説明

画像取得システム及び方法

本発明による画像システム(imaging system)は、第1の行に存在する第1の画素と、前記第1の行に存在する第2の画素と、第2の行に存在する第3の画素と、ゲートドライバと、前記ゲートドライバから延びた第1の電気信号ラインと、前記第1の画素が接続された第2の電気信号ラインと、前記第3の画素が接続された第3の電気信号ラインとを備える。前記第3の画素と前記第1の画素は第1の列に存在する。前記第1の画素および第2の画素は前記第1の電気信号ラインに接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、画像取得システム及び方法に関し、更に詳しくは、コンピュータ断層撮影(CT;computed tomography)画像データを収集するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影(CT)は、医療の分野で広く使用されている画像化技術である。コンピュータ断層撮影の手順においては、検査対象の患者の一部の反対側にX線源と検出装置とが位置される。X線源は、X線ビームを患者に向けて発生する一方、検出装置は、その過程でX線ビームで定まる複数の透過経路(transmission path)でのX線の吸収を測定する。検出装置は、入射X線の強度に比例した電圧を生成し、この電圧は、コンピュータにおける後続処理のために読み取られてデジタル化される。患者の周りの複数の角度から何千回もの読み取りを行うことにより、比較的大量のデータが蓄積される。そして、この蓄積されたデータは、マトリックスの復元(視覚またはその他)のために分析されて処理され、それは、検査される身体上の部位(section)の密度関数表現を構成する。このような1または2以上の部位を考慮することにより、熟練した診断医は、多くの場合、腫瘍や血栓などのような種々の身体上の疾患を診断することができる。
【0003】
既存のCT画像システムに関する問題は、患者がガントリー開孔部(gantry opening)内に閉じ込められて快適でないことであり、とりわけ、画像データ収集手順にかかる時間が長すぎる場合である。機構構造及び/又は統制規則(regulatory rules)は、X線源と画像検出器が取り付けられたガントリーの回転レートを制限してもよい。既存のCT画像装置の或るものは、或る所定値に制限されたガントリー速度を有する。既存のCTスキャナーの或るものは、患者の周囲をより速く回転するように構成され得るが、このようなスキャナーで生成された容積データ(volumetric data)セットは、スライス(slices)間に動きアーチファクト(motion artifact)を生じる。
【0004】
既存のCT画像システムに関する他の問題は、スライスの厚さが、一般にスライス内のピクセル(pixel)の解像度よりも大きいことである。例えば、既存のCT画像システムは、1センチメートルごとにスライスを生成するが、スライス内のピクセルの解像度は0.5ミリメートルである。スライス間の良好な解像度を生成するために、Z軸(回転軸)方向における検出器の数を増やしたスキャナーが開発された。しかしながら、Z軸における検出器の数を増やすことは、検出器の製造コストを上昇させ、それは、X線コンバータに結合される従来の単結晶シリコン電子技術に基づいているので、既に極めて高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の事柄について、CT画像データを収集してCT画像を生成するための改善された装置および方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
或る実施形態によれば、画像システムは、第1の行に存在する第1の画素と、前記第1の行に存在する第2の画素と、第2の行に存在する第3の画素と、ゲートドライバと、前記ゲートドライバから延びる第1の電気信号ラインと、前記第1の画素が接続された第2の電気信号ラインと、前記第3の画素が接続された第3の電気信号ラインとを備え、前記第3の画素と前記第1の画素は第1の列に存在し、前記第1の画素および前記第2の画素は、前記第1の電気信号ラインに接続される。
【0007】
他の実施形態によれば、画像信号を収集するための方法は、第1の行に存在する第1の画素からの第1の画像信号と第の2行における第2の画素からの第2の画像信号をアクセスするステップと、前記第1の行に存在する第3の画素からの第3の画像信号をアクセスするステップとを備え、前記第1の画素および前記第2の画素は一つの列に位置され、前記第1の画像信号と前記第2の画像信号と前記第3の画像信号は同時にアクセスされ、前記第1の画像信号は、第1の電気信号ラインを使用してアクセスされ、前記第2の画像信号は第2の電気信号ラインを使用してアクセスされる。
【0008】
他の実施形態によれば、制御モジュールは、第1の画素からの第1の画像信号と第2の画素からの第2の画像信号と第3の画素からの第3の画像信号とをアクセスするための制御信号を生成するように構成され、前記第1の画素と前記第3の画素は第1の行に位置され、前記第2の画素は第2の行に位置され、前記第1の画素と前記第2の画素は一つの列に位置され、前記第1の画素は、前記第1の画像信号を伝送するための第1の電気信号ラインに接続され、前記第2の画素は、前記第2の画像信号を伝送するための第2の電気信号ラインに接続される。
【0009】
他の実施形態によれば、画像システムは、第1のラインの画素および第2のラインの画素を有する撮像素子と、前記撮像素子に接続され、前記第1のラインの画素からの信号と前記第2のラインの画素からの信号とを同時に収集するか、または、前記第1のラインの画素からの信号が収集された後に前記第2のラインの画素からの信号を収集するように構成されたアクセス回路とを備え、前記第1のラインおよび前記第2のラインは、これらラインの間に位置される追加のラインの画素が存在しないように相互に隣接する。
【0010】
他の態様および特徴は、後述の実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0011】
図面は、実施形態の効用およびデザインを例示するものであり、図面において、同様の要素は共通の参照番号によって引用される。本実施形態の目的および利点がどのように得られるをより良く理解するために、添付の図面を参照して、より具体的な説明が提供されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態によるコンピュータ断層撮影システムを示す図である。
【図2】図1の検出器の実施形態を示す図である。
【図3】或る実施形態による図2の撮像素子のための電気的構成要素の一構成を示し、特に、2行読み出し構成を有する撮像素子を示す図である。
【図4】図3のフラットパネル撮像素子の変形例を示し、特に、4行読み出し構成を有する撮像素子を示す図である。
【図5】図2の検出器の変形例を示し、特に、光伝導体(photoconductor)のレイヤを有する撮像素子を示す図である。
【図6】図1の検出器の他の実施形態を示す図である。
【図7】多重複数行読み出しユニットを示す図である。
【図8】他の実施形態による撮像素子を示す図である。
【図9】他の実施形態による撮像素子を示す図である。
【図10】本実施形態で実施可能なコンピュータハードウェアシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の種々の実施形態を説明する。図面は原寸に比例して描かれたものではなく、全図にわたって同様の構成要素または機能は同様の参照番号によって表されていることに注意されたい。また、図面は、本実施形態の説明を容易化することを意図したものに過ぎないことに注意されたい。それらは、本発明を完全に網羅して説明するものでもなく、また、本発明の要旨を限定するものでもない。加えて、特定の実施形態に関して説明する特徴および態様は、必ずしも、その実施形態に限定されるものではなく、他の任意の実施形態で実施可能である。
【0014】
ここで、図面を参照すると、類似または対応する要素は同じ参照番号で識別され、図1は、コンピュータ断層撮影(CT)画像取得システム10を示し、このシステムは、幾つかの実施形態で構成される検出器24を備える。このシステム10は、ガントリー(gantry)12と、患者16を支えるためのパネル14を備える。ガントリー12は、患者16がX線源20と検出器24との間に少なくとも部分的に位置されながら、ガントリー12の反対側の検出器24に向かう扇状(fan)のビームまたは円錐状(cone)のビームのような、X線のビームを投射するX線源20を備える。X線源20は、X線ビームの形状を調整するためのコリメータ(collimator)21を備えてもよい。検出器24は、患者16を通過するX線を検知するように構成された複数のセンサー素子(sensor elements)を備える。各センサー素子は、患者16を通過するときのX線ビームの強度を表す電気信号を生成する。
【0015】
例示の実施形態では、CT画像取得システム10は、また、プロセッサ54、データを表示するためのモニター56、データを入力するための例えばキーボードやマウスのような入力装置58を備える。プロセッサ54は、ガントリー回転制御部40に接続される。ガントリー12の回転とX線源20の動作は、ガントリー回転制御部40によって制御され、ガントリー回転制御部40は、X線源20にタイミング信号と電力を供給すると共に、プロセッサ54から受信した信号に基づいてガントリー12の位置と回転速度を制御する。制御部40は、ガントリー12およびプロセッサ54から分離した構成要素として示されているが、代替の実施形態では、制御部40は、ガントリー12またはプロセッサ54の一部であってもよい。
【0016】
X線投影データ(即ち、CT画像データ)を取得するためのスキャン中に、X線源20は、患者16の周りをガントリー12が回転しながら、このガントリー12の反対側の検出器24に向けてX線ビームを投射する。一実施形態では、ガントリー12は、画像データ取得中に患者16の周りを360°回転する。或いは、もし完全な円錐検出器(cone detector)が使用されれば、システム10は、ガントリー12が180°にビームパターンの角度をプラスした角度だけ回転する間にデータを取得してもよい。採用されている特定のシステムに応じて、別な回転角度が使用されてもよい。一実施形態では、検出器24は、1秒未満の時間で少なくとも900フレームの画像を生成するように構成される。このような場合、ガントリー12は、コンピュータ断層撮影画像の復元のための十分な量の画像データを収集するためには、患者16の周りを1回だけ回転するだけで足りる。他の実施形態では、検出器24は、別の速度でフレームを生成するように構成されてもよい。
【0017】
図2は、或る実施形態によって構成された検出器24を示す。図2に示されるように、検出器24は、ヨウ化セシウム(CsI)のようなシンチレータ素子(scintillator element)から構成されたX線変換レイヤ60を含む撮像素子(imager)100と、X線変換レイヤ60に結合された光検出器アレイ62(例えば、光ダイオードレイヤ)から構成される。X線変換レイヤ60は、X線放射に反応して光量子(light photons)を生成し、また、光検出器アレイ62は、複数の検出素子64を備え、X線変換レイヤ60からの光量子に反応して電気信号を生成するように構成される。例示の実施形態では、X線変換レイヤ60と光検出器アレイ62の両方はピクセル化(pixilated)され、これにより、複数の撮像素子(imaging elements)104を形成する。しかしながら、X線変換レイヤ60は、代替の実施形態ではピクセル化されなくてもよい。図2に示されるように、撮像素子100は、曲面(例えば、部分的な円弧)を有する。このような構成は、撮像素子100の画素(image element)104のそれぞれがX線源20から実質的に等距離に位置される点で有益である。代替の実施形態では、撮像素子100は、直線面(rectilinear surface)または他の外形を有してもよい。例示の実施形態では、各画素(image element))104(すなわちピクセル(pixel))は、概ね20ミクロンまたはそれ以上、より好ましくは、概ね300ミクロンまたはそれ以上の断面寸法(cross sectional dimension)を有する。しかしながら、他の寸法を有する画素104を使用してもよい。撮像素子100は、アモルファスシリコン、結晶シリコンウェハ、結晶シリコン基板、またはフレキシブル基板(例えばプラスチック)から構成されてもよく、そしてフラットパネル技術、または画像装置(imaging device)を作成する分野において知られている他の技術を使用して構成されてもよい。
【0018】
図3は、他の実施形態による撮像素子100についての電気的構成要素の一構成を示す。撮像素子100は複数の画素104を備え、そのそれぞれは、光入力に反応して電気信号を生成するフォトダイオード106(検出素子64の一部を構成する)を備える。フォトダイオード106は、X線に反応して光を発生するX線変換レイヤ60から光入力を受信する。フォトダイオード106は、画素用の逆バイアス電圧を供給するアレイバイアス電圧122に接続される。トランジスター108(薄膜N型FETのようなもの)は、画素104のためのスイッチング素子として機能する。画素104からの画像データをキャプチャすることが望まれる場合、制御信号114は、ゲートドライバ112に出力され、トランジスター108のゲートを“選択”する。ゲートドライバ112は、ゲート制御ラインを駆動するロウゲート電圧源127とハイゲート電圧源に接続される。フォトダイオード106からの電気信号は、ライン116を通じて対応する電荷増幅器110に与えられる。電荷増幅器110の出力は、更なる画像処理/表示のために“サンプルホールド”段に出力される。一実施形態では、ゲートドライバ112は、アクセス回路の一部であり、それは撮像素子100の端部に固定されてもよい。アクセス回路は、また、電荷増幅器110を備えてもよい。図3は、4個の画素104a−104dを含むが、当業者であれば、撮像素子100は、画像装置(imaging device)のサイズと解像度に応じて、多くのこのような画素104を含んでもよい。加えて、画素104の二つのライン126aおよび126bのみが示されているが、撮像素子100は、画素104の二つのライン126よりも多くのライン含んでもよい。他の実施形態では、ゲートドライバ112は、複数のグループのゲートライン126を別個にアクセスする複数の出力202を含んでもよい。
【0019】
撮像素子100は、相関方式(correlated manner)で画素104から画像データの同時的サンプリングを実施する。例示の実施形態では、撮像素子100は、二つのライン126a,126b上の画素104のそれぞれについて対応増幅器110を備え、これにより、画素104のライン126a,126bからの画像データを同時に(即ち、実質的に同じ時間に)収集し読み出すことを可能にする。二つのライン126a,126b上の画素104a−104dについてのスイッチングトランジスター108a−108dの全ては、ゲートドライバ112から延びる同一の制御ライン202に接続される。画素104の二つのライン126a,126bについての画像データが望まれる場合は、制御信号114は、画素の所望のライン(例えば126aおよび126b)についてのトランジスターゲートを選択するためにゲートドライバ112に出力される。画素のライン126a,126bの全体からの電気信号は、それらの対応電荷増幅器110に受け渡され、その増幅器は、信号データを後続のサンプリング段に出力する。もし撮像素子100が、画像フレーム全体を形成するために、画素104の二つのライン126よりも多くのラインを有していれば、画像データは、撮像素子100上の画素104のライン126がサンプリングされるまでの時間に二つのラインに収集される。撮像素子100の所定の構成について、画素104の各ライン126についての信号読み出し時間は、ピクセルをターンオンさせて対応信号を放電するのに要する時間に依存し、通常は固定される(例えば、概ね40マイクロ秒)。このように、画素104の2以上のラインからの信号が同時または並列に読み出され得ることを可能とするように撮像素子100を構成することにより、撮像素子の全てのライン126からの信号を読み出すのに要する時間を低減することができる。従って、これは、撮像素子100のフレームレート(即ち、1秒当たりの撮像素子100によって生成される画像フレームの数)を改善する。
【0020】
撮像素子100の上述の実施形態は2ラインの読み出し構成を有するものとして説明されたが、代替の実施形態では、撮像素子100は、一度に画素104の2以上のラインから信号が収集されることを可能とする構成を有してもよい。図4は、4ラインの読み出し構成を有する撮像素子100の変形例を示す。図4に示されるように、4ライン(例えば126a−126dまたは126e−126h)ごとの画素104は、接続ライン116a−116pおよび接続パッド410a−410pを通じて、それぞれ、増幅器110a−110p(図示なし)のような対応装置に接続される。例示の実施形態では、4つのライン126a−126d上の画素104についての全てのスイッチングトランジスターは、ゲートドライバ112から延びる同一の制御ライン202aに接続され、4つのライン126e−126h上の画素104についての全てのスイッチングトランジスターは、ゲートドライバ112から延びる同一の制御ライン202bに接続される。画素104の4つのライン126a−dについての画像データが望まれる場合には、制御信号114は、画素104の4つのライン126a−126dについてのトランジスターゲートのみを(制御ライン202a)を介して選択するためにゲートドライバ112に出力される。4つのライン126a−d上の画素104からの電気信号は、それらの対応する電荷増幅器110a−pに受け渡され、その増幅器は、後続のサンプリング段に信号データを出力する。画素104の次の4つのライン126e−126hから信号を収集するために、制御信号114は、画素104の4つのライン126e−126hについてのトランジスターゲートのみを(制御ライン202bを介して)選択するためにゲートドライバ112に出力される。画像フレーム全体を形成するために、撮像素子100上の画素104の全ラインがサンプリングされるまでの時間に画像データが4つのラインに収集される。
【0021】
図4に示されるように、接続パッド410または所定の長さの範囲内に調整された相互接続の数は、接続パッド410のサイズと、接続パッド410間の間隔によって制限される。所定の長さの範囲内に適合され得る接続パッド410の数は、同時に選択されて増幅器110のような対応装置に接続される画素104のライン126の数を制限するかもしれない。一実施形態では、撮像素子100の相互接続を増やすために、各画素104は、より大きく形成されてもよく、或いは、各ライン126に沿った画素104の数が減少されてもよい。例えば、一実施形態では、各画素104は、概ね300ミクロン、または、より好ましくは、概ね400ミクロンよりも大きな断面寸法を有してもよい。しかしながら、他の寸法を有する画素を使用してもよい。当業者であれば、画素104が大きくなる程、及び/又は、各ライン126に沿った画素104の数が少なくなる程、相互接続の数が多くなり、そして活性化され得るフレームレートが高くなることが分かる。
【0022】
撮像素子100は、X線変換レイヤ60を有するものとして説明されたが、代替の実施形態では、撮像素子100は別の検出スキームを用いてもよい。例えば、代替の実施形態では、X線変換レイヤ60を備えることに代えて、撮像素子100は、光伝導体(photoconductor)を備えてもよく、それはX線に反応して電子−正孔対または電荷を生成する。図5は、代替の実施形態によって構成される撮像素子500を図式的に示す。フラットパネル撮像素子500は、検出器アレイ520に対して整合されたX線変換パネル510を備える。X線変換パネル510は、第1の電極502、第2の電極504、そして、第1の電極502と第2の電極504との間に固定された光伝導体506を備える。電極502および504は、銀、クロミウム、アルミニウム、金、ニッケル、バナジウム、亜鉛、パラジウム、プラチナ、炭素、などのような広範な種々の材料、およびこれらの材料の合金から構成されてもよい。光伝導体506は、ヨウ化水銀(HgI2)、ヨウ化鉛(PbI2)、ヨウ化ビスマス(BiI3)、ヨウ化セシウム(CsI)、テルル化カドミウム亜鉛(CdZnTe)、非晶質セレニウム(a−Se)、またはその等価物のような種々の材料から構成されることができる。この技術分野で知られた他の材料も使用することができる。光伝導体506は、単結晶または多結晶レイヤであってもよい。光伝導体506は、好ましくは、PVD(physical vapor deposition)またはPIB(particle in binder)プロセスによって堆積される。或いは、もし光伝導体506が別個の基板上に堆積されれば(テルル化カドミウム亜鉛(Cd(1−x)ZnTe)半導体結晶またはZnTe材料から作成されるもののような)、それは、インジウムのバンプによって第1の電極502および第2の電極504に固定されてもよい。或いは、光伝導体506は、また、光伝導体506並びに第1の電極502および第2の電極504が作成される材料に応じて、適切な粘着剤によって第1の電極502および第2の電極504に固定されてもよい。この分野で知られた他の技術も、また、第1の電極502および第2の電極504に光伝導体506を固定するために使用されてもよい。それらから作成された光伝導体および撮像素子は、当技術分野において知られており、従って、ここでは更に詳細に説明しない。
【0023】
フラットパネル撮像素子500を使用する場合、第1の電極502および第2の電極504は、第1の電極502と第2の電極504との間にバイアスまたは電位差を生成するために電圧源によってバイアスされる。バイアスされた電極502および504は、第1の電極502と第2の電極504との間の領域を横切る電界を形成する。光伝導体506にX線が照射されると、電子正孔対(EHP)または電荷のような応答が生成され、そして第1の電極502と第2の電極504との間の領域を横切る電界の影響を受けて、別々にドリフトする。電荷は検出器アレイ520によって収集され、この検出器アレイは、2次元アレイ状に配列された複数の検出素子522を備える。検出素子522は、第1の電極502上に収集された電荷に反応して電気信号を生成するように構成される。一実施形態では、検出素子522は電荷検出器(charge detector)である。各検出素子522は、X線によって生成されて第1の電極502によって収集された電荷を蓄えるためのストレージキャパシタを有してもよい。各検出素子522は、また、収集された電荷を読み出し電子装置によってアクセスするために、薄膜トランジスター(TFT)やスイッチングダイオードのようなスイッチング素子を備えてもよい。任意的に、検出素子522は、信号または電荷のバッファリングおよび増幅のための構成要素をさらに備えることができる。検出素子522は、また、多結晶シリコンまたは有機能動素子(organic active element)を備えてもよい。検出器素子522の夫々は、検出器アレイ520を用いて生成されたX線画像のピクセルを形成する。検出器アレイ520は、また、検出素子522に接続されたピクセルアクセス回路(図示なし)を備える。ピクセルアクセス回路は、検出素子522をアクセスし、検出素子522から電気信号を読み出す。検出素子522をアクセスしてそこから電気信号を読み出す過程は、前述の図3を参照して同様に説明される。一実施形態では、ピクセルアクセス回路は、行ごとに検出素子522をシーケンシャルにアクセスして列ごとに検出素子522から電気信号を読み出すための行アクセス信号を生成するゲートドライバを備える。各行アクセス信号は、単一行の検出素子522または複数行の検出器素子522をアクセスすることができる。同様に、各読み出し動作により、単一列の検出素子522または複数列の検出素子522から電気信号を読み出すことができる。
【0024】
図6は、複数の撮像素子600を備えた検出器24の他の実施形態を示す。一実施形態では、各撮像素子600は、そのパネル幅602が2ないし10センチメートル(cm)であり、パネル深さ(奥行き)604が20ないし60cmであり、より好ましくは、30ないし40cmである。しかしながら、他の実施形態では、各撮像素子600は、また、別の寸法をとってもよい。例示の実施形態では、撮像素子600のそれぞれは、隣の撮像素子600の端に対して積み上げられている。この構成は、撮像素子600が、画像信号をキャプチャするための非不連続(non-discontinuous)な表面を提供し、これにより、収集される画像データにおけるギャップを防止する点で有益である。或いは、撮像素子600は、実質的に連続した表面が形成され得るように互いに隣接して配置されてもよい。代替の実施形態では、8個の撮像素子600が示されているが、検出器24は、検出器24の特記仕様書(particular specification)に応じて、1個または他の個数の撮像素子600を備えてもよい。加えて、撮像素子600は、検出器24の曲線的外形(curvilinear profile)を集合的に形成するが、代替の実施形態では、撮像素子600は、検出器24の概ね直線的な表面または他の外形を集合的に形成してもよい。
【0025】
複数の撮像素子600を用いて検出器24を構成することは多くの利点を有する。第1に、多数の小さな撮像素子600を製造することは、検出器24の仕様を満足する十分なサイズの単一の撮像素子を製造することよりも容易であり、しかも安価であるので、検出器24の製造コストを低減できる。加えて、複数の撮像素子600は、撮像素子600のうちの一つにおける画素104の1または2以上のラインからの信号が、ゲートドライバ112によって撮像素子600のうちの他のものにおける画素104の1または2以上のラインからの信号と同時に読み取られるという別なレベルの多重化(multiplexing)を提供する。一実施形態では、ゲートドライバ112は、撮像素子600の全てのうちの最初の2行からの信号を読み出し、それから次の2行からの信号を読み出すなど、撮像素子600の全ての行からの信号が読み出されるまで、信号の読み出しを繰り返すように構成されることができる。このような構成は、検出器24について非常に高いフレームレートを提供し、これにより、所定の期間においてより多くの画像データが収集されることを可能にする。
【0026】
例えば、検出器24が14個の撮像素子600を備えるものとすれば、そのそれぞれは、50行の画素104を有する。このような場合において、もし、1行についての平均読み出しレートが40マイクロ秒であれば、検出器24全体から信号を読み出すのに2000マイクロ秒(=40マイクロ秒×50行)の時間がかかり、これにより、1秒あたり500フレームレート(1/2000マイクロ秒)を提供する。もし、複数行の読み出しスキームが使用され、例えば、信号が2行ごと(2行づつ)に同時に読み出されるものとすれば、検出器24全体から信号を読み出すのに1000マイクロ秒の時間がかかり、これにより、1秒あたり1000フレームレートを提供する。これらの両方の構成は、検出器全体について単一行の読み出しスキームを使用する従来の検出器よりも極めて良好なフレームレートを提供する。例えば、従来の読み出しスキームを使用すれば、同一個数の行(すなわち、600行)の画素を有する検出器から信号を読み出すのに、24000マイクロ秒(=40マイクロ秒×600行)の時間がかかり、1秒あたり41フレームしか提供しない。当業者であれば、使用されるフラットパネル撮像素子600の数が多い程、より高いフレームレートを達成できることが分かる。
【0027】
複数の撮像素子600を用いて検出器24を構成することは、また、画像についてのより良好な解像度を提供する。例えば、所定のフレームレートについて、検出器24は、より小さい撮像素子ではあるが低い画素ピッチを有する撮像素子600をより多く用いることにより良好な解像度を提供するように構成されることができる。一実施形態では、検出器24は、24個の撮像素子600を備え、その夫々は、パネル幅が概ね2.5センチメートルであり、ピクセルのピッチが概ね380umである。このような構成は、概ね同一のフレームレートを提供するが、撮像素子600が概ね4.5センチメートルのパネル幅と概ね500umの画素ピッチを有する状態では、14個の撮像素子600を備えた検出器に比べて解像度が極めて高くなる。
【0028】
複数の撮像素子600が使用される例示の実施形態では、信号の読み出しは一度に2またはそれ以上の行に限定されず、ゲートドライバ112が、一度に1行の画素104をアクセスするように構成され得ることに注意されたい。例えば、代替の実施形態では、ゲートドライバ112は、撮像素子600の全ての第1番目の行から信号を読み出し、それから第2番目の行から信号を読み出すなど、撮像素子600の全ての行から信号が読み出されるまで繰り返して信号を読み出すように構成することができる。
【0029】
図7は、上述の実施形態の撮像素子または従来の撮像素子で実施される多重複数行読み出しユニット650を示す。読み出しユニット650は、共通パッド654に接続された複数のスイッチ652を備える。スイッチ652のそれぞれは低抵抗を有し、これにより、画素104からの信号が迅速に読み出されることを可能とする。使用中に、スイッチ652は、連続して切り替わって信号を共通パッド654に伝送する。共通パッド654は、その信号を受信する増幅器、記憶装置、またはプロセッサのような装置に接続されてもよい。例示の実施形態では、読み出しユニット650は、4個のスイッチ652を備える。しかしながら、読み出しユニット650は、また、代替の実施形態では、別の個数のスイッチ652を備えてもよい。
【0030】
図8は、他の実施形態による撮像素子100の変形例を示す。図8の撮像素子100は、図1の画像取得システム10と共に使用されてもよい。他の実施形態では、図8の撮像素子100は、円錐ビームCT機器、放射線治療システム、または他の医療機器のような他の放射線装置と共に使用されてもよい。図8に示されるように、4個の連続ライン(例えば、ライン126a−126d)ごとの画素104(例えば、画素104a,104c,104e,104g)は、接続ライン116(例えば、ライン116a)を通じて対応ノード410(例えば、ノード410a)に接続される。或る実施形態では、各ノード410は接続パッドであり、それは、電荷増幅器(例えば、増幅器110)に接続されてもよい。他の実施形態では、各ノード410は、それ自体が増幅器であってもよい。また、例示の実施形態では、他の4つのラインごと(例えば、ライン126a,126e,126i,126m)の画素104は、ゲートドライバ112から延びる同一の制御ライン202(例えば、制御ライン202a)に接続される。ゲートドライバ112は、制御モジュールに接続され、この制御モジュールは、ゲートドライバ112を作動させて撮像素子100からの画像信号をアクセスするための制御信号を生成するように構成される(例えばプログラムされ、または設計される)。この制御モジュールは、FPGA、マイクロプロセッサ、または、処理機能を実施することが可能な回路であってもよい。
【0031】
2列のみの画素104が例示されたが、撮像素子100は、他の実施形態では、2列よりも多くの列の画素104を有してもよいことが理解される。また、他の実施形態では、撮像素子100は、16行以外の個数の行の画素104を有してもよい。更なる実施形態では、4行ごとの連続行からの画素104をライン116に接続する代わりに、撮像素子100は、2行または3行ごとの連続行から、または5行以上の連続行からの画素104がライン116に接続されてもよい。図9は、撮像素子100の変形例を示し、この変形例では、3行ごとの連続行からの画素104がライン116に接続される。或る実施形態では、撮像素子100を生成するために同様の構成がなされ、この構成では、8行ごとの連続行からの画素104がライン116に接続される。例えば、8行の連続行上の画素104は、接続ライン116を通じて対応ノード410に接続され、8ライン(例えば、126a,126h,など)ごとの画素104が、ゲートドライバ112から延びる同一の制御ライン202に接続されてもよい。ここで述べた実施形態の何れにおいても、連続行のグループをライン116に接続する代わりに、2またはそれ以上の非連続行がライン116に接続されてもよい。
【0032】
図8の撮像素子100を使用する場合、ゲートドライバ112は、ノード410a−410hで画素104a,104b,104i,104j,104q,104r,104y,104zから信号を同時に収集するために、第1番目、第5番目、第13番目の行を(ライン126a,126e,126i,126mを用いて)アクセスしてもよい。例えば、制御信号114は、画素104の行126a,126e,126i,126mについてのトランジスターゲートを(制御ライン202aを介して)選択するために、ゲートドライバ112に出力されてもよい。そして、行126a,126e,126i,126mにおける画素104からの電気信号は、それらの対応するノード410a−410hに受け渡される。続いて、ゲートドライバ112は、第2番目、第6番目、第10番目、第14番目の行を(ライン126b,126f,126j,126nを用いて)アクセスして、ノード410a−410hで画素104c,104d,104k,104l,104s,104t,104aa,104abから信号を同時に収集する。この画像データ収集処理は、行126の全てからの画像信号が収集されるまで継続される。
【0033】
或る実施形態では、ノード410a−410hで収集される(画素104a,104b,104i,104j,104q,104r,104y,104aからの)第1セットの画像信号は、(画素104c,104d,104k,104l,104s,104t,104aa,104abからの)第2セットの画像信号がノード410a−410gで収集される前に記憶される。同様に、ノード410a−410hで収集される第2セットの画像信号は、(画素104e,104f,104m,104n,104u,104v,104ac,104adからの)次のセットの画像信号がノード410a−410hで収集される前に記憶される。このような技術は、ノード410a−410hで以前に収集された画像データが欠落せず、または、同一のノードで後に収集される画像データと結合されないことを保証し、そして、以前に収集された画像データが、完全な画像フレームを構成するための使用のために保存されることを保証する。例えば、画像フレームは、画素104aからの画像信号から得られる第1のピクセル(点)と、画素104cからの画像信号から得られる第2のピクセルとを含んでもよい。
【0034】
他の実施形態では、図8の撮像素子100は、ビニング・シナリオ(binning scenario)で使用されてもよい。このような場合、ゲートドライバ112は、ライン126a−126dを用いて、第1番目、第2番目、第3番目、第4番目の行をアクセスして画素104a,104c,104e,104gからの画像信号を収集し、そしてノード410aでそれらをビニング(bin)(結合(combine))し、そして、画素104b,104d,104f,104hからの画像信号を収集してノード410eでそれらをビニング(binning)する。或る実施形態では、撮像素子100は、2列よりも多くの列の撮像素子104を備えてもよく、最初の4行における撮像素子104の全ては、ライン126a−126dを用いて同時にアクセスされてもよい。或る実施形態では、ゲートドライバ112は、ライン126の全てを用いて行の全てをアクセスしてもよい。このような場合では、上述した画素104a−104hからの画像信号を収集することに加えて、画素104i,104k,104m,104oからの画像信号が収集されてノード410bでビニングされ、画素104j,104l,104n,104pからの画像信号が収集されてノード410fでビニングされ、画素104q,104s,104u,104wからの画像信号が収集されてノード410cでビニングされ、画素104r,104t,104v,104xからの画像信号が収集されてノード410gでビニングされ、画素104y,104aa,104ac,104aeからの画像信号が収集されてノード410dでビニングされ、そして、画素104z,104ab,104ad,104afからの画像信号が収集されてノード410hでビニングされる。或る実施形態では、全ての行のアクセスは同時に実施されてもよい。他の実施形態では、全ての行のアクセスはグループで実施されてもよい(例えば、1番目の4つの行をアクセスし、それから2番目の4つの行をアクセスするなど)。
【0035】
また、更なる実施形態では、2つごとの連続ライン(例えば、ライン126a,126b)からの信号がビニングされ、残りのセット(4行のセット)からの画素(例えば、ライン126c,126d上の画素)は、ライン126a,126bからの信号が収集されている間はアクセスされない。ライン126a,126bからの信号が収集されてビニングされ(そして格納され)た後、ライン126c,126dからの信号が収集されてビニングされ(そして格納され)る。そして、このビニングされ格納された信号は、画像を生成するために使用され、ここで、ビニングされた信号の第1セットが上記画像における第1ラインを提供し、ビニングされた信号の第2セットが上記画像における別のラインを提供する。このように、図8の撮像素子の構成は、2以上の隣接した行からの信号の選択的なビニング(binning)を可能にする。
【0036】
実施形態に例示されるように、撮像素子100をビニング・シナリオで使用する場合、信号をアクセスする速度が改善される(例えば、より多くの行を同時的に同時アクセスすることにより)。或る場合では、結合された(ビニングされた)画像信号により画像の解像度が減少されるにもかかわらず、改善された速度を有することの利益は望ましい。また、或る実施形態では、撮像素子104からの信号はビニングを用いて合算され、そして、信号対雑音比(SNR)を増加させる。
【0037】
上述の実施形態で例示したように、図8および9の撮像素子100は、画素104の2またはそれ以上の連続ラインからの画像信号がビニングされることを可能にする。このような特徴は、撮像素子100からの画像信号が、画像の解像度に著しく影響を与えることなく、より速い速度でアクセスされることを可能にする。このことは、二つの隣接する画像信号の特性/特徴が著しく変化せず、したがって、望ましくビニングされるからである。また、図8の撮像素子100は、2つごとの連続ライン(例えば、126aおよび126b、126cおよび126d、126eおよび126f、など)からの、または、4つごとの連続ライン(例えば、126a−126d、126e−126hなど)からの画像信号が同時にビニングされることを可能にする点で有利である。或る実施形態では、ユーザインターフェイスが備えられてもよく、それは、ビニングされるのに望ましい画素104の連続ラインの数(例えば、2と16の間の任意の数を含む)をユーザが選択すること可能とする。更なる実施形態では、ユーザインターフェイスは、また、“ノー・バイニング(no binning)”をユーザが選択することを可能とし、この場合、各ラインの画素104からの画像信号は、上述のように、他のラインの撮像素子104とビニングされない。
【0038】
撮像素子の多数のラインが撮像素子100の種々の実施形態において示されたが、或る実施形態では、撮像素子100は、何百何千ものラインの画素を備えてもよい。例えば、図8および9に示された撮像素子100の実施形態の構成が何倍にも増やされ、または繰り返し配置され、これにより、多くのライン(例えば、何百または何千ものライン)の画素を有する撮像素子100を形成してもよい。或る実施形態では、画素の数は、100万のオーダーであってもよい。
【0039】
<コンピュータシステム構成>
【0040】
図10は、コンピュータシステム700の実施形態を例示するブロック図であり、このコンピュータシステム700に関する実施形態が説明される。コンピュータシステム700は、バス702または情報を伝達するための他の通信メカニズムと、上記バス702に接続された情報処理用のプロセッサ704とを備える。プロセッサ704は、図1のプロセッサ54の例であってもよく、或いは、プロセッサ54の構成要素の例であってもよい。また、コンピュータシステム700は、RAM(random access memory)または他の動的記憶装置のような主メモリ706を備え、それは、バス702に接続され、プロセッサ704によって実行されるべき命令と情報を格納するためのものである。また、主メモリ706は、プロセッサ704によって実行されるべき命令の実行中に一時的な変数や中間情報を格納するために使用されてもよい。更に、コンピュータシステム700は、バス702に接続されたROM(read only memory)708または他の静的記憶装置を備え、それは、プロセッサ704のための命令および静的な情報を格納するためのものである。磁気ディスクまたは光ディスクのようなデータ記憶装置710が備えられ、このデータ記憶装置は、情報および命令を格納するためのものであり、バス702に接続される。
【0041】
コンピュータシステム700は、ユーザに情報を表示するために、バス702を介して、CRT(cathode ray tube)のようなディスプレイ77に接続されてもよい。入力装置714は、英数字キーおよび他のキーを含み、プロセッサ704に情報およびコマンドを伝送するためにバス702に接続される。他のタイプのユーザ入力装置は、プロセッサ704に方向情報およびコマンド選択を伝達し、ディスプレイ77上でのカーソルの動きを制御するためのマウス、トラックボール、カーソル方向キーのようなカーソルコントロール716である。この入力装置は、代表的には、該装置が平面上での位置を特定することを可能とする第1軸(例えばx)と第2軸(例えばy)との2軸における2度の自由度を有する。
【0042】
或る実施形態では、コンピュータシステム700は、画像データを収集し処理するために使用されてもよい。或る実施形態によれば、このような使用は、主メモリ706に格納された1又は2以上の命令の1又は2以上のシーケンスを実行するプロセッサ704に応答してコンピュータシステム700によって提供される。このような命令は、記憶装置710のような他のコンピュータ読み取り可能な媒体から主メモリ706に読み込まれてもよい。主メモリ706に格納された命令のシーケンスの実行は、ここで説明される処理ステップをプロセッサ704に実行させる。また、マルチ処理構成の1又は2以上のプロセッサが、主メモリ706に格納された命令のシーケンスを実行するために導入されてもよい。代替の実施形態では、ここで説明した実施形態を実施するために、配線接続された回路が、ソフトウェア命令と共に、またはソフトウェア命令に代えて使用されてもよい。従って、実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアの如何なる特定の組合せにも限定されない。
【0043】
ここで使用される用語“コンピュータ読み取り可能な媒体”は、実行用のプロセッサ704に命令を供給することに関与する任意の媒体を指す。このような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、伝送媒体を含む多くの形式をとってもよいが、これに限定されない。不揮発性媒体は、例えば、記憶装置710のような光または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、主メモリ706のようなダイナミックメモリを含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバーを含み、バス702を構成する配線を含む。また、伝送媒体は、電波および赤外線データ通信中に生成されるもののような音波および光波の形式をとることができる。
【0044】
共通形式のコンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または他の任意の磁気媒体、CD−ROM、他の任意の光媒体、パンチカード、紙テープ、ホールパターンを有する他の任意の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEPROM、他の任意のメモリチップまたはカートリッジ、後述するような搬送波、またはコンピュータが読み取ることができる他の任意の媒体を含む。
【0045】
種々の形式のコンピュータ読み取り可能な媒体は、実行用のプロセッサ704に1又は2以上の命令の1又は2以上のシーケンスを搬送することに関与する。例えば、命令は、初期にリモートコンピュータの磁気ディスク上に搬送されてもよい。リモートコンピュータは、命令をそのダイナミックメモリにロードし、そしてその命令をモデムを使用して電話回線上に送出することができる。コンピュータシステム700に設けられたモデムは、電話回線上のデータを受信し、そして、赤外線送信器を使用してそのデータを赤外線信号に変換することができる。バス702に接続された赤外線検出器は、上記赤外線信号で搬送されたデータを受信し、そのデータをバス702上に送出する。バス702は、そのデータを主メモリ706に搬送し、この主メモリからプロセッサ704が命令を読み出して実行する。主メモリ706に入力された命令は、任意的には、プロセッサ704による実行の前または後に記憶装置710に格納される。
【0046】
また、コンピュータシステム700は、バス702に接続された通信インターフェイス718を備える。通信インターフェイス718は、ローカルネットワーク722に接続されたネットワークリンク720と結合して双方向のデータ通信を提供する。例えば、通信インターフェイス718は、対応するタイプの電話回線に対するデータ通信接続を提供するISDN(integrated service digital network)カードまたはモデムであってもよい。他の例として、通信インターフェイス718は、互換性のあるLANに対するデータ通信接続を提供するためのLAN(local area network)カードであってもよい。また、無線リンクが実施されてもよい。このような任意の実施においては、通信インターフェイス718は、種々のタイプの情報を表すデータストリームを搬送する電気的信号、磁気的信号、または光信号を受信し送信する。
【0047】
ネットワークリンク720は、代表的には、1又は2以上のネットワークを通じた他の装置へのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク720は、ローカルネットワーク722を通じたホストコンピュータ724または医療機器726への接続を提供してもよい。ネットワークリンク720上で伝送されるデータストリームは、電気的信号、磁気的信号、または光信号から構成され得る。種々のネットワークを通じた信号、ネットワークリンク720上の信号および通信インターフェイス718を通じた信号は、コンピュータシステム700との間で送受信されるデータを運ぶ信号であり、情報を運ぶ搬送波の代表的な形式である。コンピュータシステム700は、ネットワーク、ネットワークリンク720、および通信インターフェイス718を通じて、プログラムコードを含むデータを受信すると共にメッセージを送信することができる。
【0048】
この明細書で使用されるように、用語“列(column)”および“行(row)”は、それぞれ画素の水平および垂直ラインを指すものである必要はなく、それらの用語“列(column)”および“行(row)”は相互に入れ替え可能である。例えば、用語“列”は画素の水平ラインを指してもよく、用語“行”は画素の垂直ラインを指してもよい。また、用語“第1列”(または“第1行”)は、撮像素子における画素のまさに第1ラインを指す必要はなく、それは、撮像素子におけるラインの何れかを指すために使用されてもよい。同様のことが、用語“第2列”(または“第2行”)、“第3列”(または“第3行”)などに関して当てはまる。更に、用語“第1画素”は、撮像素子内のラインにおけるまさに第1画素を指す必要はなく、それは、ラインにおける画素の何れかを指すために使用されてもよい。同様のことが、用語“第2画素”、“第3画素”などに当てはまる。
【0049】
特定の実施形態が示され説明されたが、それらは、本発明を制限することを意図したものではなく、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱するこなく種々の変形および変更が可能であることは明らかである。例えば、プロセッサ/モジュールによって実施される動作(operation)は、ハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実施可能であり、“プロセッサ”の特定の定義から構成される特定の実施形態に限定されるべきではない。従って、本明細書および図面は、制限的な意味よりは、むしろ例示的なものと考えるべきである。本発明は、代替、変形、および均等物を含むものであり、それらは、請求項によって定義されるような本発明の精神および範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
10:画像取得システム
12:ガントリー
14:パネル
20:X線源
21:コリメータ
24:検出器
40:ガントリー回転制御部
54:プロセッサ
56:モニター
58:入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の行に存在する第1の画素と、
前記第1の行に存在する第2の画素と、
第2の行に存在する第3の画素と、
ゲートドライバと、
前記ゲートドライバから延びた第1の電気信号ラインと、
前記第1の画素が接続された第2の電気信号ラインと、
前記第3の画素が接続された第3の電気信号ラインと、
を備え、
前記第3の画素および前記第1の画素は第1の列に存在し、
前記第1の画素および前記第2の画素は、前記第1の電気信号ラインに接続された画像システム。
【請求項2】
前記第3の画素は、1又は2以上の追加の画素が画素間に配置されるように、前記第1の画素から離間して配置された請求項1記載の画像システム。
【請求項3】
前記1又は2以上の追加の画素は、連続して前記第1の列に配置された3個の追加の画素を含む請求項2記載の画像システム。
【請求項4】
前記1又は2以上の追加の画素は、第3の行における第4の画素を含む請求項2記載の画像システム。
【請求項5】
前記第1の画素および前記第4の画素からの各画像信号を前記ゲートドライバに同時にアクセスさせるための制御信号を生成するための回路を更に備えた請求項4記載の画像システム。
【請求項6】
前記第2の電気信号ラインに接続され、前記第1の画素および前記第4の画素のうちの一つからの信号を受信するか、または、前記第1の画素および前記第4の画素の両方から得られる信号を受信するための増幅器を更に備えた請求項4記載の画像システム。
【請求項7】
前記ゲートドライバは、前記第1の画素からの第1の信号と前記第4の画素からの第2の信号が前記第2の電気信号ラインを介して収集されるように構成された請求項4記載の画像システム。
【請求項8】
前記ゲートドライバは、前記第1の信号および前記第2信号が同時に収集されるように構成された請求項7記載の画像システム。
【請求項9】
前記ゲートドライバは、前記第1の信号および前記第2の信号が順次に収集されるように構成された請求項7記載の画像システム。
【請求項10】
前記第1の信号および前記第2の信号を使用して画像を生成するためのプロセッサを更に備え、前記第1の信号および前記第2の信号の一方は前記画像の第1の点を形成し、前記第1の信号および前記第2の信号の他方は前記画像の第2の点を形成する請求項9記載の画像システム。
【請求項11】
前記第2の電気信号ラインの少なくとも一部は、前記第1の電気信号ラインに対して概ね垂直であり、且つ、前記第3の電気信号ラインの少なくとも一部は、前記第1の電気信号ラインに対して概ね垂直である請求項1記載の画像システム。
【請求項12】
前記第2の電気信号ラインの端部に接続された第1の増幅器と、前記第3の電気信号ラインの端部に接続された第2の増幅器とを更に備えた請求項1記載の画像システム。
【請求項13】
前記第2の電気信号ラインの端部に接続された第1の接続パッドと、前記第3の電気信号ラインの端部に接続された第2の接続パッドとを更に備えた請求項1記載の画像システム。
【請求項14】
前記第1の画素は、光量子に反応して信号を生成する請求項1記載の画像システム。
【請求項15】
前記第1の画素は、放射線に反応して信号を生成する請求項1記載の画像システム。
【請求項16】
前記第1の画素および前記第3の画素からの各画像信号を前記ゲートドライバに同時にアクセスさせる制御信号を生成するための回路を更に備えた請求項1記載の画像システム。
【請求項17】
画像信号を収集するための方法であって、
第1の行に存在する第1の画素からの第1の画像信号と第2の行に存在する第2の画素からの第2の画像信号とをアクセスするステップと、
前記第1の行に存在する第3の画素からの第3の画像信号をアクセスするステップと、
を含み、
前記第1の画素および前記第2の画素は一つの列に存在し、
前記第1の画像信号と前記第2の画像信号と前記第3の画像信号は同時にアクセスされ、前記第1の画像信号は、第1の電気信号ラインを用いてアクセスされ、前記第2の画像信号は、第2の電気信号ラインを用いてアクセスされる方法。
【請求項18】
前記第2の画素は、画素間に画素が存在しないように前記第1の画素に隣接する請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記第2の画素は、画素間に1又は2以上の追加の画素が存在するように前記第1の画素から離間して配置された請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記1又は2以上の追加の画素は、第3の画像信号を提供するための第4の画素を含む請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記第1の画像信号と前記第3の画像信号とを結合して統合信号を生成する請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記第1の画像信号および第3の画像信号を用いて画像を生成するステップを更に含み、前記第1の画像信号は前記画像の第1の点を形成し、前記第3の画像信号は前記画像の第2の点を形成する請求項20記載の方法。
【請求項23】
放射線を用いて前記第1の画像信号および前記第2の画像信号を生成するステップを更に含む請求項17記載の方法。
【請求項24】
第1の画素からの第1画像信号と第2の画素からの第2の画像信号と第3の画素からの第3の画像信号とをアクセスするための制御信号を生成し、
前記第1の画素および前記第3の画素は第1の行に位置され、前記第2の画素は第2の行に位置され、前記第1の画素および前記第2の画素は一つの列に位置され、前記第1の画素は、前記第1の画像信号を伝送するための第1の電気信号ラインに接続され、前記第2の画素は、前記第2の画像信号を伝送するための第2の電気信号ラインに接続された制御モジュール。
【請求項25】
前記第1の列に位置された第4の画素からの第4の画像信号をアクセスするための制御信号を生成するように更に構成され、前記第4の画素は、前記第1の画素と前記第2の画素との間に存在する請求項24記載の制御モジュール。
【請求項26】
前記第1の画素からの前記第1の画像信号と前記第4の画素からの前記第4の画像信号とを結合して統合信号を生成するためのノードを更に備えた請求項25記載の制御モジュール。
【請求項27】
前記第1の画素からの前記第1の画像信号と前記第4の画素からの前記第4の画像信号とを用いて画像を生成するためのプロセッサを更に備え、前記第1の画像信号は前記画像の第1の点を形成し、前記第4の画像信号は前記画像の第2の点を形成する請求項25記載の制御モジュール。
【請求項28】
前記第1の画像信号および前記第4の画像信号は、同時的に収集されるか、または、順次的に収集される請求項25記載の制御モジュール。
【請求項29】
前記第1の電気信号ラインは第1の増幅器に接続され、前記第2の電気信号ラインは第2の増幅器に接続された請求項24記載の制御モジュール。
【請求項30】
第1のラインの画素および第2のラインの画素を有する撮像素子と、
前記撮像素子に接続され、前記第1のラインの画素からの信号と前記第2のラインの画素からの信号とを同時に収集するか、または、前記第1のラインの画素からの信号が収集された後に前記第2のラインの画素からの信号を収集するように構成されたアクセス回路と、を備え、
前記第1のラインおよび前記第2のラインは、ライン間に追加のラインの画素が存在しないように相互に隣接している画像システム。
【請求項31】
前記第1のラインからの前記画素の一つと前記第2のラインからの前記画素の一つとが、一つの電気信号ラインに接続された請求項30記載の画像システム。
【請求項32】
前記電気信号ラインは、前記第1のラインからの前記画素の前記一つからの第1の信号と前記第2のラインからの前記画素の前記一つからの第2の信号とが収集され得るノードを備えた請求項31記載の画像システム。
【請求項33】
前記撮像素子は、第3のラインの画素および第4のラインの画素を更に備え、前記アクセス回路は、二つの前記ラインの画素からの信号か、または、四つの前記ラインの画素からの信号をビニングすることが可能になように構成された請求項30記載の画像システム。
【請求項34】
前記画素のそれぞれは、光量子に反応して信号を発生するように構成された請求項30記載の画像システム。
【請求項35】
前記画素のそれぞれは、変換パネルの部分と光検出器アレイの部分とを含む請求項30記載の画像システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−538568(P2009−538568A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512113(P2009−512113)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/012210
【国際公開番号】WO2007/139796
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(500414202)ヴァリアン メディカル システムズ インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】