Link-(CH2)m-C(=O)NR11R11、-Link-(CH2)m-C(=O)NR12R12または-Link-(CH2)n-(Z)g-(CH2)m-(Z)g-CAPである、請求項11に記載の化合物。
【請求項119】
R5は、-Link-(CH2)n-CAP、-Link-(CH2)n(CHOR8)(CHOR8)n-CAP、-Link-(CH2CH2O)m-CH2-CAP、-Link-(CH2CH2O)m-CH2CH2-CAP、-Link-(CH2)n-(Z)g-CAP、-Link-(CH2)n-(Z)g-(CH2)m-CAP、-Link-(CH2)n-NR10-CH2(CHOR8)(CHOR8)n-CAP、-Link-(CH2)n-(CHOR8)mCH2-NR10-(Z)g-CAP、-Link-(CH2)nNR10-(CH2)m(CHOR8)nCH2NR10-(Z)g-CAP、-Link-(CH2)m-(Z)g-(CH2)m-CAP、-Link-NH-C(=O)-NH-(CH2)m-CAP、-Link-(CH2)m-C(=O)NR10-(CH2)m-C(=O)NR10R10、-Link-(CH2)m-C(=O)NR10-(CH2)m-CAP、-Link-(CH2)m-C(=O)NR11R11、-Link-(CH2)m-C(=O)NR12R12、または-Link-(CH2)n-(Z)g-(CH2)m-(Z)g-CAPである、請求項1に記載の化合物。
【請求項120】
式:
【化56】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項121】
3個のQが窒素原子を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項122】
式:
【化57】

で表される、請求項121に記載の化合物。
【請求項123】
式:
【化58】

で表される、請求項121に記載の化合物。
【請求項124】
式:
【化59】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項125】
式:
【化60】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項126】
式:
【化61】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項127】
式:
【化62】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項128】
式:
【化63】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項129】
式:
【化64】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項130】
式:
【化65】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項131】
式:
【化66】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項132】
式:
【化67】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項133】
式:
【化68】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項134】
式:
【化69】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項135】
式:
【化70】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項136】
式:
【化71】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項137】
xは、単結合である、請求項1に記載の化合物。
【請求項138】
薬学的に許容できる塩の形態である、請求項1に記載の化合物。
【請求項139】
前記のヘテロアリールは、ピリジル、ピラジル、チナジル、フリル、フルフリル、チエニル、テトラジル、チアゾリジンジオニルおよびイミダゾイル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、キノリル、インドリル、アデニル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジル、1,2,3-トリアジル、1,2,4-トリアジル、1,3,5-トリアジル、シノリル、フタラジル、キナゾリル、キノキサリルまたはプテルジルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項140】
請求項1に記載の化合物およびP2Y2受容体アゴニストを含有する、組成物。
【請求項141】
請求項1に記載の化合物および気管支拡張薬を含有する、組成物。
【請求項142】
請求項1に記載の化合物および薬学的に許容できる担体を含有する、組成物。
【請求項143】
有効量の請求項1に記載の化合物を被験者の粘膜表面に投与することを含む、粘膜表面の水分補給を促進する方法。
【請求項144】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者の粘膜表面に局所投与することを含む、粘膜防御を回復させる方法。
【請求項145】
ナトリウムチャネルと有効量の請求項1に記載の化合物とを接触させることを含む、ナトリウムチャネルをブロックする方法。
【請求項146】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、慢性気管支炎を治療する方法。
【請求項147】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、のう胞性線維症を治療する方法。
【請求項148】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、副鼻腔炎を治療する方法。
【請求項149】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者の膣路に投与することを含む、膣乾燥を治療する方法。
【請求項150】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者の眼に投与することを含む、乾燥眼症候群を治療する方法。
【請求項151】
有効量の請求項1に記載の化合物を被験者の眼に投与することを含む、眼球水分補給を促進する方法。
【請求項152】
有効量の請求項1に記載の化合物を被験者の眼に投与することを含む、角膜水分補給を促進する方法。
【請求項153】
有効量の請求項1に記載の化合物を被験者の粘膜表面に投与することを含む、粘膜表面での粘液クリアランスを促進する方法。
【請求項154】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、シェーグレン症候群を治療する方法。
【請求項155】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、遠位腸閉塞症候群を治療する方法。
【請求項156】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者の皮膚に投与することを含む、乾燥皮膚を治療する方法。
【請求項157】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、食道炎を治療する方法。
【請求項158】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者の口腔に投与することを含む、口内乾燥(口内乾燥症)を治療する方法。
【請求項159】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者の鼻腔道に投与することを含む、鼻腔乾燥を治療する方法。
【請求項160】
前記の鼻腔乾燥は、被験者への乾燥酸素の投与により生じている、請求項161に記載の方法。
【請求項161】
有効量の請求項1に記載の化合物を、人工呼吸器を伴う被験者に投与することを含む、人工呼吸器誘発肺炎を予防する方法。
【請求項162】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、喘息を治療する方法。
【請求項163】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、一次毛様体ジスキネジアを治療する方法。
【請求項164】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、中耳炎を治療する方法。
【請求項165】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、診断のために痰を誘発する方法。
【請求項166】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、慢性閉塞性肺疾患を治療する方法。
【請求項167】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、気腫を治療する方法。
【請求項168】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、肺炎を治療する方法。
【請求項169】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、便秘を治療する方法。
【請求項170】
前記の化合物を経口で、もしくは座薬または浣腸を介して投与する、請求項171に記載の方法。
【請求項171】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、慢性憩室炎を治療する方法。
【請求項172】
有効量の請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、鼻副鼻腔炎を治療する方法。
【請求項173】
請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、高血圧症を治療する方法。
【請求項174】
請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、血圧を低下させる方法。
【請求項175】
請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、水腫を治療する方法。
【請求項176】
請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、利尿法。
【請求項177】
請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、ナトリウム利尿を促進する方法。
【請求項178】
請求項1に記載の化合物をその必要のある被験者に投与することを含む、塩類利尿を促進する方法。

【公表番号】特表2007−502829(P2007−502829A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524026(P2006−524026)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/026880
【国際公開番号】WO2005/016879
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(505131980)パリオン・サイエンシィズ・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】