説明

画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、機密印刷処理を安価に行う画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】プリンタPrは、受信した印刷データが機密を要求する機密印刷データであると、該機密印刷データをRAM23へ記憶するとともに、該機密印刷データに付与されているユーザIDやパスワード等の認証情報を取得し、RAM23に記憶されている機密印刷データに対する認証情報と印刷要求が操作部12で入力されると、入力された認証情報に対応する機密印刷データを、先に取得した認証情報に基づいてRAM23から読み出して、読み出した機密印刷データに基づいて印刷部11で画像を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、機密印刷処理を安価に行う画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写装置等の画像形成装置においては、近年、ネットワークに接続されて、ネットワークを介してコンピュータ等のホストから受信したデータを用紙に印刷出力するようになってきている。
【0003】
従来から企業や公的機関においては、重要文書および図面等の機密保持を必要とする文章、画像等のデータを取り扱うことが多く、各企業や公的機関は、機密データの取り扱いに細心の注意を払って、機密データが漏洩することを防止している。
【0004】
そして、従来、このような機密データを機密を保持した状態で印刷出力させる機密印刷機能を備えた画像形成装置があり、このような機密印刷機能を備えた画像形成装置は、一般的に、ハードディスク等の不揮発性メモリを備えていて、機密データ、特に、機密印刷データ(機密印刷を要求している印刷データ)を一旦不揮発性メモリに蓄積した後、印刷出力する。このような機密印刷機能を備えた画像形成装置に機密印刷データを印刷出力させる場合、ユーザは、外部情報処理装置からユーザID等の認証情報を付加した機密印刷データを画像形成装置に送信し、あるいは、スキャナで機密印刷データの原稿を読み取らせるとともに操作表示部から認証情報(ユーザID等)を入力する。画像形成装置は、機密印刷データが入力されると、入力された機密印刷データを不揮発性メモリに蓄積するとともに、該機密印刷データに付加されている認証情報に基づいて機密印刷データを管理して、認証を条件として印刷出力を行う。
【0005】
すなわち、画像形成装置は、機密印刷データを不揮発性メモリに保管している状態で、操作表示部からユーザID等の認証情報が入力され、該認証情報の認証が完了すると、入力された認証情報と一致する認証情報の機密印刷データが不揮発性メモリに格納されているかチェックし、認証情報の一致する機密印刷データを不揮発性メモリから読み出して印刷出力する(特許文献1参照)。
【0006】
すなわち、従来、機密印刷データの印刷出力を行う画像形成装置は、図11に示すように、機密印刷データを受信すると(ステップS1001)、受信する機密印刷データのハードディスクへの書き込みを開始して、受信する機密印刷データを順次ハードディスクに書き込んで、全ての機密印刷データを受信してハードディスクに書き込むと、認証情報を付加してハードディスクへの書き込みを終了するという機密印刷データ保存シーケンスを実行する(ステップS1002〜S1004)。
【0007】
画像形成装置は、全ての機密印刷データのハードディスクへの書き込みを終了すると、操作部からユーザID等の認証情報の入力を伴う印刷指示があるのを待って(ステップS1005)、機密印刷データ読み出しシーケンスを実行する(ステップS1006〜S1008)。画像形成装置は、この機密印刷データ読み出しシーケンスでは、入力された認証情報に一致する機密印刷データのハードディスクからの読み出しを開始し、機密印刷ジョブをプリントキューに入れて、ハードディスクから機密印刷データの読み出しを完了すると、該機密印刷データの印刷処理を行う(ステップS1009)。
【0008】
したがって、機密印刷データの印刷出力を行う画像形成装置は、機密印刷データを取り出し不可能な状態で保管し、かつ、電源がオフの状態であっても機密印刷データが消失することのない不揮発性メモリを備えていることが前提となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の機密印刷機能においては、画像形成装置の内蔵している不揮発性メモリに機密印刷データをユーザID等の認証情報に関連付けて蓄積して管理しているため、ハードディスク等の不揮発性メモリを搭載していない安価な画像形成装置では、機密印刷出力を行うことができず、安価な画像形成装置での機密印刷機能の活用が要望されている。
【0010】
そこで、本発明は、不揮発性メモリを用いることなく、安価に機密印刷データを機密を保持した状態で適切に印刷出力する画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するために、受信した印刷データが機密を要求する機密印刷データであると、該機密印刷データを揮発性記憶手段へ記憶するとともに、該機密印刷データに付与されている認証情報を取得し、該揮発性記憶手段に記憶されている機密印刷データに対する認証情報と印刷要求が入力されると、入力された該認証情報に対応する機密印刷データを、先に取得した認証情報に基づいて揮発性記憶手段から読み出して、読み出した機密印刷データに基づいて画像形成媒体に画像を形成することを特徴としている。
【0012】
また、本発明は、前記揮発性記憶手段が、前記機密印刷データを記憶するための機密印刷専用領域を有し、受信した前記機密印刷データが該機密印刷専用領域に記憶可能であるか否かの記憶可否判断を行い、該記憶可否判断で記憶可能であると判断すると、該機密印刷データを記憶期間を無制限とする無期限記憶機密印刷データとして該機密印刷専用領域に記憶し、該記憶可否判断で記憶不可能であると判断すると、該機密印刷データを期限付き記憶機密印刷データとして所定の記憶制限期間の間だけ前記揮発性記憶手段に記憶することを特徴としてもよい。
【0013】
さらに、本発明は、前記機密印刷専用領域への前記機密印刷データの記憶可否判断を、該機密印刷専用領域に記憶する印刷データのジョブ数と予め設定されている記憶可能ジョブ数を比較して判断するジョブ数制限判断と、該機密印刷専用領域の残容量と該機密印刷専用領域に記憶する印刷データのデータ量を比較して判断する容量制限判断のうち、いずれかに基づいて実行することを特徴としてもよい。
【0014】
また、本発明は、受信した前記機密印刷データの前記揮発性記憶手段への記憶を開始すると、該機密印刷データに付与されている前記認証情報を取得し、取得した該認証情報に基づいて、入力された前記認証情報に対応する前記機密印刷データの前記揮発性記憶手段からの読み出しを、前記機密印刷データの前記揮発性記憶手段への記憶と並行して実行することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、不揮発性メモリを用いることなく、安価な揮発性不揮発性メモリを利用して機密印刷データを、機密を保持した状態で安価にかつ適切に印刷出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例を適用したプリンタ及びホストコンピュータのブロック構成図。
【図2】機密印刷データのデータ形式の一例を示す図。
【図3】機密印刷処理を示すフローチャート。
【図4】機密印刷ジョブの遷移状態の操作部への表示例を示す図。
【図5】ジョブ数制限方法で機密印刷ジョブの保存を制限する場合のイベントと処理内容の説明図。
【図6】ジョブ数制限方法で機密印刷ジョブの保存を制限する場合のイベントとジョブ数の遷移を示す図。
【図7】メモリ容量制限方法で機密印刷ジョブの保存を制限する場合のイベントと処理内容の説明図。
【図8】メモリ容量制限方法で機密印刷ジョブの保存を制限する場合のイベントとメモリ容量の遷移を示す図。
【図9】データ保存・印刷並行処理を行う機密印刷処理を示すフローチャート。
【図10】RAMへの機密印刷データの保存・読み出し処理の説明図。
【図11】従来の機密印刷処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0018】
図1〜図10は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の一実施例を適用したプリンタPrのブロック構成図である。
【0019】
図1において、プリンタPrは、LAN(Local Area Network)等のネットワーク、専用線等によって有線または無線でホストコンピュータPcに接続されており、機密印刷データを機密を保持した状態で管理・印刷出力する機密印刷機能を備えている。
【0020】
プリンタPrは、コントローラ10、印刷部11、操作部12及び外部メモリ13等を備えており、コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit )21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、入力I/F(インターフェイス)24、印刷部I/F25、操作部I/F26、メモリ制御部27、機密印刷制御部28及びこれら各部を接続するバス29等を備えている。
【0021】
入力I/F24には、ホストコンピュータPcが接続されており、入力I/F24は、ホストコンピュータPcからプリンタPrへ送られてくる制御信号及び印刷データを受け取るとともに、プリンタPrからホストコンピュータPcへのステータス信号の送り出しを行う。
【0022】
ROM22は、フォントROM22a、プログラムROM22b及びデータROM22cを備えており、フォントROM22aは、印刷出力や操作部12の表示に使用するフォントを格納している。
【0023】
プログラムROM22aは、コントローラ10内でのデータの処理や管理及び周辺モジュールを制御するためのプログラム、具体的には、プリンタPrとしての基本処理プログラム及び後述する機密印刷制御処理を含む画像形成制御プログラム等の各種プログラムを格納している。
【0024】
データROM22bは、プログラムROM22a内のプログラムを実行するのに必要な各種データを格納している。
【0025】
すなわち、プリンタPrは、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の機密印刷制御方法を伴う画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムを読み込んでプログラムROM22bに導入することで、後述する揮発性メモリであるRAM23を利用した機密印刷を適切かつ効率的に行う機密印刷制御方法を伴う画像形成制御方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0026】
CPU21は、プログラムROM12に格納されているプログラムに基づいてプリンタPrの各部を制御して、通常の印刷処理を行うとともに、機密印刷制御部28を制御して後述する機密印刷処理を行う。CPU21は、後述するように、受信した印刷データが機密印刷データであるか否かの判断を行い、機密印刷データであると、該機密印刷データから認証情報(ユーザIDやパスワード等)を取得する判断手段及び認証情報取得手段として機能する。
【0027】
RAM(揮発性記憶手段)23は、CPU21のワークメモリとして利用されるとともに、ホストコンピュータPcからの印刷データをページ単位に管理して一時記憶するバッファ、バッファに記憶されたデータを実際の印字パターンに変換した描画データを記憶するビットマップメモリ及びプリンタPrの印刷環境を設定するための印刷環境設定情報を記憶する印刷環境設定情報記憶メモリ等として利用される。RAM23は、機密印刷データを受信して機密印刷を実行する場合に、該機密印刷データを記憶する領域として割り当てられる機密印刷専用領域23aが予め決められている。
【0028】
印刷部I/F25には、印刷部11が接続されており、印刷データを解釈・描画して、印刷部11へ制御信号や描画データを渡して印刷部11での印刷を制御するとともに、印刷部11からコントローラ10へのステータス信号の受け取りを行う。
【0029】
印刷部(画像形成手段)11は、印刷部I/F25を介してコントローラ10から受け取った描画データおよび制御信号により電子写真方式により画像形成(印刷処理)を行う。すなわち、印刷部11は、図示しないが、電子写真方式で記録紙に印刷データを印刷出力するのに必要な部品、例えば、感光体、光書込部、現像部、帯電部及びクリーニング部等を備えており、描画データおよび制御信号により光書込部を動作させて感光体上に静電潜像を形成して、現像部によりトナーを感光体上に供給して現像してトナー画像を形成する。印刷部11は、給紙部から記録紙を感光体と転写部との間に給紙して、感光体上のトナー画像を記録紙に転写させ、トナー画像の転写された記録紙を定着部に搬送して、定着部で加熱・加圧して記録紙上のトナー画像を定着させることで、画像を形成する。
【0030】
操作部I/F26には、操作部12が接続されており、操作部12は、プリンタPrのモードやフォント等の切換操作、後述する機密印刷処理でのユーザID等の認証情報の入力操作等の各種操作を行うための各種操作キーを備えるとともに、プリンタPrの状態を表示するディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えている。操作部I/F26は、コントローラ10と操作部12との間で信号の授受を行い、例えば、ROM22の情報やRAM23の情報を元にディスプレイへの表示を行う。
【0031】
メモリ制御部(記憶制御手段)27は、RAM23上への描画メモリ領域の確保、機密印刷用のメモリ領域の確保を行うとともに、外部メモリ13が接続されているときには、該外部メモリ13へのアクセス制御も行う。外部メモリ13は、オプションとして接続されるメモリであり、例えば、ハードディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フラッシュメモリ、SD(Secure Digital)カード等である。
【0032】
機密印刷制御部28は、入力I/F24を介してホストコンピュータPcから送信されてきた印刷データが機密印刷データであるときに、後述するように、該機密印刷データに対する機密印刷処理を制御する。上記CPU21及び機密印刷制御部28は、全体として、制御手段として機能している。
【0033】
ホストコンピュータPcは、通常のパーソナルコンピュータが用いられ、機密印刷をプリンタPrに要求する機密印刷要求処理を実行する機密印刷要求アプリケーションが搭載されている。この機密印刷要求アプリケーションは、アプリケーションソフトとして独立して搭載されていてもよいし、プリンタドライバに組み込まれていてもよい。
【0034】
ホストコンピュータPcは、コントローラ30、キーボード31、ディスプレイ32及びディスク33等を備えており、コントローラ30は、CPU41、ROM42、RAM43、キーボードコントローラ44、ディスプレイコントローラ45、ディスクコントローラ46、ネットワークI/F47及びこれら各部を接続するバス48等を備えている。
【0035】
キーボードコントローラ44に、キーボード31が接続され、キーボードコントローラ44は、キーボード31での入力情報をコントローラ30に取り込む。ディスプレイコントローラ45には、ディスプレイ45が接続され、ディスプレイコントローラ45は、CPU41の制御下で、ディスプレイ45への表示情報をディスプレイ32に表示させる。
【0036】
ディスクコントローラ46には、ディスク33が接続され、ディスク33は、ハードディスクやフレキシブルディスク等である。ディスクコントローラ46は、CPU41の制御下でディスク33へのアクセス制御を行う。ディスク33、例えば、ハードディスクは、OS(Operating System)、各種アプリケーション、プリンタドライバ及び上記機密印刷要求アプリケーション等が格納されている。
【0037】
ネットワークI/F47には、プリンタPrが接続されており、ネットワークI/F47は、プリンタPrへの制御信号及び印刷データを送信するとともに、プリンタPrから送られてくるステータス信号を受け取る。
【0038】
ROM42は、フォントデータを格納するフォントROM42a、基本プログラムを格納するプログラムROM42b、システムデータを格納するデータROM42cを備えている。
【0039】
ホストコンピュータPcは、キーボード31からの操作によって機密印刷要求が行われると、例えば、プリンタドライバに組み込まれた機密印刷要求アプリケーションが立ち上がって、印刷要求された文書データを機密印刷データとして生成して、ネットワークI/F47を介してプリンタPrに送信する。このとき、機密印刷要求アプリケーションは、パスワード等の認証情報の入力要求画面をディスプレイ32に表示し、該入力要求に応じてキーボード31から入力された認証情報及びユーザ名等を印刷データに付加してプリンタPrに送信する。例えば、プリンタドライバは、図2に示すように、印刷データとして、ヘッダ情報と描画データを生成し、ヘッダ情報に、機密印刷であることを示す機密印刷識別情報、ユーザID、パスワード等の認証情報を付加する。
【0040】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のプリンタPrは、ホストコンピュータPcからの機密印刷データを揮発性メモリであるRAM23を利用して機密印刷を行う。
【0041】
すなわち、プリンタPrは、図3に示すように、ホストコンピュータPcのプリンタドライバで印刷命令が発生されて、印刷データを受信すると(ステップS101)、CPU21は、印刷データが機密印刷データであるかチェックする(ステップS102)。この機密印刷データであるか否かのチェックは、例えば、図2に示した印刷データに機密印刷識別情報が含まれているか否かをチェックすることにより行う。
【0042】
ステップS102で、印刷データが機密印刷データでないときには、CPU21は、送られてくる印刷データをRAM23の機密印刷専用領域23a以外の領域を利用して描画データに展開して、印刷部11で印刷させる通常の印刷処理を行う(ステップS103)。
【0043】
ステップS102で、印刷データが機密印刷データであるときには、CPU21は、機密印刷制御部28に機密印刷データの制御を行わせて、まず、機密印刷ジョブが登録されたことを示すダイアログを表示し(ステップS104)、RAM23の機密印刷専用領域23aに受信している機密印刷データを保持することができるかチェックする(ステップS105)。このダイアログは、プリンタPrの操作表示部12のディスプレイに表示してもよいし、ホストコンピュータPcのプリンタドライバを介してホストコンピュータPcのディスプレイ32に表示してもよいし、必ずしも表示を行う必要もない。このダイアログは、機密印刷データを揮発性メモリであるRAM23に保存するため、プリンタPrの電源がオフされると、RAM23上の機密印刷データが消失すること、そのため、速やかな機密印刷操作をプリンタPrの操作部26で行うことを促すものである。なお、このRAM23の機密印刷専用領域23aに受信している機密印刷データを保持できるか否かの判断については後で詳細に説明する。
【0044】
ステップS105で、機密印刷専用領域23aに機密印刷データを保持できるときには、機密印刷制御部28は、受信した機密印刷データを、記憶期間を無制限とするコンテンポラリ機密印刷ジョブ(無期限記憶機密印刷データ)として、RAM23の機密印刷専用領域23aに保存し(ステップS108)、操作部12から機密印刷データの印刷中止要求操作があったか、印刷要求があったかをチェックする(ステップS107、S108)。
【0045】
ステップS108で、印刷要求があると、操作部12から入力されたユーザID、パスワード等の認証情報に基づいてRAM23の機密印刷専用領域23aに保存されている機密印刷データ(コンテンポラリ機密印刷ジョブ)を特定して該機密印刷データを印刷部11で印刷させる機密印刷処理を行う(ステップS103)。
【0046】
ステップS107で、印刷中止要求操作があると、操作部12から入力されたユーザID、パスワード等の認証情報に基づいてRAM23の機密印刷専用領域23aに保存されている機密印刷ジョブ(コンテンポラリ機密印刷ジョブ)を破棄して、処理を終了する(ステップS109)。
【0047】
ステップS105で、機密印刷専用領域23aに機密印刷データを保持できないときには、該機密印刷データを、所定の記憶制限期間(ジョブ待機期間)の間だけRAM23への保存を許可するテンポラリ機密印刷ジョブ(期限付き記憶機密印刷データ)として、RAM23の機密印刷専用領域以外に保存して、予め設定されているジョブ待機期間内に操作部12から該機密印刷データ(機密印刷ジョブ)の印刷要求操作があったかチェックし(ステップS110)、印刷要求操作があると、操作部12から入力されたユーザID、パスワード等の認証情報に基づいてRAM23の機密印刷専用領域23aに保存されているテンポラリ機密印刷ジョブの機密印刷データを特定して該機密印刷データを印刷部11で印刷させる機密印刷処理を行う(ステップS103)。
【0048】
ステップS110で、RAM23の機密印刷専用領域23a以外に保存したテンポラリ機密印刷ジョブに対して印刷要求操作がジョブ待機期間内にないときには、機密印刷制御部28は、該機密印刷データ(テンポラリ機密印刷ジョブ)を破棄して、処理を終了する(ステップS111)。
【0049】
そして、上記ステップS105でのRAM23の機密印刷専用領域23aに機密印刷データを保存できるか否かの判断は、該機密印刷専用領域23aに保存する機密印刷ジョブのジョブ数に基づいて判断するジョブ数制限判断方法と、機密印刷専用領域23aのメモリ残量と保存対象の機密印刷データのデータ量によるメモリ容量制限判断方法のいずれかまたは組み合わせて行う。
【0050】
そして、CPU21は、RAM23上に機密印刷ジョブが存在する場合、図4に示すように、テンポラリ機密印刷ジョブとコンテンポラリ機密印刷ジョブを区別できる状態で、操作部12のディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0051】
なお、図4は、「*」印を付与することで、テンポラリ機密印刷ジョブであることを示し、「*」印が付与されていない機密印刷ジョブがコンテンポラリ機密印刷ジョブであることを示している。また、「!」印を付与することで、テンポラリ機密印刷ジョブがステップS110及びステップS111によって自動的に破棄されたことを示している。さらに、図4では、各機密印刷ジョブの遷移状態を確認できるようになっている。例えば、「*」印のテンポラリ機密印刷ジョブ(ユーザID−2の印刷ジョブ)について、自動削除されたことを示すログをディスプレイ上で確認できるログ表示を示している。
【0052】
次に、上記図3のステップS105で、RAM23の機密印刷専用領域23aに機密印刷データを保存できるか否かの判断をジョブ数制限判断方法で判断する場合について説明する。
【0053】
ジョブ数制限判断方法では、図5に示すような内容のイベントt1からイベントt8が発生したときに、図6に示すように、ジョブ保持数が推移する。いま、RAM23の機密印刷専用領域23aへの機密印刷ジョブの最大保持数が、「3」に設定されているものとすると、図5に示すように、プリンタPrは、RAM23の機密印刷専用領域23aに1つも機密印刷ジョブが登録されていない状態で、イベントt1において、ユーザYaが機密印刷ジョブJ1を送信してくると、該機密印刷ジョブJ1を機密印刷専用領域23aに図6に示すように保存し、同様に、ユーザYb、ユーザYcからの機密印刷ジョブJ2、J3が順次イベントt2、t3で送られてくると、順次機密印刷ジョブJ2、J3を機密印刷専用領域23aに保存する。そして、プリンタPrは、機密印刷専用領域23aに機密印刷ジョブ最大保持数である3つの機密印刷ジョブJ1〜J3を保持している状態で、イベントt4において、ユーザYaが機密印刷ジョブJ4を送信してくると、該機密印刷ジョブJ4をいつまでも保持することはせず、テンポラリ機密印刷ジョブとして、予め設定されているジョブ保持期間だけ一時的に保持し、このジョブ保持期間内にパスワード入力等の認証情報の入力によって印刷可能とする。プリンタPrは、テンポラリ機密印刷ジョブJ4のジョブ保持期間の終期であるイベントt5で、パスワード等の認証情報の入力がないときには、テンポラリ機密印刷ジョブJ4をRAM23から自動的に破棄して、RAM23上の機密印刷ジョブ数を機密印刷ジョブ最大保持数である3つにする。その後、イベントt6でユーザYcによって操作部12から認証情報が入力されて印刷要求があると、該ユーザYcの機密印刷ジョブJ3を印刷部11で印刷し、同様に、イベントt7でユーザYaから認証情報が入力されて印刷要求があると、機密印刷ジョブJ1の印刷を、イベントt8でユーザYbから認証情報が入力されて印刷要求があると、機密印刷ジョブJ2の印刷を行う。
【0054】
次に、上記図3のステップS105で、RAM23の機密印刷専用領域23aに機密印刷データを保存できるか否かの判断をメモリ容量制限判断方法で判断する場合について説明する。
【0055】
メモリ容量制限判断方法においては、図7に示すような内容のイベントt1からイベントt10が発生したときに、図8に示すように、RAM23のメモリ容量が推移する。いま、RAM23の機密印刷専用領域23aへの機密印刷ジョブの最大保持メモリ容量が、図8に示されるメモリ容量であるとすると、図7に示すように、プリンタPrは、RAM23の機密印刷専用領域23aに1つも機密印刷ジョブが登録されていない状態で、イベントt1で、ユーザYaがデータサイズS1の機密印刷ジョブJ1を送信して、イベントt2で受信すると、該機密印刷ジョブJ1を機密印刷専用領域23aに図6に示すように保存し、同様に、ユーザYb、ユーザYcからのデータサイズS2の機密印刷ジョブJ2とデータサイズS1の機密印刷ジョブJ3が順次イベントt3、t4及びイベントt5、t63で送られてきて受信すると、機密印刷ジョブJ2については、最大保持メモリ容量以内であるため、機密印刷専用領域23aに機密印刷ジョブJ2を保存し、機密印刷ジョブJ3については、図8に示すように、最大保持メモリ容量を越えるため、該機密印刷ジョブJ3をいつまでも保持することはせず、テンポラリ機密印刷ジョブとして、予め設定されているジョブ保持期間(機密印刷ジョブ保持期間)だけ、一時的に保持し、コンテンポラリ機密印刷ジョブとして保持する。
【0056】
プリンタPrは、イベントt7で、操作部12からジョブ保持期間内にユーザYbが機密印刷ジョブJ2のパスワード等の認証情報を入力して印刷要求してくると、直ちにサイズS2の領域を開放状態とし、機密印刷ジョブJ2の印刷後に機密印刷ジョブJ3の機密印刷専用領域23aへの受信を開始する。したがって、イベントt8で機密印刷専用領域23aの使用メモリ容量は、2S1となる。
【0057】
そして、上記イベントt7が発生せず、機密印刷ジョブJ3がコンテンポラリ機密印刷ジョブの状態のまま、イベントt7aにおいて、適切なパスワード等の認証情報が入力されず、ジョブ保持期間が経過すると、図8に破棄として実線矢印で示すように、テンポラリ機密印刷ジョブJ3をRAM23から自動的に破棄して、RAM23上の機密印刷ジョブのメモリ使用容量を最大保持メモリ容量以下のデータサイズS1とデータサイズS2を加算したサイズ(S1+S2)にする。その後、プリンタPrは、イベントt8で機密印刷ジョブJ3を受信し、イベントt9でユーザYcが操作部12で機密印刷ジョブJ3の印刷要求または破棄(キャンセル)要求があると、機密印刷ジョブJ3を印刷部11で印刷して機密印刷専用領域23aから機密印刷ジョブJ3を削除、または、印刷することなく削除する。また、プリンタPrは、イベントt10で、ユーザYaから認証情報が入力されて、機密印刷ジョブJ1の印刷要求または破棄(キャンセル)要求があると、機密印刷ジョブJ1を印刷部11で印刷して機密印刷専用領域23aから削除、または、印刷することなく削除する。
【0058】
そして、プリンタPrは、図9及び図10に示すように、機密印刷データのRAM23への保存処理と並行して既に保存されている機密印刷データをRAM23から読み出して印刷する印刷処理を並行して実行する。
【0059】
すなわち、プリンタPrは、図9に示すように、機密印刷データを受信すると(ステップS201)、RAM23への機密印刷データの保存処理を行う(ステップS202〜S204)。この機密印刷データの保存処理においては、プリンタPrは、図10(a)に示すように、RAM23に所定容量の機密印刷専用領域23aが確保されており、受信した機密印刷ジョブの全ての機密印刷データが機密印刷専用領域23aに保存できる場合には、図10(b)に示すように、該機密印刷ジョブをコンテンポラリ機密印刷ジョブとして、該機密印刷ジョブのデータを全て機密印刷専用領域23aに保存する。受信した機密印刷ジョブの機密印刷データを、機密印刷専用領域23aに保存できないデータ分が存在する場合には、図10(c)に示すように、該機密印刷ジョブをテンポラリ機密印刷ジョブとして、該機密印刷ジョブの機密印刷データを、機密印刷専用領域23aに保存できる分については、機密印刷専用領域23aに保存し、保存できないデータ分については、RAM23の機密印刷専用領域23a以外の領域、例えば、システム領域23b(図10参照)に保存する。
【0060】
そして、プリンタPrは、この機密印刷ジョブの機密印刷データのRAM23への保存を開始すると、該保存を開始した機密印刷ジョブのヘッダ情報を読み出し(ステップS301)、操作部26からユーザIDやパスワード等の認証情報が入力されて印刷指示があるのを待って(ステップS302)、入力された認証情報に対応する機密印刷データのRAM23からの読み出し処理を行う(ステップS303〜S305)。
【0061】
すなわち、プリンタPrは、図10(d)に示すように、RAM23の機密印刷専用領域23aとシステム領域23bあるいはシステム領域23bに保存中または保存の完了したテンポラリ機密印刷ジョブの機密印刷データに対して先頭のデータから読み出しを開始し(ステップS303)、機密印刷ジョブをプリンタドライバキューに入れる(ステップS304)。プリンタPrは、受信した機密印刷データのRAM23への書き込み(保存)を行いつつ、RAM23に保存済みの機密印刷データを読み出すと(ステップS305)、該機密印刷データを印刷部11で印刷させる機密印刷処理を行う(ステップS306)。また、プリンタPrは、図10(f)に示すように、RAM23の機密印刷専用領域23aに保存中または保存の完了したコンテンポラリ機密印刷ジョブの機密印刷データを先頭のデータから読み出しを開始し(ステップS303)、機密印刷ジョブをプリンタドライバキューに入れる(ステップS304)。プリンタPrは、受信した機密印刷データのRAM23への書き込み(保存)を行いつつ、機密印刷ジョブのRAM23に保存済みの機密印刷データを読み出すと(ステップS305)、該機密印刷データを印刷部11で印刷させる機密印刷処理を行う(ステップS306)。
【0062】
なお、図10(e)は、図10(c)で、機密印刷専用領域23aに保存できずに、テンポラリ機密印刷ジョブとして、機密印刷専用領域23aとシステム領域23bあるいはシステム領域23bに保存した機密印刷データが、予め設定されているジョブ保持期間の経過によって、自動破棄された状態を示している。
【0063】
このように、本実施例のプリンタPrは、受信した印刷データが機密を要求する機密印刷データであると、該機密印刷データをRAM23へ記憶するとともに、該機密印刷データに付与されているユーザIDやパスワード等の認証情報を取得し、RAM23に記憶されている機密印刷データに対する認証情報と印刷要求が操作部12で入力されると、入力された認証情報に対応する機密印刷データを、先に取得した認証情報に基づいてRAM23から読み出して、読み出した機密印刷データに基づいて印刷部11で画像を形成している。
【0064】
したがって、高価なハードディスク等の不揮発性メモリを備えていなくても、プリンタPrが通常備えているRAM23を用いて機密印刷データの機密印刷を安価にかつ適切に行うことができ、安価にかつ適切に機密印刷処理を行うことができる。
【0065】
また、本実施例のプリンタPrは、RAM23が、機密印刷データを記憶するための機密印刷専用領域23を有し、受信した機密印刷データが機密印刷専用領域23aに記憶可能であるか否かの記憶可否判断を行い、該記憶可否判断で記憶可能であると判断すると、該機密印刷データを、記憶期間を無制限とするコンテンポラリ機密印刷ジョブ(無期限記憶機密印刷データ)として機密印刷専用領域23aに記憶し、記憶可否判断で記憶不可能であると判断すると、該機密印刷データをテンポラリ機密印刷ジョブ(期限付き記憶機密印刷データ)として所定のジョブ保持期間(記憶制限期間)の間だけRAM23に記憶している。
【0066】
したがって、機密印刷データがいつまでもRAM23の機密印刷専用領域23a以外の領域に記憶されることを防止して、RAM23の有効利用を図ることができ、プリンタPrの利用性を向上させることができる。
【0067】
さらに、本実施例のプリンタPrは、テンポラリ機密印刷ジョブのRAM23への記憶期間がジョブ保持期間を経過すると、該テンポラリ機密印刷ジョブをRAM23から破棄(削除)している。
【0068】
したがって、RAM23の有効利用を適切に図ることができ、プリンタPrの利用性を向上させることができる。
【0069】
また、本実施例のプリンタPrは、テンポラリ機密印刷ジョブをRAM23から破棄(削除)すると、その旨を操作部12のディスプレイに表示出力している。
【0070】
したがって、ユーザがテンポラリ機密印刷ジョブガラム23から削除されたことを認識することができ、プリンタPrの利用性を向上させることができる。
【0071】
さらに、本実施例のプリンタPrは、RAM23の機密印刷専用領域23aへの機密印刷データの記憶可否判断を、ジョブ数制限判断方法とメモリ容量制限判断方法のいずれかで行っている。
【0072】
したがって、機密印刷データの機密印刷専用領域23aへの記憶可否判断を適切に行うことができ、RAM23の有効利用を適切に図ることができる。
【0073】
また、本実施例のプリンタPrは、受信した機密印刷データのRAM23への記憶を開始すると、該機密印刷データに付与されている認証情報を取得し、取得した該認証情報に基づいて、操作部26から入力された認証情報に対応する機密印刷データのRAM23からの読み出しを、受信した機密印刷データのRAM23への記憶と並行して実行している。
【0074】
したがって、より一層RAM23の有効利用を図りつつ、効率的に機密印刷データの機密印刷を行うことができ、利用性をより一層向上させることができる。
【0075】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、安価に機密印刷を実行するプリンタ、複写装置、複合装置等の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0077】
Pr プリンタ
10 コントローラ
11 印刷部
12 操作部
13 外部メモリ
21 CPU
22 ROM
22a フォントROM
22b プログラムROM
22c データROM
23 RAM
23a 機密印刷専用領域
23b システム領域
24 入力I/F
25 印刷部I/F
26 操作部I/F
27 メモリ制御部
28 機密印刷制御部
29 バス
Pc ホストコンピュータ
30 コントローラ
31 キーボード
32 ディスプレイ
33 ディスク
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 キーボードコントローラ
45 ディスプレイコントローラ
46 ディスクコントローラ
47 ネットワークI/F
48 バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】特開2007−237685号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブ毎に該印刷ジョブの印刷データを受信する受信手段と、
前記受信手段の受信した印刷データが機密を要求する機密印刷データであるか否か判断する判断手段と、
前記判断手段が前記機密印刷データであると判断した該機密データに付与されている認証情報を取得する認証情報取得手段と、
印刷データを記憶する揮発性記憶手段と、
印刷データの前記揮発性記憶手段への記憶及び読み出しを制御する記憶制御手段と、
前記揮発性記憶手段に記憶されている前記機密印刷データに対する前記認証情報と印刷要求を入力する入力手段と、
印刷データに基づいて画像形成媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記入力手段で入力された前記認証情報に対する認証を行って該認証情報に対応する前記揮発性記憶手段の前記機密印刷データを前記認証情報取得手段の取得した前記認証情報に基づいて前記記憶制御手段に読み出させ前記画像形成手段に画像形成させる制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記揮発性記憶手段は、前記機密印刷データを記憶するための機密印刷専用領域を有し、
前記制御手段は、前記データ受信手段が受信した前記機密印刷データが前記機密印刷専用領域に記憶可能であるか否かの記憶可否判断を行い、該記憶可否判断で記憶可能であると判断すると、前記記憶制御手段に該機密印刷データを記憶期間を無制限とする無期限記憶機密印刷データとして該機密印刷専用領域に記憶させ、該記憶可否判断で記憶不可能であると判断すると、該記憶制御手段に該機密印刷データを期限付き記憶機密印刷データとして所定の記憶制限期間の間だけ前記揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記期限付き記憶機密印刷データの前記揮発性記憶手段への記憶期間が前記記憶制限期間を経過すると、前記記憶制御手段に該期限付き記憶機密印刷データを該揮発性記憶手段から削除させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、所定の表示手段を備え、前記制御手段は、前記期限付き記憶機密印刷データを前記揮発性記憶手段から削除すると、その旨を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記機密印刷専用領域への前記機密印刷データの記憶可否判断を、該機密印刷専用領域に記憶する印刷データのジョブ数と予め設定されている記憶可能ジョブ数を比較して判断するジョブ数制限判断と、該機密印刷専用領域の残容量と該機密印刷専用領域に記憶する印刷データのデータ量を比較して判断する容量制限判断のうち、いずれかに基づいて実行することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記認証情報取得手段は、前記記憶制御手段が前記受信手段の受信した機密印刷データの前記揮発性記憶手段への記憶を開始すると、該機密印刷データに付与されている前記認証情報を取得し、
前記制御手段は、前記認証情報取得手段の取得した前記認証情報に基づいて、前記記憶制御手段に、前記入力手段から入力された前記認証情報に対応する前記機密印刷データの前記揮発性記憶手段からの読み出しを、前記機密印刷データの前記揮発性記憶手段への記憶と並行して実行させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
印刷ジョブ毎に該印刷ジョブの印刷データを受信する受信処理ステップと、
前記受信処理ステップで受信された印刷データが機密を要求する機密印刷データであるか否か判断する判断処理ステップと、
前記判断処理ステップで前記機密印刷データであると判断されると、該機密印刷データに付与されている認証情報を取得する認証情報取得処理ステップと、
印刷データの揮発性記憶手段への記憶及び該揮発性記憶手段からの読み出しを制御する記憶制御処理ステップと、
前記揮発性記憶手段に記憶されている前記機密印刷データに対する前記認証情報と印刷要求の入力を受け付ける入力受け付け処理ステップと、
印刷データに基づいて画像形成媒体に画像を形成する画像形成処理ステップと、
前記入力受け付け処理ステップで受け付けた前記認証情報の認証を行って該認証情報に対応する前記揮発性記憶手段の前記機密印刷データを前記認証情報取得処理ステップで取得された前記認証情報に基づいて前記記憶制御処理ステップで読み出させ前記画像形成処理ステップで画像形成させる制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像形成制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、
印刷ジョブ毎に該印刷ジョブの印刷データを受信する受信処理と、
前記受信処理で受信された印刷データが機密を要求する機密印刷データであるか否か判断する判断処理と、
前記判断処理で前記機密印刷データであると判断されると、該機密印刷データに付与されている認証情報を取得する認証情報取得処理と、
印刷データの揮発性記憶手段への記憶及び該揮発性記憶手段からの読み出しを制御する記憶制御処理と、
前記揮発性記憶手段に記憶されている前記機密印刷データに対する前記認証情報と印刷要求の入力を受け付ける入力受け付け処理と、
印刷データに基づいて画像形成媒体に画像を形成する画像形成処理と、
前記入力受け付け処理で受け付けた前記認証情報の認証を行って該認証情報に対応する前記揮発性記憶手段の前記機密印刷データを前記認証情報取得処理で取得された前記認証情報に基づいて前記記憶制御処理で読み出させ前記画像形成処理で画像形成させる制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像形成制御プログラム。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−208075(P2010−208075A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54707(P2009−54707)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】