説明

画像形成装置および画像形成ジョブ実行方法

【課題】単価が頻繁に変動する電力供給に応じて電力の使用料金がより安くなるようにジョブ実行の時期を制御する画像形成装置を提供する。
【解決手段】LAN5を介し、定期的に電力会社のサーバにアクセスして電力の単価に関する情報を取得し、これを基準料金として更新する基準料金取得部22と、この基準料金に基づき画像形成ジョブの実行に必要な電力料金を算出する電力量算出部24と、ジョブの実行を許可できる電力料金の上限値を許容料金として取得する許容料金取得部23とを有し、ジョブ実行制御部21は、許容電力料金と画像形成ジョブの実行に必要な電力料金とを比較して、当該画像形成ジョブを実行するか待機させるかを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に電力料金の課金が低減するように画像形成ジョブの実行の時期を制御する画像形成装置および当該画像形成装置で実行される画像形成ジョブ実行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の分野において、メンテナンスコストの低減のため、例えば、電力料金が安い夜間の時間帯に画像形成ジョブを実行するように制御する画像形成装置が従来から知られている。
【特許文献1】特開昭64−74557号公報
【特許文献2】特開2006−208792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年、二酸化炭素などの環境負荷の問題から、電力の生産、供給の態様に変化が起こりつつある。具体的には、従来と比較して、太陽光や風力、波力などのいわゆるクリーンなエネルギーを利用して発電される電力のウェイトが大きくなり、エネルギー資源の保護の観点からも、今後ますますその重要性が増大していくものと考えられる。
ところが、これらの手段による電力供給は、火力や原子力などを利用した既存の発電システムに比べると、安定供給という点で難点がある。そして、このような電力供給の不安定性は、電力の単価の頻繁な変動となって現れてくることが予想される。
【0004】
こういった状況を考慮すると、画像形成装置においても、従来の夜間に画像形成ジョブを実行するという制御のみでは不十分なのであって、電力供給の変動に合わせた効果的な電力使用の実施が要請される。
本発明の目的は、そのように単価の頻繁に変動する電力供給に応じて電力の使用料金がより安くなるようにジョブの実行時期を制御することのできる画像形成装置および画像形成ジョブ実行方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、電力の単価に関する情報を電力単価情報として保持する保持手段と、通信回線を介し、定期的に電力の単価に関する情報を取得して前記電力単価情報を更新する更新手段と、画像形成ジョブを受け付ける受付手段と、前記電力単価情報に基づき、前記受け付けた画像形成ジョブの実行に必要な電力料金を算出する電力料金算出手段と、所定の許容電力料金と前記画像形成ジョブの実行に必要な電力料金とを比較して、当該画像形成ジョブを実行するか待機させるかを決定するジョブ実行決定手段と、実行すると決定された画像形成ジョブを実行する画像形成ジョブ実行手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記のように、前記電力単価情報を定期的に更新して、この更新された電力単価情報に基づき受け付けた画像形成ジョブの実行に必要な電力料金を算出し、当該算出された電力料金と所定の許容電力料金を比較することにより画像形成ジョブを実行するか待機させるかを決定しているので、電力料金の比較的安いときに画像形成ジョブを実行させることが可能となる。
【0007】
また、本発明は、待機状態の画像形成ジョブがある場合において、電力料金算出手段は、前記電力単価情報が更新されるたびに、当該更新された電力単価情報に基づき待機状態の各画像形成ジョブの実行に必要な電力料金を算出し、前記ジョブ実行決定手段は、前記所定の許容電力料金と前記新たに算出された各画像形成ジョブの実行に必要な電力料金とを比較して、当該画像形成ジョブを実行するか待機状態を継続させるかを決定することを特徴とする。このようにすれば、すでに待機状態にある画像形成ジョブについても、電力料金の比較的安いときに実行させることができる。
【0008】
さらに、本発明は、前記ジョブ実行決定手段は、待機中の画像形成ジョブが、その受付後、所定の時間待機状態が継続した場合に、それ以上待機させずに当該画像形成ジョブを実行するか、もしくは実行を断念するかの決定を行うことを特徴とする。このようにすれば、待機中の画像形成ジョブの実行が必要以上に待機することがなくなる。
また、さらに本発明は、前記ジョブ実行決定手段において前記画像形成ジョブを実行しないと決定された場合に、当該画像形成ジョブの処理条件を変更してその実行に必要な電力量を低減させるか否かの決定を行う処理条件変更決定手段を備えることを特徴とする。
【0009】
このようにすれば、消費電力の大きな画像形成ジョブであっても待機させずに早い時期に実行させることが可能になると共に、電力の節約にも資する。
さらに、また、本発明は、前記許容電力料金の値は、ユーザもしくは当該ユーザの属するグループ毎に設定されており、前記受付手段は、各画像形成ジョブを発行したユーザもしくはそのグループを特定する識別情報を取得する識別情報取得手段を備え、前記ジョブ実行決定手段は、前記取得した識別情報を参照し、前記画像形成ジョブの実行に必要な電力料金と、当該画像形成ジョブを発行したユーザもしくはそのグループについて設定されている許容電力料金とを比較して、当該画像形成ジョブを実行するか待機させるかを決定することを特徴とする。
【0010】
このようにすれば、ユーザ個人もしくはユーザの属するグループ毎に設定された許容電力料金内で画像形成ジョブの実行か待機かを決定することができ、個人またはグループ単位での消費電力の管理が的確に行える。
ここで、前記電力単価情報の変動に応じて、前記許容電力料金の値を変更させる変更手段を備えるようにしてもよい。このようにすれば、電力の単価の変動に応じた画像形成ジョブの実行管理が可能となる。
【0011】
また、ここで、前記ジョブ実行決定手段は、先に受け付けて待機状態にある第1の画像形成ジョブがある場合に、後から受け付けた第2の画像形成ジョブが先に実行可能であると判定されると、前記第1の画像形成ジョブを追い越して、前記第2の画像形成ジョブを先に前記画像形成ジョブ実行手段に実行させるようにしてもよい。
このようにすれば、後から受け付けた実行可能な画像形成ジョブの実行が不必要に遅くなることがない。
【0012】
さらに、ここで、待機状態の画像形成ジョブが複数ある場合に、各画像形成ジョブについて前記電力料金算出手段で算出された電力量に基づいて、それらの画像形成ジョブの優先順位を変更するようにしてもよい。このようにすることにより、消費電力量の少ないものから優先的に処理して、できるだけ早く待機中のジョブを少なくすることができる。
また、さらに、待機状態の画像形成ジョブに関する情報を表示する表示手段を備えるようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは、自己の画像形成ジョブがどのような状態であるかを知ることができる。
【0013】
また、本発明は、上記画像形成装置で実行される画像形成ジョブの実行方法としても捉えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、ネットワークに接続可能であって、コピー機、プリンタなどの機能を有する複合機(以下「MFP」という。)の場合を例にして説明する。
(1)画像形成システムの構成
まず、本実施の形態に係るMFPを含む画像形成システム全体の構成について説明する。
【0015】
図1は、当該画像形成システムの構成の一例を示す図である。
同図に示すように、本画像形成システムは、1台のMFP1と、3台のクライアント端末2、3、4が、LAN(Local Area Network)5に接続されると共に、ルータ51を介してインターネット6上のサーバ7に接続されてなる。サーバ7は、当該MFP1が電力の供給を受けている電力会社により管理されている。
【0016】
MFP1は、例えばデジタル式の複写機であって、画像読取部と画像形成部を備え、通常のコピー機能のほか、クライアント端末からの要求に応じてプリントジョブを実行するプリント機能を有している。
なお、本明細書において、「画像形成ジョブ」という場合には、コピージョブとプリントジョブを含むものとし、以下では単に「ジョブ」とのみ表記する場合もある。
【0017】
電力会社のサーバ7の記憶部には、電力の単価(円/kWh)に関する情報が格納されている。この電力単価に関する情報は、電力供給量と電力消費量等の関係に基づき定期的(例えば、30分ごと)に更新される。
すなわち、サーバ7は、電力会社において電力の供給量と消費量を管理する不図示の管理装置に接続され、当該電力供給量と電力消費量に関する情報を逐次入手する。電力消費量に比べて電力供給量が増大すれば、その増大量に応じて電力単価を低下させ、反対に電力供給量の余裕が少なくなれば、電力単価を増大させるような電力単価決定プログラムがサーバ7にインストールされており、これに基づき電力単価の更新が自動的に実行される。
【0018】
もっとも、オペレータが現在の電力供給量と電力消費量をモニターしながら、別途作成された単価表などを参照してサーバに定期的に手入力することを排除するものではない。
クライアント端末2,3,4は、汎用のパーソナルコンピュータであって、MFP1をプリンタとして使用するためのプリントドライバなどがインストールされている。
これらのMFP1および各クライアント端末2,3、4やサーバ7は、公知のネットワーク通信プログラムにより相互にデータの送受信を行うことができるようになっており、MFP1は、電力会社のサーバ7に定期的にアクセスして上記電力の単価に関する情報を入手し、この情報に基づき、発生する使用電力料金が低減されるようなタイミングでジョブを実行する。詳しくは、後述する。
【0019】
(2)MFP1の構成
図2は、上記MFP1の構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、MFP1は、大きく分けてマシン部10、ジョブ実行管理部20、操作インターフェース部30とからなる。
マシン部10は、マシン本体とその制御に関わる機能ブロック部であり、画像形成制御部11、記憶部12、外部通信部13、画像読取部14、画像形成部15とからなる。
【0020】
画像読取部14は、CCDセンサなどにより原稿画像を読み取り、画像データを生成する公知のものである。
画像形成部15は、画像読取部14で生成された画像データもしくはクライアント端末2,3,4から受信したプリントジョブに係る画像データに基づき、記録シート上に画像を形成するものであって、通常デジタル式の電子写真方式のものが使用されるが、これのみに限定されない。
【0021】
画像形成制御部11は、主にCPUと、RAM、ROMなどのメモリにより構成され、ROM内の制御プログラムに基づき上記画像読取部14、画像形成部15の動作を制御して、各種のジョブを円滑に実行させる。
記億部12は、不揮発性のメモリからなり、画像形成すべき画像データを一旦格納すると共に、後述するようにジョブの実行時期を制御するために必要な情報を保持する。
【0022】
また、外部通信部13を介して、外部のクライアント端末2〜3や電力会社のサーバ7とのデータ通信が実行される。
ジョブ実行管理部20は、ジョブ実行制御部21、基準料金取得部22、許容料金取得部23、電力量算出部24、電力料金算出部25とからなる。
基準料金取得部22は、外部通信部13を介して、サーバ7に定期的にアクセスして電力料金の単価に関する情報を取得し、これを電力料金算出の基礎となる「基準料金」として記憶部12内に格納する。
【0023】
許容料金取得部23は、MFP1のユーザや管理者(以下、「管理者等」という。)による指定、あるいは電力料金単価の変動などに基づき、特定のジョブを実行する際に参照されるべき「許容料金」を取得して、記憶部12に格納する。
電力量算出部24は、受け付けたジョブに対し、後述の電力量テーブル(図6)を参照して当該ジョブ実行に必要な使用電力量を算出し、記憶部12に格納する。
【0024】
電力料金算出部25は、記憶部12から当該ジョブの使用電力量と基準料金の情報から、ジョブの実行に要する電力料金を算出する。
ジョブ実行制御部21は、新規に受け付けたジョブもしくは待機中のジョブについて、その実行に要する電力料金と許容料金の値から、ジョブの実行の可否を判定することにより、その実行の時期を制御する「ジョブ実行管理処理」を行う。詳しくは後述する。
【0025】
操作インターフェース部30は、ユーザとのインターフェース(表示、操作)に関する機能ブロック部であり、表示・操作制御部31、操作部32、表示部33とからなる。
操作部32は、ユーザが所定の入力をするためのテンキーやスタートキーなどのボタン類を備えている。
表示部33は、液晶パネルなどの表示装置であり、ユーザに対し必要な表示を行う一方、画面表面にタッチパネルが積層されてパネルキーとしても動作し、この限りで上記操作部32の一部を兼ねている。
【0026】
通常、上記操作部32と表示部33を合わせて操作パネルとしてMFP1のユーザが操作しやすい位置に設置される。
表示・操作制御部31は、画像形成制御部11やジョブ実行制御部21と連繋し、上記操作部32で受け付けた指示をジョブ実行制御部21、画像形成制御部11に伝え、あるいは、表示部33の表示内容を制御する。
【0027】
(3)ジョブ実行管理処理の内容
図3は、図2のジョブ実行管理部20で実行されるジョブ実行管理処理の概要を示すフローチャートである。
同図に示すように、本実施の形態におけるジョブ実行管理処理は、大きく分けて、次の4つのステップからなる。
【0028】
ステップS1:受け付けたジョブの実行に要する電力料金を算出するための基準となる料金を更新する基準料金設定更新処理
ステップS2:当該ジョブの実行が許容されるか否かを判定するための許容料金を更新する許容料金更新処理
ステップS3:新たなジョブを受け付けるための新規ジョブ受付処理
ステップS4:受け付けた新規ジョブや待機中のジョブについて実行の可否を判定する実行判定処理
図4は、上記ステップS1〜S4の内容をより詳しく展開したフローチャートである。以下、順を追って説明する。
【0029】
<ステップS1:基準料金設定更新処理>
この基準料金設定更新処理は、ステップS11、S12からなる。
まず、ステップS11において、基準料金更新のタイミングであるか否かを判定する。
本実施の形態では、所定時間ごとに基準料金を更新するように設定されており、ジョブ実行制御部21は内部の時計ICを参照して、前回の更新時から所定時間経過する度に、基準料金更新のタイミングであると判定する。
【0030】
上記所定時間の値は、初期値として、例えば、「30分」が記憶部12に格納されており、MFP1の管理者等がジョブの発生状況などの使用環境を考慮して操作部32から適宜変更できるようになっている。
もっとも、当該所定時間は、電力会社において電力の単価を更新する間隔よりも短くする必要はなく、また、あまり長くし過ぎると、電力会社における単価の変動をジョブ実行管理に反映しにくいので、これら考慮して適当な値が設定される。
【0031】
また、所定時間は、電力会社の提供する電力単価の変化が緩やかであれば、多少長くてもよいし、変動が急激であれば、短い方が望ましい。
なお、上記所定時間の経過に加え、新規ジョブを受け付けたときにも更新するようにすれば、新規ジョブについて常に最新の基準料金を適用してその実行の可否を判断できる。
ステップS11において、基準料金更新のタイミングであると判定された場合には、電力会社のサーバ7にアクセスして、電力の単価に関する情報を取得し、この値に基づき、記憶部12内の基準料金の値を更新する(ステップS12)。ここで、「電力の単価に関する情報」が電力の単価自体の値であれば、この値がそのまま基準料金とされるが、たとえば、電力の基本単価が決められていて、その割引率のような情報であれば、当該基本単価と割引率から実際の電力単価を求めてこれを基準料金に設定し更新する。
【0032】
<ステップS2:許容料金更新処理>
この許容料金更新処理は、ステップS13、S14とからなる。
まず、ステップS13で「許容料金」を更新するか否かを判断する。
この許容料金は、一つのジョブを実行する際の上限となる電力料金であって、後述のジョブ実行判定処理において特定のジョブの実行を許可するか待機させるかの判断をする際に用いられるものであり、例えば記憶部12内に格納される。
【0033】
この値が小さすぎれば、実行を拒否されるジョブが多くなり、事務処理の効率が低下してしまう。反対に大きすぎれば、ほとんどのジョブは実行可能と判定され、電力料金を効果的に節約することが難しくなる。
そこで、当該許容料金の初期値は、当該MFP1の過去の使用状況、電力単価の傾向、また会社などにおいては当該MFP1が設置されている職場における事務処理の予算などを考慮しながら、MFP1の管理者が操作部32により適宜設定する。
【0034】
例えば、MFP1の記憶部12内に過去3ヶ月間に実行した各ジョブの電力料金の履歴を記憶させておき、その最大の電力料金を参考にして、その額の一定の割合(例えば7割)の料金を新たに許容料金として設定すれば、今後の使用に関して少なからず節約の効果が得られると考えられる。
本実施の形態では、上記のような許容料金の更新の要否の判断を、電力の単価(基準料金)の変動状態を考慮して行うようにしている。
【0035】
例えば、基準料金の値が連続して複数回(最低2回)低下(もしくは上昇)した場合には、その後も基本料金が低下(もしくは上昇)する傾向にあると推測して許容料金を更新すべきであると判定する。
ステップS13で、許容料金の更新が必要であると判定されると、当該基準料金の変動量に応じた値に許容料金を更新する(ステップS13:YES、ステップS14)。
【0036】
例えば、連続して所定回数だけ基準料金が低下していれば、その間の基準料金の低下量に一定の比率(例えば、2割)を乗じた値だけ、現在の許容料金の値から減じて更新する。反対に、基本料金が連続して所定回数、上昇した場合には、その後も上昇すると推測して、その間の増加量に上記と同様の比率を乗じた分だけ、現在の許容料金に加算して更新する。
【0037】
なお、管理者が随時、種々の理由を鑑みて手入力で許容料金の値を更新するようにしても構わないし、また、これを更新させないで固定値としても電力料金節約の観点からすれば、当該固定値が不当に大きな値でない以上、少なからず効果がある。
<ステップS3:新規ジョブ受付処理>
新規ジョブ受付処理は、ステップS15〜S17からなる。
【0038】
まず、新規ジョブを受け付けたか否かを判断し(ステップS15)、受け付けていれば、あらかじめ設定されている使用電力テーブルを参照して、当該ジョブを処理するのに必要な電力量(使用電力量)を算出する(ステップS15:YES、ステップS16)。
図6は、上記使用電力テーブルの構成の一例を示すものである。
同図において、「ADF等」の段の「ジョブのパラメータ毎の電力量」の欄には、原稿読取部14におけるADF(自動原稿搬送装置)による原稿搬送動作やスキャン動作に使用される1枚当たり電力量が、原稿のサイズ毎に、それぞれ指定されたモード(片面読取か両面読取か)に区別されて格納される(具体的な電力量は、機種ごとに異なるので、ここでは省略している。以下同じ)。
【0039】
同様に、「画像形成動作」については、用紙サイズおよびモード(片面印刷か両面印刷か)毎に1枚当たりの画像形成に必要な電力量がテーブルに格納される。
以下、「給紙動作」については給紙カセット毎に、「フィニッシャ」についてはその処理内容毎に、それぞれ記録シート1枚当たりの電力量が、テーブルに格納される。
なお、このテーブルの「動作」や「種類」の項目や数は、実際に適用される機種の機能に応じて異なる。この項目が多くなれば、それだけ正確なジョブ実行時の使用電力を算出することができる。
【0040】
また、例えば、上記以外に画像安定化動作や、トナー補給動作など、ジョブ単位で割り切れないものは、実績などから画像形成回数1回当たりの平均使用電力量として格納しても構わない。
しかし、場合によっては、少なくとも画像形成動作の回数だけをパラメータとする電力量のテーブルであっても構わない。画像形成装置において一番多くの電力を消費するのは、画像形成部における定着部のヒータであり、その消費量は画像形成回数に比例すると考えられるからである。また、使用電力がおよその値であっても、許容料金を適当な値に設定する限りは、多少なりとも電力料金の節約の効果は得られると考えられるからである。
【0041】
なお、クライアント端末2,3,4のいずれからかジョブが発行された場合には、そのジョブのデータのヘッダに当該ジョブの処理条件(実行されるモード、プリント枚数、フィニッシャにおける処理内容など)の情報が含まれるので、ジョブ実行制御部21は外部通信部13を介して受信したジョブのデータからそれらの情報を抽出して電力量算出部24に通知し、これに基づき電力量算出部24では、図6のテーブルを参照しながら当該ジョブの実行に必要な電力量を算出し、記憶部12に格納する。また、ユーザが直接MFP1を操作してジョブをさせる場合には、操作部32からの受け付けた入力に基づき必要な電力量が算出される。
【0042】
その後、ジョブ実行制御部21は、上記受け付けたジョブを、すぐに実行させるのではなく、一旦待機ジョブとして上記算出された電力量と当該ジョブを受け付けた時刻とを対応付けて後述の待機ジョブテーブル(図9参照)に登録する(ステップS17)。
<ステップS4:実行判定処理>
この実行判定処理には、図5のステップS18〜S26が対応する。
【0043】
まず、ステップS18において、記憶部12内の基準料金を参照して現時点で上記待機ジョブを実行する場合に必要な電力料金を算出する。具体的にはステップS16で求めた電力量に上記基準料金を乗算して電力料金を求めることになる。
そして、この電力料金と許容料金を比較し(ステップS19)、電力料金の方が許容料金よりも少なければ、当該待機ジョブは「実行する」と判定し(ステップS19:YES、ステップS20)、待機ジョブテーブルから消去して、実行が許可されたジョブを登録するための実行ジョブテーブル(不図示)に登録する。
【0044】
電力料金が許容料金以上であれば、次に当該ジョブを受け付けてから実行されない状態が継続している時間(待機時間)と所定の設定閾値とを比較する(ステップS19:NO、ステップS21)。
ここで、待機時間が所定の設定閾値以上であると判定されれば、「実行判定」にする(ステップS21:NO、ステップS20)。このようにステップS19において、待機ジョブの電力料金が許容料金以上であると判定されたにもかかわらず、その待機時間が所定の設定閾値以上である場合に「実行判定」とするのは、使用電力量の大きなジョブが実行されずに長時間放置されるのを防ぐためである。
【0045】
この設定閾値は、MFP1の管理者等が、当該MFP1の置かれている使用環境等を考慮して操作部32を介して設定するが、基準料金の更新の間隔よりも短ければ、ステップS19で「NO」と判定して電力料金を節約しようとした意味がなくなるので、少なくとも基準料金が変動する蓋然性が高い時間幅以上であることが望ましい。
したがって、上記設定閾値は、実際にはこのような電力単価をリアルタイムで変動する電力供給システムが将来稼働してから、その変動の大体の傾向を鑑みて具体的に決定されるべきものであるが、自然力を利用した発電では、半日以上あればその電力供給量に変動があると推測されるので、6時間〜12時間の範囲で設定されるのが妥当であると考えられる。もっともMFP1の使用頻度や仕事の内容に応じて管理者が随時変更してもよい。
【0046】
さて、ステップS21において待機時間が上記設定閾値よりも小さければ、実行判定すべきではないので、当該ジョブをそのまま待機ジョブに戻す(ステップS21:YES、ステップS22)。
そして、ステップS23において、必要に応じて待機ジョブを電力料金順に整列させて待機ジョブテーブルにおける優先順位を変更する。
【0047】
図9(a)(b)は、この整列の様子を説明するための図である。今、図9(a)に示すように、新たにジョブDが待機ジョブとしてエントリーされ、その電力量dと、すでにエントリー済みのジョブA,B,Cの電力量a、b、cとの大小関係が、a<d<b<cであった場合に、図9(b)に示すように電力量の小さなものから順番に並び替えて整列させる。
【0048】
電力量の少ないものから優先的に実行判定の処理を行って、できるだけ早く待機中のジョブを少なくする趣旨である。また、電力量の少ないジョブが、ステップS19において、許容料金以上であると判定された場合には、それ以降の優先順位の低いジョブについては、ステップS19をスキップして、ステップS21に移ることができるので、実行判定の処理が効率的になる。
【0049】
この整列させた結果は、当該待機ジョブの状況を表示部33に表示させて、ユーザが確認できるようにする(ステップS24)。表示画面は、図9(b)のテーブル内容と同内容か、さらには、例えば、各待機ジョブについて、電力料金算出部25で算出された現時点での電力料金を表示したり、過去の実績から予測される平均待ち時間を算出してこれを合わせて表示するようにしてもよい。後者の平均待ち時間は、例えば、過去の待機ジョブにおけるその優先順位と実行までの待ち時間との関係を記憶しておき、同じ優先順位同士の待ち時間を平均して求めるようにすればよい。待ち時間を決める要素は種々あるため、上記のようにして求められた待ち時間は正確とは言えないまでも、ユーザにとって一応の目安となる。
【0050】
このようにすれば、ユーザは、自己のジョブがどのような状態であるかを知ることができ、当該ジョブをキャンセルすべきか否かを判断する際の参考にもなる。
上述のように新規に受け付けたジョブについて実行判定処理がなされた後、ステップS25において、基準料金又は許容料金が更新されたかを判定し、もし、どちらかが更新されておれば、他の待機ジョブの有無について判断し、他の待機ジョブがあれば(図9の例ではジョブA,B,C)、優先順位の高いものから、上述のステップS18〜ステップS24までの実行判定の処理を繰り返す。
【0051】
ステップS25で、基準料金も許容料金も更新されてないか、あるいは、ステップS26で他の待機ジョブが残っていない場合には、新たにジョブ実行判定処理をする必要性がないので、画像形成装置全体の動作を制御するメインフローチャート(不図示)にリターンする。
そして、もし上記処理において実行ジョブと判定され実行ジョブテーブルに登録されたジョブがあれば、別途実行されるジョブ実行処理のフローチャートにおいて、当該ジョブが実行される。
【0052】
上記のように、電力単価をほぼリアルタイムで取得し、各ジョブの使用電力料金と逐次比較してジョブ実行の可否を判断することにより、できるだけ電力の使用料金が安くなるときにジョブが実行できるようにジョブ実行時期を制御することができる。
<ジョブ実行時期の制御例>
次に、上記ジョブ実行管理処理による、ジョブ実行の時期の制御例について、グラフを用いて説明する。
(1)第1の例
図7は、待機ジョブがジョブAのみの場合における、ジョブ実行時期の決定の第1の例を説明するためのグラフである。
【0053】
同図において、横軸は時間の経過を、縦軸は電力料金を示す。
Aラインは、ジョブAの電力料金の時間変動を示す。これは電力料金算出の基礎になる基準料金が更新されることによる変動であり、電力単価の変動が反映されて現れるものである。
ラインSは、設定した許容料金を示す。上述したようにこの値も基準料金の変動に追随して更新される。
【0054】
もし、図7のT1の時点でジョブAが受け付けられたとすると、この時点ではジョブAの電力料金Aは、許容料金Sを上回っており、「実行判定」は否定され、待機ジョブとして登録される。
しかし、T2の時点では、ジョブAの電力料金Aが、許容料金Sを下回るので、「実行判定」が肯定され、実行ジョブとして登録される。
【0055】
同様に、T3の時点でジョブAが受け付けられたとすると、やはり「実行判定」は否定され待機ジョブになるが、T4の時点で、ジョブAの電力料金Aが許容料金Sを下回るため、実行ジョブとして登録される。
(2)第2の例
図8は、待機ジョブがジョブA、Bの二個のジョブを受け付けた場合の、ジョブ実行時期の決定の第2の例を説明するためのグラフである。
【0056】
図7同様、横軸は時間の経過を、縦軸は電力料金を示す。
AラインとBラインは、それぞれジョブAとジョブBの電力料金の時間変動を示す。ジョブAとジョブBは、電力料金算出の基礎となる使用電力量が異なるだけなので、AラインとBラインの変動の傾向は同じである。
図8のA1の時点でジョブAが受け付けられたとすると、この時点ではジョブAの電力料金Aは、許容料金Sを上回っているため待機ジョブとしてエントリーされる。
【0057】
一方、B1の時点でジョブBが受け付けられたとすると、この時点ではジョブBの電力料金Bは、許容料金Sを下回っており、実行判定は可となり実行に移されることになる。
ジョブAの電力料金Aは、A2の時点でようやく許容料金Sを下回り、ジョブがこの時点で実行に移されることになる。
このように、先行する待機ジョブAが後からエントリーされた使用電力量の少ないジョブBに追い越されることが生じ得る。
【0058】
また、図8のA3の時点で同じくジョブAが受け付けられ、遅れてB3の時点でジョブBが受け付けられたとすると、これらの時点ではジョブAの電力料金A、ジョブBの電力料金Bともに許容料金Sを上回っており、実行判定は否定され、何れも待機ジョブとしてエントリーされる。しかしながらB4の時点では、ジョブBの電力料金Bが許容料金Sを下回り、ジョブBは実行に移されることになる。ジョブAの電力料金Aは依然として許容料金Sを上回っており、待機ジョブの状態が継続される。
【0059】
この場合も、先行する待機ジョブAが後からエントリーされた使用電力量の少ないジョブBに追い越されることになる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
【0060】
(1)上記実施の形態における画像形成システム(図1)は、本願発明を実施するための一例に過ぎず、端末やMFPなどの台数は図1に示したものに限定されないことはいうまでもない。また、電力会社の電力料金の単価に関する情報は、サーバ(データサーバ)7に格納されるようにしたが、WEBサーバであっても構わない。
また、インターネット上のプロバイダのWEBサーバに設けられた電力会社のサイトに、電力会社が電力の単価に関する情報を定期的にアップロードするような形態で単価に関する情報の提供がなされてもよい。
【0061】
また、場合によっては、プリントサーバが上記実行判定処理を実行するようにしても構わない。
(2)上記実施の形態における図5の実行判定処理のフローチャートは、次のように変更することも可能である。以下、図5のフローチャートと異なる部分について詳説する。
図10は、本変形例において、図5におけるステップS21〜ステップS24に差し替えられるべきステップS31〜S38を示す図である。
【0062】
ステップS19において、特定のジョブを実行するのに必要な電力料金が許容料金以上であると判定された場合(ステップS19:NO)、ステップS31に移って、ジョブ実行制御部21はジョブ変更するか否かを確認する。
このジョブ変更は、当該ジョブの内容を一部変更することで電力量を算出し直し、電力料金が許容料金を下回るような変更を行う処理である。
【0063】
この確認は、ユーザに操作入力を求めてもよいし、あるいは自動的に判定するように予めユーザが設定しておいてもよい。
前者の場合には、MFP1の表示部33または/および当該ジョブを発行したクライアント端末の表示画面に「あなたのジョブが許容料金を超えました。ジョブの内容を変更しますか。」と表示させ、ユーザが操作部32からあるいはクライアント端末の表示画面に表示された所定のソフトキーをクリックすることによってユーザの意思がジョブ実行制御部21で確認される。
【0064】
後者の場合には、予め管理者などがジョブ変更するか否かの設定をジョブの内容にかかわらず一律に操作部32から入力して設定し、その旨のフラグを記憶部12に格納するようにして、ジョブ実行制御部21がこのフラグを参照することによりジョブ変更の有無を確認するようにしてもよい。もしユーザごとにパスワードもしくはユーザIDが与えられている場合には、当該パスワードもしくはユーザIDごとに上記フラグが設定できるようにしてもよい。
【0065】
ステップS31においてジョブを変更することが確認された場合には、 ジョブ実行制御部21は、各待機ジョブのジョブ内容を変更する。
すなわち、ジョブの処理条件を一部変更し、電力料金が許容料金を下回るような変更を行う。このジョブ変更の内容も予め管理者により、あるいはユーザのパスワードもしくはIDごとに設定されており、例えば次のような変更方法から一また複数が重畳して適用される。
【0066】
(a)集約プリント(2in1など、複数のページを縮小して1ページに集約してプリントする処理)を行う。
(b)複数部数のプリントジョブの場合その部数を減少させる。
(c)用紙サイズをより小さなサイズに変更する。
(d)ステープルやパンチ処理が指定されていても実行しない。
【0067】
ステップS32でこのような処理を実行したのち、ステップS20でジョブ実行すると実行判定する。もっとも、ステップS32の後、すぐにステップS20に移るのではなく、念のため、変更後のジョブの電力料金を求めて図4のステップS16に戻り、変更後のジョブの電力料金と許容料金とを比較するようにしても構わない。
ステップS31でジョブ変更しないと判断された場合には、当該ジョブの待機時間が設定閾値未満であるか否かを確認し、もし、設定閾値以上であれば、これ以上待機させずに当該ジョブの実行を断念するか否かを確認する(ステップS33:NO、ステップS34)。
【0068】
この確認も、ステップS31と同様にユーザに操作入力を求めてもよいし、あるいは自動的に判定するように予め設定しておいてもよい。
ジョブ実行制御部21は、該当ジョブ実行の断念を確認すると、該当ジョブを記億部12の待機ジョブテーブルのエントリーから削除する(ステップS34:YES、ステップS34)。
【0069】
反対に、ステップS34において、ジョブ実行を断念しない旨が確認された場合には(ステップS34:NO)、ステップS20に移ってジョブ実効の判定を行う。
また、ステップS33において、待機時間が設定閾値未満であると判定された場合には(ステップS33:YES)、当該ジョブを待機ジョブに戻し、これらを電力料金順に整列させ、さらに、待機ジョブ状況を表示させる処理を行わせて(ステップS36,S37、S38)、図5のステップS18に移行する。このステップS36〜S38は、図5のステップS22〜S24と同内容であるので、ここでは説明を省略する。
【0070】
(3)上記実施の形態においては、一の許容料金が、全てのユーザのジョブの実行判定処理に共通に用いられているが、各ユーザ毎に許容料金を設定してもよい。
この場合、例えば、ユーザがMFP1を操作してジョブを発行する場合は、自己のIDを操作部32から入力してログインするようにし、また、クライアント端末からジョブを発行する場合には、そのジョブデータのヘッダ情報に自己のIDを含ませるようにしておき、ジョブ実行制御部21は記憶部12に当該IDとジョブを関連付けて保存する。
【0071】
一方、記憶部12内に各ユーザのIDなどの識別情報とこれに対応する許容料金を予め所定のテーブルに格納しておく。
そして、ジョブ実行制御部21は、当該ジョブについて算出された電力料金と、そのIDに対応する許容料金とを比較して、ジョブ実行判定を行うようにすればよい。
なお、ユーザの属する部門などのグループ単位で許容料金を設定してもよい。この場合、各ユーザの属するグループを示すテーブルを予め記憶部12内に格納して、このテーブルに基づいてユーザIDから対応するグループを特定してよいし、ユーザのIDに代えてグループのIDを直接操作部32などから入力するようにしてもよいであろう。
【0072】
また、ジョブのボリューム(具体的にはページ数や電力量など)に応じて、許容料金も多段階に設定してもよい。
この場合には、例えば、受け付けたジョブのページ数の範囲毎(例えば、1〜50ページ、51〜100ページ、・・・)に適用される許容料金を予め設定して記憶部12に格納しておき、実行判定処理に際して当該ジョブのボリュームと対応する許容料金と比較して実行の可否を決定するようにすればよい。このようにすれば、よりきめ細かく電力料金が節約できる。
【0073】
(4)上記実施の形態においては、許容料金としては、1ジョブの実行に許される上限の電力料金として設定したが、場合によっては次のように設定することも可能であろう。
a.過去の一定期間の使用電力料金に基づく許容電力料金(過去一定期間の電力料金が設定料金を超えるかどうかで実行判定する)、
d.自家発電料金(自家発電した場合の料金と比較して、実行判定する)、など。
【0074】
(5) 上記実施の形態におけるジョブ実行管理処理に関するプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、Smart Media(登録商標)、COMPACTFLASH(登録商標)などのフラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態で、インターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0075】
また、本発明を実現するためのプログラムは、上記に説明した処理をコンピュータに実行させるための全てのモジュールを含んでいる必要はなく、例えば通信プログラムや、オペレーティング・システム(OS)に含まれるプログラムなど、別途情報処理装置にインストールすることができる各種汎用的なプログラムを利用して、本発明の各処理をコンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0076】
(6)上記実施の形態では、画像形成装置の例として複合機であるMFPについて説明したが、コピー専用機、プリンタ専用機、FAX専用機などであっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、使用電力料金によりジョブの実行が管理される画像形成装置として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態に係るMFP1を含む画像形成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】MFP1の構成を示すブロック図である。
【図3】MFP1で実行されるジョブ実行管理処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】上記ジョブ実行管理処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図4の続きのフローチャートである。
【図6】使用電力テーブルの構成例を示す図である。
【図7】ジョブの実行時期の制御を示す第1の例である。
【図8】ジョブの実行時期の制御を示す第2の例である。
【図9】(a)(b)は複数の待機ジョブをその使用電力量の小さなものから整列する様子を示す図である。
【図10】図5におけるジョブ実行判定処理のフローチャートの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 MFP
2、3、4 クライアント端末
5 LAN
7 サーバ
10 マシン部
11 画像形成制御部
12 記憶部
13 外部通信部
14 画像読取部
15 画像形成部
20 ジョブ実行管理部
21 ジョブ実行制御部
22 基準料金取得部
23 許容料金取得部
24 電力量算出部
25 電力料金算出部
30 操作インターフェース部
31 表示・操作制御部
32 操作部
33 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力の単価に関する情報を電力単価情報として保持する保持手段と、
通信回線を介し、定期的に電力の単価に関する情報を取得して前記電力単価情報を更新する更新手段と、
画像形成ジョブを受け付ける受付手段と、
前記電力単価情報に基づき、前記受け付けた画像形成ジョブの実行に必要な電力料金を算出する電力料金算出手段と、
所定の許容電力料金と前記画像形成ジョブの実行に必要な電力料金とを比較して、当該画像形成ジョブを実行するか待機させるかを決定するジョブ実行決定手段と、
実行すると決定された画像形成ジョブを実行する画像形成ジョブ実行手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
待機状態の画像形成ジョブがある場合において、
電力料金算出手段は、前記電力単価情報が更新されるたびに、当該更新された電力単価情報に基づき待機状態の各画像形成ジョブの実行に必要な電力料金を算出し、
前記ジョブ実行決定手段は、前記所定の許容電力料金と前記新たに算出された各画像形成ジョブの実行に必要な電力料金とを比較して、当該画像形成ジョブを実行するか待機状態を継続させるかを決定すること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ジョブ実行決定手段は、
待機中の画像形成ジョブが、その受付後、所定の時間待機状態が継続した場合に、それ以上待機させずに当該画像形成ジョブを実行するか、もしくは実行を断念するかの決定を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ジョブ実行決定手段において前記画像形成ジョブを実行しないと決定された場合に、
当該画像形成ジョブの処理条件を変更してその実行に必要な電力量を低減させるか否かの決定を行う処理条件変更決定手段を
備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記許容電力料金の値は、ユーザもしくは当該ユーザの属するグループ毎に設定されており、
前記受付手段は、各画像形成ジョブを発行したユーザもしくはそのグループを特定する識別情報を取得する識別情報取得手段を備え、
前記ジョブ実行決定手段は、前記取得した識別情報を参照し、前記画像形成ジョブの実行に必要な電力料金と、当該画像形成ジョブを発行したユーザもしくはそのグループについて設定されている許容電力料金とを比較して、当該画像形成ジョブを実行するか待機させるかを決定すること
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記電力単価情報の変動に応じて、前記許容電力料金の値を変更させる変更手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ジョブ実行決定手段は、先に受け付けて待機状態にある第1の画像形成ジョブがある場合に、後から受け付けた第2の画像形成ジョブが先に実行可能であると判定されると、前記第1の画像形成ジョブを追い越して、前記第2の画像形成ジョブを先に前記画像形成ジョブ実行手段に実行させる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
待機状態の画像形成ジョブが複数ある場合に、各画像形成ジョブについて前記電力料金算出手段で算出された電力量に基づいて、それらの画像形成ジョブの優先順位を変更する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
待機状態の画像形成ジョブに関する情報を表示する表示手段を備える
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置における画像形成ジョブの実行方法であって
画像形成ジョブを受け付ける受付ステップと、
電力の単価に関する情報を電力単価情報として保持する保持ステップと、
定期的に、通信回線を介して電力の単価に関する情報を取得して前記電力単価情報を更新する更新ステップと、
前記電力単価情報に基づき、前記受け付けた画像形成ジョブの実行に必要な電力料金を算出する電力料金算出ステップと、
所定の許容電力料金と前記画像形成ジョブの実行に必要な電力料金とを比較して、当該画像形成ジョブを実行するか待機させるか決定するジョブ実行決定ステップと、
実行が決定された画像形成ジョブを実行する画像形成ジョブ実行ステップと
を含むことを特徴とする画像形成ジョブ実行方法。
【請求項11】
待機状態の画像形成ジョブがある場合において、
電力料金算出ステップは、前記電力単価情報が更新されるたびに、当該更新された電力単価情報に基づき待機状態の各画像形成ジョブの実行に必要な電力料金を算出し、
前記ジョブ実行決定ステップは、前記所定の許容電力料金と前記新たに算出された各画像形成ジョブの実行に必要な電力料金とを比較して、当該画像形成ジョブを実行するか待機状態を継続させるかを決定すること
を特徴とする請求項10に記載の画像形成ジョブ実行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−47760(P2009−47760A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211452(P2007−211452)
【出願日】平成19年8月14日(2007.8.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】