画像形成装置および画像形成装置における記憶装置の制御方法
【課題】短期間に立て続けに記憶装置の寿命が尽きる事態が起こり難く、CPUへの負荷が少ない画像形成装置およびその記憶装置制御方法を提供する。
【解決手段】複数の記憶装置17,18と、各記憶装置17,18の余寿命を検知する余寿命検知手段21と、それら記憶装置17,18に記憶された各データへのアクセス回数を検知するアクセス回数検知手段22と、前記アクセス回数が所定回数以上のデータを、最も余寿命が短い記憶装置17以外の記憶装置18から前記最も余寿命が短い記憶装置17へ移動させるデータ移動手段23と、前記データ移動手段23によるデータの移動を所定期間禁止する禁止手段24とを備える画像形成装置1とする。
【解決手段】複数の記憶装置17,18と、各記憶装置17,18の余寿命を検知する余寿命検知手段21と、それら記憶装置17,18に記憶された各データへのアクセス回数を検知するアクセス回数検知手段22と、前記アクセス回数が所定回数以上のデータを、最も余寿命が短い記憶装置17以外の記憶装置18から前記最も余寿命が短い記憶装置17へ移動させるデータ移動手段23と、前記データ移動手段23によるデータの移動を所定期間禁止する禁止手段24とを備える画像形成装置1とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記憶装置を備えた画像形成装置および当該画像形成装置における記憶装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、読み取った画像データをハードディスクなどの記憶装置に保存することのできるタイプがある。このタイプの画像形成装置では、一旦画像を読み取り保存すれば、その画像を再度読み取ることなく印刷することが可能である。前記記憶装置は、アクセスの繰り返しにより内部の可動部分が消耗し、やがて寿命に達するが、寿命が尽きるとその記憶装置に保存した画像データを利用することができないため、速やかに新しい記憶装置と交換しなければならない。記憶装置の交換は、トナーカートリッジの交換のように簡単ではないため、一般にメーカー等のサービスマンによって行われている。
【0003】
記憶装置の交換の際には、メンテナンス効率を上げるために、記憶装置以外の消耗品も同時に交換してしまうことが好ましい。ところが、複数の記憶装置を備えた画像形成装置の場合、1つの記憶装置の寿命が尽きその交換を終えた後で、あまり日を空けずに別の記憶装置の寿命が尽きると、サービスマンは短期間に立て続けに二度メンテナンスに赴かねばならない。ところが、二度目のメンテナンス時は、前記消耗品の交換を終えたばかりであるため、記憶装置を交換するためだけにメンテナンスに赴くこととなってしまいメンテナンス効率が悪い。
【0004】
ところで、特許文献1には、複数の記憶装置を備えた画像形成装置において、アクセス回数の多い画像データを一の記憶装置に記憶させ、アクセス回数の少ない画像データを他方の記憶装置に記憶させる構成が開示されている。このような構成であれば、各記憶装置へのアクセス頻度に差ができるため記憶装置間において寿命差が広がり易く、短期間に立て続けに記憶装置の寿命が尽きるような事態が起こり難い。
【特許文献1】特開2001−93220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の画像形成装置は、各画像データのアクセス回数を検知し、アクセス回数の多い画像データを一方の記憶装置に移動させ、アクセス回数の少ない画像データを他方の記憶装置に移動させる処理を行うため、その処理の分だけ記憶装置の寿命を縮めてしまい、またCPUへの負荷も大きくなる。
本発明は、上記した課題に鑑み、短期間に立て続けに記憶装置の寿命が尽きる事態が起こり難いと共に、記憶装置の寿命が縮まり難くCPUへの負荷も少ない画像形成装置および当該画像形成装置における記憶装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、複数の記憶装置と、各記憶装置の余寿命を検知する余寿命検知手段と、それら記憶装置に記憶された各データへのアクセス回数を検知するアクセス回数検知手段と、前記アクセス回数が所定回数以上のデータを、最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置へ移動させるデータ移動手段と、前記データ移動手段によるデータの移動を所定期間禁止する禁止手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像形成装置における記憶装置の制御方法は、複数の記憶装置と、各記憶装置の余寿命を検知する余寿命検知手段と、それら記憶装置に記憶された各データへのアクセス回数を検知するアクセス回数検知手段と、前記アクセス回数が所定回数以上のデータを、最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置へ移動させるデータ移動手段とを備えた画像形成装置において、前記データ移動手段によるデータの移動を所定期間禁止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、短期間に立て続けに記憶装置の寿命が尽きる事態が起こり難いと共に、記憶装置の寿命が縮まり難くCPUへの負荷も少ない。すなわち、前記所定期間以外の期間において最も余寿命が短い記憶装置にアクセス回数の多いデータが集まるため、その記憶装置と他の記憶装置との寿命差が広がり易く、短期間に立て続けに記憶装置の寿命が尽きる事態が起こり難い。また、前記所定期間はアクセス回数に基づくデータ移動処理が行われないため、記憶装置の寿命が縮まり難くCPUへの負荷も少ない。
【0009】
ここで、前記データ移動手段は、前記アクセス回数が前記所定回数未満のデータを、前記最も余寿命が短い記憶装置からそれ以外の記憶装置へ移動させる構成とすることができる。この構成とすれば、最も余寿命が短い記憶装置からそれ以外の記憶装置へデータが移動するため、最も余寿命が短い記憶装置にデータが集中してその記憶装置の空き容量だけが極端に少なくなるといったことが起こり難い。
【0010】
また、前記所定期間は、前記最も余寿命が短い記憶装置と二番目に余寿命が短い記憶装置との寿命差が所定値を超えない期間である構成とすることができる。この構成とすれば、最も余寿命が短い記憶装置と他の記憶装置との寿命差を調節し易い。
また、前記記憶装置外からのデータを前記記憶装置に書き込むデータ書込み手段と、データの再利用の可能性を判定する再利用性判定手段とを備え、前記データ書込み手段は、前記所定期間以外の期間において、再利用の可能性の高いデータを前記最も余寿命が短い記憶装置に書き込む構成とすることができる。この構成とすれば、記憶装置に書き込まれると頻繁にアクセスされるであろう再利用の可能性の高いデータを最も余寿命が短い記憶装置に集中させることができるため、最も余寿命の短い記憶装置とそれ以外の記憶装置との寿命差がより広がり易い。
【0011】
また、前記データ書込み手段は、前記所定期間以外の期間において、再利用の可能性の低いデータを前記最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置に書き込む構成とすることができる。この構成とすれば、最も余寿命が短い記憶装置にデータの書き込みが集中し難いため、その記憶装置の空き容量だけが極端に少なくなるといったことが起こり難い。
また、データの重要性を判定する重要性判定手段を備え、前記禁止手段は、前記所定期間以外の期間において、重要性の高いデータの前記最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置への移動を禁止する構成とすることができる。この構成とすれば、重要性の高いデータが最も余寿命が短い記憶装置へ移動することがないため、記憶装置の寿命が尽きて重要性の高いデータが失われる事態が起こり難い。
【0012】
また、前記禁止手段は、前記所定期間以外の期間において、重要性の高いデータの前記最も余寿命が短い記憶装置への書き込みを禁止する構成とすることができる。この構成とすれば、重要性の高いデータが最も余寿命が短い記憶装置へ書き込まれることがないため、記憶装置の寿命が尽きて重要性の高いデータが失われる事態が起こり難い。
また、前記データ書込み手段は、前記所定期間において、各記憶装置の空き容量が均等になるようにデータを書き込む構成とすることができる。この構成にすれば、特定の記憶装置の空き容量だけが極端に少なくなることがない。
【0013】
また、前記データ書込み手段は、前記所定期間において、各記憶装置の空き容量が均等になるようにデータを書き込む構成とすることができる。この構成によれば、記憶装置の寿命やデータのアクセス回数に関係なく、特定のデータを特定の記憶装置に保存しておくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る画像形成装置および当該画像形成装置における記憶装置の制御方法の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
<画像形成装置の全体構成>
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置の一例としてのMFP(Multi Function Peripheral)1は、スキャナ、FAX、プリンタなどの機能を1台に集約したデジタル複合機であって、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介してPC(Personal Computer)2などの外部端末と相互に通信可能である。
【0015】
MFP1は、MFPコントローラ部11、スキャナ部12、FAX部13、プリンタ部14、画像処理部15、メモリ16、記憶装置の一例としての第1のHDD(Hard Disk Drive)17および第2のHDD18、専用記憶装置の一例としてのアプリケーション専用HDD19、並びに、操作部20を備える。
MFPコントローラ部11は、MFP各部12〜20がMFP全体として円滑に動作するようにそれらを集中的に制御する。また、当該MFPコントローラ部11は、後述する余寿命検知手段21、アクセス回数検知手段22、データ移動手段23、禁止手段24、データ書込み手段25、再利用性検知手段26および重要性検知手段27としての役割を果たす。
【0016】
スキャナ部12は、原稿上の画像を露光走査し、原稿面からの反射光を画像信号に変換して、前記原稿から画像データを読み取る。FAX部13は、公衆電話回線などを介して所望の相手先との間で画像データの送受信を行う。
スキャナ部12で読み取られた画像データ、FAX部13で受信された画像データ、およびPC2から送信されてきた画像データは、MFPコントローラ部11を介して一旦メモリ16で保存され、画像処理部15で適切な画像処理が施され、プリンタ部14で用紙などの媒体上に印刷される。なお、メモリ16に保存できない程大きいサイズの画像データを印刷する場合、当該画像データは、メモリ16の代わりに第1のHDD17または第2のHDD18に保存され、画像処理部15で上記と同様の画像処理が施され、プリンタ部14で印刷される。
【0017】
第1のHDD17および第2のHDD18は、主として画像データを保存するためのHDDであって、スキャナ部12で読み取られた画像データ、FAX部13で受信された画像データ、PC2から送信されてきた画像データなどが書き込まれる。このように画像データをMFP1内に保存しておくことによって、同じ画像を再度読み取り等することなく印刷することができる。
【0018】
アプリケーション専用HDD19は、MFP1のOS(Operating System)や、ネットワーク通信用プログラム、その他MFP1の制御に必要なプログラムなどが書き込まれている。また、アプリケーション専用HDD19には、後述するアクセス情報テーブル、重要性情報テーブルおよび再利用性情報テーブルなども書き込まれている。
操作部20は、MFP1への各種操作を受付けたり、MFP1からの各種メッセージを表示したりする。ユーザは、操作部20を介して、画像読み取り、印刷、FAX送信、PC2へのデータ転送、画像データの保存、保存した画像データの編集、ジョブ情報や管理情報の確認、各種設定の変更などの操作を行うことができる。なお、同様の操作は、PC2からも可能である。
【0019】
<データの管理動作>
本発明に係る画像形成装置において、データの管理動作は、既にMFP1内に保存されている画像データを第1のHDD17と第2のHDD18との間で移動させるデータ移動処理と、新たにMFP1の外部から入力された画像データを第1のHDD17または第2のHDD18に書き込むデータ書込み処理とに大きく分けることができる。
【0020】
(1)データ移動処理
図2は、データ移動処理の内容を説明する概念図である。図2に示すように、MFPコントローラ部11は、データ移動処理において、余寿命検知手段21、アクセス回数検知手段22、データ移動手段23および禁止手段24としての役割を果たす。
余寿命検知手段21は、第1のHDD17および第2のHDD18の余寿命を検知する。具体的には、第1のHDD17および第2のHDD18に対して寿命情報を要求し、それら第1のHDD17および第2のHDD18から寿命情報を取得し、取得した寿命情報に基づいて公知の方法により余寿命を予測する。
【0021】
図3は、寿命情報を例示列挙した表である。第1のHDD17および第2のHDD18から取得する寿命情報としては、例えば、図3に示すような情報が挙げられる。なお、図3に示す寿命情報の全てを必ず取得する必要はなく、いずれか1つ或いは任意の複数を取得してもよい。また、寿命情報は、図3に示す情報に限定されず、HDDの余寿命を検知できる情報であれば良い。
【0022】
寿命情報に基づき余寿命を予測する方法としては、例えば、寿命情報がHDA(Head Disk Assembly)温度である場合、特開平11−273330号公報に記載されている方法等が挙げられる。また、例えば、寿命情報がスピンドルモータの起動回数等である場合、特開平6−295519号公報に記載されている方法等が挙げられる。
アクセス回数検知手段22は、HDDに記憶された各画像データへのアクセス回数を検知する。具体的には、各画像データのアクセス回数を個別にカウントし、その結果をアプリケーション専用HDD19に格納されたアクセス情報テーブルに書き込まれる。
【0023】
データ移動手段23は、アクセス回数が所定回数以上の画像データを、最も余寿命が短いHDD以外のHDDから最も余寿命の短いHDDへ移動させると共に、前記アクセス回数が前記所定回数未満の画像データを、最も余寿命が短いHDDからそれ以外のHDDへ移動させる。なお、アクセス回数が所定回数以上か否か、或いはアクセス回数が所定回数未満か否かの判断は、アクセス情報テーブルを参照して行われる。
【0024】
アクセス回数が所定回数以上の画像データとは、第1のHDD17および第2のHDD18に書き込まれている画像データの中で相対的にアクセス回数が多い画像データであって、例えば、コピー時のミラーリングデータやテンポラリデータなどである。
前記所定回数は任意に設定可能であって、所定回数として設定される値は、所定回数以上の画像データを余寿命の短い方のHDDに移動させ、前記所定回数未満の画像データを余寿命の長い方のHDDに移動させることによって、両HDDへのアクセス頻度に差が生じ、その差によって両HDDの寿命差が広がる値であることが好ましい。
【0025】
例えば、所定回数を、第1のHDD17および第2のHDD18に記憶された全画像データの平均アクセス回数と設定することが考えられる。この場合、アクセス回数が所定回数以上の画像データとは、前記平均アクセス回数以上のアクセスがあった画像データであり、アクセス回数が所定回数未満の画像データとは、前記平均アクセス回数未満のアクセスしかなかった画像データである。
【0026】
また、所定回数を1回と設定することも考えられる。この場合、アクセス回数が所定回数以上の画像データとは、1回以上のアクセスがあった画像データ、すなわち一度でもアクセスがあった画像データであり、アクセス回数が所定回数未満の画像データとは、一度もアクセスが無かった画像データである。
なお、所定回数は、MFP1に保存された以後の累計のアクセス回数であっても良く、一定期間内におけるアクセス回数であっても良い。例えば、所定回数を過去1週間のアクセス回数と設定する場合、アクセス回数が所定回数以上の画像データとは、過去1週間のアクセス回数が所定回数以上の画像データであり、アクセス回数が所定回数未満の画像データとは、過去1週間のアクセス回数が所定回数未満の画像データである。
【0027】
本実施形態に係るMFP1は、画像データ用のHDDを2台備える。したがって、余寿命の短い方のHDDが最も余寿命が短いHDDとみなされ、余寿命の長い方のHDDが最も余寿命が短いHDD以外のHDDとみなされる。
例えば、第1のHDD17の方が第2のHDD18よりも余寿命が短い場合、第2のHDD18に記憶された画像データのうちのアクセス回数が所定回数以上の画像データを第1のHDD17へ移動させ、第1のHDD17に記憶された画像データのうちのアクセス回数が所定回数未満の画像データを第2のHDD18へ移動させる。
【0028】
このように、余寿命の短い第1のHDD17にアクセス回数が所定回数以上の画像データを集め、余寿命の長い第2のHDD18にアクセス回数が所定回数未満の画像データを集めることで、余寿命が短い方のHDDへのアクセス頻度を高くし、余寿命の長い方のHDDへのアクセス頻度を低くすることができる。これにより、両HDDの余寿命差が大きくなるため、短期間に立て続けにHDDの寿命が尽きる事態が起こり難い。
【0029】
また、余寿命が短い方のHDDから余寿命が長い方のHDDへも画像データが移動するため、余寿命が短い方のHDDにデータが集中して当該HDDの空き容量だけが極端に少なくなるといったことも起こり難い。
なお、アクセス回数が所定回数未満の画像データの移動は必ずしも必要ではなく、アクセス回数が所定回数以上の画像データのみを移動させる構成であっても良い。また、アクセス回数が所定回数未満の画像データの一部のみを余寿命が短い方のHDDから余寿命が長い方のHDDへ移動させ、残りの画像データは移動させない構成としても良い。例えば、アクセス回数が所定回数未満の画像データのうち、よりアクセス回数の少ないものだけを、余寿命が短い方のHDDから余寿命が長い方のHDDへ移動させる構成としても良い。
【0030】
禁止手段24は、データ移動手段23によるデータの移動を所定期間禁止する。すなわち、前記所定期間中は、第1のHDD17と第2のHDD18との間において、アクセス回数に基づく画像データの移動は行われない。
但し、アクセス回数に基づかない画像データの移動は行われることがある。例えば、一方のHDDの画像データが大量に削除されるなどした場合は、両HDDの空き容量を均等にするために画像データの移動を行うことがある。
【0031】
前記所定期間とは、最も余寿命が短いHDDと二番目に余寿命が短いHDDとの寿命差が所定値を超えない期間である。本実施の形態に係るMFP1は、データ保存用のHDDが2台であるため、実際には、第1のHDD17と第2のHDD18の余寿命差が所定値を超えない期間である。すなわち、余寿命差は、第1のHDD17の余寿命a1と第2のHDD18の余寿命a2とから、余寿命差(a1−a2)或いは余寿命差(a2−a1)を演算して求められる。
【0032】
余寿命差が所定値を超えるとは、本実施の形態では、前述した余寿命差(a1−a2)または余寿命差(a2−a1)が予め設定された余寿命差閾値mを超えることを意味する。余寿命差閾値mは、最初のHDDが寿命に達してから次にHDDが寿命に達するまでの間隔をどの程度にしたいのか、その目標とする間隔に応じて定められる。
余寿命差が所定値を超えると、余寿命の短いHDDへアクセスが集中するようになるため余寿命差がより広がる傾向になる。したがって、基本的に余寿命差が余寿命差閾値mよりも小さくなることはなく、第1のHDD17と第2のHDD18とは少なくとも余寿命差閾値m分の間隔を空けて寿命に達することになる。
【0033】
目標とする間隔は、他の消耗品の交換サイクルと同じくらい、若しくはそれよりも長いことが好ましい。HDDが寿命に達する間隔と、他の消耗品の交換サイクルとが同じくらいであれば、HDDと他の消耗品とを同時に交換できる可能性が高く、メンテナンス効率が良い。また、HDDが寿命に達する間隔が他の消耗品の交換サイクルよりも長い場合は、他の消耗品の交換時期よりも遅くHDDが寿命に達するため好ましい。
【0034】
所定期間以外の期間における余寿命差の広がり具合は、各HDDへのアクセス回数に影響されるため、アクセス回数を考慮して余寿命差閾値mを設定することが好ましい。
なお、所定期間は、最も余寿命が短いHDDと二番目に余寿命が短いHDDとの寿命差が所定値を超えない期間に限られない。
図4は、データ移動処理の内容を示すフローチャートである。図4を用いて、データ移動処理の内容をより具体的に説明する。
【0035】
まず、上述した余寿命差闘値mが設定され(ステップS1)、さらに、余寿命下限閾値nが設定される(ステップS2)。
余寿命下限閾値nは、第1のHDD17と第2のHDD18の余寿命差が余寿命差閾値mを超えないままHDDのどちらかが寿命に達してしまうことを防止するために設定される。余寿命差が余寿命差閾値mを超えない場合であっても、第1のHDD17または第2のHDD18の余寿命が余寿命下限閾値nを下回れば、データ移動手段23による画像データの移動が行われる。これにより、余寿命差が余寿命差閾値mを超えなくてもHDDの余寿命が残り少なくなれば余寿命差が広がり始めるため、短期間に立て続けに記憶装置の寿命が尽きる事態が起こり難い。
【0036】
次に、第1のHDD17の余寿命a1が検知され(ステップS3)、さらに、第2のHDD18の余寿命a2が検知される(ステップS4)。さらに、余寿命差(a2−a1)が余寿命差閾値mを超えるか否かが判断され(ステップS5)。余寿命差(a2−a1)が余寿命差閾値mを超える場合(ステップS5で「YES」)、第2のHDD18に書き込まれている画像データのうちアクセス回数が所定回数以上の画像データ(以下、アクセス回数の多い画像データ)が第1のHDD17へ移動させられる(ステップS6)。また、第1のHDD17に書き込まれている画像データのうちアクセス回数が所定回数未満の画像データ(以下、アクセス回数の少ない画像データ)が第2のHDD18へ移動させられる(ステップS7)。
【0037】
ステップS5に戻って、余寿命差(a2−a1)が余寿命差閾値mを超えない場合(ステップS5で「NO」)、余寿命差(a1−a2)が余寿命差閾値mを超えるか否かが判断される(ステップS8)。余寿命差(a1−a2)が余寿命差閾値mを超える場合(ステップS8で「YES」)、第1のHDD17に書き込まれている画像データのうちアクセス回数の多い画像データが第2のHDD18へ移動させられる(ステップS9)。さらに、第2のHDD18に書き込まれている画像データのうちアクセス回数の少ない画像データが第1のHDD17へ移動させられる(ステップS10)。
【0038】
ステップS8に戻って、余寿命差(a1−a2)が余寿命差閾値mを超えない場合(ステップS8で「NO」)、第1のHDD17の余寿命a1が余寿命下限閾値nより短いか否かが判断される(ステップS11)。余寿命a1が余寿命下限閾値nより短い場合(ステップS11で「YES」)、第2のHDD18に書き込まれている画像データのうちアクセス回数の多い画像データが第1のHDD17へ移動させられ(ステップS6)、第1のHDD17に書き込まれている画像データのうちアクセス回数の少ない画像データが第2のHDD18へ移動させられる(ステップS7)。
【0039】
一方、ステップ11に戻って、余寿命a1が余寿命下限閾値nより短くない場合(ステップS11で「NO」)、余寿命a2が余寿命下限閾値nより短いか否かが判断される(ステップS12)。余寿命a1が余寿命下限閾値nより短い場合(ステップS12で「YES」)、第1のHDD17に書き込まれている画像データのうちアクセス回数の多い画像データが第2のHDD18へ移動させられ(ステップS9)、第2のHDD18に書き込まれている画像データのうちアクセス回数の少ない画像データが第1のHDD17へ移動させられる(ステップS10)。
【0040】
ステップS12に戻って、余寿命a1が余寿命下限閾値nより短くない場合(ステップS12で「NO」)、画像データを移動させることなく処理が終了する。
(2)データ書込み処理
図5は、データ書込み処理の内容を説明する概念図である。図5に示すように、MFPコントローラ部11は、データ書込み処理において、余寿命検知手段21、データ書込み手段25および再利用性判定手段26としての役割を果たす。
【0041】
余寿命検知手段21は、データ移動処理のときと同様に、第1のHDD17および第2のHDD18から寿命情報を取得して、それら寿命情報から各HDDの余寿命を検知する。
再利用性判定手段26は、第1のHDD17または第2のHDD18に書き込まれる画像データの再利用の可能性を判定する。具体的には、HDDに書き込まれたのち頻繁にアクセスされるであろう画像データを再利用の可能性の高い画像データと判定し、HDDに書き込まれてもアクセスされる機会は少ないであろう画像データを再利用の可能性の低い画像データと判定する。
【0042】
再利用性の高い画像データをHDDに書き込むと、当該HDDへのアクセス回数が増加するため、当該HDDの寿命が縮まり易くなる。一方、再利用性が低い画像データがHDDに書き込まれても当該HDDへのアクセス回数はそれ程増加しないため、再利用性が高い画像データが書き込まれたときと比べて寿命は縮まり難い。
再利用の可能性の判定は、画像データをMFP1内に保存する際にユーザが入力する画像データの特性情報に基づいて行われる。図6は、書き込みデータの特性を入力するための入力画面の一例を示す図である。画像データが外部からMFP1に入力されると、当該画像データは一旦メモリ16に保存されると共に、図6に示すようなデータ特性入力画面30が操作部20に表示される。
【0043】
ユーザは、入力する画像データの再利用の可能性が高いと判断すれば再利用性入力欄31の「高」と表示した入力キー32を押下し、再利用の可能性が低いと判断すれば「低」と表示された入力キー33を押下する。これにより、再利用性判定手段26は、再利用の可能性が高い若しくは低いという再利用性情報を得ることになり、当該再利用性情報はアプリケーション専用HDD19に格納された再利用性情報テーブルに書き込まれる。
【0044】
なお、再利用性の判定は、ユーザが入力する画像データの特性に基づくことなく、MFPコントローラ部11が自動で判定する構成であっても良い。
データ書込み手段25は、画像データの書き込み要求があると、第1のHDD17および第2のHDD18の外部からの画像データを、第1のHDD17または第2のHDD18に書き込む。
【0045】
具体的には、上述の所定期間においては、画像データの再利用の可能性を考慮せずに、空き容量の少ないHDDに画像データを書き込む。また、前記所定期間以外の期間においては、再利用性情報テーブルを参照して、再利用の可能性の高いデータを前記最も余寿命が短い記憶装置に書き込み、再利用の可能性の低いデータを前記最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置に書き込む。
【0046】
図7は、データ書込み処理の内容を示すフローチャートである。図7を用いて、上記データ書込み処理の内容をより具体的に説明する。
まず、データの書き込み要求を受けると(ステップS21)、アプリケーション専用HDD19に書き込まれるアプリケーションなどのデータであるか否かが判断される(ステップS22)。アプリケーション専用HDD19に書き込まれるデータと判定された場合(ステップS22で「YES」)、アプリケーション専用HDD19へのデータ書き込みの要求が行われ、当該データがアプリケーション専用HDD19に書き込まれる(ステップS23)。
【0047】
一方、専用HDD19に書き込むデータではないと判断された場合(ステップS22で「NO」)、第1のHDD17と第2のHDD18との余寿命差が所定値を超えているか否か、すなわち余寿命差が余寿命差閾値mを超えているか否かが判断される(ステップS24)。
余寿命差が余寿命差閾値mを超えない場合(ステップS24で「NO」)、すなわち所定期間においては、第1のHDD17の空き容量b1が検知され(ステップS25)、第2のHDD18の空き容量b2が検知される(ステップS26)。さらに、空き容量b1が空き容量b2以上であるか否かを判断され(ステップS27)、空き容量b1が空き容量b2以上である場合は(ステップS27で「YES」)、第1のHDD17に画像データが書き込まれる(ステップS28)。
【0048】
ステップS27に戻って、空き容量b1が空き容量b2以上でない場合(ステップS27で「NO」)、すなわち第2のHDD18の方が第1のHDD17よりも空き容量が大きい場合は、第2のHDD18に画像データが書き込まれる(ステップS29)。
ステップS24に戻って、余寿命差が余寿命差閾値mを超えている場合(ステップS24で「YES」)、すなわち所定期間以外の期間においては、データ特性に基づく書込み処理が実行される(ステップS30)。
【0049】
図8は、データ特性に基づく書込み処理の内容を示すフローチャートである。図8に示すように、データ特性(ここでは再利用の可能性)に基づく書込み処理では、まず、余寿命が短いのは第1のHDD17であるか否かが判断される(ステップS41)。余寿命が短いのは第1のHDD17である場合(ステップS41で「YES」)、再利用の可能性が高い画像データであるか否かが判断される(ステップS42)。
【0050】
再利用の可能性が高い画像データである場合(ステップS42で「YES」)、画像データは余寿命の短い第1のHDD17に書き込まれる(ステップS43)。一方、再利用の可能性が低い画像データである場合(ステップS42で「NO」)、画像データは余寿命の長い第2のHDD18に書き込まれる(ステップS44)。
ステップS41に戻って、余寿命が短いのは第1のHDD17でない場合(ステップS41で「NO」)、すなわち余寿命が短いのは第2のHDD18である場合は、再利用の可能性が高い画像データであるか否かが判断される(ステップS45)。再利用の可能性が高い画像データの場合(ステップS45で「YES」)、余寿命の短い第2のHDD18に画像データが書き込まれる(ステップS46)。一方、再利用の可能性が低い画像データの場合(ステップS45で「NO」)、余寿命の長い第1のHDD17に画像データが書き込まれる(ステップS47)。
【0051】
(3)HDD間におけるデータの動き
図9は、記憶装置間におけるデータの動きを説明する図であって、図9(a)は、所定期間におけるデータの位置を示し、図9(b)は、所定期間以外の期間におけるデータの位置を示し、図9(c)は、新たにデータが追加された場合におけるデータの位置を示す。
【0052】
図9(a)に示すように、所定期間においては、画像データのアクセス回数および重要性に関係なく、HDDの空き容量が均等になるように画像データが書き込まれる。すなわち、画像データが書き込まれる際には、第1のHDD17および第2のHDD18の空き容量が検知され、空き容量が多い方のHDDに画像データが書き込まれる。これにより第1のHDD17および第2のHDD18の空き容量が均等に保たれる。なお、一旦HDDに書き込まれたあと基本的に画像データの移動はない。
【0053】
図9(b)に示すように、所定期間以外の期間においては、データ移動手段23によって画像データが移動させられる。例えば、第2のHDD18の余寿命よりも第1のHDD17の余寿命の方が短い場合、余寿命の長い第2のHDD18に書き込まれているアクセス回数が多い画像データ(データ5,6)は、余寿命の短い第1のHDD17に移動させられる。一方、第1のHDD17に書き込まれているアクセス回数の少ない画像データ(データ3,4)は、第2のHDD18に移動させられる。
【0054】
図9(c)に示すように、画像データが新たに追加された場合、再利用の可能性の高い画像データ(データ9,10)は、余寿命の短い第1のHDD17に書き込まれ、再利用の可能性が低い画像データ(データ11,12)は、余寿命の長い第2のHDD18に書き込まれる。
以上のようにして、余寿命の短い第1のHDD17には、アクセス回数の多い画像データが集中し、アクセス頻度が高くなる。一方、余寿命の長い第2のHDD18には、アクセス回数の少ない画像データが集中し、アクセス頻度が低くなる。
【0055】
<変形例に係るデータの管理動作>
(1)変形例に係るデータ移動処理
本実施の形態に係るデータ移動処理では、アクセス回数のみに基づいて画像データを移動させたが、変形例に係るデータ移動処理では、アクセス回数だけでなく重要性も考慮して画像データを移動させる。すなわち、変形例に係るデータ移動処理では、所定期間以外の期間において、余寿命が短い方のHDDに書き込まれているアクセス回数の多い画像データのうち重要性の低い画像データのみを余寿命が長い方のHDDに移動させ、アクセス回数が多くても重要性の高い画像データは移動させない。
【0056】
なお、それ以外の点においては、基本的に本実施の形態に係るデータ書込み処理と同様であるため、共通のする構成およびステップには本実施の形態と同じ符号を付してその説明は省略するか簡略するにとどめ、相違点を中心に説明する。
図10は、変形例に係るデータ移動処理の内容を説明する概念図である。図10に示すように、変形例に係るデータ移動処理において、MFPコントローラ部11は、余寿命検知手段21、アクセス回数検知手段22、データ移動手段23、禁止手段24および重要性判定手段27としての役割を果たす。
【0057】
余寿命検知手段21およびアクセス回数検知手段22については、本実施の形態に係るデータ移動処理とほぼ同様であるため説明を省略する。
重要性判定手段27は、書き込み要求された画像データが重要性の高い画像データであるか否かを判定する。重要性の高い画像データとは、例えばHDDの寿命が尽きることによって失われたり、一時使用できなくなったりしては困る画像データであり、余寿命の長いHDDに書き込まれていることが好ましい。一方、重要性の低いデータとは、例えば重要性が高いと判定されなかった画像データである。
【0058】
重要性の判定は、例えば、ユーザからの入力される重要性情報に基づいて行われる。画像データが外部からMFP1に入力されると、当該画像データは一旦メモリ16に保存され、図6に示すようなデータ特性入力画面30が操作部20に表示される。ユーザは、入力された画像データの重要性が高いと判断すれば重要性入力欄34の「高」と表示した入力キー35を押下し、重要性が低いと判断すれば「低」と表示された入力キー36を押下する。これにより、重要性判定手段は、重要性が高い若しくは低いという重要性情報を得る。なお、重要性情報は、第1のHDD17或いは第2のHDD18に格納された重要性情報テーブルに書き込まれる。
【0059】
なお、重要性の判定は、ユーザが入力する重要性情報よらず、MPFコントローラ部11が自動的に判断しても良い。
禁止手段24は、上記所定期間以外の期間において、重要性の高い画像データの前記最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置への移動を禁止する。なお、画像データの重要性の判断は、重要性情報テーブルを参照して行われる。
【0060】
データ移動手段23は、アクセス回数が所定回数以上であって且つ重要性の低い画像データを、最も余寿命が短いHDD以外のHDDから最も余寿命の短いHDDへ移動させる。すなわち、余寿命が長い方のHDDから余寿命が短い方のHDDへの重要性の高い画像データの移動が禁止手段によって禁止されているため、アクセス回数が所定回数以上であっても重要性の高い画像データは移動させない。
【0061】
また、データ移動手段23は、重要性の低い画像データを最も余寿命が短いHDDからそれ以外のHDDへ移動させる。すなわち、重要性の高い画像データを余寿命が短い方のHDDから余寿命が長い方のHDDへ移動させる。
図11は、変形例に係るデータ移動処理の内容を示すフローチャートである。図11に示すように、変形例に係るデータ移動処理では、本実施の形態と同様に、余寿命差闘値mが設定され(ステップS1)、余寿命下限閾値nが設定され(ステップS2)、第1のHDD17の余寿命a1が検知され(ステップS3)、第2のHDD18の余寿命a2が検知され(ステップS4)、余寿命差(a2−a1)が余寿命差閾値mを超えるか否かが判断される(ステップS5)。
【0062】
余寿命差(a2−a1)が余寿命差閾値mを超える場合(ステップS5で「YES」)、第2のHDD18から第1のHDD17へアクセス回数が多く重要性の低い画像データのみが移動させられる(ステップS61)。一方、第1のHDD17から第2のHDD18へ重要性の低い画像データが移動させられる(ステップS62)。
また、余寿命差(a2−a1)が余寿命差閾値mを超えない場合(ステップS5で「NO」)、余寿命差(a1−a2)が余寿命差閾値mを超えるか否かが判断される(ステップS8)。余寿命差(a1−a2)が余寿命差閾値mを超える場合(ステップS8で「YES」)、第1のHDD17から第2のHDD18へアクセス回数が多く重要性の低い画像データのみが移動させられる(ステップS63)。一方、第2のHDD18から第1のHDD17へ重要性の低いデータが移動させられる(ステップS64)。
【0063】
(2)変形例に係るデータ書込み処理
本実施の形態に係るデータ書込み処理では、再利用の可能性のみを参考にして画像データの書き込みを行ったが、変形例に係るデータ書込み処理では、再利用の可能性だけでなく重要性も考慮して画像データの書き込みを行う。すなわち、変形例に係るデータ書込み処理では、所定期間以外の期間において、余寿命が短い方のHDDに再利用の可能性の高い画像データのうち重要性の低い画像データのみを書き込み、再利用の可能性が高くても重要性の高い画像データの書き込みは行わない。
【0064】
なお、それ以外の点においては、基本的に本実施の形態に係るデータ書込み処理と同様であるため、共通のする部分には本実施の形態と同じ符号を付してその説明は省略するか簡略するにとどめ、相違点を中心に説明する。
図12は、変形例に係るデータ書込み処理の内容を説明する概念図である。図12に示すように、変形例に係るデータ書込み処理において、MFPコントローラ部11は、余寿命検知手段21、禁止手段24、データ書込み手段25、再利用性判定手段26および重要性判定手段27としての役割を果たす。
【0065】
余寿命検知手段21および再利用判定手段26については、本実施の形態に係るデータ書込み処理と同様であり、重要性判定手段27については、変形例に係るデータ移動処理とほぼ同様であるため説明を省略する。
禁止手段24は、所定期間以外の期間において、重要性の高い画像データの最も余寿命が短いHDDへの書き込みを禁止する。なお、画像データの重要性の判断は、重要性情報テーブルを参照して行われる。
【0066】
データ書込み手段25は、画像データの書き込み要求があると、所定期間においては、再利用の可能性および重要性に関係なく空き容量の少ないHDDに画像データを書き込む。
一方、所定期間以外の期間においては、禁止手段24によって重要性の高い画像データの余寿命が短い方のHDDへの書き込みが禁止されているため、図12に示すように、再利用の可能性が高く且つ重要性が低い画像データを余寿命の短い方のHDDに書き込み、それ以外の画像データ、すなわち再利用の可能性が低いデータや重要性が高いデータを余寿命の長い方のHDDに書き込む。なお、所定期間と所定期間以外の期間とを切り換えるタイミングは本実施の形態の場合と同様である。
【0067】
図13は、変形例に係るデータ特性に基づく書込み処理の内容を示すフローチャートである。図13に示すように、データ特性に基づく書込み処理では、余寿命の短いのは第1のHDD17か否かが判断される(ステップS81)。余寿命の短いのは第1のHDD17である場合(ステップS81で「YES」)、画像データの再利用の可能性が高いか否かが判断される(ステップS82)。
【0068】
画像データの再利用の可能性が低い場合(ステップS82で「NO」)、余寿命の長い第2のHDD18に画像データが書き込まれる(ステップS83)。また、画像データの再利用の可能性が高い場合でも(ステップS82で「YES」)、画像データの重要性が高いか否かの判断において(ステップS84)、重要性が高いと判断されれば(ステップS84で「YES」)、余寿命の長い第2のHDD18に画像データが書き込まれる(ステップS83)。
【0069】
一方、ステップS84に戻って、画像データの重要性が高くない場合(ステップS74で「NO」)、余寿命の短い第1のHDD17に画像データが書き込まれる(ステップS85)。
ステップS81に戻って、余寿命が短いのは第1のHDD17ではない場合(ステップS81で「NO」)、すなわち余寿命が短いのは第2のHDD18である場合、画像データの再利用の可能性が高いか否かが判断される(ステップS86)。
【0070】
画像データの再利用の可能性が高くないと判定されると(ステップS86で「NO」)、余寿命の長い第1のHDD17に画像データが書き込まれる(ステップS87)。また、画像データの再利用の可能性が高い場合でも(ステップS76で「YES」)、画像データの重要性が高いか否かの判断において(ステップS88)、重要性が高いと判断されれば(ステップS88で「YES」)、余寿命の長い第2のHDD18に画像データが書き込まれる(ステップS87)。
【0071】
ステップS88に戻って、重要性が高くないと判断されると(ステップS88で「NO」)、余寿命の短い第2のHDD18に画像データが書き込まれる(ステップS89)。
(3)変形例に係るHDD間におけるデータの動き
図14は、変形例に係る記憶装置間におけるデータの動きを説明する図であって、図14(a)は、所定期間におけるデータの位置を示し、図14(b)は、所定期間以外の期間におけるデータの位置を示し、図14(c)は、新たにデータが追加された場合におけるデータの位置を示す。
【0072】
図14(a)に示すように、所定期間においては、アクセス回数および重要性に関係なく、空き容量が均等になるように画像データが書き込まれる。すなわち、画像データを書き込む際に第1のHDD17および第2のHDD18の空き容量を検知し、空き容量が多い方に画像データの書き込みを行う。これにより第1のHDD17と第2のHDD18の空き容量が均等に保たれる。
【0073】
図14(b)に示すように、所定期間以外の期間においては、データ移動手段23による画像データの移動が行われる。例えば、第2のHDD18の余寿命よりも第1のHDD17の余寿命が短い場合、余寿命の長い第2のHDD18に書き込まれているアクセス回数が多く且つ重要性の低い画像データ(データ6)が、余寿命の短い第1のHDD17に移動させられる。一方、第1のHDD17に書き込まれている重要性の高い画像データ(データ1,3)が、第2のHDD18に移動させられる。
【0074】
図14(c)に示すように、新たに画像データが追加された場合、アクセス回数が多く且つ重要性の低い画像データ(データ9)が、余寿命の短い第1のHDD17に書き込まれる。一方、再利用の可能性が高くても重要性の高い画像データ(データ10)は、余寿命の長い第2のHDD18に書き込まれる。また、再利用の可能性の低い画像データ(データ11)も、余寿命の長い第2のHDD18に書き込まれる。
【0075】
その結果、余寿命の短い第1のHDD17には、重要性が低く、アクセス回数の多い画像データが集中し、余寿命の長い第2のHDD18には、重要性の高い画像データやアクセス回数の少ない画像データが集中する。したがって、第1のHDD17の余寿命はより余寿命が縮まり易くなり、第2のHDD18はより余寿命が縮まり難くなって、第1のHDD17と第2のHDD18との余寿命差がより大きくなる。また、重要性の高い画像データが記憶装置の寿命により失われ難くなる。
【0076】
上記変形例に係るデータ移動処理およびデータ書込み処理では、アクセス頻度(アクセス回数または再利用の可能性)よりも重要性を優先しているが、操作パネル20などからアクセス頻度を優先する処理に変更可能な構成としても良い。また、アクセス頻度および重要性を総合的に判断する構成としても良い。
<その他の変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に限定されないことはいうまでもなく、次のような変形例を考えることができる。
【0077】
(1)本発明に係る画像形成装置は、MFPに限らず、装置外から入力されたデータを装置内に保存することのできるコピー機、ファクシミリ機等の単体の装置であっても良い。
(2)本発明に係る記憶装置は、HDDに限らず、光磁気記憶装置などのリード・ライト可能な記憶装置であれば良い。また、記憶装置は、2台に限定されず3台以上であっても良い。さらに、記憶装置で保存するデータは、画像データに限定されず、テキストデータや音声データなど画像データ以外のデータであっても良い。加えて、専用記憶装置は必須ではなく、OSなどのプログラムや、アクセス情報テーブル、重要性情報テーブルおよび再利用性情報テーブルなどがデータ記憶用の記憶装置に書き込まれる構成であっても良い。
【0078】
(3)本発明に係るデータ書込み処理では、重要性のみを考慮して画像データの書き込みを行っても良い。すなわち、所定期間以外の期間において、余寿命が短い方のHDDに重要性の低い画像データを書き込み、余寿命が長い方のHDDに重要性の高い画像データを書き込んでも良い。
また、本発明に係るデータ書込み処理における所定期間と所定期間以外の期間とを切り換えるタイミングは、データ移動処理の場合と異なっていても良い。すなわち、データ書込み処理における余寿命差閾値mと、データ移動処理における余寿命差閾値mとが異なっていても良い。
【0079】
<画像形成装置における記憶装置の制御方法>
本発明は、画像形成装置に限られず、当該画像形成装置における記憶装置の制御方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0080】
また、本発明に係る画像形成装置における記憶装置の制御方法は、上記に説明した処理をコンピュータに実行させるための全てのモジュールを含んでいる必要はなく、例えば通信プログラムやOSに含まれるプログラムなど、別途情報処理装置にインストールすることができる各種汎用的なプログラムを利用して、本発明の各処理をコンピュータに実行させるようにしても良い。従って、上記した本発明の記録媒体に必ずしも上記全てのモジュールを記録している必要はないし、また必ずしも全てのモジュールを伝送する必要もない。さらに所定の処理を専用ハードウェアを利用して実行させるようにすることができる場合もある。
【産業上の利用可能性】
【0081】
複数の記憶装置を備えた画像形成装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】データ移動処理の内容を説明する概念図である。
【図3】寿命情報を例示列挙した表である。
【図4】データ移動処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】データ書込み処理の内容を説明する概念図である。
【図6】データ書込み処理において表示されるメッセージ画面の一例を示す図である。
【図7】データ書込み処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】データ特性に基づく書込み処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】記憶装置間におけるデータの動きを説明する図であって、図9(a)は、所定期間におけるデータの位置を示し、図9(b)は、所定期間以外の期間におけるデータの位置を示し、図9(c)は、新たにデータが追加された場合におけるデータの位置を示す。
【図10】変形例に係るデータ移動処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】変形例に係るデータ移動処理の内容を説明する概念図である。
【図12】変形例に係るデータ書込み処理の内容を説明する概念図である。
【図13】変形例に係るデータ移動処理の内容を示すフローチャートである。
【図14】変形例に係る記憶装置間におけるデータの動きを説明する図であって、図14(a)は、所定期間におけるデータの位置を示し、図14(b)は、所定期間以外の期間におけるデータの位置を示し、図14(c)は、新たにデータが追加された場合におけるデータの位置を示す。
【符号の説明】
【0083】
1 画像形成装置
17,18 記憶装置
19 専用データ用記憶装置
21 余寿命検知手段
22 アクセス回数検知手段
23 データ移動手段
24 禁止手段
25 データ書込み手段
26 再利用性判定手段
27 重要性判定手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記憶装置を備えた画像形成装置および当該画像形成装置における記憶装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、読み取った画像データをハードディスクなどの記憶装置に保存することのできるタイプがある。このタイプの画像形成装置では、一旦画像を読み取り保存すれば、その画像を再度読み取ることなく印刷することが可能である。前記記憶装置は、アクセスの繰り返しにより内部の可動部分が消耗し、やがて寿命に達するが、寿命が尽きるとその記憶装置に保存した画像データを利用することができないため、速やかに新しい記憶装置と交換しなければならない。記憶装置の交換は、トナーカートリッジの交換のように簡単ではないため、一般にメーカー等のサービスマンによって行われている。
【0003】
記憶装置の交換の際には、メンテナンス効率を上げるために、記憶装置以外の消耗品も同時に交換してしまうことが好ましい。ところが、複数の記憶装置を備えた画像形成装置の場合、1つの記憶装置の寿命が尽きその交換を終えた後で、あまり日を空けずに別の記憶装置の寿命が尽きると、サービスマンは短期間に立て続けに二度メンテナンスに赴かねばならない。ところが、二度目のメンテナンス時は、前記消耗品の交換を終えたばかりであるため、記憶装置を交換するためだけにメンテナンスに赴くこととなってしまいメンテナンス効率が悪い。
【0004】
ところで、特許文献1には、複数の記憶装置を備えた画像形成装置において、アクセス回数の多い画像データを一の記憶装置に記憶させ、アクセス回数の少ない画像データを他方の記憶装置に記憶させる構成が開示されている。このような構成であれば、各記憶装置へのアクセス頻度に差ができるため記憶装置間において寿命差が広がり易く、短期間に立て続けに記憶装置の寿命が尽きるような事態が起こり難い。
【特許文献1】特開2001−93220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の画像形成装置は、各画像データのアクセス回数を検知し、アクセス回数の多い画像データを一方の記憶装置に移動させ、アクセス回数の少ない画像データを他方の記憶装置に移動させる処理を行うため、その処理の分だけ記憶装置の寿命を縮めてしまい、またCPUへの負荷も大きくなる。
本発明は、上記した課題に鑑み、短期間に立て続けに記憶装置の寿命が尽きる事態が起こり難いと共に、記憶装置の寿命が縮まり難くCPUへの負荷も少ない画像形成装置および当該画像形成装置における記憶装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、複数の記憶装置と、各記憶装置の余寿命を検知する余寿命検知手段と、それら記憶装置に記憶された各データへのアクセス回数を検知するアクセス回数検知手段と、前記アクセス回数が所定回数以上のデータを、最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置へ移動させるデータ移動手段と、前記データ移動手段によるデータの移動を所定期間禁止する禁止手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像形成装置における記憶装置の制御方法は、複数の記憶装置と、各記憶装置の余寿命を検知する余寿命検知手段と、それら記憶装置に記憶された各データへのアクセス回数を検知するアクセス回数検知手段と、前記アクセス回数が所定回数以上のデータを、最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置へ移動させるデータ移動手段とを備えた画像形成装置において、前記データ移動手段によるデータの移動を所定期間禁止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、短期間に立て続けに記憶装置の寿命が尽きる事態が起こり難いと共に、記憶装置の寿命が縮まり難くCPUへの負荷も少ない。すなわち、前記所定期間以外の期間において最も余寿命が短い記憶装置にアクセス回数の多いデータが集まるため、その記憶装置と他の記憶装置との寿命差が広がり易く、短期間に立て続けに記憶装置の寿命が尽きる事態が起こり難い。また、前記所定期間はアクセス回数に基づくデータ移動処理が行われないため、記憶装置の寿命が縮まり難くCPUへの負荷も少ない。
【0009】
ここで、前記データ移動手段は、前記アクセス回数が前記所定回数未満のデータを、前記最も余寿命が短い記憶装置からそれ以外の記憶装置へ移動させる構成とすることができる。この構成とすれば、最も余寿命が短い記憶装置からそれ以外の記憶装置へデータが移動するため、最も余寿命が短い記憶装置にデータが集中してその記憶装置の空き容量だけが極端に少なくなるといったことが起こり難い。
【0010】
また、前記所定期間は、前記最も余寿命が短い記憶装置と二番目に余寿命が短い記憶装置との寿命差が所定値を超えない期間である構成とすることができる。この構成とすれば、最も余寿命が短い記憶装置と他の記憶装置との寿命差を調節し易い。
また、前記記憶装置外からのデータを前記記憶装置に書き込むデータ書込み手段と、データの再利用の可能性を判定する再利用性判定手段とを備え、前記データ書込み手段は、前記所定期間以外の期間において、再利用の可能性の高いデータを前記最も余寿命が短い記憶装置に書き込む構成とすることができる。この構成とすれば、記憶装置に書き込まれると頻繁にアクセスされるであろう再利用の可能性の高いデータを最も余寿命が短い記憶装置に集中させることができるため、最も余寿命の短い記憶装置とそれ以外の記憶装置との寿命差がより広がり易い。
【0011】
また、前記データ書込み手段は、前記所定期間以外の期間において、再利用の可能性の低いデータを前記最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置に書き込む構成とすることができる。この構成とすれば、最も余寿命が短い記憶装置にデータの書き込みが集中し難いため、その記憶装置の空き容量だけが極端に少なくなるといったことが起こり難い。
また、データの重要性を判定する重要性判定手段を備え、前記禁止手段は、前記所定期間以外の期間において、重要性の高いデータの前記最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置への移動を禁止する構成とすることができる。この構成とすれば、重要性の高いデータが最も余寿命が短い記憶装置へ移動することがないため、記憶装置の寿命が尽きて重要性の高いデータが失われる事態が起こり難い。
【0012】
また、前記禁止手段は、前記所定期間以外の期間において、重要性の高いデータの前記最も余寿命が短い記憶装置への書き込みを禁止する構成とすることができる。この構成とすれば、重要性の高いデータが最も余寿命が短い記憶装置へ書き込まれることがないため、記憶装置の寿命が尽きて重要性の高いデータが失われる事態が起こり難い。
また、前記データ書込み手段は、前記所定期間において、各記憶装置の空き容量が均等になるようにデータを書き込む構成とすることができる。この構成にすれば、特定の記憶装置の空き容量だけが極端に少なくなることがない。
【0013】
また、前記データ書込み手段は、前記所定期間において、各記憶装置の空き容量が均等になるようにデータを書き込む構成とすることができる。この構成によれば、記憶装置の寿命やデータのアクセス回数に関係なく、特定のデータを特定の記憶装置に保存しておくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る画像形成装置および当該画像形成装置における記憶装置の制御方法の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
<画像形成装置の全体構成>
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置の一例としてのMFP(Multi Function Peripheral)1は、スキャナ、FAX、プリンタなどの機能を1台に集約したデジタル複合機であって、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介してPC(Personal Computer)2などの外部端末と相互に通信可能である。
【0015】
MFP1は、MFPコントローラ部11、スキャナ部12、FAX部13、プリンタ部14、画像処理部15、メモリ16、記憶装置の一例としての第1のHDD(Hard Disk Drive)17および第2のHDD18、専用記憶装置の一例としてのアプリケーション専用HDD19、並びに、操作部20を備える。
MFPコントローラ部11は、MFP各部12〜20がMFP全体として円滑に動作するようにそれらを集中的に制御する。また、当該MFPコントローラ部11は、後述する余寿命検知手段21、アクセス回数検知手段22、データ移動手段23、禁止手段24、データ書込み手段25、再利用性検知手段26および重要性検知手段27としての役割を果たす。
【0016】
スキャナ部12は、原稿上の画像を露光走査し、原稿面からの反射光を画像信号に変換して、前記原稿から画像データを読み取る。FAX部13は、公衆電話回線などを介して所望の相手先との間で画像データの送受信を行う。
スキャナ部12で読み取られた画像データ、FAX部13で受信された画像データ、およびPC2から送信されてきた画像データは、MFPコントローラ部11を介して一旦メモリ16で保存され、画像処理部15で適切な画像処理が施され、プリンタ部14で用紙などの媒体上に印刷される。なお、メモリ16に保存できない程大きいサイズの画像データを印刷する場合、当該画像データは、メモリ16の代わりに第1のHDD17または第2のHDD18に保存され、画像処理部15で上記と同様の画像処理が施され、プリンタ部14で印刷される。
【0017】
第1のHDD17および第2のHDD18は、主として画像データを保存するためのHDDであって、スキャナ部12で読み取られた画像データ、FAX部13で受信された画像データ、PC2から送信されてきた画像データなどが書き込まれる。このように画像データをMFP1内に保存しておくことによって、同じ画像を再度読み取り等することなく印刷することができる。
【0018】
アプリケーション専用HDD19は、MFP1のOS(Operating System)や、ネットワーク通信用プログラム、その他MFP1の制御に必要なプログラムなどが書き込まれている。また、アプリケーション専用HDD19には、後述するアクセス情報テーブル、重要性情報テーブルおよび再利用性情報テーブルなども書き込まれている。
操作部20は、MFP1への各種操作を受付けたり、MFP1からの各種メッセージを表示したりする。ユーザは、操作部20を介して、画像読み取り、印刷、FAX送信、PC2へのデータ転送、画像データの保存、保存した画像データの編集、ジョブ情報や管理情報の確認、各種設定の変更などの操作を行うことができる。なお、同様の操作は、PC2からも可能である。
【0019】
<データの管理動作>
本発明に係る画像形成装置において、データの管理動作は、既にMFP1内に保存されている画像データを第1のHDD17と第2のHDD18との間で移動させるデータ移動処理と、新たにMFP1の外部から入力された画像データを第1のHDD17または第2のHDD18に書き込むデータ書込み処理とに大きく分けることができる。
【0020】
(1)データ移動処理
図2は、データ移動処理の内容を説明する概念図である。図2に示すように、MFPコントローラ部11は、データ移動処理において、余寿命検知手段21、アクセス回数検知手段22、データ移動手段23および禁止手段24としての役割を果たす。
余寿命検知手段21は、第1のHDD17および第2のHDD18の余寿命を検知する。具体的には、第1のHDD17および第2のHDD18に対して寿命情報を要求し、それら第1のHDD17および第2のHDD18から寿命情報を取得し、取得した寿命情報に基づいて公知の方法により余寿命を予測する。
【0021】
図3は、寿命情報を例示列挙した表である。第1のHDD17および第2のHDD18から取得する寿命情報としては、例えば、図3に示すような情報が挙げられる。なお、図3に示す寿命情報の全てを必ず取得する必要はなく、いずれか1つ或いは任意の複数を取得してもよい。また、寿命情報は、図3に示す情報に限定されず、HDDの余寿命を検知できる情報であれば良い。
【0022】
寿命情報に基づき余寿命を予測する方法としては、例えば、寿命情報がHDA(Head Disk Assembly)温度である場合、特開平11−273330号公報に記載されている方法等が挙げられる。また、例えば、寿命情報がスピンドルモータの起動回数等である場合、特開平6−295519号公報に記載されている方法等が挙げられる。
アクセス回数検知手段22は、HDDに記憶された各画像データへのアクセス回数を検知する。具体的には、各画像データのアクセス回数を個別にカウントし、その結果をアプリケーション専用HDD19に格納されたアクセス情報テーブルに書き込まれる。
【0023】
データ移動手段23は、アクセス回数が所定回数以上の画像データを、最も余寿命が短いHDD以外のHDDから最も余寿命の短いHDDへ移動させると共に、前記アクセス回数が前記所定回数未満の画像データを、最も余寿命が短いHDDからそれ以外のHDDへ移動させる。なお、アクセス回数が所定回数以上か否か、或いはアクセス回数が所定回数未満か否かの判断は、アクセス情報テーブルを参照して行われる。
【0024】
アクセス回数が所定回数以上の画像データとは、第1のHDD17および第2のHDD18に書き込まれている画像データの中で相対的にアクセス回数が多い画像データであって、例えば、コピー時のミラーリングデータやテンポラリデータなどである。
前記所定回数は任意に設定可能であって、所定回数として設定される値は、所定回数以上の画像データを余寿命の短い方のHDDに移動させ、前記所定回数未満の画像データを余寿命の長い方のHDDに移動させることによって、両HDDへのアクセス頻度に差が生じ、その差によって両HDDの寿命差が広がる値であることが好ましい。
【0025】
例えば、所定回数を、第1のHDD17および第2のHDD18に記憶された全画像データの平均アクセス回数と設定することが考えられる。この場合、アクセス回数が所定回数以上の画像データとは、前記平均アクセス回数以上のアクセスがあった画像データであり、アクセス回数が所定回数未満の画像データとは、前記平均アクセス回数未満のアクセスしかなかった画像データである。
【0026】
また、所定回数を1回と設定することも考えられる。この場合、アクセス回数が所定回数以上の画像データとは、1回以上のアクセスがあった画像データ、すなわち一度でもアクセスがあった画像データであり、アクセス回数が所定回数未満の画像データとは、一度もアクセスが無かった画像データである。
なお、所定回数は、MFP1に保存された以後の累計のアクセス回数であっても良く、一定期間内におけるアクセス回数であっても良い。例えば、所定回数を過去1週間のアクセス回数と設定する場合、アクセス回数が所定回数以上の画像データとは、過去1週間のアクセス回数が所定回数以上の画像データであり、アクセス回数が所定回数未満の画像データとは、過去1週間のアクセス回数が所定回数未満の画像データである。
【0027】
本実施形態に係るMFP1は、画像データ用のHDDを2台備える。したがって、余寿命の短い方のHDDが最も余寿命が短いHDDとみなされ、余寿命の長い方のHDDが最も余寿命が短いHDD以外のHDDとみなされる。
例えば、第1のHDD17の方が第2のHDD18よりも余寿命が短い場合、第2のHDD18に記憶された画像データのうちのアクセス回数が所定回数以上の画像データを第1のHDD17へ移動させ、第1のHDD17に記憶された画像データのうちのアクセス回数が所定回数未満の画像データを第2のHDD18へ移動させる。
【0028】
このように、余寿命の短い第1のHDD17にアクセス回数が所定回数以上の画像データを集め、余寿命の長い第2のHDD18にアクセス回数が所定回数未満の画像データを集めることで、余寿命が短い方のHDDへのアクセス頻度を高くし、余寿命の長い方のHDDへのアクセス頻度を低くすることができる。これにより、両HDDの余寿命差が大きくなるため、短期間に立て続けにHDDの寿命が尽きる事態が起こり難い。
【0029】
また、余寿命が短い方のHDDから余寿命が長い方のHDDへも画像データが移動するため、余寿命が短い方のHDDにデータが集中して当該HDDの空き容量だけが極端に少なくなるといったことも起こり難い。
なお、アクセス回数が所定回数未満の画像データの移動は必ずしも必要ではなく、アクセス回数が所定回数以上の画像データのみを移動させる構成であっても良い。また、アクセス回数が所定回数未満の画像データの一部のみを余寿命が短い方のHDDから余寿命が長い方のHDDへ移動させ、残りの画像データは移動させない構成としても良い。例えば、アクセス回数が所定回数未満の画像データのうち、よりアクセス回数の少ないものだけを、余寿命が短い方のHDDから余寿命が長い方のHDDへ移動させる構成としても良い。
【0030】
禁止手段24は、データ移動手段23によるデータの移動を所定期間禁止する。すなわち、前記所定期間中は、第1のHDD17と第2のHDD18との間において、アクセス回数に基づく画像データの移動は行われない。
但し、アクセス回数に基づかない画像データの移動は行われることがある。例えば、一方のHDDの画像データが大量に削除されるなどした場合は、両HDDの空き容量を均等にするために画像データの移動を行うことがある。
【0031】
前記所定期間とは、最も余寿命が短いHDDと二番目に余寿命が短いHDDとの寿命差が所定値を超えない期間である。本実施の形態に係るMFP1は、データ保存用のHDDが2台であるため、実際には、第1のHDD17と第2のHDD18の余寿命差が所定値を超えない期間である。すなわち、余寿命差は、第1のHDD17の余寿命a1と第2のHDD18の余寿命a2とから、余寿命差(a1−a2)或いは余寿命差(a2−a1)を演算して求められる。
【0032】
余寿命差が所定値を超えるとは、本実施の形態では、前述した余寿命差(a1−a2)または余寿命差(a2−a1)が予め設定された余寿命差閾値mを超えることを意味する。余寿命差閾値mは、最初のHDDが寿命に達してから次にHDDが寿命に達するまでの間隔をどの程度にしたいのか、その目標とする間隔に応じて定められる。
余寿命差が所定値を超えると、余寿命の短いHDDへアクセスが集中するようになるため余寿命差がより広がる傾向になる。したがって、基本的に余寿命差が余寿命差閾値mよりも小さくなることはなく、第1のHDD17と第2のHDD18とは少なくとも余寿命差閾値m分の間隔を空けて寿命に達することになる。
【0033】
目標とする間隔は、他の消耗品の交換サイクルと同じくらい、若しくはそれよりも長いことが好ましい。HDDが寿命に達する間隔と、他の消耗品の交換サイクルとが同じくらいであれば、HDDと他の消耗品とを同時に交換できる可能性が高く、メンテナンス効率が良い。また、HDDが寿命に達する間隔が他の消耗品の交換サイクルよりも長い場合は、他の消耗品の交換時期よりも遅くHDDが寿命に達するため好ましい。
【0034】
所定期間以外の期間における余寿命差の広がり具合は、各HDDへのアクセス回数に影響されるため、アクセス回数を考慮して余寿命差閾値mを設定することが好ましい。
なお、所定期間は、最も余寿命が短いHDDと二番目に余寿命が短いHDDとの寿命差が所定値を超えない期間に限られない。
図4は、データ移動処理の内容を示すフローチャートである。図4を用いて、データ移動処理の内容をより具体的に説明する。
【0035】
まず、上述した余寿命差闘値mが設定され(ステップS1)、さらに、余寿命下限閾値nが設定される(ステップS2)。
余寿命下限閾値nは、第1のHDD17と第2のHDD18の余寿命差が余寿命差閾値mを超えないままHDDのどちらかが寿命に達してしまうことを防止するために設定される。余寿命差が余寿命差閾値mを超えない場合であっても、第1のHDD17または第2のHDD18の余寿命が余寿命下限閾値nを下回れば、データ移動手段23による画像データの移動が行われる。これにより、余寿命差が余寿命差閾値mを超えなくてもHDDの余寿命が残り少なくなれば余寿命差が広がり始めるため、短期間に立て続けに記憶装置の寿命が尽きる事態が起こり難い。
【0036】
次に、第1のHDD17の余寿命a1が検知され(ステップS3)、さらに、第2のHDD18の余寿命a2が検知される(ステップS4)。さらに、余寿命差(a2−a1)が余寿命差閾値mを超えるか否かが判断され(ステップS5)。余寿命差(a2−a1)が余寿命差閾値mを超える場合(ステップS5で「YES」)、第2のHDD18に書き込まれている画像データのうちアクセス回数が所定回数以上の画像データ(以下、アクセス回数の多い画像データ)が第1のHDD17へ移動させられる(ステップS6)。また、第1のHDD17に書き込まれている画像データのうちアクセス回数が所定回数未満の画像データ(以下、アクセス回数の少ない画像データ)が第2のHDD18へ移動させられる(ステップS7)。
【0037】
ステップS5に戻って、余寿命差(a2−a1)が余寿命差閾値mを超えない場合(ステップS5で「NO」)、余寿命差(a1−a2)が余寿命差閾値mを超えるか否かが判断される(ステップS8)。余寿命差(a1−a2)が余寿命差閾値mを超える場合(ステップS8で「YES」)、第1のHDD17に書き込まれている画像データのうちアクセス回数の多い画像データが第2のHDD18へ移動させられる(ステップS9)。さらに、第2のHDD18に書き込まれている画像データのうちアクセス回数の少ない画像データが第1のHDD17へ移動させられる(ステップS10)。
【0038】
ステップS8に戻って、余寿命差(a1−a2)が余寿命差閾値mを超えない場合(ステップS8で「NO」)、第1のHDD17の余寿命a1が余寿命下限閾値nより短いか否かが判断される(ステップS11)。余寿命a1が余寿命下限閾値nより短い場合(ステップS11で「YES」)、第2のHDD18に書き込まれている画像データのうちアクセス回数の多い画像データが第1のHDD17へ移動させられ(ステップS6)、第1のHDD17に書き込まれている画像データのうちアクセス回数の少ない画像データが第2のHDD18へ移動させられる(ステップS7)。
【0039】
一方、ステップ11に戻って、余寿命a1が余寿命下限閾値nより短くない場合(ステップS11で「NO」)、余寿命a2が余寿命下限閾値nより短いか否かが判断される(ステップS12)。余寿命a1が余寿命下限閾値nより短い場合(ステップS12で「YES」)、第1のHDD17に書き込まれている画像データのうちアクセス回数の多い画像データが第2のHDD18へ移動させられ(ステップS9)、第2のHDD18に書き込まれている画像データのうちアクセス回数の少ない画像データが第1のHDD17へ移動させられる(ステップS10)。
【0040】
ステップS12に戻って、余寿命a1が余寿命下限閾値nより短くない場合(ステップS12で「NO」)、画像データを移動させることなく処理が終了する。
(2)データ書込み処理
図5は、データ書込み処理の内容を説明する概念図である。図5に示すように、MFPコントローラ部11は、データ書込み処理において、余寿命検知手段21、データ書込み手段25および再利用性判定手段26としての役割を果たす。
【0041】
余寿命検知手段21は、データ移動処理のときと同様に、第1のHDD17および第2のHDD18から寿命情報を取得して、それら寿命情報から各HDDの余寿命を検知する。
再利用性判定手段26は、第1のHDD17または第2のHDD18に書き込まれる画像データの再利用の可能性を判定する。具体的には、HDDに書き込まれたのち頻繁にアクセスされるであろう画像データを再利用の可能性の高い画像データと判定し、HDDに書き込まれてもアクセスされる機会は少ないであろう画像データを再利用の可能性の低い画像データと判定する。
【0042】
再利用性の高い画像データをHDDに書き込むと、当該HDDへのアクセス回数が増加するため、当該HDDの寿命が縮まり易くなる。一方、再利用性が低い画像データがHDDに書き込まれても当該HDDへのアクセス回数はそれ程増加しないため、再利用性が高い画像データが書き込まれたときと比べて寿命は縮まり難い。
再利用の可能性の判定は、画像データをMFP1内に保存する際にユーザが入力する画像データの特性情報に基づいて行われる。図6は、書き込みデータの特性を入力するための入力画面の一例を示す図である。画像データが外部からMFP1に入力されると、当該画像データは一旦メモリ16に保存されると共に、図6に示すようなデータ特性入力画面30が操作部20に表示される。
【0043】
ユーザは、入力する画像データの再利用の可能性が高いと判断すれば再利用性入力欄31の「高」と表示した入力キー32を押下し、再利用の可能性が低いと判断すれば「低」と表示された入力キー33を押下する。これにより、再利用性判定手段26は、再利用の可能性が高い若しくは低いという再利用性情報を得ることになり、当該再利用性情報はアプリケーション専用HDD19に格納された再利用性情報テーブルに書き込まれる。
【0044】
なお、再利用性の判定は、ユーザが入力する画像データの特性に基づくことなく、MFPコントローラ部11が自動で判定する構成であっても良い。
データ書込み手段25は、画像データの書き込み要求があると、第1のHDD17および第2のHDD18の外部からの画像データを、第1のHDD17または第2のHDD18に書き込む。
【0045】
具体的には、上述の所定期間においては、画像データの再利用の可能性を考慮せずに、空き容量の少ないHDDに画像データを書き込む。また、前記所定期間以外の期間においては、再利用性情報テーブルを参照して、再利用の可能性の高いデータを前記最も余寿命が短い記憶装置に書き込み、再利用の可能性の低いデータを前記最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置に書き込む。
【0046】
図7は、データ書込み処理の内容を示すフローチャートである。図7を用いて、上記データ書込み処理の内容をより具体的に説明する。
まず、データの書き込み要求を受けると(ステップS21)、アプリケーション専用HDD19に書き込まれるアプリケーションなどのデータであるか否かが判断される(ステップS22)。アプリケーション専用HDD19に書き込まれるデータと判定された場合(ステップS22で「YES」)、アプリケーション専用HDD19へのデータ書き込みの要求が行われ、当該データがアプリケーション専用HDD19に書き込まれる(ステップS23)。
【0047】
一方、専用HDD19に書き込むデータではないと判断された場合(ステップS22で「NO」)、第1のHDD17と第2のHDD18との余寿命差が所定値を超えているか否か、すなわち余寿命差が余寿命差閾値mを超えているか否かが判断される(ステップS24)。
余寿命差が余寿命差閾値mを超えない場合(ステップS24で「NO」)、すなわち所定期間においては、第1のHDD17の空き容量b1が検知され(ステップS25)、第2のHDD18の空き容量b2が検知される(ステップS26)。さらに、空き容量b1が空き容量b2以上であるか否かを判断され(ステップS27)、空き容量b1が空き容量b2以上である場合は(ステップS27で「YES」)、第1のHDD17に画像データが書き込まれる(ステップS28)。
【0048】
ステップS27に戻って、空き容量b1が空き容量b2以上でない場合(ステップS27で「NO」)、すなわち第2のHDD18の方が第1のHDD17よりも空き容量が大きい場合は、第2のHDD18に画像データが書き込まれる(ステップS29)。
ステップS24に戻って、余寿命差が余寿命差閾値mを超えている場合(ステップS24で「YES」)、すなわち所定期間以外の期間においては、データ特性に基づく書込み処理が実行される(ステップS30)。
【0049】
図8は、データ特性に基づく書込み処理の内容を示すフローチャートである。図8に示すように、データ特性(ここでは再利用の可能性)に基づく書込み処理では、まず、余寿命が短いのは第1のHDD17であるか否かが判断される(ステップS41)。余寿命が短いのは第1のHDD17である場合(ステップS41で「YES」)、再利用の可能性が高い画像データであるか否かが判断される(ステップS42)。
【0050】
再利用の可能性が高い画像データである場合(ステップS42で「YES」)、画像データは余寿命の短い第1のHDD17に書き込まれる(ステップS43)。一方、再利用の可能性が低い画像データである場合(ステップS42で「NO」)、画像データは余寿命の長い第2のHDD18に書き込まれる(ステップS44)。
ステップS41に戻って、余寿命が短いのは第1のHDD17でない場合(ステップS41で「NO」)、すなわち余寿命が短いのは第2のHDD18である場合は、再利用の可能性が高い画像データであるか否かが判断される(ステップS45)。再利用の可能性が高い画像データの場合(ステップS45で「YES」)、余寿命の短い第2のHDD18に画像データが書き込まれる(ステップS46)。一方、再利用の可能性が低い画像データの場合(ステップS45で「NO」)、余寿命の長い第1のHDD17に画像データが書き込まれる(ステップS47)。
【0051】
(3)HDD間におけるデータの動き
図9は、記憶装置間におけるデータの動きを説明する図であって、図9(a)は、所定期間におけるデータの位置を示し、図9(b)は、所定期間以外の期間におけるデータの位置を示し、図9(c)は、新たにデータが追加された場合におけるデータの位置を示す。
【0052】
図9(a)に示すように、所定期間においては、画像データのアクセス回数および重要性に関係なく、HDDの空き容量が均等になるように画像データが書き込まれる。すなわち、画像データが書き込まれる際には、第1のHDD17および第2のHDD18の空き容量が検知され、空き容量が多い方のHDDに画像データが書き込まれる。これにより第1のHDD17および第2のHDD18の空き容量が均等に保たれる。なお、一旦HDDに書き込まれたあと基本的に画像データの移動はない。
【0053】
図9(b)に示すように、所定期間以外の期間においては、データ移動手段23によって画像データが移動させられる。例えば、第2のHDD18の余寿命よりも第1のHDD17の余寿命の方が短い場合、余寿命の長い第2のHDD18に書き込まれているアクセス回数が多い画像データ(データ5,6)は、余寿命の短い第1のHDD17に移動させられる。一方、第1のHDD17に書き込まれているアクセス回数の少ない画像データ(データ3,4)は、第2のHDD18に移動させられる。
【0054】
図9(c)に示すように、画像データが新たに追加された場合、再利用の可能性の高い画像データ(データ9,10)は、余寿命の短い第1のHDD17に書き込まれ、再利用の可能性が低い画像データ(データ11,12)は、余寿命の長い第2のHDD18に書き込まれる。
以上のようにして、余寿命の短い第1のHDD17には、アクセス回数の多い画像データが集中し、アクセス頻度が高くなる。一方、余寿命の長い第2のHDD18には、アクセス回数の少ない画像データが集中し、アクセス頻度が低くなる。
【0055】
<変形例に係るデータの管理動作>
(1)変形例に係るデータ移動処理
本実施の形態に係るデータ移動処理では、アクセス回数のみに基づいて画像データを移動させたが、変形例に係るデータ移動処理では、アクセス回数だけでなく重要性も考慮して画像データを移動させる。すなわち、変形例に係るデータ移動処理では、所定期間以外の期間において、余寿命が短い方のHDDに書き込まれているアクセス回数の多い画像データのうち重要性の低い画像データのみを余寿命が長い方のHDDに移動させ、アクセス回数が多くても重要性の高い画像データは移動させない。
【0056】
なお、それ以外の点においては、基本的に本実施の形態に係るデータ書込み処理と同様であるため、共通のする構成およびステップには本実施の形態と同じ符号を付してその説明は省略するか簡略するにとどめ、相違点を中心に説明する。
図10は、変形例に係るデータ移動処理の内容を説明する概念図である。図10に示すように、変形例に係るデータ移動処理において、MFPコントローラ部11は、余寿命検知手段21、アクセス回数検知手段22、データ移動手段23、禁止手段24および重要性判定手段27としての役割を果たす。
【0057】
余寿命検知手段21およびアクセス回数検知手段22については、本実施の形態に係るデータ移動処理とほぼ同様であるため説明を省略する。
重要性判定手段27は、書き込み要求された画像データが重要性の高い画像データであるか否かを判定する。重要性の高い画像データとは、例えばHDDの寿命が尽きることによって失われたり、一時使用できなくなったりしては困る画像データであり、余寿命の長いHDDに書き込まれていることが好ましい。一方、重要性の低いデータとは、例えば重要性が高いと判定されなかった画像データである。
【0058】
重要性の判定は、例えば、ユーザからの入力される重要性情報に基づいて行われる。画像データが外部からMFP1に入力されると、当該画像データは一旦メモリ16に保存され、図6に示すようなデータ特性入力画面30が操作部20に表示される。ユーザは、入力された画像データの重要性が高いと判断すれば重要性入力欄34の「高」と表示した入力キー35を押下し、重要性が低いと判断すれば「低」と表示された入力キー36を押下する。これにより、重要性判定手段は、重要性が高い若しくは低いという重要性情報を得る。なお、重要性情報は、第1のHDD17或いは第2のHDD18に格納された重要性情報テーブルに書き込まれる。
【0059】
なお、重要性の判定は、ユーザが入力する重要性情報よらず、MPFコントローラ部11が自動的に判断しても良い。
禁止手段24は、上記所定期間以外の期間において、重要性の高い画像データの前記最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置への移動を禁止する。なお、画像データの重要性の判断は、重要性情報テーブルを参照して行われる。
【0060】
データ移動手段23は、アクセス回数が所定回数以上であって且つ重要性の低い画像データを、最も余寿命が短いHDD以外のHDDから最も余寿命の短いHDDへ移動させる。すなわち、余寿命が長い方のHDDから余寿命が短い方のHDDへの重要性の高い画像データの移動が禁止手段によって禁止されているため、アクセス回数が所定回数以上であっても重要性の高い画像データは移動させない。
【0061】
また、データ移動手段23は、重要性の低い画像データを最も余寿命が短いHDDからそれ以外のHDDへ移動させる。すなわち、重要性の高い画像データを余寿命が短い方のHDDから余寿命が長い方のHDDへ移動させる。
図11は、変形例に係るデータ移動処理の内容を示すフローチャートである。図11に示すように、変形例に係るデータ移動処理では、本実施の形態と同様に、余寿命差闘値mが設定され(ステップS1)、余寿命下限閾値nが設定され(ステップS2)、第1のHDD17の余寿命a1が検知され(ステップS3)、第2のHDD18の余寿命a2が検知され(ステップS4)、余寿命差(a2−a1)が余寿命差閾値mを超えるか否かが判断される(ステップS5)。
【0062】
余寿命差(a2−a1)が余寿命差閾値mを超える場合(ステップS5で「YES」)、第2のHDD18から第1のHDD17へアクセス回数が多く重要性の低い画像データのみが移動させられる(ステップS61)。一方、第1のHDD17から第2のHDD18へ重要性の低い画像データが移動させられる(ステップS62)。
また、余寿命差(a2−a1)が余寿命差閾値mを超えない場合(ステップS5で「NO」)、余寿命差(a1−a2)が余寿命差閾値mを超えるか否かが判断される(ステップS8)。余寿命差(a1−a2)が余寿命差閾値mを超える場合(ステップS8で「YES」)、第1のHDD17から第2のHDD18へアクセス回数が多く重要性の低い画像データのみが移動させられる(ステップS63)。一方、第2のHDD18から第1のHDD17へ重要性の低いデータが移動させられる(ステップS64)。
【0063】
(2)変形例に係るデータ書込み処理
本実施の形態に係るデータ書込み処理では、再利用の可能性のみを参考にして画像データの書き込みを行ったが、変形例に係るデータ書込み処理では、再利用の可能性だけでなく重要性も考慮して画像データの書き込みを行う。すなわち、変形例に係るデータ書込み処理では、所定期間以外の期間において、余寿命が短い方のHDDに再利用の可能性の高い画像データのうち重要性の低い画像データのみを書き込み、再利用の可能性が高くても重要性の高い画像データの書き込みは行わない。
【0064】
なお、それ以外の点においては、基本的に本実施の形態に係るデータ書込み処理と同様であるため、共通のする部分には本実施の形態と同じ符号を付してその説明は省略するか簡略するにとどめ、相違点を中心に説明する。
図12は、変形例に係るデータ書込み処理の内容を説明する概念図である。図12に示すように、変形例に係るデータ書込み処理において、MFPコントローラ部11は、余寿命検知手段21、禁止手段24、データ書込み手段25、再利用性判定手段26および重要性判定手段27としての役割を果たす。
【0065】
余寿命検知手段21および再利用判定手段26については、本実施の形態に係るデータ書込み処理と同様であり、重要性判定手段27については、変形例に係るデータ移動処理とほぼ同様であるため説明を省略する。
禁止手段24は、所定期間以外の期間において、重要性の高い画像データの最も余寿命が短いHDDへの書き込みを禁止する。なお、画像データの重要性の判断は、重要性情報テーブルを参照して行われる。
【0066】
データ書込み手段25は、画像データの書き込み要求があると、所定期間においては、再利用の可能性および重要性に関係なく空き容量の少ないHDDに画像データを書き込む。
一方、所定期間以外の期間においては、禁止手段24によって重要性の高い画像データの余寿命が短い方のHDDへの書き込みが禁止されているため、図12に示すように、再利用の可能性が高く且つ重要性が低い画像データを余寿命の短い方のHDDに書き込み、それ以外の画像データ、すなわち再利用の可能性が低いデータや重要性が高いデータを余寿命の長い方のHDDに書き込む。なお、所定期間と所定期間以外の期間とを切り換えるタイミングは本実施の形態の場合と同様である。
【0067】
図13は、変形例に係るデータ特性に基づく書込み処理の内容を示すフローチャートである。図13に示すように、データ特性に基づく書込み処理では、余寿命の短いのは第1のHDD17か否かが判断される(ステップS81)。余寿命の短いのは第1のHDD17である場合(ステップS81で「YES」)、画像データの再利用の可能性が高いか否かが判断される(ステップS82)。
【0068】
画像データの再利用の可能性が低い場合(ステップS82で「NO」)、余寿命の長い第2のHDD18に画像データが書き込まれる(ステップS83)。また、画像データの再利用の可能性が高い場合でも(ステップS82で「YES」)、画像データの重要性が高いか否かの判断において(ステップS84)、重要性が高いと判断されれば(ステップS84で「YES」)、余寿命の長い第2のHDD18に画像データが書き込まれる(ステップS83)。
【0069】
一方、ステップS84に戻って、画像データの重要性が高くない場合(ステップS74で「NO」)、余寿命の短い第1のHDD17に画像データが書き込まれる(ステップS85)。
ステップS81に戻って、余寿命が短いのは第1のHDD17ではない場合(ステップS81で「NO」)、すなわち余寿命が短いのは第2のHDD18である場合、画像データの再利用の可能性が高いか否かが判断される(ステップS86)。
【0070】
画像データの再利用の可能性が高くないと判定されると(ステップS86で「NO」)、余寿命の長い第1のHDD17に画像データが書き込まれる(ステップS87)。また、画像データの再利用の可能性が高い場合でも(ステップS76で「YES」)、画像データの重要性が高いか否かの判断において(ステップS88)、重要性が高いと判断されれば(ステップS88で「YES」)、余寿命の長い第2のHDD18に画像データが書き込まれる(ステップS87)。
【0071】
ステップS88に戻って、重要性が高くないと判断されると(ステップS88で「NO」)、余寿命の短い第2のHDD18に画像データが書き込まれる(ステップS89)。
(3)変形例に係るHDD間におけるデータの動き
図14は、変形例に係る記憶装置間におけるデータの動きを説明する図であって、図14(a)は、所定期間におけるデータの位置を示し、図14(b)は、所定期間以外の期間におけるデータの位置を示し、図14(c)は、新たにデータが追加された場合におけるデータの位置を示す。
【0072】
図14(a)に示すように、所定期間においては、アクセス回数および重要性に関係なく、空き容量が均等になるように画像データが書き込まれる。すなわち、画像データを書き込む際に第1のHDD17および第2のHDD18の空き容量を検知し、空き容量が多い方に画像データの書き込みを行う。これにより第1のHDD17と第2のHDD18の空き容量が均等に保たれる。
【0073】
図14(b)に示すように、所定期間以外の期間においては、データ移動手段23による画像データの移動が行われる。例えば、第2のHDD18の余寿命よりも第1のHDD17の余寿命が短い場合、余寿命の長い第2のHDD18に書き込まれているアクセス回数が多く且つ重要性の低い画像データ(データ6)が、余寿命の短い第1のHDD17に移動させられる。一方、第1のHDD17に書き込まれている重要性の高い画像データ(データ1,3)が、第2のHDD18に移動させられる。
【0074】
図14(c)に示すように、新たに画像データが追加された場合、アクセス回数が多く且つ重要性の低い画像データ(データ9)が、余寿命の短い第1のHDD17に書き込まれる。一方、再利用の可能性が高くても重要性の高い画像データ(データ10)は、余寿命の長い第2のHDD18に書き込まれる。また、再利用の可能性の低い画像データ(データ11)も、余寿命の長い第2のHDD18に書き込まれる。
【0075】
その結果、余寿命の短い第1のHDD17には、重要性が低く、アクセス回数の多い画像データが集中し、余寿命の長い第2のHDD18には、重要性の高い画像データやアクセス回数の少ない画像データが集中する。したがって、第1のHDD17の余寿命はより余寿命が縮まり易くなり、第2のHDD18はより余寿命が縮まり難くなって、第1のHDD17と第2のHDD18との余寿命差がより大きくなる。また、重要性の高い画像データが記憶装置の寿命により失われ難くなる。
【0076】
上記変形例に係るデータ移動処理およびデータ書込み処理では、アクセス頻度(アクセス回数または再利用の可能性)よりも重要性を優先しているが、操作パネル20などからアクセス頻度を優先する処理に変更可能な構成としても良い。また、アクセス頻度および重要性を総合的に判断する構成としても良い。
<その他の変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に限定されないことはいうまでもなく、次のような変形例を考えることができる。
【0077】
(1)本発明に係る画像形成装置は、MFPに限らず、装置外から入力されたデータを装置内に保存することのできるコピー機、ファクシミリ機等の単体の装置であっても良い。
(2)本発明に係る記憶装置は、HDDに限らず、光磁気記憶装置などのリード・ライト可能な記憶装置であれば良い。また、記憶装置は、2台に限定されず3台以上であっても良い。さらに、記憶装置で保存するデータは、画像データに限定されず、テキストデータや音声データなど画像データ以外のデータであっても良い。加えて、専用記憶装置は必須ではなく、OSなどのプログラムや、アクセス情報テーブル、重要性情報テーブルおよび再利用性情報テーブルなどがデータ記憶用の記憶装置に書き込まれる構成であっても良い。
【0078】
(3)本発明に係るデータ書込み処理では、重要性のみを考慮して画像データの書き込みを行っても良い。すなわち、所定期間以外の期間において、余寿命が短い方のHDDに重要性の低い画像データを書き込み、余寿命が長い方のHDDに重要性の高い画像データを書き込んでも良い。
また、本発明に係るデータ書込み処理における所定期間と所定期間以外の期間とを切り換えるタイミングは、データ移動処理の場合と異なっていても良い。すなわち、データ書込み処理における余寿命差閾値mと、データ移動処理における余寿命差閾値mとが異なっていても良い。
【0079】
<画像形成装置における記憶装置の制御方法>
本発明は、画像形成装置に限られず、当該画像形成装置における記憶装置の制御方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0080】
また、本発明に係る画像形成装置における記憶装置の制御方法は、上記に説明した処理をコンピュータに実行させるための全てのモジュールを含んでいる必要はなく、例えば通信プログラムやOSに含まれるプログラムなど、別途情報処理装置にインストールすることができる各種汎用的なプログラムを利用して、本発明の各処理をコンピュータに実行させるようにしても良い。従って、上記した本発明の記録媒体に必ずしも上記全てのモジュールを記録している必要はないし、また必ずしも全てのモジュールを伝送する必要もない。さらに所定の処理を専用ハードウェアを利用して実行させるようにすることができる場合もある。
【産業上の利用可能性】
【0081】
複数の記憶装置を備えた画像形成装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】データ移動処理の内容を説明する概念図である。
【図3】寿命情報を例示列挙した表である。
【図4】データ移動処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】データ書込み処理の内容を説明する概念図である。
【図6】データ書込み処理において表示されるメッセージ画面の一例を示す図である。
【図7】データ書込み処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】データ特性に基づく書込み処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】記憶装置間におけるデータの動きを説明する図であって、図9(a)は、所定期間におけるデータの位置を示し、図9(b)は、所定期間以外の期間におけるデータの位置を示し、図9(c)は、新たにデータが追加された場合におけるデータの位置を示す。
【図10】変形例に係るデータ移動処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】変形例に係るデータ移動処理の内容を説明する概念図である。
【図12】変形例に係るデータ書込み処理の内容を説明する概念図である。
【図13】変形例に係るデータ移動処理の内容を示すフローチャートである。
【図14】変形例に係る記憶装置間におけるデータの動きを説明する図であって、図14(a)は、所定期間におけるデータの位置を示し、図14(b)は、所定期間以外の期間におけるデータの位置を示し、図14(c)は、新たにデータが追加された場合におけるデータの位置を示す。
【符号の説明】
【0083】
1 画像形成装置
17,18 記憶装置
19 専用データ用記憶装置
21 余寿命検知手段
22 アクセス回数検知手段
23 データ移動手段
24 禁止手段
25 データ書込み手段
26 再利用性判定手段
27 重要性判定手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記憶装置と、
各記憶装置の余寿命を検知する余寿命検知手段と、
それら記憶装置に記憶された各データへのアクセス回数を検知するアクセス回数検知手段と、
前記アクセス回数が所定回数以上のデータを、最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置へ移動させるデータ移動手段と、
前記データ移動手段によるデータの移動を所定期間禁止する禁止手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記データ移動手段は、前記アクセス回数が前記所定回数未満のデータを、前記最も余寿命が短い記憶装置からそれ以外の記憶装置へ移動させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記所定期間は、前記最も余寿命が短い記憶装置と二番目に余寿命が短い記憶装置との寿命差が所定値を超えない期間であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶装置外からのデータを前記記憶装置に書き込むデータ書込み手段と、
データの再利用の可能性を判定する再利用性判定手段とを備え、
前記データ書込み手段は、前記所定期間以外の期間において、再利用の可能性の高いデータを前記最も余寿命が短い記憶装置に書き込むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記データ書込み手段は、前記所定期間以外の期間において、再利用の可能性の低いデータを前記最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置に書き込むことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
データの重要性を判定する重要性判定手段を備え、
前記禁止手段は、前記所定期間以外の期間において、重要性の高いデータの前記最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置への移動を禁止することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記禁止手段は、前記所定期間以外の期間において、重要性の高いデータの前記最も余寿命が短い記憶装置への書き込みを禁止することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
データの重要性を判定する重要性判定手段を備え、
前記禁止手段は、前記所定期間以外の期間において、重要性の高いデータの前記最も余寿命が短い記憶装置への書き込みを禁止することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記データ書込み手段は、前記所定期間において、各記憶装置の空き容量が均等になるようにデータを書き込むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記記憶装置とは別途に、専用のデータを記憶する専用記憶装置を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
複数の記憶装置と、
各記憶装置の余寿命を検知する余寿命検知手段と、
それら記憶装置に記憶された各データへのアクセス回数を検知するアクセス回数検知手段と、
前記アクセス回数が所定回数以上のデータを、最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置へ移動させるデータ移動手段とを備えた画像形成装置において、
前記データ移動手段によるデータの移動を所定期間禁止することを特徴とする画像形成装置における記憶装置の制御方法。
【請求項1】
複数の記憶装置と、
各記憶装置の余寿命を検知する余寿命検知手段と、
それら記憶装置に記憶された各データへのアクセス回数を検知するアクセス回数検知手段と、
前記アクセス回数が所定回数以上のデータを、最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置へ移動させるデータ移動手段と、
前記データ移動手段によるデータの移動を所定期間禁止する禁止手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記データ移動手段は、前記アクセス回数が前記所定回数未満のデータを、前記最も余寿命が短い記憶装置からそれ以外の記憶装置へ移動させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記所定期間は、前記最も余寿命が短い記憶装置と二番目に余寿命が短い記憶装置との寿命差が所定値を超えない期間であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶装置外からのデータを前記記憶装置に書き込むデータ書込み手段と、
データの再利用の可能性を判定する再利用性判定手段とを備え、
前記データ書込み手段は、前記所定期間以外の期間において、再利用の可能性の高いデータを前記最も余寿命が短い記憶装置に書き込むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記データ書込み手段は、前記所定期間以外の期間において、再利用の可能性の低いデータを前記最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置に書き込むことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
データの重要性を判定する重要性判定手段を備え、
前記禁止手段は、前記所定期間以外の期間において、重要性の高いデータの前記最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置への移動を禁止することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記禁止手段は、前記所定期間以外の期間において、重要性の高いデータの前記最も余寿命が短い記憶装置への書き込みを禁止することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
データの重要性を判定する重要性判定手段を備え、
前記禁止手段は、前記所定期間以外の期間において、重要性の高いデータの前記最も余寿命が短い記憶装置への書き込みを禁止することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記データ書込み手段は、前記所定期間において、各記憶装置の空き容量が均等になるようにデータを書き込むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記記憶装置とは別途に、専用のデータを記憶する専用記憶装置を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
複数の記憶装置と、
各記憶装置の余寿命を検知する余寿命検知手段と、
それら記憶装置に記憶された各データへのアクセス回数を検知するアクセス回数検知手段と、
前記アクセス回数が所定回数以上のデータを、最も余寿命が短い記憶装置以外の記憶装置から前記最も余寿命が短い記憶装置へ移動させるデータ移動手段とを備えた画像形成装置において、
前記データ移動手段によるデータの移動を所定期間禁止することを特徴とする画像形成装置における記憶装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−180610(P2007−180610A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373492(P2005−373492)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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